JP7316955B2 - 合成樹脂製二重壁角形電線管、二重壁角形電線管の管路 - Google Patents

合成樹脂製二重壁角形電線管、二重壁角形電線管の管路 Download PDF

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Description

本発明は、電線を保護するための合成樹脂製二重壁角形電線管及びこれを用いた二重壁角形電線管の管路に関する。
従来、丸型の螺旋状波付電線管が多く用いられていたが、例えば、地中埋設用の電線保護管として、角形断面と円形断面が交互に形成されている角形電線管が提案されている。角形電線管は、電線管を密着して多条多段の管路を形成することが可能なため、電線管の埋設工事において、土砂の掘り起こし量が少なく、工事期間も短いメリットがある。このため、特に大都会において、角形電線管の施工が多く取り入れられている。さらに近年の災害対策の一環として、電柱でのケーブル敷設に代わり、角形電線管を使用したケーブル敷設方式が注目されつつある。
ここで、角形電線管は、矩形状断面を有する大径部において、ブロー成形時の拡径量に応じて周方向の部位によって成形後の肉厚が変化する。これは、ブロー成形の際に、中心から遠い部位ほど薄肉になるためである。従って、特に、矩形状断面のコーナ部は、中心からの距離が最も遠いため、ブロー成形により拡径する場合の肉厚減少が著しい。このため、大径部のコーナ部の成形が困難であり、コーナ部が成形できなかったり、コーナ部が座屈したりする成形不良が発生する恐れがある。
これに対し、拡径前のパリソンである外管の円断面の肉厚分布を、ブロー成形時の拡径量に対応するように変化させ、拡径量が多いコーナ部近傍に対応するパリソンの肉厚分布が厚くなるように成形する方法が提案されている(特許文献1)。
特許文献1には、成形後の大径部の肉厚分布を略均一にした管体を得ることが可能な角形電線管が記載されている。これにより、耐圧変形性に弱く破損の原因になり易い方形筒部の角部と、この角部の両隅部分が、局部的に弱くなることなく所要の耐圧変形強度を得ることができる。
しかしながら、角形電線管の場合には、小径部と大径部の段差が大きいため、通信ケーブルを角形電線管に挿入する際に、通信ケーブルが小径部と大径部の段差に引っかかって通線できないという問題が発生することがある。
そこで、角形電線管であっても、通信ケーブルが電線管の内部に通線しやすいように、角形電線管に内部に内管を設けた二重壁角形電線管が提案されている(例えば特許文献2)。
特許文献2の二重壁角形電線管は、外管と内管とが合成樹脂素材またはゴム素材によって形成されている。特許文献2の二重壁角形電線管は、管壁の外面形状が、管軸方向において断面方形壁部分と断面円形壁部分とが交互に形成されていて、内面形状が、ほぼ直線状の円形筒状面に形成される。この電線管を用いれば、いかなる場所に敷設しても安定性よく設置することができ、位置決めが容易にでき、敷設後においても容易に位置ずれを起こすことがなく配管姿勢を維持させておき易く、内面円筒形の内管で構成されているので、通線性が優れる。
特開平10-325490号公報 特開平9-280430号公報特開平9-280430号公報
しかし、特許文献2は、前述したように、外管の成形前のコーナ部の肉厚が厚肉に形成されていないため、大径部のコーナ部の肉厚が不足する。このため、耐圧変形性や賦形性が不足する問題がある。
一方、特許文献1の方法を特許文献2に適用することは可能である。しかし、特許文献2のように、拡径前の外管の円断面のコーナ部近傍の肉厚分布をブロー成形時の拡径量に対応するように形成する方法を採用すると、成形後の二重壁角形電線管の小径部の肉厚分布が均一にならなくなる。
例えば、二重壁角形電線管の中心から45°方向近傍(大径部のコーナ部に対応する部位)の肉厚が0°、90°方向近傍(大径部の各辺の中央に対応する部位であって、設置時に水平方向や垂直方向となる部位)に対して厚くなる。すなわち、大径部の対角線方向に相当する斜め45°方向近傍の剛性が高さ過ぎて、大地震等により、大きな応力が付与された場合には、剛性の低い水平方向と垂直方向に応力が集中する可能性がある。例えば、二重壁角形電線管を実際に多条多段に配置した状態で大きな震度の地震等が起こり、水平方向と垂直方向に応力が集中すると、小径部の水平方向や垂直方向への応力集中による変形の集中により、二重壁角形電線管の配置が崩れたり、緩んだりする恐れがあり、二重壁角形電線管の可撓性も低下する問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、大径部及び小径部において、周方向の剛性変化の小さな合成樹脂製二重壁角形電線管及びこれを用いた二重壁角形電線管の管路を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、外管と内管とを有する合成樹脂製二重壁角形電線管であって、前記外管の管軸方向に垂直な断面形状が、コーナ部にアール形状を有する略矩形断面形状である大径部と、円形断面形状である小径部が、前記外管の管軸方向に交互に繰返し複数個形成され、さらに前記外管の内部には、円筒状の前記内管が配置され、前記外管の前記小径部の内周面と前記内管の外周面が前記外管の前記小径部に対応する位置において相互に融着され、前記外管の拡径前の素管に相当する前記小径部の円周方向の肉厚分布として、矩形断面の各コーナ部近傍に対応する±45°方向近傍部分の肉厚が、矩形断面部の各辺の中央部分近傍に対応する0°、90°方向近傍部分の肉厚に比して厚肉に形成され、逆に前記内管の円周方向の肉厚分布として、前記外管の矩形断面の各コーナ部近傍に対応する±45°方向近傍部分の肉厚が、矩形断面部の各辺の中央部分近傍に対応する0°、90°方向近傍部分の肉厚に比して薄肉に形成され、前記外管と前記内管が融着された後の前記小径部の合計肉厚(分布)が周方向で略均一になるように形成されることを特徴とする合成樹脂製二重壁角形電線管である。
前記外管の前記小径部の外周部の外径が略一定に形成され、前記外管の前記大径部の矩形断面の各コーナ部近傍に対応する、±45°方向近傍の前記外管の前記小径部の内周部が内周側に向かって徐々に縮径して突出することで厚肉に形成され、これと対応する部分である、前記内管の±45°方向近傍の外周部の外径が徐々に縮径して薄肉に形成されていてもよい。
前記外管の前記小径部の内周部の内径が略一定に形成され、前記外管の前記大径部の矩形断面の各コーナ部近傍に対応する、±45°方向近傍の前記外管の前記小径部の外周部が外周側に向かって徐々に拡径して突出することで厚肉に形成され、これと対応する部分である、前記内管の±45°方向近傍の内周部の内径が徐々に拡径して、薄肉に形成されてもよい。
前記外管の前記小径部において、厚肉部である±45°方向近傍の肉厚の、前記小径部の薄肉部である0°、90°方向近傍の肉厚に対する比率は、1.20~1.50であり、前記内管の厚肉部である0°、90°方向近傍の肉厚の、前記内管の薄肉部である±45°方向近傍の肉厚に対する比率は、1.20~1.50の範囲であってもよいが、望ましくは、両者の比率はともに、1.20~1.40であっても良い。
前記外管の前記小径部に対応する位置に配置された前記内管には、管軸方向の中央が僅かに中心に向けて突出することで前記内管の内径が縮径した縮径部が形成され、前記外管の前記大径部に対応する位置に配置された前記内管には、管軸方向の中央部に向かって僅かに拡径する拡径部が形成されてもよい。
