JP7323262B2 - 多気筒内燃機関のモノブロック式本体ブロック - Google Patents

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本発明は、多気筒内燃機関において、シリンダブロック部とシリンダヘッド部とが一体に鋳造されたモノブロック式本体ブロックに関するものである。
内燃機関は、本体ブロックとしてシリンダブロック部とシリンダヘッド部とを備えており、一般に、これらシリンダブロック部とシリンダヘッド部とは別体に製造されており、ガスケットを介してヘッドボルトで締結されている。他方、例えば特許文献1に開示されているように、シリンダブロック部とシリンダヘッド部とを一体に鋳造することが提案されている。
シリンダブロック部とシリンダヘッド部とを一体に鋳造してモノブロック化すると、ガスケットやヘッドボルトは不要になるため構造は著しく簡素化し、シール性や冷却性も向上できる。
他方、シリンダブロック部とシリンダヘッド部とが別体の場合は、シリンダヘッド部とシリンダブロック部とには、互いに重なるデッキ部が存在するため全体として剛性を確保できるが、モノブロック化すると、シリンダブロック部のブロックジャケットとシリンダヘッド部のヘッドジャケットとが連通することにより、全体としての剛性が低下する問題がある。
そこで、特許文献1には、特にクランク軸線回りの捩じりに対する抵抗を増大する手段として、シリンダボアの群を挟んだ片側の長手一側部でかつシリンダヘッド部とシリンダブロック部との境界部の高さ位置に、クランク軸線方向に長い姿勢の鋼管を鋳込むことが開示されている。
特開平5-223003号公報
特許文献1は、モノブロック化した本体ブロックの補強を行えるが、専用の鋼管が必要になるためそれだけコストが嵩むという問題がある。また、鋼管はシリンダボアの群の外側に配置せねばならないため、鋼管を鋳込むスペースが余分に必要になり、このため本体ブロックが大型化して、燃費を悪化させてしまうおそれもある。
さて、燃料の爆発により、シリンダヘッド部とシリンダブロック部とを引き離そうとする外力が作用し、この外力は、ヘリンダヘッド部とシリンダブロック部の連接部に強く作用する。この場合、シリンダボアのうちクランク軸と直交した左右方向の部位について見ると、この部位には吸気ポート及び排気ポートを形成するための肉部が存在するため、高い剛性が確保されている。また、クランク軸線方向である前後方向について見ると、ボア間の箇所では、隣り合った連接部が一体に繋がっているため、この部位にも高い剛性を保持できる。
しかし、前後方向の部位のうち、シリンダボアの群の前後両端の箇所では、連接部はジャケットの内側に独立して存在するため剛性が低くなっており、従って、応力集中による変形を阻止するためには、連接部の内面に大きな曲率半径の丸み(隅肉)をつけねばならず、すると、ピストンの上昇位置が低くなって圧縮比を高くすることができず、機関を高出力化し難くなるおそれがある。
本願発明はこのような現状を契機にして成されたものであり、シリンダブロック部とシリンダヘッド部とをモノブロック化した本体ブロックに関し、大型化や圧縮比低下を招来することなく剛性を向上させること等を目的としている。
本願発明の本体ブロックは、
「複数のシリンダボアがクランク軸線方向に並べて形成されたシリンダブロック部と、前記各シリンダボアに対応して吸気ポート及び排気ポートが形成されたシリンダヘッド部とを有し、これらシリンダブロック部とシリンダヘッド部とは1つの鋳造品として一体に連続しており、
前記シリンダブロック部には、冷却水が流れるブロックジャケットが前記シリンダボアの群を囲うように形成されて、前記シリンダヘッド部には、冷却水が流れるヘッドジャケットが、前記ブロックジャケットと連通して前記シリンダボアの群を囲うように形成されている」
という基本構成になっている。
そして、上記基本構成において、
「クランク軸線方向から見て前記シリンダボアの群の前後両側の部位に、前記ヘッドジャケットの下部又は前記ブロックジャケットの上部若しくは前記ヘッドジャケットとブロックジャケットとの連通部を挟んだ内外両側の壁を繋ぐブリッジ状の補強ボスが形成されており、前記両補強ボスに、外向きに開口した雌ねじを形成している
という特徴を保持している。
