JP2003037767A - デジタルカメラ - Google Patents

デジタルカメラ

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JP2003037767A
JP2003037767A JP2001222372A JP2001222372A JP2003037767A JP 2003037767 A JP2003037767 A JP 2003037767A JP 2001222372 A JP2001222372 A JP 2001222372A JP 2001222372 A JP2001222372 A JP 2001222372A JP 2003037767 A JP2003037767 A JP 2003037767A
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Akira Kosaka
明 小坂
Rieko Izume
理恵子 井爪
Yasuaki Serita
保明 芹田
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 135フォーマットのカメラと同じぼけ具合
の画像を提供するデジタルカメラを実現する。 【解決手段】 撮影対象の各部位までの距離を検出し、
撮影した画像を表す画像データに、検出した距離に応じ
たぼかし処理を施す。ぼかし処理は、撮像素子の対角長
と135フォーマットフィルムの対角長の比を考慮し
て、錯乱円径を増大させる作用のフィルターを用いて行
う。撮影対象の各部位までの距離は、多重フォーカス法
によって一度に検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を電気信号に変
換して画像を表す画像データを生成するデジタルカメラ
に関し、特に、画像のぼけの度合いを変え得るデジタル
カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、銀塩感光剤を基材に塗布した
銀塩フィルムを感光させることにより画像を撮影するカ
メラが多用されてきた。これらのカメラ(以下、銀塩カ
メラという)は、銀塩フィルムの1コマの大きさによ
り、135フォーマット、645フォーマット、66フ
ォーマット、APSフォーマット等に分類される。
【0003】近年では、光を電気信号に変換する多数の
画素を有する撮像素子を備え、撮像素子を露光して、各
画素の出力信号から画像データを生成することにより画
像を撮影するデジタルカメラの普及が目覚ましい。デジ
タルカメラには、銀塩フィルムに必要な現像、定着等の
後処理が全く不要であることのほか、生成した画像デー
タをパーソナルコンピュータ等の他の機器で利用できる
という大きな特徴があるため、銀塩カメラを使用してき
た多くの人がデジタルカメラを使用するようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】デジタルカメラの撮像
素子はどのフォーマットの銀塩フィルムよりも小さく、
したがって、同じ画角の画像を撮影するために必要な撮
影光学系の焦点距離は、デジタルカメラの方が銀塩カメ
ラよりも短い。焦点距離が短いと、撮影光学系のF数を
同じにしても、被写界深度が深くなる。このため、デジ
タルカメラで撮影すると、相対的に広い距離範囲に対し
て焦点が合うことになる。これは、同じ明るさの画像を
撮影したときにぼけの少ない画像が得られるという点で
デジタルカメラの長所ともなるが、ポートレートのよう
に背景のぼけ具合が重要な画像を撮影するときは、背景
までも鮮明になってしまって、逆に短所になる。
【0005】特に、銀塩カメラでの経験でF数と背景の
ぼけ具合との関係に馴染んだ人にとっては、従来どおり
のF数で撮影すると、得られた画像のぼけ具合が想定し
ていたぼけ具合と相違することになり、大きな違和感を
覚える結果となる。
【0006】デジタルカメラで銀塩カメラと同じぼけ具
合を得るためには、焦点距離が短くなることに比例させ
てF数を小さくする必要がある。しかし、適切なF数を
知るためにこのような計算をすることは使用者にとって
は煩雑であり、また、算出したF数が撮影光学系の設定
可能な最小F数よりも小さくなって、実際には設定でき
ないという事態が生じることも多い。設定可能な最小F
数を小さくするためには撮影光学系を大口径化する必要
