JP7313809B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機や電子写真プリンタなどの画像形成装置に関する。
電子写真式の複写機やプリンタに搭載する定着装置として、フィルム加熱方式の装置が知られている。このタイプの定着装置は、ヒータと、ヒータに内周面が接触しつつ回転する筒状のフィルムと、フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、加圧ローラを回転するモータと、を有している。フィルムは加圧ローラの回転に追従して回転する。ニップ部で未定着のトナー画像を担持する記録材は挟持搬送されつつ加熱され、これによってトナー画像は記録材上に定着される。
フィルム加熱方式の定着装置において、フィルムやヒータは熱容量が小さく温まるのが速いものの、加圧ローラは熱容量が大きく温まりにくい。したがって、ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ加熱する過程で記録材から発生した水蒸気が加圧ローラの外周面(表面)に結露し、加圧ローラ表面とフィルムの外周面(表面)との間の摩擦力が低下してフィルムを回転させることが出来なくなる現象が発生する。以下、この現象を結露スリップと略記する。
フィルムの回転が減速もしくは停止した状態では記録材の搬送が困難になって、定着ニップ部の手前で記録材が弛む。すると、記録材の印字面が定着装置入口側の部材に擦れて画像不良が発生したり、装置内でジャムが発生したりする可能性がある。
結露スリップは、加圧ローラの表面温度が低いほど加圧ローラ表面に結露する水蒸気量が増え、画像不良やジャムが発生しやすい。画像形成装置の高速化に伴い、単位時間に通過する記録材の枚数が増加することから、連続プリント時の加圧ローラの表面温度は従来よりも温まりにくくなっている。
そこで、結露スリップを回避するためには、特許文献1のように、定着装置の定着処理開始前に行なう加圧ローラとフィルムの回転時間を延長して加圧ローラ表面を温める方法が有効である。特許文献2には、記録材がニップ部を通過した直後のフィルムの走行状態を検知した上で、次の記録材の搬送タイミングを決定する方法が開示されている。具体的には、フィルムの回転が減速もしくは停止した際に、ヒータもしくはフィルムのいずれかの温度を検知する温度検知手段の検知結果を利用し、検知温度の上昇量や下降量からフィルムの走行状態を判断するものである。
特開2001-222183号公報 特開2015-227983号公報
上記の画像形成装置においては、ユーザに不必要な待機時間を与えることなく、効果的に定着装置のフィルムの結露スリップの発生を低減することが求められている。
本発明の目的は、ユーザに不必要な待機時間を与えることなく、定着部のモータで回転される回転体に追従して回転する回転体に発生するスリップを低減可能な画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、記録材に画像を形成する画像形成部と、
第1回転体と、前記第1回転体と接触する第2回転体であって前記第1回転体の回転に従動して回転する第2回転体と、を有し、前記第1回転体と前記第2回転体の間に形成されるニップ部で、画像が形成された記録材を挟持搬送しつつ加熱して、画像を記録材に定着する定着部と、
前記第1回転体を駆動するモータと、
前記モータの駆動トルクを検知するトルク検知手段と、
制御手段と、を有し、
前記制御手段は、複数枚の記録材に連続して画像を形成するときに、記録材が前記ニップ部で搬送されている時の前記トルク検知手段が検知した駆動トルクと、この記録材が前記ニップ部を抜けてから後続の記録材が前記ニップ部に到達するまでの期間中前記トルク検知手段が検知した駆動トルクと、の差分に基づいて、前記ニップ部に記録材が進入する時の前記第1回転体の昇温度合を制御することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザに不必要な待機時間を与えることなく、定着部のモータで回転される回転体に追従して回転する回転体に発生するスリップを低減可能な画像形成装置を提供することができる。
実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図 定着装置の概略構成を示す断面図 定着装置を記録材搬送方向上流側から見たときの図 結露スリップの発生要因を説明するための図 結露スリップの発生要因を説明するための図 結露スリップの発生要因を説明するための図 結露スリップの発生要因を説明するための図 モータと、モータ駆動回路部と、UVW/αβ座標変換部と、αβ/dq座標変換部と、アンプと、CPUの関係を示すブロック図 モータの駆動トルクと結露スリップの関係を説明するための図 モータの駆動トルクと結露スリップの関係を説明するための図 モータの駆動トルクと結露スリップの関係を説明するための図 実施例2に係る画像形成装置において、モータと、モータ駆動回路部と、UVW/αβ座標変換部と、αβ/dq座標変換部と、アンプと、CPUと、メモリの関係を示すブロック図 曜日別にスリップ予兆データを蓄積した場合の図 時間別にスリップ予兆データを蓄積した場合の図 複数のカセット別にスリップ予兆データを蓄積した場合の図 印字率別にスリップ予兆データを蓄積した場合の図 定着装置の他の例の概略構成を示す断面図 モータMのIqの波形(駆動トルクTの推移)を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の好適な実施形態は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は以下の実施形態により限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において他の種々の構成に置き換えることは可能である。
[実施例1]
(1)画像形成装置100
図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置を説明する。図1は電子写真記録技術を用いた画像形成装置(本実施例においてはモノクロレーザープリンタ)100の一例の概略構成を示す断面図である。
