[実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係る状況把握支援システム1を説明する。状況把握支援システム1は、工事現場にいる人と施工会社の本社や支店等の工事現場以外の場所にいる人とが工事現場の状況を共有して打合せを行う際や、工事の施工物の検査を担当する検査者が、工事現場に行かなくても工事現場の状況を把握できるようにするシステムである。また、状況把握支援システム1によれば、工事の発注者等の関係者が、工事現場以外の場所にいる人による施工状況の確認結果や、検査者による検査の結果や、その検査がどのように行われたかを示す情報(検査者が検査時に見ていた画像や発した音声等)を確認することができる。なお、以降は、状況把握支援システム1を工事現場以外にいる人による検査に用いた場合を用いて説明する。
図1は、状況把握支援システム1の全体構成を示した図である。図1において、工事現場の空間S1に配置されている施工物C1が検査対象の施工物である。空間S1にはMR-HMD(Mixed Reality - Head Mounted Display)11(例えば、マイクロソフト(登録商標)社製のホロレンズ(登録商標))を頭部に装着した作業者X(請求の範囲に記載の現場ユーザの一例)がいる。
MR-HMD11は、透過型のディスプレイを有し、そのディスプレイに、実空間と座標系が共通の仮想空間に配置された施工物C1の三次元形状を表す画像(以下、「仮想画像」という)を表示する。その結果、作業者Xには、実物の施工物C1の上に施工物C1の仮想画像が重なって見える。
MR-HMD11は、モーションセンサ等で自装置(すなわち、MR-HMD11が装着されている作業者Xの頭部)の位置及び姿勢を継続的に測定し、施工物C1を含む工事現場内の物体の三次元の仮想画像のうち自装置の位置及び姿勢に応じた部分を表示する。そのため、作業者Xが移動したり頭部の方向を変えたりして、作業者Xの視点の位置が移動したり、視線の方向が変化したりしても、作業者Xに見えている実物の施工物C1と施工物C1の仮想画像は実質的にずれない。
物体(装置、ユーザの頭部等)の姿勢とは、物体が基準位置から回転している程度を意味する。姿勢の表現形式としては様々なものがあるが、本実施形態においては、座標空間において装置の基準位置からのX軸時計周りの回転角度(ロール角)、Y軸時計周りの回転角度(ピッチ角)、Z軸時計回りの回転角度(ヨー角)により物体の姿勢が表現されるものとする。地球における物体の姿勢は、例えば、北方向をX軸正方向、東方向をY軸正方向、上方向をZ軸正方向とする座標空間において、X軸時計回りの回転角(ロール角)、Y軸時計回りの回転角(ピッチ角)、Z軸時計回りの回転角(ヨー角)により表現される。
MR-HMD11は一般的なMR用のHMDであるため、そのハードウェア構成の説明を省略する。
空間S1には、MR-HMD11との間で無線通信を行う端末装置12が配置されている。端末装置12は一般的なコンピュータであり、プログラムを含む各種データを記憶するメモリと、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサと、外部の装置との間で各種データの通信を行う通信インタフェースとを備える。
端末装置12は、MR-HMD11が撮影した画像を表す画像データと、MR-HMD11が測定したMR-HMD11の位置及び姿勢を示す位置姿勢データとに基づき、施工物C1を含む工事現場内の物体の三次元形状を測定し、測定した三次元形状を表す三次元形状データを生成する。また、端末装置12は、生成した三次元形状データが表す三次元形状を構成する複数の領域の各々に、MR-HMD11が撮影した画像の対応する領域(テクスチャー)を付与(重畳)するテクスチャーマッピングを行う。
なお、図1に示されるように、空間S1には既知の位置にマークM1~M3が配置されている。これらのマークは、MR-HMD11がそれらを撮影することで、MR-HMD11の位置及び姿勢を特定するために用いられる基準点の役割を果たす。
端末装置12は、同じ対象物を異なる視点から撮影した複数の画像の各々から共通する特徴点を抽出し、それらの共通する特徴点の各画像における位置に基づいて、対象物の三次元形状を測定する方式(以下、「SfM(Structure from Motion)方式」という)により、施工物C1の三次元形状を測定する。SfM方式は既知の技術であるため、その説明を省略する。
端末装置12はテクスチャーマッピングを行った三次元形状データ(以下、「テクスチャー付き三次元形状データ」という)を即時にMR-HMD11に送信する。MR-HMD11は、端末装置12から受信したテクスチャー付三次元形状データが表すテクスチャーが付与された三次元形状(以下、「テクスチャー付三次元形状」という)を、上述した仮想画像として表示する。
従って、MR-HMD11を装着した作業者Xが様々な位置から様々な方向に施工物C1を見ると、施工物C1のうち作業者Xの視野に入った部分のテクスチャー付三次元形状データが実質的にリアルタイムに生成され、MR-HMD11に表示される。
