JP7320715B2 - 自動車のシール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のシール構造に関し、特にウェザストリップの取付部側シール構造に関する。
従来から、自動車には、ドアの周縁部と、該ドアにより開閉される車体のドア開口部の周縁部との間をシールするためにゴムや樹脂等の弾性体からなるウェザストリップが設けられている。従来のウェザストリップによるドア開口部のシール構造について図3(a)及び図4に示す。図3(a)は自動車の左側を示す側面図であり、図4は図3(a)のA-A線における断面を示す図である。
図4に示すように、自動車の車体110は、車外側のアウタパネル111及び車内側のインナパネル112により構成されており、任意に車体110の補強を目的としたスティフナ113が追加されている。アウタパネル111、インナパネル112及びスティフナ113は、それらの周縁部において互いに重ね合わされて接合されており、これによりフランジ部114が形成されている。車体110のドア開口部130の周縁部とドア120のドアサッシュ121との間には、その見切隙Gをシールするための車外側ウェザストリップ140及び車内側ウェザストリップ170が設けられている。車外側ウェザストリップ140は、ドアサッシュ121の外周側の取付凹部122に嵌合されて取り付けられている。また、ドアサッシュ121のウィンドウ150側の取付凹部123にはウィンドウ150の端部が摺接されるグラスラン160が嵌合されて取り付けられている。一方、車内側ウェザストリップ170は、上記車体110のフランジ部114に取り付けられている。近年では、防音性や防水性を向上させるために、このようにドア120の周縁部及び車体110のドア開口部130の周縁部の両方にウェザストリップを設けて見切隙Gを二重にシールすることが多い。
しかしながら、このような二重のシール構造を採用しても、例えばシール部分に対する洗車水の直撃等により、図4の破線で示すような経路で車室内に水が浸入することがある。そこで、このような浸水の発生を効果的に防止することが求められており、そのための構造が特許文献1に提示されている。
図5は、特許文献1のシール構造を示す図である。具体的には、車体のアウタパネル及びインナパネルからなるフランジ部に取り付けられたウェザストリップの車外側一部分を拡大して示す図であり、特許文献1の図2に相当する。図5に示すように、特許文献1のシール構造では、車体のアウタパネル211とインナパネル212との周縁部が重ね合わされて形成されたフランジ部214に設けられたウェザストリップ270に、アウタパネル211に形成された段差部211aに弾接する幹状リップ278a及び枝状リップ278bが形成されている。具体的には、ウェザストリップ270における芯材274aが埋設された取付部274がフランジ部214に取り付けられている。またウェザストリップ270の幹状リップ278a及び枝状リップ278bはスポンジ材からなり、幹状リップ278aの外側面がアウタパネル211の外側面211bと略同一面に配置され且つ枝状リップ278bと共に段差部211aに弾接するように構成されている。特許文献1では、このような構造により水が車室内に浸入することを防止できるとしている。
特開平9-272384号公報
特許文献1のシール構造では、上述の通り、幹状リップ及び枝状リップがアウタパネルに形成された段差部に弾接するように構成されており、ウェザストリップの略U字状の取付部には、金属または硬質樹脂からなる芯材が埋設されており高剛性である。それに対して、取付部の内面側に設定されており、且つフランジに対して車外側および車内側から弾設している複数のリップは、取付部と比較すると、軟質で弾性がある。そのため、リップ形状のばらつきやその他の形状部分のばらつきが発生すると、車外側および車内側方向で、フランジに対する取付部の取付位置にばらつきが生じやすい。
