JP7323971B2 - 大腸癌の診断とモニタリングに使用する方法および装置 - Google Patents

大腸癌の診断とモニタリングに使用する方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、患者の血液のサンプリングを通じて大腸癌を早期に検出かつモニタリングするための方法および装置に関する。
大腸癌は、英国で3番目に多い癌であり、また癌による死亡理由で2番目に多い疾患であり、毎年約38,000人の新規患者が発生し、16,200人が命を落としている。これらの患者が進行期(55%がステージIII/IV)で出現する状態が続いており、多くの場合、緊急症例の患者(24%)として出現し、これによって生存率が低下している。症状が発現する前に病気を早期に検出すれば、最良の患者転帰が達成されることになる。大腸癌スクリーニングプログラムが存在するにもかかわらず、現在の検査手順に対する一般の人々の理解は不十分となっている。これは、潜血臨床検査のために患者に糞便試料を提出することを要求する現在の検査方法に起因している可能性がある。患者はこれを不快に感じ、最近のモニタリングに調査により、被験率が予想よりも低い55%であったことが分かっている。最近試行された代替のS状結腸鏡検査スクリーニングプログラムでは、さらに低い被験率となった。
さらに別の問題として、糞便中に血液が検出された場合でも、患者が大腸癌に罹患しているかどうかが判然としないことが挙げられる。このため、大腸内視鏡検査と呼ばれる侵襲的な検査が別途必要となる。この大腸内視鏡検査では、腸穿孔による合併症などの危険性がないとは言い切れない。通常、この大腸内視鏡検査では、2度目の検査を受けた全患者の約10人に1人が実際に癌に罹患していることが分かるが、残りの患者(90%)は費用のかかる処置(リスクを伴い、待ち時間中のストレスを含むかなりの時間を要し、外科手術の専門知識が必要となる)を受けながら、癌に罹患していないかを確認することになる。したがって、現行のスクリーニング方法は侵襲的であり、初期では癌に対する特異度が低く、また患者の理解や受入れが広まっていない。こうした要因により、進行期および緊急症例の紹介件数が増加している。
このため、大腸癌のスクリーニングに際し、許容される非侵襲的な代替の方法を開発することが急務である。ここで詳述している本発明は、患者の初期トリアージを支援し、現在の治療方針を決定する一方で、早期の検出も可能にするような迅速な診断検査を創出していくための重要な道筋となる。内視鏡検査治療の必要性が低下する可能性が高く、したがって二次医療の紹介を必要としないより迅速な診断へのアプローチとなるため、保健医療当局および/または患者にとって大幅な費用削減となる。本発明は、化学療法への早期アクセスを可能にする、治療後の大腸癌の早期再発を検出する手段をさらに示し得る。直腸癌への化学/放射線療法を併用した先行治療に対する「完全寛解」を経験し、根治手術を免れ得る患者を、血液検査によっても確定できる可能性がある。これにより確定できるのは、そのような方法で治療される患者の5人に1人となる可能性がある。
本発明の第1の態様によれば、被験者において大腸癌が存在する徴候を同定する方法が存在し、本方法は、
-少なくとも1つの出力スペクトルを得るために、被験者から採取した血液または血液由来試料に対してレーザ分光法を実施するステップと、
-この出力スペクトルと、複数の既知の出力スペクトルを備える対照データセットとを比較するステップであって、これら複数の既知の出力スペクトルを、大腸癌を有する複数の第1の被験者、および大腸癌を有していない複数の第2の被験者の血液または血液由来試料から抽出している、ステップと、
-この比較から、大腸癌が存在する徴候を被験者が有しているかどうかを判定するステップと
を含む。
被験者が大腸癌に罹患しているかどうかを、たとえば出力スペクトルと対照データセットとの相違、または出力スペクトルと対照データセットとの一致によって判定してもよい。本方法は、大腸癌の有無に関する表示を出力する。この出力はまた、医師による検査が別途必要かどうかを示してもよい。
分光法により、試料のケミカルフィンガープリントを生成することができるので、散乱線強度を波数(散乱光のエネルギーのシフトを示す際に使用されるエネルギー尺度)の関数として測定することにより、他と比較した場合に血清試料に見られる固有の特徴を同定することができる。
本発明により、被験者の血液内で、ある患者が大腸癌を呈することで現れる寄与因子を同定できるようになる。このことは、糞便物質の潜血臨床検査に対する既存の要件である、潜血がある場合は、大腸内視鏡検査を実施して潜血の出現が大腸癌の存在を示しているかどうかを判定することにより、経過観察されるということが多くの被験者にとって今後は必要なくなるか、またはこれが実際に、診断に到達する最良の手段となり得ることを意味している。大腸癌の検出または進行度は、比較的簡単な検査で判定することができる。この検査は、患者の血液試料から採取した血清の検査に基づいているため、迅速かつ比較的非侵襲的である。場合によっては、以前よりもはるかに早い段階で検出することが可能になり、また感度/特異度の向上を通じて、フォローアップ治療(たとえば、結腸切除や化学療法への進行に伴って行われる大腸内視鏡検査)でより効果的に照準が定められるようになるため、平均余命が延び、費用負担が大幅に軽減されることになる。したがって、感度および特異度を高める大腸癌の診断能力が創出されたことになる。さらに、癌の進行度と治療における潜在的な効果とを、被験者と、被験者から採取した元の癌徴候を示す1または複数のスペクトルとを継続的に比較することにより、モニタリングすることができる。
レーザ分光法はラマン分光法であることが好ましく、これはなぜなら、ラマン分光法は非侵襲的であり、分析を成功させる上での干渉を水が最小限に抑えるため、液体試料に安定的に適用できるためである。
血液試料は、一般的に知られている任意の採血方法によって患者から採取することができる。血液をレーザ分光法にかけてもよく、あるいはこれを分離してもよい。したがって、血清または血漿などの血液由来物に対して分光法を実施することができる。これらの血液由来物または血液成分を、既知の技法により血液から分離してもよい。血清は感度を高めるのに好適である。
1または複数の波数、あるいは波数の1または複数の範囲にわたって出力スペクトルを記録することが好ましい。同じ波数におけるピーク強度の増減、または波数間におけるピーク強度の位置の変化、および/または血液または血液由来試料と対照データセットとの間で得られるピーク線の形状の変化は、被験者が大腸癌に罹患していることを示し得るものである。これらの重要な変化は、癌対照群および非癌対照群から採取したスペクトルと比較される。ピーク線の形状とはプロットされたスペクトルの形状を意味し、たとえばピーク前後の線の勾配、または組成の変化による別のピーク成分の出現に関連している場合がある。
