以下、本開示に係る室外機およびそれを備えた空気調和装置の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、明細書全文および図面に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。すなわち、本開示は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能である。また、そのような変更を伴う室外機およびそれを備えた空気調和装置も本開示の技術思想に含まれる。さらに、各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
実施の形態1.
<空気調和装置200の構成>
図1を参照しながら、実施の形態1に係る室外機1を備えた冷凍サイクル装置としての空気調和装置200について説明する。なお、本実施の形態1に係る室外機1は、空気調和装置200の一部として構成されている。図1は、実施の形態1に係る室外機1を備えた空気調和装置200の冷媒回路204を示す模式図である。
図1に示すように、本実施の形態1に係る空気調和装置200は、冷媒を介して外気と室内の空気との間で熱を移動させることにより、冷房または暖房して室内の空気調和を行うものであり、室外機1と室内機201とを有している。
空気調和装置200を流れる冷媒としては、例えば、R32冷媒、低GWP冷媒であるR290冷媒、前述のR32冷媒を主成分とする混合冷媒、または、R290冷媒を主成分とする混合冷媒等の種々の冷媒を適用できる。また、オレフィン系冷媒、プロパンまたはDME(ジメチルエーテル)等、R32冷媒またはR410A冷媒に対して、ガス密度の小さい冷媒は、能力当たりの冷媒流速が高くなるため、圧力損失低減による性能改善効果が大きい。なお、オレフィン系冷媒としては、HFO1234yf、もしくは、HFO1234ze(E)等が挙げられる。また、冷凍機油としては、アルキルベンゼン油系、エステル油系またはエーテル油系等が用いられる。
空気調和装置200においては、室外機1と室内機201とが冷媒配管203、203a、および、203bを介して配管接続され、冷媒が循環する冷媒回路204を構成している。冷媒回路204には、圧縮機4、流路切替装置202、室外熱交換器8、膨張弁205および室内熱交換器206が設けられ、これらが冷媒配管203、203aおよび203bを介して接続されている。
室外機1は、圧縮機4、流路切替装置202、室外熱交換器8および膨張弁205を有している。圧縮機4は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。この場合、圧縮機4は、インバータ装置4aを備えている。インバータ装置4aを備えた圧縮機4は、制御部6によって運転周波数が変化され、圧縮機4の容量を変更することができる。なお、圧縮機4の容量とは、単位時間当たりに送り出す冷媒の量である。
流路切替装置202は、例えば四方弁であり、冷媒流路の方向の切り換えが行われる装置である。空気調和装置200は、制御部6からの指示に基づいて、流路切替装置202を用いて冷媒の流れを切り換えることで、暖房運転または冷房運転を実現できる。室外熱交換器8は、冷媒と室外空気との熱交換を行う。また、室外熱交換器8には、冷媒と室外空気との間の熱交換の効率を高めるために、室外送風機5が設けられている。室外送風機5には、インバータ装置208aが取り付けられている。この場合、インバータ装置208aは、制御部6によって室外送風機5の駆動源であるファンモーター208の運転周波数を変化させてファンの回転速度を変更する。なお、室外送風機5は、同様の効果が得られるものであればこれに限らず、例えばファンの種類はシロッコファンでもよいし、プラグファンでもよい。また、室外送風機5は押し込み方式でもよいし、引っぱり方式でもよい。
ここで、室外熱交換器8は、暖房運転時において蒸発器として機能し、冷媒配管203b側から流入した低圧の冷媒と、室外空気と、の間で熱交換を行って冷媒を蒸発させて気化させ、圧縮機4の吸入側に流出させる。また、室外熱交換器8は、冷房運転時において凝縮器として機能し、冷媒配管203a側から流路切替装置202を介して流入した圧縮機4にて圧縮済の冷媒と、室外空気と、の間で熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液化させ、冷媒配管203b側に流出させる。なお、ここでは室外空気を外部流体として用いる場合を例に説明したが、外部流体は室外空気を含む気体に限らず、水を含む液体であってもよい。
膨張弁205は、冷媒の流量を制御する絞り装置であり、膨張弁205の開度を変化させることで冷媒配管203を流れる冷媒の流量を調節することにより、冷媒の圧力を調整する。膨張弁205は、冷房運転時において、高圧の液状態の冷媒を低圧の気液二相状態の冷媒へと膨張させ減圧させる。なお、膨張弁205としてはこれに限らず、同様の効果が得られるものであれば、電子膨張弁またはキャピラリーチューブ等でもよい。例えば、膨張弁205が、電子式膨張弁で構成された場合は、制御部6の指示に基づいて開度調整が行われる。
室内機201は、冷媒と室内空気との間で熱交換を行う室内熱交換器206と、室内熱交換器206が熱交換を行う空気の流れを調整する室内送風機207と、を有する。
室内熱交換器206は、暖房運転時において凝縮器の働きをし、冷媒配管203a側から流入した冷媒と、室内空気と、の間で熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液化させ、冷媒配管203b側に流出させる。また、室内熱交換器206は、冷房運転時において蒸発器として機能する。室内熱交換器206は、冷媒配管203b側から流入した膨張弁205によって低圧状態にされた冷媒と、室内空気と、の間で熱交換を行い、冷媒に空気の熱を奪わせて蒸発させて気化させ、冷媒配管203a側に流出させる。なお、ここでは室内空気を外部流体として用いる場合を例に説明したが、外部流体は室内空気を含む気体に限らず、水を含む液体であってもよい。
