以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
[給液装置の構成]
まず、図1、図2を参照して、給液装置10(計量機)の構成について説明する。
図1、図2は、本実施形態に係る給液装置10の構成の一例を概略的に示す正面図及び左側面図である。
給液装置10は、所定の供給対象(例えば、車両の燃料タンク)に所定の液体(例えば、ガソリンや軽油等の液体燃料)(以下、単に「液体」)を供給するために用いられる。
尚、図1は、ノズル掛け26から給液ノズル38が取り外された状態である。また、本例では、前面及び後面の双方に給液ノズル38が設置されるが、何れか一方に設置される態様であってもよい。また、本例では、前面及び後面の双方に、それぞれ3つの給液ノズル38及びノズル掛け26のセットが設けられるが、1つ或いは2つであってもよいし、4つ以上が設けられてもよい。また、ノズル掛け26は、複数設けられる場合、給液装置10の前面或いは後面から見て、左右方向に均等間隔で配置されてもよいし、給液装置10の筐体柱部に設置される態様で左右の両端側に偏って配置されてもよい。
図1、図2に示すように、給液装置10は、装置本体12と、装置本体12の前面及び後面に取り付けられるパネル14とを含む。
装置本体12は、左右両側のそれぞれに立設される支柱16,18と、支柱16,18の上端部の間で左右に横架されるホース支持部22を含む。
また、装置本体12は、表示器24と、ノズル掛け26と、給液ノズル38と、ホース40とを含む。
表示器24は、例えば、給液開始からの給液量の積算値を表示させる。
ノズル掛け26は、パネル14、或いは、パネル14及びその裏面に配設されるフレーム等の構造部材に取り付けられ、給液ノズル38を掛止するために用いられる。ノズル掛け26は、ノズル支持部28と、本体部30とを含む。
ノズル支持部28及び本体部30は、それぞれ、別体に製造され、ねじ等を用いて組み付けられることにより一体として構成されてよい。ノズル支持部28及び本体部30は、それぞれ、例えば、樹脂成型品であってよい。また、ノズル支持部28は、本体部30より強度が高い部材、例えば、アルミダイキャスト製であってもよい。
ノズル支持部28は、給液ノズル38の下端部(後述のグリップ部38a)と当接し、下方から支持する。
本体部30は、給液ノズル38を保持する。本体部30は、保持部30aと、吐出パイプ収納部30bとを含む。
保持部30aは、給液ノズル38の基端部を保持する。
吐出パイプ収納部30bは、吐出パイプ38bが挿入される形で収納する。吐出パイプ収納部30bは、正面側に相対的に大きな開口を有すると共に、装置本体12の内部に入り込む形で先端が閉じており、開口から先端(奥)に向かって上下空間(及び左右空間)が狭くなる態様で構成される。
尚、パネル14には、吐出パイプ収納部30bの先端を挿通させる挿通口が形成されてよい。これにより、ノズル掛け26をパネル14の表面に設置しつつ、吐出パイプ収納部30bの先端が装置本体12の奥に入り込む形態を実現することができる。
給液ノズル38は、所定の給液対象の供給口(例えば、車両のフューエルパイプの先端)に挿入し、液体を給液するために用いられる。給液ノズル38は、ユーザが手で握る(把持する)グリップ部38aと液体が吐出される吐出パイプ38bとを含む。
ホース40は、装置本体12の内部から届けられる液体を給液ノズル38に供給する。ホース40は、その基端がホース支持部22に支持され、その先端が給液ノズル38に接続される。
また、装置本体12の内部には、例えば、地下に配置されるタンクから液体を吸い上げ
て給液ノズル38に供給する給液ポンプ、給液ノズル38を通じて所定の給液対象に補給される液体の流量を計測する流量計、給液装置10に関する制御を行う制御装置等が搭載される。
[ノズル掛けの構成]
次に、図1、図2に加えて、図3(図3A~図3C)を参照して、本実施形態に係るノズル掛け26の詳細な構成について説明する。以下、装置本体12の前面及び後面のそれぞれに取り付けられたノズル掛け26の構成は同じであるため、装置本体12の前面のノズル掛け26について説明を行う。
図3A~図3Cは、ノズル掛け26の構成の一例を示す図である。具体的には、図3Aは、ノズル掛け26の構成の一例を示す斜視図である。また、図3B、図3Cは、ノズル掛け26の構成の一例を示す左側面断面図であり、それぞれ、給液ノズル38が掛止されていない状態及び掛止されている状態に対応する。
ノズル掛け26は、上述の如く、ノズル支持部28と、本体部30とを含み、本体部30は、保持部30aと、吐出パイプ収納部30bとを含む。
