JP7315257B2 - 粒子の識別を行うためのセンサ、測定器、コンピュータ装置、およびシステム - Google Patents

粒子の識別を行うためのセンサ、測定器、コンピュータ装置、およびシステム Download PDF

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Description

本発明は、粒子の識別を行うためのセンサ、測定器、コンピュータ装置、およびシステムに関する。
ウイルス、細菌、エクソソームなどのサブミクロンの大きさの粒子を識別する手段としては、誘導回折格子法(特許文献1)、レーザードップラー電気泳動法(特許文献2)などの光学的方法や、核酸プローブを用いる方法(特許文献3)、抗原抗体反応を用いる方法(特許文献4)など様々な方法が提案されている。しかしながらいずれも、精度が低い、分析手順が多い、コストが高いという問題を解決できなかった。
また特に細菌やウイルスの場合、検体中の粒子濃度が低いと、検体培養を要する場合が多く、即時性のある識別手段はこれまで提供できていなかった。
サブミクロンサイズの粒子識別の方法として、電解液中の測定対象粒子が細孔を通過する際のイオン電流の過渡変化を測定することで粒子の体積を計測する提案もなされている(特許文献5)。
電解液中の測定対象粒子が細孔を通過する際のイオン電流の過渡変化を測定する技術においては、シリコン薄膜を使った細孔を形成し細孔の厚さを100nm以下と薄くすることで、測定対象粒子の体積のみでなく微細な構造や表面電荷などの情報を計測することができるようになっている(特許文献6)。さらに、このイオン電流の過渡変化と機械学習による情報処理を組み合わせて、測定対象粒子が何であるかを高精度で識別することもできるとされている(特許文献7)。
このような細孔通過と機械学習を組み合わせた粒子識別の応用範囲は幅広く、細菌(非特許文献1)、ウイルス(非特許文献2)、エクソソーム(特許文献8)から、大気汚染物質、血液迅速診断、顔料など様々な分野での高精度かつ高速な識別が可能となっている。
実際に細孔通過型センサを用いようとするとき、被測定粒子は多種多様であり、その大きさ、形状、細孔通過時の形状変化、表面電荷は大きく異なっている。たとえば、細菌の大きさは1μm~5μmであるのに対して、ウィルスは20nm~300nm程度と小さい。このため、一種類のセンサですべての粒子を識別することは現実的ではなく、用途に応じて細孔の穴径を変える必要がある。また、荷電状態が粒子によって大きく異なるため、測定に用いる電解液(本明細書では「緩衝液」、「バッファ」とも呼ぶ)の濃度も、測定対象粒子ごとに最適値を選択する必要がある。
また、センサの形状や、用いる電解液の濃度は、上記イオン電流の過渡変化に影響を与える。たとえばイオン電流の過渡変化は主として測定対象粒子が細孔を通過する際にその付近の電解液を排斥することが原因で発生する。したがって、同じ粒子が大きな細孔を通過する場合と、小さな細孔を通過する場合を比較すると、後者の方が電流の過渡変化は大きい。またセンサの細孔厚みも、細孔付近の電界分布に大きな影響を与えるためイオン電流の過渡変化には大きな影響を与える。さらに、センサの構造や電解液の種類はセンサの電気的性質にも大きな影響を与える。たとえば、センサの構造や電解液の種類によって、センサの電極間の静電容量は著しく変化する。この静電容量の変化によって、センサ自身の出力する電流信号が変化するだけでなく、その信号を増幅するアンプの帯域やノイズにも大きな影響を与える。この他、センサをアンプに接続する治具やアンプの回路パラメタなども電流の過渡変化に影響を与えることになる。
機械学習における学習と識別は、同じ条件での計測が必要となる。もし、構造や特性が異なるセンサやアンプを機械学習や識別に利用すると、正しい機械学習最適化パラメタを計算できず、このため粒子識別が不可能になる、あるいは識別精度が低下してしまうという問題が発生する。しかし上記のように様々な粒子を機械学習によって識別するためには、実際には様々な種類のセンサやアンプを利用する必要がある。このため、従来の方法やシステムでは様々な種類の粒子を正しく学習および識別することができなかった。
特開2010-249607号公報 特開2016-200608号公報 特開2015-107091号公報 特開2017-156324号公報 特表2014-521962号公報 国際公開第2013/137209号 特開2017-120257号公報 特開2017-156168号公報
M. Tsutsui et al., Scientific Reports, volume 7, Article number: 17371 (2017) A. Arima et al., Scientific Reports, volume 8, Article number: 16305 (2018)
上述した従来技術の問題に鑑み、センサや電解液の種類などの測定条件が変わっても、機械学習による識別を高精度で可能にすることが求められている。
本発明の実施形態では、上記課題の解決のために下記を提供できる。
粒子の識別を行うためのセンサであって、
電解液を充填するように構成された、第1のチャンバと、
前記第1のチャンバ内に設けられ、電圧を印加するための外部電源に接続できるように構成された第1の電極と、
電解液を充填するように構成された、第2のチャンバと、
前記第2のチャンバ内に設けられ、前記外部電源に接続できるように構成された第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極の間に生じるイオン電流を表す測定データを出力するように構成された、データ出力手段と、
前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを隔てる隔壁と、
唯一識別子をネットワークを介して外部コンピュータ装置へ提供するための提示手段と
を含み、
前記隔壁が、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを連通する細孔を有し、
前記センサが有する物理的特性が、前記唯一識別子に関連付けられており、
前記細孔を粒子が通過する際に、前記第1の電極と前記第2の電極の間に生じるイオン電流に、前記細孔が有する物理的特性および前記粒子の物理的特性に少なくとも依存する過渡変化が発生するように構成されており、
前記唯一識別子が、前記唯一識別子を受信した前記外部コンピュータ装置に、前記唯一識別子に関連付けられた前記センサが有する物理的特性に応じた、前記粒子の識別処理を行わせるように構成され、
前記センサが有する物理的特性は少なくとも、前記細孔が有する物理的特性を含む
ことを特徴とする、センサ。
上記センサと、
前記センサが有するデータ出力手段から出力されるデータを増幅するように構成された、増幅器と、
前記増幅器が増幅したデータをA/D変換するように構成された、デジタイザと、
前記デジタイザがA/D変換したデータ、および前記センサが有する提示手段から提供される前記唯一識別子を、前記外部コンピュータ装置へと送信する手段と
を含む、測定器。
粒子の識別を行うためのコンピュータ装置であって、
一個以上のプロセッサと、
一個以上の記憶手段と、
第1のセンサが有する第1の物理的特性に関連付けられる第1の唯一識別子を受信して、前記プロセッサにより前記記憶手段に保存するように構成された、読み取り手段と、
既知クラスに属する既知粒子の測定を行う前記第1のセンサから第1の測定データを受信して前記プロセッサにより第1の特徴量情報を抽出し、前記記憶手段に保存するように構成された、特徴量抽出手段と、
前記プロセッサにより、前記第1の特徴量情報および前記第1の唯一識別子に関連付けられる前記第1の物理的特性を教師データとし、かつ、前記既知クラスを教師ラベルとして、機械学習最適化パラメタを生成するように構成された、学習手段と
を含む、コンピュータ装置。
粒子を識別するためのシステムであって、
複数のセンサと、
前記複数のセンサの各々から、各センサの物理的特性、各センサが行う測定データ、および各センサの唯一識別子をネットワークを介して受信し互いに関連付けてデータベースに保存できるように構成された、コンピュータ装置と
を含み、
前記コンピュータ装置が、前記複数のセンサのうちの一個以上により行われる既知クラスに属する既知粒子の測定に関する測定データから、特徴量情報を抽出し、少なくとも前記特徴量情報を教師データとして機械学習最適化パラメタを生成し、そのセンサの唯一識別子に関連付けて前記データベースに保存するように構成され、
前記コンピュータ装置が、前記複数のセンサのうちの特定のセンサを用いて未知粒子の識別処理が行われることを検出すると、前記データベースから、前記特定のセンサによる前記未知粒子の識別に利用可能な機械学習最適化パラメタを探索し、利用可能な機械学習最適化パラメタが存在する場合はそれに関連付けられた唯一識別子に関連付けられるセンサの物理的特性に基づいて、前記特定のセンサが行うべき前記未知粒子の測定条件をネットワークを介して通知し、前記特定のセンサの測定条件を調整させるように構成される
ことを特徴とする、システム。
本発明の実施形態が提供するセンサ、測定器、コンピュータ装置、またはシステムによって、多様な測定条件の下でも機械学習による識別が高精度で可能となる効果が得られる。
本発明の或る実施形態に係るシステムの概略図である。 本発明の或る実施形態に係るセンサの内部構造を示す模式図である。 本発明の或る実施形態に係るセンサの外観を描いた模式図である。 本発明の或る実施形態に係るセンサおよび測定器の接続構成を示す図である。 本発明の或る実施形態に係る測定用情報端末の構成を示す図である。 本発明の或る実施形態に係る管理用情報端末の構成を示す図である。 本発明の或る実施形態に係るサーバの構成を示す。 本発明の或る実施形態に係る物理的特性テーブルの例を示す。 本発明の或る実施形態に係るセンサモデルIDテーブルの例を示す。 本発明の或る実施形態に係る処理方法の第1段階の例を説明するフロー図である。 本発明の或る実施形態に係る処理方法の第2段階の例を説明するフロー図である。 粒子が細孔を通過する際の電極間に流れるイオン電流の過渡変化の一例を模式的に説明する図である。 本発明の或る実施形態に係る処理方法の第2段階の例を説明するフロー図である。 本発明の或る実施形態に係る測定条件テーブル(測定テーブル)の例を示す。 深層学習による機械学習モデルを例示する。 本発明の或る実施形態に係る機械学習最適化テーブルの例を示す。 本発明の或る実施形態に係る処理方法の第3段階の例を説明するフロー図である。 本発明の或る実施形態に係る処理方法の第3段階の例を説明するフロー図である。 本発明の或る実施形態に係る処理方法の第3段階の例を説明するフロー図である。 本発明の或る実施形態に係る、増幅手段およびA/D変換手段を有するセンサの例を描いた部分図である。 図20のセンサが有する半導体集積回路の例を示す。
