JP6653104B2 - 軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受に関し、具体的には摺動部において摺動面に保持された気泡を利用した軸受に関するものである。
CDやDVD等,軽荷重を支持する各種情報機器には、摺動部を有する構造体として軸受が用いられている。こうした構造体の摺動部には、多くの場合、双方の潤滑面(以下「摺動面」ということがある)が近接している潤滑部が設けられ、その潤滑性・滑性を維持するために、潤滑油やグリース等からなる潤滑膜が形成されている。
しかしながら、こうした構成においては、以下のような問題があった。
(i)情報機器において、さらに大きい荷重が掛かった状態での軸受の円滑な摺動が要求される場合があった。
(ii)潤滑膜の膜厚は、摺動部における摺動面の移動速度や加速度もしくは潤滑面の状況により変化する。特に、起動時(摺動始動時)のような極低速状態では、油膜が薄くなるため、荷重の増大に伴い、潤滑面同士の直接接触の可能性が高まる。
(iii)このような過酷な条件での潤滑状態の改善や摺動面損傷の回避方法としては、現状摺動部の材質の変更もしくは各種添加剤による低摩擦反応膜や硬質炭素膜(DLC)等のコーティング膜の形成が主流であり、潤滑膜に対する根本的な改善を検討した研究は殆どなかった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複雑な構造や特殊な材料や処理を行わずに、潤滑部における潤滑膜の破断を防止し、大きな荷重が掛かった状態でも、潤滑膜および摺動面における摩擦を軽減し、円滑な摺動が可能な軸受を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す軸受によって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、潤滑剤の流路を形成する潤滑膜を介して近接する領域を有する2つの摺動面を備えた摺動部を有する軸受であって、
該摺動面の一方の第1摺動面に、内表面が撥水性または撥油性を有し気泡を保持する機能を有する凹部とこれを取り巻く気泡を保持する機能を有しない親水性または親油性を有する領域が交互に複数配設された第1領域と、前記親水性または親油性を有する領域が配設された第2領域が配設されて、他方の第2摺動面と近接し、
前記気泡が造影剤を用いて前記撥水性または撥油性を有する凹部に形成され、前記凹部の深さおよび表面粗さが調整され当該撥水性または撥油性および気泡を保持する機能が調整されて凹部に保持される気泡の量または大きさおよび保持強度が調整されることによって、前記摺動部の摺動においても当該気泡が潤滑膜中に突出した状態を維持しながら前記潤滑膜および前記第2摺動面と接した状態が維持されるとともに、
前記摺動部の摺動に伴い、前記潤滑膜中に突出した前記気泡による前記流路の体積の減少に伴うせん断流れの流量(以下「せん断流量」ということがある)の減少によって発生する第2領域とのせん断流れの流量の差によって誘起される第1摺動面と第2摺動面の間の潤滑膜の圧力によって軸受に掛かる荷重が支持されるとともに、前記潤滑膜中に突出した気泡によって前記第2摺動面および潤滑膜との摩擦の低下が誘起されることを特徴とする。
軸受の摺動機能の向上を検証する過程において得られた後述する知見を基に、本発明は、比較的大きな気泡を保持する機能を有する複数の撥水部または撥油部が配設された第1領域を有し、潤滑膜中に突出した気泡による潤滑剤の流路の体積の減少に伴うせん断流量の減少によって発生する第2領域とのせん断流量差によって誘起される第1摺動面および第2摺動面の間隙の圧力によって軸受に掛かる荷重が支持されるとともに、潤滑膜中に突出した気泡によって第2摺動面および潤滑膜との摩擦の低下が誘起される構成を有することによって、複雑な構造や特殊な材料や処理を行わずに、潤滑部における潤滑膜の破断を防止し、多くの荷重が掛かった状態でも、潤滑膜および摺動面における摩擦を軽減し、円滑な摺動が可能な軸受を提供することができた。気泡は、造影剤等を用いることによって、撥水部等4に形成することができる。
また、本発明は、潤滑剤の流路を形成する潤滑膜を介して近接する領域を有する2つの摺動面を備えた摺動部を有する軸受であって、
該摺動面の一方の第1摺動面に、内表面が撥水性または撥油性を有し気泡を保持する機能を有する凹部とこれを取り巻く気泡を保持する機能を有しない親水性または親油性を有する領域が交互に複数配設された第1領域と、前記親水性または親油性を有する領域が配設された第2領域が配設されて、他方の第2摺動面と近接し、
