JP7315952B2 - 地熱回収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地熱回収装置に係り、例えば、地熱発電に用いられる地熱回収装置に関する。
地表面に降った雨や雪が地下深部まで浸透し高温の流体となった地熱流体を利用して発電を行う地熱発電は、化石燃料を必要とせず環境に与える影響が少ないことから再生可能エネルギーとして期待が高まっている。また、地熱発電は、日本に存在する多数の火山帯を利用できることや、天候の影響を受けないという点からも注目されている。
この地熱発電としては、地下の地熱流体の貯留層から汲み上げた熱水や蒸気により、タービンを回すことで発電するいわゆるフラッシュ方式やドライスチーム方式のほか、地下の地熱流体の貯留層から汲み上げた熱水や蒸気により沸点の低い有機媒体等を加熱して蒸気を作り出し、この蒸気によりタービンを回すことで発電するいわゆるバイナリー方式などがある。
一方、地熱の回収方法としては、地下の貯留層から汲み上げた熱水や蒸気をそのまま利用するのではなく、地上から流入させた流体を地熱により加熱させ再び地上に流出することで地熱を回収する方法も提案されている。
このような地熱を回収する装置としては、例えば、地中に配置される外管であって、地上側又はその近傍の開口部以外は閉塞されており、底部及び底部から上方向に数十~数百mの領域において流体が外部の地熱と熱交換可能な外管と、外管の内部に配置される内管であって、少なくとも底部又はその近傍部分が開放されており、底部が外管の底部から上方向に数十~数百mの範囲内に位置している内管とを備える装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2016-098806号公報
上記特許文献1に記載の地熱を回収する装置は、流体(以下、加熱用流体ということがある)が外管から流入し内管から流出するものであるが、内管が高い熱伝導性を有するステンレス鋼製であるため、内管内を通して地上に流出させる途中(上部の比較的低い温度域)で熱した流体が冷えてしまうという問題が生じていた。
本発明の課題は、地熱により加熱された流体の温度低下を抑制して、地熱を効率的に回収することができる地熱回収装置を提供することにある。
本発明者らは、加熱用流体の温度低下を抑制して効率的に地熱を回収する手段を検討する中で、内管の一部(下部を除く部分)に断熱部を設けることにより、地熱により加熱された流体の温度低下を抑制して、地熱を効率的に回収することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]地中に埋設され下部において互いに連通する外管と内管とを備え、地上から流入する流体を外管及び内管を通過する間に地熱により加熱し、該加熱した流体を再び地上に流出させて地熱を回収する地熱回収装置であって、
前記内管が、その下部を除く部分に断熱部を有していることを特徴とする地熱回収装置。
[2]内管が、地中温度が100℃以下の範囲に断熱部を有していることを特徴とする上記[1]記載の地熱回収装置。
[3]内管が、その下部側部に、外管と連通する連通開口を有していることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の地熱回収装置。
[4]内管の底部が閉塞されていることを特徴とする上記[3]記載の地熱回収装置。
[5]下部側部の連通開口が、内管の下端から0.5~5mの範囲内に設けられていることを特徴とする上記[3]又は[4]記載の地熱回収装置。
[6]内管の下端が、外管の内部底面から0~10mの範囲に位置することを特徴とする上記[1]~[5]のいずれか記載の地熱回収装置。
[7]内管の下端が、外管の内部底面から0を超えて30cm以下の範囲に位置することを特徴とする上記[6]記載の地熱回収装置。
[8]地上から流入する流体が内管を通って外管から地上に流出する地熱回収装置であって、
外管が、地中温度が100℃以下の範囲に断熱部を有していることを特徴とする上記[1]~[7]のいずれか記載の地熱回収装置。
[9]上記[1]~[8]のいずれか記載の地熱回収装置と、
前記地熱回収装置から流出した流体を利用して発電する発電機と、
を備えたことを特徴とする地熱発電システム。
[10]発電機が、地熱回収装置から流出した流体によりタービンを回転させて発電することを特徴とする上記[9]に記載の地熱発電システム。
[11]発電機が、地熱回収装置から流出した流体によって加熱された作動用流体によりタービンを回転させて発電することを特徴とする上記[9]に記載の地熱発電システム。
