JP7327134B2 - 半導体装置 - Google Patents

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この明細書における開示は、半導体装置に関する。
特許文献1は、一対の金属部材の間に半導体素子が配置された両面放熱型の半導体装置を開示する。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
特開2007-103909号公報
特許文献1では、金属部材のひとつが、はんだの接続領域の外周に、余剰のはんだを収容する溝を有している。溝は、プレス加工により形成される。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、半導体装置にはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、簡素な構成で余剰はんだを収容できる半導体装置を提供することにある。
ここに開示された半導体装置は、
一面に形成された第1電極(130C)と、厚み方向において一面と反対の裏面に形成された第2電極(130E)と、を有する半導体素子(13、130、131)と、
一面側に配置され、はんだ接合により第1電極と電気的に接続される第1金属部材(14)と、
裏面側に配置され、はんだ接合により第2電極と電気的に接続される第2金属部材(16、17)と、
を備え、
第1金属部材および第2金属部材の少なくとも一方は、
対応するはんだの接続領域(160)と、
接続領域を取り囲むように設けられ、接続領域よりもはんだに対する濡れ性が低い第1低濡れ領域(161)と、
第1低濡れ領域を取り囲むように設けられ、第1低濡れ領域よりもはんだに対する濡れ性が高い高濡れ領域(162)と、
高濡れ領域を取り囲むように設けられ、高濡れ領域よりもはんだに対する濡れ性が低い第2低濡れ領域(163)と、を有する。
半導体装置のひとつにおいて、第1低濡れ領域の幅が、高濡れ領域の幅よりも狭い。
半導体装置の他のひとつにおいて、第1低濡れ領域の幅が、第2低濡れ領域の幅よりも狭い。
開示された半導体装置によると、第1低濡れ領域によって、その内側に、はんだの接続領域が規定される。第1低濡れ領域と第2低濡れ領域との間に高濡れ領域を有するため、はんだの余剰分を、高濡れ領域に収容することができる。よって、素子サイズに応じた、プレス加工による溝が不要である。この結果、簡素な構成で余剰はんだを収容できる半導体装置を提供することができる。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
第1実施形態に係る半導体装置が適用される電力変換装置の回路図である。 半導体装置の平面図である。 封止樹脂体の被覆部分の構造を示す平面図である。 図2のIV-IV線に沿う断面図である。 余剰はんだの収容構造を示す平面図である。 図5の領域VIを拡大した図である。 図6のVII-VII線に対応する半導体装置の断面図である。 図7の領域VIIIを拡大した図である。 半導体装置の製造方法を示す断面図である。 余剰はんだを収容した状態を示す断面図である。 変形例を示す図である。 第2実施形態に係る半導体装置において、余剰はんだの収容構造を示す平面図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。 第3実施形態に係る半導体装置の断面図である。 余剰はんだの収容構造を示す断面図である。 変形例を示す図である。 変形例を示す図である。
以下、図面に基づいて複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、パワーモジュールの半導体装置が適用される電力変換装置について説明する。
<電力変換装置>
図1に示す電力変換装置1は、たとえば電気自動車やハイブリッド自動車に搭載される。電力変換装置1は、直流電源2とモータジェネレータ3との間で電力変換を行う。
直流電源2は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの充放電可能な二次電池である。モータジェネレータ3は、三相交流方式の回転電機である。モータジェネレータ3は、車両の走行駆動源、すなわち電動機として機能する。モータジェネレータ3は、回生時に発電機として機能する。
電力変換装置1は、平滑コンデンサ4と、電力変換器であるインバータ5を備えている。平滑コンデンサ4の正極側端子は、直流電源2の高電位側の電極である正極に接続され、負極側端子は、直流電源2の低電位側の電極である負極に接続されている。インバータ5は、入力された直流電力を所定周波数の三相交流に変換し、モータジェネレータ3に出力する。インバータ5は、モータジェネレータ3により発電された交流電力を、直流電力に変換する。インバータ5は、DC-AC変換部である。
インバータ5は、三相分の上下アーム回路6を備えて構成されている。各相の上下アーム回路6は、正極側の電源ラインである高電位電源ライン7と、負極側の電源ラインである低電位電源ライン8の間で、2つのアーム6H、6Lが直列に接続されてなる。各相の上下アーム回路6において、上アーム6Hと下アーム6Lの接続点は、モータジェネレータ3への出力ライン9に接続されている。
本実施形態では、各アームを構成するスイッチング素子として、nチャネル型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ6i(以下、IGBT6iと示す)を採用している。IGBT6iのそれぞれには、還流用のダイオードであるFWD6dが逆並列に接続されている。一相分の上下アーム回路6は、2つのIGBT6iを有して構成されている。上アーム6Hにおいて、IGBT6iのコレクタ電極が、高電位電源ライン7に接続されている。下アーム6Lにおいて、IGBT6iのエミッタ電極が、低電位電源ライン8に接続されている。そして、上アーム6HにおけるIGBT6iのエミッタ電極と、下アーム6LにおけるIGBT6iのコレクタ電極が相互に接続されている。