があり、最小F数をあまりに小さくすることはサイズお
よびコストの双方の点で実際的ではない。当然、理論的
な限界もある。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、画像のぼけに関して、銀塩カメラに馴染ん
だ人にとっても使い勝手のよいデジタルカメラを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、光を電気信号に変換する画素が2次元
に配列された撮像素子と、撮影対象範囲からの光を撮像
素子に導く撮影光学系とを備え、撮像素子の各画素が出
力する電気信号から撮影対象範囲の画像を表す画像デー
タを生成するデジタルカメラは、撮影対象範囲の複数の
点までの距離を検出し、検出した距離に基づいて、焦点
を合わせる距離とF数を同じに設定した135フォーマ
ットのカメラによって同じ撮影対象範囲を撮影したとき
に得られる画像と、ぼけが同程度の画像を表す画像デー
タを生成するものとする。
【0009】このデジタルカメラは、焦点を合わせる距
離およびF数を同じにして同じ撮影対象範囲を135フ
ォーマットの銀塩カメラで撮影したとすれば得られるで
あろう画像と、ぼけが同程度の画像を提供する。ぼかす
べき度合いは、撮影対象範囲の各部位と撮影光学系の焦
点が合っている部位との距離差に依存するから、撮影対
象範囲内の複数の点についてカメラからの距離を検出し
ておく。
【0010】ここで、撮影光学系と撮像素子の距離を変
えて複数の画像データを生成し、各画像データが表す画
像上での撮影対象範囲の複数の点の像の位置を検出し、
複数の画像データが表す画像間での各点の像の相対位置
と、撮影光学系と撮像素子の距離とに基づいて、撮影対
象範囲の複数の点までの距離を検出するようにするとよ
い。
【0011】この距離検出方法は多重フォーカス法と呼
ばれる。この方法では、撮影光学系と撮像素子の距離を
違えて最低2つの画像を撮影するだけで、演算により撮
影対象内の多数の点について一度に距離を求めることが
できる、したがって、ぼけの度合いを定めるために必要
な距離の情報が短時間で多量に得られ、ぼけの度合いが
画像全体にわたって適切な画像を提供することができ
る。また、所要時間も短くて済む。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。本実施形態のデジタル
カメラ1の構成を図1に模式的に示す。デジタルカメラ
1は、撮影レンズ11、撮像素子12、信号処理部1
3、記憶部14、表示部15、記録部16、操作部1
7、および制御部20より成る。
【0013】撮影レンズ11は撮影対象からの光を撮像
素子12上に結像させる。撮影レンズ11は、光束径を
規制する口径可変の絞り11aを備えている。撮像素子
12は光電変換を行う画素が2次元に多数配列されたエ
リアセンサである。
【0014】信号処理部13は、撮像素子12の画素が
出力するアナログ信号に相関二重サンプリング(CD
S)および自動ゲイン制御(AGC)の処理を施して、
処理後の信号をデジタル信号に変換するとともに、変換
したデジタル信号に画素補間、ホワイトバランス調節、
γ補正等の諸処理を施して、撮像素子12上に形成され
た像を表す画像データを生成する。撮像素子12による
光電変換から信号処理部13による画像データの生成ま
での一連の処理により、画像が撮影される。
【0015】記憶部14は信号処理部13が生成した画
像データを一時的に記憶する。表示部15は記憶部14
が記憶している画像データが表す画像を表示する。画像
データが生成されるごとにその画像を表示することで、
ライブビューが提供される。記録部16は、記憶部14
が記憶している画像データを圧縮して、メモリカード等
の着脱可能な記録媒体に記録する。記録は制御部20の
指示に応じて行う。
【0016】操作部17は、使用者によって操作される
いくつかの操作部材より成り、撮影の開始を指示するボ
タン、記録用の画像を撮影して記録することを指示する
ボタン、デジタルカメラ1の動作モードを設定するダイ
アル等が含まれる。
【0017】制御部20は、操作部17を介して使用者
より与えられる指示および設定されている動作モードに
応じて、デジタルカメラ1全体の動作を制御する。例え
ば、与えられる指示に応じて、記録部16に画像データ
を記録させる。制御部20はまた、信号処理部13が生
