JP7314101B2 - 被処理水の膜閉塞性評価方法、被処理水の凝集処理条件の決定方法および被処理水の膜閉塞性評価装置 - Google Patents
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Description
被処理水を精密ろ過膜及び限外ろ過膜からなる群から選択される第一の分離膜でろ過して膜ろ過水を得る前ろ過工程と、前記膜ろ過水に凝集剤を添加して凝集処理水を得る凝集剤添加工程と、前記凝集処理水を、前記第一の分離膜以下の孔径を有し、精密ろ過膜及び限外ろ過膜からなる群から選択される第二の分離膜により膜ろ過すると共にこの膜ろ過時のろ過抵抗を測定するろ過抵抗測定工程と、前記ろ過抵抗の測定結果により被処理水の膜閉塞性を評価する膜閉塞性評価工程と、を有することを特徴とする。
被処理水をろ過するための、精密ろ過膜及び限外ろ過膜からなる群から選択される第一の分離膜と、前記第一の分離膜でろ過された膜ろ過水に凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、凝集剤添加手段で凝集剤が添加されて得られた凝集処理水を膜ろ過するための、前記第一の分離膜以下の孔径を有し、精密ろ過膜及び限外ろ過膜からなる群から選択される第二の分離膜と、前記凝集処理水を前記第二の分離膜で膜ろ過する際のろ過抵抗を測定するろ過抵抗測定手段と、を有し、前記ろ過抵抗の測定結果により被処理水の膜閉塞性を評価することを特徴とする。
図1は本発明の被処理水の膜閉塞性評価方法を模式的に示すフローシートである。図示のように、被処理水1が第一の分離膜12でろ過され、ろ過された膜ろ過水2に凝集剤3が添加されて凝集処理水4となり、この凝集処理水4が第二の分離膜14により膜ろ過され、処理水5となる。そして、第二の分離膜14による膜ろ過時にろ過抵抗が測定され、測定されたろ過抵抗値により被処理水4の膜閉塞性を評価するものである。以下、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は特定の具体例に限定されるものではない。
被処理水1には水道原水が用いられる。水道原水は、例えば、河川水、地下水、ダム湖水、湖沼水、伏流水、地下水などが挙げられる。
第一の分離膜12は、後述する前ろ過工程で用いられる分離膜であり、精密ろ過膜および限外ろ過膜からなる群から選択される。第一の分離膜12としては、被処理水の濁度成分を除去できる孔径であればよく、例えば、孔径1μm以下であり、好ましくは孔径0.1μm以上0.45μm以下である。孔径0.1μmより小さい精密ろ過膜または限外ろ過膜でも本発明の実施は可能であるが、高い透水性能の確保および被処理水中からの濁度成分の除去の観点から、第一の分離膜12の孔径が0.1μm以上0.45μm以下であることが好ましい。
使用する凝集剤3としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム(PACl)、硫酸バンドなどのアルミニウム系凝集剤を用いることができるが、これに限られるものではない。アルミニウム系凝集剤を用いる場合、塩基度50%以上90%以下のものを用いることが好ましいが、この範囲外の塩基度のものも使用可能である。
第二の分離膜14の材質は、高分子膜でも無機膜でも何ら制限される事はないが、膜の物理的強度が強い方が望ましく、PTFE、PVDF、PES、セルロース混合エステル、酢酸セルロースなどの膜が使用できる。膜厚は100μm以上の方が取り扱い易いので好ましい。中でも、PVDFは膜強度も強いので好ましく、浄水設備で最も利用されている膜材質である点でも望ましい。
本発明は、吸引ろ過、加圧ろ過のろ過方法に何ら制限される事はないが、作成した凝集処理水4をできるだけ速やかに第二の分離膜14でのろ過抵抗測定に供給するためには吸引ろ過の方が好ましい。
本発明は、平膜、中空糸膜の膜形状に何ら制限される事はないが、それぞれ特徴がある。平膜の場合、市販の吸引ろ過ホルダーを使用すれば、ファンネルをはずすだけで洗浄操作が可能であり、種々の市販されている膜があるので、目的に応じて膜の選定が可能となる。
本工程では、被処理水1を精密ろ過膜及び限外ろ過膜からなる群から選択される第一の分離膜12でろ過して膜ろ過水2を得る。本工程において、被処理水1から濁度成分が主に除去され、色度成分が膜ろ過水2中に残る(以上、前ろ過工程(S101))。
本工程では、膜ろ過水2に凝集剤3を添加して凝集処理水4を得る。本工程では、例えば、凝集条件の決定のため、複数の区分の凝集処理水4が調整される。例えば、凝集剤3の注入率(添加濃度)を決定したい場合には、凝集剤3の注入率を変更した複数の区分の凝集処理水4を調整する。また、複数の凝集剤3の中から最適な凝集剤3を選択したい場合には、凝集剤3の種類(および必要であれば注入率)を変更した複数の区分の凝集処理水4を調整する。さらに、凝集pHを決定したい場合には、凝集剤3の添加の際に酸や塩基でpHを変更した複数の区分の凝集処理水4を調整する(以上、凝集剤添加工程(S103))。