画像形成装置100において、記録材に画像を形成する画像形成部10は、像担持体としての感光ドラム1と、帯電部材2と、レーザースキャナ3と、現像器4と、転写部材5と、感光ドラムの外周面をクリーニングするクリーナ6と、を有している。以上の画像形成部10の動作は周知であるので詳細な説明は割愛する。
装置本体100A内のカセット11に収納された記録材Pはローラ12の回転によって1枚ずつ繰り出され、ローラ13の回転によって感光ドラム1と転写部材5とで形成された転写部に搬送される。転写部でトナー画像が転写された記録材Pは定着部としての定着装置20に送られ、未定着のトナー画像は定着装置によって記録材上に加熱定着される。定着装置20を出た記録材Pはローラ14,15の回転によってトレイ16に排出される。
17はトップセンサである。トップセンサ17で記録材搬送方向の記録材Pの先端を検知することにより、感光ドラム1表面のトナー画像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するようにローラ13による記録材の転写部への搬送タイミングを合わせている。18は排出センサである。排出センサ18は、排出センサとトップセンサ17との間で記録材がジャムを起こした際にそれを検知するためのセンサである。
(2)定着装置(定着部)20
本実施例に示す定着装置20はフィルム加熱方式の装置である。定着装置20について、図2、図3を参照しながら説明する。図2は定着装置20の概略構成を示す断面図である。図3は定着装置20を記録材搬送方向上流側から見たときの図である。
定着装置20において、21は加熱ユニットであり、加熱体としての板状のセラミックヒータ22と、筒状のフィルム(第2回転体)23と、を有している。24はフィルム23と接触してニップ部Nを形成する加圧ローラ(第1回転体)である。25はガイド部材、26はガイド部材25を補強する金属製のステーである。
フィルム23の回転を案内するガイド部材25は、ガイド部材の平坦面の中央に設けられた溝25aによってヒータ2を支持している。このガイド部材25は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂によって形成され、記録材搬送方向の上流側及び下流側に設けられたガイド面25bでフィルム23の回転を案内している。ガイド部材25の溝25a側とは反対側の平坦面にはステー26が設置されている。ヒータ22を支持し、かつステー26が設置されたガイド部材25はフィルム23の中空部に挿通されている。
ヒータ22は記録材搬送方向に直交する定着装置20の長手方向に細長い基板22aを有している。アルミナや窒化アルミからなる基板22aの加圧ローラ24側の表面には、ヒータ22の長手方向に沿ってAg/Pd(銀パラジウム)、RuO、TaN等の発熱抵抗層23bが設けられている。基板22aの加圧ローラ24側の表面には更に、熱効率を損なわない範囲で発熱抵抗層22bを保護する保護層22cとしてガラス層が設けられている。
フィルム23は、クイックスタートを可能にするために総厚500μm以下の耐熱性フィルムである。このフィルム23は、筒状の基層と、基層の外周面に設けられた表層と、を有している。
基層の材質として、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂にカーボンブラック等の導電性微粒子を添加した導電性樹脂を用いることができる。あるいは基層の材質として、耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Cu、Zn等の金属あるいは合金を用いた導電性金属を用いることができる。また、寿命(耐久寿命)の長い定着装置20を構成するために、充分な強度を持ち、耐久性に優れた基層の厚みとして、20μm以上200μm以下が最適である。
表層の材質として、オフセット防止や記録材の分離性を確保するために、PTFE、PFA、FEP、ETFE、CTFE、PVDF等のフッ素樹脂を用いることができる。あるいは表層として、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合、ないし単独で基層の外周面を被覆したものでもよい。
ここで、PTFEはポリテトラフルオロエチレンであり、PFAはテトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体であり、FEPはテトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体である。ETFEはエチレン テトラフルオロエチレン共重合体であり、CTFEはポリクロロトリフルオロエチレンであり、PVDFはポリビニリデンフルオライドである。
表層と基層との間には、中間ゴム層として厚みが100μm~300μm程度のシリコーンゴム層を設けてもよい。中間ゴム層を設けることによって記録材P表面の凹凸やトナー画像の凹凸に対してフィルム21表面が追従しやすくなり、良好な画質のトナー画像を得ることができる。
加圧ローラ24は、SUS(Steel Use Stainless)、SUM(Steel Use Machinability)、Al等の金属製の芯金24aと、芯金の外周面に設けられた弾性層24bと、弾性層の外周面に設けられた表層24cと、を有している。
弾性層24bの材質として、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムで形成した弾性ソリッドゴム層を用いることができる。あるいは弾性層24bの材質として、より断熱効果を持たせるためにシリコーンゴムを発泡して形成したスポンジゴム層を用いることができる。あるいは弾性層24bの材質として、シリコーンゴム層内に中空のフィラー(マイクロバルーン等)を分散させ、硬化物内に気体部分を持たせて断熱効果を高めた気泡ゴム層を用いることができる。弾性層24bにはカーボンブラック等の導電性粒子を添加し、導電性を付与させている。
これらの弾性層は単層であってもよいし、熱伝導性や硬度調整などの目的に応じて性質の異なる複数の層を積層して形成してあってもよい。表層23cの材質として、PFA、PTFEを用いることができる。
図3に示すように、定着装置20の長手方向において、定着装置20のフレーム30の左右の側板30L,30Rには、加圧ローラ24の芯金24aの両端部が軸受Bを介して回転可能に支持されている。また左右の側板30L,30Rには、ガイド部材25、及びステー26の両端部が支持されている。