MR-HMD11を装着した作業者Xが様々な位置から様々な方向に施工物C1を見て、端末装置12により施工物C1の視認できる全ての部分のテクスチャー付三次元形状データが生成されると、作業者XはMR-HMD11に対し所定の操作を行い、MR-HMD11と端末装置12に対するテクスチャー付三次元形状データの生成の処理を終了させる。テクスチャー付三次元形状データの生成の処理が終了後も、生成されたテクスチャー付三次元形状データは端末装置12に記憶される。
端末装置12は、MR-HMD11に加え、空間S1外に配置されたサーバ装置13とも通信を行う。なお、端末装置12とサーバ装置13の間の通信は、有線、無線、それらの混合のいずれによって行われてもよい。端末装置12は、テクスチャー付三次元形状データの生成の処理を終了すると、生成したテクスチャー付三次元形状データをサーバ装置13に送信する。
サーバ装置13は一般的なコンピュータであり、プログラムを含む各種データを記憶するメモリと、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサと、外部の装置との間で各種データの通信を行う通信インタフェースとを備える。
サーバ装置13は、端末装置12から受信したテクスチャー付三次元形状データを記憶する。サーバ装置13は、端末装置12に加え、端末装置14及び端末装置16との間でも通信を行う。なお、端末装置14とサーバ装置13の間の通信、及び、端末装置16とサーバ装置13の間の通信は、有線、無線、それらの混合のいずれによって行われてもよい。
端末装置14は、工事現場以外のオフィス空間である空間S2に配置されている。空間S2には、VR-HMD(Virtual Reality - Head Mounted Display)15(請求の範囲に記載の現場外部用表示装置の一例)を頭部に装着した検査者Y(請求の範囲に記載の現場外部ユーザの一例)がいる。検査者Yは、施工物C1の検査の担当者である。
端末装置14は一般的なコンピュータであり、プログラムを含む各種データを記憶するメモリと、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサと、外部の装置との間で各種データの通信を行う通信インタフェースとを備える。
端末装置14は、サーバ装置13からテクスチャー付三次元形状データを受信し、受信したテクスチャー付三次元形状データと、VR-HMD15の位置及び姿勢(すなわち、VR-HMD15が装着された検査者Yの頭部の位置及び姿勢)に基づき定まる、空間S1と座標系が共通の仮想空間にいる検査者Yから見える施工物C1の三次元形状に対し、施工物C1の工事に関する検査結果(請求の範囲に記載の工事現場の状況に関する情報の一例)の入力欄を重畳した画像を表すデータを生成し、VR-HMD15に送信する。また、端末装置14は、VR-HMD15に対し検査者Yが行う操作により入力された検査結果を示す検査結果データ(請求の範囲に記載の工事現場状況データの一例)をVR-HMD15から受信し、受信した検査結果データをサーバ装置13に送信する。
VR-HMD15は、例えば透過型でないディスプレイ(装着者から外部が見えないディスプレイ)を有し、そのディスプレイに、空間S1と座標系が共通の仮想空間に配置された施工物C1のテクスチャー付三次元形状を表示する。VR-HMD15は、モーションセンサ等で自装置の位置及び姿勢を継続的に測定し、施工物C1のテクスチャー付三次元形状のうち自装置の位置及び姿勢に応じた部分、すなわち、仮想空間にいる検査者Yから見える部分を表示する。そのため、検査者Yは移動したり頭部の方向を変えたりして、施工物C1のテクスチャー付三次元形状を様々な位置から様々な方向に観察することができる。
VR-HMD15が施工物C1のテクスチャー付三次元形状の表示を開始するときに表示される部分は、例えば、予め設定された工事現場の位置から、予め設定された方向を向いたときに見える部分である。なお、この予め設定された位置及び方向は、例えば、工事現場に作業者Xがいる場合、作業者Xの位置及び作業者Xが向いている方向により決定されてもよい。また、この予め設定された位置及び方向は、例えば、最後に検査者Yが施工物C1を見たときの仮想空間における検査者Yの位置及び方向等により更新されてもよい。また、VR-HMD15が施工物C1のテクスチャー付三次元形状の表示を開始するときに表示される部分が、空間S2における検査者Yの位置及び検査者Yが向いている方向に基づき決定されてもよい。
VR-HMD15が表示するテクスチャー付三次元形状に検査結果の入力欄が重畳表示されている場合、検査者YはVR-HMD15に仮想キーボードを表示させ、仮想キーボードを叩くジェスチャーを行うことにより、入力欄に検査結果を入力することができる。従って、検査者Yは空間S1に行って施工物C1の実物を見る場合と近い感覚で、施工物C1の三次元仮想画像を見ながら、施工物C1の検査を行うことができる。
VR-HMD15は一般的なVR用のHMDであるため、そのハードウェア構成の説明を省略する。
端末装置16は、施工物C1の工事の発注者等の関係者Zが使用する端末装置である。端末装置16は一般的なコンピュータであり、プログラムを含む各種データを記憶するメモリと、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサと、外部の装置との間で各種データの通信を行う通信インタフェースとを備える。