はじめに、本発明の実施形態に係る処理方法の概要を示す。図1に本発明の一実施形態に係るシステムの概略図を示す。このシステムには、複数のセンサモジュール100、101、110と、測定器120と、測定用情報端末140と、管理用情報端末180と、サーバ160とが含まれる。サーバ160と測定用情報端末140と管理用情報端末180とはそれぞれ、ネットワーク199を介して接続できる。測定用情報端末140は測定器120に接続し、各センサモジュール(以下、単に「センサ」とも称する)から得られる測定データを受信できる。なお図1に限らず、本明細書中の図における方向、縮尺、接続や積層の順序はあくまで例示であって、本発明の効果が得られるかぎりにおいて必要に応じて自由に変更できることに留意されたい。
各センサモジュールは後述するように細孔を有し、電解液中の測定対象粒子がその細孔を通過する際のイオン電流の過渡変化を測定可能な構成となっている。その過渡変化は、細孔が有する物理的特性(細孔の径や形状、細孔に施される表面処理の特性など)と、粒子の物理的特性(粒子の径や形状など)には少なくとも依存することになる。別の実施形態では、過渡変化がさらにセンサのその他の物理的特性にも依存してよい。そうしたその他の物理的特性としてはたとえば、センサが有する隔壁の材料および形状、(複数の)チャンバの材料および形状、(複数の)電極の材料および形状、センサの静電容量、センサに充填される電解液の種類、濃度、および温度、ならびにセンサの製造履歴(センサの製造過程で掛けられた熱や圧力の履歴など)が挙げられる。
センサ(またはその細孔)には上述したような物理的特性の違い(多様性)があるため、仮に同一の粒子を複数種のセンサに掛けたとしても、得られる特徴量は異なってくる。本発明の実施形態では、このようなセンサの多様性を踏まえて、どのようなセンサでも学習させれば粒子の識別が適切に行えるという顕著な効果を奏する。
本発明の実施形態に係る粒子識別手法(処理方法)について説明する。まずこの処理方法の第1段階として、管理用情報端末180が各センサ100、101、110のセンサID(本明細書ではセンサの「唯一識別子」とも称し、各センサを一意に特定するための機能を有する識別子である)とセンサの物理的特性情報を、ネットワーク199を経由してサーバ160に送り、サーバ160が各々関連付けて記憶する。
管理用情報端末180は、(図示していないが)各センサモジュールまたは測定器120または測定用情報端末140に接続して上記の情報を得るようにしてもよいし、あるいはこのシステムのユーザーまたは管理者が何らかの入力手段により上記の情報を管理用情報端末180に与えるようにもできる。
たとえば各センサに付されたセンサIDを、管理用情報端末180に接続した読み取り手段(既知の光学的読み取り手段など)を介して読み取り、管理用情報端末180が接続する記憶手段に保存するようにしてもよい。あるいはセンサの提供者(販売者)が提供する、センサの物理的特性に関する情報を格納するデータベースに、管理用情報端末180またはサーバ160がネットワーク199を介して接続して、当該情報をダウンロードして記憶手段に保存してもよい。その際、センサの物理的特性に関する情報は、そのセンサに割り当てられるセンサIDに関連付けられているのが好ましい。
いずれにしても、センサIDとそれに関連付けられるセンサの物理的特性に関する情報とが、(たとえば管理用情報端末180またはネットワーク199を介して)サーバ160(に接続する記憶手段)に記憶されることになる。
そして当該処理方法の第2段階(機械学習における学習処理)として、センサ100が、種類が予めわかっている粒子(以下「既知粒子」という)の、細孔通過にともなうパルス波形を生成し、これを測定器120が増幅し、測定用情報端末140が波形の特徴量を抽出する。その後、センサ100のセンサIDと、既知粒子の種類を表す情報(以下「既知クラス情報」という)とが共にネットワーク199を経由してサーバ160に送られ、サーバ160はこれらの情報を記憶できる。
また、センサ101が上記既知粒子とは種類が異なる別の既知粒子のパルス波形を生成し、これを測定器120が増幅し、測定用情報端末140が波形の特徴量を抽出して、センサ101のセンサIDと、その粒子の既知クラス情報とを共にネットワーク199を経由してサーバ160に送り、サーバ160がこれらを記憶する。センサ100および101で測定した2種類の既知粒子の波形特徴量と既知クラス情報をもとに、サーバ160が機械学習最適化パラメタを計算し、これを記憶できる。
そしてこの機械学習は、対応するセンサIDに関連付けられたセンサの物理的特性に応じたものにできる。たとえば、機械学習における教師データとして、既知粒子の測定を行ったセンサの物理的特性を用いるようにもできる(すなわち、センサの物理的特性を使った学習を行う)。あるいは、機械学習最適化パラメタをセンサIDに関連付けて記憶手段に保存し、そのセンサIDを持つセンサに近い物理的特性を持つセンサでの未知粒子の測定に際して、その機械学習最適化パラメタを使用してもかまわない。
なおこの実施形態ではサーバ160が機械学習最適化パラメタを計算しているが、別の実施形態では別のコンピュータ装置(たとえば測定用情報端末140など)がその計算を行うようにして、その計算結果をサーバ160へ送信してもかまわない。
そして当該処理方法の第3段階(識別)として、センサ110が種類がわからない粒子(以下「未知粒子」ともいう)のパルス波形を生成し、これを測定器120が増幅し、測定用情報端末140が波形の特徴量を抽出する。センサ110のセンサIDと、未知粒子から得られた波形の特徴量とが共に、ネットワーク199を経由してサーバ160に送られる。サーバ160はその受信した特徴量と、センサ110の物理的特性情報と、上記第2段階で計算した機械学習最適化パラメタとに基づいて、その未知粒子の種類(以下「未知クラス」ともいう)を推定できる。この第3段階での推定においても、センサIDに関連付けられたセンサの物理的特性に応じた計算を行うことができる。
その推定結果は、サーバ160から測定用情報端末140に送信でき、たとえば測定用情報端末140が有する表示手段上にその推定結果を表示するようにしてもよい。
ここで、センサ100、101、110が有する物理的特性は、たとえ同一製品であったとしても、実際にはそれぞれ異なる場合がある。たとえば同じ構造であったとしても、その電気特性が若干違っていることがありえる。この実施形態では、各センサの物理的特性に関する情報をセンサIDと関連付けて、それを機械学習および/または未知クラスの推定に使用することで、センサの物理的特性、測定器の制御パラメタ、測定条件など、機械学習に影響を与える変数を適切に管理し、様々な粒子を、様々なセンサ、様々な測定器および様々な測定条件で、適切な機械学習および識別が可能になる。
さらに上述した構成によって、測定器120の有する特性、たとえば増幅器(アンプ)やデジタイザの特性を変化させても、最適な機械学習が可能になるという効果も得られる。
すなわち、図1に係るシステムなどの本発明の実施形態に係るシステムでは、多様なセンサや測定器を使用でき、多様な粒子の学習と識別が可能になるという効果を奏する。
なお図1において、センサ100、101、110と、測定器120を接続する点線は、これらのセンサが測定器120(または測定用情報端末140)に同時に接続されていてもよいし、あるいは処理ごとに別々に接続されてもよいことを表している。
次に本発明による処理の詳細を説明する。図2には、本発明の或る実施形態に係る、粒子識別用の例示的なセンサ200の内部構造を描いてある。ここでセンサ200は、図1におけるセンサ100、101、および110として使用可能なものである。
センサ200は、隔壁230で分けられる二つのチャンバ210および220を有する。チャンバ210および220はそれぞれ、電解液導入口211および221と、電極212および222とを有する。隔壁230には、シリコンウェハ241と、そのシリコンウェハ241上に成膜された薄膜(メンブレン)242を加工して成形される細孔290とが設けられる。
また図2に示すように電極212および222には、電源252、増幅器(アンプ)250、および電流計251を接続できる。これらの装置はたとえば、図1の測定器120などの計測器中に含まれていてもよい。あるいは別の実施形態では、センサがこれらの装置の一部または全部を含んでいてもかまわない。他の実施形態ではセンサの構造は図2に示したものには限定されず、電解液中の測定対象粒子が細孔を通過する際の、イオン電流の過渡変化を測定できる構成であれば、どのような構造をセンサが有していてもよい。たとえば細孔290の形状が、或る径を持つ円、或る長径および短径を持つ楕円、または或る辺長を持つ菱形であってもよいし、さらに別の形状であってもかまわない。なお図2に示す電源252の向きと電極212、222の正負はあくまで一例であって、別の実施形態では正負を逆に配置してもかまわない。
そしてチャンバ210および220には電解液を導入できる。その電解液中に粒子を入れて細孔290を通過させることで、イオン電流の過渡変化を電流計251(または電流計を含む測定器またはセンサ)によって検出できる。なお図2ではわかりやすさのため、電解液導入口211および221が離れているように描いているが、これらの導入口が近接している構造や、同一の導入口から成っている構造も採ることが可能である。
図3に、本発明の或る実施形態に係る例示的センサ300の外観を示す。センサ300は、上述したセンサとして使用可能である。センサ300は、直方体の形状をしており、その一つの面323上には、電解液導入口311と、センサID(唯一識別子)の提示手段390とを有している。この実施形態では、電解液導入口311から電解液を注入すれば、センサ300内部の複数のチャンバ(不図示)に電解液を充填できるようになっている。センサIDは各センサに固有の識別子であって、センサの製造者またはセンサの提供者(販売者)が付すのが管理上好ましい。別の実施形態ではユーザーがセンサIDを付すことも可能である。
またこの実施形態では、提示手段390は二次元バーコード(QRコード(登録商標))であり、読み取り手段(たとえばQRコード読み取り用ソフトウェアと撮像手段を有するスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末や、デスクトップPCなどの据置端末など)を使ってセンサIDを光学的に検出可能になっている。他の実施形態では提示手段390として、センサIDをたとえば光学的、視覚的、音響的、電磁的な技術により提示可能なものであれば任意の手段を使用でき、たとえば一次元もしくは三次元のバーコード、文字(数字や記号など)もしくは画像の印刷物、物理的な刻印、音声記憶・出力装置、磁気記憶・出力装置、電気記憶・出力装置(半導体メモリなど)、電磁波搬送手段(無線通信機器など)といったものを使用可能である。そうした提示手段からは、それぞれ対応する読み取り手段(たとえばバーコードスキャナー/リーダー、カメラ、集音マイク、電磁波受信用アンテナなど)を使ってセンサIDを検出できる。すなわち提示手段390は、センサ300の外部に露出している必要はなく、センサIDを何らかの技術により提示可能であるならばセンサ300の内部に格納されていてもよい。