本願発明において、補強ボス部に雌ねじを形成しているため、補強ボス部を各種部材の締結に使用することができる。締結できる部材としては、本体ブロックの前端に固定する部材の例としては、タイミングチェーンを覆うフロントカバーやウォータポンプ、オルタネータ、モータジェネレータなどが挙げられる。本体ブロックの後端に固定する部材の例としては、冷却水分配用ハウジングが挙げられる。或いは、車両用内燃機関の場合、前後いずれかに固定する部材としてエンジンマウントを挙げることもできる。
本願発明は、様々に展開できる。その例として請求項2では、
タイミングチェーンが配置される側の前面に、前壁を設けることによって凹所が形成されており、前記凹所の側に位置した前部補強ボスには、前記前壁と同じ高さの外向き部を形成している」
という構成になっている。
なお、「前記ヘッドジャケットのうちボア間部の略上方の部位に、冷却水の流れ方向を制御(ガイド)する整流リブが、前記ヘッドジャケットを挟んで上下両側に位置した上板部と底板部とに一体に繋がった状態に配置されている」
という参考構成も採用可能である。ここで、「ボア間部の略上方の部位」とは、ボア間部の真上の部位のみを意味するものではなく、ボア間部の真上の部位を含んでいるか又は含まずに、ボア間部の真上を中心にしてある程度の広がりを持っている範囲を意味している。
参考構成における冷却水の流れの制御形態としては、実施形態のように、冷却水がクランク軸線と交叉した方向に流れて吸気側から排気側に流れるに際して、クランク軸線方向に分散するようにガイドする態様や、冷却水がクランク軸線方向に流れるに際して、クランク軸線と交叉した方向に分散又は方向付ける態様などがある。
本願発明では、シリンダボアの群の前後両端においてジャケットを挟んだ内外の壁(肉部)が補強ボスによって連結されているため、本体ブロックの剛性を格段に向上できる。特に、ピストンの動きによって生じる上下方向の曲げや捩じりに対する抵抗を著しく増大できる。
また、シリンダボアの群の前後両端の箇所は最も強度が弱くなっているが、本願発明では、シリンダヘッド部とシリンダブロック部との連接部が補強ボスによって厚肉化されているため、当該連接部の内面に応力集中防止のための大きな丸みを付ける必要がなくなり、結果として、各シリンダボアの箇所において、シリンダヘッド部とシリンダブロック部との連接部の内角部の丸みを極力小さくすることができる。これにより、ピストンの上昇位置を高くして高圧縮比にも対応できる。
このように、本願発明では、本体ブロックの剛性向上と高圧縮比化によって単位重量当たりの出力を向上できるため、高い信頼性を確保しつつ燃費の向上に貢献できる。
そして、ジャケットの一部にブリッジ状の補強ボスを形成するものであるため、本体ブロックの大型化が生じることはなくて、燃費の悪化は殆どない。また、鋼管のような他の部材は不要であるため、鋳造コストの増加も防止できる。従って、本願発明では、鋳造コストや大型化を招来することなく、本体ブロックの剛性を大幅に向上できる効果を有する。
既述のように、本願発明においては、補強ボスは各種部材の取り付け部として兼用できるため、構造を簡素化してコストダウンに貢献できる。雌ねじを形成すると補強ボスの重量は低下するため、燃費の点でも有益である。
タイミングチェーンが配置される側の前部補強ボスには、タイミングチェーンを覆うフロントカバーを固定することができる。或いは、フロントカバーの前面に重ねた部材をフロントカバーと一緒に共締めしたり、フロントカバーに貫通した部材(例えば、車体フレームに支持されるマウント材やウォータポンプ、オルタネータなど)を固定したりすることもできる。
さて、本体ブロックは、シリンダヘッド部のうちシリンダボアの群の上方部や排気ポートの部位が高温になるので、ヘッドジャケットは、従来からシリンダボアの上方に広がるように形成されている。本願発明においても同様であり、ヘッドジャケットをシリンダボアの群の上方に広がるように形成できる。
この場合、シリンダボアの中央部の上方部には、点火プラグを配置するための筒状部が存在するため、ヘッドジャケットの下方に位置した底板部のうちシリンダボアの中央部の箇所は、燃焼行程における爆発力をしっかりと支持できる。また、クランク軸線を挟んだ左右両側には、吸気ポート及び排気ポートを形成する肉部が存在するため、ヘッドジャケットの下方に位置した底板部のうち左右両側の部位も、燃焼行程における爆発力がしっかりと支持される。
