JP7320380B2 - 無人飛行体、無人飛行方法及び無人飛行プログラム - Google Patents

無人飛行体、無人飛行方法及び無人飛行プログラム Download PDF

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Description

本発明は、無人飛行体、無人飛行方法及び無人飛行プログラムに関する。
従来、小型無人飛行体(「ドローン」とも呼ばれる。)の利用が提案されている。このようなドローンを利用して、映像情報を取得する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2006-27331号公報
ドローンの操縦者は、「プロポ」と呼ばれる操縦装置からドローンに対して無線信号を送信することによって、ドローンを操縦する。また、ドローンの種類によっては、予め設定した飛行経路を自律飛行することも可能である。ドローンが飛行している間において、ドローンは、ドローン自体の位置を、GPS(Global Positioning System)衛星等の航法衛星からの測位用電波を受信して測位しつつ、飛行する。ドローンは、測位して取得した位置情報を操縦装置に送信する。これにより、操縦者は、ドローンの正確な位置を確認することができる。ところが、ドローンが飛行した位置を第三者には秘匿することが必要な場合がある。
本発明はかかる問題の解決を試みたものであり、ドローンが飛行した位置を第三者に知られることがない無人飛行体、無人飛行方法及び無人飛行プログラムを提供することを目的とする。
第一の発明は、自律飛行可能な無人飛行体であって、航法衛星からの測位用電波を使用して、現在位置を測位して測位位置を算出する測位手段と、前記無人飛行体の動きと所定の基準位置に基づいて、前記現在位置を推定して推定位置を算出する位置推定手段と、前記測位手段による測位の信頼度を算出する信頼度算出手段と、前記信頼度に基づいて、前記測位位置または前記推定位置を前記現在位置として決定する位置決定手段と、前記位置決定手段によって決定した前記現在位置を暗号化する暗号化手段と、前記暗号化手段によって暗号化された前記現在位置を復号することができる受信装置に対して、前記暗号化手段によって暗号化した前記現在位置を送信する位置送信手段と、を有する無人飛行体である。
測位位置は、受信する測位用電波の状態によっては、真の現在位置と大きく乖離する場合がある。これに対して、推定位置は、無人飛行体の動きと所定の基準位置に基づいて算出されるから、所定の短時間において、真の現在位置と大きく乖離する可能性は低い。この点、第一の発明の構成によれば、無人飛行体は、測位の信頼度が高い場合には、測位位置を現在位置として暗号化して送信し、測位の信頼度が低い場合には推定位置を現在位置として暗号化して送信することができる。このため、真の現在位置に近い位置情報を暗号化して受信装置に送信することができ、かつ、その位置情報に示される位置を第三者に知られることはない。
第二の発明は、第一の発明の構成において、前記位置決定手段によって前記測位位置を前記現在位置として決定した場合に、前記測位位置と前記推定位置との相違が所定の許容条件を満たすか否かを判断する許容条件判断手段と、前記許容条件判断手段によって、前記許容条件を満たさないと判断した場合に、前記位置推定手段による推定アルゴリズムを補正する補正手段と、を有する、無人飛行体である。
推定位置は所定の推定アルゴリズムによって算出されるが、気圧や風の状態によっては、推定の精度が劣化する場合がある。この点、第二の発明の構成によれば、信頼度が高い測位位置との相違が許容条件を満たすか否かによって、推定の精度を判断することができる。そして、許容条件を満たさない場合には、補正手段によって、位置推定手段による推定アルゴリズムを補正することができるから、現在位置の推定の精度劣化を回復することができる。
第三の発明は、第二の発明の構成において、前記許容条件判断手段によって、前記許容条件を満たすと判断した場合に、前記受信装置が前記推定位置を前記現在位置として使用するための優先条件を満たすか否かを判断する優先条件判断手段と、前記優先条件を満たすと判断した場合に、前記送信手段による前記現在位置の送信タイミングを標準タイミングよりも長い時間間隔のタイミングとなるように変更する送信タイミング変更手段と、を有する無人飛行体である。
