本発明は、そのいくつかの実施形態において、角度付注射器および、より詳しくは、角度付先端を有する滅菌および/または充填済注射器に関するが、これら以外を除くものではない。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、中空のチューブに対してインサート成形して形成される流体路延伸部を有する円筒形の貯蔵部を含む注射器に関する。任意で、前記延伸部および/または流体路のいくらかまたはすべては、曲がり、かつ/または、前記貯蔵部の長手軸に対して限定された角度を成してよい。いくつかの実施形態では、前記延伸部は保護キャップ用の取り付け部を含む。いくつかの実施形態では、針が延伸部から突出しており、かつ/または、前記キャップに覆われている。
任意で、前記突出する針は、前記中空のチューブの延伸部である。
いくつかの実施形態では、延伸部および貯蔵部は、一体成型ユニットとして形成されてよい。それに代えてまたはそれに加えて、延伸部は貯蔵部とは別々に成形されてよく、かつ/または、貯蔵部に取り付けられてよい。任意で、流体路は針を含んでよく、当該針は任意で曲げてよい。当該針は、任意で、延伸部および/または貯蔵部の成型部品内にインサート成形されてよい。例えば、成型部品は、Daikyo Resin CZ (Crystal Zenith)または他の環状オレフィンポリマー(COP)または薬剤製品とともに用いるのに適した任意の成形用材料から作られてよい。
それに代えてまたはそれに加えて、成型部品は、例えば、ポリカーボネートおよび/またはポリプロピレンおよび/または他のポリマーから作られてよい。
一つの実施形態では、まず中空のチューブを金型に挿入し、注射器カートリッジまたはカプセルを当該中空のチューブの周りに成形してよい。任意で、当該チューブを曲げてよい。
例えば、チューブを形成し(例えば、曲げて形成したり、処理したり、および/または洗浄したりし)、それから金型に挿入してよい。任意で、成形後、針の屈曲はカートリッジで完全に、かつ/または部分的に囲まれる。残りの直線部分は、任意で、標準的な針カバーで保護される。針は貯蔵部から、カートリッジの軸とは中心を異ならせるようにして出てもよいし、かつ/または当該軸を横切るようにして出てもよい。中心が異なるように取り付けることで、任意で、針および/または延伸部をより大きな部分、貯蔵部のプロファイル内部に保つことが容易になる。例えば、これにより、貯蔵部のプロファイルからの突出をより小さくしたり、かつ/または、延伸部の直線遠位部をより長くしたりすることが容易になる。延伸部が長いほど、任意で、当該延伸部へのカバーおよび/または滅菌シールの取り付けを頑丈にすることができる。例えば、標準的な針カバーを延伸部に嵌合し、かつ/または医療基準に基づく滅菌状態を長期間(例えば、1日から1週間、かつ/または1週間から1ヶ月、かつ/または1ヶ月から1年、かつ/または1年から5年の期間)、維持してよい。任意で、チューブおよび/または針は、成形物から、キャップの取り付け部の軸の角度とほぼ同じ角度で出てよい。
いくつかの実施形態では、延伸部は開口部(例えば、窓および/またはチャネル)を有してよい。当該開口部を通して、成形中にガイドおよび/またはクランプが挿入され、チューブを支持する。任意で、開口部および/またはチューブへのアクセスを可能にするように延伸部の断面が構成される。任意で、延伸部の構造補強材をチューブから離して位置させてよい。例えば、延伸部はI型ビーム形状を有し、チューブがビームのウェブを通り、窓を通してアクセス可能で、一方、フランジ支持部材がチューブから離れてビームの周辺に位置してよい。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、角度の付いた放出口および/または先端および/または延伸部を有する薬剤注射器および/または薬剤貯蔵部に関する。例えば、放出口は、針キャップ用の取り付け部および/または針用の取り付け部および/または針を含んでよい。任意で、針は放出口から、注射器の注射筒の軸に対して一定の角度を成して突き出る。任意で、放出口および/または延伸部は、針キャップ用の取り付け部および/または針フィッティングおよび/またはルアーフィッティングを含んでよい。例えば、延伸部は、注射器の注射筒の中心軸に対して一定の角度を成してよく、あるいは注射器の注射筒の中心軸に対してずれていてよい。任意で、針取り付け部は注射器の貯蔵部に固定して接着され、それにより、針キャップを押し続けたり、かつ/または針キャップを引っ張ったりすることによる圧力により針取り付け部が大きく曲がらないようにしている。
いくつかの実施形態では、延伸部は標準針キャップに嵌合するようにした取り付け部を有する。任意で、延伸部はキャップを安定させるリブを有してよい。例えば、当該リブは、完全な円形の断面および/または十字型の断面および/またはIビーム型の断面を有してよい。任意で、延伸部は、スリップテーパ部および/またはルアーロックを有してよい。延伸部は任意で、チャネルおよび/またはフランジのような成形時の特徴的形状を有する。それに代えてあるいはそれに加えて、キャップは非標準的な形状を有してよく、かつ/または、針に対して一定の角度を成すように、延伸部および/または注射筒に取り付けてよい。
いくつかの実施形態では、延伸部および/またはその遠位部分および/またはキャップ取り付け部および/または針の先端は、注射筒の軸および/または貯蔵部の内部空間に対して、88から92度、または85から95度、または90から100度、または70から110度、または50から130度、または30から150度の角度を成してよい。任意で、放出部および/または延伸部および/または突出針を、貯蔵部に固定して接続してよい。例えば、5N以下(例えば、0から2N、および/または2から5N)の垂直な力が延伸部(例えば、針の基部および/または延伸部の屈曲部および/または延伸部の針取り付け部)にかかっても、2度未満の限定された角度だけ変わるようにしてよい。いくつかの実施形態では、延伸部は貯蔵部の壁のプロファイルを超えて突き出てよい。
いくつかの実施形態では、延伸部は封止面を有してよい。例えば、当該面は、保護キャップ、例えば針カバーの内面を封止してよい。キャップを延伸部に対して封止することで、任意で、延伸部の先端が汚染から保護される。例えば、封止面は、ほぼ円錐断面である形状でよい。任意で、円錐断面の頂角は、0から2度、および/または2から6度、および/または6から15度の範囲でよい。
任意で、キャップ取り付け部の直径は、0から3mm、および/または3から7mm、および/または7から10mm、および/または10から20mmの範囲でよい。任意で、キャップ取り付け部の長さは0から5mm、および/または5から15mm、および/または15から20mmの範囲でよい。任意で、キャップ取り付け部の遠位端および延伸部の遠位先端のあいだの距離は、特定の薬剤および/または注射対象向けの針の挿入で必要とされるように4から20mmの範囲でよい。
いくつかの実施形態では、流体路は、貯蔵部の中心線に対して中心が異なるように取り付けられ、かつ/あるいは当該貯蔵部の中心線の周囲で曲がり、当該貯蔵部の中心線と交差してよい。例えば、前記路は重さのバランスを取るように構成されてよい。例えば、注射器が充填装置のネストおよび/またはトレイの中でほぼ垂直に掛かるように、前記重みのバランスを取ってよい。
流体路の設計次第で、貯蔵部のプロファイルからの突出の長さを減らせる(例えば、ネスト中の孔のサイズを減らせる)。例えば、突出(例えば、針および/または針キャップを含む)を、貯蔵部の円筒形の壁および/または貯蔵部の外壁の突起の外端から10mm未満、および/または25mm未満、および/または40mm未満に限定してよく、かつ/または円筒形の貯蔵部の長手軸に垂直な方向に25mm未満、および/または35mm未満、および/または60mm未満に限定してよい。
いくつかの実施形態の一態様は、角度の付いた流体路を有する流体貯蔵部に関する。任意で、貯蔵部は、標準的な注射器充填装置内にて無菌で充填されてよい。いくつかの実施形態では、注射器の遠位端は新たな構造、例えば角度の付いた延伸部を有してよい。いくつかの実施形態では、カートリッジの近位側は、標準的な注射器のように形成してよい。例えば、近位部分は、標準的および/または最小限に変更された充填装置に合うよう標準的であってよい。例えば、変形された注射器を、従来の充填装置に収まる変形されたネストに収めてよい。任意で、注射器は、標準的な注射器充填装置を用いて薬剤をあらかじめ充填するよう構成される。
任意で、延伸部は、例えば内蔵の針および/または針取り付け部および/または保護キャップの取り付け部を、注射器の注射筒の軸に対して一定の角度を成すようにした注射器先端を有する。任意で、注射器の遠位側はネスト中でほぼ垂直に掛かるようにバランスを取る。例えば、注射器は、0から1度、および/または1から2度、および/または2から3度、および/または3から5度の角度(例えば、「カートリッジの角度」は長手軸の角度である)で掛かってよい。任意で、遠位端の一部が、注射器の注射筒の断面の外側にふくらみ、かつ/または突出してよい。任意で、当該ふくらみおよび/または突出は、任意に変形された注射器ネストに合うよう小さい。例えば、前記ふくらみおよび/または突出の長さは、1から4mm、および/または4から10mm、および/または10から20mm、および/または20から40mmに限られてよい。
いくつかの実施形態では、流体貯蔵部は、自動注入器用のカートリッジを有してよい。任意で、前記カートリッジは、注射器を充填する標準的な装置を用いて、滅菌・無菌環境であらかじめ充填されてよい。充填は、任意で、注入器への挿入の前に行われる。任意で、注入器そのものは滅菌されている必要はなく、かつ/またはカートリッジほど厳格に滅菌されている必要はない。
いくつかの実施形態では、中空のチューブを柔軟に曲げることで、曲がった流体路を作成してよい。当該チューブは、任意で、曲げたあとに洗浄する(例えば、曲げるあいだに生じた粒子を取り除くため)。任意で、上部構造がチューブに付け加えられる。例えば、当該上部構造を、(例えば、インサート成形の技術を用いて)チューブの周囲に成形してよい。任意で、チューブの一部をむきだしにしてよい。例えば、チューブの一端または両端が前記上部構造から突出してよい。任意でまたはそれに加えて、前記上部構造は、滅菌状態保護針カバー用の取り付け部を有してよい。
いくつかの実施形態では、延伸部は貯蔵部と結合している。例えば、延伸部は貯蔵部と一体で形成されてよく、かつ/または貯蔵部に取り付けられてもよい。例えば、貯蔵部と延伸部がともに医薬カートリッジに含まれてもよい(例えば、あらかじめ充填された注射器および/または薬剤送達装置用のカートリッジ)。任意で、貯蔵部および/または延伸部および/またはカバーを含むカートリッジ全体を滅菌する。例えば、カートリッジを封止されたユニットとして滅菌する。
任意で、カートリッジを充填し、ストッパーで封止してよい。例えば、カートリッジを、従来の、かつ/または最小限に変更された注射器充填装置で充填するよう構成してよい。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、弾性および/または超弾性および/または形状変化滅菌流体路に関する。例えば、弾性および/または超弾性および/または形態変化屈曲流体路を直線かつ/または部分的に直線にしてよい。任意で、流体路が直線形状である場合、流体路は滅菌状態保護カバー(例えば針キャップ)でキャップしてよい。
任意で、弾性流体路は貯蔵部と結合している。例えば、流体路は貯蔵部と一体で形成されてもよく、かつ/または貯蔵部に取り付けられてもよい。例えば、貯蔵部と流体路がともに医薬カートリッジを構成してよい(例えば、あらかじめ充填された注射器および/または薬剤送達装置用のカートリッジ)。任意で、貯蔵部および/または流体路および/またはカバーを含むカートリッジ全体を滅菌する。任意で、カートリッジを充填し、ストッパーで封止してよい。例えば、カートリッジを、従来の、かつ/または最小限に変更された注射器充填装置で充填するよう構成してよい。使用前に、任意で流体路を屈曲状態に戻す。
本発明の一態様は、デッドスペースを減らした非対称形の注射器に関する。いくつかの実施形態では、流体を注射筒の中心軸から、中心を外れた流体排出流体路に向けて追いやるように、プランジャーシールを形成してよい。例えば、プランジャーシールがまず貯蔵部の遠位内壁の中心部分に接触し、次いで、流体路が注射筒を出るときに通る壁の周辺部分に接触するよう、プランジャーシールを構成してよい。
例えば、貯蔵部の遠位内壁は円錐形かつ/または凹型でよく、一方、プランジャーシールは円錐形かつ/または凸型で、注射器の遠位内壁の開口角よりも鋭角の開口角を有してよい。任意で、注射器の遠位内壁は、プランジャーシールおよび/または注射筒の軸に対して角度を成してよい。例えば、注射筒の遠位内壁は、排出流体路の反対側にあるプランジャーシールにまず接触し、次いで、流体排出口の側にあるプランジャーシールに接触するよう、角度を成してよい。プランジャーシールは、任意で、円形の断面を有する。例えば、プランジャーシールは、PTFE層で覆われたクロロブチル、かつ/または、ブロモブチル、またはEPDM、または他の適切な封止材料、かつ/または、製品保存期間中、薬剤製品および注射器とともに用いるのに適した材料から作られてよい。