ステー26の両端部は加圧バネ27によって矢印方向に加圧され、その加圧バネの加圧力によってガイド部材25はヒータ22を加圧する。これによって加圧ローラ24の弾性層24bが潰れて弾性変形し、加圧ローラ表面とフィルム表面の間に、ニップ部Nを形成している。
(加熱定着処理動作)
モータ駆動回路部41(図5参照)によってモータMが回転されると、モータの回転が加圧ローラ24の芯金24aの一端部に設けられたギアG(図3参照)に伝達され、これによって加圧ローラは図2の矢印方向へ回転する。フィルム23はフィルム内面がヒータ22の保護層22cに摺動しながら加圧ローラ24の回転に追従(従動)して図2の矢印方向へ回転する。フィルム23内面とヒータ22の保護層22cとの間にはフッ素系やシリコーン系の耐熱性グリース等の潤滑剤を介在させている。これによってフィルム23内面と保護層22cとの摩擦抵抗を低減でき、フィルムは滑らかに回転可能となる。
電源(不図示)からヒータ22の発熱抵抗層22bに電力が供給されると、発熱抵抗層が発熱してヒータは急速に昇温する。給電制御回路(不図示)はガイド部材25に支持されている温度検知手段としてのサーミスタ28(図2参照)が検知するヒータ22の検知温度を基にヒータの温度が所定の定着温度(目標温度)を維持するようにヒータへ供給する電力を制御する。
未定着のトナー画像tを担持する記録材Pはニップ部Nで挟持搬送されつつ加熱され、これによってトナー画像は記録材上に定着される。
(結露スリップの発生要因)
結露スリップは、記録材がニップ部Nを通過する際に記録材から発生する水蒸気が加圧ローラ24表面に結露することによって発生する。プリント枚数が1枚の場合は、水蒸気が加圧ローラ24表面に結露したとしても後続の記録材がニップ部Nに搬送されないので問題は無い。
図4(a)乃至図4(d)を用いて更に詳しく説明する。図4(a)は複数枚の記録材Pに画像をプリントするケースで、1枚目の記録材がニップ部Nを通過する際のイメージを示している。1枚目の記録材Pから水蒸気が放出され、加圧ローラ22周りの雰囲気の水分量が増加している。
図4(b)は1枚目の記録材Pと2枚目の記録材Pとの間において、加圧ローラ24周りの雰囲気の水分が加圧ローラ表面に結露している様子を示している。ここで、ニップ部Nにおいて、加圧ローラ24表面とフィルム23表面との摩擦力によって加圧ローラ24がフィルムを搬送しようとする力(搬送力)をFrとし、ヒータ22の保護層22cとフィルム内面に働く摺動抵抗力をFhとする。加圧ローラ24表面に結露が発生せず上記の摩擦力が十分に働いているときはFr>Fhの関係にある。
ところが、加圧ローラ24表面に発生する結露量が増加するにつれFrが減少し、やがてフィルム23の回転スピードが低下したり、フィルムの回転が停止したりして、フィルムにスリップが発生する。
図4(c)はフィルム23にスリップが発生した場合に、2枚目の記録材Pの先端がニップ部Nに入らずに、弛みが発生している様子を示している。スリップ発生から時間が経過するに従い、加圧ローラ24表面の温度上昇や、加圧ローラ周りの雰囲気の湿度低下により、加圧ローラ表面の結露が徐々に消失すると、Frが回復してフィルム23の回転が正常に戻る。これによって2枚目の記録材Pは図4(d)に示すようにニップ部Nで挟持搬送される。
しかしながら、図4(b)における結露量が多くなると、長時間に渡ってフィルム23の回転が停止するため、記録材Pに弛みが増えてフレーム30の記録材入口側に記録材の印字面が擦れることにより、画像不良が発生する。あるいはニップ部Nの記録材搬送方向上流端でジャムが発生し、排出センサ18(図1参照)で後続の記録材が搬送されていないと検知される。
結露スリップの発生要因としては、上記に述べた通りであるが、結露スリップを含むスリップの発生の有無に影響を与える条件として次に述べるようなものがある。
まず、記録材Pに含まれる水分量が多い場合は、記録材のニップ部N通過時に発生する水蒸気量が多くなるので加圧ローラ24表面が結露しやすい。画像形成装置100が加圧ローラ24周りの雰囲気の湿度を検知できる湿度センサを有する場合、湿度センサの検知結果より加圧ローラ24表面の結露を予想することができる。
次に、記録材Pの種類に関して、薄紙等の剛度やコシが弱い記録材はニップ部Nに突入する瞬間に弛みやすい為、上記のような画像不良やジャムが発生しやすい。一方で剛度の高い厚紙等は加圧ローラ24から受ける搬送力と記録材自身のコシの作用によりスリップが発生しにくい。
また、記録材Pに形成される未定着のトナー画像tの画像パターンに関して、ベタ画像やハーフトーン画像など印字率の高い画像の方がスリップが発生しやすい。片面プリントの場合、記録材Pのフィルム23と接触する面にはトナー画像tがあるため、トナー画像tで水蒸気がブロックされ易い。一方、記録材Pの加圧ローラ24と接触する面には、水蒸気の放出をブロックするトナー画像tがない。
このため、水蒸気は記録材Pのフィルム23と接触する面よりも加圧ローラ24と接触する面から放出され易い傾向がある。画像の印字率が高いとこの傾向がより強くなり、水蒸気は加圧ローラ24側に放出されやすく、加圧ローラ周囲の雰囲気湿度をより高める為である。
さらに、定着装置20の累積使用量によってもスリップの発生率が変わる。新品状態の装置20ではスリップは発生し難い。装置20の使用が進むにつれて加圧ローラ24表面あるいはフィルム23表面が摩耗により劣化し、加圧ローラ表面とフィルム表面との摩擦力が低下してFrが小さくなり、スリップが発生しやすくなる。
また、フィルム23内面とヒータ22の保護層22cとの間に摺動性向上の目的で設けられたグリース等の潤滑剤が劣化することによってもFhが大きくなり、スリップが発生しやすくなる。
結露スリップは上述の様々な条件が重なり合って発生するので、ユーザの画像形成装置100の使用形態によって、結露スリップの発生の有無や発生の仕方はさまざまである。よって、その結露スリップの発生の予兆を検知できれば、適切にスリップ発生を回避する対策を講じやすい。以下にその方法について説明する。
(結露スリップの予兆検知)
加圧ローラ24表面に発生する結露によってフィルム23の走行状態(回転状態)が不安定になる現象に対し、本発明者等は、結露スリップの予兆検知ができることを発見した。つまり、モータMに供給される電流を検出し、以下の2つの処理を行った後の、トルク成分電流であるq軸電流を用いることによって結露スリップの予兆検知ができる。ここで、2つの処理とは、UVW/αβ座標変換処理、及びαβ/dq座標変換処理である。
