JP7316391B2 - 潤滑物質を含むマイクロメカニカル部品 - Google Patents

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Description

本発明は、時計仕掛けの機構を対象としたマイクロメカニカル部品、特に潤滑を要する部品に関する。
時計機構では、多くの部品が動いていて、互いに摩擦接触していることが知られている。この摩擦は、機構の精度や自律性に影響を与える可能性があるため、可能な限り減らす必要がある。したがって、この摩擦を減らすために、液体又は粘性の潤滑剤の使用が知られている。この潤滑剤は、必要十分に決めた区域に適切な量で控えめに使用される。
しかしながら、この潤滑剤は、それを堆積した範囲からずれてしまうおそれがある。特に、周囲条件に暴露されて生じる表面の自然に起こる化学的状態において、部品の動きが、潤滑剤を接触区域から非摩擦区域に向かって移動させる傾向がある。さらに、時計部品などの小型のメカニカル部品では、特定の範囲だけに潤滑膜を形成することは困難である。
滑りを意図する部分が潤滑剤を保持し、回転等のすべり摩擦による摩耗を低減するために、表面の化学処理が通常なされる。表面の化学的状態は、さまざまなタイプの洗浄処理によって得られ、選択的に、部品に、フッ素化活性剤を含有するナノメートルの厚さの膜の塗布が続く。時計製造部門では、「エピラメ」(処理)という名前でさまざまなフッ素化活性剤が知られている。接触区域の外側でこのタイプの製品を部品に塗布すると、処理された部品の表面エネルギーが減少するため、接触区域に潤滑剤を保持できる。
しかしながら、表面処理や制御された化学的性質の膜の追加後に潤滑剤を持続的に保持するメカニカル部品の能力は、潤滑油が足りていないメカニカル部品が受ける摩耗を低減するのを課題として、改善できる余地がある。
特許文献1(CH713426)には、第1表面区域を有する第1メカニカル構成要素、第1表面区域が摺動できる第2表面区域を有する第2構成要素が記載されている。油保持膜は、第1及び第2表面領域から選択される少なくとも1つの受容領域上に形成され、この油保持膜は、受容領域よりも親油性である。油保持膜は、シリコン、チタン、ジルコン(Si、Ti、Zr)といった元素の1つと炭化水素ラジカルとを含有する化合物である。
特許文献2(EP3002637)には、時計システムの動作中に、第2構成要素の少なくとも第2機能区域と摩擦接触する少なくとも第1機能区域を備えた第1構成要素を備える時計システムが記載されている。ここで、第1機能領域及び第2機能領域のうちの少なくとも1つは、1マイクロメートル未満の制御された構造を備える。
スイス国特許発明第713426号明細書 欧州特許出願公開第3002647号明細書
本開示は、時計機構を対象としたマイクロメカニカル部品に関するものであり、前記部品の少なくとも一部が、炭素又はアルミナを主成分とする結晶性鉱物材料でできていて、摺動と旋回との少なくとも一方での接触が意図された少なくとも1つの接触表面を備え、
接触表面は、テクスチャを持つ少なくとも1つのマイクロ構造区域を局所的に備え、
三次元テクスチャは、
マイクロ構造区域を非マイクロ構造接触表面よりも疎油性にするマイクロ間隙と、
マイクロ構造区域を非マイクロ構造の接触表面よりも親油性にするマイクロ柱と
の少なくとも一方で形成されていて、
マイクロ構造区域は、接触表面の潤滑部分に潤滑物質を局所的に閉じ込めるように構成されている。
マイクロ構造区域は、以下の代替的事項の1つで構成されている。
テクスチャは、マイクロ間隙及び潤滑部分の周囲に延在しているマイクロ構造区域から形成されているか、あるいは
イクロ構造区域が、
マイクロ間隙で形成されていて潤滑部分の周辺まで延在している第1マイクロ構造区域と、
