以下、本実施形態の通信装置1及びそれを備える通信システム100について、図1~図9を用いて説明する。本実施形態の通信システム100は、例えば、オフィスビル、店舗、病院、学校、又は工場等の施設に用いられ、施設に設置されている電気負荷等を制御するためのシステムである。本実施形態では、通信システム100が、電気負荷としての照明器具102を制御するための照明制御システムである場合を例として説明する。
以下では、通信システム100について説明した後、通信システム100に用いられる通信装置1について説明する。
(1)通信システム
通信システム(照明制御システム)100は、図1に示すように、親機101と、少なくとも1つ(ここでは2つ)の通信装置1と、少なくとも1つ(ここでは3つ)の照明器具102と、を備えている。各照明器具102は、いずれかの通信装置1に対応付けられており、対応する通信装置1と無線通信を行う。
親機101は、外部電源103に電気的に接続されており、外部電源103から電力が供給されて動作する。通信装置1と親機101とは、2線式の電源線104にて有線接続されている。親機101は、外部電源103から供給された電力を適宜の直流電力(ここでは直流24V)に変換して、電源線104に出力する。なお、図示は省略するが、照明器具102は外部電源に電気的に接続されており、外部電源103から電力が供給されて動作する。
親機101は、電源線104を介して、通信装置1との間で双方向に通信可能に構成されている。本実施形態では、親機101と通信装置1との間において、例えば、双極性(±24V)の時分割多重信号からなる伝送信号により通信が行われる。
このように、本実施形態の通信システム100では、親機101から通信装置1への電力の供給及び伝送信号の伝送が、電源線104を介して行われる。
各照明器具102は、同一の構成を有している。そのため、図1では1つの照明器具102についてだけ、回路ブロックを図示している。照明器具102は、光源部20と、点灯部21と、受信部22と、器具制御部23とを備えている。
光源部20は、例えば、複数の照明用白色LED(Light Emitting Diode)が基板に実装されたLEDモジュールである。
受信部22は、例えば、集積回路からなる無線モジュールあるいはRF(Radio Frequency)レシーバ等で構成される。受信部22は、アンテナで受信する電波(無線信号)から、元の信号(後述の調光信号S1)を復調し、復調した調光信号S1に含まれるデータ(デューティ比)を取得して器具制御部23に渡す。
器具制御部23は、例えばプロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。つまり、器具制御部23は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが器具制御部23として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
器具制御部23は、受信部22から受け取るデータ(デューティ比)を調光レベルに変換する。ここでの調光レベルは、光源部20を定格点灯させているときの点灯部21の出力電流の大きさを100[%]とした出力電流の比率を意味する。器具制御部23は、点灯部21に流れる電流の大きさが、デューティ比から変換した調光レベルに対応した大きさとなるように、点灯部21を制御する。例えば、調光レベルが80[%]の場合、器具制御部23は、光源部20に流れる電流の大きさが、定格点灯時の出力電流の大きさの80[%]の大きさとなるように、点灯部21を制御する。
点灯部21は、外部電源103から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源部20に供給して光源部20を点灯する。点灯部21は、例えば、全波整流器、力率改善回路(昇圧チョッパ回路)、降圧チョッパ回路等を備える。点灯部21は、器具制御部23の制御下で、降圧チョッパ回路から出力する直流電流を増減して光源部20を調光したり、降圧チョッパ回路を停止して光源部20を消灯したりする。
各通信装置1は、同一の構成を有している。そのため、図1では1つの通信装置1についてだけ、回路ブロックを図示している。
通信装置1は、第1通信部11と、第2通信部12と、制御部13と、検知部14と、を有している。
第1通信部11は、親機101との間で有線により通信する通信インタフェースである。第1通信部11は、親機101から、電源線104を介して伝送信号を受信する。伝送信号は、例えば、制御部13での制御に用いられる、明るさの目標値のデータを含む。
