以下に添付図面を参照して本願に係る待ち時間算出プログラム、待ち時間算出方法及び待ち時間算出システムについて説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[1. システム構成]
図1は、実施例1に係る待ち時間算出システムの構成例を示す図である。図1に示す待ち時間算出システム1は、施設5A~5Mを含む複合施設、例えばテーマパークやアミューズメントパークなどで提供されるサービスの利用に関する待ち時間を算出する待ち時間算出サービスを提供するものである。以下、施設5A~5Mのラベルを区別せずに総称する場合、施設5A~5Mを「施設5」と記載することがある。
図1に示すように、待ち時間算出システム1には、サーバ装置10と、クライアント端末30と、受信機50A~50Nとが含まれ得る。以下、受信機50A~50Nのラベルを区別せずに総称する場合、受信機50A~50Nを「受信機50」と記載することがある。これらサーバ装置10、クライアント端末30及び受信機50は、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。例えば、ネットワークNWは、有線または無線を問わず、インターネットやLAN(Local Area Network)などの任意の種類の通信網であってかまわない。
サーバ装置10は、上記の待ち時間算出サービスを提供するコンピュータの一例に対応する。例えば、サーバ装置10は、待ち時間算出装置の一例にも対応する。
一実施形態として、サーバ装置10は、パッケージソフトウェア又はオンラインソフトウェアとして、上記の待ち時間算出サービスに対応する機能が実現された待ち時間算出プログラムを任意のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、サーバ装置10は、SaaS(Software as a Service)型のアプリケーションとして実装することで、上記の待ち時間算出サービスをクラウドサービスとして提供することができる。この他、サーバ装置10は、上記の待ち時間算出サービスに関する機能をオンプレミスに提供するサーバとして実装することもできる。
クライアント端末30は、上記の待ち時間算出サービスの提供を受けるコンピュータの一例に対応する。このようなクライアントのあくまで一例として、施設5の案内や誘導を行うスタッフを始めとする従業員や複合施設の管理者などを含む関係者全般が挙げられる。また、クライアント端末30には、デスクトップ型またはラップトップ型のパーソナルコンピュータなどが対応する。これはあくまで一例であり、クライアント端末30は、携帯端末装置やウェアラブル端末などの任意のコンピュータであってかまわない。
[1.1 優先入場システムの導入]
ここで、施設5が提供するサービスの利用時には、待ち時間短縮の側面から、優先入場システムが導入される例を挙げる。このような優先入場システムが導入される場合、優先入場整理券が配布された優先利用者は、優先入場整理券の配布が配布されていない通常利用者が整列する通常レーンよりも入場が優先される優先レーンから入場することができる。なお、上記の優先入場整理券は、紙媒体のチケットであってもよいし、電子チケットであってもかまわない。
[1.2 ハードウェア面のシステム肥大化の一側面]
このように、通常レーン及び優先レーンの各レーン別に施設5の待ち時間が算出される場合、上記の背景技術の欄で説明した通り、各レーン別の待ち時間算出のICT化を実現するには、特別なインフラの導入が必要となる。
すなわち、各レーン別に待ち時間を算出する場合、待ち行列に整列する利用者が通常レーン及び優先レーンのいずれのレーンに属するのかを識別して利用者の待ち時間を計測する仕組みをICT化する必要がある。例えば、各レーンに整列する利用者の識別を顔認識等の画像処理によって実現する場合、各レーン別に複数の撮像装置を設置する必要があるので、システム構築の上で現場に導入するハードウェアが大掛かりになる側面がある。
[1.3 近距離無線通信を用いた利用者検知の一例]
そこで、大掛かりなハードウェアの導入を抑制する側面から、本実施例に係る待ち時間算出システム1では、あくまで一例として、利用者により使用される送信機が有する近距離無線通信の送信機能が利用者の接近検知に利用される。
例えば、上記の送信機は、施設5の利用者が所持する任意のIoT(Internet of Things)デバイスであってかまわない。ここで、IoTデバイスは、複合施設の事業者により譲渡や貸渡しが行われるものでなくともよく、利用者が所有するものであってかまわない。例えば、スマートフォンや携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信端末のみならず、タブレット端末やスレート端末などが挙げられる。ここに挙げたハンドヘルド型の携帯端末装置に限定されず、ヘッドマウントディスプレイやスマートグラス、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスの他、あらゆるIoTデバイスが送信機に対応し得る。
さらに、上記の近距離無線通信の規格の例として、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などが挙げられる。これら近距離無線通信の規格に対応する送信機がビーコンの送信機として機能する場合、送信機によりアドバタイジングパケットがブロードキャストされる。このようなアドバタイジングパケットをスキャンするビーコンの受信機能を搭載する受信機50が施設5に導入されることで、受信機50への利用者の接近検知を実現できる。
ここで、利用者の接近検知に用いる受信機50も、任意のIoTデバイスであってよく、必ずしもビーコンの受信機能だけを搭載せずともかまわない。このような受信機50の導入によって、ビーコンの送信機能がON状態に設定されている送信機を所持する利用者を上記の待ち時間算出サービスにおける待ち時間の算出に利用することができる。このため、1つの側面として、施設5の利用者が所持するIoTデバイスの標準機能を利用できるので、施設5の利用者が所持する送信機側に特別なソフトウェアを導入させずともよい。さらには、施設5の利用者が所持する送信機に待ち時間算出用のアプリケーションを配布するWebサーバやファイルサーバなどのリソースも不要化できる。
[1.4 近距離無線通信を用いた利用者検知の課題の一側面]
このように、利用者が所持する送信機が有する近距離無線通信の機能が利用者の検知に利用される場合、サービスの利用者以外の通行人の送信機が発信する電波が利用者の検知の妨げとなるので、各レーンに整列する利用者の識別が困難である側面がある。さらに、通常レーン及び優先レーンの経路の一部が重複する場合、いずれのレーンに属する利用者の送信機が発信する電波であるのかを区別することがより困難になる。
[2. 課題解決のアプローチの一側面]
そこで、本実施例では、通常レーン及び優先レーンの順路のうち、通常利用者及び優先利用者の両方の送信機が検知可能である第1のチェックポイントと、通常利用者又は優先利用者の片方の送信機が検知可能である第2のチェックポイントとを設定する。その上で、第1のチェックポイントおよび第2のチェックポイントに受信機50を配置する。
図2は、受信機50の配置例を示す図である。図2には、施設5Aの入場整理に用いられる順路の一例として、施設5Aの入口で合流するまでの経路が異なる通常レーンL1及び優先レーンL2とが例示されている。さらに、図2では、凡例に示す通り、受信機50、受信機50のビーコンの受信圏および利用者が模式化されている。