たとえば或る実施形態では、センサ300とは別の材料に二次元バーコードを印刷または刻印し、この別の材料をセンサ300に貼り付けるようにしてもよい。また図20および図21に関して後述するように、半導体メモリに記憶したセンサIDを読み取り可能にする構成を採ってもよい。
また図3での電解液導入口311および提示手段390の位置および個数はあくまで一例であって、センサ300の機能を損わないかぎりにおいて任意の位置に任意の個数で配置できる。別の実施形態では、センサ300の形状は直方体に限られず、たとえば球、立方体、三角錐、円錐など任意の形状を採っていてもかまわない。たとえば上述した図1のセンサ100、101、110が、それぞれ異なるセンサIDを有してよく、そのセンサIDによって各センサを特定可能である。すなわち、図3に示すような本発明の実施形態に係る構成を採ることで、センサとセンサIDの関連付けが可能となる。
図4には、本発明の或る実施形態に係るセンサおよび測定器の接続構成を示す。図4では、図1に示したセンサ100、101、110を簡略化のためまとめて示してあり、これらが測定器120の入出力手段411(アナログ入出力など)を介して接続しているものとする。
図4の測定器120は、増幅手段420と、A/D変換手段430と、測定器(測定条件)制御手段450と、記憶手段460を有する。増幅手段420はオペアンプ421と、抵抗422と、帰還抵抗423を含んでよい。また測定器120は、入出力手段440(デジタル入出力など)を介して測定用情報端末(不図示)へと接続できる。別の実施形態では測定器が、それ以外の部品を有してもよいし、必要でない部品を省いていてもよい。
さてセンサからイオン電流の過渡変化(電流信号波形)がアナログ入力信号として入出力手段411を介して測定器120に与えられたとする。その入力信号は増幅手段420に入り、増幅されてA/D変換手段430に渡されてデジタル信号に変換され、入出力手段(I/O)440から測定用情報端末(不図示)へと送信できる。
測定器制御手段450は、測定器120に関する増幅とA/D変換に係る各種パラメタを制御できる。たとえば測定器制御手段450が、増幅手段420が有する帰還抵抗423の値を変化させることで、増幅手段420の増幅率や帯域を制御可能である。なお図4では帰還抵抗423が可変抵抗であるが、別の実施形態では異なる抵抗値の抵抗器を並列に配置しそれらを切り替えることで帰還抵抗値を変化させてもよいし、また他の方法で増幅率を変化させてもよい。
また測定器制御手段450が、A/D変換手段430のサンプリングレートを制御してもよい。別の実施形態では測定器制御手段450が、増幅手段420およびA/D変換手段430に関するその他任意のパラメタを制御してもよい。
また記憶手段460は、測定器120を一意に特定する測定器ID(各測定器を一意に識別するための機能を有する唯一識別子をいう)を記憶できる。測定器IDはたとえば、入出力手段440を経由して、測定用情報端末またはその他のコンピュータ装置が読み出し可能である。こうすることで、外部のコンピュータ装置が測定器120を一意に特定できるようになる。
別の実施形態では測定器の回路構成は図4の一例に限定されず、センサからの出力を受け、それを情報端末へと信号(デジタル信号など)として出力できるものであれば任意の回路構成を有していてよい。たとえば増幅手段とA/D変換手段とがそれぞれ別々の装置が有するものであって、それら複数の装置を接続した構成を、測定器が含んでいてもかまわない。あるいは別の実施形態として、増幅手段420がセンサ(たとえばセンサ100、101、110)に内蔵されていて、かつ測定器120がA/D変換手段430を含んでいてもよい。また別の実施形態では、増幅手段420およびA/D変換手段430の両方がセンサに内蔵され、当該センサから直接デジタル信号が出力されるような構成であってもよい。A/D変換手段430からの出力のデータ形式はどのようなものであってもよく、また入出力手段440のインタフェイスはシリアル形式であってもパラレル形式であってもよい。
図5には、本発明の或る実施形態に係る例示的な測定用情報端末140の構成を示す。図5の一例では、測定用情報端末140は、処理手段(プロセッサ)510と、主記憶手段(たとえば不揮発性のストレージ)520と、メモリ(揮発性メモリなど)530と、表示手段(視覚ディスプレイやスピーカーなど)540と、入出力手段550と、ネットワーク入出力手段560とを有する。入出力手段550には、上述したセンサまたは測定器からの出力であるデジタル信号を入力できる。入出力手段550にはたとえば、バーコードリーダなどの光学センサ552が接続できる。また入出力手段550には、キーボード553やマウスなどのような機械的入力手段が接続されてもよい。不揮発性のストレージの例としては、SSDやハードディスクが挙げられ、物理的に単独の装置でもよいし複数の装置群を組み合わせて使用してもよい。なお測定用情報端末140以外のコンピュータ装置も、測定用情報端末140と同様または類似のコンポーネントを有することができる。
処理手段510は、ストレージ520またはその他の外部記憶手段から、特徴量抽出手段511を読み出してメモリ530に配置し、実行できる。特徴量抽出手段511は、入力信号で表現される波形(センサから出力された、イオン電流の過渡変化を表す波形)の特徴量を抽出できるソフトウェア(プログラム)であってよい。
また測定用情報端末140は、ネットワーク入出力手段560により、ネットワーク(図1のネットワーク199など)を経由してサーバ(図1のサーバ160など)に接続できる。別の実施形態では、特徴量抽出手段がサーバ160などのサーバから読み出されるものであって、測定用情報端末140が実行してもよい。さらに別の実施形態では、測定用情報端末140は特徴量抽出は行わず、サーバ160などの別のコンピュータ装置が、測定用情報端末140からの出力を受け取り、特徴量抽出手段511を実行して特徴量を抽出するようにしてもよい。
図6には、本発明の或る実施形態に係る例示的な管理用情報端末180の構成を示し、図5に例示する測定用情報端末140と同様の構成であるので重複する説明は省略する。管理用情報端末180は、外部装置やネットワークと接続でき、キーボード653や光学センサ652、または外部記憶装置への接続651などを介することで、センサID(センサに関する唯一識別子)と、そのセンサの物理的特性に関する情報(センサの品番すなわちセンサモデルIDに関する情報も含んでよい)を取得できる。それらの情報はまた、ネットワーク入出力手段660とネットワーク(ネットワーク199など)を経由して、外部サーバ(サーバ160など)へと送信できる。このようにして管理用情報端末180は、粒子の識別に使われるセンサや測定器の情報を管理できる。なお本明細書では、「モデルID」とはmodel numberすなわち型番のことを指すと考えてもよい。
別の実施形態では、測定用情報端末140と管理用情報端末180がそれぞれ複数のコンピュータ装置を含んでいてもよい。さらに別の実施形態では、単一のコンピュータ装置が、測定用情報端末140と管理用情報端末180とを兼ねていてもかまわない。
図7には、本発明の或る実施形態に係る例示的なサーバ160の構成を示す。サーバ160は、処理手段(プロセッサ)710と、主記憶手段(ストレージ)730と、メモリ(揮発性メモリなど)720と、表示手段740と、ネットワーク入出力手段750とを有してよい。これらのコンポーネントは図5の測定用情報端末140のそれと同様であってよい。別の実施形態では、サーバ160が表示手段を持たないヘッドレスサーバであってもよい。
図7のストレージ730は、物理的特性テーブル731と、センサモデルIDテーブル732と、測定テーブル733と、機械学習最適化パラメタテーブル734とを格納できる。これらをプロセッサ710が読み出し、メモリ720に配置して使用可能である。なおこの例では簡単にするため「テーブル」のみで例示しているが、そうしたテーブルの機能は当該技術分野で使用される任意の種類のデータベース(SQLデータベースやMicrosoft Accessなど)によって実現できることに留意されたい。
物理的特性テーブル731およびセンサモデルIDテーブル732の例を図8および図9に各々示す。また、測定テーブル733および機械学習最適化テーブル734を図14および図16に各々示す(詳しくは後述する)。
図7の実施形態では、測定用情報端末140が特徴量抽出を行うのではなく、測定用情報端末140が波形を表す信号をサーバ160に送った上で、サーバ160が特徴量抽出手段712により特徴量を抽出し、学習器711が学習を行うことができる。別の実施形態では、測定用情報端末140などの他のコンピュータ装置から得られた特徴量を使って、サーバ160の学習器711が学習を行ってもよい。
(第1段階:センサの物理的特性に関するデータの準備)
図10と図8、9を参照しつつ、本発明の或る実施形態に係る上述の処理方法の第1段階を詳細に説明していく。はじめに管理用情報端末180が、上述したようにセンサ100、101、110の各々のセンサIDと、そのセンサの物理的特性に関する情報(センサモデルIDも含んでよい)を取得する。なおこの例では簡略化のため、同一のセンサモデルIDを持つセンサは同じ物理的特性を有すると仮定していることに留意されたい。そしてネットワーク入出力手段660が、各々のセンサID(またはセンサモデルID)と物理的特性情報を関連付けてネットワーク(ネットワーク199など)を経由してサーバ160に送る(ステップS1001)。
サーバ160は、センサIDとセンサモデルIDを関連付けてセンサモデルIDテーブル732に、またセンサモデルIDと物理的特性情報を関連付けて物理的特性テーブル731に各々記憶する(ステップS1002)。その後、フローは後述する図11のステップS1101へと続くことになる。
図8は、物理的特性テーブル731の一例である。物理的特性テーブル731は、センサモデルIDの列810と、それに対応するさまざまなセンサの物理的特性を表す情報の列820~880を有する。
図8の一例では、列820にはセンサが有する細孔290の直径、列830にはメンブレン(薄膜)242の厚さ、列840にはメンブレン242の材料、列850にはセンサ構造番号(たとえば図2のような構造情報を特定するための記号が含まれるが、これに限定されない)、列860には電極212および222の材料、列870にはセンサ静電容量(図8の例ではチャンバ210、220および細孔290に1倍PBS緩衝液(1mol%のリン酸緩衝生理食塩水)を導入した際の、電極212と222間の静電容量を示しているが、これに限定されない)、列880には細孔290の表面処理(たとえばプラズマによる表面改質、親水化材塗布や分子修飾など)、をそれぞれ表している。また各列には変数型と単位を特定する情報も含めることができ、たとえば列820での変数型・単位情報821では、変数型がint(整数)であり単位はnmであることがわかる。また列880での変数型・単位情報881からは、変数型がstring(文字列)であり単位は無いことがわかる。