室内送風機207の運転速度は、ユーザーの設定により決定される。室内送風機207には、インバータ装置が取り付けられていてもよく、ファンモーター209の運転周波数を変化させてファンの回転速度を変更することが好ましい。なお、室内送風機207は、同様の効果が得られるものであればこれに限らず、例えば、ファンの種類はシロッコファンでもよいし、プラグファンでもよい。また、室内送風機207は押し込み方式でもよいし、引っぱり方式でもよい。
<空気調和装置200の動作例>
次に、空気調和装置200の動作例として冷房運転の動作を説明する。圧縮機4によって圧縮され吐出された高温高圧のガス冷媒は、流路切替装置202を経由して、室外熱交換器8に流入する。室外熱交換器8に流入したガス冷媒は、室外送風機5により送風される外気との熱交換により凝縮し、低温の冷媒となって、室外熱交換器8から流出する。室外熱交換器8から流出した冷媒は、膨張弁205によって膨張および減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となる。この気液二相冷媒は、室内機201の室内熱交換器206に流入し、室内送風機207により送風される室内空気との熱交換により蒸発し、低温低圧のガス冷媒となって室内熱交換器206から流出する。このとき、冷媒に吸熱されて冷却された室内空気は、空調空気(吹出風)となって、室内機201から空調対象空間である室内に吹き出される。室内熱交換器206から流出したガス冷媒は、流路切替装置202を経由して圧縮機4に吸入され、再び圧縮される。空気調和装置200の冷房運転は、以上の動作が繰り返される(図1中、実線の矢印で示す)。
次に、空気調和装置200の動作例として暖房運転の動作を説明する。圧縮機4によって圧縮され吐出された高温高圧のガス冷媒は、流路切替装置202を経由して、室内機201の室内熱交換器206に流入する。室内熱交換器206に流入したガス冷媒は、室内送風機207により送風される室内空気との熱交換により凝縮し、低温の冷媒となって、室内熱交換器206から流出する。このとき、ガス冷媒から熱を受け取り暖められた室内空気は、空調空気(吹出風)となって、室内機201から室内に吹き出される。室内熱交換器206から流出した冷媒は、膨張弁205によって膨張および減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となる。この気液二相冷媒は、室外機1の室外熱交換器8に流入し、室外送風機5により送風される外気との熱交換により蒸発し、低温低圧のガス冷媒となって室外熱交換器8から流出する。室外熱交換器8から流出したガス冷媒は、流路切替装置202を経由して圧縮機4に吸入され、再び圧縮される。空気調和装置200の暖房運転は、以上の動作が繰り返される(図1中、破線の矢印で示す)。
<室外機1の構成>
次に、図2~図9を参照しながら、本実施の形態1に係る室外機1の構成について説明する。図2は、実施の形態1に係る室外機1の外観を正面から見て示す斜視図である。図3は、実施の形態1に係る室外機1の外観を背面から見て示す斜視図である。図4は、図2の室外機1の筐体2を取り除いた状態を示す斜視図である。図5は、図2の室外機1の室外熱交換器8の一部を拡大して示す説明図である。図6は、実施の形態1に係る室外機1の外観を示し、アクティブフィルタユニット20の取り付けの説明に供する斜視図である。図7は、実施の形態1に係る室外機1に搭載されるアクティブフィルタ14を示す分解斜視図である。図8は、図6のアクティブフィルタユニット20を示す分解斜視図である。図9は、図6のアクティブフィルタユニット20を透視して示す説明図である。
図2および図3に示すように、室外機1は、外郭を構成する筐体2と、筐体2の底部に設置され、冷媒を圧縮する圧縮機4と、筐体2の上部の内周面に沿って設置される室外熱交換器8と、を有している。また、室外機1は、筐体2の上部に設置され、室外熱交換器8に空気を供給する室外送風機5と、筐体2の圧縮機4側に取り付けられ、圧縮機4および室外送風機5を制御する制御部6と、を有している。
筐体2は、内部の下部に機械室3が設けられている。機械室3には、インバータ制御可能な圧縮機4、圧縮機4および室外送風機5を制御するインバータを備えた制御部6、および電装品ユニット7が設置されている。筐体2の内部の上部、すなわち機械室3の上部には、圧縮機4から吐出され、または、圧縮機4に吸入される冷媒が流入する室外熱交換器8が設けられ、更にその上方には、室外熱交換器8に空気を供給する室外送風機5が設けられている。つまり、室外機1は、機械室3が設けられる下部、室外熱交換器8が設けられる上部、および、室外送風機5が設けられる天部を備える3高層で構成されている。
本実施の形態1の場合、筐体2は直方体形状をなし、室外熱交換器8の性能(熱交換効率)の向上を図るため、筐体2の4つの側面側を開放部側とし、内部の内周面に沿って室外熱交換器8がL字状に一対で設置されている。換言すると、筐体2は、少なくとも室外熱交換器8が配置される上部の全ての面、すなわち4面の全てが開口されており、当該開口された4面全ての内周面に沿って、室外熱交換器8がL字状に一対で設けられている。つまり、図4に示すように、L字状の室外熱交換器8が一対で中空の直方体状に設置されている。なお、室外熱交換器8の形状はL字状に限らず、例えば平面状のものを筐体の開口された4つの側面の内周面に沿って任意の枚数で設置するようにしてもよい。
室外熱交換器8は、図5に示すように、冷媒10が通る複数の管11と、これら管11に直交して配置される複数のフィン12と、を備えて構成されている。この場合、管11は、上下方向に予め設定された間隔で配置された状態のものが、前後方向に交互となるように2列で配置されている。また、フィン12は、これら複数の管11の長手方向に、予め設定された間隔で複数配置されている。室外熱交換器8は、前述したように、管11内を流れる冷媒10と、管11およびフィン12の表面を流れる外気13との間で熱交換を行うものである。また、熱交換を行った外気13は、機械室3内(図2等参照)で発生した熱と共に、筐体2の上部から外部へと吐き出される(図2および図4参照)。
