<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。
図2に示すように、遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられた前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、裏パックユニット15に設けられた払出装置96より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
前扉枠14において下皿72の右方には、発射ハンドル60が設けられている。発射ハンドル60が操作されることにより、内枠13において遊技領域PEの下方に設けられた遊技球発射機構53から遊技領域PEに向けて遊技球が発射される。この場合、発射ハンドル60の回転操作量を変更することで、遊技領域PEに向けて発射される遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いが変更される。本パチンコ機10では、発射ハンドル60が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。
遊技領域PEは、内枠13に搭載された遊技盤24に形成されている。以下、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24は板状をなしており、その表面(前面)には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられている。これら内レール部51及び外レール部52によって区画されるようにして遊技領域PEが形成されている。また、これら内レール部51及び外レール部52により遊技領域PEへの遊技球の誘導レール54が構成され、遊技者が発射ハンドル60を回転操作したことにより遊技球発射機構53から発射された遊技球は上記誘導レール54によって遊技領域PEの上部に案内される。
誘導レール54は、その出口部分が遊技領域PEの一方の側部において遊技領域PEの上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル60の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域PEの上部における遊技球の到達位置は、誘導レール54の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レール54の出口部分は、遊技領域PEの左側の側部に設けられている。
遊技盤24において遊技領域PEとして区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,第1作動口33,第2作動口34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等の他、可変入賞装置302を備える可変入賞ユニット301が設けられている。
一般入賞口31、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35及び可変入賞装置302への入球が発生すると、それぞれ対応させて設けられている検知センサ(一般入賞口用入賞センサ31a、第1作動口用入賞センサ33a、第2作動口用入賞センサ34c、スルー用入賞センサ35a、大入賞口用入賞センサ302a)により検知される。そして、一般入賞口31、第1作動口33、第2作動口34及び可変入賞装置302への入球が発生すると、所定数の賞球の払い出しが実行される。
第1作動口33への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、第2作動口34への入球が発生した場合には2個の賞球の払い出しが実行される。また、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置302への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。ちなみにスルーゲート35への入球が発生しても賞球の払出はなされない。
なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口33に係る賞球個数よりも第2作動口34に係る賞球個数を多くしてもよいし、両作動口33,34の賞球個数が同じであってもよい。また、可変入賞装置302に係る賞球個数を作動口33,34に係る賞球個数よりも少なくしてもよいし、両作動口33,34の賞球個数と同じであってもよい。但し、可変入賞装置302へ入賞することの優位性を保つためには、可変入賞装置302に係る賞球個数が作動口33,34に係る賞球個数よりも多いほうが好ましい。また、一般入賞口31に係る賞球個数を可変入賞装置302に係る賞球個数と同じ又はそれよりも多くしてもよい。
遊技盤24(遊技領域PE)の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。もちろんアウト口37に遊技球が入球しても賞球の払い出しはなされない。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されずに当該遊技領域PEの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35又は可変入賞装置302への遊技球の入球を、入賞とも表現する。なお、一般入賞口31、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35及び可変入賞装置302のうち、スルーゲート35は、入賞した遊技球を再び遊技領域PEを戻すように構成されている一方、他の入賞部31,33,34,302は、入賞した遊技球を遊技盤24の背面側に導き、遊技領域PEに戻さない(他の入賞部やアウト口37に再度入らない)ように構成されている。
遊技領域PEには、当該領域PEの中央部を含むようにして可変表示ユニット36が設けられている。可変表示ユニット36の周辺には第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35が配置されている。第1作動口33は可変表示ユニット36の下方に配置され、第2作動口34及びスルーゲート35は可変表示ユニット36の右方に配置されている。第1作動口33は上向きに開放されている。
第2作動口34は前向きに開放されており、その大きさは複数個の遊技球が同時に入賞可能な大きさとなっている。第2作動口34には、当該作動口34の開口度合を変化させる電動役物34aとしての開閉扉が設けられている。電動役物34aは、その下部を支持側として前後方向に回動可能となっている。これにより、電動役物34aが前方に回動して第2作動口34を開放し、第2作動口34への入賞を許容する開放状態(サポート状態又はガイド状態)と、当該開放状態から後方に回動して第2作動口34を塞ぎ、第2作動口34への入賞を不可とする閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)とに切り替え可能となっている。
なお、必ずしも電動役物34aが閉鎖状態となった場合に第2作動口34への入賞が不可能となる必要はなく、開放状態に比べて入賞しにくい範囲で入賞可能となる構成としてもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで第2作動口34への入賞し易さが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。
開閉扉の取付位置は、電動役物34aが閉鎖状態である場合に開閉扉の前面が遊技盤24の前面と略面一又は当該前面よりも後方となるように設定されている。よって、電動役物34aが閉鎖状態になっている状況では、開閉扉の前方を遊技球が通過することが可能となっている。
ちなみに、第1作動口33については電動役物が設けられていない。すなわち、第1作動口33は、常に上方に開放して遊技球が入賞可能な状態となっている。第1作動口33における開口の大きさは、1個の遊技球が入賞可能な大きさとなっている。
スルーゲート35は、第2作動口34の上方に配置されている。スルーゲート35は通過型の入賞口として構成されており、スルーゲート35を通過した遊技球は、スルーゲート35の下方における遊技領域PEを引き続き流下可能となっている。つまり、スルーゲート35へ入賞した遊技球は、その後第2作動口34や可変入賞装置302にも入賞することが可能となっている。
可変表示ユニット36の右斜め下方(第2作動口34の下流側)には、可変入賞装置302を備える可変入賞ユニット301が配置されている。可変入賞装置302は、上方に開口する大入賞口303(図6(b)参照)を備えているとともに、当該大入賞口303を開閉するシャッタ304を備えている。シャッタ304は、通常は遊技球が大入賞口303に入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられる。可変入賞ユニット301及び可変入賞装置302については、後に詳細に説明する。
ここで、開閉実行モードとは、大当たりに当選した場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置302の開放態様としては、大当たりである場合は、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば10ラウンド)を上限として可変入賞装置302が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの左下側の外縁に沿って配設された装飾部材40に設けられている。装飾部材40は、遊技盤24の盤面から遊技機前方に延出している。より具体的には、装飾部材40の前面は、遊技領域PEを前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材40の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材40の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じて遊技機前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、装飾部材40の上面には、上述した複数の一般入賞口31が上方に開放された状態で設置されている。
メイン表示部43には、内部抽選の結果として開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおけるラウンドの回数を明示するためのラウンド表示部RSと、第1作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、第2作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際してラウンド回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、第1作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。第1作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、第2作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。第2作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
以下においては、第1作動口33への入賞を契機に変動表示される絵柄と、第2作動口34への入賞を契機に変動表示される絵柄とを区別すべく、前者を第1特別図柄又は第1特図といい、後者を第2特別図柄又は第2特図ということがある。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、第2作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
ここで、スルーゲート35への入賞に基づいて、役物用表示部44にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが、役物用表示部44における遊技回の1回に相当する。なお、スルーゲート35への入賞を契機に変動表示される絵柄を普通図柄又は普図ということがある。
また、役物用表示部44には普図保留数表示部FMが設けられている。普図保留数表示部FMは、スルーゲート35に対応している。遊技球がスルーゲート35に入賞した回数は最大4回まで保留され、普図保留数表示部FMの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
メイン表示部43における各結果表示部AS,BS及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
次に、可変表示ユニット36について説明する。可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41においても変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置302の大入賞口303の開放が10回行われることとなる10ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
また、図柄表示装置41には、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSに対応した保留表示が行われる。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留される。上記保留表示では、所定の保留用画像が表示され、その表示個数により各作動口33,34の保留個数が示されるようになっている。なお、保留個数は、上記保留用画像により示されるものに限定されず、数字表示により示されるものであってもよい。また、図柄表示装置41に限らず、例えば、遊技盤24上に設けた表示部や発光部(保留ランプ部)等により示される構成であってもよい。
可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム39が配設されている。センターフレーム39は、遊技盤24に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤24の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム39とガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
また、センターフレーム39が前方に延出していることにより、遊技領域PEにおいて遊技球が流下可能な領域が複数に区画されている。具体的には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット36の所定の高さ位置よりも上方の領域である上側領域PE1と、当該上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも左方の領域である左側領域PE2と、上側領域PE1に対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも右方の領域である右側領域PE3と、左側領域PE2及び右側領域PE3のそれぞれに対してその下方にて連続し可変表示ユニット36よりも下方の領域である下側領域PE4と、に区画されている。
これら各領域PE1~PE4のうちのどの領域を遊技領域が流下(通過)するかは、発射ハンドル60の回動操作量、すなわち、遊技球の発射勢によって定まる。具体的には、遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で、発射ハンドル60の回動操作を行った場合には、発射された遊技球が、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも左方に打ち出されやすくなる。この場合、遊技球は上側領域PE1→左側領域PE2→下側領域PE4の順で遊技領域PEを流下することとなる。
一方、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で発射ハンドル60の回動操作を行った場合には、発射された遊技球が、上側領域PE1において横方向の中央位置よりも右方に打ち出されやすくなる。この場合、遊技球は上側領域PE1→右側領域PE3→下側領域PE4の順で流下することとなる。つまり、発射ハンドル60の回動操作量を調整することで、遊技球が左側領域PE2を流下する左ルートで遊技するのか、それとも、遊技球が右側領域PE3を流下する右ルートで遊技するのかを、遊技者が選択することが可能となっている。
なお、基準回動量とは、左側領域PE2を遊技球が流下する割合と、右側領域PE3を遊技球が流下する割合とが同一又は略同一となる回動操作量であり、また、所定回動量とは、発射された遊技球が誘導レール54を通過して遊技領域PEに進入可能となる回動操作量である。第1範囲の回動操作量では、左側領域PE2を遊技球が流下する割合が高くなり、第2範囲の回動操作量では、右側領域PE3を遊技球が流下する割合が高くなる。
上述した第1作動口33については、左ルートを流下する遊技球が入賞可能となり(到達可能であり)、右ルートを流下する遊技球は入賞しない(到達しない)ように配置されている。一方、スルーゲート35、第2作動口34及び可変入賞装置302については、右ルートを流下する遊技球が入賞可能となり(到達可能であり)、左ルートを流下する遊技球は入賞しない(到達しない)ように配置されている。故に、第1作動口33への入賞を狙う場合には、遊技球が左ルートを流下するように遊技球を発射し、スルーゲート35、第2作動口34及び可変入賞装置302への入賞を狙う場合には、遊技球が右ルートを流下するように遊技球を発射する必要がある。すなわち、遊技者が都度の遊技状態に応じて遊技球の発射先(遊技球の流下経路)を選択することで、遊技を有利に進めることが可能となっている。なお、第1作動口33、第2作動口34及び可変入賞装置302のいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口37へと導かれ、アウト口37を通じて遊技領域PE外に排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92、排出通路盤88及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