図8の一例では、たとえばモデルID813のセンサ「X003001」は、細孔直径が300nm、メンブレン厚が50nm、メンブレン材料はSiN(窒化シリコン)、センサ構造は記号「B2」で表されるもの、電極材料がAg/AgCl(銀/塩化銀)、静電容量が29pF、細孔表面処理はdopamin(ドーパミン)によるもの、という物理的特性を持っていることが記憶されている。
図9は、センサモデルIDテーブル732の一例である。センサモデルIDテーブル732は、センサIDを表す列910と、センサモデルIDを表わす列920とを有するテーブルである。図9の一例では、たとえばセンサID911と、センサモデルID921が関連付けて記憶されている。図9の一例では、たとえばセンサID911~913が各々関連付けられたセンサは、各々同一のモデルID921~923すなわち「X001001」に対応している。これによって、センサID911~913が各々関連付けられたセンサは、すべて図8の行811で表される同じ物理的特性を有していることが表現されている。一方、センサID911~913が各々対応するセンサ「X001001」と、センサID914が対応するセンサ「X002001」とは、センサモデルIDが異なっており、センサID911~913に対応するセンサと、センサID914に対応するセンサは異なる物理的特性を有していることが表現されている。
上記のように、物理的特性テーブル731とセンサモデルIDテーブル732によって、サーバ160は各センサとその物理的特性の関連付けを保持できる。言い換えればこの構成は、センサIDとそのセンサの物理的特性とが、(センサモデルIDを介して間接的に)関連付けられるということを意味する。また別の実施形態では、センサモデルIDを使用せずに、センサIDと各センサの物理的特性とを直接関連付けることもできる。すなわち、センサの品番(センサモデルID)に頼らずに、センサモデルIDテーブルを使わず、各センサとセンサIDとその詳細な物理的特性とをセンサ物理的特性テーブルで直接に関連付けていてもよい。つまり、センサ物理的特性テーブルとセンサモデルIDテーブルを統合してもよいということである。
こうした特徴により、機械学習の前提条件となるセンサの物理的特性ごとに異なる機械学習最適化パラメタを適切に管理し、汎用性の高い機械学習粒子識別システムを実現できる。
なお、図8に示した物理的特性はあくまで一例であって、その他にセンサの性質や素性を表現する情報であれば任意に物理的特性に含めることができる。別の実施形態ではたとえば図2のシリコンウェハ241およびメンブレン242として使用するSiチップの、メーカ番号、工場番号、ロット番号、ウェハ上の座標情報、製造年月日、Siデバイス構造、ウェハ材料、洗浄工程等の製造プロセス情報、出荷基準、プロセスのばらつきに関する情報、試験結果なども、本明細書においてはセンサの物理的特性に関する情報であると考えてよい。また、センサの製造工程に関する情報、たとえばチャンバ210や220の構造、チャンバ壁面の材料、チャンバ壁面の表面処理、電極構造、電極材料、製造工程における温度履歴、品質基準、電解液を導入した際の静電容量、抵抗、インダクタンス、抜き取り検査による品質情報なども、本明細書においてはセンサの物理的特性に関する情報であると考えてよい。このようにセンサの製造に係る情報を記憶しておくことで、そのセンサを使った機械学習の性能評価と対比させ、センサの品質向上を実現することも可能である。
(第2段階:学習処理)
次に図11~16を参照しつつ、本発明の或る実施形態に係る処理方法の第2段階を詳解していく。
図11には、この第2段階に係る学習処理の前半を説明するフロー図を示した。まず、管理用情報端末180(または測定用情報端末140などの他のコンピュータ装置でもよい)の光学センサにより、センサが持つ提示手段からセンサIDを上述したように読み取って取得する(ステップS1101)。このときたとえばセンサに付された図3の二次元バーコード390を、管理用情報端末の光学センサ652(または測定用情報端末の光学センサ552などの他のセンサ)が読み取ることでセンサIDを取得してもよいし、また何らかの手段で読み取ったセンサIDをキーボード653(またはキーボード553などの他の入力手段)から入力してもよい。あるいは、半導体メモリを有し、そのセンサIDを電気的に読み取ることのできる構成を有するセンサモジュールから、測定用情報端末または管理用情報端末が電気的にセンサIDを電気的に読み取ってもよく、あるいは他の方法によってもよい。
次に、チャンバ210および220のいずれか一方または両方に、種類が既知である測定対象の粒子(すなわち既知粒子)を含む電解液を充填する(ステップ1102)。電解液の導入時には、任意の装置(カニューレ、ポンプ、スポイトなど)を使って電解液導入口へと注入できる。
そして、センサをたとえば図1や図4に例示したような態様で、測定器120を経由して測定用情報端末140に接続すると、測定器120が電極212と電極222の間に電圧を印加する(ステップS1103)。すると、電極212と電極222との間にイオン電流が流れる。
そして帯電した測定対象粒子が細孔290を通過する。このとき、細孔290付近の電解液が、通過する測定対象粒子で排斥されるので、その結果として粒子が細孔290を通過する毎に過渡的にイオン電流の減少が(たとえばパルス波形として)発生し、観測されることになる(ステップS1104)。
ここで図12に、粒子が細孔を通過する際の電極212と電極222との間に流れるイオン電流の過渡変化の一例を模式的に説明する。この例では、粒子1200が細孔1201を通過するものとする。イオン電流波形を示すグラフの縦軸はイオン電流値(Ion current)、横軸は経過時間(time)である。
まず第1の状態1210は、粒子1200が細孔1201を通過する前の状態である。このときのイオン電流波形1211は、定常値(コンスタント)になっている。
そして第2の状態1220は、粒子1200が細孔1201を通過している最中の状態である。このときのイオン電流波形1221は、細孔1201内のイオンが粒子1200によって排斥されることで、電流値が低下している。すなわち、パルス波形が得られる。
そして第3の状態1230は、粒子1200が細孔1201を通過した後の状態である。このときのイオン電流波形1231は、再び定常値(コンスタント)に戻る。このようにして過渡電流パルスが発生するので、それを測定器や測定用情報端末が観測できるというわけである。
話を図11に戻すと、ステップS1105にて、測定器120の増幅手段(アンプ)420が、前のステップS1104で観測された微小な電流信号を増幅する。増幅された信号はA/D変換手段430がデジタル信号に変換できる。上述したように図4の例では、測定器制御手段450が、信号の増幅およびデジタイズに係る各種パラメタを操作でき、それによって増幅手段420およびA/D変換器430を制御できる。これらの制御に関わるパラメタにはたとえば、増幅手段の増幅率、デジタイズのビット幅やサンプリングレートなどが含まれてよく、さらにこのほかの増幅およびデジタイズに係る任意の制御パラメタが含まれてもよい。
そして入出力手段(I/O)440が、A/D変換手段430の出力であるパルス波形データを測定用情報端末140に送る(ステップS1105)。或る実施形態ではさらに入出力手段(I/O)440から、測定器制御手段450が用いた上述した制御パラメタを、測定用情報端末140に送ってもよい。またさらに、測定器120を一意に特定するための測定器IDを、記憶手段460などから取得して、パルス波形データおよび制御パラメタとともに、測定用情報端末140へと送ってもよい。
次に測定用情報端末140が、受信したパルス波形データから、特徴量抽出手段511によって、機械学習に用いる(一種以上の)特徴量を抽出する(ステップS1106)。ここで抽出する特徴量としてはたとえば、パルス毎の波高、波幅、パルス面積、パルス波形の対称度(対称性を表すパラメタ)などが含まれてよく、さらにパルス波形の特徴を表現する任意の量を含めてもかまわない。別の実施形態では、特徴量の抽出を別のコンピュータ装置(サーバ160など)が行ってもよい。
次に、測定用情報端末140は、キーボード553、光学センサ552、またはI/O550などを経由して、ステップS1104で測定を行った既知粒子の種類を表す既知クラスに関する情報を受信し、記憶手段(ストレージ520やメモリ530など)に記憶できる(ステップS1107)。
そして測定用情報端末140は、キーボード53、光学センサ552、ネットワークI/O560などを経由して、ステップS1101~S1105の一部または全部における測定や増幅に係る測定条件情報を取得して、記憶手段(ストレージ520やメモリ530など)に記憶できる(ステップS1108)。そうした測定条件情報の例としては、測定に用いた電解液の種類、電解液の塩濃度、センサモジュールを測定器に装着する際に用いた治具の種類などが挙げられるが、これらに限定されない。また、測定条件情報には、上述した制御パラメタが含まれると考えてもよい。
また或る実施形態では、ステップS1105で使った測定器120のサンプリングレート、デジタイズ時のビット数、増幅手段が有する増幅回路の回路パラメタなどの制御パラメタ情報を取得する代わりに、ステップS1108にてキーボード553、光学センサ552、I/O551またはネットワークI/O560などを経由して、制御パラメタ情報を測定用情報端末140が取得して記憶手段に記憶してもよい。(すなわちステップS1108は任意付加ステップである。)
上述した測定条件は、測定されるパルス波形の形状に影響を持ちうるため、機械学習を行う際の前提条件として用いることが可能である。なお図11に示す例では、測定用情報端末140が既知クラス情報や測定条件情報をステップS1106の後に受け取るようになっているが、別の実施形態では、既知クラス情報や測定条件情報を、測定用情報端末140がいつの時点で受け取ってもよい。
そして測定用情報端末140は、ステップS1101で受信したセンサのセンサID、ステップS1106で抽出(計算)した特徴量、ステップS1105で受け取った制御パラメタ、ステップS1107で受信した既知クラス、ステップS1108で受け取った測定条件のうちの少なくとも一部を、ネットワーク入出力(送受信)手段560から、ネットワーク(ネットワーク199など)を経由してサーバ160に送る(ステップS1109)。その後、フローは後述する図13のステップS1301へと続くことになる。
図13には、この第2段階に係る学習処理の後半を説明するためのフロー図を示している。まずサーバ160が、ステップS1109で測定用情報端末140から送られたセンサのセンサID、特徴量、制御パラメタ、既知クラス、および測定条件のうちの少なくとも一部を受信し、記憶手段(ストレージ730やメモリ720など)に格納する(ステップS1301)。