マイクロ柱から形成されていて潤滑部分内に延在している第2マイクロ構造区域とを備える。
ここで説明する部品は、接触表面の一部への潤滑物質の閉じ込めを改善する。マイクロ構造区域の構成に応じて、親油性区域と疎油性区域のさまざまな配置を接触表面の近く又は上に提供してよい。したがって、マイクロ構造区域は、さまざまな潤滑用途に応じて、接触表面の一部における潤滑物質の空間的局在化の制御を可能にする。ここで説明する部品は、接触表面部分への潤滑剤の供給の改善もできる。
本発明の複数実施例は、以下の添付の図の説明に示される。
図1は、一実施形態による、マイクロ構造化区域を有する接触表面を備えるマイクロメカニカル構成要素を概略的に示す。 一実施形態による、マイクロ間隙で形成された三次元テクスチャを示すマイクロ構造化区域を示す。 マイクロ間隙を備えるテクスチャのSEM顕微鏡写真を示す。 一実施形態による、マイクロ柱で形成された三次元テクスチャを示すマイクロ構造化区域を示す。 マイクロ柱を備えるテクスチャのSEM顕微鏡写真を示す。 一実施形態による起伏のあるマイクロ構造のSEM顕微鏡写真を示す。 起伏のあるマイクロ構造が重ね合わされたマイクロ柱で形成されたテクスチャのSEM顕微鏡写真を示す。 別の実施形態による、マイクロ構造化区域を有する接触表面を備える構成要素を概略的に表す。 図9は、一実施形態による、第1マイクロ構造化区域及び第2マイクロ構造化区域を有する接触表面を持つ部品を概略的に表す。 図10は、一実施形態による、接触区域の近くにある第1マイクロ構造区域及び第2マイクロ構造区域を備えた接触表面を持つ部品を概略的に表す。
図1は、一実施形態による、時計機構を対象としたマイクロメカニカル部品10を概略的に表す。部品10は、少なくとも1つの接触表面100を備え、接触表面100の少なくとも一部は、例えば、時計機構の別の構成要素と、滑り接触と旋回接触との少なくとも一方をするように意図されている。
部品10は、全体的又は部分的に、炭素又はアルミナ(Al)を主成分とする結晶性鉱物材料から製造されている。好ましくは、結晶性鉱物材料は、天然又は合成の、ルビー、サファイア又はダイヤモンドである。ポリマー、金属又は金属合金、セラミック、シリカ、ガラス、シリコンなどの他の材料も想定できる。
全体的又は部分的に結晶性鉱物材料からなる部品10は、少なくとも1つのマイクロ構造区域110を局所的に備える接触表面100を持つ。マイクロ構造区域110は、マイクロ構造化されていない接触表面100よりも疎油性とすることがある。代替的に、マイクロ構造区域110は、非マイクロ構造接触表面100よりも親油性にできる。
図2に描かれた一実施形態のように、マイクロ構造化区域110は、マイクロ間隙20で形成された三次元テクスチャを持つ。マイクロ間隙20の横方向寸法Lは、5μmから150μmの間であり、好ましくは10μmから60μmの間である。マイクロ間隙20の横方向寸法Lに対する高さHの比は、0.01から1の間である。マイクロ間隙20は、連通していない、すなわち、間隙20は、互いに流体連通していない。
図3は、伝統的な時計製造用ルビー(ベルヌーイ法のルビーAlCr、劈開、カット、及び研磨)の単結晶ペレットに形成されたマイクロ間隙20を備える3次元テクスチャの顕微鏡写真(2倍率)を示す。マイクロ間隙の横方向の寸法Lは約25μmである。
図4に示される別の実施形態のように、マイクロ構造化区域110は、マイクロ柱30で形成された三次元テクスチャを持つ。その基部のレベル(高さ)での30は、5μmから150μmの間であり、好ましくは10μmから60μmの間である。マイクロ柱30の横方向寸法Lに対する高さHの比は、0.01と1の間である。
接触する時計部品の寸法を考えると、10μmから60μmの間のマイクロ間隙20及びマイクロ柱30の横方向寸法Lは、時計用途にとってより好ましい。