第三の発明の構成によれば、優先条件を満たす場合には、送信タイミングを標準タイミングよりも長い時間間隔のタイミングとすることができる。例えば、標準タイミングが1秒間に1回であれば、これよりも長い時間間隔のタイミングは、例えば、2秒間ごとにしたり、あるいは、2秒間ごと、3秒間ごとというように、送信タイミングを継続的に変化させるものである。受信装置が、無人飛行体と同様の位置推定手段を有していれば、無人飛行体からの現在位置の受信タイミングが標準タイミングとは異なる場合には、任意のタイミングで無人飛行体の現在位置を推定することができる。これに対して、第三者は、現在位置が送信されるタイミングが標準タイミングと乖離すると、一層、無人飛行体の現在位置を知ることが困難になる。
第四の発明は、自律飛行可能な無人飛行体が、航法衛星からの測位用電波を使用して、現在位置を測位して測位位置を算出する測位ステップと、前記無人飛行体の動きと所定の基準位置に基づいて、前記現在位置を推定して推定位置を算出する位置推定ステップと、前記測位ステップにおける測位の信頼度を算出する信頼度算出ステップと、前記信頼度に基づいて、前記測位位置または前記推定位置を前記現在位置として決定する位置決定ステップと、前記位置決定ステップにおいて決定した前記現在位置を暗号化する暗号化ステップと、前記暗号化ステップにおいて暗号化された前記現在位置を復号することができる受信装置に対して、前記暗号化手段によって暗号化した前記現在位置を送信する位置送信ステップと、を実施する無人飛行方法である。
第五の発明は、自律飛行可能な無人飛行体を制御するコンピュータを、航法衛星からの測位用電波を使用して、現在位置を測位して測位位置を算出する測位手段、前記無人飛行体の動きと所定の基準位置に基づいて、前記現在位置を推定して推定位置を算出する位置推定手段、前記測位手段による測位の信頼度を算出する信頼度算出手段、前記信頼度に基づいて、前記測位位置または前記推定位置を前記現在位置として決定する位置決定手段、前記位置決定手段によって決定した前記現在位置を暗号化する暗号化手段、及び、前記暗号化手段によって暗号化された前記現在位置を復号することができる受信装置に対して、前記暗号化手段によって暗号化した前記現在位置を送信する位置送信手段、として機能させるための無人飛行プログラムである。
本発明によれば、現在位置を第三者に知られることがない。
本発明の実施形態に係る無人飛行体の飛行経路を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る無人飛行体を示す概略図である。 無人飛行体の機能構成を示す概略図である。 現在位置の推定方法を示す概念図である。 無人飛行体の動作を示す概略フローチャートである。 現在位置の決定方法を示す概略フローチャートである。 地上操作装置の動作を示す概略フローチャートである。 第二の実施形態に係る無人飛行体の現在位置の決定方法を示す概略フローチャートである。 第三の実施形態に係る無人飛行体の現在位置の決定方法を示す概略フローチャートである。 地上操作装置の動作を示す概略フローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以下の説明においては、同様の構成には同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略する。なお、当業者が適宜実施できる構成については説明を省略し、本発明の基本的な構成についてのみ説明する。
<第一の実施形態>
図1に示す無人機1は、プロペラの回転によって推力を得て、自律飛行可能な無人飛行体の一例である。無人機1は、無人機1を管理する地上操縦装置200(図3参照。以下、「装置200」という。)からの指示で飛行を開始するようになっている。装置200は、受信装置の一例である。
無人機1は、所定領域300において、経路R1(往路)及び経路R2(復路)を自律飛行する。以下、経路R1及びR2を総称して「経路R」という。無人機1は、飛行中において、GPS衛星(Global Positioning System)等の航法衛星からの測位用電波を受信して、無人機1の現在位置を継続的に測位し、経路Rを外れないように飛行位置を制御しつつ、飛行する。無人機1は、現在位置を暗号化して、装置200へ送信するように構成されている。装置200は、無人機1が暗号化した現在位置を復号するためのパスワードを記憶しており、無人機1から受信した暗号化された現在位置を復号して、無人機1の現在位置を認識することができる。
