JP7311446B2 - スリットノズルおよび基板処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、スリット状の吐出口を有するスリットノズルおよび当該スリットノズルを用いて基板に処理液を塗布する基板処理装置に関するものである。なお、上記基板には、半導体基板、フォトマスク用基板、液晶表示用基板、有機EL表示用基板、プラズマ表示用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などが含まれる。
半導体装置や液晶表示装置などの電子デバイス等の製造工程では、基板の表面に処理液を供給し、当該処理液を基板に塗布する基板処理装置が用いられている。ある基板処理装置は、基板を浮上させた状態で当該基板を搬送しながら処理液をスリットノズルに送給してスリットノズルの吐出口から基板の表面に吐出して基板のほぼ全体に処理液を塗布する。また、別の基板処理装置は、ステージ上で基板を吸着保持しながら、スリットノズルの吐出口から基板の表面に向けて吐出した状態でスリットノズルを基板に対して相対移動させて基板のほぼ全体に処理液を塗布する。
近年、製品の高品質化に伴って、基板処理装置により塗布される処理液の膜厚の均一性を高めることが重要となっている。この目的のために、スリット状の吐出口における開口寸法を、スリットの長手方向に沿った位置ごとに個別に調整することを可能とするための構成が提案されている。
例えば特許文献1には、処理液の流路および吐出口となるギャップを規定するシムを挟んで対向配置された2つの本体ブロックが、吐出口の長手方向に沿って多数配列されたボルトにより相互に固結される。複数列に配置されたボルトの締め付け量を増減することでシムが変形し、吐出口の開口幅が調整される。また特許文献2に記載の技術では、一方の本体ブロックに溝を形成するとともに該溝を跨いで調整ねじを配置し、溝の幅が変化するように本体ブロックを変形させることで吐出口の開口幅が調整される。調整ねじには微調整に適した差動ねじが使用されている。また特許文献3には、吐出口の中央部と端部とで吐出量の差が出やすいことに鑑み、開口幅の調整機構を吐出口の長手方向に分割して中央部と端部とで独立して調整することのできる構造が開示されている。
特許第4522726号公報 特開平09-131561号公報 特開2008-246280号公報
上記のようにして開口調整されたスリットノズルが塗布処理に供されると、例えば動作時の振動や温度変化で緩むなどにより調整ねじのねじ込み量が変化し、これにより開口幅が変動して塗膜の膜厚が不均一になるおそれがある。上記従来技術ではこの問題に対する対策が施されていない。
調整用のねじの固定方法として一般的なものとしては、例えば調整ねじが挿通されるねじ穴に対し直交するねじ穴を設け、これに取り付けた固定用ねじを調整ねじのねじ山に当て付けることにより、調整ねじの変位を規制する構造のものがある。しかしながら、調整ねじのねじ山を損傷してしまうと再調整に支障を来すおそれがある。また、ねじ同士の摺擦によって生じた微粉が塗膜の汚染原因ともなり得る。このように、スリットノズルにおける開口調整用の調整ねじの固定のための機構については、これまで確立されるに至っていない。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、スリット状の吐出口を有するスリットノズルおよびこれを備え基板に処理液を塗布する基板処理装置において、調整されたねじを確実に固定して吐出口の開口幅の変動を抑え、塗布液を安定的に吐出することができるようにするための技術を提供することを目的とする。
本発明に係るスリットノズルの一の態様は、上記目的を達成するため、平坦な対向面を各々が有する1対のリップ部が、前記対向面同士がギャップを隔てて対向するように配置されてスリット状に開口する吐出口を形成するノズル本体と、前記1対のリップ部を相対的に接近方向および離間方向に変位させて前記吐出口の開口幅を調整する調整機構とを備え、前記1対のリップ部の少なくとも一方において、前記対向面からみて他方の前記リップ部とは反対側の面に、前記吐出口の長手方向と平行な方向に沿った溝が設けられており、前記調整機構は、前記長手方向に沿って複数配列され、各々が前記溝の深さ方向と交わる方向に前記溝を跨いで前記ノズル本体に螺合されて、前記溝の幅を増減するように前記ノズル本体を変形させることにより前記開口幅を調整する調整ねじと、弾性体により形成され、前記ノズル本体に対し着脱可能に設けられて前記複数の調整ねじを前記ノズル本体側に向けて付勢する付勢部材と、前記ノズル本体に着脱可能に取り付けられて、前記付勢部材を固定する固定部材とを有している。ここで、前記調整ねじは、外ねじと前記外ねじの中空部分に挿通された内ねじとを有する差動ねじである。また、前記付勢部材は、比較的大径の円筒形状に形成され端部が前記外ねじに弾性的に当接する外側当接部位と、前記外側当接部位と一体的に前記外側当接部位の前記端部から突出して設けられ、前記外側当接部位よりも小径の円筒形状で端部が前記内ねじに弾性的に当接する内側当接部位とを有している。
このように構成された発明では、各調整ねじに対して、当該調整ねじをノズル本体側に押し付ける方向に付勢するような付勢部材が設けられる。付勢部材は弾性体により形成されており、調整ねじのねじ山を傷つけることはない。このため、調整ねじの無用な回転を抑制して吐出口の開口幅の変動を防止し、塗布液を安定的に吐出することが可能である。また必要に応じて付勢部材をノズル本体から取り外せば、開口幅の再調整を行うことも容易である。再調整後には再び付勢部材を取り付けることにより、調整ねじを固定して調整後の状態を維持することができる。
