JP7311983B2 - ゲル膜の製造方法およびゲル膜 - Google Patents
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Description
本開示のゲル膜の製造方法は、高分子ゲルおよび分散媒を含む高分子ゲル分散液を用いて、基材の一方の面に、高分子ゲル分散液膜を形成する高分子ゲル分散液膜形成工程と、上記高分子ゲル分散液膜を乾燥させることにより、上記分散媒を除去し、ゲル膜を得る乾燥工程と、を有し、上記乾燥工程において、少なくとも、上記高分子ゲル分散液膜の含水率が85%以下になってから高分子ゲル分散液膜の含水率が25%以下となるまでの間は、乾燥環境の平均相対湿度を35%RH以上に保持する、製造方法である。
本開示においては、まず、高分子ゲルおよび分散媒を含む高分子ゲル分散液を用いて、高分子ゲル分散液膜を形成する高分子ゲル分散液膜形成工程を行う。
本開示に用いられる高分子ゲル分散液は、高分子ゲルおよび分散媒を含むものである。高分子ゲル分散液は、高分子ゲルが分散媒に分散された分散液である。
ここで、「生体適合性」とは、生物学的機能に関して、医学上許容されない毒性または有害効果を有しない性質をいう。
ここで、「生体吸収性」とは、生体内で分解され、排泄または代謝される性質をいう。
本開示に用いられる基材としては、基材の一方の面に高分子ゲル分散液膜を形成することができるとともに、乾燥工程後は基材からゲル膜を剥離することができるものであれば特に限定されるものではなく、ゲル膜の用途や、本開示のゲル膜の製造方法の工程順や方式等に応じて適宜選択することができる。
基材の一方の面に高分子ゲル分散液膜を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、基材の一方の面に高分子ゲル分散液を供給し、展開する方法、基材として型を用い、型に高分子ゲル分散液を注入する方法、基材として型を用い、型に高分子ゲル分散液を注入した後、振とうする方法が挙げられる。基材の一方の面に高分子ゲル分散液を供給し、展開する方法や、型に高分子ゲル分散液を注入した後、振とうする方法では、均一な厚みを有する高分子ゲル分散液膜を得ることができる。その結果、均一な厚みを有するゲル膜を得ることが可能である。
また、供給手段が展開手段とは別である場合、基材の一方の面に高分子ゲル分散液を供給し、展開する方法としては、例えば、基材の一方の面に高分子ゲル分散液を供給した後、余剰の高分子ゲル分散液を掻き取る方法が挙げられる。具体的には、バーコート法、リバースコート法、コンマダイレクトコート法、ブレードコート法、ナイフコート法、アプリケータを用いる方法等を用いることができる。
本開示においては、上記高分子ゲル分散液膜形成工程後に、高分子ゲル分散液膜を乾燥させることにより高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去し、ゲル膜を得る乾燥工程を行う。また、乾燥工程において、少なくとも、高分子ゲル分散液膜の含水率が85%以下になってから高分子ゲル分散液膜の含水率が25%以下となるまでの間は、乾燥環境の平均相対湿度を35%RH以上に保持する。
高分子ゲル分散液膜の乾燥が終了し、ゲル膜が得られたことは、高分子ゲル分散液膜の粘着性がなくなっていることを評価することでも確認できる。
すなわち、乾燥工程では、高分子ゲル分散液膜の含水率が85%以下になってから、乾燥終了時まで、乾燥環境の平均相対湿度を上記範囲とすることにより、基材からの部分的な剥離やシワ等によるゲル膜の変形、割れが生じるのを抑制し、また、製造効率を良くすることができる。
例えば、株式会社アクタック製の水分/揮発分固形分測定装置マーク3を用いることができる。まず、高分子ゲル分散液膜からサンプルを採取し、サンプルの重量を計測することができる。サンプルは、例えば約0.2gとする。
次いで、サンプルを加熱する。この際、加熱開始温度を25℃に設定し、100℃まで昇温した後、重量変動率が0.05%/分になった時点で加熱終了とする。そして、加熱後のサンプルの重量を計測する。含水率は、下記式により求められる。
含水率(%)=(a-b)/a×100
(上記式中、aは加熱前のサンプルの重量、bは加熱後のサンプルの重量を表す。)
複数の高分子ゲル分散液膜を、風速が上述の範囲内となる環境下で乾燥させるために、例えば、複数の高分子ゲル分散液膜を乾燥台や乾燥棚に配置し、風力源から離して配置することができる。
本開示においては、上記乾燥工程後に、上記ゲル膜を上記基材から剥離する剥離工程を行うことができる。
本開示においては、上記乾燥工程後、上記ゲル膜を加熱する加熱工程を行うことが好ましい。加熱工程を行うことにより、ゲル膜の強度を向上させることができる。これにより、本開示のゲル膜の製造方法により製造されるゲル膜を、種々の用途に応用することが可能となる。
一般に、熱板による熱プレスでは、例えば図8に示すように、対象物に均一に熱および圧力を加えるため、さらには対象物を保護し、熱板から対象物を容易に剥離することができるように、対象物(ここでは、ゲル膜2b)と熱板41との間に緩衝シート43、ステンレス板44および離型シート42が配置される。図8に示す例においては、ゲル膜2b同士の密着を防ぐために、ゲル膜2bの間にも離型シート42が配置されている。
離型シートおよび緩衝シート等としては、熱プレスにおける一般的な熱プレス温度に対して耐熱性を有するものを使用することができる。離型シートおよび緩衝シート等の材料としては、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等のゴム、紙等が挙げられる。
複数のゲル膜を積層して一括して加熱する方法としては、上述の加熱方法のうち、例えば、熱板による熱プレス法、オーブン加熱等が挙げられる。
離型シートの材料としては、上述したように、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等のゴム、紙等が挙げられる。紙としては、具体的には、無塵紙等を用いることができる。
冷却環境の温度としては、加熱後のゲル膜の温度を加熱温度以下に冷却することができればよく、特に限定されない。