電力変換装置1は、上記した平滑コンデンサ4およびインバータ5に加えて、インバータ5とは別の電力変換器であるコンバータ、インバータ5やコンバータを構成するスイッチング素子の駆動回路などを備えてもよい。コンバータは、直流電圧を異なる値の直流電圧に変換するDC-DC変換部である。
<半導体装置>
次に、図2、図3、および図4に基づき、半導体装置の概略構成について説明する。図3では、封止樹脂体に覆われた部分を示すために、図2に対して封止樹脂体を除去した構造を示している。以下において、半導体素子の厚み方向をZ方向、Z方向に直交する一方向をX方向と示す。また、Z方向およびX方向の両方向に直交する方向をY方向と示す。特に断わりのない限り、上記したX方向およびY方向により規定されるXY面に沿う形状を平面形状とする。
図2~図4に示すように、半導体装置10は、封止樹脂体11と、上アーム構造体12Hと、下アーム構造体12Lを備えている。さらに半導体装置10は、継手部20~22と、外部接続端子である主端子23~25および信号端子26を備えている。半導体装置10を構成する要素の一部について、符号末尾に上アーム6H側を示す「H」を付与し、下アーム6L側を示す「L」を付与している。
封止樹脂体11は、半導体装置10を構成する他の要素の一部を封止している。他の要素の残りの部分は、封止樹脂体11の外に露出している。封止樹脂体11は、たとえばエポキシ系樹脂を材料とする。封止樹脂体11は、たとえばトランスファモールド法により成形されている。本実施形態の封止樹脂体11は、平面略矩形状をなしている。封止樹脂体11は、Z方向において、一面11aと、一面11aと反対の裏面11bを有している。一面11aおよび裏面11bは、たとえば平坦面となっている。
上アーム構造体12Hは上アーム6H側を構成し、下アーム構造体12Lは下アーム6L側を構成する。上アーム構造体12Hおよび下アーム構造体12Lは、半導体素子13と、ヒートシンク14、16と、ターミナル17をそれぞれ備えている。上アーム構造体12Hと、下アーム構造体12Lとは、互いにほぼ同じ構造をなしている。
半導体素子13は、封止樹脂体11により封止されている。半導体素子13は、Si、SiC、GaNなどの半導体基板に、素子が形成された半導体チップである。半導体素子13は、電流が流れる電極を、自身の厚み方向、すなわちZ方向の両面に有している。本実施形態の半導体素子13は、上記したIGBT6iに対応するIGBT素子130と、FWD6dに対応するFWD素子131を含んでいる。上アーム構造体12Hおよび下アーム構造体12Lは、IGBT素子130およびFWD素子131をそれぞれ有している。
IGBT素子130は、図示しないゲート電極を有している。ゲート電極は、たとえばトレンチ構造をなしている。IGBT素子130は、電極として、一面側にコレクタ電極130Cを有し、一面とは反対の面である裏面側にエミッタ電極130Eを有している。コレクタ電極130Cは、一面のほぼ全域に形成されている。エミッタ電極130Eは、裏面の一部に形成されている。図3に示すように、裏面には、信号用の電極であるパッド130Pも形成されている。IGBT素子130は、ゲート電極用のパッド130Pを含んでいる。
FWD素子131は、電極として、コレクタ電極130Cと同じ側の面に図示しないカソード電極を有し、エミッタ電極130Eと同じ側の面に図示しないアノード電極を有している。コレクタ電極130Cおよびカソード電極が一面側に形成された第1電極であり、エミッタ電極130Eおよびアノード電極が裏面側に形成された第2電極である。上アーム構造体12HのIGBT素子130と下アーム構造体12LのIGBT素子130とは、X方向に並んで配置されている。上アーム構造体12HのFWD素子131と下アーム構造体12LのFWD素子131も、X方向に並んで配置されている。上アーム構造体12HのIGBT素子130およびFWD素子131は、Y方向に並んで配置されている。下アーム構造体12LのIGBT素子130およびFWD素子131も、Y方向に並んで配置されている。
ヒートシンク14は、Z方向において半導体素子13の第1電極側に配置され、はんだ接合により第1電極と電気的に接続されている。ヒートシンク14が、第1金属部材に相当する。ヒートシンク14は、ヒートシンク16との対向面であり、はんだが接続される実装面14aと、実装面14aとは反対の面である放熱面14bを有している。上アーム構造体12Hおよび下アーム構造体12Lは、ヒートシンク14をそれぞれ有している。
ヒートシンク14の実装面14aに、半導体素子13が接続されている。ヒートシンク14は、はんだ15を介して、IGBT素子130のコレクタ電極130Cに接続されている。ヒートシンク14は、はんだ15を介して、FWD素子131のカソード電極に接続されている。ヒートシンク14は、対応する半導体素子13の熱を外部に放熱する放熱部材である。ヒートシンク14は、対応する半導体素子13の第1電極に電気的に接続された配線部材である。ヒートシンク14としては、たとえばCuなどを材料とする金属板、DBC(Direct Bonded Copper)基板などを採用することができる。
ヒートシンク14は、Z方向からの平面視において、対応する半導体素子13を内包している。ヒートシンク14それぞれの放熱面14bは、封止樹脂体11から露出している。放熱面14bは、封止樹脂体11の一面11aと略面一となっている。上アーム構造体12H側の放熱面14bと下アーム構造体12L側の放熱面14bは、封止樹脂体11の一面11aから露出されるとともに、互いにX方向に並んでいる。
ヒートシンク16およびターミナル17は、Z方向において半導体素子13の第2電極側に配置され、はんだ接合により第2電極と電気的に接続されている。ヒートシンク16およびターミナル17が、第2金属部材に相当する。このように、本実施形態では、第2金属部材が、放熱部材であるヒートシンク16と、ヒートシンク16とは別部材であるターミナル17との2つを含んでいる。上アーム構造体12Hおよび下アーム構造体12Lは、ヒートシンク16をそれぞれ有している。