端末装置16は関係者Zの操作に応じてサーバ装置13から施工物C1のテクスチャー付三次元形状データと、施工物C1の工事に関する検査結果データを受信し、施工物C1のテクスチャー付三次元形状と検査結果を表示する。従って、関係者Zは、工事の対象物である施工物C1の状態を三次元仮想画像により確認しながら、工事の検査結果を容易に確認することができる。
以下に、上述した状況把握支援システム1を実現するためのMR-HMD11、端末装置12、端末装置14、VR-HMD15の機能構成を説明する。なお、サーバ装置13は一般的なサーバ装置(例えば、Webサーバ装置)であるため、機能構成の説明を省略する。また、端末装置16はサーバ装置にアクセスする一般的な端末装置(例えば、Webブラウザ機能を備えた端末装置)であるため、機能構成の説明を省略する。
図2は、MR-HMD11の機能構成を示した図である。記憶部111は、各種データを記憶する。撮影部112(請求の範囲に記載の撮影装置の一例)は、MR-HMD11の正面方向を撮影方向として撮影を行い、撮影した画像を表す画像データを生成する。集音部113(請求の範囲に記載の現場集音装置の一例)は、MR-HMD11の周囲の音を集音し、集音した音を表す音データを生成する。撮影部112が生成する画像データと集音部113が生成する音データは同期され、検査用データとして検査に利用される場合がある。
位置姿勢測定部114(請求の範囲に記載の現場位置姿勢測定装置の一例)は、MR-HMD11の位置及び姿勢(すなわち、MR-HMD11が装着されている作業者Xの頭部の位置及び姿勢)を測定する。位置姿勢測定部114は、撮影部112が撮影した画像からマークM1~M3の認識を試み、マークM1~M3が認識できた場合、実空間における既知のマークM1~M3の位置と、画像におけるマークM1~M3の位置とに基づき、実空間におけるMR-HMD11の位置及び姿勢を特定する。また、位置姿勢測定部114は、モーションセンサによりMR-HMD11の鉛直方向に対する傾きと、3軸周りの回転角度及び3軸方向における移動距離を継続的に測定し、マークM1~M3の位置に基づき特定したMR-HMD11の位置及び姿勢にその後の変化分を順次加算してゆくことで、現在のMR-HMD11の位置及び姿勢を測定する。ただし、モーションセンサの測定値は時間の経過に伴い誤差が蓄積していくので、位置姿勢測定部114は、モーションセンサの測定値により測定したMR-HMD11の位置及び姿勢を、撮影部112が継続的に撮影する複数の画像に含まれる共通の特徴点の位置の変化に基づき補正する。
送信部115は、端末装置12に画像データ、MR-HMD11の位置及び姿勢を示す位置姿勢データ等の各種データを送信する。受信部116は、端末装置12からテクスチャー付三次元形状データ等の各種データを受信する。表示部117は、テクスチャー付三次元形状データが表すテクスチャー付三次元形状等の画像を表示する。発音部118は、例えば検査用データが表す三次元形状の画像の再生時等に音を発する。
ジェスチャー認識部119は、撮影部112が撮影した画像から作業者Xの手を認識し、認識した手の形や動きに基づいて、作業者Xが行うジェスチャーを認識する。
図3は、端末装置12の機能構成を示した図である。記憶部121は、各種データを記憶する。受信部122は、MR-HMD11から画像データ、MR-HMD11の位置及び姿勢を示す位置姿勢データ等の各種データを受信する。また、受信部122は、サーバ装置13から各種データを受信する。送信部123は、MR-HMD11にテクスチャー付三次元形状データ等の各種データを送信する。また、送信部123は、サーバ装置13にテクスチャー付三次元形状データ等の各種データを送信する。
三次元形状測定部124は、受信部122を介してMR-HMD11から送信されてくる画像データを用いて、SfM方式により施工物C1の三次元形状を測定し、測定した三次元形状を表す三次元形状データを生成する。なお、三次元形状測定部124は、MR-HMD11の撮影部112と共に、請求の範囲に記載の三次元形状測定装置の一例を構成する。
三次元形状測定部124は、撮影部112により継続的に撮影される画像に基づき順次、三次元形状データを生成するが、施工物C1のうち一連の撮影に伴い既に三次元形状を測定している部分に関し再度、三次元形状を測定した場合、既に測定されている三次元形状の情報量よりも新たに測定された三次元形状の情報量の方が多い場合に限り、その部分に関し、新たに測定した三次元形状を表す三次元形状データで既存の三次元形状データを更新する。情報量が多いとは、例えば、三次元形状の測定に用いた画像において、撮影部112から施工物C1までの距離が近いこと、画像の鮮明度が高いこと、画像のコントラストが大きいこと等の少なくとも1つを意味する。
上述したように、三次元形状測定部124は情報量に基づき選択的に三次元形状データを更新するため、例えば作業者Xが施工物C1のある部分を近くで見た後に離れて見たり、施工物C1のある部分を静止して見た後に動きながら見たりしても、三次元形状データが表すその部分の三次元形状の精度が更新によって落ちてしまう、という不都合が回避される。
テクスチャーマッピング部125は、受信部122を介してMR-HMD11から送信されてくる画像データを用いて、三次元形状測定部124が測定した施工物C1の三次元形状に対しテクスチャーマッピングを行い、テクスチャー付三次元形状データを生成する。