無人機1は、測位のほかに、無人機1自体の動作と所定の基準位置に基づいて、現在位置を推定する。上述の測位によって算出した測位位置は、測位用電波の状態によっては、真の現在位置と大きく乖離する場合があるが、推定位置は、短時間においては、真の現在位置と大きく乖離することはないという特徴がある。大きく乖離するとは、例えば、真の現在位置との距離の相違が10メートル(m)以上の場合である。短時間とは、例えば、2秒(second)である。なお、本明細書において、「現在位置を送信する」、あるいは、「現在位置を受信する」というときには、「現在位置を示すデータを送信する」、あるいは、「現在位置を示すデータを受信する」ということを意味する。他の用語においても同様であり、通信における送受信の対象は、データである。
図1に示すように、往路R1を含む所定領域300には、様々な地形や構造物がある。所定領域300には、例えば、山200A~200F、ゴルフ場202、動物園204、田畑206、池208、道路210、家屋や公共施設などの建造物212A~212Fがある。復路R2においては、山200E、動物園204、及び、ゴルフ場202がある。無人機1は、往路R1及び復路R2において、下方を撮影して画像を取得する。ただし、無人機1が、現在飛行している位置、及び、飛行した位置は、装置200の管理者は知る必要があるが、第三者には秘匿する必要があるものとする。
図2に示すように、無人機1は、筐体2を有する。筐体2には、無人機1の各部を制御するコンピュータ、自律飛行装置、無線通信装置、GPSなどの航法衛星システムからの測位用電波を利用する測位装置、バッテリー等が配置されている。また、筐体2には、固定装置12を介して、カメラ14が配置されている。自律飛行装置は、加速度センサー、ジャイロセンサー、気圧センサー、磁気センサーを含む。
無人機1は、カメラ14によって、下方の画像を取得する。カメラ14は、可視光カメラであるが、これとは異なり、マルチスペクトルカメラであってもよい。固定装置12は、カメラ14による撮影画像のぶれを最小化し、かつ、カメラ14の光軸を任意の方向に制御することができる3軸の固定装置(いわゆる、ジンバル)である。
筐体2には、丸棒状のアーム4が接続されている。各アーム4にはモーター6が接続されており、各モーター6にはプロペラ8が接続されている。各モーター6は、直流モーター(ブラシレスDCモーター)である。各モーター6は、筐体2内の自律飛行装置によってそれぞれ独立して制御され、無人機1を上下水平方向の移動や空中での停止(ホバリング)及び姿勢制御を自在に行うことができるようになっている。
アーム4には保護枠10が接続され、プロペラ8が外部の物体に直接接触することを防止している。アーム4及び保護枠10は、例えば、炭素繊維強化プラスチックで形成されており、強度を保ちつつ、軽量に構成されている。
図3は、無人機1の機能構成を示す図である。図3に示すように、無人機1は、CPU(Central Processing Unit)100、記憶部102、無線通信部104、衛星測位部106、自律制御部108、駆動制御部110、画像処理部112、及び、電源部114を有する。
無人機1は、無線通信部104によって、装置200と通信可能になっている。無人機1は、無線通信部104によって、装置200から、発進等の指示を受信する。装置200は、コンピュータで構成されている。
無人機1は、衛星測位部106によって、無人機1自体の位置を測位することができる。衛星測位部106は、基本的に、4つ以上の航法衛星からの測位用電波を受信して無人機1の位置を算出する。航法衛星からの測位用電波を受信して行う測位は周知技術であるから、説明を省略する。無人機1自体の位置情報は、無人機1の移動経路の決定及び自律移動のために使用するほか、画像処理部112によって撮影した画像データと座標(位置)とを紐づけするために使用する。CPU100と衛星測位部106は、測位手段の一例である。
自律制御部108は、自律飛行装置に対応し、例えば、加速度センサー及びジャイロセンサーからの出力や、衛星測位部106によって算出した測位位置に基づいて、駆動制御部110を介してモーター6の回転を制御する。
駆動制御部110によって、無人機1は各モーター6に接続されたプロペラ8の回転を制御し、上下水平移動や空中停止、傾きなどの姿勢を制御するようになっている。
画像処理部112によって、無人機1はカメラ14を作動させて外部の画像を取得することができる。
電源部114は、例えば、交換可能な可充電電池であり、無人機1の各部に電力を供給するようになっている。