ラマン分光法では、スペクトルの再現性もサンプリングプロトコルと、採用される分析のタイプとに左右される。ここで詳述している分析、対照群の使用、およびサンプリング方法を独自に組み合わせることにより、大腸癌の診断能力において感度および特異度を高めることが分かっている。詳述している本発明では、乾燥サンプリングプロセスおよび液体サンプリングプロセスの両方と、高スループット分析の可能性とについても説明している。
対照データセットは、大腸癌を有する第1の被験者、および大腸癌を有していない第2の被験者から採取したスペクトルを備える。大腸癌を有する第1の被験者、および大腸癌を有していない第2の被験者のライブラリに対して比較を行うことが好ましい。
複数の被験者スペクトルを、比較に使用するためにレーザ分光法によって取得することが好ましい。適切な数としては、たとえば5つのスペクトルとすることができる。
被験者から採取する血液または血液由来試料は、好ましくは液状である。これにより、乾燥プロセスを別途行う必要性が最小限に抑えられる。血液または血液由来試料は新鮮であることが好ましい。
こうした液状血液の採取方法は、被験者から採取した血液または血液由来試料を試料ホルダのウェルに供給する形態で、第1の液体試料に対して分光法を実施するステップを含む。このウェルを金属壁によって画定していてもよく、またこの金属は、ステンレス鋼またはアルミニウムであってもよい。有利なことに、試料の保持に金属製ウェルを使用すると、試料のスペクトルを読み取る際の干渉が最小限に抑えられるため、感度と再現性とが向上し、またラマン分析で実行可能な試料ホルダがもたらされることになる。ウェルは円形であることが好ましい。ウェルの深さは4mm~8mm、さらに一層好ましくは5mm~7mm、さらに一層好ましくは実質的に6mmであってもよい。ウェルの直径は、好ましくは5mm~9mm、さらに一層好ましくは6mm~8mm、さらに一層好ましくは実質的に7mmである。このようなウェル寸法を使用すると、試料からのスペクトルの読取り値のマスキングが最小限に抑えられることが分かっている(当該ウェル寸法以外では、これらのパラメータは試料間で大きなばらつきを示すため、再現性が低下してしまう)。本発明の目的は、試料中の癌と非癌とを正確に弁別することであり、したがって再現性および信頼度が最重要となる。
高スループットサンプリングの場合、ウェルを試料ホルダに画定していることが好ましく、その際、複数のウェルを試料ホルダ内に画定している。そのような構成では、試料ホルダ(したがって、そこに含まれる第1の試料も共に)を冷却し、かつこれを一定温度に最適に維持するための冷却プレートを好ましくは備える、冷却装置を設けていてもよい。
分光計の光源を、好ましくはウェルの底部から1.1~1.3mm上方に、さらに一層好ましくはウェルの底部から約1.2mm上方に集光している。ウェルの底部は、血液または血液由来物をウェル内に配置できる最下点となる。スペクトルの読取り値は試料上へのレーザフォーカスの影響を受け、そのフォーカスを最適化していない場合はバックグラウンド特性をマスキングすることになり、これによってスペクトル出力の信頼度が低下することが分かっている。有利なことに、分析の対象となるスペクトル領域を考慮した場合、定義した焦点深度は最適フォーカスを示し、バックグラウンドのばらつきが少なく、弁別度が向上することが分かった。
また、試料を乾燥させた後に分析してもよい。本方法は、試料を乾燥させるステップを含んでもよい。この乾燥ステップは、第1の試料を室温で、または補助乾燥(たとえば、真空乾燥)を通じて乾燥させることを含んでもよい。試料を試料ホルダ上で乾燥させることができるので、有利である。この試料ホルダは金属製であってもよく、好ましくはこれをアルミニウムから形成している。有利には、この試料ホルダは再利用できない。
さらに好ましい実施形態では、被分析試料を冷却している。こうした冷却を行うことにより、スペクトルの読取り値のばらつきが少なくなり、これにより、より効果的な弁別を行うことができると分かっている。さらに別の好ましい実施形態では、4℃~25℃の範囲内の温度まで(その間0.1℃間隔で)試料を冷却している。一層好ましくは、10℃~20℃の範囲内の温度まで(その間0.1℃間隔で)前記試料を冷却している。さらに一層好ましくは、15℃~20℃の範囲内の温度まで前記試料をさらに冷却している。
光源は、好ましくはレーザ光源である。レーザ分光法では、好ましくは第1および第2の異なる波長の光に試料をさらすことにより、第1および第2のスペクトルを取得し、前記比較ステップでは、比較に際し第1および第2のスペクトルを使用している。これにより、大腸癌があるかどうかを判定するに際し、交差検証が行われることになる。たとえば、被験者が薬剤を服用しているか、関連性のない疾患に罹患しているか、または以前癌に罹患した経験がある場合、採取されるスペクトルにこうしたことが意図しない影響を及ぼす可能性がある。第1および第2の異なる波長の光を使用して第1および第2のスペクトルを取得することにより、試料から異なる応答が得られるようになり、取得したスペクトルの検証が可能となる。第1および第2の波長の光を、好ましくは連続的に試料に投与している。
第1の波長は可視光の波長帯域にあってもよく、また、第2の波長は赤外光の波長帯域にあってもよく、各波長はそれぞれ、約532nmおよび約785nmであってもよい。
出力スペクトルを610cm-1~1718cm-1の間で記録することが好ましい。再現可能な弁別を可能にする最大限のスペクトル出力を含むように、この範囲を決定している。
前記または各スペクトルに対して、好ましくは前記比較ステップの前に処理ステップを実施して、1または複数のスペクトルと関連付けられたノイズを低減することにより、処理された前記または各スペクトルを供給している。前記処理ステップは、後続の比較段階での能力を向上させる生スペクトルの処理を含む。前記処理ステップは、正規化および/またはバックグラウンド減算のうちの1または複数を含んでもよい。複数の出力スペクトルを取得することが好ましく、また、各スペクトルの波数補正を行うことが好ましい。
好ましくは、処理された前記または各スペクトルをさらに処理して、1または複数の次元数が減少したスペクトルを供給している。次いで、次元数が減少した1または複数の前記または各スペクトルと、対照データセット内の既知の1または複数の出力スペクトルとを比較する。
第2の血液または血液由来試料から採取される既知の1または複数の出力スペクトルは、大腸癌を示す試料と大腸癌を示していない試料との両方を含む、対照スペクトルのライブラリを備えることが好ましい。