重畳部126は、例えば、テクスチャー付三次元形状データが表すテクスチャー付三次元形状に対し、作業者Xのジェスチャーによる操作を受け付けるための仮想的な操作子(キーボード等)の画像を重畳する。
図4は、端末装置14の機能構成を示した図である。記憶部141は、各種データを記憶する。受信部142は、サーバ装置13からテクスチャー付三次元形状データ等の各種データを受信する。また、受信部142は、VR-HMD15からVR-HMD15の位置及び姿勢を示す位置姿勢データ、検査結果データ等の各種データを受信する。送信部143は、VR-HMD15にテクスチャー付三次元形状データ、検査項目毎に検査結果の入力欄等を示す検査項目データ等の各種データを送信する。また、送信部143は、サーバ装置13に検査結果データ等の各種データを送信する。また、重畳部144は、例えば、テクスチャー付三次元形状データが表すテクスチャー付三次元形状に対し、検査者Yのジェスチャーによる操作を受け付けるための仮想的な操作子(キーボード等)や、施工物C1の工事に関する検査結果の入力欄等の画像を重畳する。
図5は、VR-HMD15の機能構成を示した図である。記憶部151は、各種データを記憶する。撮影部152は、VR-HMD15の正面方向を撮影方向として撮影を行い、ジェスチャー認識部159(撮影部152と共に請求の範囲に記載の操作受付装置の一例を構成)に、撮影部152が撮影した画像を引き渡す。集音部153(請求の範囲に記載の現場外部用集音装置の一例)は、VR-HMD15の周囲の音(主に検査者Yの音声)を集音し、集音した音を表す音データ(請求の範囲に記載の音声データの一例)を生成する。表示部157が表示している画像を表すデータと集音部153が生成する音データは同期されて、検査者Yが検査を行った状況を確認するための確認用データとして利用される場合がある。
位置姿勢測定部154(請求の範囲に記載の現場外部用位置姿勢測定装置の一例)は、VR-HMD15の位置及び姿勢を測定する。位置姿勢測定部154は、モーションセンサによりVR-HMD15の鉛直方向に対する傾きと、3軸周りの回転角度及び3軸方向における移動距離を継続的に測定し、例えばVR-HMD15の起動時等に決定した基準となるVR-HMD15の位置及び姿勢にその後の変化分を順次加算してゆくことで、現在のVR-HMD15の位置及び姿勢を測定する。
なお、MR-HMD11は、施工物C1の三次元形状を測定するために自装置の位置及び姿勢を高い精度で測定する必要があるが、VR-HMD15は、検査者Yがテクスチャー付三次元形状を観察するために用いられるため、工事現場の空間S1と座標系が共通の仮想空間内における検査者Yの位置及び姿勢が分かればよく、MR-HMD11に求められる程の高い精度で自装置の位置及び姿勢を測定する必要はない。従って、位置姿勢測定部154はMR-HMD11の位置姿勢測定部114が行うような、画像に含まれる特徴点の位置に基づくVR-HMD15の位置及び姿勢の補正は行わなくてもよい。ただし、位置姿勢測定部154がそのような補正の処理を行ってもよい。
送信部155は、端末装置14にVR-HMD15の位置及び姿勢を示す位置姿勢データ、検査結果データ等の各種データを送信する。受信部156は、端末装置14からテクスチャー付三次元形状データ、検査項目データ等の各種データを受信する。表示部157(請求の範囲に記載の現場外部用表示装置の一例)は、テクスチャー付三次元形状データが表すテクスチャー付三次元形状等の画像を表示する。発音部158は、例えば検査用データが表す三次元形状の画像の再生時等に音を発する。
ジェスチャー認識部159(撮影部152と共に請求の範囲に記載の操作受付装置の一例を構成)は、撮影部152が撮影した画像から検査者Yの手を認識し、認識した手の形や動きに基づいて、検査者Yが行うジェスチャーを認識する。
続いて、状況把握支援システム1において利用される各種データを説明する。状況把握支援システム1において利用されるデータには、予めサーバ装置13に記憶されており、必要に応じて端末装置12、端末装置14又は端末装置16に送信されるものと、MR-HMD11又は端末装置12において生成されてサーバ装置13に送信され記憶されるものと、VR-HMD15又は端末装置14において生成されてサーバ装置13に送信され記憶されるものがある。いずれのデータも、サーバ装置13で記憶され、管理される。
図6は、サーバ装置13の記憶部(請求の範囲に記載の記憶装置の一例)に記憶される各種データを示した図である。図6に示されるデータの各々には、それらのデータが生成された時刻を示す時刻データが伴っている。
画像データ群D100は、MR-HMD11が撮影した画像を表す画像データの集まりである。位置データ群D101は、画像データ群D100に含まれる個々の画像データに対応する位置データ(請求の範囲に記載の施工物位置データの一例)の集まりである。位置データ群D101に含まれる位置データは、対応する画像データが表す施工物C1の位置を示すデータである。音データ群D102は、MR-HMD11が集音した音を表す音データの集まりである。