本発明の地熱回収装置によれば、地熱により加熱された流体の温度低下を抑制して、地熱を効率的に回収することができる。
本発明の第1の実施形態に係る地熱回収装置を説明するための概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る地熱回収装置を説明するための概略断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る地熱回収装置を説明するための概略断面図である。 本発明の地熱回収装置を備える加熱用流体を発電に直接利用する方式の地熱発電システムの構成の概略を示す説明図である。 本発明の地熱回収装置を備えるバイナリー方式地熱発電システムの構成の概略を示す説明図である。
本発明の地熱回収装置は、地中に埋設され下部において互いに連通する外管と内管とを備え、地上から流入する流体を外管及び内管を通過する間に地熱により加熱し、加熱した流体を再び地上に流出させて地熱を回収する地熱回収装置であり、内管が、その下部を除く部分に断熱部を有していることを特徴とする。
本発明の地熱回収装置においては、地熱により加熱された流体が地上に流出する際の温度低下を抑制することができ、地熱を効率的に回収することができる。また、本発明の地熱回収装置は、地中の熱水や蒸気を直接回収するものではないことから、温泉等の資源が枯渇することがなく、さらに、装置内に硫黄等のスケールが付着することがないため、メンテナンス等の費用も安価であると共に、長時間の使用が可能である。
本発明の地熱回収装置は、地中に埋設した内管又は外管から加熱用流体を流入させ、少なくとも地中温度が100℃以上の地下の地熱流体の貯留層(高温部分)において加熱用流体を加熱して、外管又は内管を通じて再び地上へ流出させて地熱を回収する。すなわち、少なくとも外管が地熱流体の貯留層まで達する構造であるが、この地熱流体の貯留層としては、例えば、地中温度100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。本発明の地熱回収装置に用いる加熱用流体としては、水や、沸点が100℃以下の有機媒体などを好適に例示することができる。
(外管)
本発明の地熱回収装置における外管は、地中に埋設され下部において内管と連通する。外管の断面形状としては、例えば、正方形、長方形、円形等各種形状を挙げることができるが、円形であることが好ましい。この外管は、底部及び側部が閉塞されている。
また、外管は、全部が地中に埋設されるものであってもよいが、一部が地上に設けられているものであってもよい。すなわち、外管が地中から地上に亘って設けられるものであってもよい。
外管の材料としては、熱伝導性を有する材料であれば特に制限されるものではなく、例えば、鉄、ステンレス鋼、炭素鋼を挙げることができ、熱伝導性、耐久性、コスト等の点から、ステンレス鋼が好ましい。また、外管の周囲は、一部又は全部がコンクリート等で覆われていてもよく、これにより耐久性を高めることができる。
また、外管の長さとしては、少なくとも地熱流体の貯留層(高温部分)に到達する長さであればよく、設置場所等により適宜決定することができる。外管の長さとしては、例えば、地中温度100℃以上の範囲に100m以上存在する長さであることが好ましく、地中温度120℃以上の範囲に100m以上存在する長さであることがより好ましく、地中温度150℃以上の範囲に100m以上存在する長さであることがさらに好ましい。
外管の径としては、少なくとも内管を収容できるものであり、設置場所等によって適宜設定することができる。外管の内径としては、例えば、50~500mmであり、80~300mmが好ましく、100~300mmがより好ましく、150~300mmがさらに好ましい。外管の内径がこの範囲にあることにより、地中の高温部において加熱用流体が十分に滞留され、加熱用流体を十分に加熱することができる。
外管の上端は、地上において流体を流入又は流出可能な流入出口を有している。この流入出口は、流体を循環させるための循環ポンプや、熱交換器等の地熱発電システムの一部等に接続される。
(内管)
本発明の地熱回収装置における内管は、地中に埋設される外管の内部に設けられており、その下部において外管と連通する。内管の断面形状としては、例えば、正方形、長方形、円形等各種形状を挙げることができるが、円形であることが好ましい。
内管の径としては、例えば、10~400mmであり、10~200mmが好ましく、12~150mmがより好ましく、15~50mmがさらに好ましい。また、内管の容積と内管を除く外管の容積との比としては、加熱用流体を効率よく加熱できる点から、1:1.5~100が好ましく、1:2~80がより好ましく、1:20~50がさらに好ましい。
