JP7315838B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、サイドウォール部の外表面に文字、図形、または記号を描写する表示物を備えた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのサイドウォール部の外表面には、メーカー名やブランド名などを表示するための表示物が形成される場合がある(例えば特許文献1を参照)。このような表示物は、例えば、サイドウォール部の外表面から隆起した凸状物や、サイドウォール部の外表面から陥没した凹状物として形成され、凸状物の頂面や凹状物の底面の形状によって文字、図形、または記号が描写され、その組み合わせによってメーカー名やブランド名などが表現される。
このような表示物は、タイヤ外観の印象に大きく寄与する傾向がある。即ち、表示物が隆起高さの大きい凸状物で構成される場合にはユーザーに凹凸が多い印象を与え、表示物が隆起高さの小さい凸状物で構成されるか凹状物で構成される場合にはユーザーにフラットな印象を与える。一方で、凹凸が多い印象のタイヤを好むユーザーとフラットな印象のタイヤを好むユーザーがそれぞれ一定数存在している。そこで、ユーザーの好みに応じて、1本のタイヤで上述の異なる印象の使い分けを可能にすることが検討されており、例えば、一対のサイドウォール部の一方側には凸状物からなる表示物を設け、他方側には凹状物からなる表示物を設けることが検討されている。しかしながら、このような構造では、一方側のサイドウォール部と他方側のサイドウォール部とで重量バランスが悪くなり、ユニフォミティ、特に動的アンバランス性が低下するという問題があった。
特許第6210127号公報
本発明の目的は、ユニフォミティを悪化させることなく、一対のサイドウォール部の一方側と他方側に異なる表示物を設けることを可能にし、且つ、乾燥路面における操縦安定性を向上した空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記一対のサイドウォール部のそれぞれに、各サイドウォール部の外表面から隆起または陥没して、頂面または底面の形状によって文字、図形、または記号を描写する表示物を備え、前記一対のサイドウォール部のうちの一方側のサイドウォール部に設けられた前記表示物は、前記サイドウォール部の外表面からの隆起高さH1が1.5mm以上の凸状物であり、前記一対のサイドウォール部のうちの他方側のサイドウォール部に設けられた前記表示物は、前記サイドウォール部の外表面からの隆起高さH2が0.6mm以下の凸状物または前記サイドウォール部の外表面から陥没した凹状物であり、前記サイドウォール部の外表面からの突出高さH3が1.0mm以上であって前記表示物を除いた隆起物をサイドブロックとしたとき、前記他方側のサイドウォール部のみに前記サイドブロックが設けられたことを特徴とする。
本発明では、上述のように、一方側のサイドウォール部に隆起高さが大きい凸状物からなる表示物を設ける一方で、他方側のサイドウォール部に隆起高さが小さい凸状物か凹状物からなる表示物を設けているので、一方側のサイドウォール部は凹凸が多い印象を与え、他方側のサイドウォール部はフラットな印象を与えるようになる。そのため、ユーザーの好みに応じて、凹凸が多い印象を受ける側のサイドウォール部またはフラットな印象を受ける側のサイドウォール部のいずれを車両外側に向けるかを選択することが可能になる。このとき、隆起高さが小さい凸状物か凹状物からなる表示物が設けられた他方側のサイドウォール部には、表示物とは別にサイドブロックが設けられているので、一方側のサイドウォール部と他方側のサイドウォール部とで重量バランスが良好になり、ユニフォミティを良好に維持することができる。さらに、サイドブロックが形成されることで、トレッド部の接地端近傍からサイドウォール部にかけての剛性が高まり、乾燥路面における操縦安定性(ドライ操縦安定性)を向上する効果も付加することができる。
本発明では、サイドブロックのタイヤ径方向外側端から内側端までの垂直距離L4のタイヤ断面高さSHに対する比L4/SHが0.10~0.30であることが好ましい。これにより、サイドブロックのタイヤ径方向に沿った大きさが良好になり、ユニフォミティを良好に維持し、ドライ操縦安定性を向上するには有利になる。