三次元形状データ群D103は、端末装置12が生成したテクスチャー付三次元形状データの集まりである。三次元形状データ群D103に含まれるテクスチャー付三次元形状データの各々には、そのテクスチャー付三次元形状データの生成に用いられた画像データが対応付けられている。
検査項目データ群D104は、検査項目毎に検査項目の内容と検査結果の入力欄を示す検査項目データの集まりである。検査項目データ群D104には、検査対象の工事又は施工物の種別に応じて異なる検査項目データが含まれている。
検査者データ群D105は、複数の検査者の各々を識別する検査者データの集まりである。検査者データは、例えば、検査者の名称とパスワード並びに検査実施日を示す。
検査結果データ群D106は、検査者が行った検査の結果を示す検査結果データの集まりである。検査結果データ群D106に含まれる検査結果データの各々は、検査に用いられたテクスチャー付三次元形状データに対応付けられている。また、検査結果データ群D106に含まれる検査結果データの各々には、検査に用いられた検査項目データと、当該検査に関する検査者データが対応付けられている。
表示ログデータ群D107は、検査結果データの入力時にVR-HMD15が表示していた画像を表す表示ログデータ(請求の範囲に記載の検査結果データの入力時に現場外部用表示装置が表示していた画像を表すデータ、及び、音声の集音時に現場外部用表示装置が表示していた画像を表すデータの一例)の集まりである。音声ログデータ群D108は、検査結果データの入力時にVR-HMD15が集音した音を表す音データである音声ログデータの集まりである。なお、音声ログデータが表す音は、主に検査者の音声である。検査結果データ群D106に含まれる検査結果データの各々には、表示ログデータ及び音声ログデータが対応付けられている。同じ検査結果データに対応付けられている表示ログデータと音声ログデータは同期再生されて検査時の状況の確認等に用いられる。
設計データ群D109は、検査対象の施工物の各々の三次元形状の設計値を示す設計データの集まりである。三次元形状データ群D103に含まれるテクスチャー付三次元形状データの各々には、そのテクスチャー付三次元形状データが表す施工物の三次元形状の設計値を示す設計データが対応付けられている。
現場観察時間マップデータ群D110は、工事現場にいる作業者によって、施工物の三次元形状のいずれの部分がどれだけ長く観察されたかを示す現場観察時間マップデータの集まりである。
現場外部表示時間マップデータ群D111は、検査者に対し、施工物の三次元形状のいずれの部分がどれだけ長く表示されたかを示す現場外部表示時間マップデータの集まりである。
三次元形状データ群D103に含まれるテクスチャー付三次元形状データの各々には、テクスチャー付三次元形状データが表す施工物に応じた現場観察時間マップデータ及び現場外部表示時間マップデータが対応付けられている。
続いて、状況把握支援システム1により、作業者X、検査者Y及び関係者Zに対し表示される画像を説明する。
図7は、MR-HMD11により作業者Xに対し表示される画像を模式的に示した図である。MR-HMD11を装着した作業者XがマークM1~M3に視線を向けた後、施工物C1に視線を向けると、施工物C1を含む空間S1内の物体のうち作業者Xから見える部分の三次元形状が実質的にリアルタイムに測定されるとともに、測定された三次元形状に対しテクスチャーマッピングが行われる。つまり、作業者Xが視点の位置又は視線の方向を変える度に、MR-HMD11が撮影した画像群が表す三次元形状を表す三次元形状データが端末装置12において順次、生成される。そして、三次元形状データの生成が完了した後に作業者Xが施工物C1を見ると、図7(A)に示すように、施工物C1のテクスチャー付三次元形状がMR-HMD11の透過型のディスプレイに表示される。
なお、図7に示されるように、MR-HMD11のディスプレイにはテクスチャー付三次元形状に対し重畳された、「スキャン終了」ボタン等の仮想的な操作子が表示される。作業者Xは、ジェスチャーによりそれらの操作子を操作することで、テクスチャー付三次元形状データの生成の開始や終了、動画の撮影の開始や終了等を指示することができる。
図7(A)の画像に含まれている「テクスチャー除去」ボタンに対し作業者Xが操作を行うと、MR-HMD11のディスプレイには図7(B)に示すように、テクスチャーが付与されていない三次元形状が表示される。図7(A)の画像がディスプレイに表示される場合、作業者Xには実物の施工物C1と、テクスチャーマッピングが行われた施工物C1の仮想画像が重なって見えるため、状況把握支援システム1によって測定された三次元形状が把握しづらい場合がある。図7(B)の画像がディスプレイに表示されれば、作業者Xは状況把握支援システム1により測定された施工物C1の三次元形状が、実物の施工物C1の三次元形状とどれだけ一致しているかを容易に確認できる。
作業者Xが施工物C1を様々な位置から様々な方向に見て、施工物C1の視認できる部分の全部に関しテクスチャー付三次元形状データが生成されたことを確認した後、MR-HMD11のディスプレイに表示されている「スキャン終了」ボタンに対し操作を行うと、その時点で端末装置12に記憶されているテクスチャー付三次元形状データ、検査用データ等がサーバ装置13に送信され、検査者Yにより利用可能となる。