まずq軸電流の取得方法について、図5を参照しながら説明する。図5は、モータMと、モータ駆動回路部41と、UVW/αβ座標変換部66と、αβ/dq座標変換部67と、アンプ62と、CPU(制御手段)40の関係を示すブロック図である。
本実施例では、モータMとしてDCブラシレスモータを用いている。このモータMは、Y結線された複数相のコイル55,56,57と、回転子(以降、ロータと記す)58と、を有している。モータMは更に、ロータ58の位置検出手段としてホール素子59,60,61を備えている。
ホール素子59,60,61は磁束を検知することによって半導体片の両端に電圧が表れる素子であり、ロータ58による磁束変化を検出することによってロータの位置を検出することが可能となる。ホール素子59,60,61の出力はアンプ62で増幅され、モータ駆動回路部41のモータ駆動制御回路42に位置情報として入力される。
ここでは、ホール素子59,60,61を用いて、ロータ58の位置を検出しているが、コイル55,56,57に流れる電流から演算して求めた位置情報を用いても良い。このように簡略化することにより、コストダウンや装置の小型化に優位な構成とすることができる。
複数相のコイル55,56,57に電流を流して回転子58を回転駆動するモータ駆動回路部41は、モータ駆動制御回路42と、ハイ側トランジスタ43,44,45と、ロー側トランジスタ46,47,48と、を備えている。各トランジスタ43~48はそれぞれがコイル55,56,57の両端であるU,V,Wに接続されている。そして各トランジスタ43~48は駆動制御回路42から出力される相切り替え信号に従ってON/OFF制御され順次励磁する相を切り替えてロータ58を回転させる。
電流検知手段としての電流検出器63,64,65は、駆動回路部41からモータMに供給される電流Iu,Iv,Iwを各々計測する。電流検出器63,64,65によって検出された出力電流は、ベクトル演算手段としてのUVW/αβ座標変換部66およびαβ/dq座標変換部67で回転座標系上の二相電流(ベクトルとして表される)に変換される。
UVW/αβ座標変換とは、電流検出器63,64,65によって検出されたIu,Iv,Iwの3軸であらわされた座標をα,βの2軸に変換する処理である。αβ/dq座標変換とは、ロータ58が作る磁束の方向であるd軸、およびこのd軸に直交するq軸によって定義される仮想回転座標であるd、q座標系に座標変換する処理である。このような座標変換をすることによって、磁束を示す電流(励磁成分電流)であるd軸電流(以下、Idと記す)と、駆動トルクを示す電流(トルク成分電流)であるq軸電流(以下、Iqと記す)を取得することができる。
取得されたIdおよびIqは駆動制御回路42に電流値情報として出力される。駆動制御回路42は、Idを基にモータMの磁束の方向Dを検出すると共に、Iqを基にモータの駆動トルクTを検出する。そして駆動制御回路42は、検出した駆動トルクTと磁束の方向Dを位置情報とともにCPU40に出力する。そしてそれらの情報をもとにCPU40から駆動制御回路42に駆動信号が出力されることによってモータMは回転される。
上記の駆動制御回路42を用いて取得したモータMの駆動トルクTは、結露スリップが発生するようなトルク変動に対しても、十分な検知精度を有している。複数枚の記録材Pをプリントする際に先行の記録材と後続の記録材との間(前後の記録材の間)で発生するようなフィルム23のスリップには、後述するように十msオーダーの高速なIq変化を捉える必要がある。このような十msオーダーの瞬間的な負荷変動を捉えることができる応答性の観点から、駆動制御回路42はモータMの駆動トルクTを検知するトルク検知手段に適している。
また、駆動制御回路42によって制御されるモータMの回転精度は従来の駆動方式に比べて回転ムラが小さいことも特徴である。回転精度が高いモータMを使用すれば、電流検出器63,64,65に加わる信号のムラやノイズも減少する。よって、駆動制御回路42によって制御されるモータMは、モータのトルク変動の検知に適しており、フィルム23の結露スリップの検知に適している。
次に、画像形成装置100における印字動作中のモータMのIqの挙動について、図6(a)乃至図6(c)を参照しながら説明する。
図6(a)乃至図6(c)は、A4サイズの記録材3ページを連続してプリントした時の、Iqの推移を示している。Iqは、CPU40からDAコンバータを介して電圧値として読み出した値である。
画像形成装置100のプロセススピードは300mm/secであり、先行の記録材と後続の記録材との間の距離は30mmとしている。したがってA4サイズの記録材を縦置きにして搬送する際に記録材がニップ部Nを通過する時間は約1秒であり、先行の記録材のニップ部N通過後に後続の記録材がニップ部に突入する時間(以降、用紙間時間と記す)は約0.1秒である。
プリントを行った環境及びその他の条件は以下の通りである。室温は常温(25℃)、湿度80%、使用した紙は含水率が9.0%の剛度の小さい薄紙(坪量70g/m)である。また、前回のプリントから1時間以上経過し、加圧ローラ24の表面温度が室温(25℃)まで低下した状態から印字を開始した。印字パターンはハーフトーン画像(印字率=80%)であり、定着装置20の累積使用量以外の条件は、結露スリップが発生しやすい条件としている。
図6(a)、図6(b)、図6(c)は、それぞれ、装置20の累積使用量が寿命に対して50%、60%、80%に達したときのモータMのIq波形である。
図6(a)の波形は、1枚目の用紙と2枚目の用紙の間(用紙間)において、加圧ローラ24表面の結露によってフィルム23の回転速度が50%減速している状態を示している。フィルム23の回転速度が減速することによって加圧ローラ24表面とフィルム23表面がスリップし始めるため、加圧ローラの芯金24aにかかる駆動トルクは減少する。よって、Iqの出力値としては用紙搬送中よりも下がる。
しかしながら、フィルム23の回転速度が50%減速している状態では、2枚目の用紙がニップ部Nに突入した瞬間にフィルムの回転速度が元に復帰するため、問題なく加熱定着処理動作が行われる。
3枚目の用紙についても2枚目の用紙と同様な傾向を示す。
本実施例では、上記のようにフィルム23の回転速度が50%減速している状態を結露スリップの予兆として判断する。この状態では、結露の発生によってフィルム23には回転速度の減速が発生しているが、画像不良やジャムが発生することは無く、連続プリントはそのまま続行される。