しかし、ボア間部の上方部にはエンジンの構造部は存在しないため、特段の配慮を施さないと、ヘッドジャケットの下方に位置した底板部のうちボア間部の上方の部位が燃焼行程の爆発力に耐えきれなくなるおそれがある。また、底板部が変形しやすくなるため、曲げや捩じりに対する剛性が十分でなくなるおそれがある。この点については、底板部の厚さを厚くしたらよいと考えられるが、これではモノブロック化による軽量化や冷却性向上というメリットが減殺されてしまうことになる。
これに対して上記した参考構成を採用すると、ボア間部の上方部においてシリンダヘッド部の上板部と下板部とが整流リブで繋がっているため、シリンダヘッド部の底板部は、過剰に厚くすることなく、ボア間部の上方部においても燃焼行程における爆発力を支持できる。また、シリンダヘッド部の一体性及びシリンダブロックとシリンダヘッド部との一体性が高くなるため、曲げや捩じりに対する剛性向上効果も発揮する。
そして、冷却水の流れを制御する整流リブを利用して剛性を向上させているため、シリンダヘッド部を適切に冷却しつつ、過剰な重量増大を回避して本体ブロックの剛性を向上できる。従って、本体ブロックのモノブロック化の現実化に大きく貢献できる。
実施形態を示す図で、クランク軸線方向から見た縦断面図である。 図1のII-II 視概略断面図である。 図1のIII-III 視断面図である。 図3の IV-IV視断面図である。
(1).構造の説明
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、タイミングチェーンが配置される側を前、ミッションケースが配置される側を後ろとしている。左右方向は、クランク軸線及びシリンダボア軸心と直交した方向である。念のため、図2~4に前後の方向を明示している。
内燃機関は、基本的要素としてシリンダブロック部1とその上端に一体化されたシリンダヘッド部2とを有している(但し、両者の境界は明分し難い。)。シリンダブロック部1には、クランク軸線方向に並んだ3つのシリンダボア3が形成されている一方、シリンダヘッド部2には、シリンダボア3と同心のペントルーフ状の凹所4が形成されている。シリンダブロック部1には、シリンダボア3を構成するシリンダライナ3aが鋳込まれている。
シリンダヘッド部2には、各凹所4に対向した一対ずつの吸気ポート5と排気ポート6とがクランク軸線を挟んだ両側に形成されており、各排気ポート6は、図1に表示された集合空間7に連通している。集合空間7は、シリンダヘッド部2の排気側面2aに開口した1つの排気出口8を備えている。例えば図1のとおり、シリンダヘッド部2には、各凹所4に開口した点火プラグ装着穴(イグニッションホール)9が上面に開口するように形成されている。
また、シリンダブロック部1に、シリンダボア3の群を囲うブロックジャケット10が形成されている一方、シリンダヘッド部2には、ブロックジャケット10と連通したヘッドジャケット11が形成されている。ヘッドジャケット11は、ブロックジャケット10と連続してシリンダボア3の群を囲う下部ヘッドジャケット11aと、凹所4よりも上に位置した上部ヘッドジャケット11bとで構成されおり、上部ヘッドジャケット11bは、図3に示すようにシリンダヘッド部2の内部で前後左右に広がっている。
図3に示すように、上部ヘッドジャケット11bには、当該上部ヘッドジャケット11bの上面と下面とを繋ぐ柱状の多数の肉部が配置されている。すなわち、上部ヘッドジャケット11bを挟んだ上下両側に上板部12と底板部13とが存在しており、この上板部12と底板部13とで上部ヘッドジャケット11bが規定されているが、上板部12と底板部13とに一体に繋がった柱状や壁状の肉部が多数存在している。
具体的には、図3に示すように、点火プラグ装着穴9が形成された中心筒14、吸気バルブの弁軸の装着や吸気ポート5を形成するための前後長手の壁体15、排気バルブの弁軸の装着のための筒体16、オイル落とし穴17を設けた中空柱18a、ブロックジャケット10のボア間部3bから排気側に寄った部位に設けた補強柱18bなどが存在している。