本方法は、有利には、被験者における大腸癌の有無の判定表示を出力するステップをさらに含む。この出力は、たとえば当該被験者のマーカーにおいて大腸癌が存在する徴候を示すか、当該マーカーにおいて大腸癌が存在する徴候を何ら示さないか、また診断が確定的でないとされていてもよいために、検査が別途必要であるということを示してもよい。これにより、簡便で使いやすいトリアージツールを使用して、臨床的必要性および紹介について判断を下すことができる。さらに、被験者からの以前のスペクトル入力を取り入れて、大腸癌に関連した進行/退縮および/または治療有効性を示すことができる。
したがって、本発明は、スペクトル取得およびスペクトル分析の両方にしっかりと適合された方法を用いて、患者の血液のサンプリングを通じて、大腸癌の診断段階に関連して定義されたスペクトル領域において、重要なラマン・スペクトル・シグネチャを同定できるようにしている。
本発明の第2の態様によれば、被験者において大腸癌が存在する徴候を同定する装置が存在し、本装置は、被験者から採取した血液または血液由来試料に関する出力スペクトルを生成する分光計と、この出力スペクトルと、大腸癌を有する複数の第1の被験者、および大腸癌を有していない複数の第2の被験者の血液または血液由来試料から採取した、複数の既知の出力スペクトルを備える対照データセットとを比較するように構成されたプロセッサとを備え、被験者が大腸癌を有しているかどうかに関する表示を出力するように構成されている。
本装置は、好ましくは、出力スペクトルおよび対照データセットを記憶させるためのデータ記憶装置をさらに備える。
この分光計は、好ましくはラマン分光計である。
好ましくは、出力スペクトルを1または複数の波数、あるいは波数の1または複数の範囲で取得している。
好ましくは、血液または血液由来試料を保持するための容器をさらに備え、この容器はウェルを備える。このウェルを金属によって画定していてもよく、その金属はステンレス鋼であることが好ましい。ウェルの深さは4mm~8mm、さらに一層好ましくは5mm~7mm、さらに一層好ましくは実質的に6mmであってもよい。ウェルの直径は、好ましくは5mm~9mm、さらに一層好ましくは6mm~8mm、さらに一層好ましくは実質的に7mmである。
ウェルを試料ホルダに画定していることが好ましく、その際、複数のウェルを試料ホルダ内に画定している。好ましくは、試料ホルダを冷却するための冷却装置を設けている。有利なことに、こうした冷却を行うことにより、安定したスペクトルの読取り値が得られ、ばらつきも減少するので、モデルでより効果的な弁別を行うことができる。この冷却装置は、好ましくは冷却プレートを備える。
分光計は、好ましくは少なくとも1つのレーザ光源、望ましくは複数のレーザ光源を備える。これらの(1または複数の)レーザ光源を、可視波長帯域および/または赤外波長帯域の光を出射するように配置してもよく、このために通常、異なるレーザ光源が異なる波長で出射している。したがって、これらの光源は第1および第2の発光体を備えてもよい。これらのレーザ光源は、785nmおよび/または532nmの(1または複数の)レーザ光源を備えてもよい。
さらに別の好ましい実施形態では、分光計の光源を、好ましくはウェルの底部から1.1~1.3mm上方に、さらに一層好ましくはウェルの底部から約1.2mm上方に集光している。ウェルの底部は、血液または血液由来物をウェル内に配置できる最下点となる。
本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、「備える(comprise)」および「含む(contain)」という単語、ならびにたとえば「備える(comprising)」および「備える(comprises)」などの単語の変形は「を含むがこれに限定されない(including but not limited to)」の意味を有し、他の部分、付加物、構成要素、整数またはステップを除外するものではない。本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、文脈が特に要求しない限り、単数形は複数形を包含している。とりわけ不定冠詞を使用する場合、本明細書は、文脈が特に要求しない限り、複数性および単数性を考慮しているものと理解されるべきである。
本明細書で引用したあらゆる特許または特許出願を含む全ての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。あらゆる参考文献が先行技術を構成することを容認するものではない。また、先行技術のいずれかが当技術分野における共通の一般知識の一部を構成することを容認するものではない。
本発明の各態様の好ましい特徴を、他の態様のいずれかに関連して記載したとおりとすることができる。
本発明の他の特徴は、以下の実施例から明らかになる。概して言えば、本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲および図面を含む)に開示している特徴においてあらゆる新規のもの、またはあらゆる新規の組み合わせにまで及ぶ。したがって、本発明の特定の態様、実施形態または実施例に関連して記載している特徴、整数、特性、化合物または化学部分は、それらと相いれない限りを除き、本明細書に記載している他の態様、実施形態または実施例に適用可能であると理解されるべきである。また、特に明記しない限り、本明細書に開示しているあらゆる機能は、同一または同様の目的をサポートする代替の機能に置き換えることができる。
ここで本発明の態様について、添付の図面を参照しながら例示としてのみ説明する。
生データおよび前処理データ(この場合、後述するようにローリングサークルでフィルタリングされ、かつ正規化されている)の両方を示す、血液由来血清の分析から取得した典型的な出力スペクトルの例示的なグラフ表示である。これらのデータの再現性は、提示しているサンプリング方法と試料ホルダの構造とに依存する。 大腸癌に罹患していない正常対照被験者と大腸癌に罹患している被験者とを比較しているグラフ表示であり、ここでは両方の標準偏差も示している。 患者からスペクトルを採取する際に実行される処理ステップを表す、概略フローチャートおよびグラフ表示である。 本発明の典型的な一実施形態で使用する、単一のウェルの概略斜視図である。 本発明の典型的な一実施形態で使用する、複数のウェルを含む試料ホルダの概略図である。 本発明の典型的な一実施形態に関連して使用する、試料ホルダおよび冷却装置の概略側面図である。 本発明の例示的かつ典型的な代替の実施形態による、試料ホルダの概略平面図である。 プラスチック材料製のウェルプレートを使用して、ウェルの材料がスペクトルの読取り値に与える影響を例示する場合の、ラマンスペクトルを示す。 ウェルの設計が血清試料のスペクトル応答に与える影響を示す。すなわち、スペクトル応答を得るために、ウェル寸法を調整する必要がある。 ウェル寸法の影響に関する主成分分析(PCA)グラフを示し、また、各ウェルの設計および試料に対して取得された5つのスペクトルを表示している。 異なる焦点深度を使用した、スペクトルの読取り値の比較を示す。 焦点深度がスペクトルに与える影響に関する主成分分析(PCA)グラフを示す。 以前癌と診断されたことやその他の疾患に罹患したことなど、別の侵襲を呈した患者の試料の弁別を向上させるために、532nmおよび785nmでの2つのスペクトルの読取り値を使用している状態を示す。 最適な読取り値をもたらすスペクトル波数範囲の影響を示す。 温度がスペクトルの再現性に与える影響を示す。 乾燥血液スポット試料からスペクトルを採取する場合の、空間分散を示す。