また、冷却環境の相対湿度としては、40%RH以上、60%RH以下とすることが好ましい。中でも、相対湿度40%RH以上、60%RH以下の環境下に1時間以上静置することが好ましい。加熱後のゲル膜は含水率が低下しており、ゲル膜に力がかかると破損し易いからである。冷却環境の相対湿度が低すぎると、ゲル膜が充分に含水することができず、ゲル膜に力がかかると破損し易い状態のままとなってしまう場合がある。また、相対湿度が高すぎると、ゲル膜が含水し過ぎてしまうことで、ゲル膜にシワが生じたり、うねりが生じたりする場合がある。上記範囲内の相対湿度の環境下で上記時間以上静置することによって、ゲル膜の含水率が適切な範囲におさまるため、ゲル膜が容易に破損したり、ゲル膜にシワが生じたりするのを抑制することができる。
また、例えば基材の耐熱性が比較的低い場合には、剥離工程および加熱工程の順に行うことが好ましい。基材の耐熱性が比較的低い場合であっても、加熱工程では、既に基材が剥離されていることから、基材の耐熱性に関係なく、加熱温度を設定することができる。
また、例えば高分子ゲル分散液膜形成工程が枚葉方式であり、基材として平らな容器を用いる場合には、剥離工程および加熱工程の順に行うことが好ましい。容器内にゲル膜が製膜されている場合、ゲル膜の熱プレスが困難になるからである。
また、例えばゲル膜の製造方法がロールツーロール方式またはロールツーシート方式である場合において、加熱工程および剥離工程の順に行う場合には、加熱工程にて、基材にテンションをかけたまま加熱することができ、ゲル膜に直接テンションをかける必要が無い。そのため、ゲル膜に直接テンションをかけたことに起因するシワ等の変形がゲル膜に残存してしまったり、割れが発生してしまったりするのを抑制することができる。
本開示においては、高分子ゲル分散液膜形成工程前に、高分子ゲル分散液を脱泡する脱泡工程を行ってもよい。巨視的に気泡の少ないゲル膜を得ることができるからである。その結果、気泡による凹凸の少ない、巨視的に平滑性に優れるゲル膜を得ることができる。
本開示のゲル膜の製造方法は、上記の工程の他に、他の工程を有していてもよい。他の工程としては、例えば、上記剥離工程後に、上記ゲル膜を断裁する断裁工程や、上記剥離工程および加熱工程後、または断裁工程を行う場合には断裁工程後に、上記ゲル膜を梱包する梱包工程や、梱包工程後に、上記ゲル膜を滅菌する滅菌工程等が挙げられる。特に、ゲル膜が生体適合性を有するゲル膜である場合は、滅菌工程を行うことが好ましい。
ゲル膜を断裁する際には、ゲル膜に割れが生じないように、湿度を比較的高くすることが好ましく、例えば45%RH~60%RHとすることができる。
断裁工程は、乾燥工程後であれば、加熱工程前に行ってもよく、加熱工程後に行ってもよい。
本開示のゲル膜の製造方法により製造されるゲル膜は、単層であることが好ましい。
本開示のゲル膜の製造方法により製造されるゲル膜は、所望の用途に用いることができる。ゲル膜が生体適合性を有するゲル膜である場合には、例えば、医療材料、化粧料、美容材料等に用いることができる。中でも、ゲル膜が生体適合性を有する場合、医療材料に好適である。医療材料としては、具体的には、癒着防止材、創傷被覆材、医療器具の表面被覆材、再生医療用足場材、薬物徐放剤の担体、止血材、人工皮膚等が挙げられる。
本開示のゲル膜は、高分子ゲルを含み、上記高分子ゲルが、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩およびヒアルロン酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1つと、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩およびカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群から選択される少なくとも1つとを含むゲル、または、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩およびヒアルロン酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1つと、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩およびカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群から選択される少なくとも1つとの共重合体であるゲルであり、上記ゲル膜の含水率が、3%以上、25%以下の範囲内である、ゲル膜である。
ゲル膜の含水率は、3%以上、25%以下の範囲内であり、好ましくは10%以上、25%以下の範囲内であり、より好ましくは11%以上、22%以下の範囲内であり、ゲル膜の含水率がこの範囲にあることにより、基材からゲル膜を剥離するまでにゲル膜の破損や変形が生じ難く、基材から剥離したゲル膜の取扱が容易なゲル膜を得る事ができる。
まず、高分子ゲル分散液膜からサンプルを採取し、サンプルの重量を計測する。サンプルは、例えば約0.2gとする。
次いで、サンプルを加熱する。この際、加熱開始温度を25℃に設定し、100℃まで昇温した後、重量変動率が0.05%/分になった時点で加熱終了とする。そして、加熱後のサンプルの重量を計測する。含水率は、下記式により求められる。
含水率(%)=(a-b)/a×100
(上記式中、aは加熱前のサンプルの重量、bは加熱後のサンプルの重量を表す。)
膨潤率[%]=(短辺方向の寸法変動率+長辺方向の寸法変動率)/2
短辺方向の寸法変動率[%]=L2/L1×100
長辺方向の寸法変動率[%]=L4/L3×100
(L1は浸漬前のゲル膜の短辺方向の長さ、L2は浸漬後のゲル膜の短辺方向の長さ、L3は浸漬前のゲル膜の長辺方向の長さ、L4は浸漬後のゲル膜の長辺方向の長さを表す。)
なお、膨潤率が100%であるとは、浸漬前後でゲル膜の寸法の変化がないことを示す。