本実施形態では、図3に示すように、シリンダヘッド部2のうち吸気側でかつ前部に冷却水入り口19が形成されており、冷却水は、ヘッドジャケット11を前から後ろに向けて流れつつ排気側に広がっていき、最後は後端に収束して、排気側寄りの後端に設けた冷却水出口20から排出される。
(2).整流リブ
そして、上部ヘッドジャケット11bには、各シリンダボア3に対応した前後長手の壁体15が存在しており、隣り合った壁体15の間の部位は隘路21になっているが、上部ヘッドジャケット11bのうちおおよそシリンダブロック部1のボア間部3bの上方に位置した部位(隘路21から排気側を向いた側方部)に、隘路21から流れてきた冷却水を前後に分けて流す平面視ハ字形の整流リブ22を形成している。整流リブ22の存在により、冷却水は凹所4の上方部に満遍なく広がるようにガイドされる。
また、一対の整流リブ22の間には隙間が空いているため、隘路21に入り込んだ冷却水の一部は、一対の整流リブ22の間の隙間から直進して排気側に向かい得る。従って、実施形態では、冷却水は整流リブ22によって3方向に分流される。従って、冷却水の分散効果を確実化できる。
なお、上部ヘッドジャケット11bは下部ヘッドジャケット11aに連通して、下部ヘッドジャケット11aはブロックジャケット10と連通しているので、冷却水は、上部シリンダヘッド上部11bから下部ヘッドジャケット11a、ブロックジャケット10へと流れていき、下部ヘッドジャケット11a及びブロックジャケット10でも、冷却水は前から後ろに向けて流れていく。
ブロックジャケット10にはシリンダヘッド部2で加温された冷却水が入り込むが、昇温の程度はシリンダヘッド部2の方が高いため、昇温した冷却水をブロックジャケット10に流すことにより、シリンダブロック部1の過冷却を防止できる。
燃焼行程において、シリンダヘッド部2の底板部13には大きな爆発力作用するが、ボア間部3bの上方部では上部ヘッドジャケット11bが前後左右に広がっているため、特段の対策を施さないと、底板部13のうちボア間部3bの上方の部位が爆発力を支持できずに変形しやすくなるおそれがある。さりとて、底板部13を厚くすると、軽量化や冷却性に逆行する。
これに対して本実施形態のように、ボア間部3bの上方部に整流リブ22を設けると、下部ヘッドジャケット11aでの冷却水の分散性を向上させつつ、底板部13を過剰に厚くすることなく爆発力を支持できる。従って、軽量化や冷却性の効果を減殺するこことなく、爆発力を十分に支持できてモノブロック化の実用化に貢献できる。
(3).補強ボス
ブロックジャケット10と下部ヘッドジャケット11aとはシリンダボア3の群を囲っているので、ブロックジャケット10の上部とシリンダヘッド部2の下部とが離反しやすくなる。すなわち、気筒群が倒れやすくなる。この場合、シリンダヘッド部2のうち凹所4を覆う底板部13には、吸気ポート5及び排気ポート6を形成する肉部が左右両側に広がっているため、気筒群の左右方向の倒れに対する剛性は確保されている。
他方、シリンダボア3の群の前後両側の部位では、気筒群はブロックジャケット10と下部ヘッドジャケット11aとで囲われているため、シリンダブロック部1のシリンダヘッド部2の下部とは、シリンダボア3の群の前後両側において、内壁1a,2aと外壁1b,2bとが前後方向に離反しやすくなっている。従って、本体ブロックは、ピストンの動きによる上下方向の曲げとクランク軸線回りの捩じりとに対して変形しやすくなっている(剛性が低くなっている。)。
そこで、図2、4に示すように、本実施形態では、シリンダボア3の群(気筒群)の前後両側に、シリンダヘッド部2とシリンダブロック部1との境界部を前後両側から繋ぐブリッジ状の補強ボス24,25を設けている。すなわち、シリンダボア3の群の前後両側の箇所において、ジャケットを挟んだ両側に位置した内外の壁1a,2a,1b,2bを補強ボス24,25によって連結している。これにより、本体ブロックは、上下方向の曲げとクランク軸線回りの捩じりに対する剛性が格段に向上する。
また、剛性が向上するため、シリンダボア群の前後両端の箇所において、シリンブヘッド部2の底板部13とシリンダブロック部1の内壁1aとの連接部30の内角の丸みを極力小さくしても応力集中を回避できるため、各シリンダボア3の箇所において、連接部30の丸みを極力小さくできる。従って、ピストン(図示せず)の上昇高さ位置を高くして機関を高圧縮比化することができる。これにより、出力向上に貢献できる。
