JP7320303B2 - 免疫活性もしくは癌の予防または治療用の医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、免疫活性もしくは癌の予防または治療用の医薬組成物に関する。
抗体に基づく免疫応答の誘導に基づく標準的なワクチン戦略は、天然痘、ポリオ、および破傷風などの多くの以前に致命的であった感染症の根絶またはほぼ根絶をもたらした。しかし、これらの古典的なヒトワクチンは、HIV及び肝炎などの他の感染症や、がんなどの非感染症には無効であるか、安全ではない。
細胞性免疫応答を誘導することを目的とした新世代の免疫療法製品は、病原体自体の代わりにがん細胞および感染細胞を認識し殺すことによって伝統的なワクチンの限界を克服し得る。核酸ワクチン、そして特にウイルスベクターは、診療所に移す大きな可能性を示した。
がん細胞や多くの感染因子には免疫システムを回避する方法があり、それが効果的なワクチンの作成を困難にしている。古典的ワクチンは、最適な有効性のためにしばしばアジュバント(adjuvant)、例えばアルミニウム塩を必要とするが、従来のアジュバントは典型的には細胞性免疫応答の乏しい増強剤である。ウイルスベクターによって誘発される細胞性免疫応答の質および規模を改善するためのいくつかの戦略が提案されている。ベクターベースの免疫療法によって誘導される細胞性免疫応答を改善するために、新しいクラスの遺伝子アジュバントが開発された。遺伝子アジュバントは免疫調節分子をコードするDNA配列からなる。
ストーンら(WO2014/039961)は、インターフェロンアルファおよびベータの分泌を誘導し、したがってインターフェロン刺激遺伝子の発現を誘導する遺伝子アジュバントの使用を開示している。このアプローチでは、核酸ワクチンは、場合によりマーカータンパク質または抗原をコードする導入遺伝子(transgene)に加えて、細胞質内ドメインが免疫エフェクタまたはIPS1タンパク質などのアダプタータンパク質により置換されているLMP1タンパク質の膜貫通(transmembrane)部分を含む融合タンパク質をコードする。IFN-βプロモータ刺激因子(IPS1;MAVS、VISAまたはCardifとも言う)の活性化は、STING(インターフェロン遺伝子刺激因子)経路を介して強力なT細胞応答を生じさせる。細胞内で発現されると、LMP1の膜貫通ドメインは自発的にクラスター(cluster)を形成し、これがIPS1の細胞質内クラスターへの凝集を可能にし、STING経路を活性化する。全長マウス(murine)IPS1と融合したLMP1の膜貫通ドメインは、IFN-α、IFN-β、およびIL-6の分泌を誘導し、さらにマウスマクロファージにおける成熟マーカ(CD40およびCCR7)および活性化マーカー(CD80およびCD86)の発現を誘導することが示されている。
本発明は、免疫活性改善用の薬学組成物を提供することを目的とする。
本発明は、癌の予防または治療用の医薬組成物を提供することを目的とする。
1.下記化学式1で表される平滑末端のヘアピンRNAと、前記RNAを気孔内に担持した多孔性シリカ粒子とを含み、
前記多孔性シリカ粒子は、平均気孔直径が7~25nmであり、その気孔内部が陽電荷に帯電されたものである、免疫活性改善用の薬学組成物。
(式中、Pはリン酸基であり、
aは2~5の整数であり、bは1~5の整数であり、
UUCGは、ヘアピンのループを形成する塩基であり、
N1及びN2は、GまたはCから選択される2~4個の塩基であり、X1及びX2は、AまたはUから選択される1~5個の塩基であり、選択される複数の塩基は、互いに同一または異なり、
N3はN2と、X2はX1と、N4はN1と相補的に連結され、
b回繰り返される各塩基は、互いに同一または異なる塩基である。)
2.前記項目1において、前記RNAは、下記化学式2で表されるものである、組成物。
(式中、Pはリン酸基であり、
a及びbは2~4の整数であり、
N1及びN2は、GまたはCから選択される2~4個の塩基であり、X1及びX2は、AまたはUから選択される2~4個の塩基であり、選択される複数の塩基は、互いに同一または異なり、
N3はN2と、X2はX1と、N4はN1と相補的に連結され、
b回繰り返される各塩基は、互いに同一または異なる塩基である。)
3.前記項目1において、前記RNAは、その長さが14~100ntである、組成物。
4.前記項目1において、前記RNAは、配列番号1~25のいずれか1つの配列及びその5’末端に結合された2~4個のリン酸基からなるものである、組成物。
5.前記項目1において、前記RNAを前記気孔内に担持した前記多孔性シリカ粒子のゼータ電位は、5~65mVである、組成物。
6.前記項目1において、前記RNAを前記気孔内に担持した前記多孔性シリカ粒子のゼータ電位は、35mV以下である、組成物。
7.前記項目1において、前記粒子の前記RNAを担持していない状態のゼータ電位は、10~70mVである、組成物。
8.前記項目1において、前記粒子と前記RNAの重量比は1:5~20である、組成物。
9.前記項目1において、前記粒子は、複数の気孔を有し、前記気孔は、粒子の表面から内部までつながっている、組成物。
10.前記項目1において、前記粒子のBET表面積は280~680m/gであり、粒径は50~500nmである、組成物。
11.前記項目1において、前記多孔性シリカ粒子は、平均気孔直径5nm未満の小気孔粒子の気孔が平均直径7~25nmに拡張されたものである、組成物。
12.下記化学式1で表される平滑末端のヘアピンRNAと、前記RNAを気孔内に担持した多孔性シリカ粒子とを含み、
前記多孔性シリカ粒子は、平均気孔直径が7~25nmであり、その気孔内部が陽電荷に帯電されたものである、癌の予防または治療用の医薬組成物。
(式中、Pはリン酸基であり、
aは2~5の整数であり、bは1~5の整数であり、
UUCGは、ヘアピンのループを形成する塩基であり、
N1及びN2は、GまたはCから選択される2~4個の塩基であり、X1及びX2は、AまたはUから選択される1~5個の塩基であり、選択される複数の塩基は、互いに同一または異なり、
N3はN2と、X2はX1と、N4はN1と相補的に連結され、
b回繰り返される各塩基は、互いに同一または異なる塩基である。)
13.前記項目12において、前記RNAは、下記化学式2で表されるものである、組成物。
(式中、Pはリン酸基であり、
a及びbは2~4の整数であり、
N1及びN2は、GまたはCから選択される2~4個の塩基であり、X1及びX2は、AまたはUから選択される2~4個の塩基であり、選択される複数の塩基は、互いに同一または異なり、
N3はN2と、X2はX1と、N4はN1と相補的に連結され、
b回繰り返される各塩基は、互いに同一または異なる塩基である。)
14.前記項目12において、前記RNAは、その長さが14~100ntである、組成物。
15.前記項目12において、前記RNAは、配列番号1~25のいずれか1つの配列及びその5’末端に結合された2~4個のリン酸基からなるものである、組成物。
16.前記項目12において、前記RNAを前記気孔内に担持した前記多孔性シリカ粒子のゼータ電位は、5~65mVである、組成物。
17.前記項目12において、前記RNAを前記気孔内に担持した前記多孔性シリカ粒子のゼータ電位は、35mV以下である、組成物。
18.前記項目12において、前記粒子の前記RNAを担持していない状態のゼータ電位は、10~70mVである、組成物。
19.前記項目12において、前記粒子と前記RNAの重量比は1:5~20である、組成物。
20.前記項目12において、前記粒子は、複数の気孔を有し、前記気孔は、粒子の表面から内部までつながっている、組成物。
21.前記項目12において、前記粒子のBET表面積は280~680m/gであり、粒径は50~500nmである、組成物。
22.前記項目12において、前記多孔性シリカ粒子は、平均気孔直径5nm未満の小気孔粒子の気孔が平均直径7~25nmに拡張されたものである、組成物。
23.前記項目12において、前記癌は、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌,前立腺癌、睾丸癌、陰茎癌、泌尿生殖器癌、睾丸腫、食道癌、喉頭癌、胃癌、胃腸管癌、皮膚癌、ケラトアカントーマ、濾胞癌、黒色腫、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌、肺扁平細胞癌、結腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、乳頭癌、膀胱癌、肝癌、胆管癌、腎臓、骨癌、骨髄疾患、リンパ系疾患、ヘアリー細胞癌、口腔及び咽頭(経口)癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、唾液腺癌、咽頭癌、小腸癌、直腸癌、外陰癌、大腸癌、子宮内膜癌、子宮癌、脳癌、中枢神経系癌、腹膜癌、肝細胞癌、頭部癌、頸部癌、ホジキン又は白血病である、組成物。
本発明の組成物は、担持されたRNAを体内に安定的に伝達し、ターゲットに放出し、RIG-Iシグナル伝達経路が活性化され、IFN-α、β、ビペリン(Viperin)などの因子の発現を促進することにより、免疫活性化の効果を示すことができる。
本発明の組成物は、インターフェロンシグナル伝達経路及び/又はインターフェロン非依存性細胞死経路を活性化させて優れた抗癌活性を示すことができる。
本発明の組成物は、細胞内に伝達時の細胞質内の空胞(液胞、vacuole)形成などの現象を減らすことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の顕微鏡写真である。 図2は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の顕微鏡写真である。 図3は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の製造工程における小気孔粒子の顕微鏡写真である。 図4は、本発明の一実施形態に係る小気孔粒子の顕微鏡写真である。 図5は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の気孔直径別の顕微鏡写真である。DDV(Degradable Delivery Vehicle)は、実施例の粒子であり、括弧内の数字は粒子の直径を、下付き文字の数字は気孔の直径を意味する。例えば、DDV(200)10は、粒子直径が200nm、気孔直径が10nmである実施例の粒子を意味する。 図6は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の生分解性を確認できる顕微鏡写真である。 図7は、一つの例示による円筒状の透過膜を備えたチューブである。 図8は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の時間経過による吸光度の減少の結果である。 図9は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の時間経過による粒径別の吸光度の減少の結果である。 図10は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の時間経過による気孔直径別の吸光度の減少の結果である。 図11は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の時間経過による環境のpH別の吸光度の減少の結果である。 図12は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の時間経過による吸光度の減少の結果である。 図13は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の特性を分析した結果である。Aは、DegradaBALL(デグラダボール)の電子顕微鏡画像と物理的特性(表面積、微細孔サイズ、表面電荷、平均粒子サイズ)を示す。 図14は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の特性を分析した結果である。Bは、合成RIG-Iリガンド(5’-トリホスフェートヘアピン(triphosphate hairpin)RNA、ppp-RNA)と対照ヘアピンRNA(OH-RNA)の配列及び構造を示す。 図15は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の特性を分析した結果である。Cは、DegradaBALLとppp-RNAを様々な重量比で混合した後、遠心分離して得られた上澄液をSDS-PAGEで分析した画像を示す。 図16は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の特性を分析した結果である。Dは、蛍光標識したOH-RNAを担持したDegradaBALLをA549細胞に処理した場合、細胞内でOH-RNAが放出されるリアルタイム高解像度の蛍光画像を示す。 図17は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の特性を分析した結果である。Eは、ピアソン相関係数(pearson correlation coefficient)を用いて、細胞内でDegradaBALLに担持されたOH-RNAが放出される程度を定量分析したものを示す。 図18は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロンベータ発現誘導の結果である。 図19は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のビペリン発現誘導の結果である。 図20は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロンアルファ発現誘導の結果である。 図21は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン依存性または非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。Aは、腫瘍内注射によるLEM-S403の伝達を示す模式図である。 図22は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン依存性または非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。Bは、FITCで標識したOH-RNAとTAMRAで標識したDegradaBALLを用いて、DegradaBALLの混合有無によるOH-RNAの徐放性放出傾向を確認した蛍光画像である。腫瘍が移植されたC57BL/6マウスに投与後、1、3、5日後に腫瘍を分離して分析した。 図23は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン依存性または非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。Cは、黒色腫腫瘍において、LEM-S403注射による抗腫瘍治療の過程を示す模式図である。LEM-S403の治療戦略。1)インターフェロン依存性免疫応答、2)インターフェロン非依存性腫瘍細胞死滅反応。 図24は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン依存性または非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。