前記外管の一方の端部には、雄型嵌合部が形成され、他方の端部には、雌型嵌合部が形成されてもよい。角形電線管は、大径部と小径部の繰り返し構造のみからなってもよいが、角形電線管は、大都市などの複雑な構造の道路に適用し多条多段の密接配置を行なうため、巻き癖などがなくハンドホールなどのとの接続がしやすい短尺管が好ましい。例えば、5mの角形電線管の一方の端部に雄型嵌合部が形成され、他方の端部に雌型嵌合部が形成されていることが望ましい。
前記雄型嵌合部は、前記雄型嵌合部の先端部の内面が内管と一体化されているか、あるいは内管が先端部近傍で前記外管の雄型嵌合部により被覆されてもよい。ここで、雄型嵌合部の内面が内管と一体化されているとは、接着または融着されているかのいずれかであってもよい。ここで、内管が外管の雄型嵌合部により被覆されているとは、内管が雄型嵌合部の内側に雄型嵌合部から突出せずに配置されていれば必ずしも固定されていなくてもよく、雄型嵌合部と雌型篏合部の接続の障害にならない位置にあればよい。
前記雄型嵌合部の外周には先端側から順に、リング部材配置部、止水部材配置部が形成され、前記リング部材配置部には、リング部材が配置され、前記止水部材配置部には止水部材が配置され、前記止水部材がゴムパッキンまたは水膨張性不織布のいずれかであってもよい。
前記リング部材は、先端に向かって拡径する係止爪と、管軸方向に平行に突出するスライドガイドとが、周方向に交互に形成されるC字型リング部材であるか、あるいは前記C字型リング部材の両端に接続部を有し、前記接続部を接続することで、環状に形成された環状リング部材のいずれかであってもよい。
前記雌型嵌合部の内面は、前記雄型嵌合部が挿入固定可能な形状に形成され、さらに前記雌型嵌合部の内面の少なく一部において、前記雄型嵌合部との嵌合を阻害しないように前記内管が切除されていてもよい。
前記雌型嵌合部は、先端開口部から順に、止水部材接触部と、内径が縮径する斜面部と、前記斜面部の縮径部から急激に拡開する拡開部とを有しており、前記雄型嵌合部を嵌合させたときには、前記雄型嵌合部に配置された前記リング部材が前記拡開部に係止され、前記止水部材が前記止水部材接触部に接触していてもよい。
第1の発明によれば、外管に略矩形形状の大径部を設けることで、二重壁角形電線管を積み上げた際に、二重壁角形電線管を安定して配列することができる。また、内管が設けられるため、大径部と小径部との段差に通線の際に電線や電力ケーブルや通信ケーブルなどのケーブルが引っかかることがない。
また、外管のコーナ部に対応する部位の素管の肉厚を厚くしておくことで、外管の大径部の外周部の肉厚分布による肉厚変動を低減し、コーナ部の薄肉化を抑制することができる。また、小径部においては、外管の厚肉部に対応する部位の内管の肉厚を薄くしておくことで、小径部の内管と外管の融着後の肉厚を、周方向で略均一にすることができる。このため、小径部の所定の方向に剛性の低い部位が生じることを抑制することができる。
この際、外管の小径部の外径を周方向に対して略一定にすることで、外管の小径部の内径の厚肉部に対応して、外管の肉厚分布を打ち消すように内管の外径を円周方向の位置により分布を持たせる必要があるが、内管の内径を周方向に略一定にすることができる。このため、内管の内面を平滑にすることができる。
また、外管の小径部の外径に分布を持たせて、外管の小径部の内径を周方向に対して略一定にすることもできる。この場合には、内管の内径に分布を付与することから、外管の小径部の内径に合わせて内管の外径を周方向に対して略一定にすることができるため、外管と内管の融着面の形状を合わせやすくなる。
また、外管及び内管共に、小径部における薄肉部に対する厚肉部の肉厚が1.2~1.5の範囲とすることで、大径部のコーナ部の肉厚減少を抑制するとともに、製造性にも優れる。
また、管軸方向の内管の内面形状(内管直径)を、小径部の管軸方向の略中央で僅かに凸状形成に縮径し、大径部に対応する位置を凹状に拡径させることで、管軸方向に対して、内管の内面に凹凸を形成することができる。このため、ケーブルを通線する際に、内管とケーブルとの接触面積を減らすことができ、通線抵抗を低減することができる。
また、外管の一方の端部に雄型嵌合部を形成し、他方の端部に雌型嵌合部を形成することで、複数本の二重壁角形電線管を容易に接続して使用することができる。あるいは、二重壁角形電線管が大径部と小径部の繰り返し構造から形成されている場合でも、必要に応じて小径部を所定位置で切断して二重壁角形電線管の両端部に大径部を形成し、さらに二重壁角形電線管の大径部同時を対向させることで、管継手を用いて二重壁角形電線管同士を接続することができる。
また、雄型嵌合部の先端部において、雄型嵌合部の内面が内管と一体化されているか、あるいは内管が雄型嵌合部により被覆されていることで、製造が容易であり、二重壁角形電線管同士の接続も容易になる。
また、雄型嵌合部の外周にリング部材と止水部材を配置することで、雌型嵌合部と容易に接続することができるとともに、接続部の止水性を確保することができる。この際に、雄型嵌合部におけるリング部材と止水部材の配置は、先端側に挿入抵抗の少ないリング部材を配置し、リング部材の奥側に止水部材を配置するのが望ましい。
この場合、リング部材に管軸方向に平行に突出するスライドガイドを形成することで、雄型嵌合部に装着した際、リング部材が傾くことを抑制し、雄型嵌合部と雌型嵌合部の接合時に、管軸方向にリング部材をまっすぐにスライドさせることができる。リング部材をC字状でなく、リング部材を環状リング部材とすることで、リング部材をより安定してスライドさせることできるので、環状リング部材とすることが好ましい。
また、雌型嵌合部の内面において、内管が切除されていることで、雄型嵌合部と嵌合した際に、雄型嵌合部と雌型嵌合部の内部の内管とが干渉することを抑制することができる。前記のように雄型嵌合部の場合には、内管を必ずしも切除する必要はないが、雌型嵌合部の場合には、雄型嵌合部との接続に際して、雄型嵌合部の挿入の障害となるので、雄型嵌合部を切除する必要がある。
また、雌型嵌合部に、止水部材接触部と拡開部を形成することで、雄型嵌合部を嵌合させたときには、雄型嵌合部に配置されたリング部材を拡開部に係止させ、止水部材を止水部材接触部に接触させることができる。このため、確実に両者を接続し、止水性を高めることができる。
第2の発明は、第1の発明にかかる合成樹脂製二重壁角形電線管を用いた二重壁角形電線管の管路であって、前記雄型嵌合部と前記雌型嵌合部とが嵌合した、二重壁角形電線管の接続構造を有することを特徴する二重壁角形電線管の管路である。
このように、複数の二重壁角形電線管のそれぞれの雄型嵌合部と雌型嵌合部とを互いに嵌合させて接続することで、所望の長さの管路を形成することができる。
また、第1の発明に係る合成樹脂製二重壁角形電線管を用いた二重壁角形電線管の管路であって、合成樹脂製二重壁角形電線管の少なくとも一方の端部に前記大径部が形成されるか、あるいは前記小径部を切断することで両端部に前記大径部が形成され、合成樹脂製二重壁角形電線管の一端の前記大径部同士が対向し、管継手で接続された、合成樹脂製二重壁角形電線管の接続構造を有することを特徴する二重壁角形電線管の管路とすることもできる。
このように、複数の二重壁角形電線管の大径部同士を対向させて管継手で接続することで、所望の長さの管路を形成することができる。この際、管継手によって接続される二重壁角形電線管の相互に対向する大径部同士の間隔を、小径部長さに対応するようにすれば、管継手を用いても、二重壁角形電線管の接続後の管路の長さを、接続部を有しない長尺の二重壁角形電線管と同様の長さにすることが可能になる。
