以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
本実施形態において、周辺監視装置を搭載する車両1は、例えば、不図示の内燃機関を駆動源とする自動車、すなわち内燃機関自動車であってもよいし、不図示の電動機を駆動源とする自動車、すなわち電気自動車や燃料電池自動車等であってもよいし、それらの双方を駆動源とするハイブリッド自動車であってもよいし、他の駆動源を備えた自動車であってもよい。また、車両1は、種々の変速装置を搭載することができるし、内燃機関や電動機を駆動するのに必要な種々の装置、例えばシステムや部品等を搭載することができる。また、車両1における車輪3の駆動に関わる装置の方式や、数、レイアウト等は、種々に設定することができる。
図1に例示されるように、車体2は、不図示の乗員が乗車する車室を構成している。車室内には、乗員としての運転者の座席に臨む状態で、操舵部や、加速操作部、制動操作部、変速操作部等が設けられている。操舵部は、例えば、ダッシュボードから突出したステアリングホイールであり、加速操作部は、例えば、運転者の足下に位置されたアクセルペダルであり、制動操作部は、例えば、運転者の足下に位置されたブレーキペダルであり、変速操作部は、例えば、センターコンソールから突出したシフトレバーである。
また、車室内には、図2に示されるように、表示出力部としての表示装置8や、音声出力部としての音声出力装置9が設けられている。表示装置8は、例えば、LCD(liquid crystal display)や、OELD(organic electroluminescent display)等である。音声出力装置9は、例えば、スピーカである。また、表示装置8は、例えば、タッチパネル等、透明な操作入力部10で覆われている。乗員は、操作入力部10を介して表示装置8の表示画面に表示される画像を視認することができる。また、乗員は、表示装置8の表示画面に表示される画像に対応した位置で手指等により操作入力部10を触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力を実行することができる。これら表示装置8や、音声出力装置9、操作入力部10等は、例えば、ダッシュボードの車幅方向すなわち左右方向の中央部に位置されたモニタ装置11に設けられている。モニタ装置11は、スイッチや、ダイヤル、ジョイスティック、押しボタン等の不図示の操作入力部を有することができる。また、モニタ装置11とは異なる車室内の他の位置に不図示の音声出力装置を設けることができるし、モニタ装置11の音声出力装置9と他の音声出力装置から、音声を出力することができる。なお、モニタ装置11は、例えば、ナビゲーションシステムやオーディオシステムと兼用されうる。
また、図1に例示されるように、車両1は、例えば、四輪自動車であり、左右二つの前輪3Fと、左右二つの後輪3Rとを有する。これら四つの車輪3は、いずれも転舵可能に構成されうる。
また、図1に例示されるように、車体2には、複数の撮像部15として、例えば四つの撮像部15a~15dが設けられている。撮像部15は、例えば、CCD(charge coupled device)やCIS(CMOS image sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。撮像部15は、所定のフレームレートで動画データを出力することができる。撮像部15は、それぞれ、広角レンズまたは魚眼レンズを有し、水平方向には例えば140°~220°の範囲を撮影することができる。各撮像部15(撮像部15a~15d)は、運転者が車室内で運転席に着座した場合の視点(目の位置)より、例えば低い位置に配置されている。よって、車両1が移動可能な路面や車両1が駐車可能な領域を含む車体2の周辺の外部の環境を逐次撮影し、撮像画像データとして出力する。なお、この場合、車両1の近傍に他車両や立体物(例えば障害物等)が存在する場合、見上げるような画像を撮影することになる。
撮像部15aは、例えば、車体2の後側の端部2eに位置され、リヤトランクの下方の壁部に設けられている。撮像部15bは、例えば、車体2の右側の端部2fに位置され、右側のドアミラー2gに設けられている。撮像部15cは、例えば、車体2の前側、すなわち車両前後方向の前方側の端部2cに位置され、フロントバンパー等に設けられている。撮像部15dは、例えば、車体2の左側、すなわち車幅方向の左側の端部2dに位置され、左側の突出部としてのドアミラー2gに設けられている。ECU14は、複数の撮像部15で得られた撮像画像データに基づいて演算処理や画像処理を実行し、より広い視野角の画像を生成したり、車両1を上方から見た仮想的な俯瞰画像や車両1やその周辺を見下ろすような仮想的な三次元画像を生成したりすることができる。このような俯瞰画像や三次元画像を仮想画像と称する場合もある。
また、図1に例示されるように、車体2には、複数の測距部16,17として、例えば四つの測距部16a~16dと、八つの測距部17a~17hとが設けられている。測距部16,17は、例えば、超音波を発射してその反射波を捉えるソナー(ソナーセンサ、超音波探知器)とすることができる。ECU14は、測距部16,17の検出結果により、車両1の周囲に位置された障害物等の物体の有無や当該物体までの距離を測定することができる。なお、測距部17は、例えば、比較的近距離の物体の検出に用いられ、測距部16は、例えば、測距部17よりも遠い比較的長距離の物体の検出に用いられうる。また、測距部17は、例えば、主として車両1の前方および後方の物体の検出に用いられ、測距部16は、主として車両1の側方の物体の検出に用いられうる。
また、図2に例示されるように、周辺監視装置を含む車両制御システム100では、ECU14や、モニタ装置11、測距部16,17等の他、車両1の走行に必要な各システム、例えばブレーキシステム、駆動システム等および各種センサ等が、電気通信回線としての車内ネットワーク18を介して電気的に接続されている。車内ネットワーク18は、例えば、CAN(controller area network)として構成されている。ECU14は、車内ネットワーク18を通じて制御信号を送ることで、各システムを制御することができる。また、ECU14は、車内ネットワーク18を介して、測距部16,17等の各種センサの検出結果や、操作入力部10等の操作信号等を、受け取ることができる。