中心を異ならせて位置させた針への排液を向上させるため、貯蔵部の遠位壁が、当該針を含む端部に対してわずかに角度を成すようにしてよい。
いくつかの実施形態では、薬剤送達装置を用いて送達、例えば、皮下送達生物薬剤を注射してよい。例えば、高濃度の(または体積の大きい)薬剤を患者に供給する必要がある場合である。例えば、前記装置は携帯型注入器を含んでよい。例えば、前記装置を用いて、慢性状態の治療用の薬剤を送達してよい。任意で、前記装置を用いて、自己免疫疾患(RA、クローン病、狼瘡、乾癬など)、心血管疾患(例えば、高コレステロール)、喘息、皮膚炎、アルツハイマー病、癌(例えば、腫瘍学)を治療する薬剤を送達してよい。
本発明の少なくとも一つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその用途において、以下の記載で述べられる、かつ/または図面で描かれる、かつ/または実施例で示される諸部品および/または諸方法の構造や構成の詳細に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は他の実施形態も取り得るものであり、または、さまざまな方法で実行または実施可能なものである。
注射器の製造方法
図1は、本発明の一実施形態に係る、角度を付けた延伸部を備えた注射器の製造方法を示すフローチャートである。延伸部および/または中空の針は、注射器の注射筒の円筒形内部空洞の長手軸に対して、例えば30度から150度の角度を成してよい。流体路を注射器内部の、注射筒の内側空洞と延伸部および/または針のあいだに成形してよい。任意で、注射器は無菌環境で充填してよく、かつ/または、針の滅菌状態をキャップで保護してよい。いくつかの実施形態では、注射器は、従来の、かつ/または最小限に変更された充填装置を用いて充填してよい。
いくつかの実施形態では、薬剤物質用のカートリッジの製造方法は、角度の付いたチューブを金型に挿入する工程(102)を含んでよい。例えば、角度の付いたチューブは、その長さ方向に角度または屈曲を有する針を含んでよい。金型は、薬剤を保持する貯蔵部を定めてよい。例えば、貯蔵部は、チューブの一端に位置してよい。任意で、ジャケットが貯蔵部からチューブに沿って延伸し、屈曲を越えた位置に達し、チューブの遠端(遠位端)に向かってもよい。任意で、ジャケットはチューブの全長をむき出しのままにしてよい。
いくつかの実施形態では、成形材料を金型に挿入してよい。例えば、カートリッジを角度の付いた針の周囲に成形(103)してよい。任意で、成形(103)のあいだ、チューブを所定位置に保持(101)してよい。任意で、成形中、チューブの一端または両端を保持し、かつ/または閉塞から保護してよい。例えば、成形(103)中、端部取り付け部により、端部を保持し、かつ/または保護してよい。任意で、端部取り付け部は、コレットおよび/またはピンを含むことにより、チューブの端部を保持(101)し、かつ/または成形物質がチューブに侵入し、かつ/またはチューブを塞ぐことを防いでよい。いくつかの実施形態では、チューブの長さに沿った一つまたは複数の位置が保持(101)されてよい。例えば、グリッパー(101)を用いてチューブを保持してよい。金型は任意で開口部を有して、それによって、グリッパーを、金型に対して、かつ/または成形樹脂を通して挿入できるようにしてよい。例えば、グリッパーは成形(103)中、チューブを安定させてよい。
いくつかの実施形態では、成形したカートリッジは、針キャップ用の取り付け部を含む。例えば、標準的な針キャップを、カートリッジの成形体に取付け(104)てよい。任意で、キャップは、カートリッジの先端を封止し、かつ/または、針のむき出しの部分の周囲を封止する。針に針キャップを取付け(104)たカートリッジを、任意で一つのアセンブリとして滅菌(106)する。任意で、前記キャップを取り付け部に取り外し可能に取り付ける(104)。例えば、使用前に、ユーザがキャップを取り外してよい。いくつかの実施形態では、装置の使用後、針を保護するためにキャップを戻してよい。それに代えてまたはそれに加えて、キャップを取り外したあと捨ててもよい。
注射器の充填
図2は、本発明の一実施形態に係る注射器の充填方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、滅菌(106)後、カートリッジを標準的な充填設備にセットしてよい。
任意で、カートリッジは保護キャップを含む。貯蔵部を任意で薬剤物質で充填(208)する。充填後、注射器にストッパーを取り付けてよい(210)。
任意で、充填(208)および/またはストッパーの取付け(210)は、真空下で行う。例えば、充填(208)後、真空下でストッパーを貯蔵部に挿入する。代替例として、貯蔵部は、真空を用いることなしに、単に充填(208)および/またはストッパーを取り付けられる(210)。例えば、ストッパーを取り付ける(210)あいだ、排気チューブを挿入してよい。
いくつかの実施形態では、突出を有するようにカートリッジを成形(103)して、標準的な設備(例えば、ロボットアーム)が当該カートリッジをつかみ、保持し、かつ/または操作できるようにしてよい。プランジャーを任意で貯蔵部内の、薬剤物質の後方に挿入する。例えば、ストッパーを貯蔵部の近位開口部内に挿入してよい。任意で、真空を除去する。いくつかの実施形態では、ストッパーの後方の圧力により、ストッパーが貯蔵部内に入り、薬剤物質の位置に達する。例えば、ストッパーは、薬剤物質および/または貯蔵部を封止して、充填済カートリッジを形成してよい。
任意で、カートリッジおよび/または薬剤物質の滅菌状態は、長期間保たれ、かつ/または保証されてよい。排気チューブを用いる場合、挿入された薬剤の液面までプランジャーを単に押して、排気チューブを通して空気を追い出す。それから、排気チューブを取り除き、プランジャーを所定の位置で封止する。充填中、針は必要に応じて水平にしてもよいし垂直にしてもよい。
いくつかの実施形態では、円筒形内部空洞および/または延伸部および/またはチューブを有するように注射器を成形(103)してよい。延伸部および/またはチューブは、任意で、注射器の内部空洞の長手軸に対して、30から150度の角度を成す。流体路が内部空洞と延伸部および/または針とを接続してよい。任意で、流体路は針の中空内部に含まれてよい。例えば、流体路は曲がっていてよい。任意で、注射器は、例えばポリマーから成形(103)してよい。曲がった流体路は任意でポリマーを通り抜ける。
任意で、円筒空間は、円形および/または非円形の断面(例えば、楕円形の断面)を有してよい。流体路は二つ以上のチューブ間の接続でよく、かつ/または、当該チューブ間の結合のための追加の封止プロセスおよび/または結合部品を含んでよい。
いくつかの実施形態では、流体路は、チューブ(例えば、曲がった針)を成形部品にインサート成形(103)することにより、形成してよい。例えば、針は中空でよい。針の一端は、任意で、注射器の内部空洞と流体連通しており、かつ/または、針の第二端が注射器から任意で突き出してよい。例えば、針の第二端は、注射器の注射筒の軸に対して30から150度の角度で突き出してよい。任意で、針の第二端は、対象の皮膚を貫通して挿入するよう構成してよい。例えば、針の第二端を尖らせ、かつ/または斜角を付けてよい。
任意で、針は延伸部から突き出してよい。
例えば、延伸部は針キャップ用の取り付け部を有してよい。
それに代えてあるいはそれに加えて、埋め込まれた針の第二端は延伸部に続いてよい。例えば、延伸部はチューブ用の取り付け部を有してよい。
いくつかの実施形態では、針のむき出しの長さは注射を行うのに適切な長さでよい。例えば、針のむき出しの長さは、皮内注射に適した長さでよく、かつ/または、内径が例えば24Gから30Gでよく、かつ/または、長さが例えば7から10mmでよく、かつ/または、針のむき出しの長さは、皮下注射に適した長さでよく、かつ/または、内径が例えば23Gから28Gでよく、かつ/または、長さが例えば9から28mmでよく、かつ/または、針のむき出しの長さは、筋内注射に適した長さでよく、かつ/または、内径が例えば18Gから23Gでよく、かつ/または、長さが例えば24から40mmでよく、かつ/または、針のむき出しの長さは、静脈注射に適した長さでよく、かつ/または、内径が例えば15Gから22Gでよく、かつ/または、長さが例えば24から40mmでよい。
いくつかの実施形態では、針のむき出し部分は、滅菌済みの封止針キャップで覆われてよい。例えば、延伸部は針キャップ用の取り付け部を含んでよい。例えば、取り付け部は、キャップを密封するため、かつ/または滅菌状態を維持するために、封止面を含んでよい。任意で、封止面は環状および/または円錐断面の形状でよい。任意で、取り付け部は、キャップを固定して支持してキャップが延伸部に対して動くのを防ぐ物理コネクタを含んでよい。
例えば、1kgまでの力、かつ/または1から2kgの力、かつ/または2から5kgの力にさらされたとき、キャップは延伸部に安定して封止された状態でよい。例えば、当該力は、任意の方向かつ/または任意の場所に加えられ(例えばトルクを作り出し)てよい。
いくつかの実施形態では、成形(103)プロセス中、針は一つ以上の地点で支持されてよい。例えば、針は、中間部で、かつ/または突出端部で、かつ/または注射器の内部空洞に接続する端部で支持されてよい。例えば、針の端部は端部取り付け部で支持されてよい。例えば、端部取り付け部は、コレットおよび/またはピンを有してよい。任意で、中空の針の場合、端部取り付け部は、針の中空端部が成形材料で塞がれるのを防いでよい。任意で、針は流路に沿って支持されてよい。これは、例えば以下で説明される。
ひとたび注射器が成形(102)されたら、注射器は任意でキャップによりキャップされる(104)。例えば、当該キャップは注射器の遠位端を封止してよく、かつ/またはその滅菌状態を維持してよい。いくつかの実施形態では、延伸部は標準的なキャップ取り付け部を有してよく、かつ/またはキャップは針の突出部分に嵌合してよい。任意で、キャップは標準的な針キャップを含んでよい。
いくつかの実施形態では、硬いキャップを延伸部の端に固定して取り付けてよい。キャップは任意で、針および/または延伸部の端を覆う。
それに代えてあるいはそれに加えて、キャップおよび/または延伸部は柔軟性があり、かつ/または関節を有してよい。任意で、針キャップは針を汚染および/または物理的衝撃から保護する。例えば、針キャップは延伸部の端および/または針を封止してよい。キャップは任意で、針または延伸部の先端と同じ角度に向けられてよい。任意で、延伸部の端に斜角を付け、かつ/または、延伸部の端を特定の方向に向けて、それにより、延伸部の向けられた方向、例えば注射器の注射筒の軸の角度から30から150度の方向に、針キャップが延伸部へ押し付けられ、かつ/または延伸部から引き抜かれるようにする。
任意で、キャップは、例えば保護針キャップおよび/または滅菌針キャップの国内および/国際標準と適合する。当該標準の例としては、国際標準化機関の、ISO8537:2007、ISO594‐1:1986、ISO7864:1993、ISO9626、ISO7864:1993標準、および/または、他の標準、例えばアメリカ国立衛生研究所(NIH)、および/またはアメリカ食品医薬品局(FDA)、および/またはアメリカ国立標準技術研究所(NIST)の標準が挙げられる。例えば、針キャップは、可撓性針シールド(FNS)および/または剛性針シールド(RNS)および/または熱可塑性エラストマー剛性針シールド(TERNS)を含んでよい。市販の針シールドの例としては、West 7025/55および7025/65、Datwyler FM27、およびStelmi 4800GSが挙げられる。
いくつかの実施形態では、非標準針キャップを用いてよい。例えば、キャップを、延伸部の方向および/または針とは異なる角度で取り付けてよい。例えば、針キャップは、注射器(例えば注射器の注射筒)の遠位端に嵌合してよく、かつ/または、延伸部および/または針を覆ってよい。
任意で、注射筒の軸と平行な方向に、キャップを注射器に押し付け、かつ/または注射器から取り外してよい。
いくつかの実施形態では、キャップは針および/または注射器の延伸部を覆ってよいが、注射器の近位端および/または注射器の近位開口部は覆わなくてよい。例えば、キャップは、注射器の遠位側の小さな部分だけを覆ってよい。例えば、キャップは、注射器の0.01から2%、かつ/または、注射器の表面および/または延伸部を含む注射器の長さの2から5%、かつ/または5から20%、かつ/または20から50%、かつ/または50から90%を覆ってよい。任意で、キャップは注射器から突き出る針の全部分を覆う。