本発明によれば、小径部及び大径部において、周方向の剛性変化の小さな合成樹脂製二重壁角形電線管及びこれを用いた二重壁角形電線管の管路を提供することができる。これにより、大地震などにより多条多段配列された二重壁角形電線管が大きな圧力を受けた場合に、多条多段配列の二重壁角形電線管の配置が乱れたりすることがなく、可撓性が高いため、小径部が水平方向や垂直方向に座屈したりすることがない。
(a)は、二重壁角形電線管1を示す側面図、(b)は、管軸方向断面図。 (a)は、図1のA-A線断面図、(b)は、図1のB-B線断面図。 (a)は、図2(b)のY部における外管7の断面形状を示す図、(b)は、図2(b)のY部における内管9の断面形状を示す図。 (a)は、図2(b)のY部における外管の他の断面形状を示す図、(b)は、図2(b)のY部における内管の他の断面形状を示す図。 (a)は、図2(a)のX部の管軸方向の断面図、(b)は(a)の他の形態を示す図。 (a)は、雄型嵌合部11の断面図、(b)は雌型嵌合部13の断面図。 リング部材15を示す斜視図。 (a)、(b)は、二重壁角形電線管同士の接続方法を示す図。 (a)は、二重壁角形電線管1の製造方法を示す図、(b)は、(a)のZ部の拡大断面図。 (a)は、二重壁角形電線管1aを示す側面図、(b)は、(a)のH部断面図。 (a)は、二重壁角形電線管1aの切断方法を示す図、(b)は、(a)の小径部5の拡大図。 (a)(b)は、二重壁角形電線管1a同士を管継手45で接続する方法を示す図。 管継手45aを示す図。 (a)、(b)は、管継手45aを用いた、切断された二重壁角形電線管同士の接続方法を示す図。 (a)、(b)は、管継手45aを用いた、切断された二重壁角形電線管同士の接続方法を示す図。 (a)は、図15(a)のK-K線断面図、(b)は、図15(b)のL-L線断面図。 管継手45bを示す図で、(a)は側面図、(b)は断面図。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態にかかる二重壁角形電線管1ついて説明する。図1(a)は、二重壁角形電線管1を示す側面図であり、図1(b)は、二重壁角形電線管1の管軸方向の断面図である。また、図2(a)は、二重壁角形電線管1の径方向断面図であって、図1(a)のA-A線断面図である。また、図2(b)は、二重壁角形電線管1の径方向断面図であって、図1(a)のB-B線断面図である。
二重壁角形電線管1は、主に、内管9、外管7、雄型嵌合部11、雌型嵌合部13等から構成される。二重壁角形電線管1は、例えば硬質ポリオレフィン樹脂等の合成樹脂製である。内管9は、外管7の内部に配置されて外管7の小径部5に対応する位置において融着により一体化される。また、二重壁角形電線管1の外管7の一方の端部には雄型嵌合部11が設けられ、他方の端部に雌型嵌合部13が設けられる。雄型嵌合部11と雌型嵌合部13は、他の二重壁角形電線管1との接続部となる。なお、雄型嵌合部11と雌型嵌合部13の詳細は後述する。
二重壁角形電線管1の外周面には、管軸方向に複数の大径部3と小径部5が外管7の管軸方向に交互に繰返し複数個形成される。図2(a)に示すように、外管7の管軸方向に垂直な大径部3の断面形状は、コーナ部にアール形状を有する略矩形断面形状である。また、図2(b)に示すように、外管7の管軸方向に垂直な小径部5の断面形状は、円形断面形状である。なお、大径部3の径(1辺の長さ)は、小径部5における外径よりも大きい。
前述したように、外管7の内部には、円筒状の内管9が配置される。外管7の小径部5の内周面と、内管9の外周面が相互に融着されて一体化される。
このように、略正方形状の大径部3を設けることで、二重壁角形電線管1を積み上げた際に、二重壁角形電線管1を安定して配列することができる。なお、雌型嵌合部13の最大外径は、大径部3の径(1辺の長さ)よりも小さい。したがって、雌型嵌合部13側の端部から見た際に、雌型嵌合部13は、大径部3の外周にはみ出すことがない。したがって、大径部3同士を接触させて二重壁角形電線管1を積み上げた際に、雌型嵌合部13が、隣り合う二重壁角形電線管1と干渉することがない。
ここで、二重壁角形電線管1を設置した際に、図2(a)、図2(b)において、左右方向を水平方向(図中N)とし、上下方向を鉛直方向(図中M)とする。この際、図中N方向の角度を0°方向とすると、図中M方向は90°方向となり、図中O、P方向は、±45°の方向となる。すなわち、±45°方向は、外管7の大径部3において、矩形断面の各コーナ部近傍に対応する。また、0°、90°方向は、外管7の大径部3において、矩形断面部の各辺の中央部分近傍に対応する。
図3(a)は、図2(b)におけるY部の外管7の拡大断面図である。外管7の小径部5(拡径前の素管に相当する)の円周方向の肉厚分布は、一定ではない。なお、図中点線Qは、円周方向を一定の肉厚とした場合の平均肉厚を示す仮想線である。図示したように、±45°方向の外管7の肉厚は平均肉厚Qよりも厚く、0°、90°方向の外管7の肉厚は、平均肉厚Qよりも薄い。すなわち、大径部3における矩形断面の各コーナ部近傍に対応する±45°方向近傍部分の小径部5の肉厚(図中to2)が、矩形断面部の各辺の中央部分近傍に対応する0°、90°方向近傍部分の小径部5の肉厚(図中to1)に比して厚肉に形成される。
なお、外管7の小径部5において、厚肉部である±45°方向近傍の肉厚の、小径部5の薄肉部である0°、90°方向近傍の肉厚に対する比率は、1.20~1.50であることが望ましく、さらには1.20~1.40であることが望ましい。このようにすることで、大径部3における周方向の肉厚を略一定にすることができる。
図3(b)は、図2(b)におけるY部の内管9の拡大断面図である。外管7と同様に、内管9の円周方向の肉厚分布も、一定ではない。図示したように、±45°方向の内管9の肉厚は平均肉厚Qよりも薄く、0°、90°方向の内管9の肉厚は、平均肉厚Qよりも厚い。すなわち、外管7とは逆に、外管7の大径部3における矩形断面の各コーナ部近傍に対応する±45°方向近傍部分の小径部5の肉厚(図中ti2)が、矩形断面部の各辺の中央部分近傍に対応する0°、90°方向近傍部分の小径部5の肉厚(図中ti1)に比して薄肉に形成される。
なお、内管9の厚肉部である0°、90°方向近傍の肉厚の、内管9の薄肉部である±45°方向近傍の肉厚に対する比率は、1.20~1.50の範囲であることが望ましく、さらには1.20~1.40であることが望ましい。すなわち、外管7における厚肉部の肉厚/薄肉部の肉厚の比率とほぼ同じ比率であることが望ましいが、外管7と内管9の肉厚が異なる場合には、外管7の融着後の肉厚がそれぞれの薄肉部と厚肉部で一定になるように、適宜比率を調整することが望ましい。
ここで、図示した例では、外管7の小径部5の外周部の外径は略一定に形成される。すなわち、小径部5の外周面は円形である。一方、外管7の大径部3の矩形断面の各コーナ部近傍に対応する±45°方向近傍の外管7の小径部5の内周部は、内周側に向かって徐々に縮径して突出する。したがって、外管7の小径部5の±45°方向近傍が厚肉に形成される。
同様に、図示した例では、内管9の内周部の内径は略一定に形成される。すなわち、小径部5の内周面は円形である。一方、外管7の厚肉部と対応する部分である、内管9の±45°方向近傍の外周部の外径は、徐々に縮径して薄肉に形成される。このように、外管7の厚肉部と内管9の薄肉部とが対応する部位に形成され、外管7の薄肉部と内管9の厚肉部とが対応する部位に形成される。このため、外管7と内管9が融着された後の小径部5の合計肉厚は、周方向で略均一になる。このように、小径部5は、内外径ともに周方向で一定となり、内面及び外面において、周方向に対して凹凸が形成されない。