また、本発明に係る基板処理装置の一の態様は、上記目的を達成するため、上記構成を有するスリットノズルと、前記スリットノズルの前記吐出口と対向させて基板を配置するとともに、前記スリットノズルと前記基板とを前記長手方向と交わる方向に相対移動させる相対移動機構と、前記スリットノズルに処理液を供給する液体供給部とを備え、前記吐出口から吐出した前記処理液を前記基板の表面に塗布する。
このように構成された発明では、上記のような構成を用いて開口幅が調整されたスリットノズルから基板に処理液が供給されることで、長手方向において膜厚が均一な膜を安定して形成することができる。
以上のように、本発明のスリットノズルでは、吐出口の長手方向に複数配列されてその開口幅を規定する調整ねじが、弾性を有する付勢部材によって付勢されることで位置が固定される。そのため、吐出口の開口幅の変動を防止して、塗布液を安定的に吐出することが可能である。
本発明の一実施形態である塗布装置の全体構成を模式的に示す図である。 スリットノズルの主要構成を模式的に示す分解組立図である。 組み立て後のスリットノズルの外観を示す図である。 調整ねじの構成を示す外観図および断面図である。 調整ねじが取り付けられたノズル本体の部分断面図である。 調整ねじの固定機構を示す図である。 本実施形態における開口調整作業の内容を示すフローチャートである。 付勢部材の他の実施形態を示す図である。
<塗布装置の全体構成>
図1は本発明に係る基板処理装置の一実施形態である塗布装置の全体構成を模式的に示す図である。この塗布装置1は、図1の左手側から右手側に向けて水平姿勢で搬送される基板Sの表面Sfに塗布液を塗布するスリットコータである。例えば、ガラス基板や半導体基板等各種の基板Sの表面Sfに、レジスト膜の材料を含む塗布液、電極材料を含む塗布液等、各種の処理液を塗布し均一な塗布膜を形成する目的に、この塗布装置1を好適に利用することができる。
なお、以下の各図において装置各部の配置関係を明確にするために、図1に示すように右手系XYZ直交座標を設定する。基板Sの搬送方向を「X方向」とし、図1の左手側から右手側に向かう水平方向を「+X方向」と称し、逆方向を「-X方向」と称する。また、X方向と直交する水平方向Yのうち、装置の正面側(図において手前側)を「-Y方向」と称するとともに、装置の背面側を「+Y方向」と称する。さらに、鉛直方向Zにおける上方向および下方向をそれぞれ「+Z方向」および「-Z方向」と称する。
まず図1を用いてこの塗布装置1の構成および動作の概要を説明し、その後で本発明の技術的特徴を備えるスリットノズルの詳細な構造および開口寸法の調整作業について説明する。塗布装置1では、基板Sの搬送方向Dt、つまり(+X)方向に沿って、入力コンベア100、入力移載部2、浮上ステージ部3、出力移載部4、出力コンベア110がこの順に近接して配置されている。以下に詳述するように、これらにより略水平方向に延びる基板Sの搬送経路が形成されている。
処理対象である基板Sは図1の左手側から入力コンベア100に搬入される。入力コンベア100は、コロコンベア101と、これを回転駆動する回転駆動機構102とを備えており、コロコンベア101の回転により基板Sは水平姿勢で下流側、つまり(+X)方向に搬送される。入力移載部2は、コロコンベア21と、これを回転駆動する機能および昇降させる機能を有する回転・昇降駆動機構22とを備えている。コロコンベア21が回転することで、基板Sはさらに(+X)方向に搬送される。また、コロコンベア21が昇降することで基板Sの鉛直方向位置が変更される。このように構成された入力移載部2により、基板Sは入力コンベア100から浮上ステージ部3に移載される。
浮上ステージ部3は、基板の搬送方向Dtに沿って3分割された平板状のステージを備える。すなわち、浮上ステージ部3は入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33を備えており、これらの各ステージの表面は互いに同一平面の一部をなしている。入口浮上ステージ31および出口浮上ステージ33のそれぞれの表面には浮上制御機構35から供給される圧縮空気を噴出する噴出孔がマトリクス状に多数設けられており、噴出される気流から付与される浮力により基板Sが浮上する。こうして基板Sの裏面Sbがステージ表面から離間した状態で水平姿勢に支持される。基板Sの裏面Sbとステージ表面との距離、つまり浮上量は、例えば10マイクロメートルないし500マイクロメートルとすることができる。
一方、塗布ステージ32の表面では、圧縮空気を噴出する噴出孔と、基板Sの裏面Sbとステージ表面との間の空気を吸引する吸引孔とが交互に配置されている。浮上制御機構35が噴出孔からの圧縮空気の噴出量と吸引孔からの吸引量とを制御することにより、基板Sの裏面Sbと塗布ステージ32の表面との距離が精密に制御される。これにより、塗布ステージ32の上方を通過する基板Sの表面Sfの鉛直方向位置が規定値に制御される。浮上ステージ部3の具体的構成としては、例えば特許第5346643号に記載のものを適用可能である。なお、塗布ステージ32での浮上量については後述するセンサ61、62による検出結果に基づいて制御ユニット9により算出され、また気流制御によって高精度に調整可能となっている。
