JP7313621B2 - ウイング車のウイング開閉装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、油圧シリンダ装置が使用されているウイング開閉装置においては、油圧ポンプユニットから前後の油圧シリンダ装置が離れているので、その間のホースが長くなり、油漏れが発生しやすいという問題点がある。
この問題点を解決する手段として、電動シリンダ装置が使用されているものがある。
しかしながら、電動シリンダ装置が使用されているウイング開閉装置においては、前後の電動シリンダ装置の同調が外れてしまうと、ウイングの捩れが発生するという問題点がある。
そこで、前後の電動シリンダ装置を同調させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
(1)ウイング車のウイングの前側を伸縮作動によって開閉する前側電動シリンダ装置と、
ウイング車のウイングの後側を伸縮作動によって開閉する後側電動シリンダ装置と、
前記前側電動シリンダ装置と前記後側電動シリンダ装置とを接続する通信路と、
前記前側電動シリンダ装置に設けられた前側制御回路と、
前記後側電動シリンダ装置に設けられた後側制御回路と、
を備え、
前記後側制御回路は、前記後側電動シリンダ装置の伸縮制御を行うとともに、
前記通信路を経由して受信した前記前側電動シリンダ装置の実測データに基づいて、前記前側電動シリンダ装置の伸縮作動を指令する指令データを演算するとともに、前記通信路を経由して前記前側制御回路に前記指令データ送信し、
前記前側制御回路は、前記指令データに基づいて前記前側電動シリンダ装置の伸縮制御を行うとともに、前記前側電動シリンダ装置の前記実測データを、前記通信路を経由して前記後側制御回路に
送信する、
ことを特徴とするウイング車のウイング開閉装置。
(2)ウイング車のウイングの前側を伸縮作動によって開閉する前側電動シリンダ装置と、
ウイング車のウイングの後側を伸縮作動によって開閉する後側電動シリンダ装置と、
前記前側電動シリンダ装置と前記後側電動シリンダ装置とを接続する通信路と、
前記前側電動シリンダ装置に設けられた前側制御回路と、
前記後側電動シリンダ装置に設けられた後側制御回路と、
を備え、
前記前側制御回路は、前記前側電動シリンダ装置の伸縮制御を行うとともに、
前記通信路を経由して受信した前記後側電動シリンダ装置の実測データに基づいて、前記後側電動シリンダ装置の伸縮作動を指令する指令データを演算するとともに、前記通信路を経由して前記後側制御回路に前記指令データ送信し、
前記後側制御回路は、前記指令データに基づいて前記後側電動シリンダ装置の伸縮制御を行うとともに、前記後側電動シリンダ装置の前記実測データを、前記通信路を経由して前記前側制御回路に
送信する、
ことを特徴とするウイング車のウイング開閉装置。
なお、左、右のウイング5、5は同一の構造をもって左右対称形状に配設されているため、以下、左側のウイング5について代表的に説明する。
ウイングボデー3の前後壁には前側電動シリンダ装置100および後側電動シリンダ装置200がそれぞれ上向きに配設されており、前側電動シリンダ装置100および後側電動シリンダ装置200は上端がウイング5に回転自在に枢着され、下端がウイングボデー3に回転自在に枢着されている。つまり、ウイング5は前側電動シリンダ装置100およ
び後側電動シリンダ装置200の伸縮作動によって開閉される。
シリンダコントローラ107は、モータ106を駆動するドライバ109と、モータ106の電流検出器110と、モータ106の回転検出器111と、前側電動シリンダ装置の通信回路112と、これらを制御する制御回路108と、によって構成されている。シリンダコントローラ107にはトラックのバッテリーからの電圧が与えられている(図示せず)。
モータ106には直流モータ(直流電動機)またはブラシレスモータ等の三相モータがある。
ドライバ109は制御回路108の制御によりモータ106を駆動する。ドライバ109の制御方法としてはパルス幅制御(PWM)や120度通電制御やベクトル制御が代表的である。
電流検出器110はドライバ109からモータ106に供給される電流を検出する。
回転検出器111はモータ106の回転角度および回転回数を検出する。
ただし、回転検出器111で回転角度だけを検出し、制御回路108で回転回数を計数することもできる。