記憶部102には、出発点から目的位置まで自律移動するための移動計画を示すデータ等の自律移動に必要な各種データ及びプログラムのほか、測位プログラム、位置推定プログラム、信頼度算出プログラム、位置決定プログラム、暗号化プログラム、及び、位置送信プログラムが格納されている。測位プログラムとCPU100は、測位手段の一例である。位置推定プログラムとCPU100は、位置推定手段の一例である。信頼度算出プログラムとCPU100は、信頼度算出手段の一例である。位置決定プログラムとCPU100は、位置決定手段の一例である。暗号化プログラムとCPU100は、暗号化手段の一例である。位置送信プログラムとCPU100は、位置送信手段の一例である。
無人機1は、測位プログラムによって、航法衛星からの測位用電波を受信して、無人機1自体の現在位置を測位する。
無人機1は、位置推定プログラムによって、無人機1の動きと所定の基準位置に基づいて、現在位置を推定して推定位置を算出する。具体的には、無人機1は、過去に取得した信頼度が高い位置を基準位置として、無人機1の移動ベクトルに基づいて、推定位置を算出する。移動ベクトルは、移動方向及び移動速度を示す情報である。
図4(a)に示すように、例えば、位置P0を基準位置とする。基準位置は、ある時刻において取得した信頼度が高い位置であり、真の位置に近いと考えられる位置である。信頼度が高い位置は、例えば、理想的な測位衛星数が存在し、理想的な衛星配置であり、かつ、マルチパスが存在しないという理想的な状況における測位によって取得した測位位置である。無人機1は、基準位置を継続的に更新する。
無人機1の動きは、例えば、ベクトルv0に示される。時刻t0と時刻t1との間において、無人機1の平均的な動きがベクトルv0であれば、位置P0とベクトルv0に基づいて、時刻t1における位置P1を算出することができる。
図4(b)に示すように、時刻tにおける位置を位置P(t)、時刻t0から時刻tとの間の平均的な動きを示すベクトルをベクトルv(t)、補正値をKと定義すると、時刻tにおける位置P(t)は、式1:P(t)=P(0)+V(t)+Kで与えられる。
位置推定プログラムによって推定した位置は、短時間においては真の位置と大きく乖離することはない。しかし、位置推定プログラムによって推定した位置は、理想的な状況における測位位置と対比すると、真の位置と乖離する程度が大きい可能性が高い。このため、無人機1は、継続的に基準位置を更新する。
無人機1は、信頼度算出プログラムによって、測位の信頼度を算出する。信頼度は、測位に使用した測位用電波の状態に基づいて算出する。測位用電波の状態は、例えば、測位に使用した測位衛星数、衛星配置、マルチパスの有無という要素によって総合的に決定する。例えば、測位衛星数が4個の場合には4点、5個の場合には5点、6個の場合には6点というように点数を付与する。点数が高いほど、信頼度が高くなる。衛星配置は、DOP(Dilution Of Precision:精度低下率)を使用する。DOPは、数値が大きくなるほど、精度が低下する。例えば、DOPを所定の範囲に区分し、DOPが高い範囲から低い範囲に向かって、4点、5点、6点というように、精度低下率が低いほど、大きな点数を付与する。マルチパスは、例えば、無人機1の高度よりも高い建造物や山などの自然の地形が所定範囲に多く存在するほど、低い点数を付与する。例えば、高い建造物などが所定の基準値よりも多く存在する場合には4点、所定の基準値よりも少なく存在する場合には5点、存在しない場合には6点というように点数を付与する。測位衛星数、衛星配置及びマルチパスに基づいて総合的に決定した信頼度は、例えば、12点、15点、18点というように、各要素の点数を加算して算出する。加算した結果の点数が高いほど、信頼度が高い。
無人機1は、位置決定プログラムによって、測位の信頼度に基づいて、測位位置または推定位置を現在位置として決定する。無人機1は、例えば、測位の信頼度が所定の基準値であるA1以上である場合に、測位位置を現在位置として決定する。これに対して、無人機1は、測位の信頼度が基準値A1未満である場合には、推定位置を現在位置として決定する。基準値A1は、例えば、15点である。
無人機1は、暗号化プログラムによって、現在位置を暗号化する。正確には、現在位置を示すデータを暗号化する。暗号化の方式は、例えば、AES(Advanced Encryption Standard)256を使用する。AES256は、共通鍵暗号アルゴリズムを使用する暗号化方式の一つであり、32文字からなる暗号化キーを使用する。