いくつかの実施形態では、注射器および/または針および/または針キャップを滅菌(106)してよい。任意で、それらを組み立て、それから単一のユニットとして滅菌(106)してよい。それに代えてあるいはそれに加えて、注射器および/または延伸部を、針および/または針キャップとは別に滅菌(106)してよい。任意で、注射器および/または延伸部を、カートリッジネストに支持された状態で、および/または閉鎖および/または密閉タブに入れられた状態で、滅菌(106)してよい。
いくつかの実施形態では、注射器は充填(208)されてよい。例えば、注射器は、標準的および/または最小限に変更された無菌充填装置で、薬剤を充填(208)されてよい。任意で、注射器は、針が注射器の所定位置にある状態で、かつ/または、針キャップが取り付けられた状態で、充填されてよい。任意で、薬剤は液体でよい。
任意で、薬剤を、注射器の近位開口部を通して、貯蔵部の内部空洞に取り込む。任意で、前記近位開口部にはストッパーを取り付ける(210)。例えば、ストッパーの取り付けは、注射器の近位開口部を、例えば充填後にプランジャーシールで封止する工程を含んでよい。
いくつかの実施形態では、カートリッジを薬剤放出装置、例えば注入装置に挿入する。任意で、カートリッジを、充填かつ/または滅菌された状態の注入器に装填する。装填動作は、通常、針キャップを所定位置に付けた状態で行う。例えば、注入器は、注射器の中身と同程度に滅菌しなくてもよい。それから、注入装置を患者に供給してよい。任意で、針キャップは、使用時に、患者および/または医療扶助者および/または医師および/または薬剤師によって取り外されてよい。
いくつかの実施形態では、送達装置を組み立てる前に、かつ/または、送達装置を小売業者および/または医療従事者および/またはユーザに出荷する前に、カートリッジを送達装置に取り付けてよい。それに代えてまたはそれに加えて、ユーザによって、例えば医療従事者(例えば看護師および/または薬剤師および/または医師および/または家庭保健師)および/または注射の対象(薬剤を受け取る患者)および/または介護者によって、カートリッジを取り付けられてよい。
いくつかの実施形態では、カートリッジ取付け済みの、組み立てられた注入器を、ユーザに供給してよい。任意で、ユーザに供給する時、カートリッジおよび/または延伸部および/または針は、滅菌されてもよく、かつ/または保護キャップで覆われてもよい。任意で、注入器は針シールドラッチを有してよい。例えば、針キャップが所定位置にあるあいだ、針シールドラッチは開口位置にあり、針キャップを手に取ることが可能になる。例えば、針シールドラッチが開口位置にあるとき、キャップおよび/またはキャップリムーバが注入器から突き出る空間があってよい。例えば、開口位置では、針シールドラッチが後退してよい。いくつかの実施形態では、針シールドラッチは回転してよく、かつ/またはある位置および/または状態から他の位置および/または状態にスライドしてよい。それに代えてまたはそれに加えて、カートリッジおよび/または注入器は、ユーザに別々に供給されてよく、かつ/またはユーザに組み立てられてよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る、角度の付いた先端を有する注射器の製造方法を示すフローチャートである。注射器は、任意で、一つ以上のあらかじめ設定された方向に流体の一種以上の注射をできるよう構成され、かつ/または、針を一つ以上の方向で皮膚に挿入するのを支持するよう構成されている。
任意で、流路は貯蔵部の遠位壁に接続されている。いくつかの実施形態では、チューブ(例えば中空の針)が曲げられ(312)、流路を形成する。
任意で、流体路と貯蔵部との接続は、貯蔵部の軸からずれている。
例えば、流路の近位部分は、貯蔵部の長手軸に対して平行でよく、かつ/または、0から30度の角度を成してよい。それに加えてまたはそれに代えて、流路の遠位部分は、貯蔵部の軸に対して30から150度の角度を成してよい。
いくつかの実施形態では、曲げたあとチューブを洗浄(314)し、それによって、例えば曲げる工程で生じた粒子を取り除く。任意で、洗浄は成形の前に行う。いくつかの実施形態では、針は曲げたあとに洗浄しなくてよい。針はまた、例えば先端が破損していないか確認するため肉眼で検査してよく、かつ/または、例えば部分的および/または完全に閉塞していないか確認するため例えば気流で検査してよい。
いくつかの実施形態では、取り付け部材を任意でチューブに付加する(302)。任意で、取り付け部材は貯蔵部に対して一体化されており、かつ/または、貯蔵部に取り付けられる。キャップは任意で取り付け部材に取り付けられる(304)。
いくつかの実施形態では、チューブを貯蔵部および/または取り付け部材に取り付ける(302)前に洗浄(314)してよい。それに代えてまたはそれに加えて、貯蔵部および/またはチューブおよび/または取り付け部材を一つのユニットとして洗浄(314)してよい。任意で、保護キャップを取り付ける(304)前に洗浄(314)を行う。キャップはチューブのむき出しの部分を覆ってよく、かつ/または、チューブの一部および/または取り付け部材の一部の滅菌状態を保護してよい。キャップしたチューブおよび/または取り付け部材および/または貯蔵部は、任意で、一緒に滅菌(106)される。
いくつかの実施形態では、取り付け部材は貯蔵部と一体でよく、かつ/または、固定して取り付けられてよい。それに代えてまたはそれに加えて、取り付け部材は貯蔵部に可撓的に取り付けられてよい。それに代えてまたはそれに加えて、取り付け部材および/またはキャップは、針に直接接続してよい。
弾性延伸部
図4は、本発明の一実施形態に係る、角度の付いた先端を有する注射器の製造方法を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、チューブは超弾性かつ/または形状記憶材料で作られてよい。任意で、チューブは柔軟に曲げられて(412)、角度の付いた延伸部を形成する。チューブは任意で、弾力を有した状態でまっすぐにされ(416)、キャップを付けられる(404)。キャップを付けられた注射器は任意で滅菌され(106)、かつ/または充填される。使用前、および/または使用中、装置はキャップを外され、かつ/または針が曲がった形状に戻される。
カートリッジの例
図5は、本発明の一実施形態に係る、変形した遠位端を有する注射器カートリッジのブロック図である。いくつかの実施形態において、注入器カートリッジは、従来の注射器と同様の近位部分507を有してよい。例えば、近位部分はフランジおよび近位開口部を含んでよい。任意で、近位部分は、従来の、かつ/または最小限に変更された自動注射器充填装置によって扱われるよう構成されている。任意で、カートリッジの遠位部分509は、薬剤送達装置で使用するためにカスタマイズされた特徴的形状を有してよい。カートリッジ遠位部分の変更は、カートリッジの充填の邪魔にならないよう行ってよい。
いくつかの実施形態では、カートリッジは貯蔵部542を含んでよい。貯蔵部は任意で、ほぼ円筒形の空洞を有する。例えば、空洞は注射器プランジャーに嵌合してよい。任意で、貯蔵部の近位端はフランジを含んでよい。例えば、フランジは、充填装置のカートリッジネストに貯蔵部を保持するよう構成されてよい。フランジは任意で、例えば充填中にカートリッジを特定の向きにするのを助けるような変更点を有する。
いくつかの実施形態では、貯蔵部542の遠位端は、自動薬剤送達装置用の変更点を有してよい。例えば、貯蔵部の遠位端は、角度の付いた延伸部および/または角度の付いた針を含んでよい。任意で、遠位部分の一部はカートリッジのシルエットから突き出してよい。カートリッジの遠位部分は、突出の長さを減らすよう設計されてよい。例えば、角度の付いた延伸部と貯蔵部との接続は、任意で、貯蔵部の軸からずれている、かつ/または、後退している。例えば、貯蔵部との接続をずらすことで、突出のサイズを減らし、かつ/またはカートリッジのバランスを取ってよい。
それに代えてまたはそれに加えて、突出のバランスを取ってよい。例えば、突出の大きさを減らすことで、一つ以上のカートリッジを充填装置のネストにはめ込むのを容易にしてよい。例えば、突出のバランスを取ることで、カートリッジが充填ネスト内に掛かる際の角度を改善し、かつ/または、カートリッジを自動的に扱うのを容易にしてよい。
図6は、本発明の一実施形態に係る、延伸部536を有する注射器カートリッジのブロック図である。いくつかの実施形態において、延伸部の遠位部分の長手軸は、貯蔵部の軸に対して30から150度の限定された角度を成す。いくつかの実施形態では、キャップは、延伸部の遠位部分および/または突出する針を、汚染および/または物理的破損から保護してよい。任意で、キャップ504を角度の付いた延伸部536に取り付けてよい。
例えば、キャップ504は、角度の付いた延伸部536の一部(例えば、その遠位部分)および/またはそこから突出する針を、保護し、かつ/または覆ってよい。例えば、延伸部536の遠位部分を覆う、かつ/あるいは保護するあいだ、針キャップ504は、貯蔵部542の一部および/または全部をむき出しにしてよい。例えば、キャップ504は、貯蔵部542の近位開口部をむき出しにしてよい。例えば、延伸部536の遠位端がキャップ504によって保護されているあいだ、貯蔵部542の近位開口部を用いて貯蔵部を充填してよい。
いくつかの実施形態では、キャップ504は、延伸部の遠位部分の汚染に対する物理的障壁として機能してよい。例えば、キャップ504は、カートリッジの保存期間中ずっと、薬剤に対して定められた保存条件を保ちながら、容器の密閉の完全性を確実に維持してよい。いくつかの実施形態では、キャップ504は、延伸部の遠位部分への物理的ダメージを防ぐシールドとして機能してよい。例えば、キャップ504は、さほど動くことなしに、かつ/または、保護されている針を曲げることなしに、かつ/または、滅菌状態の封止を破ることなしに、力に耐えることができる。例えば、力としては、輸送、振動、および/または落下(例えば、0から1mの落下、および/または1から3mの落下、および3から5メートルの落下)中に生じる力のような、注射器本体、延伸部、および/またはキャップに加速度および/または力を加えうるものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、キャップ504は延伸部536に可逆的に接続されてよい。例えば、キャップは、延伸部536から直線的に引っ張ることにより、延伸部536から取り外し可能であってよい。例えば、引っ張る力は3Nから10Nの範囲でよい。
それに代えてあるいはそれに加えて、キャップ504は延伸部536にねじで接続されてよい。
いくつかの実施形態では、延伸部536の遠位部分は、流体路への開口部を有してよい。流体路は、開口部を貯蔵部542の遠位壁に接続してよい。それに加えてまたはそれに代えて、延伸部536は成形体を含んでよい。例えば、延伸部536の成形体は、保護キャップ504用の取り付け部を含んでよい。任意で、針は延伸部536の成形体から突き出してよい。例えば、針の突出部分および/または針キャップ504の取り付け部は、貯蔵部の軸に対して限定された角度を成してよい。
いくつかの実施形態では、延伸部536の遠位部分は、貯蔵部542の軸に対して限定された角度を成してよい。例えば、延伸部536の遠位部分は、針取り付け部および/または針の突出部の直線部分を含んでよい。例えば、キャップ504は成形体の針取り付け部に嵌合してよく、延伸部536の遠位部分および/または針の突出部を覆い、かつ/または囲い、かつ/または保護してよい。例えば、キャップ504は、針の突出部分全体を取り囲んでよい。任意で、キャップ504が延伸部536の遠位部分を覆っている、かつ/または保護しているあいだ、貯蔵部542の近位開口部は覆われないままでよい。例えば、貯蔵部の近位開口部を開いたままにしておくことで、針が覆われたままで貯蔵部を充填するのを容易にしてよい。任意で、針の突出部分全体が真っ直ぐであってよい。
いくつかの実施形態では、貯蔵部は、例えば、円筒形の空洞のある穴を有してよい。例えば、円筒形の空洞は、前記穴の近位部分中にあってよい。任意で、貯蔵部の軸を、円筒形の空洞の長手軸と定義してよい。
中心からずらせた、角度付の延伸部を有する注射器
図7A、7B、および7Cは、注射器700の斜視図である。注射器700は、任意で、薬剤送達装置用の貯蔵部を含む。任意で、注射器700は、本発明の一実施形態に係る、注射筒742の円筒形の空洞732の中心軸758からずれた屈曲アームに取り付けられた角度付の延伸部736を含む。任意で、流体路は、注射筒の空洞に接続し、かつ/または、延伸部736を貫通する。任意で、屈曲アームは注射筒742と一体に成形かつ/または形成される。例えば、延伸部736は注射筒742の遠位端709から突き出る。任意で、延伸部と注射筒との接続は、貯蔵部の軸758からずれている。例えば、延伸部736は、注射筒742の背面側の方へ寄っている。いくつかの実施形態では、針キャップ704は延伸部736に取り付けられている。任意で、延伸部は、貯蔵部のプロファイルに対して後屈する、かつ/または貯蔵部のプロファイルを横切る。