縮合剤としてEDC(1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)carbodiimide hydrochloride)を用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.5質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Aを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を4個準備し、得られた高分子ゲル分散液Aを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Aを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Aを、20℃、55%RHに設定した恒温恒湿槽内に1140分間(19時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Aを得た。恒温恒湿槽内で、各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.51~0.66m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽の温度の実測値は20.0~20.8℃、相対湿度の実測値は52.9~59.5%RH、平均相対湿度は57.1%RHであった。
得られたゲル膜Aはいずれも、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.2質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Bを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を16個準備し、得られた高分子ゲル分散液Bを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Bを得た。得られた高分子分散液膜Bを、平均温度および平均相対湿度が23.1℃、45.3%RHの室内に540分間(9時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Bを得た。各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.85~1.36m/秒であった。なお、乾燥中の室内の温度の実測値は21.9~24.0℃、相対湿度の実測値は41.5~50.3%RHであった。
得られたゲル膜Bはいずれも、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.5質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Cを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を8個準備し、得られた高分子ゲル分散液Cを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Cを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Cを、20℃、38%RHに設定した恒温恒湿槽内に1140分間(19時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Cを得た。恒温恒湿槽内で、各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.42~0.75m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽の温度の実測値は20.3~21.2℃、相対湿度の実測値は36.3~41.5%RH、平均相対湿度は37.8%RHであった。得られたゲル膜Cはいずれも、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。
縮合剤としてEDCを用い、カルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させて、高分子ゲル分散液Dを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を2個準備し、得られた高分子ゲル分散液Dを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Dを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Dを、20℃、30%RHに設定した恒温恒湿槽内に270分間(4.5時間)静置した。この時点で2個の容器のうち片方の含水率を測定したところ、含水率は84%であった。その後、他方の容器を恒温恒湿槽内に静置したまま、恒温恒湿槽の相対湿度の設定値を45%RHに上げ、引き続き945分(15.75時間)静置して、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Dを得た。恒温恒湿槽内で、各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.42~0.75m/秒だった。なお、乾燥開始から270分間の恒温恒湿槽の温度の実測値は20.7~22.2℃、相対湿度の実測値は25.3~33.1%RH、平均相対湿度は28.2%RHであり、270分以降の945分間における恒温恒湿槽の温度の実測値は21.6~23.8℃、相対湿度の実測値は35.6~42.7%RH、平均相対湿度は39.6%RHであった。
得られたゲル膜Dはいずれも、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.5質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Eを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器8個準備し、得られた高分子ゲル分散液Eを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Eを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Eを、20℃、30%RHに設定した恒温恒湿槽内に1380分間(23時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Eを得た。恒温恒湿槽内で、各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.42~0.75m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽の温度の実測値は19.5~21.5℃、相対湿度の実測値は27.1~35.6%RH、平均相対湿度は29.7%RHであった。