図8及び図9は、VR-HMD15により検査者Yに対し表示される画像を模式的に示した図である。検査者Yは、空間S2内で移動したり頭部の方向を変更したりすることで、工事現場の空間S1と座標系が共通の仮想空間内において施工物C1のテクスチャー付三次元形状を希望する任意の位置から任意の方向に観察することができる。なお、空間S2において検査者Yが移動可能な範囲は、必ずしも空間S1ほど広くない。従って、検査者Yは、例えば、ディスプレイに表示されている画像を右左又は上下にずらすようなジェスチャーを行ったり、足踏みや体の向きの変更等の所定の動作を行ったりすることで、空間S2内では大きく移動せずに仮想空間内で大きく移動できる。
図8に示されるように、VR-HMD15のディスプレイには施工物C1を含む空間S1内の物体のテクスチャー付三次元形状に加え、その画像に対し重畳された「検査開始」ボタン等の仮想的な操作子が表示される。検査者Yは、ジェスチャーによりそれらの操作子を操作することで、検査の開始や終了等を指示することができる。
検査者Yが図8(A)の画像に含まれている「検査開始」ボタンに対し操作を行うと、VR-HMD15のディスプレイには図8(B)のような画像が表示される。それと同時に、VR-HMD15のディスプレイに表示されている画像の記録と、VR-HMD15の周囲の音(主に検査者Yの音声)の記録が開始される。VR-HMD15のディスプレイに表示されている画像は表示ログデータとして端末装置14に記憶される。また、VR-HMD15の周囲の音は音声ログデータとして端末装置14に記憶される。
図8(B)の画像には、施工物C1の工事に応じた検査項目に関する説明及び検査結果の入力欄と、検査者Yの文字入力を受け付ける仮想キーボードが含まれている。また、図8(B)の画像には、図8(A)の画像に含まれる「検査開始」ボタンに代えて、「検査終了」ボタンが含まれている。検査者Yは施工物C1のテクスチャー付三次元形状を観察しながら、表示される検査項目に関し検査を行い、検査結果を入力欄に入力する作業を、全ての検査項目に関し行う。検査者Yにより入力された検査結果は検査結果データとして端末装置14に記憶される。
検査者Yが「検査終了」ボタンに対し操作を行うと、VR-HMD15のディスプレイには図8(A)のような画像が表示されるとともに、VR-HMD15のディスプレイに表示されている画像の記録と、VR-HMD15の周囲の音の記録が終了される。続いて、端末装置14は、記憶している検査結果データ、表示ログデータ及び音声ログデータをサーバ装置13に送信する。
検査者Yは、図8の仮想画面に表示される「検査用データ再生」ボタンに対しジェスチャーによるタッチ操作を行うことで、工事現場において撮影された映像とそのときに工事現場で聞こえていた音を再生することができる。
また、検査者Yが図8(A)又は図8(B)の画像に含まれている「ズレ表示」ボタンに対し操作を行うと、VR-HMD15のディスプレイには図9のような画像が表示される。図9の画像には、テクスチャー付三次元形状データが表す施工物C1の三次元形状に対し、設計データが表す施工物C1の三次元形状(破線)が重畳されている。検査者Yは、例えば破線で示される施工物C1の三次元形状の任意の点をジェスチャーにより指定することで、その点に関する設計値と実物の施工物との差異を表示させることができる。
検査者Yは、必要に応じて検査用データを再生し、また、図9のような画像から得られる情報を参考としながら、検査を効率的に行うことができる。
検査者Yによる検査が終了し、検査結果データ等が端末装置14からサーバ装置13に送信されると、関係者Zは端末装置16を用いて検査結果を閲覧することができる。図10は、端末装置16に表示される画面を模式的に示した図である。図10の画面において、関係者Zはマウス操作等によって施工物C1のテクスチャー付三次元形状を希望する任意の位置から任意の方向に見ることができる。また、図10の画面において、関係者Zは、検査者Yにより行われた検査の結果を確認することができる。
関係者Zは、図10の画面に表示される「確認用データ再生」ボタンに対しマウス等で操作を行うことで、検査時に検査者Yに対しVR-HMD15が表示していた画像と、その時に検査者Yが発した音声を再生することができる。関係者Zはそれらの画像及び音声を視聴することで、検査者Yが施工物のどの部分を観察しながらどのように検査結果を記載したかを確認することができる。
また、関係者Zは、図10の画面に表示される「観察マップ表示(現場)」ボタンに対しマウス等で操作を行うことで、端末装置16のディスプレイに、図11に示すような画像を表示させることができる。図11の画像には、テクスチャー付三次元形状データが表す施工物C1の三次元形状に対し、現場観察時間マップデータが表す情報、すなわち、作業者Xにより施工物C1のどの部分がどれだけ長く観察されたか、という情報が、ヒートマップ形式で表示される。例えば、図11の領域A1や領域A2は、他の領域よりも長時間、作業者Xにより観察されたことが分かる。
また、関係者Zは、図10の画面に表示される「観察マップ表示(検査時)」ボタンに対しマウス等で操作を行うことで、端末装置16のディスプレイに、図11に示した画像と類似する画像を表示させることができる。この場合、端末装置16のディスプレイに表示される画像には、テクスチャー付三次元形状データが表す施工物C1の三次元形状に対し、現場外部表示時間マップデータが表す情報、すなわち、検査者Yにより施工物C1のどの部分がどれだけ長く観察されたか、という情報が、ヒートマップ形式で表示される。