図6(b)の波形は、1枚目と2枚目の用紙間において、加圧ローラ24表面の結露によってフィルム23の回転が短時間(約0.03秒)停止し、時間経過とともにフィルムが再度回り始める状態を示している。これは装置20の累積使用量が図6(a)よりも更に多くなったことによって、フィルム23とヒータ22の摺動摩擦力Fhが増加したことによる。フィルム23の回転が停止すると、図6(a)の場合よりもフィルム表面と加圧ローラ24表面がスリップするため、加圧ローラの芯金24aにかかる駆動トルクはさらに下がり、Iqの出力値がさらに低下する。
上記のようにフィルム23の回転が短時間(約0.03秒)停止し、時間経過とともにフィルムが回り始める状態でも、画像不良やジャムが発生することは無く、後続の用紙がニップ部Nに突入すれば、通常のプリント動作が継続される。したがって、この状態も結露スリップの予兆として判断する。
図6(c)の波形は、1枚目と2枚目の用紙間において、加圧ローラ24表面の結露によってフィルム23の回転が長時間(約0.1秒)停止する。そして2枚目の用紙がニップ部Nに突入しても、用紙が搬送されず、用紙に弛みが発生して画像不良が発生する状態を示している。同図に示す状態では、画像不良が発生しつつも用紙の連続搬送が完了しているが、ジャムが発生する場合もある。
よって、本実施例では、6(a)、図6(b)のようにIqの出力低下を結露スリップの予兆として検知し、図6(c)のような状態が発生しないように結露スリップを回避する。CPU40は、上記の用紙間の駆動トルクTの変動量(低下量)としてIqの低下量と低下時間を用い、低下量と低下時間が予め実験的に求めた閾値以上であれば、以後のプリント動作において、結露スリップの回避処理が必要と判断する。
つまりCPU40は、駆動トルクTの低下量を基にフィルム23の回転速度低下量を求め、駆動トルクの低下時間を基にフィルムの回転速度低下時間を求める。そして回転速度低下量が用紙搬送時の50%以上(Iq:150mV以上)で、且つ回転速度低下時間が用紙間時間の40%以上(時間:0.04秒以上)の場合に結露スリップの回避処理が必要と判断している。ここで、用紙搬送時の50%が回転速度低下量の閾値であり、用紙間時間の40%が回転速度低下時間の閾値である。
本実施例では、駆動トルクTの低下量と低下時間の両方を用いて結露スリップの回避処理が必要と判断しているが、装置20の構成によっては駆動トルクの低下量と低下時間のいずれか一方を用いて判断してもよい。またスリップの予兆と発生を区別するために用いる閾値に関しても、装置20の構成や、画像形成装置100の構成に応じて実験的に決定されるものである。
さらに上記の説明では、図6(c)のように用紙間でフィルム23の回転が停止している状態を検知しているが、加圧ローラ24表面に発生する結露量がさらに多くなると用紙間のみならず記録材Pがニップ部Nに搬送された後もスリップ状態が続く場合がある。したがって、結露スリップ発生の検知状態としては、用紙間だけでなく記録材Pのニップ部N搬送中も含めてもよい。その場合の例を以下に説明する。
画像形成装置100が結露の発生しない湿度条件で継続して使用され、その間に装置20の使用も進行し、その後、それまでと設置環境が大きく異なる場所に画像形成装置を移設した。その場合、環境の湿度が以前より高くなれば装置20に結露スリップが生じる可能性がある。
すなわち、定着装置20の残りの寿命が短くなってから定着装置20が結露スリップの発生しやすい環境に設置された場合、用紙間のみならず記録材Pがニップ部Nに搬送された後もスリップ状態が続く。この場合、結露スリップによってジャムが発生すると考えられるが、CPU40は次回のプリントから以下に述べる結露スリップ回避処理に移行すればよい。
(結露スリップ回避処理)
ここで、CPU40が結露スリップの回避処理が必要と判断した後に実行する結露スリップ回避処理について説明する。
結露が発生し難い状態にするには、加熱定着処理動作前に行う加圧ローラ24とフィルム23の前回転時間(空回転時間)、所謂ウォームアップ時間を延長し、記録材Pがニップ部Nに突入するまでに十分に加圧ローラ表面を温める方法がある。これを「前回転延長による対策」と呼ぶ。この方法では、通常のプリント動作よりも前回転延長時間分だけプリントに要する時間が長くなる。
加圧ローラ24表面を温めて結露が発生し難い状態にする別の方法として、上記の用紙間時間を延長し、加圧ローラ24表面を温める方法がある。例えば、用紙間時間を加圧ローラ1周分の回転時間に設定することによって加圧ローラ24表面の結露を消失させ、結露スリップを抑制する方法がある。これを「用紙間隔延長による対策」と呼ぶ。この方法においても、通常の用紙間でプリント動作を行う場合よりも用紙間隔延長分だけプリントに要する時間が長くなる。
これらの「前回転延長による対策」と「用紙間隔延長による対策」は単独で行ってもよいし、組合せて行うことも可能である。
上述のように、「前回転延長による対策」、あるいは「用紙間隔延長による対策」のいずれにおいても、ユーザに対してプリント終了までの待ち時間が増えることになる。
そこで、延長時間を必要最小限に減らす方法について以下に説明する。ここでは「前回転延長による対策」に適用した場合について述べる。
CPU40は、先ず駆動トルクTの低下量と低下時間が閾値以上になった時点で、結露スリップの回避処理が必要と判断する。次に結露スリップを回避するために必要な最短時間(本実施例では0.2秒)を前回転時間に加え、次回のプリント(図6(a)~図6(c)に示した連続プリントジョブ中ではなく、その次のジョブ)から前回転延長を行う。即ち、CPU40は、次のジョブの用紙がニップ部Nに到達する前に加圧ローラ24をモータMで回転しながら暖める前回転延長を延長する。
なお、結露スリップの回避処理が必要と判断されたジョブ中は、スリップが発生しないように、結露スリップの予兆を判断するための、Iqの低下量と低下時間の閾値を設定してある。
前回転延長を行うことにより、フィルム23の表面温度が上がりフィルムのスリップ量が低下する。これによって加圧ローラ24表面に結露が発生し難くなるので、駆動トルクTの低下量と低下時間の値も再び閾値よりも低くなる。
次回のプリントにおいてもCPU40は継続して駆動トルクTの低下量と低下時間をモニターし、低下量と低下時間が閾値よりも小さい間は前回転時間をそれ以上延長しない。