本発明では、一方側のサイドウォール部に設けられた表示物の隆起高さH1と、サイドブロックの突出高さH3とが、1.2×H3<H1≦1.6×H3の関係を満たすことが好ましい。これにより、表示物とサイドブロックとのバランスが良好になり、他のタイヤ性能に影響を与えることなく、ユニフォミティを効果的に向上することができる。
本発明では、サイドブロックが形成された領域をサイド領域としたとき、サイド領域の面積に対するサイドブロックの面積の割合が40%~80%であることが好ましい。これにより、ユニフォミティを良好に維持し、ドライ操縦安定性を向上するには有利になる。
本発明では、トレッド部において、タイヤ赤道よりも一方側のサイドウォール側の溝面積比率をS1、タイヤ赤道よりも他方側のサイドウォール側の溝面積比率をS2としたとき、溝面積比率S1,S2がS1<S2の関係を満たすことが好ましい。このような溝面積比率の関係では、他方側のサイドウォール側に近い側のトレッド部はウェット性能が確保できる反面、ドライ性能が低下しやすい傾向があるので、サイドブロックによってドライ操縦安定性を付加することができ、タイヤ全体としてのウェット性能とドライ性能とのバランスを良好にすることができる。
本発明において、「接地端」とは、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに形成される接地領域のタイヤ軸方向の両端部である。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車用である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線断面図である。 本発明の別の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド面を示す正面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1,2に示すように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示し、符号Eは接地端を示す。尚、図1,2は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。以下、図1,2を用いた説明は基本的に図示の子午線断面形状に基づくが、各タイヤ構成部材はいずれもタイヤ周方向に延在して環状を成すものである。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1,2では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°~5°に設定されている。
本発明は、このような一般的な断面構造の空気入りタイヤに適用されるが、その基本構造は上述のものに限定されない。
本発明では、図1,2に示すように、一対のサイドウォール部2の外表面にはそれぞれ表示物10が設けられる。表示物10は、サイドウォール部2の外表面から隆起して、頂面の形状によって文字、図形、または記号を描写する凸状物11からなるものと、サイドウォール部2の外表面から陥没して、底面の形状によって文字、図形、または記号を描写する凹状物12からなるものが存在する。表示物10が描写する文字、図形、または記号は、例えばメーカー名やブランド名を表すものである。
本発明においては、一対のサイドウォール部2のうちの一方側のサイドウォール部2Aに、サイドウォール部2Aの外表面からの隆起高さH1が1.5mm以上、好ましくは1.5mm~3.0mmの凸状物11からなる表示物10が設けられる。そして、一対のサイドウォール部2のうちの他方側のサイドウォール部2Bに、サイドウォール部2Bの外表面からの隆起高さH2が0.6mm以下、好ましくは0.1mm~0.5mmの凸状物11、またはサイドウォール部2Bの外表面から陥没した凹状物12(陥没深さdが好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.1mm~0.5mm)からなる表示物10が設けられる。これにより、隆起高さが大きい凸状物11からなる表示物10が設けられた一方側のサイドウォール部2Aは凹凸が多い印象になり、隆起高さが小さい凸状物11または凹状物12からなる表示物10が設けられた他方側のサイドウォール部2Bはフラットな印象になる。その結果、ユーザーの好みに応じて、凹凸が多い印象を受ける側のサイドウォール部2Aまたはフラットな印象を受ける側のサイドウォール部2Bのいずれを車両外側に向けるかを選択可能になる。
