JP7327687B2 - ロボット装置 - Google Patents

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Description

本開示は、関節を介して連結された2つのリンクと、液体の供給を受けて作動すると共に当該2つのリンクを相対的に回動させる少なくとも1つの人工筋肉とを含むロボット装置に関する。
従来、マッキベン型の人工筋肉(流体圧アクチュエータ)として、流体の圧力によって膨張および収縮する円筒状のチューブと、所定方向に配向されたコードを編み込んだ構造体であって当該チューブの外周面を覆うスリーブとを含むアクチュエータ本体部と、アクチュエータ本体部の軸方向において当該アクチュエータ本体部の端部を封止する封止機構とを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる人工筋肉によれば、チューブ内に流体を供給して当該チューブを径方向に膨張させると共に軸方向に収縮させて引張力を得ることができる。また、従来、両端部が栓体で閉じられたゴムチューブおよび当該ゴムチューブを覆う網体を含む2つのゴム人工筋を含む関節装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この関節装置は、2つのゴム人工筋に加えて、基台と、支持部材を介して基台により支持されたプーリと、プーリに固定されたアームと、プーリの回転中立に対して両側に位置するように基台に取り付けられると共にゴム人工筋の一端がそれぞれ連結される2つの係止ブラケットと、2つのゴム人工筋の他端に連結されると共にプーリに巻き掛けられるロープとを含む。
更に、従来、それぞれ弾性管状体および編組み構体を有する一対(2本)のニューマチック・アクチュエータ(人工筋肉)と、ブレーキ機構とを含むロボットアームが知られている(例えば、特許文献3参照)。このロボットアームにおいて、各ニューマチック・アクチュエータの一端には、揺動フレーム部材により回動自在に軸支されたプーリに巻き替えられるワイヤーが連結され、各ニューマチック・アクチュエータの他端は、揺動フレーム部材の固定部材にピン連結される。また、ブレーキ機構は、プーリと一体に回転するブレーキドラムと、レバーアームと、レバーアームと一体に回動する軸に偏心して取り付けられたブレーキカムと、レバーアームの一端に取り付けられたニューマチック・アクチュエータと同様の構成を有する弾性収縮体と、レバーアームの他端に取り付けられた引張りばねと含む。かかるブレーキ機構において、引張りばねの収縮力が弾性収縮体の収縮力に打ち勝つと、レバーアームに取り付けられたブレーキカムがブレーキシューをブレーキドラムに押し付ける。これにより、ブレーキドラムの回転が規制されることで、プーリの回転運動が規制される。また、弾性収縮体に圧縮空気を供給すると、当該弾性収縮体が膨径変形して軸線方向に収縮力を発生する。これにより、レバーアームが引張りばねの収縮力に抗して回動し、レバーアームに取り付けられたブレーキカムがブレーキシューから離隔することで、ブレーキドラムおよびプーリの回転が許容される。
特開2018-35930号公報 特開昭63-216691号公報 特公平06-053353号公報
上述のような人工筋肉を用いることで、関節を介して連結された2つのリンクを相対的に回動させることができる。ただし、人工筋肉のチューブ内の流体の圧力が低下すると、関節を拘束する力が失われてしまい、当該関節を介して連結された2つのリンクの動作が本来予定されていないものとなってしまう。このため、特許文献3に記載されたロボットアームには、プーリの回転を規制するブレーキ機構が設けられるが、同文献に記載されたブレーキ機構では、ブレーキシューからブレーキドラムに付与される摩擦力(制動力)が不足することがあり、ロボット装置の動作の安定性や信頼性が損なわれてしまうおそれがある。
そこで、本開示は、流体の供給を受けて作動すると共に関節を介して連結された2つのリンクを相対的に回動させる少なくとも1つの人工筋肉を含むロボット装置の動作の安定性や信頼性をより向上させることを主目的とする。
本開示のロボット装置は、関節を介して連結された2つのリンクと、流体の供給を受けて作動すると共に前記2つのリンクを相対的に回動させる少なくとも1つの人工筋肉と、前記人工筋肉に前記流体を供給する流体供給装置と、前記2つのリンクの一方に固定されるハブ部材、前記2つのリンクの他方に固定されるドラム部材、それぞれ前記ハブ部材および前記ドラム部材の対応する一方に嵌合される複数の摩擦係合プレート、および前記複数の摩擦係合プレートを押圧するピストンを含み、前記流体供給装置から前記流体の供給を受けて、前記2つのリンクの相対的な回動を許容するロック解除状態と、前記ピストンによって押圧された前記複数の摩擦係合プレート間で発生する摩擦力により前記2つのリンクの相対的な回動を規制するロック状態とを選択的に形成するロック機構とを含むものである。
本開示のロボット装置は、関節を介して連結された2つのリンクと、流体の供給を受けて作動すると共に当該2つのリンクを相対的に回動させる少なくとも1つの人工筋肉と、人工筋肉に流体を供給する流体供給装置と、当該流体供給装置から流体の供給を受けるロック機構とを含む。ロック機構は、2つのリンクの一方に固定されるハブ部材、2つのリンクの他方に固定されるドラム部材、それぞれハブ部材およびドラム部材の対応する一方に嵌合される複数の摩擦係合プレート、および複数の摩擦係合プレートを押圧するピストンを含む。そして、当該ロック機構は、流体供給装置から流体の供給を受けて、2つのリンクの相対的な回動を許容するロック解除状態と、ピストンによって押圧された複数の摩擦係合プレート間で発生する摩擦力により2つのリンクの相対的な回動を規制するロック状態とを選択的に形成する。これにより、ロック機構がロック解除状態を形成し、かつ人工筋肉による関節を拘束する力が失われたときに、流体供給装置からロック機構への流体の供給状態を変化させることで、ロック機構にロック状態を形成させて当該関節を介して連結された2つのリンクの相対的な回動を複数の摩擦係合プレート間で発生する摩擦力により極めて良好に規制することができる。この結果、流体の供給を受けて作動すると共に関節を介して連結された2つのリンクを相対的に回動させる少なくとも1つの人工筋肉を含むロボット装置の動作の安定性や信頼性をより向上させることが可能となる。
本開示のロボット装置を示す概略構成図である。 本開示のロボット装置を示す拡大図である。 本開示のロボット装置のロック機構を示す断面図である。 本開示のロボット装置の流体供給装置を示す概略構成図である。 目標圧力設定マップを例示する説明図である。 本開示のロボット装置における他のロック機構を示す断面図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示のロボット装置1を示す概略構成図であり、図2は、ロボット装置1を示す拡大図である。これらの図面に示すロボット装置1は、ロボットアーム(ロボット本体)2と、液体供給装置(流体供給装置)10と、装置全体を制御する制御装置100とを含む。ロボットアーム2は、複数(本実施形態では、3つ)の関節(ピン結合部)J1,J2,J3と、複数(本実施形態では、3つ)のアーム(リンク)3と、関節J1,J2,J3ごとに例えば偶数個(本実施形態では、4つ)ずつ設けられる人工筋肉としての複数の液圧アクチュエータ(流体アクチュエータ)Mと、先端側のアーム3の手先に取り付けられる把持部としてのハンド部(ロボットハンド)4とを含む多関節アームである。ハンド部4は、対象となる物体(以下、「把持対象」という。)を把持するように制御装置100により制御される。また、液体供給装置10は、制御装置100により制御されて各液圧アクチュエータMに液体としての作動油(作動流体)を給排する。これにより、ロボットアーム2を油圧(液圧)により駆動してハンド部4を所望の位置に移動させることができる。