なお、外管7と内管9が融着された後の小径部5の合計肉厚が周方向で略均一になれば、外管7と内管9の肉厚変化は、図3(a)、図3(b)に示した例には限られない。図4(a)は、図2(b)のY部における外管の他の断面形状を示す図、図4(b)は、図2(b)のY部における内管の他の断面形状を示す図である。
この例では、外管7の小径部5の内周部の内径が略一定に形成される。すなわち、小径部5の内周面は円形である。一方、外管7の大径部3の矩形断面の各コーナ部近傍に対応する±45°方向近傍の外管7の小径部5の外周部は、外周側に向かって徐々に拡径して突出する。したがって、外管7の小径部5の±45°方向近傍が厚肉に形成される。
同様に、内管9の外周部の外径は略一定に形成される。すなわち、小径部5の外周面は円形である。一方、外管7の厚肉部と対応する部分である、内管9の±45°方向近傍の内周部の内径は、徐々に拡径して薄肉に形成される。このように、外管7の厚肉部と内管9の薄肉部とが対応する部位に形成され、外管7の薄肉部と内管9の厚肉部とが対応する部位に形成されることで、外管7と内管9が融着された後の小径部5の合計肉厚は、周方向で略均一になる。なお、この場合には、融着後の小径部5の内径と外径が周方向で一定ではないが、外管7と内管9との融着面の形状を合わせやすくなる。
なお、本実施形態では、内管9の管軸方向の断面形状がまっすぐではなく、波形に形成される。図5(a)は、図2(a)のX部の管軸方向の断面図である。前述したように、外管7と内管9とは小径部5で融着する。一方、外管7の大径部3に対応する位置では、外管7の大径部3の外周部と側壁部と、内管9の外周面の間に、所定形状の環状の空間19が形成される。
図示したように、外管7の大径部3に対応する位置に配置された内管9には、大径部3の管軸方向の中央部に向かって僅かに拡径する拡径部37が形成される。すなわち、外管7の大径部3に対応する位置の、大径部3の管軸方向の略中央における内管9の内面に、僅かな凹形状が形成されて、内管9の内径が拡径し、大径部3の管軸方向の中央部における内管9の内半径D1が他の部位よりも大きくなる。
また、外管7の小径部5に対応する位置に配置された内管9には、小径部5の管軸方向の中央が僅かに中心に向けて突出することで、内管9の内径が縮径した縮径部39が形成される。すなわち、外管7の大径部3に挟まれた小径部5に対応する位置の小径部5の管軸方向の略中央において、内管9の内面に、管の中心方向に僅かに凸形状が形成されて内管9の内径が縮径し、小径部5の管軸方向の中央部における内管9の内半径D2が他の部位よりも小さくなる。このように内管9の内面を凸形状に成形することは、縮径部39の管軸方向の中心が突状になるように形成した金型を用いることで実現できる。ここで、縮径部39を金型により形成する場合は、必ずしも円弧形状である必要はなく、内管9の小径部5の管軸方向端部に比べて、管軸方向中央の二重壁角形電線管1の中心からの内径が縮径されていればよい。
外管7の大径部3に対応する位置に配置された内管9の管軸方向の中央が拡径した拡径部37は、外管7の小径部5を挟んで管軸方向に所定間隔で周期的に繰り返し形成されている。同様に、小径部5に対応する位置に配置された内管9の管軸方向の中央部が縮径した縮径部39は、外管7の大径部3に対応する位置に形成された拡径部37を挟んで所定間隔で配置される。すなわち、縮径部39と拡径部37が管軸方向に周期的に繰り返し形成されている。
このように、内管9の内面が、管軸方向に縮径部39と拡径部37が管軸方向に周期的に波形状となることで、ケーブルの通線時において、ケーブルと内管9との接触面積が小さくなり、通線抵抗を低減することができる。なお、拡径部37の内半径D1と縮径部39の内半径D2との差は、縮径部39の寸法を金型により調整できることから、例えば、2.0mm~8.0mm程度の範囲の調整が可能であるが、開口部断面積との関係も考慮すると、2.0mm~5.0mm程度が望ましい。
なお、図5(b)に示すように、小径部5の管軸方向中央に縮径部を形成せず、管軸方向を略平坦に形成してもよい。この場合でも、外管7の大径部3に対応する位置に配置された拡径部37を、小径部5を挟んで管軸方向に所定間隔で周期的に繰り返し形成することができる。すなわち、内管9の内面を、管軸方向に波形状とすることができる。この場合の拡径部37と縮径部39の内半径の差異は、1.0mm~2.0mm程度である。なお、小径部5の管軸方向中央に縮径部39を形成せずに平坦に形成した場合でも、主として外管7の成形時の樹脂流動の影響などにより、小径部5の中央が僅かに縮径することがあるが、この影響も本発明には含むものとする。
次に、雄型嵌合部11について説明する。図6(a)は、雄型嵌合部11の断面図である。雄型嵌合部11は、二重壁角形電線管1の一方の端部近傍の外周部に形成される。雄型嵌合部11の外周には、雄型嵌合部11の先端側から順に、リング部材配置部21、止水部材配置部23が形成される。リング部材配置部21には、リング部材15が配置される。また、止水部材配置部23には止水部材17が配置される。
図7は、リング部材15の斜視図である。リング部材15は、先端に向かって拡径する係止爪33と、管軸方向に平行に突出するスライドガイド31とが、周方向に交互に形成される。リング部材15の一方の端部側は、外径が他の部位よりも小さい縮径部となり、複数の係止爪33は、他方の端部側に向けて拡径するように形成される。リング部材15は、各係止爪33の弾性変形によって縮径可能である。
リング部材15の周方向において、係止爪33同士の間には、スリットを介してスライドガイド31が設けられる。スライドガイド31は、縮径部から、リング部材15の軸方向に略平行に形成される。リング部材15は、リング部材配置部21の範囲において、軸方向にスライド動作が可能である。この際、スライドガイド31は、リング部材15のスライド時に、リング部材15が雄型嵌合部11の軸方向に対して傾くことを抑制する。このため、リング部材15をスムーズにスライドさせることができる。
リング部材15は、円周方向の一部が開口した略C字状の部材である。C字型のリング部材15の周方向の両端部には、接続部35が設けられる。接続部35は互いに接続可能であり、接続部35を接続することで、環状に形成された環状リング部材となる。なお、接続部35を形成せずに、C字型のリング部材のまま使用してもよい。
止水部材17は、環状の部材であり、止水部材17の内径は、雄型嵌合部11における止水部材配置部23の装着部の外径よりも小さい。このため、止水部材17の内面は、雄型嵌合部11の外面に密着する。また、止水部材17は、雄型嵌合部11において、径方向の外方に突出する。雄型嵌合部11を後述する雌型嵌合部13に挿入した際には、止水部材17の外面が雌型嵌合部13の内面と接触して、止水性を確保することができる。なお、止水部材17はゴムパッキンなどの弾性部材または水膨張性不織布のいずれかであることが望ましい。また、止水部材が水膨張性不織布の場合には、水膨張性不織布を止水部材配置部23に貼り付けることも可能である。この場合には、水膨張性不織布は、止水部材配置部23に直接貼り付けられているので、止水部材配置部23に密着し、雄型嵌合部11を雌型嵌合部13に挿入した際には、止水部材17を所定厚さとすれば、水膨張性不織布の外面が雌型嵌合部13の内面と接触して、止水性を確保することができる。
