以下の説明では、本実施形態の駆動装置1が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、-Z側は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置が搭載される車両の前後方向である。以下の実施形態において、+X側は、車両の前側であり、-X側は、車両の後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、+Y側は、車両の左側であり、-Y側は、車両の右側である。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。
なお、前後方向の位置関係は、以下の実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、-X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、-Y側は、車両の左側である。
各図に適宜示すモータ軸J1は、Y軸方向、すなわち車両の左右方向に延びる。以下の説明においては、特に断りのない限り、モータ軸J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする周方向、すなわち、モータ軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。なお、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。本実施形態において車両の左右方向の右側(-Y側)は、軸方向の一方側に相当し、車両の左右方向の左側(+Y側)は、軸方向の他方側に相当する。以下の説明においては、右側を「軸方向一方側」と呼び、左側を「軸方向他方側」と呼ぶ。
図1から図3に示す本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。図1に示すように、駆動装置1は、モータ2と、減速装置4と、差動装置5と、ハウジング6と、インバータユニット8と、オイルクーラ97と、オイルポンプ96と、を備える。ハウジング6は、モータ2および後述する回転検出装置70を収容するハウジング本体81と、減速装置4および差動装置5を内部に収容するギヤ収容部82と、を有する。ギヤ収容部82は、ハウジング本体81の軸方向他方側(+Y側)に位置する。
本実施形態においてモータ2は、インナーロータ型のモータである。モータ2は、ロータ20と、ステータ30と、ベアリング26,27と、を有する。ロータ20は、水平方向に延びるモータ軸J1を中心として回転可能である。ロータ20は、シャフト21と、ロータ本体24と、を有する。ロータ本体24は、シャフト21の外周面に固定される。ロータ本体24は、ステータ30の径方向内側においてステータ30と隙間を介して対向する。図示は省略するが、ロータ本体24は、ロータコアと、ロータコアに固定されるロータマグネットと、を有する。ロータ20のトルクは、減速装置4に伝達される。
シャフト21は、モータ軸J1を中心として軸方向に沿って延びる。シャフト21は、モータ軸J1を中心として回転する。シャフト21は、内部に中空部22が設けられた中空シャフトである。シャフト21には、連通孔23が設けられる。連通孔23は、径方向に延びて中空部22とシャフト21の外部とを繋ぐ。
シャフト21は、ハウジング6のハウジング本体81とギヤ収容部82とに跨って延びる。シャフト21の軸方向他方側(+Y側)の端部は、ギヤ収容部82の内部に突出する。シャフト21の軸方向他方側の端部には、減速装置4の後述する第1のギヤ41が固定される。シャフト21は、ベアリング26,27により回転可能に支持される。図4に示すように、シャフト21の軸方向一方側(-Y側)の端部は、後述する装置収容部84hの内部に突出する。シャフト21の軸方向一方側の端部には、シャフト21の外径が小さくなる段差部21bが設けられる。これにより、シャフト21の軸方向一方側の端部は、外径が小さくなる縮径部21aとなっている。
図1に示すように、ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間を介して対向する。より詳細には、ステータ30は、ロータ20の径方向外側に位置する。ステータ30は、ロータ20を囲む。ステータ30は、ステータコア32と、コイルアセンブリ33と、を有する。ステータコア32は、ハウジング本体81の内周面に固定される。図示は省略するが、ステータコア32は、軸方向に延びる円筒状のコアバックと、コアバックから径方向内側に延びる複数のティースと、を有する。
コイルアセンブリ33は、周方向に沿ってステータコア32に取り付けられる複数のコイル31を有する。複数のコイル31は、図示しないインシュレータを介してステータコア32の各ティースにそれぞれ装着される。複数のコイル31は、周方向に沿って配置される。より詳細には、複数のコイル31は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。図示は省略するが、コイルアセンブリ33は、各コイル31を結束する結束部材等を有してもよいし、各コイル31同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。