無人機1は、送信プログラムによって、暗号化した現在位置を装置200に対して送信する。装置200は、無人機1が暗号化した現在位置を復号することができる。すなわち、装置200は、無人機1が使用した暗号化キーを記憶しており、復号に使用するように構成されている。
以下、図5乃至図7のフローチャートを参照して、無人機1及び装置200の動作を説明する。まず、図5を参照して、無人機1の動作の全体の概略を説明する。無人機1は、飛行を開始すると、現在位置を決定する(図5のステップST1)。現在位置は、連続したデータとして表現されているが、これを複数のブロックに分割する(ステップST2)。続いて、無人機1は、複数のブロックに分割した現在位置を暗号化し(ステップST3)、暗号化された現在位置のデータに基づいて搬送波を変調し(ステップST4)、標準タイミングで送信する(ステップST5)。標準タイミングは、例えば、1秒間に1回のタイミングである。無人機1は、例えば、すべての経路の飛行を完了したなど、終了条件を満たすと判断すると(ステップST6)、所定の位置に着陸し、処理を終了する。ステップST3は暗号化ステップの一例であり、ステップST5は送信ステップの一例である。
以下、現在位置決定(ステップST1)の詳細について、図6を参照して説明する。無人機1は、まず、所定の信頼度A1以上における測位を実施する(図6のステップST51)。所定の信頼度A1以上における測位は、飛行開始前に実施してもよいし、飛行開始後に理想的な条件において実施してもよい。ステップST51は、位置推定の基準となる基準位置を取得するための準備ステップである。
続いて、無人機1は、測位(ステップST52)と位置推定(ステップST53)を実施し、測位位置及び推定位置を記憶する(ステップST54)。ステップST52は測位ステップの一例であり、ステップST53は推定ステップの一例である。ステップST52における測位の信頼度は、所定の信頼度A1以上であるとは限らない。
続いて、無人機1は、測位の信頼度を算出し、信頼度が基準値A1以上であるか否かを判断する(ステップST55)。ステップST55は、信頼度算出ステップの一例である。無人機1は、測位の信頼度が基準値A1以上であると判断した場合には、測位位置を現在位置とし(ステップST56)、基準値A1未満であると判断した場合には、推定位置を現在位置とする(ステップST57)。ステップST56及びST57は、位置決定ステップの一例である。無人機1は、例えば、経路Rの飛行を完了したなど、終了条件を満たすと判断すると(ステップST58)、現在位置の決定処理を終了する。
次に、図7を参照して、装置200の動作を説明する。装置200は、無人機1から暗号化した現在位置を受信すると(図7のステップST101)、復調(ステップST102)、復号(ステップST103)及び復元(ステップST104)を行い、暗号化される前の状態、かつ、ブロックに分割される前の状態における現在位置を示すデータを取得する。装置200は、無人機1が暗号化に使用した暗号化キーを記憶しており、復号に使用する。装置200は、例えば、無人機1が経路Rの飛行を完了したなど、終了条件を満たすと判断すると(ステップST105)、処理を終了する。
<第二の実施形態>
次に、図8等を参照して、第二の実施形態を説明する。なお、第一の実施形態と共通する事項は、適宜、説明を省略し、第一の実施形態と相違する事項を中心に説明する。
第二の実施形態の無人機1においては、記憶部102(図3参照)に、許容条件判断プログラム及び補正プログラムを格納している。許容条件判断プログラムとCPU100は、許容条件判断手段の一例である。補正プログラムとCPU100は、補正手段の一例である。
無人機1は、位置決定プログラムによって、測位位置を現在位置として決定した場合に、許容条件判断プログラムによって、測位位置と推定位置との相違が許容条件を満たすか否かを判断する。許容条件は、例えば、相違が所定の距離範囲内か否かである。所定の距離は、例えば、1メートル(meter)である。位置決定プログラムによって、測位位置を現在位置として決定したことは、測位の信頼度が所定の信頼度A1以上であることを意味し、測位位置は真の現在位置に近い。そして、測位位置と推定位置が許容条件を満たすことは、推定位置も真の現在位置に近いことを意味する。
