JP7318900B2 - 斜面安定化構造 - Google Patents

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Description

本発明は、立木のある斜面の地滑り等を防止するための斜面安定化構造に関する。
山の斜面は、特に、雨の多く降る時期に地盤が緩んだ状態になっており、地滑りの発生が懸念される。それ故、山の周辺に道路や鉄道、その他の建築物を建設する場合、地滑りを防止するための対策が必要となる。
地滑りの発生では、初動として地盤斜面の局部に亀裂が生じる。亀裂によってその近傍の地盤が安定を失い下方に滑ると、その地盤の位置エネルギーが運動エネルギーに変換され、下方の地盤に作用する。その結果、下方の地盤も滑り、斜面に広範囲の地滑りが生じる。
それ故、地滑りを抑制するためには、初動となる局部の滑りの発生を抑制することが効果的である。
従来、このような地盤斜面を安定化して地滑りを防止するための構造が開発されており、例えば、特許文献1には、立木のある斜面に適用される斜面安定化構造が記載されている。この構造では、斜面に張設されるネットと、地中の安定地盤に固定した複数のアンカーとを備え、ネットをアンカーに結合することで斜面に固定している。ネットは複数のリングを連結することで形成されており、各リングは立木よりも小径であって、立木のある場所では、該立木を避けるようにリングの欠損部を設けている。
特開2002-212953号公報
特許文献1に記載の斜面安定化構造では、多数のリングを連結してネットを形成することで、立木や斜面の凹凸に応じた任意形状のネットを形成することができる。
しかしながら、網目の細かいネットを張設するものでは、ネットの周縁部及び内側のそれぞれに複数のアンカーを打ち込んで、これらにネットを固定する必要があるため、アンカーが多数必要となり、道路等が整備されていない山の斜面では施工の手間がかかる。また、立木が多く自生している領域では、ネットの欠損部を多数設ける必要があるためネット形成作業が煩雑になる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、立木がある斜面に適用され、地滑りの初動の発生を抑制できるとともに施工が容易な斜面安定化構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の斜面安定化構造は、
地盤となる斜面上の複数の立木それぞれの地表近傍の根元部分に設けられ、該立木の根元部分の外周を囲むリング部と、近接する二本以上の前記立木の根元部分に設けられた前記リング部同士を連結し、地表近傍で緩みなく張り渡されたロープ部と、
を有する連結部材と、
前記立木間に設置されて該立木間を伸長する前記ロープ部を前記斜面に固定又は押付けるアンカーと、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の斜面安定化構造において、
前記アンカーは、
地中に埋め込まれたアンカーボルトと、
前記アンカーボルトの地上側の端部に取付けられ、前記アンカーボルトに螺合されたナットにより前記斜面に固定されたプレートと、を備え、
前記ロープ部は、一端が前記プレートに固定されている、又は、前記プレートと前記斜面との間に挟み込まれた状態で前記斜面に押付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、斜面の複数の立木が連結部材によって緩みなく相互に連結されることにより、1本の立木を連結された他の立木によって支持することができる。これにより、地滑りの初動となる、立木を支える地盤の局部的な滑りを連結部材を介して連結された他の立木の引張力により抑制することができる。また、斜面に網目の細かいネットを張設する必要もなく、複数の立木の連結によって局部的な地滑りの発生を抑制することができ、施工が容易であり、斜面安定化工事の煩雑さも解消される。
この構成によれば、複数の立木がリング部材とロープ部とで連結された状態となり、立木のそれぞれが互いに地滑りで移動したり倒れたりすることを抑制する状況が得られる。すなわち、局部的な地滑りが発生する状況において、他の木々がこの滑ろうとする木をロープ部で引張して支えることが可能となり、その結果、この木の根によって支えられた地盤の滑りを抑制できる。これにより、地滑りの初動となる地盤斜面の局部の滑りを抑制することができる。
この構成によれば、アンカーにより立木の間のロープ部を斜面に固定することで、滑りの発生をより確実に抑制することができる。また、アンカーは立木間を伸長するロープ部上に設置されるため、従来のネットの周縁部に多数のアンカーを設置するものに比べて、少ない本数のアンカーで効率的な斜面安定化効果を得ることができ、施工性に優れている。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の斜面安定化構造において、