雄型嵌合部11の外形は外管7によって形成される。雄型嵌合部11において、内管9は、例えば、雄型嵌合部11の先端部の内面と一体化されている。なお、雄型嵌合部11の内面と内管9とを一体化させずに、内管9と雄型嵌合部11とが離れていてもよい。この場合には、雄型嵌合部11の端部近傍において、内管9は、雄型嵌合部11により被覆された状態となる。すなわち、雄型嵌合部11は、雄型嵌合部11の先端部の内面が内管9と一体化されているか、あるいは内管9が雄型嵌合部11の先端部より突出しない状態で外周を覆われていれば必ずしも接触固定されていなくてもよい。
次に、雌型嵌合部13について説明する。図6(b)は、雌型嵌合部13の断面図である。雌型嵌合部13の内面は、雄型嵌合部11が挿入固定可能な形状に形成される。より詳細には、雌型嵌合部13は、先端開口部から順に、止水部材接触部29と、内径が縮径する斜面部25と、斜面部25の縮径部から急激に拡開する拡開部27とを有している。なお、雌型嵌合部13の内面の少なく一部において、雄型嵌合部11との嵌合を阻害しないように内管9が切除されている。
次に、雄型嵌合部11と雌型嵌合部13との接続方法について説明する。まず、図8(a)に示すように、雄型嵌合部11を雌型嵌合部13と対向させて配置し、雄型嵌合部11を雌型嵌合部13に挿入する。リング部材15の先端(係止爪33の先端)は、雌型嵌合部13の斜面部25と接触し、雄型嵌合部11の挿入によって徐々に弾性変形によって縮径する。
雄型嵌合部11を雌型嵌合部13へさらに挿入し、係止爪33が斜面部25を通過して拡開部27まで来ると係止爪33が拡径して、拡開部27に係止爪33が係止される。この際、リング部材15は、リング部材配置部21でスライド可能であるため、雄型嵌合部11の挿入時に、リング部材15の縮径とスライドによって挿入抵抗を低減可能である。また、スライドガイド31によって、リング部材15のスライド時に、リング部材15の傾きを抑制することができる。
図8(b)は、雄型嵌合部11と雌型嵌合部13とが嵌合した、二重壁角形電線管1の接続構造を示す図である。このように、雄型嵌合部11を雌型嵌合部13に嵌合させた際には、雄型嵌合部11に配置されたリング部材15が雌型嵌合部13の拡開部27に係止されるとともに、雄型嵌合部11の止水部材17が雌型嵌合部13の止水部材接触部29に接触する。止水部材17の最大外径は、止水部材接触部29の内径よりも大きいため、止水部材17が止水部材接触部29と密着して止水性を確保することができる。このように、雄型嵌合部11と雌型嵌合部13とが嵌合した、二重壁角形電線管1の接続構造を有する管路を形成することができる。
なお、本発明において、雄型嵌合部11および雌型嵌合部13の構造は特に限定されない。雄型嵌合部11が、雌型嵌合部13に差し込んで接続することが可能な形状であれば、公知の如何なる構造も適用可能である。
次に、二重壁角形電線管1の製造方法について説明する。図9(a)は、二重壁角形電線管製造装置80を示す概略図である。二重壁角形電線管製造装置80は、主に、押出機81a、81b、無限軌道82a、82b等から構成される。
無限軌道82a、82bは互いに逆方向に回転する(図中矢印R方向)。無限軌道82a、82bは、複数の金型85等から構成される。無限軌道82a、82bは、二重壁角形電線管製造装置80の送り方向に対して同一方向かつ同一速度で移動し、互いに対向する成形部を有する。成形部では、無限軌道82a、82bのそれぞれの金型85等が互いに向き合って密着し、送り方向に金型85が同一速度で移動する。
なお、金型85は、内面に二重壁角形電線管1の大径部と小径部の外形に応じた凹部と凸部が形成された半割り状の半筒部材である。一対の金型85が互いに向き合って合わさることで、筒状部材となる。
図9(b)は、図9(a)のZ部における断面図である。二重壁角形電線管製造装置80の送り方向の上流側には、押出機81a、81bと押出ヘッド83が配置される。押出ヘッド83の端部は、金型85等が互いに向き合って密着する筒状部に挿入される。
押出ヘッド83には、外管7を成形する樹脂が流れる流路87aと、内管9を成形する樹脂が流れる流路87bが同軸に配置される。例えば、押出ヘッド83の軸方向に垂直な断面において、流路87bが押出ヘッド83の中心近傍に配置され、流路87aが、流路87bの周囲を囲むように、環状に形成される。流路87aには、押出機81aが接続されており、押出機81aから流路87aへ樹脂が押し出される(図中矢印T)。同様に、流路87bには、押出機81bが接続されており、押出機81bから流路87bへ樹脂が押し出される(図中矢印V)。
外管樹脂が流れる流路87aの先端からは、突き合せられた金型85の間において、筒状の素管89a(パリソン)が押し出される。すなわち、筒状の素管89aは、一対の金型85で形成された筒状の空間に送られる。なお、素管89aの押出速度と金型85の移動速度は同期する。
金型85には、複数の孔が設けられており、外部から内部の空気が吸引される(図中矢印W方向)。なお、流路87a、87bの間には、空気が流れる流路87cが形成される。流路87cに圧縮空気が送り込まれることで(図中矢印U)、素管89a内が負圧になることが抑制される。
金型85と素管89aとの間の空気が金型85の外部に吸引されるため、素管89aは、金型85の内面に押し付けられる。したがって、素管89aは金型85の内面形状に応じて、金型85の凹部で大径部3が形成され、凸部で小径部5が形成される。すなわち、外管用ノズル(流路87aの先端)から押し出された管状の溶融樹脂は、キャタピラ式の分割された金型85の内面に真空吸引されて徐々に押し付けられながら、最終的には金型85の内面に圧着して、外管7が形成される。
外管7の形成部よりも押出ヘッド83の先端側において、内管樹脂が流れる流路87bの環状の先端部からは、同様に筒状の素管89b(パリソン)が押し出される。なお、素管89bの押出速度と金型85の移動速度は同期する。素管89bは、先に成形されている外管7の内面と押出ヘッド83の先端部の間に送られて内管9の形状である筒状に成形される。この際、内管9の外面と外管7の小径部内面とが融着する。その後、冷却が行われて、二重壁角形電線管1が製造される。
なお、金型85として、大径部3、小径部5の繰り返し形状の金型の他、その前後の両端部に雄型嵌合部11と雌型嵌合部13を成形する金型を設けておけば、所定長さの管体の両端部に雄型嵌合部11と雌型嵌合部13の成形を行うことができる。複数本の二重壁角形電線管1を連続して成形する場合には、雄型嵌合部11と雌型嵌合部13の成形を行う金型が隣接して配置される。この場合、雄型嵌合部11と雌型嵌合部13の先端の外径が異なるため、両者先端の外径の差異を調整するための部位が必要となり、これを調整するための部位として、雄型嵌合部11と雌型嵌合部13を繋ぐ移行部が設けられる。すなわち、移行部を介して連結された複数の二重壁角形電線管1が製造される。移行部と、雌型嵌合部13の内部の不要な内管9は、その後切除される。
ここで、図5で示したように、大径部3において、外管7と内管9との間には、密閉された環状の空間19が形成される。押出成形後の冷却時には、この空間内の内圧が低下する。このため、この空間19に露出する内管9には拡径方向(空間19が小さくなる方向)の力が生じる。このため、内管9が変形し、大径部3の管軸方向の中央部に向かって僅かに拡径する拡径部37が形成される。
一方、小径部5においては、金型85の凸部によって外管7及び内管9は拘束されるため、拡径方向への変形はない。