第2通信部12は、照明器具102(受信部22)との間で無線により通信する通信インタフェースである。第2通信部12は、アンテナ40(後述する)を含む。第2通信部12と受信部22との間で送受信される電波は、例えば、日本国の電波法に規定されている特定小電力無線局の電波(例えば、920MHz帯の電波)である。ただし、第2通信部12の通信方式はこれに限られず、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等であってもよい。
検知部14は、フォトダイオード等の光電変換素子、光電変換素子から出力されるアナログの電気信号をディジタルの検知信号に変換するアナログ・ディジタル変換回路等を有している。光電変換素子から出力される電気信号のアナログ量は、光電変換素子で受光する光量、すなわち、照度に比例した値となる。
制御部13は、例えばプロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。つまり、制御部13は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部13として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部13は、第1通信部11で受信した伝送信号に含まれる、明るさの目標値のデータを取り込む。また制御部13は、検知部14から出力される検知信号を取り込み、検知信号で示される光量を、明るさの目標値と比較する。検知信号で示される光量が目標値よりも低い場合、制御部13は、現在の調光レベルよりも高い調光レベルに対応するデータ(デューティ比)を含む調光信号S1を生成して、第2通信部12から照明器具102へ無線送信させる。一方、検知信号で示される光量が目標値よりも高い場合、制御部13は、現在の調光レベルよりも低い調光レベルに対応するデータ(デューティ比)を含む調光信号S1を生成して、第2通信部12から照明器具102へ無線送信させる。つまり、制御部13は、照明器具102(外部装置)の動作を制御する制御信号を生成し、第2通信部12(アンテナ40)を介して照明器具102に送信する。
制御部13は、例えば、施設において照明器具102が設けられている部屋の明るさ(照度)を一定に保つように、照明器具102を調光する。
(2)通信装置
次に、通信装置1の構造について、図2~図9を参照して説明する。
通信装置1は、施設の天井材に設けられる埋込孔に埋め込むようにして設置される、天井埋込型の装置である。ただし、通信装置1は天井埋込型の装置に限定されず、例えば、天井材に直付けされる直付け型の装置であってもよいし、アダプタ等を介して天井材に取り付けられる装置であってもよい。
図4に示すように、通信装置1は、筐体3と、第1基板4と、第2基板5と、を備えている。通信装置1は、更に、センサ6と、発光部7と、導光部材8と、を備えている。
筐体3は、ベース31と、カバー32と、キャップ33と、支持具34と、を備えている。以下では、ベース31とカバー32とが並ぶ方向(図4の上下方向)を上下方向とし、ベース31から見てカバー32側を上方、カバー32から見てベース31側を下方とする。また、センサ6と発光部7とが並ぶ方向(ベース31から支持具34が突出する方向に対応:図2の左右方向)を左右方向とし、センサ6から見て発光部7側を左方、発光部から見てセンサ6側を右方とする。また、上下方向及び左右方向と直交する方向を前後方向とする。ただし、これらの方向は説明の便宜上のものであり、通信装置1が施設に設けられる際の方向を規定するものではない。
図4、図8に示すように、ベース31は、上面が開口した有底筒状に形成されている。ベース31は、円板状の底壁35と、底壁35の上面から突出する筒状の周壁36と、を備えている。
底壁35は、その中心に円形の開口351を有している。底壁35の上面において開口351の周囲には、円筒状の遮光リブ352が形成されている。
底壁35の左側(図8の右上側)の部分には、3つの筒壁353が前後方向に並んで設けられている。各筒壁353は、中空円筒状である。筒壁353の内径は、底壁35から離れるにつれて徐々に大きくなる(言い換えれば、下方に向かって徐々に径が小さくなる)テーパ状に形成されている。底壁35において筒壁353が形成されている位置には、貫通孔354が形成されており、筒壁353の内部空間は、貫通孔354の内部空間とつながっている。
底壁35の外周縁には、円環状のリブが形成されている。また、底壁35には、第1基板4をねじによって固定するための複数(図8では2つ)のボス355が設けられている。また、底壁35の上面において遮光リブ352の左右には、第1基板4を支持するための支持リブ358が設けられている。