ここで、一般に、インバータ装置によって発生する高調波電流により、例えば同一配電線に接続される工場では、負荷の故障、過熱、誤動作または寿命低下等の不具合を引き起こす場合がある。また、同様に、オフィスビルまたは一般家庭においても、照明またはTVのちらつき、および、OA機器またはコンピュータ内蔵機器の誤動作等の不具合を引き起こす場合がある。
このような不具合の発生を回避するため、本実施の形態1の室外機1には、図6に示すように、アクティブフィルタユニット20が取付部21を介して設けられている。アクティブフィルタユニット20は、前述した図1のインバータ装置4aおよび208aをインバータ制御する制御部6にて発生する高調波を抑制するためのアクティブフィルタ14を有する。
具体的に、本実施の形態1に係る室外機1は、図6に示すように、筐体2の上部の外周面における室外熱交換器8の前面側と対向する位置に、アクティブフィルタユニット20が当該外周面との間に形成される空間24の距離を可変に取り付けられている。アクティブフィルタユニット20は、図6および図7に示すように、制御部6(図1参照)から発生する高調波を抑制するアクティブフィルタ14と、アクティブフィルタ14を収容するケース20aと、を有する。このようなアクティブフィルタユニット20は、取付部21によって、筐体2の上部の外周面との間に形成される空間24の距離を可変に取り付けられている。詳細は後述するが、取付部21は、筐体2の外周面の上下方向に取り付けられる一対のピラー22と、一対のピラー22と直交するように配置され、アクティブフィルタユニット20と一対のピラー22とを接続する例えば一対のサイドバー23と、を備えている。サイドバー23は、アクティブフィルタユニット20を、筐体2の外周面との間に形成される空間24の距離を調整自在なように取り付けるためのものである。
アクティブフィルタ14は、インバータ装置4aおよび208aの負荷により発生する高調波電流を検出し、大きさが同じで逆位相の電流(補償電流)を出力して高調波を打ち消すことにより高調波低減を図る装置である。アクティブフィルタ14は、図7に示すように、アクティブフィルタ基板15と、アクティブフィルタ基板15を冷却するための不図示のラジエータ、および、アクティブフィルタ用冷却ファン16と、これら部品を収容するフィルタケース17と、を備えて構成される。
アクティブフィルタ基板15には、検出された電源電流および電源電圧に基づいて高調波成分を検出し、高調波を抑制する指令信号を生成する高調波抑制制御回路151と、高調波抑制制御回路151の出力に基づいて商用電源の高調波電流を打ち消す電流を生成するパワーモジュール152と、を搭載した高調波抑制駆動回路153が設けられる。また、アクティブフィルタ基板15には、パワーモジュール152を駆動した際に発生する電源電圧に重畳されるリプルを抑制するリプルフィルタ回路154と、電源電圧に誘起されるノイズを抑制するノイズフィルタ回路155と、直流電源を安定させるコンデンサ156と、が設けられる。さらに、アクティブフィルタ基板15には、直流電圧を昇圧する目的でリアクトル157が設けられる。
アクティブフィルタ用冷却ファン16は、アクティブフィルタ基板15を冷却する。具体的に、アクティブフィルタ用冷却ファン16は、アクティブフィルタ基板15に実装された各種部品を冷却する。
フィルタケース17は、矩形状の箱型からなり、アクティブフィルタ基板15、および、アクティブフィルタ用冷却ファン16等を収容する。フィルタケース17には、外気を取り入れるための吸入口18と、当該取り入れた外気を排出するための排気口19と、が形成されている。アクティブフィルタ用冷却ファン16によって吸入口18から取り入れられた外気は、アクティブフィルタ基板15を冷却した後、排気口19より排出されることで、フィルタケース17内の熱を排熱している。
かかるアクティブフィルタ14を収容するアクティブフィルタユニット20のケース20aは、図8および図9に示すように、矩形箱型をなし、筐体2側に配置されるベース20Aと、ベース20Aに取り付けられるカバー20Bと、を有している。
室外機1は屋外に設置されることが多く、筐体2の外周面に取り付けられるアクティブフィルタユニット20を雨または雪等の被害から守るため、防水を考量したベース20Aと、カバー20Bと、を有するケース20a内に収容して取り付けられる。
アクティブフィルタ14がベース20Aにネジなどで組み付けられる。ベース20Aには、排気用ダクト29が設けられている。また、ベース20Aには、アクティブフィルタ14と、図2に示した筐体2の下部の機械室3に配置された制御部6および電装品ユニット7と、を繋ぐケーブル30が配置され、その上から覆うようにカバー20Bがネジなどでベース20Aに取り付けられている。
カバー20Bには、アクティブフィルタ14に設けられたアクティブフィルタ用冷却ファン16によってフィルタケース17の吸入口18から外気(空気)が取り込めるようにカバー吸入穴31が形成されている。この場合、カバー吸入穴31は、雨または雪の侵入を防止することを考慮して、カバー20Bの下方に位置する下辺に形成されている場合について図示しているが、カバー吸入穴31の形成される位置はこれに限ることはない。例えば、カバー吸入穴31の位置は、雨または雪が直接アクティブフィルタ14の吸入口18に侵入しないような位置であればよく、適宜、設定可能である。
仮に、カバー吸入穴31に雨または雪等が侵入する際の対策が必要な場合は、図8に示すように、カバー吸入穴31の上方に遮蔽板281を設けるようにしてもよい。これにより、カバー吸入穴31より流入した外気13の風路が少なくとも1回以上風路の折り返しが可能となる迷路構造が構成され、カバー吸入穴31から雨または雪等が直接侵入するのを防止できる。また、このような遮蔽板281は、板金または樹脂等で構成すれば良い。さらに、アクティブフィルタ14側に雨または雪等の進入防止対策が講じられている場合は、アクティブフィルタ14における吸入口18の近くにカバー吸入穴31を設けてもよい。