図2に示すように、第1のチェックポイントの一例として、チェックポイントCP1、CP3~CP5が例示されている。このうち、チェックポイントCP1は、通常レーンL1及び優先レーンL2の最後尾に対応する。ここで言う「最後尾」とは、必ずしも実測の最後尾でなくともかまわない。例えば、過去に通常レーンL1又は優先レーンL2で観測された待ち行列の最後尾のうち過去の観測上または統計上の最大の最後尾の位置を用いることができる。チェックポイントCP3は、通常レーンL1及び優先レーンL2が近接するポイントに対応する。チェックポイントCP4は、施設5Aの入口に対応する。チェックポイントCP5は、施設5Aの出口に対応する。これらチェックポイントCP1、CP3~CP5に配置される受信機50A、50C~50Eでは、通常レーンL1上に位置する送信機から発信されるビーコンと、優先レーンL2上に位置する送信機から発信されるビーコンとの両方が受信可能である。
また、図2に示すように、第2のチェックポイントの一例として、優先レーンL2の経路に近接しない通常レーンL1上のチェックポイントCP2が例示されている。このチェックポイントCP2に配置される受信機50Bでは、優先レーンL2上に位置する送信機から発信されるビーコンは受信されない一方で、通常レーンL1上に位置する送信機から発信されるビーコンは受信可能である。
このような受信機50の配置状況の下、本実施例では、第1のチェックポイントに対応する受信機50で電波が検知される送信機が第2のチェックポイントに対応する受信機50で電波が検知されるか否かにより、通常利用者及び優先利用者を識別する。
例えば、図2に示す例で言えば、チェックポイントCP1、CP3~CP5に対応する受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機の順路が通常レーンL1又は優先レーンL2のいずれかの順路に対応するのは自明である。このため、待ち時間の算出対象とする送信機を受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機に絞り込むことで、待ち時間の算出対象とする送信機から施設5Aの利用者以外の通行人の送信機を除外できる。
さらに、チェックポイントCP1、CP3~CP5に対応する受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機のうち、チェックポイントCP2に対応する受信機50Bでビーコンが受信された送信機の順路が通常レーンL1に対応することも自明である。また、チェックポイントCP1、CP3~CP5に対応する受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機のうち、チェックポイントCP2に対応する受信機50Bでビーコンが受信されていない送信機の順路が優先レーンL2に対応することも自明である。
これらのことから、本実施例では、受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機のうち、受信機50Bでビーコンが受信された送信機の第1のチェックポイントの通過時間に基づいて通常レーンL1の待ち時間を算出する。さらに、本実施例では、受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機のうち、受信機50Bでビーコンが受信されていない送信機の第1のチェックポイントの通過時間に基づいて優先レーンL2の待ち時間を算出する。
これによって、通常レーンL1及び優先レーンL2の経路の一部が重複する場合でも、通常利用者及び優先利用者の送信機を区別して通常レーンL1の待ち時間及び優先レーンL2の待ち時間を算出できる。このため、近距離無線通信を用いた利用者検知により通常レーンL1及び優先レーンL2の各レーン別に待ち時間を算出する場合でも、待ち時間の算出精度が低下するのを抑制できる。
したがって、本実施例によれば、特別なインフラの導入なしに各レーン別の待ち時間算出が可能である。
[3. サーバ装置の機能的構成]
次に、本実施例に係るサーバ装置10の機能的構成について説明する。図3は、実施例1に係るサーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ装置10は、通信インタフェイス11と、記憶部13と、制御部15とを有する。なお、図3には、データの授受の関係を表す実線が示されているが、説明の便宜上、最小限の部分について示されているに過ぎない。すなわち、各処理部に関するデータの入出力は、図示の例に限定されず、図示以外のデータの入出力、例えば処理部及び処理部の間、処理部及びデータの間、並びに、処理部及び外部装置の間のデータの入出力が行われることとしてもかまわない。
通信インタフェイス11は、他の装置、例えばクライアント端末30や受信機50などの外部装置との間で通信制御を行うインタフェイスである。あくまで一例として、通信インタフェイス11には、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用することができる。例えば、通信インタフェイス11は、クライアント端末30から施設3の待ち時間の出力リクエストを受け付けたり、施設3の各レーン別の待ち時間をクライアント端末30に出力したりする。また、通信インタフェイス11は、受信機50がビーコンを受信する送信機のリストをサーバ装置10にアップロードさせる設定を受信機50に通知する。さらに、通信インタフェイス11は、受信機50によりビーコンが受信された送信機のリストを受信機50から受け付ける。
記憶部13は、制御部15で実行されるOS(Operating System)を始め、上記の待ち時間算出プログラムなどの各種プログラムに用いられるデータを記憶する機能部である。
あくまで一例として、記憶部13は、サーバ装置10における補助記憶装置に対応する。例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスクやSSD(Solid State Drive)などが補助記憶装置に対応する。この他、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などのフラッシュメモリも補助記憶装置に対応し得る。
記憶部13は、制御部15で実行されるプログラムに用いられるデータの一例として、受信履歴データ13Aと、マスタデータ13Bと、チェックポイントデータ13Cとを記憶する。これらのデータ以外の他のデータ、上記の待ち時間算出プログラムによって参照、生成または登録が行われるデータ、例えばクライアント端末30のユーザのアカウントなどが記憶部13に記憶されることとしてもかまわない。なお、受信履歴データ13A、マスタデータ13B及びチェックポイントデータ13Cの説明は、各データの参照、生成または登録が行われる制御部15の説明と合わせて行うこととする。
制御部15は、サーバ装置10の全体制御を行う機能部である。
一実施形態として、制御部15は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのハードウェアプロセッサにより実装することができる。ここでは、プロセッサの一例として、CPUやMPUを例示したが、汎用型および特化型を問わず、任意のプロセッサにより実装することができる。この他、制御部15は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによって実現されることとしてもかまわない。