周壁36は、底壁35の外径よりも一回り小さな径を有する略円筒状に形成されている。周壁36において左側の部分(以下、「左側壁361」ともいう)及び右側の部分(以下、「右側壁362」ともいう)は、それぞれ平板状に形成されている。左側壁361及び右側壁362の各々は、前後方向の中央部分がその他の部分よりも厚くなっており、この中央部分の外面に、支持具34が上方から挿入可能であって挿入された支持具34を保持する保持溝が、形成されている。
周壁36の内面には、上下に延びる少なくとも一対(図8の例では二対)のガイド部356が、底壁35から立ち上がるように設けられている。計4つのガイド部356は、左側壁361の前端及び後端、右側壁362の前端及び後端に設けられている。対となるガイド部356は、左右方向において互いに対向するように配置されている。各ガイド部356は、中空の矩形筒状である。また、各ガイド部356の上側の部分において、対となるガイド部356と対向する面の部分は、開放されている。これにより、各ガイド部356には、対となるガイド部356と対向する側(左側又は右側)並びに上側に開放された、断面略C字状の溝3560が形成されている。溝3560は、下方に向かうほど幅(前後方向の寸法)が小さくなるように形成されている。
周壁36の内面には、カバー32をねじによって固定するための複数(図8では2つ)のボス357が、底壁35から立ち上がるように設けられている。
図5に示すように、第1基板4は、厚さ方向が上下方向に沿うように配置されている。第1基板4は、厚さ方向に沿って、第1面(下面)41及び第2面(上面)42を有している。第1基板4は、第1面41が筐体3の底壁35に沿いかつ対向するように、配置されている。第1基板4は、第1基板4に形成されている貫通孔にねじを通し、ベース31のボス355にねじ止めすることによって、ベース31に固定されている。
図4に示すように、第1基板4の第1面41には、アンテナ40が設けられている。アンテナ40は、例えば、第1基板4に形成されている所定形状の配線により実現され得る。所定形状の配線としては、例えば、配線を折り曲げて形成した迂回配線等が挙げられる。アンテナ40により、照明器具102(外部装置)と通信するための第2通信部12が構成される。なお、本実施形態では、アンテナ40は第1基板4の第1面41及び第2面42のうちの第1面41のみに形成されているが、これに限られない。アンテナ40は、第2面42のみに形成されていてもよいし、第1面41及び第2面42の両方に形成されていてもよい。アンテナ40が第1面41及び第2面42の両方に形成されている場合、第1面41に形成されている部分と第2面42に形成されている部分とは、例えば台1基板4を貫通するビアホールを介して接続されている。
図5に示すように、第2基板5は、厚さ方向が前後方向に沿うように配置されている。第2基板5は、厚さ方向に沿って、第1面(前面)51及び第2面(後面)52を有している。第1基板4と第2基板5とは、互いの厚さ方向が交差(ここでは、直交)するように配置されている。第2基板5は、第2基板5の下端(第1基板4の厚さ方向における、第2基板5の端縁)が、第1基板4の第2面42に対向するように、配置されている。第2基板5、第1基板4、及び筐体3の底壁35は、上下方向において上からこの順に並んでいる。
図7Aに示すように、第2基板5は、正面視長方形状の第1部分501と、正面視等脚台形状の第2部分502と、を有している。第1部分501は、第2基板5における下側に位置し、第2部分502は、第2基板5における上側に位置している。つまり、第2基板5(より詳細には、第2部分502)は、上方に向かう程、徐々に幅(第2基板5の両側縁510間の間隔)が狭くなっている。図7Bには、第1部分501の側縁を上方へ延長した仮想線を、点線で示してある。
図5、図7Aに示すように、第2基板5の第2面52の上端部分(第1基板4から遠い部分)には、電源線104を接続するための端子台53が設けられている。ここでの電源線104は2線式なので、端子台53は、2つの端子(ねじ端子)531を備えている。端子台53によって、親機101と通信するための第1通信部11が構成される。
第2基板5には、制御部13を構成する複数の電子部品(図示せず)が設けられている。また、第2基板5には、制御部13の複数の電子部品を接続するための導体パターン(グランドパターンを含む)50が形成されている。要するに、第2基板5は、アンテナ40を介した無線通信を制御する制御部13を有している。