また、ノズル掛け26は、ノズルスイッチレバー32と、ノズルスイッチ34と、取付ブラケット35と、取付スリーブ36とを含む。
ノズルスイッチレバー32は、給液ノズル38がノズル掛け26(ノズル支持部28及び本体部30)に保持されている状態と、ノズル掛け26(ノズル支持部28及び本体部30)から取り外されている状態との間で可動可能に構成される。
ノズルスイッチレバー32は、本体部30の裏側の回転軸32aを基準に回動可能に軸支される。ノズルスイッチレバー32は、ノズル掛け26の表面側に露出する露出部32bと、ノズル掛け26の裏側に遮蔽される遮蔽部32cとを有する。
露出部32bは、回転軸32aから前斜め下方向に延出し、本体部30の下端部に設置される露出孔から本体部30の正面側(前方)に露出する。露出部32bは、ノズル掛け26に給液ノズル38が掛止されている状態で、給液ノズル38のグリップ部38a付近に接触する。
遮蔽部32cは、回転軸32aから露出部32bと反対側、即ち、後斜め上方向に延出し、本体部30の裏側に遮蔽される。
図3Bに示すように、給液ノズル38がノズル掛け26に掛止されていない場合、ノズルスイッチレバー32は、遮蔽部32cが相対的に後斜め下方向に回動する形でノズルスイッチ34に当接し、露出部32bが相対的に前斜め上方向に回動する形で本体部30から相対的に突出する。
一方、図3Cに示すように、給液ノズル38がノズル掛け26に掛止されている場合、ノズルスイッチレバー32は、露出部32bが給液ノズル38の荷重によって相対的に後斜め下方向に回動する形で本体部30の露出孔に収容され、遮蔽部32cが相対的に前斜め上方向に回動する形でノズルスイッチ34から離間する。
つまり、ノズルスイッチレバー32は、給液ノズル38がノズル掛け26に掛止されていない場合、回転軸32aの位置と自身の質量分布等との関係に応じて、遮蔽部32cの先端がノズルスイッチ34の一端を押圧する状態を維持する。一方、ノズルスイッチレバー32は、給液ノズル38がノズル掛け26に掛止されている場合、露出部32bの先端に作用する給液ノズル38の荷重に応じて、遮蔽部32cの先端がノズルスイッチ34の一端から離間される状態を維持する。
尚、例えば、ばね等を利用して、給液ノズル38がノズル掛け26に掛止されていない場合に、ノズルスイッチレバー32(遮蔽部32c)の先端がノズルスイッチ34の一端を押圧するようにしてもよい。
ノズルスイッチ34は、略直方体形状を有し、直方体の所定の一面(以下、「押圧面」)に可動部を有し、可動部が押し込まれると、OFFされ、可動部が押し込まれる状態が解除されるとONされる。つまり、ノズルスイッチ34は、ノズルスイッチレバー32(遮蔽部32cの先端)により押圧面の可動部が押圧されている場合、OFFされ、ノズルスイッチレバー32(遮蔽部32cの先端)により押圧面の可動部が押圧されていない場合、ONされる。そのため、ノズルスイッチ34は、後述の通信ケーブル34bを通じて、給液ノズル38がノズル掛け26に掛止されていない場合に、OFF信号を出力し、給液ノズル38がノズル掛け26に掛止されている場合に、ON信号を出力することができる。よって、通信ケーブル34bを通じてノズルスイッチ34と接続される制御装置は、ノズルスイッチ34の出力がOFF信号からON信号に切り替わるタイミングで、給液ノズル38への液体の供給に供えて、給液ポンプの稼働を開始させることができる。そして、制御装置は、ノズルスイッチ34の出力がON信号からOFF信号に切り替わるタイミングで、給液ノズル38のノズル掛け26への掛止に合わせて給液ポンプの稼働を停止させることができる。
また、ノズルスイッチ34は、可動部が設けられる押圧面が下向きに傾斜する形で設置される。これにより、ノズル掛け26は、ノズルスイッチ34の可動部を含む押圧面へのホコリ等の異物や水滴等の付着を抑制することができる。そのため、ノズル掛け26は、ノズルスイッチレバー32がノズルスイッチ34の押圧面を押圧可能な形態を維持しつつ、押圧面へのホコリ等の異物や水滴の付着による動作不具合を抑制することができる。
取付ブラケット35(第1の保持部の一例)は、本体部30の背面側に取り付けられる。取付ブラケット35は、例えば、鋼板製であり、折り曲げ加工やプレス加工等により成形されてよい。取付ブラケット35は、ノズルスイッチ34を本体部30に対する取付位置に保持する。詳細は、後述する。
