JP7318418B2 - 電力変換器 - Google Patents

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Description

本明細書が開示する技術は、電力変換器に関する。
例えば電気自動車には、電源の出力を走行用モータの駆動力に変換する電力変換器が搭載される。この電力変換器は、電源の出力電圧を昇圧するスイッチング素子を備えている昇圧回路と、昇圧した電力を走行用モータの駆動力に変換するスイッチング素子を備えている電力変換回路と、を備えている。このような電力変換器には、流れる電流を検知する電流センサが設けられており、電力変換器の制御器は電流センサの検知した電流値によってスイッチング素子を制御する。
電力変換器を流れる電流を検知する電流センサに誤差が生じると、電力変換器の出力を正確に制御できない。電流センサに誤差を生じると、実際には電流が流れていないにも関わらず、電流センサの出力がゼロ以外を示す場合がある。この現象は、ゼロ点(原点)のずれとして知られている。
ゼロ点のずれを補正する技術が例えば特許文献1に開示されている。特許文献1は、2個のスイッチング素子の直列接続を含む電圧変換回路と、電圧変換回路に接続されている電力変換回路を備えている。直列接続の低電位側のスイッチング素子(下スイッチング素子)は、電源の電圧を昇圧してインバータへ供給する昇圧動作に関与する。高電位側のスイッチング素子(上スイッチング素子)は、モータが発電した電力(回生電力)を降圧して電源へ供給する降圧動作に関与する。なお、電源からモータへ電流が流れる状態は力行と呼ばれる。特許文献1の電力変換器では、上スイッチング素子と下スイッチング素子をともにオフに保持し、力行と回生が切り替わるタイミングで電流センサの計測値を取得する。力行と回生が切り替わるタイミングで電流の流れる向きが逆転する。電流の流れる向きが逆転するタイミングでは、電力変換器に電流が流れなくなる。特許文献1の電力変換器は、そのタイミングにおける計測値をゼロ点のオフセットとして取得する。
特開2013-110932号公報
特許文献1の技術は、力行から回生に切り替わる際の電流が流れなくなるタイミングにおける電流センサの計測値に基づいてゼロ点のずれを補正する。しかしながら、特許文献1の技術では、電流センサの計測値の取得タイミングがわずかでもずれると、ゼロ点のずれの補正の精度が下がってしまう。本明細書は、電流センサのゼロ点を従来よりも正確に補正することのできる電力変換器を提供する。
本明細書が開示する電力変換器は、昇圧回路と、電力変換回路と、電流センサと、制御器を備えている。昇圧回路は、電源の電圧を昇圧する第1スイッチング素子を有している。電力変換回路は、昇圧回路の出力を走行用モータの駆動電力に変換する第2スイッチング素子を有している。電流センサは、電源と走行用モータの間を流れる電流を計測する。制御器は、電流センサの計測値に基づいて、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を制御する。制御器は、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子をともにオフするとともにそのときの電流センサの計測値に基づいて電流センサのゼロ点を補正する。すなわち、本明細書が開示する電力変換器は、昇圧用の第1スイッチング素子と電力変換用の第2スイッチング素子をともにオフにして電力変換器に流れる電流が確実にゼロになる状態を作り出してからゼロ点補正用の計測値を取得する。従ってゼロ点を正確に補正することができる。
昇圧回路は、電源に接続される入力端子と第1スイッチング素子の間に接続されているリアクトルを備えている場合がある。一方、電流センサには、計測対象の電流に起因して生じる磁束から、ホール効果を利用して電流の計測値を得るホール素子方式が採用されることが多い。そのような場合、リアクトルに僅かでも電流が流れていると、リアクトルが発する磁場により電流センサの計測値がさらに誤差を含むことになる。本明細書が開示する技術は、リアクトルに実際に流れる電流がゼロになる状態を作り出すので、リアクトルの磁場の影響を受けない。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の電力変換器を搭載する電気自動車の回路図である。 実施例の電力変換器の側面図である。 図2のIII-III線でカットした電力変換器の断面図である。 実施例の電力変換器が備える制御器が実行する処理フロー図である。