ヒートシンク16は、ヒートシンク14との対向面であり、はんだが接続される実装面16aと、実装面16aとは反対の面である放熱面16bを有している。ヒートシンク16は、対応する半導体素子13の熱を外部に放熱する放熱部材である。ヒートシンク16は、対応する半導体素子13の第2電極に電気的に接続された配線部材である。ヒートシンク16としては、たとえばCuなどを材料とする金属板、DBC(Direct Bonded Copper)基板などを採用することができる。
ヒートシンク16の実装面16aと半導体素子13との間に、ターミナル17が介在している。ヒートシンク16は、はんだ18を介してターミナル17に接続されている。ターミナル17は、はんだ19を介して、半導体素子13の第2電極に接続されている。ターミナル17は、半導体素子13ごとに個別に配置されている。ターミナル17は、対応する半導体素子13とヒートシンク16との熱伝導、電気伝導経路の途中に位置する。ターミナル17は、Cuなどの金属材料を用いて形成されている。ターミナル17は、接続される第2電極に対応した平面形状をなしている。ターミナル17は、略角柱状をなしている。ターミナル17を、金属ブロック体と称することがある。
ヒートシンク16には、それぞれ2つのターミナル17が接続されている。ヒートシンク16は、Z方向からの平面視において、対応する半導体素子13を内包している。各ヒートシンク16は、対応するIGBT素子130およびFWD素子131を内包している。ヒートシンク16それぞれの放熱面16bは、封止樹脂体11から露出している。放熱面16bは、封止樹脂体11の裏面11bと略面一となっている。上アーム構造体12H側の放熱面16bと下アーム構造体12L側の放熱面16bは、封止樹脂体11の裏面11bから露出されるとともに、互いにX方向に並んでいる。
継手部20は、ヒートシンク16に連なっている。継手部20の厚みはヒートシンク16よりも薄くされており、継手部20は封止樹脂体11によって覆われている。継手部20は、ヒートシンク16に対して一体的に設けられることで連なってもよいし、別部材として設けられ、接続により連なってもよい。本実施形態において、継手部20は、対応するヒートシンク16に対して一体的に設けられている。継手部20は、2つのヒートシンク16において、互いに対向する側面からX方向に延設されている。また、上アーム構造体12Hと下アーム構造体12Lとで、継手部20を含むヒートシンク16が共通部材となっている。継手部20を含むヒートシンク16の配置は、上アーム構造体12Hと下アーム構造体12LとでZ軸を回転軸とする2回対称となっている。
継手部21は、下アーム構造体12L側のヒートシンク14に連なっている。継手部21は、対応するヒートシンク14に対して一体的に設けられることで連なってもよいし、別部材として設けられ、接続により連なってもよい。本実施形態では、一体的に設けられている。継手部21は、はんだ22を介して、上アーム構造体12H側のヒートシンク16の継手部20に接続されている。
主端子23は、平滑コンデンサ4の正極端子と電気的に接続される。主端子24は、平滑コンデンサ4の負極端子と電気的に接続される。このため、主端子23はP端子、主端子24はN端子と称されることがある。主端子23は、上アーム構造体12H側のヒートシンク14におけるY方向の一端に連なっている。主端子23は、Y方向に延設され、封止樹脂体11の側面11cから外部に突出している。主端子24は、図示しないはんだを介して、下アーム構造体12L側のヒートシンク16の継手部20に接続されている。主端子24は、Y方向に延設されて、主端子23と同じ側面11cから外部に突出している。
主端子25は、上アーム6Hと下アーム6Lとの接続点に接続されている。主端子25は、モータジェネレータ3の対応する相のコイルと電気的に接続される。主端子25は、O端子、交流端子とも称される。主端子25は、下アーム構造体12L側のヒートシンク14におけるY方向の一端に連なっている。主端子25は、Y方向に延設され、主端子23、24と同じ側面11cから外部に突出している。
信号端子26は、対応するIGBT素子130のパッド130Pに電気的に接続されている。本実施形態では、ボンディングワイヤ27を介して電気的に接続されている。信号端子26は、Y方向に延設されており、封止樹脂体11において側面11dから外部に突出している。側面11dは、Y方向において側面11cとは反対の面である。本実施形態では、ひとつのIGBT素子130に対して5本の信号端子26が設けられている。なお、符号28は、吊りリードである。ヒートシンク14と、継手部21と、主端子23~25と、信号端子26は、共通部材であるリードフレームに構成されている。信号端子26は、カット前の状態で、タイバーを介して吊りリード28に接続される。タイバーなど、リードフレームの不要部分は、封止樹脂体11の成形後に除去されている。
上記したように、半導体装置10では、封止樹脂体11によって一相分の上下アーム回路6を構成する複数の半導体素子13が封止されている。封止樹脂体11は、複数の半導体素子13、ヒートシンク14それぞれの一部、ヒートシンク16それぞれの一部、ターミナル17、継手部20、21、主端子23~25および信号端子26それぞれの一部を、一体的に封止している。
Z方向において、ヒートシンク14、16の間に、半導体素子13が配置されている。これにより、半導体素子13の熱を、Z方向において両側に放熱することができる。半導体装置10は、両面放熱構造をなしている。ヒートシンク14の放熱面14bは、封止樹脂体11の一面11aと略面一となっている。ヒートシンク16の放熱面16bは、封止樹脂体11の裏面11bと略面一となっている。放熱面14b、16bが露出面であるため、効果的に放熱することができる。
<余剰はんだの収容構造>
次に、図5、図6、図7、および図8に基づき、余剰はんだの収容構造について説明する。本実施形態では、第2金属部材のひとつであるヒートシンク16の実装面16aに、余剰はんだの収容構造が形成されている。以下では、上アーム構造体12H側のヒートシンク16を例に説明するが、下アーム構造体12L側のヒートシンク16についても同様の構成である。