図5は、図3と同じ単結晶ルビーペレットに形成されたマイクロ柱20を備える三次元テクスチャのSEM顕微鏡写真を示す。マイクロ柱30は、約25μmの横方向寸法Lを持つ。
さらに別の実施形態によれば、マイクロ構造化区域110は、起伏のあるマイクロ構造40を備える。図6は、図3と同じ単結晶ルビーペレットに形成された起伏のあるマイクロ構造40のSEM顕微鏡写真を示している。起伏のあるマイクロ構造40は、典型的には、7μmから12μmの間の典型的な幅及び1μm未満(典型的には0.2μmから0.9μm)の深さを有する平行な溝を持つ二重組織を示す。溝に沿って、深さはマイクロメートル周期(通常1μm)及び0.2μm未満の振幅の振動によって変調されている。
さらに別の実施形態によれば、マイクロ構造化区域110は、起伏のあるマイクロ構造40が重ね合わされたマイクロ柱30から形成されたテクスチャを備える。図7は、図3と同じ単結晶ルビーペレットで生成されたそのようなテクスチャのSEM顕微鏡写真を示している。
マイクロ間隙20及びマイクロ柱30のテクスチャは、規則的なパターン、例えば、六角形又は正方形、あるいは不規則なパターンで配置することがある。マイクロ構造化区域110内のマイクロ間隙20又はマイクロ柱30の密度は、0.1から0.9の間、好ましくは0.4から0.8の間とすることがある。
これらの実施形態では、起伏のあるマイクロ構造、マイクロ間隙20、マイクロ柱30、及び起伏のあるマイクロ構造が重ね合わされたマイクロ柱30を備えるテクスチャは、フェムトセカンドレーザーを使用して生成された。しかしながら、マイクロ加工、機械加工、ダイアモンドワイヤなどの他のテクスチャ製造方法を着想できる。
液体に対する接触表面100のぬれ性と、ある程度親油性又は疎油性の性質とは、例えば図8に示すように、マイクロ構造区域110がない状態での接触表面100上と、マイクロ構造区域110を持つ接触表面100上とに、マイクロカニューレによって連続的に注入された液体の液滴の前進中の動的に捕捉された複数画像内の接触角(θCA)を測定することによって評価された。特に、接触角θCAの測定は、スウォッチグループリサーチアンドディベロプメント(The Swatch Group Research and Development Ltd)のメービス部門によって製造されたSynth-A-lube9010ウォッチオイルを使用して実行された。結晶性鉱物はルビーである。
接触角の測定は、この実施形態では、自然状態(準備なし)の接触表面100で、そして洗浄溶媒とそれに続く酸素プラズマでの処理の組み合わせの化学処理の後の接触表面100で、実施された。この準備により、表面の炭素汚染を10%未満のしきい値まで削減できる。(炭素汚染が10%を超える)自然状態でテストされた全サンプルで、接触角は30°未満である。
接触角の測定は、上記の準備を経た接触表面100で行われ、続いてエピラメ塗布処理が行われた。エピラメ塗布処理の間、接触表面100は、フルオロポリマーの非常に薄い膜で覆われる。特に、エピラメ塗布処理は、メービス(Moebius)社の標準的な時計用製品であるFixodrop(R)(登録商標)を使用して行われる。
表1は、次の接触角θCAを一覧にしたものである。
非マイクロ構造化された接触表面100上で計測された接触角θCA
マイクロ間隙20で形成されたテクスチャを持つマイクロ構造化区域100を持つ接触表面100上で計測された接触角θCA
マイクロ柱30で形成されたテクスチャを持つマイクロ構造化区域100を持つ接触表面100上で計測された接触角θCA
起伏のあるマイクロ構造のみで形成されたテクスチャを有するマイクロ構造区域110を備える接触表面100で測定された接触角θCA