このように、一方側のサイドウォール部2Aと他方側のサイドウォール部2Bとで表示物10の仕様を異ならせると重量バランスが悪化するため、本発明では、他方側のサイドウォール部2Bに、表示物10(隆起高さが小さい凸状物11または凹状物12)とは別に、サイドウォール部2Bの外表面からの突出高さH3が1.0mm以上、好ましくは1.0mm~2.5mmのサイドブロック20を設ける。このとき、一方側のサイドウォール部2Aには、サイドウォール部2Bの外表面からの突出高さH3が1.0mm以上の条件を満たすサイドブロック20は設けない。これにより、一方側のサイドウォール部2Aと他方側のサイドウォール部2Bとで重量バランスが良好になり、ユニフォミティを良好に維持することができる。更に、サイドブロック20が形成されることで、トレッド部の接地端Eの近傍からサイドウォール部2Bにかけての剛性が高まり、乾燥路面における操縦安定性(ドライ操縦安定性)を向上する効果も付加することができる。
表示物10(凸状物11)の隆起高さH1が1.5mm未満であるか、表示物10(凸状物11)の隆起高さH2が0.6mmを超えると、一方側のサイドウォール部2Aと他方側のサイドウォール部2Bとで、表示物10から受ける印象の差が小さくなるため、ユーザーの好みに応じた使い分けを行うことができなくなる。サイドブロック20の突出高さH3が1.0mm未満であると、サイドブロック20を設けることによる重量バランスの改善効果が十分に得られなくなる。尚、表示物10(凸状物11)やサイドブロック20に該当しない突起など(隆起高さが1.0mm未満の隆起物)は、重量バランスへの影響が小さいため、本来のタイヤ性能に影響を与えない限りは、一方側のサイドウォール部2Aおよび/または他方側のサイドウォール部2Bに任意で設けることができる。
表示物10を設ける位置は特に限定されないが、表示物10の視認性とユニフォミティへの影響を考慮すると、タイヤ最大外径位置(図中のトレッド部1の外表面とタイヤ赤道CLの交点の位置)からタイヤ径方向に向かって測定される表示物10の径方向外側端までの垂直距離L1のタイヤ断面高さSHに対する比L1/SHが0.2~0.6であることが好ましい。比L1/SHがこの範囲から外れると、表示物10がショルダー部の凹凸やビード部3と干渉する虞があり、表示物10の視認性が低下する。
表示物10が大きいほど視認性は高いが、ユニフォミティへの影響が大きくなるため、表示物10のタイヤ径方向に沿った長さL2(タイヤ径方向外側端から内側端までの垂直距離)のタイヤ断面高さSHに対する比L2/SHが0.1~0.3であることが好ましい。これにより、表示物10の適度な大きさにすることができ、表示物10の視認性を良好に保ちながら、表示物10の有無によるゴム量の差を適度な範囲に収めることができる。比L2/SHが0.1未満であると視認性が低下する。比L2/SHが0.4を超えると表示物10が大きくなり過ぎて、ユニフォミティへの影響が大きくなる。
サイドブロック20を設ける位置は特に限定されないが、トレッド部1の接地端Eの近傍の陸部との協働でドライ操縦安定性を向上することを鑑みると、タイヤ最大外径位置からタイヤ径方向に向かって測定されるサイドブロック20の径方向外側端までの垂直距離L3のタイヤ断面高さSHに対する比L3/SHが0.1~0.3であることが好ましい。比L3/SHが0.1未満であると、サイドブロック20がショルダー部の陸部と干渉する虞がある。比L3/SHが0.4を超えると、サイドブロック20がトレッド部1から大きく離れるため、トレッド部1の接地端Eの近傍の陸部との協働でドライ操縦安定性を向上する効果が十分に見込めなくなる。
サイドブロック20のタイヤ径方向に沿った長さL4(タイヤ径方向外側端から内側端までの垂直距離)のタイヤ断面高さSHに対する比4/SHが0.10~0.30であることが好ましい。これにより、サイドブロック20のタイヤ径方向に沿った大きさが良好になり、ユニフォミティを良好に維持し、ドライ操縦安定性を向上するには有利になる。比L4/SHが0.1未満であるとサイドブロック20が小さすぎるため、重量バランスを良好にする効果が十分に見込めなくなる。比L4/SHが0.3を超えるとサイドブロック20が大きすぎるため、却って重量バランスが悪化する虞がある。