ECU14は、例えば、CPU14a(central processing unit)や、ROM14b(read only memory)、RAM14c(random access memory)、表示制御部14d、音声制御部14e、SSD14f(solid state drive、フラッシュメモリ)等を有している。CPU14aは、例えば、表示装置8で表示される画像に関連した画像処理や物体との干渉の有無の判定、車両1の制御の切り換え(自動制御と自動制御の解除の切り換え)等の、各種の演算処理および制御を実行することができる。
CPU14aは、ROM14b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することができる。RAM14cは、CPU14aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、表示制御部14dは、ECU14での演算処理のうち、主として、撮像部15で得られた撮像画像データを用いた画像処理や、表示装置8で表示される撮像画像データの合成等を実行する。また、音声制御部14eは、ECU14での演算処理のうち、主として、音声出力装置9で出力される音声データの処理を実行する。また、SSD14fは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、ECU14の電源がOFFされた場合にあってもデータを記憶することができる。なお、CPU14aや、ROM14b、RAM14c等は、同一パッケージ内に集積されうる。また、ECU14は、CPU14aに替えて、DSP(digital signal processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD14fに替えてHDD(hard disk drive)が設けられてもよいし、SSD14fやHDDは、ECU14とは別に設けられてもよい。
本実施形態において、ECU14は、ハードウェアとソフトウェア(制御プログラム)が協働することにより、表示装置8に表示する画像の画像生成処理を司る。ECU14は、撮像部15が撮像した撮像画像データ(撮像画像)に画像処理、例えば視点変換処理等を施して生成した車両1の周囲画像に、車両1(自車両)の位置および仮想視点から車両1を臨む場合の車両1の向きや姿勢を示す自車モデルを重畳して表示装置8に表示させることができる。その場合に、ECU14は、自車モデルと周囲画像との表示バランスを整え、表示内容の不自然さが軽減された仮想画像を生成するように、自車モデルの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様の少なくとも一方を補正(修正)する。また、仮想画像の生成時における画像処理が原因で生じる仮想画像のざらつきや不自然な強調表示等を軽減するためにぼかし処理を施す。
図3は、CPU14aで周辺監視装置(周辺監視部)を実現する場合の構成を例示的かつ模式的に示すブロック図である。CPU14aは、ROM14bから読み出した周辺監視プログラムを実行することにより周辺監視部20を実現する。周辺監視部20(周辺監視装置)は、その機能を実現するための各種モジュールを含む。周辺監視部20は、例えば、画像取得部22、投影面取得部23、仮想視点設定部24、補正部26、画像生成部28、出力部30等を含む。また、補正部26は、視点高さ取得部32a、物体距離取得部32b、物体方向取得部32c等を含むパラメータ設定部32と、補正係数取得部34等を含む。また、画像生成部28は、仮想画像生成部36、画像縮小処理部38、ぼかし処理部40等を含み、さらに、ぼかし処理部40は、対象距離取得部40a、ぼかし強度取得部40b、ぼかし実行部40c等の詳細モジュールを含む。
画像取得部22は、各撮像部15が撮像した撮像画像データ(撮像画像)を、表示制御部14dを介して取得する。各撮像部15(撮像部15a~15d)は、図4に示すような被撮像領域42を撮像可能である。各被撮像領域42は、隣接する被撮像領域42の一部が互いに重なった重複領域44を含む。重複領域44を形成することにより被撮像領域42を繋ぎ合わせるときに欠落領域が生じないようにしている。例えば、被撮像領域42のうち撮像部15cが撮像した車両1の前方の被撮像領域42Fの車幅方向左側と、撮像部15dが撮像した車両1の左側方の被撮像領域42SLの車両前方側とは、重複領域44FLを形成する。被撮像領域42のうち被撮像領域42SLの車両後方側と、撮像部15aが撮像した車両1の後方の被撮像領域42Rの車幅方向左側とは、重複領域44RLを形成する。被撮像領域42のうち被撮像領域42Rの車幅方向右側と、撮像部15bが撮像した車両1の右側方の被撮像領域42SRの車両後方側とは、重複領域44RRを形成する。そして、被撮像領域42のうち被撮像領域42SRの車両前方側と被撮像領域42Fの車幅方向右側とは、重複領域44FRを形成する。各撮像部15は、撮像した撮像画像データに撮像部15ごとの識別符号を添付して画像取得部22に出力してもよいし、画像取得部22側で取得した撮像画像データごとに出力元を識別する識別符号を添付するようにしてもよい。
投影面取得部23は、仮想的な三次元空間で表される、底面(接地面、第1面、ともいう)と、当該底面から高さ方向に立ち上がる側面と、を少なくとも備える三次元の仮想投影面を取得する。仮想投影面の側面には、車両1に搭載された撮像部15で撮像された車両の周囲画像を少なくとも投影可能であり、仮想投影面の底面には、車両1を示す三次元の自車モデルが表示可能である。図5は、仮想投影面46の模式的かつ例示的な説明である。仮想投影面46は、ROM14b等に予め記憶された三次元形状モデルで、座標(X,Y,Z)が規定されるメッシュ構造のデータである。撮像部15が撮像した撮像画像データの各画素のデータ(例えば、図4における画素Q0)が、例えば、座標X,Y,Zで規定されるメッシュ交点Q1に投影される。撮像画像データにおける各画素(例えば、画素Q0)と仮想投影面46上における投影対応位置(例えばメッシュ交点Q1)は、予め投影試験結果等に基づき対応付けが決定されて、例えば、対応マップ等の形態でROM14b等の記憶することができる。なお、図5に示す仮想投影面46のメッシュは、説明のために図示したもので、実際には視認できないように設定されている。