また、カバー吸入穴31の形状は、ゴキブリまたはヤモリ等の害虫が侵入し、アクティブフィルタ基板15における導電異極間の短絡、またはアクティブフィルタ基板15の沿面放電による発火、発煙または感電等の被害の防止を考慮した形状をなすことが好ましい。例えば、カバー吸入穴31は、3mm以下の径の丸穴形状からなる格子穴で形成される。アクティブフィルタ14側にゴキブリまたはヤモリ等の侵入防止対策が講じられている場合、カバー吸入穴31の形状は、アクティブフィルタ14の冷却性能で決めればよく、形状に縛られるものではない。
さらに、ベース20A側にも排気用のベース排気穴32が形成されている。ベース排気穴32の穴形状に関しては、カバー吸入穴31の形状と同様で、ゴキブリまたはヤモリ等の侵入が防止できる形状の穴が設けられている。図9に示すように、アクティブフィルタ14側の排気口19にゴキブリまたはヤモリ等の侵入防止対策が講じられている場合、ベース排気穴32の形状は、カバー吸入穴31と同じように、アクティブフィルタ14の冷却性能で決めればよく、形状に縛られる必要はない。
ケース20aのカバー20Bの下側に位置するカバー吸入穴31から流入した室外機1の外気13は、アクティブフィルタ14のアクティブフィルタ用冷却ファン16によりアクティブフィルタ14の吸入口18から内部に冷却エアー33として吸引される。冷却エアー33は、アクティブフィルタ14内のアクティブフィルタ基板15等を冷却した後、アクティブフィルタ14の排気口19よりケース20a内に排出される。そして、ケース20a内に排出された冷却エアー33は、ベース20Aに設けられた排気用ダクト29内を流れ、ベース20Aに形成されたベース排気穴32を通して、ケース20aにおける室外熱交換器8側の外部へと吐き出される構造になっている。冷却エアー33は、ケース20aから外部へと吐き出された後、筐体2に設けられた室外送風機5によって室外熱交換器8側に吸い込まれる。室外送風機5は、室外熱交換器8側に吸い込む力が非常に強いため、ケース20a内の冷却エアー33の流れを促進する効果を得られる。
また、冷却エアー33は、ケース20aから吐き出された後、アクティブフィルタ14の冷却による熱を帯びている。しかし、冷却エアー33の熱によって室外熱交換器8に与える影響は、室外熱交換器8の表面積(熱交換する面積)に対して、熱を持った冷却エアー33が及ぼす面積が非常に小さいため、室外熱交換器8の性能に問題が生じることはない。
さらに、ケース20aのベース20Aの裏側、すなわち室外熱交換器8側から、雨または雪等が、アクティブフィルタ14の排気口19を介して直接、アクティブフィルタ14内に入らないように、冷却エアー33の排気用ダクト29を設けている。排気用ダクト29は、その形状を斜め形状にすることで、冷却エアー33の排気流路を折り曲げている。また、排気用ダクト29を設けることによって、熱を持った冷却エアー33の熱がケース20a内に漏れ、アクティブフィルタ14の吸入口18に入るショートサイクルを防いでいる。
さらに、アクティブフィルタ14自身の発熱により、ケース20a内の雰囲気温度が上昇することによって、ケース20a内に入った外気13の温度が上昇する可能性がある。このため、冷却エアー33の温度も上昇する可能性がある。それらを防ぐため、ベース20Aには、ベース排気穴32以外に換気用穴35が形成されている。アクティブフィルタ14の温度上昇によって発生したケース20a内の熱を、筐体2が有する室外送風機5により、換気用穴35を通して室外熱交換器8側に吸い込ませる構造となっている。これにより、カバー吸入穴31から流入する室外機1の外気13の温度上昇を抑える効果を得られる。なお、アクティブフィルタ14のアクティブフィルタ用冷却ファン16の吸引を妨げないように、換気用穴35の位置および形状は考量する必要がある。
次に、図10~図12を用いて、取付部21について説明する。図10は、図6のアクティブフィルタユニット20における取付部21の説明に供する斜視図である。図11は、図11の取付部21におけるサイドバー23を示す斜視図である。図12は、実施の形態1に係るサイドバー23の変形例を示す斜視図である。
図10に示すように、取付部21は、筐体2の外周面における上下方向に取り付けられる一対のピラー22と、一対のピラー22と直交するように配置され、アクティブフィルタユニット20と一対のピラー22とを接続するサイドバー23と、を備えている。つまり、一対のピラー22は筐体2の外周面のいずれの位置にも適宜、取り付け可能であり、当該一対のピラー22に対してサイドバー23も適宜、取り付け可能であることから、アクティブフィルタユニット20は、筐体2の上部の外周面において任意の位置に取り付け可能となっている。
とりわけ、アクティブフィルタユニット20は、常備されるものではなく、オプションによる後付け部品であることから、設置作業の容易化という観点から筐体2の上部に設置されることが好ましい。これは、メンテナンス作業の効率化の観点からも言えることである。そして、アクティブフィルタユニット20を筐体2の上部に設置する場合、筐体2の内部の上部に設置される室外熱交換器8と対峙することとなる。このとき、室外熱交換器8とアクティブフィルタユニット20との間に空間が形成されていない場合、アクティブフィルタユニット20によって、室外熱交換器8が取り込む外気13の流入を妨げることが懸念される。よって、本実施の形態1では、アクティブフィルタユニット20の設置位置において、筐体2の外周面との間に空間24を形成するようにした。
ここで、室外機1は、空気調和装置200における能力(性能)の違いで、様々な外観のサイズの室外機1が存在する。そのため、室外熱交換器8の外壁前の空間24も機種毎に個別の寸法違いが生じることが考えられる。