やがて装置20の残りの寿命が短くなり、再度駆動トルクTの低下量と低下時間が閾値以上になれば、更に回避処理を強化する必要があると判断し、さらに0.2秒前回転時間を延長(合計0.4秒)する。以下、同様に駆動トルクTの低下量と低下時間のモニターを継続し、低下量と低下時間が閾値以上になる度に、加圧ローラ24の表面温度を段階的に高くなるように前回転時間を延長する。
上記のような結露スリップ回避処理を行うことで不必要な前回転延長時間を加える必要がなくなり、ユーザに対する待機時間を最小限にすることが可能となる。なお、「紙間延長による対策」でも同じ方法を適用することが可能である。
(本実施例の効果)
以下、本実施例の結露スリップ回避処理を適用した場合の効果について説明する。表1は、本実施例と比較例の前回転延長時間の違いを示した表である。使用条件(1ジョブの印刷枚数、画像形成装置100の使用環境、定着装置20の累積使用量)を変えて、前回転延長時間(sec)がどのように変化したかを示したものである。
実施例1は駆動トルクTの低下量と低下時間をモニターし、低下量と低下時間が閾値以上になればその都度、加熱定着処理動作前の前回転時間を0.2秒分だけ追加する。
比較例は、累積使用量(プリント枚数やモータMの回転時間)に応じて、0.5秒ずつ前回転時間を延長したケースである。ここで延長時間を0.5秒としたのは、様々な使用条件の中で、最も結露スリップが早く発生するケースに対応した場合に必要な延長時間である。
表1より明らかなように、実施例1では駆動トルクTの低下量と低下時間が閾値以上になった場合に前回転時間を延長している為、必要最小限の待機時間の延長となる。これに対して、比較例の場合は、最も結露スリップが早期に発生する可能性を考慮して延長時間を加算するため、不必要に待機時間の延長を強いることになる。
以上のように、本実施例の画像形成装置は、モータMの駆動トルクを検知するトルク検知手段42を有し、制御手段40は、トルク検知手段42が検知した駆動トルクに基づいて、ニップ部Nに記録材Pが進入する時の第1回転体24の昇温度合を制御する。
(定着装置20の個体差を考慮する場合)
定着装置20の駆動トルクTは、装置20を構成する部品公差等が要因で個体差がある。例えば図3に示す加圧バネ27のバネ定数が公差の範囲で振れると、加圧力が変化し定着ニップ部Nの幅や面圧が変化する。その結果、モータMの駆動トルクTは変化する。加圧力が高い場合、駆動トルクTはより大きくなる。また、加圧ローラ24の弾性層24bの硬度がゴム硬度の公差が要因で異なる場合、定着ニップ部Nの幅や面圧も異なる。その結果、駆動トルクTは異なった値となる。
このような定着装置20の製造時の部品公差が要因で駆動トルクTがばらつく場合においても、適切に結露スリップの発生タイミングを検知する方法を以下に説明する。
図10は、モータMのIqの波形(駆動トルクTの推移)である。定着ニップ部Nで記録材Pを搬送している期間(通紙時)における駆動トルクTはT0(大よそ300mV)、定着ニップ部Nを記録材Pが通過した後(紙間)のトルクTはTx(大よそ110mV)である。txは駆動トルクTがTxである期間を示す。
製造時の部品公差によって装置20の駆動トルクTに個体差がある場合、図10に示す通紙時のトルクT0が装置20毎に異なる。また、通紙時の駆動トルクT0が異なる場合、結露スリップが発生する時の駆動トルクTが異なるケースもある。従って、結露スリップの予兆のための閾値も、装置20の個体差を考慮して決めるのが好ましい。閾値は、以下に示すケースに場合分けして決めればよい。
(ケース1)
通紙時の駆動トルクT0の大きさに拘らず、結露スリップが発生し始める際の紙間の駆動トルクTxが一定で変化しない場合、実験的に求まる一意的な値を結露スリップが発生する予兆の判断閾値として決定すればよい。
(ケース2)
通紙時の駆動トルクT0の大きさに拘らず、結露スリップが発生し始める際の駆動トルク差分量ΔT=T0-Txが一定で変化しない場合、その差分量ΔTをスリップ予兆の判断閾値とすればよい。また、結露スリップが発生し始める際の駆動トルクの低下割合r=Tx/T0が一定である場合は、その低下割合rをスリップ予兆の判断閾値とすればよい。
(ケース3)
装置20の駆動トルクTの初期特性に応じて、結露スリップが発生し始める際のトルクTx、又は上述の差分量ΔT、又は低下割合rが変化する場合、それぞれの場合に応じて、スリップ予兆の判断閾値を変更する必要がある。この場合、使用する装置20の駆動トルクTの初期特性を別途判別する必要がある。すなわち、装置20の個体毎に駆動トルクTが大きいか小さいかを判別し、それらに応じて閾値を決定する必要がある。装置20の駆動トルクの初期特性を判別する具体的な方法については後述する。
閾値は、駆動トルクの初期特性に対して、線形、あるいは非線形の関係式として決定されてもよい。あるいは予め実験的に決定した個別の値をテーブルとして参照するような方法でもよい。また、結露スリップの予兆の判断に用いる値としては、上述したトルクTx、差分量ΔT、低下割合rに限られるものではない。
また、結露スリップの発生有無を判断する際に、上述したように紙間の駆動トルクTxの変化量だけでなく、低下時間txが関係する場合、次のような場合分けを行って閾値を決めればよい。
(ケース4)
通紙時の駆動トルクT0が変わっても、駆動トルク低下時間txが一定で変化しない場合は、実験的に求まる一意的な低下時間を結露スリップが発生する際の閾値とすればよい。
(ケース5)
装置20の駆動トルクTの初期特性に対し、駆動トルク低下時間txが変化する場合は、それぞれの特性に応じて閾値を変更する必要がある。閾値の変更は、駆動トルクの初期特性に対して、線形、あるいは非線形の関係式として決定してもよい。あるいは予め実験的に決定した個別の値をテーブルとして参照するような方法でも問題はない。
以下に、定着装置20の駆動トルクの初期特性を判別する方法について説明する。まず一つ目の方法としては、画像形成装置100や定着装置20の製造時において、個体毎に、トルクの初期特性を工具や測定器を用いて測定し、各定着装置20に固有の初期特性情報(トルクデータ)を紐付ける方法である。
また、各装置固有のトルクの初期特性は、上述のように実測によって得る値の他、定着装置20に備わる部品の情報(定着部に組み込まれる個別部品の部品データ:例えば加圧ローラ24の硬度や加圧バネ27による加圧力、ニップ部Nの幅情報など)から予測してもよい。