仮想投影面46は、例えば、図5に示すように、地面に沿った底面46aと、底面46a、すなわち地面から立ち上がった側面46bと、を有している。地面は、車両1の高さ方向(上下方向、Y方向)と直交する水平面(X-Z平面)であり、例えば車輪3が接地する。底面46aは、例えば略円形の平坦面であり、車両1を基準とする水平面(接地面)である。側面46bは、底面46aと接して底面46aの一部から高さ方向に立ち上り、底面46aの一部を取り囲む、例えば曲面である。図5に示されるように、例えば車両1の中心を通りかつ車両1の垂直な側面46bの仮想断面の形状は、例えば、楕円状あるいは放物線状である。側面46bは、例えば、車両1の中心を通り車両1の高さ方向に沿う中心線周りの回転面として構成される。つまり、側面46bは、車両1の周囲を取り囲んでいる。後述する仮想画像生成部36は、図4に示すような被撮像領域42の画像を繋ぎ合わせた二次元合成画像(周囲画像)を仮想投影面46に投影することにより、図6に示すような、車両1を中心として周囲状況を示す三次元画像(車両周囲画像データ)を生成することができる。
図6の場合、仮想投影面46の中央には、仮想的な三次元空間内での車両1の位置、姿勢、向き等を示す、車両1の形状に対応する自車モデル1Aが表示されている。自車モデル1Aは、予めROM14b等に記憶された画像データである。自車モデル1Aの表面は、例えば、複数のポリゴンで構成することができる。自車モデル1Aは、主として三角形の複数のポリゴンにより表示された立体的な形状(三次元の形状)である。これにより、よりリアリティのある自車モデル1Aを表示することができる。また、複数のポリゴンで構成される自車モデル1Aは、X軸、Y軸、Z軸それぞれに対して回転可能であり、自車モデル1Aを様々な方向から見た状態で表現することができる。
仮想視点設定部24は、画像生成部28が例えば、車両1とその周囲の状況を表示する三次元画像を生成する場合、仮想的な三次元空間における仮想視点の位置を設定する。したがって、仮想視点設定部24は、仮想視点の位置を適宜変更することにより、仮想視点の位置に応じて自車モデル1Aを所望の方向に向けることができる。また、仮想視点設定部24は、仮想視点の位置を適宜変更することにより、仮想視点の位置に応じて、仮想投影面46(被撮像領域42の画像が投影された面)を臨む方向を変更することが可能である。したがって、図6に示す三次元画像において、注目する方向(注視点の位置)を変更することができる。なお、図6は、仮想視点が車両1の左斜め前方の上空に設定された場合に生成される仮想画像(三次元画像)の生成例である。
仮想視点設定部24は、例えば利用者が操作入力部10を操作することで決定する位置に仮想視点の位置を設定してもよいし、車両1の走行状態や操作状態等に応じて、最適な位置から自車モデル1Aや自車モデル1Aの周囲を臨むように、自動で仮想視点の位置を設定するようにしてもよい。
補正部26は、車両1に搭載された撮像部15で撮像された車両1の周囲画像(被撮像領域42が繋ぎ合わされた画像)を少なくとも側面46bに投影させた仮想投影面と、自車モデル1Aと、を表示する場合に、仮想視点の位置にしたがって、自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と、仮想投影面に投影される周囲画像の高さ方向の表示態様と、の少なくとも一方を補正する。例えば、補正部26は、仮想視点の位置にしたがって、投影面取得部23が取得する仮想投影面46の側面46bの高さを補正して、投影される周囲画像の高さ方向の表示態様を変更する。また,別の実施形態において、補正部26は、仮想視点の位置にしたがって、仮想投影面46に対して画像取得部22が取得した周囲画像(画素データ)を投影(配置)する際の対応関係(例えば、座標の対応関係)を補正することにより、投影される周囲画像の高さ方向の表示態様を変更する。また、別の実施形態において、補正部26は、仮想視点の位置にしたがって、仮想投影面46に自車モデル1Aを表示するとともに、撮像部15が撮像した周囲画像を投影する場合に、車両1から、車両1の周囲に存在する物体までの距離に応じて、仮想投影面46の側面46bの高さを補正して、周囲画像の高さ方向の表示対応を自車モデル1Aの高さ方向の表示態様に対して補正する。
前述したように、車両1に搭載される各撮像部15は、車両1の接地面(地面)から比較的低い位置に設けられることが多い。その結果、撮像部15から車両1の周囲を撮像した周囲画像に映り込んでいる物体は、見上げたように状態になる場合がある。この場合、物体は高さ方向に伸びたように表示される。この見上げたような物体が映り込んでいる周囲画像を仮想投影面46に投影した場合、その物体は、側面46bの高さ方向に伸びたような状態のままの仮想画像が生成される。また、撮像部15(車両1)の近くに存在する物体は、遠くに存在する物体より大きく映るため、仮想投影面46に投影した場合の伸びが強調されてしまう場合ある。一方、仮想投影面46の底面46aに表示される自車モデル1Aは、車両1の実際の形状に対応して作成されるので、実際の車両1の大きさ(高さ)に対応する形状で表示される。その結果、自車モデル1Aの高さと周囲画像(特に物体)の高さとのバランスが不釣り合いとなり、周囲画像が高さ方向に伸びがより強調されてしまうことがある。また、仮想視点の高さを高くすると、自車モデル1Aは仮想視点の位置から見下ろして仰角が大きくなり、高さ方向のサイズが見かけ上短くなったように表示される。一方、仮想投影面46に投影される周囲画像は見上げたような状態のままで、例えば物体は高さ方向に伸びた状態のままである。その結果、自車モデル1Aと周囲画像(物体)を同時に表示した場合、両者の見え方の違いがより目立ち、違和感がより強くなる場合がある。
そこで、パラメータ設定部32は、例えば、仮想視点の底面46a(接地面)からの高さに応じて、自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様の少なくとも一方を補正することで、自車モデル1Aの高さと周囲画像(特に物体)の高さとのバランスが実際のバランスに近づくようにして、表示される仮想画像の違和感を軽減し、より見やすい画像を生成できるようにする。
本実施形態の周辺監視部20の場合、上述した自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様とのバランスを実際のバランスに近づけるような補正を実行する場合、複数の手法を取りうる。パラメータ設定部32は、補正手法ごとで必要となる補正パラメータを設定可能なように、視点高さ取得部32a、物体距離取得部32b、物体方向取得部32c等の詳細モジュールを備える。