そこで、機種毎に異なる空間24の距離にアクティブフィルタユニット20の取付位置を適応させ、更にアクティブフィルタユニット20の部品点数を可能な限り減らして、部品のコストを削減するべく、サイドバー23の構成を以下のようにした。つまり、サイドバー23によって、アクティブフィルタユニット20の取付位置を、機種毎の空間24に適応させるための任意の位置に調整するようにした。
サイドバー23は、アクティブフィルタユニット20を、筐体2の外周面との間に形成される空間24の距離を調整自在なように取り付けるためのものである。換言すれば、サイドバー23は、アクティブフィルタユニット20と、当該アクティブフィルタユニット20が設置される筐体2の室外熱交換器8における外壁前と、の間に形成される空間24を必要な寸法で確保するためのものである。
サイドバー23は、図11にも示すように、本体部231と、本体部231の長手方向両端部に配置される一対の脚部であるサイドバープレート232と、を有している。本実施の形態1の場合、各サイドバープレート232は、本体部231と別体で成形され、ネジ36などによって一体に組み付けられている。各サイドバープレート232は、その長さを調整することで、筐体2の上部の外周面とアクティブフィルタユニット20との間に形成される空間24の距離を可変するものである。具体的に、サイドバープレート232の長さを調整する場合、所望する空間24の距離に応じた長さのサイドバープレート232に交換する。
サイドバープレート232の寸法Hは、機種サイズ毎に必要な空間24の距離に合う長さで製作される。したがって、サイドバープレート232を交換するだけで、空間24の距離を変更できるので、取付部21の構成として、アクティブフィルタユニット20のサイドバープレート232以外は共用化できる。また、このような取付部21を用いることで、アクティブフィルタユニット20は、筐体2の上部の外周面における室外熱交換器8の前面側と対向する位置を含めた全ての位置に取り付け可能である。
なお、本実施の形態1の場合、サイドバープレート232は本体部231と別体に成形される場合について述べたが、サイドバー23の構成としてはこれに限ることはない。すなわち、サイドバー23のサイドバープレート232は、本体部231と一体に成形されてもよい。
例えば、筐体2における室外熱交換器8の外壁前の空間24については、室外熱交換器8の風量面積が少ない機種ほど、アクティブフィルタユニット20の配置影響が大きくなると考えられる。そのため、空間24が一番大きいものは、室外熱交換器8の風量面積が最も小さい室外機1となる。そこで、室外熱交換器8の風量面積が少ない室外機1の空間24に、他のサイズ違いの室外機1も空間24を同じとすることが可能な場合、すなわち、筐体2における室外熱交換器8の外壁前のアクティブフィルタユニット20の飛出し量を統一する場合、サイドバープレート232を別体で設ける必要はない。
この場合、図12に示すように、サイドバー23の本体部231の長手方向両端に、所望する空間24の距離に応じた長さのサイドバープレート232と同様の形状を、本体部231と一体に成形する。これにより、別体としてのサイドバープレート232を不要とする分、サイドバー23の部品点数を削除できる。
前述したように、室外送風機5によって外部より引き込まれた外気13は、室外熱交換器8の隣接するフィン12間を通る際、管11内を流れる冷媒10との間で熱交換を行う。そして、熱交換後の外気13は、室外送風機5によって外部に吐き出される(図4および図5参照)。室外熱交換器8の性能は、管11内を流れる冷媒10と、室外送風機5によって発生され、管11と一体に接続された隣接するフィン12間を通過する外気13と、の間の熱交換効率により決まる。よって、室外送風機5による外気13の風量を室外熱交換器8に多く通す(当てる)方が室外熱交換器8の効率にとっては有利である。しかし、既存の室外機1において、室外熱交換器8の外壁前にアクティブフィルタユニット20を空間24の距離分、離して取り付けた際に、室外機1の性能を満たす室外熱交換器8を通る外気13の風量を確保できる構造を有すれば、機能上に問題は無い。
そこで、室外機1の筐体2における室外熱交換器8の外壁前と、アクティブフィルタユニット20との間の空間24について、図13~図15を用いて説明する。図13は、既存の室外機1の室外熱交換器8における風量面積の計算の説明に供する説明図である。図14は、実施の形態1に係る室外機1の室外熱交換器8における風量面積の計算の説明に供する説明図である。図15は、室外熱交換器8の外壁前にアクティブフィルタユニット20を任意の寸法で離して設置した際の室外熱交換器8における風量面積の計算の説明に供する説明図である。
まず、実機としての室外機1の性能面で、室外熱交換器8を通る外気13の風量の低下が性能へ影響しないのは、風量の低下が何%まで落ちた場合であるかを把握する。
図13に示す室外機1は、アクティブフィルタユニット20(ここでは図示しない)を筐体2の外周面に配置していない既存の室外機1である。この既存の室外機1において、筐体2の内周面に沿って配置されている室外熱交換器8で外気13が通る室外熱交換器前面81、室外熱交換器左面82、室外熱交換器右面83、および、室外熱交換器背面84の4箇所の総和面積Xを求める。
また、図14に示すように、アクティブフィルタユニット20を室外熱交換器前面81の外壁前に直接取り付けた際、すなわち空間24=0のときに、室外熱交換器前面81に対してアクティブフィルタユニット20が外気13の流入を妨げる遮蔽面積Yを求める。
これら求めた総和面積Xと遮蔽面積Yとにより、アクティブフィルタユニット20を室外熱交換器前面81の外壁前に直接取り付けた場合の風量の低下比率Zは、(総和面積X-遮蔽面積Y)÷総和面積Xとなる。この風量の低下比率Zによって、室外熱交換器8を通る外気13の風量の低下を把握する。