排出通路盤88には、制御装置集合ユニット93と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット93によって塞がれている。各種入賞口31,33,34,302に入賞した遊技球やアウト口37に入球した遊技球は、遊技盤24の背面側で上記排出通路に導出される。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット93は、横長形状をなす取付台を有し、この取付台に払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とが搭載されている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル60の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<可変入賞ユニット301>
本実施の形態においては、開閉実行モードとなることで入賞が許容される上記可変入賞ユニット301及びそれに関連する構成が特徴的となっている。そこで以下、図4に加えて図5~図7を参照しながら、可変入賞ユニット301及びそれに関連する構成について詳細に説明する。図5は可変入賞ユニット301の正面図、図6は可変入賞装置302の斜視図、図7は可変入賞ユニット301の縦断面図である。
上述したように、遊技盤24の遊技領域PEには、遊技球が右側領域PE3及び下側領域PE4を流下する右ルートが形成されている。そして、遊技盤24において当該右ルートの途中位置となる箇所には、遊技盤24を厚さ方向に貫通する開口部67(図5(a))が形成されている。可変入賞ユニット301はベース体311を備えており、このベース体311を遊技機前方から開口部67に嵌め込むことで、可変入賞ユニット301が遊技盤24に取り付けられている。
ベース体311は、遊技盤24の前面と平行となるように形成され、その前方を遊技球が通過することが可能な平板部312と、平板部312の前面側に設けられ、当該平板部312から前方に膨出する膨出部313とを備えている。平板部312と膨出部313は一体形成されている。
膨出部313の前面部313aは、遊技機前後方向において窓パネル62と対向しており、上記前面部313aと窓パネル62との間の距離は、遊技球の直径よりも小さく設定されている。これにより、膨出部313の前方を遊技球が通過することが防止されている。ベース体311において膨出部313の右方には、上側流路形成部314が設けられている。上側流路形成部314は膨出部313に向けて下るように傾斜しており、その最下流部分(左端部314a)は膨出部313の右側上面部313cよりも若干上方に位置している。
平板部312からの膨出部313及び上側流路形成部314の前方突出量(膨出部313及び上側流路形成部314の奥行寸法)は、遊技球の直径よりも大きくなっている。つまり、膨出部313及び上側流路形成部314の上側には、遊技球が転動可能な球通路315が形成されている。
球通路315は、上側流路形成部314により形成される上流側通路316と、膨出部313により形成される下流側通路317とを有しており、各通路316,317の通路幅は同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できない大きさとされている。上流側通路316は上方に開放されており、右側領域PE3を流下する遊技球のうち第2作動口34に入賞しなかった遊技球の流入が許容されている。前述のように上側流路形成部314は、膨出部313に向けて傾斜しているため、上流側通路316に流入した遊技球は下流側通路317(膨出部313)に向けて案内される。
下流側通路317は横方向に延びており、その最下流部分が左方に開放されている。下流側通路317の先には上述したアウト口37が位置している。つまり、球通路315には、可変入賞ユニット301を通過した(素通りした)遊技球をアウト口に向けて案内する案内機能が付与されている。
下流側通路317は、膨出部313の上面部313b等からなる底部321と、平板部312からなる奥壁部322と、窓パネル62からなる前壁部とによって構成されている。そして、上記底部321の中間部分に、上方に開口する大入賞口303が形成されている。大入賞口303は下流側通路317に沿って左右に延びる横長の矩形状をなしている。大入賞口303の横方向寸法は遊技球の直径の2倍以上となっており、大入賞口303には複数個の遊技球が同時に入賞可能となっている。
この大入賞口303を上方から覆うようにして可動体としてのシャッタ304が配置されている。シャッタ304は、平板状をなしており、シャッタ304の左右両側に位置する膨出部313の上面部313bとともに下流側通路317の底部321を構成している。シャッタ304の横幅は、大入賞口303の略全体をシャッタ304により覆うことが可能なように、大入賞口303の横幅と略同一となっている。
シャッタ304は、ベース体311によって遊技盤24の厚み方向(前後方向)へのスライド移動が可能な状態で保持されている。つまり、シャッタ304は、遊技盤24(平板部312)の前面から遊技機前方に突出する突出位置と、突出位置から後方に退避し、遊技機前方への突出が抑えられた退避位置(後退位置)とに変位可能となっている。ベース体311には、シャッタ304の配置領域に対応して前後方向に貫通するスリットが形成されており、シャッタ304がこのスリットを通じて進退することで、上記突出位置と退避位置とのそれぞれに配置される。
シャッタ304が突出位置に位置する場合には、図6(a)に示すように、シャッタ304により大入賞口303が上方から覆われる。これにより、可変入賞装置302が閉鎖状態となり、下流側通路317を遊技球が通過しても大入賞口303に入賞できない状態となる。なお、シャッタ304の高さ位置は、当該シャッタ304が突出位置に位置する際、その上面部304aが膨出部313の上面部と略面一となるように設定されている。
一方、シャッタ304が退避位置に位置する場合には、図6(b)に示すように、大入賞口303の上方からシャッタ304が退避し、大入賞口303が上方に開放される。これにより、可変入賞装置302が開放状態となり、下流側通路317を通過する遊技球が大入賞口303に入賞可能となる。なお、本実施の形態では、閉鎖状態である場合に大入賞口303への遊技球の入賞を不可とする構成としているが、開放状態に比べて入賞しにくい範囲で入賞可能となる構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで大入賞口303への入賞しやすさが相違すればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。
図5(a)に示すように、可変入賞装置302には、シャッタ304を駆動する可変入賞駆動部324が設けられている。可変入賞駆動部324は、駆動源としてのソレノイドと、当該ソレノイドの駆動力をシャッタ304に伝達する駆動力伝達手段としてのリンク機構とを有している。ソレノイドは主制御装置81に電気的に接続されており、主制御装置81からの駆動信号に基づいて駆動する。ソレノイドが駆動することで、シャッタ304が突出位置から退避位置に後退し、可変入賞装置302が閉鎖状態から開放状態に切り換わる。主制御装置81からの駆動信号の出力が停止すると、付勢手段(ばね等)の付勢力によってシャッタ304が退避位置から突出位置に前進し、可変入賞装置302が開放状態から閉鎖状態に切り替わる。
図7(b)に示すように、ベース体311(膨出部313)には、大入賞口303に入った遊技球をベース体311(遊技盤24)の背面側に案内する第1案内通路325が形成されている。第1案内通路325の途中位置には、大入賞口303に入賞した遊技球を検知する大入賞口用入賞センサ302a(図11参照)が配置されている。大入賞口用入賞センサ302aは主制御装置81に電気的に接続されており、大入賞口用入賞センサ302aの検知領域を遊技球が通過した場合に所定の検知情報(検知信号)が主制御装置81に入力される。主制御装置81ではこの検知情報に基づいて大入賞口303への入賞の有無を判定する。
既に説明したように、遊技状態が開閉実行モードに移行した場合には、可変入賞装置302の開放期間が所定期間又は大入賞口303への遊技球の入賞個数が所定個数となるまで開放状態が維持されるラウンド遊技が実行され、当該ラウンド遊技はその実行数が上限数に達するまで繰り返される。よって、遊技者は、右ルートを流下するように遊技球を発射させることで、大入賞口303に多数の遊技球を入賞させ、多くの賞球を得る遊技を楽しむことができる。
しかしながら、特定の場合に開放する大入賞口303に遊技球を入賞させ、賞球を得るという遊技は多くのパチンコ機で同様に採用されているため、遊技者から見て新鮮味に欠けるおそれがある。このため、他のパチンコ機との差別化を図り、遊技者の遊技意欲を喚起する上で改善の余地がある。そこで、本実施の形態では、遊技状態が開閉実行モードに移行した場合に、大入賞口303に遊技球を入賞させるだけの遊技に留まらない遊技性を実現すべく、可変入賞ユニット301の構成が工夫されている。
以下、かかる構成について、図5~図7に加えて図8~図10を参照しながら詳細に説明する。図8は可変入賞装置302の一部拡大図、図9(a),(b)は閉鎖状態における可変入賞装置302及びその周辺構成の横断面図、(c)は(a)のA-A線断面図、(d)は(a)のB-B線断面図、図10(a)は開放状態における可変入賞装置302及びその周辺構成の横断面図、(b)はその斜視図である。
図5(a)に示すように、ベース体311(平板部312)においてシャッタ304の上側には、シャッタ304に隣接するようにして特定入球口331が形成されている。特定入球口331は、前方に開口しており、1個の遊技球が入球可能な大きさとなっている。特定入球口331の下部は下方に開放されており(図6(a))、上記スリット(シャッタ304の配置空間部)に連続している。すなわち、シャッタ304によって特定入球口331の底部が構成されている。特定入球口331は、下流側通路317の通路方向においてシャッタ304の中央部に配置されている。
図6(a)及び図8(a)に示すように、シャッタ304の上面部304aにおいて特定入球口331の前方となる位置には、突出部332が設けられている。突出部332はシャッタ304に一体形成され、シャッタ304の上面部304aから上方に突出している。突出部332は、シャッタ304の上面部304aにおける前部に配置されており、シャッタ304が突出位置に位置する(可変入賞装置302が閉鎖状態である)場合に、平板部312(下流側通路317の奥壁部322)との間を遊技球が通過可能となるように構成されている。すなわち、シャッタ304が突出位置に位置する状態で、突出部332と平板部312との距離D1(図8(a))が、遊技球の直径よりも大きくなるように、その配置位置及び前後寸法が設定されている。このため、図6(a)に示すように、上側流路形成部314によりシャッタ304側に案内された遊技球は、シャッタ304の上面部304aをそのまま左方向に流れ、アウト口37側へと導出されやすくなっている。
一方、シャッタ304が突出位置から退避位置に変位する(可変入賞装置302が閉鎖状態から開放状態に切り替わる)場合には、シャッタ304が後退することに伴い、突出部332が特定入球口331に接近する。このため、図8(a)の遊技球B1のように、突出部332が特定入球口331に接近する際に、突出部332と特定入球口331の間に位置していた遊技球については、突出部332との接触により遊技機後方側に押し出され、特定入球口331に誘導される。これにより、図6(b)及び図8(b)に示すように特定入球口331に遊技球が入球する。
これに対し、図8(a)の遊技球B2のように、シャッタ304の突出位置から退避位置への切り替わり時において、突出部332と特定入球口331の間に位置していない遊技球については、シャッタ304が後退することで支持を失い、下方に落下する。すなわち、図6(b)及び図8(b)に示すように大入賞口303に入賞する。
このように本実施の形態においてシャッタ304の上面部304aには、シャッタ304が突出位置から退避位置に切り替わる場合に、シャッタ304上の遊技球を遊技機後方側に誘導することが可能な第1領域333と、シャッタ304上の遊技球を下方に落下させることが可能な第2領域334とが設けられている。
ちなみに、シャッタ304が退避位置に位置している場合には、突出部332が特定入球口331のすぐ近くに位置し、特定入球口331の一部を塞ぐ状態になる。これにより、特定入球口331への遊技球の入球が不可とされる。よって、突出位置から退避位置への切り替わりが完了した状況で大入賞口303の上方に到達した遊技球は、特定入球口331に入球することができず、いずれも大入賞口303に入賞する。
一方、シャッタ304が突出位置に位置している状態(図6(a))では、特定入球口331への遊技球の入球が不可とされているわけではない。すなわち、距離D1(図8(a))が遊技球の直径以上であることで、基本的には特定入球口331への入球が発生しない構成となっているものの、例えば、シャッタ304上を移動する遊技球が突出部332に接触したり、遊技球同士が衝突したりした場合等には、遊技球の流下方向が変化し、特定入球口331への入球が発生し得る。
図9(a)に示すように、特定入球口331の後方には、平板部312の背面側に配置され、特定入球口331に入球した遊技球を案内する第2案内通路335が設けられている。第2案内通路335は、特定入球口331に入球した遊技球を遊技機後方側に案内する第1通路部335aと、第1通路部335aを通過した遊技球を横方向に案内する第2通路部335bと、第2通路部335bを通過した遊技球を遊技機前方側に案内する第3通路部335cとから構成されている。第3通路部335cの出口部336は、平板部312を厚み方向に貫通し、遊技機前方に開口している。すなわち、特定入球口331を通じて平板部312の背面側に移動した遊技球は、第2案内通路335を経て再び平板部312の前面側に誘導されるようになっている。
ここで、本実施の形態においてシャッタ304は、遊技機後方へ長く延びており、平面視において第2案内通路335の一部(第1通路部335a及び第2通路部335bの一部)と重複するように構成されている。そして、第2案内通路335のうちシャッタ304と重複する重複通路部337は、図9(c)に示すように、逆U字状断面をなしており、底のない状態となっている。すなわち、重複通路部337の底部はシャッタ304によって構成されている。
図9(a)に示すように、シャッタ304には、シャッタ304を厚み方向に貫通する貫通孔339が形成されている。貫通孔339は1個の遊技球が通過することが可能な大きさとなっている。この貫通孔339は、図9(b)に示すように、シャッタ304が突出状態である場合にシャッタ304において上記重複通路部337と重複する重複領域341の一部に配置されている。このため、シャッタ304が突出位置に位置する状況で重複通路部337(第1通路部335a)を通る遊技球は、貫通孔339を通じて下方に落下する。図7(a)に示すように、第1案内通路325の後方には縦通路342が設けられており、貫通孔339から落下した遊技球は、当該縦通路342を通って上述した排出通路盤88に導出される。すなわち、遊技領域PE外に排出される。
ちなみに、特定入球口331と貫通孔339との間、及び、縦通路342を含む貫通孔339と排出通路盤88との間の通路領域には、特定入球口331への遊技球の入球を検知する構成が設けられていない。つまり、貫通孔339から落下する遊技球に対しての賞球はなく、当該遊技球はアウト球として扱われる。
ここで、図9(b)に示すように、貫通孔339は、重複領域341において、シャッタ304が突出状態から退避位置に移動する場合のシャッタ移動方向側の端部寄りに配置されている。このため、図10(a)に示すように、シャッタ304が突出位置から後退して退避位置に配置される状態では、貫通孔339の位置が重複通路部337に対して後方にずれる。これにより、貫通孔339が重複通路部337の下方に位置しないものとなり、重複通路部337の全体においてシャッタ304により底が形成された状態となる。
このため、図10(a)、(b)に示すように、シャッタ304が退避位置に配置される状況で重複通路部337(第1通路部335a)を通る遊技球は、貫通孔339から落下することなく第2案内通路335の奥側に進み、第2案内通路335のうちシャッタ304と重複しない非重複通路部338へと到達する。図9(d)に示すように、非重複通路部338には底部338aが形成されており、シャッタ304とは無関係に遊技球が通過可能となっている。よって、非重複通路部338へと至った遊技球は、第3通路部335cの出口部336に導出され、当該出口部336から平板部312の前面側に排出される。
なお、ベース体311の平板部312は透明性を有しており、平板部312の背面側を遊技機前方から視認可能となっている。また、第2案内通路335についても透明性を有しており、第2案内通路335内を通る遊技球の流れを上記平板部312を通して遊技機前方から視認可能となっている。このため、特定入球口331に入球した遊技球が貫通孔339から落下したのか、それとも落下せずに第2案内通路335の奥側に進んだのかを遊技者が目視することが可能となっている。
この場合、必ずしも第2案内通路335の全体を遊技機前方から視認可能とする必要はなく、第2案内通路335の少なくとも一部において当該通路335内を移動する遊技球を遊技機前方から視認可能な構成であればよい。すなわち、上記一部に対応する領域において平板部312や第2案内通路335が透明化される構成であってもよい。
また、縦通路342と第2案内通路335(とくに第3通路部335c)とは、遊技機前方からの正面視において前後に重ならないように配設されている。これにより、遊技機前方から遊技球が見えた場合に、その遊技球がどちらの通路を通っているのかを判別しやすくなっている。なお、第2案内通路335の一部で当該通路335内を移動する遊技球が視認できる構成にあっては、少なくとも当該視認できる領域又は当該領域の少なくとも一部において縦通路342と第2案内通路335(第3通路部335c)とが重ならない構成であればよい。
さらに、第2案内通路335と第1案内通路325(図7(b))とについても、遊技機前方からの正面視において前後に重ならないように配設されている。これにより、大入賞口303に入賞した遊技球により、特定入球口331に入球した遊技球の視認性が低下することが抑制されている。第2案内通路335と第1案内通路325との関係についても、必ずしも第2案内通路335の全体で第1案内通路325と重ならない構成とする必要はなく、第2案内通路335の一部で当該通路335内を移動する遊技球が視認できる構成にあっては、少なくとも当該視認できる領域又は当該領域の少なくとも一部において第2案内通路335と第1案内通路325とが重ならない構成であればよい。
図5(a)に示すように、ベース体311の前面側において出口部336の下方には振分装置345が配置されている。図5(b)に示すように、振分装置345には、出口部336から排出された遊技球が流入可能な振分用入口部346と、振分用入口部346に流入した遊技球を振り分ける振分通路347とが設けられている。
振分通路347は、その途中位置にて第1分岐通路348と第2分岐通路349とに分岐しており、これら各分岐通路348,349の分岐部には、遊技球を第1分岐通路348及び第2分岐通路349に交互に振り分ける振分部材351が設けられている。振分部材351は、分岐部に到達した遊技球を第1分岐通路348へ案内する第1案内状態と第2分岐通路349へ案内する第2案内状態とに切り替わり可能となっている。