図1は、同一の液体試料から採取した一連のスペクトル取得を示す表示である。参照番号2で示している上部の一連の取得は、生データと関連付けられて変化する応答(左強度軸)を示し、参照番号4で示している下部の一連の取得は、前処理および正規化後のスペクトル(右強度軸)を示す。
図2は、大腸癌に罹患していない正常対照被験者および大腸癌に罹患している被験者から採取した、部分的なスペクトル出力のグラフ表示である。これは、ピーク形状、ピーク強度、およびピーク位置の複雑性を示しているため、部分最小二乗判別分析(PLS-DA)の適切な散布を用いて、スペクトルおよび関連コホートの弁別を取り入れたモデルを構築する際の、散布の要件を示している。具体的にはこの図は、癌患者と関連付けられたスペクトルと比較した場合の対照データセットと関連付けられたスペクトルを表す、2本の実線を示している。波数の大部分で、強度の変動がほとんどない状態で線が重なり合っていることが分かる。ただし、1500cm-1~1720cm-1などの特定の波数範囲では、大腸癌を示すスペクトル出力に差が見られる。ただし、610cm-1~1720cm-1の範囲の波数を分析する際、波数として、大腸癌の徴候の同定に強度一致もさらに使用できることは有利であり、着目に値する。
図3は、患者が大腸癌を有しているかどうか、あるいは大腸癌の進行または退縮を示しているかどうかを判定するステップの概略フロー図である。フロー図の側に、ステップのそれぞれに関するグラフ表示を載せている。
ステップ1は、患者試料からのラマンスペクトルの採取を表している。一実施例として、試料ごとに5つの繰返しスペクトルを採取している。これを、一連のスペクトル取得を示すステップ1の下にプロットしている。ステップ2では、本明細書で後に「データの前処理」という見出しの下でさらに詳述しているように、複数のスペクトルに対して処理ステップを実施し、これによって患者ごとにそれぞれ5つのスペクトルが維持されるが、ここではたとえば、レーザ出力の変動などのサンプリング作用の影響にも対処している。
その後、ステップ3に示すように全てのスペクトルが診断モデルに送り込まれ、そこで各スペクトルの次元が減少する。典型的な診断モデルでは、各スペクトルはドットになる。このステップでは、「トレーニングセット」はモデルを構成しているスペクトルであり、「テストセット」は未知試料であり、「テストセット」と「トレーニングセット」との間で比較が行われ、当該モデルによって、その未知試料がどの診断グループに最も近似しているかが判定される。グラフ表示の等高線は、それぞれの診断グループを表している。
ステップ4では、当該モデルが出力を行い、その際、診断の判定結果を、大腸癌を示す試料に尤度があるかどうかを示す形式で出力する。たとえば、「1」という結果は癌が存在することを示し、「2」という出力は癌が存在しないことを示す。当該モデルがこの分析をどの程度正確に完了するかを同定するために、感度および特異度の値からこれらを出力している。
図4を参照すると、アルミニウムまたはステンレス鋼などの金属を備える、実質的に円形のウェル10の例示図が示されている。ウェル10を、共に試料ホルダ14を形成している支持体12に収容してもよい。支持体12は、ウェル10の材料とは異なる材料を備えていてもよく、その材料は、たとえばプラスチックであってもよい。ウェルの直径は、好ましくは約7mmであり、その深さは実質的に6mmである。
図5を参照すると、その内部にウェル10のアレイを有する試料ホルダ14が示されている。このウェル10を、支持体12と一体的に形成していてもよく、あるいはこれを支持体12内に装着してもよい。
図6を参照すると、有利には、試料ホルダ14が冷却構造体16に隣接して設けられており、この冷却構造体16は、試料ホルダ14に隣接しており、かつヒートシンク20と連通しているペルチェプレート18を備えていてもよい。次いで、ヒートシンク20はベースプレート22によって支持される。
ここで図7を参照すると、とりわけ乾燥血液または血液由来試料の分析で使用する、試料ホルダ14の典型的な一実施形態を表す平面図および側面図がそれぞれ示されている。試料ホルダ14は金属製であることが好ましく、典型的な一実施形態では、血液または血液由来試料が配置かつ乾燥され、その後分析される場所となる3つの領域24を備える。
図8を参照すると、ウェルの製造に使用される材料が、スペクトルの読取り値に劇的な影響を与えていることが示されている。他の図のスペクトルにおいて示すように、読取りにプラスチック材料製ウェルを使用すると、金属製ウェルとは対照的に血清試料のスペクトルが観測されず、ウェルのプラスチックから生じる固有の異常(試料がない状態で観測される)によってシグナルが影響を受ける。これは、金属製ウェルを使用することがラマン分析に不可欠であることを示している。
図9を参照すると、ウェルの設計が試料のスペクトル応答に与える影響を慎重に検討する必要があることが示されており、これはすなわち、スペクトル記録を得るために、ウェルの設計を調整する必要があるということを意味し、これによってバックグラウンドでの血清のスペクトル記録が最大になる。これらのスペクトル(バックグラウンドを差し引かれ、かつ正規化された)は、異なるウェルを使用した場合のバックグラウンド特性の変化を示している。それらの結果は、異なる大きさのウェルに含める場合の、非癌対照群(対照1および対照2を含む2つの対照)の試料対大腸癌(CRC)群の試料に関するものである。Dはウェルの直径を表し、Hはウェルの高さ(すなわち深さ)を表している。これらのウェル寸法を、深さ6mmで、直径7mmの標準ウェルと比較した。同一の血清試料のスペクトルに見られるばらつきは、異なるウェル寸法を使用した結果である。1200~1400cm-1のスペクトル記録では、ウェル寸法が請求している量を超える場合、血清のスペクトルシグネチャのマスキングを含むほとんどの変動が示される。再現性の問題を考慮するために、それぞれのウェルでさらにスペクトルを繰り返し測定した。これについては、図10に示すようにPCA分析によって裏付けを行っている(なお、灰色の領域は、異なる容器で測定した場合のCRC血清の生成を示しているため、主成分分析(PCA)グラフ全体に大きなばらつきが見られる)。これらの円は、ウェル内の繰返し測定値の変動範囲を示しており、その最大範囲は、5mm~9mmの範囲にあるウェルの直径、および4mm~8mmの範囲にあるウェルの深さ以外となるウェル寸法で見られ、すなわちこれは、ウェルがこれらの寸法よりも小さくなるか、または大きくなると、スペクトルのばらつきが最大になることを意味している。ラマン分析の目的は、癌試料と非癌試料とを正確に弁別することであり、その際、ウェルの設計が不適切であると、再現性のないスペクトル結果のために実行可能な診断を行うことが困難となる。CRCおよび対照(1および2)の標準ウェルの応答における弁別はPC2軸で得られているが、これは、厳密に定義されたパラメータ以外の他のウェル寸法を使用した場合には観測されなかった。