関係者Zは、それらの画像を見ることによって、作業者X又は検査者Yが施工物C1のどの部分に注目したかを直感的に知ることができる。
[変形例]
上述の実施形態は本発明の一具体例であって、本発明の技術的思想の範囲内において様々に変形可能である。以下にそれらの変形の例を示す。なお、以下に示す2以上の変形例が適宜組み合わされてもよい。
(1)上述した実施形態においては、工事現場において作業者が工事の施工物を観察し、その施工物のテクスチャー付三次元形状データを生成する作業は1度のみであることが想定されている。しかしながら、作業者が同じ工事現場の施工物を、例えば数日といった期間をあけて複数回、繰り返し観測し、異なるタイミングにおける同じ施工物のテクスチャー付三次元形状データを状況把握支援システム1に生成・記憶させてもよい。
図12は、MR-HMD11が異なる複数のタイミングt1~t5の各々において生成された施工物C2の画像P(t1)~P(t5)を、タイミングt5に測定した施工物C2を含む空間S1内の物体の三次元形状に対し重畳した画像である。なお、図12の例では、施工物C2はトンネルであり、画像P(t1)~P(t5)は、各タイミングにおける掘削面の画像である。図12の画像において、施工物C2の三次元形状に対し重畳されている画像P(t1)~P(t5)の位置は、それらの画像を表す画像データに対応付けて記憶されている位置データが示す位置である。
なお、図12の例では、画像P(t1)~P(t5)は施工物C2を含む空間S1内の物体を表す二次元画像(例えば、MR-HMD11の撮影部112が撮影した画像を視点の位置及び視線の方向に応じて変形したもの)であるが、画像P(t1)~P(t5)として、タイミングt1~t5の各々において生成されたテクスチャー付三次元形状データが表す三次元画像が用いられてもよい。
例えば、検査者は、図12に示されるような画像をVR-HMD15に表示させることによって、施工物が構築されていった経過を直感的に知ることができる。
(2)上述したように、作業者Xは図7の画像に含まれる「録画開始」ボタンに対し操作を行うことで、録画の開始を指示できる。この機能により録画される対象は特に限定されないが、例えば、工事現場で打音検査が行われる場合、その打音検査の音を表す打音データを含む検査用データを記録するために、この機能が用いられてもよい。検査者Yは図8の画像に含まれる「検査用データ再生」ボタンに対し操作を行うことで、工事現場において行われた打音検査の様子を視聴することができる。なお、上述した打音検査の音を表す打音データを含む検査用データには、通常、作業者Xが打音検査を行った施工物の部分の画像(実物の施工物を撮影した三次元画像)を表す画像データが含まれている。従って、検査者Yは施工物のどの部分に対し打音検査が行われたかを確認しながら、打音を聴くことができる。
また、打音データが、例えば図12に示される画像P(t1)~P(t5)のうち打音検査が行われたタイミングに応じた画像と対応付けて記憶され、図12に示される画像においてその対応付けが表示されてもよい。この場合、検査者Yは検査時に、経時変化してゆく施工物のどのタイミングにおいて行われた打音検査の打音であるかを直感的に把握することができる。
(3)工事現場の空間S1において作業者Xが空間S1内の物体の三次元形状の測定のために施工物の観察等を行う作業と、そのように測定される空間S1内の物体の三次元形状を空間S2にいる検査者Yが仮想空間内で見ながら検査を行う作業とが同時に行われてもよい。この場合、検査者Yが検査を行うにあたり、作業者Xに聞こえる工事現場内の音(作業者Xの音声や作業者Xが施工物に行う打音検査の音等)がリアルタイムに検査者Yに聞こえるようにしてもよい。これにより、検査者Yは工事現場内の状況をよりよく把握しながら検査を行うことができる。
(4)工事現場において記録され、検査者により検査のために利用される情報は画像や音に限られない。例えば、状況把握支援システム1が、作業者Xが手に装着するタイプの触感測定装置と、検査者Yが手に装着するタイプの触感再生装置とを備え、作業者Xが触感測定装置を装着した手で施工物に触れたときの触感を検査者Yが感じることができるようにしてもよい。なお、本願において触感とは、施工物に触れた手が施工物から受ける力の大きさと方向を意味する。
この場合、作業者Xが触感測定装置を装着した手で施工物に触れたときの触感を表す触感データと、作業者Xの手が触れた施工物の部分の三次元形状を表すデータ(例えば、作業者Xの手が触れている状態の施工物の実物を撮影した三次元画像を表す画像データや、テクスチャー付三次元形状データに作業者Xの手が触れている部分を示すデータを付加したデータ等)が端末装置12からサーバ装置13に送信され、サーバ装置13がそれらのデータを記憶する。そして、検査者Yの手に装着された触感再生装置が端末装置14経由でサーバ装置13から触感データを受信し、触感データに従い触感を再生する。また、端末装置14はサーバ装置13から、作業者Xの手が触れた施工物の部分の三次元形状を表すデータを受信し、そのデータが表す画像を表示する。その結果、検査者Yは工事現場に行かずとも、施工物の硬さ等を知ることができる。