コイルアセンブリ33は、ステータコア32から軸方向に突出するコイルエンド33a,33bを有する。コイルエンド33aは、ステータコア32から軸方向一方側(-Y側)に突出する部分である。コイルエンド33bは、ステータコア32から軸方向他方側(+Y側)に突出する部分である。コイルエンド33aは、コイルアセンブリ33に含まれる各コイル31のうちステータコア32よりも軸方向一方側に突出する部分を含む。コイルエンド33bは、コイルアセンブリ33に含まれる各コイル31のうちステータコア32よりも軸方向他方側に突出する部分を含む。本実施形態においてコイルエンド33a,33bは、モータ軸J1を中心とする円環状である。図示は省略するが、コイルエンド33a,33bは、各コイル31を結束する結束部材等を含んでもよいし、各コイル31同士を繋ぐ渡り線を含んでもよい。
ベアリング26,27は、ロータ20を回転可能に支持する。より詳細には、ベアリング26,27は、シャフト21を回転可能に支持する。ベアリング26,27は、例えば、ボールベアリングである。ベアリング26は、ロータ20のうちステータコア32よりも軸方向一方側(-Y側)に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング26は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも軸方向一方側に位置する部分を支持する。ベアリング26は、ハウジング本体81のうち後述するベアリングホルダ84に保持される。
ベアリング27は、ロータ20のうちステータコア32よりも軸方向他方側(+Y側)に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング27は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも軸方向他方側に位置する部分を支持する。ベアリング27は、後述する隔壁61cに保持される。
図4に示すように、モータ2は、バスバーホルダ110と、バスバー111と、を有する。バスバーホルダ110は、バスバー111を保持する。バスバーホルダ110は、ステータ30に設けられる。より詳細には、バスバーホルダ110は、ステータコア32のうち後側(-X側)斜め上方に位置する部分に設けられる。バスバーホルダ110は、ステータコア32の外周面に支持される。バスバー111は、ステータ30に電気的に接続される。図示は省略するが、バスバー111には、コイル31から引き出されるコイル引出線が接続される。
減速装置4は、モータ2に接続される。より詳細には、減速装置4は、シャフト21の軸方向他方側(+Y側)の端部に接続される。減速装置4は、モータ2の回転速度を減じて、モータ2から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる。減速装置4は、モータ2から出力されるトルクを差動装置5へ伝達する。減速装置4は、第1のギヤ41と、第2のギヤ42と、第3のギヤ43と、中間シャフト45と、を有する。
第1のギヤ41は、シャフト21の軸方向他方側(+Y側)の端部における外周面に固定される。第1のギヤ41は、シャフト21とともに、モータ軸J1を中心に回転する。中間シャフト45は、中間軸J2に沿って延びる。本実施形態において中間軸J2は、モータ軸J1と平行である。本実施形態において中間軸J2は、モータ軸J1よりも下側に位置する。図示は省略するが、中間軸J2は、例えば、モータ軸J1よりも後側(-X側)に位置する。中間シャフト45は、中間軸J2を中心として回転する。
第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間シャフト45の外周面に固定される。第2のギヤ42と第3のギヤ43は、中間シャフト45を介して接続される。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間軸J2を中心として回転する。第2のギヤ42は、第1のギヤ41に噛み合う。第3のギヤ43は、差動装置5の後述するリングギヤ51と噛み合う。第2のギヤ42の外径は、第3のギヤ43の外径よりも大きい。本実施形態において第2のギヤ42の下側の端部は、減速装置4のうちで最も下側に位置する部分である。
モータ2から出力されるトルクは、減速装置4を介して差動装置5に伝達される。より詳細には、モータ2から出力されるトルクは、シャフト21、第1のギヤ41、第2のギヤ42、中間シャフト45および第3のギヤ43をこの順に介して差動装置5のリングギヤ51へ伝達される。各ギヤのギヤ比およびギヤの個数等は、必要とされる減速比に応じて種々変更可能である。本実施形態において減速装置4は、各ギヤの軸芯が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。
差動装置5は、減速装置4に接続される。これにより、差動装置5は、減速装置4を介してモータ2に接続される。差動装置5は、モータ2から出力されるトルクを車両の車輪に伝達するための装置である。差動装置5は、車両の旋回時に、左右の車輪の速度差を吸収しつつ、左右両輪の車軸55に同トルクを伝える。差動装置5は、車軸55を差動軸J3回りに回転させる。これにより、駆動装置1は、車両の車軸55を回転させる。
本実施形態において差動軸J3は、モータ軸J1と平行である。すなわち、本実施形態においてモータ軸J1は、差動軸J3と平行な方向に延びる。また、前後方向は、差動軸J3の軸方向および鉛直方向の両方と直交する方向である。図2に示すように、本実施形態において差動軸J3は、モータ軸J1よりも後側(-X側)に位置する。差動軸J3は、モータ軸J1よりも下側に位置する。図示は省略するが、差動軸J3は、中間軸J2よりも後側に位置する。なお、図1では模式的に差動軸J3を中間軸J2よりも下側に記載しているが、差動軸J3は、例えば、鉛直方向において中間軸J2とほぼ同じ位置に位置する。差動軸J3は、例えば、中間軸J2よりも僅かに上側に位置する。