図5に示すように、第1基板4と第2基板5とは、コネクタ45によって接続されている。コネクタ45は、ここでは可動コネクタ(フローティングコネクタ)である。コネクタ45は、雄コネクタと雌コネクタとを含む。雄コネクタと雌コネクタとのうちの一方は、第1基板4の第2面42に設けられ、他方は、第2基板5の第1面51に設けられている。要するに、第1基板4は、第2基板5が接続される接続部(コネクタ45;第1接続部)を第2面42に有している。第2基板5は、コネクタ45のみで、第1基板4に保持されている。
図6に示すように、カバー32は、上側に底を有し下側が開口した有底筒状である。カバー32は、ベース31の上側の開口を塞ぐようにベース31に取り付けられる。図2、図3に示すように、カバー32は、例えば、カバー32の左右の下端に形成されている貫通孔にねじを通し、ベース31のボス357にねじ止めすることによって、ベース31に固定されている。
図5に示すように、カバー32の内面において、上下方向における各ガイド部356に対応する位置には、ガイド溝321が形成されている。つまり、カバー32の内面には、上下に延びる少なくとも一対(図5の例では2対)のガイド溝321が設けられている。一対のガイド溝321には、第2基板5の側縁510が挿入される。
図5、図6に示すように、ガイド溝321の幅W1は、上方に向かう程徐々に狭くなっている。すなわち、ガイド溝321の幅W1は、下側(第1基板4に近い位置)の方が、上側(第1基板4から遠い位置)に比べて大きい。ガイド溝321は、第1基板4及び第2基板5を取り付けたベース31に、カバー32を上方から被せる場合に、第2基板5の側縁510が挿入されてカバー32の移動をガイドする。
図5に示すように、ガイド溝321の幅W1は、ガイド溝321の任意の位置において、第2基板5の厚さT1よりも大きい。更に、ガイド溝321の任意の位置において、一対のガイド溝321の底面の間の距離は、第2基板5の幅よりも大きい。そのため、第2基板5は、側縁510がガイド溝321に挿入されつつもガイド溝321に接触していない。もちろん、例えば第2基板5が前後方向又は左右方向に振動すれば、第2基板5がガイド溝321に接触することもあり得る。
上記のように、第2基板5は、コネクタ45によって第1基板4に保持されている。また、第2基板5は、ガイド溝321に接触しておらず、筐体3に接触していない。すなわち、第2基板5は、接続部(コネクタ45)のみで保持されている。
コネクタ45として可動コネクタを用いる場合、第2基板5がコネクタ45のみで保持されていれば、第2基板5をコネクタ45以外の箇所でも保持する場合(例えば、第2基板5がガイド溝321に接触する場合等)に比べて、コネクタ45の接続不良の発生を低減することが可能となる。
カバー32の後面の上端には、開口322が形成されている。開口322からは、第2基板5に設けられている端子台53が露出する。
図4に示すように、キャップ33は、上側に底を有し下側が開口した有底筒状である。キャップ33は、複数の爪331を引っ掛けることで、カバー32の上面を覆うようにカバー32に取り付けられる。図3、図5に示すように、キャップ33の後壁には、端子台53の上側を覆いかつ端子台53の端子531を露出するための、軒部332が形成されている。
各支持具34は、長尺の板ばね状に形成されている。各支持具34は、左側壁361又は右側壁362の保持溝に保持されている。各支持具34は、上方(カバー32に近づく向き)に撓み可能である。筐体3は、一対の支持具34がカバー32に沿うように撓められ、キャップ33側を上にベース31側を下に向けた状態で、天井材の埋込孔に下側から挿入される。筐体3が埋込孔に挿入されると、支持具34が撓められる前の状態に戻り、支持具34と底壁35との間で天井材が挟み込まれた状態で通信装置1が天井材に支持される。天井材に配置された状態で、底壁35の下面が、施設の部屋内に露出する。
図5に示すように、第1基板4の第1面(下面)41には、センサ6が設けられている。センサ6は、ここではフォトダイオードを備えている。つまり、センサ6は検知部14の光電変換素子を構成する。センサ6は、第1基板4の第1面41において、筐体3の底壁35の開口351と上下方向に対向する位置に設けられている。
第1基板4の第1面41において、センサ6の周囲には、筒状の遮光壁61が設けられている。図5に示すように、遮光壁61の下端は、底壁35の遮光リブ352に嵌まる。遮光壁61と遮光リブ352とにより、例えば、発光部7で発生した光等の迷光がセンサ6に到達する可能性が低減される。
遮光壁61の下端には、遮光壁61の下側の開口を塞ぐように、透明なプレート62が取り付けられている。プレート62により、センサ6が異物(塵、湿気等)から保護される。
図4に示すように、第1基板4の第1面41には、少なくとも1つ(ここでは3つ)の発光部7が設けられている。ここでは、各発光部7はLEDを備えている。各発光部7は、その点灯状態によって通信装置1の状態を示す。