前記気泡が造影剤を用いて前記撥水性または撥油性を有する凹部に形成され、前記凹部の深さおよび表面粗さが調整され当該撥水性または撥油性および気泡を保持する機能が調整されて凹部に保持される気泡の量または大きさおよび保持強度が調整されることによって、前記摺動部の摺動においても当該気泡が潤滑膜に突出せずに第1摺動面内に保持された状態を維持しながら前記潤滑膜と接した状態が維持されるとともに、
前記摺動部の摺動に伴い、前記気泡と接する潤滑膜におけるスリップ流れによるせん断流れの流量の増加によって発生する第2領域とのせん断流れの流量の差によって誘起される第1摺動面と第2摺動面の間の潤滑膜の圧力によって軸受に掛かる荷重が支持されるとともに、前記潤滑膜と接する気泡によって潤滑膜との摩擦の低下が誘起されることを特徴とする。
上記同様、軸受の摺動機能の向上を検証する過程において得られた知見を基に、本発明は、比較的小さな気泡を保持する機能を有する複数の撥水部または撥油部が配設された第1領域を有し、気泡と接する潤滑膜におけるスリップ流れによるせん断流量の増加によって発生する第2領域とのせん断流量差によって誘起される第1摺動面および第2摺動面の間隙の圧力によって軸受に掛かる荷重が支持されるとともに、潤滑膜と接する気泡によって潤滑膜との摩擦の低下が誘起される構成を有することによって、複雑な構造や特殊な材料や処理を行わずに、多くの荷重が掛かった状態でも、潤滑膜における摩擦を軽減し、円滑な摺動が可能な軸受を提供することができた。気泡は、造影剤等を用いることによって、撥水部等4に形成することができる。
また、本発明は、上記いずれかの軸受であって、前記撥水部または撥油部が、前記潤滑膜よりも1〜数10μm低い凹部に形成され、その内表面が、撥水性または撥油性を有するとともに、その表面粗さを調整することによって、当該撥水性または撥油性および気泡を保持する機能を調整し、撥水部または撥油部に保持される気泡の量または大きさを調整することを特徴とする。
上記のような検証過程において、本発明者は、さらに、撥水部または撥油部に保持される気泡の大きさを調整し、潤滑膜内のせん断流量の差を誘起する機能および気泡と接触による摩擦の低下機能を調整することができる構成は、撥水部または撥油部が、潤滑膜よりも所定範囲低い凹部を作製し、その内表面が、撥水性または撥油性を有するとともに、その表面粗さを調整することによって実現することができるとの知見を得た。具体的には、1〜数10μmの凹み部の形成、凹み部への撥油性もしくは撥水性の付与、および/または凹み部への表面粗さの付与によって、摺動状態においても強固に保持された気泡を維持し、上記のような機能を実現することができる。
本発明に係る軸受摺動部を1の構成を例示する説明図 本発明に係る軸受摺動部を他の構成を例示する説明図
<本発明に係る軸受の基本構成>
本発明に係る軸受(以下「本軸受」という)は、潤滑剤の流路を形成する潤滑膜を介して近接する領域を有する2つの摺動面を備えた摺動部を有する軸受であって、
該摺動面の一方の第1摺動面に、内表面が撥水性または撥油性を有し気泡を保持する機能を有する凹部(以下「撥水部等」とすることがある)とこれを取り巻く気泡を保持する機能を有しない親水性または親油性を有する領域(以下「親水部等」とすることがある)が交互に配設された第1領域と、親水性または親油性を有する領域(親水部等が配設された第2領域が配設されて、他方の第2摺動面と近接し、
気泡が造影剤を用いて撥水性または撥油性を有する凹部(撥水部等)に形成され、凹部の深さおよび表面粗さが調整され当該撥水性または撥油性および気泡を保持する機能が調整されて凹部に保持される気泡の量または大きさおよび保持強度が調整されることによって、摺動部の摺動においても当該気泡が潤滑膜中に突出した状態を維持しながら潤滑膜および第2摺動面と接した状態が維持されるとともに、
摺動部の摺動に伴い、潤滑膜中に突出した気泡による流路の体積の減少に伴うせん断流量の減少によって発生する第2領域とのせん断流量差によって誘起される第1摺動面と第2摺動面の間の潤滑膜の圧力によって軸受に掛かる荷重が支持されるとともに、潤滑膜中に突出した気泡によって第2摺動面および潤滑膜との摩擦の低下が誘起されることを特徴とする。以下、本発明の基本構成およびその機能につき図面を用いて説明する。