Dは、腫瘍(B16F10)が形成されたC57B6マウスを用いたLEM-S403の機序研究の投与スケジュールである。マウスに腫瘍を接種してから3日(day0)及び5日(day2)後にバッファー、ビヒクル(70μg)、ppp-RNA(7μg)またはLEM-S403(7μg)を投与した(各群当たり5匹)。6日(day3)にすべてのマウスを犠牲にして腫瘍を分離した後、追加の分析を行った。 図25は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン依存性または非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。Eは、腫瘍のphosphor-STAT1の免疫蛍光染色分析の結果である。 図26は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン依存性または非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。Fは、ヘマトキシリン(hematoxylin)及びエオシン(eosin)染色とTUNNEL染色による代表的な腫瘍組織切片の画像である。 図27は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。黒色腫マウスモデルにバッファー、ビヒクル、ppp-RNAまたはLEM-S403を2回、腫瘍内注射した後(day0及びday2)、3日目(day3)に分離した腫瘍細胞をAnnexin v-PI染色した。Aは、各実験群の腫瘍細胞をフローサイトメトリー分析した代表的な画像である。 図28は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。黒色腫マウスモデルにバッファー、ビヒクル、ppp-RNAまたはLEM-S403を2回、腫瘍内注射した後(day0及びday2)、3日目(day3)に分離した腫瘍細胞をAnnexin v-PI染色した。Bは、各実験群の腫瘍細胞において、生存、細胞死滅過程または死滅した細胞の割合である。 図29は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。黒色腫マウスモデルにバッファー、ビヒクル、ppp-RNAまたはLEM-S403を2回、腫瘍内注射した後(day0及びday2)、3日目(day3)に分離した腫瘍細胞をAnnexin v-PI染色した。Cは、ウェスタンブロット(Western-blot)で測定した腫瘍内Caspase(カスパーゼ)-3の切断を確認したものである。 図30は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。黒色腫マウスモデルにバッファー、ビヒクル、ppp-RNAまたはLEM-S403を2回、腫瘍内注射した後(day0及びday2)、3日目(day3)に分離した腫瘍細胞をAnnexin v-PI染色した。Dは、B16F10細胞を用いて、LEM-S403処理後、Noxaの遺伝子発現をRT-PCRで分析した結果である。細胞にバッファー、ppp-RNA、ビヒクル、LEM-S403またはリポフェクタミン(Lipofectamine)2000+ppp RNAを処理してから24時間後、mRNAの発現をRT-PCRで測定した。 図31は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)のインターフェロン非依存性腫瘍細胞死滅誘導の結果である。黒色腫マウスモデルにバッファー、ビヒクル、ppp-RNAまたはLEM-S403を2回、腫瘍内注射した後(day0及びday2)、3日目(day3)に分離した腫瘍細胞をAnnexin v-PI染色した。Eは、RT-PCRで測定したマウスス腫瘍でのNoxaの遺伝子発現を示す。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001 対他のグループ(vs other groups)(ANOVA)。 図32は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の腫瘍浸潤NK細胞とCD8+T細胞の数および活性増加を評価した結果である。マウスに黒色腫を接種した後、3日(day0)及び5日(day2)にバッファー、ビヒクル(70μg)、ppp-RNA(7μg)またはLEM-S403(7μg)を投与した(各群当たり5匹)。6日(day3)にすべてのマウスを犠牲にして腫瘍を分離した後、追加の分析を行った。Aは、NK細胞とCD69が発現したNK細胞の分布を、腫瘍浸潤リンパ球のフローサイトメトリー分析法により確認した結果である。 図33は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の腫瘍浸潤NK細胞とCD8+T細胞の数および活性増加を評価した結果である。マウスに黒色腫を接種した後、3日(day0)及び5日(day2)にバッファー、ビヒクル(70μg)、ppp-RNA(7μg)またはLEM-S403(7μg)を投与した(各群当たり5匹)。6日(day3)にすべてのマウスを犠牲にして腫瘍を分離した後、追加の分析を行った。Bは、NK1.1(緑)及びCD69(赤)発現細胞を示すB16F10腫瘍の代表的な免疫蛍光画像である。 図34は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の腫瘍浸潤NK細胞とCD8+T細胞の数および活性増加を評価した結果である。マウスに黒色腫を接種した後、3日(day0)及び5日(day2)にバッファー、ビヒクル(70μg)、ppp-RNA(7μg)またはLEM-S403(7μg)を投与した(各群当たり5匹)。6日(day3)にすべてのマウスを犠牲にして腫瘍を分離した後、追加の分析を行った。Cは、CD8+T細胞とCD69が発現したCD8+T細胞の分布を腫瘍浸潤リンパ球のフローサイトメトリー分析法により確認した結果である 図35は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の腫瘍浸潤NK細胞とCD8+T細胞の数および活性増加を評価した結果である。マウスに黒色腫を接種した後、3日(day0)及び5日(day2)にバッファー、ビヒクル(70μg)、ppp-RNA(7μg)またはLEM-S403(7μg)を投与した(各群当たり5匹)。6日(day3)にすべてのマウスを犠牲にして腫瘍を分離した後、追加の分析を行った。Dは、CD8a(緑)及びCD69(赤)発現細胞を示すB16F10腫瘍の代表的な免疫蛍光画像である。**p<0.01;***p<0.001 対 他のグループ(ANOVA)。 図36は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の単独または抗体との併用投与における抗腫瘍を評価した結果である。Aは、マウスの黒色腫(B16F10)モデルにおいて、LEM-S403の単独投与およびanti-PD-1との併用投与の実験計画の模式図である。C57B/6マウスに腫瘍を接種した後、腫瘍体積が約100mmとなる時点を0日とした。0、3、7及び10日にバッファー(1xPBS、50μL、腫瘍内投与)、ビヒクル(70μg、腫瘍内投与)、ppp-RNA(7μg、腫瘍内投与)、LEM-S403(7μg、腫瘍内投与)またはLEM-S403(7μg、腫瘍内投与)及びanti-PD-1抗体(10mg/kg、腹腔投与)を投与した。 図37は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の単独または抗体との併用投与における抗腫瘍を評価した結果である。Bは、2日及び3日間隔で測定された腫瘍体積の変化を示す。 図38は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の単独または抗体との併用投与における抗腫瘍を評価した結果である。Cは、観測されたすべてのグループの時間による生存率の変化を示す。**p<0.01;***p<0.001 vs バッファー、#p<0.05 vs LEM-S403 by log-rank Mantel-Cox test。 図39は、本発明の一実施形態に係るRNAを担持した多孔性シリカ粒子(LEM-S403)の単独または抗体との併用投与における抗腫瘍を評価した結果である。Dは、すべてのグループにおける各個体の腫瘍体積を示すグラフである。 図40は、粒子が細胞内に伝達される一実施形態の概略図である。 図41は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子とRNAの含量比を多様に調節したときの細胞(B16F10)内への円滑な流入有無を確認したものである。 図42は、本発明の一実施形態に係る多孔性シリカ粒子の概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、免疫活性改善用の薬学組成物に関するものである。
本発明の免疫活性改善用の薬学組成物は、下記化学式1で表される平滑末端のヘアピンRNAと、前記RNAを気孔内に担持した多孔性シリカ粒子と、を含む。
(式中、Pはリン酸基であり、
aは2~5の整数であり、bは1~5の整数であり、
UUCGは、ヘアピンのループを形成する塩基であり、
N1及びN2は、GまたはCから選択される2~4個の塩基であり、X1及びX2は、AまたはUから選択される1~5個の塩基であり、選択される複数の塩基は、互いに同一または異なり、
N3はN2と、X2はX1と、N4はN1と相補的に連結され、
b回繰り返される各塩基は、互いに同一または異なる塩基である。)
前記化学式1で表されるRNAは、2本のポリヌクレオチドが互いに相補的に結合され、中央のリンカー部分の塩基UUCGがループを形成する平滑末端(blunt ended)のヘアピン構造のRNAであり、平滑(blunt)5'-トリホスフェート(triphosphate)末端(ends)を持っているため、RIG-Iアゴニスト(agonist)として作用することができる。
本発明の組成物は、免疫活性、免疫応答刺激または促進効果を有する。この効果は担持されたRNAを体内に安定的に伝達し、ターゲットに放出して、RIG-Iシグナル伝達経路が活性化され、IFN-α、β、ビペリン(Viperin)などの因子の発現を促進することにより達成される効果であり得る。これにより免疫が活性化されることによって、感染性疾患、癌、その他の免疫関連疾患などに対して優れた薬効を示すことができる。
具体的には、「免疫応答」とは、抗原、または抗原もしくはアレルゲンもしくは薬物もしくは生物学的物質に対して特異的な抗体および/または免疫細胞媒介性応答の誘導を意味する。免疫応答の誘導は、攻撃された(challenged)有機体の免疫原性構成、抗原またはアレルゲンまたは薬物または生物学的物質の化学組成および立体配置、ならびに抗原またはアレルゲンまたは薬物または生物学的物質の投与の方法および期間を含む多くの要因に依存する。免疫応答は多くの面を有し、そのうちのいくつかは免疫システムの細胞(例えば、Bリンパ球、Tリンパ球、マクロファージ、および形質細胞)によって示される。免疫システム細胞は、抗原またはアレルゲンまたは免疫系の他の細胞との相互作用、サイトカインの放出およびそれらのサイトカインに対する反応性を介して免疫応答に関与し得る。免疫応答は、一般に、体液性および細胞介在性の2つの主要なカテゴリーに分けられる。免疫応答の体液性成分は、抗原またはアレルゲンまたは薬物または生物学的物質に特異的な抗体の産生を含む。細胞媒介成分は、抗原またはアレルゲンに対する遅延型過敏症および細胞傷害性エフェクタ細胞の生成を含む。
免疫システムの活性化または刺激は、リンパ球、マクロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)および細胞傷害性Tリンパ球(CTL)などの免疫エフェクタ細胞の活性化によって媒介され得る。それは樹状細胞などの抗原提示細胞の活性化および成熟によって媒介され得る。それは、免疫チェックポイント阻害剤を阻害することなどの、阻害経路の遮断によって媒介され得る。
前記感染性疾患は、病原性抗原の感染により誘発される疾患である。病原性抗原は、例えばバクテリア、ウイルスなどであり、具体的には、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、アナプラズマ属(Anaplasma genus)、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、ブラジル鉤虫(Ancylostoma braziliense)、ズビニ鉤虫(Ancylostoma duodenale)、溶血性アルカノバクテリア菌(Arcanobacterium haemolyticum)、回虫(Ascaris lumbricoides)、アスペルギルス属(Aspergillus genus)、アストロビリダエ(Astroviridae)、バベシア属(Babesia genus)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、セレウス菌(Bacillus cereus)、バルトネラ・ヘンセレ(Bartonella henselae)、BKウイルス、ブラストシスチス・ホミニス(Blastocystis hominis)、ブラストマイセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、ボレリア属(Borrelia genus)、ボレリア種(Borrelia spp)、ブルセラ属(Brucella genus)、マレー糸状虫(Brugia malayi)、ブニヤウイルス科(Bunyaviridaeファミリー)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)及び他のバークホルデリア種、バークホルデリア・マレイ(Burkholderia mallei)、バークホルデリア・シュードマレイ、カリシビリダエ科(Caliciviridaeファミリー)、カンピロバクター属(Campylobacter genus)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ種(Candida spp)、クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)、クラミドフィラ・ニューモニアエ(Chlamydophila pneumoniae)、クラミドフィラ・シッタシ(Chlamydophila psittaci)、CJDプリオン、肝吸虫(Clonorchis sinensis)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・パーフリンジェンス、クロストリジウム種(Clostridium spp)、クロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)、コクシジオイデス種(Coccidioides spp)、コロナウイルス(coronaviruses)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)、コクシエラ・バーネティ(Coxiella burnetii)、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス(Crimean-Congo hemorrhagic fever virus)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium genus)、サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus、CMV)、デングウイルス(Dengue viruses)(DEN-1、DEN-2、DEN-3およびDEN-4)、二核アメーバ(Dientamoeba fragilis)、エボラウイルス(Ebolavirus、EBOV)、エキノコックス属(Echinococcus genus)、エーリキア・シャフェンシス(Ehrlichia chaffeensis)、エーリキア・エウィンギイ(Ehrlichia ewingii)、エーリキア属(Ehrlichia genus)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、腸球菌属(Enterococcus genus)、エンテロウイルス属(Enterovirus genus)、エンテロウイルス(Enteroviruses)、主にコクサッキーAウイルス(Coxsackie A virus)及びエンテロウイルス71(EV71)、エピデルモフィトン種(Epidermophyton spp)、エプスタイン-バーウイルス(Epstein-Barr Virus、EBV)、大腸菌(Escherichia coli)O157:H7、Ol11及びO104:H4、肝蛭(Fasciola hepatica)及び巨大肝蛭(Fasciola gigantica)、FFIプリオン、フィラリア上科(Filarioidea superファミリリー)、フラビウイルス(Flaviviruses)、野兎病菌(Francisella tularensis)、フゾバクテリウム属(Fusobacterium genus)、ゲオトリクム・カンジドゥム(Geotrichum candidum)、ジアルジア鞭毛虫(Giardia intestinalis)、顎口虫属の種(Gnathostoma spp)、GSSプリオン、グアナリトウイルス(Guanarito virus)、ヘモフィルス・デュクレー(Haemophilus ducreyi)、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenza)、 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、ヘニパウイルス(Henipavirus)(Hendra virus Nipah virus)、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス1及び2(HSV-1およびHSV-2)、ヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、HIV(ヒト免疫不全ウイルス、Human immunodeficiency virus)、ホルタエ・ウェルネッキー(Hortaea werneckii)、ヒトボカウイルス(Human bocavirus)(HBoV)、ヒトヘルペスウイルス6(Human herpesvirus 6、HHV-6)及びヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)、ヒトメタニューモウイルス(Human metapneumovirus、hMPV)、ヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus、HPV)、ヒトパラインフルエンザウイルス(Human parainfluenza viruses、HPIV)、日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis virus)、JCウイルス、フニン(Junin)ウイルス、キンゲラ・キンガエ(Kingella kingae)、クレブシエラ・グラヌロマチス(Klebsiella granulomatis)、クーループリオン(Kuru prion)、ラッサウイルス(Lassa virus)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、リーシュマニア属(Leishmania genus)、レプトスピラ属(Leptospira genus)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(Lymphocytic choriomeningitis virus)(LCMV)、マチュポウイルス(Machupo virus)、マラセジア種(Malassezia spp)、マールブルグウイルス(Marburg virus)、麻疹ウイルス(Measles virus)、メタゴニムス・ヨカガワイ(Metagonimus yokagawai)、ミクロスポリジア・フィルム(Microsporidia phylum)、伝染性軟属腫ウイルス(Molluscum contagiosum virus)(MCV)、耳下腺炎ウイルス(Mumps virus)、らい菌(Mycobacterium leprae)及びマイコバクテリウム・レプロマトシス(Mycobacterium lepromatosis)、マイコバクテリウム・ツーベルクロシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobacterium ulcerans)、肺炎マイコプラスマ(Mycoplasma pneumoniae)、フォーラーネグレリア(Naegleria fowleri)、アメリカ鉤虫(Necator americanus)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、ノカルジア・アステロイデス(Nocardia asteroids)、ノカルジア種(Nocardia spp)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)、オリエンティア・ツツガムシ(Orientia tsutsugamushi)、オルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridaeファミリー、インフルエンザ)、ブラジルパラコクシジオイデス(Paracoccidioides brasiliensis)、肺吸虫種(Paragonimus spp)、ヴェステルマン肺吸虫(Paragonimus westermani)、パルボウイルス(Parvovirus)B19、パスツレラ属(Pasteurella genus)、プラスモディウム属(Plasmodium genus)、ニューモシスチス・イロベチイ(Pneumocystis jirovecii)、ポリオウイルス(Poliovirus)、狂犬病ウイルス(Rabies virus)、呼吸器合胞体ウイルス(Respiratory syncytial virus、RSV)、ライノウイルス(Rhinovirus)、ライノウイルス、リケッチア・アカリ(rickettsia akari)、リケッチア属(rickettsia genus)、発疹チフスリケッチア(rickettsia prowazekii)、ロッキー山紅斑熱リケッチア(rickettsia rickettsia)、発疹熱リケッチア(rickettsia typhi)、リフトバレー熱ウイルス(Rift Valley fever virus)、ロタウイルス(Rotavirus)、風疹ウイルス(Rubella virus)、サビアウイルス(Sabia virus)、サルモネラ属(Salmonella genus)、穿孔疥癬虫(Sarcoptes scabiei)、SARSコロナウイルス、住血吸虫属(Schistosoma genus)、シゲラ属(Shigella genus)、シンノンブレウイルス(Sin Nombre virus)、ハンタウイルス(Hantavirus)、スポロトリクス・シェンキィ(Sporothrix schenckii)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus genus)、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)、化膿性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)、糞線虫(Strongyloides stercoralis)、テニア属(Taenia genus)、有鉤条虫(Taenia solium)、ダニ媒介性脳炎ウイルス(Tick-borne encephalitis virus、TBEV)、イヌ回虫(Toxocara canis)又はネコ回虫(Toxocara cati)、トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)、トレポネーマ・パリーダム(Treponema pallidum)、旋毛虫(Trichinella spiralis)、膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)、白癬菌種(Trichophyton spp)、鞭虫(Trichuris trichiura)、トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)、トリパノソーマ・クルーズ(Trypanosoma cruzi)、ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)、水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella zoster virus)(VZV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、大痘瘡(Variola major)又は小痘瘡(Variola minor)、vCJDプリオン、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(Venezuelan equine encephalitis virus)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholera)、ウエストナイルウイルス(West Nile virus)、西部ウマ脳炎ウイルス(Westerne quine encephalitis virus)、バンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)、黄熱病ウイルス(Yellow fever virus)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、エルシニア・ペスチス(Yersinia pestis)、及びエルシニア・シュードツベルクローシス(Yersinia pseudotuberculosis)病原体から誘導された抗原から選択される感染性疾患に関連する病原体から誘導されたペプチドまたはタンパク質抗原である。
前記免疫関連疾患は、例えば敗血症、褥瘡、足部潰瘍、糖尿病、糖尿病性神経障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知症などであるが、これらに限定されるものではない。
前記RNAは、例えばその長さが14~100ntであってもよい。前記範囲内で、例えば14~100nt、14~90nt、14~80nt、14~70nt、14~60nt、20~80nt、20nt~60nt、20~50nt、20~40nt、20~35nt、25~50nt、25~45nt、25~35ntなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。長さが前記範囲内であると、優れた免疫活性能、そして後述する抗がん活性を示すことができ、適正の電荷を持って粒子に担持されたとき、粒子が適正の電荷を示すことができる。
具体的には、前記RNAは、下記化学式2で表すことができる。より具体的には、配列番号1~25からなる群より選択される配列及びその5’末端に結合された2~4個のリン酸基を含むことができる。さらに具体的には、配列番号1~25からなる群より選択される配列及びその5’末端に結合された2~4個のリン酸基からなるものであってもよい。特に具体的には、配列番号1の配列及びその5’末端に結合された3個のリン酸基からなるものであってもよい。
(式中、Pはリン酸基であり、
a及びbは2~4の整数であり、
N1及びN2は、GまたはCから選択される2~4個の塩基であり、X1及びX2は、AまたはUから選択される2~4個の塩基であり、選択される複数の塩基は、互いに同一または異なり、
N3はN2と、X2はX1と、N4はN1と相補的に連結され、
b回繰り返される各塩基は、互いに同一または異なる塩基である。)
多孔性シリカ粒子は、前記RNAを気孔内に担持したものである。
本発明による多孔性シリカ粒子は、シリカ(SiO)素材の粒子であり、ナノサイズの粒径を有する。
本発明の多孔性シリカナノ粒子は、多孔性粒子であり、ナノサイズの気孔を有し、その表面(外部表面)及び/又は気孔内部にRNAを担持することができる。
多孔性シリカ粒子は、平均気孔直径が7~25nmであり、その気孔内部が陽電荷に帯電されたものであってもよい。
平均気孔直径は、前記範囲内で、例えば7~25nm、前記範囲内で、例えば7~25nm、7~23nm、10~25nm、13~25nm、7~20nm、7~18nm、10~20nm、10~18nmなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記RNAは、5’末端にリン酸基を有するものであり、これに該当するpppRNAは通常、リポソームなどの伝達体に担持して使用するが、その伝達効率が非常に低いことが知られている。これに対して、本発明に係る多孔性シリカ粒子は、前記平均気孔直径を有し、その気孔内部が陽電荷に帯電されることにより、その気孔内部に前記RNAを十分に担持して伝達することができる。
多孔性シリカ粒子は、気孔内部が陽電荷に帯電されたものであり、例えばゼータ電位は10~70mVであってもよい。前記範囲内で、例えば10~70mV、10~60mV、10~50mV、10~40mV、10~30mV、20~70mV、20~60mV、20~50mV、30~60mV、15~35mVなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記RNAは陰電荷を有するものであり、それを容易に担持できる粒子は、陽電荷に帯電されたものでなければならないが、そのような電荷を帯びる粒子がターゲット細胞内に吸収されるとき(例えば、図40に例示するエンドサイトーシス(Endocytosis)などの過程によって)、細胞内に入った粒子は、エンドソーム内の低いpHによって強い陽電荷を帯びることになる。これはエンドソームの膜を横切る水の拡散による浸透圧を誘発し、液胞(vacuole、空胞)の形成につながることがある。また、粒子の陽電荷が強い場合には、細胞膜が粒子を包むとき、より大きく開くようになって粒子以外の細胞外液(extracellular fluid)、又はそれに含まれているいくつかのタンパク質などの異物がターゲット細胞内に共に流入することがある。その場合には、異物の流入による予期せぬ効果が発生したり、異物が流入されない場合に比べて、粒子が相対的に少なく流入され、粒子の十分な伝達による薬効の発現が困難になることがある。これに対して、本発明は、RNAを担持した粒子の電荷を最適化することにより、この問題を回避することができる。