図5および図6に示すように、ヒートシンク16は、実装面16aに、接続領域160と、低濡れ領域161と、高濡れ領域162と、低濡れ領域163を有している。低濡れ領域161が第1低濡れ領域に相当し、低濡れ領域163が第2低濡れ領域に相当する。図5および図6では、明確化のため、低濡れ領域にハッチングを施している。
接続領域160は、実装面16aのうち、はんだ18が接続される領域である。接続領域160は、対応する半導体素子13との電気的な接続のために定められた所定の大きさ(面積)の領域である。ヒートシンク16は、接続領域160として、IGBT素子130用の接続領域160aと、FWD素子131用の接続領域160bを有している。
低濡れ領域161は、接続領域160を取り囲むように延設されている。低濡れ領域161は、接続領域160よりも、はんだ18に対する濡れ性が低い領域である。低濡れ領域161は、その内側に接続領域160を規定する。低濡れ領域161により、はんだ18は接続領域160の外側に濡れ拡がり難い。低濡れ領域161は、接続領域160ごとに設けられている。
高濡れ領域162は、低濡れ領域161を取り囲むように延設されている。高濡れ領域162は、低濡れ領域161よりも、はんだ18に対する濡れ性が高い領域である。高濡れ領域162は、はんだ18の余剰分を収容する領域である。余剰分とは、半導体装置10を所定の高さとするために必要なはんだ18を除いた残りの分である。高濡れ領域162は、接続領域160ごとに設けられている。
低濡れ領域163は、高濡れ領域162を取り囲むように設けられている。低濡れ領域163は、高濡れ領域162よりも、はんだ18に対する濡れ性が低い領域である。低濡れ領域163は、その内側に高濡れ領域162を規定する。低濡れ領域163により、はんだ18の余剰分は高濡れ領域162の外側に濡れ拡がり難い。
本実施形態では、低濡れ領域161が、連続的に接続領域160を取り囲んでいる。高濡れ領域162も、連続的に低濡れ領域161を取り囲んでいる。低濡れ領域161および高濡れ領域162は、それぞれ幅一定の環状(リング状)をなしている。幅とは、延設方向に直交する方向の長さである。低濡れ領域161および高濡れ領域162は、同心の環状である。低濡れ領域163は、2つの接続領域160で一体的に設けられている。実装面16aのうち、接続領域160、低濡れ領域161、および高濡れ領域162を除いた残りの部分が、低濡れ領域163となっている。さらに、低濡れ領域161の幅W1は、高濡れ領域162の幅W2よりも狭くされている。幅W1は、低濡れ領域163における最小の幅W3よりも狭くされている。
図7は、図6のVII-VII線に対応する半導体装置10の断面図を示している。図7では、便宜上、封止樹脂体11を省略している。図7に示すように、本実施形態では、ターミナル17の側面にも、低濡れ領域170が設けられている。低濡れ領域170は、ターミナル17におけるヒートシンク16との対向面よりも、はんだ18に対する濡れ性が低い領域である。はんだ18は、ヒートシンク16の接続領域160とターミナル17の対向面との間に介在している。はんだ18は、低濡れ領域161よりも内側に配置されている。はんだ18は、ターミナル17の側面側に濡れ拡がっていない。
図8は、図7の領域VIIIを拡大した図である。図8では、便宜上、はんだ18を省略して図示している。ヒートシンク16は、母材164と、母材164の表面上に設けられた金属膜165および凹凸酸化膜166を有している。母材164は、ヒートシンク16の主たる部分をなしている。母材164は、Cu系の材料を用いて形成されている。金属膜165は、母材164よりもはんだ18に対する濡れ性が高い材料を含んで形成されている。金属膜165は、実装面16aの全域に形成されている。凹凸酸化膜166は、実装面16aにおいて局所的に形成されている。
凹凸酸化膜166は、金属膜165にレーザ光を照射することで、実装面16aにおいて金属膜165上に局所的に形成されている。金属膜165は、母材164の表面のうち、たとえば放熱面16bを除く面上に設けられている。金属膜165は、Ni(ニッケル)を主成分とする下地膜と、Au(金)を主成分とする上地膜を有している。本実施形態では、下地膜として、P(リン)を含む無電解Niめっき膜を採用している。凹凸酸化膜166から露出する金属膜165のうち、はんだ18が接触する部分の上地膜(Au)は、リフロー時にはんだ18中に拡散する。金属膜165のうち、凹凸酸化膜166が形成される部分の上地膜(Au)は、凹凸酸化膜166を形成する際にレーザ光の照射により除去される。凹凸酸化膜166は、Niを主成分とする酸化物の膜である。たとえば、凹凸酸化膜166を構成する成分のうち、80%がNI、10%がNiO、10%がNiとなっている。
実装面16aにおいて凹凸酸化膜166から露出する金属膜165が、ヒートシンク16においてはんだ18に対する濡れ性の高い領域を提供する。接続領域160および高濡れ領域162において、金属膜165が露出している。低濡れ領域161、163において、凹凸酸化膜166が形成されている。図7に示す例では、はんだ18が、接続領域160の全域に接続されている。このため、接続領域160には、上地膜(Au)が残っていない。一方、図7では、はんだ18が溢れておらず、高濡れ領域162の表層に上地膜(Au)が残っている。
図8に示す符号165aは、金属膜165の表面に形成された凹部である。凹部165aは、パルス発振のレーザ光の照射により形成される。1パルスごとにひとつの凹部165aが形成される。凹凸酸化膜166は、レーザ光の照射により、金属膜165の表層部分が溶融、気化し、蒸着することで形成される。凹凸酸化膜166は、金属膜165由来の酸化膜である。凹凸酸化膜166は、金属膜165の主成分の金属(Ni)の酸化物の膜である。凹凸酸化膜166は、凹部165aを有する金属膜165の表面の凹凸に倣って形成されている。凹凸酸化膜166の表面には、凹部165aの幅よりも細かいピッチで凹凸が形成されている。すなわち、非常に微細な凹凸(粗化部)が形成されている。なお、ターミナル17の低濡れ領域170にも、ヒートシンク16同様、レーザ光照射による凹凸酸化膜が形成されている。