得られたゲル膜Eはいずれも、ゲル膜に割れが生じていた。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.2質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Fを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を2個準備し、得られた高分子ゲル分散液Fを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Fを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Fを、平均温度および平均相対湿度が26.2℃、16.2%RHの室内に1380分間(23時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Fを得た。
室内で、各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.61~0.78m/秒であった。乾燥中の室内の温度の実測値は22.7~26.8℃、相対湿度の実測値は10.5~25.9%RHであった。
得られたゲル膜Fはいずれも、ゲル膜に割れが生じていた。
実施例1~4および比較例1~2の結果を表1に示す。表1の外観評価は下記の通りである。
○:ゲル膜に、基材からの剥がれやシワ等による変形、割れ等が生じなかった。
×:ゲル膜に、基材からの剥がれやシワ等による変形、割れ等が生じた。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に1.8質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Gを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を1個準備し、得られた高分子ゲル分散液Gを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Gを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Gを、平均温度および平均相対湿度が22.6℃、44.1%RHの室内に720分間(12時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜G1を得た。各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.30m/秒であった。なお、乾燥中の室内の温度の実測値は21.1~24.0℃、相対湿度の実測値は38.0~46.5%RHであった。
得られたゲル膜G1は、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を1個準備し、実施例5で得られた高分子ゲル分散液Gを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Gを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Gを、平均温度および平均相対湿度が22.6℃、44.1%RHの室内に720分間(12時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜G2を得た。各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は1.35m/秒であった。なお、乾燥中の室内の温度の実測値は21.1~24.0℃、相対湿度の実測値は38.0~46.5%RHであった。
得られたゲル膜G2は、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.2質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Hを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を2個準備し、得られた高分子ゲル分散液Hを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Hを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Hを、平均温度および平均相対湿度が23.4℃、42.7%RHの室内に360分間(6時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Hを得た。各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は4.45m/秒であった。なお、乾燥中の室内の温度の実測値は22.0~24.5℃、相対湿度の実測値は39.4~47.7%RHであった。
得られたゲル膜Hはいずれも、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。
実施例5~7の結果を表2に示す。表2の外観評価は下記の通りである。
○:ゲル膜に、基材からの剥がれやシワ等による変形、割れ等が生じなかった。
×:ゲル膜に、基材からの剥がれやシワ等による変形、割れ等が生じた。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.0質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Iを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器4個を用意し、得られた高分子ゲル分散液Iをアクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Iを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Iを、38.0℃、57.0%RHに設定した恒温恒湿槽内に600分間(10時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Iを得た。アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.33m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽内の温度の実測値は38.7~39.3℃、相対湿度の実測値は52.3~54.8%RH、平均相対湿度は57.8%であった。