ロボットアーム2の各液圧アクチュエータMは、図2に示すように、作動油の圧力によって膨張および収縮するチューブTと、当該チューブTを覆う編組スリーブSとを含む、いわゆるマッキベン型の人工筋肉である。チューブTは、高い耐油性をもった例えばゴム材等の弾性材により円筒状に形成されており、当該チューブTの両端部は、封止部材Cにより封止されている。チューブTの基端側(液体供給装置10側、図2中下端側)の封止部材Cには、作動油の出入口IOが形成されている。編組スリーブSは、所定方向に配向された複数のコードを互いに交差するように編み込むことにより円筒状に形成されており、軸方向および径方向に収縮可能である。編組スリーブSを形成するコードとしては、繊維コード、高強度繊維、極細のフィラメントによって構成される金属製コード等を採用することができる。かかる液圧アクチュエータMのチューブT内に上記出入口IOから作動油を供給してチューブT内の作動油の圧力を高めることで、チューブTは、編組スリーブSの作用により径方向に膨張すると共に軸方向に収縮する。
図1および図2に示すように、複数のアーム3のうち、最基端側(最も液体供給装置10側)のアーム3は、関節J1を介してリンクとしての支持部材5により回動自在に支持される。また、2つのアーム3同士が、関節J2またはJ3を介して互いに回動自在に連結される。更に、液体供給装置10側の2つのアーム3の先端部(手先側の端部)には、連結部材6が固定されている。図示するように、支持部材5は、最基端側の関節J1に対応した複数(4つ)の液圧アクチュエータMの基端側の封止部材Cを回動自在に支持する。また、各連結部材6は、基端側に位置する関節J1またはJ2に対応した複数(4つ)液圧アクチュエータMの先端側(手先側)の封止部材Cを回動自在に支持する。更に、各連結部材6は、先端側に位置する関節J2またはJ3に対応した複数(4つ)液圧アクチュエータMの基端側の封止部材Cを回動自在に支持する。
より詳細には、支持部材5は、関節J1に対応した2つの液圧アクチュエータMの基端側の封止部材Cを第1の連結軸を介して回動自在に支持する。また、最基端側のアーム3の連結部材6は、関節J1に対応した当該2つの液圧アクチュエータMの先端側の封止部材Cを第2の連結軸を介して回動自在に支持する。更に、支持部材5は、関節J1に対応した残り2つの液圧アクチュエータMの基端側の封止部材Cを上記第1の連結軸と平行に延びる第3の連結軸を介して回動自在に支持する。また、最基端側のアーム3の連結部材6は、関節J1に対応した当該残り2つの液圧アクチュエータMの先端側の封止部材Cを上記第2の連結軸と平行に延びる第4の連結軸を介して回動自在に支持する。同様に、関節J2またはJ3を介して互いに連結される2つのアーム3の連結部材6も、上述のような複数の連結軸を介して、当該関節J2またはJ3に対応した複数(4つ)の液圧アクチュエータMの対応する封止部材Cを回動自在に支持する。
これにより、関節J1-J3の関節軸から手先側(ハンド部4側)に延びる各アーム3の両側には、液圧アクチュエータMが本実施形態では2つずつ対応するアーム3と平行に配列される。そして、各アーム3の一側に配置される2つの液圧アクチュエータMは、1つの関節J1,J2またはJ3に対応した第1の人工筋肉(一方の拮抗筋)AM1(図3参照)を構成し、各アーム3の他側に配置される2つの液圧アクチュエータMは、当該第1の人工筋肉AM1と対をなす1つの関節J1,J2またはJ3に対応した第2の人工筋肉(他方の拮抗筋)AM2(図3参照)を構成する。ただし、第1および第2の人工筋肉AM1,AM2は、それぞれ単一の液圧アクチュエータMにより構成されてもよく、第1の人工筋肉AM1を構成する液圧アクチュエータMの数と、第2の人工筋肉AM2を構成する液圧アクチュエータMの数とが異なっていてもよい。また、本実施形態において、1つの関節J1,J2またはJ3に対して設けられる複数(4つ)の液圧アクチュエータMは、互いに同一の諸元を有する。ただし、1つの関節J1,J2またはJ3に対応した複数の液圧アクチュエータMの諸元は、必ずしも同一である必要はなく、例えば、第1の人工筋肉AM1を構成する液圧アクチュエータMの諸元と、第2の人工筋肉AM2を構成する液圧アクチュエータMの諸元とが異なっていてもよい。更に、各アーム3は、中空に形成されており、各アーム3の内部には、液体供給管としての複数のホースH(図2における破線参照)が配置される。各ホースHは、対応する液圧アクチュエータMの基端側の封止部材Cに形成された出入口IOに接続され、各液圧アクチュエータMのチューブT内には、ホースHを介して液体供給装置10からの作動油(油圧)が供給される。
従って、制御装置100により液体供給装置10を制御することで、第1の人工筋肉AM1を構成する2つの液圧アクチュエータMのチューブT内の油圧と、第1の人工筋肉AM1と対をなす第2の人工筋肉AM2を構成する2つの液圧アクチュエータMのチューブT内の油圧とを互いに異ならせることができる。これにより、4つの液圧アクチュエータMすなわち対をなす(一組の)第1および第2の人工筋肉AM1,AM2から連結部材6を介して各アーム3に力(回転トルク)を伝達し、支持部材5または基端側のアーム3に対して各アーム3を回動させて関節J1-J3の関節角度を変化させることが可能となる。本実施形態において、第1の人工筋肉AM1を構成する2つの液圧アクチュエータMと、第1の人工筋肉AM1と対をなす第2の人工筋肉AM2を構成する2つの液圧アクチュエータMとは、チューブTが所定量(例えば、自然長の10%程度)だけ軸方向に収縮した状態を初期状態として液体供給装置10からの油圧により拮抗駆動される。
また、ロボット装置1の関節J1は、図3に示すように、関節軸Axと、支持部材5の軸受保持部5aにより保持されると共に関節軸Axを回転自在に支持する軸受Brとを含む。関節軸Axの一端(図3における右端)は、関節J1に対応したアーム3(2つのリンクの一方)にスプライン嵌合部を介して固定(連結)される。また、関節軸Axの他端(図3における左端)は、支持部材5(2つのリンクの他方)により保持された軸受Brのインナーレースからアーム3とは反対側に突出する。同様に、他の関節J2,J3も、対応する2つのアーム3の一方に固定される図示しない関節軸と、対応する2つのアーム3の他方により保持されると共に当該関節軸を回転自在に支持する図示しない軸受とを含む。
更に、ロボット装置1は、図1に示すように、ロボットアーム2に設けられた複数の関節角度センサ7と、関節J1,J2,J3ごとに設けられた複数のロック機構8とを含む。複数の関節角度センサ7は、それぞれ対応する関節J1,J2またはJ3の関節角度θ1,θ2またはθ3を検出する。また、各ロック機構8は、それぞれ液体供給装置10から作動油の供給を受けると共に、液体供給装置10による作動油の供給状態に応じて、対応する関節J1,J2またはJ3を介して連結される2つのアーム3等の相対的な回動を規制または許容するものである。
本実施形態において、複数のロック機構8は、共通の構造を有する、いわゆる多板クラッチ機構である。ここでは、図3を参照しながら、最も基端側の関節J1に対応したロック機構8を例にとって当該ロック機構8の構成について説明する。図3に示すように、ロック機構8は、ハブ部材81と、ドラム部材82と、複数の摩擦プレート(第1の摩擦係合プレート)83と、複数のセパレータプレート84(第2の摩擦係合プレート)およびバッキングプレートと、ピストン85と、複数のスプリング(付勢部材)88とを含む。
ロック機構8のハブ部材81は、略円筒状の内筒部811、環状壁部812および略円筒状の外筒部813を有するハブ本体810と、当該ハブ本体810に連結される環状の連結ピース815とを含む。ハブ本体810の内筒部811は、一端が開放された有底筒状に形成されており、環状壁部812は、内筒部811の閉鎖端部から径方向外側に延在する。外筒部813は、環状壁部812の外周部から軸方向における両側に突出するように形成されている。また、外筒部813の外周面には、スプラインが形成されており、当該スプラインには、複数の摩擦プレート83(およびバッキングプレート)の内周部が嵌合される。各摩擦プレート83は、環状の板体と当該板体の両面に貼着された摩擦材とを含むものである。