接触角θCAはまた、起伏のあるマイクロ構造が重ね合わされたマイクロ柱30から形成されたテクスチャを有する接触表面100上で測定された。測定は、次の寸法を有するテクスチャで実施された。
横方向の寸法Lが25.6±0.6μmで深さが13.8±0.2μmのマイクロ間隙20、
横方向の寸法Lが15±1μmで高さ8μmから9μmのマイクロ柱30、
谷底から頂までの高さが6±0.5μmで、頂点間の間隔が0.2μmから0.9μmの起伏のあるマイクロ構造。
マイクロ間隙20は六角形のパターンで配置され、マイクロ柱は正方形のパターンで配置されている。起伏のあるのマイクロ構造は、10μmの周期的な幅で配置されている。
Figure 0007316391000001
表1は、マイクロ間隙20で形成されたテクスチャが、約62°の前進中に接触角θCAを得ることが可能であることを示し、これは、非マイクロ構造接触表面100で測定されたもの(θCAは約29°)よりも著しく高い。マイクロ間隙20で形成されたテクスチャについて前進中に測定された接触角θCAは、エピラメ膜(エピラメ塗布)を備える非マイクロ構造の接触表面100について測定されたもの(θCAは約57°)と同様である。エピラメ膜を備えるマイクロ間隙20で形成されたテクスチャは、約125°の接触角θCA、すなわちエピラメ膜がない場合に測定されたものの2倍の接触角を得られる。エピラメ膜を構成するマイクロ間隙20から形成されるテクスチャの疎油性は、特に注目に値する。エピラメ膜の存在下では、油滴はピン止め効果を示し、油滴がテクスチャ表面から出るとすぐに、それは転がり、マイクロ構造区域110の隣の非マイクロ構造表面に付着する傾向がある。
マイクロ柱30で形成されたテクスチャは、約21°の接触角θCAをもたらし、したがって、マイクロ間隙20で形成されたテクスチャで得られるものよりも著しく低い。重ねられた起伏のあるのマイクロ構造を備えるマイクロ柱30で形成されたテクスチャは、接触角θCAは約19°であり、マイクロ間隙20で形成されたテクスチャで得られたものよりも著しく低い。起伏のあるマイクロ構造が重ね合わされているかどうかにかかわらず、マイクロ柱30で形成されたテクスチャは、非マイクロ構造接触表面100よりも親油性である。
起伏のあるマイクロ構造のみを備えるマイクロ構造区域110の場合、約30°の接触角θCAが計測される。起伏のあるマイクロ構造は、接触角にほとんど影響を及ぼさず、したがって、接触表面100の親油性/疎油性の性質にほとんど影響を及ぼさない。
したがって、マイクロ構造区域110は、時計用オイルのぬれ性に影響を与えることを可能にする。特に、マイクロ柱30で形成されたテクスチャは、表面を非マイクロ構造の接触表面100よりも親油性にし、マイクロ間隙20で形成されたテクスチャは、表面を非マイクロ構造の接触表面100よりも疎油性にする。
一実施形態によれば、マイクロ構造化区域110は、表面エネルギーを変えられる物質の膜を備える。(そのような)膜は、フッ素化活性剤を備えるナノメートルの厚さの膜を備えてよい。(そのような)膜はエピラメ膜を備えてよい。マイクロ間隙20で形成されたテクスチャを備えるマイクロ構造区域110上にそのような膜を追加することにより、累積効果によってマイクロ構造区域110の疎油性をさらに高めることが可能になる。
一実施形態によれば、マイクロ構造化区域110を備える接触表面100は、可能性としては溶媒洗浄後に、酸素プラズマ処理を施してもよい。そのような酸素プラズマ処理は、マイクロ間隙20で形成されたテクスチャを備えるマイクロ構造区域110の疎油性を高め、マイクロ柱30で形成されたテクスチャを備えるマイクロ構造区域110の疎油性を高める。
上記の観察は、5μmから150μmの間の横方向寸法Lを有するマイクロ間隙20又はマイクロ柱30、並びにマイクロ間隙の横方向寸法Lに対する高さHの比が0.01から1の間であるマイクロ間隙20又はマイクロ柱30に適用される。