表示物10の隆起高さH1~H2や、サイドブロック20の突出高さH3は、上述の関係を満たしていればよいが、ユニフォミティの観点からは、一方側のサイドウォール部2Aに設けられた表示物10の隆起高さH1と、サイドブロック20の突出高さH3とが、1.2×H3<H1≦1.6×H3の関係を満たすことが好ましい。このように隆起高さH1と突出高さH3の関係を規定することで、一方側のサイドウォール部2Aに設けられた表示物10とサイドブロック20とのバランスが良好になり、他のタイヤ性能に影響を与えることなく、ユニフォミティを効果的に向上することができる。隆起高さH1と突出高さH3との関係が上述の式から外れると、重量バランスを良好にする効果が十分に見込めなくなる。
サイドブロック20は、基本的にタイヤ周方向に沿って間隔をおいて配列されるが、タイヤ周方向に配列されたサイドブロック20のタイヤ径方向外側端を結んだ円とタイヤ径方向内側端を結んだ円との間の領域をサイド領域としたとき、サイド領域の面積に対するサイドブロック20の面積の割合が40%~80%であることが好ましい。このようにサイド領域に占めるサイドブロック20の割合を規定することで、ユニフォミティを良好に維持し、ドライ操縦安定性を向上するには有利になる。サイド領域の面積に対するサイドブロック20の面積の割合が40%未満であると、サイドブロック20による重量増加が不足して、重量バランスを良好にする効果が十分に見込めなくなる。サイド領域の面積に対するサイドブロック20の面積の割合が80%を超えると、サイドブロック20による重量増加が過剰になり、却って重量バランスを悪化する虞がある。尚、サイドブロック20の面積は、サイドウォール部2の外表面からサイドブロック20の最大突出高さの40%の高さで各サイドブロック20を切断したときの切断面の面積の総和である。
本発明は、上述のようにサイドウォール部2に設けられる表示部10とサイドブロック20に関するものであるので、トレッド部1における溝や陸部の構造(トレッドパターン)は特に限定されない。但し、サイドブロック20を設けた他方側のサイドウォール部2Bにおいてドライ操縦安定性の向上が見込めることを鑑みると、トレッド部1における溝面積比率を以下のように設定することが好ましい。即ち、タイヤ赤道CLよりも一方側のサイドウォール部2A側の溝面積比率をS1、タイヤ赤道CLよりも他方側のサイドウォール部2B側の溝面積比率をS2としたとき、溝面積比率S1,S2がS1<S2の関係を満たすことが好ましい。このような溝面積比率の関係では、他方側のサイドウォール部2B側に近い側のトレッド部1はウェット性能が確保できる反面、ドライ性能が低下しやすい傾向があるので、サイドブロック20によってドライ操縦安定性を付加することができ、タイヤ全体としてのウェット性能とドライ性能とのバランスを良好にすることができる。
上述の溝面積比率の関係を有するトレッドパターンとしては、例えば、図3に示す構造を例示することができる。尚、図3において、符号E1,E2はトレッドパターンエンドを表し、トレッドパターンエンドE1が他方側のサイドウォール部2B側であり、トレッドパターンエンドE2が一方側のサイドウォール部2A側である。即ち、タイヤ赤道CLとトレッドパターンエンドE1との間の領域における溝面積比率が溝面積比率S2であり、タイヤ赤道CLとトレッドパターンエンドE2との間の領域における溝面積比率が溝面積比率S1である。
図示の例では、トレッド部1の表面に、タイヤ赤道CLのタイヤ幅方向両側においてタイヤ周方向に沿って延在する1対の内側主溝31と、この内側主溝31のタイヤ幅方向外側でタイヤ周方向に沿って延在する1対の外側主溝32とが設けられる。そして、これら主溝によってセンター陸部41と、中間陸部42と、側方陸部43が区画されている。また、各陸部には、タイヤ幅方向に沿って延在する複数本のラグ溝(センターラグ溝51、中間ラグ溝52、ショルダーラグ溝53)が設けられている。
センターラグ溝51は、タイヤ赤道CLの一方側に位置する内側主溝31に開口してセンター陸部41内で終端するものと、タイヤ赤道CLの他方側に位置する内側主溝31に開口してセンター陸部41内で終端するものとがタイヤ周方向に交互に配列されている。特に図示の例では、各センターラグ溝51の終端部から各センターラグ溝51の延長方向に沿って延在して、各センターラグ溝51の終端部と内側主溝31とを連結するセンターサイプ61が設けられている。