本工程では、凝集処理水4を、第一の分離膜12以下の孔径を有し、精密ろ過膜及び限外ろ過膜からなる群から選択される第二の分離膜14により膜ろ過すると共にこの膜ろ過時のろ過抵抗を測定する。
定流量ろ過の場合には、以下の式(2)
を、それぞれ得ることができる。
本工程では、ろ過抵抗の測定結果により被処理水の膜閉塞性を評価する。具体的には、複数の区分の凝集処理水4について、前記ろ過抵抗測定工程(S103)で得られたケーキろ過定数Kcを比較し、よりケーキろ過定数Kcが小さい凝集処理水4を膜閉塞性が小さいと評価する(以上、膜閉塞性評価工程(S104))。
本工程は、任意に付加される工程であり、図4に示すように、凝集剤添加工程(S102)後であって、ろ過抵抗測定工程(S103)前の凝集処理水4中に含まれる粒子のゼータ電位とナノ粒子濃度を測定する。
本工程では、被処理水1に対して膜ろ過することなく直接凝集剤3を添加して他の凝集処理水4’を得る。
本工程では、他の凝集処理水4’を第二の分離膜14と同じ孔径を有する第三の分離膜16により膜ろ過すると共にこの膜ろ過時のろ過抵抗を測定して他のろ過抵抗の測定結果を得る。
次に、本発明の被処理水の凝集処理条件の決定方法について説明する。
次に、本発明の被処理水の膜閉塞性評価装置10について説明する。
被処理水には、比較的清澄な水道原水(濁度:9.5度、色度:15度、pH7.7、TOC:0.6mg/L)を使用し、この被処理水を孔径0.45μmのメンブンレンフィルターでろ過して膜ろ過水(濁度:<0.05度、色度:1.2度、TOC:0.5mg/L)とした。
被処理水には、比較的清澄な水道原水(神奈川県藤沢市の水道水を水道原水として使用)を使用し、前処理には、孔径0.1μmのメンブレンフィルターを使用し、このろ過水を凝集処理に供した。
2 膜ろ過水
3 凝集剤
4、4’ 凝集処理水
5 処理水
10 被処理水の膜閉塞性評価装置
12 第一の分離膜
14 第二の分離膜
16 第三の分離膜
Claims (5)
- 浄水処理プロセスにおいて分離膜を用いて処理される水道原水である被処理水の膜閉塞性評価方法であって、
被処理水を精密ろ過膜及び限外ろ過膜からなる群から選択される第一の分離膜でろ過して膜ろ過水を得る前ろ過工程と、
前記膜ろ過水に凝集剤を添加して凝集処理水を得る凝集剤添加工程と、
前記凝集処理水を、前記第一の分離膜以下の孔径を有し、精密ろ過膜及び限外ろ過膜からなる群から選択される第二の分離膜により膜ろ過すると共にこの膜ろ過時のろ過抵抗を測定するろ過抵抗測定工程と、
前記ろ過抵抗の測定結果により被処理水の前記第二の分離膜に対する膜閉塞性を評価する膜閉塞性評価工程と、
を有することを特徴とする被処理水の膜閉塞性評価方法。 - 凝集剤添加工程後であって、前記ろ過抵抗測定工程前の前記凝集処理水中に含まれる粒子のゼータ電位とナノ粒子濃度を測定するゼータ電位およびナノ粒子測定工程を有し、
前記膜閉塞性評価工程において、前記ろ過抵抗の測定結果、測定された前記ゼータ電位及びナノ粒子濃度の値により被処理水の前記第二の分離膜に対する膜閉塞性を評価することを特徴とする請求項1に記載の被処理水の膜閉塞性評価方法。 - さらに、前記被処理水に対して膜ろ過することなく直接前記凝集剤を添加した他の凝集処理水を得て、前記他の凝集処理水を前記第二の分離膜と同じ孔径を有する第三の分離膜により膜ろ過すると共にこの膜ろ過時のろ過抵抗を測定して他のろ過抵抗の測定結果を得て、前記膜閉塞性評価工程において前記他のろ過抵抗の測定結果も考慮して被処理水の前記第二の分離膜に対する膜閉塞性を評価することを特徴とする請求項1または2に記載の被処理水の膜閉塞性評価方法。
- 請求項1~3の何れか一項に記載の被処理水の膜閉塞性評価方法による被処理水の前記第二の分離膜に対する膜閉塞性の評価結果に基づき、前記被処理水の凝集処理条件を決定することを特徴とする被処理水の凝集処理条件の決定方法。
- 浄水処理プロセスにおいて分離膜を用いて処理される水道原水である被処理水をろ過するための、精密ろ過膜及び限外ろ過膜からなる群から選択される第一の分離膜と、
前記第一の分離膜でろ過された膜ろ過水に凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、
凝集剤添加手段で凝集剤が添加されて得られた凝集処理水を膜ろ過するための、前記第一の分離膜以下の孔径を有し、精密ろ過膜及び限外ろ過膜からなる群から選択される第二の分離膜と、
前記凝集処理水を前記第二の分離膜で膜ろ過する際のろ過抵抗を測定するろ過抵抗測定手段と、を有し、
前記ろ過抵抗の測定結果により被処理水の前記第二の分離膜に対する膜閉塞性を評価することを特徴とする被処理水の膜閉塞性評価装置。
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