取付スリーブ36(第2の保持部の一例)は、略直方体の外形形状を有し、直方体の所定の対向する二つの面の間を貫通する形で中空部36a(図5A、図5B参照)が設けられる。換言すれば、取付スリーブ36は、断面積が矩形の角管形状を有する。取付スリーブ36は、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35(の一部)を中空部36aに内包し、ノズルスイッチ34を本体部30に対する取付位置を保持する。取付スリーブ36は、例えば、合成樹脂製であってよい。詳細は、後述する。
[ノズルスイッチの取付構造の具体例]
次に、図3A~図3Cに加えて、図4(図4A~図4D)、図5(図5A、図5B)を参照して、ノズルスイッチ34の取付構造の具体例について説明する。
図4A~図4Dは、ノズルスイッチ34の取付構造の具体例を説明する図である。具体的には、図4A~図4Dは、ノズルスイッチ34の取付手順を示す図である。より具体的には、図4Aは、ノズルスイッチ34がセット(保持)される前の取付ブラケット35を示す図であり、図4Bは、ノズルスイッチ34が取付ブラケット35にセット(保持)された状態を示す図である。また、図4Cは、ノズルスイッチ34に接続される通信ケーブル34bを取付スリーブ36に挿通させた状態を示す図であり、図4Dは、取付スリーブ36がノズルスイッチ34及び取付ブラケット35(の先端部)を内包する形で取り付けられた状態を示す図である。
図5A、図5Bは、取付スリーブ36の具体例を示す斜視図である。
図4Aに示すように、取付ブラケット35の先端部の鉛直面(以下、「保持面」)には、水平方向(左方向)の突設される二本の挿入ピン35a(突起部の一例)が所定の間隔を有して設けられる。
また、図4Bに示すように、ノズルスイッチ34には、取付ブラケット35の二本の挿入ピン35aに対応する二つの挿入孔34a(孔部の一例)が設けられる。これにより、取付ブラケット35は、二本の挿入ピン35aが対応する二つの挿入孔34aに挿入されることで、ノズルスイッチ34を落下しないように本体部30に対する取付位置に保持することができる。また、挿入孔34a及び挿入ピン35aの組み合わせが二つあるため、取付ブラケット35は、本体部30に対するノズルスイッチ34の位置及び姿勢を確実に保持することができる。
また、挿入孔34aは、ノズルスイッチ34の略直方体のうちの取付ブラケット35の保持面に接する面(以下、「被保持面」)と被保持面に対向する面との間の奥行方向で貫通している。そして、挿入ピン35aの長さは、挿入孔34aの長さよりもある程度長く設定されている。これにより、挿入孔34aに挿入される挿入ピン35aは、挿入孔34aから突出することができる。そのため、ノズルスイッチ34が挿入ピン35aから脱落しにくくなる。よって、取付ブラケット35は、より確実に、ノズルスイッチ34を落下しないように保持することができる。また、挿入孔34aに挿入される挿入ピン35aが挿入孔34aから突出することで、作業者は、挿入孔34aに挿入ピン35aがきちんと挿入されているか否かを容易に確認することができる。よって、取付ブラケット35は、作業者の利便性を向上させることができる。また、挿入孔34aに挿入される挿入ピン35aが挿入孔34aから突出することで、挿入ピン35aの突出部と取付スリーブ36とを当接させることができる。そのため、挿入ピン35aは、取付スリーブ36の移動を制限し、例えば、取付スリーブ36が奥まで入り過ぎてしまうような事態を抑制することができる。
尚、取付ブラケット35がノズルスイッチ34を落下しないように保持可能であれば、挿入ピン35aの長さは、挿入孔34aの長さ、つまり、ノズルスイッチ34の被保持面と被保持面に対向する面との間の距離より短くてもよい。また、この場合、挿入孔34aは、ノズルスイッチ34の被保持面に対向する面まで貫通していなくてもよい。
また、挿入孔34aは、ノズルスイッチ34の押圧面と押圧面に対向する面(即ち、通信ケーブル34bが接続される面(以下、「ケーブル接続面」))との間の幅方向において、押圧面に相対的に近い位置に設けられる。これにより、押圧面とは反対側の面に通信ケーブル34bを接続する構造を採用することができる。
図5A、図5Bに示すように、取付スリーブ36は、その直方体形状の所定の対向する二つの面の間を貫通する中空部36aの両端に中空部36aを外部に開放する開口36b(第1の開口の一例)及び開口36c(第2の開口の一例)を有する。