図示は省略するが、差動装置5は、ギヤ収容部82の内部において減速装置4の後側(-X側)に位置する。図1に示すように、差動装置5は、リングギヤ51と、図示しないギヤハウジングと、図示しない一対のピニオンギヤと、図示しないピニオンシャフトと、図示しない一対のサイドギヤと、を有する。リングギヤ51は、差動軸J3回りに回転するギヤである。リングギヤ51は、第3のギヤ43と噛み合う。これにより、リングギヤ51には、モータ2から出力されるトルクが減速装置4を介して伝えられる。リングギヤ51の下側の端部は、減速装置4よりも下側に位置する。本実施形態においてリングギヤ51の下側の端部は、差動装置5のうちで最も下側に位置する部分である。
ハウジング6は、駆動装置1の外装を構成する部材である。図1に示すように、ハウジング6は、ハウジング本体81の内部とギヤ収容部82の内部とを軸方向に区画する隔壁61cを有する。隔壁61cには、隔壁開口68が設けられる。ハウジング本体81の内部とギヤ収容部82の内部とは、隔壁開口68を介して互いに繋がる。
ハウジング6の内部には、オイルOが収容される。より詳細には、ハウジング本体81の内部およびギヤ収容部82の内部には、オイルOが収容される。ギヤ収容部82の内部における下部領域には、オイルOが溜るオイル溜りPが設けられる。オイル溜りPの油面Sは、リングギヤ51の下側の端部よりも上側に位置する。これにより、リングギヤ51の下側の端部は、ギヤ収容部82内のオイルOに浸漬される。オイル溜りPの油面Sは、差動軸J3および車軸55よりも下側に位置する。
オイル溜りPのオイルOは、後述する油路90によってハウジング本体81の内部に送られる。ハウジング本体81の内部に送られたオイルOは、ハウジング本体81の内部における下部領域に溜まる。ハウジング本体81の内部に溜まったオイルOの少なくとも一部は、隔壁開口68を介してギヤ収容部82に移動し、オイル溜りPに戻る。
なお、本明細書において「ある部分の内部にオイルが収容される」とは、モータが駆動している最中の少なくとも一部において、ある部分の内部にオイルが位置していればよく、モータが停止している際には、ある部分の内部にオイルが位置していなくてもよい。例えば、本実施形態においてハウジング本体81の内部にオイルOが収容されるとは、モータ2が駆動している最中の少なくとも一部において、ハウジング本体81の内部にオイルOが位置していればよく、モータ2が停止している際においては、ハウジング本体81の内部のオイルOがすべて隔壁開口68を通ってギヤ収容部82に移動してしまっていてもよい。なお、後述する油路90によってハウジング本体81の内部へと送られたオイルOの一部は、モータ2が停止した状態において、ハウジング本体81の内部に残っていてもよい。
また、本明細書において「リングギヤの下側の端部がギヤ収容部内のオイルに浸漬される」とは、モータが駆動している最中の少なくとも一部において、リングギヤの下側の端部がギヤ収容部内のオイルに浸漬されればよく、モータが駆動している最中またはモータが停止している間の一部において、リングギヤの下側の端部がギヤ収容部内のオイルに浸漬されなくてもよい。例えば、オイル溜りPのオイルOが後述する油路90によってハウジング本体81の内部に送られた結果として、オイル溜りPの油面Sが下がり、一時的にリングギヤ51の下側の端部がオイルOに浸漬しない状態となってもよい。
オイルOは、後述する油路90内を循環する。オイルOは、減速装置4および差動装置5の潤滑用として使用される。また、オイルOは、モータ2の冷却用として使用される。オイルOとしては、潤滑油および冷却油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
図1に示すように、ギヤ収容部82の底部82aは、ハウジング本体81の底部81aよりも下側に位置する。そのため、ギヤ収容部82内からハウジング本体81内に送られたオイルOが隔壁開口68を介してギヤ収容部82内に流れやすい。図2に示すように、ギヤ収容部82は、前後方向に延びる。ギヤ収容部82の前側(+X側)の端部は、ハウジング本体81の軸方向他方側(+Y側)の端部に繋がる。ギヤ収容部82の後側(-X側)の端部は、ハウジング本体81よりも後側に突出する。
ギヤ収容部82は、突出部82bを有する。突出部82bは、ハウジング本体81の軸方向他方側(+Y側)の端部よりも後側(-X側)および下側に突出する部分である。突出部82bは、差動軸J3を中心とする円形状の孔部82cを有する。孔部82cは、突出部82bを軸方向に貫通する。図示は省略するが、孔部82cには、車軸55が通される。
ハウジング本体81は、モータ軸J1を囲む筒状である。ハウジング本体81は、例えば、軸方向に延びる略円筒状である。ハウジング本体81は、モータ収容部83と、ベアリングホルダ84と、蓋部85と、を有する。すなわち、ハウジング6は、モータ収容部83を有する。図4に示すように、モータ収容部83は、モータ2を内部に収容する。より詳細には、モータ収容部83は、シャフト21の一部、ロータ本体24、およびステータ30を内部に収容する。モータ収容部83は、軸方向一方側(-Y側)に開口する略円筒状である。図5に示すように、モータ収容部83は、コネクタ取付部83dを有する。コネクタ取付部83dは、モータ収容部83の軸方向一方側(-Y側)の端部のうち後側(-X側)の端部に設けられる。コネクタ取付部83dは、後側斜め軸方向一方側向きに突出する。図3に示すように、コネクタ取付部83dには、第3コネクタ100が取り付けられる。第3コネクタ100は、後側斜め軸方向一方側向きに突出する。