また、上記ウェザストリップ要因以外に、車体要因として、フランジのこのような段差部は、通常、各車体間でその形状にばらつきが生じ、この形状を完全に同一にすることは困難である。特に、アウタパネル及びインナパネルが重ね合わされたフランジ部を締結した際に、フランジ部のみならず段差部の表面に歪みが生じて一定の形状になり難い。従って、たとえ同一形状の幹状リップ及び枝状リップを有するウェザストリップを用いたとしても、車体間で幹状リップ及び枝状リップとアウタパネルの段差部との接触位置が異なって、これにより車体間で浸水防止効果にばらつきが生じるおそれがある。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車体のドア開口部の周縁部とドアの周縁部との間の間隙から浸入した浸水が車室内にまで浸入することをより効果的に防止することにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、自動車のシール構造において、自動車へのウェザストリップの取付動作に伴って、有効にシール機能を発揮する二股リップを設けた。
具体的に、本発明に係る自動車のシール構造は、自動車のドア開口部の周縁部において、車体を構成する少なくとも2枚の板材の周縁部を重ね合わせて形成されたフランジ部にウェザストリップが取り付けられている自動車のシール構造であって、前記少なくとも2枚の板材のうち最も車外側に配置されたアウタパネルは、前記フランジ部の基端側において他の板材から脱離するように車外側に延びる段差部と、該段差部から前記フランジ部と略平行に該フランジ部の反対側に延びる平坦部とを含み、前記ウェザストリップは、車外側壁、車内側壁及び底壁からなる略U字状で且つ前記フランジ部に保持される取付部と、前記車外側壁の先端部付近の車外側面から車外側に延びる厚肉部と、該厚肉部から前記アウタパネルに向かって突設された二股リップ部とを含み、前記二股リップ部は、互いに分岐された前記取付部と反対側に延びる車外側リップと、車内側に延びる車内側リップとを含み、前記取付部を前記フランジ部に取り付けるのに従って、前記車内側リップが前記段差部によって前記取付部側に弾性変形させられることにより前記車外側リップが前記平坦部に弾接するように連動することを特徴とする。
本発明に係る自動車のシール構造によると、ウェザストリップに設けられた二股リップ部の車外側リップが車体を構成するアウタパネルの段差部ではなく、シール面に歪み等が生じ難い平坦部に弾接するため、車外からの浸水を当該弾接部分で安定的に防止できる。本発明に係る自動車のシール構造では、ウェザストリップの取付部にフランジ部を挿入する動作によって、二股リップ部の車内側リップがアウタパネルの段差部に当接し、さらに取付部側に弾性変形させられることにより、二股リップの基端部を支点として車外側リップがアウタパネルの平坦部に向かって連動するように構成されている。このため、ウェザストリップをフランジ部に取り付ける動作によって、車外側リップがアウタパネルの平坦部に密接する方向に力がかかるので、より効果的に車外側リップをアウタパネルの平坦部に弾接させることができる。さらに、車内側リップは段差部に接触しているため、結果的に車外側リップと車内側リップとで二重にシールすることができるので、水が車室内へ浸入することを効果的に防止できる。また、本発明にかかる自動車のシール構造では、二股リップ部が取付部の車外側壁の先端部に設けられた厚肉部から突設されているため、ドア開口部の周縁部におけるコーナー部分においても厚肉部によって二股リップ部が傾いたり変形しないように支持される。従って、厚肉部によって二股リップ部の上記コーナー部におけるR追従性を維持することができる。
本発明に係る自動車のシール構造において、前記車外側リップは、前記車内側リップが前記段差部に前記取付部側に弾性変形させられる前において、前記平坦部に接触しないように配置され、前記車外側リップが前記段差部に前記取付部側に弾性変形させられることにより前記平坦部側に向かうように連動して、前記平坦部に弾接するように構成されていることが好ましい。
このようにすると、取付部へのフランジの挿入開始時では、車外側リップがアウタパネルの平坦部に接触していないため、当該挿入と共に平坦部により車外側リップが挿入方向に巻き込まれることを防止できる。その結果、取付部へのフランジの挿入完了後に車外側リップが適切に平坦部に弾接して浸水防止効果を発揮することができる。
本発明に係る自動車のシール構造において、前記二股リップ部と厚肉部との間には、前記車外側リップ及び車内側リップの厚みよりも小さい薄肉部が形成されていることが好ましい。
このようにすると、車内側リップが段差部によって取付部方向に弾性変形させられたときに、二股リップ部と厚肉部との間にある薄肉部を支点として車外側リップが連動し易くなる。その結果、車外側リップをより確実に平坦部に弾接させることが可能となる。