また、ハブ部材81の連結ピース815は、ハブ本体810の外筒部813の一方の端部(図3における右側の端部)内にスプライン嵌合され、スナップリングを用いて当該ハブ本体810に固定される。更に、連結ピース815の中心孔部内には、軸受Brのインナーレースから突出する関節軸Axの他端がスプライン嵌合される。これにより、ハブ部材81は、アーム3の回動に伴って軸心周りに回転する関節軸Axと一体に回転するように当該関節軸Ax(および2つのリンクの一方である当該アーム3)に固定(連結)される。
ロック機構8のドラム部材82は、略円筒状のドラム本体820と、当該ドラム本体820に固定されるカバー825とを含む。ドラム部材82のドラム本体820の内周面には、スプラインが形成されており、当該スプラインには、複数の摩擦プレート83と交互に並ぶように複数のセパレータプレート84の外周部が嵌合される。各セパレータプレート84は、両面が平滑に形成された環状の板体である。また、ドラム本体820の一端には、径方向外側に延びる環状のフランジ部821が形成されており、当該フランジ部821は、複数のボルトを介して関節J1の支持部材5に固定される。これにより、ドラム部材82は、2つのリンクの他方である支持部材5に固定される。
ドラム部材82のカバー825は、略円筒状の筒状部826と、当該筒状部826の一端(図3における左端)から径方向内側に延出された環状壁部827とを含む。カバー825の筒状部826内には、ドラム本体820が嵌合され、筒状部826の内周面とドラム本体820との間には、Oリング等のシール部材が配置される。また、筒状部826は、開放端から周方向に間隔をおいて径方向外側に延出された複数の固定部を有し、各固定部は、ボルトを介してドラム本体820のフランジ部821に固定される。更に、カバー825の環状壁部827の内周部は、ハブ部材81のハブ本体810の内筒部811を回転自在に支持し、環状壁部827の内周部と内筒部811との間には、Oリング等のシール部材が配置される。これにより、ドラム部材82すなわちドラム本体820およびカバー825は、ハブ部材81を外側から液密に包囲する。
ロック機構8のピストン85は、環状の受圧部851と、当該受圧部851の外周部から軸方向に延出された環状のプレート押圧部852と、プレート押圧部852の径方向内側で受圧部851からプレート押圧部852と同方向に突出する環状の突出部853とを含む。ピストン85の受圧部851は、プレート押圧部852が最もピストン85側に配置されたセパレータプレート84に当接するように、ハブ部材81のハブ本体810の内筒部811により軸方向に摺動自在(移動自在)に支持される。
また、受圧部851の内周部と内筒部811との間には、Oリング等のシール部材が配置される。更に、ピストン85の突出部853は、ハブ本体810の外筒部813の他方の端部(図3における左側の端部)内に摺動自在に嵌合され、突出部853と外筒部813の内周面との間には、Oリング等のシール部材が配置される。これにより、ハブ部材81すなわちハブ本体810の内筒部811および環状壁部812と、ピストン85の受圧部851および突出部853とにより、ロック機構8の解放液圧室(解放流体圧室)86が画成(形成)される。解放液圧室86は、ハブ本体810の内筒部811に形成された複数の通油孔811hを介して、液体供給装置10からの作動油すなわち油圧が供給される内筒部811の内部空間に連通する。
ロック機構8の複数のスプリング88は、本実施形態では、何れもコイルスプリングであり、ドラム部材82のカバー825の環状壁部827とピストン85の背面との間に周方向に間隔をおいて配列される。複数のスプリング88は、ピストン85をカバー825の環状壁部827から離間するように押圧(付勢)する。これにより、ロック機構8は、解放液圧室86における油圧の作用によりピストン85に加えられる推力が複数のスプリング88による付勢力以下であるときに、ロック状態(図3における上側半分の状態)を形成する。かかるロック状態では、ピストン85が複数のスプリング88により押圧されてハブ部材81側(図3における右側)に移動し、複数の摩擦プレート83およびセパレータプレート84がピストン85のプレート押圧部852により押圧されて摩擦係合する。この結果、複数の摩擦プレート83およびセパレータプレート84を介してハブ部材81すなわちアーム3とドラム部材82すなわち支持部材5とが一体に連結され、2つのリンクとしてのアーム3および支持部材5の相対的な回動が規制される。
また、ロック機構8は、解放液圧室86における油圧の作用によりピストン85に加えられる推力が複数のスプリング88による付勢力よりも大きいときに、ロック解除状態(図3における下側半分の状態)を形成する。かかるロック解除状態では、ピストン85が解放液圧室86内の油圧の作用により複数のスプリング88の付勢力に抗してカバー825の環状壁部827側(図3における左側)に移動し、それにより複数の摩擦プレート83およびセパレータプレート84の摩擦係合が解除される。この結果、複数の摩擦プレート83およびセパレータプレート84を介したハブ部材81すなわちアーム3とドラム部材82すなわち支持部材5との連結が解除され、2つのリンクとしてのアーム3および支持部材5の相対的な回動が許容される。なお、複数のスプリング88による付勢力は、元圧生成バルブ14により調圧される油路L0における最低油圧の作用によりピストン85に加えられる推力よりも低くなるように定められる。また、1つまたは複数の皿ばねやゴム等の弾性体が複数のスプリング88の代わりに付勢部材として用いられてもよい。
上述の液圧アクチュエータMやロック機構8に作動油を供給する液体供給装置10は、図1に示すように、作動油貯留部(液体貯留部)を画成するタンク11と、当該タンク11を上下方向に延びる回動軸(図1における一点鎖線参照)の周りに回動自在に支持するベース部12とを含む。タンク11は、例えば上端および下端が閉鎖された筒体であり、内部に作動油を貯留可能なものである。本実施形態において、ロボットアーム2の支持部材5は、図2に示すように、タンク11の上壁部11uに図示しないボルト等を介して固定される。すなわち、ロボットアーム2は、液体供給装置10のタンク11(上壁部11u)により支持される。
ベース部12は、ロボットアーム2およびタンク11の下方に位置するようにロボット装置1の設置箇所に固定されるか、あるいは図示しない無人搬送車(AGVあるいはAMR)に搭載(固定)される。また、ベース部12は、タンク11を上記回動軸の周りに回動させる図示しない回動ユニットを支持している。これにより、回動ユニットを作動させることで、ロボットアーム2およびタンク11を当該回動軸の周りに一体に回動させることが可能となる。回動ユニットは、液体供給装置10から供給される油圧により駆動される揺動モータであってもよく、電動モータ等を含むものであってもよい。
更に、液体供給装置10は、図4に示すように、タンク11およびベース部12に加えて、液体供給源としてのポンプ13と、タンク11内に配置される図示しないバルブボディと、元圧生成バルブ14と、それぞれ複数の調圧弁(流体圧調整装置)としての第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152と、それぞれ複数の供給遮断部としての第1および第2供給遮断弁161,162と、信号圧出力バルブとしての複数のオンオフソレノイドバルブ17と、複数の切替バルブ18とを含む。ポンプ13、第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152並びに第1および第2供給遮断弁161,162は、何れも制御装置100により制御される。第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152と、第1および第2供給遮断弁161,162と、オンオフソレノイドバルブ17と、切替バルブ18とは、関節J1,J2,J3ごとにそれぞれ1つずつ設けられる。