図5に示すように、モータ収容部83は、配線通路83aと、バスバー貫通孔83eと、を有する。配線通路83aは、後述する配線アセンブリ101が通される通路である。本実施形態において配線通路83aは、モータ収容部83の周壁部を貫通し、モータ収容部83の内部と外部とを繋ぐ。配線通路83aは、モータ収容部83の周壁部のうち後側(-X側)の部分に設けられる。配線通路83aは、モータ収容部83の内周面から後側斜め軸方向一方側向き(-Y向き)に延びる。本実施形態において配線通路83aは、コネクタ取付部83dに設けられる。配線通路83aは、モータ収容部83の内周面に開口する内側開口部83bと、コネクタ取付部83dの先端面に開口する外側開口部83cと、を有する。外側開口部83cには、第3コネクタ100が挿し込まれる。
バスバー貫通孔83eは、モータ収容部83の周壁部のうち後側(-X側)の部分を前後方向に貫通する。バスバー貫通孔83eは、配線通路83aの軸方向他方側(+Y側)に位置する。バスバー貫通孔83eは、モータ収容部83のうち軸方向の中央部に設けられる。図示は省略するが、バスバー貫通孔83eには、バスバー111が通される。バスバー貫通孔83eに通されたバスバー111は、バスバー貫通孔83eを介してハウジング6の外部に突出する。
図4に示すように、ベアリングホルダ84は、モータ収容部83の軸方向一方側(-Y側)の端部に固定される。ベアリングホルダ84は、仕切壁部84aと、固定部84iと、保持部84cと、環状壁部84bと、筒部84eと、を有する。すなわち、ハウジング6は、仕切壁部84aと、固定部84iと、保持部84cと、環状壁部84bと、筒部84eと、を有する。また、図6に示すように、ベアリングホルダ84は、複数のリブ84jを有する。
仕切壁部84aは、径方向に拡がる。図4に示すように、仕切壁部84aは、ロータ本体24およびステータ30を軸方向一方側(-Y側)から覆う。本実施形態において仕切壁部84aは、モータ収容部83の内部と後述する装置収容部84hの内部とを仕切る。仕切壁部84aは、モータ軸J1を囲む環状である。仕切壁部84aには、仕切壁部84aを軸方向に貫通する配線貫通孔84dが設けられる。すなわち、ハウジング本体81は、配線貫通孔84dを有する。配線貫通孔84dは、モータ収容部83の内部と後述する装置収容部84hの内部とを繋ぐ。図6に示すように、本実施形態において配線貫通孔84dは、仕切壁部84aのうちモータ軸J1の後側(-X側)斜め上方に位置する部分に設けられる。図4に示すように、配線貫通孔84dは、ステータ30と軸方向に対向する。より詳細には、配線貫通孔84dは、コイルエンド33aと軸方向に対向する。
固定部84iは、仕切壁部84aの径方向外周縁部から軸方向他方側(+Y側)に突出する。固定部84iは、モータ軸J1を囲む環状である。固定部84iは、モータ収容部83の軸方向一方側(-Y側)の端部にネジで固定される。これにより、ベアリングホルダ84がモータ収容部83に固定される。
保持部84cは、ベアリング26を保持する。保持部84cは、仕切壁部84aの径方向内周縁部に設けられる。図4および図6に示すように、保持部84cは、軸方向他方側(+Y側)に突出する筒状である。本実施形態において保持部84cは、モータ軸J1を中心とする円筒状である。保持部84cの内側には、ベアリング26が嵌め合わされる。
図3に示すように、環状壁部84bは、仕切壁部84aから軸方向一方側(-Y側)に突出する。環状壁部84bは、モータ軸J1を囲む環状である。環状壁部84bは、仕切壁部84aの径方向外周縁部よりも径方向内側に離れて配置される。本実施形態では、環状壁部84bと仕切壁部84aとによって、装置収容部84hが構成される。すなわち、ハウジング6は、装置収容部84hを有する。装置収容部84hは、モータ収容部83の軸方向一方側に位置する。本実施形態において装置収容部84hは、ベアリング26よりも軸方向一方側に位置する。装置収容部84hは、後述する回転検出装置70を収容する。
図6に示すように、筒部84eは、仕切壁部84aから軸方向他方側(+Y側)に突出する。本実施形態において筒部84eは、モータ軸J1を中心とする円筒状である。筒部84eは、固定部84iよりも径方向内側、かつ、保持部84cよりも径方向外側に位置する。筒部84eの周方向の一部は、例えば、切り欠かれている。
複数のリブ84jは、仕切壁部84aから軸方向他方側(+Y側)に突出する。リブ84jは、径方向に延びて、筒部84eの内周面と保持部84cの外周面とを繋ぐ。複数のリブ84jは、周方向に沿って間隔を空けて設けられる。
ベアリングホルダ84は、保護壁部84gを有する。すなわち、ハウジング6は、保護壁部84gを有する。本実施形態において保護壁部84gは、保持部84cから径方向外側に延びる。より詳細には、保護壁部84gは、保持部84cの軸方向他方側(+Y側)の端部から後側(-X側)斜め上方に延びる。保護壁部84gは、軸方向に沿って視て、略矩形状の壁部である。図4に示すように、保護壁部84gは、ロータ本体24の軸方向一方側(-Y側)に位置する。保護壁部84gの径方向外側の端部は、ステータ30の内周縁部よりも径方向の内側に位置する。そのため、保護壁部84gがステータ30と干渉することを抑制できる。本実施形態において保護壁部84gは、配線貫通孔84dのうち径方向内側の端部を軸方向他方側から覆う。保護壁部84gは、ステータ30よりも軸方向一方側に位置する。
蓋部85は、ベアリングホルダ84の軸方向一方側(-Y側)の面に固定される。蓋部85は、板面が軸方向を向く板状である。蓋部85は、装置収容部84hの軸方向一方側の開口を塞ぐ。蓋部85は、シャフト21の軸方向一方側の端部を覆う。蓋部85の外周縁部は、例えばネジによって環状壁部84bの軸方向一方側の端部に固定される。蓋部85のうち径方向の中央部85aは、軸方向一方側に膨らむ。なお、図3においては、蓋部85の図示を省略する。
