JP7317690B2 - 種体の作製方法、藻類の生産方法 - Google Patents
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Description
そして、種体を作製する方法では、胞子を放散可能な状態の葉部を有する藻類(胞子供給体)を水槽に入れて水中に胞子を放散させると共に、該水中に胞子付着体(例えば、糸状の部材)を配置し、該胞子付着体に胞子を付着させる。
しかしながら、水中で藻類を採取する作業は、藻類の育成状態などについて専門性が要求されると共に、時期的な制限があり、多大な労力も必要となる。このため、胞子供給体となる藻類を新たに採取して種体の作製を行うことは容易ではない。
ここで、アントクメは、葉部以外に、茎部および仮根部からも比較的多くの胞子を放散可能である。そこで、茎部および仮根部が海中に配置される期間における海中の温度が、該海中に茎部および仮根部が配置された直後の温度から上記の範囲で上昇することで、茎部および仮根部を、胞子を放散可能な状態に、育成することできる。これにより、茎部および仮根部を胞子供給体の少なくとも一部として使用することができるため、胞子供給体として使用するアントクメを新たに水中から採取する必要がなく、種体の作製を容易に行うことができる。
これにより、茎部および仮根部が、胞子を放散可能な状態に、より確実に育成されるため、胞子供給体(茎部および仮根部)から胞子の供給を効果的に行うことができる。
これにより、種体における固定部材に固定された部分で藻類が育成し易くなる。このため、胞子供給体として使用される部分を効率的に得ることができる。
これにより、藻類付着体に付着したアントクメから葉部を商品等として採取しつつ胞子供給体を作製することができる。
これにより、水深の浅い位置で育成が進んだアントクメを回収することができると共に、水深の深い位置の藻類付着体を水深の浅い位置に移動させてアントクメの育成を促進させることができる。このため、商品等として採取される葉部と、胞子供給体として使用される葉部以外の部分とをより効率的に得ることができる。
また、茎部X2および仮根部X3を海中に配置する期間としては、藻類Xから葉部X1が取り除かれてから6ヶ月以上8ヶ月以下の期間である。また、茎部X2および仮根部X3が海中に配置される期間における海中の温度は、該海中に茎部X2および仮根部X3が配置された直後の温度が15℃以上17℃以下であり、該海中に茎部X2および仮根部X3が配置されてから4ヶ月以上6ヶ月以下の期間に22℃以上29℃以下となり、該海中に茎部X2および仮根部X3が配置されてから7ヶ月以上8ヶ月以下の期間に19℃以上26℃以下となる。つまり、胞子供給体30は、藻類Xから葉部X1が取り除かれることで残った茎部X2および仮根部X3を備え、該茎部X2および仮根部X3が上記の温度環境の海中に上記の期間配置されたものである。
なお、海中の温度とは、水深7mの水温を測定日の0時から1時間毎に24時間測定し、得られた各水温に基づく算術平均値(一日の平均水温)である。
ここで、藻類Xであるアントクメは、葉部以外に、茎部および仮根部からも比較的多くの胞子を放散可能である。そこで、茎部X2および仮根部X3が海中に配置される期間における海中の温度が、該海中に茎部X2および仮根部X3が配置された直後の温度から上記の範囲で上昇することで、茎部X2および仮根部X3を、胞子を放散可能な状態に、育成することできる。このため、藻類Xから葉部X1を採取した際に残る部分(茎部X2および仮根部X3)を胞子供給体30の少なくとも一部として使用することができる。これにより、胞子供給体30として使用する藻類Xを新たに水中から採取する必要がないため、種体の作製を容易に行うことができる。
これにより、胞子付着工程において、胞子供給体30が水中で移動し難くなるため、胞子付着工程を良好に行うことができる。
これにより、種体10における固定部材21に固定された部分で藻類Xが育成し易くなる。このため、胞子供給体30として使用される部分を効率的に得ることができる。
これにより、藻類付着体20に付着した藻類Xから葉部X1を商品等として採取しつつ胞子供給体30を作製することができる。
これにより、葉部X1を商品等として採取しつつ葉部X1以外の部分を胞子供給体30として使用することができる。