振分部材351は、遊技球を案内したことに基づいて一方の案内状態から他方の案内状態に切り替わる構成となっており、振分用入口部346に流入した遊技球を、第1分岐通路348と第2分岐通路349とに交互に振り分ける。なお、振分装置345の前面部は透明性を有しており、振分装置345内の遊技球の流れを遊技機前方から視認可能となっている。
図5(a)に示すように、第1分岐通路348の出口部348aの下方には、特定通過部としてのVゲート353が配置されている。Vゲート353は通過型の入賞口として構成されており、Vゲート353の下方における遊技領域PEを引き続き流下可能となっている。このVゲート353には、当該Vゲート353への遊技球の入賞(通過)を検知するVゲート用入賞センサ353a(図11参照)が設けられている。Vゲート用入賞センサ353aは主制御装置81に電気的に接続されており、Vゲート用入賞センサ353aの検知領域を遊技球が通過すると、Vゲート用入賞センサ353aからの検知情報(検知信号)が主制御装置81に入力される。主制御装置81ではこの検知情報に基づいてVゲート353への入賞の有無を判定する。
本実施の形態においては、Vゲート353を遊技球が通過することにより、開閉実行モード終了後の抽選モードが高確率モードへ移行する構成となっている。なお、Vゲート353への入賞に対する賞球の払い出しはなされない。
ベース体311においてVゲート353及び振分装置345の下方には、アウト口37に向けて左下がりに傾斜した下側流路形成部361が設けられている。下側流路形成部361はベース体311の平板部312から遊技機前方に突出しており、上側流路形成部314と同様に、その前方を遊技球が通過できない構成となっている。Vゲート353を通過した遊技球は、下側流路形成部361によってアウト口37側に導出される。また、振分装置345における第2分岐通路349の出口部349aから排出された遊技球についても、下側流路形成部361によってアウト口37側に導出される。
振分装置345の右方において下側流路形成部361と上側流路形成部314との間には、右側壁部362が形成されている。右側壁部362はベース体311の平板部312から遊技機前方に突出しており、上側流路形成部314と同様に、その前方を遊技球が通過できない構成となっている。また、上側流路形成部314は、当該流路形成部314の左端部314aと膨出部313の右側上面部313cとの隙間363が遊技球の直径未満となるように、膨出部313との位置関係が設定されている。これにより、第2案内通路335を経由しない限り、上側流路形成部314の下方領域に遊技球が進入できない構成となっている。つまり、特定入球口331に入球した遊技球のみが振分装置345(Vゲート353)に入球することが可能となっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図11のブロック図に基づいて説明する。
主制御基板111には、MPU112が搭載されている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU112に対してROM113及びRAM114が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU112には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU112の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板115及び払出制御装置97が接続されている。この場合に、停電監視基板115には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU112には停電監視基板115を介して電力が供給される。
また、MPU112の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、一般入賞口31、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変入賞装置302、Vゲート353への入賞を検知する一般入賞口用入賞センサ31a、第1作動口用入賞センサ33a、第2作動口用入賞センサ34c、スルー用入賞センサ35a、大入賞口用入賞センサ302a、Vゲート用入賞センサ353a等が設けられている。MPU112では、これら各種センサ31a,33a,34c,35a,302a,353aの検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)等を行う。また、MPU112では、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
MPU112の出力側には、停電監視基板115、払出制御装置97及び演出制御装置82等が接続されている。払出制御装置97には、例えば、賞球が払い出されることに対応する賞球対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、演出用の各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置81と電気的に接続されている。
また、MPU112の出力側には各種駆動部として、電動役物駆動部34b、可変入賞駆動部324が接続されている。主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU112は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、開閉実行モードへの移行が発生すると、シャッタ304の動作制御が行われるようにMPU112において可変入賞駆動部324の駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU112において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU112においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置302の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。そして、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU112において役物用表示部44の表示制御が実行される。
さらには、MPU112の出力側に外部出力端子99が接続されており、この外部出力端子99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板115は、主制御基板111と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板111や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置98にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置81のRAM114に記憶保持用の電力が供給される。
また、電源及び発射制御装置98は遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。この場合、遊技球発射機構53は、遊技盤24の誘導レール54に向けて延びる発射レールと、上皿71に貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール54に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドと、を備えており、当該ソレノイドに対して電源及び発射制御装置98から駆動信号が供給されることで遊技球が発射される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、シフトコマンドや保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、開放コマンド、閉鎖コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242は、主制御装置81から受信する各種コマンドに基づいて、各種演出を実行するための処理を行う。受信したコマンドは、MPU242のRAM244に設けられたコマンド格納エリアに格納される。そして、その格納されたコマンドを解析等する処理を行い、各種演出を実行する。MPU242のROM243には各種テーブル記憶エリアが設けられており、また、MPU242のRAM244には各種フラグ格納エリアや各種カウンタエリアが設けられており、各種演出を実行する場合、これらのエリアを用いた処理を行うことが可能となっている。
MPU242の出力側には、前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
表示制御装置212は、プログラムROM273及びワークRAM274が複合的にチップ化されたMPU272と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM276と、ビデオRAM277とがそれぞれ搭載された表示制御基板271を備えている。
MPU272は、演出制御装置82から、保留表示制御を行うための保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、図柄の変動表示を行うための遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP275の制御(具体的にはVDP275に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM273は、MPU272により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM274は、MPU272による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM274の各エリアに記憶される。
VDP275は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP275はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP275は、MPU272、ビデオRAM277等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM277に記憶させる画像データを、キャラクタROM276から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM276は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM276には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM276を複数設け、各キャラクタROM276に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM273に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM276に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM277は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM277の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図12及び図13に基づいて説明する。図12は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図13は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図12(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図13(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図13(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数、大当たりや外れに対応する図柄の組合せなどは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が第2作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
<主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について図14を用いて説明する。
MPU112は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の演出内容の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図14に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1,C2,C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM114の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ114aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ114aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、情報記憶手段としての保留球格納エリア114bに格納される。
保留球格納エリア114bは、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報(判定用情報)に相当する。
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口33又は第2作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア114bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア113aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。各当否テーブルでは、低確率モード用の当否テーブルよりも高確率モード用の当否テーブルの方が大当たり当選となる確率が高くなるように乱数の値が設定されている。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
大当たり種別カウンタC2は、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。なお、本実施の形態では、大当たりの種類として10R大当たり結果の1種類のみが設定されている。
この10R大当たり結果は、ラウンド遊技が10回に亘って実行されるものである。ラウンド遊技とは、可変入賞装置302を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるため、開閉実行モードの実行中に可変入賞装置302が10回開放されるものとなる。
ここで、本実施の形態において高確率モードへの移行契機は、大当たり結果の種別に関係なく、開閉実行モードの実行中に遊技球がVゲート353(図5(a))を通過することとなっている。すなわち、開閉実行モードの実行中に遊技球がVゲート353を通過した場合には、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが高確率モードに移行する。この場合における高確率モードは、次の大当たりが発生するまで継続する。
また、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが高確率モードとなる場合には、第2作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードが高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)に移行する。この場合の高頻度サポートモードは、次の大当たりが発生するまで継続する。すなわち、抽選モードが高確率モードである間、サポートモードが高頻度サポートモードとなるように構成されている。
一方、開閉実行モードの実行中に遊技球がVゲート353を通過しなかった場合には、開閉実行モードの終了後、当否抽選モードが低確率モードに移行する。また、開閉実行モードの終了後、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。この場合の高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達すると終了し、高頻度サポートモードが終了した場合、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)に移行する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第2作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM113における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア113bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM113のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU112では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞ユニット301の開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図13の表示内容について具体的に説明すると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することが容易な又はできる低速変動表示に切り換わる。そして、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。その後、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、いずれかの有効ラインL1~L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間と、をMPU112において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の電役保留エリア114cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~190であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=191~250であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