また、入口浮上ステージ31には、図には現れていないリフトピンが配設されており、浮上ステージ部3にはこのリフトピンを昇降させるリフトピン駆動機構34が設けられている。
入力移載部2を介して浮上ステージ部3に搬入される基板Sは、コロコンベア21の回転により(+X)方向への推進力を付与されて、入口浮上ステージ31上に搬送される。入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33は基板Sを浮上状態に支持するが、基板Sを水平方向に移動させる機能を有していない。浮上ステージ部3における基板Sの搬送は、入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33の下方に配置された基板搬送部5により行われる。
基板搬送部5は、基板Sの下面周縁部に部分的に当接することで基板Sを下方から支持するチャック機構51と、チャック機構51上端の吸着部材に設けられた吸着パッド(図示省略)に負圧を与えて基板Sを吸着保持させる機能およびチャック機構51をX方向に往復走行させる機能を有する吸着・走行制御機構52とを備えている。チャック機構51が基板Sを保持した状態では、基板Sの裏面Sbは浮上ステージ部3の各ステージの表面よりも高い位置に位置している。したがって、基板Sは、チャック機構51により周縁部を吸着保持されつつ、浮上ステージ部3から付与される浮力により全体として水平姿勢を維持する。チャック機構51により基板Sの裏面Sbを部分的に保持した段階で基板Sの表面の鉛直方向位置を検出するために、板厚測定用のセンサ61がコロコンベア21の近傍に配置されている。このセンサ61の直下位置に基板Sを保持していない状態のチャック(図示省略)が位置することで、センサ61は吸着部材の表面、つまり吸着面の鉛直方向位置を検出可能となっている。
入力移載部2から浮上ステージ部3に搬入された基板Sをチャック機構51が保持し、この状態でチャック機構51が(+X)方向に移動することで、基板Sが入口浮上ステージ31の上方から塗布ステージ32の上方を経由して出口浮上ステージ33の上方へ搬送される。搬送された基板Sは、出口浮上ステージ33の(+X)側に配置された出力移載部4に受け渡される。
出力移載部4は、コロコンベア41と、これを回転駆動する機能および昇降させる機能を有する回転・昇降駆動機構42とを備えている。コロコンベア41が回転することで、基板Sに(+X)方向への推進力が付与され、基板Sは搬送方向Dtに沿ってさらに搬送される。また、コロコンベア41が昇降することで基板Sの鉛直方向位置が変更される。出力移載部4により、基板Sは出口浮上ステージ33の上方から出力コンベア110に移載される。
出力コンベア110は、コロコンベア111と、これを回転駆動する回転駆動機構112とを備えており、コロコンベア111の回転により基板Sはさらに(+X)方向に搬送され、最終的に塗布装置1外へと払い出される。なお、入力コンベア100および出力コンベア110は塗布装置1の構成の一部として設けられてもよいが、塗布装置1とは別体のものであってもよい。また例えば、塗布装置1の上流側に設けられる別ユニットの基板払い出し機構が入力コンベア100として用いられてもよい。また、塗布装置1の下流側に設けられる別ユニットの基板受け入れ機構が出力コンベア110として用いられてもよい。
このようにして搬送される基板Sの搬送経路上に、基板Sの表面Sfに塗布液を塗布するための塗布機構7が配置される。塗布機構7はスリットノズル71を有している。また、図示を省略するが、スリットノズル71には位置決め機構が接続されており、位置決め機構によりスリットノズル71は塗布ステージ32の上方の塗布位置(図1中で実線で示される位置)やメンテナンス位置に位置決めされる。さらに、スリットノズル71には、塗布液供給機構8が接続されており、塗布液供給機構8から塗布液が供給され、ノズル下部に下向きに開口する吐出口から塗布液が吐出される。なお、スリットノズル71については後で詳述する。
スリットノズル71には、図1に示すように、基板Sの浮上高さを非接触で検知するための浮上高さ検出センサ62が設置されている。この浮上高さ検出センサ62によって、浮上した基板Sと、塗布ステージ32のステージ面の表面との離間距離を測定することが可能であり、その検出値に伴って、制御ユニット9を介して、スリットノズル71が下降する位置を調整することができる。なお、浮上高さ検出センサ62としては、光学式センサや、超音波式センサなどを用いることができる。
スリットノズル71に対して所定のメンテナンスを行うために、塗布機構7にはノズル洗浄待機ユニット79が設けられている。ノズル洗浄待機ユニット79は、主にローラ791、洗浄部792、ローラバット793などを有している。そして、スリットノズル71がメンテナンス位置に位置決めされた状態で、これらによってノズル洗浄および液だまり形成を行い、スリットノズル71の吐出口を次の塗布処理に適した状態に整える。
この他、塗布装置1には、装置各部の動作を制御するための制御ユニット9が設けられている。制御ユニット9は、所定のプログラムや各種レシピなどを記憶する記憶部、当該プログラムを実行することで装置各部に所定の動作を実行させるCPUなどの演算処理部、液晶パネルなどの表示部およびキーボードなどの入力部を有している。
以下、スリットノズル71の具体的な構成例および吐出口の開口寸法の調整方法などについて詳述する。なお、ここでいう開口寸法の調整とは、開口寸法が一定あるいは予め定められた規定値となることを目指す調整ではなく、吐出の結果として基板Sの表面に形成される塗布膜の厚さを均一にすることを目指して、オペレータが開口の大きさを増減する調整である。以下では、この調整を「開口調整」と称することとする。