図15には、室外機1の筐体2の上部の外周面における室外熱交換器8の前面側、すなわち、室外熱交換器前面81と対向する位置に、アクティブフィルタユニット20を空間24の間隔をあけて設置した場合を示している。この場合、アクティブフィルタユニット20を室外熱交換器前面81の外壁前に直接取り付けた場合と比較して、アクティブフィルタユニット20と室外熱交換器前面81に対向する位置との間に空間24が形成されている分、アクティブフィルタユニット20が外気13の流入を妨げる遮蔽面積Yが減少する。換言すると、アクティブフィルタユニット20と室外熱交換器前面81に対向する位置との間に空間24が形成されている分、この空間24の上下左右方向から外気13が流入可能となる。このため、アクティブフィルタユニット20に妨げられることなく、室外熱交換器8で外気13が通る室外熱交換器前面81の面積が増加する。そして、この場合における室外熱交換器前面81を通過する外気13の通過可能面積Wを求める。
室外熱交換器前面81の外壁前と、アクティブフィルタユニット20と、の間に形成された開けた空間24の上下左右方向から外気13が流入し、室外熱交換器8で外気13が通る室外熱交換器前面81の面積が増加する。この結果、室外熱交換器8を通る外気13の風量も増加する。したがって、筐体2の室外熱交換器前面81の外壁前にアクティブフィルタユニット20を空間24の間隔をあけて配置した際の遮蔽面積Yaは、アクティブフィルタユニット20の遮蔽面積Y-外気13が通る増加した面積Qになる。
よって、アクティブフィルタユニット20を空間24の間隔をあけて配置した際の風量の低下比率Zaは、(総和面積X-遮蔽面積Ya)÷総和面積Xとなる。この計算を基に、室外熱交換器8を通る外気13の風量の低下を把握し、室外熱交換器前面81の外壁前に形成される空間24の距離を決定する。
次に、室外熱交換器8を通る外気13の風量が5%低減するまで落ちても、室外熱交換器8の性能を満たす場合の室外機1の一例として、空間24の距離設定について図13~図15を用いて説明する。
アクティブフィルタユニット20と、筐体2における室外熱交換器前面81の外壁前と、の空間24が0mmの場合は、室外熱交換器8で外気13が通る室外熱交換器前面81、室外熱交換器左面82、室外熱交換器右面83、室外熱交換器背面84の4箇所の室外熱交換器8の総和面積Xが1.67m2となる。また、この場合のアクティブフィルタユニット20の遮蔽面積Yが0.24m2の場合、室外熱交換器8を通る外気13の風量の低下比率Zaは(1.67-0.24)÷1.67=約0.86となり、約14%ダウンとなる。
アクティブフィルタユニット20と、筐体2における室外熱交換器前面81の外壁前と、の空間24が100mmの場合は、空間24から入る風量面積は左右から0.06m2、上下から0.10m2の計0.16m2増える。よって、室外熱交換器8を通る外気13の風量の低下比率Zaは(1.67-0.24+0.16)/1.67=0.95と5%ダウンに抑えることができる。この結果から、アクティブフィルタユニット20と室外熱交換器前面81の外壁前の空間24は、100mm程度が好ましいことがわかった。当然に、実機にて比較検討した上で、所望とする正式な空間24の距離を決定するのは言うまでもない。例えば、暖房運転時は、室外熱交換器8の表面が着霜し氷が成長する場合があるので、空間24は、熱交換器の着霜および室外熱交換器8の表面の異物付着によるフィン12の目詰まりなども考慮して決定する必要がある。
<実施の形態1における効果>
以上、説明したように、本実施の形態1では、空気調和装置200に備えられる室外機1に、インバータ装置4aおよび208aをインバータ制御する制御部6にて発生する高調波を抑制するアクティブフィルタ14と、アクティブフィルタ14を収容するケース20aと、を有するアクティブフィルタユニット20と、アクティブフィルタユニット20を取り付ける取付部21と、を備えた。また、アクティブフィルタユニット20は、取付部21を介して室外機1の筐体2における外周面に、当該外周面との間に形成される空間24の距離を可変に取り付けられる。これにより、室外機1の筐体2内部へのアクティブフィルタユニット20の設置を不要とすることができる。よって、かかる室外機1およびそれを備えた空気調和装置200では、筐体2内部におけるアクティブフィルタユニット20の設置スペースが空く分、筐体2内部における部品配置の過密化状態を解消でき、各部品の冷却効率の向上を図ることができる。
しかも、アクティブフィルタユニット20は、取付部21を介して設置されるため、筐体2の外周面との間に所望する寸法で空間24を形成できる。よって、筐体2の上部に配置された室外熱交換器8と対向する位置にアクティブフィルタユニット20を設置したとしても、室外熱交換器8における外気13の流入量を性能に影響を及ぼすほど減少させることはない。
このように、アクティブフィルタユニット20は、筐体2の上部にある室外熱交換器8の外壁前と対向する位置にも設置可能である。このため、かかる室外機1では、アクティブフィルタユニット20のメンテナンスが容易であり、アクティブフィルタユニット20を取り外すことなく、室外機1の内部を容易にメンテナンスできる。よって、本実施の形態1の室外機1およびそれを備えた空気調和装置200は、設置作業の効率化を図ることができるばかりか、メンテナンス性にも優れている。
また、アクティブフィルタユニット20は、一対のピラー22と、一対のピラーと直交するように配置されるサイドバー23とを有する取付部21を介して筐体2の外周面に取り付けられ、サイドバー23のサイドバープレート232の寸法Hを所望する空間24の距離に合わせて変更するだけで、当該空間24の距離を変更することができる。このように、空間24の距離を容易に調整できるため、アクティブフィルタユニット20を取り付ける位置の選択肢を増やすことができる。
また、アクティブフィルタユニット20をオプション化し、空気調和装置200にアクティブフィルタユニット20が必要な場合のみ、アクティブフィルタユニット20を室外機1に取り付ける態様とすれば、空気調和装置200を簡易な構成で安価に提供できる。
さらに、室外機1の筐体2の大きさに関係なく、取付部21を介してアクティブフィルタユニット20を取り付ける構造を有すため、取付部21の部品の共通化が可能であり、アクティブフィルタユニット20を設置するための取付部品のコストを削減できる。
実施の形態2.