いくつかの実施形態では、フランジ740を注射器700の近位端707に提供してよい。例えば、フランジ740は、注射筒742を自動充填装置のカートリッジネストから吊るすのに用いてよい。任意で、フランジを含む注射器の特徴的形状により、薬剤送達装置への接続を容易にしてよい。
いくつかの実施形態では、注射器700は非対称的な特徴的形状を有してよい。例えば、流体路は、注射筒742の遠位端に対して非中心的に接続されてよい。例えば、延伸部736は、注射筒742の遠位端709から突き出す。
任意で、延伸部736と注射筒742との接続は、注射筒742の背面側739aに片寄っている。
いくつかの実施形態では、突出はバランスを取ってよい(例えば、延伸部をカートリッジの中心からずらすことによって、かつ/または、カウンターバランスを含むことによって)。任意で、カートリッジのバランスを取ることで、当該カートリッジをスピンさせるのを容易にしてよい。例えば、カートリッジをその軸を中心にしてスピンさせ、かつ/またはカートリッジに遠心力を作用させ、それにより、例えば粒子および/または泡を分離および/または検査してよい。例えば、延伸部および/またはキャップは、検査プロセスでの重力加速度に耐えるように構成してよい(例えば、キャップをカートリッジの中心の方へずらせて重力加速度のバランスを取り、スピン中にキャップが外れないようにしてよく、かつ/または、延伸部を、スピン中および/またはブレーキ中に曲がったりしないほど硬くしてよく、かつ/または、延伸部を、カートリッジの軸に対して、突出の方向とは反対側にずらしてよい)。例えば、カートリッジの重心は、貯蔵部の長手軸の0.1mm以内でよく、かつ/または、前記長手軸から0.1から0.5mmの範囲、かつ/または、0.5から1mmの範囲、かつ/または、1から2mmの範囲、かつ/または、2から4mmの範囲、かつ/または、4から10mmの範囲、かつ/または、10から20mmの範囲でよい。例えば、カートリッジの重心は、軸のそば、貯蔵部の半径の1パーセント以内でよく、かつ/または、当該半径の1から5パーセントの範囲、かつ/または、当該半径の5から10パーセントの範囲、かつ/または、当該半径の10から25パーセントの範囲、かつ/または、当該半径の25から50パーセントの範囲、かつ/または、当該半径の50から100パーセントの範囲でよい。
いくつかの実施形態では、針キャップ704は、軸758に対してほぼ直角の角度で、延伸部736上に取り付けられる。例えば、キャップ704は、注射筒742の腹面側739bの方を向いている。任意で、延伸部736および/またはキャップ704用取り付け部は、注射筒742の腹面側739bから後退している。例えば、延伸部736および/またはキャップ704用取り付け部を後退させることで、プロファイルがより小さい装置の設計を容易にしてよい(これは、例えば、取付けの長さが装置のプロファイルに加わらないからである)。横方向の突出の長さを任意に減らすことで、カートリッジをカートリッジネストにはめ込むことが容易になる。
例えば、延伸部の端を、貯蔵部の端部(例えば腹面側の端部)から0から1mm後退させてよく、かつ/または、注射筒の端部(例えば腹面側の端部)から1から3mm、かつ/または3から10mm、かつ/または10mmより大きく後退させてよい。それに代えてまたはそれに加えて、延伸部は注射筒の端部を超えて突き出してよい。
例えば、延伸部の端は、貯蔵部の端部(例えば、腹面側の端部)を超えて0から1mm突き出してよく、かつ/または、貯蔵部および/または注射筒の腹面側の端部を超えて1から3mm、かつ/または3から10mm、かつ/または10mmより大きく突き出してよい。いくつかの実施形態では、キャップ取り付け部は、例えば0から5mmかつ/または5から10mmかつ/または10から20mmの範囲の幅(例えば直径)を有してよい。いくつかの実施形態では、薬剤貯蔵部の幅(例えば直径)は、5から20mmかつ/または10から14mmかつ/または14から20mmの範囲でよい。
いくつかの実施形態では、注射器700はフィッティングを有してよい。任意で、スナップおよび/またはフィッティングを注射器の中に成形してよい。例えば、フィッティングは、プラスチックのスナップ、リベット、ピン、カットアウト、くぼみ、隆起、スナップクランプ、キャッチ、ボールフィッティング、ラッチ、かえし(barb)などを含んでよい。例えば、ツメ(tab)738、および/または、くぼみ、および/または、隆起(例えば、ツメ738、および/または、隆起744および/または746)が注射器に含まれてよい。任意で、フィッティングは注射器700を薬剤送達装置(例えば、自動注入器)に取り付けるのを容易にしてよい。例えば、図7Bにおいて、注射器700はパッチ式注入器の基部取り付け部763に接続した状態で描かれている。
いくつかの実施形態では、くぼみおよび/または隆起を用いて、注射器700および/またはカートリッジを送達装置中に取り付けてよい。例えば、ツメ738および/または隆起744、746は、注入器の結合部分、例えば送達装置中の隆起および/またはくぼみおよび/またはキャッチおよび/または穴と相互に作用し、カートリッジを送達装置中に取り付けてよい。例えば、ツメ738は、カートリッジ700の遠位端709を送達装置と位置合わせするのを容易にしてよい。例えば、図7Bに示すように、ツメ738は、基部取り付け部763上のスロット731にはめ込んでよい。任意で、フィッティングはスナップコネクタを有してよい。例えば、くぼみおよび/または隆起を、ピンおよび/または接合用穴と結合できる。斜端および/またはカットアウトおよび/またはツメ748を、任意で、送達装置中の相補部分と相互に作用させてよい。
いくつかの実施形態では、注射筒742の空洞732と延伸部736とを接続する流体路は、注射器700を通過し、かつ/または注射器700と一体成型されてよい。例えば、流体路は、貯蔵部の成形延伸部を通ってよい。任意で(例えば図17Bに示すように)、金属チューブ(例えば針752)は流体路750の一部を形成する(例えば図17B参照)。
任意で、流体路750中のデッドスペースを減らす。例えば、流体路の大部分および/またはすべてを針752中に入れることでデッドスペースを減らし、プラスチック成型におけるデッドスペースを減らしてよい。例えば、針752の埋め込まれた部分753が、突出部分751につながる屈曲流体路750を形成する。突出部分751は任意で、空洞732の軸758および/または注射筒742の軸に対してほぼ直角の角度で、延伸部736からまっすぐ突き出す。
任意で、針752の突出端は任意で斜角を有し、かつ/または尖らされ、対象の皮膚を通しての挿入を容易にする。
いくつかの実施形態では、針752の破損を避けるため、斜角を有する針の先端754を特定の方向に向ける。例えば、斜角を有する針の先端754の開口部を遠位方向に向ける。針の先端754を、注射器の近位端の周囲を回転させることで対象に挿入する場合、および/または針の先端754を対象に挿入する際に近位方向に進みがちである場合、開口部を遠位方向に向けて破損を防いでよい。
任意で、針752は、成形中、支持されてよい。例えば、針の端を端部取り付け部で支持してよい。例えば、針の中心をグリッパーで支持してよい(例えば、図15および16参照)。例えば、成形注射器内のコレット端部取り付け部によって残された空間756を、図19に見ることができる。成形中、端部取り付け部は任意で針752の中空部分を塞ぎ、それによって、例えば、針が成形材料によって破損することを防ぐ。任意で、グリッパーは、オーバーモールド成形された材料中にチャネルを残し、かつ/またはチャネルを通して挿入されてよい(例えば、チャネル737)。
いくつかの実施形態では、延伸部は非均一な断面を有してよい。例えば、延伸部736の中心部に、窓またはチャネル737を形成する。任意で、針の支持体の周囲に、成形プロセス中に針を保持する保持チャネル737を形成する。任意で、そのあと針の支持体を除去し、からのチャネル737を残す。例えば、延伸部736はI型ビームの断面を有する。任意で、リブ735は流体路からずれている。例えば、前記ずれは、流体路750の周囲、および/またはリブ735同士のあいだに、チャネル737用の空間を残すのに十分なほどである。チャネル737を、任意で、注射器の成形体中に形成する。例えば、チャネル737により、インサート成形プロセス中、針を保持することを可能にしてよい。
いくつかの実施形態では、延伸部736の端は針キャップ704用の取り付け部を有する。例えば、前記取り付け部は封止リング760を含んでよい。封止リングの後ろに、任意で、切り下げ部759および/または支持部761がある。いくつかの実施形態では、導入部757は封止760の前方に突出する。例えば、導入部757に斜角を持たせ、かつ/またはテーパしてよい。例えば、導入部が斜角を有し、かつ/またはテーパされることで、キャップを封止リング760に取り付けやすくしてよい。例えば、斜角を持つかテーパされた導入部は、0から1度、かつ/または1から2度、かつ/または2から5度、かつ/または5から10度、かつ/または10から20度、かつ/または20から40度の範囲の角度を有してよい。任意で、テーパは非線形、例えば曲線でもよい。いくつかの実施形態では、支持部761および/または導入部757は、完全な外周を有さないかもしれない。例えば、部757および/または761は、例えば「十字」型および/または「I」型のリブを有してよい。それに代えてまたはそれに加えて、部757および/または761の一つまたは双方は、完全に閉じた外周を有してよい。任意で、封止リング760はキャップ704の内側を封止してよい。いくつかの実施形態では、これにより、針752の突出部751を任意で含む延伸部の遠位端を隔離してよい。例えば、キャップは、延伸部736の遠位端および/または針752の突出部751を汚染から保護してよい。
いくつかの実施形態では、キャップ取り付け部は、キャップを物理的に保持する支持部を含んでよい。例えば、支持部761をリブ735に形成してよい。いくつかの実施形態では、支持部761はキャップ704を延伸部736に固定して保持してよい。任意で、支持部761はテーパされてよい。キャップ704は、任意で、延伸部736の軸に沿って、かつ/または針752の突出部751の軸に沿って、引っ張る、かつ/または押すことで、延伸部736に結合し、かつ/または延伸部736から取り外してよい。
いくつかの実施形態では、デッドスペースを減らすようカートリッジを設計してよい。例えば、プランジャーを用いて、貯蔵部から流体を押し出してよい。例えば、プランジャーが流体を貯蔵部の遠位壁の方へと押しやってよい。任意で、流体は遠位壁の開口部を通過して延伸部の流体路へ流れてよい。
任意で、プランジャーは、遠位壁に接触する際、開口部から遠い部分からまず接触するよう設計してよい。例えば、プランジャーが最初に壁に接触したあと、遠位方向に動くにつれて、プランジャーに接触する壁の面が大きくなってよい。例えば、接触面が大きくなるにつれて、流体が遠位壁に沿って開口部へ押しやられてよい。
例えば、0から5Nおよび/または10から15Nおよび/または15から25Nの範囲の力を受けたプランジャーの、円筒の遠位壁への移動の終わりにおいて、プランジャーと円筒の遠位壁とのあいだのデッドスペースは、0.01から0.05および/または0.05から0.1および/または0.1から0.5mlの範囲でよい。任意で、貯蔵部と、延伸部の遠位部における流体路の出口開口部とのあいだの流体路の体積は小さくてよい。例えば、貯蔵部から延伸部の開口部への内容積は、0から0.01および/または0.01から0.03および/または0.03から0.06および/または0.06から0.1および/または0.1から0.5mlの範囲でよい。
図7Cは、本発明の一実施形態に係る、カートリッジの近位斜視図を示す。例えば、充填装置への接続を容易にするように、接触面の大きさおよび/または形状を定めてよい。例えば、接触面は環状面741を含んでよい。任意で、環状面741は5mmから20mmの幅を有してよい。例えば、面741は、例えばプランジャーを貯蔵部に挿入するため、真空装置への接続を容易にしてよい。それに代えてまたはそれに加えて、カートリッジのサイズおよび形状を自動充填装置に合わせてよい。任意で、近位開口部708はフレア部743を含む。例えば、フレア部743は導入面取り部および/または斜角を含んでよい。導入面取り部は、任意で、開口部708にストッパー(例えばプランジャーシール)を挿入するのを容易にする。
例えば、カートリッジの近位部分は、自動注射器ホルダー用の大きさおよび形状の面、および/またはフランジ740のような、把持フィッティングを含んでよい。いくつかの実施形態では、フランジおよび/または接触面の大きさは非均一でよい。それに代えてまたはそれに加えて、フランジまたは把持面は均一な大きさおよび/または形状を有してよい。フランジの最大幅は、例えば5から20mmの範囲でよい。フランジの最小幅は、例えば5から20mmの範囲でよい。
任意で、フランジの幅は、大きな注射器用には大きく、小さな注射器用には小さくてよい。例えば、フランジの厚みは1から3mmの範囲でよい。