図2は図1の塗布装置で使用されるスリットノズルの主要構成を模式的に示す分解組立図である。スリットノズル71は、第1本体部711、第2本体部712、第1側板713および第2側板714を有している。図2に一点鎖線矢印で示すように、第1本体部711と第2本体部712とがX方向に対向する状態で結合され、その結合体の(-Y)側端面に第1側板713が、また(+Y)側端面に第2側板714がそれぞれ結合されてノズル本体710が構成される。
これらの各部材は、例えばステンレス鋼やアルミニウム等の金属ブロックから削り出されたものである。なお、ノズル本体710を構成する各部材は例えばボルトのような適宜の固結部材で固結されることによって互いに結合されるが、そのような結合構造は公知である。そこで、図面を見やすくするため、ここでは固定ボルトやこれを挿通するためのねじ穴等、固結に関わる構成の記載を省略するものとする。
第1本体部711の第2本体部712と対向する側の主面、つまり(+X)側の主面のうち下半分は、YZ平面と平行な平坦面711aとなるように仕上げられている。以下では、この平坦面711aを「第1平坦面」と称する。第1本体部711の第2本体部712と対向する側の主面のうち上半分も、YZ平面と平行な平坦面711bとなるように仕上げられている。また、第1本体部711の下部は下向きの先細り形状に突出して第1リップ部711cを形成している。平坦面711a,711bは、Y方向を長手方向としX方向を深さ方向とする略半円柱形状の溝711dによって隔てられている。この溝711dは、塗布液の流路におけるマニホールドとして機能するものである。
一方、第2本体部712の第1本体部711と対向する側の主面、つまり(-X)側の主面は、YZ平面と平行な単一の平坦面712aとなっている。以下では、この平坦面712aを「第2平坦面」と称する。また、第2本体部712の下部は下向きの先細り形状に突出して第2リップ部712cを形成している。平坦面711bと、第2平坦面712aのうち上半分とが密着するように、第1本体部711と第2本体部712とが結合される。
第1平坦面711aは、平坦面711bより僅かに(-X)側に後退している。このため、第1本体部711と第2本体部712とが結合された状態では、第1平坦面711aと第2平坦面712aとは、微小なギャップを隔てて平行に対向することとなる。このように互いに対向する対向面(第1平坦面711a、第2平坦面712a)の間のギャップ部分がマニホールドからの塗布液の流路となり、その下端が基板Sの表面Sfに向けて下向きに開口する吐出口715(図3)として機能する。吐出口715は、Y方向を長手方向とし、X方向における開口寸法が微小なスリット状の開口である。
第2本体部712の主面のうち第2平坦面712aとは反対側の主面712eには、Y方向に沿って延びる溝712fが設けられている。溝712fは、Y方向において第2本体部712の全域にわたって一定の深さで連続的に設けられている。このため、第2本体部712のうち、溝712fより下部は、Y方向に概ね一様な断面形状を有し(+X)方向に突出する突出部712gとなっている。
突出部712gの下面には、突出部712gを上下方向に貫通するねじ穴712hが設けられている。ねじ穴712hは、突出部712gの下面にY方向に沿って、かつ均等なピッチで複数設けられている。各ねじ穴712hには雌ねじが形成されており、後述するように吐出口715のX方向の開口のための調整ねじ75が取り付けられる。調整ねじ75は、溝712fの深さ方向(X方向)に交わるZ方向に当該溝712fを跨いで設けられており、その上端が溝712fの上面まで到達している。
ねじ穴712hに対する調整ねじ75が溝712fを跨いで設けられているため、そのねじ込み量を変化させると、第2本体部712が溝712fの延設方向(Y方向)の軸まわりに僅かに変形し、溝712fを挟んで互いに対向する両側の部位の間隔、つまり溝712fの幅が増減する。具体的には、第2本体部712のうち溝712fよりも上側の部位に対して、溝712fよりも下側の突出部712gが相対的に接近または離間する方向に変位することで、両者の間隔が変化する。
このような変位に伴って、突出部712gに接続する第2リップ部712cがX方向、つまり対向する第1リップ部711cに対し接近、離間する方向に変位することになる。このように、互いに対向する第1リップ部711cと第2リップ部712cとが相対的に接近方向および離間方向に変位することにより、両者の間隔、つまり吐出口715の開口幅が変化する。したがって、調整ねじ75のねじ込み量により吐出口715の開口幅を調整することができる。吐出口715の長手方向に沿って複数の調整ねじ75が配列されることで、同方向における各位置で開口幅の調整を行うことが可能となる。調整ねじ75は例えば差動ねじである。差動ねじである調整ねじ75のより具体的な構造およびそれによる開口調整の原理については後述する。
図3は組み立て後のスリットノズルの外観を示す図である。より具体的には、図3(a)は図2の各部材を組み合わせてなるスリットノズル71の外観斜視図であり、図3(b)はさらに固定機構77が取り付けられた状態を示す外観斜視図である。前記した通り、第1本体部711、第2本体部712、第1側板713および第2側板714が、図示しない固定ねじで互いに固結されることにより、図3(a)に示すノズル本体710が構成される。そして、第2本体部712の各ねじ穴712hには、調整ねじ75が取り付けられる。さらに、図3(b)に示すように、調整ねじ75の緩みおよび脱落を防止するために、後述する固定機構77(図6)がノズル本体710に装着される。