本発明に係る自動車のシール構造において、前記車内側リップと前記厚肉部との間には間隙が設けられていることが好ましい。
このようにすると、車内側リップが段差部によって取付部方向に弾性変形させられたときに移動する距離を大きくすることができる。その結果、車外側リップにかかる平坦部方向への力が大きくなり、車外側リップをより確実に平坦部に弾接させることが可能となる。
本発明に係る自動車のシール構造において、前記取付部は、前記車外側壁に設けられた複数の小突部と前記フランジ部とが接するように前記フランジ部に取り付けられている ことが好ましい。
このようにすると、フランジ部に対する取付部の位置が一定に保たれ、また、取付部がフランジ部に対して傾くことなく安定して取り付けられることが可能となる。その結果、二股リップとアウタパネルの段差部及び平坦部との位置のばらつきを抑制できて、車外側リップをより確実に平坦部に弾接させることが可能となる。
本発明に係る自動車のシール構造において、前記取付部は、前記底壁に前記アウタパネルが接するように前記フランジ部に取り付けられていることが好ましい。
このようにすると、フランジ部に対する取付部の位置が一定に保たれ、その結果、二股リップとアウタパネルの段差部及び平坦部との位置のばらつきを抑制できて、車外側リップをより確実に平坦部に弾接させることが可能となる。
本発明に係る自動車のシール構造において、前記取付部の前記底壁には、前記アウタパネルと接するようにスポンジ材又は不乾性シール材が配設されていることが好ましい。
このようにすると、アウタパネルとスポンジ材又は不乾性シール材とによって、アウタパネルと取付部の底壁との間の間隙が塞がれるため、仮に取付部の車外側壁とアウタパネルとの間にまで水が浸入したとしても、取付部の底壁にまでは到達することを防止できるので、当該水が車室内に浸入することを防止できる。
本発明に係る自動車のシール構造において、前記二股リップの前記アウタパネルと接する面には、発泡材層が形成されていることが好ましい。
このようにすると、二股リップのアウタパネルに対する接触性を向上できるため、二股リップのシール性を向上できる。その結果、水が車室内に浸入することをより確実に防止できる。
本発明に係る自動車のシール構造によると、車体のドア開口部の周縁部とドアの周縁部との間の開口部から浸入した水が車室内にまで浸入することをより効果的に防止することができる。
本発明の一実施形態に係るシール構造を示す、図3のA-A線における断面図である。 (a)~(d)は本発明の一実施形態に係るシール構造の機能を説明するための断面図であり、(d)は要部拡大図である。 (a)は自動車の左側を示す側面図であり、(b)は内側ウェザストリップのみを示す側面図である。 従来の一形態のシール構造を示す、図3(a)のA-A線における断面図である。 従来の他の形態のシール構造を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用方法或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本発明の一実施形態に係るシール構造について、図1~図3を参照しながら説明する。
図3(a)に示す自動車において、10は車体、20は(フロントサイド)ドアであり、30はドアによって開閉されるドア開口部であり、50はウィンドウガラスである。
図1は、図3(a)のA-A線の断面を示し、特にドア20の周縁部とドア開口部30の周縁部との間におけるシール構造を示す図である。図1に示すように、ドア20のドアサッシュ21の外周側に設けられた凹部22には車外側ウェザストリップ40が取り付けられている。具体的に、ドアサッシュ21の凹部22に車外側ウェザストリップ40の取付基部41が嵌合されて取り付けられている。一方、ドアサッシュ21のウィンドウガラス50側に設けられた凹部23にはグラスラン60が嵌合されており、グラスラン60は、その車内側リップ61及び車外側リップ62によりウィンドウガラス50を挟み込むように取り付けられている。図1では、ドアサッシュ21として1枚の板材からなるロールサッシュを示しているが、これに限られず、2枚以上の板材からなるものが採用されていても構わない。
車外側ウェザストリップ40は、取付基部41から車外側に延びてアウタパネル11に当接することによりドア20の周縁部とドア開口部30の周縁部との間の見切隙Gを塞ぐリップ42を含む。また、車外側ウェザストリップ40は、取付基部41から車内側に延びてアウタパネル11とドアサッシュ21の車内側への膨出部24との間を塞ぐ中空シール部43を含む。