視点高さ取得部32aは、仮想視点の高さを用いて高さ方向の表示態様のバランスを改善する場合に、仮想視点設定部24の設定内容にしたがい底面46a(第1面)からの高さである視点高さに関する情報を取得し、補正係数取得部34に提供する。補正係数取得部34は、パラメータ設定部32で設定された補正パラメータに対応する、仮想投影面の高さを補正する補正係数と仮想視点の高さとの関係を示す、例えばマップを、ROM14b等の記憶装置から読み出し、仮想視点の高さに対応する補正係数を決定する。図7は、補正係数と仮想視点の高さとの関係を示すマップの一例である。例えば、仮想視点の高さHに対応する補正計数を仮想投影面46の側面46bに乗算して仮想投影面46の高さを補正する。図7の例の場合、ラインS1で示すように、底面46a(第1面)に対する仮想視点の高さHが高くなるほど、「補正係数=1.0」より小さい補正係数が選択される。つまり、ROM14b等に記憶された基本となる側面46bの高さに対して低くなる。図8は、仮想投影面46の縦断面を取った場合の当該仮想投影面46の中央からの距離を横軸に示し、断面形状の高さを縦軸に示している。そして、補正係数にしたがう仮想投影面46の高さ変化を模式的かつ例示的に示す図である。図7の場合、仮想視点の高さHが、例えば、標準的な体格の運転者が運転席に着座したときの目の高さに仮想視点がある場合に、「補正係数=1.0」、すなわち、仮想投影面46の高さ補正が行われない例である。そして、仮想視点の高さが高くなるにつれて、側面46bの高さが図8に示すように低くなる例である。なお、仮想投影面46の底面46aは、高さ「0」のため、補正係数を乗算しても変化しない。
画像生成部28は、補正部26により補正された後、周囲画像(図4参照)が投影された仮想投影面46の底面46aに、自車モデル1Aが配置された仮想的な三次元空間(図5参照)において、自車モデル1Aを含む領域を臨む場合の仮想視点からの仮想画像(図6参照)を生成する。つまり、補正部26は、補正係数取得部34が取得した補正係数にしたがって仮想投影面46の側面46bの高さを補正する。この場合、周囲画像が投影された側面46bが高さ方向に圧縮されたようになる。つまり、側面46bを構成するメッシュ構造のメッシュ間隔が狭くなる。その結果、仮想投影面46に投影された周囲画像の各画素の間隔が狭くなり、仮想投影面46に投影された周囲画像が高さ方向に圧縮された状態になる。つまり、周囲画像の高さ方向の伸びが抑制される。したがって、仮想画像生成部36は、自車モデル1Aを含む領域を臨む場合の仮想視点からの仮想画像を生成する場合、仮想視点の底面46a(接地面)からの高さに応じて、自車モデル1Aと周囲画像との高さが調整され、表示バランスが改善されて見やすくなった仮想画像を生成することができる。出力部30は、画像生成部28によって生成された仮想画像の表示データを表示制御部14dに出力し、表示装置8に表示させる。なお、別に実施形態では、周囲画像の投影を行う前、仮想投影面46(側面46b)の形状を補正係数にしたがって補正(高さ方向に圧縮補正)を行ってもよい。この場合、仮想投影面46(側面46b)のメッシュの間隔が狭くなる。この状態で、予め決められたメッシュ交点と周囲画像の各画素の対応関係に基づき投影を行うと、投影された周囲画像の画素の高さ方向の間隔が狭くなり、周囲画像の投影後に仮想投影面46(側面46b)の補正を行う場合と同様な仮想画像を生成することができる。
図9は、仮想視点の高さに応じた、側面46bの高さ補正が実施されず、自車モデル1Aと周囲画像との高さ方向の表示態様の調整が実施されない場合の仮想画像48の比較例である。一方、図10は、本実施形態の周辺監視部20によって、仮想視点の高さにしたがう補正係数を用いて、側面46bの高さ補正を行い、自車モデル1Aに対して周囲画像の高さ方向の表示態様の調整が実施された場合の仮想画像48の表示例である。なお、図9、図10は、仮想視点が、車両1の後方上空に設定されている場合の仮想画像である。
図9の場合、車両1に搭載された各撮像部15で撮像された、低い位置から見上げたような高さ方向に伸びた周囲画像(例えば、他車両50等)が、そのまま仮想投影面46に投影されている。その結果、仮想視点が高い位置から他車両50を見下げているにも拘わらず、他車両50は、伸びた状態のまま投影される。一方、ポリゴンで構成される自車モデル1Aは、実際の車両1を上空から見下ろしたような形状で高さ方向の伸びを伴うことなく表示されるため、高さ方向に伸びた他車両50とのバランスが悪く、違和感のある見にくい仮想画像になっている。一方、図10の場合、仮想視点の高さに応じた補正係数により仮想投影面46の側面46bの高さが図8に示すように補正されている。その結果、低い位置から見上げた、高さ方向に伸びた周囲画像は、高さ方向が低く(圧縮)された側面46bに投影されることにより、他車両50の高さが、補正係数に対応して高さ方向に圧縮される。つまり、表示高さが伸びていない自車モデル1Aとの高さ方向のサイズ差が低減され、高さのバランスが改善され、違和感が軽減された見やすい仮想画像48になっている。このように、本実施形態の周辺監視部20によれば、車載の撮像部15で撮像した画像を三次元の仮想投影面46に投影して表示装置8に表示する場合に、見やすさをより改善することができる。