図2および図3に示すように、インバータユニット8は、ハウジング本体81の後側(-X側)に固定される。インバータユニット8は、オイルポンプ96およびオイルクーラ97よりも上側に位置する。インバータユニット8は、差動軸J3の上側に位置する。図示は省略するが、インバータユニット8は、孔部82cに通される車軸55の上側に位置する。図1に示すように、インバータユニット8は、インバータケース8aと、制御部8bと、を有する。
インバータケース8aは、制御部8bを内部に収容する。図3に示すように、インバータケース8aの軸方向一方側(-Y側)の端部における前側(+X側)の部分には、第4コネクタ104が取り付けられる。
第4コネクタ104は、インバータケース8aから軸方向一方側(-Y側)斜め前方に突出する。第4コネクタ104は、ハウジング本体81に設けられた第3コネクタ100の上側に位置する。第4コネクタ104は、ケーブル103によって第3コネクタ100と接続される。本実施形態において第3コネクタ100、第4コネクタ104、およびケーブル103は、図2に示すカバー99によって軸方向一方側から覆われる。なお、図3においては、カバー99の図示を省略する。
制御部8bは、モータ2およびオイルポンプ96を制御する。図1に示すように、制御部8bは、インバータケース8aの内部に収容される。制御部8bは、モータ2に電力を供給するインバータ8cを有する。図示は省略するが、インバータ8cは、バスバー111と電気的に接続される。これにより、インバータ8cは、バスバー111を介して、コイル31に電力を供給する。
駆動装置1には、ハウジング6の内部においてオイルOが循環する油路90が設けられる。油路90は、オイル溜りPからオイルOをモータ2に供給し、再びオイル溜りPに導くオイルOの経路である。油路90は、ハウジング本体81の内部とギヤ収容部82の内部とに跨って設けられる。
なお、本明細書において「油路」とは、オイルの経路を意味する。したがって、「油路」とは、定常的に一方向に向かうオイルの流動を作る「流路」のみならず、オイルを一時的に滞留させる経路およびオイルが滴り落ちる経路をも含む概念である。オイルを一時的に滞留させる経路とは、例えば、オイルを貯留するリザーバ等を含む。
油路90は、第1の油路91と、第2の油路92と、を有する。第1の油路91および第2の油路92は、それぞれハウジング6の内部でオイルOを循環させる。第1の油路91は、かき上げ経路91aと、シャフト供給経路91bと、シャフト内経路91cと、ロータ内経路91dと、を有する。また、第1の油路91の経路中には、第1のリザーバ93が設けられる。第1のリザーバ93は、ギヤ収容部82内に設けられる。
かき上げ経路91aは、差動装置5のリングギヤ51の回転によってオイル溜りPからオイルOをかき上げて、第1のリザーバ93でオイルOを受ける経路である。第1のリザーバ93は、上側に開口する。第1のリザーバ93は、リングギヤ51がかき上げたオイルOを受ける。また、モータ2の駆動直後などオイル溜りPの油面Sが高い場合等には、第1のリザーバ93は、リングギヤ51に加えて第2のギヤ42および第3のギヤ43によってかき上げられたオイルOも受ける。
シャフト供給経路91bは、第1のリザーバ93からシャフト21の中空部22にオイルOを誘導する。シャフト内経路91cは、シャフト21の中空部22内をオイルOが通過する経路である。ロータ内経路91dは、シャフト21の連通孔23からロータ本体24の内部を通過して、ステータ30に飛散する経路である。
シャフト内経路91cにおいて、ロータ20の内部のオイルOには、ロータ20の回転に伴い遠心力が付与される。これにより、オイルOは、ロータ20から径方向外側に連続的に飛散する。また、オイルOの飛散に伴い、ロータ20内部の経路が負圧となり、第1のリザーバ93に溜るオイルOが、ロータ20の内部に吸引され、ロータ20内部の経路にオイルOが満たされる。
ステータ30に到達したオイルOは、ステータ30から熱を奪う。ステータ30を冷却したオイルOは、下側に滴下され、ハウジング本体81内の下部領域に溜る。ハウジング本体81内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を介してギヤ収容部82に移動する。以上のようにして、第1の油路91は、オイルOをロータ20およびステータ30に供給する。
第2の油路92においてオイルOは、オイル溜りPからステータ30の上側まで引き上げられてステータ30に供給される。すなわち、第2の油路92は、オイルOをステータ30の上側からステータ30に供給する。第2の油路92には、オイルポンプ96と、オイルクーラ97と、第2のリザーバ10と、が設けられる。第2の油路92は、第1の流路92aと、第2の流路92bと、第3の流路92cと、を有する。
第1の流路92a、第2の流路92bおよび第3の流路92cは、ハウジング6の壁部に設けられる。第1の流路92aは、オイル溜りPとオイルポンプ96とを繋ぐ。第2の流路92bは、オイルポンプ96とオイルクーラ97とを繋ぐ。第3の流路92cは、オイルクーラ97から上側に延びる。第3の流路92cは、ハウジング本体81の壁部に設けられる。図示は省略するが、第3の流路92cは、ステータ30の上側においてハウジング本体81の内部に開口する供給口を有する。当該供給口は、ハウジング本体81の内部にオイルOを供給する。
オイルポンプ96は、電気により駆動する電動ポンプである。オイルポンプ96は、ハウジング6の内部に収容されたオイルOをモータ2に送る。本実施形態においてオイルポンプ96は、第1の流路92aを介してオイル溜りPからオイルOを吸い上げて、第2の流路92b、オイルクーラ97、第3の流路92c、および第2のリザーバ10を介して、オイルOをモータ2に供給する。