ここで、空間19の収縮による変形は、内管9のみではなく、外管7の大径部の外周部と側面部にも生じる恐れがある。しかし、内管9の肉厚を、外管7の肉厚よりも薄くしておくことで、この変形を内管9に選択的に集中させることができる。すなわち、外管7の大径部3の外形はほとんど変化させずに、内管9の空間19に面した部位のみを拡径させることができる。なお、このような効果を得るためには、外管7の肉厚が内管9の肉厚より厚いことが望ましい。
ここで、円筒状の内管9は、長手方向に対してほぼ一定の肉厚となるが、外管7は、大径部3と小径部5とで肉厚が異なる。例えば、より大きな外径となる大径部3では、成形時の樹脂の変形量が大きくなるため、小径部5と比較して肉厚がやや薄くなる。したがって、内管9を選択的に変形させるためには、内管9の肉厚は、外管7の大径部3における外周部の肉厚(最小肉厚)よりも薄くすることが望ましい。このようにすることで、外管7の大径部3に対応する位置の内管9の内径を、大径部3の管軸方向の略中央で僅かに凹状に拡径することができる。
また、金型成形後の外管7の大径部3は、90°に折り曲げられているため、形状効果により剛性が高いことから、大径部3における最小肉厚を必ずしも内管9の肉厚より厚く形成しなくてもよい。また、内管9に外管7より低強度の合成樹脂を用いることもでき、例えば、外管7に高密度ポリエチレン、内管に中密度や低密度ポリエチレンを用いれば、外管7の大径部3の最小肉厚を内管9より厚くしなくてもよく、この場合には、内管9の管軸方向に縮径部39、拡径部37などの周期的な波形状も形成しやすく可撓性も向上する効果も得られる。
また、前述したように、外管7の大径部3に挟まれた小径部5に対応する位置の内管9の管軸方向の略中央において、内管9の内面に、管中心方向に僅かに突出する凸形状を形成してもよい(図5参照)。すなわち、内管9の管軸方向の略中央の内径を縮径させて、小径部5の管軸方向の中央部における内管9の内半径D2(図5)を他の部位よりも小さくしてもよい。
この場合には、小径部5を成形する金型85の凸形状を、管軸方向の中心に向かってなだらかに突状に形成することで、小径部5を管中心に向かって突状に形成することができる。すなわち、二重壁角形電線管1の小径部5における内管9の内面の管軸方向の中央近傍に、中心方向に突出する凸部を形成することができる。
以上、本実施の形態によれば、二重壁角形電線管1は、大径部が略正方形状の電線管であるため、二重壁角形電線管1を多条多段に積み重ねることができ、コンパクトに配置することができる。このため、二重壁角形電線管1の埋設時の土砂の掘り起し量を少なくすることが可能になると共に、一括で埋め戻すことができるため工事の負荷が減少する。この結果、工期の短縮、工事コストの削減を達成することができる。
また、大径部3と小径部5を有する外管7の内部に、略円筒状の内管9が配置されるため、ケーブルの通線時に、大径部3と小径部5との段差に、ケーブルが引っ掛かることがない。
また、外管7を形成する素管89aの肉厚を、周方向で一定とせず、大径部3のコーナ部に対応する部位の肉厚を厚くすることで、略矩形の大径部3を形成した際に、コーナ部の肉厚が薄くなることを抑制し、大径部3の肉厚を、周方向で略均一に形成することができる。
また、このようにすることで、小径部5においては、外管7の肉厚が周方向で均一にはならないが、外管7の厚肉部に対応する部位の内管9を薄肉にし、外管7の薄肉部に対応する部位の内管9を厚肉にすることで、外管7と内管9とを足した小径部5の総肉厚を、周方向に略均一にすることができる。このため、小径部5の周方向の部位による剛性を均一にすることができる。
また、大径部3に対応する部位の内管9を、小径部5に対応する部位と比較して拡径することで、内管9の内面を管軸方向になだらかな波形に形成することができる。このように、管軸方向に縮径部39と拡径部37が周期的に繰り返し形成されている部分を有する二重壁角形電線管1の管路へケーブルを通線すると、二重壁角形電線管1のケーブルとの接触面積を減らすことができ、通線抵抗を低減することができる。
また、雄型嵌合部11と雌型嵌合部13を嵌合させて、複数の二重壁角形電線管を接続することで、二重壁角形電線管1を用いた二重壁角形電線管1の管路を形成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図10(a)は、二重壁角形電線管1aを示す側面図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の機能を奏する構成については、図1~図9と同様の符号を付し、重複する説明を省略する。二重壁角形電線管1aは、二重壁角形電線管1と略同様の構成であるが、小径部5の外周面に突部43が形成される点で異なる。
図10(b)は、図10(a)のH部における軸方向の断面図である。図10(b)に示すように、二重壁角形電線管1aの軸方向に対する小径部5の略中央部に、一対の突部43が形成される。また、二重壁角形電線管1aの軸方向断面において、突部43の間には溝41が形成される。すなわち、それぞれの小径部5の管軸方向の略中央に、外周方向に突出する2つの突部43と、突部43の間の溝41が形成されている。
次に、二重壁角形電線管1aを用いた管路の形成方法について説明する。前述したように、複数の二重壁角形電線管1aの雄型嵌合部11と雌型嵌合部13とを嵌合させて接続することで、複数の二重壁角形電線管1aが連結された管路を形成することができる。このような管路は、例えば、所定間隔で設置されたハンドホール間に設置される。
ところで、両側のハンドホールから、二重壁角形電線管1aの接続を繰り返して管路を形成すると、ハンドホールの間隔が、必ずしも二重壁角形電線管1aの長さの整数倍にはならないため、二重壁角形電線管1aがラップする部分が生じる。このため、二重壁角形電線管1aの長さ調整が必要となる。二重壁角形電線管1aの長さ調整は、両側から延線してきた二重壁角形電線管1aの小径部5を切断して接続することで行われる。
この場合には、図11(a)に示すように、鋸などの刃物によって、二重壁角形電線管1aを所定の長さに切断する必要がある。
図11(b)は、図11(a)の小径部5の拡大断面図である。二重壁角形電線管1aを切断する際には、刃物の先端を溝41の位置に合わせることで、切断位置を正確に把握することができる。このように、突部43の間に溝41を形成することで、溝41に沿って刃物を使用することができ、二重壁角形電線管1aの切断が容易である。また、切断位置がずれにくいため、二重壁角形電線管1aを精度よく切断することができる。
このように、二重壁角形電線管1aを小径部5で切断することで、二つの二重壁角形電線管に分離することができる。この際、一方の二重壁角形電線管1aは、一方の端部に雌型嵌合部13を有し、他方の端部に切断後の小径部5を有する。また、他方の二重壁角形電線管1aは、一方の端部に雄型嵌合部11を有し、他方の端部に切断後の小径部5を有する。
次に、切断後の二重壁角形電線管1aの接続構造について説明する。図12は、管継手45によって、切断後の二重壁角形電線管1a同士を接続する方法を示す図である。管継手45は、軸方向の略中央が縮径される筒状部材47からなる。なお、筒状部材47は、中央の縮径部が略円形であり、その両側の他の部位が略矩形の形状である。
管継手45の矩形断面部には、軸方向の中心に向けて突出する係止片49が設けられる。係止片49は、ばね性を有し、軸方向の中心に向かって徐々に内部突出量が大きくなるように形成される。なお、係止片49は、軸方向中央の縮径部を挟んで略対称な位置にそれぞれ配置される。また、係止片49は、筒状部材47の周方向にも複数箇所(例えば少なくとも対向する2カ所)に配置される。