多孔性シリカ粒子は、RNAを担持した状態での電荷が、例えば5~65mVであってもよい。前記範囲内で、例えば5~65mV、5~60mV、5~55mV、5~50mV、5~45mV、5~40mV、5~35mV、5~30mV、10~60mV、10~55mV、10~50mV、10~45mV、10~40mV、10~35mV、10~30mV、20~50mV、20~45mV、20~40mV、20~35mV 、20~30mV、25~40mV、25~35mVなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。上限は、具体的には40mV、より具体的には35mV、さらに具体的には30mVであってもよく、下限は10mV、より具体的には15mV、さらに具体的には20mVであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記RNAを担持した状態での粒子の電荷は、例えばRNAを担持していない粒子の電荷(例えば、表面改質の程度によって調節)、RNAの粒子への担持率などで調整できるが、これらに限定されるものではない。
RNAの粒子への担持率は、例えば多孔性シリカ粒子とRNAの重量比が1:5~20であってもよい。含有量比が前記範囲内であると、RNAが十分に担持され、且つRNAが担持されていない空の多孔性シリカ粒子が発生することを防止することができる。これにより、強い陽電荷を持つ粒子が細胞に伝達されることを防止することができる。前記範囲内で、例えば1:5~20、1:5~18、1:7~20、1:7~18、1:7~15、1:8~12、1:9~11などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
具体的には、本発明の組成物を個体に投与するために、RNAを担持した多孔性シリカ粒子は、分散媒に分散されているものであってもよく、これは多孔性シリカ粒子とRNAを分散媒に入れて撹拌して得られたものであってもよい。これに関し、RNAに対して粒子の量が多すぎると、RNAを十分に担持していない空の粒子が発生することがある。また、RNAに対して粒子の量が少なすぎると、粒子に担持されない残りのRNAが発生することがある。
本発明の一実施形態では、前述した細胞内流入時の液胞の形成、異物の流入などの問題を防止する観点から、多孔性シリカ粒子は、下記仕様を有するものであってもよい。例えば、気孔サイズは7~25nm、具体的には7~20nm、より具体的には7~15nmであってもよい。粒径は50~500nm、具体的には200~500nm、より具体的には250~350nmであってもよい。表面積は280~680m/g、具体的には280~480m/gであってもよい。ゼータ電位は、RNA担持前の状態で40mV超え、具体的には40mV~70mVであってもよい。粒子は、RNAを重量比が1:5~20、具体的には1:5~15となるように担持することができる。RNAを担持後の粒子のゼータ電位は、上限が40mV、具体的には35mV、より具体的には30mVであってもよく、下限は5mVであってもよい。
多孔性シリカ粒子は、図42に例示するように、複数の気孔を有し、前記気孔は、粒子の表面から内部までつながっていてもよい。このため、RNAを気孔内部に十分に担持することができる。
本発明の多孔性シリカ粒子は、生分解性粒子であり、RNAを担持して体内に投与した場合、体内で生分解されてRNAを放出することができる。つまり、本発明の多孔性シリカ粒子は、体内で徐々に分解され、担持されたRNAを徐放的に放出させることができる。例えば、下記数式1の吸光度の比が1/2となるtは24以上である。
[数式1]
/A
(式中、Aは、前記多孔性シリカ粒子1mg/mlの懸濁液5mlを直径50kDaの気孔を有する円筒状の透過膜に入れて測定した多孔性シリカ粒子の吸光度であり、
前記透過膜の外部には、前記透過膜と接し、前記懸濁液と同じ溶媒15mlが位置し、前記透過膜の内外部は、37℃で60rpmで水平攪拌され、
前記懸濁液のpHは、7.4であり、
は、前記Aの測定時からt時間経過後に測定した多孔性シリカ粒子の吸光度である。)
前記数式1は、多孔性シリカ粒子が体内と同様の環境でどの程度の速度で分解されるかを意味するものである。
前記数式1における吸光度A、Aは、例えば図34に示されているように、円筒状の透過膜に多孔性シリカ粒子および懸濁液を入れ、透過膜の外部にも同じ懸濁液を入れて測定したものであり得る。
本発明の多孔性シリカ粒子は、生分解性であり、懸濁液中で徐々に分解され得る。直径50kDaは約5nmに相当するものであり、生分解された多孔性シリカ粒子は、直径50kDaの透過膜を通過することができる。円筒状の透過膜は、60rpmの水平攪拌下にあるので、懸濁液を均一に混合することができ、分解された多孔性シリカ粒子は、透過膜の外部に放出され得る。
前記数式1での吸光度は、例えば、透過膜の外部の懸濁液が新しい懸濁液に入れ替わる環境下で測定したものであり得る。懸濁液は、持続的に入れ替わるものであってもよく、一定期間ごとに入れ替わるものであってもよい。前記一定期間は、定期的または不定期的な期間であってもよい。例えば、1時間~1週間の範囲内で、1時間おき、2時間おき、3時間おき、6時間おき、12時間おき、24時間おき、2日おき、3日おき、4日おき、7日おき等に入れ替えることができるが、これらに限定されるものではない。
前記「吸光度の比が1/2となる」ということは、t時間後の吸光度が初期吸光度の半分になるということであり、これは多孔性シリカ粒子の約半分が分解されたことを意味する。
前記懸濁液は緩衝溶液であってもよく、具体例としては、PBS(リン酸緩衝食塩水)およびSBF(疑似体液)からなる群より選択される1種以上であってもよく、より具体的にはPBSであってもよい。
本発明の前記数式1の吸光度の比が1/2となるtは24以上であり、例えばtは24~120であってもよく、例えば、前記範囲内で24~96、24~72、30~70、40~70、50~65などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の多孔性シリカ粒子は、前記数式1の吸光度の比が1/5となるtが、例えば70~140であってもよく、例えば、前記範囲内で80~140、80~120、80~110、70~140、70~120、70~110などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の多孔性シリカ粒子は、前記数式1の吸光度の比が1/20となるtが、例えば130~220であってもよく、例えば、前記範囲内で130~200、140~200、140~180、150~180などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の多孔性シリカ粒子は、測定される吸光度が0.01以下となるtが、例えば、250以上、300以上、350以上、400以上、500以上、1,000以上などであってもよく、その上限は2,000であってもよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の多孔性シリカ粒子における前記数式1の吸光度の比とtは、高い量の相関関係を有するものであり、例えば、ピアソン相関係数が0.8以上であってもよく、例えば0.9以上、0.95以上であってもよい。
前記数式1のtは、多孔性シリカ粒子が体内と同様の環境でどの程度の速度で分解されるかを意味するものである。これは、例えば多孔性シリカ粒子の表面積、粒径、気孔直径、表面及び/又は気孔内部の置換基、表面の緻密さの程度などを調節することによって調節できる。
例えば、粒子の表面積を増加させてtを減少させるか、表面積を減少させてtを増加させることができる。表面積は、粒子の直径、気孔の直径を調節することによって調節できる。また、表面及び/又は気孔内部に置換基を位置させ、多孔性シリカ粒子が環境(溶媒など)に直接露出することを減らしてtを増加させることができる。また、多孔性シリカ粒子にRNAを担持させ、RNAと多孔性シリカ粒子間の親和度を増加させ、多孔性シリカ粒子が環境に直接露出することを減らしてtを増加させることができる。また、粒子の製造時に表面をより緻密に製造してtを増加させることもできる。前記に数式1のtを調節できる様々な例を示したが、それらに限定されるものではない。
本発明の多孔性シリカ粒子は、例えば球状粒子であってもよいが、これに限定されるものではない。
多孔性シリカ粒子の粒径は、例えば50~500nmであってもよい。前記範囲内で、例えば50~500nm、50~400nm、50~300nm、100~450nm、100~400nm、100~350nm、100~300nm、150~400nm、150~350nm、200~400nm、200~350nm、250~400nm、180~300nm、150~250nmなどであってもよいが、これらに制限されるものではない。
多孔性シリカ粒子のBET表面積は、例えば280~680m/gであってもよい。例えば、前記範囲内で280m/g~680m/g、280m/g~600m/g、280m/g~500m/g、280m/g~400m/g、300m/g~650m/g、300m/g~600m/g、300m/g~550m/g、300m/g~500m/g、300m/g~450m/g、350m/g~450m/gなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の多孔性シリカナノ粒子は、気孔のg当たりの体積が例えば0.7ml~2.2mlであってもよい。例えば、前記範囲内で0.7ml~2.0ml、0.8ml~2.2ml、0.8ml~2.0ml、0.9ml~2.0ml、1.0ml~2.0mlなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。g当たりの体積が小さすぎると、分解速度が速くなりすぎることがあり、大きすぎると、製造が困難であるか、完全な形状を有しないことがある。
多孔性シリカ粒子は、平均気孔直径5nm未満の小気孔粒子の気孔が平均直径7~25nmに拡張されたものであってもよい。このように気孔直径が大きくなって大きなRNAを気孔内部に担持することができ、気孔直径に比べて粒径自体は大きくないため、細胞内への伝達及び吸収が容易である。
本発明の多孔性シリカ粒子は、外部表面及び/又は気孔内部が陽電荷に帯電されたものであってもよい。例えば、表面及び気孔内部の両方が陽電荷に帯電されてもよく、表面または気孔内部のみが陽電荷に帯電されてもよい。前記帯電は、例えば、陽イオン性置換基が存在することによって行われたものであり得る。
前記陽イオン性置換基は、例えば、塩基性基としてアミノ基、その他の窒素含有基などであってもよく、前記陰イオン性置換基は、例えば、酸性基としてカルボキシ基(-COOH)、スルホン酸基(-SOH)、チオール基(-SH)などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記帯電によって前記置換基の調節によりRNAの放出環境に対する多孔性シリカ粒子の相互作用を調節し、ナノ粒子自体の分解速度を調節して、RNAの放出速度を調節することができる。また、RNAは、ナノ粒子から拡散されて放出させることもできるが、前記置換基の調節によりRNAのナノ粒子への結合力を調節し、RNAの放出を調節することができる。
また、本発明の多孔性シリカ粒子は、その表面及び/又は気孔内部に前記の他にRNAの担持、RNAの標的細胞への移動、その他の目的のための物質の担持、又はその他の追加置換基の結合などのための置換基が存在してもよく、それに結合された抗体、リガンド、細胞透過性のペプチドまたはアプタマーなどをさらに含んでいてもよい。
前述した表面及び/又は気孔内部の置換基、電荷、結合物質などは、例えば、表面改質によって付加することができる。
表面改質は、例えば、導入しようとする置換基を有する化合物を粒子と反応させて行うことができ、前記化合物は、例えば、C1~C10のアルコキシ基を有するアルコキシシランであってもよいが、これに限定されるものではない。前記アルコキシシランは、前記アルコキシ基を1つ以上有するものであり、例えば1~3つを有することができ、アルコキシ基の結合していない部位に導入しようとする置換基があるか、又はそれで置換された置換基があってもよい。
本発明の多孔性シリカ粒子は、例えば、小気孔の粒子の製造および気孔拡張工程を経て製造したものであってもよく、必要に応じて、か焼(calcination)工程、表面改質工程などをさらに経て製造したものであってもよい。か焼及び表面改質工程をすべて経た場合は、か焼後に表面改質されたものであってもよい。
前記小気孔の粒子は、例えば、平均気孔直径が1nm~5nmの粒子であってもよい。
前記小気孔の粒子は、溶媒に界面活性剤とシリカ前駆物質を入れて攪拌及び均質化して得ることができる。
前記溶媒は、水及び/又は有機溶媒であってもよい。有機溶媒としては、例えば、1,4-ジオキサンなどのエーテル類(特に環状エーテル類);クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、1,2-ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトン、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの炭素系芳香族類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどのアルキルアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類(セロソルブ);その他ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリドン(NMP)、N-エチルピロリドン(NEP)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホアミド、テトラメチル尿素、N-メチルカプロラクタム、テトラヒドロフラン、m-ジオキサン、P-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなどを使用でき、具体的にはアルコール、より具体的にはメタノールを使用できるが、これらに限定されるものではない。
前記溶媒において、水と有機溶媒の混合溶媒の使用時の割合は、例えば、水と有機溶媒を1:0.7~1.5の体積比、例えば1:0.8~1.3の体積比で使用できるが、これらに限定されるものではない。
前記界面活性剤は、例えば、CTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)、TMABr(臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)、TMPrCl(塩化ヘキサデシルトリメチルピリジニウム)、TMACl(塩化テトラメチルアンモニウム)などであってもよく、具体的にはCTABを使用することができる。
前記界面活性剤は、例えば、溶媒1リットル当たりに1g~10g、例えば、前記範囲内で1g~8g、2g~8g、3g~8gなどの量で添加できるが、これらに限定されるものではない。
前記シリカ前駆物質は、溶媒に界面活性剤を添加して攪拌した後に添加することができる。シリカ前駆物質は、例えば、TMOS(テトラメチルオルソシリケート)であってもよいが、これに限定されるものではない。
前記攪拌は、例えば10分~30分間行うことができるが、これに限定されるものではない。
前記シリカ前駆物質は、例えば溶媒1リットル当たりに0.5ml~5ml、例えば、前記範囲内で0.5ml~4ml、0.5ml~3ml、0.5ml~2ml、1ml~2mlなどの量で添加できるが、これらに限定されるものではない。