成した画像データに基づいて、撮影レンズ11の焦点を
調節し、撮像素子12の露光量を制御する。
【0018】撮影レンズ11の焦点調節に必要な撮影対
象までの距離の検出は、後述する多重フォーカス法によ
って行う。撮像素子12の露光量の制御は、絞り11a
の開口径の調節と、各画素の光電変換時間すなわち電子
シャッター速度の調節を併用して行う。
【0019】デジタルカメラ1は、撮像素子12上に形
成された像をそのまま表す画像データを生成する通常モ
ードと、撮像素子12上に形成された像にぼけを生じさ
せて、あたかも135フォーマットの銀塩カメラで撮影
されたかのような画像を表す画像データを生成する13
5モードとを有する。通常モードと135モードは、操
作部17のダイアルを操作することにより切り換えられ
る。
【0020】通常モードでは、制御部20は、画像デー
タが表す画像の明るさに基づいて、絞り11aの開口径
と撮像素子12の電子シャッター速度を定める。一方、
135モードでは、制御部20は、使用者が操作部17
の操作により指定したF数に対応するように絞り11a
の開口径を定め、そのF数と画像データが表す画像の明
るさに基づいて、撮像素子12の電子シャッター速度を
定める。
【0021】撮影対象までの距離を検出する多重フォー
カス法の原理について図9〜図11を参照して説明す
る。この方法では、撮影レンズ11と撮像素子12の距
離を変えて、複数の画像を撮影する。これらの画像を撮
影レンズ11の光軸W(以下、フォーカス軸ともよぶ)
に沿って並べると、図9に示す画像空間(多重フォーカ
ス画像空間とよぶ)が形成される。
【0022】図9は、撮影対象Hの一部に輝度差の大き
い直線状の境界(エッジ)Eが存在し、このエッジEを
3つの画像Ma、Mj、Mbとして撮影した状態を表し
ている。これらのうち第1の画像Maは、撮影レンズ1
1の焦点を無限遠に設定して撮影したものであり、撮影
レンズ11の主点Oを原点とするフォーカス軸W上の座
標wは、撮影レンズ11の焦点距離fである。通常、撮
影対象Hは無限遠には位置せず、画像Maは撮影対象H
に対して、いわゆる後ピンの状態となる。
【0023】第2の画像Mjは、撮影レンズ11の焦点
が撮影対象Hに合った、いわゆるジャストフォーカスの
状態で撮影されたものである。この画像Mjのフォーカ
ス軸W上の座標をvとする。なお、撮影対象Hまでの距
離が未知の段階でジャストフォーカスの画像Mjを撮影
することはできないから、偶然の場合を除き、撮影する
複数の画像のいずれもジャストフォーカスの画像Mjと
はならない。
【0024】第3の画像Mbは、撮影レンズ11の焦点
が撮影対象よりも手前に合った、いわゆる前ピンの状態
で撮影されたものである。
【0025】多重フォーカス画像空間におけるジャスト
フォーカス画像Mjの位置、すなわち座標vが判ると、
式1のレンズの基本公式より、撮影レンズ11から撮影
対象Hまでの距離uが直ちに求められる。 1/f=1/u+1/v … 式1
【0026】図9において、直線POを含み直線エッジ
Eの像と直交する平面φを考える。この平面φで多重フ
ォーカス空間画像を切断して得られる断面画像を、フォ
ーカス軸Wを含みかつ平面φが通る撮影レンズ11の直
径を含む平面μに投影すると、図10に示すような明度
分布の画像が得られる。これを空間焦点画像とよぶ。
【0027】フォーカス軸W上での座標wが大きいほ
ど、すなわち撮影レンズ11から離れるほど画像の明度
は低くなるが、この点を補正すると、合焦時のエッジ点
Pの像の位置Q(v,d)を通る次の式2〜式5の直線
(いずれも0<λ<1)上の点は全て等しい明度にな
る。これらの直線を等明度直線とよぶ。 s=((d−λr)/v)w+λr (ただしw<v) … 式2 s=((d+λr)/v)w−λr (ただしw>v) … 式3 s=((d+λr)/v)w−λr (ただしw<v) … 式4 s=((d−λr)/v)w+λr (ただしw>v) … 式5
【0028】空間焦点画像は、明度がIa〜Ibの範囲
で変化する遠距離側ぼけ領域R1、明度がIa〜Ibの
範囲で変化する近距離側ぼけ領域R2、明度がIaで一
定の合焦明度領域R3、明度がIbで一定の合焦明度領
域R4の4領域に分類される。このような等明度直線
を、撮影対象Hのいくつかのエッジ点について求めるこ
とで、それらの交点として、撮影対象Hのフォーカス軸
W上のジャストフォーカス画像の座標vが得られる。