オイルクーラ97は、ハウジング6の内部に収容されたオイルOを冷却する。より詳細には、オイルクーラ97は、第2の油路92を通過するオイルOを冷却する。オイルクーラ97には、第2の流路92bおよび第3の流路92cが接続される。第2の流路92bおよび第3の流路92cは、オイルクーラ97の内部流路を介して繋がる。オイルクーラ97の内部流路は、図示しないラジエータで冷却された冷却水Wが流れる冷却流路98の一部である。オイルクーラ97の内部を通過するオイルOは、オイルクーラ97の内部流路を通る冷却水Wとの間で熱交換されて冷却される。
冷却流路98は、インバータケース8aに設けられた流路を含む。インバータケース8aに設けられた流路に流れる冷却水Wによって、インバータ8cが冷却される。冷却流路98は、インバータケース8aに設けられた流路と、オイルクーラ97の内部流路とを繋ぐ配管98aを含む。なお、図3においては、配管98aの図示を省略する。
第2のリザーバ10は、第2の油路92の一部を構成する。第2のリザーバ10は、ハウジング本体81の内部に位置する。第2のリザーバ10は、ステータ30の上側に位置する。第2のリザーバ10は、ステータ30によって下側から支持され、モータ2に設けられる。第2のリザーバ10は、例えば、樹脂材料から構成される。
本実施形態において第2のリザーバ10は、上側に開口する樋状である。第2のリザーバ10は、オイルOを貯留する。本実施形態において第2のリザーバ10は、第3の流路92cを介してハウジング本体81内に供給されたオイルOを貯留する。第2のリザーバ10は、コイルエンド33a,33bにオイルOを供給する供給口を有する。これにより、第2のリザーバ10に貯留されたオイルOをステータ30に供給できる。
第2のリザーバ10からステータ30に供給されたオイルOは、下側に滴下され、ハウジング本体81内の下部領域に溜る。ハウジング本体81内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を介してギヤ収容部82に移動する。以上のようにして、第2の油路92は、オイルOをステータ30に供給する。
図4に示すように、駆動装置1は、ロータ20の回転を検出可能な回転検出装置70と、回転検出装置70に接続される配線アセンブリ101と、をさらに備える。回転検出装置70は、装置収容部84hの内部に収容される。本実施形態において回転検出装置70は、ベアリング26の軸方向一方側(-Y側)に位置する。本実施形態において回転検出装置70は、レゾルバである。回転検出装置70は、例えば、VR(Variable Reluctance)型レゾルバである。回転検出装置70は、レゾルバロータ71と、レゾルバステータ72と、固定部材78と、カバー77と、を有する。
レゾルバロータ71は、モータ軸J1を囲む環状である。レゾルバロータ71は、板面が軸方向を向く板状である。レゾルバロータ71は、シャフト21の軸方向一方側(-Y側)の端部に嵌め合わされる。本実施形態においてレゾルバロータ71は、固定部材78によって固定される。
固定部材78は、シャフト21の軸方向一方側(-Y側)の端部のうちレゾルバロータ71よりも軸方向一方側に位置する部分に圧入された環状の部材である。固定部材78は、レゾルバロータ71を軸方向一方側から段差部21bに押し付けて固定する。これにより、レゾルバロータ71は、シャフト21のうち装置収容部84hの内部に突出する部分に固定される。このように、固定部材78をシャフト21に圧入してレゾルバロータ71を固定できるため、例えばシャフト21の外周面にネジ部を設ける等の必要がなく、駆動装置1の製造コストを低減できる。固定部材78の外径は、レゾルバロータ71の外径よりも小さい。
レゾルバステータ72は、レゾルバロータ71の径方向外側に位置する。レゾルバステータ72は、レゾルバロータ71を囲む環状である。レゾルバステータ72は、レゾルバステータコア73と、インシュレータ74と、複数のレゾルバコイル75と、を有する。レゾルバステータコア73は、レゾルバコアバック73aと、複数のレゾルバティース73bと、を有する。
レゾルバコアバック73aは、モータ軸J1を中心とする円環状である。図3に示すように、レゾルバコアバック73aは、径方向外周縁部に複数の固定孔部73cを有する。複数の固定孔部73cは、周方向に間隔を空けて配置される。固定孔部73cは、周方向に延びる長孔である。レゾルバコアバック73aは、軸方向一方側(-Y側)から固定孔部73cに通されるネジが仕切壁部84aに設けられた図示しない雌ネジ穴に締め込まれて、ベアリングホルダ84に固定される。これにより、レゾルバステータ72がベアリングホルダ84に固定される。
図4に示すように、複数のレゾルバティース73bは、レゾルバコアバック73aから径方向内側に延びる。図示は省略するが、複数のレゾルバティース73bは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。レゾルバティース73bの径方向内側の端部は、レゾルバロータ71の径方向外側面と隙間を介して対向する。
インシュレータ74は、レゾルバステータコア73に装着される。インシュレータ74は、例えば、樹脂製である。複数のレゾルバコイル75は、インシュレータ74を介して、複数のレゾルバティース73bのそれぞれに取り付けられる。カバー77は、レゾルバステータ72の軸方向一方側(-Y側)に固定される。カバー77は、レゾルバコイル75を軸方向一方側から覆う。
回転検出装置70は、第2コネクタ76を有する。本実施形態において第2コネクタ76は、レゾルバステータ72のうち径方向外縁部に設けられる。第2コネクタ76は、軸方向他方側(+Y側)に突出する。第2コネクタ76の少なくとも一部は、配線貫通孔84dの内部に位置する。第2コネクタ76の軸方向他方側の端部は、保持部84cの径方向外側に位置する。第2コネクタ76は、ロータ本体24の軸方向一方側(-Y側)に位置する。第2コネクタ76とロータ本体24との軸方向の間には、保護壁部84gが位置する。本実施形態において第2コネクタ76の全体は、保護壁部84gによって軸方向他方側から覆われる。