得られたゲル膜Iはいずれも、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.2質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Jを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を2個準備し、得られた高分子ゲル分散液Jを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Jを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Jを、25.0℃、55.0RHに設定した恒温恒湿槽内に設置した40℃のホットプレート上に180分間(3時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Jを得た。恒温恒湿槽内で、各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.82m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽の温度の実測値は25.6~26.8℃、相対湿度の実測値は51.4~56.1%RH、平均相対湿度は53.2であった。
得られたゲル膜Jはいずれも、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.2質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Kを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を2個準備し、得られた高分子ゲル分散液を各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Kを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Kを、40.0℃、55.0%RHに設定した恒温恒湿槽内に設置した40℃のホットプレート上に180分間(3時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Kを得た。恒温恒湿槽内で、各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.82m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽の温度の実測値は38.7~39.3℃、相対湿度の実測値は52.3~54.8%RH、平均相対湿度は53.3%RHであった。
得られたゲル膜Kはいずれも、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。
(乾燥条件と分散媒の除去に要する時間)
実施例8~10の結果から、ホットプレート等の熱源により、直接、高分子ゲル分散液膜を加熱することにより、分散媒の除去にかかる時間を大幅に削減することができることが分かった。実施例8~10の乾燥条件と乾燥時間を表3に示す。
実施例8~10の結果を表3に示す。表3の外観評価は下記の通りである。
○:ゲル膜に、基材からの剥がれやシワ等による変形、割れ等が生じなかった。
×:ゲル膜に、基材からの剥がれやシワ等による変形、割れ等が生じた。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.05質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Lを調製した。
エキシマUVを8秒照射した内寸140mm×140mm、深さ3mmのポリスチレン製容器を1個準備し、得られた高分子ゲル分散液Lを各ポリスチレン製容器に注ぎ、アプリケータを用いて均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Lを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Lを、20℃、45%RHに設定した恒温恒湿槽内に1140分間(19時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Lを得た。恒温恒湿槽内で、各ポリスチレン製容器に対する平均風速は0.35~0.38m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽の温度の実測値は17.9~22.9℃、相対湿度の実測値は40.7~46.2%RH、平均相対湿度は42.7%RHであった。
得られたゲル膜Lは、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。次に、カッターを用いてこのゲル膜を所望の大きさに切込をいれた後、容器からゲル膜の剥離を試みたところ、ゲル膜を破損させずに容器から剥離することが出来た。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.05質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Mを調製した。
内寸160mm×160mm、深さ3mmの塩化ビニル製容器を1個準備し、得られた高分子ゲル分散液Mを各塩化ビニル製容器に注ぎ、アプリケータを用いて均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Mを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Mを、20℃、45%RHに設定した恒温恒湿槽内に1140分間(19時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Mを得た。恒温恒湿槽内で、各塩化ビニル製容器に対する平均風速は0.35~0.38m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽の温度の実測値は17.9~22.9℃、相対湿度の実測値は40.7~46.2%RH、平均相対湿度は42.7%RHであった。