ポンプ13は、例えば電動ポンプであり、タンク11内に貯留された作動油を吸引して吐出口から吐出する。ポンプ13は、タンク11内に配置されるポンプ部と、電動モータおよび減速ギヤ機構とを有すると共にタンク11内またはタンク11外に配置される駆動部とを含む。元圧生成バルブ14は、図示しない信号圧生成バルブからの信号圧に応じてポンプ13から吐出される作動油の一部をドレン(調圧)して元圧を生成し、元圧をバルブボディに形成された油路(液体通路)L0に供給する。元圧生成バルブ14の信号圧生成バルブとしては、例えば、制御装置100による通電制御されるリニアソレノイドバルブが用いられる。
第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152は、制御装置100により通電制御される電磁部15eやスプール15s、スプール15sを電磁部15e側(図4中上側)に付勢するスプリングSP等を含み、バルブボディ内に配置される。また、第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152は、バルブボディの油路L0に連通する入力ポート15iと、入力ポート15iと連通可能な出力ポート15oと、出力ポート15oに連通するフィードバックポート15fと、出力ポート15oと連通可能なドレンポート15dとを含む。
本実施形態において、第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152は、電磁部15eに電流が供給される際に開弁する常閉弁であり、各電磁部15eは、印加される電流に応じてスプール15sを軸方向に移動させる。これにより、電磁部15e(コイル)への給電により当該電磁部15eからスプール15sに付与される推力と、スプリングSPの付勢力と、出力ポート15oからフィードバックポート15fに供給された油圧によりスプール15sに作用する電磁部15e側への推力とをバランスさせることで、元圧生成バルブ14(ポンプ13)側から入力ポート15iに供給されて出力ポート15oから流出する作動油を所望の圧力に調圧することができる。また、第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152のドレンポート15dは、図3に示すように、それぞれ油路L3を介してタンク11内の作動油貯留部に連通する。
第1および第2供給遮断弁161,162は、互いに同一の構造を有する電磁式スプール弁(電磁弁)であり、図4に示すように、入力ポート16i、第1および第2出力ポート16oa,16obを有するスリーブと、当該スリーブの内部に軸方向に摺動自在(移動自在)に配置される図示しないスプールと、制御装置100により通電制御されてスプールを移動させる電磁部16eと、スプールを電磁部16e側に付勢する図示しないスプリングとをそれぞれ含む。第1供給遮断弁161の入力ポート16iは、バルブボディに形成された油路を介して第1リニアソレノイドバルブ151の出力ポート15oに接続され、第2供給遮断弁162の入力ポート16iは、バルブボディに形成された油路を介して第2リニアソレノイドバルブ152の出力ポート15oに接続される。
また、第1供給遮断弁161の第1出力ポート16oaは、油路L11を介して対応する上記第1の人工筋肉AM1を構成する一方の液圧アクチュエータM(チューブT)の作動油の出入口IOに接続される。更に、第1供給遮断弁161の第2出力ポート16obは、油路L12を介して当該第1の人工筋肉AM1を構成する他方の液圧アクチュエータM(チューブT)の作動油の出入口IOに接続される。また、第2供給遮断弁162の第1出力ポート16oaは、油路L21を介して対応する上記第2の人工筋肉AM2を構成する一方の液圧アクチュエータM(チューブT)の作動油の出入口IOに接続される。更に、第2供給遮断弁162の第2出力ポート16obは、油路L22を介して当該第2の人工筋肉AM2を構成する他方の液圧アクチュエータM(チューブT)の作動油の出入口IOに接続される。
本実施形態において、第1および第2供給遮断弁161,162は、電磁部16eに供給される電流に応じて、完全連通状態、第1部分連通状態、第2部分連通状態および完全遮断状態を選択的に形成する。第1および第2供給遮断弁161,162が完全連通状態を形成した際には、入力ポート16iと第1および第2出力ポート16oa,16obの双方とが連通する。第1および第2供給遮断弁161,162が第1部分連通状態を形成した際には、入力ポート16iと第2出力ポート16obとが連通すると共に入力ポート16iと第1出力ポート16oaとの連通が遮断される。第1および第2供給遮断弁161,162が第2部分連通状態を形成した際には、入力ポート16iと第1出力ポート16oaとが連通すると共に入力ポート16iと第2出力ポート16obとの連通が遮断される。第1および第2供給遮断弁161,162が完全遮断状態を形成した際には、入力ポート16iと第1および第2出力ポート16oa,16obとの連通が遮断される。
オンオフソレノイドバルブ17は、制御装置100により通電制御される電磁部17eと、上記油路L0に連通する入力ポートと、出力ポートとをそれぞれ含む。オンオフソレノイドバルブ17は、電磁部17eへの通電に応じて入力ポートに供給されるポンプ13側(元圧生成バルブ14)からの作動油を出力ポートに流出させることにより信号圧を出力する。
切替バルブ18は、図示しないスプールおよびスプリングを含むスプールバルブであり、バルブボディ内に配置される。切替バルブ18は、油路L0に連通する入力ポート18iと、バルブボディに形成された油路や図示しないホース、プラグ等を介して対応するロック機構8のハブ部材81の内筒部811に接続される出力ポート18oと、油路L3を介してタンク11内の作動油貯留部に連通するドレンポート18dと、バルブボディに形成された油路を介して対応するオンオフソレノイドバルブ17の出力ポートに連通する信号圧入力ポート18cとを含む。
切替バルブ18(スプール)は、信号圧入力ポート18cに対応するオンオフソレノイドバルブ17から信号圧が供給されていないときに、スプリングの付勢力により入力ポート18iと出力ポート18oとの連通を遮断すると共に出力ポート18oとドレンポート18dとを連通させる液体排出状態(流体排出状態、図4中破線参照)を形成する。また、切替バルブ18(スプール)は、電磁部17eへの通電により対応するオンオフソレノイドバルブ17から信号圧が信号圧入力ポート18cに供給されるときに、スプリングの付勢力に抗して入力ポート18iと出力ポート18oとを連通させると共に出力ポート18oとドレンポート18dとの連通を遮断する液体供給状態(流体供給状態、図4中実線参照)を形成する。
ロボット装置1の制御装置100は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイクロコンピュータや各種ロジックIC等(何れも図示省略)を含む。制御装置100は、第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152の上流側で油路L0における作動油の圧力を検出する図示しない元圧センサ、第1、第2リニアソレノイドバルブ151,152、第1、第2供給遮断弁161,162およびオンオフソレノイドバルブ17の電源の電圧を検出する図示しない電圧センサの検出値等を入力する。制御装置100は、元圧センサにより検出される油路L0における油圧が目標値になるように、ポンプ13をデューティ制御すると共に、元圧生成バルブ14の信号圧生成バルブの電磁部に供給される電流を制御する。
また、制御装置100は、各第1リニアソレノイドバルブ151の電磁部15e、各第2リニアソレノイドバルブ152の電磁部15e、各第1供給遮断弁161の電磁部16e、各第2供給遮断弁162の電磁部16e、および各オンオフソレノイドバルブ17の電磁部17eに供給される電流を制御する。更に、制御装置100は、第1リニアソレノイドバルブ151の電磁部15eを流れる電流を検出する電流検出部と、第2リニアソレノイドバルブ152の電磁部15eを流れる電流を検出する電流検出部とを含み(何れも図示省略)、各電流検出部により検出される電流を監視する。