図4は調整ねじの構成を示す外観図および断面図である。差動ねじである調整ねじ75は、外ねじ751と内ねじ752とを有している。外ねじ751は、軸心が中空構造となった筒状の部材であり、その外面には雄ねじ751aが形成され、内面には雌ねじ751bが形成されている。雄ねじ751aのピッチP1は、雌ねじ751bのピッチP2よりも僅かに大きい。外ねじ751の上端部には、六角穴751cが設けられている。六角穴751cの二面幅は、雌ねじ751bの呼び径よりも少し大きい。つまり、外ねじ751は、六角穴付き止めねじの軸心を貫通穴構造としたものと見ることができる。
一方、内ねじ752の外面には、外ねじ751の雌ねじ751bと螺合する、つまりピッチP2の雄ねじ752aが形成されている。そして、内ねじ752の上端部には六角穴752bが設けられている。つまり、内ねじ752は一種の六角穴付き止めねじである。内ねじ752が外ねじ751に螺合されることにより、差動ねじが構成される。このようにして構成される差動ねじが、調整ねじ75としてノズル本体710、より具体的には第2本体部712に取り付けられる。
図5は調整ねじが取り付けられたノズル本体の部分断面図である。調整ねじ75は、第2本体部712の下部に設けられた突出部712gに対し上下方向に形成されたねじ穴712hに取り付けられる。ねじ穴712hにはピッチP1の雌ねじ712jが形成されており、この雌ねじ712jに外ねじ751の雄ねじ751aが螺合する。
一方、第2本体部712のうち溝712fを挟んで突出部712gの上方に当たる部位には、内ねじ752の雄ねじ752aと螺合する雌ねじ712kが形成されており、この雌ねじ712kに内ねじ752の雄ねじ752aの先端部分が螺合する。つまり、内ねじ752は、外ねじ751の内面に形成された雌ねじ751bと、ノズル本体710(第2本体部712)に形成された雌ねじ712kとの両方に螺合している。
この状態から、点線で示すように、外ねじ751の六角穴751cに六角レンチ(六角棒スパナ)Hを係合させ、外ねじ751を時計方向CWに1回転させた場合を考える。そうすると、外ねじ751は、第2本体部712に対してピッチP1に相当する距離だけ上方へ進行する。このとき内ねじ752は、第2本体部712の雌ねじ712kに螺合され固定されているため外ねじ751に従動せず、外ねじ751に対し相対的に反時計回りに1回転することになる。つまり内ねじ752は、外ねじ751に対し相対的に、ピッチP2に相当する距離だけ下向きに進行する。
ここで、P1>P2であり、また内ねじ752はノズル本体710(第2本体部712)に固定されていて回転、移動しないから、内ねじ752との移動量の差(P1-P2)だけ外ねじ751が下方へ押し下げられることになる。つまり、外ねじ751が螺合する突出部712gを下方へ押し下げるような力が発生し、これにより溝712fの幅が押し広げられる。そうすると、第2本体部712は第2リップ部712cが第1リップ部711c側に接近する方向に変形し、結果として吐出口715の幅が小さくなる。
定量的には、溝712fの当初の幅をW1、外ねじ751が時計回りに1回転したときの幅をW2とすると、次式:
W2=W1+k・(P1-P2)
の関係が成立する。ここで、符号kは第2本体部712の各部の寸法によって決まる0より大きい係数である。
調整ねじ75が差動ねじでない一般的なボルトであれば、これを1回転させたときの溝幅の変化量はボルトのピッチP1に比例する。一方、差動ねじにおける変化量は(P1-P2)に比例する。このように調整ねじの回転量に対する溝712fの幅の変化量が小さいということは、調整ねじの回転量を上下方向の微小な変化量に変換することができる、つまり吐出口715の開口幅の微調整を容易に行えることを意味する。
外ねじ751が反時計方向に回転されたときには、上記とは逆に、溝712fの幅が回転量に応じて狭まり、結果として吐出口715の開口幅は増大することになる。このように、調整ねじ75として差動ねじを用いることにより、吐出口715の開口寸法の微調整を容易に行うことができる。
Y方向の各位置で調整ねじ75を用いた開口調整が行われることで、塗布装置1は基板Sに対して膜厚が一定で一様な塗膜を形成することが可能となる。複数の基板Sに対する塗布動作を繰り返す際、ノズル71には機械的振動や温度変化が継続的に加わることから、調整ねじ75が次第に緩み、これにより吐出口715の開口寸法が変動してしまうおそれがある。そこで、この実施形態では、次に説明する固定機構により調整ねじ75を固定し、吐出口715の開口寸法の変化に起因する塗膜の膜厚変動が抑えられている。
図6は調整ねじの固定機構を示す図である。より具体的には、図6(a)は固定機構77が第2本体部712に取り付けられた状態を示す部分断面図であり、図6(b)は取り外された状態の固定機構77の外観を示す斜視図である。固定機構77は、第2本体部712のねじ穴712hに嵌め込まれる付勢部材771と、これを第2本体部712に固定するためのカバー部材772および固定ねじ773とを備えている。