ここで、回転角度検出の分解能が高くなるほど、電動シリンダ装置のストロークの位置精度が向上する。
これらは前側電動シリンダ装置100のそれぞれと同様に構成されている。
前側電動シリンダ装置100の通信回路112と後側電動シリンダ装置200の通信回路212とは通信路213によって接続されている。
本実施形態においては、通信路213にはCAN(Controller Area Network)が使用されており、前側電動シリンダ装置100の通信回路112と後側電動シリンダ装置200の通信回路212とは、HレベルラインおよびLレベルラインの2本の通信路213によって接続されている。
ただし、通信路213はCANに限定するものではなく、有線通信路または無線通信路によって構成してもよい。
後側電動シリンダ装置200の制御回路208には、左側ウイングを開く時に操作される開スイッチ301および左側ウイングを閉じる時に操作される閉スイッチ302が電気配線303によって接続されている。開スイッチ301および閉スイッチ302は操作盤304に実装されており、操作盤304はトラック2の適当な場所に設置されている。
ここでは、図5に示されたウイング開作動時における時間とストロークの関係(関数)を示すグラフ、すなわち、ウイング開作動シーケンス制御フローを実行する場合について説明する。
送信時間が一定時間経過した場合(YES)には、第二ステップS2に進む。
送信時間が一定時間経過していない場合(NO)には、第一ステップS1に戻る。
第二ステップS2において、制御回路208は伸長指令データを前側電動シリンダ装置100に、通信回路212、通信路213および通信回路112を経由して送信した後に、第三ステップS3に進む。
第三ステップS3において、制御回路208は後側電動シリンダ装置200の伸縮作動を指令する指令データを発生して、ドライバ209を駆動してモータ206を回転するとともに、第四ステップS4に進む。
伸長指令データは図5に示された時間とストローク関係グラフ、すなわち、ウイング開作動シーケンス制御フローに基づいて制御回路208によって発生される信号である。
図5に示された時間とストローク関係グラフ、すなわち、ウイング開作動シーケンス制御フローは時間とストローク関数によって予め作成(プログラミング)され、ウイング開作動シーケンス制御フローのテーブルとして制御回路208のメモリーに予め記憶されている。
第四ステップS4において、制御回路208は「前側電動シリンダ装置100からの実測データ(回転検出器111の検出データ)を受信したか」を判断する。
実測データを受信した場合(YES)には、第五ステップS5に進む。
実測データを受信していない場合(NO)には、第四ステップS4に戻る。
第五ステップS5において、制御回路208は前側電動シリンダ装置100からの実測データを読み込み、第六ステップS6に進む。
第六ステップS6において、制御回路208は受信した実測データを図5に示されたグラフに適用して指令データを演算した後に、第一ステップS1に戻る。
以降、図5に示されたグラフ、すなわち、ウイング開作動シーケンス制御フローのテーブルが終了するまで、ルーチンが繰り返される。
受信した場合(YES)には、第二ステップS2に進む。
受信していない場合(NO)には、第一ステップS1に戻る。
第二ステップS2において、制御回路108は受信した伸長指令データを読み込み、第三ステップS3に進む。
第三ステップS3において、制御回路108は受信した伸長指令データによってドライバ109を駆動してモータ106を回転させた後に、第四ステップS4に進む。
第四ステップS4において、制御回路108は回転検出器111の実測データを読み込み、後側電動シリンダ装置200の制御回路208に送信する。
以降、図5に示されたグラフ、すなわち、ウイング開作動シーケンス制御フローのテーブルが終了するまで、ルーチンが繰り返される。
図6に示されているように、第一ステップS1において、制御回路208は「操作中か」を判断する。
操作中でない場合(NO)には、第二ステップS2に進む。
操作中である場合(YES)には、第三ステップS3に進む。
第二ステップS2において、制御回路208は「増加分A=0」の処理を行い、第九ステップS9に進む。
第三ステップS3において、制御回路208は「始動時ではないか」を判断する。 始動時である場合(NO)には、第四ステップS4に進む。