【0029】図10に示した空間焦点画像上で合焦エッ
ジ点位置Q(v,d)を通る式6の直線が、フォーカス
軸Wに一致するように整形を行う。整形後の画像を整形
空間焦点画像とよぶ。この整形空間焦点画像上の明度分
布を図11に示す。 s=(d/v)w … 式6
【0030】整形により等明度直線は式7〜式10で表
されることになり、交点としての座標vの算出が容易に
なる。 s=−(λr/v)w+λr (ただしw<v) … 式7 s= (λr/v)w−λr (ただしw>v) … 式8 s= (λr/v)w−λr (ただしw<v) … 式9 s=−(λr/v)w+λr (ただしw>v) … 式10
【0031】等明度直線を得るための撮影対象H上の点
は、周囲との区別が明瞭である限りどのような点でもよ
いが、特に、明度の高い部分と低い部分の境界であるエ
ッジ上の点が好ましい。色の異なる部分の境界もエッジ
として利用することが可能である。エッジは、例えば、
分散値画像を用いることで容易に検出することができ
る。
【0032】上記の演算処理により撮影対象範囲に含ま
れる一部の撮影対象Hの距離が判る。このようにして主
たる撮影対象までの距離を検出し、検出した距離に対し
て撮影レンズ11の焦点を合わせることで、主たる撮影
対象に焦点の合った画像を得ることができる。撮影レン
ズ11の焦点を主たる撮影対象に対して合わせる際に
は、そのコントラストが最高になるように、画像のコン
トラストを検出しながら微調整を行って、合焦精度を高
めるようにしてもよい。
【0033】距離検出のための上記の演算は制御部20
の距離検出部21が行う。ここでは3つの画像を用いて
多重フォーカス画像空間を作成する例を示したが、2つ
の画像から多重フォーカス画像空間を作成することも可
能である。その場合、等明度直線が一意に定まらず、等
明度直線の交点が複数得られるが、いくつかのエッジ点
に共通の交点を選出することで、結像位置を表す真の交
点を得ることは容易である。また、4つ以上の画像を用
いて多重フォーカス画像空間を作成すると、等明度直線
の精度が向上し、したがって、検出する結像位置の精度
も向上する。ただし、演算量が増大することを考慮する
と、用いる画像の数は3程度とするのがよい。なお、フ
ォーカス軸W上での座標wが大きいほど画像の明度が低
くなることについての補正等、多重フォーカス法の演算
処理については、本出願人の特願2001−10088
9に詳しく説明されている。
【0034】135モードについて説明する。撮像素子
12は2/3型と呼ばれる大きさのものであり、対角長
が11mmである。したがって、撮影レンズ11の焦点
距離は135フォーマットのカメラ(以下、単に135
カメラともいう)のものに比べて短い。デジタルカメラ
1と135カメラで、画角、F数、撮影距離(焦点を合
わせる距離)を同じに設定して同一撮影対象範囲を撮影
する場合の撮影条件の例を図2および表1に示す。
【0035】 <表1> デジタルカメラ1 135フォーマットカメラ 対角長(mm) 11 43.3 画角θ(°) 57 57 焦点距離f(mm) 10 40 F数 4 4 許容錯乱円径(μm) 8.38 33 焦点深度(μm) 33.5 132 撮影距離D(mm) 4 4 被写界深度(m) 5.4 1.3
【0036】なお、一般に、像高y、画角θ、錯乱円径
δ、横倍率β、焦点距離f、F数、撮影距離D、焦点深
度、被写界深度は表2に示した関係にあり、表1中の焦
点深度や被写界深度は、この関係から得られる数値であ
る。また、デジタルカメラ1の許容錯乱円径は、135
カメラの許容錯乱円径に対角長比を乗じることによって
算出している。
【0037】<表2> y=f×tan(θ) 焦点深度=F数×δ β=f/D(ただしD>>f) 被写界深度=焦点深度/β2
【0038】上記の撮影条件で得られる画像の例を図3
に模式的に示す。図3において、(a)がデジタルカメ
ラ1で得られる画像、(b)が135カメラで得られる
画像である。いずれも主たる撮影対象Objである人物
に焦点を合わせている。主たる撮影対象Objの1点A
までの距離は4mであり、背景Bck1である木の1点
Bおよび背景Bck2である建物の1点Cまでの距離は
それぞれ8mおよび20mである。
【0039】表1に示した撮影距離Dと被写界深度よ
り、鮮明に撮影される距離範囲は、デジタルカメラ1で