3つの発光部7のうちの1つは、例えば、点灯することにより通信装置1が通電されていることを示す。3つの発光部7のうちの1つは、例えば、点灯することにより通信装置1に何らかの異常(例えば、第2通信部12の通信異常)が発生していることを示す。3つの発光部7のうちの1つは、例えば、点灯することにより親機101と通信を行っていることを示し、点滅することで照明器具102と通信を行っていることを示す。
各発光部7は、第1基板4の第1面41において、底壁35の筒壁353の内部空間と対向する位置に設けられている。3つの発光部7は、3つの筒壁353にそれぞれ対向する。つまり、各発光部7は、対応する筒壁353の内部空間及び貫通孔354を介して、外部から視認可能である。
導光部材8は、第1基板4の発光部7と、底壁35の貫通孔354と、の間に配置されている。導光部材8は、発光部7が発する光を、貫通孔354を通して筐体3の外部に導く。導光部材8は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等から形成される。
より詳細には、導光部材8は、複数(3つ)の発光部7にそれぞれ対応して、複数(3つ)の導光部81を有している。各導光部81は、複数の発光部7のうちの対応する発光部7と対向する。図9に示すように、各導光部81は、下方に向かうほど徐々に径が小さくなる円錐台形状である。図8に示すように、各導光部81は、複数(3つ)の筒壁353のうちの対応する筒壁353の内部に、配置されている。
また、図9に示すように、導光部材8は、複数の導光部81を連結する連結部82を有している。導光部材8が連結部82を有していることで、複数の導光部81を一纏めで取り扱うことができる。例えば、複数の導光部81を、複数の筒壁353に纏めて挿入することができる。
図8、図9に示すように、連結部82は、複数の導光部81のうちの隣り合う2つの導光部81間の最短距離を避ける形状を有している。より詳細には、連結部82は、導光部81の上面(発光部7との対向面)から左向き(図8の右上向き)に延びる棒状の第1部分821と、第1部分821の左端から下方に延びる板状の第2部分822と、隣り合う第2部分822の下端同士を繋ぐ棒状の第3部分823と、を備えている。第1部分821の延長方向と、第2部分822の延長方向と、第3部分823の延長方向とは、互いに異なっている。ここでは、第1部分821の延長方向と、第2部分822の延長方向と、第3部分823の延長方向とは、互いに直交している。すなわち、連結部82は、連結部82の長さが複数の導光部81のうちの隣り合う2つの導光部81間の最短距離よりも長くなるように、複数の折れ曲がった部分824を有している。そのため、例えば発光部7から導光部81に入射した光が、連結部82内に進入したとしても、この光は別の導光部81までは到達し難い。そのため、2つの発光部7から発する光の混色が起こり難い。
また、図8に示すように、導光部材8は、導光部81が、連結部82と筐体3の底壁35の開口351との間に位置するように設けられている。すなわち、連結部82は、筐体3の周壁36(左側壁361)と近接して配置されている。このように、連結部82が開口351から離れているため、たとえ連結部82から光が漏れても、この光が開口351まで届きにくい。これにより、意図しない場所(開口351)から発光部7の光が漏れる可能性が、低減される。
図9に示すように、連結部82の第2部分822は、その下側に切り欠きを有している。また、図8に示すように、筐体3の底壁35には、周壁36(より詳細には左側壁361)と筒壁353との間を繋ぐ壁部359が形成されている。第2部分822の切り欠きは、壁部359に嵌まる。壁部359が存在することで、連結部82から、筐体3の内部空間に光が漏れにくくなる。すなわち、壁部359は、連結部82から漏れる光を遮る遮光壁として機能する。また、壁部359は、筒壁353と周壁36とを連結することで、筒壁353を補強する補強壁としても機能する。
上述のように、本実施形態の通信装置1では、アンテナ40が形成されている第1基板4が、筐体3の底壁35に沿いかつ対向するように、筐体3に収容されている。そのため、アンテナ40から送信される電波強度の向上を図ることが可能となる。また、第2基板5は、第2基板5の端縁が第1基板4の第2面42に対向するように、筐体3に収容されている。この第2基板5には、グランドパターンを含む導体パターン50が形成されており、この導体パターン50も、アンテナとして機能する。そのため、アンテナ40から送信される電波強度の向上を図ることが可能となる。