上記の観察は、マイクロ間隙20又はマイクロ柱30を備えるマイクロ構造化区域110内のマイクロ間隙20又はマイクロ柱30の、0.1と0.9の間の密度にも当てはまる。
再び図1を参照して、接触表面100は、潤滑部分120、すなわち、潤滑物質(例えば、時計油など)を受け入れることを意図した接触表面100の部分を備える。潤滑部分120は、滑り接触と旋回接触との少なくとも一方を意図した接触表面100の先述の少なくとも部分に相当する場合がある。マイクロ構造区域110は、潤滑部分120の周辺まで延在している。マイクロ構造区域110が潤滑部分120よりも疎油性である場合、マイクロ構造区域110は、潤滑物質を潤滑部分120に閉じ込める。この目的のために、マイクロ構造区域110は、マイクロ間隙20で形成されたテクスチャを備えることがある。接触表面100の潤滑部分120は、非マイクロ構造であり、したがって、マイクロ構造区域110よりも親油性である。
図8に示される代替の実施形態によれば、マイクロ構造化区域110は、潤滑部分120内に延在し、接触表面100の残りの部分は、非マイクロ構造化されている。この場合、マイクロ構造区域110は、マイクロ柱30、又は場合によっては重ねられた起伏のあるマイクロ構造を備えるマイクロ柱30から形成されたテクスチャを備えることによって、接触表面100の残りの部分よりも親油性にされる。
図9に示されるさらに別の実施形態は、接触表面100は、潤滑部分120の周辺に延在する第1マイクロ構造区域111と、潤滑部分120に延在する第2マイクロ構造区域112とを備える。そのような構成において、潤滑部分120に潤滑物質を閉じ込めるため、第1マイクロ構造区域111は好ましくは、第2マイクロ構造区域112よりも疎油性である。
例えば、第1マイクロ構造領域111は、マイクロ間隙20で形成されたテクスチャを備えることがあり、第2マイクロ構造領域112は、マイクロ柱30で形成されたテクスチャを備えることがある。この構成の有利性は、潤滑部分120内に潤滑物質を既に保持していると、この保持が、潤滑部分120の周辺にある第1マイクロ構造化領域111の疎油性によって強化されているという点にある。
第1マイクロ構造区域111を備えることがあるマイクロ構造区域110は、接触表面100の残り全体、すなわち、潤滑部分120の外側の接触表面100全体にわたって延在していることがある。
第1マイクロ構造区域111及び第2マイクロ構造領域112を備えるマイクロ構造領域110の他の配置も可能であり、その結果、マイクロ構造領域110は、接触表面100の一部又は接触表面100全体にわたって延在する。
マイクロ間隙20で形成されたテクスチャの間隙20は、潤滑物質の貯留部としても機能する場合がある。それで、潤滑物質は、マイクロ間隙20内に閉じ込め可能となる。この場合、マイクロ間隙20は、接触表面100へ潤滑剤を供給する。
接触表面100上のマイクロ構造区域110の他の空間的組み合わせもまた、接触表面100上のある程度の疎油性及び/又は親油性区域の配置を得るために可能である。マイクロ構造区域110の異なる空間の組み合わせは、マイクロ構造区域110の疎油性及び/又は親油性特性を変更するために、表面エネルギー及び/又は酸素プラズマ処理を変更可能にする物質の膜に組み合わせてよい。それにより、その区域に潤滑剤が長期的にとどまるのを確かにするため、潤滑部分120の近くの潤滑物質及び/又は潤滑部分内の潤滑物質の閉じ込めの最適化が可能である。
図10は、別の実施形態による構成要素を概略的に表していて、接触表面100は、2つのマイクロ構造区域110の間の潤滑部分120の境界を決める帯部内の2つのマイクロ構造区域110を備える。そのような配置は、(マイクロ構造区域110の帯部の方向に)線形の接触の場合に有利となり得る。