また、内管は、全部が地中に埋設されるものであってもよいが、一部が地上に設けられているものであってもよい。すなわち、内管が地中から地上に亘って設けられるものであってもよい。
内管は、上記のように、その下部において外管と互いに連通するものであるが、その連通形態としては、例えば、内管の底面が開放されたものや、内管の下部に外管と連通する連通開口を有している形態が挙げられる。連通開口は、内管の底部及び/又は側部に設けることができる。具体的に、例えば、内管の閉塞された底部に孔及び/又はスリットを有する形態や、内管の下部側部に孔及び/又はスリットを有する形態(底部は閉塞又は開放)や、内管の閉塞された底部及び下部側部に孔及び/又はスリットを有する形態を挙げることができ、内管の底部が閉塞されると共に、内管の下部側部に孔及び/又はスリットを有する形態が好ましい。内管の底部を閉塞し、下部側部に孔及び/又はスリットを形成して流体を流通させることにより、内管内に汚物が流入することを防止できる。内管の下部側部に孔及び/又はスリットを有する形態の場合、孔及び/又はスリットは、例えば、内管の下端から0.5~5mの範囲内に設けられていることが好ましく、0.8~3mの範囲内に設けられていることがより好ましい。これにより、最も高温となる最深部(外管の下端内部)の加熱用流体を回収することができる。また、高熱の下部の耐久性を高めることができ、内管の変形を防止することができる。さらに、外管の底部に溜まった汚物の内管への流入をより防止することができる。
また、内管の下端は、地熱流体の貯留層(高温部分)に位置することが好ましく、設置場所にもよるが、例えば、外管の内部底面から0~150mの範囲に位置することが好ましく、外管の内部底面から0~80mの範囲に位置することがより好ましく、0~10mの範囲に位置することがさらに好ましく、0~5mの範囲に位置することが特に好ましく、0を超えて30cm以下の範囲に位置することが最も好ましい。これにより、最も高温となる最深部(外管の下端内部)の加熱用流体を回収することができる。また、内管の下端を外管の内部底面から少し離して設けることにより、高温で内管が伸びた場合にも、内管が破損することを防止することができ、特に内管の径が小さい場合に有効である。
本発明の内管は、その下部を除く部分に断熱部を有している。断熱部は、内管自体の一部が断熱構造となった構成であってもよく、内管の周囲に断熱部材を設けた構成であってもよい。内管自体の一部が断熱構造となった構成としては、例えば、管の一部が断熱二重構造となったものや、管の一部が断熱性材料から構成されるものを挙げることができる。また、内管の周囲に設けられる断熱部材としては、例えば、グラスウール、耐熱性発泡ポリスチレン、耐熱性発泡ウレタン等を挙げることができる。
上記内管の断熱部は、地中温度が100℃以下の範囲に設けられていることが好ましく、120℃以下の範囲に設けられていることがより好ましい。これにより、加熱用流体が外管から流入して内管から地上に流出する方式の場合、周囲の外管を流れるより低温の流体からの伝熱を遮断し、内管を流れる流体の温度低下を抑制することができる。また、加熱用流体が内管から流入して外管から地上に流出する方式の場合、内管を流れるより低温の流体からの伝熱を遮断し、外管を流れる流体の温度低下を抑制することができる。例えば、加熱用流体を100℃以上に保つことが可能となることから、熱媒体に適した気体の状態で回収することも可能となる。
内管の断熱部以外の材料としては、熱伝導性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、鉄、ステンレス鋼、炭素鋼を挙げることができ、熱伝導性、耐久性、コスト等の点から、ステンレス鋼が好ましい。
内管の下部(断熱部を有していない部分)の長さとしては、地中温度が100℃以上(好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上)の地熱流体の貯留層(高温部分)の範囲内で適宜決定することができる。その長さとしては、例えば、1~200mである。長さの上限は、地熱流体の貯留層に存在する外管の長さに依存する。一方、長さの下限は、下部側部に連通開口を設ける領域を確保する長さがあればよい。内管の下部の長さが長いものほど、加熱用流体の地熱流体の貯留層からの熱を加熱用流体が吸収できることから、高温の加熱用流体を回収できる傾向にあるが、短いほど、ばらつきのない安定した温度の加熱用流体を回収することができる傾向にある。したがって、内管下部の長さとしては、5~70m程度が好ましく、10~60m程度がより好ましい。