次に、図16~図18を用いて、実施の形態2に係る室外機1について説明する。図16は、実施の形態2に係る室外機1を示す正面図である。図17は、実施の形態2に係る室外機1を示す正面図である。図18は、実施の形態2に係る室外機1を示す正面図である。
本実施の形態2では、室外機1の能力によって、筐体2の外観のサイズの違いが生じても、アクティブフィルタユニット20を取り付けられる構造について説明する。室外機1における筐体2の外観のサイズ違いの例として、例えば、図16に示すSサイズの筐体2S、図17に示すMサイズの筐体2M、および、図18に示すLサイズの筐体2Lを挙げる。ここでは、筐体2をサイズの異なる毎に、筐体2S、筐体2M、および、筐体2Lとして区別し、これらサイズ違いの筐体2S、筐体2M、および、筐体2Lに、アクティブフィルタユニット20を、取り付ける場合について説明する。なお、筐体2S、筐体2M、および、筐体2Lは、外観サイズは異なるが、その他の構成については同様に構成され、これは前述した筐体2とも同じである。よって、以下ではこれら筐体2S、筐体2M、および、筐体2Lを総じて筐体2と称する場合がある。
図16~図18に示すように、サイズの異なる筐体2S、筐体2M、および、筐体2Lにおける上部の室外熱交換器8の前面側にアクティブフィルタユニット20を設置する場合、取付部21の一対のピラー22を固定するためのネジ穴37の位置において、高さ方向のL寸法を、筐体2S、筐体2M、および、筐体2L共に同一寸法とする。これにより、一対のピラー22を同一部品とし、共通化することができる。
また、この場合、長さの異なるサイドバー23を用意するだけで、サイズ違いの筐体2S、筐体2M、および、筐体2Lの室外熱交換器8の前面にアクティブフィルタユニット20を取り付けることが可能である。さらに、室外熱交換器8の風量面積が少ないサイズの小さい筐体2Sの空間24に、他のサイズの筐体2M、および、筐体2Lの空間24を合わせる場合は、長さ違いのサイドバー23以外は全て部品を共通化できるため、取付部21の部品コストを大幅に削減できる。さらに、筐体2S、筐体2M、および、筐体2Lにおける下部の高さ方向のL1寸法に関しては、筐体2S、筐体2M、および、筐体2L毎に、それぞれ変更してもよいし、同一寸法としてもよい。
さらに、これらサイズの異なる筐体2S、筐体2M、および、筐体2Lにおいて、それぞれ前面、左側面、右側面、および、背面の4面における共通の位置に、一対のピラー22を固定するためのネジ穴37を形成する。そして、一対のピラー22の配置に応じて、サイドバー23の長さを変更するだけで、筐体2S、筐体2M、および、筐体2Lそれぞれの4面のどの面にも、アクティブフィルタユニット20を設置することができる。これにより、室外機1の設置状況によって、アクティブフィルタユニット20の取り付け位置に変更が生じた場合であっても、筐体2の上部の外周面における室外熱交換器8と対向する前面側に限らず、必要に応じた位置に適宜、設置することができる。
実施の形態3.
次に、図19~図22を用いて、実施の形態3に係る室外機1について説明する。図19は、実施の形態3に係る室外機1の外観を示す斜視図である。図20は、実施の形態3に係る室外機1の外観を示す側面図である。図21は、実施の形態3に係る室外機1の外観を示す斜視図である。図22は、実施の形態3に係る室外機1の外観を示す側面図である。
図19および図20には、筐体2Sの室外機1を示し、図21および図22には、筐体2Mの室外機1を示している。ここでは、筐体2S、および、筐体2Mの右側側面にアクティブフィルタユニット20を取り付ける場合について説明する。
図19および図21に示すように、筐体2S、および、筐体2Mにおいて右側側面にアクティブフィルタユニット20を取り付ける場合、図20および図22に示すように、筐体2S、および、筐体2Mの右側側面における一対のピラー22を固定するためのネジ穴37の位置において、高さ方向のL寸法を、筐体2S、および、筐体2M共に同一寸法とする。そして、一対のピラー22の配置に応じて、サイドバー23の長さを変更する。例えば、長さ違いのサイドバー23を用意しておく。これにより、室外機1の設置状況によって、アクティブフィルタユニット20の取り付け位置に変更が生じた場合であっても、筐体2の上部の外周面における室外熱交換器8と対向する前面側に限らず、必要に応じた位置、この場合、筐体2S、および、筐体2Mのそれぞれの右側側面にアクティブフィルタユニット20を設置することができる。また、一対のピラー22を同一部品化することで、当該一対のピラー22を共通化することができる。
さらに、前述と同様に、筐体2S、および、筐体2Mの左側面、背面側のピラー22を固定するためのネジ穴37の位置において、高さ方向のL寸法を、筐体2S、および、筐体2M共に同一寸法とすれば、一対のピラー22を同一部品にしながら、筐体2の前面、左右側面、背面の4面のどの面にも、アクティブフィルタユニット20を取り付けることができる。L1寸法に関しては、機種毎に変更してもよいし、同一寸法としてもよい。
実施の形態4.