(3)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下の種々の変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下では、上述の実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
本開示における通信システム10は、例えば制御部13等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御部13としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(UltraLarge Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、制御部13における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは通信システム10に必須の構成ではなく、制御部13の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、通信システム10の少なくとも一部の機能、例えば、制御部13の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
(3.1)変形例1
変形例1の通信装置1Aについて、図10、図11を参照して説明する。変形例1の通信装置1Aは、第3基板9を更に備えている点で、基本例の通信装置1と主に相違する。また、変形例1の通信装置1Aは、端子台53の代わりに、外部の信号線が接続される制御端子台54と、電源線が接続される電源端子台93と、を備えている。また、変形例1の通信装置1Aは、基本例の通信装置1のキャップ33を備えていない。本変形例の通信装置1Aにおいて、基本例の通信装置1と同様の要素については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図11に示すように、通信装置1Aは、第3基板9を更に備えている。第3基板9は、厚さ方向が前後方向に沿うように配置されている。第3基板9は、厚さ方向に沿って、第1面(前面)91及び第2面(後面)92を有している。第3基板9は、第3基板9の厚さ方向が、第1基板4の厚さ方向と交差(ここでは、直交)するように配置されている。ここでは、第3基板9は、第2基板5と平行に配置されている。第3基板9は、第3基板9の下端(第1基板4の厚さ方向における、第3基板9の端縁)が、第1基板4の第2面42に対向するように、配置されている。第3基板9、第1基板4、及び筐体3の底壁35は、上下方向において上からこの順に並んでいる。
図10、図11に示すように、第3基板9の上端部分(第1基板4から遠い部分)には、3線式の電源線を接続するための電源端子台93が設けられている。電源端子台93は、3つの端子(ねじ端子)931を備えている。電源端子台93は、カバー32の上面に配置されている。
第3基板9の第2面92には、電源回路を構成する複数の電子部品が設けられている。つまり、電子部品は、第3基板9の第2面92(第2基板5と対向する面)に設けられている。
第3基板9は、コネクタ94によって第1基板4に接続されている。コネクタ94は、例えば可動コネクタ(フローティングコネクタ)である。コネクタ45は、雄コネクタと雌コネクタとを含む。雄コネクタと雌コネクタとのうちの一方は、第1基板4の第2面42に設けられ、他方は、第3基板9の第2面92に設けられている。つまり、第1基板4は、第2面42に、第2基板5が接続されるコネクタ45(第1接続部)に加えて、第3基板9が接続されるコネクタ94(第2接続部)を有している。
第3基板9は、第2基板5と同様に、下側の部分が長方形状であり、上側の部分は、上方に向かう程徐々に幅が狭くなっている。ただし、これに限らず、第3基板9は、正面視長方形状であってもよい。
第3基板9の側縁は、カバー32の内面に設けられている一対のガイド溝321(第2基板5の側縁510が挿入されているガイド溝321とは別のガイド溝321)に、挿入される。ガイド溝321は、第1基板4、第2基板5及び第3基板9を取り付けたベース31に、カバー32を被せる場合に、第2基板5の側縁510及び第3基板9の側縁が挿入されてカバー32の移動をガイドする。
ガイド溝321の幅は、ガイド溝321の任意の位置において、第3基板9の厚さよりも大きい。更に、ガイド溝321の任意の位置において、一対のガイド溝321の底面の間の距離は、第3基板9の幅(第3基板9の側縁間の間隔)よりも大きい。そのため、第3基板9は、ガイド溝321に接触していない。
第3基板9は、コネクタ94によって第1基板4に保持されている。また、第3基板9は、ガイド溝321に接触しておらず、筐体3に接触していない。すなわち、第3基板9は、第2接続部(コネクタ94)のみで保持されている。