中間ラグ溝52は、タイヤ赤道CLの一方側(パターンエンドE2側)に位置する中間陸部42に設けられるもの(以下、一方側の中間ラグ溝52Aという)と、他方側(パターンエンドE1側)に位置する中間陸部42に設けられるもの(以下、他方側の中間ラグ溝52Bという)とで形状が異なる。一方側の中間ラグ溝52Aは、外側主溝32に開口して中間陸部42内で終端する構造を有する。一方側の中間ラグ溝52Aの終端部には、一方側の中間ラグ溝52Aの終端部から一方側の中間ラグ溝52Aの延長方向に沿って延在して、一方側の中間ラグ溝52Aの終端部と内側主溝31とを連結する中間サイプ62が設けられている。他方側の中間ラグ溝52Bは、内側主溝31と外側主溝32の両方に連通して、中間陸部42を更にブロックに区画している。また、他方側の中間ラグ溝52Bは、中間陸部42のタイヤ幅方向中心位置よりもタイヤ赤道側に屈曲部を有している。
ショルダーラグ溝53は、一端が外側主溝31に開口し、他端がパターンエンドE1,E2まで到達しており、ショルダー陸部43を更にブロックに区画している。
各陸部には、上記のラグ溝(センターラグ溝51、中間ラグ溝52、ショルダーラグ溝53)やセンターサイプ61や中間サイプ62の他に、任意でサイプを設けることができる。
図3のトレッドパターンは上述の構造(特に、中間ラグ溝52A,52Bの形状の違い)によって、溝面積比率S1,S2がS1<S2の関係を満たしている。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
タイヤサイズがLT265/70R17であり、図1,2に例示する基本構造を有し、車両外側を向くサイドウォール部(一方側または他方側)、一方側のサイドウォール部に設けられた表示物の形状、隆起高さH1、他方側のサイドウォール部に設けられた表示物の形状、隆起高さH2(陥没深さd)、一方側のサイドウォール部におけるサイドブロックの有無、他方側のサイドウォール部におけるサイドブロックの有無、サイドブロックの突出高さH3、サイドブロックのタイヤ径方向外側端から内側端までの垂直距離L4のタイヤ断面高さSHに対する比L4/SH、隆起高さH1と突出高さH3との比H1/H3、サイド領域の面積に対するサイドブロックの面積の割合、タイヤ赤道よりも一方側のサイドウォール部側の溝面積比率S1と他方側のサイドウォール部側の溝面積比率S2との大小関係を、それぞれ表1~2のように設定した従来例1、比較例1~8、実施例1~12の21種類の空気入りタイヤを作製した。
表1~2において、表示物が凸状物である場合を「凸」、凹状物である場合を「凹」で示した。また、「S1,S2の大小関係」の欄については、タイヤ赤道よりも一方側のサイドウォール部側の溝面積比率S1と他方側のサイドウォール部側の溝面積比率S2との大小関係を等号または不等号を用いて示した。
これら空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、表示物選択の可否、ユニフォミティ、ドライ操縦安定性、ウェット操縦安定性を評価し、その結果を表1~2に併せて示した。
サイドデザイン選択の可否
各試験タイヤについて車両に対する装着方向を変えることで、表示物の形状に起因して表示物から受ける印象(凹凸が多い印象またはフラットな印象)を変えられるか否かを確認した。評価結果は、選択可能である(装着方向で印象が変わる)場合を「〇」、選択できない(装着方向で印象が変わらない)場合を「×」で示した。
ユニフォミティ(動的アンバランス)
各試験タイヤをそれぞれ1000本製造し、動的アンバランス測定器にて動的アンバランス値が許容値に達したタイヤの個数を測定した。評価結果は、従来例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きい程、動的アンバランス歩留まりが良く、ユニフォミティの優れたタイヤが安定して得られることを意味する。尚、指数値が「98」以上であれば、左右対称な従来例1のタイヤと同レベルの優れたユニフォミティを維持することができたことを意味する。
ドライ操縦安定性
各試験タイヤをリムサイズ17×7.0Jのホイールに組み付けて、空気圧を250kPaとして試験車両(四輪駆動車)に装着し、ドライ路面からなるテストコースにて操縦安定性についてテストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどドライ操縦安定性が優れることを意味する。
ウェット操縦安定性
各試験タイヤをリムサイズ17×7.0Jのホイールに組み付けて、空気圧を250kPaとして試験車両(四輪駆動車)に装着し、ウェット路面からなるテストコースにて操縦安定性についてテストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどウェット操縦安定性が優れることを意味する。