いくつかの実施形態では、針および/またはキャップ用の取り付け部は、例えばテーパされたルアーおよび/またはスリップルアーおよび/またはルアーロックを含んでよい。
カートリッジの充填装置へのはめ込み
図8Aは、本発明の一実施形態に係る、不均一な形状の注射器用のカートリッジネストの斜視図である。例えば、カートリッジネスト894は角度の付いたハブ注射器700を支持する。任意で、カートリッジネスト894は、互いに間隔のある一つ以上の開口部を含む。任意で、前記開口部はカートリッジネストにおいて空間を節約し、かつ/またはより多くのカートリッジをはめるよう配置されている。
例えば、前記開口部を交互交代にし、かつ/または前記開口部の方向を変えてよい。いくつかの実施形態では、各開口部は、一つの穴896と一つ以上の延伸部897を有してよい。開口部は任意で、注射器700の第一部分が開口部を通過できるような形状および/または大きさを有する。カートリッジネストは、任意で、注射器の第二部分(例えば近位フランジ740)を支持するような形状および/または大きさを有する。例えば、カートリッジネストが注射器700の近位部分(例えば近位フランジ740)を支持しつつ、前記開口部が注射器700の遠位部分を通過させてよい。カートリッジネスト894は、任意で、自動注射器充填装置に合うような大きさおよび/または形状を有し、かつ/または、一つ以上の不均一な注射器700を自動注射器充填装置による充填のため特定の方向に向けるような大きさおよび/または形状を有する。例えば、カートリッジネスト894および/または注射器700は、標準的な自動注射器充填装置に適合してよい。
いくつかの実施形態では、カートリッジネスト894および/またはそれを貫通する開口部は、枠898を有してよい。任意で、枠898はカートリッジネスト894の表面から上向きに伸びる。例えば、枠898は注射器700を支持する。それに代えてまたはそれに加えて、枠はカートリッジネストの面から、かつ/またはカートリッジネストの面に対して非直角の角度で、下向きに伸びてよい。任意で、枠は開口部(例えば開口部穴896および/または延伸部897)を完全にかつ/または部分的に囲ってよい。任意で、枠は均一かつ/または非均一な高さおよび/または厚みを有してよい。
いくつかの実施形態では、開口部および/または枠898は、交互交代的な一連の横列および/または縦列に配置されている。それに加えてまたはそれに代えて、開口部および/または枠898は、均一に間隔を置いた一連の横列および/または縦列に配置されている。任意で、カートリッジネスト894は、例えばさまざまな工程および充填動作中にカートリッジネスト894を持ち上げかつ/または容易につかみかつ/または特定の方向に向けるためのカットアウト部分893を有する。
いくつかの実施形態では、カートリッジネスト894はタブ895の中に位置している。タブ895は任意で、カートリッジネスト894を支持する段状部分を含む。
図8Bは、本発明の一実施形態に係る、カートリッジネストから釣り下がる角度付針注射器を支持する斜視図である。
任意で、カートリッジネスト894の穴は、不均一な形状の注射器の遠位部分と嵌合する、かつ/または当該遠位部分が当該穴にはめ込まれるような大きさおよび形状を有している。例えば、穴は、注射器700の遠位部分に当該穴を貫通させてよい。
いくつかの実施形態では、延伸部897は穴896より細く、かつ/または穴896から外側に放射されており、例えば当該穴に鍵穴のような形状を与えている。例えば、穴896は、注射筒が、(例えば、0.01mm未満、および/または0.01から0.1mm、および/または0.1から0.5mm、および/または0.5から2mm、および/または2mmを超える範囲の許容誤差で)開口部にはめ込まれるような大きさおよび形状を有してよい。例えば、穴896は注射器700の注射筒に嵌合する。
任意で、延伸部897は、(例えば、0.01mm未満、および/または0.01から0.1mm、および/または0.1から0.5mm、および/または0.5から2mm、および/または2mmを超える範囲の許容誤差で)注射器の突出部分が通過するような大きさおよび形状を有している。例えば、延伸部897は、注射器700の突出部分に嵌合する。例えば、延伸部897は、針752の突出部分および/または針キャップ、例えば針キャップ704を通過させる。
いくつかの実施形態では、枠および/または穴は、注射器および/または貯蔵部を特定の方向に向けるような形状を有してよい。例えば、カートリッジネスト894の穴のいくつかあるいはすべてにある後部突起899は、注射器700の注射筒742を、注射器700の内側円筒空間の軸の周囲の向きを合わせ、かつ/または、注射器の突出部(例えば針キャップ704)を特定の方向に向きを合わせる。例えば、カートリッジネスト894のいくつかの穴またはすべての穴にある前方突起844は、注射器700の注射筒742を、注射器700の内側円筒空間の軸の周囲の向きを合わせ、かつ/または、注射器の突出部(例えば針キャップ704)を特定の方向に向きを合わせる。例えば、カートリッジネスト894は、交互に配置されたキャップ704を反対方向に向きを合わせる。それに代えてまたはそれに加えて、注射器は同じ方向および/または異なる方向に向きを合わせてもよい。
いくつかの実施形態では、カートリッジネストにおける枠および/または開口部の側面は、注射器および/またはカートリッジの近位部分を支持してよい。例えば、カートリッジネスト894における枠898および/または穴の側面は、注射筒742(例えば、その近位部分、例えば、その近位フランジ740)を支持かつ/または特定の方向に向けてよい。それに代えてまたはそれに加えて、カートリッジネストは、注射器を支持および/または安定化するための他の突起、穴、および/またはくぼみを有してよい。例えば、カートリッジネストは、注射器の近位フランジ中の穴を通るピンを有してよく、かつ/または、注射器の近位フランジ上のピンが通る穴を有してよい。
開口部、穴、くぼみ、突起、および/またはピンは、テーパされ、かつ/または斜角を有してよい。カートリッジネストの寸法は、任意で、注射筒の端が、タブ895の底辺の壁から間隔を置くように構成される。他の実施形態では、注射器の遠位端はタブ895の底辺の壁と接触してよい。それに代えてまたはそれに加えて、カートリッジネストはその底辺側にハンガーを有してよく、かつ/または、一つの注射器がカートリッジネストに一カ所以上の位置で接続されてよい。それに代えてまたはそれに加えて、本発明の精神の範囲内で他の構成が可能である。例えば、注射器は、弾性チューブに接続された針を有してよい。
任意で、チューブと針は注射器の側面に固定されて穴と延伸部に嵌合してよく、かつ/または、針および/またはチューブは、前記延伸部を通って一列になり、カートリッジネストの上端に位置してよく、かつ/または、針およびチューブは前記延伸部を通って一列になり、カートリッジネスト中の第二の穴を通って掛かってよく、かつ/または、針およびチューブはカートリッジネストの底部のフックに掛かりつつ一列になってよく、かつ/または、針およびチューブはタブなどの底部に位置してよい。
いくつかの実施形態では、タブ895は、例えば注射器を充填する前または後には、封止されたプラスチックのバッグかラッパーの中に入れられてよい。いくつかの実施形態では、シート材料、例えばポリエチレン、発泡プラスチックまたは他のプラスチック、の保護層を取り付けて、カートリッジネスト894および/または注射器を覆ってよい。任意で、当該シートはカートリッジネスト894とほぼ同じ大きさである。クロージャシートまたはカバーシートが、任意で、タブ895を封止し、注射筒の配列を完全に包む。例えば、カバーシートは、タブ895のフランジに対して熱封止されて完全な封止を形成する熱可塑性材料を含んでよい。例えば、カバーシートは、ガス透過性材料から作られてよい。当該ガス透過性材料の例としては、E.I.DuPont&Co.がTYVEKの商標で販売している、スパンボンドポリオレフィンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、これにより、注射筒を封止されたタブ895内に置きつつ、必要ならばガス滅菌することができる。さらなる実施形態では、注射筒を放射線および/または他の手段により滅菌できる。
図8Cは、本発明の一実施形態に係る、接触面用の隙間を示す。いくつかの実施形態では、注射器の接触面は充填カートリッジネストの部分と隙間があってよい。例えば、接触面741は、充填カートリッジネストの突起(例えば、突起899および/または844)より、隙間894の分だけ伸びることにより、当該突起と隙間を作ってよい。任意で、前記隙間により、注射器の近位端へ、例えば真空ストッパー挿入装置でアクセスするのが容易になる。例えば、隙間894は、フランジ740の厚みと突起844および/または899の高さの差に等しくてよい。任意で、隙間894は0.5から2mmの範囲でよい。例えば、フランジ740の厚みは1から3mmの範囲でよい。例えば、突起844および/または899の高さは0.5から2mmの範囲でよい。
角度の付いた延伸部を有する注射器
図9は、本発明の一実施形態に係る、角度の付いた延伸部936を有する注射器カートリッジ900の模式図である。任意で、注射器900は成形により形成してよい。例えば、注射器900はポリマー樹脂により成形してよい。例えば、単一の、一体成型されたピースが、円筒形内部空間932を有する注射筒または貯蔵部902を含んでよい。注射筒または貯蔵部902から角度付延伸部936が伸びており、流体路934が円筒形内部932から延伸部936を通って達してよい。円筒形内部932は近位開口部908を有してよい。任意で、延伸部936は注射筒の遠位端から伸びてよい。
このように、注射器カートリッジ900は、貯蔵部902と、貯蔵部から伸びる延伸部936を有する。延伸部は、任意で、内部の空洞に沿う流体路を定める。典型的には、針938の中空内部を通る流体路を定める。いくつかの実施形態では、延伸部936は成形体940を含み、針938の少なくともいくらかが成形体940から伸びている。延伸部936は、任意で、貯蔵部の軸に対して、屈曲942において、限定された角度で曲がり、針938のむき出しの部分は、任意で、同じ限定された角度を成している。さらに、いくつかの実施形態では、限定された角度を成す針の一部、つまり、屈曲942を過ぎた部分は、成形体940内部にある。
延伸部936は、貯蔵部902と一体成型してよい。それに代えて、延伸部936は、貯蔵部902と接続しうる分かれた成形体であってもよい。
例示的な実施形態に示すように、延伸部936は角度を付けた針938の周囲に、当該針938の単一長さだけ成形する。例えば角度を付けた針を金型の中に挿入し次いで当該針の周囲の金型中にプラスチックを注入することにより、延伸部936を角度を付けた針の周囲にインサート成形してよい。
いくつかの実施形態では、延伸部936と円筒形内部932とのあいだの流体路934を曲げてよい。任意で、流体路934は針を含んでよい。例えば、中空の金属針を注射器内部にインサート成形してよい。任意で、埋め込まれた針の一端が延伸部から突出してよい。例えば、埋め込まれた針の突出端は尖らせた先端を有してよい。任意で、埋め込まれた針の突出端はほぼ直線状でよい。それに代えてまたはそれに加えて、埋め込まれた針の突出端を屈曲させ、曲げ、かつ/または角度を付けてよい。
延伸部936の成形体940は、貯蔵部および/または屈曲942の軸と平行なネック部949を含んでよい。成形体940は、任意で、屈曲942を過ぎて伸びるさらなる長さ部分952を含む。例えば、さらなる長さ部分952は、貯蔵部の軸に対して角度を成してよい。
ここで、図10を参照する。図10は、注射器1000の延伸部1036の代替的な構造を示す。図9におけるのと同じ部品には同じ参照番号を与え、本実施形態の理解に必要なとき以外は再度述べることはしない。流体路1034は、貯蔵部の軸に平行な第二の針または第二のチューブ1044を含む。第二のチューブ1044は、限定された角度を成す第一の針1038に接続されている。例えば、チューブ1044と針1038のあいだの接続は、屈曲1042において行ってよい。
例えば図9および図10に示すように、延伸部936および/または1036は貯蔵部902に対して、貯蔵部902の中心軸から放射状にずれるようにして、つまり、偏心的に、接続されてよい。これは必須ではないが、こうすることにより、むき出しになった針が貯蔵部の直径に沿って数ミリ余分に伸びることができ、それにより、注射器の注射筒のプロファイルから余分に突き出ることなく、標準的な針カバーを受けられるだけ長くなる。
偏心的な接続により、注射器の注射筒の軸を横切る平面において、限定された角度を任意で選択する。例えば、流体路は貯蔵部の軸の延長を横切り、それにより、針が注射筒の直径を横断し、カートリッジのうち、貯蔵部からの延長の出口とは直径方向に反対にある側でユーザに注射する。
カートリッジ貯蔵部902の基部壁946(延伸部が出る壁)が延伸部に対して角度を成すようにし、それにより、流体が流体路934に対して十分に排出されるのを助けるようにしてよい。