この例では、簡略化のために機械学習の目的がA1、A2、およびA3の3種類のなかのどれかを識別することであるとする。この場合サーバ160は、学習対象の既知粒子の学習が終わるまで(つまりこの例ではA1、A2、およびA3のすべてについて)、ステップS1101からS1301までを繰り返し実施させる。そして各々の既知粒子について、測定したセンサID、特徴量、測定条件、制御パラメタ、および既知クラスのうちの少なくとも一部をサーバ160は受信する(ステップS1302)。
次に、プロセッサ(処理手段)710が、受信したすべてのセンサIDをキーとして、センサモデルIDテーブル732を検索する(ステップS1303)。これにより、ステップS1301で受信した特徴量などの情報が、どのような物理的特性を有するセンサによって測定されたものかを特定できる。
次にサーバ160は、粒子A1~A3の測定のすべてについて、センサモデルID、測定条件、および制御パラメタが一致するかどうかを判断する(ステップS1304)。もしすべてが一致した場合にはステップS1305に進み、一致しない場合はステップS1308に進む。
ステップS1305では、サーバ160のプロセッサ710が測定テーブル733に、ステップS1303で一致したと判断された測定条件、制御パラメタ、およびセンサモデルIDを、測定IDと関連付けて記憶できる。なおここでいう「測定ID」とは、各測定への唯一識別子であって、各測定を一意に特定できる機能を有する。また上記で測定IDと関連付ける情報の組はあくまで一例であって、上述したようなその他の情報の組を測定IDと関連付けることも可能である。
すなわちこの実施形態では、こうした測定IDによってパルス波形、すなわち機械学習最適化パラメタに影響を与える諸条件の組を特定できる。
ここで図14に、本発明の実施形態に係る例示的な測定条件テーブル733を示す。測定テーブル733は、列1400に測定IDを行1401、1402、1403、1404、…のそれぞれに対して格納できる。そしてこれらの測定IDとそれぞれ関連付けて記憶する測定条件としては、列1410~1490に示す情報が挙げられる。図示しているように各列には、string、float(浮動小数点数)、intなどの変数型と、数量の単位を定義する情報も含められる。
列1410には測定する既知粒子の種類を表す情報、列1420にはセンサID、列1430には緩衝液(電解液)の種類、列1440には緩衝液の濃度(この例では1X溶液の希釈率で示してある)、列1450には測定器モデル番号、列1460にはセンサと測定器を接続する治具のモデル番号、列1470には測定器でパルス波形をデジタイズする際のビット幅、列1480にはアンプの増幅率、列1490にはパルス波形のサンプリングレートが、それぞれ格納されている。
なお図14で示したこれらの情報はあくまで一例であって任意に追加・変更ができる。たとえば列1450の測定器モデル番号に代えて、上述した測定器IDを使ってもかまわない。
図14の一例では、行1401に格納されている測定ID「235071」により特定される測定は、A1、A2、およびA3という3種類の既知粒子の測定はすべて、「X001001」というセンサモデルIDを有するセンサを用い、0.5倍希釈のPBS(リン酸緩衝生理食塩水)に識別対象粒子を導入し、センサを型番「BC-1」の治具を経由して型番「AT-1000」の測定器に接続して測定し、増幅率10^8倍(10の8乗倍)に増幅したアナログ信号を、サンプリングレート250KHz、ビット幅12ビットでデジタイズすることで、パルス波形情報を生成したことを示している。このような構成により、条件を揃えた教師データの取得が容易となる効果が得られる。
なお図14では、行1404に格納されている情報は、行1401と比べると測定IDが違い、かつ既知クラスが空欄になっていることが異なる。これは測定ID「235074」として行われる測定が未了であって、かつ測定ID「235071」と同条件で行われることを表している。
或る実施形態では、測定ID「235071」を行ったセンサと測定ID「235074」を行うセンサが同じ型番であってかつ物理的には別個体である場合には、測定ID「235074」を行うセンサ(の利用者)に対し、測定ID「235071」が用いた測定条件などの情報(すなわち行1401に格納された情報の少なくとも一部)を通知することが可能である。
たとえば、測定ID「235074」を行うセンサの利用者が持つ情報端末(測定用情報端末でもよいし、その他の端末でもかまわない)へと、サーバ160から測定テーブル733に基づいて測定条件などの情報を送信し、その情報端末の利用者へと(表示手段を介するなどして)通知できる。
別の実施形態では、或る測定器IDで特定される測定器を持つ利用者から、或る既知クラスに属する粒子の測定を行いたいというリクエストをサーバ160に送ることができる。この場合サーバ160は測定テーブル733に基づいて過去の測定結果を検索し、その既知クラスに属する粒子の測定を行った実績についての情報を得て、適切な測定条件とセンサモデルIDを、その利用者へと通知することができる。また当然のことながら、それ以外の情報をサーバ160から利用者へと通知することもでき、たとえば、粒子の識別に利用可能な機械学習最適化パラメタや測定器制御パラメタといった情報を通知できる。換言すればサーバ160は、粒子の識別に利用可能な何らかの情報を、その粒子の識別を行う利用者に対して適切に提供可能ということである。あるいは別の実施形態では、そのように通知された情報に基づいて、センサ、測定器、測定用情報端末、および管理用情報端末の一部または全部の構成をハードウェア的もしくはソフトウェア的に編集することで、そのセンサおよび/または測定器の測定条件が自動的に調整されるようになっていてもよい。
上述した構成により、既知粒子の測定(学習)のための測定条件を利用者に通知することで、その利用者が確実に学習を行えるようになる効果が奏されるし、さらには既知粒子の測定のためのアンプやデジタイザの設定を自動で行えるという効果も得られる。
さて図13に話を戻すと、サーバ160の学習器711が、S1301で受信した特徴量を学習データ、既知クラス情報を教師データとして学習できる(ステップS1306)。ここでいう学習(機械学習)とは、学習器711の有する機械学習モデルの出力結果が、ステップS1301で受信した既知クラスとなる確率が最も高くなる、機械学習パラメタを最適化する処理のことである。このように最適化されたパラメタのことを、「機械学習最適化パラメタ」ともいう。学習器711は、与えられた特徴量と教師データから、機械学習最適化パラメタを計算するためのソフトウェア手段である。学習器711に用いられるアルゴリズムはたとえば、深層学習、回帰、決定木、k近傍法、サポートベクターマシンなど、どのようなものであってもよい。
図15には、本発明の原理を説明するために、深層学習による機械学習モデルを例示する。図15の例では、入力層l=1への学習データxの入力に対して、出力値l=Lにおける本モデルの出力yと教師データtより定義される誤差関数E(w)を最小化するように、
Figure 0007315257000001
の各パラメタを最適化する。ここでf(l)は、各層の活性化関数であり、たとえば伝達係数
Figure 0007315257000002
の他に活性化関数の有するパラメタ等、機械学習モデルの有する他のパラメタを最適化の対象としてよい。別の実施形態では、深層学習以外の任意の機械学習モデルを使用できる。
そしてプロセッサ710は、測定IDに関連付けて、機械学習最適化パラメタと既知クラス情報を機械学習最適化パラメタテーブル734に保存できる(ステップS1307)。その後、フローは後述する図17のステップS1701へと続くことになる。
図16には、機械学習最適化テーブル734の一例を示す。図16では、列1610に測定ID1610が格納され、列1620、1630、1640、…にその測定IDに関連付けられて機械学習パラメタ
Figure 0007315257000003
の各要素を格納できる。なお図16では
Figure 0007315257000004
の伝達係数だけを例示してあるが、たとえば図15の例では第1層(l=1)については
Figure 0007315257000005
個の伝達係数、第2層(l=2)については
Figure 0007315257000006
個の伝達係数、そして第L層については
Figure 0007315257000007
個の伝達係数があることが理解できるだろう。図16の例では行1611に、測定ID「235071」に関連付けて、特徴量および既知クラスより計算された機械学習最適化パラメタが格納されている。以上が本実施形態における学習処理例の詳細である。
なおステップS1304において、A1~A3の測定においてセンサモデルID、測定条件、制御パラメタのいずれかに不一致が検出された場合には、サーバ160は不一致となったセンサモデルID、測定条件、制御パラメタを測定用情報端末140に送信できる(ステップS1308)。測定用情報端末では、表示手段を介してなどしてこれらの情報を利用者へ提示でき、それによって条件を揃えた測定を利用者に促せる効果が得られる。そしてフローを図11のステップS1101へと戻すことができる。
別の実施形態では、センサモデルIDテーブル732と物理的特性テーブル731が統合されていて、センサモデルIDの代わりにセンサIDを使って直接関連付けを行うこともできる。この場合、各センサIDに関連付けられる情報同士の類似度を(たとえばサーバ160のプロセッサ710が)算出しておき、或る測定IDに関連付けられる情報に対して類似度が高い情報をセマンティック検索して、上述したように利用者などへ提示することもできる。
なお上記の例では3種の既知粒子のなかから1種を識別するための教師あり学習を例にとって説明したが、既知粒子の種類数はいくつでもよい。また別の実施形態では、クラスタリングのような教師なし学習を実施してもよい。
(第3段階:識別)
次に図17~19を参照しつつ、本発明の或る実施形態に係る処理方法の第3段階である識別について説明していく。或る実施形態では、既知粒子から取得する学習用波形と、未知粒子から取得する識別用波形は、その測定条件が同じであることが、識別精度の向上に鑑みて好ましい。たとえば、種類Pの粒子が種類Mのセンサの細孔を通過する学習用波形と、種類Pの別の粒子が種類Nのセンサの細孔を通過することによる識別用波形とでは、センサの違いにより異なる特徴を生じうる。このような状況では、センサMの波形から導かれた機械学習最適化パラメタは、センサNで取得した識別用波形を正しく識別する能力を持たないおそれがある。
本発明の実施形態ではたとえば以下の2種の方法によって、上記の課題を解決できる。すなわちその第1の方法では、学習用波形の測定時のセンサの物理的特性、増幅手段やデジタイザの特性など測定波形に影響を与えるさまざまな条件(に関する情報)をサーバ160で記憶しておき、識別のための測定に先立ってこの情報を測定用情報端末140やさらに測定器120に送ることで、学習時と同じ条件での測定を行う。