次に、図23および図24を用いて、実施の形態4に係る室外機1について説明する。図23は、実施の形態4に係る室外機1の外観を示す斜視図である。図24は、実施の形態4に係る室外機1の外観を示す背面斜視図である。
室外機1において機械室3(図2参照)に対するメンテナンスなどのサービスを必要とする面が、筐体2の前面のみで、左右の側面、および、背面については室外熱交換器8の前面側に必ずしもアクティブフィルタユニット20を取り付ける必要がない場合について説明する。ここでは、室外機1の筐体2の左右それぞれの側面、および、背面を含む3面の下部に、アクティブフィルタユニット20を取り付ける場合について説明する。
図23および図24に示すように、筐体2の右側側面の下部にアクティブフィルタユニット20を取り付ける場合、筐体2の右側側面にアクティブフィルタユニット20を取り付ける場合、筐体2の右側側面における一対のピラー22を固定するためのネジ穴37の位置において、高さ方向のL2寸法を、高さ方向のL寸法と同じ寸法、すなわちL2=Lとする。そして、一対のピラー22の配置に応じて、サイドバー23の長さを変更する。これにより、一対のピラー22を変更することなく、筐体2の右側側面の下部にアクティブフィルタユニット20を取り付けることができる。
また、筐体2の右側側面と同様に、左側側面、および、背面も一対のピラー22を固定するためのネジ穴37の位置において、高さ方向のL2寸法を、高さ方向のL寸法と同じ寸法、すなわちL2=Lとする。これにより、左側側面、および、背面の下部にアクティブフィルタユニット20を、取り付けることができる。
実施の形態3と同様に、各室外機1の筐体2の左右の側面、および、背面の3面のアクティブフィルタユニット20を取り付けるための一対のピラー22を固定するネジ穴37の位置の高さ方向のL2寸法も、Lと同じ寸法のL2=Lにすることで、一対のピラー22を同一部品にすることができる。また、同様にサイドバー23の長さ違いの部品を設けるだけで、各室外機1の筐体2の左右の側面、および、背面の3面の下部にアクティブフィルタユニット20を取り付けることができる。さらに、一対のピラー22を固定するネジ穴37の位置の高さ方向の寸法を、L2=Lにしているので、下部だけではなく、アクティブフィルタユニット20を室外熱交換器8の前面に取り付けることも可能である。L1寸法に関しては、実施の形態3と同様に各室外機1毎に変更してもよいし、同一寸法にしてもよい。
実施の形態5.
次に、図25~図30を用いて、実施の形態5に係る室外機1について説明する。図25は、実施の形態5に係る室外機1の外観を示す分解斜視図である。図26は、実施の形態5に係る室外機1の外観を示す斜視図である。図27は、実施の形態5に係る室外機1の外観を示す分解斜視図である。図28は、実施の形態5に係る室外機1の外観を示す分解斜視図である。図29は、図28の取付部21におけるピラー22を拡大して示す斜視図である。図30は、実施の形態5に係る室外機1の外観を示す分解斜視図である。
室外機1は、寒冷地に設置された場合、室外熱交換器8に雪が積もり、室外熱交換器8が雪で塞がることによる室外機の性能低下を防ぐため、図25及び図26に示すように、筐体2の4面に防雪フード38を取り付けることが有る。例えば、防雪フード38は、防雪フードパネル38F、38R、38Bおよび38Lから構成され、筐体2の前面、右側面、背面および左側面の4面にそれぞれ防雪フード38F、38R、38Bおよび38Lが取り付けられることで、積雪を防いでいる。防雪フード38の取り付けは、筐体2のそれぞれの面に、予め形成された防雪フード取り付け用のネジ穴43を利用する。
図27、図28および図30においては、説明の便宜上、防雪フード38を構成する防雪フードパネル38F、38R、38Bおよび38Lのうち、防雪フードパネル38Fのみを図示して説明するが、他の防雪フードパネル38R、38Bおよび38Lについても同様に構成されている。
図27に示すように、防雪フード38を構成する防雪フードパネル38Fは、左カバー381、右カバー382、上カバー383および下カバー384から構成されてなる。このような防雪フードパネル38Fは、まず、筐体2の前面に設けてある防雪フード取り付用のネジ穴43に左カバー381を介してネジ44を固定することで、当該左カバー381を筐体2に固定する。同様に右カバー382をネジ44で筐体2に固定する。次に、下カバー384および上カバー383をネジ44で筐体2に固定する。このようにして防雪フード38が筐体2の外周面に取り付けられる。
ここで、例えば、筐体2の外周面において、例えば、筐体2の前面側の室外熱交換器8の前面側にアクティブフィルタユニット20が取り付けられた場合の防雪フード38の取り付けについて説明する。図28に示すように、筐体2の外周面には、アクティブフィルタユニット20と防雪フード38とが設置されている。筐体2の前面側の室外熱交換器8の前に、アクティブフィルタユニット20を設置した場合、アクティブフィルタユニット20を固定するための一対のピラー22を取り付けるネジ穴37として、防雪フード38を取り付けるためのネジ穴43を利用してもよい。
図29に示すように、一対のピラー22には、それぞれ防雪フード取り付用のネジ穴45が形成されている。防雪フード取り付用のネジ穴43は、一対のピラー22を筐体2に固定するためのネジ穴37と共通化し、防雪フード取り付用のネジ穴43を筐体2のそれぞれの面に、同じ高さの寸法、例えば図19に示すL寸法またはL1寸法の位置に設ける。これにより、アクティブフィルタユニット20を組み付けるためのピラー22を止めるネジ穴37は、防雪フード38を取り付けるために筐体2に設けている防雪フード取り付用のネジ穴43を利用できる。よって、一対のピラー22および防雪フード38の各々を取り付けるために専用のネジ穴を筐体2に形成する必要がない。
図30に示すように、左カバー381を一方のピラー22にネジ46にて固定する。同様に、他方のピラー22に右カバー382を固定する。次に左カバー381と、右カバー382と、にそれぞれ下カバー384および上カバー383をネジ46で固定する。このようにして、筐体2の外周面にアクティブフィルタユニット20が設置されている場合であっても、防雪フード38を筐体2の外周面に容易に取り付けることができる。