車体10は、アウタパネル11及びインナパネル12により構成されており、さらに車体の補強のためにスティフナ13が追加されている。アウタパネル11及びインナパネル12の周縁部では、アウタパネル11、インナパネル12及びスティフナ13が互いに重ね合わされ、接合されてなるフランジ部14が形成されている。フランジ部14におけるアウタパネル11、インナパネル12及びスティフナ13の接合方法は特に限定されない。なお、フランジ部14は、アウタパネル11及びインナパネル12の2枚の板材で構成されていてもよく、また、3枚以上の板材で構成されていてもよい。
フランジ部14には、車内側ウェザストリップ70が取り付けられている。車内側ウェザストリップ70は、車外側壁71と車内側壁72とそれらをつなぐ底壁73とにより構成される略U字状の取付部74を有する。取付部74には、取付部74の形状を維持するための補強材として、金属又は硬質樹脂からなる芯材74aが埋設されている。車内側ウェザストリップ70が取り付けられた状態において、フランジ部14は、アウタパネル11側が取付部74の車外側壁71に設けられた複数の小突部71aに当接され、インナパネル12側が車内側壁72から取付部74の内側に延びる取付リップ75に弾接されている。具体的には、フランジ部14が車外側壁71に設けられた複数の小突部71aと取付リップ75とによって狭持されることで、車内側ウェザストリップ70がフランジ部14に取り付けられる。なお、フランジ部14の先端側において、アウタパネル11がインナパネル12及びスティフナ13よりも底壁73側に突出しており、アウタパネル11が底壁73に当接するように車内側ウェザストリップ70が取り付けられる。上記の通り、フランジ部14のアウタパネル11側が車外側壁71に設けられた複数の小突部71aに当接し、さらにアウタパネル11の先端が底壁73に当接するように車内側ウェザストリップ70が取り付けられるため、フランジ部14に対する車内側ウェザストリップ70の位置のばらつきを防止できる。さらに、取付部74がフランジ部14に対して傾くことなく安定して取り付けられることが可能となる。
本実施形態において、図1に示すように底壁73に不乾性シール材80が配設されていてもよい。このようにすると、アウタパネル11の先端と底壁73との間の間隙を完全に塞ぐことができるため、仮に取付部74の車外側壁71とアウタパネル11との間にまで水が浸入したとしても、底壁73側にまで浸入することを防止できる。なお、不乾性シール材80の代わりに高発泡スポンジ材が設けられてもよい。このようにしても、高発泡スポンジ材とアウタパネル11とが密接することで上記と同等の効果を得ることができる。
車内側ウェザストリップ70は、車外側壁71に車外側に膨出してドアサッシュ21の膨出部24に接することにより、アウタパネル11と膨出部24との間を塞ぐ中空シール部76を含む。また、車内側ウェザストリップ70は、車外側壁71の先端部(底壁73の反対側)付近の車外側面から車外側に延びる厚肉部77を含み、厚肉部77の段差部11a側面からアウタパネル11に向かって延びる二股リップ78を含む。
車外側ウェザストリップ40及び車内側ウェザストリップ70は、例えばゴム様弾性体の発泡材や非発泡材により構成され、以下に限定はされないが、ゴムの場合はEPDM(エチレン・プロピレンゴム)を、熱可塑性樹脂の場合はTPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)を使用するのが好ましい。特に、厚肉部77及び二股リップ78は非発泡材からなることが好ましく、中空シール部43、76は発泡材からなることが好ましい。図1では、車外側ウェザストリップ40及び車内側ウェザストリップ70により、ドア20の周縁部とドア開口部30の周縁部との間をシールしているが、本発明に係るシール構造において、車外側ウェザストリップ40は必須の構成ではなく、設けられていなくてもよい。
次に、本実施形態に係るシール構造におけるアウタパネル11及び車内側ウェザストリップ70の構造についてより詳細に説明する。上述の通り、アウタパネル11は、その周縁部においてインナパネル12及びスティフナ13と共にフランジ部14を形成している。アウタパネル11は、フランジ部14の基端部(取付部74の底壁73と反対側)から車外側に向かってスティフナ13から離れるように延びる段差部11aと、該段差部11aからフランジ部14と略平行にフランジ部14の反対側に延びる平坦部11bとを含む。