付勢部材771は弾性材料、例えばゴムや発泡ウレタン樹脂などの弾性樹脂材料で一体的に形成されており、比較的大径の円筒形状を有する大径部771aと、大径部771aの上部に突出し、より小径の円筒形状を有する小径部771bとを有している。大径部771aの直径はねじ穴712hの内径と同等またはこれより少し小さく、かつ外ねじ751の六角穴751cよりも大きい。一方、小径部771bの直径は、外ねじ751内面の雌ねじ751bの内径と同等またはこれより少し小さく、かつ内ねじ752の六角穴752bよりも大きい。
大径部771aの高さは、突出部712gの下面から外ねじ751の下端までの距離よりも大きい。また、大径部771aの上面から起算した小径部771bの高さは、外ねじ751の下端から内ねじ752の下端までの距離よりも大きい。このため、大径部771aは外ねじ751の下端に対し弾性的に当接し、かつ内径部771bは内ねじ752の下端に対し弾性的に当接する。したがって、大径部771aは外ねじ751を第2本体部712側に付勢し、同時に小径部771bは内ねじ752を第2本体部712側に付勢する。これにより、スリットノズル71の振動等により外ねじ751および内ねじ752が緩んで吐出口715の開口寸法が変動するのを防止することができる。
なお厳密には、外ねじ751および内ねじ752の下端位置は、開口調整の結果によって変化する。しかしながら、実際の開口調整における外ねじ751の基準位置からの上下方向における最大の変位量は、例えば1ミリメートル程度である。したがって、付勢部材771の弾性変形による伸縮のストロークが例えば数ミリメートルあれば、外ねじ751および内ねじ752の位置変動に追随してこれらを固定することが十分に可能である。
図6(b)に示すように、付勢部材771はカバー部材772に取り付けられている。カバー部材772は、水平な平板状の水平部772aと鉛直の平板状の鉛直部772bとが組み合わされて断面が略L字型を有する金属アングルである。水平部772aの上面に付勢部材771が取り付けられる。1つの付勢部材771に対して1つのカバー部材772を設けてもよいが、図6(b)に示すように1つのカバー部材772に複数の付勢部材771を一括して取り付けておくことで、固定機構77をノズル本体710に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
カバー部材772の鉛直部772bには、固定ねじ773を通すための貫通孔772cが設けられている。図6(a)に示すように、第2本体部712の突出部712gの側面には雌ねじ712mが形成されている。付勢部材771がねじ穴712hに挿入された状態で、カバー部材772が固定ねじ773により第2本体部712に固結される。こうして固定機構77が第2本体部712に固定される。このとき、付勢部材771は外ねじ751および内ねじ752のそれぞれを上向きに付勢した状態を維持する。
カバー部材772は第2本体部712の下面に固定される構造であってもよいが、上記のように側面から固定ねじ773の着脱を行えるようにする方が、作業性の点で有利である。
図7は本実施形態における開口調整作業の内容を示すフローチャートである。この作業は、装置の初期調整時や定期的なメンテナンス作業時など、適宜のタイミングでオペレータにより実施される。各調整ねじ75が適宜の初期状態に設定された状態で(ステップS101)、ノズル71から塗布液を吐出させてテスト用基板に塗布する試し塗布を行う(ステップS102)。こうして形成された塗布膜の膜厚を膜内の各位置で計測し(ステップS103)、適正な膜厚が得られていれば(ステップS104においてYES)、その状態で調整ねじ75を固定するために固定機構77を取り付けて調整作業は終了する(ステップS105)。
一方、膜厚が適正でない箇所がある場合には(ステップS104においてNO)、当該位置に対応する調整ねじ75を操作することで、吐出口715の開口寸法を調整する(ステップS106)。そして、再度試し塗布を行って膜厚測定を行い(ステップS102、S103)、調整結果を確認し必要であれば開口寸法の再調整を行う(ステップS106)。これを繰り返すことで、最終的に均一な膜厚を有する一様な塗布膜を形成するための開口調整が終了する。
調整終了後には固定機構77によって各調整ねじ75が固定されるので、塗布動作中の振動、温度による緩みや清掃作業の際にオペレータが触れること等による調整ねじ75の変位が防止され、調整結果が維持される。その結果、この実施形態の塗布装置1では、膜厚が均一で一様な塗布膜を安定的に形成することが可能である。全ての調整ねじ75の調整が済んだ後に固定機構77を取り付けるようにすることで、複数の付勢部材771を1つのカバー部材772に取り付けておきそれらを一括してノズル本体710に取り付けることができる。これにより、固定機構77の取り付け作業を効率化することができる。
なお、固定機構77がノズル本体710に取り付けられた状態から開口調整を行う場合には、ステップS101に先立って、固定機構77の取り外しが必要となる。この場合において、複数の固定機構77については、そのうち再調整の必要な箇所のものだけが取り外されてもよく、また全てが取り外されてもよい。
図8は付勢部材の他の実施形態を示す図である。上記実施形態の付勢部材77は弾性樹脂により形成されているが、他の弾性体を用いることもできる。図8に示す実施形態は弾性体としてコイルばねを使用したものである。図8(a)に示すように、この実施形態の付勢部材775は、直径が比較的大きい大径部775aと、より直径の小さい小径部775bとを有するコイルばねである。