図11および図12を参照すると、フォーカスを最適化していない状態で標準ウェルの大きさを使用すると、バックグラウンド特性が問題になることが分かる。特に注目すべきなのは、液体の表面に集光し、かつウェルの底部(最深部)にも集光すると、バックグラウンド特性が最も影響を受けるということである。底部から離間しているフォーカスステップ(600、1200)は、1.1~1.3cmの最適フォーカスへと変換されている。ウェルの焦点深度のPCAプロット(図11)は、同一条件下での繰返し測定値のばらつきを示している。CRC試料の600/1200における円の重なりは、この領域でフォーカスが最適化され、ばらつきが減少しており、対照試料の最適条件下ではCRCとの弁別が示され、かつばらつきも減少していることを示している。2000および3000ステップにおいてPCAでのばらつきが増加しており、これは実行可能なフォーカス設定ではないことを示している。前述のスペクトルプロットで示しているように、大きなばらつきを示していないものの、ウェルの底部はバックグラウンド成分の影響を受けている。
図13を参照すると、当該生スペクトルにより、2波長アプローチ(可視および赤外線)が異なるフィンガープリント応答を生成することが示されている。生データを考察すると、785nmの試料は非常に近似しているが、532nmのスペクトルのバックグラウンド特性は極めて異なっており、疾患の影響が明確に現れているため、これらを当該モデルに取り入れて弁別を向上させている。(a)785nmレーザおよび(b)532nmレーザを使用した、他に健康上の問題がない対照患者のスペクトルと、(c)785nmレーザおよび(d)532nmレーザを使用した、以前癌に罹患し、かつ化学放射線療法(CRT)を受けた対照患者のスペクトルと、(e)785nmレーザおよび(f)532nmレーザを使用した、糖尿病の対照患者のスペクトルとを対象とした。
図14を参照すると、好ましくは、610cm-1~1718cm-1の間で出力スペクトルが記録されている。この範囲は、再現可能な弁別を可能にする最大限のスペクトル出力を含むことが示されている。
図15を参照すると、温度の関数としてのスペクトルのばらつき(色のエンベロープ)が示されている。室温(不安定相)ではスペクトルに大きなばらつきが生じ、最終的に当該モデルに影響している。冷却により安定したデータが生成され、ばらつきも少なくなるため、モデルでより効果的な弁別を行うことができる。
図16を参照すると、液体血液試料では見られない乾燥血液スポット試料の種々の領域を分析した場合に、スペクトルのばらつきが発生している可能性がある。画像処理に画像処理装置による負荷がかかると空間分散が表示され、ここで暗領域はばらつきが小さい領域であるため、再現性を分析するのに最適となる。当該画像は暗リングを示しており、これはすなわち、再現性を得るために、乾燥血清スポットからサンプリングして、分析用にスペクトルを抽出する際に最小のばらつきを示す領域、したがって最良の位置となることを意味する。
以下の記載では、血清(または血液もしくは他の血液由来物)試料からデータを取得し、その後、特許請求している大腸癌の存在または進行/退縮を判定する方法に使用できるモデルの生成結果を分析するための、例示的なステップについて説明する。ここで、診断出力は感度および特異度の観点から測定される。ここで言う感度とは、検査で正しく同定された真の陽性結果の割合を意味する。この場合、癌に罹患していると同定された癌患者の数となる。特異度とは、診断検査によって正しく同定された真の陰性症例の割合を意味する。この場合、対照患者として正しく同定された対照患者の数となる。
感度の定義としては、真陽性の数と偽陰性の数との合計で、真陽性の数を除算したものとなる。
特異度の定義としては、真陰性の数と偽陽性の数との合計で、真陰性の数を除算したものとなる。
(A)サンプリング(データ取得)
血清採取
サンプリング時の患者背景により、結果のスペクトルの精度が定義される可能性がある。サンプリング前の4時間絶食し、非喫煙者であり、かつ肝臓疾患がない患者が優先的に対象となる。患者の投薬の詳細も記録される。血液試料は、通常の標準採血手順を通じて熟練した瀉血専門医によって採取される。Vacutainer商標Serum Separator採血管を使用して、血液を採取した。次いで、液体血清を生成するために、当該メーカーのベスト・プラクティス・プロトコルに従ってこれらの採血管を処理した。その後、血清試料を30分間放置して凝固させた。
ここで、3つの異なるスペクトル分析法について説明する。
乾燥試料におけるラマン分光法(785nmレーザ)
785nmレーザ光源および532nmレーザ光源を備える、Renishaw社のInViaラマン分光計を使用した。試料をアルミホイルベースの試料ホルダにスポットし、スペクトル取得を行う前に室温で放置して乾燥させた。785nm(ダイオード)レーザビームを試料に集光する50倍対物レンズ(ライカ)を使用して、データポイントを収集した。次いで、610cm-1~1718cm-1のスペクトル領域において1秒の露光時間にて、165~175mW(100%)の出力で試料スポットの検査を行った。次いで、これを30回取得した平均値を求め、1つのスペクトルを生成した。その後、このプロセスを試料の液滴全体を対象に繰り返したが、これを、試料台上に沈積した他の液滴にまで拡大することができる。1試料あたり10個の複製を設けることが好ましい。好ましくは、さらに画像認識を使用して、乾燥試料の特定の領域をサンプリングし、かつ再現性を高めることができる。レーザをスポットモードで使用し、スポット全体で10カ所のランダムな位置を選択している。3つのスポットをピペッティングし、それらのうちの2~3つを使用して、それぞれ最大5回スキャンしている。
液体試料におけるラマン分光法(785nmレーザ)
複数のウェルを有するステンレス鋼製の試料ホルダ状の容器内に、液体試料をピペッティングした。次いで、これを分光計内の、ステンレス鋼製の冷却プレート上に配置した。10倍乾式対物レンズ(ライカ)を使用して、液体試料内でウェルの底部の1.2mm上方に785nmレーザ光を集光した。次いで、610cm-1~1718cm-1のスペクトル領域において5秒の露光時間にて、165~175mWのレーザ出力を使用してデータポイントを取得した。次いで、これを30回取得した平均値を求め、1つのスペクトルを生成した。その後、このプロセスを繰り返して1試料あたり5つの複製を作成し、これを診断モデルで使用して、「サンプリング」の再現性に関連するスペクトルのばらつき度を検査した。