加えて、制御装置100は、各液圧アクチュエータMにおける油圧を検出する図示しない圧力センサからの検出値に応じて、第1部分連通状態または第2部分連通状態を形成するように第1および第2供給遮断弁161,162の該当するものを制御する。これにより、破損等により第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152の何れかに対応した2つの液圧アクチュエータMの一方から作動油が流出した場合に、当該2つの液圧アクチュエータMの他方に継続して作動油を供給してロボットアーム2の挙動の乱れを抑えつつ、破損した液圧アクチュエータMからの作動油の更なる流出を良好に抑制することが可能となる。更に、制御装置100により完全遮断状態を形成するように第1および第2供給遮断弁161,162の該当するものを制御することで、第1または第2リニアソレノイドバルブ151,152からそれに対応した2つの液圧アクチュエータMへの作動油の供給を遮断したり、当該2つの液圧アクチュエータMからの作動油の流出を規制してロボットアーム2の意図しない動作の発生を抑制したりすることができる。
続いて、上述のロボット装置1の動作について説明する。ロボット装置1のハンド部4を把持対象まで移動させ、当該把持対象をハンド部4に把持させて移送させる際、制御装置100は、油路L0における油圧が予め定められた値になるように、ポンプ13をデューティ制御すると共に、元圧生成バルブ14(信号圧生成バルブ)を制御する。更に、制御装置100は、第1および第2供給遮断弁161,162が上述の完全連通状態を形成するように各電磁部16eに供給される電流を制御する。これにより、油路L0からの作動油を第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152により調圧して各液圧アクチュエータMに供給することが可能となる。
また、制御装置100は、対応する切替バルブ18への信号圧を出力するように各オンオフソレノイドバルブ17の電磁部17eへの電流を制御する。各切替バルブ18は、対応するオンオフソレノイドバルブ17からの信号圧により上述の液体供給状態を形成し、油路L0からの作動油すなわち油圧が各ロック機構8の解放液圧室86に供給される。これにより、解放液圧室86における油圧の作用によりピストン85に加えられる推力が複数のスプリング88による付勢力よりも大きくなるので、ピストン85が解放液圧室86内の油圧の作用により複数のスプリング88の付勢力に抗してカバー825の環状壁部827側に移動し、各ロック機構8は、上述のロック解除状態を形成する。この結果、複数の摩擦プレート83およびセパレータプレート84を介したハブ部材81すなわちアーム3とドラム部材82すなわち支持部材5との連結が解除され、関節J1-J3を介して連結される2つのリンクとしてのアーム3等の相対的な回動が許容される。
更に、制御装置100は、第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152から各液圧アクチュエータMに要求に応じた油圧が供給されるように第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152への電流指令値を設定し、当該電流指令値に基づいて各電磁部15eに供給される電流を制御する。より詳細には、制御装置100は、ロボットアーム2の作動開始に先立って(ハンド部4の移動開始前に)、ハンド部4の把持対象の位置や、ユーザにより与えられるハンド部4の移動中の目標速度および目標加速度に基づいて、当該ハンド部4の最終的な目標位置である目標到達位置(3次元座標)と、ハンド部4の初期位置から目標到達位置までの軌道であって複数の目標位置すなわち経由位置(3次元座標)を含む目標軌道とを設定する。また、制御装置100は、複数の関節角度センサ7の対応する何れかにより検出される関節J1-J3の関節角度θ1,θ2,θ3とロボットアーム2(ロボット装置1)の諸元(アーム3の寸法等)とに基づいて、ハンド部4(予め定められた基準点)の現在位置(3次元座標)を導出する。以下、“i”を関節の番号として(ただし、本実施形態において、i=1,2,3である。)、i番目の関節を“関節Ji”といい、関節Jiの関節角度を“θi”という。
また、制御装置100は、関節J1-J3ごとに、関節Jiを介して連結される2つのアーム3(アーム3および支持部材5)を相対的に回動させるための関節トルクTj(i)の目標値(目標駆動力)である目標トルクTtag(i)を設定する。目標トルクTtag(i)は、ハンド部4が現在位置から目標位置まで移動するように関節Jiを介して連結された2つのアーム3等を相対的に回動させる関節トルクTj(i)と、ロボットアーム2の姿勢を維持するのに必要な重力補償トルクTc(i)との和として導出される。また、制御装置100は、少なくともロボット装置1すなわちハンド部4の目標位置に基づいて、関節J1-J3ごとに、関節Jiがもつべき剛性、すなわち関節Jiを介して連結される2つのアーム3等(リンク)を単位角度だけ相対的に回動させるのに必要な力(トルク)であって、当該2つのアーム3等を相対的に回動させようとする外力に対する関節Jiの動きにくさを示す目標剛性R(i)を設定する。
次いで、制御装置100は、関節J1-J3ごとに、ハンド部4の現在位置に応じた関節Jiの関節角度θiに基づいて、当該関節Jiに対応した上記第1の人工筋肉AM1を構成する2つの液圧アクチュエータMの収縮率Cr1(i)と、関節Jiに対応した上記第2の人工筋肉AM2を構成する2つの液圧アクチュエータMの収縮率Cr2(i)とを設定する。収縮率Cr1(i),Cr2(i)は、それぞれ該当する液圧アクチュエータMのチューブTの軸方向における自然長に対する収縮したチューブTの軸長の割合を示し、収縮率=(1-収縮時のチューブTの軸長/チューブTの自然長)×100として算出される。加えて、制御装置100は、関節J1-J3ごとに、目標トルクTtag(i)と目標剛性R(i)とに基づいて、関節Jiを介して連結された2つのアーム3等を目標トルクTtag(i)で相対的に回動させる際に当該関節Jiに対応した複数(一対)の液圧アクチュエータMに要求される収縮力Fc1(i),Fc2(i)を算出する。収縮力Fc1(i)は、各関節Jiに対応した第1の人工筋肉AM1を構成する2つの液圧アクチュエータMのチューブTの収縮により発生させるべき力であり、収縮力Fc2(i)は、各関節Jiに対応した第2の人工筋肉AM2を構成する2つの液圧アクチュエータMのチューブTの収縮により発生させるべき力である。
収縮率Cr1(i),Cr2(i)および収縮力Fc1(i),Fc2(i)を算出した後、制御装置100は、図5に例示する目標圧力設定マップから収縮率Cr1(i)と収縮力Fc1(i)とに対応した圧力を適宜線形補間を行いながら導出して上記第1の人工筋肉AM1を構成する2つの液圧アクチュエータMの目標圧力Ptag1(i)に設定する。更に、制御装置100は、当該目標圧力設定マップから収縮率Cr2(i)と収縮力Fc2(i)とに対応した圧力を導出して上記第2の人工筋肉AM2を構成する2つの液圧アクチュエータMの目標圧力Ptag2(i)に設定する。図5の目標圧力設定マップは、人工筋肉としての液圧アクチュエータMの静特性を示すものであり、液圧アクチュエータMに供給される油圧ごとに、チューブTの収縮率と当該チューブTが発生する収縮力との関係を規定するように予め実験・解析を経て作成されたものである。このように、チューブTの収縮率Cr1(i),Cr2(i)および収縮力Fc1(i),Fc2(i)に対応した圧力を目標圧力Ptag1(i),Ptag2(i)に設定することで、ロボットアーム2への要求に応じて目標圧力Ptag1(i),Ptag2(i)を精度よく設定することが可能となる。