図1(A)〜(D)に、本発明に係る軸受摺動部を1の構成(第1構成例)を例示する。本軸受は、潤滑剤の流路を形成する潤滑膜3を介して近接する、2つの摺動面(第1摺動面1と第2摺動面2)を備える。第1摺動面1には、複数の撥水部等(41,42,43・・・,以下「撥水部等4」と略す)とこれを取り巻く親水部等5が交互に配設された第1領域6と、親水部等が配設された第2領域7が配設される。第2摺動面2は親水部等5から構成される。撥水部等4は、気泡を強く保持するように加工・処理され、親水部等5は、気泡を保持する機能を有しない。図1(A)は、本軸受摺動部の断面を例示する。図1(B)は、図1(A)のa−a’断面における第1摺動面1を例示する。図1(C)は、本軸受摺動部の摺動時における潤滑膜3に発生する圧力(詳細は後述する)を例示する。図1(D)は、撥水部等4に保持された気泡8を例示する。
具体的には、第1構成例において、本軸受摺動部の摺動に伴い、撥水部等4に保持された気泡8によって、以下のような機能を得ることができる。
(i)摺動部の稼働時における気泡8の状態
摺動部の摺動(図1においては、第2摺動面2が移動する場合を例示するが、第1摺動面1と第2摺動面2の相対的移動が形成されれば、第2摺動面2の移動あるいは両者の移動を問わない)に伴い、図1(A)に示すように、潤滑剤が潤滑膜3内を移動する。このとき、撥水部等4に保持された気泡8は、図1(D)に示すように、潤滑膜3内に突出した状態を維持しながら、潤滑膜3および第2摺動面2と接した状態を維持する。
(ii)第1領域6における気泡8の働き
このとき、気泡8が保持された撥水部等4周辺では、潤滑膜3内に突出した気泡8の存在によって潤滑剤の流通路が狭くなる。従って、図1(B)に示すように、複数の撥水部等4が配設された第1領域6では、潤滑膜3におけるせん断流量が減少する。一方、親水部等5が配設された第2領域7では、せん断流量の減少のない状態で潤滑剤が移動する。こうしたせん断流量の差が発生した第1摺動面1と第2摺動面2の間の潤滑膜3では、せん断流量の差を埋めるように、図1(C)に示すような、第2領域7から第1領域6に流入する近傍において圧力が誘起される。つまり、本軸受の摺動部においては、せん断流量の差によって誘起された圧力によって荷重を支持する機能を有することができる。従って、大きな荷重が掛かった状態でも、これを支持し円滑な摺動ができる。また、気泡8の表面での他の物質との摩擦係数は非常に小さく、図1(D)に示すように、潤滑膜3中に突出した気泡8によって、本軸受の摺動状態における潤滑膜3との接面および第2摺動面2との接面での摩擦低下が誘起され、円滑な摺動ができる。
ここで、気泡8が保持された撥水部等4は、図1(A)に示すように、第1摺動面1において、潤滑膜3よりも1〜数10μm低い凹部に形成され、その内表面が、撥水性または撥油性を有するように処理される(処理方法等については後述する)構成が好ましい。凹部を形成することによって、保持された気泡8が摺動状態においても撥水部等4に強固に保持することができる。第1構成例においては、気泡8が潤滑膜3内に突出するように、凹部の深さが調整される。また、凹部内表面の表面粗さを調整することによって、当該撥水性または撥油性および気泡を保持する機能を調整することができるとの知見を得た。つまり、潤滑膜3の膜厚や組成、あるいは摺動条件(摺動速度や摺動時間等)に対応して、凹部の深さや内表面の表面粗さを調整することによって、撥水部等4に保持される気泡8の量または大きさおよび保持強度を調整することができる。また、気泡8は、造影剤等を用いることによって、撥水部等4に形成することができる。
また、第1領域6は、図1(B)に示すように、撥水部等4およびこれを取り巻く親水部等5が複数配設されて構成される。上記のように、1つの撥水部等4について潤滑膜3中に突出した気泡8による流路の体積の減少に伴うせん断流量の減少によって、発生する第2領域とのせん断流量差によって誘起される第1摺動面1と第2摺動面2の間の潤滑膜3の圧力によって軸受に掛かる荷重が支持される。このとき、複数の撥水部等(41,42,43・・・)は、図1(B)に例示する縦横の二次元配列に限定されず、縦列または横列をシフトした配列やランダムな配列等が任意に設定することができる。また、第1領域6と第2領域7の領域幅は、摺動時において近接する第1摺動面1と第2摺動面2の間において常に存在するように設定される。
ここで、撥水部等4および親水部等5における表面処理について述べる。