MPU112では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM113の変動表示時間テーブル記憶エリア113cが用いられる。また、MPU112では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM113の停止結果テーブル記憶エリアが用いられる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU112にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU112では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU112により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種検知センサ31a,33a,34c,35a,302a,353aの状態を読み込み、これら各種検知センサ31a,33a,34c,35a,302a,353aの状態を判定して検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した各種検知センサ31a,33a,34c,302aにおいて遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置97に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、大入賞口用入賞センサ302aによって可変入賞装置302への入賞が検知されている場合には、対応する賞球個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート35への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア114cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア114cに格納する。また、演出制御装置82に対して、役物保留記憶数と対応する第3保留発光部47を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。作動口用の入賞処理では、各作動口33,34のいずれかに遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞に基づいて遊技球を払い出させる賞球コマンドを設定するとともに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行う。
情報取得処理では、遊技球が第1作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。第1作動口33に入賞している場合には、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報の数を把握し、その把握した数を第1始動保留記憶数RaNとしてセットする。一方、遊技球が第1作動口33に入賞していない場合には、遊技球が第2作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。第2作動口34に入賞している場合には、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の数を把握し、その把握した数を第2始動保留記憶数RbNとしてセットする。そしてこれらセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1増加するように更新する。そして第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納し、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、演出制御装置82に対して、始動保留記憶数と対応する第1保留発光部45又は第2保留発光部46を点灯させるための処理を実行する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS201にて外部信号出力処理を実行する。ステップS201の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、メイン表示部43における変動表示の設定等を行う。
ステップS203の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS204に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード等に移行する。なお、ステップS203の遊技回制御処理及びステップS204の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS205では、第2作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM114の電役保留エリア114cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM114に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板115において停電の発生が確認され当該停電監視基板115からMPU112のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。また、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS201~S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM114のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図17のフローチャートを参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに開閉実行モードフラグが格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303~ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306~ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS303~ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、第1結果表示部及び第2結果表示部の始動保留記憶数の合計である共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口33及び第2作動口34のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS305にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。ここで、変動開始処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
変動開始処理では、先ずステップS401にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、その時点での抽選モードが高確率モードであるか否かを示すフラグであり、当該フラグが格納されている場合、高確率モードであることを意味するものとなっている。
高確率モードでない場合には、ステップS402にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS403にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、第1実行エリアAE1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS402又はステップS403の処理の後は、ステップS404~ステップS410にて、今回の特図遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の特図遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれかで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。
具体的には、先ずステップS404にて、ステップS402又はステップS403における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS405~ステップS408において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS405では、RAM114に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグは遊技球が第2作動口34に入賞したことを示すフラグである。すなわち、本ステップは、大当たりの発生が第2作動口34への入賞を契機とするものであるか否かを判定するものとなっている。
第2結果表示部フラグが格納されていない場合、第1作動口33への入賞を契機として大当たり結果となったことを意味するところ、この場合には、ステップS406にて第1結果表示部用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値がいずれの大当たり結果の数値範囲に含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS407にて第2結果表示部用の振分テーブルを参照して振分判定を行う。具体的には、第1実行エリアAE1に格納されている大当たり種別カウンタC2の値がいずれの大当たり結果の数値範囲に含まれているかを判定する。
既に説明したように本実施の形態では、大当たり結果の種類が10R大当たり結果のみの1種類となっている。このことは、第1作動口33への入賞を契機として大当たり結果となった場合と、第2作動口34への入賞を契機として大当たり結果となった場合とのいずれにおいても同様である。よって、上記ステップS405~ステップS407の処理を省略してもよい。また、第1結果表示部用と第2結果表示部用とで共通の一の振分テーブルを設定し、上記ステップS404で大当たり発生であると判定した場合、上記一の振分テーブルを参照する構成としてもよい。
ステップS406又はステップS407の処理の後は、ステップS408にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに停止表示させる大当たり用の停止結果を設定する。一方、上記ステップS404にて否定判定した場合には、ステップS409に進み、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに停止表示させる外れ用の停止結果を設定する。
ステップS408又はステップS409の処理を実行した後は、ステップS410にて、今回の特図遊技回の変動表示時間を設定する。変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、ROM113に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択する。
続くステップS411では、変動表示時間の情報が含まれる変動用コマンドや、遊技結果(大当たり種別等)の情報が含まれる種別コマンドを設定する。設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該コマンドを受信することにより、その遊技回の演出を開始するように図柄表示装置41等の表示制御を実行する。
その後、ステップS412にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図17)の説明に戻り、ステップS302で肯定判定した場合、すなわち、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS306~ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM114の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、遊技回の開始に際して変動開始処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図15)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、変動開始処理の当否抽選の結果に基づいて設定された情報を特定し、その情報に対応した絵柄がメイン表示部43にて停止表示されるように当該メイン表示部43を制御する。
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、通常処理(図16)における、ステップS204の遊技状態移行処理について、図19~図20のフローチャート等を参照しながら説明する。
先ず、ステップS501では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS503にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。開閉実行モードへの移行に対応したものではない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モードの移行に対応したものである場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードの開始前において可変入賞ユニット301が閉鎖状態であることをチェックしたりする。また、開閉実行モードの開始処理では、開閉実行モードの開始に際して可変入賞ユニット301の開放を開始することなく待機するためのオープニング期間の設定処理を実行する。オープニング期間の設定処理では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタTに、ROM113に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。タイマカウンタTの値は、所定周期(例えば2msec周期、タイマ割込み処理が起動される度)で1ディクリメントされる。
続くステップS505では、ラウンド表示の開始処理として、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSにて今回実行する開閉実行モードのラウンド数(本実施形態ではいずれの大当たり結果でも「10」)が表示されるように制御する。
続くステップS506では、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
そして、ステップS507にて、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS501にて肯定判定をし、ステップS508に進む。ステップS508では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS509にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS601にて、可変入賞装置302が開放状態であり大入賞口303が開放されているか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部324の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口303が開放されていない場合には、ステップS602にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS603にてタイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマカウンタTの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でなく且つタイマカウンタTの値が「0」である場合には、ステップS604に進み、可変入賞装置302を開放状態とすべく可変入賞駆動部324を駆動状態とする。
続くステップS605では、ラウンドの開放時間の設定処理を実行する。開放時間の設定処理では、タイマカウンタTにラウンドの上限開放時間(上限開放期間)に相当する「15000」(30sec)を入力する。
続くステップS606では、各ラウンドの上限入賞個数の設定処理を行う。各ラウンドの上限入賞個数の設定処理では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCに上限入賞個数に相当する「10」を入力する処理を行う。
そして、ステップS607にて、開放コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、各ラウンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS601にて可変入賞装置302が開放状態である場合にはステップS608に進み、タイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合、ステップS609にて可変入賞装置302に遊技球が入賞したか否かを、大入賞口用入賞センサ302aの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS610にて入賞カウンタPCの値を1ディクリメントした後にステップS611にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本開閉処理を終了する。
ステップS608にてタイマカウンタTの値が「0」であり上限開放時間が経過した場合、又はステップS611にて入賞カウンタPCの値が「0」であり上限入賞個数の入賞が発生した場合には、ラウンドの終了条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS612にて可変入賞装置302を閉鎖すべく可変入賞駆動部324を非駆動状態とする。
続くステップS613ではラウンドカウンタRCの値を1ディクリメントしてラウンドカウンタRCの更新処理を実行する。続くステップS614では、ラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、ステップS615にてラウンドとラウンドとの間、すなわち可変入賞装置302を開放状態から閉鎖状態としてから、再び開放状態とするまでの閉鎖時間の設定処理を実行する。閉鎖時間の設定処理では、タイマカウンタTにラウンドとラウンドとの間の待機時間(インターバル)に相当する「1000」(2sec)を入力する処理を行う。