図面を参照して実施例の電力変換器について説明する。図1を参照して、実施例の電力変換器1が備える回路について説明する。電力変換器1は、電気自動車100に搭載されている。図1に示すように、電力変換器1は、電気自動車100の電源であるバッテリ2と、電気自動車100の車輪を駆動するモータ8と、に接続されている。電力変換器1は、バッテリ2の直流電圧をモータ8の駆動電力に変換する。モータ8は三相交流モータである。電力変換器1は、バッテリ2の直流電圧を昇圧し、昇圧された電力を三相交流に変換する。
図1に示すように、電力変換器1は、昇圧回路としてコンバータ回路4を備えている。また、電力変換器1は、電力変換回路としてインバータ回路6を備えている。さらに、電力変換器1は、コンバータ回路4と、インバータ回路6と、を制御する制御器10と、を備えている。コンバータ回路4は、チョッパ型の双方向DC-DCコンバータの回路であり、バッテリ2の電圧を昇圧してインバータ回路6へ供給する。コンバータ回路4は、モータ8が発電した回生電力を(インバータ回路6が直流電力に変換した後に)、バッテリ2の電圧まで降圧することもできる。
図1に示すように、バッテリ2と、コンバータ回路4と、の間にはフィルタコンデンサ12が接続されている。コンバータ回路4と、インバータ回路6と、の間には平滑コンデンサ14が接続されている。
コンバータ回路4は、半導体モジュール30と、リアクトル20と、電流センサ22と、を備えている。半導体モジュール30は、バッテリ2の電圧を昇圧する複数の電圧スイッチング素子32、34の直列接続を備えている。半導体モジュール30の各電圧スイッチング素子32、34には、ダイオードが逆並列に接続されている。リアクトル20は、電源であるバッテリ2に接続される入力端子と、電圧スイッチング素子32、34を備えている半導体モジュール30と、の間に接続されている。電流センサ22は、リアクトル20と、半導体モジュール30と、の間に接続さており、リアクトル20に流れる電流を計測する。電流センサ22は、コンバータ回路4に流れる電流を計測する。図中の矢印破線は信号の流れを示している。電流センサ22の計測値は、制御器10に送られる。電流センサ22の計測値に基づいて、制御器10は、電圧スイッチング素子32、34を制御する。
先に述べたように、コンバータ回路4は双方向DC-DCコンバータである。コンバータ回路4の機能については、良く知られているため説明を省略する。
インバータ回路6について説明する。インバータ回路6は、コンバータ回路4によって昇圧された直流電力を、モータ8を駆動する交流電力に変換する。図1に示すように、インバータ回路6は、半導体モジュール40、50、60が並列に接続された回路構造を有している。半導体モジュール40は、昇圧回路(コンバータ回路4)の出力を走行用モータの駆動電力に変換する2個の変換スイッチング素子42、44の直列接続を備えている。半導体モジュール40の各変換スイッチング素子42、44には、ダイオードが逆並列に接続されている。半導体モジュール50、60についても、2個の変換スイッチング素子の直列接続(変換スイッチング素子52、54の直列接続、および、変換スイッチング素子62、64の直列接続)を備えているが、半導体モジュール40と同構造であるため説明は省略する。また、図1に示すように、インバータ回路6は、パワーケーブル18を介してモータ8に接続されている。インバータ回路6の出力は、パワーケーブル18を介してモータ8に送られる。また、インバータ回路6と、モータ8と、の間には、電流センサ16が接続されている。電流センサ16は、インバータ回路6がモータ8に送る三相交流のそれぞれを計測する。電流センサ16は、バッテリ2とモータ8の間を流れる電流を計測する。電流センサ16の計測値は、制御器10に送られる。電流センサ16の計測値に基づいて、制御器10は、インバータ回路6が備える複数の変換スイッチング素子42、44、52、54、62、64を制御する。なお、以下では、コンバータ回路4が備える複数の電圧スイッチング素子32、34をまとめて電圧スイッチング素子群と称する場合がある。また、インバータ回路6が備える複数の変換スイッチング素子42、44、52、54、62、64をまとめて変換スイッチング素子群と称する場合がある。
上述した各スイッチング素子は、電力変換用のトランジスタ(パワートランジスタ)である。各スイッチング素子は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。