本実施形態において第2コネクタ76は、オス型のコネクタである。第2コネクタ76は、筒部76aと、端子部76bと、を有する。筒部76aは、軸方向他方側(+Y側)に突出する筒状である。筒部76aは、軸方向他方側に開口する開口部76cを有する。本実施形態において筒部76aは、インシュレータ74と一体成形された樹脂製である。端子部76bは、筒部76aに保持される。端子部76bは、軸方向に延びて、筒部76aの内部に露出する。図示は省略するが、端子部76bは、レゾルバコイル75と電気的に接続される。
シャフト21とともにレゾルバロータ71が回転することによって、レゾルバステータ72のレゾルバコイル75に、レゾルバロータ71の周方向位置に応じた誘起電圧が生じる。回転検出装置70は、レゾルバコイル75に生じた誘起電圧の変化に基づいて、レゾルバロータ71およびシャフト21の回転を検出できる。これにより、回転検出装置70は、ロータ20の回転を検出可能である。
配線アセンブリ101は、回転検出装置70の検出結果を制御部8bに送る。より詳細には、配線アセンブリ101は、レゾルバコイル75に生じた誘起電圧の信号を制御部8bに送る。配線アセンブリ101は、回転検出装置70からモータ収容部83の内部を介して配線通路83aまで延びる。本実施形態において配線アセンブリ101は、第2コネクタ76から配線貫通孔84dを介してモータ収容部83の内部に延びる。図示は省略するが、配線アセンブリ101は、配線通路83aの内部において第3コネクタ100と接続される。回転検出装置70の検出結果は、配線アセンブリ101、第3コネクタ100、ケーブル103、および第4コネクタ104をこの順に介して、制御部8bに送られる。本実施形態において配線アセンブリ101は、第1配線101aと、第2配線101bと、第1コネクタ101cと、中継コネクタ101d,101eと、を有する。
本実施形態において第1コネクタ101cは、メス型のコネクタである。第1コネクタ101cは、第2コネクタ76に軸方向他方側(+Y側)から接続される。より詳細には、第1コネクタ101cは、筒部76aに軸方向他方側から挿入されて、第2コネクタ76と接続される。図示は省略するが、第1コネクタ101cは、第2コネクタ76の端子部76bと電気的に接続される端子部を有する。
第1配線101aは、第1コネクタ101cから延びる配線である。第1配線101aは、第1コネクタ101cから軸方向他方側(+Y側)に延びた後、保護壁部84gに沿って径方向外側に折り曲げられ、モータ収容部83の内部まで延びる。第1配線101aのうち第1コネクタ101cが設けられる側と逆側の端部には、中継コネクタ101dが設けられる。すなわち、第1配線101aは、両端にコネクタが設けられたコネクタ付き配線である。中継コネクタ101dは、例えば、オス型のコネクタである。
第2配線101bは、第1配線101aに接続され、配線通路83aに通される配線である。第2配線101bは、モータ収容部83の内部から内側開口部83bを介して配線通路83a内に挿入される。第2配線101bのうちモータ収容部83の内部に位置する端部には、中継コネクタ101eが設けられる。中継コネクタ101eは、中継コネクタ101dと接続される。これにより、第1配線101aと第2配線101bとが中継コネクタ101d,101eを介して接続される。中継コネクタ101eは、例えば、メス型のコネクタである。図示は省略するが、第2配線101bのうち配線通路83aの内部に位置する端部には、第3コネクタ100に接続されるコネクタが設けられる。すなわち、第2配線101bは、両端にコネクタが設けられたコネクタ付き配線である。
第1配線101aと第2配線101bとを接続する中継コネクタ101d,101eは、バスバーホルダ110に保持される。そのため、配線アセンブリ101をハウジング本体81内において安定して保持できる。なお、中継コネクタ101dと中継コネクタ101eとは、いずれか一方のみがバスバーホルダ110に直接保持され、他方が一方の中継コネクタに接続されることで間接的にバスバーホルダ110に保持されてもよい。バスバーホルダ110が中継コネクタ101d,101eを保持する構造は、特に限定されない。例えば、バスバーホルダ110に図示しないフック状の保持部が設けられ、当該フック状の保持部の内側に中継コネクタ101d,101eが引っ掛けられて保持されてもよい。
第1配線101aは、例えば回転検出装置70に接続された状態で、回転検出装置70とともにハウジング本体81内に配置される。このとき、第1配線101aに設けられた中継コネクタ101dは、装置収容部84hの内部から配線貫通孔84dを介してモータ収容部83の内部に挿入される。
一方、第2配線101bは、図示しない第3コネクタ100に接続された状態で、第3コネクタ100がコネクタ取付部83dに取り付けられる際に、ハウジング6の外部から配線通路83a内に挿入される。このとき、中継コネクタ101eは、配線通路83aの内側開口部83bからモータ収容部83の内部に挿入される。内部に挿入された中継コネクタ101dと中継コネクタ101eとは、モータ収容部83の内部において接続され、バスバーホルダ110に保持される。