必要に応じて、触媒として水酸化ナトリウムをさらに使用することができるが、これは溶媒に界面活性剤を添加した後、シリカ前駆物質の添加前に撹拌しながら添加することができる。
前記水酸化ナトリウムは、例えば、1M水酸化ナトリウム水溶液を基準で溶媒1リットル当たりに0.5ml~8ml、例えば、前記範囲内で0.5ml~5ml、0.5ml~4ml、1ml~4ml、1ml~3ml、2ml~3mlなどであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記シリカ前駆物質の添加後に溶液を攪拌して反応させることができる。攪拌は、例えば2時間~15時間行うことができ、例えば、前記範囲内で3時間~15時間、4時間~15時間、4時間~13時間、5時間~12時間、6時間~12時間、6時間~10時間などであってもよいが、これらに限定されるものではない。攪拌時間(反応時間)が短すぎると、結晶核生成(nucleation)が不足することがある。
前記攪拌の後には、溶液を熟成(aging)させることができる。熟成は、例えば、8時間~24時間行うことができ、例えば、前記範囲内で8時間~20時間、8時間~18時間、8時間~16時間、8時間~14時間、10時間~16時間、10時間~14時間などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
その後、反応産物を洗浄及び乾燥して多孔性シリカ粒子を得ることができる。必要に応じて、洗浄の前に未反応物質の分離を先行することができる。
前記未反応物質の分離は、例えば、遠心分離で上澄み液を分離して行うことができる。遠心分離は、例えば6,000~10,000rpmで行うことができる。その時間は、例えば3分~60分、例えば、前記範囲内で3分~30分、3分~30分、5分~30分などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記洗浄は、水及び/又は有機溶媒で行うことができ、具体的には、溶媒ごとに溶解できる物質が異なるので、水と有機溶媒を1回または数回交互に使用してもよく、水または有機溶媒単独で1回または数回洗浄してもよい。前記数回は、例えば2回以上10回以下、例えば、3回以上10回以下、4回以上8回以下、4回以上6回以下などであってもよい。
前記有機溶媒としては、例えば、1,4-ジオキサンなどのエーテル類(特に環状エーテル類);クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、1,2-ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトン、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの炭素系芳香族類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどのアルキルアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類(セロソルブ);その他ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリドン(NMP)、N-エチルピロリドン(NEP)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホアミド、テトラメチル尿素、N-メチルカプロラクタム、テトラヒドロフラン、m-ジオキサン、P-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなどを使用でき、具体的にはアルコール、より具体的にはエタノールを使用できるが、これらに限定されるものではない。
前記洗浄は遠心分離下で行うことができ、例えば6,000~10,000rpmで行うことができる。その時間は、例えば3分~60分、例えば、前記範囲内で3分~30分、3分~30分、5分~30分などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記洗浄は、遠心分離をせずに、フィルタで粒子をろ過して行うこともできる。フィルタは、多孔性シリカ粒子の直径以下の気孔を有するものであってもよい。反応液を、そのようなフィルタでろ過すると、粒子だけがフィルタの上に残り、そのフィルタの上に水及び/又は有機溶媒を注ぎ、洗浄することができる。
前記洗浄時には、水と有機溶媒を1回または数回交互に使用してもよく、水または有機溶媒単独で1回または数回洗浄してもよい。前記数回は、例えば、2回以上10回以下、例えば、3回以上10回以下、4回以上8回以下、4回以上6回以下などであってもよい。
先に例示した方法により製造される粒子は、その表面及び気孔内部に、反応に用いられた残留有機物質(界面活性剤など)が残っていることがあるので、それを除去するために洗浄が行われるものであり得る。通常、この有機物質の除去のために、酸処理(または酸性の有機溶媒処理)を行うことができるが、本発明は、この酸処理を行わないため、洗浄後も気孔内部に残留有機物質が残っているものであり得る。
前記乾燥は、例えば20℃~100℃で行うことができるが、これらに限定されず、真空状態で行うこともできる。
その後、前記で得られた多孔性シリカ粒子の気孔を拡張する。気孔の拡張は、気孔膨張剤を用いて行うことができる。
前記気孔膨張剤としては、例えば、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン、トリプロピルベンゼン、トリブチルベンゼン、トリペンチルベンゼン、トリヘキシルベンゼン、トルエン、ベンゼンなどを使用でき、具体的にはトリメチルベンゼンを使用できるが、これらに限定されるものではない。
また、前記気孔膨張剤としては、例えばN,N-ジメチルヘキサデシルアミン(N,N-dimethylhexadecylamine、DMHA)を使用できるが、これに限定されるものではない。
前記気孔の拡張は、例えば、溶媒中の多孔性シリカ粒子を気孔膨張剤と混合し、加熱して反応させて行うことができる。
前記溶媒は、例えば、水及び/又は有機溶媒であってもよい。有機溶媒としては、例えば1,4-ジオキサンなどのエーテル類(特に環状エーテル類);クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、1,2-ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭素系芳香族類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどのアルキルアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;などを使用でき、具体的にはアルコール、より具体的にはエタノールを使用できるが、これらに限定されるものではない。
前記多孔性シリカ粒子は、例えば、溶媒1リットル当たりに10g~200g、例えば、前記範囲内で10g~150g、10g~100g、30g~100g、40g~100g、50g~100g、50g~80g、60g~80gなどの割合で添加できるが、これらに限定されるものではない。
前記多孔性シリカ粒子は、溶媒中に均一に分散されているものであってもよく、例えば、溶媒に多孔性シリカ粒子を添加して超音波分散したものであってもよい。混合溶媒を使用する場合には、第1の溶媒に多孔性シリカ粒子を分散した後、第2の溶媒を添加したものであってもよい。
前記気孔膨張剤は、例えば、溶媒100体積部に対して10~200体積部、前記範囲内で10~150体積部、10~100体積部、10~80体積部、30~80体積部、30~70体積部などの割合で添加できるが、これらに限定されるものではない。
前記反応は、例えば120℃~190℃で行うことができる。例えば、前記範囲内で120℃~190℃、120℃~180℃、120℃~170℃、130℃~170℃、130℃~160℃、130℃~150℃、130℃~140℃などで行うことができるが、これらに限定されるものではない。
前記反応は、例えば6時間~96時間行うことができる。例えば、前記範囲内で30時間~96時間、30時間~96時間、30時間~80時間、30時間~72時間、24時間~80時間、24時間~72時間、36時間~96時間、36時間~80時間、36時間~72時間、36時間~66時間、36時間~60時間、48時間~96時間、48時間~88時間、48時間~80時間、48時間~72時間、6時間~96時間、7時間~96時間、8時間~80時間、9時間~72時間、9時間~80時間、6時間~72時間、9時間~96時間、10時間~80時間、10時間~72時間、12時間~66時間、13時間~60時間、14時間~96時間、15時間~88時間、16時間~80時間、17時間~72時間などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記例示した範囲内で時間および温度を調節して、反応が過剰せずに十分に行われるようにすることができる。例えば、反応温度が低くなると反応時間を増やしたり、反応温度が高くなると反応時間を短くしたりすることができる。反応が十分でないと、気孔の拡張が十分でないことがあり、反応が進行しすぎると、気孔の過剰拡張により粒子が崩壊することがある。
前記反応は、例えば、段階的に昇温して行うことができる。具体的には、常温から前記温度まで0.5℃/分~15℃/分の速度で段階的に昇温して行うことができ、例えば、前記範囲内で1℃/分~15℃/分、3℃/分~15℃/分、3℃/分~12℃/分、3℃/分~10℃/分などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記反応は、攪拌下で行うことができる。例えば100rpm以上の速度で攪拌することができ、具体的には100rpm~1,000rpmの速度で行うことができるが、これらに限定されるものではない。
前記反応後は、反応液を徐々に冷却することができ、例えば、段階的に減温して冷却することができる。具体的には、前記温度から常温まで0.5℃/分~20℃/分の速度で段階的に減温して行うことができ、例えば、前記範囲内で1℃/分~20℃/分、3℃/分~20℃/分、3℃/分~12℃/分、3℃/分~10℃/分などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
粒子の製造後に酸処理で洗浄していない場合には、気孔内部の残留物質が前記気孔の拡張にも関与して、より十分に均一に気孔を拡張することができる。
前記冷却後に反応産物を洗浄および乾燥し、気孔が拡張された多孔性シリカ粒子を得ることができる。必要に応じて、洗浄の前に未反応物質の分離を先行することができる。
前記未反応物質の分離は、例えば、遠心分離で上澄み液を分離して行うことができる。遠心分離は、例えば6,000~10,000rpmで行うことができる。その時間は、例えば3分~60分、例えば、前記範囲内で3分~30分、3分~30分、5分~30分などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記洗浄は、水及び/又は有機溶媒で行うことができる。具体的には、溶媒ごとに溶解できる物質が異なるので、水と有機溶媒を1回または数回交互に使用してもよく、水または有機溶媒単独で1回または数回洗浄してもよい。前記数回は、例えば2回以上、10回以下、例えば、3回、4回、5回、6回、7回、8回などであってもよい。
前記有機溶媒としては、例えば、1,4-ジオキサンなどのエーテル類(特に環状エーテル類);クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、1,2-ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭素系芳香族類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどのアルキルアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;などを使用することができ、具体的にはアルコール、より具体的にはエタノールを使用できるが、これらに限定されるものではない。
前記洗浄は遠心分離下で行うことができ、例えば6,000~10,000rpmで行うことができる。その時間は、例えば3分~60分、例えば、前記範囲内で3分~30分、3分~30分、5分~30分などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記洗浄は遠心分離をせずに、フィルタで粒子をろ過して行うこともできる。フィルタは、多孔性シリカ粒子の直径以下の気孔を有するものであってもよい。反応液を、そのようなフィルタでろ過すると、粒子だけがフィルタの上に残り、そのフィルタの上に水及び/又は有機溶媒を注ぎ、洗浄することができる。
前記洗浄時には、水と有機溶媒を1回または数回交互に使用してもよく、水または有機溶媒単独で1回または数回洗浄してもよい。前記数回は、例えば2回以上10回以下、例えば、3回以上10回以下、4回以上8回以下、4回以上6回以下などであってもよい。
粒子の製造後に酸処理で洗浄していない場合には、気孔拡張後も気孔内部の残留物質が残っていることがあり、気孔拡張後の洗浄時にも酸処理を行うことができるが、本発明は、酸処理を行うことなく、後述するか焼によって残留物質を除去することができる。
前記乾燥は、例えば20℃~100℃で行うことができるが、これに限定されるものではなく、真空状態で行うこともできる。
その後、得られた粒子は、か焼することができる。か焼は、粒子を加熱してその表面および内部のシラノール基を除去して粒子の反応性を下げ、より緻密な構造にし、気孔を満たす有機物を除去する工程であり、例えば400℃以上の温度に加熱して行うことができる。その上限は特に限定されず、例えば1,000℃、900℃、800℃、700℃等であってもよい。加熱は、例えば3時間以上、4時間以上などを行うことができる。その上限は特に限定されず、例えば24時間、12時間、10時間、8時間、6時間、5時間などであってもよい。具体的には、400℃~700℃で3時間~8時間、より具体的には500℃~600℃で4時間~5時間行うことができるが、これらに限定されるものではない。
気孔を満たす有機物を除去することにより、残存有機物によって示される細胞毒性、泡の発生などの問題を防止することができる。
その後、得られた多孔性シリカ粒子は、表面改質することができる。表面改質は、表面及び/又は気孔内部に行うことができる。粒子表面と気孔内部は、同じように表面改質してもよく、異なるように表面改質してもよい。
前記表面改質により粒子が帯電されるようにすることができる。
表面改質は、例えば、導入しようとする陽イオン性置換基を有する化合物を粒子と反応させて行うことができる。前記化合物は、例えばC1~C10のアルコキシ基を有するアルコキシシランであってもよいが、これに限定されるものではない。
前記アルコキシシランは、前記アルコキシ基を1個以上有するものであり、例えば1~3個有することができ、アルコキシ基が結合していない部位に導入しようとする置換基があるか、又はそれで置換された置換基があってもよい。
前記アルコキシシランを多孔性シリカ粒子と反応させると、シリコン原子と酸素原子との共有結合が形成され、アルコキシシランが多孔性シリカ粒子の表面及び/又は気孔内部と結合することができる。前記アルコキシシランは、導入しようとする置換基を有しているので、当該置換基を多孔性シリカ粒子の表面及び/又は気孔内部に導入することができる。
前記反応は、溶媒に分散した多孔性シリカ粒子をアルコキシシランと反応させて行うことができる。