図11に示すように、本変形例の通信装置1Aでは、第2基板5の上端部分(第1基板4から遠い部分)に、信号線を接続するための制御端子台54が設けられている。制御端子台54は、カバー32の開口322から露出する。また、第2基板5の第1面51には、制御部を構成する複数の電子部品が設けられている。つまり、電子部品は、第2基板5の第1面51(第3基板9と対向する面)に設けられている。
本変形例の通信装置1Aのベース31、第1基板4等は、基本例の通信装置1のそれらと同様の形状であり、共通化が図れる。そのため、通信装置1、1Aの製造コストの低減を図ることが可能となる。
本変形例の通信装置1Aは、例えば、電源線と信号線とが別々に配線された通信システムに用いることが可能である。
(3.2)その他の変形例
一変形例において、ガイド溝321の深さd1(図6参照)は、第1基板4に近い位置の方が、第1基板4から遠い位置に比べて大きい。この場合、ガイド溝321の幅W1は、第1基板4に近い位置の方が第1基板4から遠い位置に比べて大きくてもよいし、小さくてもよい。すなわち、ガイド溝321の幅W1及び深さd1の少なくとも一方は、第1基板4に近い位置の方が、第1基板4から遠い位置に比べて大きくてもよい。
一変形例において、センサ6は、光電変換素子(フォトダイオード)に限られず、例えば赤外線センサ、画像センサ等であってもよい。この場合、検知部14は、人の存在を検知する人検知部であってもよい。
一変形例において、制御部13を構成する電子部品の一部が、第1基板4に設けられていてもよい。
一変形例において、アンテナ40は、複数のアンテナを含み通信状況の優れたアンテナでの通信を優先するダイバーシティ技術で用いられるダイバーシティアンテナであってもよい。
一変形例において、第2基板5のグランドパターン以外の導体パターンが、アンテナとして機能してもよい。
変形例1の通信装置1Aにも、キャップが設けられていてもよい。
変形例1の通信装置1Aにおいて、第3基板9には、電源回路以外の電機部品、例えばアンテナ40とは別の無線通信手段、温度センサのようなセンサ等が設けられていてもよい。
(4)まとめ
以上説明した実施形態及び変形例等から以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る通信装置(1,1A)は、第1基板(4)と、第2基板(5)と、筐体(3)と、を備える。第1基板(4)は、厚さ方向に第1面(41)及び第2面(42)を有する。第1基板(4)は、第1面(41)と第2面(42)との少なくとも一方に外部装置(照明器具102)と通信するためのアンテナ(40)が設けられている。第2基板(5)は、アンテナ(40)を介した無線通信を制御する制御部(13)を有する。筐体(3)は、第1基板(4)及び第2基板(5)を収容する。第1基板(4)は、第1面(41)が筐体(3)の底壁(35)に沿いかつ対向するように、筐体(3)に収容される。第2基板(5)は、第1基板(4)の厚さ方向における第2基板(5)の端縁が、第1基板(4)の第2面(42)に対向するように、筐体(3)に収容される。
この態様によれば、アンテナ(40)を筐体(3)の底壁(35)に対向させることで、電波強度の向上を図ることが可能となる。また、第2基板(5)の導体パターン(50)をアンテナとして機能させることで、電波強度の向上を図ることが可能となる。
第2の態様に係る通信装置(1,1A)では、第1の態様において、第1基板(4)は、第2基板(5)が接続される接続部(コネクタ45)を第2面(42)に有する。
この態様によれば、第1基板(4)において底壁(35)と対向する面(第1面41)とは反対の面(第2面42)と対向するように、第2基板(5)を保持させることが可能となる。
第3の態様に係る通信装置(1,1A)では、第2の態様において、第2基板(5)は、接続部(コネクタ45)のみで保持される。
この態様によれば、第2基板(5)をコネクタ(45)により第1基板(4)に接続するだけで、第2基板(5)の位置を固定することができ、製造プロセスを簡略化し得る。また、例えば接続部(コネクタ45)として可動コネクタ(フローティングコネクタ)を用いる場合、第2基板(5)を接続部以外の箇所でも保持する場合に比べて、接続不良の発生を低減することが可能となる。
第4の態様に係る通信装置(1A)は、第2又は第3の態様において、第3基板(9)を更に備える。第3基板(9)は、第1基板(4)の厚さ方向における第3基板(9)の端縁が、第1基板(4)の第2面(42)に対向するように、筐体(3)に収容される。第1基板(4)は、第2面(42)に、接続部としての第1接続部(コネクタ45)に加えて、第3基板(9)が接続される第2接続部(コネクタ94)を有する。