針938のむき出し部分の先端948に斜角を持たせてよく、当該斜角はカートリッジ900の貯蔵部902に向かう方向に作られてよい。
延伸部1036の成形体1040はネック部1049を含んでよく、当該ネック部1049は、貯蔵部の軸、屈曲1042、および/または屈曲1042を過ぎて伸びるさらなる長さ部分1052と平行でよい。
延伸部936および/または1036は、端から見ると、「I」字型のプロファイルを有してよい。「I」字型のプロファイルは、例えば図7Aの斜視図に示している。この図について以下で参照する。それに代えてまたはそれに加えて、延伸部936および/または1036は、「T」字型のプロファイル、および/または十字型のプロファイル、および/または他の形状のプロファイルを有してよい。
限定された角度に関して、カートリッジを皮膚に取り付けそれから皮下に注射できるよう、一般には直角が便利である。しかし、身体のすべての部位が十分な面積の皮膚を提供できるわけではない。例えば、歯科の注射は、歯科医が歯茎の角度に従おうとするため、針の角度をさまざまに変えることが必要かもしれない。このため、延伸部936および/または1036における屈曲は、貯蔵部の注射筒の軸に対して30から150度、かつ/または10から140度、かつ/または60から120度、かつ/または85から95度の角度を持たせてよく、とりわけ直角にしてよい。
いくつかの実施形態では、延伸部から突出する針は当該延伸部に固定して取り付けてよい。任意で、針の突出部分は真っ直ぐでよく、かつ/または針の軸は延伸部の遠位部分(例えば、部分952および/または1052)と同じ方向に向けられてよい。任意で、針キャップは延伸部に固定して取り付けてよい。針キャップは直線状でよく、かつ/または針キャップの軸は延伸部(例えばその遠位部分)と同じ方向に向けられてよい。先に論じたように、取り付け部は標準的な針キャップに適合してよい。例えば、取り付け部は、針を汚染から保護するおよび/または針の滅菌状態を保護する針キャップを封止するよう構成してよい。
それに代えてまたはそれに加えて、針および/または針キャップを、延伸部に対して一定の角度に向けてよく、かつ/または、針および/または針キャップを、注射器のうち延伸部に含まれていない部分に部分的にまたは完全に取り付けてよい。
いくつかの実施形態では、注射器は自動充填できるように構成してよい。例えば、注射器は、標準的かつ/または最小限に変更された充填装置、例えば特別注文の注射器カートリッジネストを有する標準的な充填装置に適合するような大きさおよび形状を有してよい。例えば、注射器は、当該注射器をカートリッジネスト上に支持するための、またはロボットアームで握るための近位フランジを有してよい。フランジは円形でよく、かつ/または非円形の特徴的形状を有してよい。任意で、非円形の特徴的形状は、カートリッジネストに適合し、かつ/またはカートリッジネスト上の注射器の向きを定めてよい。注射器がカートリッジネスト上に支持される場合、近位開口部908は上を向いてよい。
図11は、本発明の一実施形態に係る、貯蔵部902に対して一定の角度を成す直線延伸部1136を有する注射器1100を示す。例えば、直線延伸部1136は成形体1140を含んでよい。任意で、直線針1138を成形体1140にインサート成形する。例えば、延伸部1136は針キャップ用の取り付け部を含んでよい。
図12は、本発明の一実施形態に係る、貯蔵部902に対して一定の角度を成す曲線延伸部1236を有する注射器1200を示す。例えば、曲線延伸部は成形体1240を含んでよい。任意で、曲線針1238を成形体1240にインサート成形する。例えば、延伸部1236は針キャップの取り付け部を含んでよい。
いくつかの実施形態では、延伸部は、本発明の一実施形態に係る貯蔵部の複数の境界上に突出し、複数の境界を越え、複数の境界を過ぎてよい。例えば、延伸部1236は、貯蔵部902の背面側の境界線を越えて上向き(背面側)に伸び、かつ貯蔵部902の腹面側の境界線を越えて下向き(腹面側)に伸びる。例えば、貯蔵部の両側に延伸部を突き出させることで、注射器のバランスを取ってよく、かつ/または一方側または他方側に突き出る延伸部の量を減らしてよい。
図13Aおよび13Bは、本発明の一実施形態に係る貯蔵部の横方向の端部を越えて伸びかつ曲がる延伸部を示す。例えば、延伸部は、横方向外側に伸びる部分を含んでよく、かつ/または貯蔵部の長手軸の方向に戻る部分を含んでよい。例えば、延伸部は、屈曲1342を有してよく、かつ/または、貯蔵部の横軸のシルエットの外側で角度を成してよい。例えば、針および/またはキャップ取り付け部は、貯蔵部の横軸のシルエットと交差しない線に沿う方向に向けられてよい。
いくつかの実施形態では、延伸部は貯蔵部の端部および/または貯蔵部の横軸方向のシルエットの外側で伸びかつ/または曲がる。例えば、延伸部の内側(近位)部分1349は、貯蔵部902の横軸方向のシルエット1302から横軸方向に外側に(例えば、横軸方向1391に対して鋭角で)伸びてよい。外側(遠位)部分1352は、例えば貯蔵部の長手軸1393に向かって、かつ/または貯蔵部の正中方向1392に向かって、かつ/または正中方向1392に平行に、かつ/または、貯蔵部の長手軸1393をその高さ軸として有する半径座標系における方位角方向に向かって戻ってよい。
いくつかの実施形態では、何度も曲げた針を用いて、別の次元可撓性をもたらしてよい。例えば、図13Aの例示的な実施形態では、カートリッジを長手軸1393の周囲に回転させることにより、針938をユーザに挿入してよい。
インサート成形中のチューブの安定化
図14は、チューブを安定化させるシステムを示すブロック図である。
任意で、インサート成形中、端取り付け部および/またはグリッパーで、チューブを所定位置に保持する。例えば、端取り付け部はチューブの端を保持してよい。例えば、グリッパーは、チューブの非端部を保持してよい。任意で、端取り付け部は、成形材料がチューブに侵入しかつ/またはチューブを詰まらせるのを防いでよい。
いくつかの実施形態では、インサート成形中、屈曲チューブ1438を三箇所または四箇所で保持してよい。例えば、屈曲チューブ1438は、注射器の成形延伸部内にインサート成形してよい。任意で、チューブを保持することで安定化する。例えば、チューブ1438は、コレット1488を用いて一端または両端で保持してよい。それに加えておよび/またはそれに代えて、チューブ1438はグリッパー1486によって一つ以上の内部で保持してよい。
例えば、グリッパーは、チューブをガイドし、かつ/またはつかむ二つの部分を含んでよい。例えば、前記二つの部分は、当該二つの部分の把持表面がそれぞれ反対側からチューブを押す係合位置と、グリッパーの少なくとも一方がチューブから離されている非係合位置とのあいだを動くよう取り付けられてよい。それに代えてまたはそれに加えて、グリッパーは、チューブを少なくとも部分的に囲み、かつ/またはチューブの部分の動きを少なくとも一方向に制限するガイドスペースを含んでよい。端取り付け部は、任意で、チューブの端に嵌合する形状にしたコレットおよび/または空洞を有し、それによって、例えば、チューブの端の周囲にぴったり嵌合して、チューブの端がチューブの軸に対して横方向および/または縦方向に動かないようにする。
それに代えてまたはそれに加えて、端取り付け部は、チューブの端の空洞に挿入されるピンを含んでよい。いくつかの実施形態では、ピンは空洞にぴったりはまり込んで、チューブの端がチューブの軸に対して横方向および/または縦方向に動かないようにする。例えば、ピンはテーパされていてよい。
いくつかの実施形態では、チューブは、成形領域内にある、かつ/または成形材料で囲まれている部分で保持されてよい。例えば、グリッパーおよび/または端取り付け部は、成形中、チャネルおよび/またはスペースを通してチューブにアクセスしてよい。
任意で、金型1433は、グリッパー1486および/または端取り付け部1488に適合するチャネル1437および/またはスペース1456を含んでよい。いくつかの実施形態では、グリッパーおよび/または端取り付け部は、金型内の空間を占めてよい。樹脂の硬化後、グリッパーおよび/または端取り付け部を任意で除去して、例えばチャネル(例えばチャネル1437)および/またはスペース(例えばスペース1456)を残す。
図15は、本発明の一実施形態に係る、屈曲チューブ、端取り付け部、およびグリッパーの斜視図である。
いくつかの実施形態では、グリッパーは二つの部分(例えば、グリッパー1586aおよび1586b)を含んでよい。グリッパー1586aおよび/または1586bは、チューブを把持するために一緒にかつ/または別々に動くよう取り付けられてよい。例えば、グリッパー1586aおよび/または1586bは、アクチュエータ(例えば、アクチュエータ1587aおよび1587b)上に取り付けられてよい。アクチュエータ1587aおよび1587bは、任意で、(例えば、図15に示すチューブ1538を把持するため)グリッパー1586aおよび1586bを押し合わせる、かつ/または、(例えば、チューブ1538を放すため)グリッパー1586aおよび1586bを引き離すよう、制御可能である。
任意で、グリッパーは、チューブ用の形状あてはめ、かつ/またはガイド、例えばカットアウト1585を含んでよい。
いくつかの実施形態では、端取り付け部は、チューブの端用のホルダーを含んでよい。例えば、端取り付け部1588aは、チューブの端1548aに嵌合する空洞1589aを含んでよい。それに代えてまたはそれに加えて、端取り付け部1588bは、チューブの空洞にはまり込むピン1589bを含んでよい。任意で、前記ピンは斜角を有し、かつ/または、成形中に材料がチューブ内に漏れるのを防げるようチューブ内にしっかりと挿入されてよい。それに代えてまたはそれに加えて、端取り付け部は接触面を含んでよい。例えば、接触面1583はピンおよび/または空洞1589aの軸に対して直角を成して、例えばチューブ1538の平坦端1548aに適合してよい。
図16は、チューブを注射器内にインサート成形する方法を示すフローチャートである。任意で、チューブは一つ以上のホルダー(例えば、端取り付け部および/またはグリッパー)で所定の位置に保持(1688a、1688b)される。例えば、金型をホルダーの周囲に嵌合し(1633)、樹脂を充填する(1636)。任意で、金型の内部は注射器の形状を有している。任意で、金型は、ホルダーが突出するチャネルを有する。
任意で、樹脂が硬化してから、ホルダーを除去し(1687)、かつ/または金型を除去する(1685)。樹脂とチューブは任意で、埋め込まれたチューブおよび/または、ホルダーが位置したチャネルおよび/または空洞を有する注射器を形成する。
注射器のさらなる詳細および代替例
図17Aと17Bはそれぞれ、本発明の一実施形態に係るカートリッジの斜視図および断面図である。
いくつかの実施形態では、角度付カートリッジは単純な流路を有してよい。例えば、図17Bに例示された実施形態では、流体は貯蔵部空洞732から注射針752へ直接流れる。任意で、針752は、カートリッジの注射筒742に固定して接続されている。例えば、針752は、空洞732から患者とのインタフェース、例えば斜角を有する針の先端754へとつながる単一のチューブを含んでよい。前記斜角を有する針の先端754は、患者に挿入され、かつ/または患者の体内で薬剤を放出するよう構成されている。それに代えてまたはそれに加えて、流体路は、延伸部の中空部分(例えば、成形後に残されるデッドスペース1756)、および/または、中空接続空洞(例えば、図10の成形体1040参照)を含んでよい。
任意で、流体路は貯蔵部に固定して接続されている。任意で、流体路は貯蔵部の横方向の端部を超えて突き出している。例えば、針の先端が、カートリッジの円筒形空洞732および/または注射筒742および/またはフランジ1740の端部を超えて横方向に突出してよい。
いくつかの実施形態では、貯蔵部空洞732と針の先端754のあいだの流体路は、カートリッジの単一の本体および/または針752の一方または両方の中に完全に含まれてよい。例えば、単一の本体は成型部品(例えば成形プラスチック)から作られてよい。例えば、成型部品は単一のピースとして成形されてよい。それに代えてまたはそれに加えて、単一の本体はガラスから作られてよい。例えば、ガラスの本体を、単一のガラスのピースとして吹いて作りかつ/または成形してよい。
いくつかの実施形態では、円筒空洞732の外側の流体路の長さは、例えば、5mm未満、および/または5mmから10mmの範囲、および/または10mmから20mmの範囲、および/または20mmから40mmの範囲、および/または40mmから80mmの範囲でよい。例えば、円筒空洞732の外側の流体路の体積は、0.5mlから1mlの範囲、および/または0.01mlから0.5mlの範囲、および/または0.05mlから0.1mlの範囲、および/または0.1mlから0.05mlの範囲、および/または0.01ml未満でよい。例えば、円筒空洞732の外側の流体路の体積は、空洞732の体積の1パーセントから5パーセントの範囲、および/または1パーセントから0.5パーセントの範囲、および/または0.5パーセントから0.1パーセントの範囲、および/または0.1パーセントから0.05パーセントの範囲、および/または0.01パーセント未満でよい。