始動時でない場合(YES)には、第五ステップS5に進む。
第四ステップS4において、制御回路208は「増加分A=緩起動の増加分」の処理を行い、第九ステップS9に進む。
第五ステップS5において、制御回路208は前後の電動シリンダ装置の実測データにより緩停止開始点を判定した後に、第六ステップS6に進む。
第六ステップS6において、制御回路208は「緩停止ではないか」を判断する。 緩停止である場合(NO)には、第七ステップS7に進む。
緩停止でない場合(YES)には、第八ステップS8に進む。
第七ステップS7において、制御回路208は「増加分A=緩停止の増加分」の処理を行い、第九ステップS9に進む。
第八ステップS8において、制御回路208は「増加分A=通常時の増加分」の処理を行い、第九ステップS9に進む。
第九ステップS9において、制御回路208は「伸長指令データ=前回の伸長指令データ+増加分A」の処理を行い、前側電動シリンダ装置100に伸長指令データを送信するとともに、増加した伸縮データに基づいて後側電動シリンダ装置200のドライバ209を駆動してモータ206を回転する。
なお、緩起動および緩停止の増加分Aは、経過時間や実測データにより変化させることができる。
ウイング開作動時(電動シリンダ装置伸長時)は、増加分Aはプラスとなるが、ウイング閉操作時(電動シリンダ装置短縮時)は、増加分Aはマイナスとなる。
図7に示されているように、第一ステップS1において、制御回路208は「操作中か」を判断する。
操作中でない場合(NO)には、第二ステップS2に進む。
操作中である場合(YES)には、第三ステップS3に進む。
第二ステップS2において、制御回路208は「増加分A=0」の処理を行い、第十一ステップS11に進む。
第三ステップS3において、制御回路208は「始動時ではないか」を判断する。
始動時である場合(NO)には、第四ステップS4に進む。
始動時でない場合(YES)には、第五ステップS5に進む。
第四ステップS4において、制御回路208は「増加分A=緩起動の増加分」の処理を行い、第九ステップS9に進む。
第五ステップS5において、制御回路208は前後の電動シリンダ装置の実測データにより緩停止開始点を判定した後に、第六ステップS6に進む。
第六ステップS6において、制御回路208は「緩停止ではないか」を判断する。 緩停止である場合(NO)には、第七ステップS7に進む。
緩停止でない場合(YES)には、第八ステップS8に進む。
第七ステップS7において、制御回路208は「増加分A=緩停止の増加分」の処理を行い、第九ステップS9に進む。
第八ステップS8において、制御回路208は「増加分A=緩停止の増加分」の処理を行い、第九ステップS9に進む。
第九ステップS9において、制御回路208は「伸長指令データと両電動シリンダ装置の実測データとの差が許容範囲か」を判断する。
許容範囲でない場合(NO)、すなわち、前側電動シリンダ装置100および後側電動シリンダ装置200から送信される実測データとシーケンスフローの伸長指令データとの差が大きくなり、挽回不可能と判断した場合には、第十ステップS10に進む。
許容範囲である場合(YES)、すなわち、前側電動シリンダ装置100および後側電動シリンダ装置200から送信される実測データとシーケンスフローの伸長指令データとの差が小さく、挽回可能と判断した場合には、第十一ステップS11に進む。
第十ステップS10において、制御回路208は「増加分Aを減少する」の処理を行い、第十一ステップS11に進む。
第十一ステップS11において、制御回路208は「伸長指令データ=前回の伸長指令データ+増加分A」の処理を行い、前側電動シリンダ装置100に伸長指令データを送信するとともに、増加した伸縮データに基づいて後側電動シリンダ装置200のドライバ209を駆動してモータ206を回転する。
すなわち、図8に示されているように、シーケンス制御フローの勾配を減少させ、勾配を減少した後に、実測データと指令データとの差が小さくなったと判断した場合に、勾配を増加(復帰)させる。
以降、図8に示されたグラフ、すなわち、電動シリンダ装置からの実測データと指令データとの差によってシーケンス制御フローの指令データを補償する動作がウイング開作動フィードバック制御フローのテーブルが終了するまで、ルーチンが繰り返される。