一方、車内側ウェザストリップ70は、上述の通り、二股リップ78を有し、二股リップ78はその基端部から車外側リップ78aと車内側リップ78bとに分岐している。また、二股リップ78と厚肉部77との間には、車外側リップ78a及び車内側リップ78bよりも薄肉に形成された薄肉部79が設けられている。車外側リップ78aは取付部74の反対側に向かい且つアウタパネル11の平坦部11bに向かって延び、その先端部が平坦部11bに弾接している。一方、車内側リップ78bは車内側に延び、具体的にはアウタパネル11の段差部11aに向かって延び、その先端部が段差部11aに弾接している。このように、二股リップ78がアウタパネル11に弾接することにより、見切隙Gから車外側ウェザストリップ40とアウタパネル11との間を浸入した水がさらに車室内側に浸入することを防止する。特に、本実施形態に係るシール構造では、二股リップ78の車外側リップ78aが表面の歪みや位置ずれが生じ難いアウタパネル11の平坦部11bに弾接するため、各車体間でシール性に差が生じ難く、安定的に水が車室内に浸入することを防止できる。また、本実施形態に係るシール構造では、上述の通り、二股リップ78が厚肉部77から突設されているため、ドア開口部30の周縁部におけるコーナー部分に配置される場合であっても、厚肉部77によって二股リップ78が傾いたり変形し難いように支持され、すなわち、二股リップ78の上記コーナー部におけるR追従性を維持できる。
また、より詳細には、厚肉部77が延びる方向は、車外側壁71の車外側面から車外側に向けて、略垂直に延びる方向よりも、図2(d)に示すように、車外側斜め上方に延びる方向に形状設定した方がより良い。すなわち、図3(b)に、内側ウェザストリップ70のみを示す側面図を図示しているが、通常の自動車においては、内側ウェザストリップ70はドア中央側を湾曲中心側とする、湾曲R状態に取付けられる。厚肉部77は車外側に向けて略垂直に延びる形状設定にするよりも、車外側に向けて斜め上方向に延びる形状設定をしておいた方が、この湾曲Rに取付られた状態で、厚肉部77および厚肉部77に接続された二股リップ78を変形させようとする力を支持しやすく、これらを変形し難くすることができる。
本実施形態に係るシール構造では、車内側ウェザストリップ70をフランジ部14に取り付ける動作によって、車外側リップ78aが平坦部11bに効果的に弾接するように構成されている。以下、図2を参照しながら当該構成について説明する。なお、図2(a)~(c)は、車内側ウェザストリップ70をフランジ部14に取り付ける工程を順次示す断面図である。なお、図2では、図の簡略化のために不乾性シール材80の図示を省略している。
図2(a)に示すように、まず、フランジ部14の先端部に対して車内側ウェザストリップ70の取付部74を接近させる。続いて、図2(b)に示すように、フランジ部14が取付部74の開口部側に挿入されるように車内側ウェザストリップ70を押し込む。このとき、フランジ部14が取付部74の車外側壁71に設けられた複数の小突部71aに接するように挿入され、これにより、フランジ部14は車外側壁71の複数の小突部71aと取付リップ75とにより狭持される。また、フランジ部14が取付部74の車外側壁71の複数の小突部71aに接するように挿入されるに従って、二股リップ78の車内側リップ78bがアウタパネルの段差部11aに弾接し始めるとともに、車外側壁71の先端側に向かって弾性変形させる向きの力を受け始める。なお、このとき、車外側リップ78aは、まだ平坦部11bに接触していない。
図2(b)の状態から、さらにフランジ部14に対して取付部74の底壁73が当接する位置まで車内側ウェザストリップ70を挿入すると、図2(c)に示すように、二股リップ78の車内側リップ78bが段差部11aに取付部74側(フランジ部14先端側)に弾性変形させられ、これにより、車外側リップ78aが平坦部11bに向かって弾性変形させられ、平坦部11bに弾接する。具体的には、図2(b)に示すように、二股リップ78は、段差部11aによって車内側リップ78bが取付部74側に力をかけられると、二股リップ78と厚肉部77との間に形成された薄肉部79を支点(軸)として、車外側リップ78aに平坦部11b側へ弾性変形させる方向の力がかかるように構成されている。その結果、車外側リップ78aが平坦部11bに密接できるようになる。本実施形態のように、二股リップ78と厚肉部77との間に薄肉部79が形成されていると、車外側リップ78aの変形性が向上し、より小さな力でも車外側リップ78aを平坦部11b側に弾性変形させることができて好ましい。