図11、図12は、仮想投影面の高さを補正する補正係数と仮想視点の高さHとの他の関係を例示的に示す説明図である。前述したように、車両1における撮像部15の設置高さに応じて、周囲画像における見上げる程度が変化する。図11の例の場合、仮想視点の高さにHによって補正係数を決定するが、仮想視点の高さHが、撮像部15の高さより低い位置に設定された場合、車両1の周囲に存在する物体は、撮像部15で撮像されたときの見上げ状態よりさらに見上げることになる。つまり、物体の高さがさらに伸びて拡大された状態で表示されることになる。そこで、図11に示す例の場合、ラインS2で示すように仮想視点の高さHが撮像部15の設置高さCより低い場合、補正係数取得部34が参照するマップは、撮像部15が撮像した周囲画像の高さが伸びるように、補正係数=1.0以上の値が選択されるように定義されている。その結果、仮想視点の高さHが撮像部15の設置高さCより低い場合、仮想投影面46の側面46bの高さは、仮想視点の高さHにしたがい高く補正される。つまり、周囲画像(自車モデル1Aの周囲の物体)は、高さが自車モデル1Aに対して伸びて表示される。逆に、仮想視点の高さHが撮像部15の設置高さC以上の場合、仮想投影面46の側面46bの高さは、仮想視点の高さHにしたがい低く補正される。つまり、周囲画像(自車モデル1Aの周囲の物体)は、表示高さが自車モデル1Aに対して縮むように表示される。なお、車両1に設置される各撮像部15は設置高さがそれぞれ異なる場合がある。例えば、リア側に設置される撮像部15aとフロント側に設置される撮像部15cでは、フロント側の撮像部15cの方が例えば低い位置に設置される場合がある。また、左右のドアミラーに2gに設置される撮像部15b,15dは、フロント側の撮像部15cとリア側の撮像部15aとの間の高さに設置される場合がある。したがって、図11に示すマップは、撮像部15ごとに準備されていてもよい。この場合、撮像部15ごとの設置高さの違いに基づく周囲画像の高さのずれが抑制され、さらに見やすい仮想画像を生成することができる。
図12は、図11に示すマップの変形例である。図12に示すマップの場合、仮想視点の高さHが撮像部15の設置高さCより低い場合、ラインS3で示すように補正係数は、仮想視点の高さHに拘わらず一定にしている。この場合、周囲画像の高さは元々伸びて表示されるので、仮想視点の高さHが撮像部15の設置高さCより低い場合に側面46bの補正の実施を省略して処理負荷の軽減を図ることができる。
なお、図7、図11、図12に示すマップは、仮想視点の高さHと補正係数の関係をラインS1、S2、S3で示したが、これに限定されず、他の形状、例えば、直線のマップで関係が示されてもよく、同様の効果を得ることができる。
上述した実施形態では、仮想投影面46の側面46bの高さを補正することで、自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様のバランスを調整する例を説明した。他の実施形態では、仮想視点の底面46a(第1面)からの高さに応じて、周囲画像を構成する各画素が仮想投影面46に投影されるときの対応関係(投影される高さ方向の座標)を補正して、周囲画像の高さ方向の表示態様を自車モデル1Aの高さ方向の表示態様に対して変更するようにしてもよい。前述したように、画像取得部22が取得する周囲画像(図4に示すような被撮像領域42を繋ぎ合わせた画像)は、当該周囲画像を構成する各画素(例えば、画素Q0)を予め定められた仮想投影面46上で対応するメッシュ位置(例えば、メッシュ交点Q1)に配置することで投影を実行する。そこで、例えば、投影画像において、周囲画像の高さ方向の表示態様を補正したい場合、例えば、表示高さを低くしたい場合、画素Q0を投影する本来のメッシュ交点Q1(座標)より仮想投影面46上の低い位置(例えば、メッシュ位置Q2の座標)に投影する。つまり、投影後の各画素の配列が高さ方向に圧縮されたようになり、仮想投影面46に投影された結果として得られる仮想画像は、側面46bを低くする場合と同様に高さを低くすることができる。つまり、自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様のバランスを調整することができる。この場合、仮想視点の高さ(例えば、底面46a(第1面)からの高さ)に応じて、周囲画像の画素の位置(座標)と仮想投影面46上におけるメッシュ位置(座標)との対応関係を示すマップを例えばROM14b等に準備しておけばよい。補正係数取得部34は、視点高さ取得部32aが取得した仮想視点の高さにしたがって、対応するマップをROM14bから読み出し、仮想画像生成部36に投影処理を実行させればよい。この場合、従来の仮想画像の生成処理と同程度の負荷で自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様とのバランスが調整された仮想画像が生成できる。また、周囲画像の画素の位置と仮想投影面46上のメッシュ位置との対応関係は、周囲画像の画素ごとに設定することが可能であり、仮想投影面46投影される周囲画像の高さ方向の表示態様の修正をより詳細に実行することができる。
図13は、自車モデル1Aの高さ方向サイズを仮想視点の高さにしたがって補正する場合を説明する模式的かる例示的な説明図である。前述したように、生成される仮想画像が違和感のある画像になる原因は、自車モデル1Aの高さと周囲画像の高さのバランスが実際のバランスと異なってしまうことが主たる原因である。したがって、仮想視点の高さ(例えば、底面46a(第1面)からの高さ)が変化する場合、仮想投影面46の側面46bの高さを変化させて自車モデル1Aと周囲画像の高さのバランスを調整するのに代えて、自車モデル1Aの高さ方向のサイズを変化させても、自車モデル1Aと周囲画像の高さ方向の表示態様のバランス調整が可能である。例えば、図13に示すように、自車モデル1Aの表示高さHc1を自車モデル1Bで示すように表示高さHc2に変化させる。この場合、仮想投影面46の側面46bの高さは変化せず、ポリゴンで構成される自車モデル1Aの高さのみを変化させるので、表示バランスを整えるための処理負荷が側面46bの高さを変更する場合に比べて軽減しやすい。なお、自車モデル1Aの高さは、仮想視点の高さHに応じて調整可能であり、例えば、仮想視点の高さが高くなる程、自車モデル1Bで示すように表示高さHc2が高くなるように調整することができる。
次に、他の手法で自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様のバランスを調整する例を説明する。図14に示すように、例えば、車両1の周囲に物体54(例えば、他車両や歩行者、構造物等の立体物)が存在する場合、その物体54を撮像部15(例えば撮像部15b)で撮像すると、車両1の近くに存在する物体54は、遠くに存在する場合に比べて大きく映る。したがって、仮想画像を生成する場合、自車モデル1Aの近く存在する物体54は、自車モデル1Aに対する実際の大きさより大きく表示されてしまう場合がある。そこで、パラメータ設定部32(図3参照)は、物体距離取得部32bによって車両1から物体54までの距離を取得し、補正係数取得部34が取得する補正係数を物体54までの距離に応じて変化させる。例えば、車両1に近い物体54ほど、その高さ方向のサイズを小さくするように補正する。その結果、仮想画像生成部36が画像取得部22の取得した周囲画像を、投影面取得部23が取得した仮想投影面46に投影する場合、自車モデル1Aの高さと周囲画像の高さ(すなわち、物体54の高さ)のバランスを調整することができる。