図4Cに示すように、取付スリーブ36は、中空部36aにノズルスイッチ34に接続される通信ケーブル34bが挿通された状態、つまり、通信ケーブル34bに吊り下げられた状態で保持されうる。これにより、作業者は、例えば、取付スリーブ36をノズルスイッチ34及び取付ブラケット35に取り付け損なっても、下に落下させてしまうことが無くなる。そのため、ノズル掛け26は、取付スリーブ36の取り付け時における作業者の利便性を向上させることができる。また、作業者は、例えば、取付スリーブ36をノズルスイッチ34及び取付ブラケット35から取り外した後に、通信ケーブル34bに吊り下げられた状態にしておくことで、取付スリーブ36を紛失しにくくなる。そのため、ノズル掛け26は、取付スリーブ36の取り外し時における作業者の利便性を向上させることができる。
図4Dに示すように、作業者は、取付スリーブ36を、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35が開口36cの反対側の開口36bを通過する形でノズルスイッチ34の幅方向に移動させることで、中空部36aにノズルスイッチ34及び取付ブラケット35を内包させる。これにより、取付スリーブ36は、ノズルスイッチ34の水平方向(具体的には、ノズルスイッチ34が挿入ピン35aから脱落する方向、即ち、右方向)への移動を規制し、ノズルスイッチ34を本体部30に対する取付位置に固定することができる。
また、通信ケーブル34bは、取付スリーブ36の開口36cを貫通する形で外部に延出する。これにより、取付スリーブ36は、ノズルスイッチ34の取付構造と、ノズルスイッチ34と通信ケーブル34bとの接続構造とを両立させることができる。
図5Aに示すように、取付スリーブ36には、係合部36dが設けられる。
係合部36dは、取付スリーブ36の中空部36aを取り囲む四つの平板状の壁のうちの取付ブラケット35に当接する一つの壁(以下、「係合壁」)に設けられる。係合部36dは、弾性変形部36d1と、係合爪部36d2とを含む。
弾性変形部36d1は、係合壁に設けられる、中空部36aの延在方向で開口36b側が開放されるU字形状の切込みにより実現される。つまり、弾性変形部36d1は、切込みが設けられない開口36b側の基端で支持される片持ち梁の形態で、先端が係合壁に略垂直な方向に弾性変形を行うことができる。
係合爪部36d2は、弾性変形部36d1の弾性変形可能な先端部の内面に突設される。
図4A、図4Cに示すように、取付ブラケット35には、係合爪部36d2に対応する切り欠き部35bが設けられる。これにより、取付スリーブ36は、係合爪部36d2を切り欠き部35bに係合させることができる。そのため、ノズル掛け26は、取付スリーブ36が容易に外れてしまうような事態を抑制することができる。
尚、係合爪部36d2と係合可能であれば、取付ブラケット35の切り欠き部35bは、凹部に置換されてもよい。
また、図5Aに示すように、係合爪部36d2は、中空部36aの延在方向において、略山型の形状を有する。つまり、係合爪部36d2は、中空部36aの延在方向において、中央部が最も高く、開口36b側及び開口36c側の双方に向かって高さが低くなるように傾斜している。これにより、作業者は、取付スリーブ36の取り付け時に、相対的に小さい力で係合爪部36d2を切り欠き部35bに係合させることができる共に、取付スリーブ36の取り外し時に、相対的に小さい力で係合爪部36d2と切り欠き部35bとの係合状態を解除することができる。そのため、ノズル掛け26は、取付スリーブ36の脱着性を向上させることができる。
また、図5Bに示すように、取付スリーブ36は、リブ36eを含む。
リブ36e(当接部の一例)は、中空部36aの延在方向における開口36cに対応する端部の内面に突設される。これにより、リブ36eは、ノズルスイッチ34のケーブル接続面に当接することができる。そのため、リブ36eは、メンテナンスのためにノズルスイッチ34が取り外された際に、取付スリーブ36の移動を制限し、取付スリーブ36がノズルスイッチ34から脱落してしまうような事態を抑制することができる。また、リブ36eは、取付スリーブ36の取り付け時に、取付スリーブ36の移動を制限し、例えば、取付スリーブ36が奥まで入り過ぎてしまうような事態を抑制することができる。
尚、リブ36eは、省略されてもよい。
[ノズルスイッチの取付構造の別の具体例]
次に、図3A~図3Cに加えて、図6(図6A~図6C)、図7(図7A、図7B)を参照して、ノズルスイッチ34の取付構造の別の具体例について説明する。以下、上述の具体例と異なる部分を中心に説明を行う。
<取付ブラケットの別の具体例>
図6A~図6Cは、取付ブラケット35の別の具体例を示す右側面図である。