内管の上端は、地上において流体を流入又は流出可能な流入出口を有している。この流入出口は、流体を循環させるための循環ポンプや、熱交換器等の地熱発電システムの一部等に接続される。
また、本発明の地熱回収装置においては、加熱用流体が内管から流入して外管から地上に流出する方式の場合、外管が、地中温度が100℃以下の範囲に断熱部を有していることが好ましい。これにより、加熱された流体が外管を通る(地上に流出させる)際、低温の地中からの伝熱による温度低下を抑制することができる。外管の断熱部の構成は、内管の断熱部と同様である。
続いて、上述した本発明の地熱回収装置を用いた地熱発電システムについて説明する。
本発明の地熱発電システムは、上述した地熱回収装置と、地熱回収装置から流出した流体を利用して発電する発電機とを備えている。
本発明の地熱発電システムとしては、加熱用流体を発電に直接利用する方式や、加熱用流体を発電に間接的に利用するいわゆるバイナリー方式等の種々の地熱発電に採用することができる。具体的に例えば、加熱用流体を発電に直接利用する方式を採用する場合、本発明の地熱発電システムは、上述した地熱回収装置と、地熱回収装置から流出した流体によりタービンを回転させて発電する発電機とを備えている発電システムである。また、バイナリー方式を採用する場合、本発明の地熱発電システムは、上述した地熱回収装置と、地熱回収装置から流出した流体によって加熱された作動用流体によりタービンを回転させて発電する発電機とを備えている発電システムである。
以下、図面を用いて本発明の地熱回収装置の実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態に制限されるものではない。
ここで、図1は、本発明の第1の実施形態に係る地熱回収装置を説明するための概略断面図である。図2は、本発明の第2の実施形態に係る地熱回収装置を説明するための概略断面図である。図3は、本発明の第3の実施形態に係る地熱回収装置を説明するための概略断面図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る地熱回収装置10は、地中に埋設され下部において互いに連通する外管12と内管14とを備えている。地熱回収装置10は、加熱用流体が外管12から内管14に流れる方式の装置である。
外管12は、例えば、内径200mm程度、地上部からの長さ(深さ)450m程度の地上から地熱帯(高温部)まで延びるステンレス鋼製の円筒体である。外管12は、底部及び側部が閉塞されており、上端に流入口16を有している。流入口16は、地熱回収装置10内に流体を循環させるための循環ポンプ18等に接続されている。また、地中の外管12の周囲は、コンクリート材20で覆われている。
内管14は、外管12の内部に設けられており、地上から地熱帯(高温部)まで延びる円筒体である。内管14は、内径35mm程度であって、その上部から中央部(例えば400m程度)が断熱二重管22で構成されている(断熱部)。また、これに続く下部の底部までの50m程度が、ステンレス鋼製の鋼管24で構成される。
断熱二重管22は、少なくとも地上から地中温度が100℃以下の範囲(低温部、中温部)に設けられており、この範囲の内管14の内外における伝熱を遮断することができる。鋼管24は、地中温度が100℃以上の範囲(高温部)に設けられ、高い熱伝導性を有することから、この範囲の内管14は、外部からの熱が伝わり易くなっている。
内管14の下端は、底面が閉塞されており、外管12の内部底面26から10~20cm程度上方に設けられている。また、内管14は、その下部側部の1m程度の範囲(下端から0.5~1.5mの範囲)に外管12と連通する複数の孔28を有している。また、内管14は、その上端に流出口30を有している。流出口30は、地熱回収装置10の外部の発電機32等の発電システムに接続されている。
次に、第2の実施形態に係る地熱回収装置34について説明する。なお、上記第1の実施形態に係る地熱回収装置10と同様の構成の部材については、同一符号を付して説明を省略する。本実施形態においては、内管36の下端の底面が開放され、内管36の下端が外管38の内部底面に近接していない点で上記実施例と異なる。
図2に示すように、本発明の第2の実施形態に係る地熱回収装置34は、内管36を備えている。内管36は、その下部(断熱二重管以外の部分)が、例えば長さ11m程度のステンレス鋼製の鋼管40で構成される。また、内管36の下端は、底面が開放されており、外管38の内部底面42から例えば40m程度離れた位置に設けられている。