本実施形態によれば、回転検出装置70は、配線アセンブリ101の第1コネクタ101cが軸方向他方側(+Y側)から接続される第2コネクタ76を有する。そのため、回転検出装置70に接続された配線アセンブリ101を、第2コネクタ76から軸方向他方側に引き出しやすく、モータ収容部83に設けられた配線通路83aに通しやすい。これにより、配線アセンブリ101を回転検出装置70から配線通路83aまで容易に引きまわすことができる。したがって、例えば配線アセンブリ101が径方向外側から回転検出装置70に接続される等の場合に比べて、回転検出装置70に接続される配線アセンブリ101の引きまわしが複雑化することを抑制できる。そのため、駆動装置1の組み立てに要する工数および時間が増大することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、ハウジング6は、第2コネクタ76とロータ本体24との軸方向の間に位置する保護壁部84gを有する。そのため、第2コネクタ76に軸方向他方側(+Y側)から接続された配線アセンブリ101が軸方向他方側に移動することを保護壁部84gによって抑制でき、配線アセンブリ101がロータ本体24に接触することを抑制できる。これにより、配線アセンブリ101が損傷することを抑制できる。本実施形態では、保護壁部84gによって第1配線101aが軸方向他方側に移動することを抑制でき、第1配線101aがロータ本体24と接触することを抑制できる。これにより、第1配線101aが損傷することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、第2コネクタ76の全体は、保護壁部84gによって軸方向他方側(+Y側)から覆われる。そのため、配線アセンブリ101がロータ本体24に接触することをより抑制でき、配線アセンブリ101が損傷することをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、保護壁部84gは、保持部84cから径方向外側に延びる。そのため、保護壁部84gによって配線アセンブリ101が軸方向他方側(+Y側)に移動することを抑制しつつ、保持部84cによって配線アセンブリ101が径方向内側に移動することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、ハウジング6は、モータ収容部83の内部と装置収容部84hの内部とを仕切る仕切壁部84aを有する。そして、配線アセンブリ101は、第2コネクタ76から、仕切壁部84aに設けられた配線貫通孔84dを介してモータ収容部83の内部に延びる。そのため、配線貫通孔84dによって配線アセンブリ101を案内でき、モータ収容部83の内部において配線アセンブリ101が引き出される位置を決めることができる。これにより、配線アセンブリ101をより引きまわしやすくできる。
本実施形態では、配線貫通孔84dは、ステータ30と軸方向に対向する。そのため、配線貫通孔84dを介してモータ収容部83の内部に引き出される配線アセンブリ101を、ステータ30の近くに引き出すことができる。これにより、配線アセンブリ101をステータ30に支持されるバスバーホルダ110まで引きまわしやすい。具体的に本実施形態では、第1配線101aをバスバーホルダ110まで引きまわしやすい。これにより、第1配線101aに設けられた中継コネクタ101dをバスバーホルダ110に保持させやすい。
本実施形態では、シャフト21の内部にオイルOが供給されるため、シャフト21の中空部22における軸方向一方側(-Y側)の開口から、装置収容部84hの内部にオイルOが流入する。そのため、回転検出装置70にオイルOが接触する。これに対して、本実施形態において回転検出装置70は、レゾルバである。レゾルバは、回転を検出可能な他のセンサ等に比べて、オイルOの影響を受けにくい。そのため、装置収容部84hの内部にオイルOが供給されても、回転検出装置70に不具合が生じることを抑制できる。
本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。レゾルバロータを固定する固定部材は、ナット等であってもよい。回転検出装置の種類は、ロータの回転を検出できるならば、特に限定されない。回転検出装置は、ホール素子および磁気抵抗素子等の磁気センサを有する装置であってもよい。回転検出装置の第2コネクタは、メス型であってもよい。この場合、配線アセンブリの第1コネクタは、オス型である。第2コネクタに接続された配線アセンブリは、モータ収容部の内部を通らなくてもよい。例えば、上述した実施形態において配線アセンブリ101は、回転検出装置70からモータ収容部83の内部を介さずに、蓋部85を貫通してハウジング6の外部に引き出されてもよい。
中継コネクタは、バスバーホルダに保持されなくてもよい。中継コネクタは、ステータコア等、バスバーホルダ以外の部材に保持されてもよいし、保持されなくてもよい。配線アセンブリは、第2配線を有しなくてもよい。この場合、中継コネクタは設けられず、第1配線が配線通路まで延びる。また、配線アセンブリは、第1配線および第2配線に加えて、第2配線に接続される第3配線を有してもよい。
保護壁部の構成は、第2コネクタとロータ本体との軸方向の間に位置するならば、特に限定されない。保護壁部は、第2コネクタの一部のみを軸方向他方側から覆ってもよい。保護壁部は、仕切壁部に設けられてもよい。仕切壁部は、設けられなくてもよい。回転検出装置を収容する装置収容部は、モータ収容部の軸方向一方側に位置するならば、どのように構成されてもよい。装置収容部は、ベアリングホルダの軸方向他方側に設けられてもよい。この場合、例えば、上述した実施形態において回転検出装置70は、ベアリング26よりも軸方向他方側に位置する。この場合、レゾルバロータ71は、シャフト21のうちベアリング26に支持される部分とロータ本体24が固定される部分との軸方向の間に位置する部分に固定される。
本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。