その後、ステップS616にて閉鎖コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。閉鎖コマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、ラウンド遊技のインターバルに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS614にて、ラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS617にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、タイマカウンタTに、ROM113に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS618にて、エンディングコマンドを設定した後に、本開閉処理を終了する。エンディングコマンドは、通常処理(図16)におけるステップS201にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
遊技状態移行処理(図19)の説明に戻り、ステップS509にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS510にて高確率モードへの移行用処理を実行する。
図21(a)のフローチャートに示すように、高確率モードへの移行処理では先ずステップS701にて、Vゲート用入賞センサ353aからの検知情報に基づいてVゲート353への遊技球の入賞(V入賞)が発生したか否かを判定する。Vゲート353への遊技球の入賞が発生したと判定した場合には、ステップS702にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確率モード移行用フラグをセットする。これにより、開閉実行モードの終了後に抽選モードを高確率モードに移行させるための設定がなされる。
なお、高確率モードへの移行用処理は、開閉実行モードの実行中である場合に限り実行されるため(図19のステップS501を参照)、ステップS701のV入賞が発生したか否かの判定処理は、開閉実行モードが実行中である場合においてのみ実行される。つまり、開閉実行モードの実行中にVゲート353を遊技球が通過した場合に限り、高確率モード移行用フラグがセットされる。よって、開閉実行モードが実行されていない期間にVゲート353を遊技球が通過しても、高確率モード移行用フラグがセットされることはない。すなわち、開閉実行モードの不実行期間はV入賞の無効期間となっている。
ステップS702の処理を実行した後、又はステップS701で否定判定した場合(V入賞が発生していないと判定した場合)には、高確率モードへの移行用処理を終了する。
図19に示すように、ステップS510の処理を実行した後は、ステップS511にてラウンドカウンタRCが「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、ステップS512にてエンディング用の待機時間が終了したか否かをタイマカウンタTにより判定する。エンディング用の待機時間が終了していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディング用の待機時間が終了している場合には、ステップS513にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理では、開閉実行モード後の当否抽選モード及びサポートモードの設定を行う。
具体的には、図21(b)のフローチャートに示すように、先ずステップS801にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに高確率モード移行用フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS801で肯定判定した場合には、ステップS802に進み、上記フラグ格納エリア114eに格納された高確率モード移行用フラグを消去するとともに、当該エリア114eに高確率モードフラグをセットする。これにより、抽選モードが高確率モードに移行する。
続くステップS803では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに高頻度サポートモードフラグをセットする。これにより、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する。ステップS802及びステップS803でそれぞれセットされた高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグは、次回の大当たり当選時におけるステップS504(図19)にて消去される。
上記ステップS801で否定判定した場合(高確率モード移行用フラグが格納されていないと判定した場合)には、ステップS804に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに高頻度サポートモードフラグをセットする。続くステップS805では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた遊技回数カウンタGCに「100」をセットする。この遊技回数カウンタGCは、サポートモードが高頻度サポートモードに移行している間、特図遊技回が実行される都度、1ずつ減算される。そして、遊技回数カウンタGCが「0」になることで、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにセットされた高頻度サポートモードフラグが消去される。すなわち、高頻度サポートモードが終了し、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。
ステップS803又はステップS805の処理を実行した後は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
遊技状態移行処理(図19)の説明に戻り、ステップS513の処理を実行した後は、ステップS514にてラウンド表示部RSの表示を終了するための処理を実行する。次いでステップS515にて開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、開閉実行モードへの移行や開閉実行モード中に使用した各種カウンタやフラグの消去を行う。
<遊技の流れについて>
次に、開閉実行モードが実行される場合の遊技の流れについて図4~図10、図22及び図23を参照しながら説明する。
可変入賞装置302(可変入賞ユニット301)は遊技球が右ルートを流下する場合にのみ入賞可能な位置に配置されている。よって、開閉実行モードの実行時において遊技者は、右ルートを流下するように遊技球を発射すると想定される。また、開閉実行モードが実行されると、シャッタ304が突出位置と退避位置とに切替制御され、可変入賞装置302が開閉される。
そして、可変入賞装置302が開放状態にある(シャッタ304が退避位置に配置される)状況で大入賞口303の上方領域(特定領域)に遊技球が到達すると、当該遊技球は大入賞口303に入賞する。その後、当該入賞に対応した賞球の払い出しが行われる。
また、図6(a)及び図8(a)に示すように、可変入賞装置302が閉鎖状態にある(シャッタ304が突出位置に配置される)状況でシャッタ304に遊技球が到達すると、当該遊技球はシャッタ304上を転動して横方向に進む。そして、シャッタ304の突出部332と特定入球口331との間(第1領域333)に遊技球が位置するタイミングで、シャッタ304が突出位置から退避位置に後退すると、突出部332が遊技球に当接する。
ここで、図22(a)に示すように、突出部332には、第1領域333上の遊技球と当接し、当該遊技球を押し出し可能な部位として、第1押出部371及び第2押出部372が設けられている。第1押出部371は、遊技球の当接面371aが特定入球口331側(遊技機後方)を向いており、当接した遊技球を特定入球口331側に押し出すように構成されている。一方、第2押出部372は、遊技球の当接面372aが特定入球口331側とは異なる方向(遊技機斜め後方)を向いており、遊技球を特定入球口331とは異なる領域に押し出すように構成されている。これら各押出部371,372の当接面371a,372aは、側面視において曲面により構成されており(図22(b))、その曲率は遊技球の曲率と同一又は略同一となっている。
第1押出部371は突出部332の左右中央部に配置され、第2押出部372は第1押出部371の左右両側に配置されている。このため、遊技球が突出部332の後方において突出部332の左右中央部に位置するタイミングでシャッタ304が後退した場合には、その遊技球は第1押出部371により特定入球口331に導かれ、特定入球口331に入球する。一方、遊技球が突出部332の左右いずれかに寄っているタイミングでシャッタ304が後退した場合には、その遊技球は第2押出部372により特定入球口331から左右に外れた領域に導かれ、特定入球口331に入球しない。
すなわち、突出部332に当接した遊技球のうち一部の遊技球のみが特定入球口331に入球するものとなっている。これにより、突出部332に遊技球が当接したからといって特定入球口331に入球するとは限らないものとなり、遊技者は遊技球が特定入球口331に入球するまで安心できないものとなる。つまり、特定入球口331に入球するか否かのドキドキ感を特定入球口331に入球するまで持続させることが可能になる。
本実施の形態では、第1押出部371(当接面371a)の面積が第2押出部372(当接面372a)の面積(左右の当接面372aの合計面積)よりも小さくなっている。このため、シャッタ304上の遊技球は、第1押出部371よりも第2押出部372に当接しやすく、突出部332に当接した遊技球が特定入球口331に入球しない確率は、入球する確率よりも高くなっている。
なお、第1押出部371の左右両側に第2押出部372が位置することで、突出部332において後部373よりも前側の部分は、第1押出部371よりも幅広となっている(W2>W1)。このため、遊技機前方からの正面視において突出部332は、第1押出部371(遊技球を特定入球口331に誘導する部分)よりも大きく見えるものとなっている。よって、遊技球が特定入球口331に誘導されやすい印象を遊技者に与えながらも、実際には見た目の印象よりも特定入球口331への入球難易度が高くなっている。これにより、特定入球口331への入球頻度を低く抑えながらも、見た目上、入りやすい印象を与え、遊技者の遊技意欲(特定入球口331への入球に対するチャレンジ意欲)を好適に喚起可能となっている。
また、突出部332(第1押出部371)の高さ寸法H1は、遊技球の直径D2の1/2より大きくも、直径D2よりも小さくなっている。高さ寸法H1を直径D2の1/2よりも大きくすることで、突出部332により遊技球を押し出す際、遊技球が突出部332を乗り越えて前方に落下することが抑制され、良好な押し出し動作を実現することが可能になる。一方、高さ寸法H1を直径D2よりも小さくすることで、遊技機前方からの正面視において突出部332を介して遊技球の少なくとも一部を視認可能となり、突出部332により遊技球の視認性が過度に妨げられることを抑制できる。
このような構成の下、第2押出部372と当接して特定入球口331から外れた領域に誘導された遊技球は、ベース体311の平板部312に衝突し、遊技機前方に弾かれて大入賞口303に入賞する。また、シャッタ304上の第2領域334(図8)に位置し、突出部332と当接しない遊技球(遊技球B2)についても、シャッタ304が後退することで大入賞口303に入賞する。
一方、第1押出部371と当接して特定入球口331に誘導された遊技球は、図8(b)に示すように、第2案内通路335に入って奥側へと進む。この際、図10(a)に示すように、シャッタ304の貫通孔339は、シャッタ304の後退に伴って第2案内通路335と重複しない位置に移動しており、第2案内通路335は、その全体において底が塞がった状態となっている。よって、第2案内通路335に進入した遊技球は、出口部336まで進んで遊技機前面側に排出され、振分装置345に入球する。
その後、振分装置345に入球した遊技球は、振分部材351(図6(b))により左右いずれかの分岐通路348,349に振り分けられる。図23(a)に示すように、遊技球が第1分岐通路348側に振り分けられた場合、その遊技球は第1分岐通路348の下方に設置されたVゲート353を通過する。その結果、主制御装置81によりV入賞が発生したと判定され(図20参照)、遊技者は、高確率モードで遊技する権利を獲得したことになる。この場合、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードで且つサポートモードが高頻度サポートモードである確変遊技状態に移行する。
ここで、本実施の形態では、振分装置345が遊技球を第1分岐通路348と第2分岐通路349とに交互に振り分ける構成となっている。このため、遊技球がVゲート353を通過した時点で遊技者の楽しみが終了するわけではなく、Vゲート353を通過させた後も、振分部材351の振分態様がどちらの態様で開閉実行モードが終了するかを楽しむことができる。
例えば、振分部材351が遊技球を第1分岐通路348側に振り分けた状態(次に入球した遊技球を第2分岐通路349側に振り分ける状態)で開閉実行モードが終了した場合には、次回の開閉実行モードで特定入球口331(振分装置345)に遊技球を2回入球させないと、遊技球が第1分岐通路348側に振り分けられず、Vゲート353を通過しない。一方、振分部材351が遊技球を第2分岐通路349側に振り分けた状態で開閉実行モードが終了した場合には、次回の開閉実行モードで特定入球口331(振分装置345)に1回入球させれば、遊技球が第1分岐通路348側に振り分けられ、Vゲート353を通過することになる。つまり、後者の方が前者よりも次回の開閉実行モードにおいてV入賞を発生させやすくなり、遊技者にとって有利となる。そして、後者の状態とするには、遊技球がVゲート353を通過した後、少なくとも1回は遊技球を特定入球口331(振分装置345)に入球させ、振分部材351の振分態様を切り替える必要がある。よって、Vゲート353の通過後も遊技球が特定入球口331に入球することを期待して遊技することができる。
なお、振分装置345の振分態様は交互に切り替えられるものに限定されない。例えば、第2分岐通路349側に2回振り分けた後、第1分岐通路348に1回振り分けるものでもよい。要は、予め定められた振分態様で振分装置345が遊技球を振り分け、次に振分装置345に遊技球が入球した場合にどこに振り分けられるのかを遊技者が予測又は把握することが可能なものであれば足りる。
一方、図23(b)に示すように、遊技球が第2分岐通路349側に振り分けられ、Vゲート353を通過することなく、アウト口37に入球した場合には、V入賞が発生しない。但し、開閉実行モードの実行期間中においては、特定入球口331に入球しやすい状態が継続されているため、仮に特定入球口331への1度の入球でVゲート353を通過させることができなくても、開閉実行モードが終了するまでは特定入球口331への入球(Vゲート353の通過)を目指して遊技することができる。
遊技球がVゲート353を通過しないまま開閉実行モードが終了した場合には、遊技者は高確率モードで遊技する権利を獲得できなかったことになる。この場合、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードで且つサポートモードが高頻度サポートモードである時短遊技状態に移行する。
次に、開閉実行モードが実行中ではない場合の遊技の流れについて図6及び図7を参照しながら説明する。ここでは、右ルートを流下させるように遊技球を発射させることが想定される状況(サポートモードが高頻度サポートモードである場合)を対象に説明する。
開閉実行モードが実行されていない場合、可変入賞装置302は閉鎖状態に維持され、シャッタ304は突出位置で停止している。かかる状況で、図6(a)に示すように、右打ちされた遊技球がシャッタ304に到達すると、当該遊技球はシャッタ304上を転動して横方向に進み、特定入球口331の前方を通過する。その後、膨出部313の左側上面部313b上を通って下方に落下し、アウト口37に導かれる。つまり、基本的に遊技球は特定入球口331に入球しない。
但し、遊技球がシャッタ304上を流れる際、突出部332に接触するなどしてその流下方向が変化し、特定入球口331に入球する場合がある。この場合に特定入球口331に入球した遊技球は、図7(a)に示すように、貫通孔339を通じて縦通路342に落下し、遊技領域PEから排出される。すなわち、開閉実行モードが実行されていない状況で特定入球口331に遊技球が入球したとしても、その遊技球はVゲート353を通過することができず、アウト球として扱われることになる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
上記構成では、当否抽選の結果が大当たりとなることに基づいて可変入賞装置302(大入賞口303)を開閉する開閉実行モードが実行される。よって、遊技者は、開閉実行モードが実行されることで、大入賞口303への入賞を発生させて賞球を獲得する遊技を楽しむことができる。加えて本構成では、シャッタ304の上面部304aにおいて、シャッタ304が突出位置(閉鎖位置)から退避位置(開放位置)に移動した場合に、シャッタ304上の遊技球を遊技機後方側に誘導する第1領域333と、シャッタ304上の遊技球を下方に落下させる第2領域334とが設けられている。そして、第1領域333により遊技機後方側に誘導された遊技球は特定入球口331に入球し、その後、当該遊技球がVゲート353を通過することで特典(確変遊技状態の移行)が付与される。このため、シャッタ304上での遊技球の位置を注視しつつ、遊技球が第1領域333に存在するタイミングでシャッタ304が突出位置から退避位置に移動することを期待する遊技を付与することができる。これにより、開閉実行モードの実行に際して大入賞口303への入賞が発生するか否かに留まらない遊技性を実現することができ、開閉実行モードが実行されるときの遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
また、本構成では、シャッタ304が突出位置から退避位置に移動する際に特定入球口331に入球しやすくなることから、可変入賞装置302における開閉の切り替わり時に特定入球口331への入球を発生させることを目指す遊技を付与することができる。一般に大入賞口303への入賞を発生させる遊技は、主として可変入賞装置302が開放状態である期間にて遊技を楽しむものとなるが、本構成ではさらに閉鎖状態から開放状態への切り替わり時においても特定入球口331への遊技を目指して遊技することができる。つまり、可変入賞装置302が開放状態である期間に留まらず、開放状態への切り替わり時も遊技を楽しむことができ、開閉実行モードの実行時における興趣性を高めることが可能になる。