前記溶媒は、水及び/又は有機溶媒であってもよい。有機溶媒としては、例えば、1,4-ジオキサンなどのエーテル類(特に環状エーテル類);クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、1,2-ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトン、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの炭素系芳香族類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどのアルキルアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類(セロソルブ);その他ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリドン(NMP)、N-エチルピロリドン(NEP)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホアミド、テトラメチル尿素、N-メチルカプロラクタム、テトラヒドロフラン、m-ジオキサン、P-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなどを使用でき、具体的にはトルエンを使用できるが、これらに制限されるものではない。
前記陽電荷での帯電は、例えばアミノ基、アミノアルキル基などの窒素含有基などの塩基性基を有するアルコキシシランと反応させて行うことができる。具体的には、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン(N-[3-(Trimethoxysilyl)propyl]ethylenediamine)、N1-(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン(N1-(3-Trimethoxysilylpropyl)diethylenetriamine)、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン((3-Aminopropyl)trimethoxysilane)、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アニリン(N-[3-(Trimethoxysilyl)propyl]aniline)、トリメトキシ[3-(メチルアミノ)プロピル]シラン(Trimethoxy[3-(methylamino)propyl]silane)、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン(3-(2-Aminoethylamino)propyldimethoxymethylsilane)などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
また、前記表面改質は、複合的に行うこともできる。例えば、外部表面または気孔内部に2回以上の表面改質を行うこともできる。具体例として、アミノ基が導入されたシリカ粒子にカルボキシル基を含む化合物をアミド結合で結合して陽電荷に帯電した粒子を、他の表面特性を持つように変化させることができるが、これに限定されるものではない。
前記多孔性シリカ粒子のアルコキシシランとの反応は、例えば、加熱下で行うことができる。加熱は、例えば80℃~180℃、例えば、前記範囲内で80℃~160℃、80℃~150℃、100℃~160℃、100℃~150℃、110℃~150℃などで行うことができるが、これらに限定されるものではない。
前記多孔性シリカ粒子のアルコキシシランとの反応は、例えば4時間~20時間、例えば、前記範囲内で4時間~18時間、4時間~16時間、6時間~18時間、6時間~16時間、8時間~18時間、8時間~16時間、8時間~14時間、10時間~14時間などで行うことができるが、これらに限定されるものではない。
前記反応温度、時間、そして表面改質に使用される化合物の量などは、表面改質しようとする程度によって選択でき、RNAの電荷の程度によって反応条件を変えて多孔性シリカ粒子の電荷の程度を調節することにより、RNAの放出速度を調節することができる。例えば、RNAが中性のpHで強い陰電荷を帯びる場合には、多孔性シリカ粒子が強い陽電荷を帯びるようにするために、反応温度を高くしたり、反応時間を長くしたり、化合物の処理量を増やすことができるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の多孔性シリカ粒子は、例えば、小気孔の粒子の製造、気孔の拡張、表面改質、気孔内部の改質工程を経て製造されたものであってもよい。
前記小気孔の粒子の製造および気孔拡張工程は前述通りの工程によって行うことができ、小気孔の粒子の製造後、そして気孔拡張工程の後に洗浄及び乾燥工程を行うことができる。
必要に応じて、洗浄の前に未反応物質の分離を先行することができる。未反応物質の分離は、例えば遠心分離で上澄み液を分離して行うことができる。
前記遠心分離は、例えば6,000~10,000rpmで行うことができる。その時間は、例えば3分~60分、具体的には、前記範囲内で3分~30分、3分~30分、5分~30分などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記小気孔の粒子の製造後の洗浄は、先に例示した範囲内の方法/条件で行うことができるが、これらに限定されるものではない。
前記気孔拡張後の洗浄は、先の例示よりは緩和された条件で行うことができる。例えば、洗浄を3回以内行うことができるが、これに限定されるものではない。
前記表面改質と気孔内部改質のそれぞれは、前述通りの工程によって行うことができる。表面改質と気孔内部改質の順に工程を行うことができ、前記両工程の間に粒子の洗浄工程をさらに行うことができる。
前記小気孔の粒子の製造および気孔拡張の後に洗浄をより緩和された条件で行う場合、気孔内部には粒子製造、気孔拡張に使用された界面活性剤などの反応液が満たされているため、表面改質時に気孔内部が改質されずに、表面だけが改質され得る。その後、粒子を洗浄すると、気孔内部の反応液が除去され得る。
前記表面改質工程と気孔内部改質工程との間の粒子の洗浄は、水及び/又は有機溶媒で行うことができる。具体的には、溶媒ごとに溶解できる物質が異なるので、水と有機溶媒を1回または数回交互に使用してもよく、水または有機溶媒単独で1回または数回洗浄してもよい。前記数回は、例えば2回以上10回以下、具体的には、3回以上10回以下、4回以上8回以下、4回以上6回以下などであってもよい。
前記洗浄は遠心分離下で行うことができ、例えば6,000~10,000rpmで行うことができる。その時間は、例えば3分~60分、具体的には、前記範囲内で3分~30分、3分~30分、5分~30分などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
前記洗浄は遠心分離をせずに、フィルタで粒子をろ過して行うこともできる。フィルタは、多孔性シリカ粒子の直径以下の気孔を有するものであってもよい。反応液をそのようなフィルタでろ過すると、粒子だけがフィルタの上に残り、そのフィルタの上に水及び/又は有機溶媒を注ぎ、洗浄することができる。
前記洗浄時には、水と有機溶媒を1回または数回交互に使用してもよく、水または有機溶媒単独で1回または数回洗浄してもよい。前記数回は、例えば2回以上10回以下、具体的には、3回以上10回以下、4回以上8回以下、4回以上6回以下などであってもよい。
前記乾燥は、例えば20℃~100℃で行うことができるが、これに限定されるものではなく、真空状態で行うこともできる。
RNAは、多孔性シリカ粒子の表面及び/又は気孔内部に担持することができる。担持は、例えば、溶媒中の多孔性シリカ粒子とRNAとを混合して行うことができる。
前記溶媒は、水及び/又は有機溶媒であってもよい。有機溶媒としては、例えば、1,4-ジオキサンなどのエーテル類(特に環状エーテル類);クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、1,2-ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭素系芳香族類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどのアルキルアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;などを使用することができる。
また、前記溶媒として、PBS(リン酸緩衝食塩水)、SBF(疑似体液)、ホウ酸塩-緩衝食塩水(Borate-buffered saline)、トリス-緩衝食塩水(Tris-buffered saline)などを使用することもできる。
前記多孔性シリカ粒子に担持されたRNAは、延長された時間をかけて段階的に放出され得る。このような遅い放出は、連続または非連続性、線形または非線形であってもよく、多孔性シリカ粒子の特徴及び/又はそれとRNAとの相互作用に起因して異なり得る。
前記多孔性シリカ粒子に担持されたRNAは、多孔性シリカ粒子が生分解されながら放出されるが、本発明に係る多孔性シリカ粒子は徐々に分解され、担持されたRNAが徐放的に放出されるようにすることができる。これは例えば、多孔性シリカ粒子の表面積、粒径、気孔直径、表面及び/又は気孔内部の置換基、表面の緻密さの程度などを調節することで調節できるが、これらに限定されるものではない。
また、前記多孔性シリカ粒子に担持されたRNAは、多孔性シリカ粒子から離脱して拡散しながらも放出できる。これは多孔性シリカ粒子とRNA、RNAの放出環境との関係に影響を受けるものであるところ、これを調整して、RNAの放出を調節することができる。例えば、表面改質によって多孔性シリカ粒子のRNAとの結合力を強化または弱化させることによって調節することができる。
RNAは、必要な治療の種類、放出環境、使用される多孔性シリカ粒子に依存して、例えば7日~1年またはそれ以上の期間にわたって放出され得る。
また、本発明の多孔性シリカ粒子は、生分解性で100%分解され得るので、これに担持されたRNAは、100%放出され得る。
また、本発明は、癌の予防または治療用医薬組成物に関するものである。
本発明の医薬組成物は、化学式1で表される平滑末端のヘアピンRNAと、前記RNAを気孔内に担持した多孔性シリカ粒子とを含む。
ヘアピンRNAおよび多孔性シリカ粒子は、前述した範囲内のものであってもよい。
本発明の組成物は、抗がん効果を有するものであり、これは担持されたRNAを体内に安定的に伝達し、ターゲットに放出して、インターフェロンシグナル伝達経路及び/又はインターフェロン非依存性細胞死経路が活性化されることによるものであり得る(図23)。
本発明の組成物の予防または治療対象である癌は、前記経路によって予防または治療できるすべての癌であり、例えば、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌,前立腺癌、睾丸癌、陰茎癌、泌尿生殖器癌、睾丸腫、食道癌、喉頭癌、胃癌、胃腸管癌、皮膚癌、ケラトアカントーマ、濾胞癌、黒色腫、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌、肺扁平細胞癌、結腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、乳頭癌、膀胱癌、肝癌、胆管癌、腎臓、骨癌、骨髄疾患、リンパ系疾患、ヘアリー細胞癌、口腔及び咽頭(経口)癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、唾液腺癌、咽頭癌、小腸癌、直腸癌、外陰癌、大腸癌、子宮内膜癌、子宮癌、脳癌、中枢神経系癌、腹膜癌、肝細胞癌、頭部癌、頸部癌、ホジキン又は白血病などであってもよいが、これらに制限されるものではない。
前記癌は、抗癌剤耐性癌であってもよいが、これに限定されるものではない。
本発明の組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含むことができ、担体と共に製剤化することができる。本発明で用語「薬学的に許容可能な担体」とは、生物体を刺激せず投与化合物の生物学的活性及び特性を阻害しない担体または希釈剤を意味する。液状溶液に製剤化される組成物において薬学的に許容可能な担体は、滅菌および生体に適したものとして、食塩水、滅菌水、リンガー液、緩衝食塩水、アルブミン注射液、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びこれらの成分のうち1成分以上を混合して使用することができ、必要に応じて、抗酸化剤、緩衝液及び静菌剤などの他の通常の添加剤を添加することができる。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤を付加的に添加し、水溶液、懸濁液、乳濁液などの注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤に製剤化することができる。
本発明の組成物は、いずれの剤型にも適用可能であり、経口用または非経口用の剤形に製造することができる。本発明の薬学的剤形は、口腔(oral)、直腸(rectal)、鼻腔(nasal)、局所(topical;頬及び舌下を含む)、皮下、膣(vaginal)または非経口(parenteral;筋肉内、皮下及び静脈内を含む)投与に適したもの、あるいは吸入(inhalation)または注入(insufflation)による投与に適した形態を含む。
本発明の組成物は、薬学的に有効な量を投与する。有効容量は、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路、排出割合、治療期間、同時使用される薬物を含む要素、及びその他の医学分野でよく知られている要素によって決定できる。本発明の薬学的組成物は、個々の治療剤として投与してもよく、他の治療剤と併用して投与してもよい。また、従来の治療剤と順次または同時に投与することができ、単一または多重投与することができる。前記の要素をすべて考慮して副作用なしに最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは当業者によって容易に決定され得る。
本発明の組成物の投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食物、投与時間、投与方法、排泄率および疾患の重症度などによってその範囲が非常に多様である。適正な投与量は、例えば、患者の体内に蓄積された薬物の量及び/又は使用される本発明の送達体の具体的な効能程度によって異なり得る。例えば、体重1kg当たりに0.01μg~1gであってもよい。日、週、月、または年の単位期間に、単位期間当たりに一回または数回に分けて投与してもよく、若しくはインフュージョンポンプを用いて長期間連続して投与してもよい。反復投与の回数は、薬物の体内滞在時間、体内薬物濃度などを考慮して決定する。疾患の治療経過によっては、治療された後でも再発防止のために組成物を投与することができる。
本発明の組成物は、傷の治療に関連して同一または類似の機能を示す有効成分を1種以上、または有効成分の溶解性及び/又は吸収性を維持/増加させる化合物をさらに含有することができる。