図6Aに示すように、本例では、取付ブラケット35の保持面には、上述の具体例の場合と異なり、三本の挿入ピン35aが設けられる。そして、ノズルスイッチ34には、三本の挿入ピン35aに対応する形で、その矩形形状の奥行方向に貫通する三つの挿入孔34aが設けられる。これにより、取付ブラケット35は、上述の具体例と同様、三本の挿入ピン35aが対応する三つの挿入孔34aに挿入されることで、ノズルスイッチ34を落下しないように保持することができる。また、挿入孔34a及び挿入ピン35aの組み合わせが三つあるため、取付ブラケット35は、本体部30に対するノズルスイッチ34の位置及び姿勢をより確実に保持することができる。
尚、上述の具体例から追加される挿入孔34a及び挿入ピン35aの位置は、任意であってよい。また、挿入孔34a及び挿入ピン35aの組み合わせは、四つ以上設けられてもよい。例えば、ノズルスイッチ34の高さ方向で上端部に2箇所及び下端部に1箇所のように挿入孔34aが配置され、これに対応する形で、取付ブラケット35の保持面の上端部に2箇所及び下端部に1箇所のように挿入ピン35aが配置されてもよい。
また、図6Bに示すように、本例では、取付ブラケット35の保持面には、二つの挿入ピン35aが設けられる。このうち、下側の挿入ピン35aは、上述の具体例の場合と異なり、取付ブラケット35の保持面の先端部に設けられる。そして、ノズルスイッチ34には、上述の具体例と同様、幅方向及び高さ方向で押圧面側且つ上側の端部(隅部)に一つの挿入孔34aが設けられると共に、上述の具体例と異なり、幅方向及び高さ方向でケーブル接続面側且つ下側の端部(隅部)に一つの挿入孔34aが設けられる。これにより、取付ブラケット35は、上述の具体例と同様、二本の挿入ピン35aが対応する二つの挿入孔34aに挿入されることで、ノズルスイッチ34を落下しないように保持することができる。また、取付ブラケット35は、ノズルスイッチ34を幅方向及び高さ方向における対角位置で保持することができる。そのため、取付ブラケット35は、本体部30に対するノズルスイッチ34の位置及び姿勢をより確実に保持することができる。
また、図6Cに示すように、本例では、取付ブラケット35の保持面には、挿入ピン35aの代わりに、保持板35cが設けられる。保持板35cは、下面保持板35c1と、押圧面保持板35c2とを含む。
下面保持板35c1は、取付ブラケット35の保持面の先端部に突設され、ノズルスイッチ34の高さ方向における下面を下から保持する。
押圧面保持板35c2は、取付ブラケット35の保持面の基端部に突設され、ノズルスイッチ34の押圧面をノズル掛け26の正面側(前側)から保持する。
これにより、取付ブラケット35は、押圧面が下向きに傾斜する形で設置されるノズルスイッチ34を落下しないように保持することができる。
下面保持板35c1及び押圧面保持板35c2の保持面からの高さは、挿入ピン35aの場合と同様、ノズルスイッチ34の奥行(即ち、被保持面と被保持面に対応する面との間の距離)よりもある程度大きくなるように設定されてよい。これにより、ノズルスイッチ34が保持板35cから脱落しにくくなる。そのため、取付ブラケット35は、より確実に、ノズルスイッチ34を落下しないように保持することができる。
<取付スリーブの別の具体例>
図7A、図7Bは、取付スリーブ36の別の具体例を示す斜視図である。
図7Aに示すように、本例では、取付スリーブ36は、上述の具体例と異なり、中空部36aの延在方向に対する周方向の二箇所が分離可能な態様で、二分割可能な構成である。具体的には、取付スリーブ36は、係合壁と、係合壁に対向する壁との間の略中央の平面で二つの部品に二分割可能に構成される。これにより、作業者は、例えば、取付スリーブ36を構成する一の部品と他の部品を合体させる態様で、取付スリーブ36をノズルスイッチ34及び取付ブラケット35に取り付けることができる。また、取付スリーブ36を構成する一の部品と他の部品とを分離させる態様で、取付スリーブ36をノズルスイッチ34及び取付ブラケット35から取り外すことができる。
尚、取付スリーブ36は、中空部36aの延在方向に対する周方向の一箇所だけが分離可能な態様であってもよい。これにより、作業者は、例えば、取付スリーブ36を弾性変形させながら分離可能な一箇所を分離させながら、取付スリーブ36をノズルスイッチ34及び取付ブラケット35に取り付けたり、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35から取り外したりすることができる。