すなわち、図3、図6および図7の制御フローを前側電動シリンダ装置で行うとともに、図4の制御フローを後側電動シリンダ装置で行うことができる。その場合は、図3および図4の「前側」とあるのを「後側」に、「後側」とあるのを「前側」に読み替えればよい。
100…前側電動シリンダ装置、101…ケーシング、102…ボールネジ、103…ボールネジナット、104…中空ロッド、105…減速機構、106…モータ、107…シリンダコントローラ、108…制御回路、109…ドライバ、110…電流検出器、111…回転検出器、112…前側電動シリンダ装置の通信回路、
200…後側電動シリンダ装置、201…ケーシング、202…ボールネジ、203…ボールネジナット、204…中空ロッド、205…減速機構、206…モータ、207…シリンダコントローラ、208…制御回路、209…ドライバ、210…電流検出器、211…回転検出器、212…後側電動シリンダ装置の通信回路、213…通信路、
301…開スイッチ、302…閉スイッチ、303…電気配線、304…操作盤。
Claims (4)
- ウイング車のウイングの前側を伸縮作動によって開閉する前側電動シリンダ装置と、
ウイング車のウイングの後側を伸縮作動によって開閉する後側電動シリンダ装置と、
前記前側電動シリンダ装置と前記後側電動シリンダ装置とを接続する通信路と、
前記前側電動シリンダ装置に設けられた前側制御回路と、
前記後側電動シリンダ装置に設けられた後側制御回路と、
を備え、
前記後側制御回路は、前記後側電動シリンダ装置の伸縮制御を行うとともに、
前記通信路を経由して受信した前記前側電動シリンダ装置の実測データに基づいて、前記前側電動シリンダ装置の伸縮作動を指令する指令データを演算するとともに、前記通信路を経由して前記前側制御回路に前記指令データ送信し、
前記前側制御回路は、前記指令データに基づいて前記前側電動シリンダ装置の伸縮制御を行うとともに、前記前側電動シリンダ装置の前記実測データを、前記通信路を経由して前記後側制御回路に
送信する、
ことを特徴とするウイング車のウイング開閉装置。 - ウイング車のウイングの前側を伸縮作動によって開閉する前側電動シリンダ装置と、
ウイング車のウイングの後側を伸縮作動によって開閉する後側電動シリンダ装置と、
前記前側電動シリンダ装置と前記後側電動シリンダ装置とを接続する通信路と、
前記前側電動シリンダ装置に設けられた前側制御回路と、
前記後側電動シリンダ装置に設けられた後側制御回路と、
を備え、
前記前側制御回路は、前記前側電動シリンダ装置の伸縮制御を行うとともに、
前記通信路を経由して受信した前記後側電動シリンダ装置の実測データに基づいて、前記後側電動シリンダ装置の伸縮作動を指令する指令データを演算するとともに、前記通信路を経由して前記後側制御回路に前記指令データ送信し、
前記後側制御回路は、前記指令データに基づいて前記後側電動シリンダ装置の伸縮制御を行うとともに、前記後側電動シリンダ装置の前記実測データを、前記通信路を経由して前記前側制御回路に
送信する、
ことを特徴とするウイング車のウイング開閉装置。 - 前記前側制御回路または前記後側制御回路の一方は、前記前側電動シリンダ装置および/または前記後側電動シリンダ装置からの実測データによってウイングの全開および全閉のストロークエンド手前の緩停止点を判断して緩停止させる指令データを送信する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のウイング車のウイング開閉装置。 - 前記前側制御回路または前記後側制御回路の一方は、前記前側電動シリンダ装置および/または前記後側電動シリンダ装置からの実測データと指令データとの差によってシーケンス制御フローの指令データを補償する、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載のウイング車のウイング開閉装置。
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JP2013253446A (ja) | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Eiko Denki Kogyo Kk | 車両のウイング扉開閉制御方法及び装置 |
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