得られたゲル膜Mは、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。次に、カッターを用いてこのゲル膜を所望の大きさに切込をいれた後、容器からゲル膜の剥離を試みたところ、ゲル膜を破損させずに容器から剥離することが出来た。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.05質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Nを調製した。
内寸160mm×160mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を1個準備し、得られた高分子ゲル分散液Nを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Nを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Nを、20℃、45%RHに設定した恒温恒湿槽内に1140分間(19時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Nを得た。恒温恒湿槽内で、各アクリル製容器に対する平均風速は0.35~0.38m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽の温度の実測値は17.9~22.9℃、相対湿度の実測値は40.7~46.2%RH、平均相対湿度は42.7%RHであった。
得られたゲル膜Nは、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。次に、カッターを用いてこのゲル膜を所望の大きさに切込をいれた後、容器からゲル膜の剥離を試みたところ、ゲル膜を破損させずに容器から剥離することが出来た。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.05質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Oを調製した。
内寸50mm×50mm、深さ3mmのガラス製容器を1個準備し、得られた高分子ゲル分散液Oを各ガラス製容器に注ぎ、アプリケータを用いて均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Oを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Oを、20℃、45%RHに設定した恒温恒湿槽内に1140分間(19時間)静置し、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Oを得た。恒温恒湿槽内で、各ガラス製容器に対する平均風速は0.35~0.38m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽の温度の実測値は17.9~22.9℃、相対湿度の実測値は40.7~46.2%RH、平均相対湿度は42.7%RHであった。
得られたゲル膜Oはいずれも、容器からの部分的な剥離やシワ等による変形、割れ等の不良が生じておらず、均一な厚みの平滑な膜であった。次に、カッターを用いてこのゲル膜を所望の大きさに切込をいれた後、容器からゲル膜の剥離を試みたところ、容器からゲル膜を剥離する過程において、ゲル膜が破損した。
(容器の表面の水に対する接触角)
容器の表面の水に対する接触角は、協和界面科学(株)製の接触角測定器Drop Master-700を用い、22Gのステンレスニードルを用いて1.5mLの純水の液滴を作製し、基材表面に液滴を接触させてから1000ミリ秒後の水に対する接触角を測定することで求めた。
○:ゲル膜を破損させずに容器から剥離することが出来た。
△:容器からゲル膜を剥離する過程において、ゲル膜が破損した。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2.2質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Pを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を3個準備し、得られた高分子ゲル分散液Pを各アクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Pを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Pを、40.0℃、55.0%RHに設定した恒温恒湿槽内に設置した40℃のホットプレート上に静置した。各アクリル樹脂製容器に対する平均風速は0.61~0.78m/秒であった。なお、乾燥中の恒温恒湿槽の温度の実測値は38.5~40.4℃、相対湿度の実測値は49.3~59.8%RHの範囲であった。
実施例15について、高分子ゲル分散液の膜を乾燥してゲル膜Pを得る過程において、乾燥開始から4.25時間経過時点、5.5時間経過時点、6.6時間経過時点の高分子ゲル分散液膜を採取し、含水率と粘着性の評価を行った。含水率の評価、ならびに粘着性の評価方法について、以下に示す。
株式会社アクタック製の水分/揮発分固形分測定装置マーク3を用いて含水率を測定した。まず、高分子ゲル分散液膜から約0.2gのサンプルを採取し、サンプルの重量を計測した。次いで、サンプルを加熱した。この際、加熱開始温度を25℃に設定し、100℃まで昇温した後、重量変動率が0.05%/分になった時点で加熱終了とした。含水率は、下記式により求めた。
含水率(%)=(a-b)/a×100
(上記式中、aは加熱前のサンプルの重量、bは加熱後のサンプルの重量を表す。)
実施例15の各時間経過時点に付き3サンプルを測定し、実測された含水率の平均値をその時間経過時点における高分子ゲル分散液膜の平均含水率として算出した。
各時間経過時点の高分子ゲル分散液膜の表面に、無塵紙(クリーンルーム用紙CP-01HA4、(株)オストリッチダイヤ製)を、0.25~2.5g/cm2 の圧力で1分間接触させた。その後、無塵紙に滲みが生じているか、または、ゲル分散液膜表面に無塵紙が加圧された痕跡があるかを、目視で確認した。