いくつかの実施形態では、くぼみおよび/または隆起を用いて、注射器1700を送達装置に配置し、かつ/またはカートリッジを当該送達装置に取り付け、かつ/または当該送達装置に対する回転および/または横移動に対して当該装置を安定させてよい。例えば、くぼみ1738は円錐形で、送達装置の隆起および/またはくぼみと相互に作用して、カートリッジの遠位端1709を送達装置と一直線上に置いてよい。例えば、くぼみおよび/または隆起は、ピンおよび/または接合用穴を含みうる。いくつかの実施形態では、斜角および/またはカットアウトは、任意で、送達装置の相補部分(例えば、送達装置のクリップおよび/またはスナップ)と相互に作用してよい。例えば、フランジ1740は斜角1746および/またはカットアウト1744および/またはタブ748を含んでよい。例えば、円錐形および/または円筒形のピンを円錐形の穴にはめ込み、ピンが挿入されると、自動的に位置合わせをするようにしてよい。
いくつかの実施形態では、空洞732で針752の端を保持する端取り付け部の大きさを小さくして、成形後に残るデッドスペース1756を減らす。
任意で、端取り付け部は、ピンおよび/またはコレットを含んでよい。例えば、コレットは、針752の端を把持する凹型および/または円錐型の内面を有してよい。
それに代えてまたはそれに加えて、ピンは、針752の空洞にはまり込みかつ/または挿入されると自動的に位置合わせする凸型および/または円錐形の面を有してよい。例えば、ピンは、針752にはまり込む内側凸型部、および/または、針752を位置合わせする外側凹型部を含んでよい。成形前、ピンの外側凹型部が針752の位置を合わせて、ピンの内側凸型部を針752の空洞に挿入してよい。それから、成形前に外側凹型部を後退させてよい。任意で、成形中、ピンの内側部だけが金型内に残る。成形後、内側ピンを任意で除去し、薬液が注射器から排出される際のデッドスペースを減らす。
いくつかの実施形態では、カートリッジをカートリッジネスト上で一定方向を向かせるのに用いた特徴的形状(例えば、図8Bを参照して述べたもの)を、カートリッジが薬剤送達装置に挿入された際にカートリッジを回転に対して安定させるのにも用いる。
図18Aおよび18Bは、本発明の一実施形態に係る、薬液送達装置用の貯蔵部を含み、かつ/または、角度の付いた延伸部を有する、注射器1800の模式断面図である。任意で、注射器1800は、注射筒1842の円筒空洞1832に取り付けられた屈曲アームの中央を通る流体路を有する。任意で、屈曲アームは注射筒1842と一体成形および/または一体形成される。例えば、内側空洞1832と延伸部1836のあいだの流体路1850は、約90度曲がり、延伸部1836は注射筒1842の腹面側739bに向けられる。注射筒1842は任意で近位フランジ1840を含む。
いくつかの実施形態では、注射筒1842の長さ1870aは、例えば70から180mmの範囲でよい。いくつかの実施形態では、注射筒1842の内側円筒空間1832の平均幅1870bは、例えば10から15mmの範囲でよい。任意で、貯蔵部は円形の断面を有してよく、幅1870bは円の直径でよい。いくつかの実施形態では、延伸部1836は直線端部を有してよく、当該直線端部の長さ1870cは例えば6から9mmの範囲でよい。いくつかの実施形態では、延伸部1836から伸びる針1852の直線部1851は、長さ1870dが例えば5から7mmの範囲でよい。
いくつかの実施形態では、延伸部1836は針キャップ用の封止リング760を有してよい。
封止リング760の長さ1870eは、例えば1から3mmの範囲でよい。いくつかの実施形態では、封止リング760は内部空洞を有してよく、当該内部空洞の長さ1870iは、例えば0.2から0.6mm、および/または0.6から1.5mm、および/または1.5から2.5mmの範囲でよい。いくつかの実施形態では、封止リング760の外側平均幅1870f(これは平均外径であってもよい)は、例えば0.5から2mm、および/または2から5mm、および/または5から7mm、および/または7から15mmの範囲でよい。いくつかの実施形態では、封止リング760の内側平均幅1870g(これは平均内径であってもよい)は、例えば0.3から2mm、および/または2から5mm、および/または5から7mm、および/または7から14mmの範囲でよい。
いくつかの実施形態では、延伸部1836はネックを有してよく、当該ネックの1870hで示される平均幅(封止リング760を含まない)は、例えば0.5から2mm、および/または2から5mm、および/または5から7mm、および/または7から15mmの範囲でよい。任意で、前記ネックは不均一な断面を有してよく、その例としては、I型ビーム断面または十字型断面またはテーパ型断面が挙げられる。不均一な断面の場合、平均外側幅は、前記ネックを囲みうる最小の楕円の幅を前記ネックの長さで平均化したものと定義してよい。それに代えて、上記と同じ寸法を、中心からずらせて流体路を取り付けた注射器(例えば、図7Aから図7C、図17A、図17B、および図19の実施形態のもの)に当てはめてよい。
デッドスペースを減らしたプランジャー
図19は、本発明の一実施形態に係る注射器の遠位部1909の断面図である。任意で、注射器は、角度付内側遠位壁1978、および/または、円筒空洞732に中心からずらせて取り付けられている角度付延伸部736を含む。例えば、流体路は、注射筒742の空洞732に対して、中心を外れた空間756において接続してよい。
いくつかの実施形態では、プランジャーシール1970の遠位面は、開口角1968を有する凸状のほぼ円錐形状を有してよい。いくつかの実施形態では、円筒空洞732の内側遠位壁1978は、開口角1966を有するほぼ凹状円錐形状を有してよい。任意で、プランジャーシールの遠位面の開口角1968は、円筒空洞732の遠位壁1978の開口角1966より鋭角でよい。例えば、角度の差は0から0.5度、および/または0.5から1度、および/または1から5度、および/または5から15度の範囲でよい。
任意で、プランジャーシール1970は変形可能であり(例えば、弾性を有しており)、そのため、壁1978に押し付けられる際は、壁1978の形状となり、中心から端部へと流体を押しやる。任意で、円筒空洞732の内側遠位壁1978は、プランジャーシール1970の遠位面に対して角度を成してよい。例えば、壁1978空間756は、プランジャーシール1970から傾いてよく、それにより、プランジャーシール1970が壁1978に対して徐々に押され、プランジャーシール1970は徐々に壁1978とより広い面積で接触し、徐々に流体を空間756へ押しやる。成形された特徴的形状をよりよく示すために、流体路750の境界を形成する任意の針752は、図19には示していない。
いくつかの実施形態では、流体が、プランジャーシール1970の遠位面と円筒空洞732の内側遠位壁1978とのあいだのデッドスペースに閉じ込められないよう、特徴的形状を構成してよい。例えば、プランジャーシール1970の遠位面および/または空洞732の遠位内側壁の形状は、プランジャーシール1970が空洞732の内側遠位壁に近づくにつれて、流体を流体路750の開口部へと押しやるよう構成されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、流体路750が空洞732の外側端部付近で空洞732に接続する場合、プランジャーシールの遠位面の開口角1968は、円筒空洞732の内側遠位壁1978の開口角1966より鋭角でよい。
例えば、プランジャーシール1970の遠位面の開口角は、空洞732の遠位壁1978の開口角より、0から1度、および/または1から3度、および/または1から5度、および/または5度から10度、および/または10から30度の範囲で小さくてよい。それに代えてまたはそれに加えて、いくつかの実施形態では、流体路750が空洞732の軸758付近で空洞732に接続する場合(例えば、図19を参照)、プランジャーシールの遠位面の開口角1968は、円筒空洞732の内側遠位壁1978の開口角1966より鈍角でよい。
いくつかの実施形態では、流体路750が空洞732の外側端部付近で空洞732に接続する場合、流体路750に接続する円筒空洞732の内側遠位壁1978は、プランジャーシール1970の遠位面から離れるような角度を成してよい。例えば、プランジャーシール1970および/またはその遠位面は円筒空洞732の軸758と一列上にあり、一方、円錐状遠位内壁1978の軸1980は、軸758および/またはプランジャーシール1970の軸および/またはプランジャーシール1970の円錐面の軸に対して、0から0.1度、および/または0.1から1度、および/または1から3度、および/または3から10度、および/または10から30度の角度を成してよい。
それに代えてあるいはそれに加えて、遠位内壁1978は、直角円錐でなくともよく、かつ/または円錐でなくともよく、かつ/または対称形状でなくともよい。例えば、流体路750は、中心と外側端部のあいだの内側遠位壁1978に接続してよく、かつ/または路750に接続する内側遠位壁1978の一部は、内側遠位壁1978の残りの部分に対してわずかに遠位方向にくぼんでいてよい。例えば、いくつかの実施形態では、流体路750は、空洞732の背面側739a付近に接続してよい。そのような場合、内側遠位壁1978の軸は、任意で、軸758および/またはプランジャーシール1970の円錐面の軸に対して正の角度で傾けてよい。
いくつかの実施形態では、空洞732に挿入されると、プランジャーシール1970は軸758の周囲でほぼ対称形状となってよい。例えば、プランジャーシール1970は、空洞732の内側壁に接触する封止面1972および/または安定化面1974を有してよい。任意で、プランジャーシール1970はプランジャードライバ取り付け部1976を有してよい。プランジャードライバ取り付け部1976は、任意で、空洞732に対して同心円状である。
代替的な実施形態では、中心を外れた流体路に対して、プランジャーシール1970の遠位面は、凹状のほぼ円錐形状を有してよく、円筒空洞732の内側遠位壁1978はほぼ凸状の円錐形状を有してよい。
任意で、代替例では、プランジャーシールの遠位面の開口角は、円筒空洞732の内側遠位壁1978の開口角より鈍角でよい。
いくつかの実施形態では、くぼみおよび/または隆起を用いて、注射器1700を送達装置中に取り付けてよい。例えば、隆起1938は円錐形状で、送達装置中の隆起および/またはくぼみと相互に作用してカートリッジの遠位端1709を送達装置と合わせてよい。例えば、くぼみおよび/または隆起は、ピンおよび/または接合用穴を含んでよい。
薬剤送達装置の寸法例
いくつかの実施形態では、貯蔵部(例えば注射器)のペイロードは、例えば、薬剤が0.5から2mlのあいだ、および/または2から7mlのあいだ、および/または7から6mlのあいだ、および/または7から10mlのあいだ、および/またはそれを超える量であってよい。いくつかの実施形態では、注入器は、全ペイロードを単一の投与量として放出してよい。薬物送達装置は、例えば、パッチ式注入器、および/またはプランジャーを駆動する、かつ/またはペイロードを放出する内部動力ドライバを含んでよい。
この用途のため、内部動力ドライバは、注入器内部に少なくとも一時的に蓄積されているエネルギーによって動力を供給される駆動メカニズムと定義してよい。動力は、動力供給装置中に、例えば化学ポテンシャル(例えば膨張ガスを発生させる化学物質および/またはバッテリ)および/または機械的ポテンシャル(例えば弾力部材および/またはスプリングおよび/または圧縮ガス中に蓄えたもの)として蓄えてよい。例えば、ドライバは、20から120秒、および/または120から600秒、および/または600秒から1時間、および/または1時間から1日、および/またはそれを越える範囲の時間、ペイロードを放出するよう設計してよい。
いくつかの実施形態では、装置は、作動後、物質の送達を始める前に、2から20分、および/または20分から1時間、および/または1時間から6時間、および/または6時間から2日の範囲の決まった時間遅延分だけ待つようあらかじめプログラムされてよい。任意で、時間遅延の長さは、装置の温度感受性要素が好ましい作業温度に達するのに必要と推定される時間でよい。例えば、前記温度感受性要素は、薬剤および/またはバッテリを含んでよい。