マイクロ構造化区域110は、時計部品10、特に、例えば互いに対向して、互いに固定され、又は移動して摺動及び旋回する時計部品に含まれる場合がある。
例えば、マイクロ構造化区域110は、受け石、脱進機パレット、プレートピン、歯、あるいは他の機能的又は装飾的部品に含まれる場合がある。
10 部品
100 接触領域
110 マイクロ構造区域
111 第1マイクロ構造区域
112 第2マイクロ構造区域
120 潤滑部分
20 マイクロ間隙
30 マイクロ柱
40 起伏のあるのマイクロ構造
θCA 前進時の接触角
L 側面寸法
H 高さ

Claims (13)

  1. 時計機構用のマイクロメカニカル部品であって、前記部品の少なくとも一部が、炭素又はアルミナを主成分とする結晶性鉱物材料でできていて、摺動と旋回との少なくとも一方での接触が意図された少なくとも1つの接触表面を備える、マイクロメカニカル部品であって、
    接触表面は、テクスチャを持つ少なくとも1つのマイクロ構造区域を局所的に備え、
    テクスチャは、
    マイクロ構造区域を非マイクロ構造の接触表面よりも疎油性にするマイクロ間隙と、 マイクロ構造区域を非マイクロ構造の接触表面よりも親油性にするマイクロ柱と
    の少なくとも一方で形成されている、マイクロメカニカル部品において、
    マイクロ構造区域は、接触表面の潤滑部分に潤滑物質を局所的に閉じ込めるように構成されていて、
    テクスチャは、マイクロ間隙及び潤滑部分の周囲に延在しているマイクロ構造区域から形成されていて、
    マイクロ構造区域は、
    マイクロ間隙で形成されていて潤滑部分の周辺まで延在している第1マイクロ構造区域と、
    マイクロ柱から形成されていて潤滑部分内に延在している第2マイクロ構造区域とを備える、マイクロメカニカル部品。
  2. 前記材料にはルビー、サファイア、又はダイヤモンドが含まれている、請求項1に記載の部品。
  3. 起伏のあるマイクロ構造が、マイクロ柱で形成されたテクスチャに重ね合わされている、請求項1又は2に記載の部品。
  4. マイクロ構造領域は、表面エネルギーを変える物質の膜を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の部品。
  5. マイクロ構造領域は、エピラメ膜を備える、請求項4に記載の部品。
  6. マイクロ間隙とマイクロ柱の横方向の寸法は、5μmから150μmの間である、請求項1から5のいずれか一項に記載の部品。
  7. マイクロ間隙とマイクロ柱の横方向の寸法は、10μmから60μmの間である、請求項1から5のいずれか一項に記載の部品。
  8. マイクロ間隙及びマイクロ柱の横方向寸法に対する高さの比は、0.01から1の間である、請求項1から7のいずれか一項に記載の部品。
  9. 起伏のあるマイクロ構造は、幅が7μmから12μmで、深さが1μm未満の平行な溝で構成されている、請求項3から8のいずれか一項に記載の部品。
  10. 深さは0.2μmから0.9μmの間である、請求項9に記載の部品。
  11. マイクロ構造区域内のマイクロ間隙又はマイクロ柱の密度は、0.1から0.9の間である、請求項1から10のいずれか一項に記載の部品。
  12. マイクロ構造区域のマイクロ間隙又はマイクロ柱の密度は0.4から0.8の間である、請求項1から10のいずれか一項に記載の部品。
  13. 受け石、脱進機パレット、プレートピン、又は歯のうちの少なくとも1つを備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の部品。
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