物体距離取得部32bは、例えば、車両1に搭載された測距部16,17を用いて車両1の周囲に物体54までの距離を取得することができる。図15は、仮想投影面46の高さを補正する補正係数と、仮想投影面に投影する物体54までの車両1からの距離Ltの関係を例示的に示すマップである。図15に示すマップも例えば、ROM14bに予め記憶され、補正係数取得部34によって適宜読み出すことができる。図15のマップで、ラインS4で示されるように、物体54が車両1に近いほど仮想投影面46の側面46bの高さを低くするような補正係数が選択される。その結果、仮想画像生成部36が画像取得部22の取得した周囲画像を投影面取得部23が取得した仮想投影面46に投影する場合、車両1に近い物体ほど、その高さ方向のサイズが小さく表示される。つまり、車両1に接近していることにより実際の大きさより大きく表示される物体54の高さ方向のサイズを低く表示して、自車モデル1Aの高さ方向のサイズとのバランスを改善し、より見やすい仮想画像を生成する。
なお、測距部16,17の測距範囲外に物体が存在し、その物体が周囲画像に映り込んでいる場合、生成される仮想画像においても遠方位置で自車モデル1Aに比べて小さく表示される。したがって、車両1から所定距離以内(例えば、測距部16,17の測距範囲内)に物体54が存在する場合のみ、仮想投影面46の側面46bの高さ補正が実行され、物体54が所定距離以内に存在しない場合は、仮想投影面46の側面46bの高さ補正を非実行とする。その結果、過剰な補正処理が抑制され、CPU14aの処理負荷の軽減ができる。
なお、車両1からの距離が異なる複数の物体54が検出された場合、補正係数取得部34は、例えば、最も車両1に近い物体54の位置に基づいて補正係数を決定するようにしてもよい。
ところで、図14にように車両1の周囲の存在する物体54までの距離Ltに基づいて、側面46bの高さを補正する場合、図5に示す側面46bの全周の高さが補正される。この場合、物体54が存在しない方向であり、かつ測距部16,17の測距範囲より遠い位置に物体が存在していた場合、その遠方の物体の高さ方向のサイズが補正(縮小)され、視認性が低下してしまう場合がある。そこで、パラメータ設定部32は、物体距離取得部32bによって車両1の周囲に物体54を検出した場合、さらに、物体方向取得部32cによって車両1を基準に検出した物体54が存在する方向を取得する。物体54の方向は、図16に示すように、複数の測距部16,17で検出された測距情報を組み合わせて用いることにより特定することができる。補正係数取得部34は、物体54が存在する方向において、側面46bの高さの補正を実行する補正情報を取得するとともに、物体54が存在する方向から側面46bに沿って遠ざかるのに連れて側面46bの高さの補正の量が少なくするような補正係数を取得する。つまり、補正係数取得部34は、図17において、ラインS5で示されるように、車両1(図16の場合、撮像部15b)を基準に物体54が存在する方向Mから回転角度θの絶対値が大きくなるのにしたがい、側面46bの高さを補正するために補正係数が1.0に近づくような(高さの補正量が少なくするような)値を取得する。補正部26は、補正係数取得部34で取得した補正係数にしたがい側面46bの高さを補正することにより、物体54が存在する方向Mの側面46bの高さが低く、その方向Mから側面46bに沿って離れるのに連れて、側面46bの高さが補正されない本来の高さに漸増するような仮想投影面46に補正することができる。仮想画像生成部36は、例えば、画像取得部22が取得した周囲画像が投影された側面46bの高さを補正する。または、仮想画像生成部36は、補正部26によって補正された仮想投影面46に画像取得部22が取得した周囲画像を投影する。その結果、注目させたい物体54の高さ方向の表示態様が自車モデル1Aの高さ方向の表示態様に対して補正されて表示バランスが改善されてより見やすい仮想画像を生成することができる。つまり、車両1の近傍に存在して注目されやすい物体54の見やすさを改善しつつ、それ以外の遠方の物体は、高さ方向のサイズの補正を行わずに存在認識をさせやすい仮想画面を生成することができる。
なお、上述したように、車両1の周囲の存在する物体54までの距離に基づいて、側面46bの高さを補正する場合、さらに、前述したように、自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様の少なくとも一方を仮想視点の高さHに基づいて補正するようにしてもよい。この場合、仮想視点の高さによって変化しうる物体54の高さ方向のサイズと自車モデル1Aの高さ方向のサイズのバランス調整が可能なり、より見やすい仮想画像を制することができる。
ところで、画像生成部28が仮想画像を生成する場合、前述したように画像取得部22が取得した周囲画像を画素ごとに仮想投影面46のメッシュ位置に投影する。この場合、投影位置によって画像の拡縮率が異なるため、画像生成部28は画像縮小処理部38を用いて適宜縮小処理を実行する。例えば、図18に示すように、撮像部15が撮像した撮像画像で俯瞰画像を生成する場合は、撮像部15に近い場所ほど縮小され、撮像部15から遠ざかるほど縮小が緩和される。例えば、図18において、撮像部15(15a~15d)に近い領域56aは、例えば12%以下の縮小率で縮小され、それより遠い領域56bは、56aより縮小が緩和された、例えば、25%~12%の範囲の縮小率で縮小される場合がある。撮像部15からさらに離れる領域56cは、例えば、50%~25%の範囲の縮小率で縮小される場合がある。一般に画像を50%以下の縮小率で縮小する場合、画素欠落(画素抜け)が生じる。その結果、飛び飛びの画素を用いて俯瞰画像や三次元画像を生成することになり、路面等の模様(例えばアスファルトの石粒やグレーチングの編目等)が拡大されたり、強調されたりする等、違和感のある見にくい画像になってしまう場合がある。