次に、図2及び図3を参照して実施例の電力変換器1のハードウエア構成について説明する。図2に、電力変換器1の側面図を示す。電力変換器1のケース70は、アッパーカバー72、アッパーケース74、ロアケース76に分割されている。アッパーケース74は、上下が開口しており、上側の開口がアッパーカバー72で塞がれ、下側の開口はロアケース76で塞がれる。アッパーカバー72は複数のボルト80でアッパーケース74に取り付けられる。ロアケース76は、複数のボルト82でアッパーケース74に取り付けられる。ロアケース76には、モータ8から延びるパワーケーブル18(図1参照)のコネクタ(不図示)が接続されるコネクタ孔79が設けられている。パワーケーブル18のコネクタに接続される3本の接続バスバ18aがコネクタ孔79に面している。コネクタ孔79は、ロアケース76の側面に設けられている。
図3を参照して電力変換器1の内部構造について説明する。図3は、図2の線III-IIIに沿った電力変換器1の断面図である。電力変換器1の上部には、制御器10が配置されている。制御器10は、回路基板である。制御器10は、アッパーケース74の中板の上に固定されている。図1のフィルタコンデンサ12及び平滑コンデンサ14は、コンデンサモジュール24に内蔵されている。図3に示すように、コンデンサモジュール24は、電力変換器1のケース70のY軸方向負側(すなわち、図面左側)に配置されている。電力変換器1が備えている複数の半導体モジュール30、40、50、60(図1参照)は、積層ユニット46に内蔵されている。積層ユニット46は、2個のスイッチング素子を樹脂で封止した複数の半導体モジュールと、半導体モジュールを冷却する冷却器と、を積層することで構成されている。積層ユニット46の下側には、Z軸方向に延びている3本の端子が設けられている。最も左側に位置する端子は、正極端子46aである。正極端子46aは、コンデンサモジュール24と正極バスバ47で接続されている。中央に位置する端子は、負極端子46bである。負極端子46bは、コンデンサモジュール24と負極バスバ48で接続されている。最も右側に位置する端子は、中点端子46cである。図3に示すように、中点端子46cは、出力バスバ49を介して接続バスバ18aと接続されている。先に述べたように、接続バスバ18aは、図1に示したモータ8と、パワーケーブル18を介して接続される。すなわち、インバータ回路6の出力は、接続バスバ18a及びパワーケーブル18を介してモータ8に送られる。なお、図1に示すように、パワーケーブル18は、3本のケーブルから構成されている。そのため、パワーケーブル18に接続される接続バスバ18aも、図2に示すように、3本のバスバから構成されている。ここでは、接続バスバ18aのうちの1本のバスバについて説明するが、他の2本のバスバについても同様である。
図3に示すように、接続バスバ18aは、端子台17を貫通してコネクタ孔79に向かって延びている。先に述べたように、接続バスバ18aは、コネクタ孔79を介してパワーケーブル18と接続される。端子台17の内部には、電流センサ16が設けられている。図3の右側に、Y軸方向正側から見たときの電流センサ16の形状を示す。電流センサ16は、接続バスバ18aを囲むリングコア16aと、リングコア16aのギャップに配置されるホール素子16bと、を備えている。リングコア16aは磁性体で作られている。リングコア16aは、接続バスバ18aを流れる電流が発生する磁束を集める。ホール素子16bは、リングコア16aを通る磁束を計測する。電流センサ16は、リングコアを通る磁束から接続バスバ18aを流れる電流値を得ることができる。電流センサ16は、接続バスバ18aの電流に起因して生じる磁束からホール効果を利用して電流の計測値を得るホール素子方式である。電流センサ16は、制御器10に接続されている。電流センサ16が計測した計測値に基づいて、制御器10は、図1に示すコンバータ回路4及びインバータ回路6が備えている複数のスイッチング素子を制御する。なお、図1に示す電流センサ22も、電流センサ16と同様にリングコアと、ホール素子と、を備えるホール素子方式の電流センサである。
ここで、ホール素子16bは、リングコア16aを通る磁束を計測するために抵抗値を有している。この抵抗値によってホール素子16bが出力する磁束の強さが変化する。ホール素子16bの抵抗値は、例えば温度特性によって変化する。すなわち、ホール素子16bを備えている電流センサ16には、温度特性によりゼロ点(原点)のずれが生じるおそれがある。このホール素子16bの原点のずれを修正するために、制御器10は、電流センサ16の計測値に基づいて原点を補正する。しかしながら、電流センサ16の計測値が誤っている場合、制御器10は、正確に原点のずれを修正することができない。電流センサ16の計測値の誤差が大きい場合には、電流センサ16の計測値に基づいて補正した原点が、補正前の原点に対して、よりずれた原点となるおそれがある。