また、本発明の組成物は、哺乳動物に投与された後、活性成分の迅速、持続または遅延放出を提供できるように、当該分野で公知の方法を用いて剤形化することができる。剤形は、粉末、顆粒、錠剤、エマルジョン、シロップ、エアロゾル、軟質または硬質のゼラチンカプセル、滅菌注射液、滅菌粉末の形態であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明することとする。
実施例
実施例1.多孔性シリカ粒子(DDVまたはDegradaBALL)
1.多孔性シリカ粒子の製造
(1)多孔性シリカ粒子の製造
1)小気孔粒子の製造
2L丸底フラスコに蒸留水(DW)の960mlとMeOHの810mlを入れた。前記フラスコにCTABを7.88g入れた後、攪拌しながら1M NaOHの4.52mlを素早く入れた。10分間攪拌して均一な混合液を得た後、TMOSの2.6mlを入れた。6時間攪拌して均一に混合した後、24時間熟成し、反応液を得た。
その後、前記反応液を25℃で10分間8,000rpmで遠心分離して上澄み液を除去し、25℃で10分間8,000rpmで遠心分離し、エタノール及び蒸留水で交互に5回洗浄した。
その後、70℃のオーブンで乾燥し、1.5gの粉末状の小気孔多孔性シリカ粒子(気孔平均直径2nm、粒径200nm)を得た。
2)気孔の拡張
1.5gの小気孔多孔性シリカ粒子の粉末をエタノール10mlに添加して超音波分散し、水10ml、TMB(trimethyl benzene)10mlを添加して超音波分散し、分散液を得た。
その後、前記分散液をオートクレーブに入れて160℃、48時間反応させた。
反応は25℃で開始し、10℃/分の速度で昇温して行った。その後、オートクレーブ内で1~10℃/分の速度で徐々に冷却した。
冷却した反応液を25℃で10分間8,000rpmで遠心分離して上澄み液を除去し、25℃で10分間8,000rpmで遠心分離し、エタノールおよび蒸留水で交互に5回洗浄した。
その後、70℃のオーブンで乾燥し、粉末状の多孔性シリカ粒子(気孔直径10~15nm、粒径200nm)を得た。
3)か焼
前記2)で製造された多孔性シリカ粒子をガラスバイアル(vial)に入れて550℃で5時間加熱し、反応終了後、常温まで徐々に冷却して粒子を製造した。
(2)多孔性シリカ粒子の製造
気孔拡張時の反応条件を140℃、72時間に変更した以外は、前記1-1-(1)の方法と同様にして多孔性シリカ粒子を製造した。
(3)多孔性シリカ粒子の製造(10Lスケール)
5倍大きな容器を使用し、各物質をいずれも5倍の容量で使用した以外は、実施例1-1-(1)の方法と同様にして多孔性シリカ粒子を製造した。
(4)多孔性シリカ粒子の製造(粒径300nm)
小気孔粒子の製造時に蒸留水920ml、メタノール850mlを使用した以外は、1-1-(1)の方法と同様にして多孔性シリカ粒子を製造した。
(5)多孔性シリカ粒子の製造(粒径500nm)
小気孔粒子の製造時に蒸留水800ml、メタノール1,010ml、CTAB 10.6gを使用した以外は、1-1-(1)の方法と同様にして多孔性シリカ粒子を製造した。
(6)多孔性シリカ粒子の製造(粒径1,000nm)
小気孔粒子の製造時に蒸留水620ml、メタノール1,380ml、CTAB 7.88gを使用した以外は、1-1-(1)の方法と同様にして多孔性シリカ粒子を製造した。
(7)多孔性シリカ粒子の製造(気孔直径4nm)
気孔拡張時にTMBを2.5ml使用した以外は、1-1-(1)の方法と同様にして多孔性シリカ粒子を製造した。
(8)多孔性シリカ粒子の製造(気孔直径7nm)
気孔拡張時にTMBを4.5ml使用した以外は、1-1-(1)の方法と同様にして多孔性シリカ粒子を製造した。
(9)多孔性シリカ粒子の製造(気孔直径17nm)
気孔拡張時にTMBを11ml使用した以外は、1-1-(1)の方法と同様にして多孔性シリカ粒子を製造した。
(10)多孔性シリカ粒子の製造(気孔直径23nm)
気孔拡張時にTMBを12.5ml使用した以外は、1-1-(1)の方法と同様にして多孔性シリカ粒子を製造した。
(11)多孔性シリカ粒子の製造
小気孔粒子の製造時に蒸留水900ml、メタノール850ml、CTAB 8gを使用した以外は、1-1-(1)の方法と同様にして多孔性シリカ粒子を製造した。
2.多孔性シリカ粒子の表面改質
(1)実施例1-1-(1)の多孔性シリカ粒子を(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン((3-Aminopropyl)triethoxysilane,APTES)と反応させて、陽電荷に帯電させた。
具体的には、100mL丸底フラスコにおいて、100mgの多孔性シリカ粒子を10mLのトルエンに洗浄器(bath sonicator)で分散させた。その後、1mLのAPTESを添加し、400rpmで攪拌し、130℃で攪拌して12時間反応させた。
反応後、常温まで徐々に冷却し、10分間8,000rpmで遠心分離して上澄み液を除去し、25℃で10分間8,000rpmで遠心分離し、エタノールおよび蒸留水で交互に5回洗浄した。
その後、70℃のオーブン中で乾燥し、表面および気孔内部にアミノ基を有する粉末状の多孔性シリカ粒子を得た。
(2)1.8mLのAPTESを使用した以外は、前記と同様な方法で実施例1-1-(11)を表面改質して、表面及び気孔内部にアミノ基を有する粉末状の多孔性シリカ粒子を得た。
3.粒子の形成及び気孔拡張の確認
実施例1-1-(1)~(3)の粒子の小気孔粒子、製造された多孔性シリカ粒子を顕微鏡で観察し、小気孔粒子が均一に生成されているか、気孔が十分に拡張されて多孔性シリカ粒子が均一に形成されているかを確認した(図1~4)。
図1は、実施例1-1-(1)の多孔性シリカ粒子の写真、図2は、実施例1-1-(2)の多孔性シリカ粒子の写真であり、気孔が十分に拡張された球状の多孔性シリカ粒子が均一に生成されたことを確認することができる。
図3は、実施例1-1-(1)の小気孔粒子の写真、図4は、実施例1-1-(1)と1-1-(3)の小気孔粒子の比較写真であり、球状の小気孔粒子が均一に生成されたことを確認することができる。
4.気孔直径及びBET表面積の計算
実施例1-1-(1)の小気孔粒子、実施例1-1-(1)、(7)、(8)、(10)、(11)の多孔性シリカ粒子の表面積を計算した。表面積は、ブルナウアー-エメット-テラー(Brunauer-Emmett-Teller)(BET)方法により計算し、気孔直径の分布は、バーレット-ジョイナー-ハレンダ(Barrett-Joyner-Halenda)(BJH)方法により計算した。
前記各粒子の顕微鏡写真を図5に、計算の結果を下記表1に示す。
5.生分解性の確認
実施例1-1-(1)の多孔性シリカ粒子の生分解性を確認するために、37℃、SBF(pH7.4)における生分解の程度を0時間、120時間、360時間に顕微鏡で観察した。それを図6に示す。
それを参照すると、多孔性シリカ粒子が生分解され、360時間経過後はほぼすべてが分解されたことを確認することができる。
6.吸光度比の測定
時間別に下記数式1による吸光度比を測定した。
[数式1]
/A
(式中、Aは、前記多孔性シリカ粒子1mg/mlの懸濁液5mlを直径50kDaの気孔を有する円筒状の透過膜に入れて測定した多孔性シリカ粒子の吸光度であり、
前記透過膜の外部には、前記透過膜と接し、前記懸濁液と同じ溶媒15mlが位置し、前記透過膜の内外部は、37℃で60rpmで水平攪拌され、
は、前記Aの測定時からt時間経過後に測定した多孔性シリカ粒子の吸光度である。)
具体的には、多孔性シリカ粒子粉末5mgをSBF(pH7.4)5mlに溶かした。その後、5mlの多孔性シリカ粒子溶液を、図7に示す直径50kDaの気孔を有する透過膜に入れた。外部膜に15mlのSBFを添加し、外部膜のSBFは12時間ごとに入れ替えた。多孔性シリカ粒子の分解は、37℃で60rpmで水平攪拌して行った。
その後、紫外・可視分光法(UV-vis spectroscopy)によって吸光度を測定し、λ=640nmで分析した。
(1)吸光度比の測定
実施例1-1-(1)の多孔性シリカ粒子の吸光度比を前記方法に従って測定した。その結果を図8に示す。
これを参照すると、吸光度比が1/2となるtは約58時間であり、非常にゆっくりと分解されることが確認できた。
(2)粒径別
実施例1-1-(1)、(5)、(6)の多孔性シリカ粒子の吸光度を前記数式1により測定した。その結果を図9に示す(懸濁液と溶媒としては、SBFを使用した。)。
これを参照すると、粒径の増加によってtが減少することが分かる。
(3)気孔の平均直径別
実施例1-1-(1)、(9)の多孔性シリカ粒子、そしてコントロールとして実施例1-1-(1)の小気孔多孔性シリカ粒子の吸光度を前記数式1により測定した。その結果を図10に示す(懸濁液と溶媒としては、SBFを使用した。)。
これを参照すると、実施例の多孔性シリカ粒子は、コントロールに比べてtが非常に大きいことが確認できる。
(4)pH別
実施例1-1-(4)の多孔性シリカ粒子のpH別吸光度を測定した。吸光度は、SBFで、そしてpH2、5及び7.4のTrisで測定した。その結果を図11に示す。
これを参照すると、pH別にtの差はあるが、いずれも吸光度の比が1/2となるtは24以上であった。
(5)帯電
実施例1-2-(1)-1)の多孔性シリカ粒子の吸光度を測定し、その結果を図12に示す(懸濁液と溶媒としては、トリス(Tris,pH7.4)を使用した。)。
これを参照すると、陽電荷に帯電した粒子も吸光度の比が1/2となるtは24以上であった。
7.RNAの担持及び放出
合成RIG-Iリガンド(5’-triphosphate hairpin RNA、ppp-RNA、配列番号1)と対照ヘアピンRNA(OH-RNA)を合成した(図14B)。1μgのppp-RNAに実施例1-1-(11)の多孔性シリカ粒子(DegradaBALL)を40、30、20、10、5μg混合して、室温で10分間放置した後、遠心分離して上澄み液を取った。上澄み液のppp-RNAをSDS-PAGEで検出した結果、重量比1:10(ppp-RNA:DegradaBALL)までppp-RNAが検出されないことを確認した(図15C)。これに基づいて、その後の実験でDegradaBALLの担持容量を10%に設定した。FITCで標識したDegradaBALLにCy5で標識したOH-RNAを担持した後、OH-RNA濃度5nMでA549細胞に2時間処理した。培地を入れ替えた後、所定の時点(処理後6、12、24時間)まで培養し、高解像度の顕微鏡で確認してそれを定量分析した(図16D、17E)。これにより、DegradaBALLに担持されたOH-RNAが細胞内に移動した後、24時間かけて徐々にDegradaBALLから放出されることを確認した。
8.免疫活性の効果
24ウェルプレート1ウェルあたりに細胞(A549細胞、培地RPMI1640、10%FBS、1%P/S)25000個を分注し、CO 5%、37℃のインキュベータで一晩培養する。翌日、それぞれの試料を表に示す条件に合わせて配合した後、30分間置いて、遺伝子導入のための混合物を準備する。準備した混合物を、血清が入っていない培養液(RPMI1640、1%P/S)に混ぜて遺伝子導入を準備する。
細胞が培養されている24ウェルプレートをインキュベータから取り出して培養液を除去し、1xPBSで残りの培養液が除去されるように洗浄する。1xPBSまで除去した後、遺伝子導入培養液を各ウェルに分注し、遺伝子導入混合物が細胞によく導入されるようにインキュベータ中で6時間培養する。6時間後、インキュベータから取り出し、遺伝子導入混合物が入っている培養液を除去し、血清が入っている培養液(RPMI1640、10%FBS、1%P/S)を添加し、さらに培養(6時間/18時間/42時間)する。遺伝子導入および培養が完了した24ウェルプレートをインキュベータから取り出し、培養液を除去する。プレートの底に付いている細胞からRNAを抽出するためにTRIzol試薬を処理し、製造業者が推奨する方法に従ってRNAを抽出する。
抽出したRNAからcDNAを合成するために、M-MLV RT 5xmaster mix(elpisbiotech、#EBT-1511)試薬を使用し、製造業者が推奨する方法に従ってRNAからcDNAを合成した。
cDNAからターゲット遺伝子の発現を定量的に分析するために、リアルタイム(real-time)PCR分析を行った。Power SYBR Green PCR Master Mix(#4367659)試薬を使用し、製造業者が推奨する方法に従ってcDNAからターゲット遺伝子の発現量を確認した。
(1)インターフェロンベータ
ppp-RNAが添加されていない、対照群(control)、グループ1、グループ2において、IFN-βの変化はほとんどなかった。これはppp-RNAなしに、伝達体であるLNPとDegradaBALLだけではIFN-βの発現に影響を及ぼさないからである(図18)。
ppp-RNAが添加されているが、伝達体がない実験群の場合も、培養時間とは関係なく、IFN-βの発現には変化がなかった。これはppp-RNAが存在しても細胞内に入らなかったため、IFN-βの発現には影響を与えなかったものと解釈できる。
ppp-RNAが添加されており、且つLNPを伝達体として使用した実験群の場合も、培養時間とは関係なく、IFN-βの発現に大きな変化がなかった。これはLNPだけではppp-RNAが細胞内に伝達されなかったか、またはLNPでppp-RNAが細胞内に伝達されたとしても、ppp-RNAがRIG-Iと相互作用する前に細胞内環境から活性を失ってしまったものと解釈できる。
ppp-RNAが添加されており、且つDegradaBALLを伝達体として使用した実験群の場合には、培養時間によるIFN-βの発現が大きく変化することを確認できる。特に培養時間が24時間となる時点で、IFN-βの発現が最高となった。これは、DegradaBALLがppp-RNAを細胞内に効率的に伝達させながら、その生物学的活性を効果的に示す結果である。
(2)ビペリン
ppp-RNAが添加されていない、対照群(Control)、グループ1では、ビペリン(Viperin)の変化はほとんどなかった。これはppp-RNAが存在しないため、RIG-Iとの相互作用が起こらず、伝達体であるLNPだけでもビペリン(Viperin)の発現に影響を及ぼさなかったものと解釈できる(図19)。
ppp-RNAが添加されておらず、DegradaBALLのみが添加されているグループ2では、ビペリン(Viperin)の変化が大きくなかった。
ppp-RNAが添加されているが、伝達体がないグループ3の場合も、培養時間とは関係なく、ビペリン(Viperin)の発現には変化がなかった。これはppp-RNAが存在しても細胞内に入らなかったため、ビペリン(Viperin)の発現に影響を及ぼさなかったものと解釈できる。
ppp-RNAが添加されており、且つLNPを伝達体として使用したグループ4の場合には、短い培養時間である12時間においてのみ、ビペリン(Viperin)の発現に若干の増加があった。これはLNPによるppp-RNAの生物学的効果が大きくなく、限定的であると解釈できる。
ppp-RNAが添加されており、且つDegradaBALLを伝達体として使用したグループ5の場合には、培養時間によるビペリン(Viperin)の発現が非常に大きく増加することを観察した。特に培養時間が24時間となる時点で、ビペリン(Viperin)の発現が最高となった。これは、DegradaBALLがppp-RNAを細胞内に効率的に伝達させながら、その生物学的活性を効果的に示す結果であると解釈できる。
(3)インターフェロンアルファ
C57BL/6 8週齢のマウスを表に示すようにして実験群を分けた。