Figure 0007315838000001
Figure 0007315838000002
表1~2から明らかなように、実施例1~12は、ユニフォミティ(動的アンバランス)を悪化させることなく、サイドデザインの選択が可能(装着方向で表示物の印象を変更可能)であった。また、実施例1~12では、ドライ操縦安定性およびウェット操縦安定性を良好に発揮することができた。一方、比較例1,2は、一方側のサイドウォール部と他方側のサイドウォール部の両方に凸状物からなる表示物が設けられ、且つ、一方側のサイドウォール部にサイドブロックが設けられているため、ユニフォミティ(動的アンバランス)が悪化した。比較例3は、表示物とサイドブロックが一方側のサイドウォール部と他方側のサイドウォール部で対照的に設けられているため、サイドデザインの選択ができなかった(装着方向で表示物の印象が変わらなかった)。比較例4,5は、一方側のサイドウォール部と他方側のサイドウォール部とで表示物の形状が異なる一方で、サイドブロックを有さないため、ユニフォミティ(動的アンバランス)が悪化した。比較例6,7は、一方側のサイドウォール部と他方側のサイドウォール部とで表示物の形状が異なる一方で、一方側のサイドウォール部と他方側のサイドウォール部の両方にサイドブロックが設けられているため、ユニフォミティ(動的アンバランス)が悪化した。比較例8は、表示物が一方側のサイドウォール部と他方側のサイドウォール部で対照的に設けられている一方で、サイドブロックを有さないため、サイドデザインの選択ができなかった(装着方向で表示物の印象が変わらなかった)。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 表示物
11 凸状物
12 凹状物
20 サイドブロック
CL タイヤ赤道
E 接地端

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記一対のサイドウォール部のそれぞれに、各サイドウォール部の外表面から隆起または陥没して、頂面または底面の形状によって文字、図形、または記号を描写する表示物を備え、前記一対のサイドウォール部のうちの一方側のサイドウォール部に設けられた前記表示物は、前記サイドウォール部の外表面からの隆起高さH1が1.5mm以上の凸状物であり、前記一対のサイドウォール部のうちの他方側のサイドウォール部に設けられた前記表示物は、前記サイドウォール部の外表面からの隆起高さH2が0.6mm以下の凸状物または前記サイドウォール部の外表面から陥没した凹状物であり、
    前記サイドウォール部の外表面からの突出高さH3が1.0mm以上であって前記表示物を除いた隆起物をサイドブロックとしたとき、前記他方側のサイドウォール部のみに前記サイドブロックが設けられたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記サイドブロックのタイヤ径方向外側端から内側端までの垂直距離L4のタイヤ断面高さSHに対する比L4/SHが0.10~0.30であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記一方側のサイドウォール部に設けられた前記表示物の隆起高さH1と、前記サイドブロックの突出高さH3とが、1.2×H3<H1≦1.6×H3の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイドブロックが形成された領域をサイド領域としたとき、前記サイド領域の面積に対する前記サイドブロックの面積の割合が40%~80%であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッド部において、タイヤ赤道よりも前記一方側のサイドウォール側の溝面積比率をS1、タイヤ赤道よりも前記他方側のサイドウォール側の溝面積比率をS2としたとき、前記溝面積比率S1,S2がS1<S2の関係を満たすことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2019167512A 2019-09-13 2019-09-13 空気入りタイヤ Active JP7315838B2 (ja)

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