これらの実測或いは予測したトルクの初期特性情報は、定着装置20あるいは定着装置20を備える画像形成装置100に設けた記憶手段に記憶させて利用することができる。記憶手段としては、NVRAM等のメモリ、ICタグやバーコード等が利用できる。
二つ目の方法は、画像形成装置100の動作時に測定したモータMの駆動トルクT(トルク検知結果)から、トルクの初期特性を判別する方法である。画像形成装置100を利用して駆動トルクTを測定する場合、次に述べるような幾つかのタイミングにおいて測定を行えば、信頼性が高いトルク特性を得ることができる。
画像形成装置100を設置後、ユーザが初めて装置の電源をオンし、装置の初期化を行うタイミング(定着装置20のヒータ22の立上げ動作中)に測定できる。また、より安定した測定を行う為には、所定時間ヒータ22をオンし続け、駆動トルクTが安定するのを待って測定を行ってもよい。また、電源オンのタイミングの他、プリント動作を行った後の定着装置20が十分温まっている期間(記録材通過後の後回転や後回転を延長している間)に測定を行うことが可能である。
さらに、これらのトルク特性は、1回の測定値によって決定してもよいし、複数の測定データを蓄積した後に平均化して決定してもよい。なお、トルクの初期特性を測定するタイミングは上述のタイミングに限られるものではなく、定着装置20の個々のトルク特性が判別できれば、記録材通紙中のタイミング等であってもよい。
(環境温度に関して)
また、画像形成装置100の設置環境により、定着装置20の駆動トルクTは変化する。これは、ヒータ22とフィルム23の間に介在させた耐熱性グリース等の潤滑剤の粘性が変わるからである。低温環境ほど駆動トルクが高くなる傾向にある。また、駆動トルクTは、加圧ローラ2の温度や雰囲気温度が要因の結露のし易さによっても変化する。
したがって、前述の結露スリップの発生を予測する為のトルク変動量の閾値については、画像形成装置100の設置環境に応じて変更するのが好ましい。画像形成装置100が環境温度や湿度を検知可能な環境センサ(環境検知手段)を備える場合、その検知結果に応じて、駆動トルク変動量の閾値を変化させることができる。あるいは、環境予測手段として例えば、転写部材5に電圧を印可した際の電流値から転写部材5の抵抗値を予測し、その抵抗値から環境の温度や湿度を予測できる場合は、それらの情報(検知結果、予測結果)に基づいて、駆動トルク変動量の閾値を変化させてもよい。
[実施例2]
本実施例の画像形成装置100について、図7を参照しつつ説明する。本実施例の画像形成装置100は、スリップ予兆データを蓄積するための記憶手段としてメモリ(RAM)70を有している。図7は、モータMと、モータ駆動回路部41と、UVW/αβ座標変換部66と、αβ/dq座標変換部67と、アンプ62と、CPU40と、メモリ70の関係を示すブロック図である。
本実施例の画像形成装置100は、スリップ予兆とプリントの際の予め設定してある複数の条件を関連付けてスリップ予兆データとしてメモリ70に蓄積して記憶する。そしてそのスリップ予兆データに基づきスリップの発生傾向を管理(分析)し、その傾向に基づいてモータMの回転を延長する結露スリップ回避処理を行う。
本実施例の画像形成装置100では、結露スリップ回避処理を行うケースをより限定的に絞ることが可能となり、プリント動作時に加わる延長時間を更に低減させることできる。特に結露スリップの発生率は記録材に含まれる水分量に対して相関が高い。画像形成装置100が湿度センサを備えている場合は、記録材の水分量を推定し易いため、湿度に応じて条件を限定しやすい。しかしながら、湿度センサを備えていない画像形成装置に対しては、本実施例の結露スリップ回避処理を適用することによって結露スリップの発生条件の限定が容易となる。
図8(a)乃至図8(d)は、曜日、時間、複数のカセット、印字率等の複数の条件別にスリップ予兆データを蓄積した場合の図である。図8(a)乃至図8(d)のいずれも、装置20の累積使用量が寿命に対して0%~50%の期間データであり、駆動トルクの変動量が閾値よりも小さい範囲でスリップ予兆データを蓄積した図である。
図8(a)について、スリップ予兆の発生頻度を曜日と関連付けて、スリップ予兆データとして蓄積した場合を説明する。月曜日と火曜日にのみスリップ予兆が発生する場合、そのスリップ予兆が所定の閾値以上になっても、月曜日と火曜日にのみ結露スリップ回避処理を行えばよい。ウィークエンドは空調がオフされているため室内の湿気により記録材が吸湿しやすい。ウィークデイの1~2日目に空調が十分に効きはじめるまでは、記録材の水分量が高い。その為、月曜と火曜にスリップ予兆が発生し易かったと考えられる。
図8(b)について、スリップ予兆の発生頻度を時刻と関連付けて、スリップ予兆データとして蓄積した場合を説明する。10:00~16:00の間にのみスリップ予兆が現れている。このようなケースでは、その時間帯に限定して結露スリップ回避処理を行えばよい。
上記の図8(a)、図8(b)の例は曜日や時刻等の時間軸に関して、スリップの発生傾向を分析した結果である。しかしながら、一か月や一年単位でスリップ予兆データを蓄積し、その傾向を利用してもよい。また、単独の傾向で判断するにとどまらず、例えば、「2月、3月の金曜日の午前中のみ」というように、複数の条件からスリップの発生傾向を導き出してもよい。
その他の例として、図8(c)に示すように、画像形成装置100が複数のカセットを有し、各カセットに異なる種類の記録材を格納しているような場合、スリップ予兆の発生頻度をカセットと関連付けて、スリップ予兆データとして蓄積すればよい。これによって特定のカセット、すなわち特定のメディアにのみ結露スリップ回避処理を行えばよい。
図8(d)に、スリップ予兆の発生頻度を画像の印字率情報に関連付けて、スリップ予兆データとして蓄積した結果を示す。通常であれば、印字率の高い画像の方が加圧ローラ24側への水蒸気の放出量が増えるため、結露発生には不利であるが、このユーザの場合、印字率が中程度(40から50%)の画像において最もスリップ予兆が多い。例えばユーザの使用する記録材がプレプリント紙のような種類で、画像パターンとの組合せから、中程度の印字率で結露が発生しやすい傾向があれば、これらの傾向に従って結露スリップ回避処理を行えばよい。