整流リブ22の作用は既に説明したとおりであるが、ボア間部3bの上方近傍(周辺部)においてシリンダヘッド部2の上板部12と底板部13とが整流リブ22によって繋がっているため、本体ブロックの曲げに対する剛性と捩じりに対する剛性とは、更に向上している。従って、本実施形態では、補強ボス24,25と整流リブ22との相乗作用により、本体ブロックの曲げ剛性と捩じり剛性とを格段に向上できる。
図4に示すように、本体ブロックの前面にはタイミングチェーン(図示せず)を配置する凹所26が形成されており、凹所26は前壁27で囲われて形成されているが、前部補強ボス24には、前壁27と同じ高さの外向き部24aを形成している。
そして、前部補強ボス24に雌ねじ28を形成している。従って、前部補強ボス24にタイミングチェーンを覆うフロントカバーを固定することができる。或いは、フロントカバーの前面に重ねた部材をフロントカバーと一緒に共締めしたり、フロントカバーに貫通した部材(例えば、車体フレームに支持されるマウント材やウォータポンプ、オルタネータなど)を固定したりすることもできる。
シリンダヘッド部2の後面には、サーモ弁などが内蔵された冷却水分配ユニットが配置されている。そこで、後部補強ボス25に雌ねじ28を形成し、この後部補強ボス25を利用して冷却水分配ユニットを固定することができる。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、実施形態では補強ボスを前後1か所ずつ形成したが、前後両側の箇所に複数の補強ボスを設けることも可能である。この場合、複数の補強ボスは左右方向(周方向)に離して配置してもよいし、上下に離して配置してもよい。
また、実施形態のように整流リブを配置する場合、整流リブは、平面視で逆V形や逆U形の形態も採用できる。また、ボア間部の上方部に、整流機能をあまり備えていない補強リブを設けることも可能である。実施形態では、補強ボスはシリンダブロック部とシリンダヘッド部との連接部(境界部)に設けたが、シリンダブロック部のみ又はシリンダヘッド部のみ若しくは両方に設けてもよい(両方に設ける場合は、2つの補強ボスが上下に分かれて配置されることになる。)。
本願発明は、モノブロック化された本体ブロックに具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック部
1a 内壁
2 シリンダヘッド部
3 シリンダボア
5 吸気ポート
6 排気ポート
10 ブロックジャケット
11 ヘッドジャケット
11a 下部ヘッドジャケット
11b 上部ヘッドジャケット
12 上板部
13 底板部
19 冷却水入り口
20 冷却水出口
22 整流リブ(整流機能付き補強リブ)
24,25 補強ボス
24a 前部補強ボスの外向き部
28 雌ねじ
30 連接部

Claims (2)

  1. 複数のシリンダボアがクランク軸線方向に並べて形成されたシリンダブロック部と、前記各シリンダボアに対応して吸気ポート及び排気ポートが形成されたシリンダヘッド部とを有し、これらシリンダブロック部とシリンダヘッド部とは1つの鋳造品として一体に連続しており、
    前記シリンダブロック部には、冷却水が流れるブロックジャケットが前記シリンダボアの群を囲うように形成されて、前記シリンダヘッド部には、冷却水が流れるヘッドジャケットが、前記ブロックジャケットと連通して前記シリンダボアの群を囲うように形成されている構成であって、
    クランク軸線方向から見て前記シリンダボアの群の前後両側の部位に、前記ヘッドジャケットの下部又は前記ブロックジャケットの上部若しくは前記ヘッドジャケットとブロックジャケットとの連通部を挟んだ内外両側の壁を繋ぐブリッジ状の補強ボスが形成されており、前記両補強ボスに、外向きに開口した雌ねじを形成している、
    多気筒内燃機関のモノブロック式本体ブロック。
  2. タイミングチェーンが配置される側の前面に、前壁を設けることによって凹所が形成されており、前記凹所の側に位置した前部補強ボスには、前記前壁と同じ高さの外向き部を形成している、
    請求項1に記載した多気筒内燃機関のモノブロック式本体ブロック。
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