まず、図12(a)に示すように、所定の長さに二重壁角形電線管1aを切断し、互いの切断端部(小径部5)同士を対向させて配置する。二重壁角形電線管1aの端部は、小径部5の切断部位から、大径部3、小径部5、大径部3が順に形成される。
図12(a)に示すように、管継手45(筒状部材47)の両端の開口部から、二重壁角形電線管1aをそれぞれ挿入し(図中矢印I)、対向部51によって、二重壁角形電線管1a同士を対向させると、それぞれの二重壁角形電線管1aの大径部3が、係止片49と接触する。さらに、管継手45の両端の開口部から、二重壁角形電線管1aに押し込むことで、図12(b)に示すように、係止片49が大径部3を乗り越えて、ばね性によって元の状態に戻る。
したがって、係止片49の先端が、それぞれの大径部3の側面と接触して、二重壁角形電線管1aが係止される。このように、管継手45を用いた二重壁角形電線管1aの接続構造50は、略矩形状の筒状部材47内に、二重壁角形電線管1aの対向部51から遠い側に支持された係止片49を、二重壁角形電線管1aの対向部51に近い側の大径部3の側面に当接させる機構によって形成される。
このような管継手45を用いれば、二重壁角形電線管1aを遠ざける方向に引抜き力が作用しても、管継手45内の係止片49により、それぞれ、二重壁角形電線管1aが支持されるので、管継手45から二重壁角形電線管1aが抜けることがない。
なお、本実施形態では、二重壁角形電線管1aの小径部5を切断したが、最初から端部に雄型嵌合部11または雌型嵌合部13を有さない二重壁角形電線管であっても適用可能である。すなわち、二重壁角形電線管の少なくとも一方の端部に大径部3が形成されるか、あるいは小径部5を切断することで両端部に大径部3が形成された二重壁角形電線管を用い、二重壁角形電線管の一端の大径部3同士を対向させて管継手で接続することで、二重壁角形電線管の接続構造を形成することができる。このため、二重壁角形電線管の接続構造を有する管路52を容易に形成することができる。
なお、管継手の構造は、図12に示す例には限られない。例えば、管継手45に代えて、図13に示す管継手45aを用いてもよい。管継手45aは、主に、継手本体53と一対のΠ型固定部材55からなる。
Π型固定部材55は、天面部57と、一対の両足部59からなる。両足部59は、天面部57の両端部近傍に、天面部57に対して略直交するように接続され、下方に向けて突出する。両足部59には、それぞれ外側に向けて係合部61が形成される。係合部61は、下方が両側方向に張り出すように形成される。
継手本体53の両端部には、管軸方向に対称に略矩形状の筒状部65が形成される。筒状部65は、後述する角形電線管の大径部等が挿入される部位である。筒状部65の上方には、切欠き部67が形成されて開口する。また、継手本体53の切欠き部67に対応する位置の筒状部65の内側面には、係合段部69が形成される。係合段部69は、継手本体53の管軸方向に略平行に、内側に向かって突出する突部によって形成される。
継手本体53の筒状部65の底部の両側には、開口部63が設けられる。開口部63は、継手本体53の管軸方向に対して、切欠き部67に対応する位置に形成される。開口部63は、Π型固定部材55の両足部59を挿入可能である。
次に、管継手45aを用いた、切断後の二重壁角形電線管1aの接続方法について説明する。前述したように、小径部5の中央で切断された二重壁角形電線管1a同士は、長さ調整が行われる。まず、図14(a)に示すように、切断後の二重壁角形電線管1aの、互いの切断端部同士を対向させて配置する。次に、互いに対向する端部同士を、管継手45の継手本体53の両側から挿入する(図中矢印J方向)。
なお、切欠き部67より奥側の継手本体53の筒状部65の内部には、筒状部65の内周面全周を取り囲むように止水部材71が配置される。止水部材71は、例えば、水膨張部材又はゴムパッキンである。
図14(b)は、継手本体53の両側へ、二重壁角形電線管1aが挿入された状態を示す図である。継手本体53の筒状部65には、少なくとも二重壁角形電線管1aの大径部3、小径部5、大径部3の順に配置され、筒状部65の切欠き部67の位置には、小径部5が位置する。また、継手本体53の内面と二重壁角形電線管1aの大径部3の外面が、止水部材71を介して密着して、止水性が確保される。
次に、継手本体53の上方から、切欠き部67へΠ型固定部材55を挿入する。図15(a)は、Π型固定部材55の挿入前の状態を示す図、図15(b)は、Π型固定部材55を挿入した後の状態を示す図である。また、図16(a)は、図15(a)のK-K線断面図、図16(b)は、図15(b)のL-L線断面図である。
図15(b)、図16(b)に示すように、Π型固定部材55が上方から切欠き部67へ挿入される。また、Π型固定部材55の両足部59の先端が、継手本体53の筒状部65の底部に設けられた開口部63に挿入される。この際、係合部61と係合段部69とが係合して、Π型固定部材55が継手本体53へ固定される。
なお、切欠き部67にΠ型固定部材55を挿入したときに、Π型固定部材55の天面部57の内周面が、内部の二重壁角形電線管1aの大径部3より小さく、小径部5よりも大きい。このため、Π型固定部材55が継手本体53に固定された状態で、二重壁角形電線管1aを継手本体53から引き抜こうとすると、Π型固定部材55の天面部57の内面の上部の一部および両足部59が、二重壁角形電線管1aの大径部3の側面に当接して係合する。このように、二重壁角形電線管1aと管継手45aとが管軸方向に係合されるため、二重壁角形電線管1aが継手本体53から抜けることがない。すなわち、管継手45aを用いた二重壁角形電線管1a同士の接続構造50aを形成することができる。
このように、管継手45aを用い、Π型固定部材55を上方から切欠き部67へ挿入することで、Π型固定部材55によって大径部3の移動が規制されて、二重壁角形電線管1a同士が接続された管路52aを形成することができる。
また、図17に示す管継手45bを用いてもよい。図17(a)は、管継手45aの側面図、図17(b)は、管継手45bの断面図である。管継手45bは、一方の端部に雄型嵌合部11が形成され、他方の端部に、前述した管継手45aの一端の筒状部65が形成される。前述したように、雄型嵌合部11は、雌型嵌合部13と接続可能である。一方、筒状部65には、切断後の二重壁角形電線管1aの切断端部を挿入し、Π型固定部材55によって固定することができる。
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、小径部5に、一対の突部43が形成され、突部43の間には溝41が形成される。このため、二重壁角形電線管1aの長さ調整を行う際に、切断位置を確実に把握することができる。また、一対の突部43を、刃物のガイドとして機能させることができる。
また、切断された小径部5は、管継手45、45a、45b等によって接続可能である。このため、二重壁角形電線管1aの長さ調整が容易である。
以上のように、本発明によれば、大径部3及び小径部5において、周方向の剛性変化の小さな合成樹脂製の二重壁角形電線管1及びこれを用いた二重壁角形電線管の管路を提供することが可能になる。また、大地震等により二重壁角形電線管1が大きな応力を受けた場合に、小径部の肉厚分布がほぼ一定のため、実際に多条多段に配置された二重壁角形電線管1が、応力集中による局部的な変形の集中により、配置が崩れたり、緩んだりすることを防止できると同時に、可撓性が高いため、小径部5が水平方向や垂直方向に座屈したりすることがない。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a………二重壁角形電線管