制御部15は、上記の待ち時間算出プログラムを実行することにより、図示しない主記憶装置として実装されるDRAM(Dynamic Random Access Memory)などのRAMのワークエリア上に図3に示す処理部を仮想的に実現する。なお、ここでは、あくまで一例として、上記の待ち時間算出プログラムが実行される例を挙げるが、サーバ装置10上で動作するプログラムはこれに限定されない。例えば、上記の待ち時間算出サービスが他のサービスとパッケージ化されたパッケージソフトウェア、例えば複合施設管理用のソフトウェアが実行されることを妨げない。
例えば、制御部15は、図3に示すように、取得部15Aと、探索部15Bと、識別部15Cと、算出部15Dと、出力部15Eとを有する。
取得部15Aは、受信機50から送信機のリストを取得する処理部である。
一実施形態として、取得部15Aは、各受信機50から受信機50でビーコンが受信された送信機のリストを取得する。このように各受信機50から取得される送信機のリストには、送信機の個体を識別する情報、以下「個体識別情報」が含まれ得る。例えば、個体識別情報の一例として、送信機がブロードキャストするアドバタイズパケットに含まれるUUID(Universally Unique IDentifier)の他、送信機のMAC(Media Access Control)アドレス等を受信機50にアップロードさせることができる。この他、受信機50の受信電波強度、ビーコンの送信電波強度、ビーコンの送信電波強度から求まる送信機の推定距離などを受信機50にアップロードさせることとしてもかまわない。
ここで、上記の送信機のリストは、あくまで一例として、所定の時間、例えば1分間、あるいは5分間ごとに各受信機50から取得される。このように各受信機50から送信機のリストが取得される度に、受信機50ごとに取得された送信機のリストが記憶部13の受信履歴データ13Aに追加して保存される。
図4は、受信履歴データ13Aのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、受信履歴データ13Aには、各受信機50から送信機のリストがアップロードされたn回分のエントリ、すなわちアップロード#1~アップロード#nが含まれ得る。さらに、図4には、アップロード#1~アップロード#nのうちアップロード#1に含まれるデータの詳細がピックアップして示されている。すなわち、図4に示すように、アップロード#1には、複合施設内の施設5A~5Mごとに所定数が配置された全受信機50の個数に対応するJ(J>N)個分のエントリ、すなわち受信機#1~受信機#Jが含まれ得る。さらに、図4には、受信機#1~受信機#Jのうち受信機#1に含まれるデータの詳細がピックアップして示されている。すなわち、図4に示すように、受信機#1には、受信機50でビーコンが受信された送信機の個数に対応するK個分のエントリ、すなわち送信機#1~送信機#Kが含まれ得る。さらに、図4には、送信機#1~送信機#Kのうち送信機#1に含まれるデータの詳細がピックアップして示されている。すなわち、図4に示すように、送信機#1には、UUIDやMACアドレスなどの個体識別情報、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、TxPower、さらには、推定距離などが含まれ得る。ここで言う「RSSI」は、受信機50における受信電波強度に対応する。また、「TxPower」の「Tx」は、「Transmitter」の略語であり、「TxPower」は、送信電波出力に対応する。
探索部15Bは、送信機の各チェックポイントの通過状況を探索する処理部である。
一実施形態として、探索部15Bは、取得部15Aにより新規の送信機のリストが取得された場合、処理を起動することができる。例えば、探索部15Bは、記憶部13に記憶されたマスタデータ13Bを参照して、施設5の出口に対応するチェックポイントに配置された受信機50ごとに当該受信機50から新規に取得された送信機のリストを受信履歴データ13Aから読み出す。
ここで、上記のマスタデータ13Bは、あくまで1つの側面として、施設5、受信機50及びチェックポイントの識別に用いられる。例えば、マスタデータ13Bには、あくまで一例として、次に挙げる4つのマスタが含まれ得る。例えば、施設5が定義された施設マスタ13B1、施設5及び受信機50の対応関係が定義された対応マスタ13B2、受信機50が定義された受信機マスタ13B3、チェックポイントが定義されたチェックポイントマスタ13B4などが含まれ得る。
図5は、施設マスタ13B1の一例を示す図である。図5には、施設5のあくまで一例として、3つのアトラクションが抜粋して例示されているが、実装は図示の例に限定されず、施設5は必ずしもアトラクションでなくともよく、また、施設5の数も単数を含む任意の数であってかまわない。図5に示すように、施設マスタ13B1には、施設5を識別する施設IDと、施設5の名称とが対応付けられたデータを採用できる。図5に示す施設マスタ13B1の例で言えば、施設5Aの名称が「Aアトラクション」であり、施設5Bの名称が「Bアトラクション」であり、また、施設5Cの名称が「Cアトラクション」であることをコンピュータに認識させることができる。
図6は、対応マスタ13B2の一例を示す図である。図6に示すように、対応マスタ13B2には、施設IDと、受信機50を識別する受信機IDとが対応付けられたデータを採用できる。図6に示す対応マスタ13B2の例によれば、施設5Aには、受信機50A~50Eの5つの受信機50が配置されていることをコンピュータに認識させることができる。
図7は、受信機マスタ13B3の一例を示す図である。図7に示すように、受信機マスタ13B3には、受信機IDと、チェックポイントを識別するチェックポイントIDとが対応付けられたデータを採用できる。図7に示す受信機マスタ13B3の例によれば、受信機50A~50EがチェックポイントCP1~CP5に対応することをコンピュータに認識させることができる。
図8は、チェックポイントマスタ13B4の一例を示す図である。図8に示すように、チェックポイントマスタ13B4には、チェックポイントIDと、チェックポイントの属性と、チェックポイントが通常レーンL1専用に対応する第2のチェックポイントに対応するか否かのフラグとが対応付けられたデータを採用できる。図7に示す受信機マスタ13B3の例によれば、チェックポイントCP1~CP5に対応する地点の各々が施設5Aの待ち行列の最大最後尾、待ち経路1、待ち経路2、施設5Aの入口、施設5Aの出口であることをコンピュータに認識させることができる。さらに、図7に示す受信機マスタ13B3の例によれば、チェックポイントCP1~CP5のうち、チェックポイントCP1、CP3~CP5が第1のチェックポイントに対応することをコンピュータに認識させることができる。さらに、図7に示す受信機マスタ13B3の例によれば、チェックポイントCP1~CP5のうち、チェックポイントCP2が第2のチェックポイントに対応することをコンピュータに認識させることができる。
これら施設マスタ13B1、対応マスタ13B2、受信機マスタ13B3及びチェックポイントマスタ13B4が施設5、受信機50及びチェックポイントの識別に用いられる。例えば、受信機マスタ13B3からチェックポイントの属性が「出口」であるチェックポイントIDを検索し、さらに、検索にヒットしたチェックポイントIDに対応する受信機IDを受信機マスタ13B3から検索する。このようなマスタ検索によって、探索部15Bは、チェックポイントのうち属性が「出口」に対応するチェックポイントに配置された受信機50を識別できる。
続いて、探索部15Bは、受信履歴データ13Aから読み出された新規の送信機のリストのうち、施設5の待ち行列とは関連性がない送信機、例えば施設5の関係者が使用する携帯端末装置や施設5に設置されたゲートウェイ装置などを除外する。そして、探索部15Bは、施設5の待ち行列とは関連性がない送信機が除外されて残った送信機のリストの中から送信機を1つ選択する。