そこで、本実施形態の画像生成部28は、ぼかし処理部40を備え、表示する画像に対してぼかし処理を実施することにより、生成される仮想画像の全域において、画素欠落に伴う違和感(見にくさ)を軽減するようにしている。なお、本実施形態において、ぼかし処理部40の処理対象となる画像は、例えば、複数の撮像部15によって撮像された画像を合成して生成された合成画像を含む。この合成画像には、例えば、仮想視点が車両1の上方(例えば直上)に設定された場合に、車両1を見た場合(見下ろした場合)の俯瞰画像や周囲画像が少なくとも側面46bに投影された仮想投影面46等が含まれる。
ぼかし処理部40は、本実施形態における仮想画像にぼかし処理を実行するために、対象距離取得部40a、ぼかし強度取得部40b、ぼかし実行部40c等の詳細モジュールを備える。
対象距離取得部40aは、表示対象までの距離Lgを取得し、ぼかし強度取得部40bは、取得した距離Lgに基づいてぼかし強度を決定(取得)する。図18に示すように、車両1(撮像部15)からの距離によって同一の画像内でも位置によって縮小率が異なる。そこで、対象距離取得部40aは、例えば、図19に示すように、撮像部15(例えば撮像部15a)が撮像した撮像画像58(周囲画像)上で、撮像部15の取付位置に基づく基準点Bを設定する。基準点Bは、例えば画像縦中心線CLと車両1の一部(撮像部15aの場合、例えば、リヤバンパー2hの端部2e、すなわち、撮像部15の取付位置に基づく位置)との交点に設定することができる。そして,対象距離取得部40aは、基準点Bから表示対象の位置までの距離Lgを取得する。また、対象距離取得部40aは、図20に示すように、画像生成部28が生成した仮想画像59(例えば俯瞰画図)で、基準点を設定して表示対象の位置までの距離Lgを取得してもよい。例えば、図20の場合、対象距離取得部40aは、自車モデル1Aにおいて、撮像部15aの搭載位置に対応する基準点B1、撮像部15bの搭載位置に対応する基準点B2、撮像部15cの搭載位置に対応する基準点B3、撮像部15dの搭載位置に対応する基準点B4をそれぞれ設定し、各基準点B1~B4から表示する位置までの距離Lgを取得する。
ぼかし強度取得部40bは、対象距離取得部40aが取得した基準点(B,B1~B4)から表示する位置までの距離Lgに基づき、処理対象の位置におけるぼかし強度Pを取得する。図21は、基準点B(例えば撮像部15の位置)から表示対象位置までの距離Lgと、ぼかし強度Pの関係を例示的に示すマップである。このマップは、例えば、ROM14b等に予め保存され、ぼかし強度取得部40bが適宜読み出して参照する。図21にラインS6で示されるように、ぼかし強度Pは、表示する位置までの距離Lgに近いほど、つまり、基準点Bに近いほど強いぼかし処理を実行するように設定されている。図21に示す例の場合、ぼかし強度Pは、基準点Bから所定距離Lg1までは、最大強度(Pmax)でぼかし処理を実行させ、所定距離Lg1からLg2までは、ぼかし強度Pを漸減させ、所定距離Lg2以降は、ぼかし処理を非実行とするように、ぼかし強度Pを決定する例である。なお、図21に示すラインS6は一例であり、撮像部15の搭載位置や搭載角度等に応じて、撮像部15ごとに設定することが望ましい。また、一例としてラインS6は直線で定義されているが、これに限定されず、例えば、曲線等で定義されてもよい。
ぼかし実行部40cは、ぼかし強度取得部40bが取得したぼかし強度Pにしたがい、表示する位置ごとにぼかし処理を実行する。ぼかし処理は、周知の手法が利用可能で、例えば、表示対象の位置(例えば座標)を基準にぼかし強度Pにしたがう距離離れた画素を取得し、その画素の平均値を表示位置における画素値とする。したがって、強いぼかし処理が実行される基準点Bに近い位置、すなわち、画素欠落等により不適切に拡大されたり、強調されたりしている場合、元々の表示位置近傍の画像の反映度が低くなり、強いぼかし効果が得られる。すなわち、不適切な表示拡大や強調が緩和される。逆に、ぼかし強度Pは、基準点Bから離れるほど弱くなる。前述したように、縮小処理の程度も基準点Bから離れるほど緩和され、画素欠落の程度も低下する。したがって、図21のラインS6のように、ぼかし強度Pを漸減することで、表示する画像(俯瞰画像や三次元画像等)の全体領域で不適切に拡大や強調がほぼ均一に修正され、より見やすさが向上した画像を生成することができる。
図22は、ぼかし処理を実施しない場合の俯瞰画像62の模式的かつ表示例な説明図である。また、図23は、基準点Bから表示対象位置までの距離Lgに応じて、ぼかし処理を実施した場合の俯瞰画像66の模式的かつ例示的な説明図である。図22、図23は、グレーチング60(網目蓋:一部のみ図示)で覆われた路面上に車両1が存在する場合を示す俯瞰画像62,66であり、中央に車両1に対する自車モデル1Aが表示されている例である。図22に示すように、ぼかし処理を実施しない場合、図18に示す縮小程度を示す領域56a~56cに対応して、不適切な拡大や強調が生じる領域64a~64c(不適切な拡大や強調が領域64aの方が強い)が分布する。なお、図22において、領域64dは、縮小処理の縮小率が50%以上または縮小が行われていない部分(実質的な画素欠落が生じない領域)である。図22に示すように、不適切な表示拡大や強調が生じる領域が自車モデル1Aを中心に段階的に広がり、見にくい俯瞰画像になる(自車モデル1Aに近い方が見にくい)。一方、図23に示すように、ぼかし実行部40cによって、基準点Bから表示対象位置までの距離Lgに応じて異なるぼかし強度Pでぼかし処理が実施されると、領域68a~68cにおける不適切な表示拡大や強調が均一化されるように緩和される。したがって、図22のような段階的に画質が変化するような表示が抑制され、縮小処理の縮小率が50%以上または縮小が行われていない領域64dとの見栄えの格差も軽減され、見やすい俯瞰画像にすることができる。