そして、制御装置100は、設定した目標圧力Ptag1(i)およびPtag2(i)を第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152の電磁部15eへの電流指令値(目標電流)に直接変換し、当該電流指令値に基づいて第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152を制御(PWM制御)する。これにより、第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152から目標圧力Ptag1(i)またはPtag2(i)に応じた油圧が各液圧アクチュエータMのチューブTに供給され、人工筋肉としての各液圧アクチュエータMに供給される油圧を検出するセンサを用いることなく、各液圧アクチュエータMを要求に対して応答性よく高精度に作動させることが可能となる。この結果、複数の液圧アクチュエータMにより各アーム3を回動させてロボット装置1のハンド部4を所望の位置に移動させることができる。
一方、ロボット装置1の作動中に液体供給装置10の電源の失陥が発生した際には、各電磁部15eへの電力供給が断たれることで、各第1リニアソレノイドバルブ151および各第2リニアソレノイドバルブ152から各液圧アクチュエータMに作動油(油圧)が供給されなくなり、複数の液圧アクチュエータMによる関節J1-J3を拘束する力が失われる。ただし、この際、各電磁部17eへの電力供給も断たれることから、各オンオフソレノイドバルブ17から信号圧が出力されなくなり、それに応じて各切替バルブ18は、上述の液体排出状態を形成する。これにより、各ロック機構8の解放液圧室86内の作動油を切替バルブ18および油路L3を介してタンク11内の作動油貯留部内へと速やかに流出させることができる。
各ロック機構8の解放液圧室86内の作動油がタンク11内へと流出すると、ピストン85が複数のスプリング88により押圧されてハブ部材81側(図3における右側)に移動し、複数の摩擦プレート83およびセパレータプレート84がピストン85のプレート押圧部852により押圧されて摩擦係合する。この結果、ピストン85によって押圧された複数の摩擦プレート83およびセパレータプレート84の間で発生する摩擦力によりハブ部材81すなわちアーム3とドラム部材82すなわち支持部材5(またはアーム3)とが一体かつ強固に連結され、2つのリンクとしてのアーム3および支持部材5等の相対的な回動が規制される。この結果、電源(液体供給装置10)の失陥により各液圧アクチュエータMによる関節J1-J3を拘束する力が失われても、各ロック機構8により2つのアーム3等の相対的な回動を速やかに規制することが可能となる。
以上説明したように、ロボット装置1は、関節J1-J3を介して連結された2つのリンクとしてのアーム3および支持部材5等と、作動油(液体)の供給を受けて2つのアーム3等を相対的に回動させる複数の液圧アクチュエータMと、各液圧アクチュエータMに作動油を供給する液体供給装置10と、当該液体供給装置10から作動油(油圧)の供給を受けるロック機構8とを含む。ロック機構8は、2つのリンクとしてのアーム3等の一方に固定されるハブ部材81、他方に固定されるドラム部材82、それぞれハブ部材81およびドラム部材82の対応する一方に嵌合される複数の摩擦プレート83および複数のセパレータプレート84、並びに摩擦プレート83およびセパレータプレート84を押圧するピストン85を含む。そして、当該ロック機構8は、液体供給装置10からの作動油の供給を受けて、2つのアーム3等の相対的な回動を許容するロック解除状態と、ピストン85によって押圧されたそれぞれ複数の摩擦プレート83およびセパレータプレート84間で発生する摩擦力により2つのアーム3等の相対的な回動を規制するロック状態とを選択的に形成する。
これにより、ロック機構8がロック解除状態を形成し、かつ液圧アクチュエータMによる関節J1等を拘束する力が失われたときに、液体供給装置10からロック機構8への作動油の供給状態を変化させることで、ロック機構8にロック状態を形成させて関節J1-J3を介して連結された2つのアーム3等の相対的な回動をそれぞれ複数の摩擦プレート83およびセパレータプレート84間で発生する摩擦力により極めて良好に規制することができる。この結果、作動油の供給を受けて作動すると共に関節J1-J3を介して連結された2つのアーム3等を相対的に回動させる複数の液圧アクチュエータMを含むロボット装置1の動作の安定性や信頼性をより向上させることが可能となる。
また、上記実施形態において、各ロック機構8は、ピストン85を押圧してロック状態を形成する付勢部材としての複数のスプリング88を含むと共に、液体供給装置10から解放液圧室86に供給される作動油の圧力に応じて当該複数のスプリング88の付勢力に抗してピストン85を移動させてロック解除状態を形成する。すなわち、ロボット装置1において、液体供給装置10(電源やポンプ13)の失陥により各液圧アクチュエータMに作動油が供給されなくなったときには、液体供給装置10から各ロック機構8の解放液圧室86における作動油の圧力も低下し、各ロック機構8は、複数のスプリング88の付勢力によりロック状態を形成する。これにより、液体供給装置10の失陥により複数の液圧アクチュエータMによる関節J1-J3を拘束する力が失われた際に、各ロック機構8により2つのアーム3等の相対的な回動を速やかに規制することが可能となる。
更に、ロボット装置1のロック機構8において、ピストン85は、液体供給装置10から作動油が供給される解放液圧室86をハブ部材81と共に画成する。これにより、液体供給装置10から解放液圧室86に作動油を供給して複数のスプリング88の付勢力に抗してピストン85を移動させてロック解除状態を形成すると共に、解放液圧室86における作動油の圧力を低下させて複数のスプリング88の付勢力によりピストン85を移動させてハブ部材81およびドラム部材82を連結し、それにより2つのアーム3等相対的な回動を規制することが可能となる。なお、ロック機構8は、必ずしも上述のような多板クラッチ機構として構成される必要はなく、1枚の摩擦材のみを含む、いわゆる単板クラッチ機構として構成されてもよい。これにより、ロック機構8のコンパクト化および軽量化を図ることができる。
また、ロボット装置1の関節J1-J3は、関節軸Axと、当該関節軸Axを回転自在に支持する軸受Brとをそれぞれ含む。更に、2つのアーム3等の一方は、関節軸Axの一端に固定され、ロック機構8のハブ部材81は、当該関節軸Axの他端に固定される。また、軸受Brは、2つのアーム3等の一方とハブ部材81との間で当該2つのアーム3等の他方により保持される。更に、ロック機構8のドラム部材82は、ハブ部材81を包囲するように2つのアーム3等の他方に固定される。また、ロック機構8のピストン85は、ハブ部材81により軸方向に移動自在に支持される。これにより、ロック機構8の設置スペースの増加を抑制しつつ、当該ロック機構8により2つのアーム3等を強固にロックすることが可能となる。
更に、液体供給装置10は、作動油を圧送するポンプ13と、電磁部17eへの通電に応じて入力ポートに供給されるポンプ13側からの作動油を出力ポートに流出させることにより信号圧を出力するオンオフソレノイドバルブ(信号圧出力バルブ)17と、切替バルブ18とを含む。また、切替バルブ18は、オンオフソレノイドバルブ17から信号圧が供給されていないときにロック機構8の解放液圧室86から作動油を排出させる液体排出状態を形成する。更に、切替バルブ18は、オンオフソレノイドバルブ17から信号圧が供給されているときに解放液圧室86に対するポンプ13側からの作動油の供給を許容する液体供給状態を形成する。これにより、電源が失陥した際に、速やかにオンオフソレノイドバルブ17からの信号圧の出力を停止させて、切替バルブ18を介してロック機構8の解放液圧室86から作動油を排出させることが可能となる。
ただし、液体供給装置10において、少なくとも1組のオンオフソレノイドバルブ17および切替バルブ18が、単一の電磁式スプールバルブ(電磁式切替バルブ)で置き換えられてもよい。かかる電磁式スプールバルブとしては、バルブボディ内に配置されるスリーブと、制御装置100により通電制御される電磁部と、スプールと、当該スプールを電磁部側に付勢するスプリングと、油路LLに連通する入力ポートと、各ロック機構8のハブ部材81の内筒部811に接続される出力ポートと、油路LDを介してタンク11内の作動油貯留部に連通するドレンポートとを含むものを用いることができる。そして、当該電磁式スプールバルブは、電磁部に電流が供給されていない非通電時に、スプールがスプリングの付勢力により入力ポートと出力ポートとの連通を遮断すると共に出力ポートとドレンポートとを連通させる流体排出状態を形成し、電磁部に電流が供給される通電時に、スプールが電磁部からの推力によりスプリングの付勢力に抗して入力ポートと出力ポートとを連通させる流体供給状態を形成するものであるとよい。