この態様によれば、第1基板(4)において底壁(35)と対向する面(第1面41)とは反対の面(第2面42)と対向するように、第3基板(9)を保持させることが可能となる。
第5の態様に係る通信装置(1,1A)では、第1~第4のいずれか1つの態様において、筐体(3)は、その内面に、第2基板(5)の側縁(510)が挿入されるガイド溝(321)を有する。
この態様によれば、ガイド溝(321)によって、第1基板(4)及び第2基板(5)の移動をガイドすることが可能となる。
第6の態様に係る通信装置(1,1A)では、第5の態様において、ガイド溝(321)の幅(W1)は、第2基板(5)の厚さ(T1)よりも大きい。
この態様によれば、第2基板(5)がガイド溝(321)に接触しにくくなる。
第7の態様に係る通信装置(1,1A)では、第5又は第6の態様において、ガイド溝(321)の幅(W1)及び深さ(d1)の少なくとも一方は、前記第1基板に近い位置の方が、前記第1基板から遠い位置に比べて大きい。
この態様によれば、ガイド溝(321)の幅又は深さが大きな部分に、第2基板(5)の側縁が挿入されることとなり、第1基板(4)及び第2基板(5)のガイドが容易となる。
第8の態様に係る通信装置(1,1A)は、第1~第7のいずれか1つの態様において、検知結果を制御部(13)に出力するセンサ(6)を更に備える。センサ(6)は、第1基板(4)の第1面(41)に設けられている。
この態様によれば、筐体(3)の底壁(35)と対向するように、センサ(6)を配置することが可能となる。
第9の態様に係る通信装置(1,1A)は、第1~第8のいずれか1つの態様において、発光状態によって通信装置(1)の状態を示す発光部(7)を更に備える。発光部(7)は、第1基板(4)の第1面(41)に設けられている。
この態様によれば、筐体(3)の底壁(35)と対向するように、発光部(7)を配置することが可能となる。
第10の態様に係る通信装置(1,1A)は、第9の態様において、発光部(7)が発する光を、筐体(3)の底壁(35)に形成されている孔(貫通孔354)を通して筐体(3)の外部に導く導光部材(8)を更に備える。導光部材(8)は、筐体(3)の孔(貫通孔354)と第1基板(4)との間に配置されている。
この態様によれば、発光部(7)からの光を効果的に筐体(3)の外部に導くことが可能となる。
第11の態様に係る通信装置(1,1A)は、第10の態様において、発光部(7)を複数備える。導光部材(8)は、複数の発光部(7)にそれぞれ対向するように配置される複数の導光部(81)と、複数の導光部(81)を連結する連結部(82)と、を有する。
この態様によれば、複数の導光部(81)を纏めて扱うことが可能となる。
第12の態様に係る通信装置(1,1A)では、第11の態様において、連結部(82)は、複数の導光部(81)のうちの隣り合う2つの導光部(81)間の最短距離を避ける形状を有する。
この態様によれば、いずれかの発光部(7)から導光部(81)に入射した光が、別の導光部(81)まで到達しにくくなる。
第13の態様に係る通信装置(1,1A)では、第11又は第12の態様において、筐体(3)は、底壁(35)に開口(351)を有する。導光部材(8)は、導光部(81)が連結部(82)と開口(351)との間に位置するように設けられる。
この態様によれば、連結部(82)から漏れた光が、開口(351)まで到達しにくくなる。
第14の態様に係る通信装置(1,1A)では、第11~第13のいずれか1つの態様において、連結部(82)は、複数の折れ曲った部分(824)を有する。
この態様によれば、いずれかの発光部(7)から導光部(81)に入射した光が、別の導光部(81)まで到達しにくくなる。
第15の態様に係る通信装置(1,1A)では、第11~第14のいずれか1つの態様において、筐体(3)は、連結部(82)から漏れる光を遮る壁部(359)を有する。
この態様によれば、連結部(82)から漏れた光が筐体(3)の内部で迷光となりにくい。
第16の態様に係る通信装置(1,1A)では、第1~第15のいずれか1つの態様において、制御部(13)は、外部装置(照明器具102)の動作を制御する制御信号を生成し、アンテナ(40)を介して外部装置に送信する。
この態様によれば、通信装置(1)によって、外部装置の動作を制御することが可能となる。
第17の態様の通信システム(100)は、第1~第16のいずれか1つの態様に係る通信装置(1,1A)と、外部装置(照明器具102)と、を備える。
この態様によれば、通信装置(1,1A)を備えた通信システム(100)を実現できる。