また第2の方法は、学習用波形の測定時のセンサの物理的特性、増幅手段やデジタイザの特性など測定波形に影響を与える条件(に関する情報)を、サーバ160における学習時に、波形特徴量とともに教師データとして学習させる方法である。
またこれら2種の方法以外にも、本明細書の教示するところに応じて、さらなる変形例を実施できる。例えば、教師データの特徴量と教師ラベルで学習させた機械学習最適化パラメタと、その教師ラベルと、センサの物理的特性、測定器制御パラメタ、またはその他測定条件のうちの一種以上とを、関連付けて識別に用いるようにしてもよい。
(識別:第1の方法)
以下では、図17のフロー図を用いて、上記第1の方法を説明する。識別対象(検体)である未知粒子が属する可能性のあるクラスのことを「識別対象クラス」と呼ぶ。上の例ではA1~A3の3種が識別対象クラスになる。別の実施形態では識別対象クラスの種類数はいくつでもよく、また識別対象試料に含まれる粒子は複数のクラスに属する粒子を含んでいてもよい。
識別対象である未知粒子から識別用波形を得るに先立って、まず測定用情報端末140が、識別対象クラス情報を得る(ステップS1701)。識別対象クラス情報は、キーボード553より入力してもよいし、またはネットワークI/O560を経由してサーバ160より取得してもよいし、または情報端末140のストレージ520に記憶されていてもよい。つまり測定用情報端末140は、検体がA1、A2、およびA3の3種類のうちの1種であるかどうかを識別するために、ステップS1701でこれら3種の識別対象クラス情報を得るわけである。
次に測定用情報端末140は、識別用波形の測定に用いるセンサ110のセンサIDを、たとえば光学センサ552でセンサ110が有する提示手段を走査するなどして得る(ステップS1702)。センサIDは、センサ110から測定器120とI/O550を経由して取得してもよい。なおここでの説明は、教師あり学習を前提としているが、別の実施形態ではクラスタリング等の教師なし学習を用いてよい。教師なし学習を用いる場合は、ステップS1701は無くてよい。
次に、測定用情報端末140はS1701で得た識別対象クラス情報とS1702で得たセンサIDを、ネットワーク199などのネットワークを介して、サーバ160に送る(ステップS1703)。
この情報を受け取ったサーバ160は、受け取ったセンサIDをキーとしてセンサモデルIDテーブル732を検索し、ステップS1702で得た識別用波形を取得するセンサ110のセンサモデルIDを得る(ステップS1704)。
さらにサーバ160は、ステップS1703で送られた識別対象クラス情報とステップS1704で検索されたセンサモデルIDのいずれかまたは双方を使って、測定テーブル733を検索し(ステップS1705)、センサ110と同じ種類のセンサを用いて、機械学習最適化パラメタを計算した測定があるか否かを確認できる(ステップS1706)。
たとえば図14の測定テーブル733を用いたとした場合、当該識別対象クラス情報と一致する既知クラス(A1、A2、およびA3)を有する行1401を検索でき、それに対応するセンサモデルID「X001001」を取得できることになる。
あるいは、未知粒子の測定に用いるセンサ110と同じセンサモデルIDを持つセンサでの測定があるかを検索し、対応する情報を得ることもできる。あるいはセンサモデルIDと既知クラスがどちらも一致する測定を検索することもできる。他の実施形態では検索キーに別の情報を使ってもよいことも、本明細書の開示内容から理解できるだろう。
さて検索に成功し、対応する情報が得られた場合、ステップS1706からステップS1707に進む。そしてサーバ160が検索して得た、測定テーブル733において測定IDに関連付けられる情報(測定条件および制御パラメタなど)を、測定用情報端末140に送信できる。
そして測定用情報端末140はこの情報を受信すると、たとえば緩衝液の種類や濃度、利用すべき測定装置のモデル、センサを測定器に接続する治具などのような、測定者が制御すべき条件を表示装置540に表示し、測定者に通知できる(ステップS1408)。
あるいは別の実施形態では、通知されるそれらの情報に基づいて、センサ、測定器、測定用情報端末、および管理用情報端末の一部または全部の構成をハードウェア的もしくはソフトウェア的に編集することによって、そのセンサに関する測定条件が自動的に調整されるようになっていてもよい。
つまり上記のいずれの実施形態によっても、測定条件などの情報を、サーバ160から実際にセンサを使用する測定者または測定のための装置へとフィードバックできるため、未知粒子の識別を高精度で確実に行えるようになる効果が得られるわけである。
さらに測定用情報端末140は、ステップS1707でサーバより送られた制御パラメタを測定器120に送ってもよい。この情報を受け取った測定器120が有する測定器制御手段450は、増幅手段420およびA/D変換手段430に係る、たとえば増幅率やサンプリングレート等の条件を、受け取った値に基づいて設定できる(ステップS1709)。
たとえばA/D変換手段430を、図14の行のデータ1471および1491が示すデジタイズビット幅およびサンプリングレートの値に設定し、かつ増幅手段420をデータ1481が示す増幅率に設定できる。上述したとおり制御パラメタはこれらには限定されず、増幅手段やA/D変換手段の特性を変化させるものであれば何でもよい。
別の実施形態では、測定器120を使用する利用者が有する端末に対して、増幅率やサンプリングレート等の条件を通知して、利用者に測定器120の調整を促すようにしてもよい。
すなわち、通知されるそれらの情報に基づいて、センサ、測定器、測定用情報端末、および管理用情報端末の一部または全部の構成をハードウェア的もしくはソフトウェア的に編集することによって、その測定器に関する測定条件が自動的に調整されるようになっていてもよい。
つまり上記のいずれの実施形態によっても、測定条件などの情報を、サーバ160から実際に測定器を使用する測定者または測定器へとフィードバックできるため、測定器の設定を効率的に行うことができ、未知粒子の識別を高精度で確実に行えるようになる効果が得られる。
その後、フローは後述する図18のステップS1801へと進む。
図18には、識別対象検体の測定に関するフローを示す。ステップS1708で得られた測定条件に基づいて、未知粒子を含む電解液(以下、単に「試料」とも略記する)を調製できる(ステップS1801)。この調製は、測定用情報端末140などのコンピュータ装置に表示された情報に基づいて利用者が行ってもよいし、あるいは自動的に調製用装置が行ってもかまわない。
そして試料を、利用者によってかまたは何らかの装置により自動的に、センサ110に導入する(ステップS1802)。
センサ110を測定器120を介して測定用情報端末140に接続する。そしてセンサ110内の、電解液が接している電極間に、電圧を印加する(ステップS1803)。
すると試料中の未知粒子がセンサ110の細孔を通過する毎に、電極間に電流の過渡変化によるパルスが生じる(ステップS1804)。
そのパルス波形を増幅手段420が増幅し、さらにA/D変換手段430がデジタル信号に変換した上、測定用情報端末140へと送る(ステップS1805)。ここで取得するパルス波形は1つでも複数個でもよい。一般的には、取得するパルス波形が多いほど粒子の識別精度を高くできる。
そして測定用情報端末140の特徴量抽出手段511が、ステップS1805で受け取った各パルス波形より特徴量を抽出し、ネットワーク199などのネットワークを介してサーバ160に送る(ステップS1807)。もちろん上述したところと同様に、特徴量の抽出を行うコンピュータ装置は任意に選択できることは言うまでもない。その後、フローは後述する図19のステップS1901へと進む。
図19には、未知粒子の識別に関するフローを示す。まずサーバ160は、未知粒子によるパルス波形データの特徴量を受け取る(ステップS1901)。ここで説明する一例では、この未知粒子がA1、A2、またはA3のどれに属するかを判断するものとする。
上記ステップS1705において、サーバ160は既に、センサ110を使って未知粒子がA1、A2またはA3のいずれであるかを識別するために必要な測定ID1401を特定している。したがってサーバ160は、この特定した測定IDを検索キーとして、機械学習最適化テーブル734を検索することで、この測定IDに関連付けられた測定条件および制御パラメタを前提として最適化された機械学習最適化パラメタを検索する(ステップS1902)。図16に示した機械学習最適化テーブル734を用いる場合は、行1611にある全パラメタが検索結果としてヒットすることになる。
次に、サーバ160の学習器711が、ステップS1902で得られたパラメタを代入した機械学習モデル(例えば図15の深層機械学習モデル)に対して、ステップS1901で得た特徴量を入力する。そしてこの機械学習モデルからの出力として、この未知粒子が属する確率が最大になる(最も確からしい)クラスを計算する(ステップS1903)。
サーバ160は上記計算結果を、解答(識別結果)として測定用情報端末140に送る。測定用情報端末140はその識別結果を表示手段540などに表示できる(ステップS1904)。これで一連の識別処理は完了する。
ここで図17に戻り、ステップS1706における測定テーブルの検索において、センサモデルIDまたは既知クラス情報に一致するレコードが検索できない場合を考える。フローはステップS1710に進み、一致する既知クラス情報があるかを判断する。
一致する既知クラス情報があった場合、それは識別対象検体を識別可能な学習済の最適化パラメタは存在しているものの、その学習に用いられたデータが異なる種類のセンサで測定されたものであることを意味する。したがってこの場合、サーバ160はステップS1705で検索されたセンサモデルIDを、測定用情報端末140へと送る(ステップS1711)。
そして測定用情報端末140は、未知粒子を測定するために使うことのできるセンサモデルIDを表示手段540を介して提示できる(ステップS1712)。すなわち利用者(測定者)は、このセンサモデルIDに関する情報に基づいて、未知粒子が既知クラス粒子A1、A2、およびA3のどれに相当するかを識別するための機械学習最適化パラメタを、未知粒子の識別のために利用できるセンサを選択可能となる。ステップS1704で複数のセンサモデルIDが検索された場合には、ステップS1712で複数のセンサモデルIDを表示してもよい。
別の実施形態では、このセンサモデルIDに関する情報に基づいて、センサ、測定器、測定用情報端末、および管理用情報端末の一部または全部の構成をハードウェア的もしくはソフトウェア的に編集することによって、適切なセンサ(センサモデルIDに対応するセンサ)が自動的に選択、設定、準備されるようになっていてもよい。
つまり上記のいずれの実施形態によっても、未知粒子の測定に適切なセンサに関する情報を、サーバ160から測定者またはそれが用いる装置へとフィードバックできるため、センサの選択・設定を適切に行うことができる。