図6は、ロボット装置1の関節J1-J3に適用可能な他のロック機構8Bを示す断面図である。なお、ロック機構8Bの構成要素のうち、上述のロック機構8と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。同図に示すように、ロック機構8Bでは、ハブ部材81の内筒部811の端部(図6における左側の端部)に環状部材87がスプラインを介して固定される。更に、環状部材87と、内筒部811により支持されるピストン85の背面との間には、付勢部材としての皿ばね89が配置される。かかるロック機構8Bによっても、関節J1-J3を介して連結される2つのリンクとしてのアーム3等の相対的な回動を許容すると共に、電源失陥等に応じて2つのアーム3等の相対的な回動を速やかに規制することが可能となる。また、ピストン85および皿ばね89の双方がハブ部材81により支持されて当該ハブ材81と一体に回転可能となることから、ロック機構8Bを安定かつスムースに作動させることが可能となる。
なお、上記ロボット装置1において、各関節Jiの目標剛性R(i)は、少なくともロボット装置1すなわちハンド部4の現在位置に基づいて設定されてもよく、収縮率Cr1(i),Cr2(i)は、ロボット装置1のハンド部4の目標位置に応じた各関節Jiの目標角度に基づいて設定されてもよい。また、少なくともロボット装置1のハンド部4の目標位置または現在位置に基づいて関節Jiに対応した上記第1および第2の人工筋肉AM1,AM2の一方を構成する2つの液圧アクチュエータMに発生させる第1収縮力が設定されてもよく、目標トルクTtag(i)と当該第1収縮力とに基づいて当該第1および第2の人工筋肉AM1,AM2の他方を構成する2つの液圧アクチュエータMに発生させる第2収縮力が設定されてもよい。更に、ロボット装置1において、目標トルクTtag(i)等に応じて、予め定められた一定の圧力が関節Jiに対応した第1および第2の人工筋肉AM1,AM2の一方を構成する2つの液圧アクチュエータMの目標圧力である第1目標圧力に設定されてもよく、目標トルクTtag(i)と第1目標圧力とに基づいて当該第1および第2の人工筋肉AM1,AM2の他方を構成する2つの液圧アクチュエータMの目標圧力である第2目標圧力が設定されてもよい。
また、上記液体供給装置10において、第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152の少なくとも何れか1つが、電磁部に供給される電流に応じた信号圧を出力するリニアソレノイドバルブ(あるいはオンオフソレノイドバルブ)と、当該信号圧に応じて作動油を調圧するコントロールバルブとで置き換えられてもよい。更に、第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152は、対応する液圧アクチュエータMに供給される液圧(油圧)が目標圧力になるように制御される流量制御弁で置き換えられてもよい。また、液体供給装置10から元圧生成バルブ14が省略されてもよく、ポンプ13により発生させられた油圧を蓄えるアキュムレータ(蓄圧器)が液体供給装置10に設けられてもよい。更に、液体供給装置10は、水等の作動油以外の液体を液圧アクチュエータMに供給するように構成されてもよい。また、液体供給装置10は、各液圧アクチュエータMに作動油を供給するとポンプとは別に、各ロック機構8に作動油を供給する専用のポンプを含むものであってもよい。加えて、上記液体供給装置10から第1および第2リニアソレノイドバルブ151,152が省略されてもよく、複数の液圧アクチュエータMごとに液圧調整装置としてのポンプが設けられてもよい。
更に、上記実施形態において、人工筋肉としての液圧アクチュエータMは、内部に作動油が供給されると共に当該内部の油圧の上昇に応じて径方向に膨張しながら軸方向に収縮するチューブTと、当該チューブTを覆う編組スリーブSとを含むマッキベン型の人工筋肉であるが、ロボット装置1における液圧アクチュエータMの構成は、これに限られるものではない。すなわち、液圧アクチュエータMは、液体が供給された際に径方向に膨張しながら軸方向に収縮するチューブを含むものであればよく、例えば弾性体により形成された内側筒状部材と、弾性体により形成されると共に内側筒状部材の外側に同軸に配置され外側筒状部材と、内側筒状部材と外側筒状部材との間に配置された繊維層とを含む軸方向繊維強化型の液圧アクチュエータ(例えば、特開2011-137516号参照)であってもよい。更に、液圧アクチュエータMは、シリンダおよびピストンを含む液体シリンダであってもよい。加えて、ロボット装置1の人工筋肉は、空気等の気体を作動流体として用いるものであってもよい。
また、ロボット装置1のロボットアーム2は、液圧アクチュエータ(流体アクチュエータ)として揺動モータ(例えば、ハンド部4の根元(手首部)を回転させる揺動モータ)を含むものであってもよい。すなわち、ロボットアーム2(ロボット本体)は、人工筋肉としての液圧アクチュエータと揺動モータとの少なくとも何れか1つを含むものであってもよい。更に、ロボット装置1のロボットアーム2は、液圧アクチュエータとしてエアシリンダや油圧シリンダといった流体圧シリンダを含むものであってもよい。また、ロボット装置1において、タンク11がロボットアーム2といったロボット本体により支持されてもよい。
更に、ロボット装置1は、関節を1つだけ含むものであってもよく、人工筋肉としての液圧アクチュエータMを1つまたは2つだけ含むものであってもよい。また、ロボット装置1は、少なくとも1つの液圧アクチュエータM等とハンド部4とを有するロボットアーム2を含むものに限られず、少なくとも1つの液圧アクチュエータと、例えばドリルビット等の工具や例えばスイッチ等を押圧する押圧部材といったハンド部4以外の要素が手先に取り付けられたロボットアームとを含むものであってもよい。更に、ロボット装置1は、歩行ロボットや、ウェアラブルロボット等であってもよい。また、ロボットアーム2は、1つの関節と、当該関節に対応した第1および第2の人工筋肉AM1,AM2とを含むものであってもよい。更に、関節Jiを介して連結された2つのアーム3等のすべてに必ずしも対をなす複数の液圧アクチュエータ(人工筋肉)Mが設けられる必要はなく、何れか1組の2つのアーム3等に、1つまたは複数の液圧アクチュエータMと、当該液圧アクチュエータMと拮抗するように配置されるスプリングやゴム材等の弾性体とが連結されてもよい。
〔発明を実施するための形態のまとめ〕
ここまで説明したように、本開示の実施形態に係るロボット装置は、関節(J1,J2,J3,Ji)を介して連結された2つのリンク(3,5)と、流体の供給を受けて作動すると共に前記2つのリンク(3,5)を相対的に回動させる少なくとも1つの人工筋肉(M,AM1,AM2)と、前記人工筋肉(M,AM1,AM2)に前記流体を供給する流体供給装置(10)と、前記2つのリンク(3,5)の一方に固定されるハブ部材(81)、前記2つのリンク(3,5)の他方に固定されるドラム部材(82)、それぞれ前記ハブ部材(81)および前記ドラム部材(82)の対応する一方に嵌合される複数の摩擦係合プレート(83,84)、および前記複数の摩擦係合プレート(83,84)を押圧するピストン(85)を含み、前記流体供給装置(10)から前記流体の供給を受けて、前記2つのリンク(3,5)の相対的な回動を許容するロック解除状態と、前記ピストン(85)によって押圧された前記複数の摩擦係合プレート(83,84)間で発生する摩擦力により前記2つのリンク(3,5)の相対的な回動を規制するロック状態とを選択的に形成するロック機構(8,8B)とを含むものである。