無人機1は、許容条件判断プログラムによって、測位位置と推定位置との相違が許容要件を満たさないと判断した場合には、位置推定プログラムによる推定アルゴリズムを補正し、推定アルゴリズムによって測位位置と同一または近似する位置を推定できるようにする。補正方法としては、例えば、図4(b)の式1において、v(t)を構成する各要素に所定の係数を掛ける、あるいは、補正値Kを構成する各要素を変更する。無人機1は、許容条件判断プログラムと補正プログラムによる処理を継続的に実施する。これにより、位置推定プログラムによる推定位置の精度を向上することができる。
以下、図8のフローチャートを参照して、無人機1の動作を説明する。図8のステップST51乃至ステップST57は、第一の実施形態(図6参照)と同様であるから、説明を省略する。無人機1は、測位位置を現在位置とすると(図8のステップST56)、測位位置と推定位置の相違が許容範囲内であるか否かを判断し(ステップST61)、許容範囲内であれば、位置推定プログラムの位置推定アルゴリズムを維持し(ステップST62)、許容範囲内でなければ、位置推定プログラムを補正する(ステップST63)。
<第三の実施形態>
次に、図9及び図10等を参照して、第三の実施形態を説明する。なお、第一の実施形態及び第二の実施形態と共通する事項は、適宜、説明を省略し、相違する事項を中心に説明する。
第三の実施形態の無人機1においては、記憶部102(図3参照)に、優先条件判断プログラム及び送信タイミング変更プログラムを格納している。優先条件判断プログラムとCPU100は、優先条件判断手段の一例である。送信タイミング変更プログラムとCPU100は、送信タイミング変更手段の一例である。
無人機1は、許容条件判断プログラムによって、測位位置と推定位置との相違が許容条件を満たすと判断した場合に、優先条件判断プログラムによる処理を実行する。無人機1は、優先条件判断プログラムによって、優先条件を満たすか否かを判断する。優先条件は、装置200が、推定位置を現在位置として使用するための条件である。許容条件を満たすことは、所定の信頼度A1以上の測位位置と推定位置の相違が許容範囲内であることを意味するから、推定位置を現在位置として使用することが可能であることを意味する。優先条件は、例えば、所定時間以上、許容条件を満たす状態が継続することである。所定時間は、例えば、10秒(second)である。
無人機1は、優先条件を満たすと判断した場合に、送信タイミング変更プログラムによって、位置送信プログラムによる現在位置の送信タイミングを標準タイミングよりも時間間隔が長い所定のタイミングとなるように変更し、変則タイミングとする。標準タイミングが1秒に1回というタイミングであるとすれば、変則タイミングは、標準タイミングとは異なるタイミングであり、例えば、2秒間に1回である。あるいは、変則タイミングは、2秒に1回、3秒に1回というタイミングであり、標準タイミングよりも長い時間間隔において、時間間隔を変更するものである。これにより、現在位置が暗号化されていた場合であっても、第三者が暗号化された現在位置を示す信号の特定を困難にする。
装置200は、無人機1と同一の位置推定プログラムを記憶かつ更新しており、無人機1から標準タイミングで現在位置を受信しない場合には、無人機1の現在位置を推定することができる。これにより、装置200は、無人機1から現在位置を受信しない時間帯においても、無人機1の推定位置を算出することができる。
以下、図9のフローチャートを参照して、無人機1の動作を説明する。図9のステップST51乃至ステップST62は、第一の実施形態(図6参照)及び第二の実施形態(図8参照)と同様であるから、説明を省略する。無人機1は、位置推定アルゴリズムを維持すると(図9のステップST62)、優先条件を満たすか否かを判断し(ステップST71)、優先条件を満たす場合には変則タイミングを使用し(ステップST72)、優先条件を満たさない場合には標準タイミングを使用する(ステップST73)。無人機1は、位置推定アルゴリズムを補正した場合には、補正後のアルゴリズムを装置200へ送信する(ステップT63A)。
次に、図10を参照して、装置200の動作を説明する。装置200は、現在位置の受信タイミングが変則タイミングであると判断すると(図10のステップST111)、位置推定アルゴリズムによって位置推定を実施し(ステップST112)、変則タイミングではないと判断すると、標準処理を実施する(ステップST113)。標準処理とは、無人機1から標準タイミングで現在位置を受信して実施する処理である(図7参照)。装置200は、無人機1が飛行を完了したなど、終了条件を満たすと判断すると(ステップST114)、処理を終了する。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