<半導体装置の製造方法>
次に、上記した半導体装置10の製造方法の一例について説明する。ここでは、2回のはんだリフローにより、半導体装置10を形成する例を示す。
先ず、低濡れ領域161、163および高濡れ領域162を有するヒートシンク16を準備する。本実施形態では、母材164上にP(リン)を含む無電解Niめっきを施したのち、Auめっきを施して、金属膜165を得る。金属膜165の形成後、実装面16aに対してパルス発振のレーザ光を照射し、金属膜165の表面を溶融及び蒸発させる。
パルス発振のレーザ光は、エネルギー密度が0J/cmより大きく100J/cm以下で、パルス幅が1μ秒以下となるように調整される。この条件を満たすには、YAGレーザ、YVOレーザ、ファイバレーザなどを採用することができる。たとえばYAGレーザの場合、エネルギー密度が1J/cm以上であればよい。無電解Niめっきの場合、たとえば5J/cm程度でも金属膜165を加工することができる。
このとき、レーザ光の光源とヒートシンク16とを相対的に移動させることにより、レーザ光を複数の位置に順に照射する。レーザ光を照射し、金属膜165の表面を溶融、気化させることで、金属膜165の表面には、凹部165aが形成される。金属膜165のうち、レーザ光を照射した部分の平均厚みは、レーザ光を照射しない部分の平均厚みよりも薄くなる。また、レーザ光のスポットに対応して形成される複数の凹部165aは連なり、たとえば鱗状となる。
次いで、溶融した金属膜165の部分を凝固させる。具体的には、溶融して気化した金属膜165を、レーザ光が照射された部分やその周辺部分に蒸着させる。このように、溶融して気化した金属膜165を蒸着させることにより、金属膜165の表面上に凹凸酸化膜166を形成する。以上のようにして、ヒートシンク16を準備する。同様に、ターミナル17も準備する。また、半導体装置10を構成する他の要素についても準備する。
次いで、ヒートシンク14の実装面14a上に、はんだ15を介して、対応する半導体素子13を配置する。次に、たとえば予め両面に迎えはんだが施されたターミナル17を、はんだ19が半導体素子13側となるように配置する。また、継手部21及び主端子24上に、はんだ22を配置しておく。
ここで、両面放熱構造の半導体装置10は、たとえば図示しない冷却器によってZ方向の両面側から挟まれる。よって、Z方向において表面の高い平行度と表面間の高い寸法精度が求められる。このため、はんだ18については、半導体装置10の高さばらつきを吸収可能な量を配置する。すなわち、多めのはんだ18を配置する。換言すれば、はんだ15、19よりも厚いはんだ18を配置する。
そして、この配置状態で、1stリフローを実施する。これにより、半導体素子13、ヒートシンク14、およびターミナル17が一体的に接続され、図9に示す積層体29を得ることができる。1stリフロー後、IGBT素子130のパッド130Pと信号端子26を、ボンディングワイヤ27により接続する。
次いで、図9に示すように、実装面16aが上になるようにしてヒートシンク16を台座300上に配置する。そして、はんだ18がヒートシンク16に対向するように、積層体29をヒートシンク16上に配置し、2ndリフローを実施する。2ndリフローでは、ヒートシンク14側からZ方向に荷重(白抜き矢印)を加えることで、半導体装置10の高さが所定高さとなるようにする。詳しくは、荷重を加えることで、スペーサ301を、ヒートシンク14の実装面14aと台座300との両方に接触させる。このようにして、半導体装置10の高さが所定高さとなるようにする。スペーサ301は、支持部材と称されることがある。図9では、実装面14aがスペーサ301に接触する前の状態を示している。
2ndリフローにより、はんだ18を介して、エミッタ電極130Eとヒートシンク16とが接続される。はんだ18は、半導体装置10を構成する要素の寸法公差や組み付け公差による高さばらつきを吸収する。たとえば、半導体装置10の高さを所定高さにするために、はんだ18の全量が必要な場合には、はんだ18の全量が接続領域160内に留まる。
次いで、トランスファモールド法により封止樹脂体11の成形を行う。図示を省略するが、本実施形態では、ヒートシンク14、16が完全に被覆されるように封止樹脂体11を成形し、成形後に切削を行う。封止樹脂体11をヒートシンク14、16の一部ごと切削する。これにより、放熱面14b、16bを露出させる。放熱面14bは一面11aと略面一となり、放熱面16bは裏面11bと略面一となる。なお、放熱面14b、16bを成形金型のキャビティ壁面に押し当て、密着させた状態で、封止樹脂体11を成形してもよい。この場合、封止樹脂体11を成形した時点で、放熱面14b、16bが封止樹脂体11から露出する。このため、成形後の切削が不要となる。
次いで、図示しないタイバーなどを除去することで、半導体装置10を得ることができる。
<第1実施形態のまとめ>
本実施形態によると、低濡れ領域161の内側に接続領域160が規定されている。よって、リフロー時において、半導体装置10を所定高さにするために必要な分のはんだ18を、接続領域160内に留めることができる。低濡れ領域161により、必要なはんだ18が、接続領域160よりも外へ濡れ拡がるのを抑制することができる。
所定高さにするために、はんだ18が余る場合、はんだ18の一部は、ターミナル17とヒートシンク16の接続領域160との間で押されて、ターミナル17と接続領域160との対向領域から外に溢れる。本実施形態では、低濡れ領域161の外側に高濡れ領域162を設けている。溢れたはんだ18は高濡れ領域162に到達し、高濡れ領域162上を濡れ拡がって高濡れ領域162に接続される。このように、はんだ18の不要分、すなわち余剰はんだを高濡れ領域162に収容(保持)することができる。よって、素子サイズに応じた、プレス加工による溝が不要である。この結果、簡素な構成で余剰はんだを収容できる半導体装置10を提供することができる。余剰はんだを収容できるため、はんだ18が意図しない位置に溢れるのを抑制することができる。