また、ステップS1710で一致する既知クラスが無かった場合は、サーバ160には、当該未知粒子が粒子A1、A2、およびA3のどれであるかを識別するための機械学習最適化パラメタが保存されていないことを意味する。
この場合サーバ160は、検索結果が無いことを測定用情報端末140に通知できる。測定用情報端末140は、表示手段540を介して「識別に必要な機械学習モデルが無い」旨を測定者へ通達できる(ステップS1713)。測定者はそれに応じ、当該識別処理の第2段階の学習(ステップS1101)に戻って学習処理を行ってもよいし、あるいは識別を中止してもよい。
別の実施形態では、未知粒子の識別に必要な機械学習モデルが無いことに基づいて、センサ、測定器、測定用情報端末、および管理用情報端末の一部または全部の構成をハードウェア的もしくはソフトウェア的に編集することによって、適切な学習処理が自動的に実行されるようになっていてもよい。
以上説明した本発明の実施形態に係る第1の識別方法によれば、既知粒子による学習のための測定と、未知粒子による識別のための測定において、センサ物理的特性情報、測定器制御パラメタ、測定条件などを一致させることで、高精度な識別を確実に行えるという効果を奏する。これは、図11のフローにおいて取得できる学習用のパルス波形の特徴量は、それらのパルス波形取得の際の測定条件や測定器パラメタによって変化しうるため、学習時(S1307)と識別時(S1903)の測定条件と測定器パラメタを合わせておくのが好ましいからである。或る実施形態では、こうした識別方法を含む識別処理を実行するためのサーバ、システム、情報端末、測定器、およびセンサを提供できる。
当該実施形態に係るシステム等によって、学習と識別において異なる物理的特性のセンサを用いることができるため、粒子識別の応用範囲が飛躍的に拡がる。同様に、学習と識別において異なる測定条件や異なる測定器制御パラメタを用いても、正しく識別が可能になるという効果も奏する。
なお上記の例では、既知クラスを粒子1種類をあらわす情報を例にとり説明した。別の実施形態では、既知クラスは複数種類の粒子の集合をあらわすラベルであってもよいし、またこれら複数種類の粒子の一部は既知であっても未知であってもよい。すなわち、既知クラス情報は、素性のわからない粒子の集合を表すラベルであってもよい。
(識別:第2の方法)
本発明の或る実施形態に係る第2の方法は、概ね第1の方法と共通するが、以下が相違する。すなわち第2の方法では、パルス波形より抽出した特徴量(波形特徴量)だけでなく、ステップS1301でサーバが記憶した情報(物理的特性、測定条件、測定器制御パラメタなど)の一部または全部も、特徴量として扱う。そしてこれらの特徴量で学習器711に学習させる。
そして未知粒子の識別においても、パルス波形より抽出した波形特徴量に加えてさらに、学習時に特徴量として学習させた情報(物理的特性、測定条件、測定器制御パラメタなど)を、学習済の機械学習モデルに入力する。これにより、学習の際に用いたセンサの物理的特性、測定条件、測定器制御パラメタの一部または全部が、識別の際のこれらと異なっていたとしても、学習済の機械学習モデルは正しい結果を出力できるようになる。
たとえば未知粒子が、粒子A1、A2、およびA3の3種類のどれか一つであると識別する場合を考える。そして細孔の直径(すなわち細孔の物理的特性の一種)がそれぞれ100nm径、150nm径、および200nm径である3種類のセンサを使い、粒子A1を測定してパルス波形を取得し、3セットの波形特徴量群が得られたとする。
すると学習時には、細孔100nm径のセンサで取得した波形特徴量群に加えて、細孔の直径が100nmであるという情報も特徴量とし、A1を教師ラベルとして学習させることができる。細孔150nm径、200nm径のセンサについても同様に波形特徴量と細孔径を併せて特徴量とし、A1を教師ラベルとして学習させる。A2、A3についても同様の学習を行える。
このようにして学習させた機械学習モデルを使って、未知粒子の識別を行うときには、波形特徴量に加えて識別時に使用センサの細孔径も入力する。
上記の第1の方法では、学習と未知粒子識別におけるセンサの物理的特性、測定条件、測定器制御パラメタが一致していないと識別ができないという制約があったが、この第2の方法ではその制約には囚われない。たとえば、上記のように細孔径100nm、150nm、および200nmのセンサで学習させた後に、細孔径120nmのセンサで未知粒子を測定したとしても、第2の方法では識別可能である。
(コンポーネントのパーティショニング)
本発明の実施形態に係るシステムにおいては、上記ではセンサ、測定器、測定用情報端末、管理用情報端末、およびサーバがそれぞれ独立した装置であるように記載してきたが、それらの装置が担う機能(手段、コンポーネント)は任意の装置(群)へと任意に振り分けることができる。こうした振り分けのことを「パーティショニング」とも呼ぶ。
たとえば特徴量抽出手段は、測定用情報端末140が有していてもよいし、あるいはサーバ160が有していて測定用情報端末140はパルス波形情報を直接サーバ160に送るようにしてもかまわない。さらに別の実施形態では、特徴量抽出手段を測定器120が有してもよいし、あるいはセンサ100、101、および110のいずれかまたは全部が有していてもよい。
また別の実施形態では、増幅手段をセンサが有していてもよい。
典型的には、こうした機能(手段)の所在が、サーバ(図1のサーバなど)の近くになるほど情報処理の自由度が高くなり、また一方で、センサ(図1のセンサなど)の近くになるほどコストを下げることができる。
図20には、本発明の或る実施形態に係るセンサであって、増幅手段およびA/D変換手段を有するものを描いてある。図20は、そのセンサが有するシリコンウェハ2000を拡大した部分図である。
側方断面図である図20(a)では、シリコンウェハ2000の有する一方の面(図中では下面)に、薄膜(メンブレン)2020が配置され、その中心に細孔2009が開けられている。シリコンウェハ2000を貫通している細孔2009の輪郭は、点2001と点2002を結ぶ斜面として定められている。薄膜2020上には、半導体集積回路(チップ)2010と、その封止材2030とが配置されている。この半導体集積回路2010が、本発明の実施形態に係る前述の機能の少なくとも一部を提供できる。半導体集積回路2010の個数はこの図の例示には限定されず、任意の個数を使用できる。封止材2030は、半導体集積回路2010を保護する役目を有し、例えば電解液による腐食などから保護できる。
図20(b)は図20(a)の下方から見た図であって、図中の点線は薄膜2020の背後にあって直接見えないことを表している。またわかりやすくするために、半導体集積回路2010と封止材2030の図示は省略してある。複数の電極パッド2011(この例では図中同形の四角はすべて電極パッドである)が半導体集積回路2010に配置されている。この電極パッド2011によって、半導体集積回路2010の設置のための手段、半導体集積回路2010への電源供給、アナログ信号の入力、デジタル信号の出力、メモリに記憶したセンサIDの読み出しなどを行うことができる。電極パッド2011の個数はこの図の例示には限定されず、任意の個数を使用できる。
このような構成を例えば図2に示したような流路を構成するセンサモジュールに実装することで、電極パッドから流路電極(すなわち図2の電極212および222)への配線を、センサモジュール自体が提供できることになる。同様の手法により、本明細書の開示するところに従って、任意のパーティショニングが可能になることが理解できるだろう。
図21は、半導体集積回路2010に、増幅手段2120、A/D変換手段2130、I/O2140、測定パラメタ制御手段2150、および記憶手段2160を含めた例である。すなわちこの半導体集積回路2010は、図4の測定器とほぼ同様の機能を有することになり、センサと測定器を兼ねる装置を提供できる。たとえば記憶手段2160は、このセンサモジュールに係るセンサIDを保存できる。
別の実施形態では、半導体集積回路2010が少なくともセンサID記憶手段およびI/Oを有し、かつ増幅手段、A/D変換手段、および測定パラメタ制御手段の一部または全部を有していてよい。
(ネットワークを利用する粒子識別処理サービスの提供)
上述したように本発明の実施形態を行うにあたってはパーティショニングを考慮できる。このため、粒子識別処理サービスの提供者(プロバイダ)と利用者(ユーザー)がそれぞれ、機能(手段)の一部ずつを所有するようにして、本発明の実施形態を実施可能である。
たとえば図1のシステムを実施する場合において、提供者がサーバ160を有し、利用者がセンサ100、101、110と、測定器120と、測定用情報端末140と、管理用情報端末180と有しているとする。利用者は提供者から当該センサと測定器を購入でき、その際に提供者は当該利用者を識別するためのユーザーIDと、提供したセンサのセンサIDおよび測定器の測定器IDとを関連付けて、例えばサーバ160の有するデータベース(テーブル)に保存できる。
提供者はそのデータベースに基づき、ネットワーク199を介して、測定用情報端末140や管理用情報端末180にファームウェアやミドルウェア、またはそれらのアップデートファイルなどを提供できる。こうすることで、提供者は本実施形態に係るシステム全体の整合性を維持でき、利用者の利便、セキリュティ向上を図ることができる。
また利用者は、測定したい粒子についてのデータをネットワーク199を介してサーバ160へ送信(入力)できる。そうした入力は例えば、ユーザーIDによりログインできる管理用webページを介して行える。利用者は法人であっても個人であってもよい。また法人利用者(法人ユーザー)には、その法人利用者に関連づけられた複数名の法人所属利用者(その法人の従業員や業務関係者などの、その法人の業務に関して守秘義務を有する者)を設定してもよい。そうすることで、或る一つの法人(企業、研究所、大学など)に所属もしくは業務上関係する複数の利用者から提供されるデータをサーバ160に集積可能になる。したがってその法人に関連づけられた或る利用者は、守秘義務を遵守しつつも、自身以外のその法人の従業員や関係者が得たデータを利用しやすくなり、適切な機械学習最適化パラメタなどのデータセットを入手しやすくなるという効果が得られる。すなわち、前述した第1の識別方法では識別できないという場合を劇的に減らすことができる。あるいは、前述の第2の識別方法を採る場合でも、より適切な機械学習モデルの生成が可能になる。
或る実施形態では提供者が、複数の利用者をそれぞれ固有のユーザーID(各利用者を一意に識別するための唯一識別子)で管理できる。
たとえば、第1の利用者がセンサ100を、第2の利用者がセンサ101を、第3の利用者がセンサ110をそれぞれ使用し、かつそれぞれの利用者が測定器120および測定用情報端末140を有していてもよい。そして第3の利用者が上述したようにセンサ110により未知粒子の識別を行おうとする際に、提供者の有するサーバ160へその旨が入力/通知されると、第1の利用者および/または第2の利用者が行った測定結果により(たとえばサーバ160の学習器711が)学習できる。そして第3の利用者が未知粒子の測定を行うと、迅速にその識別結果をサーバ160から得ることができる。