スリップ予兆の発生頻度と関連付けるパラメータは、上記のプリントの曜日、時刻、複数のカセット、印字率に限られず、月日、環境温度、環境湿度、記録材の種類、プリントモードであってもよい。
(本実施例の効果)
上記に説明したように、様々なパラメータに基づいてスリップ予兆データを蓄積することにより、画像形成装置100の使用条件に応じたスリップの発生傾向を管理できる。この傾向に基づいて結露スリップが発生すると考えられる条件を絞り込むことで、「前回転延長による対策」や「紙間延長による対策」の頻度を格段に減らすことができるので、プリントの待機時間を必要最小限に低減することが可能となる。
[他の実施例]
本発明に係る画像形成装置は、モノクロ画像を形成する画像形成装置に限られず、フルカラー画像を形成する画像形成装置であってもよい。
定着装置20は、図9に示すようなフィルム加熱方式の装置であってもよい。図9に示す定着装置20は、図2のヒータ22に代えてハロゲンヒータ29を用いた点を除いて図2の装置と同じ構成である。
定着装置20は更に、フィルム23の基層が通電により直接発熱する方式の装置や、電磁誘導発熱方式の装置であってもよい。
10:画像形成部、20:定着装置(定着部)、21:加熱ユニット、22:加熱体、23:筒状のフィルム(第2回転体)、24:加圧ローラ(第1回転体、加圧回転体)、42:モータ駆動制御回路(トルク検知手段)、40:CPU、N:ニップ部、M:モータ、P:記録材、t:未定着のトナー画像

Claims (16)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    第1回転体と、前記第1回転体と接触する第2回転体であって前記第1回転体の回転に従動して回転する第2回転体と、を有し、前記第1回転体と前記第2回転体の間に形成されるニップ部で、画像が形成された記録材を挟持搬送しつつ加熱して、画像を記録材に定着する定着部と、
    前記第1回転体を駆動するモータと、
    前記モータの駆動トルクを検知するトルク検知手段と、
    制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、複数枚の記録材に連続して画像を形成するときに、記録材が前記ニップ部で搬送されている時の前記トルク検知手段が検知した駆動トルクと、この記録材が前記ニップ部を抜けてから後続の記録材が前記ニップ部に到達するまでの期間中前記トルク検知手段が検知した駆動トルクと、の差分に基づいて、前記ニップ部に記録材が進入する時の前記第1回転体の昇温度合を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記差分に基づいて、前記第1回転体のウォームアップ時の回転時間を設定することにより、前記第1回転体の昇温度合を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記差分と閾値とを比較し、前記ウォームアップ時の回転時間を設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記差分が閾値より大きい場合、前記制御手段は、次のプリントジョブのための前記ウォームアップ時の回転時間を延長し、前記第1回転体の温度を前記回転時間を延長しない場合よりも上昇させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記駆動トルクの初期特性に応じて、前記閾値が異なっていることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記差分に基づいて、複数枚の記録材に連続して画像を形成するときの用紙間隔を設定することにより、前記第1回転体の昇温度合を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記差分と閾値とを比較し、前記用紙間隔を設定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  8. 前記差分が閾値より大きい場合、前記制御手段は、前記用紙間隔を延長し、前記第1回転体の温度を前記用紙間隔を延長しない場合よりも上昇させることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  9. 前記駆動トルクの初期特性に応じて、前記閾値が異なっていることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 前記駆動トルクの初期特性は、前記画像形成装置の製造時に、個別に測定したトルクデータ、あるいは製造時に前記定着部に組み込まれる個別部品の部品データから予測されるトルクデータの少なくとも一方であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  11. 前記駆動トルクの初期特性は、画像形成装置が動作している間の所定のタイミングにおいて前記トルク検知手段により検知されるトルク検知結果であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  12. 前記画像形成装置を設置した環境の温度と湿度の少なくとも一方を検知する環境検知手段、あるいは前記環境を予測する環境予測手段を有し、前記環境検知手段あるいは前記環境予測手段の検知結果や予測結果に応じて、前記閾値が異なっていることを特徴とする請求項乃至11の何れか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記装置は、前記トルクデータを記憶する記憶手段を備えていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  14. 前記第2回転体は筒状のフィルムであることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の画像形成装置。
  15. 前記定着部は、前記フィルムを加熱するヒータを有することを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記ヒータは前記フィルムの内面に接触しており、前記フィルムを介して前記第1回転体と共に前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
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