図10は、図7に対応している。図10では、はんだ18の不要分である余剰はんだ180を高濡れ領域162に収容した状態を示している。対向領域から溢れたはんだ18は、余剰はんだ180として高濡れ領域162に接続される。図10に示す例では、余剰はんだ180が、接続領域160のはんだ18と完全に分離されている。余剰はんだ180は、リフロー時において、たとえば表面張力により、他のはんだ18と分離し得る。余剰はんだ180は、はんだ18と一体的に連なってもよい。たとえば低濡れ領域161上のブリッジにより、はんだ18と余剰はんだ180とは一体化し得る。
余剰はんだ180の収容構造は、上記した例に限定されない。低濡れ領域161の幅を、高濡れ領域162の幅以上にしてもよい。低濡れ領域161の幅を低濡れ領域163の幅の最小値以上にしてもよい。図11に示す変形例では、低濡れ領域161の幅を、高濡れ領域162の幅よりも狭くしている。図11は、図6に対応している。これに対し、本実施形態では、低濡れ領域161の幅W1を高濡れ領域162の幅W2より狭くしている。よって、幅W2≦幅W1の構成に較べて、余剰はんだ180が高濡れ領域162に移りやすい。余剰はんだ180は、たとえば低濡れ領域161の凹凸酸化膜166によって撥じかれるものの、後ろからはんだ18に押されるため、高濡れ領域162に移行する。また、高濡れ領域162の幅が広いため、高さばらつきを吸収するために多くのはんだ18が溢れても、余剰はんだ180を収容することができる。
また、低濡れ領域161の幅W1を低濡れ領域163の幅W3より狭くしている。よって、幅W3≦幅W1の構成に較べて、余剰はんだ180が高濡れ領域162に移りやすい。このように、低濡れ領域161の幅を狭くすることで、高濡れ領域162上に余剰はんだ180を収容しやすい構成となっている。低濡れ領域161の幅W1が狭いほど、余剰はんだ180(不要分)が高濡れ領域162に移りやすい。
本実施形態では、低濡れ領域161が、連続的に接続領域160を取り囲んでいる。よって、はんだ18の必要分を対向領域に保持することができる。上記した幅の関係を満たしているため、環状の低濡れ領域161を採用しつつも、余剰はんだ180が高濡れ領域162に移りやすい。
本実施形態では、はんだ18に対する濡れ性の高い金属膜165に対し、レーザ光を局所的に照射して凹凸酸化膜166を設け、低濡れ領域161、163としている。酸化膜(凹凸酸化膜166)は、金属膜165に較べて、はんだ18に対する濡れ性が低い。また、表面に微細な凹凸を有しているため、はんだ18との接触面積が小さくなり、はんだ18の一部は表面張力によって球状になる。すなわち、接触角が大きくなる。よって、はんだ18に対する濡れ性が低い。以上により、凹凸酸化膜166は、低濡れ領域161、163に好適である。レーザ光を用いるため、接続領域160、低濡れ領域161、高濡れ領域162、および低濡れ領域163のパターニングが容易である。
さらに、凹凸酸化膜166の表面には、非常に微細な凹凸が形成されており、封止樹脂体11が絡みつき、アンカー効果が生じる。また、封止樹脂体11との接触面積が増える。よって、ヒートシンク16の凹凸酸化膜166を設けた部分に、封止樹脂体11を密着させることができる。
ターミナル17の側面に低濡れ領域170を設ける例を示したが、低濡れ領域170を設けない構成としてもよい。低濡れ領域170を設けると、ターミナル17の側面側へのはんだ18の濡れ拡がりを抑制できるため、好ましい。
(第2実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。
図12は、本実施形態の半導体装置10において、余剰はんだ180の収容構造を示す図であり、図6に対応している。低濡れ領域161は、非連続的に接続領域160を取り囲んでいる。低濡れ領域161は、延設方向において複数に分離されている。低濡れ領域161の間には、低濡れ領域161よりもはんだ18に対する濡れ性が高い高濡れ領域167が設けられている。低濡れ領域161は、複数の高濡れ領域167によって、複数に分割(分離)されている。高濡れ領域167は、接続領域160と高濡れ領域162とに連なっている。高濡れ領域162が第1高濡れ領域に相当し、高濡れ領域167が第2高濡れ領域に相当する。
先行実施形態同様、低濡れ領域161、163には、凹凸酸化膜166が形成されている。接続領域160、高濡れ領域162、および高濡れ領域167には、凹凸酸化膜166が形成されず、金属膜165が露出している。高濡れ領域167による低濡れ領域161の分離長さL1は、半導体装置10を所定高さにするために必要分のはんだ18が接続領域160内に留まり、余剰はんだ180が高濡れ領域162に濡れ拡がるように、所定の長さに設定されている。はんだ18が対向領域から溢れる力を受けると、高濡れ領域167を通じて高濡れ領域162に濡れ拡がる。
<第2実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、低濡れ領域161を複数に分割している。低濡れ領域161を分割する高濡れ領域167を通じて、余剰はんだ180を高濡れ領域162に移行させることができる。よって、余剰はんだ180を、より確実に高濡れ領域162に収容することができる。はんだ18が意図しない位置に溢れるのを、効果的に抑制することができる。
分割された低濡れ領域161の平面形状は、特に限定されない。たとえば図13に示す変形例のように、平面略円形状としてもよい。凹凸酸化膜166であれば、レーザ光の照射により、このような低濡れ領域161の形成も容易である。
また、低濡れ領域161に代えて、高濡れ領域162を複数に分割してもよい。図14に示す変形例において、高濡れ領域162は、非連続的に低濡れ領域161を取り囲んでいる。高濡れ領域162の間には、高濡れ領域162よりもはんだ18に対する濡れ性が低い低濡れ領域168が設けられている。高濡れ領域162は、複数の低濡れ領域168によって、複数に分割(分離)されている。低濡れ領域168は、低濡れ領域161、163に連なっている。高濡れ領域162は、平面略円形状をなしている。
(第3実施形態)