一般に、放出はドライバによって行われてよい。内部動力ドライバは、さまざまな機構によって動力を供給されてよい。当該機構の例としては、例えば、上記したモータ(例えばDCモータ、アクチュエータ、ブラシレスモータ)、および/またはトランスミッション(例えば、入れ子式アセンブリ)、および/またはねじ要素および/またはギアおよび/またはカップリングおよび/または弾性機構(例えば、スプリングおよび/またはゴムバンド)および/または膨張ガスおよび/または油圧アクチュエータが挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態に係る薬剤送達装置は、上記した貯蔵部を有してよい。例えば、貯蔵部は、医薬容器および/または注射器を含んでよい。任意で、注射器は、標準的な設備を用いて、かつ/または無菌室において、医薬をあらかじめ充填しておいてよい。あらかじめ充填された注射器は、任意で、近位開口部を有してよい。プランジャーは、任意で、近位開口部を封止し、かつ/または、注射器の内容物の滅菌状態を保護してよい。滅菌状態の針は、典型的には中空で、任意で注射筒に接続されてよい。例えば、針の中空は注射筒の内部と流体連通してよい。
針は、任意で、注射筒の遠位端の延伸部に固定して取り付けられてよい。針の全体および/または一部の滅菌状態は、例えば、保護キャップで保護されてよい。注射器が注入器内に供給および/または取り付けられる際、保護キャップは針に付けたままでよい。例えば、医薬容器は、任意で、針に固定して取り付けられた円筒注射筒を含んでよい。いくつかの実施形態において、プランジャーは注射筒内部に沿って軸方向にスライドして、医薬ペイロードを放出してよい。例えば、医薬は中空の針を通して放出されてよい。針の突出先端を注射筒の軸に対して一定の角度を成すように向けてよい。
基部のアスペクト比は、基部の最短軸の長さに対する最長軸の長さの比と定義してよい。任意で、軸の比は、1から1.5、および/または1.5から2、および/または2から3、および/または3を超える範囲でよい。いくつかの実施形態では、注入器の高さは、基部の短軸の長さの半分から基部の短軸の長さまでの範囲、および/または、基部の短軸の長さから基部の短軸の長さの2倍までの範囲、および/または、基部の短軸の長さの2倍を超える範囲であってよい。注入器の高さは、使用後、患者の皮膚から接着剤を巻きはがす梃子となるようにしてよい。
いくつかの実施形態では、患者の皮膚に針を挿入する力は、例えば0.02から0.2N、および/または0.2から0.5N、および/または0.5から5Nの範囲でよい。任意で、薬剤を注射するのに必要な力(例えば、注射器プランジャーにかかる力)は、例えば5から60Nの範囲でよい。例えば、薬剤を注射するのに必要な力は、注射速度および/または薬剤の粘性および/または注射器の構造および/または針の寸法に応じてよい。
いくつかの実施形態では、針保護機構は、例えば10から60Nより大きい直線力によってトリガされてよい。
例えば、薬剤送達装置は、自動注入器を含んでよい。自動注入器は、十分な力で手で押すことにより作動して、針を挿入してよい。それから、前記装置は、薬剤を注射する注射力を印加してよい。ひとたび全薬剤が注射され、かつ/または、障害および/または閉塞がある場合、注射力が上昇し、ついに閾値を超え、針の保護および/または注射の終了がトリガされてよい。
例えば、閉塞のさなか、および/または送達の終わりに、装置によって生成された直線力は60Nのレベルまで上昇してよい。針保護機構(例えば、針引っ込み機構)は、力に敏感に反応してよい。例えば、前記機構は、70Nの力で屈するスナップを有してよく、それによって針を引っ込み位置へ戻してよい。
いくつかの実施形態では、医薬を注射し、かつ/または針の保護をトリガする圧力は、トルクを含んでよい。例えば、医薬の注射はプランジャーによって駆動されてよい。プランジャーは任意で、ねじアセンブリ、例えば、ねじおよび/または歯および/または入れ子式アセンブリによって駆動されてよい。
任意で、歯および/または対応するねじのピッチは、例えば0.5から2mmの範囲でよい。ねじの直径は、例えば2.5から15mmでよい。注射に動力を供給するトルクは、例えば0.2から1.0N・cmの範囲でよい。トリガトルク(針の保護がトリガされるトルク)は、例えば0.5から2、および/または2から7、および/または7から10N・cmの範囲でよい。
注射のあいだ、プランジャーの直線移動は、例えば10から50mmの範囲でよい。プランジャーの移動距離は、例えば、注射される医薬の分量によって変わってよく、例えば0.5から3mlの範囲でよい。
いくつかの実施形態では、保護機構はトルクに対して敏感に反応してよい。例えば、前記機構がねじりモーメントにさらされると、針が引っ込んでよい。任意で、排出はトルクによって促されてよい。例えば、ドライバはトルクをねじ要素に印加し、プランジャーを押してよい。ドライバに印加されたトルクが閾値に達すると、針が解放され、かつ/または引っ込み、かつ/または、針のシールドが配備されてよい。それに代えてあるいはそれに加えて、トリガ機構はトルクと直線力の両方を必要としてよい。例えば、トルクと直線力の両方を必要とすることで、瞬間的な摩擦により早まって作動することを防いでよい。
いくつかの実施形態では、排出時間は充填量および/または粘性に応じてよい。例えば、見込み注射速度は、粘性に応じた注射速度でよい。例えば、1cpから15cpの範囲の粘性の場合、見込み注射速度は30から70秒/mlの範囲でよい。例えば、15cpから60cpの範囲の粘性の場合、見込み注射速度は35から60秒/mlの範囲でよい。60cpを超える粘性の場合、見込み注射速度は53から67秒/mlでよい。最大および/または最小見込み注射時間は、例えば、最大および/または最小許容充填量を注射速度で割ったものでよい。
例えば、排出見込み時間は、例えば24から78秒(例えば、1から15cpの範囲の粘性を有する0.8から1.2mlの流体の場合)、かつ/または36から68秒(例えば、1から15cpの範囲の粘性を有する1.2から1.7mlの流体の場合)、かつ/または51から92秒(例えば、1から15cpの範囲の粘性を有する1.7から2.3mlの流体の場合)、かつ/または70から150秒(例えば、15から70cpの範囲の粘性を有する2.0から2.5mlの流体の場合)、かつ/または、さらに多い分量かつ/または高い粘性の場合は、120秒から3分でよい。いくつかの実施形態では、注射時間はさらに長くてよい。注射時間の長さは、粘性および/または分量以外の考慮事項によって決まってよい。
いくつかの実施形態では、貯蔵部は、例えば20から72mmかつ/または72から78mmかつ/または78から80mmかつ/または80から200mmの範囲の長さでよい。いくつかの実施形態では、貯蔵部の内側円筒空間は、平均幅が、例えば1から3mm、および/または3から10mm、および/または10から15mm、および/または15から25mm、および/または25から50mmの範囲でよい。任意で、貯蔵部は円形断面を有してよく、幅は円の直径でよい。いくつかの実施形態では、延伸部は直線端部を有してよく、当該直線端部の長さは例えば1から3mm、または3から7mm、または7から8mm、または8から10mm、または10から15mm、または15から50mmの範囲である。いくつかの実施形態では、針のむき出しになった直線部分は、長さが例えば1から5mm、または5から7mm、または7から10mm、または10から20mmでよい。
いくつかの実施形態では、延伸部は針キャップ用の封止リングを有してよい。封止リングは、長さが、例えば0.1から0.6mm、または0.6から1mm、または1から2.5mm、または2.5から3mm、または3から6mm、または6から15mmの範囲でよい。いくつかの実施形態では、封止リングは、内側空洞の長さが、例えば0.5から1.5mm、または1.5から2.5mm、または2.5から5mm、または5から10mmの範囲でよい。
いくつかの実施形態では、封止リングは、外側平均幅(平均外径でもよい)が、例えば1から7mm、または7から5mm、または5から10mm、または10から20mmの範囲でよい。いくつかの実施形態では、封止シングは、内側平均幅(平均内径でもよい)が、例えば1から3mm、または3から7mm、または7から10mm、または10から18mmの範囲でよい。いくつかの実施形態では、延伸部はネック(封止リングを含まない)を有してよく、当該ネックの平均幅(平均直径でよい)は、例えば1から3mm、または3から7mm、または7から8mm、または8から16mmである。
任意で、ネックは不均一な断面(例えば、I型ビーム断面および/または十字型断面)および/またはテーパ型断面を有してよい。
不均一な断面の場合、平均外側幅は、前記ネックを囲みうる最小の楕円の幅を前記ネックの幅で平均化したものと定義してよい。いくつかの実施形態では、延伸部と貯蔵部空洞とのあいだの流体路は、27ゲージの針、または25から30ゲージの範囲の針、または20から25ゲージの範囲の針、または30から32ゲージの範囲の針を含んでよい。いくつかの実施形態では、延伸部から突出する針は、27ゲージの針、または25から30ゲージの範囲の針、または20から25ゲージの範囲の針、または30から32ゲージの範囲の針を含んでよい。
本願から生じる特許の権利期間内において、多数の関連する技術および/または材料が開発されることが予期されている。用語の範囲は、このような新しい技術および材料を全て、ア・プリオリに包含することが意図されている。
本明細書で使用されているとき、用語「およそ」(about)、「約」(approximately)、および「ほぼ」(substantially)は、±5%を指す。
用語「備える」「含む」「有する」("comprises", "comprising", "includes", "including", "having")および、これらの活用語は、「~を含むが、~に限定されない」を意味する。
用語「からなる」(consisting of)は、「~を含み、~に限定される」を意味する。
用語「本質的に~からなる」(consisting essentially of)は、組成物、方法または構造が、付加的な成分、工程および/または部品を含んでいてもよいことを意味する。ただし、上記付加的な成分、工程および/または部品が、特許請求されている組成物、方法または構造の、基本的かつ新規な特徴点を実質的に変更しない場合に限る。
本明細書で使用されているとき、単数形「a」「an」および「the」は、文脈上明確に単数形であることを指示していない限り、複数への言及も包含している。例えば、用語「一つの組成物」または「少なくとも一つの組成物」は、複数の組成物(それらの混合物を含む)を含んでよい。
本願全体で、本発明のさまざまな実施形態が範囲の形式で提示されてよい。範囲の形式での記載は単に簡便さのためであり、本発明の範囲に対する不変の限定と解釈すべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、当該範囲内の個々の数値および具体的に開示されたすべての可能な部分範囲を含むと考えられるべきである。例えば、1から6のような範囲の記載は、当該範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5、および6、および具体的に開示された部分範囲、例えば1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などを含むと考えられるべきである。これは、範囲の幅にかかわらず当てはまる。
本明細書で数値範囲が示される場合はいつも、当該範囲は挙げられた数値(分数であれ整数であれ)も含むことが意図されている。第一の指示数値「と」第二の指示数値「のあいだの範囲」という表現、および、第一の指示数値「から」第二の指示数値「までの範囲」という表現は、本明細書では交換可能に用いられ、当該第一の指示数値および第二の指示数値およびそれらのあいだのすべての分数および整数を含むことが意図されている。
明瞭さのために別々の実施形態に関して記載されている、本発明の特定の特徴点が、単一の実施形態において組み合わされて提供されてもよいことがわかる。逆に、簡潔さのために単一の実施形態に関して記載されている、本発明の種々の特徴点が、別々にもしくは任意の適切な副組合せで、または、他に記載されている本発明の任意の実施形態において適切に、提供されてもよい。種々の実施形態に関して記載されている特定の特徴点は、当該実施形態がそれらの要素がなければ実施できない場合を除いて、当該実施形態の本質的な特徴点であると考えるべきではない。
本発明を、その特定の実施形態と関連して記載したが、多数の代替例、変更例および変形例が当業者にとって明らかであることは、明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および広義に含まれる、このような代替例、変更例および変形例の全てを包含することが意図されている。
節の見出しが使用されている範囲において、当該見出しは必ずしも限定であると解釈されるべきではない。
上述の実施形態に対して、その広い発明思想から逸脱することなく変更ができることを、当業者は理解するだろう。したがって、本発明は、開示されている特定の実施形態に限定されないことが理解される。そうではなく、添付の特許請求の範囲によって規定されている、本発明の趣旨および範囲を超えずに成される変更を、包含することが意図されている。