図8(b)にその断面構造を示すように、大径部775aと小径部775bとが、直径の異なる2つのばねによって実現されていてもよく、また図8(c)に示すように、途中で直径が変化する単一のコイルばねによって実現されていてもよい。このような構成によっても、上記実施形態と同様に、大径部775aが調整ねじ75の外ねじ751を、小径部775bが内ねじ752をそれぞれ上向きに付勢し、これらを固定することが可能である。
以上説明したように、上記実施形態においては、第1リップ部711cと第2リップ部712cとが本発明の「1対のリップ部」を構成している。また、互いに対向する第1本体部の第1平坦面711aと第2本体部の第2平坦面712aとが、本発明の「対向面」に相当している。また、第2本体部712に設けられた溝712fが本発明の「溝」に相当している。
そして、調整ねじ75および固定機構77が一体として本発明の「調整機構」として機能している。また、カバー部材772が本発明の「固定部材」として機能している。また、付勢部材771,775の大径部771a,775aが本発明の「外側当接部位」に相当し、小径部771b,775bが本発明の「内側当接部位」に相当している。
また、上記実施形態の塗布装置1は本発明の「基板処理装置」に相当するものであり、入力コンベア100、入力移載部2、浮上ステージ部3、出力移載部4、出力コンベア110、基板搬送部5等が一体として本発明の「相対移動機構」を構成している。また、塗布液供給機構8が、本発明の「液体供給部」として機能している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態の付勢部材771は、大径部771aと小径部771bとが弾性樹脂により一体的に形成されている。これに代えて、図8(b)に示すコイルばねの構成例と同様に、大径部771aと小径部771bとが個別の部材として形成されていてもよい。
また例えば、上記実施形態の付勢部材771は、1つの調整ねじ75に対応して1つずつ独立した構造となっているが、複数の付勢部材771が一定間隔で相互に連結された構造に形成されていてもよい。また、上記実施形態のカバー部材772は、複数の(上記例では4つの)付勢部材771の並びに対応する長さのものがY方向に複数配列されているが、1つの固定部材が全ての付勢部材を一括して押さえる構造であってもよい。
また、上記実施形態の付勢部材は弾性樹脂またはコイルばねにより形成されているが、調整ねじ75を弾性的に付勢するものであればよく、これらに限定されるものではない。例えば弾性体として板ばね、空気ばね等を用いてもよい。
また例えば、上記実施形態では、第2本体部712の側面に溝712fを設け、下方から取り付けられた調整ねじ716により吐出口715の開口寸法を調整している。しかしながら、これに限定されず、他の方式で開口寸法を調整する構成であってもよい。例えば、ノズルの下面に溝を設け、水平方向に設けた調整ねじでノズルを弾性変形させ開口寸法を増減するようにしてもよい。この場合、付勢部材を固定する固定部材としては、より単純な構造、例えば平板状のものを用いることができる。
また例えば、上記実施形態では、調整ねじとして、開口寸法を広げる方向および狭める方向のいずれに対しても能動的に作用する差動ねじを用いているが、例えば予め広めに設定された開口寸法を縮める、あるいは逆に予め狭く設定された開口寸法を広げるというように一方向のみの調整機能を有する調整ねじによっても、適切な開口寸法の調整は可能である。この場合にも、機械的振動等に起因して調整ねじの緩みが生じるおそれがあるため、上記実施形態のような固定機構を設けることが有効である。
また、上記実施形態のスリットノズル71は、互いに対向する第1リップ部711cと第2リップ部712cとのうち、第2リップ部712cが設けられた第2本体部712に溝712fが設けられている。これに加えて、第1本体部711にも溝を設け、第1リップ部711cと第2リップ部712cとの両方で開口調整を行う構成としてもよい。
また、上記実施形態ではスリットノズル71の下方で基板Sを搬送することでスリットノズル71と基板Sとの相対移動が実現されている。しかしながら、これらの相対移動の実現方法は上記に限定されない。例えばステージ上に保持された基板に対しスリットノズルが走査移動する構成においても、本発明は有効に機能する。また、基板の搬送形式は上記のような浮上式のものに限定されず、例えばローラ搬送、ベルト搬送、移動ステージによる搬送など各種のものを適用可能である。
さらに、上記実施形態では、基板Sの表面Sfに塗布液を供給する塗布装置1に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、スリットノズルに処理液を送給することで当該スリットノズルから基板の表面に処理液を供給しながらスリットノズルに対して相対的に移動させて所定の処理を施す基板処理技術全般に適用可能である。
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、本発明に係るスリットノズルにおいて、調整機構は、ノズル本体に取り付けられて付勢部材を固定する固定部材を有する構成であってもよい。このような構成によれば、付勢部材がノズル本体の振動等によって脱落するのを防止し、調整ねじを確実に固定しておくことができる。
この場合、一の固定部材が、複数の調整ねじの各々に対応する複数の付勢部材を一括して固定するようにしてもよい。このような構成によれば、1つの調整ねじごとに付勢部材および固定部材を取り付けるよりも高い作業効率で取り付けを行うことが可能となる。