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例であり、先行実施形態の記載を援用できる。
図15は、本実施形態の半導体装置10を示しており、図4に対応している。この半導体装置10は、ターミナル17を備えていない。ヒートシンク16が、第2金属部材に相当する。ヒートシンク16は、基部16cと、基部16cからエミッタ電極130Eに向けて突出する凸部16dを有している。放熱面16bと反対の面である実装面16aは、凸部16dの表面、たとえば突出先端面を含んでいる。
図16は、凸部16dの先端付近を拡大した断面図である。凸部16dの突出先端面に、接続領域160、低濡れ領域161、高濡れ領域162、および低濡れ領域163が設けられている。
<第3実施形態のまとめ>
本実施形態によれば、リフロー時において、半導体装置10を所定高さにするために必要な分のはんだ19を、接続領域160内に留めることができる。低濡れ領域161により、必要なはんだ19が、接続領域160よりも外へ濡れ拡がるのを抑制することができる。
所定高さにするために、はんだ19が余る場合、はんだ19の一部は、凸部16dの突出先端面と半導体素子13の第2電極との間で押されて、対向領域から外に溢れる。溢れたはんだ19は、高濡れ領域162に到達し、高濡れ領域162上を濡れ拡がって高濡れ領域162に接続される。このように、はんだ19の不要分、すなわち余剰はんだを高濡れ領域162に収容(保持)することができる。はんだ19が意図しない位置に溢れるのを抑制することができる。
図17に示す変形例のように、凸部16dの突出先端面に接続領域160、低濡れ領域161、および高濡れ領域162を設け、側面に低濡れ領域163を設けてもよい。図18に示す変形例のように、凸部16dの突出先端面に接続領域160を設け、側面に低濡れ領域161、高濡れ領域162、および低濡れ領域163を設けてもよい。図示しないが、凸部16dの突出先端面に接続領域160および低濡れ領域161を設け、側面に高濡れ領域162および低濡れ領域163を設けてもよい。
(他の実施形態)
この明細書及び図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された部品及び/又は要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品及び/又は要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品及び/又は要素の置き換え、又は組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
明細書及び図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書及び図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書及び図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
半導体装置10をインバータ5に適用する例を示したが、これに限定されない。たとえばコンバータに適用することもできる。また、インバータ5およびコンバータの両方に適用することもできる。
同一アームのIGBT6iおよびFWD6dを別チップとする例を示したが、同一チップに構成してもよい。スイッチング素子としてIGBT6iの例を示したが、これに限定されない。たとえばMOSFETを採用することもできる。
放熱面14b、16bが、封止樹脂体11から露出される例を示したが、これに限定されない。放熱面14b、16bの少なくとも一方が、封止樹脂体11によって覆われた構成としてもよい。放熱面14b、16bが、封止樹脂体11とは別の図示しない絶縁部材によって覆われた構成としてもよい。
半導体装置10が、一相分の上下アーム回路6を構成する複数の半導体素子13を備える例を示したが、これに限定されない。ひとつのアームを構成する半導体素子のみを備えてもよい。また、三相分の上下アーム回路6を構成する半導体素子を備えてもよい。
第2金属部材が、接続領域、第1低濡れ領域、高濡れ領域、第2低濡れ領域を有する例を示したが、これに限定されない。第1金属部材(ヒートシンク14)の実装面14aに、接続領域、第1低濡れ領域、高濡れ領域、第2低濡れ領域を設けてもよい。たとえば高さばらつきを吸収すべく多めのはんだ15を配置しても、はんだ15の不要分(余剰はんだ)を高濡れ領域に収容することができる。また、第1金属部材および第2金属部材の両方に、接続領域、第1低濡れ領域、高濡れ領域、第2低濡れ領域を設けてもよい。
ターミナル17を備える構成において、ヒートシンク16に、接続領域160、低濡れ領域161、高濡れ領域162、低濡れ領域163を設ける例を示したが、これに限定されない。ターミナル17における少なくとも第2電極との対向面に、接続領域、第1低濡れ領域、高濡れ領域、第2低濡れ領域を設けてもよい。また、上記したように、第1金属部材(ヒートシンク14)の実装面14aに、接続領域、第1低濡れ領域、高濡れ領域、第2低濡れ領域を設けてもよい。
信号端子26がボンディングワイヤ27を介してパッド130Pに接続される例を示したが、これに限定されない。たとえば信号端子26を、はんだを介してパッド130Pに接続してもよい。ボンディングワイヤ27のスペースが不要となるため、ターミナル17を備えない構成、凸部16dを有さない構成とすることが可能である。たとえば平坦な実装面16aに第2電極をはんだ接合することができる。
凹凸酸化膜166を設けることで低濡れ領域161、163とする例を示したが、これに限定されない。たとえばポリアミド樹脂やエポキシ樹脂などをパターニングすることで、接続領域、第1低濡れ領域、高濡れ領域、第2低濡れ領域を設けてもよい。樹脂を成膜した部分が低濡れ領域となる。なお、金属部材の表面に樹脂を成膜することで、封止樹脂体11との密着性を向上することもできる。樹脂材料に代えて、はんだに対する濡れ性の低い無機材料(はんだを撥じく材料)を用いてもよい。