前記連結部材が、前記斜面にネット状に展開されていることを特徴とする。
この構成によれば、1本の立木が多方向に伸長する連結部材によって引張されるので、地滑りの初動となる局部の滑りをより効果的に抑制することができる。また、斜面上方の立木によって、下方の立木の滑りを効果的に抑制することができる。
本発明の斜面安定化構造によれば、立木がある斜面において、該立木を利用しながら地滑りの初動の発生を抑制でき、従来の斜面にネットを張設する構造に比して施工を容易化することができる。
本発明の斜面安定化構造の第1の実施の形態を模式的に示す斜視図。 リング部材及びワイヤロープを説明する平面図。 斜面安定化構造による地滑りの発生の抑制を説明する斜視図。 斜面安定化構造の第2の実施の形態を模式的に示す斜視図。 第2の実施の形態に用いられるアンカーの構成例を示す断面図。 (a)は図5に示すアンカーの平面図。(b)はアンカーの変形例を示す平面図。 アンカーを用いた斜面安定化構造の変形例を模式的に示す斜視図。 斜面安定化構図の第3の実施の形態を模式的に示す斜視図。 斜面安定化構造の第4の実施の形態を説明する斜視図。 連結部材の変形例を説明する平面図。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の斜面安定化構造の第1の実施の形態を模式的に示す斜視図である。斜面安定化構造10は、複数のリング部材(リング部)20と、各リング部材20を連結する複数のワイヤロープ(ロープ部)30とを備える。リング部材20とワイヤロープ30とは、近接する立木を連結する連結部材を構成している。図2は、リング部材20及びワイヤロープ30を説明する平面図であり、リング部材20が設置される立木14の外周15を仮想線で示している。
リング部材20は、線材を環状に巻回した巻回物であり、本実施の形態では、硬鋼線材を複数回に巻回した巻回体22と、巻回体22の周方向の数か所を束ねた結束部25とを有する。リング部材20を構成する線材は、例えば、JIS G 3506に規定された硬鋼線材から製造された線材、例えば、硬鋼線(JIS G 3521)や亜鉛めっき鋼線(JIS G 3548)等を用いることができる。硬鋼線材から制作された線材は、JIS G 3505に規定された軟鋼線材から製造された鉄線と比較して塑性変形し難く、高い引張強度及びバネ性を有する。
巻回物22の線材の巻回数は、1回以上の任意の回数とすることができる。巻回数は、例えば5回~20回であって、適用される立木の大きさや連結されるワイヤロープ30との関係を考慮して適宜設定することができる。
結束部25は、例えば、巻回物22の周方向数か所に、断面C形の略筒状の金具をその金具の解放部を通して巻回物22に嵌め、その後、締め付け工具によって縮径して巻回物22に固定することにより構成することができる。
ワイヤロープ30は、例えば、硬鋼線材から製造された線材等をより合わせて形成することができ、端部に形成したループ部32でリング部材20と連結される。ループ部32は、ワイヤロープ30の先端部を環状に曲げて、その先端とワイヤロープ30とをクランプ管34で締結することで形成される。クランプ管34は、例えば金属製であって、内部にワイヤロープ30とその先端を通して圧縮することで、これらを圧着結合する。
なお、巻回物22やワイヤロープ30を構成する線材は、金属製のものに限られず、例えば、カーボン繊維、ガラス繊維又はアラミド繊維等によって形成された線材や、防食性の高い樹脂製線材を用いることができる。
図1に示すように、リング部材20は、地盤となる斜面12上の複数の立木14の地表近傍部分の外周にそれぞれ設けられており、ワイヤロープ30は、近接する立木14に設けられたリング部材20の間に緩みなく張り渡されて、リング部材20同士を連結している。ここで、緩みなく張り渡されるとは、一つのワイヤロープ30によって連結された二本の立木の両方に対して地盤の緩みによる滑り等が発生していない通常状態では、ワイヤロープ30に引張力がほぼ作用していない又は僅かな引張力の作用があり、二本の立木のうちの一方に滑りが発生した際に、直ぐに引張力が作用する程度に張り渡されることをいう。例えば、通常状態では、ワイヤロープ30の引張応力が零、又は破断応力の5%以下となるように設定することができる。本実施の形態では、一つのリング部材20に対して、二本以上のワイヤロープ30が連結されており、これにより、1本の立木14-1が近接する二本以上の立木14-2,14-3,14-4と連結されている。
本実施の形態の斜面安定化構造10は、上述した複数のリング部材20及び複数のワイヤロープ30による連結構造が、山の斜面12に沿って連なって形成されることによりネット状に展開されたものである。
次に、上述した斜面安定化構造10の施工方法を説明する。