液体試料におけるラマン分光法(532nmレーザ)
複数のウェルを有するステンレス鋼製の試料ホルダ状の容器内に、液体試料をピペッティングした。次いで、これを分光計内の、ステンレス鋼製の冷却プレート上に配置した。10倍乾式対物レンズ(ライカ)を使用して、液体試料内でウェルの底部の1.2mm上方に532nmレーザ光を集光した。次いで、610cm-1~1718cm-1のスペクトル領域において0.6秒の露光時間にて、45~55mWのレーザ出力を使用してデータポイントを取得した。次いで、これを120回スキャンした平均値を求め、1つのスペクトルを生成した。その後、このプロセスを繰り返して1試料あたり5つの複製を生成し、これを診断モデルで使用して、「サンプリング」の再現性に関連するばらつき度を検査した。
(B)分析
ラマンスペクトルの分析を説明するにあたり、これを3つの範囲に分類することができる。
1.データの前処理
2.診断モデルの構築
3.モデル検査
1.データの前処理
取得したスペクトルからバックグラウンド蛍光を差し引くための好ましい方法として、2つの代替方法を提示する。これらは、他の方法(多項式関数を使用した単純なバックグラウンドフィッティングなど)よりも優れていると判断される。次いで、「サンプリング」作用の影響(レーザ出力の変動など)を最小限に抑えることでスペクトルを比較できるようにするために、さらに別の2つの方法を説明する。このプロセスは正規化として知られている。記載している正規化の方法は、ベクトル正規化およびピーク最大正規化の2つである。バックグラウンド減算と同様に、これらの両方法が代替方法よりも優れていることが分かった。
1.1 データの前処理-微分スペクトル
前述の方法を使用して、スペクトルデータを取得した。開発したソフトウェアを使用して、全てのスペクトルの波数補正を行った。分光計からの生データでは、本システム上のCCD検出器によりスキャンが実行されるたびに、x軸がわずかに異なっている。波数補正により、試料比較用に単一のx軸を作成することにより、このような場合に試料間で直接比較を行うことが可能になる。次いで、二次多項式および9点のSavitzky-Golay微分アルゴリズムを使用してスペクトルのバックグラウンドを差し引き、その後ベクトル正規化した。ベクトル正規化により、各スペクトルの下の面積を1にすることで、試料間の比較を行うことができるようになる。その後、これにより、異なる試料間で全体的なスペクトル形状を比較して、「サンプリング」作用の影響をスペクトル弁別が受けることなく組成変化を同定することができる。
1.2 データの前処理-ローリングサークルフィルタ
前述の方法を使用して、スペクトルデータを取得した。全てのスペクトルの波数補正を行った。次いで、スペクトルデータからバックグラウンド蛍光を差し引くために、好ましくは150となる、特別に選択された半径を有するハイパス・ローリングサークル・フィルタを使用して、スペクトルのバックグラウンドを差し引いた。このタイプのバックグラウンドは試料スペクトル間で変化し得、また弁別手順に影響を及ぼし得るため、癌の弁別に必要となる感度をマスキングする可能性がある。さらに、これらのスペクトルを診断モデルの性能に応じて、ある場合にはフェニルアラニンに起因する約1004cm-1のピークに正規化し、別の場合にはベクトル正規化した。正規化手法は全て、スペクトルを弁別比較に適するように標準化する際に有用となる。特定のピーク(1004cm-1)に対する比率を検査したい場合、このタイプの正規化を使用した。このタイプの正規化により、各スペクトルにおいて1004cm-1のピークが1になる。したがって、約1004cm-1のピークと他の全てのピークとの間の強度変動と、同様に処理された対照群とをより容易に比較でき、これはすなわち、ピーク変動(強度、幅、および線形)が、癌に関連しない試料の変化やレーザの分光条件などの外部の「サンプリング」作用ではなく、試料の組成変化に直接起因している可能性があることを意味する。
2.診断モデルの構築
診断モデルを生成するために、9つの潜在変数を有する平均中心データを使用して、前処理データをPLS-DA(部分最小二乗判別分析)にかけている。次いで、モデルのトレーニングデータセットを生成するために、ベネチアンブラインド交差検証を使用してこのモデルを交差検証する。潜在変数は、癌を示すスペクトルにおける孤立した要素とみなされる。これらを当該モデル内で生成している。次いで、モデルのトレーニングデータセットを生成するために、ベネチアンブラインド交差検証を使用してこのモデルを交差検証する。この交差検証はモデルの内部検証として機能するため、当該モデルが検査の感度および特異度を過剰予測することがなくなる。このような診断モデルのトレーニングに使用するデータセットを、検証中に偶数グループに分割する。次いで、一部のグループを除外してモデルを再生成する。その後「除外された」グループは、完全なデータセットなしで当該モデルが結果をどの程度予測できるかを確認するために、「検査用」データセットとして使用される。ここで報告している感度および特異度は、交差検証したモデルのものである。本方法は、こうした感度および特異度を得ることができるため、他の選択肢よりも好ましい。
3.大腸癌検出のためのモデル検査-乾燥血清試料
上記のように乾燥させた3μlの液滴から、ラマンスペクトルを採取した。大腸癌を有することが確認された患者(n=30)、および大腸内視鏡検査が陰性で、癌を示す他の徴候がない年齢マッチの対照群(n=30)のスペクトルを収集した。ベクトル正規化された微分スペクトルを使用して、交差検証された診断モデルで98%の癌検出感度と、92%の特異度とを示す性能結果となった。ベクトル正規化を伴うローリングサークルフィルタベースの前処理方法を用いて、92%の感度と91%の特異度とが得られた。ローリングサークルフィルタベースの前処理と1004cm-1の正規化とを使用すると、感度および特異度はそれぞれ、95%および92%となった。
大腸癌検出のためのラマン分光法-液体血清試料
785nmレーザ光源を使用して、癌患者および対照患者(n=60)からラマンスペクトルを採取した。次いで、ローリングサークルフィルタおよびピーク正規化を使用して、スペクトルを前処理した。PLS-DA診断モデルを構築した後、85%の感度と81%の特異度とが得られた。532nmレーザを使用してこのデータセットを繰り返し、同じ分析ルーチンを用いて74%の感度と78%の特異度とを示す結果が得られた。各試料の分析に際し、より安定した診断を可能にする2つのレーザの使用についても検討している。異なる波長を使用すると、試料から異なる応答が得られるようになり、たとえば、被験者が服用している薬剤の効果によって影響を受ける可能性のある応答を弁別することができる。