濡れ性の低い膜から露出する部分を接続領域、高濡れ領域とする例を示したが、これに限定されない。露出部分を、はんだに対する濡れ性の低い部分としてもよい。たとえば金属基材に対して局所的にめっきを施し、めっき膜を形成した部分を接続領域、高濡れ領域とし、めっきを施さない部分(露出部分)を低濡れ領域としてもよい。
1…電力変換装置、2…直流電源、3…モータジェネレータ、4…平滑コンデンサ、5…インバータ、6…上下アーム回路、6H…上アーム、6L…下アーム、7…高電位電源ライン、8…低電位電源ライン、9…出力ライン、10…半導体装置、11…封止樹脂体、11a…一面、11b…裏面、11c、11d…側面、12H…上アーム構造体、12L…下アーム構造体、13…半導体素子、130…IGBT素子、130C…コレクタ電極、130E…エミッタ電極、130P…パッド、131…FWD素子、14…ヒートシンク、14a…実装面、14b…放熱面、15…はんだ、16…ヒートシンク、16a…実装面、16b…放熱面、16c…基部、16d…凸部、160、160a、160b…接続領域、161…低濡れ領域、162…高濡れ領域、163…低濡れ領域、164…母材、165…金属膜、165a…凹部、166…凹凸酸化膜、167…高濡れ領域、168…低濡れ領域、17…ターミナル、170…低濡れ領域、18…はんだ、180…余剰はんだ、19…はんだ、20、21…継手部、22…はんだ、23、24、25…主端子、26…信号端子、27…ボンディングワイヤ、28…吊りリード、29…積層体、300…台座、301…スペーサ

Claims (8)

  1. 一面に形成された第1電極(130C)と、厚み方向において前記一面と反対の裏面に形成された第2電極(130E)と、を有する半導体素子(13、130、131)と、
    前記一面側に配置され、はんだ接合により前記第1電極と電気的に接続される第1金属部材(14)と、
    前記裏面側に配置され、はんだ接合により前記第2電極と電気的に接続される第2金属部材(16、17)と、
    を備え、
    前記第1金属部材および前記第2金属部材の少なくとも一方は、
    対応する前記はんだの接続領域(160)と、
    前記接続領域を取り囲むように設けられ、前記接続領域よりも前記はんだに対する濡れ性が低い第1低濡れ領域(161)と、
    前記第1低濡れ領域を取り囲むように設けられ、前記第1低濡れ領域よりも前記はんだに対する濡れ性が高い高濡れ領域(162)と、
    前記高濡れ領域を取り囲むように設けられ、前記高濡れ領域よりも前記はんだに対する濡れ性が低い第2低濡れ領域(163)と、を有し、
    前記第1低濡れ領域の幅が、前記高濡れ領域の幅よりも狭い半導体装置。
  2. 前記第1低濡れ領域の幅が、前記第2低濡れ領域の幅よりも狭い請求項1に記載の半導体装置。
  3. 一面に形成された第1電極(130C)と、厚み方向において前記一面と反対の裏面に形成された第2電極(130E)と、を有する半導体素子(13、130、131)と、
    前記一面側に配置され、はんだ接合により前記第1電極と電気的に接続される第1金属部材(14)と、
    前記裏面側に配置され、はんだ接合により前記第2電極と電気的に接続される第2金属部材(16、17)と、
    を備え、
    前記第1金属部材および前記第2金属部材の少なくとも一方は、
    対応する前記はんだの接続領域(160)と、
    前記接続領域を取り囲むように設けられ、前記接続領域よりも前記はんだに対する濡れ性が低い第1低濡れ領域(161)と、
    前記第1低濡れ領域を取り囲むように設けられ、前記第1低濡れ領域よりも前記はんだに対する濡れ性が高い高濡れ領域(162)と、
    前記高濡れ領域を取り囲むように設けられ、前記高濡れ領域よりも前記はんだに対する濡れ性が低い第2低濡れ領域(163)と、を有し、
    前記第1低濡れ領域の幅が、前記第2低濡れ領域の幅よりも狭い半導体装置。
  4. 前記第2金属部材は、放熱部材と、前記厚み方向において前記放熱部材と前記第2電極との間に配置されたターミナルと、を含み、
    前記放熱部材における前記ターミナル側の面に、前記接続領域、前記第1低濡れ領域、前記高濡れ領域、および前記第2低濡れ領域を有し、
    前記厚み方向の平面視において、前記ターミナルの外周端が前記第1低濡れ領域と重なっている請求項1~3いずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記第2金属部材は、基部(16c)と、前記基部における前記半導体素子側の面から、前記第2電極に向けて突出する凸部(16d)と、を有し、
    前記第2金属部材の前記凸部および前記第1金属部材における前記半導体素子側の面の少なくとも一方に、前記接続領域、前記第1低濡れ領域、前記高濡れ領域、および前記第2低濡れ領域を有する請求項1~3いずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記高濡れ領域は、第1高濡れ領域であり、
    前記第1低濡れ領域は、非連続的に前記接続領域を取り囲んでおり、
    前記第1低濡れ領域の間に、前記第1低濡れ領域よりも前記はんだに対する濡れ性が高い第2高濡れ領域(167)が設けられ、
    前記第2高濡れ領域の一端が前記接続領域に連なり、他端が前記第1高濡れ領域に連なっている請求項1~5いずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記第1低濡れ領域は、連続的に前記接続領域を取り囲んでいる請求項1~5いずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記高濡れ領域を有する金属部材は、母材(164)と、前記母材の表面に形成された金属膜(165)と、前記金属膜の主成分の金属と同じ金属の酸化物であり、表面が連続して凹凸をなす凹凸酸化膜(166)と、を有し、
    前記凹凸酸化膜は、前記第1低濡れ領域および前記第2低濡れ領域に形成されている請求項1~7いずれか1項に記載の半導体装置。
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