同様にして、実施例1、3にて乾燥終了して得られたゲル膜において、含水率、ならびに粘着性の評価を行った。表5に、各評価結果を示す。表5の粘着性評価は下記の通りである。
○:膜に無塵紙を触れさせた場合に、無塵紙に滲みが無く、かつ、膜上に無塵紙が加圧された痕跡が目視確認できなかった。
×:膜に無塵紙を触れさせた場合に、無塵紙に滲みが生じた、または、膜上に無塵紙が加圧された痕跡が目視確認できた。
縮合剤としてEDCを用いてカルボキシメチルセルロースとヒアルロン酸とを共重合させた高分子ゲルを、分散媒(水)に2質量%の割合で分散させ、高分子ゲル分散液Qを調製した。
内寸150mm×180mm、深さ3mmのアクリル樹脂製容器を準備し、得られた高分子ゲル分散液Qをアクリル樹脂製容器に注ぎ、アプリケータを用いて、均一な厚みの高分子ゲル分散液膜Qを得た。得られた高分子ゲル分散液膜Qを、25℃、55%RHに設定した恒温恒湿槽内に20時間静置して、高分子ゲル分散液に含まれる分散媒を除去することで、ゲル膜Qを製膜した。
その後、アクリル樹脂製容器からゲル膜を剥離した。アクリル樹脂製容器からのゲル膜の剥離は、小型打抜機III型(テスター産業(株)製)を用いてアクリル樹脂製容器に密着したゲル膜に146mm×176mmのサイズに切込をいれ、ゲル膜の切込端を支持しながらアクリル樹脂製容器からゲル膜を剥離することで行った。
実施例16と同様にしてゲル膜Qを得て、アクリル樹脂製容器から剥離した。次に、ゲル膜に加熱処理を行った。加熱処理は、無塵紙(クリーンルーム用紙CP-01HA4、(株)オストリッチダイヤ製)にて挟持したゲル膜を、温度150℃に加熱した熱板を用いて、0.013kN/cm2の圧力をかけて600秒間熱プレスすることで行った。
実施例16、17により得られたゲル膜に関し、それぞれ25kGyのガンマ線を照射した後における膨潤率、ならびに膨潤時の脆性を以下の様にして評価した。
各実施例で得られたゲル膜から、短辺方向の長さが1cm、長辺方向の長さが5cmである短冊形状の試験片を切り出した。次に、試験片を生理食塩水に室温にて30分間浸漬した。その後、浸漬前および浸漬後の試験片の寸法の変化により、すなわち下記式により、膨潤率を求めた。
膨潤率[%]=(短辺方向の寸法変動率+長辺方向の寸法変動率)/2
短辺方向の寸法変動率[%]=L2/L1×100
長辺方向の寸法変動率[%]=L4/L3×100
(L1は浸漬前の試験片の短辺方向の長さ、L2は浸漬後の試験片の短辺方向の長さ、L3は浸漬前の試験片の長辺方向の長さ、L4は浸漬後の試験片の長辺方向の長さを表す。)
各実施例で得られたゲル膜を、上記膨潤率の測定と同様に生理食塩水に30分間浸漬したときのゲル膜の脆性を評価した。
〇:浸漬中のゲル膜をピンセットで摘み、生理食塩水中で軽く揺らした場合でも、ゲル膜が崩れない
△:浸漬中のゲル膜をピンセットで摘んだ際に、ゲル膜が崩れる
2a … 高分子ゲル分散液膜
2b … 乾燥後のゲル膜
2c … 加熱後のゲル膜
Claims (9)
- 高分子ゲルおよび分散媒を含む高分子ゲル分散液を用いて、基材の一方の面に、高分子ゲル分散液膜を形成する高分子ゲル分散液膜形成工程と、
前記高分子ゲル分散液膜を乾燥させることにより、前記分散媒を除去し、ゲル膜を得る乾燥工程と、を有し、
前記乾燥工程において、少なくとも、前記高分子ゲル分散液膜の含水率が85%以下になってから高分子ゲル分散液膜の含水率が25%以下となるまでの間は、平均相対湿度を35%RH以上とする、ゲル膜の製造方法であって、
前記乾燥工程を、風速0.1m/秒以上、2.0m/秒以下の環境下で行う、ゲル膜の製造方法。 - 前記乾燥工程では、複数の前記高分子ゲル分散液膜を、風速0.1m/秒以上、2.0m/秒以下の環境下で枚葉状の基材をもちいて乾燥させる、請求項1に記載のゲル膜の製造方法。
- 高分子ゲルおよび分散媒を含む高分子ゲル分散液を用いて、基材の一方の面に、高分子ゲル分散液膜を形成する高分子ゲル分散液膜形成工程と、
前記高分子ゲル分散液膜を乾燥させることにより、前記分散媒を除去し、ゲル膜を得る乾燥工程と、を有し、
前記乾燥工程において、少なくとも、前記高分子ゲル分散液膜の含水率が85%以下になってから高分子ゲル分散液膜の含水率が25%以下となるまでの間は、平均相対湿度を35%RH以上とする、ゲル膜の製造方法であって、
前記基材の表面の水に対する接触角が、30°以上、95°以下の範囲内である、ゲル膜の製造方法。 - 前記乾燥工程を、平均相対湿度35%RH以上の環境下で行う、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のゲル膜の製造方法。
- 前記乾燥工程を、平均相対湿度45%RH以上の環境下で行う、請求項4に記載のゲル膜の製造方法。
- 前記乾燥工程後に、前記ゲル膜を加熱する加熱工程を有する、請求項1から請求項5までのいずれかに記載のゲル膜の製造方法。
- 前記加熱工程では、熱板を用いて前記ゲル膜を熱プレスする、請求項6に記載のゲル膜の製造方法。
- 前記高分子ゲルが、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩およびヒアルロン酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1つと、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩およびカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群から選択される少なくとも1つとを含むゲル、または、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩およびヒアルロン酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1つと、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩およびカルボキシメチルセルロース誘導体からなる群から選択される少なくとも1つとの共重合体であるゲルである、請求項1から請求項7までのいずれかに記載のゲル膜の製造方法。
- 前記ゲル膜が、生体適合性を有するゲル膜である、請求項1から請求項8までのいずれかに記載のゲル膜の製造方法。
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