は9.4(=4+5.4)mまで、135カメラでは
5.3(=4+1.3)mまでとなる。したがって、図
3(a)では、背景Bck1はぼけておらず背景Bck
2のみがぼけている。一方、図3(b)では、背景Bc
k1、背景Bck2ともにぼけており、背景Bck2の
方がよりぼけている。
【0040】135モードでは、実際の撮影で生成した
画像データにぼかし処理を施して、135カメラで撮影
されたかのような画像を表す画像データを生成する。こ
のためには、錯乱円径を対角長の比に比例させて大きく
すればよく、これは、F数を対角長の比に反比例させて
小さくすることに相当する。つまり、実際に画像を撮影
したときのF数が4であれば、F数が1の状態で撮影し
た画像となるように、錯乱円を拡大する。
【0041】例として、背景Bck1の点Bの錯乱円を
図4に示す。点Bまで距離と撮影レンズ11の焦点を合
わせている主たる撮影対象Objの点Aまでの距離との
差は4mであるから、これから計算すると撮像素子12
上での点Bの錯乱円径は、(a)に示すように6.25
μmとなる。これを4倍の大きさとして、(b)に示す
ように25μmとする。表1に示したように、許容錯乱
円径は8.38μmであるから、点Bはぼけることにな
る。なお、135カメラでの点Bの錯乱円径は100μ
mであり、ぼけの程度は両者で一致する。
【0042】画像データにぼかし処理を施すことは、制
御部20のぼかし処理部22が行う。錯乱円径は、デジ
タルカメラ1から撮影レンズ11の焦点を合わせる主た
る撮影対象までの距離と、撮影対象範囲の他の各部位ま
での距離の差に依存するから、ぼかす程度はこの距離差
に応じて変える。このためには、撮影対象範囲の各部位
までの距離を検出する必要があるが、これは前述の多重
フォーカス法によって行う。具体的には、主たる撮影対
象に対して撮影レンズ11の焦点を合わせるための距離
検出で撮影する画像を利用して、各部位まで距離を検出
する。
【0043】135モードでの処理の流れを図5に示
す。使用者より操作部17を介して記録指示が与えられ
ると(ステップ#10)、まず、絞り11aの開口径を
所定のF値(例えば設定可能な最小値)に設定し、撮影
レンズ11の焦点を無限遠に合わせて、第1の画像を撮
影する(#20)。次いで、絞り11aの開口径をその
ままにし、撮影レンズ11の焦点を無限遠と設定可能な
最近距離との間の所定の距離(例えば5m)に合わせ
て、第2の画像を撮影する(#30)。さらに、絞り1
1aの開口径をそのままにし、撮影レンズ11の焦点を
設定可能な最近距離に合わせて、第3の画像を撮影する
(#40)。
【0044】そして、これら3つの画像に基づいて前述
の多重フォーカス演算を行って、撮影対象範囲の各部位
まで距離を算出する(#50)。これで、主たる撮影対
象までの距離と、他の多数の部位までの距離とが得られ
る。なお、画角全体のうちの中央付近の所定範囲内で最
も近くに位置する(算出した距離が短い)部位を主たる
撮影対象とする。
【0045】距離算出後、絞り11aの開口径を操作部
17で設定されているF値に対応する大きさに設定し、
撮影レンズ11の焦点を主たる撮影対象に合わせて、記
録用の本画像を撮影する(#60)。そして、生成した
画像にぼかし処理を施す(#70)。最後に、生成した
画像データが表す画像を表示部15に表示するとともに
(#80)、その画像データを記録部16により記録媒
体に記録する(#90)。
【0046】ステップ#70で行うぼかし処理で必要に
なる距離と錯乱円径の関係の例を表3に示す。これは、
主たる撮影対象までの距離が4mで、実際の撮影時のF
数が4(処理後のF数が1)のときのものである。
【0047】 <表3> 距離(m) 錯乱円径(μm) F数=4 F数=1 差 1 −4.6875 −18.75 14.0625 2 −3.125 −12.5 9.375 3 −1.5625 −6.25 4.6875 4 0 0 0 5 1.5625 6.25 4.6875 6 3.125 12.5 9.375 7 4.6875 18.75 14.0625 8 6.25 25 18.75 9 7.8125 31.25 23.4375 10 9.375 37.5 28.125 20 25 100 75 30 40.625 162.5 121.875 40 56.25 225 168.75 50 71.875 287.5 215.625 60 87.5 350 262.5 70 103.125 412.5 309.375 80 118.75 475 356.25 90 134.375 537.5 403.125 100 150 600 450