また、図3に示すように、電力変換器1の底面には、リアクトル20が配置されている。よく知られているため詳細は省略するが、リアクトル20は、平角線をエッジワイズに巻回したコイルに、磁性体で形成されているリング状のコアの一部を挿通させたものである。リアクトル20は、コイルに流れる電流を磁気エネルギーに変換する。このため、リアクトル20のコイルに電流が流れると、リアクトル20の周辺には強い磁場が発生する。図3に示すように、リアクトル20は、電流センサ16の近傍に配置されている。先に述べたように、電流センサ16は、ホール素子16bが磁束から接続バスバ18aに流れる電流を計測する。このため、リアクトル20に電流が流れている最中に電流センサ16が計測した値に基づいて補正した原点は、リアクトル20から発生した強い磁場の影響によって、より大きな誤差を含んでいるおそれがある。
以下、電流センサ16(図1参照)の原点をより正確に補正するために、制御器10が実行する処理について、図4を参照して説明する。制御器10は、まず初めに原点補正が必要かを判定する(ステップS2)。図示は省略したが、電力変換器1は、電流センサの他にも、温度センサ、電圧センサ、モータ8(図1参照)の回転数センサ等を備えている。例えば温度変化が激しい場合には、先に述べたように、電流センサのホール素子の抵抗値に影響がある可能性が高い。このため、制御器10は、例えば温度センサの温度が所定値を超えた場合に、原点補正が必要だと判定する(ステップS2:YES)。また、温度等の条件で原点補正が必要でないと判定された場合(ステップS2:NO)には、制御器10は、原点補正を所定時間以上実行していないかを判定する(ステップS4)。これにより、温度等の条件で原点補正が必要でない場合であっても、制御器10は、所定時間内に原点補正を実行することができる。所定時間は、例えば温度センサが計測する温度変化等によって設定されてもよい。
温度等の条件から原点補正が必要と判定された場合(ステップS2:YES)または、原点補正を所定時間以上実行していない場合(ステップS4:YES)には、制御器10は、図1に示す変換スイッチング素子群がオフされているかを判定する(ステップS6)。変換スイッチング素子群がオンされている場合(ステップS6:NO)には、電流センサ16(図1参照)に電流が流れている可能性が高いため、制御器10は原点補正を行わずに処理を終了する。変換スイッチング素子群がオフされている場合(ステップS6:YES)には、制御器10は、電圧スイッチング素子群がオフされているかを判定する(ステップS8)。
電圧スイッチング素子群がオフされている場合(ステップS8:YES)には、図1に示す電流センサ16の検知した電流値に基づいて原点を補正する(ステップS14)。具体的には、制御器10は、変換スイッチング素子群と、電圧スイッチング素子群と、がオフされているときの電流センサ16の計測値を、電流センサ16のゼロ点(原点)に置換する。変換スイッチング素子群と、電圧スイッチング素子群と、がオフされているときは、電流センサ16には電流が流れていない。すなわち、この場合に、電流センサ16には電流が流れていないことが保証される。また、変換スイッチング素子群と、電圧スイッチング素子群と、がオフされているときは、リアクトル20に電流が流れていない。そのため、電流センサ16がリアクトル20から発生する磁場の影響を受けることがない。このように、変換スイッチング素子群と、電圧スイッチング素子群と、がオフされているときの電流センサ16の計測値に基づいて原点を補正することで、制御器10は、正確に電流センサ16の原点を補正することができる。