その際、本構成では、可変入賞装置302が開放状態である状況で遊技球が到達すると、その遊技球が大入賞口303に流入する特定領域(シャッタ304により開閉される領域)を設け、上記切り替わり時において当該特定領域に遊技球が存在すると、その遊技球が特定入球口331に入球するように構成されている。すなわち、遊技者の注目すべき箇所が特定領域に集約されているため、視線移動を伴わずに大入賞口303への入賞と特定入球口331への入球との両方を把握することができる。よって、それらの入球の一方や両方の見逃しが抑制され、遊技しやすい構成とすることができる。
シャッタ304の上面部304a(第1領域333)に突出部332を設け、シャッタ304が突出位置から退避位置に移動する場合に、突出部332を上面部304a上の遊技球に当接させ、遊技機後方側に押し出すことで、特定入球口331に誘導する構成とした。この場合、シャッタ304上の遊技球を遊技機後方側に誘導する機能がシャッタ304と一体に構築され、退避位置に移動するシャッタ304の動きを利用して遊技球を特定入球口331へと誘導することができる。これにより、遊技機後方側への遊技球の誘導を可変入賞装置302の開閉の切り替わりに良好に連動させることができるほか、そのような構成を比較的簡単な構成によって実現することができる。
特定入球口331に入球した遊技球が流れる第2案内通路335を大入賞口303の後方に配置し、第2案内通路335を流れる遊技球が縦通路342側に移動するか、それとも、出口部336側に移動するかを、シャッタ304により振り分ける構成とした。これにより、開閉実行モードの実行に際して大入賞口303への入賞が発生するか否かだけでなく、第2案内通路335を流れる遊技球がどちらに振り分けられるのかを楽しむことができる。また、大入賞口303を開閉するシャッタ304及びその動きを利用して上記振り分けを行うことができ、当該振り分けを大入賞口303の開閉に良好に連動させることができるほか、第2案内通路335のための専用開閉体やその駆動手段を不要化して構成の簡単化を図ることもできる。
<変形例1>
本変形例では、複数の大当たり種別が設定され、それら各大当たり種別ごとに可変入賞装置302(シャッタ304)の開閉態様が設定されている点で上記第1の実施の形態と異なっている。以下、本変形例の構成について図24を参照しながら説明する。図24(a)は振分テーブルを説明するための説明図である。
振分テーブルは、当否抽選の結果が大当たりとなった場合に大当たり種別を振り分けるのに用いるテーブルである。図24(a)に示すように、大当たり種別として10R大当たり結果Aと、10R大当たり結果Bと、10R大当たり結果Cとが設定されている。これら各10R大当たり結果は、いずれも10回のラウンド遊技が実行される大当たり結果である。
本変形例では、開閉実行モードにおける可変入賞装置302の開閉制御の態様として、ラウンド遊技が開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置302の開閉回数が異なる第1開閉モードと第2開閉モードとが設定されている。ここで、図25を参照して各開閉モードについて説明する。
第1開閉モードは、上記第1の実施の形態にて説明したラウンド遊技と同様のものであり、図25(a)に示すように、1ラウンド分のラウンド遊技において1回の開放が行われ、その開放は所定時間(例えば30sec)が経過するまで又は大入賞口303への入賞個数が所定個数(例えば10個)となるまで継続される。
第2開閉モードは、図25(b)に示すように、1ラウンド分のラウンド遊技において複数回の開放が行われるものとなっており、本変形例では4回の開放が行われる。これら4回の開放のうち先の3回の開放381,382,383は、開放時間が相対的に短い短期間開放態様となっており、各開放は、開放の開始から第1時間が経過するまで継続される。本変形例では、第1時間を0.3secとしている。最後の4回目の開放387は、開放時間が相対的に長い長期間開放態様となっており、開放の開始から第2時間が経過するまで継続される。本変形例では、第2時間を27secとしている。
なお、1ラウンド分のラウンド遊技が開始(1回目の開放381が開始)されてからの大入賞口303への入賞個数が所定個数(例えば10個)に達した場合には、各開放381~383,387の途中であってもラウンド遊技が終了し、可変入賞装置302が閉鎖状態に切り替えられる。
上記第1の実施の形態にて説明したように、特定入球口331への入球は、シャッタ304が突出位置から退避位置に切り替えられるタイミング(可変入賞装置302が閉鎖状態から開放状態に切り替えられるタイミング)で発生しやすくなっている。このように各開放の開始時に特定入球口331への入球チャンスが発生するところ、シャッタ304の開閉回数が多い第2開閉モードでは、上記入球チャンスが多く発生することになる(本変形例では4回)。よって、第2開閉モードは、開閉回数が少ない第1開閉モードに比べ、特定入球口331への入球が発生しやすい開閉態様となっている。
ここで、第2開閉モードにおいて各開放381~383,387間の閉鎖時間(閉鎖384,385,386)は、遊技球の発射周期である0.6secよりも長い第3時間(例えば0.7sec)となっている。このため、可変入賞装置302が閉鎖している(シャッタ304が突出位置に位置している)期間において少なくとも1個の遊技球がシャッタ304の上面部304aに到達可能となっている。これにより、各開放381~383,387において、シャッタ304上に遊技球が存在しない状態でシャッタ304が閉鎖位置(突出位置)から開放位置(退避位置)に移動することが抑制されている。
また、先の3回の開放381~383の各開放時間(0.3sec)の合計(0.9sec)は、遊技球の発射周期(0.6sec)に対して大入賞口303の上限入賞個数(10個)を乗算した時間(6sec)よりも短くなっている。これにより、4回目開放387の実行前に上限入賞個数の遊技球が入賞してラウンド遊技が終了することが抑制され、4回分の開閉が略確実に実施されるようになっている。よって、遊技者の技量を問わず、誰でも4回(1ラウンド分のラウンド遊技で実施可能な最大の開閉回数)分の上記入球チャンスを享受することができる。
ちなみに、可変入賞装置302では、シャッタ304の上面部304aに遊技球が存在する状況でシャッタ304が閉鎖位置(突出位置)から開放位置(退避位置)に移動した際、特定入球口331に入球しなかった遊技球は、下方に落下して大入賞口303に入賞可能となる(図6(b))。つまり、可変入賞装置302の閉鎖期間中に上面部304aに到達した遊技球も大入賞口303に入賞可能であるため、かかる入賞球により上限入賞個数までの残り個数が減ることが想定される。この点を踏まえると、開放381~383の合計開放時間(0.9sec)と閉鎖384~386の合計閉鎖時間(2.1sec)との和(3sec)が上記乗算時間よりも短くなるようにすることが好ましい。
本変形例では、各開放381~383の開放時間を同じ時間としたり、遊技球の発射周期よりも短い時間としているが、それらの合計が上記乗算時間よりも短いものであれば、異なる時間としてもよいし、遊技球の発射周期よりも長い時間としてもよい。
さらに、第2開閉モードでは、4回の開放381~383,387の合計開放時間(30sec)が上記乗算時間よりも長くなっている。よって、第2開閉モードでは、上限入賞個数(10個)分の遊技球の入賞を期待することができる。なお、上限入賞個数分の遊技球の入賞を期待できる点については第1開閉モードの場合も同様である。
本変形例では、開放381~383,387の合計開放時間を第1開閉モードの開放時間と同じにしているが、上記乗算時間よりも長いものであれば異なる時間としてもよい。また、第2開閉モードの開放回数は4回に限定されず、第1開閉モードの開放回数よりも多い数であれば任意に設定することができる。また、第1開閉モードの開放回数は1回に限定されず、第2開閉モードの開放回数よりも少なければ複数回であってもよい。
図24(b)に示すように、大当たり種別が10R大当たり結果Aである場合には、1ラウンド目~10ラウンド目のラウンド遊技で、可変入賞装置302が第1開閉モードで駆動制御される。また、10R大当たり結果Bである場合には、1ラウンド目~9ラウンド目のラウンド遊技で可変入賞装置302が第1開閉モードで駆動制御され、最終ラウンドである10ラウンド目のラウンド遊技で可変入賞装置302が第2開閉モードで駆動制御される。また、10R大当たり結果Cである場合には、3ラウンド目、7ラウンド目及び10ラウンド目のラウンド遊技で可変入賞装置302が第2開閉モードで駆動制御され、残りの7ラウンド分のラウンド遊技で可変入賞装置302が第1開閉モードで駆動制御される。つまり、10R大当たり結果A、10R大当たり結果B、10R大当たり結果Cの順で、第2開閉モードが実施されるラウンド遊技の数が多くなり、確変遊技状態への移行しやすさでは10R大当たり結果Cが最も優遇されている。
図24(a)の振分テーブルでは、「0~99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち「0」~「39」が10R大当たり結果Aに対応し、「40」~「69」が10R大当たり結果Bに対応し、「70」~「99」が大当たり結果Cに対応している。すなわち、大当たり発生の契機となった始動入賞時(作動口33,34への入賞時)に取得された大当たり種別カウンタC2の値により、いずれの大当たり種別となるかが選択される。
そして、各大当たり種別に対応する開閉実行モードの実行中において特定入球口331への入球が発生した場合には、既に説明したように、遊技球が振分装置345に導かれ、Vゲート353を通過可能となる(図10、図23参照)。遊技球がVゲート353を通過した場合には、V入賞が発生し、開閉実行モードの終了後に遊技状態が確変遊技状態に移行する。
このように、特定入球口331への入球が発生しやすい第2開閉モードを設けるとともに、当該開閉モードで可変入賞装置302が駆動制御されるラウンド遊技の数が異なる複数種類の大当たり結果を設定した。これにより、どの大当たり結果に対応した開閉実行モードが実施されるかによって、確変遊技状態への移行しやすさに差異を生じさせることができ、興趣性を向上させることが可能になる。
また、1の開閉実行モードにおいて、第1開閉モードで可変入賞装置302が駆動制御されるラウンド遊技と、第2開閉モードで可変入賞装置302が駆動制御されるラウンド遊技とを設ける構成とした。このため、開閉実行モードにおいて確変遊技状態への移行権利を獲得しやすい期間(特定入球口331への入球が発生しやすい期間)と、そうではない期間とが生じ、遊技に抑揚を付けることが可能になる。
さらに、本構成では、確変遊技状態への移行権利の獲得しやすさ(V入賞の発生しやすさ)と、シャッタ304の開閉態様(動き)とが対応しているため、シャッタ304の動きによって上記移行権利の獲得しやすさを示唆することができる。つまり、シャッタ304が大入賞口303を開閉するためのものとして機能すると同時に、上記移行権利の獲得しやすさを演出する可動役物としても機能し、前者のみに留まる遊技機に比べて遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
<変形例2>
本変形例では、可変入賞装置の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。上記第1の実施の形態では、可変入賞装置302が閉鎖状態から開放状態に切り替わるタイミングで特定入球口331への入球が発生しやすく構成されているが、本変形例では、可変入賞装置302が開放状態から閉鎖状態に切り替わるタイミングで特定入球口331への入球が発生しやすい構成となっている。以下、本変形の構成について図26及び図27を参照しながら説明する。
図26は本変形例に係る可変入賞装置402及びその周辺構成を示す図、図27は可変入賞装置402の一部拡大図である。なお、これらの図において上記第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図26(a)に示すように、本変形例の可変入賞装置402では、シャッタ304の左側方においてシャッタ304に隣接して膨出部403が設けられている。膨出部403は、ベース体311の平板部312(図5)から前方に突出しており、その側部には、シャッタ304側に開口するようにして大入賞口404が設けられている。大入賞口404は1個の遊技球が入賞可能な大きさとなっている。ベース体311には、大入賞口404に入賞した遊技球をベース体311(遊技盤24)の背面側に案内する第1案内通路405が設けられ、第1案内通路405の途中位置には、大入賞口404に入賞した遊技球を検知する大入賞口用入賞センサが配置されている。
本変形例においてシャッタ304には、遊技球を上記大入賞口404に案内する案内機能が付与されている。具体的には、シャッタ304の上面部304aが大入賞口404の下端部と同じ高さとなるようにシャッタ304の高さ位置が設定され、シャッタ304上を移動する遊技球が大入賞口404に流入するように構成されている。
図26(b)に示すように、シャッタ304が突出位置に配置される場合には、シャッタ304の上面部304aにより遊技球を大入賞口404へと案内する球通路が形成される。このため、右ルート(図4)を流下する遊技球は、上側流路形成部314によりシャッタ304側へと案内された後、上記球通路(シャッタ304の上面部304a上)を転動して大入賞口404に入賞可能となる。つまり、本変形例では、シャッタ304が突出位置に配置される状況で大入賞口404への入賞が可能となり、可変入賞装置402が開放状態となる。
一方、図26(c)に示すように、シャッタ304が退避位置に配置される場合には、当該シャッタ304がベース体311(遊技盤24)の前面部よりも遊技機後方に没入することで、上記球通路が消失する。よって、上側流路形成部314によりシャッタ304側に案内された遊技球は、大入賞口404に至ることなく下方に落下し、アウト口37に導出される。つまり、シャッタ304が退避位置に配置される状況で大入賞口404への入賞が不可となり、可変入賞装置402が閉鎖状態となる。
すなわち、本変形例では、シャッタ304の位置と可変入賞装置402の開閉との関係が、上記第1の実施の形態に係る可変入賞装置302と逆になっている。
上記第1の実施の形態と同様に、ベース体311(平板部312)においてシャッタ304の上側には、シャッタ304に隣接するようにして特定入球口331が形成されている。図26(b)に示すように、特定入球口331は第2案内通路335に連通しており、特定入球口331に入球した遊技球は、第2案内通路335によりベース体311(遊技盤24)の背面側に案内された後、再び前面側に案内される。
また、シャッタ304には、第2案内通路335を流れる遊技球を縦通路342(図7)に導くための貫通孔339が設けられている。貫通孔339は、上記第1の実施の形態と同様に、シャッタ304が突出位置に配置される場合に第2案内通路335と重なり、シャッタ304が退避位置に配置される場合に第2案内通路335と重ならない位置に配置されている(図26(b)、(c))。
但し、本変形例では、シャッタ304が突出位置に配置される場合、可変入賞装置402が開放状態となり、シャッタ304が退避位置に配置される場合、可変入賞装置402が開放状態となる。このため、上記第1の実施の形態の場合とは異なり、可変入賞装置402が開放状態である場合に貫通孔339と第2案内通路335とが重なり、可変入賞装置402が閉鎖状態である場合に貫通孔339と第2案内通路335とが重ならないものとなっている。
このような構成の下、シャッタ304が突出位置(開放位置)から退避位置(閉鎖位置)に移動する際、シャッタ304上の突出部332と特定入球口331との間に遊技球が位置していた場合には(図27(a)の遊技球B1)、当該遊技球が突出部332により遊技機後方側に押し出され、特定入球口331に誘導される。これにより、図27(b)に示すように、特定入球口331に遊技球が入球する。
一方、図27(a)の遊技球B2のように、シャッタ304の突出位置から退避位置への切り替わり時において、突出部332と特定入球口331の間に位置していない遊技球については、シャッタ304が後退することで支持を失い、下方に落下する。すなわち、本変形例においても、シャッタ304の上面部304aには、シャッタ304上の遊技球を遊技機後方側に誘導することが可能な第1領域333と、シャッタ304上の遊技球を下方に落下させることが可能な第2領域334とが設けられている。下方に落下した遊技球は、アウト口37(図4)へと導かれる。
図26(b)に示すように、シャッタ304の突出位置から退避位置への切り替わりに際して、遊技機後方側に誘導され特定入球口331に入球した遊技球は、閉鎖状態において貫通孔339と第2案内通路335とが重ならないことから、出口部336まで進み、遊技機前面側に排出される。その後は上記第1の実施の形態と同様に、当該遊技球が振分装置345(図23)に入球し、第1分岐通路348側に振り分けられた場合にはVゲート353を通過する。当該通過によりV入賞が発生し、この場合には開閉実行モードの終了後に遊技状態が確変遊技状態に移行する。よって、本変形例においても上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
なお、本変形例においては、可変入賞装置402が閉鎖状態である場合に貫通孔339と第2案内通路335とが重ならないため、開閉実行モードが実行されない通常遊技状態において遊技球が特定入球口331に入球すると、第2案内通路335の出口まで進み、Vゲート353を通過することがある。但し、V入賞の有無を判定する処理(図21のステップS701)は、開閉実行モードの実行中である場合に限り実行されるため、通常遊技状態で遊技球がVゲート353を通過しても確変遊技状態に移行することはない。
ここで、本変形例と上記第1の実施の形態とを比較すると、次のような違いがある。
上記第1の実施の形態に係る可変入賞装置302では、可変入賞装置402の閉鎖状態から開放状態への切り替わり時において遊技球を特定入球口331に入球させる構成としている。その際、特定入球口331に入球しなかった遊技球は下方に落下するが、その時点では可変入賞装置402の開放状態への移行が完了しているため、上記落下した遊技球が大入賞口303に流入する。すなわち、特定入球口331に入球しなかった遊技球を大入賞口303で拾うことができ、アウト球になることを抑制できる。