まず、図2に示すように、複数の立木14の地表近傍部分の外周15にリング部材20をそれぞれ取付ける。リング部材20は、立木14の外周15に線材を複数回巻回して巻回物22を形成し、この巻回物22の周方向の複数個所を結束部25で束ねることで立木14に取付けられる。リング部材20の内径は、設置される立木14の外周15との間の隙間Rが狭くなるように、外周15大きさとほぼ同じか、これよりも僅かに大きく設定されることが好ましい。このようにリング部材20を線材の巻回物22とすることで、立木14の太さに適合するリング部材20を容易に形成することができる。
次に、近接するリング部材20同士をワイヤロープ30でそれぞれ連結する。具体的には、図1に示すように、まず、斜面12において近接する3本の立木14-1,14-2,14-3に設けられた各リング部材20-1,20-2,20-3を3本のワイヤロープ30-1,30-2,30-3で互いに連結させることで略三角形状の網目38が一つ形成される。このような網目38が斜面12上に複数連なって形成されるように、リング部材20及びワイヤロープ30の連結構造を斜面12の広範囲に亘って展開していくことで、ネット状の斜面安定化構造10が形成される。この斜面安定化構造10では、同一形状の網目が規則的に多数連続する一般的なネットに比べて、斜面12を覆う網目38が大きく、その網目形状が不均一なものとなっている。
次に、図3を用いて上述した斜面安定化構造10の作用を説明する。
降水等によって地盤が緩み、地盤斜面12の一部に亀裂が生じると、その近傍の地盤局部(図3の仮想線で囲まれた部分)及びこの局部の立木14-1が斜面下方へ滑ろうとする。この際、立木14-1のリング部材20-1には、連結された他の立木14-2,14-3によって、ワイヤロープ30-1,30-2を介して斜面12上方や横方向(斜面12の上下方向に直交する方向)に引張力F1,F2が作用し、その結果、立木14-1及び立木14-1の根が張られた周辺地盤の滑りが防止され、その結果、地滑りの発生が防止される。また、他の立木14-2,14-3がさらに他の立木14にそれぞれ連結されていることで、立木14-2,14-3の滑りも抑止されながら、高い引張力で立木14-1の滑りを抑制することができる。
このように、斜面安定化構造10では、複数の立木14がリング部材20とワイヤロープ30とで連結されることで、それぞれの立木14が互いに倒れることを抑制する状況が得られ、地滑りの初動となる局部の滑りの発生を抑制することができる。また、この斜面安定化構造10では、従来のように立木14を避けながら斜面に網目の細かいネットを張設する必要もなく、アンカーの代わりに斜面12の立木14を用いて地滑りの発生を抑制することができるため、施工が容易であり、斜面安定化工事の煩雑さを低減することができる。
また、立木14を連結するワイヤロープ30を斜面12にネット状に展開することで、各立木14を複数のワイヤロープ30で多方向から引張して、起立状態を保持させることができるので、立木14とその周辺地盤の滑りを効果的に抑制することができる。地盤に亀裂が生じると、その周辺の地盤が重力により下方へ移動しようとするが、立木14がワイヤロープ30によって上下方向に連結されることで、上方へ作用する引張力を大きくして広範囲の地滑りをより効果的に抑制することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図4及び図5を用いて、斜面安定化構造10の第2の実施の形態について説明する。なお、図4及び図5では、第1の実施の形態と対応する部位に同一符号を付している。また、以下に説明する第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成については詳細な説明を省略する。
図4は、斜面安定化構造10の第2の実施の形態を模式的に示す斜視図である。本実施の形態の斜面安定化構造10は、複数のリング部材20及び複数のワイヤロープ30を備えるとともに、近接する立木14の間を伸長するワイヤロープ30を斜面12に固定する、例えばロックボルト等のアンカー50を備える。
図5及び図6(a)に示すように、アンカー50は、地中に埋め込まれて地中の安定地盤まで延びるアンカーボルト52と、アンカーボルト52の地上側の端部に取付けられるプレート54と、アンカーボルト52端部に螺合されるナット58とを備える。
プレート54は、アンカーボルト52が挿通される貫通孔を有する板材であり、斜面12との間にワイヤロープ30を挟み込んだ状態でナット58により斜面12に固定される。プレート54は、例えば、鋼板や補強材が埋め込まれた樹脂板等によって形成することができる。プレート54には、ワイヤロープ30をプレート54の斜面12との対向面に繋ぎ止めるための金具56が一つ以上設けられている。本実施の形態では、略U字状の金具56を2つ設けており、図6(a)に示すようにU字の頭部がプレート54にナット等で固定され、図5に示すようにU字の底部がプレート54の斜面12との対向面から地盤側に突出しており、その内部にワイヤロープ30が挿通される。