【0048】表3の右端の列に示したのは、F数が4の
ときと1のときの錯乱円径の差であり、この差に等しい
ぼかし処理を施せばよいことになる。なお、表3の数値
は、焦点距離f、F数、撮影対象まで距離等から算出で
きるものであり、テーブルとして記憶しておく必要はな
い。
【0049】ぼかし処理について説明する。ぼかし処理
は、所定の大きさのフィルターを用いて画像データの信
号強度を変換することにより行う。フィルターFにより
信号強度を変換する様子を図6に示す。画像データを構
成する画素信号に、その配列順にフィルターFを作用さ
せて、強度を変換していく。フィルターFの特性は、各
画素信号に対応する撮影対象の部位までの距離に応じ
て、表3の右端の列に示した錯乱円径の差に相当する範
囲に信号強度を分散させるように設定する。また、元の
画像データを保存しておくとともに、全ての信号強度が
0の新たな画像データを用意しておいて、元の画像デー
タにフィルターFを順次作用させて得られる信号強度を
新たな画像データに加算していく。
【0050】画像データとフィルターFの関係の例を図
7、図8に示す。これらの図において、(b)はフィル
ターF、(a)は元の画像データのうち(b)のフィル
ターFを作用させる対象とする画素信号、(c)は
(b)のフィルターFを(a)の1つの画素信号に作用
させたことによる信号強度の分散を表す。ここではフィ
ルターFを13×13の画素信号に相当する大きさとし
ており、また、撮像素子12の画素の配列ピッチを6.
45μmとしている。さらに、図3(a)に示した背景
Bck1の点Bと背景Bck2の点Cが、図6に示した
(01,01)から(99,99)までの画像データの
(52,78)付近と(34,19)付近にそれぞれ位置
する場合を示している。
【0051】点Bまでの距離8mに対応するデジタルカ
メラ1の錯乱円径は表3より6.25μmであるから、
点Bを表すのは、図7(a)に示したように、(52,
78)の1画素の信号のみである。点Bまでの距離8m
に対応する錯乱円径の差は表3より18.75μmであ
り、この値は面積にして約5画素に相当するから、フィ
ルターFとしては、図7(b)に示したように、(5
2,78)の信号の強度を上下左右の4つを含む5つの
画素信号に等しく分散させる特性のものを用いる。
【0052】点Cまでの距離20mに対応するデジタル
カメラ1の錯乱円径は表3より25μmであり、この値
は面積にして約9画素に相当するから、点Bを表すの
は、図8(a)に示したように、(34,19)を中心
とする9つの信号となる。点Cまでの距離20mに対応
する錯乱円径の差は表3より75μmであり、この値は
面積にして約89画素に相当するから、フィルターFと
しては、図8(b)に示したように、(34±1,19
±1)の9つの信号の強度をそれぞれ89の画素信号に
等しく分散させる特性のものを用いる。図8(c)は、
(33、18)の信号強度を分散させた直後であって、
他の8つの信号強度を後に分散させることを示してい
る。
【0053】なお、フィルターFによって信号強度を分
散させる際に、分散先の画素が表す点までの距離が、分
散元の画素が表す点までの距離よりも短いときには、そ
の画素には信号強度を分散させない。これにより、手前
に位置する撮影対象の像に遠くに位置する撮影対象の像
が滲み出すことが防止され、自然な画像が得られる。
【0054】135モードを有するデジタルカメラは、
ポートレートの撮影において、主たる撮影対象以外が良
好にぼけた画像を提供することができる。しかも、使用
者はモードを設定するだけでよく、使い勝手がよい。
【0055】対角長の小さい撮像素子を用いながら対角
長の大きい他のカメラで撮影したときのぼけ具合を得る
本発明は、135フォーマットの銀塩カメラに限らず、
表4に示したようなフォーマットのカメラのぼけ具合を
得るためにも適用することができる。
【0056】<表4> フォーマット 対角長(mm) 縦×横(mm) APS 34.5 17×30 645 68.0 55×60 66 77.8 55×55
【0057】
【発明の効果】撮影対象範囲の複数の点までの距離を検