その上で、探索部15Bは、チェックポイントごとに当該チェックポイントに配置された受信機50から取得された送信機のリストの受信履歴から選択中の送信機の個体識別情報を探索する。このような探索によって、例えば、選択中の送信機の個体識別情報がヒットするチェックポイントに当該チェックポイントにおける受信機50のビーコンの受信時刻が対応付けられたデータエントリを記憶部13におけるチェックポイントデータ13Cに追加登録する。このとき、1つのチェックポイントにつき複数の個体識別情報がヒットする場合、当該チェックポイントに配置された受信機50におけるビーコンの受信時刻のうち最古または最新の受信時刻を選択するのかをチェックポイントの属性に応じて変更することができる。例えば、チェックポイントの属性が「出口」である場合、最新の受信時刻を選択し、また、チェックポイントの属性が「出口」以外である場合、最古の受信時刻を選択することができる。このようにチェックポイントの属性が「出口」以外である場合に最古の受信時刻を選択するのは、出口以外のチェックポイントは待ち行列の最後尾になり得るからである。
図9は、チェックポイントデータ13Cの一例を示す図である。図9に示すように、チェックポイントデータ13Cには、出口のチェックポイントに配置された受信機50でビーコンが受信された施設IDと、ビーコン送信元の送信機の個体識別情報と、チェックポイント別のビーコンの受信時刻とが対応付けられたデータを採用できる。図9に示すチェックポイントデータ13Cの例によれば、個体識別情報「XXXXXXXX」、「YYYYYYYY」及び「ZZZZZZZZ」の3つの送信機ごとにチェックポイントCP1~CP5に対応する受信機50A~50Eでビーコンが受信された時刻が示されている。
例えば、個体識別情報「XXXXXXXX」の送信機を例に挙げれば、チェックポイントCP1~CP5に対応する受信機50A~50Eの順に10時、10時21分、10時30分、10時45分、10時50分にビーコンが受信されたことを意味する。言い換えれば、個体識別情報「XXXXXXXX」の送信機がチェックポイントCP1~CP5の各々を10時、10時21分、10時30分、10時45分、10時55分に通過したことと等価とみなすこともできる。また、個体識別情報「YYYYYYYY」の送信機を例に挙げれば、チェックポイントCP1、CP3~CP5に対応する受信機50A、50C~50Eの順に10時30分、10時35分、10時48分、10時55分に受信されたことを意味する。言い換えれば、個体識別情報「YYYYYYYY」の送信機がチェックポイントCP1、CP3~CP5の各々を10時30分、10時35分、10時48分、10時55分に通過したことと等価とみなすこともできる。さらに、個体識別情報「ZZZZZZZZ」の送信機を例に挙げれば、チェックポイントCP5に対応する受信機50Eで10時55分にビーコンが受信されたことを意味する。言い換えれば、個体識別情報「ZZZZZZZZ」の送信機がチェックポイントCP5を10時55分に通過したことと等価とみなすこともできる。
このようなチェックポイントデータ13Cのデータエントリの生成を全ての送信機が選択されるまで繰り返すことで、新規の送信機のリストからチェックポイントデータ13Cを生成する処理が完了する。
その後、探索部15Bは、出口のチェックポイントに配置された受信機50でビーコンが受信された各送信機の間で送信機を所持する利用者により整列が開始された時点における待ち行列の最後尾に対応するチェックポイントを検出する。例えば、探索部15Bは、待ち行列の最後尾の位置に依らず、施設5の利用に避けて通ることができない必須のチェックポイント、例えば施設5の入口および出口などよりも後方(順路の逆方向)に遡ってチェックポイントの受信時刻を参照する。このような受信時刻の参照は、必須のチェックポイントよりも1つ遡ったチェックポイントから順に、受信時刻のデータ値が存在するチェックポイント、例えばデータ値がブランクまたはNULL値以外であるチェックポイントを遡って探索される。この結果、出口のチェックポイントに配置された受信機50でビーコンが受信された送信機ごとに探索されたチェックポイントのうち、最後方、すなわち順路の逆方向に遡ることができたチェックポイントが最後尾として検出される。
例えば、図9に示すチェックポイントデータ13Cの例で言えば、必須のチェックポイントに対応する入口のチェックポイントCP2よりも1つ遡った待ち経路2のチェックポイントCP3から順に受信時刻が参照される。例えば、1つ目のレコードでは、チェックポイントCP3、チェックポイントCP2及びチェックポイントCP1のいずれにも受信時刻のデータ値が存在するので、最大最後尾のチェックポイントCP1まで探索されることになる。さらに、2つ目のレコードにおいても、チェックポイントCP3、チェックポイントCP2及びチェックポイントCP1のいずれにも受信時刻のデータ値が存在するので、最大最後尾のチェックポイントCP1まで探索されることになる。また、3つ目のレコードでは、チェックポイントCP3に受信時刻のデータ値が存在しないので、この時点で探索が終了される。これら3つのレコードの送信機の間では、最後方、すなわち順路の逆方向に遡ることができたチェックポイントはチェックポイントCP1となる。この結果、施設5Aの出口でビーコンが受信された送信機を所持する利用者により整列が開始された時点における待ち行列の最後尾は、最大最後尾に対応するチェックポイントCP1と検出される。
識別部15Cは、送信機の順路が通常レーン又は優先レーンのいずれかのレーンに対応するのか否かを識別する処理部である。
一実施形態として、識別部15Cは、探索部15Bによりチェックポイントデータ13Cが生成された後に処理を起動することができる。例えば、識別部15Cは、チェックポイントデータ13Cに含まれる施設5を1つ選択する。続いて、識別部15Cは、チェックポイントデータ13Cで選択中の施設5に対応付けられた送信機のうち送信機を1つ選択する。その上で、識別部15Cは、選択中の送信機に対応付けられたチェックポイント別のビーコンの受信時刻を参照して、施設5の出口から待ち行列の最後尾までの区間に存在する第1のチェックポイントに受信時刻が登録されているか否かを判定する。このとき、第1のチェックポイントに受信時刻が登録されている場合、選択中の送信機が通常レーンL1又は優先レーンL2のいずれかの順路を通過していることを識別できる。この場合、識別部15Cは、選択中の送信機に対応付けられたチェックポイント別のビーコンの受信時刻を参照して、通常レーンL1専用に対応する第2のチェックポイントに受信時刻が登録されているか否かをさらに判定する。ここで、第2のチェックポイントに受信時刻が登録されている場合、選択中の送信機が通常レーンL1を通過していること、言い換えれば施設5の利用者が通常利用者であることを識別できる。一方、第2のチェックポイントに受信時刻が登録されていない場合、選択中の送信機が優先レーンL2を通過していること、言い換えれば施設5の利用者が優先利用者であることを識別できる。
算出部15Dは、各レーン別に待ち時間を算出する処理部である。
1つの側面として、算出部15Dは、第2のチェックポイントに受信時刻が登録されている場合、通常レーンL1の待ち時間を算出する。ここで言う「待ち時間」とは、一例として、通常利用者が通常レーンL1で待ち行列に並んでから施設5のサービス利用を開始するまでの所要時間を指すこととする。例えば、算出部15Dは、選択中の送信機に対応付けられたチェックポイント別のビーコンの受信時刻のうち、待ち行列の最後尾に対応するチェックポイントにおける受信時刻と、出口に対応するチェックポイントにおける受信時刻との時間差を全体の所要時間として算出する。このように算出された全体の所要時間には、施設5のサービスが利用された時間も含まれる。このことから、算出部15Dは、あくまで一例として、施設5とサービス所要時間とが対応付けられた所要時間マスタを参照して、全体の所要時間から選択中の施設5に対応するサービス所要時間を減算することにより、通常レーンL1の待ち時間を算出する。