アンカー50は、二本の立木14の間を直線状に伸長するワイヤロープ30上に設けられ、アンカーボルト52の頭部にプレート54を取付け、金具56にワイヤロープ30を通してプレート54と斜面12との間にワイヤロープ30を挟み込んだ状態で、ナット58をアンカーボルト52に螺合することで、ワイヤロープ30を斜面12に押付けることができる。
このように、ワイヤロープ30をアンカー50で斜面12に固定した状態で緩みなく張り渡すことで、立木14が滑りかけた際の引張力をより強くし、より確実に滑りを抑制することが可能となる。また、アンカー50は立木14間を伸長するワイヤロープ30上に設置されるため、従来のようにネットの周縁部に多数のアンカーを設置するものに比べて少ない本数のアンカーで効率的に斜面安定化効果を得ることができ、施工性に優れている。
なお、アンカー50は、複数あるワイヤロープ30のうち、少なくとも1本のワイヤロープ30に設けられればよく、全てのワイヤロープ30に対して設置する構成であってもよい。また、アンカー50は、1本のワイヤロープ30上に複数設けられてもよい。図4に示す例では、斜面12の下方に位置する立木14を連結するワイヤロープ30をアンカー50で固定することで、広範囲に亘る地滑りの発生を効果的に防止している。
図6(b)は、アンカー50の変形例を示す、図6(a)と同様の平面図である。変形例では、プレート54に形成された貫通孔55にワイヤロープ30の一端30aを通して固定している。なお、図6(a)及び(b)に示すプレート54は、平面視で矩形状に形成されているが、形状はこれに限られず、三角形等の他の多角形状や、円形、楕円形状等であってもよい。
なお、アンカー50によるワイヤロープ30の固定構造は上述のものに限られず、立木14の間を伸長するワイヤロープ30を斜面12に固定可能な構造であればよい。
(変形例)
図7は、アンカー50を用いた斜面安定化構造10の変形例を示す斜視図である。なお、図7では、第2の実施の形態と対応する部位に同一の符号を付している。また、以下の説明において、第2の形態と同一の構成については詳細な説明を省略する。
本変形例では、近接する立木の間を伸長するワイヤロープ(ロープ部)30を斜面12に固定するアンカー50を設けている。二本の立木14間を延びるワイヤロープ30は、一方の立木14からアンカー50まで直線状に延び、このアンカー50で屈曲して他方の立木14まで直線状に延びている。ワイヤロープ30は、例えば図6(b)に示すように、一端がアンカー50に固定され、他端にリング部材20が形成される構成とすることができる。本変形例のように、アンカー50を介してそれぞれの立木14を連結することで、立木14の滑り抑制効果をより高めることができる。
(第3の実施の形態)
図8は、斜面安定化構造10の第3の実施の形態を模式的に示す斜視図である。なお、図8では、第1及び第2の実施の形態と対応する部位に同一の符号を付している。また、以下の説明において、第1及び第2の実施の形態と同一の構成については詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、任意の立木14の間において、複数本のワイヤロープ30,35が交差している。なお、図8では一例として、二本のワイヤロープ30及び35が交差したものを示している。ワイヤロープ35の構成は、ワイヤロープ30と同様であるため、ここでは詳細を省略する。
本実施の形態の斜面安定化構造10では、例えば、滑り抑制のためにより強固な引張力が必要とされる箇所等、任意の箇所においてワイヤロープ30,35を交差状態で緩みなく張り渡し、本数を増加して所定の立木14に対する起立保持力をより強固にすることで、地滑りの発生をより確実に防止することができる。
また、ワイヤロープ30,35が交差状態で張り渡する場合、図8に示すように、交差部にアンカー50を設けて、複数本のワイヤロープ30,35を一つのアンカー50で固定することにより、アンカー50の設置数を低減しながら、強固な引張力で立木14の滑りを抑制することができる。
(第4の実施の形態)
図9は、斜面安定化構造10の第4の実施の形態を示す斜視図である。なお、図9では、第1の実施の形態と対応する部位に同一の符号を付している。また、以下の説明において、第1の形態と同一の構成については詳細な説明を省略する。
本実施の形態では、連結部材70のリング部74とロープ部72とが1本のワイヤロープで一体に形成されている。また、ロープ部72上に、連結部材70に緊張力を与える緊張手段80が取り付けられている。
各リング部74は、ロープ部72を構成するワイヤロープの先端部を立木14の地表近傍部分の外周を囲繞するように環状に曲げて、その先端とワイヤロープとをクランプ管で締結することで形成されている。また、リング部74の内周長さは、それぞれ、各立木14-1,14-2の外周よりも大きく形成されている。