したがって、提案している本発明は、大腸癌の発症または進行/退縮を同定する安定した弁別ツールと、これを達成していく過程で最良の手段とを提供することが分かる。検査の結果は、さらに観察を続ける必要のないユーザに対して出力することができ、この結果により、当該患者のマーカーにおいて大腸癌が存在する徴候が示されるか、当該患者のマーカーにおいて大腸癌陽性の徴候が何ら示されないか、または結果が確定的でなく、したがって検査が別途必要であるということが示されてもよい(たとえばこれには、患者の服薬が検査に影響を与えているかどうかや、患者が検査前条件に適切に従ったかどうかの検査が含まれ得る)。
臨床試料数の増加に際し、これらの分析時に大腸癌弁別ソフトウェアが更新されてもよく、その結果、当該モデルが自己学習するようになってもよいことが理解される。
本発明の態様を例示としてのみ記載しており、また、添付の特許請求の範囲によって付与される保護の範囲から逸脱することなく、修正および変更をなしてもよいことを、当業者であれば理解する。
一態様において本発明は以下を提供する。
[項目1]
被験者において大腸癌が存在する徴候を同定する装置であって、前記装置は、前記被験者から採取した血液または血液由来試料に関する出力スペクトルを生成する分光計と、前記出力スペクトルと、大腸癌を有する複数の第1の被験者、および大腸癌を有していない複数の第2の被験者の血液または血液由来試料から採取した、複数の既知の出力スペクトルを備える対照データセットとを比較するように構成されたプロセッサとを備え、前記被験者が大腸癌を有しているかどうかに関する表示を出力するように構成されている、装置。
[項目2]
前記出力スペクトルおよび対照データセットを記憶させるためのデータ記憶装置をさらに備える、項目1に記載の装置。
[項目3]
前記分光計はラマン分光計である、項目1または2のいずれか一項に記載の装置。
[項目4]
前記出力スペクトルを1または複数の波数または波数の1または複数の範囲で取得している、項目1から3のいずれか一項に記載の装置。
[項目5]
前記第1の血液または血液由来試料を保持するための容器をさらに備え、前記容器はウェルを備える、項目1から4のいずれか一項に記載の装置。
[項目6]
前記ウェルの深さは4mm~8mm、さらに一層好ましくは5mm~7mm、さらに一層好ましくは実質的に6mmである、項目5に記載の装置。
[項目7]
前記ウェルは実質的に円形であり、前記ウェルの直径は5mm~9mm、さらに一層好ましくは6mm~8mm、さらに一層好ましくは実質的に7mmである、項目5または6のいずれか一項に記載の装置。
[項目8]
前記ウェルを試料ホルダに画定し、その際、複数のウェルを前記試料ホルダ内に画定している、項目5から7のいずれか一項に記載の装置。
[項目9]
前記試料ホルダを冷却するための冷却装置を備える、項目8に記載の装置。
[項目10]
前記冷却装置は冷却プレートを備える、項目9に記載の装置。
[項目11]
前記分光計は少なくとも1つのレーザ光源を備える、項目1から10のいずれか一項に記載の装置。
[項目12]
前記少なくとも1つのレーザ光源を、第1および第2の波長の光を出射するように配置し、前記第1の波長の光は前記第2の波長の光とは異なる、項目11に記載の装置。
[項目13]
前記少なくとも1つのレーザ光源を、可視波長帯域および赤外波長帯域の光を出射するように配置している、項目12に記載の装置。
[項目14]
前記分光計はレーザ光源を備え、前記レーザ光源は、785nmおよび/または532nmのレーザ光源を備える、項目11から13のいずれか一項に記載の装置。
[項目15]
前記ウェルは金属製である、項目5から14のいずれか一項に記載の装置。
[項目16]
被験者において大腸癌が存在する徴候を同定する方法であって、前記方法は、
-少なくとも1つの出力スペクトルを得るために、前記被験者から採取した血液または血液由来試料に対してレーザ分光法を実施するステップと、
-前記出力スペクトルと、複数の既知の出力スペクトルを備える対照データセットとを比較するステップであって、前記複数の既知の出力スペクトルを、大腸癌を有する複数の第1の被験者、および大腸癌を有していない複数の第2の被験者の血液または血液由来試料から抽出している、ステップと、
-前記比較から、大腸癌が存在する徴候を前記被験者が有しているかどうかを判定する
ステップと
を含む、方法。
[項目17]
前記試料は血清形態の血液由来物を備える、項目16に記載の方法。
[項目18]
1または複数の波数、あるいは波数の1または複数の範囲にわたって前記出力スペクトルを記録している、項目16または17に記載の方法。
[項目19]
複数の被験者スペクトルを、比較に使用するためにレーザ分光法によって取得している、項目16から18のいずれか一項に記載の方法。
[項目20]
液状の血液または血液由来試料を使用してレーザ分光法を実施している、項目16から19のいずれか一項に記載の方法。
[項目21]
前記試料をサンプリング前かつ/またはサンプリング中に冷却し、これにより一定温度が維持されている、項目16から20のいずれか一項に記載の方法。
[項目22]
前記分光計の光源を前記ウェルの底部から1.1~1.3mm上方に、さらに一層好ましくは前記ウェルの底部から約1.2mm上方に集光している、項目16から21のいずれか一項に記載の方法。
[項目23]
前記出力スペクトルを610cm -1 ~1718cm -1 の間で記録している、項目16から22のいずれか一項に記載の方法。
[項目24]
前記または各スペクトルに対して、前記比較ステップの前に処理ステップを実施して、前記1または複数のスペクトルと関連付けられたノイズを低減することにより、処理された前記1または複数のスペクトルを供給している、項目16から23のいずれか一項に記載の方法。
[項目25]
前記処理ステップは、正規化および/またはバックグラウンド減算のうちの1または複数を含む、項目24に記載の方法。
[項目26]
複数の出力スペクトルを取得しており、また、前記複数のスペクトルにおける各出力スペクトルの波数補正を行っている、項目16から25のいずれか一項に記載の方法。
[項目27]
処理された前記または各スペクトルをさらに処理して、1または複数の次元数が減少したスペクトルを供給している、項目16から26のいずれか一項に記載の方法。
[項目28]
前記レーザ分光法により、前記試料に第1および第2の異なる波長のレーザ光を照射して第1および第2のスペクトルを取得し、前記比較ステップでは、比較に際し前記第1および第2のスペクトルを使用している、項目16から27のいずれか一項に記載の方法。
[項目29]
前記第1の波長は可視光の波長帯域にあり、また、前記第2の波長は赤外光の波長帯域にある、項目28に記載の方法。
[項目30]
前記第1の波長は532nmであり、前記第2の波長は785nmである、項目28または29に記載の方法。
[項目31]
前記被験者における大腸癌の有無および/または進行/退縮の判定表示を出力するステップを含む、項目16から30のいずれか一項に記載の方法。