他の側面として、算出部15Dは、第2のチェックポイントに受信時刻が登録されていない場合、優先レーンL2の待ち時間を算出する。ここで言う「待ち時間」とは、一例として、優先利用者が優先レーンL2で待ち行列に並んでから施設5のサービス利用を開始するまでの所要時間を指すこととする。例えば、算出部15Dは、選択中の送信機に対応付けられたチェックポイント別のビーコンの受信時刻のうち、待ち行列の最後尾に対応するチェックポイントにおける受信時刻と、出口に対応するチェックポイントにおける受信時刻との時間差を全体の所要時間として算出する。このように算出された全体の所要時間には、施設5のサービスが利用された時間も含まれる。このことから、算出部15Dは、あくまで一例として、施設5とサービス所要時間とが対応付けられた所要時間マスタを参照して、全体の所要時間から選択中の施設5に対応するサービス所要時間を減算することにより、優先レーンL2の待ち時間を算出する。
このように通常レーンL1の待ち時間または優先レーンL2の待ち時間が算出された後、算出部15Dは、通常レーンL1の待ち時間または優先レーンL2の待ち時間の妥当性を検証する。例えば、算出部15Dは、通常レーンL1の待ち時間または優先レーンL2の待ち時間と、通常レーンL1の待ち時間および優先レーンL2の待ち時間を分類する閾値とを比較することで上記の検証を実現する。例えば、上記の閾値は、通常レーンL1及び優先レーンL2の待ち時間の統計値の時間変化に基づいて設定することができる。
図10は、待ち時間の統計値の時間変化の一例を示す図である。図10に示すグラフの縦軸は、待ち時間を指し、横軸は、時間を指す。図10には、通常レーンL1及び優先レーンL2の各レーン別に複合施設の開園から閉園までの待ち時間の平均値の推移が示されており、通常レーンL1の待ち時間の平均値が破線で示される一方で、優先レーンL2の待ち時間の平均値が実線で示されている。図10に示すように、通常レーンL1及び優先レーンL2の間では、いずれも開園直後および閉園直前の待ち時間が短く、待ち時間のピークが発生する時間帯も類似している傾向にある。このような傾向とともに、通常レーンL1及び優先レーンL2の間では、開園から閉園までの全区間において、通常レーンL1の待ち時間が優先レーンL2の待ち時間よりも一定値以上長い傾向がある。これらの傾向から、開園から閉園までの全区間において、通常レーンL1の待ち時間および優先レーンL2の待ち時間を二分する閾値を設定可能であることが明らかである。
図11は、待ち時間のヒストグラムの一例を示す図である。図11には、図10に示すグラフの時間t1における各レーン別の待ち時間のヒストグラムH1及びH2と、図10に示すグラフの時間t2における各レーン別の待ち時間のヒストグラムH3及びH4とが上下に並べて示されている。これらヒストグラムH1~H4の横軸は、待ち時間が5分刻みで区切られた階級を指し、また、縦軸は、各階級に属するデータ件数、いわゆる度数を指す。図11に示すように、優先レーンL2のヒストグラムH3のピークと通常レーンL1のヒストグラムH4のピークとの間隔は、優先レーンL2のヒストグラムH1のピークと通常レーンL1のヒストグラムH2のピークとの間隔よりも広いことがわかる。これは、待ち時間のピークの時間t2に近づくにつれて通常レーンL1のヒストグラムのピークと優先レーンL2のヒストグラムのピークとの間隔が広がることを意味する。
例えば、上記の閾値は、優先レーンL2のヒストグラムおよび通常レーンL1のヒストグラムにモード法を適用することによって導出することができる。例えば、ヒストグラムH1及びヒストグラムH2を例に挙げれば、2つのヒストグラムが重ね合わされたデータにモード法を適用する。これによって、優先レーンL2の待ち時間のヒストグラムH1と、通常レーンL1の待ち時間のヒストグラムH2との谷の部分に対応する待ち時間を閾値として導出できる。このような閾値の導出を時間帯ごとにさらに実行することにより、時間帯別に閾値を設定することができる。なお、ヒストグラムの生成に用いる待ち時間は、算出部15Dにより過去に算出された待ち時間の統計値を用いることもできれば、待ち時間の実測値を用いることもできる。
このような閾値を用いて、通常レーンL1の待ち時間または優先レーンL2の待ち時間の妥当性が検証される。例えば、算出部15Dは、通常レーンL1の待ち時間または優先レーンL2の待ち時間と、通常レーンL1の待ち時間および優先レーンL2の待ち時間を分類する閾値とを比較する。
あくまで1つの側面として、通常レーンL1の待ち時間が算出されたとしたとき、算出部15Dは、通常レーンL1の待ち時間が当該通常レーンL1の待ち時間が算出された時間帯に対応する閾値Th以上である否かを判定する。このとき、通常レーンL1の待ち時間が上記の閾値Th以上である場合、通常レーンL1の待ち時間が統計上妥当であることが検証できる。この場合、算出部15Dは、当該通常レーンL1の待ち時間を用いて、選択中の施設5について過去に選択された送信機ごとに算出されてきた通常レーンL1の待ち時間の統計値、例えば最大値、最小値および平均値などを更新する。
他の側面として、優先レーンL2の待ち時間が算出されたとしたとき、算出部15Dは、優先レーンL2の待ち時間が当該優先レーンL2の待ち時間が算出された時間帯に対応する閾値Th未満である否かを判定する。このとき、優先レーンL2の待ち時間が上記の閾値Th未満である場合、優先レーンL2の待ち時間が統計上妥当であることが検証できる。この場合、算出部15Dは、当該優先レーンL2の待ち時間を用いて、選択中の施設5について過去に選択された送信機ごとに算出されてきた優先レーンL2の待ち時間の統計値、例えば最大値、最小値および平均値などを更新する。
なお、ここでは、通常レーンL1及び優先レーンL2の待ち時間を分類する閾値を用いて妥当性を検証する例を挙げたが、これに限定されない。例えば、通常レーンL1の待ち時間が、通常レーンL1の待ち時間のヒストグラムにおける上位または下位の所定割合、例えば上位5%または下位5%の待ち時間に該当する場合、あるいは統計上観測されていない場合、通常レーンL1の待ち時間を外れ値として除外することもできる。また、優先レーンL2の待ち時間が、優先レーンL2の待ち時間のヒストグラムにおける上位または下位の所定割合、例えば上位5%または下位5%の待ち時間に該当する場合、あるいは統計上観測されていない場合、優先レーンL2の待ち時間を外れ値として除外することもできる。
出力部15Eは、待ち時間を出力する処理部である。
一実施形態として、出力部15Eは、施設5ごとに各レーン別の待ち時間をクライアント端末30に出力することができる。図12は、待ち時間の出力方法の一例を示す図である。図12には、あくまで一例として、クライアント端末30に表示されるウィンドウの一例が示されている。例えば、施設5Aの例で言えば、通常レーンL1の待ち時間の最小値「65分」、最大値「88分」及び平均値「75分」が表示されると共に、優先レーンL2の待ち時間の最小値「25分」、最大値「32分」及び平均値「27分」が表示される。このような表示によって、施設5Aへの増員の要否などの判断に資する情報を提供できる。