(1)各部の表面が、親油性もしくは親水性または撥油性もしくは撥水性を有する物質を有する場合もしくはこうした性質を有する処理膜が形成された場合をいう。例えば、親油性もしくは親水性を有する物質として黄銅や鋼等、撥油性もしくは撥水性を有する物質としてフッ素樹脂、グラファイト、ダイヤモンド、輝水鉛鉱物等が挙げられる。また、これらが塗布(コーティング)された塗布膜が形成された場合が挙げられる。
(2)各領域表面が、化学的な親油処理もしくは親水処理または撥油処理もしくは撥水処理された場合をいう。例えば、金属表面の酸処理や炭化処理もしくは窒化処理等の化学処理等が挙げられる。
(3)表面多孔性を有する場合や凹み部への撥油性もしくは撥水性を付与する場合が挙げられる。例えば、異なる特性の焼結金属やセラミックス等を組合せて表面を作製する場合が挙げられる。
(4)または、上記(1)〜(3)のうちのいくつかの組合せにより、異なる親油性もしくは親水性または撥油性もしくは撥水性を有するように形成された場合をいう。
<本発明に係る軸受の他の構成>
本軸受の他の構成(第2構成例)は、第1構成例と同様、該摺動面の一方の第1摺動面に、複数の撥水部等とこれを取り巻く親水部等が交互に配設された第1領域と、親水部等が配設された第2領域が配設されて、他方の第2摺動面と近接する。しかしながら、摺動部の摺動においても当該気泡が潤滑膜に突出せずに第1摺動面内に保持された状態を維持しながら潤滑膜と接した状態が維持されるとともに、摺動部の摺動に伴い、気泡と接する潤滑膜におけるスリップ流れによるせん断流量の増加によって発生する第2領域とのせん断流量差によって誘起される第1摺動面と第2摺動面の間の潤滑膜の圧力によって軸受に掛かる荷重が支持されるとともに、潤滑膜と接する気泡によって該潤滑膜との摩擦の低下が誘起される点において第1構成例と相違する。
図2(A)〜(D)に、第2構成例に係る摺動部を例示する。本軸受は、潤滑剤の流路を形成する潤滑膜3を介して近接する、2つの摺動面(第1摺動面1と第2摺動面2)を備える。第1摺動面1には、複数の撥水部等(41a,42a,43a・・・,以下「撥水部等4a」と略す)とこれを取り巻く親水部等5が交互に配設された第1領域6aと、親水部等が配設された第2領域7が配設される。第2摺動面2は親水部等5から構成される。撥水部等4aは、気泡を強く保持するように加工・処理され、親水部等5は、気泡を保持する機能を有しない。図2(A)は、本軸受摺動部の断面を例示する。図2(B)は、図2(A)はb−b’断面における第1摺動面1を例示する。図2(C)は、本軸受摺動部の摺動時における潤滑膜3に発生する圧力(詳細は後述する)を例示する。
具体的には、第2構成例において、本軸受摺動部の摺動に伴い、撥水部等4aに保持された気泡8によって、以下のような機能を得ることができる。
(i)摺動部の稼働時における気泡8aの状態
摺動部の摺動に伴い、図2(A)に示すように、潤滑剤が潤滑膜3内を移動する。このとき、撥水部等4aに保持された気泡8aは、潤滑膜3に突出せずに保持された状態を維持しながら、潤滑膜3と接した状態を維持する。
(ii)第1領域6における気泡8aの働き
このとき、気泡8aが保持された撥水部等4aでは、気泡8aの存在によって、気泡8aと接する潤滑膜3におけるスリップ流れが発生する。従って、図2(B)に示すように、複数の撥水部等4aが配設された第1領域6aでは、潤滑膜3におけるスリップ流れによるせん断流量の増加が発生する。一方、親水部等5が配設された第2領域7では、せん断流量の増加のない状態で潤滑剤が移動する。こうしたせん断流量の差が発生した第1摺動面1と第2摺動面2の間の潤滑膜3では、せん断流量の差を埋めるように、図2(C)に示すような、第1領域6から第2領域7に流入する近傍において圧力が誘起される。つまり、本軸受の摺動部においては、せん断流量の差によって誘起された圧力によって荷重を支持する機能を有することができる。従って、大きな荷重が掛かった状態でも、これを支持し円滑な摺動ができる。また、気泡8aの表面での他の物質との摩擦係数は非常に小さく、本軸受の摺動状態における潤滑膜3との接面での摩擦低下が誘起され、円滑な摺動ができる。