Claims (29)

  1. 被験者において大腸癌が存在する徴候を同定する装置であって、前記装置は、前記被験者から採取した血液または血液由来試料に関する出力スペクトルを生成するラマン分光計であって、直径がmm~mm、深さがmm~mmの実質的に円形の金属製ウェルを備える、第1の血液または血液由来試料を保持するための容器を含むラマン分光計と、プロセッサであって、出力スペクトルと、大腸癌を有する複数の第1の被験者、および大腸癌を有していない複数の第2の被験者の血液または血液由来試料から採取した、複数の既知の出力スペクトルを備える対照データセットとを比較するように構成されたプロセッサとを備え、前記被験者が大腸癌を有しているかどうかに関する表示を出力するように構成されている、装置。
  2. 前記出力スペクトルおよび対照データセットを記憶させるためのデータ記憶装置をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  3. 前記出力スペクトルを1または複数の波数または波数の1または複数の範囲で取得している、請求項1から2のいずれか一項に記載の装置。
  4. 前記ウェルの深さは実質的に6mmである、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記ウェルの直径は実質的に7mmである、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記ウェルを試料ホルダに画定し、その際、複数のウェルを前記試料ホルダ内に画定している、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記試料ホルダを冷却するための冷却装置を備える、請求項に記載の装置。
  8. 前記冷却装置は冷却プレートを備える、請求項に記載の装置。
  9. 前記分光計は少なくとも1つのレーザ光源を備える、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記少なくとも1つのレーザ光源を、第1および第2の波長の光を出射するように配置し、前記第1の波長の光は前記第2の波長の光とは異なる、請求項に記載の装置。
  11. 前記少なくとも1つのレーザ光源を、可視波長帯域および赤外波長帯域の光を出射するように配置している、請求項10に記載の装置。
  12. 前記分光計はレーザ光源を備え、前記レーザ光源は、785nmおよび/または532nmのレーザ光源を備える、請求項から11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 被験者において大腸癌が存在する徴候を同定するために、当該被験者から採取した血液または血液由来試料を試験する方法であって、前記方法は、
    -被験者から採取した試料を分光計のウェルに供給するステップであって、当該ウェルが金属製であり、直径mm~mm、深さmm~mmを有する実質的に円形であるステップ;
    -少なくとも1つの出力スペクトルを得るために、前記試料に対してラマンレーザ分光法を実施するステップと、
    -前記出力スペクトルと、複数の既知の出力スペクトルを備える対照データセットとを比較するステップであって、前記複数の既知の出力スペクトルを、大腸癌を有する複数の第1の被験者、および大腸癌を有していない複数の第2の被験者の血液または血液由来試料から抽出している、ステップと、
    を含む、方法。
  14. 前記試料は血清形態の血液由来物を備える、請求項13に記載の方法。
  15. 1または複数の波数、あるいは波数の1または複数の範囲にわたって前記出力スペクトルを記録している、請求項13または14に記載の方法。
  16. 複数の被験者スペクトルを、比較に使用するためにレーザ分光法によって取得している、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 液状の血液または血液由来試料を使用してレーザ分光法を実施している、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記試料をサンプリング前かつ/またはサンプリング中に冷却し、これにより一定温度が維持されている、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記分光計の光源を前記ウェルの底部から1.1~1.3mm上方に集光している、請求項13から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記分光計の光源を前記ウェルの底部から約1.2mm上方に集光している、請求項19に記載の方法。
  21. 前記出力スペクトルを610cm-1~1718cm-1の間で記録している、請求項13から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記または各スペクトルに対して、前記比較ステップの前に処理ステップを実施して、前記1または複数のスペクトルと関連付けられたノイズを低減することにより、処理された前記1または複数のスペクトルを供給している、請求項13から14のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記処理ステップは、正規化および/またはバックグラウンド減算のうちの1または複数を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 複数の出力スペクトルを取得しており、また、前記複数のスペクトルにおける各出力スペクトルの波数補正を行っている、請求項13から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 処理された前記または各スペクトルをさらに処理して、1または複数の次元数が減少したスペクトルを供給している、請求項13から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記レーザ分光法により、前記試料に第1および第2の異なる波長のレーザ光を照射して第1および第2のスペクトルを取得し、前記比較ステップでは、比較に際し前記第1および第2のスペクトルを使用している、請求項13から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記第1の波長は可視光の波長帯域にあり、また、前記第2の波長は赤外光の波長帯域にある、請求項26に記載の方法。
  28. 前記第1の波長は532nmであり、前記第2の波長は785nmである、請求項26または27に記載の方法。
  29. 前記比較の表示を出力するステップを含む、請求項13から28のいずれか一項に記載の方法。
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