それぞれの試料を1xPBSに混ぜて複合体を作成し、30分間置いて注射液を準備した。注射液の最終体積は100μlになるようにした。各グループのマウスにそれぞれの注射液を静脈内注射し、注射してから6時間、12時間、24時間が経過した時点でマウスの脾臓を摘出した。TRIzolを用いて、摘出された脾臓からRNAを抽出した。抽出したRNAからcDNAを合成するために、M-MLV RT 5x master mix(elpisbiotech、#EBT-1511)試薬を使用し、製造業者が推奨する方法に従ってRNAからcDNAを合成した。
cDNAからターゲット遺伝子の発現を定量的に分析するために、real-time PCR分析を行った。Power SYBR Green PCR Master Mix(#4367659)試薬を使用し、製造業者が推奨する方法に従ってcDNAからターゲット遺伝子の発現量を確認した。
対照群(Control)、グループ1、グループ2では、IFN-αの発現においていかなる変化も観察できなかった。特にppp-RNAのみを注入するか、またはDegradaBALLのみを注入してもIFN-αの発現には影響を及ぼさないことを確認することができる(図20)。静脈注射でppp-RNAのみを注入しても、細胞内に侵入することができず、血流内で活性を迅速に失ってしまったからであると解釈できる。
グループ3の場合には、IFN-αの発現が非常に大きく誘導された。これは時間によって24時間まで持続して維持されることを確認できる。静脈注射を介して投与したDegradaBALLにロードされたppp-RNAは、血流内に安定的に維持され、細胞内にppp-RNAが伝達できるからであると解釈できる。
9.抗腫瘍の効果
(1)腫瘍内LEM-S403の注射によるインターフェロン依存性または非依存性腫瘍細胞死滅の誘導(図21~26)
LEM-S403が腫瘍内に注射された場合、どの程度の期間残留するかを確認するために実験を行った。LEM-S403を腫瘍内注射で投与した場合、OH-RNAがDegradaBALL(vehicle)によって保護され、腫瘍内で徐放的に放出されることを期待できる。OH-RNAにFITC蛍光を標識し、DegradaBALLにTRAMRA蛍光を標識した後、OH-RNAを担持して腫瘍内注射で投与した場合、1、3、5日目の中、1日目に最も強度の強いOH-RNA蛍光を確認することができた。これは、時間が経過するほど徐々に減少することが確認できた。これに対して、OH-RNA単独投与群では、1日目にもOH-RNAの蛍光を確認することができなかった。LEMS-403が腫瘍細胞内に摂取されると、ppp-RNAを徐放的に放出することになる。その後、ppp-RNAは、RIG-Iに媒介された信号を介して1型インターフェロンの分泌を増加させることになり、これはCD 8 T細胞及びNK細胞を活性化させて免疫を増強させる。また、RIG-Iに媒介された信号のうち、インターフェロンとは独立して腫瘍の細胞死滅因子を増加させ、腫瘍細胞の死滅を誘導する。マウスにB16F10黒色腫腫瘍細胞(B16F10)を約1x10個皮下に注入した後、3日(day0)及び5日(day2)にバッファー、ビヒクル(70μg)、ppp-RNA(7μg)またはLEM-S403(7μg)を腫瘍内注射して投与し、6日(day3)に腫瘍を分離して治療機序を確認した。免疫蛍光染色分析を通じて、分離した腫瘍において、LEM-S403投与群で独歩的にホスフォ(phospho)-STAT1の発現が増加していることを確認した。これはLEM-S403によって分泌された1型インターフェロンが周辺または自己細胞に受容体に反応してSTAT1をリン酸化させたものと判断される。ヘマトキシリン(Hematoxylin)およびエオシン(eosin)染色により、組織病理学的にLEM-S403投与群の腫瘍組織が他の投与群に比べて細胞の数が少なく、組織が薄いことを確認した。また、免疫蛍光染色によるTUNNEL分析においても、他の群に比べて多数の蛍光が観察された。このことから、LEM-S403が腫瘍細胞の死滅(apoptosis)を引き起こしたことを確認することができた。
(2)腫瘍内LEM-S403注射によるインターフェロン非依存性腫瘍細胞死滅の誘導(図27~31)
C57BL/6マウスにB16F10細胞を1x10個皮下注射し、黒色腫マウスモデルを準備した。腫瘍サイズが約100mmに到達した時点で、各群ごとに6匹のマウスに50μlの1xPBS(buffer)、70μgのDegradaBALL(vehicle)、7μgのppp-RNA、70μgのDegradaBALL+7μgのppp-RNA(LEM-S403)を2日間隔で合計2回腫瘍内注射した。最後の投与から24時間後、マウスを犠牲にして摘出した腫瘍をアネキシン(Annexin)V-ヨウ化プロピジウム(propidium iodide)(PI)染色した後、フローサイトメトリー分析を行った。LEM-S403処理群は、バッファ、ビヒクル、ppp-RNA処理群に比べて、腫瘍内における細胞死滅中である(Annexin V+、PI-)細胞と、死滅した(Annexin V+、PI+)細胞の割合がいずれも有意に増加したことを確認した。また、生きている(Annexin V-、PI-)細胞の割合が有意に減少したことを確認した。分子的なレベルでLEM-S403の処理時、procaspase-3の切断とpro-apoptotic遺伝子であるNoxaの発現が増加したことを、それぞれウェスタンブロット(western blot)とRT-PCRにより確認した。この現象はイン・ビトロの実験でも再現されたが、B16F10細胞にバッファー、0.85μgのppp-RNA、8.5μgのDegradaBALL(vehicle)、ppp-RNA 0.85μg+DegradaBALL 8.5μg(LEM-S403)、ppp-RNA 0.85μg+Lipofectamine2000を処理してから24時間後の時点で回収した細胞をRT-PCR分析した結果、LEM-S403の処理時、Noxaの発現が増加したことを確認した。このことから、腫瘍内注射時、LEM-S403が腫瘍細胞のNoxa発現を増加させ、caspase-3の切断を誘導する機序によって腫瘍細胞の細胞死滅を誘導することを検証した。
(3)腫瘍内LEM-S403注射による腫瘍浸潤NK細胞とCD8+T細胞の数および活性増加の評価(図32~35)
腫瘍内LEM-S403注射により腫瘍内に活性化された免疫細胞または免疫細胞の浸潤が増加するかを確認するために、フローサイトメトリー分析および免疫蛍光染色分析を行った。フローサイトメトリー分析に基づいて、LEM-S403投与群で腫瘍内の浸潤された免疫細胞の中、NK細胞の分布が10.51%であり、ビヒクル群に比べて67%増加した。この中で、CD69が発現されたNK細胞は、腫瘍内の浸潤された免疫細胞の中で約3.59%であり、ビヒクル群に比べて約152%増加したことを確認した。CD8 T細胞分布もまた、LEM-S403投与群で腫瘍内の浸潤された免疫細胞の中で8.57%であり、他のビヒクル群に比べて128%増加した。この中でCD69が発現されたCD 8 T細胞は、腫瘍内の浸潤された免疫細胞の中で6.54%であり、他のビヒクル群に比べて141%増加したことを確認した。免疫蛍光染色分析においても、他の投与群に比べてLEM-S403投与群において、NK細胞およびCD 8 T細胞が腫瘍内に多く浸潤しており、CD69陽性である細胞の割合も高いことを確認した。
(4)黒色腫マウスモデルを用いたLEM-S403の単独投与および併用投与(+anti-PD-1抗体)の抗腫瘍効果(図36~39)
黒色腫マウスモデルにおける、LEM-S403単独、およびanti-PD-1抗体との併用投与による腫瘍成長の阻害効果を確認するために実験を行った。マウスに黒色腫細胞であるB16F10を接種した後、体積が約100mmになったとき、0、3、7及び10日にバッファー(1xPBS、50μL、腫瘍内投与)、ビヒクル(70μg、腫瘍内投与)、ppp-RNA(7μg、腫瘍内投与)、LEM-S403(7μg、腫瘍内投与)またはLEM-S403(7μg、腫瘍内投与)及びanti-PD-1抗体(10mg/kg、腹腔投与)を投与し、2日及び3日間隔で腫瘍体積を測定した。バッファー、ビヒクルおよびppp-RNA投与群では、腫瘍が急速に成長したのに対して、LEM-S403単独およびanti-PD-1抗体との併用投与群では、2日目から腫瘍の成長が遅く増加し、7日目からはビヒクル群と比較して有意に腫瘍体積が小さいことを確認した。投与が終了した後、11日目にも腫瘍の成長は、ビヒクル群に比べて有意に抑制されたことを確認することができた。すべてのマウスの生存率を追跡観察したところ、バッファー、ビヒクルおよびppp-RNA群に属するマウスは、いずれも15日前に死亡した。これに対して、LEM-S403単独投与またはanti-PD-1抗体との併用投与群では、平均生存期間が有意に増加したことを確認することができた。anti-PD-1との併用投与群では、LEM-S403単独投与群と比較して種量体積に有意な差はなかったが、平均生存期間は有意に増加したことを確認した。
10.RNAを担持した粒子の電荷による細胞内伝達の確認
実施例7で使用した配列番号1の合成RIG-Iリガンド(5'-triphosphate hairpin RNA、ppp-RNA)と実施例1-1-(11)の多孔性シリカ粒子を濃度別に混合してB16F10細胞に伝達した。
各ウェルに5x10個の細胞を接種し、粒子の伝達は、4h トランスフェクション(Transfection)(Serum free)+2h(10%FBS)の条件下で行った。
各粒子の電荷は、下記表4に示すとおりである。
図41を参照すると、粒子とppp-RNAを10:0.1の割合で使用して細胞に処理した場合、細胞内に一時的に空胞(液胞、vacuoles)の形成が観察されることを確認できる。これに対して、10:1(粒子:ppp-RNA)では、このような空胞(液胞、vacuoles)の形成が観察されなかった。

Claims (15)

  1. 下記化学式1で表される平滑末端のヘアピンRNAと、前記RNAを気孔内に担持した多孔性シリカ粒子とを含み、
    前記多孔性シリカ粒子は、平均気孔直径が7~25nmであり、その気孔内部が陽電荷に帯電されたものであ
    前記RNAと前記粒子の重量比は、1:5~1:20であり、
    前記RNAを担持した粒子のゼータ電位は、10mV~35mVであることを特徴とする免疫活性改善用の薬学組成物。
    (式中、Pはリン酸基であり、
    aは2~5の整数であり、bは1~5の整数であり、
    UUCGは、ヘアピンのループを形成する塩基であり、
    N1及びN2は、GまたはCから選択される2~4個の塩基であり、X1及びX2は、AまたはUから選択される1~5個の塩基であり、選択される複数の塩基は、互いに同一または異なり、
    N3はN2と、X2はX1と、N4はN1と相補的に連結され、
    b回繰り返される各塩基は、互いに同一または異なる塩基である。)
  2. 前記RNAは、下記化学式2で表されるものである、請求項1に記載の組成物。
    (式中、Pはリン酸基であり、
    a及びbは2~4の整数であり、
    N1及びN2は、GまたはCから選択される2~4個の塩基であり、X1及びX2は、AまたはUから選択される2~4個の塩基であり、選択される複数の塩基は、互いに同一または異なり、
    N3はN2と、X2はX1と、N4はN1と相補的に連結され、
    b回繰り返される各塩基は、互いに同一または異なる塩基である。)
  3. 前記RNAは、その長さが14~100ntである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記RNAは、配列番号1~25のいずれか1つの配列及びその5’末端に結合された2~4個のリン酸基からなるものである、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記粒子の前記RNAを担持していない状態のゼータ電位は、10~70mVである、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記粒子は、複数の気孔を有し、前記気孔は、粒子表面から内部までつながっている、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記粒子のBET表面積は280~680m/gであり、粒径は50~500nmである、請求項1に記載の組成物。
  8. 下記化学式1で表される平滑末端のヘアピンRNAと、前記RNAを気孔内に担持した多孔性シリカ粒子とを含み、
    前記多孔性シリカ粒子は、平均気孔直径が7~25nmであり、その気孔内部が陽電荷に帯電されたものであ
    前記RNAと前記粒子の重量比は、1:5~1:20であり、
    前記RNAを担持した粒子のゼータ電位は、10mV~35mVであることを特徴とする癌の予防または治療用の医薬組成物。
    (式中、Pはリン酸基であり、
    aは2~5の整数であり、bは1~5の整数であり、
    UUCGは、ヘアピンのループを形成する塩基であり、
    N1及びN2は、GまたはCから選択される2~4個の塩基であり、X1及びX2は、AまたはUから選択される1~5個の塩基であり、選択される複数の塩基は、互いに同一または異なり、
    N3はN2と、X2はX1と、N4はN1と相補的に連結され、
    b回繰り返される各塩基は、互いに同一または異なる塩基である。)
  9. 前記RNAは、下記化学式2で表されるものである、請求項に記載の組成物。
    (式中、Pはリン酸基であり、
    a及びbは2~4の整数であり、
    N1及びN2は、GまたはCから選択される2~4個の塩基であり、X1及びX2は、AまたはUから選択される2~4個の塩基であり、選択される複数の塩基は、互いに同一または異なり、
    N3はN2と、X2はX1と、N4はN1と相補的に連結され、
    b回繰り返される各塩基は、互いに同一または異なる塩基である。)
  10. 前記RNAは、その長さが14~100ntである、請求項に記載の組成物。
  11. 前記RNAは、配列番号1~25のいずれか1つの配列及びその5’末端に結合された2~4個のリン酸基からなるものである、請求項に記載の組成物。
  12. 前記粒子の前記RNAを担持していない状態のゼータ電位は、10~70mVである、請求項に記載の組成物。
  13. 前記粒子は、複数の気孔を有し、前記気孔は、粒子表面から内部までつながっている、請求項に記載の組成物。
  14. 前記粒子のBET表面積は280~680m/gであり、粒径は50~500nmである、請求項に記載の組成物。
  15. 前記癌は、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌,前立腺癌、睾丸癌、陰茎癌、泌尿生殖器癌、睾丸腫、食道癌、喉頭癌、胃癌、胃腸管癌、皮膚癌、ケラトアカントーマ、濾胞癌、黒色腫、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌、肺扁平細胞癌、結腸癌、膵臓癌、甲状腺癌、乳頭癌、膀胱癌、肝癌、胆管癌、腎臓癌、骨癌、骨髄疾患、リンパ系疾患、ヘアリー細胞癌、口腔及び咽頭(経口)癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、唾液腺癌、咽頭癌、小腸癌、直腸癌、外陰癌、大腸癌、子宮内膜癌、子宮癌、脳癌、中枢神経系癌、腹膜癌、肝細胞癌、頭部癌、頸部癌、ホジキン又は白血病である、請求項に記載の組成物。
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