1 無人機
2 筐体
6 モーター
14 カメラ
200 地上操縦装置
102 記憶部
106 衛星測位部

Claims (4)

  1. 自律飛行可能な無人飛行体であって、
    航法衛星からの測位用電波を使用して、現在位置を測位して測位位置を算出する測位手段と、
    前記無人飛行体の動きと所定の基準位置に基づいて、前記現在位置を推定して推定位置を算出する位置推定手段と、
    前記測位手段による測位の信頼度を算出する信頼度算出手段と、
    前記信頼度に基づいて、前記測位位置または前記推定位置を前記現在位置として決定する位置決定手段と、
    前記位置決定手段によって決定した前記現在位置を暗号化する暗号化手段と、
    前記暗号化手段によって暗号化された前記現在位置を復号することができる受信装置に対して、前記暗号化手段によって暗号化した前記現在位置を送信する位置送信手段と、
    前記位置決定手段によって前記測位位置を前記現在位置として決定した場合に、前記測位位置と前記推定位置との相違が所定の許容条件を満たすか否かを判断する許容条件判断手段と、
    前記許容条件判断手段によって、前記許容条件を満たさないと判断した場合に、前記位置推定手段による推定アルゴリズムを補正する補正手段と、
    を有する無人飛行体。
  2. 前記許容条件判断手段によって、前記許容条件を満たすと判断した場合に、前記受信装置が前記推定位置を前記現在位置として使用するための優先条件を満たすか否かを判断する優先条件判断手段と、
    前記優先条件を満たすと判断した場合に、前記位置送信手段による前記現在位置の送信タイミングを標準タイミングよりも長い時間間隔のタイミングとなるように変更する送信タイミング変更手段と、
    を有する、請求項に記載の無人飛行体。
  3. 自律飛行可能な無人飛行体が、
    航法衛星からの測位用電波を使用して、現在位置を測位して測位位置を算出する測位ステップと、
    前記無人飛行体の動きと所定の基準位置に基づいて、前記現在位置を推定して推定位置を算出する位置推定ステップと、
    前記測位ステップにおける測位の信頼度を算出する信頼度算出ステップと、
    前記信頼度に基づいて、前記測位位置または前記推定位置を前記現在位置として決定する位置決定ステップと、
    前記位置決定ステップにおいて決定した前記現在位置を暗号化する暗号化ステップと、
    前記暗号化ステップにおいて暗号化された前記現在位置を復号することができる受信装置に対して、前記暗号化ステップにおいて暗号化した前記現在位置を送信する位置送信ステップと、
    前記位置決定ステップにおいて前記測位位置を前記現在位置として決定した場合に、前記測位位置と前記推定位置との相違が所定の許容条件を満たすか否かを判断する許容条件判断ステップと、
    前記許容条件判断ステップにおいて、前記許容条件を満たさないと判断した場合に、前記位置推定ステップにおける推定アルゴリズムを補正する補正ステップと、
    を実施する無人飛行方法。
  4. 自律飛行可能な無人飛行体を制御するコンピュータを、
    航法衛星からの測位用電波を使用して、現在位置を測位して測位位置を算出する測位手段、
    前記無人飛行体の動きと所定の基準位置に基づいて、前記現在位置を推定して推定位置を算出する位置推定手段、
    前記測位手段による測位の信頼度を算出する信頼度算出手段、
    前記信頼度に基づいて、前記測位位置または前記推定位置を前記現在位置として決定する位置決定手段、
    前記位置決定手段によって決定した前記現在位置を暗号化する暗号化手段
    前記暗号化手段によって暗号化された前記現在位置を復号することができる受信装置に対して、前記暗号化手段によって暗号化した前記現在位置を送信する位置送信手段、
    前記位置決定手段によって前記測位位置を前記現在位置として決定した場合に、前記測位位置と前記推定位置との相違が所定の許容条件を満たすか否かを判断する許容条件判断手段、及び、
    前記許容条件判断手段によって、前記許容条件を満たさないと判断した場合に、前記位置推定手段による推定アルゴリズムを補正する補正手段、
    として機能させるための無人飛行プログラム。
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