なお、図12には、施設5Aを含む複合施設全体に関する各レーン別の待ち時間の統計値が一覧として表示される例が示されているが、一部の施設5に絞って待ち時間を表示することとしてもよいし、統計値の一部に絞って表示することもできる。また、図12には、待ち時間の出力方法の一例として、表示出力が行われる例を挙げたが、音声出力や印字出力が行われることとしてもかまわない。さらに、図12には、待ち時間の出力先の一例として、クライアント端末30を例に挙げたが、施設5に設置された表示装置や音声出力装置等で待ち時間を出力させることで、施設5の利用者に待ち時間を通知することもできる。
[4. 処理の流れ]
次に、本実施例に係るサーバ装置10の処理の流れについて説明する。ここでは、一例として、サーバ装置10により実行される(1)探索処理について説明した後に、(2)算出処理について説明することとする。
[4.1 探索処理]
図13は、実施例1に係る探索処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、あくまで一例として、取得部15Aにより新規の送信機のリストが取得される度に、施設5の出口に対応するチェックポイントに配置された受信機50ごとに実行することができる。
図13に示すように、探索部15Bは、施設5の出口に対応するチェックポイントに配置された受信機50から新規に取得された送信機のリストを受信履歴データ13Aから読み出す(ステップS101)。
続いて、探索部15Bは、ステップS101で読み出された新規の送信機のリストのうち、施設5の待ち行列とは関連性がない送信機、例えば施設5の関係者が使用する携帯端末装置や施設5に設置されたゲートウェイ装置などを除外する(ステップS102)。
そして、探索部15Bは、ステップ102で施設5の待ち行列とは関連性がない送信機が除外されて残った送信機のリストの中から送信機を1つ選択する(ステップS103)。さらに、探索部15Bは、施設5のチェックポイントを1つ選択する(ステップS104)。
その上で、探索部15Bは、ステップS104で選択されたチェックポイントに配置された受信機50から取得された送信機のリストの受信履歴からステップS103で選択された送信機の個体識別情報を探索する(ステップS105)。
このとき、送信機の個体識別情報がヒットする場合(ステップS106Yes)、探索部15Bは、チェックポイントデータ13Cに含まれるレコードのうち、ステップS104で選択されたチェックポイントのフィールドにビーコンの受信時刻を登録する(ステップS107)。なお、送信機の個体識別情報がヒットしない場合(ステップS106No)、上記のステップS107の処理はスキップされる。
そして、全てのチェックポイントが選択されるまで(ステップS108No)、探索部15Bは、上記のステップS104から上記のステップS107までの処理を繰り返す。その後、全てのチェックポイントが選択された場合(ステップS108Yes)、全ての送信機が選択されるまで(ステップS109No)、探索部15Bは、上記のステップS103から上記のステップS108までの処理を繰り返す。
最後に、全ての送信機が選択された場合(ステップS109Yes)、探索部15Bは、出口のチェックポイントに配置された受信機50でビーコンが受信された各送信機の間で送信機を所持する利用者により整列が開始された時点における待ち行列の最後尾に対応するチェックポイントを検出し(ステップS110)、処理を終了する。
[4.2 算出処理]
図14は、実施例1に係る算出処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、あくまで一例として、図13に示された探索処理の結果としてチェックポイントデータ13Cが生成された場合に実行される。
図14に示すように、識別部15Cは、チェックポイントデータ13Cに含まれる施設5を1つ選択する(ステップS301)。続いて、識別部15Cは、チェックポイントデータ13Cで選択中の施設5に対応付けられた送信機のうち送信機を1つ選択する(ステップS302)。
その上で、識別部15Cは、ステップS302で選択された送信機に対応付けられたチェックポイント別のビーコンの受信時刻を参照して、施設5の出口から待ち行列の最後尾までの区間に存在する第1のチェックポイントに受信時刻が登録されているか否かを判定する(ステップS303)。
このとき、第1のチェックポイントに受信時刻が登録されている場合(ステップS303Yes)、ステップS302で選択された送信機が通常レーンL1又は優先レーンL2のいずれかの順路を通過していることを識別できる。この場合、識別部15Cは、ステップS302で選択された送信機に対応付けられたチェックポイント別のビーコンの受信時刻を参照して、通常レーンL1専用に対応する第2のチェックポイントに受信時刻が登録されているか否かをさらに判定する(ステップS304)。
ここで、第2のチェックポイントに受信時刻が登録されている場合(ステップS304Yes)、ステップS302で選択された送信機が通常レーンL1を通過していること、言い換えれば施設5の利用者が通常利用者であることを識別できる(ステップS305)。この場合、算出部15Dは、ステップS302で選択された送信機に対応付けられたチェックポイント別のビーコンの受信時刻のうち、待ち行列の最後尾に対応するチェックポイントにおける受信時刻と、出口に対応するチェックポイントにおける受信時刻との時間差に基づいて通常レーンL1の待ち時間を算出する(ステップS306)。
そして、算出部15Dは、ステップS306で算出された通常レーンL1の待ち時間が当該通常レーンL1の待ち時間が算出された時間帯に対応する閾値Th以上である否かを判定する(ステップS307)。このとき、通常レーンL1の待ち時間が上記の閾値Th以上である場合(ステップS307Yes)、通常レーンL1の待ち時間が統計上妥当であることが検証できる。この場合、算出部15Dは、当該通常レーンL1の待ち時間を用いて、ステップS302で選択された施設5について過去に選択された送信機ごとに算出されてきた通常レーンL1の待ち時間の統計値、例えば最大値、最小値および平均値などを更新する(ステップS308)。
一方、第2のチェックポイントに受信時刻が登録されていない場合(ステップS304No)、ステップS302で選択された送信機が優先レーンL2を通過していること、言い換えれば施設5の利用者が優先利用者であることを識別できる(ステップS309)。この場合、算出部15Dは、ステップS302で選択された送信機に対応付けられたチェックポイント別のビーコンの受信時刻のうち、待ち行列の最後尾に対応するチェックポイントにおける受信時刻と、出口に対応するチェックポイントにおける受信時刻との時間差に基づいて優先レーンL2の待ち時間を算出する(ステップS310)。
そして、算出部15Dは、ステップS310で算出された優先レーンL2の待ち時間が当該優先レーンL2の待ち時間が算出された時間帯に対応する閾値Th未満である否かを判定する(ステップS311)。このとき、優先レーンL2の待ち時間が上記の閾値Th未満である場合(ステップS311Yes)、優先レーンL2の待ち時間が統計上妥当であることが検証できる。この場合、算出部15Dは、当該優先レーンL2の待ち時間を用いて、選択中の施設5について過去に選択された送信機ごとに算出されてきた優先レーンL2の待ち時間の統計値、例えば最大値、最小値および平均値などを更新する(ステップS312)。
その後、チェックポイントデータ13Cで選択中の施設5に対応付けられた全ての送信機が選択されるまで(ステップS313No)、上記のステップS302から上記のステップS312までの処理が繰り返し実行される。そして、チェックポイントデータ13Cで選択中の施設5に対応付けられた全ての送信機が選択された場合(ステップS313Yes)、チェックポイントデータ13Cに含まれる全ての施設5が選択されるまで(ステップS314No)、上記のステップS301から上記のステップS313までの処理が繰り返し実行される。