また、状況把握支援システム1が、作業者Xが手に装着するタイプの温度測定装置と、検査者Yが手に装着するタイプの温度再生装置とを備え、作業者Xが温度測定装置を装着した手で施工物に触れたときに手が施工物と接触した部分の温度を、検査者Yが感じることができるようにしてもよい。
この場合、温度測定装置が測定した温度を示す温度データと、作業者Xの手が触れた施工物の部分の三次元形状を表すデータが端末装置12からサーバ装置13に送信され、サーバ装置13がそれらのデータを記憶する。そして、検査者Yの手に装着された温度再生装置が端末装置14経由でサーバ装置13から温度データを受信し、温度データが示す温度で発熱する。また、端末装置14はサーバ装置13から、作業者Xの手が触れた施工物の部分の三次元形状を表すデータを受信し、そのデータが表す画像を表示する。その結果、検査者Yは工事現場に行かずとも、施工物の温度を感じることができる。
(5)上述した状況把握支援システム1はMR-HMD11、端末装置12、サーバ装置13、端末装置14、VR-HMD15及び端末装置16で構成されるが、これらの構成は様々に変更されてよい。例えば、端末装置12がMR-HMD11と統合されてもよい。また、端末装置14がVR-HMD15に統合されてもよい。また、端末装置14がサーバ装置13と統合されてもよい。また、端末装置16がサーバ装置13と統合されてもよい。
(6)上述した状況把握支援システム1においては、施工物の三次元形状の測定がSfM方式により行われる。施工物の三次元形状の測定の方式としては、光学センサを用いる他の方式が採用されてもよい。例えば、MR-HMD11がデプスセンサを有し、デプスセンサにより施工物の三次元形状が測定されてもよい。なお、デプスセンサの方式は、ステレオカメラ方式、Time-of-flight方式、LIDAR方式等のいずれであってもよい。
(7)上述した状況把握支援システム1においては、MR-HMD11はモーションセンサの測定値や撮影した画像に共通して含まれる特徴点の位置に基づく演算により自装置の位置及び姿勢を測定する。また、VR-HMD15はモーションセンサの測定値に基づく演算により自装置の位置(例えば、設定された基準位置からの相対位置)と姿勢を測定する。MR-HMD11及びVR-HMD15が自装置の位置及び姿勢を測定する方法はこれらに限られない。例えば、MR-HMD11又はVR-HMD15が、既知の基準位置に設置された光源から発光される光を3以上の受光部で受光し、受光した光の角度に基づき自装置の位置及び姿勢を測定してもよい。
(8)上述した状況把握支援システム1においては、検査結果データの入力時に検査者に対しVR-HMD15が表示していた画像を表すデータや、VR-HMD15が周りの音(主に検査者の音声)を集音した時に検査者に対しVR-HMD15が表示していた画像を表すデータとして、表示ログデータ(画像データ群)が用いられる。VR-HMD15が表示していた画像を表すデータの形式はこれに限られない。例えば、検査結果データの入力時や集音時に、テクスチャー付三次元形状をどの位置からどの方向に見た画像がVR-HMD15により表示されていたかを示すデータが、VR-HMD15が表示していた画像を表すデータとして用いられてもよい。
(9)検査中に記録された音声ログデータと、その検査の結果を示す検査結果データとを含むデータに対し電子署名を付加したデータをサーバ装置13が記憶してもよい。その場合、検査者が検査中に発した音声と検査結果の組み合わせが保証されるため、検査結果データの改ざんが困難となる。
(10)上述した実施形態の説明において、MR-HMD11を装着する作業者Xは1名であるものとしたが、各々がMR-HMD11を装着した複数人の作業者Xが同時に空間S1内の物体の三次元形状の測定等のための作業を行ってもよい。
この場合、VR-HMD15を装着した検査者Yが、複数人の作業者Xの各々が装着しているMR-HMD11の中から適宜、1つを選択し、選択したMR-HMD11が撮影する画像をライブ映像としてVR-HMD15に表示させることを可能としてもよい。検査者Yは、施工物C1の確認したい部分の近くにいる作業者Xに対し音声等で指示を行い、その部分を近くで見てもらうことで、その部分の実物を撮影した三次元形状や、テクスチャー付き三次元形状データが表す仮想的な三次元形状を確認することができる。
(11)MR-HMD11は作業者Xの頭部に常時装着されている必要はない。例えば、施工物C1の高さが高い等の理由で、施工物C1の一部を作業者Xが直接、見ることが難しい場合に、作業者Xが、例えば先端にMR-HMD11を取り付けた棒を操作して、MR-HMD11に自分が直接行くことができない場所から画像の撮影を行わせてもよい。この場合、例えば端末装置12に表示部を設け、端末装置12の表示部にMR-HMD11の表示部117が表示する画像と同じ画像をリアルタイムに表示させると、作業者Xは端末装置12の表示部を見ながら棒を操作できる。また、作業者Xに代えて、無人航空機等の移動体にMR-HMD11を搭載し、移動体が移動中にMR-HMD11が画像の撮影を行ってもよい。この場合、移動体はプログラムされた経路を自律移動してもよいし、作業者Xが移動体を操縦してもよい。