次に、第3の実施形態に係る地熱回収装置44について説明する。なお、上記第1の実施形態に係る地熱回収装置10と同様の構成の部材については、同一符号を付して説明を省略する。本実施形態においては、外管46が、地中温度が100℃以下の範囲に断熱部48を有しており、加熱用流体が内管14から流入して外管46から地上に流出する方式である点で上記第1の実施例と異なる。
図3に示すように、本発明の第3の実施形態に係る地熱回収装置44は、外管46を備えている。外管46は、その上部から中央部(例えば400m程度)が断熱二重管48で構成されている(断熱部)。また、これに続く下部の底部までの50m程度が、ステンレス鋼製の鋼管50で構成される。これにより、外管を流れる地熱により加熱された流体の低温の地下部からの温度低下を抑制して効率的に回収することができる。
上述した本発明の地熱回収装置を備えた地熱発電システムについて、図面を参照して具体的に説明する。図4は、本発明の地熱回収装置を備える加熱用流体を発電に直接利用する方式の地熱発電システムの構成の概略を示す説明図である。図5は、本発明の地熱回収装置を備えるいわゆるバイナリー方式地熱発電システムの構成の概略を示す説明図である。
図4に示すように、本発明の地熱発電システム100は、地熱回収装置10と、セパレータと、タービンと、発電機と、復水器と、貯水槽と、循環ポンプとを備えている。本発明の地熱発電システム100は、地熱回収装置10により回収される地熱により加熱された加熱用流体によりタービンを回転させて発電する。
図5に示すように、本発明の地熱発電システム200は、いわゆるバイナリー方式のシステムであり、地熱回収装置10の加熱用流体が循環する加熱用流体回路と、かかる加熱用流体により加熱され、タービンを回転させる作動用流体が循環する作動用流体回路備えている。本発明の地熱発電システム200においては、蒸発器により熱交換が行われ、例えば、加熱用流体よりも沸点の低い作動用流体を蒸気とし、タービンを回転させて発電を行う。
次に、本発明の地熱回収装置を用いて、地熱回収試験を行った。
試験においては、本発明の装置として、断熱部(断熱二重管)の下方に、底部が閉塞した長さ18mの内管(鋼管)を、その下端が外管の内部底面から15cm程度離れるように配置し、内管の側部の下端から0.5~5mの範囲内に連通開口を設けた装置を用いた。また、断熱部の下方に、底部が開放した長さ9mの内管(鋼管)を配置した同様の装置(内管の下端は、外管の底面から9mの高さに位置する)を用いた。
前者の地熱回収装置では、回収された加熱流体(水)の出口温度が87~90℃であったのに対して、後者の装置では、回収された加熱流体(水)の出口温度は83~84℃であり、両者とも高温の流体を回収できたものの、前者の装置の方が、回収効率は非常によかった。
本発明の地熱回収装置は、地熱発電の地熱回収に用いることができるから、産業上有用である。
10 地熱回収装置
12 外管
14 内管
16 流入口
18 循環ポンプ
20 コンクリート材
22 断熱二重管(断熱部)
24 鋼管
26 内部底面
28 孔
30 流出口
32 発電機
34 地熱回収装置
36 内管
38 外管
40 鋼管
42 内部底面
44 地熱回収装置
46 外管
48 断熱二重管(断熱部)
50 鋼管
100 地熱発電システム
200 地熱発電システム

Claims (4)

  1. 地中に埋設され下部において互いに連通する外管と内管とを備え、地上から流入する流体を外管及び内管を通過する間に地熱により加熱し、該加熱した流体を再び地上に流出させて地熱を回収する地熱回収装置であって、
    前記内管が、
    その下部を除く部分に断熱部を有すると共に、その断熱部以外の部分は熱伝導性を有しており、
    その下端が、外管の内部底面から0を超えて30cm以下の範囲に位置しており、
    その底部が閉塞されると共に、その下部側部に外管と連通する連通開口を有しており、
    該連通開口は、内管の下端から0.5~5mの範囲内に設けられている
    ことを特徴とする地熱回収装置。
  2. 請求項記載の地熱回収装置と、
    前記地熱回収装置から流出した流体を利用して発電する発電機と、
    を備えたことを特徴とする地熱発電システム。
  3. 発電機が、地熱回収装置から流出した流体によりタービンを回転させて発電することを特徴とする請求項に記載の地熱発電システム。
  4. 発電機が、地熱回収装置から流出した流体によって加熱された作動用流体によりタービンを回転させて発電することを特徴とする請求項に記載の地熱発電システム。
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