また例えば、調整ねじは、軸心が中空となった筒状構造を有し、外面に雄ねじが形成される一方、内面に雄ねじと同軸で雄ねじよりピッチの小さい雌ねじが形成された外ねじと、外面に雌ねじと螺合する雄ねじが形成され、外ねじの中空部分に挿通された内ねじとを有する差動ねじであってもよい。このような構成によれば、差動ねじの原理に基づき、開口寸法の微調整を容易に行うことができる。
この場合、付勢部材は、外ねじに弾性的に当接する外側当接部位と、外側当接部位から突出して内ねじに弾性的に当接する内側当接部位とを有していてもよい。このような構成によれば、外ねじと内ねじとの両方に付勢力を与えることで、その変位を確実に防止することができる。
また例えば、付勢部材は、弾性樹脂材料により形成されてもよく、またコイルばねにより形成されてもよい。これらの弾性体を用いて、適度の付勢力を生じさせる付勢部材を構成することが可能である。
また、本発明に係る基板処理装置は、基板の表面に、処理液による一様な塗布膜を形成するものであってもよい。スリットノズルを用いて一様な塗布膜を形成する場合においては、吐出口の長手方向における各位置で吐出量が異なり、これによって塗布膜の厚さにばらつきが生じることがある。このような装置に本発明を適用することにより、吐出口の開口寸法の変動を抑制し、その全域にわたって一様な塗布膜を形成するための条件を安定的に維持することが可能となる。
この発明は、スリット状の吐出口を有するスリットノズルおよび当該スリットノズルを用いて基板に塗布液を塗布する基板処理装置全般に適用可能である。
1 塗布装置(基板処理装置)
2 入力移載部(相対移動機構)
3 浮上ステージ部(相対移動機構)
4 出力移載部(相対移動機構)
5 基板搬送部(相対移動機構)
8 塗布液供給機構(液体供給部)
71 スリットノズル
75 調整ねじ(差動ねじ、調整機構)
77 固定機構(調整機構)
100 入力コンベア(相対移動機構)
110 出力コンベア
710 ノズル本体
711 第1本体部(ノズル本体)
711a 第1平坦面(対向面)
711c,712c リップ部
712 第2本体部(ノズル本体)
712a 第2平坦面(対向面)
712f 溝
712h ねじ穴
715 吐出口
751 外ねじ
752 内ねじ
771 付勢部材
772 カバー部材(固定部材)

Claims (7)

  1. 平坦な対向面を各々が有する1対のリップ部が、前記対向面同士がギャップを隔てて対向するように配置されてスリット状に開口する吐出口を形成するノズル本体と、
    前記1対のリップ部を相対的に接近方向および離間方向に変位させて前記吐出口の開口幅を調整する調整機構と
    を備え、
    前記1対のリップ部の少なくとも一方において、前記対向面からみて他方の前記リップ部とは反対側の面に、前記吐出口の長手方向と平行な方向に沿った溝が設けられており、
    前記調整機構は、
    前記長手方向に沿って複数配列され、各々が前記溝の深さ方向と交わる方向に前記溝を跨いで前記ノズル本体に螺合されて、前記溝の幅を増減するように前記ノズル本体を変形させることにより前記開口幅を調整する調整ねじと、
    弾性体により形成され、前記ノズル本体に対し着脱可能に設けられて前記複数の調整ねじを前記ノズル本体側に向けて付勢する付勢部材と、
    前記ノズル本体に着脱可能に取り付けられて、前記付勢部材を固定する固定部材と
    を有し、
    前記調整ねじは、外ねじと前記外ねじの中空部分に挿通された内ねじとを有する差動ねじであり、
    前記付勢部材は、比較的大径の円筒形状に形成され端部が前記外ねじに弾性的に当接する外側当接部位と、前記外側当接部位と一体的に前記外側当接部位の前記端部から突出して設けられ、前記外側当接部位よりも小径の円筒形状で端部が前記内ねじに弾性的に当接する内側当接部位とを有する、スリットノズル。
  2. 一の前記固定部材が、複数の前記調整ねじの各々に対応する複数の前記付勢部材を一括して固定する請求項1に記載のスリットノズル。
  3. 前記差動ねじは、
    軸心が中空となった筒状構造を有し、外面に雄ねじが形成される一方、内面に前記雄ねじと同軸で前記雄ねじよりピッチの小さい雌ねじが形成された前記外ねじと、
    外面に前記雌ねじと螺合する雄ねじが形成され、前記外ねじの中空部分に挿通された前記内ねじと
    を有する、請求項1または2に記載のスリットノズル。
  4. 前記付勢部材は弾性樹脂材料により形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のスリットノズル。
  5. 前記付勢部材はコイルばねにより形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のスリットノズル。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のスリットノズルと、
    前記スリットノズルの前記吐出口と対向させて基板を配置するとともに、前記スリットノズルと前記基板とを前記長手方向と交わる方向に相対移動させる相対移動機構と、
    前記スリットノズルに処理液を供給する液体供給部と
    を備え、前記吐出口から吐出した前記処理液を前記基板の表面に塗布する基板処理装置。
  7. 前記基板の表面に、前記処理液による一様な塗布膜を形成する請求項に記載の基板処理装置。
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