一方、本変形例では、可変入賞装置402の開放状態から閉鎖状態への切り替わり時において遊技球を特定入球口331に入球させる構成としている。開閉実行モード(大当たり遊技)は開放状態から閉鎖状態への切り替わりをもって終了するため、本変形例によれば、遊技者が開閉実行モードの終了時まで特定入球口331への入球を期待することが可能になる。すなわち、確変遊技状態への移行を期待する遊技者の期待感を開閉実行モードが終わるまで持続させることが可能になる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施の形態では、シャッタ(可動体)304が前後移動することで大入賞口303,404を開閉する構成としたが、可動体が左右方向に移動することで大入賞口を開閉する構成としてもよい。このような構成について図28を参照して説明する。なお、同図において上記実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本構成に係る可変入賞装置502においてベース体311には、遊技機前方に膨出する膨出部503が設けられている。膨出部503には上方に開口する大入賞口504が設けられており、大入賞口504を上方から覆うようにしてシャッタ501が設けられている。シャッタ501は左右方向に移動可能となっており、大入賞口504の上方に位置して大入賞口504を閉鎖状態とする閉鎖位置(図28(a)、(b))と、大入賞口504の上方から左方向に移動して大入賞口504を開放状態とする開放位置(図28(c)、(d))とに切り替わり可能となっている。
図28(a)に示すように、ベース体311には、前方に開口する特定入球口331が設けられている。特定入球口331は、シャッタ501が閉鎖位置に配置される場合、シャッタ501の左方に位置し、シャッタ501が開放位置に配置される場合、シャッタ501の後方に位置する箇所に配置されている。また、特定入球口331の左方には、遊技機前方に突出する突出部505が設けられている。突出部505は、特定入球口331に隣接し且つ突出部505の下方をシャッタ501が通過可能な高さ位置に配置されている。
また、シャッタ501には貫通孔339が形成されている。当該貫通孔339は、シャッタ501が閉鎖位置に配置される場合、第2案内通路335に重なり、シャッタ501が開放位置に配置される場合、第2案内通路335と重ならないようにして設けられている。
かかる構成において、シャッタ501が閉鎖位置から開放位置に移動する際にシャッタ501上の遊技球は、シャッタ501の移動に伴って突出部505に接近する(図28(c)、(d))。また、特定入球口331の下方領域にシャッタ501が進入することで、シャッタ501によって底部が形成される。よって、突出部505に接近した遊技球は、下方に落下することなく突出部505に当接し、遊技機後方側に導かれて特定入球口331に入球する。この際、突出部505への遊技球の誘導を安定させるべく、シャッタ501上面部の右端部において上方に突出する突出部(押出部)を設け、当該突出部によりシャッタ501上の遊技球を押し出すようにしてもよい。
特定入球口331に入球した遊技球は、第2案内通路335を流れ、出口部336へと導かれる。シャッタ501上に複数個の遊技球が存在する場合、その一部は、シャッタ501の右側から零れ落ちるなどして、開放状態となっている大入賞口504に入賞する。なお、シャッタ501が閉鎖位置に配置されている状況において特定入球口331に遊技球が入球した場合、当該遊技球は、第2案内通路335を流れる過程で貫通孔339より縦通路342(図7)に落下し、排出通路盤88に導出される。
このように本構成によっても、シャッタ501の位置が切り替わる際に特定入球口331への入球を発生させる構成とすることができ、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。なお、上記構成では、特定入球口331をベース体311に設けたが、突出部505の右側面に特定入球口331を設け、当該入球口331が右方に開口する構成としてもよい。
(2)上記実施の形態では、シャッタ304が突出位置から退避位置に移動する際、シャッタ304上の一部の領域(第1領域333)に存在する遊技球が特定入球口331に入球可能とする構成としたが、領域を問わず、シャッタ304上に存在する全ての遊技球を入球可能とする構成としてもよい。このような構成としては、例えば、特定入球口331の横方向開口幅をシャッタ304の横方向寸法以上としたり、シャッタ304上の全ての遊技球を特定入球口331に誘導可能な誘導手段(シャッタ304上の遊技球を特定入球口331の前方領域に集合させる傾斜部等)をシャッタ304の上面部304aに設けたりする構成等が考えられる。
(3)上記実施の形態では、特定入球口331が遊技機前方に開口する構成としたが、他の方向に開口する構成としてもよい。例えば上方に開口する構成とし、シャッタ304の後方移動に伴い後方に誘導された遊技球が落下することで、特定入球口331に入球する構成としてもよい。
(4)上記実施の形態において、シャッタ304の後方移動に伴い後方に誘導された遊技球が直接特定入球口331に入球せず、後方に誘導された後、通路部等の案内手段により案内されて特定入球口331に入球する構成としてもよい。この場合、上記案内手段において遊技球を特定入球口331側とそうではない側とに振り分ける振分機能を付してもよい。
(5)上記実施の形態において、特定入球口331を開閉する開閉体を備え、当該開閉体がシャッタ304の移動に合わせて特定入球口331を開閉することで、特定入球口331への入球可否を切り替える構成としてもよい。この場合、シャッタ304と上記開閉体との間にシャッタ304の駆動力又はシャッタ304に与えられる駆動力を上記開閉体に伝達するリンク機構等の動力伝達手段を設け、シャッタ304の移動に連動して上記開閉体を開閉する構成としてもよい。また、可変入賞駆動部324とは別に上記開閉体用の駆動手段を設け、当該駆動手段により、シャッタ304の開閉駆動に同期して上記開閉体を開閉駆動する構成としてもよい。
(6)上記実施の形態では、可変入賞装置302を可変表示ユニット36の右方に配置し、右ルートを流下する遊技球のみが可変入賞装置302に到達可能な構成としたが、可変入賞装置302を可変表示ユニット36の左方に配置し、左ルートを流下する遊技球のみが可変入賞装置302に到達可能な構成としてもよい。また、可変入賞装置302を可変表示ユニット36の下方に配置し、遊技球が右ルート及び左ルートのいずれを流下しても可変入賞装置302に到達可能な構成としてもよい。但し、遊技球がシャッタ304の右側からシャッタ304に流入する場合と、左側から流入する場合との両方を考慮して、可変入賞装置302(シャッタ304)及びその周辺構造を設計する必要があるため、設計負担を軽減する上では、右ルート又は左ルートを流下する遊技球のみが可変入賞装置302に到達可能な構成とするとよい。なお、可変入賞装置302を可変表示ユニット36の下方に配置した場合でも、釘や構造物等の配置により右ルート(又は左ルート)を流下する遊技球のみが可変入賞装置302に到達可能な構成としてもよい。
(7)上記実施の形態では、シャッタ304の上面部304aが水平となる構成としたが、左右いずれかに傾斜させる構成としてもよい。
(8)上記実施の形態においてシャッタ304を前側に傾斜させたり、後側に傾斜させたりしてもよい。前者の場合には、シャッタ304が突出位置に配置される際の特定入球口331への入球頻度を低下させることができ、シャッタ304の移動時における特定入球口331への入球を際立たせることが可能になる。一方、後者の場合には、シャッタ304が突出位置に配置される際の特定入球口331への入球頻度を高めることができ、特定入球口331への入球機会を拡充することが可能になる。
(9)上記実施の形態においてシャッタ304上を移動する遊技球の移動速度を減速させる減速手段を設けてもよい。この場合、シャッタ304上での遊技球の挙動を遊技者が視認しやすくすることができるほか、遊技球が第1領域333を通過する際の所要時間を長くすることができ、特定入球口331への入球確率を高めることが可能になる。減速手段としては、シャッタ304の上面部304aに少なくとも1つの突起部又は突条部(前後に延びる)を設けたり、蛇行ルートを形成したりする構成等が考えられる。なお、減速手段は、必ずしも上面部304aの全体に設ける必要はなく、少なくとも第1領域333又はその上流側に設ける(第1領域333又はその手前で減速させる)ものであればよい。
(10)上記実施の形態において貫通孔339を省略してもよい。すなわち、特定入球口331に入球した遊技球が全て第2案内通路335の出口部336に導かれる構成としてもよい。
(11)上記実施の形態において、貫通孔339が形成されていないシャッタ304により、縦通路342への流路を開閉する構成としてもよい。すなわち、図29に示すように、シャッタ304が突出位置に配置される場合には、シャッタ304の後部が縦通路342の上方領域に進入せず、シャッタ304が退避位置に配置される場合には、シャッタ304の後部が縦通路342の上方領域に進入するように、シャッタ304の前後方向寸法及び縦通路342の位置を設定する。但し、この場合、シャッタ304の前後方向寸法が短くなり、シャッタ304の支持が低下するおそれがあることを考慮すると、上記実施の形態の構成とすることが好ましい。
(12)上記実施の形態では、縦通路342に落下した遊技球が排出通路盤88側に進み、第2案内通路335の奥側(第3通路部335c)に移動した遊技球が振分装置345(Vゲート353)側に進む構成としたが、これを逆としてもよい。すなわち、縦通路342に落下した遊技球が振分装置345(Vゲート353)側に進み、第2案内通路335の奥側(第3通路部335c)に移動した遊技球が排出通路盤88側に進む構成としてもよい。
(13)上記実施の形態において振分装置345を省略し、出口部336から流出する遊技球が振り分けられることなくVゲート353を通過する構成としてもよい。これにより、構成を簡単化できるほか、特定入球口331に入球した遊技球がVゲート353を通過する確率を高めることができる。但し、この場合、Vゲート353の通過確率が高まる分、特定入球口331への入球難易度が高めになることが想定される。例えば特定入球口331への入球難易度があまりにも高いと、遊技者が特定入球口331への入球を期待できなくなり、遊技意欲が喚起されにくくなる懸念がある。この点を踏まえると、Vゲート353を通過する遊技球を特定入球口331に入球した遊技球の一部に留めることができ、特定入球口331への入球を容易化しやすい上記実施の形態の構成とすることが好ましい。
(14)上記実施の形態において、振分装置345及びVゲート353の少なくとも1つを遊技盤24(ベース体311)の背面側に配置し、遊技機前方から視認可能な構成としてもよい。ちなみに、Vゲート353を遊技盤24の背面側に配置する場合において、Vゲート353を第2案内通路335の途中位置に配置した場合、遊技機前方からは第2案内通路335のうち少なくともVゲート353の配置領域が視認可能となるように、換言すれば、少なくともVゲート353が視認可能となるように構成するとよい。これにより、遊技球がVゲート353を通過する過程を遊技者が目視可能となり、通過の有無を容易に把握可能となる。なお、上記構成では、必ずしもVゲート353の全体が視認可能である必要はなく、当該ゲート353に対する遊技球の通過を遊技者が把握可能な程度にVゲート353を視認可能であればよい。
(15)上記実施の形態では、大当たり結果として確変大当たり結果が設定されない構成としたが、確変大当たり結果(Vゲート353の通過有無に関係なく大当たり遊技の終了後に確変遊技状態に移行する大当たり結果)と、通常大当たり結果(遊技球がVゲート353を通過したら大当たり遊技の終了後に確変遊技状態に移行し、通過しなかったら移行しない大当たり結果)とが設定される構成としてもよい。かかる構成においては、通常大当たり結果である場合に限り、可変入賞装置302が第2開閉モード(図25(b))で駆動制御されるラウンド遊技が実行されたり、上記ラウンド遊技の実行数が確変大当たり結果である場合よりも通常大当たり結果である場合の方が多くなったりする構成とするとよい。つまり、通常大当たり結果である場合の方が、確変大当たり結果である場合よりも、開閉実行モードの実行中に遊技球のVゲート353の通過(V入賞)が発生しやすい構成とするとよい。また、上記構成において、複数種類の通常大当たり結果を設定し、一部の通常大当たり結果でのみ、可変入賞装置302が第2開閉モードが駆動制御されるラウンド遊技が実行されたり、各通常大当たり結果で上記ラウンド遊技の実行数が異なる構成としてもよい。
(16)上記実施の形態において、シャッタ304が突出位置から退避位置に移動するときの移動速度(所要期間)とシャッタ304が退避位置から突出位置に移動するときの移動速度(所要期間)とを異ならせる構成としてもよい。例えば、シャッタ304が突出位置で可変入賞装置302が閉鎖状態となる構成において、前者の移動速度が後者の移動速度よりも遅い構成とすれば、閉鎖状態から開放状態への切り替わる場合はその所要期間が長くなることで、特定入球口331に遊技球が入球するか否かを遊技者が視認しやすくできるようにしつつ、開放状態から閉鎖状態への切り替わりは速やかに済ませることで、可変入賞装置302への過剰入賞が発生することを好適に抑制することができる。すなわち、可変入賞装置302への入賞とのバランスを取りながら、特定入球口331に向かう遊技球の視認性を高めることが可能になる。
(17)上記実施の形態では、突出部332において第1押出部371及び第2押出部372を設けたが、第2押出部372を設けない構成、すなわち、突出部332に当接した遊技球が全て特定入球口331に入球可能となる構成としてもよい。また、上記実施の形態では、第1押出部371の面積(遊技機と当接可能な領域の面積)を第2押出部372のそれよりも小さくする構成としたが、これを逆にしてもよい。すなわち、突出部332に遊技球が当接した場合、当該遊技球が特定入球口331に入球する確率が入球しない確率よりも高くなる構成としてもよい。
(18)上記実施の形態では、シャッタ304が退避位置に配置される場合に、遊技機前方からの正面視において突出部332が特定入球口331の一部を塞ぐ構成としたが、全体を塞ぐ構成としてもよい。
(19)上記実施の形態では、シャッタ304が突出位置に配置される場合に、特定入球口331に遊技球が入球し得る構成としたが、入球不能となる構成としてもよい。このような構成としては、シャッタ304の上面部304aにおいて、上面部304aから上方に突出する第2突出部を設ける構成が考えられる。第2突出部は、突出部332の遊技機後方側において突出部332と対向するようにして配置され、その前後位置は、シャッタ304が突出位置に配置される場合に、特定入球口331を閉状態(遊技球が入球不能となるように特定入球口331を塞ぐ状態)とする位置とされる。そして、シャッタ304が退避位置に移動した場合には、それに伴って第2突出部も後退し、特定入球口331を開状態とする。これにより、突出部332により誘導された遊技球が特定入球口331に入球可能となる。このような構成によれば、シャッタ304が突出位置に維持される状況下(例えば可変入賞装置302が閉鎖状態に維持される通常遊技状態)では、特定入球口331への入球が発生しないため、シャッタ304の移動時に特定入球口331への入球が発生する遊技を際立たせることが可能になる。
(20)上記実施の形態において、遊技盤24(ベース体311)の背面側に発光手段を備え、当該発光手段からの光を第2案内通路335に照射する構成としてもよい。これにより、第2案内通路335及びその周辺部を明るく照らし、特定入球口331や第2案内通路335を目立させることができる。この場合、発光手段は、第2案内通路335よりも遊技機後方側に配置されることが好ましい。これにより、第2案内通路335を流れる遊技球の視認性が発光手段によって妨げられることを好適に抑制できる。
また、上記構成において、開閉実行モードの実行中である場合に上記発光手段を発光させ、開閉実行モードが実行されない通常遊技状態である場合に発光させないものとしてもよい。特定入球口331への入球を狙って遊技することが遊技者にとって有利な状況である場合に、特定入球口331等を目立させて強調することができる。なお、通常遊技状態である場合に、例えば、開閉実行モードの実行中である場合に比べて、発光手段の発光強度を低下させるなど、開閉実行モードの実行中である場合と通常遊技状態である場合とで異なる発光態様で発光させる構成であってもよい。これらの場合において発光手段の発光制御は、演出制御装置82や表示制御装置212が行ってもよいし、主制御装置81が行ってもよい。ちなみに、発光手段の発光強度を低下させる構成としては、1個の発光素子(発光部)又は各発光素子の発光強度を低下させるものに限らず、発光手段として複数個の発光素子を有し、通常遊技状態である場合に、開閉実行モードの実行中である場合よりも発光(点灯)する発光素子の数を少なくする構成であってもよい。
その他、開閉実行モードの実行中である場合に上記発光手段を発光させない、又は通常遊技状態である場合よりも発光強度を低下させる構成としてもよい。すなわち、発光強度が強すぎると、却って遊技球が見えにくくなる場合があり、そのような場合に本構成を採用することで、特定入球口331への入球が遊技者にとって有利となる状況に移行したことに合わせて、特定入球口331への入球や第2案内通路335を流れる遊技球の視認性が高められる構成とすることができる。
(21)上記実施の形態において、振分装置345の振分状態(例えば振分部材351の向き等)を遊技機が把握し、その結果に基づいて特定演出を実行する構成としてもよい。このような構成としては例えば次のものが考えられる。遊技機において、現状の振分状態を把握するとともに、その結果に基づいて振分装置345への次の入球が発生した場合の振分状態を把握(予測)する。そして、振分装置345への次の入球時に遊技球がVゲート353側に振り分けられる可能性が高い場合には、表示画面Gにおいて例えば「特定入球口331に入球させるとチャンス」や「特定入球口331を狙え!」等の表示を行う一方、Vゲート353側とは異なる側に振り分けられる可能性が高い場合には、そのような表示を行わない(上記表示とは異なる表示を行う)ようにする。
(22)上記実施の形態において、特定入球口331への入球を検知する検知手段を設け、入球検知により所定演出(例えば「チャンス」等の表示)を行う構成としてもよい。その際、入球発生時の遊技状態に基づいて演出の有無を切り替えたり、実行確率を異ならせたりする構成としてもよい。例えば、開閉実行モードの実行中に上記入球を検知した場合には上記演出を実行し、通常遊技状態で上記入球を検知した場合には上記演出を実行しない構成としたり、前者の場合の方が後者の場合よりも上記演出が実行されやすい構成としたりしてもよい。また、上記(21)のように振分装置345の振分状態を把握し、振分装置345に遊技球が流入した場合、その遊技球がVゲート353側に振り分けられる状況で入球が発生した場合には上記演出を実行し、Vゲート353側とは異なる側に振り分けられる状況で入球が発生した場合には上記演出を実行しない構成としたり、前者の場合の方が後者の場合よりも上記演出が実行されやすい構成としたりしてもよい。