最後に、チェックポイントデータ13Cに含まれる全ての施設5が選択された場合(ステップS314Yes)、出力部15Eは、施設5ごとに各レーン別の待ち時間をクライアント端末30に出力し(ステップS315)、処理を終了する。
[5. 効果の一側面]
上述してきたように、本実施例では、優先及び通常の各レーン共通のCPの受信機で検知される送信機が片方のレーン専用のCPの受信機で検知されるか否かで送信機の通過レーンを識別して各レーン別にCPの通過時間に基づいて待ち時間を算出する。したがって、本実施例によれば、特別なインフラの導入なしに各レーン別の待ち時間算出が可能である。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
[第2のチェックポイントの応用例]
上記の実施例1では、第2のチェックポイントの一例として、通常利用者及び優先利用者のうち通常利用者の送信機が検知可能である通常レーンL1専用のチェックポイントを設定する例を挙げたが、これに限定されない。例えば、優先利用者の送信機が検知可能である優先レーンL2専用のチェックポイントを第2のチェックポイントとして設定することもできる。
図15は、受信機50の配置例を示す図である。図5には、施設5Aの入場整理に用いられる順路の一例として、施設5Aの入口で合流するまでの経路が異なる通常レーンL1及び優先レーンL2とが例示されている。さらに、図5では、凡例に示す通り、受信機50、受信機50のビーコンの受信圏および利用者が模式化されている。
図5に示すように、第1のチェックポイントの一例として、チェックポイントCP1、CP3~CP5が例示されている。このうち、チェックポイントCP1は、通常レーンL1及び優先レーンL2の最後尾に対応する。チェックポイントCP3は、通常レーンL1及び優先レーンL2が近接するポイントに対応する。チェックポイントCP4は、施設5Aの入口に対応する。チェックポイントCP5は、施設5Aの出口に対応する。これらチェックポイントCP1、CP3~CP5に配置される受信機50A、50C~50Eでは、通常レーンL1上に位置する送信機から発信されるビーコンと、優先レーンL2上に位置する送信機から発信されるビーコンとの両方が受信可能である。
また、図5に示すように、第2のチェックポイントの一例として、通常レーンL1の経路に近接しない優先レーンL2上のチェックポイントCP2が例示されている。このチェックポイントCP2に配置される受信機50Bでは、通常レーンL1上に位置する送信機から発信されるビーコンは受信されない一方で、優先レーンL1上に位置する送信機から発信されるビーコンは受信可能である。
このような受信機50の配置状況の下、第1のチェックポイントに対応する受信機50で電波が検知される送信機が第2のチェックポイントに対応する受信機50で電波が検知されるか否かにより、通常利用者及び優先利用者を識別する。
例えば、図5に示す例で言えば、チェックポイントCP1、CP3~CP5に対応する受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機の順路が通常レーンL1又は優先レーンL2のいずれかの順路に対応するのは自明である。このため、待ち時間の算出対象とする送信機を受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機に絞り込むことで、待ち時間の算出対象とする送信機から施設5Aの利用者以外の通行人の送信機を除外できる。
さらに、チェックポイントCP1、CP3~CP5に対応する受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機のうち、チェックポイントCP2に対応する受信機50Bでビーコンが受信された送信機の順路が優先レーンL2に対応することも自明である。また、チェックポイントCP1、CP3~CP5に対応する受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機のうち、チェックポイントCP2に対応する受信機50Bでビーコンが受信されていない送信機の順路が通常レーンL1に対応することも自明である。
これらのことから、受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機のうち、受信機50Bでビーコンが受信された送信機の第1のチェックポイントの通過時間に基づいて優先レーンL2の待ち時間を算出する。さらに、受信機50A、50C~50Eでビーコンが受信された送信機のうち、受信機50Bでビーコンが受信されていない送信機の第1のチェックポイントの通過時間に基づいて通常レーンL1の待ち時間を算出する。
このように、優先利用者の送信機が検知可能である優先レーンL2専用のチェックポイントが第2のチェックポイントとして設定される場合でも、上記の実施例1と同様、各レーン別に待ち時間を算出することができることが自明である。
なお、上記の実施例1や実施例2では、送信機が通過するレーンを識別するチェックポイントと、各レーンの待ち時間算出に用いるチェックポイントとが共用される例を挙げたが、これらは個別に設置されることとしてもかまわない。
[適用範囲]
上記の実施例1では、利用者検知に用いる近距離無線通信の一例として、Bluetooth(登録商標)やBLEなどのビーコンを例に挙げたが、これに限定されず、無線LANにおけるペアリングを利用者検知に用いることもできる。この場合、無線LANのアクセスポイントの機能を有する任意の端末を受信機として用いることができ、また、送信機の個体識別にはSSID(Service Set Identifier)やMACアドレス、IPアドレスなどを用いることができる。
[分散及び統合]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されておらずともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、取得部15A、探索部15B、識別部15C、算出部15Dまたは出力部15Eをサーバ装置10の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、取得部15A、探索部15B、識別部15C、算出部15Dまたは出力部15Eを別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記のサーバ装置10の機能を実現するようにしてもよい。また、記憶部13に記憶される受信履歴データ13A、マスタデータ13B及びチェックポイントデータ13Cの全部または一部を別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記のサーバ装置10の機能を実現するようにしてもかまわない。
[待ち時間算出プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図16を用いて、実施例1及び実施例2と同様の機能を有する待ち時間算出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図16は、コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図16に示すように、コンピュータ100は、操作部110aと、スピーカ110bと、カメラ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD170と、RAM180とを有する。これら110~180の各部はバス140を介して接続される。