本実施の形態では、緊張手段80の一例としてターンバックルを用いている。なお、連結部材70は、間に緊張部材80を設けることなく、ロープ部72の一方の端部のリング部74から他方の端部のリング部74までを一本のワイヤロープによって形成してもよい。本実施の形態のように緊張手段80を設けることで、ロープ部72が緩みなく張り渡されるように張り具合を容易に調節してすることができ、一方の立木14-1が傾いた際に、連結部材70に素早く引張力を作用させて、地滑りの発生を抑制することができる。
なお、図示していないが、緊張手段80に代えて、又は緊張手段80とともに、第2の実施の形態で説明したアンカー50を用いてもよい。
本実施の形態では、1本の立木14に対して、複数の連結部材70が取り付けられており、図9に示す例では、1本の立木14-1及び14-2のそれぞれに対して2つの連結部材70-1,70-2及び70-1,70-3のそれぞれが取り付けられている。このように、連結部材70を複数用いて斜面12にネット状に展開し、複数の立木14を互いに連結することで、強固な斜面安定化構造10を得ることができる。
また、各リング部74の内周長さが、立木14-1,14-2の外周長さよりも長いため、立木14-1,14-2の成長により、その外周長さが変化した場合であっても、これに対応させることができる。また、立木14-1,14-2の外周長さが変化した際に、緊張手段80によって連結部材70の緊張力を調整することも可能である。
(変形例)
図10(a)及び(b)は、それぞれ、連結部材70の変形例を説明する平面図である。なお、図10では、連結部材70の構造が理解されやすいように、立木14に対して連結部材70を大きく記載している。図10(a)に示す変形例1では、ロープ部72を構成するワイヤロープの先端部を立木14の外周を囲むように環状に曲げて、その先端に形成されたワイヤロープ挿通用の環状部74aにワイヤロープを通すことで、リング部74を形成している。また、図10(b)に示す変形例2では、ロープ部72を構成するワイヤロープの先端部を環状に曲げて、その先端を複数のクリップ79-1,79-2,79-3によってワイヤロープに固定することで、リング部74を形成している。変形例1,2のように、連結部材70のリング部74とロープ部72とは任意の手段を用いて一体的に形成することが可能である。
なお、本発明は上述した実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、連結部材は、一つのロープ部の両端にリング部を有し、斜面12上の二本の立木を連結可能であればよい。
また、例えば、上述した実施の形態及び変形例では、ワイヤロープ30を斜面12にネット状に展開しているが、斜面12においてほぼ一方向(例えば、上下方向、これに直交する横方向、又はこれらと交差する斜め方向等)に並ぶ複数の立木14を各立木14に取付けたリング部材30を介して、複数のワイヤロープ30で線状に連結する構成であってもよい。なお、ワイヤロープ30で連結される複数の立木14は、最上位の立木14を除き、少なくとも自身よりも上方に位置する立木14と連結されるように構成することで、横方向に伸長するワイヤロープ30のみで連結するものに比して、地滑りの発生をより効果的に抑制することができる。
10 斜面安定化構造
12 斜面
14 立木
20 リング部材(連結部材のリング部)
22 巻回体
25 結束部
30,35 ワイヤロープ(連結部材のロープ部)
32 ループ部
34 クランプ管
50 アンカー
52 アンカーボルト
54 プレート
58 ナット
70 連結部材
72 ロープ部
74 リング部
80 緊張手段

Claims (3)

  1. 地盤となる斜面上の複数の立木それぞれの地表近傍の根元部分に設けられ、該立木の根元部分の外周を囲むリング部と、近接する二本以上の前記立木の根元部分に設けられた前記リング部同士を連結し、地表近傍で緩みなく張り渡されたロープ部と、
    を有する連結部材と、
    前記立木間に設置されて該立木間を伸長する前記ロープ部を前記斜面に固定又は押付けるアンカーと、
    を備えたことを特徴とする斜面安定化構造。
  2. 記アンカーは、
    地中に埋め込まれたアンカーボルトと、
    前記アンカーボルトの地上側の端部に取付けられ、前記アンカーボルトに螺合されたナットにより前記斜面に固定されたプレートと、を備え、
    前記ロープ部は、一端が前記プレートに固定されている、又は、前記プレートと前記斜面との間に挟み込まれた状態で前記斜面に押付けられていることを特徴とする請求項1に記載の斜面安定化構造。
  3. 前記連結部材が、前記斜面にネット状に展開されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の斜面安定化構造。
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