上述のような構成を採ることで、ネットワークを跨いだ世界規模のシステム構築が可能となり、本発明の実施形態に係るセンサを用いた粒子識別に関する巨大なデータの集積が可能になる。つまり提供者は、粒子識別に関するプラットフォームを提供できるということである。
本発明の実施形態では、上述した方法を提供できる他、当該方法を実施できる装置(ハードウェア)、プログラム、および当該プログラムの一部または全部をユーザーが実行可能な形式で格納する製品(任意の媒体、搬送波、モジュールなど)も提供できる。
100 センサ(センサモジュール)
101 センサ
110 センサ
120 測定器
140 測定用情報端末
160 サーバ
180 管理用情報端末
199 ネットワーク
200 センサ
210 チャンバ
211 電解液導入口
212 電極
220 チャンバ
221 電解液導入口
222 電極
230 隔壁
241 シリコンウェハ
242 薄膜(メンブレン)
250 増幅器(アンプ)
251 電流計
252 電源
290 細孔
300 センサ
311 電解液導入口
323 面
390 提示手段
411 入出力手段
420 増幅手段
421 オペアンプ
422 抵抗
423 帰還抵抗
430 A/D変換手段
440 入出力手段
450 測定器制御手段
460 記憶手段
510 処理手段(プロセッサ)
511 特徴量抽出手段
520 主記憶手段(ストレージ)
530 メモリ
540 表示手段
550 入出力手段
552 光学センサ
553 キーボード
560 ネットワーク入出力手段
610 処理手段(プロセッサ)
620 主記憶手段(ストレージ)
630 メモリ
640 表示手段
650 入出力手段
651 外部記憶装置への接続
652 光学センサ
653 キーボード
710 処理手段(プロセッサ)
711 学習器
712 特徴量抽出手段
720 メモリ
730 主記憶手段(ストレージ)
731 物理的特性テーブル
732 センサモデルIDテーブル
733 測定テーブル
734 機械学習最適化テーブル
740 表示手段
750 ネットワーク入出力手段
810 センサモデルIDを表す列
811 行
812 行
813 行
820 列
821 変数型・単位情報
823 データ
830 列
833 データ
840 列
843 データ
850 列
853 データ
860 列
863 データ
870 列
873 データ
880 列
881 変数型・単位情報
883 データ
910 列
911 センサID
912 センサID
913 センサID
914 センサID
915 センサID
916 センサID
920 列
921 センサモデルID
922 センサモデルID
923 センサモデルID
924 センサモデルID
925 センサモデルID
926 センサモデルID
1200 粒子
1201 細孔
1210 第1の状態
1211 イオン電流波形
1220 第2の状態
1221 イオン電流波形
1230 第3の状態
1231 イオン電流波形
1400 列
1401 行
1402 行
1403 行
1404 行
1410 列
1411 データ
1420 列
1421 データ
1430 列
1440 列
1450 列
1460 列
1470 列
1471 データ
1480 列
1481 データ
1490 列
1491 データ
1610 列
1611 行
1612 行
1613 行
1620 列
1630 列
1640 列
2000 シリコンウェハ
2001 点
2002 点
2009 細孔
2010 半導体集積回路
2020 薄膜(メンブレン)
2030 封止材
2120 増幅手段
2130 A/D変換手段
2140 I/O
2150 測定パラメタ制御手段
2160 記憶手段

Claims (10)

  1. 粒子の識別を行うためのセンサであって、
    電解液を充填するように構成された、第1のチャンバと、
    前記第1のチャンバ内に設けられ、電圧を印加するための外部電源に接続できるように構成された第1の電極と、
    電解液を充填するように構成された、第2のチャンバと、
    前記第2のチャンバ内に設けられ、前記外部電源に接続できるように構成された第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極の間に生じるイオン電流を表す測定データを出力するように構成された、データ出力手段と、
    前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを隔てる隔壁と、
    唯一識別子をネットワークを介して外部コンピュータ装置へ提供するための提示手段と
    を含み、
    前記隔壁が、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを連通する細孔を有し、
    前記センサが有する物理的特性が、前記唯一識別子に関連付けられており、
    前記細孔を粒子が通過する際に、前記第1の電極と前記第2の電極の間に生じるイオン電流に、前記細孔が有する物理的特性および前記粒子の物理的特性に少なくとも依存する過渡変化が発生するように構成されており、
    前記唯一識別子が、前記唯一識別子を受信した前記外部コンピュータ装置に、前記唯一識別子に関連付けられた前記センサが有する物理的特性に応じた、前記粒子の識別処理を行わせるように構成され、
    前記センサが有する物理的特性は少なくとも、前記細孔が有する物理的特性を含む
    ことを特徴とする、センサ。
  2. 前記外部コンピュータ装置が、前記センサに接続されるクライアント端末を含み、
    前記クライアント端末が、ネットワークを介して外部サーバに接続し、前記粒子の識別処理に関する情報を伝送するように構成される、請求項1に記載のセンサ。
  3. 前記外部コンピュータ装置が、ネットワークを介して前記センサに接続可能な外部サーバを含む、請求項1に記載のセンサ。
  4. 前記外部サーバが、第1のセンサおよび第2のセンサを含んだ複数の前記センサに関する情報を管理するように構成され、
    前記第1のセンサは、粒子の識別のための学習に用いられ、
    前記第2のセンサは、粒子の識別のために用いられる
    ことを特徴とする、請求項2または3に記載のセンサ。
  5. 前記センサが有する物理的特性がさらに、前記細孔の形状およびそれに施される表面処理、前記隔壁の材料および形状、前記第1のチャンバの材料および形状、前記第2のチャンバの材料および形状、前記第1の電極の材料および形状、前記第2の電極の材料および形状、前記センサの静電容量、前記電解液の種類、濃度、および温度、ならびに前記センサの製造履歴からなる群から選択される一種以上を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサと、
    前記センサが有するデータ出力手段から出力されるデータを増幅するように構成された、増幅器と、
    前記増幅器が増幅したデータをA/D変換するように構成された、デジタイザと、
    前記デジタイザがA/D変換したデータ、および前記センサが有する提示手段から提供される前記唯一識別子を、前記外部コンピュータ装置へと送信する手段と
    を含む、測定器。
  7. 前記唯一識別子がさらに、前記増幅器の増幅率および帯域、ならびに前記デジタイザのサンプリングレートからなる群から選択される一種以上を含む測定器制御パラメタに関連付けられ、
    前記唯一識別子が、前記唯一識別子を受信した前記外部コンピュータ装置に、前記唯一識別子に関連付けられた前記センサが有する物理的特性および前記測定器制御パラメタに応じた、前記粒子の識別処理を行わせるように構成される
    ことを特徴とする、請求項6に記載の測定器。
  8. 粒子の識別を行うためのコンピュータ装置であって、
    一個以上のプロセッサと、
    一個以上の記憶手段と、
    第1のセンサが有する第1の物理的特性に関連付けられる第1の唯一識別子を受信して、前記プロセッサにより前記記憶手段に保存するように構成された、読み取り手段と、
    既知クラスに属する既知粒子の測定を行う前記第1のセンサから第1の測定データを受信して前記プロセッサにより第1の特徴量情報を抽出し、前記記憶手段に保存するように構成された、特徴量抽出手段と、
    前記プロセッサにより、前記第1の特徴量情報および前記第1の唯一識別子に関連付けられる前記第1の物理的特性を教師データとし、かつ、前記既知クラスを教師ラベルとして、機械学習最適化パラメタを生成するように構成された、学習手段と
    を含む、コンピュータ装置。
  9. 前記読み取り手段が、第2のセンサが有する第2の物理的特性に関連付けられる第2の唯一識別子を受信して、前記プロセッサにより前記記憶手段に保存するように構成され、
    前記特徴量抽出手段が、未知粒子の測定を行う前記第2のセンサから第2の測定データを受信して前記プロセッサにより第2の特徴量情報を抽出し、前記記憶手段に保存するように構成され、
    前記コンピュータ装置がさらに、
    前記プロセッサにより、前記機械学習最適化パラメタを用いて、保存された前記第2の特徴量情報に基づいて前記未知粒子の識別処理を行うための識別手段
    を含む、請求項8に記載のコンピュータ装置。
  10. 粒子を識別するためのシステムであって、
    複数のセンサと、
    前記複数のセンサの各々から、各センサの物理的特性、各センサが行う測定データ、および各センサの唯一識別子をネットワークを介して受信し互いに関連付けてデータベースに保存できるように構成された、コンピュータ装置と
    を含み、
    前記コンピュータ装置が、前記複数のセンサのうちの一個以上により行われる既知クラスに属する既知粒子の測定に関する測定データから、特徴量情報を抽出し、少なくとも前記特徴量情報を教師データとして機械学習最適化パラメタを生成し、そのセンサの唯一識別子に関連付けて前記データベースに保存するように構成され、
    前記コンピュータ装置が、前記複数のセンサのうちの特定のセンサを用いて未知粒子の識別処理が行われることを検出すると、前記データベースから、前記特定のセンサによる前記未知粒子の識別に利用可能な機械学習最適化パラメタを探索し、利用可能な機械学習最適化パラメタが存在する場合はそれに関連付けられた唯一識別子に関連付けられるセンサの物理的特性に基づいて、前記特定のセンサが行うべき前記未知粒子の測定条件をネットワークを介して通知し、前記特定のセンサの測定条件を調整させるように構成される
    ことを特徴とする、システム。
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