かかるロボット装置では、ロック機構がロック解除状態を形成し、かつ人工筋肉による関節を拘束する力が失われたときに、流体供給装置からロック機構への流体の供給状態を変化させることで、ロック機構にロック状態を形成させて当該関節を介して連結された2つのリンクの相対的な回動を複数の摩擦係合プレート間で発生する摩擦力により極めて良好に規制することができる。この結果、流体の供給を受けて作動すると共に関節を介して連結された2つのリンクを相対的に回動させる少なくとも1つの人工筋肉を含むロボット装置の動作の安定性や信頼性をより向上させることが可能となる。
また、前記ロック機構(8,8B)は、前記ピストン(85)を押圧して前記ロック状態を形成する付勢部材(88,89)を含むと共に、前記流体供給装置(10)から供給される前記流体の圧力に応じて前記付勢部材(88,89)の付勢力に抗して前記ピストン(85)を移動させて前記ロック解除状態を形成するものであってもよい。
これにより、流体供給装置の失陥等により人工筋肉による関節を拘束する力が失われた際に、ロック機構により2つのリンクの相対的な回動を速やかに規制することが可能となる。
更に、前記ピストン(85)は、前記流体供給装置(10)から前記流体が供給される解放流体圧室(86)を前記ハブ部材(81)と共に画成するものであってもよい。
また、前記関節(J1,J2,J3,Ji)は、関節軸(Ax)と、当該関節軸(Ax)を回転自在に支持する軸受(Br)とを含むものであってもよく、前記軸受(Br)は、前記2つのリンク(3,5)の前記一方と前記ハブ部材(81)との間で前記2つのリンク(3,5)の前記他方により保持されてもよく、前記ドラム部材(82)は、前記ハブ部材(81)を包囲するように前記2つのリンク(3,5)の前記他方に固定されてもよく、前記ピストン(85)は、前記ハブ部材(81)により軸方向に移動自在に支持されてもよい。
これにより、ロック機構の設置スペースの増加を抑制しつつ、当該ロック機構により2つのリンクを強固にロックすることが可能となる。
更に、前記ハブ部材(81)は、前記摩擦係合プレート(83)が嵌合される外筒部(813)と、内筒部(811)とを含むものであってもよく、前記ピストン(85)は、前記ハブ部材(81)の前記内筒部(811)により支持されてもよく、前記付勢部材(89)は、前記内筒部(811)の端部に固定される環状部材(87)と、前記ピストン(85)との間に配置されてもよい。
これにより、関節を介して連結される2つのリンクの相対的な回動を許容すると共に、失陥等の発生に応じて2つのリンクの相対的な回動を速やかに規制することが可能となる。加えて、ピストンおよび付勢部材の双方がハブ部材により支持されて当該ハブ部材と一体に回転可能となることから、ロック機構を安定かつスムースに作動させることが可能となる。
また、前記流体供給装置(10)は、前記流体を圧送するポンプ(13)と、電磁部(17e)への通電に応じて作動する切替バルブ(18)とを含むものであってもよく、前記切替バルブ(18)は、電磁部(17e)に電流が供給されない非通電時に前記解放流体圧室(86)から前記流体を排出させる流体排出状態を形成すると共に、前記電磁部(17e)に電流が供給される通電時に前記解放流体圧室(86)に対する前記ポンプ(13)側からの前記流体の供給を許容する流体供給状態を形成するものであってもよい。
これにより、電源が失陥した際に、速やかに切替バルブを介してロック機構の解放液圧室から作動油を排出させることが可能となる
更に、前記流体供給装置(10)は、前記電磁部(17e)を有すると共に前記電磁部(17e)への通電に応じて信号圧を出力する信号圧出力バルブ(17)を含むものであってもよく、前記切替バルブ(18)は、前記信号圧出力バルブ(17)から前記信号圧が供給されていないときに前記流体排出状態を形成すると共に、前記信号圧出力バルブ(17)から前記信号圧が供給されているときに前記流体供給状態を形成するものであってもよい。
また、前記切替バルブ(18)は、前記電磁部(17e)を含む電磁式切替バルブであってもよい。
更に、前記ロボット装置(1)は、複数の前記関節(J1,J2,J3),Ji)を含むものであってもよく、前記ロック機構(8,8B)は、前記複数の前記関節(J1,J2,J3),Ji)ごとに設けられてもよい。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、液体の供給を受けて作動すると共に関節を介して連結された2つのリンクを相対的に回動させる少なくとも1つの人工筋肉を含むロボット装置の製造産業等において利用可能である。

Claims (9)

  1. 関節を介して連結された2つのリンクと、
    流体の供給を受けて作動すると共に前記2つのリンクを相対的に回動させる少なくとも1つの人工筋肉と、
    前記人工筋肉に前記流体を供給する流体供給装置と、
    前記2つのリンクの一方に固定されるハブ部材、前記2つのリンクの他方に固定されるドラム部材、それぞれ前記ハブ部材および前記ドラム部材の対応する一方に嵌合される複数の摩擦係合プレート、および前記複数の摩擦係合プレートを押圧するピストンを含み、前記流体供給装置から前記流体の供給を受けて、前記2つのリンクの相対的な回動を許容するロック解除状態と、前記ピストンによって押圧された前記複数の摩擦係合プレート間で発生する摩擦力により前記2つのリンクの相対的な回動を規制するロック状態とを選択的に形成するロック機構と、
    を備えるロボット装置。
  2. 請求項1に記載のロボット装置において、
    前記ロック機構は、前記ピストンを押圧して前記ロック状態を形成する付勢部材を含むと共に、前記流体供給装置から供給される前記流体の圧力に応じて前記付勢部材の付勢力に抗して前記ピストンを移動させて前記ロック解除状態を形成するロボット装置。
  3. 請求項2に記載のロボット装置において、
    前記ピストンは、前記流体供給装置から前記流体が供給される解放流体圧室を前記ハブ部材と共に画成するロボット装置。
  4. 請求項3に記載のロボット装置において、
    前記関節は、関節軸と、当該関節軸を回転自在に支持する軸受とを含み、
    前記軸受は、前記2つのリンクの前記一方と前記ハブ部材との間で前記2つのリンクの前記他方により保持され、
    前記ドラム部材は、前記ハブ部材を包囲するように前記2つのリンクの前記他方に固定され、
    前記ピストンは、前記ハブ部材により軸方向に移動自在に支持されるロボット装置。
  5. 請求項3または4に記載のロボット装置において、
    前記ハブ部材は、前記摩擦係合プレートが嵌合される外筒部と、内筒部とを含み、
    前記ピストンは、前記ハブ部材の前記内筒部により支持され、
    前記付勢部材は、前記内筒部の端部に固定される環状部材と、前記ピストンとの間に配置されるロボット装置。
  6. 請求項3から5の何れか一項に記載のロボット装置において、
    前記流体供給装置は、
    前記流体を圧送するポンプと、
    電磁部への通電に応じて作動する切替バルブとを含み、
    前記切替バルブは、前記電磁部に電流が供給されない非通電時に前記解放流体圧室から前記流体を排出させる流体排出状態を形成すると共に、前記電磁部に電流が供給される通電時に前記解放流体圧室に対する前記ポンプ側からの前記流体の供給を許容する流体供給状態を形成するロボット装置。
  7. 請求項6に記載のロボット装置において、
    前記流体供給装置は、前記電磁部を有すると共に前記電磁部への通電に応じて信号圧を出力する信号圧出力バルブを含み、
    前記切替バルブは、前記信号圧出力バルブから前記信号圧が供給されていないときに前記流体排出状態を形成すると共に、前記信号圧出力バルブから前記信号圧が供給されているときに前記流体供給状態を形成するロボット装置。
  8. 請求項6に記載のロボット装置において、前記切替バルブは、前記電磁部を含む電磁式切替バルブであるロボット装置。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載のロボット装置において、
    複数の前記関節を備え、前記ロック機構は、前記複数の前記関節ごとに設けられるロボット装置。
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