3………大径部
5………小径部
7………外管
9………内管
11………雄型嵌合部
13………雌型嵌合部
15………リング部材
17………止水部材
19………空間
21………リング部材配置部
23………止水部材配置部
25………斜面部
27………拡開部
29………止水部材接触部
31………スライドガイド
33………係止爪
35………接続部
37………拡径部
39………縮径部
41………溝
43………突部
45、45a、45b………管継手
47………筒状部材
49………係止片
50、50a………接続構造
51………対向部
52、52a………管路
53………継手本体
55………Π型固定部材
57………天面部
59………両足部
61………係合部
63………開口部
65………筒状部
67………切欠き部
69………係合段部
71………止水部材
80………二重壁角形電線管製造装置
81a、81b………押出機
82a、82b………無限軌道
83………押出ヘッド
85………金型
87a、87b、87c………流路
89a、89b………素管

Claims (13)

  1. 外管と内管とを有する合成樹脂製二重壁角形電線管であって、
    前記外管の管軸方向に垂直な断面形状が、コーナ部にアール形状を有する略矩形断面形状である大径部と、円形断面形状である小径部が、前記外管の管軸方向に交互に繰返し複数個形成され、さらに前記外管の内部には、円筒状の前記内管が配置され、前記外管の前記小径部の内周面と前記内管の外周面が前記外管の前記小径部に対応する位置において相互に融着され、
    前記外管の拡径前の素管に相当する前記小径部の円周方向の肉厚分布として、矩形断面の各コーナ部近傍に対応する±45°方向近傍部分の肉厚が、矩形断面部の各辺の中央部分近傍に対応する0°、90°方向近傍部分の肉厚に比して厚肉に形成され、
    逆に前記内管の円周方向の肉厚分布として、前記外管の矩形断面の各コーナ部近傍に対応する±45°方向近傍部分の肉厚が、矩形断面部の各辺の中央部分近傍に対応する0°、90°方向近傍部分の肉厚に比して薄肉に形成され、前記外管と前記内管が融着された後の前記小径部の合計肉厚が周方向で略均一になるように形成されることを特徴とする合成樹脂製二重壁角形電線管。
  2. 前記外管の前記小径部の外周部の外径が略一定に形成され、前記外管の前記大径部の矩形断面の各コーナ部近傍に対応する、±45°方向近傍の前記外管の前記小径部の内周部が内周側に向かって徐々に縮径して突出することで厚肉に形成され、これと対応する部分である、前記内管の±45°方向近傍の外周部の外径が徐々に縮径して薄肉に形成されることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製二重壁角形電線管。
  3. 前記外管の前記小径部の内周部の内径が略一定に形成され、前記外管の前記大径部の矩形断面の各コーナ部近傍に対応する、±45°方向近傍の前記外管の前記小径部の外周部が外周側に向かって徐々に拡径して突出することで厚肉に形成され、これと対応する部分である、前記内管の±45°方向近傍の内周部の内径が徐々に拡径して、薄肉に形成されることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製二重壁角形電線管。
  4. 前記外管の前記小径部において、厚肉部である±45°方向近傍の肉厚の、前記小径部の薄肉部である0°、90°方向近傍の肉厚に対する比率は、1.20~1.50であり、前記内管の厚肉部である0°、90°方向近傍の肉厚の、前記内管の薄肉部である±45°方向近傍の肉厚に対する比率は、1.20~1.50の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の合成樹脂製二重壁角形電線管。
  5. 前記外管の前記小径部に対応する位置に配置された前記内管には、管軸方向の中央が僅かに中心に向けて突出することで前記内管の内径が縮径した縮径部が形成され、前記外管の前記大径部に対応する位置に配置された前記内管には、管軸方向の中央部に向かって僅かに拡径する拡径部が形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の合成樹脂製二重壁角形電線管。
  6. 前記外管の一方の端部には、雄型嵌合部が形成され、他方の端部には、雌型嵌合部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の合成樹脂製二重壁角形電線管。
  7. 前記雄型嵌合部は、前記雄型嵌合部の先端部の内面が内管と一体化されているか、あるいは内管が先端部近傍で前記雄型嵌合部により被覆されていることを特徴とする請求項6に記載の合成樹脂製二重壁角形電線管。
  8. 前記雄型嵌合部の外周には先端側から順に、リング部材配置部、止水部材配置部が形成され、前記リング部材配置部には、リング部材が配置され、前記止水部材配置部には止水部材が配置され、前記止水部材がゴムパッキンまたは水膨張性不織布のいずれかであることを特徴とする請求項7に記載の合成樹脂製二重壁角形電線管。
  9. 前記リング部材は、先端に向かって拡径する係止爪と、管軸方向に平行に突出するスライドガイドとが、周方向に交互に形成されるC字型リング部材であるか、あるいは前記C字型リング部材の両端に接続部を有し、前記接続部を接続することで、環状に形成された環状リング部材のいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の合成樹脂製二重壁角形電線管。
  10. 前記雌型嵌合部の内面は、前記雄型嵌合部が挿入固定可能な形状に形成され、さらに前記雌型嵌合部の内面の少なく一部において、前記雄型嵌合部との嵌合を阻害しないように前記内管が切除されていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれかに記載の合成樹脂製二重壁角形電線管。
  11. 前記雌型嵌合部は、先端開口部から順に、止水部材接触部と、内径が縮径する斜面部と、前記斜面部の縮径部から急激に拡開する拡開部とを有しており、前記雄型嵌合部を嵌合させたときには、前記雄型嵌合部に配置された前記リング部材が前記拡開部に係止され、前記止水部材が前記止水部材接触部に接触していることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の合成樹脂製二重壁角形電線管。
  12. 請求項6から請求項11のいずれかに記載の合成樹脂製二重壁角形電線管を用いた二重壁角形電線管の管路であって、
    前記雄型嵌合部と前記雌型嵌合部とが嵌合した、二重壁角形電線管の接続構造を有することを特徴する二重壁角形電線管の管路。
  13. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の合成樹脂製二重壁角形電線管を用いた二重壁角形電線管の管路であって、
    合成樹脂製二重壁角形電線管の少なくとも一方の端部に前記大径部が形成されるか、あるいは前記小径部を切断することで両端部に前記大径部が形成され、合成樹脂製二重壁角形電線管の一端の前記大径部同士が対向し、管継手で接続された、合成樹脂製二重壁角形電線管の接続構造を有することを特徴する二重壁角形電線管の管路。
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