これにより、水深の浅い位置で育成が進んだ藻類Xを回収することができると共に、水深の深い位置の藻類付着体20を水深の浅い位置に移動させて藻類Xの育成を促進させることができる。このため、商品等として採取される葉部X1と、胞子供給体30として使用される葉部X1以外の部分とをより効率的に得ることができる。
Claims (8)
- 藻類の胞子が胞子付着体に付着して培養されることで形成される種体を作製する種体の作製方法であって、
藻類は、アントクメであり、
アントクメの胞子を水中に供給する胞子供給体を水中に配置し、該水中に供給される胞子を胞子付着体に付着させる胞子付着工程を備えており、
胞子供給体は、アントクメから葉部が取り除かれることで残った茎部および仮根部であって海中に所定期間配置された茎部および仮根部を備えており、
茎部および仮根部が海中に配置される期間における海中の温度は、該海中に茎部および仮根部が配置された直後の温度から5℃以上上昇する種体の作製方法。 - 胞子供給体は、アントクメから葉部が取り除かれることで残った茎部および仮根部であってアントクメから葉部が取り除かれてから6ヶ月以上8ヶ月以下の期間海中に配置された茎部および仮根部を備えており、
茎部および仮根部が海中に配置される期間における海中の温度は、該海中に茎部および仮根部が配置された直後の温度が15℃以上17℃以下であり、該海中に茎部および仮根部が配置されてから4ヶ月以上6ヶ月以下の期間に22℃以上29℃以下となり、該海中に茎部および仮根部が配置されてから7ヶ月以上8ヶ月以下の期間に19℃以上26℃以下となる請求項1に記載の種体の作製方法。 - 胞子供給体は、アントクメが付着する藻類付着体と、該藻類付着体に付着したアントクメから葉部が取り除かれることで残った茎部および仮根部とを備える請求項1または2に記載の種体の作製方法。
- 胞子付着体は、糸状に形成されてなる請求項1乃至3の何れか一項に記載の種体の作製方法。
- 藻類付着体は、種体の一部を構成する胞子付着体と、種体が固定される固定部材とを備える請求項3または4に記載の種体の作製方法。
- 藻類付着体に付着した状態のアントクメを育成する藻類育成工程と、該藻類育成工程で育成したアントクメを藻類付着体と共に回収する回収工程と、該回収工程で回収したアントクメから葉部を取り除くことで残る茎部および仮根部を海中に配置して胞子供給体を作製する胞子供給体作製工程とを更に備える請求項3乃至5の何れか一項に記載の種体の作製方法。
- 請求項1乃至6の何れか一項に記載の種体の作製方法で作製された種体を水中に配置し、胞子付着体をアントクメが付着する藻類付着体の少なくとも一部としてアントクメを育成する藻類育成工程と、該藻類育成工程で育成したアントクメを藻類付着体と共に回収する回収工程と、回収した藻類付着体に付着したアントクメから葉部を採取する採取工程とを備える藻類の生産方法。
- 藻類育成工程では、複数の藻類付着体を上下方向に間隔を空けて水中に配置し、
回収工程では、少なくとも最も水深の浅い位置の藻類付着体に付着したアントクメを藻類付着体と共に回収し、回収された藻類付着体よりも水深の深い位置の藻類付着体を水深の浅い位置に移動する請求項7に記載の藻類の生産方法。
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---|---|---|---|---|
JP2000078907A (ja) | 1998-07-10 | 2000-03-21 | Okabe Co Ltd | 藻場造成用海藻種苗及びその保管方法 |
JP2002238399A (ja) | 2001-02-14 | 2002-08-27 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 藻類の育成部材 |
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JPS5480896A (en) * | 1977-12-08 | 1979-06-27 | Ishikawajima Harima Heavy Ind | Mass cultivating of kombu belonging to brown algae plant by temperature stimulation |
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