出し、検出した距離に基づいて、焦点を合わせる距離と
F数を同じに設定した135フォーマットのカメラによ
って同じ撮影対象範囲を撮影したときに得られる画像
と、ぼけが同程度の画像を表す画像データを生成するよ
うにした本発明のデジタルカメラでは、撮影対象のうち
撮影光学系の焦点が合っている主たる部分が鮮明であり
ながら、135フォーマットの銀塩カメラで撮影した場
合と同程度に背景や前景がぼけた画像を得ることができ
る。したがって、ポートレートのようにぼけが画像の美
観を大きく左右する画像の撮影に適する。使用者はF数
の換算を行う必要が全くなく、使い勝手もよい。
【0058】撮影光学系と撮像素子の距離を変えて複数
の画像データを生成し、各画像データが表す画像上での
撮影対象範囲の複数の点の像の位置を検出し、複数の画
像データが表す画像間での各点の像の相対位置と、撮影
光学系と撮像素子の距離とに基づいて、撮影対象範囲の
複数の点までの距離を検出するようにすると、ぼけの度
合いを定めるために必要な距離の情報が短時間で多量に
得られ、ぼけの度合いが画像全体にわたって適切な画像
を速やかに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のデジタルカメラの構成
を模式的に示すブロック図。
【図2】 上記デジタルカメラでの撮影条件の例を示す
図。
【図3】 上記デジタルカメラで図2の撮影条件により
撮影した画像(a)、および焦点を合わせる距離とF数
を同じにして同一範囲を135カメラで撮影した画像
(b)を模式的に示す図。
【図4】 上記デジタルカメラの撮像素子上の錯乱円
(a)と、ぼかし処理のために拡大した錯乱円(b)の
例を示す図。
【図5】 上記デジタルカメラにおけるぼかし処理を行
うモードでの処理の流れを示すフローチャート。
【図6】 上記デジタルカメラにおけるぼかし処理のた
めに画像データにフィルターを作用させていく様子を示
す図。
【図7】 上記デジタルカメラにおけるぼかし処理のた
めの画像データとフィルターの関係の例を示す図。
【図8】 上記デジタルカメラにおけるぼかし処理のた
めの画像データとフィルターの関係の他の例を示す図。
【図9】 距離検出のために用いる多重フォーカス画像
空間の例を示す図。
【図10】 図9の多重フォーカス画像空間の断面を投
影した空間焦点画像を示す図。
【図11】 図10の空間焦点画像を整形した整形空間
焦点画像を示す図。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ 11 撮影レンズ 11a 絞り 12 撮像素子 13 信号処理部 14 記憶部 15 表示部 16 記録部 17 操作部 20 制御部 21 距離検出部 22 ぼかし処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芹田 保明 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 5C022 AA13 AB28 AC42 AC54

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を電気信号に変換する画素が2次元に
    配列された撮像素子と、撮影対象範囲からの光を撮像素
    子に導く撮影光学系とを備え、撮像素子の各画素が出力
    する電気信号から撮影対象範囲の画像を表す画像データ
    を生成するデジタルカメラにおいて、 撮影対象範囲の複数の点までの距離を検出し、検出した
    距離に基づいて、焦点を合わせる距離とF数を同じに設
    定した135フォーマットのカメラによって同じ撮影対
    象範囲を撮影したときに得られる画像と、ぼけが同程度
    の画像を表す画像データを生成することを特徴とするデ
    ジタルカメラ。
  2. 【請求項2】 撮影光学系と撮像素子の距離を変えて複
    数の画像データを生成し、各画像データが表す画像上で
    の撮影対象範囲の複数の点の像の位置を検出し、複数の
    画像データが表す画像間での各点の像の相対位置と、撮
    影光学系と撮像素子の距離とに基づいて、撮影対象範囲
    の複数の点までの距離を検出することを特徴とする請求
    項1に記載のデジタルカメラ。
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