また、図7Bに示すように、本例では、取付スリーブ36において、上述の具体例と異なり、中空部36aの延在方向に対する周方向における下側の一部が省略されている。具体的には、取付スリーブ36において、角管形状を構成する4つの壁のうちの下側の壁が省略されている。これにより、作業者は、例えば、取付スリーブ36をノズルスイッチ34及び取付ブラケット35の上から被せる態様で、取付スリーブ36をノズルスイッチ34及び取付ブラケット35に取り付けることができる。また、作業者は、例えば、取付スリーブ36をノズルスイッチ34及び取付ブラケット35の上に引き抜く態様で、取付スリーブ36をノズルスイッチ34及び取付ブラケット35から取り外すことができる。
[本実施形態の作用]
次に、本実施形態に係るノズル掛け26の作用について説明する。
本実施形態では、本体部30は、給液ノズル38を保持し、ノズルスイッチ34は、給液ノズル38が本体部に保持されている状態と給液ノズル38が本体部から取り外されている状態とを検出する。そして、取付ブラケット35は、本体部30の背面側に設けられ、ノズルスイッチ34を本体部30に対する取付位置に保持すると共に、取付スリーブ36は、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35を内包し、ノズルスイッチ34を本体部30に対する取付位置に保持する。
これにより、ノズル掛け26は、取付ブラケット35及び取付スリーブ36の組み合わせによって、ノズルスイッチ34を、落下方向及び水平方向への移動を抑制した状態で本体部30に対する取付位置に保持することができる。そのため、作業者は、工具を用いることなく、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35を内包する取付スリーブ36を離脱方向に移動させるだけで、取付ブラケット35に保持されているノズルスイッチ34を取り外すことができる。また、作業者は、工具を用いることなく、取付ブラケット35にノズルスイッチ34をセットし、取付スリーブ36をノズルスイッチ34及び取付ブラケット35を内包するように移動させるだけでノズルスイッチ34を取り付けることができる。つまり、作業者は、メンテナンス作業において、工具を用いる必要がなくなり、メンテナンスに要する時間やコストを低減させることができる。
また、本実施形態では、ノズルスイッチ34は、挿入孔34aを有し、取付ブラケット35は、挿入孔34aに挿入される挿入ピン35aを含む。
これにより、作業者は、取付ブラケット35の挿入ピンをノズルスイッチ34の挿入孔34aに挿入させることで、ノズルスイッチ34の本体部30に対する取付位置の位置決めとノズルスイッチ34の落下防止とを容易に実現させることができる。
また、本実施形態では、取付スリーブ36は、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35を内包する中空部36aと、その一端で中空部36aを外部に開放する開口36bと、その他端で中空部36aを外部に開放し、通信ケーブル34bが挿通する開口36cと、開口36cに設けられ、外側からノズルスイッチ34と当接するリブ36eと、を含む。
これにより、取付スリーブ36は、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35が開口36bを通過する形で移動し、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35から取り外される。このとき、取付スリーブ36は、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35から取り外された状態で、開口36cに通信ケーブル34bが挿通されたままの状態を維持することができる。そのため、作業者は、取付スリーブ36を通信ケーブル34bにぶら下げた状態で、ノズルスイッチ34のメンテナンスを行うことができる。そのため、ノズル掛け26は、作業者による取付スリーブ36の紛失を防止することができる。また、取付スリーブ36は、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35が開口36bを通過する形で移動し、ノズルスイッチ34及び取付ブラケット35を中空部36aに内包する形で取り付けられる。このとき、開口36c側のリブ36eがノズルスイッチ34と当接するため、取付スリーブ36の所定軸に沿った移動ストロークが制限される。よって、ノズル掛け26は、メンテナンス時に取り外されたノズルスイッチ34から取付スリーブ36が抜け落ちてしまうような事態を抑制することができる。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。