HDD170には、図16に示すように、上記の実施例1で示した取得部15A、探索部15B、識別部15C、算出部15D及び出力部15Eと同様の機能を発揮する待ち時間算出プログラム170aが記憶される。この待ち時間算出プログラム170aは、図3に示した取得部15A、探索部15B、識別部15C、算出部15D及び出力部15Eの各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD170には、必ずしも上記の実施例1で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD170に格納されればよい。
このような環境の下、CPU150は、HDD170から待ち時間算出プログラム170aを読み出した上でRAM180へ展開する。この結果、待ち時間算出プログラム170aは、図16に示すように、待ち時間算出プロセス180aとして機能する。この待ち時間算出プロセス180aは、RAM180が有する記憶領域のうち待ち時間算出プロセス180aに割り当てられた領域にHDD170から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。例えば、待ち時間算出プロセス180aが実行する処理の一例として、図13~図14に示す処理などが含まれる。なお、CPU150では、必ずしも上記の実施例1で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
なお、上記の待ち時間算出プログラム170aは、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD-ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に待ち時間算出プログラム170aを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体から待ち時間算出プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに待ち時間算出プログラム170aを記憶させておき、コンピュータ100がこれらから待ち時間算出プログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)入場整理に用いられる第1のレーン及び前記第1のレーンよりも入場が優先される第2のレーンの両方に存在する送信機の電波を検知可能な第1の受信機で検知された送信機の電波が、前記第1のレーン又は前記第2のレーンの片方に存在する送信機の電波を検知可能な第2の受信機で検知されるか否かにより、前記送信機の通過レーンを識別し、
前記送信機の通過レーンが前記第1のレーンである場合、前記第1のレーンに設定されたチェックポイントに配置された受信機で前記送信機が検知された時間に基づいて前記第1のレーンの待ち時間を算出し、前記送信機の通過レーンが前記第2のレーンである場合、前記第2のレーンに設定されたチェックポイントに配置された受信機で前記送信機が検知された時間に基づいて前記第2のレーンの待ち時間を算出する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする待ち時間算出プログラム。
(付記2)前記算出する処理は、前記通過レーンが前記第1のレーンである複数の送信機の間で前記第1のレーンの待ち時間の統計値を算出し、前記通過レーンが前記第2のレーンである複数の送信機の間で前記第2のレーンの待ち時間の統計値を算出することを特徴とする付記1に記載の待ち時間算出プログラム。
(付記3)前記算出する処理は、所定の閾値以上の前記第1のレーンの待ち時間を用いて前記第1のレーンの待ち時間の統計値を算出し、前記閾値未満の前記第2のレーンの待ち時間を用いて前記第2のレーンの待ち時間の統計値を算出することを特徴とする付記2に記載の待ち時間算出プログラム。
(付記4)前記閾値は、前記第1のレーンの待ち時間のヒストグラム及び前記第2のレーンの待ち時間のヒストグラムに基づいて設定されることを特徴とする付記3に記載の待ち時間算出プログラム。
(付記5)入場整理に用いられる第1のレーン及び前記第1のレーンよりも入場が優先される第2のレーンの両方に存在する送信機の電波を検知可能な第1の受信機で検知された送信機の電波が、前記第1のレーン又は前記第2のレーンの片方に存在する送信機の電波を検知可能な第2の受信機で検知されるか否かにより、前記送信機の通過レーンを識別し、
前記送信機の通過レーンが前記第1のレーンである場合、前記第1のレーンに設定されたチェックポイントに配置された受信機で前記送信機が検知された時間に基づいて前記第1のレーンの待ち時間を算出し、前記送信機の通過レーンが前記第2のレーンである場合、前記第2のレーンに設定されたチェックポイントに配置された受信機で前記送信機が検知された時間に基づいて前記第2のレーンの待ち時間を算出する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする待ち時間算出方法。
(付記6)前記算出する処理は、前記通過レーンが前記第1のレーンである複数の送信機の間で前記第1のレーンの待ち時間の統計値を算出し、前記通過レーンが前記第2のレーンである複数の送信機の間で前記第2のレーンの待ち時間の統計値を算出することを特徴とする付記5に記載の待ち時間算出方法。
(付記7)前記算出する処理は、所定の閾値以上の前記第1のレーンの待ち時間を用いて前記第1のレーンの待ち時間の統計値を算出し、前記閾値未満の前記第2のレーンの待ち時間を用いて前記第2のレーンの待ち時間の統計値を算出することを特徴とする付記6に記載の待ち時間算出方法。
(付記8)前記閾値は、前記第1のレーンの待ち時間のヒストグラム及び前記第2のレーンの待ち時間のヒストグラムに基づいて設定されることを特徴とする付記7に記載の待ち時間算出方法。
(付記9)第1の受信機は、
入場整理に用いられる第1のレーン及び前記第1のレーンよりも入場が優先される第2のレーンの両方に存在する送信機の電波を検知し、
第2の受信機は、
前記第1のレーン又は前記第2のレーンの片方に存在する送信機の電波を検知し、
待ち時間算出装置は、
前記第1の受信機で検知された送信機の電波が前記第2の受信機で検知されるか否かにより、前記送信機の通過レーンを識別する識別部と、
前記送信機の通過レーンが前記第1のレーンである場合、前記第1のレーンに設定されたチェックポイントに配置された受信機で前記送信機が検知された時間に基づいて前記第1のレーンの待ち時間を算出し、前記送信機の通過レーンが前記第2のレーンである場合、前記第2のレーンに設定されたチェックポイントに配置された受信機で前記送信機が検知された時間に基づいて前記第2のレーンの待ち時間を算出する算出部と、
を有することを特徴とする待ち時間算出システム。
(付記10)前記算出部は、前記通過レーンが前記第1のレーンである複数の送信機の間で前記第1のレーンの待ち時間の統計値を算出し、前記通過レーンが前記第2のレーンである複数の送信機の間で前記第2のレーンの待ち時間の統計値を算出することを特徴とする付記9に記載の待ち時間算出システム。
(付記11)前記算出部は、所定の閾値以上の前記第1のレーンの待ち時間を用いて前記第1のレーンの待ち時間の統計値を算出し、前記閾値未満の前記第2のレーンの待ち時間を用いて前記第2のレーンの待ち時間の統計値を算出することを特徴とする付記10に記載の待ち時間算出システム。
(付記12)前記閾値は、前記第1のレーンの待ち時間のヒストグラム及び前記第2のレーンの待ち時間のヒストグラムに基づいて設定されることを特徴とする付記11に記載の待ち時間算出システム。