また、図2(b)に示すように、車外側リップ78aは、車内側リップ78bが段差部11aに取付部74側に弾性変形させられる前には平坦部11bに接触しないように構成されているため、車外側リップ78aが取付部74へのフランジ部14の挿入と共に、平坦部11bに巻き込まれて適切に平坦部11bに弾接できなくなることを防止している。従って、二股リップ78は、図2(b)に示すような取付部74へフランジ部14を完全に挿入する前の段階において、取付部74の車外側壁71にフランジ部14を当接させた状態で、車内側リップ78bが段差部11aに当接できて且つ車外側リップ78aが平坦部11bに接触しない長さ及び形状で形成される必要がある。このような構成により、車外側リップ78aが平坦部11bに適切に弾接できて、水が車室内への浸入することを防止できる。
本実施形態において、上述の通り、車内側リップ78bが段差部11aに取付部74側に弾性変形させられることに伴い、車外側リップ78aが平坦部11bに向かって弾性変形させられるため、図1及び図2に示すように、車内側リップ78bと厚肉部77との間に間隙Sが設けられていることが好ましい。このようにすると、車内側リップ78bが段差部11aによって取付部74方向に弾性変形させられたときに移動する距離を大きくすることができる。その結果、車外側リップ78aにかかる平坦部11b方向へ弾性変形させようとする力を大きくすることができ、車外側リップ78aが安定的に平坦部11bに弾接できるようになる。
また、本実施形態において、二股リップ78におけるアウタパネル11との接触面側には図2(d)に示すようにスポンジ等からなる発泡材層78cが形成されていることが好ましい。このようにすると、車外側リップ78aの平坦部11bに対する接触性、及び車内側リップ78bの段差部11aに対する接触性を向上できる。その結果、二股リップ78による水の車室内への浸入に対する防止効果を向上できる。
また、本実施形態において、図2(d)に示すように、二股リップ78は厚肉部77の段差部11a側面であれば、どこに設定してもよいが、段差部11aの段差量にもよるが、厚肉部77の段差部11a側面の車外側端部に設けるのが、間隙Sを大きく設定しやすいので好ましい。また更に、車外側リップ78aと厚肉部77にて、段が生じない方が、車両外観性も良好であるため好ましい。また、厚肉部77の段差部11a側面の延長線位置を、図2(d)に示すL1よりも段差部11aに近い側であるL2の位置にしてもよいが、間隙Sが小さくなるので好ましくない。また、本実施形態において、図2(d)に示すように、厚肉部77の段差部11a側面の延長線L1よりも車外側リップ78aと車内側リップ78bの接続部分の線L3を、段差部11aに近い側に設定しておくことが好ましい。このようにすると、車内側リップ78bが段差部11aに弾性変形させられる際に、車外側リップ78aを引っ張って、連動して、平坦部11b側に向かって弾性変形させやすくなる。
また、本実施形態において、図2(d)に示すように、二股リップと厚肉部との間にある薄肉部79の厚みW1は、車外側リップ78aと車内側リップ78bの厚みよりも小さくしておき、さらに、車外側リップ78aと車内側リップ78bの接続部の厚みW2を、薄肉部79の厚みW1よりも大きくしておくことが好ましい。このようにすると、車内側リップ78bが段差部11aに弾性変形させられる際に、車外側リップ78aを引っ張って、連動して、平坦部11b側に向かってより弾性変形させやすくなり、車内側リップ78bのみが弾性変形して、車外側リップ78aが弾性変形しないという現象を起こし難くなる。さらに、車外側リップ78aと車内側リップ78bの接続部の厚みW2を車外側リップ78aと車内側リップ78bの厚みよりも大きくしておくと、より確実に、連動弾性変形を起こし易い。
また、本実施形態において、図2(d)に示すように、車外側リップ78aは、平坦部11b側に向かって湾曲した形状とし、車内側リップ78bは段差部11a側に向かって湾曲した形状とした方が、それぞれのリップにおいて、接触面積が少なくなるとともに、シール面圧が高くなり、より、シール性が向上する。