図24は、周辺監視部20によって、仮想視点を車両1の左斜め前方の上空に設定した場合に生成される、三次元画像を示す模式的かつ例示的な仮想画像70である。仮想画像70は、補正部26によって、仮想視点の位置に応じて自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様が補正され、表示バランスが改善されている。このような場合も、仮想画像70を生成する段階で、画像縮小処理部38によって縮小処理が実施され、図22と同様に,領域72a,72b等で示されるような不適切な表示拡大や強調(領域72aが領域72bより強い不適切な表示)が発生する。ぼかし処理部40は、対象距離取得部40aにより基準点B(B1~B4:図20参照)から表示する位置までの距離Lgを取得し、ぼかし強度取得部40bが、取得された距離Lgに基づきぼかし強度Pを取得する。なお、図24に示すような三次元態様の仮想画像70の場合、図20に示すような俯瞰視の仮想画像59とは、各表示位置における縮小率(拡縮率)が異なる。そのため、図25に示すように、基準点(例えば撮像部の位置)から表示対象位置までの距離Lgと、ぼかし強度Pの関係を例示的に示すマップ(ラインS7)は、図21に示す俯瞰視の仮想画像59用のマップ(ラインS6)とは異なる場合がある。三次元態様の仮想画像70の場合、前述したように、元々車両1に近い位置ほど表示が大きくなる。そのため、仮想画像59に比べて仮想画像70は車両1の近傍での縮小の程度は軽減される。したがって、例えば、図25に示されるマップにおけるラインS7は、ぼかし強度Pが最大となるPmaxの期間が図21のマップにおけるラインS6より短い等の違いがある。このように、生成する俯瞰画像の種類に応じて、ぼかし強度Pの設定を変化させることにより、生成する仮想画像に適したぼかし処理が実行され、より見やすい仮想画像を提供することができる。
なお、画像縮小処理部38は、仮想画像を生成する過程であれば、いずれの段階で画像サイズの縮小処理を実行してもよい。例えば、各撮像部15で撮像した画像を画像取得部22で取得する段階で縮小処理を実行してもよいし、各撮像部15で撮像した画像を繋ぎ合わせて周囲画像を生成する段階で縮小処理を実行してもよい。また、三次元態様の仮想画像を生成する段階で縮小処理を実行してもよい。そして、ぼかし処理部40は、縮小処理が施された画像または、縮小処理が施されない画像に対して、いずれかの段階でぼかし処理を実行することが可能で、より見やすい仮想画像を生成することができる。
このように構成される周辺監視装置(周辺監視部20)による、画像表示処理の流れの一例を図26のフローチャートを用いて説明する。なお、図26のフローチャートは、例えば、車両1の電源がONされている場合に、所定の処理周期で繰り返し実行されるものとする。なお、図26のフローチャートは、一例として仮想投影面46(側面46b)の高さを変更することにより自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様のバランスを補正して仮想画像を表示する場合を示す。
まず、周辺監視部20は、利用者が操作入力部10等を操作して、仮想画像の表示要求をしているか否かを確認する(S100)。要求がない場合(S100のNo)、一旦このフローを終了する。一方、周辺監視部20が、仮想画像の表示要求を確認した場合(S100のYes)、画像取得部22は、各撮像部15が撮像する車両1の周囲の撮像画像データ(撮像画像)を取得する(S102)。また、画像取得部22は、撮像部15から取得した撮像画像に基づき、図4に示すような車両1の周囲を示す周囲画像を取得する(S104)。そして、パラメータ設定部32は、表示要求された仮想画像を生成する際に用いる補正パラメータが既に設定済みか否か確認し(S106)、設定されていない場合(S106のNo)、パラメータ設定部32は、視点高さ取得部32a、物体距離取得部32b、物体方向取得部32c等を用いて必要な補正パラメータを設定する(S108)。例えば、仮想視点の高さや、物体54までの距離、物体54の存在する方向等、補正係数を決定するための補正パラメータを取得する。補正パラメータが設定済みの場合(S106のNo)、S108の処理はスキップする。続いて、補正係数取得部34は、パラメータ設定部32が設定した補正パラメータに基づき、自車モデル1Aの高さ方向の表示態様と周囲画像の高さ方向の表示態様の少なくとも一方を補正する補正係数を取得する(S110)。
仮想画像生成部36は、補正係数取得部34が取得した補正係数を用いて投影面取得部23が取得した仮想投影面46の高さを補正し、画像取得部22が取得した周囲画像を投影して仮想画像の生成処理を実行する(S112)。この場合、仮想画像の生成に当たり、画像の縮小が実行済みでない場合(S114のNo)、画像縮小処理部38は、表示する仮想画像に応じた画像の縮小処理を実行する(S116)。既に、画像の縮小処理が実行済みの場合(S116のYes)、S116の処理はスキップする。なお、前述したように画像の縮小処理(S114、S116)は、他のタイミングで実行してもよい。
続いて、ぼかし処理部40は、対象距離取得部40aを用いて仮想画像を表示する場合の処理対象位置までの距離Lgを取得し(S118)、ぼかし強度取得部40bは、各処理対象位置におけるぼかし強度Pを取得する(S120)。そして、ぼかし実行部40cは、ぼかし強度取得部40bで取得したぼかし強度Pにしたがい、仮想画像のぼかし処理を実行する(S122)。ぼかし処理部40は、この処理周期で表示する仮想画像における必要領域(例えば、領域70a~70c)のぼかし処理が全て完了したか判定し(S124)、完了していない場合(S124のNo)、S118に移行し、他の必要部分のぼかし処理を実行する。また、ぼかし処理が全て完了している場合(S124のYes)、出力部30は、生成したぼかし処理済みの仮想画像の表示データを表示制御部14dに出力し(S126)、表示装置8に表示させる。そして、出力部30は、操作入力部10等を介して、仮想画像の表示完了指示を受け付けていない場合(S128のNo)、S102に戻り、S102以降の処理を実行し、表示装置8に表示する仮想画像の更新処理を実行する。なお、S128において、仮想画像の表示完了指示を受け付けている場合(S128のYes)、このフローを一旦終了し、仮想画像の表示処理を終了させる。
このように、実施形態の周辺監視装置によれば、車載の撮像部15で撮像した画像を表示装置8に表示する場合に、見やすさがより改善された仮想画像の表示ができる。なお、ぼかし処理は、任意実行の処理とすることが可能で、例えば、操作入力部10を介してぼかし処理が不要であることが要求された場合、S118~S126の処理を省略することができる。
実施形態のCPU14aで実行される周辺監視処理のためのプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、周辺監視処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施形態で実行される周辺監視処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。