さらに、電圧スイッチング素子群がオンされている場合(ステップS8:NO)には、制御器10は、電圧スイッチング素子群をオフすることができるかを判定する(ステップS10)。図示は省略したが、制御器10は、例えばモータ8の回転数が所定値以下の場合に、電圧スイッチング素子群をオフすることができると判定する。電力変換器1が力行を行っている場合には、電圧スイッチング素子群で昇圧を行う必要がないと判定できる場合に、制御器10は、電圧スイッチング素子群をオフする(ステップS12)。一例としては、電気自動車100のシフトレバーのポジションがニュートラルであり、かつ、モータ8の回転数から取得される車速が低い場合等である。また、電力変換器1が回生を行っている場合には、回生電流が所定値以下であり、電圧スイッチング素子群をオフにしても逆起電圧によって変換スイッチング素子群に影響がないと判定できる場合に、制御器10は、電圧スイッチング素子群をオフする(ステップS12)。このように、実施例の電力変換器1が備える制御器10は、所定の条件時に電圧スイッチング素子群をオフすることで、原点補正の実行回数を増加させることができる。その結果、電流センサ16の精度が向上する。
実施例の留意点を以下に述べる。先に述べたように、実施例の電力変換器1が備える複数のスイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であるが、他のトランジスタ、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよい。また、実施例の電力変換器1が備えるコンバータ回路4は、2個の電圧スイッチング素子32、34を備えているが、図1の高電位側のスイッチング素子(上スイッチング素子)32は、必須の構成要素ではない。その場合、コンバータ回路、はDC-DCコンバータとなる。また、実施例の電力変換器1は電気自動車100に搭載されているが、エンジンを備えるハイブリッド車に搭載されてもよい。その場合には、エンジンを動作させるための別のインバータ回路を備えてもよい。
また、実施例の電力変換器1が備える制御器10は、原点を補正するために、変換スイッチング素子群と、電圧スイッチング素子群と、がオフされているときの電流センサ16の計測値を、電流センサ16のゼロ点(原点)に置換している。しかしながら、本明細書が開示する技術は、これに限定されない。例えば、制御器10は、変換スイッチング素子群と、電圧スイッチング素子群と、がオフされているときの電流センサ16の計測値と、原点(すなわち、ゼロ)との差分からオフセット値を特定してもよい。その場合、制御器10は、オフセット値特定後の電流センサ16の計測値にオフセット値を加算することで、原点を補正することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:電力変換器
2:バッテリ
4:コンバータ回路
6:インバータ回路
8:モータ
10:制御器
12:フィルタコンデンサ
14:平滑コンデンサ
16、22:電流センサ
16a:リングコア
16b:ホール素子
17:端子台
18:パワーケーブル
18a:接続バスバ
20:リアクトル
24:コンデンサモジュール
30、40、50、60:半導体モジュール
32、34:電圧スイッチング素子
42、44、52、54、62、64:変換スイッチング素子
46:積層ユニット
46a:正極端子
46b:負極端子
46c:中点端子
47:正極バスバ
48:負極バスバ
49:出力バスバ
70:ケース
72:アッパーカバー
74:アッパーケース
76:ロアケース
79:コネクタ孔
80、82:ボルト
100:電気自動車

Claims (2)

  1. 電源の電圧を昇圧する第1スイッチング素子を有している昇圧回路と、
    前記昇圧回路の出力を走行用モータの駆動電力に変換する第2スイッチング素子を有している電力変換回路と、
    前記電源と前記走行用モータの間を流れる電流を計測する電流センサと、
    前記電流センサの計測値に基づいて、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子を制御する制御器と、
    を備えており、
    前記制御器は、
    前記電流センサのゼロ点を補正することが必要であり、かつ、前記第2スイッチング素子がオフされている場合に、前記第1スイッチング素子がオフできるかを判断し、
    前記第1スイッチング素子がオフできると判断される場合に、前記第1スイッチング素子をオフするとともにそのときの前記電流センサの計測値に基づいて前記電流センサのゼロ点を補正する、電力変換器。
  2. 前記昇圧回路は、前記電源に接続される入力端子と前記第1スイッチング素子の間に接続されているリアクトルを備えており、
    前記電流センサは、計測対象の電流に起因して生じる磁束から、ホール効果を利用して電流の計測値を得るホール素子方式である、
    請求項1に記載の電力変換器。
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