本実施形態では、ドア20の上端部におけるシール構造を例として説明したが、当然にドア20の下端部、前端部及び後端部等の他の部分におけるシール構造においても本発明を採用することは可能である。
以上の通り、本発明に係るシール構造は、車体のドア開口部の周縁部とドアの周縁部との間の間隙から浸入した水が車室内にまで浸入することをより有効に防止することができて極めて有用である。
10 車体
11 アウタパネル
11a 段差部
11b 平坦部
12 インナパネル
13 スティフナ
14 フランジ部
20 ドア
21 ドアサッシュ
30 ドア開口部
40 車外側ウェザストリップ
50 ウィンドウ
60 グラスラン
70 車内側ウェザストリップ
71 車外側壁
72 車内側壁
73 底壁
74 取付部
77 厚肉部
78 二股リップ
78a 車外側リップ
78b 車内側リップ
78c 発泡材層
79 薄肉部
80 不乾性シール材
S 間隙
G 見切隙

Claims (8)

  1. 自動車のドア開口部の周縁部において、車体を構成する少なくとも2枚の板材の周縁部を重ね合わせて形成されたフランジ部にウェザストリップが取り付けられている自動車のシール構造であって、
    前記少なくとも2枚の板材のうち最も車外側に配置されたアウタパネルは、前記フランジ部の基端側において他の板材から脱離するように車外側に延びる段差部と、該段差部から前記フランジ部と略平行に該フランジ部の反対側に延びる平坦部とを含み、
    前記ウェザストリップは、車外側壁、車内側壁及び底壁からなる略U字状で且つ前記フランジ部に保持される取付部と、前記車外側壁の先端部付近の車外側面から車外側に延びる厚肉部と、該厚肉部から前記アウタパネルに向かって突設された二股リップ部とを含み、
    前記二股リップ部は、互いに分岐された前記取付部と反対側に延びる車外側リップと、車内側に延びる車内側リップとを含み、
    前記取付部を前記フランジ部に取り付けるのに従って、前記車内側リップが前記段差部によって前記取付部側に弾性変形させられることにより前記車外側リップが前記平坦部に弾接するように連動し、
    前記車内側リップの先端は、前記段差部と前記厚肉部との間に配置されることを特徴とする自動車のシール構造。
  2. 前記車外側リップは、前記車内側リップが前記段差部に前記取付部側に弾性変形させられる前において、前記平坦部に接触しないように配置され、前記車外側リップが前記段差部に前記取付部側に弾性変形させられることにより前記平坦部側に向かうように連動して、前記平坦部に弾接するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車のシール構造。
  3. 前記二股リップ部と厚肉部との間には、前記車外側リップ及び車内側リップの厚みよりも小さい薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車のシール構造。
  4. 前記車内側リップと前記厚肉部との間には間隙が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の自動車のシール構造。
  5. 前記取付部は、前記車外側壁に設けられた複数の小突部と前記フランジ部とが接するように前記フランジ部に取り付けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の自動車のシール構造。
  6. 前記取付部は、前記底壁に前記アウタパネルが接するように前記フランジ部に取り付けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の自動車のシール構造。
  7. 前記取付部の前記底壁には、前記アウタパネルと接するようにスポンジ材又は不乾性シール材が配設されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の自動車のシール構造。
  8. 前記二股リップの前記アウタパネルと接する面には、発泡材層が形成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の自動車のシール構造。
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