ここで、気泡8aが保持された撥水部等4aは、図2(A)に示すように、第1構成例同様、第1摺動面1において、潤滑膜3よりも1〜数10μm低い凹部に形成され、その内表面が、撥水性または撥油性を有するように処理される構成が好ましい。凹部を形成することによって、保持された気泡8aが摺動状態においても撥水部等4aに強固に保持する。第2構成例においては、気泡8aが潤滑膜3内に突出しないように、凹部の深さが調整される。また、凹部内表面の表面粗さを調整することによって、当該撥水性または撥油性および気泡を保持する機能を調整することができる。つまり、潤滑膜3の膜厚や組成、あるいは摺動条件(摺動速度や摺動時間等)に対応して、凹部の深さや内表面の表面粗さを調整することによって、撥水部等4aに保持される気泡8aの量または大きさおよび保持強度を調整することができる。また、気泡8aは、造影剤等を用いることによって、撥水部等4aに形成することができる。
また、第1領域6aは、図2(B)に示すように、撥水部等4aおよびこれを取り巻く親水部等5が複数配設されて構成される。上記のように、1つの撥水部等4aにおいて潤滑膜3に接するように保持された気泡8aの存在によって、当該気泡8aと接する潤滑膜3にスリップ流れが発生し、複数の撥水部等4aが配設された第1領域6全体において潤滑膜3におけるスリップ流れによるせん断流量の増加が発生する。その結果、こうしたせん断流量の増加の発生がない第2領域7とのせん断流量差によって誘起される第1摺動面1と第2摺動面2の間の、第1領域6から第2領域7に流入する近傍における、潤滑膜3の圧力によって軸受に掛かる荷重が支持される。このとき、複数の撥水部等(41,42,43・・・)の配置、あるいは撥水部等4aおよび親水部等5における表面処理については、第1構成例と同様である。
1 第1摺動面
2 第2摺動面
3 潤滑膜
4 撥水部等
5 親水部等
6 第1領域
7 第2領域
8 気泡

Claims (2)

  1. 潤滑剤の流路を形成する潤滑膜を介して近接する領域を有する2つの摺動面を備えた摺動部を有する軸受であって、
    該摺動面の一方の第1摺動面に、内表面が撥水性または撥油性を有し気泡を保持する機能を有する凹部とこれを取り巻く気泡を保持する機能を有しない親水性または親油性を有する領域が交互に複数配設された第1領域と、前記親水性または親油性を有する領域が配設された第2領域が配設されて、他方の第2摺動面と近接し、
    前記気泡が造影剤を用いて前記撥水性または撥油性を有する凹部に形成され、前記凹部の深さおよび表面粗さが調整され当該撥水性または撥油性および気泡を保持する機能が調整されて凹部に保持される気泡の量または大きさおよび保持強度が調整されることによって、前記摺動部の摺動においても当該気泡が潤滑膜中に突出した状態を維持しながら前記潤滑膜および前記第2摺動面と接した状態が維持されるとともに、
    前記摺動部の摺動に伴い、前記潤滑膜中に突出した前記気泡による前記流路の体積の減少に伴うせん断流れの流量の減少によって発生する第2領域とのせん断流れの流量の差によって誘起される第1摺動面と第2摺動面の間の潤滑膜の圧力によって軸受に掛かる荷重が支持されるとともに、前記潤滑膜中に突出した気泡によって前記第2摺動面および潤滑膜との摩擦の低下が誘起されることを特徴とする軸受。
  2. 潤滑剤の流路を形成する潤滑膜を介して近接する領域を有する2つの摺動面を備えた摺動部を有する軸受であって、
    該摺動面の一方の第1摺動面に、内表面が撥水性または撥油性を有し気泡を保持する機能を有する凹部とこれを取り巻く気泡を保持する機能を有しない親水性または親油性を有する領域が交互に複数配設された第1領域と、前記親水性または親油性を有する領域が配設された第2領域が配設されて、他方の第2摺動面と近接し、
    前記気泡が造影剤を用いて前記撥水性または撥油性を有する凹部に形成され、前記凹部の深さおよび表面粗さが調整され当該撥水性または撥油性および気泡を保持する機能が調整されて凹部に保持される気泡の量または大きさおよび保持強度が調整されることによって、前記摺動部の摺動においても当該気泡が潤滑膜に突出せずに第1摺動面内に保持された状態を維持しながら前記潤滑膜と接した状態が維持されるとともに、
    前記摺動部の摺動に伴い、前記気泡と接する潤滑膜におけるスリップ流れによるせん断流れの流量の増加によって発生する第2領域とのせん断流れの流量の差によって誘起される第1摺動面と第2摺動面の間の潤滑膜の圧力によって軸受に掛かる荷重が支持されるとともに、前記潤滑膜と接する気泡によって潤滑膜との摩擦の低下が誘起されることを特徴とする軸受。
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