(23)上記実施の形態では、シャッタ304が突出位置に配置される場合に可変入賞装置302が閉鎖状態となり、シャッタ304が後退位置に配置される場合に可変入賞装置302が開放状態となる第1の実施の形態において、シャッタ304の上面部304aから下方に落下した遊技球が大入賞口303に入賞可能となる構成としたが、シャッタ304が突出位置に配置される場合に可変入賞装置302が開放状態となり、シャッタ304が後退位置に配置される場合に可変入賞装置302が閉鎖状態となる第2の実施の形態においても、上面部304aから下方に落下した遊技球が大入賞口303に入賞可能となる構成としてもよい。このような構成としては、シャッタ304と大入賞口303とを遊技球の流れ方向にある程度離間させ、上面部304aから大入賞口303へと至る遊技球流路の途中に遊技球を所定期間に亘って貯留可能な貯留部を設け、当該貯留部に貯留された遊技球が解放されることで、開放状態とされている可変入賞装置303に入賞する構成等が考えられる。
(24)上記実施の形態において、作動口33,34への入賞に基づいて保留情報が取得され、それぞれ所定数(4個)を上限として保留情報が記憶される構成としたが、保留情報が記憶されない構成としてもよい。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができる。このことは、スルーゲート35への入賞についても同様である。
(25)上記変形例1において、4回の開放381~383,387の合計開放時間を乗算時間よりも短くし、上限入賞個数分の入賞を期待できない構成としてもよい。すなわち、可変入賞装置302への入賞の面で第2開閉モードを第1開閉モードよりも不利な開閉態様としてもよい。
(26)上記変形例1において、第1特図用と第2特図用とで別々の振分テーブルが設定される構成としてもよい。この場合、第2特図用の振分テーブルの方が、第1特図用の振分テーブルに比べて10R大当たり結果Bや10R大当たり結果Cが選ばれやすくなるものとすれば、第2特図側で抽選を受ける方が第1特図側で受けるよりも、確変遊技状態への移行確率が優遇される構成とすることができる。
(27)上記変形例1では、各大当たり結果で総ラウンド数を同数としたが、これを異ならせてもよい。この場合において、可変入賞装置302が第2開閉モードで駆動制御される頻度に応じて総ラウンド数を異ならせる構成としてもよい。例えば、有利度合のバランスを取るべく、第2開閉モードで駆動制御されるラウンド遊技の数が多いほど、総ラウンド数が少なくなる構成してもよい。
(28)上記実施の形態において、Vゲート353に代えて演出用ゲートとしてもよい。すなわち、遊技球が演出ゲートを通過した場合に、特殊な演出映像が表示される等の特定演出が実行される構成としてもよい。
また、演出用ゲートとする構成としては次のものも考えられる。確変大当たり結果と通常大当たり結果とが設定される遊技機において、大当たりが発生した場合に、当該大当たりを報知する遊技回演出にて確変大当たり結果であるか否かを明示せず、どちらなのかを遊技者が把握できない構成とする。その上で、遊技球が上記演出用ゲートを通過した場合には確変大当たり結果であるか否かの報知(教示又は示唆)を行い、通過しない場合には行わない構成とする。この場合、遊技者は、遊技球を特定入球口331に入球させ、演出用ゲートに通過させることで、確変大当たり結果であるか否かを把握可能となる。よって、特定入球口331への入球を発生させる意欲が好適に喚起され、開閉実行モード中の遊技を好適に盛り上げることができる。
また、上記構成において、例えば1回目の通過時には示唆程度で留まり、2回目の通過時は明示するなど、通過させる回数が多くなるほど、確変大当たり結果であるか否かが明確化する(遊技者の得る利益が大きくなる)構成としてもよい。これによれば、演出用ゲートの通過を達成した後も、遊技球を特定入球口331に入球させる意欲を好適に持続させることができる。
また、演出用ゲートの通過により確変の有無を報知する構成において、上記実施の形態の可変入賞装置302の構成を第2作動口34及びその開閉役物に適用する構成としてもよい。かかる構成では、大当たりが発生した場合に、当該大当たりを報知する遊技回演出だけでなく、開閉実行モード中の演出においても確変大当たり結果であるか否かを明示しない構成とする。開閉実行モード終了後の高頻度サポートモードでは、上記開閉役物としてのシャッタ304の開閉頻度が高くなることで、特定入球口331への入球が発生しやすくなる。そして、遊技球が特定入球口331に入球し、演出用ゲートを通過した場合には、確変遊技状態であるか否かの報知(教示又は示唆)を行う。これにより、高頻度サポートモード中に遊技球を演出用ゲートに通過させることで、遊技者が確変遊技状態であるか否かを把握可能となる遊技が実現される。
(29)上記実施の形態において、Vゲート353に代えて、開閉役物用の作動ゲート513としてもよい。かかる構成では、図30に示すように、可変入賞装置302の下流側に入賞口511が設けられており、入賞口511への入賞が発生した場合には所定個数(例えば10個)の遊技球が払い出される。入賞口511には、左右一対の可動片及び可動片を動作させる駆動部を有する開閉役物512が設けられている。開閉役物512は、入賞口511への入賞を許容する開放状態と、入賞口511への入賞を不可又は困難とする閉鎖状態とに切り替わり可能となっている。開閉役物512は、遊技球が作動ゲート513を通過した場合、閉鎖状態から開放状態に切り替わり、その後、入賞口511に所定個数(例えば2個)の遊技球が入賞した場合、閉鎖状態に復帰する。
上記構成では、遊技者は、開閉実行モード中に遊技球を特定入球口331に入球させ、作動ゲート513に通過させることで、入賞口511を開放状態に移行させ、当該入賞口511への入賞を発生させることが可能となる。この場合、可変入賞装置302への入賞に基づく賞球だけでなく、入賞口511への入賞に基づく賞球を得ることが可能となる。すなわち、特定入球口331への入球の発生により、開閉実行モード中に得られる総出玉の増大を期待することができ、開閉実行モード中の遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
なお、上記構成では、入賞口511を可変入賞装置302の下流側に配置したが、上流側に配置してもよい。また、振分装置345の下方に入賞口511及び開閉役物512を配置し、振分装置345において第2分岐通路349側に振り分けられた遊技球が入賞口511に入賞可能となる構成としてもよい。また、開放状態から閉鎖状態への切り替わり条件は、上記のものに限定されず、例えば開放時間が所定時間に達することで切り替わるものとしたり、入賞口511への入賞個数が所定個数に達すること又は開放時間が所定時間に達することのいずれかが成立することで切り替わるものとしたりするなど、任意の条件とすることができる。
(30)上記実施の形態において、Vゲート353に代えて、ラウンド継続用の継続ゲートとしてもよい。この場合、開閉実行モードを、先のラウンド遊技中に遊技球が継続ゲートを通過すると、次のラウンド遊技が実施され、先のラウンド遊技中に遊技球が継続ゲートを通過しなければ、次のラウンド遊技が実施されない態様とする。これにより、開閉実行モードの実行中に特定入球口331への入球を発生させる意欲を好適に喚起することが可能になる。
(31)上記実施の形態において、Vゲート353に代えて、普図当否抽選の契機となるスルーゲートとしてもよい。この場合、普図当否抽選の実施機会を確保するため、当該スルーゲートは図4のスルーゲート35とは別に設けるとよい。
また、Vゲート353に代えて特図当否抽選の作動口としてもよい。この場合、第1特図で当否抽選を受けるよりも第2特図で当否抽選を受ける方が遊技者にとって有利であり、且つ第2特図の当否抽選が第1特図の当否抽選よりも優先して実行される遊技機において、上記作動口を第2特図用の作動口とすることで、開閉実行モードの実行中に第2特図の保留情報を発生させたり、その数を増やしたりすることが可能になる。これにより、開閉実行モードの終了時において第2特図の保留情報が存在しやすくなり、第2特図の当否抽選が優先化されているにもかかわらず、第2特図の保留情報が存在しないことで第1特図の当否抽選が実行される事象の発生を抑制することが可能になる。
また、Vゲート353に代えて一般入賞口としてもよい。この場合、開閉実行モードの実行中において特定入球口331への入球を発生させ、上記一般入賞口に入賞させることにより、開閉実行モード中に得られる総出玉を増やすことができ、開閉実行モード中の遊技を好適に盛り上げることが可能になる。この場合、Vゲート535に代えて配置される一般入賞口(特定入球口331への入球を経由する一般入賞口)の賞球数を、他の一般入賞口31(特定入球口331への入球を経由しない一般入賞口)の賞球数よりも多くするとよい。これにより、上記経由する一般入賞口を特別な入賞口として機能させることができ、特定入球口331への入球を発生させる意欲を好適に喚起することが可能になる。この際、当該一般入賞口の特別感を一層高めるには、その賞球数を大入賞口303の賞球数よりも多くするとよい。一方、大入賞口303への入賞を発生させる遊技に優位性を付与したい場合には、上記一般入賞口の賞球数を大入賞口303の賞球数よりも少なくするとよい。
(32)上記実施の形態では、特別遊技状態(開閉実行モードの実行状態)にて可変入賞装置302,402,502の開閉制御(可変入球制御)が複数回実行されるが、上記開閉制御が1回だけ実行されるものであってもよい。すなわち、特別遊技状態において少なくとも1回の開閉制御が実行される構成であればよい。
(33)上記実施の形態において、可変入賞装置302,402,502の開閉制御と連動せずに、特定入球口331への遊技球の入球が発生する構成としてもよい。すなわち、通常遊技状態及び特別遊技状態(開閉実行モードの実行状態)のいずれでも同程度の入球確率で特定入球口331への入球が発生し得る構成としてもよい。このような構成としては、例えば特定入球口331を一般入賞口31のように上方に開口させ、特定入球口331の上方から当該入球口331に遊技球が入球可能となる(シャッタ304上の遊技球は特定入球口331に入球しない)もの等が考えられる。
(34)上記実施の形態では、当否抽選モードが高確率モードに移行する場合のサポートモードについて、次の大当たりが発生するまで高頻度サポートモードが継続する構成としたが、終了基準回数に達することに基づいて高頻度サポートモードが終了する構成としてもよい。すなわち、高確率モードについては次の大当たり発生まで継続するものの、高頻度サポートモードについては終了基準回数までしか継続しない構成としてもよい。この場合、終了基準回数は、当否抽選モードが低頻度サポートモードに移行する場合と同じ回数(例えば100回)としてもよいし、異なる回数としてもよい。また、高確率モードについても終了基準回数に達することに基づいて終了する構成としてもよい。この場合、高確率モードの終了基準回数は、高頻度サポートモードの終了基準回数と同じにしてもよいし、異なる回数としてもよい。
(35)上記実施の形態では、特定入球口331への入球を直接の契機とした特典の付与機能を備えず、遊技球がVゲート353を通過した場合に特典を付与する構成としたが、特定入球口331への入球を直接の契機として特典を付与する構成としてもよい。具体的には、第2案内通路335の途中位置に入球検知センサを設け、当該センサにより遊技球の通過(特定入球口331への入球)が検知された場合に所定数の賞球を付与したり、他の特典を付与したりする構成としてもよい。この場合、本発明の「特定通過部」には上記入球検知センサが相当すると解することができる。上記構成において、上記入球により賞球を付与する場合には、上記入球検知センサを主制御装置81と電気的に接続するとよく、他の特典を付与する場合には、その特典内容に応じて主制御装置81又はサブ制御装置としての演出制御装置82や表示制御装置212と電気的に接続するとよい。また、上記構成において、Vゲート353は省略してもよいし、備える構成としてもよい。
(36)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更には、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の各特徴に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域に設けられた入球手段又は入球部への遊技球の入球に基づいて、例えば遊技球の払い出し等の特典を付与するものが知られている(例えば特開2005-074175号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める工夫が望まれている。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不能又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置302,402)と、
予め定められた特定契機に基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(可変入賞装置302等への入賞が発生した場合に賞球の払い出しを実行する機能)と、
を備え、
前記可変入球手段は、
前記遊技領域を流下する遊技球を受けることが可能な第1位置(突出位置)と、前記第1位置よりも所定方向側の第2位置(退避位置)とに切り替わり可能な可動体(シャッタ304)を備え、
前記可動体が前記第1位置に配置される場合に前記第1状態と前記第2状態のうち一方の状態となり、前記可動体が前記第2位置に配置される場合に前記第1状態と前記第2状態のうち他方の状態となる構成であり、
前記可動体の球受け部(上面部304a)には、当該可動体が前記第1位置から前記第2位置に移動した場合に、前記球受け部上の遊技球を前記所定方向側に誘導することが可能な第1領域(第1領域333)と、前記球受け部上の遊技球を下方に落下させることが可能な第2領域(第2領域334)とが設けられることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定契機に基づいて可変入球手段を第1状態と第2状態とに切り替える可変入球制御が実行され、可変入球手段に遊技球が入球した場合には特典が付与される。よって、遊技者は、可変入球制御が実行されることで、可変入球手段への入球を発生させて特典を獲得する遊技を楽しむことができる。しかしながら、このような遊技は多くの遊技機で同様に採用されているため、かかる遊技のみでは遊技者から見て新鮮味に欠けるおそれがある。
この点、本構成では、可変入球手段の状態を切り替える可動体の球受け部において、可動体が第1位置から第2位置に向けて所定方向に移動した場合に、球受け部上の遊技球を可動体の移動方向に誘導する第1領域と、球受け部上の遊技球を下方に落下させる第2領域とが設けられている。この場合、可動体が第2位置に移動する直前において球受け部のどの領域に遊技球が載っているかにより、球受け部上の遊技球が上記所定方向に進むのか、それとも下方に落下するのかを異ならせることができる。例えば、上記遊技球が上記所定方向に進む場合と下方に落下する場合とで、遊技者にとっての有利度合やその後の遊技展開に違いが生じるものとすれば、球受け部上での遊技球の位置を注視しつつ、遊技者にとって望ましいタイミングで可動体が第2位置に移動することを期待する遊技を付与することができる。このように本構成によれば、可変入球制御の実行に際して遊技球が可変入球手段に入球するか否かだけに留まらない遊技性を実現することができ、遊技への注目度を高めることが可能になる。
特徴A2.前記遊技領域に設けられ、前記可変入球手段とは異なるものであって遊技球が入球可能な特定入球部(特定入球口331)を備え、
前記所定方向側に誘導された遊技球が前記特定入球部に入球可能な構成であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動体が第1位置から第2位置に移動することに伴って、可変入球手段に向かって流れ、球受け部上に載った遊技球が特定入球部に入球するか否かを楽しむことが可能になる。
なお、本特徴において「前記特定入球部は、前記遊技領域において前記第1領域の前記所定方向側に配置され、前記第1領域側に開口するものである」という構成をさらに備えてもよい。この場合、遊技機後方側に誘導された遊技球を特定入球部に良好に入球させることが可能になる。
特徴A3.前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて第1特典を付与可能な前記特典付与手段としての第1特典付与手段と、
前記特定入球部への遊技球の入球に基づいて遊技者に第2特典を付与可能な第2特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成では、特定入球部への遊技球の入球に基づいて第2特典が付与される。つまり、利益付与がなされるため、特定入球部への入球が発生することの期待感を好適に喚起することができる。加えて、球受け部上での遊技球の位置や挙動、可動体の動きに対する遊技者の関心を高め、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴A4.前記特定入球部に入球した遊技球が通過可能な特定通過部(Vゲート353)を備え、
前記第2特典付与手段は、遊技球が前記特定通過部を通過した場合に遊技者に第2特典を付与するものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、特定入球部に遊技球を入球させるだけでなく、特定入球部に入球した遊技球が特定通過部を通過することを目指して遊技することが可能になる。
特徴A5.前記特定入球部に入球することなく前記特定通過部を遊技球が通過することを制限する手段(上側流路形成部314、右側壁部362)を備えていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定入球部に入球した遊技球のみが特定通過部を通過可能となり、特定通過部を通過させるには特定入球部に遊技球を入球させることが不可欠となる。これにより、特定入球部への入球の価値を高め、球受け部上の遊技球の位置と可動体の動きとに対する遊技者の注目度を一層向上させるとともに、特定入球部への入球が発生した場合の遊技者の喜びを増大させることができる。
なお、本特徴は「前記特定入球部に入球した遊技球のみが前記特定通過部を通過可能な構成である」と表現することもできる。
特徴A6.その前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
前記遊技盤の背面側に設けられ、前記特定入球部に入球した遊技球を前記特定通過部側に導出可能な通路部(第2案内通路335)と、
を備え、
前記通路部の少なくとも一部において当該通路部内を移動する遊技球を遊技機前方から視認可能な構成であることを特徴とする特徴A4又はA5に記載の遊技機。
上記構成では、特定入球部に入球した遊技球を特定通過部側に導く通路部を遊技盤背面側の領域を活用して配置するため、遊技盤前面側の遊技領域において通路部の設置領域を小さく抑えたり、不要化したりすることができ、遊技流域の大きさが限られている遊技機において有利な構成とできる。さらに、通路部の少なくとも一部において通路部内を移動する遊技球を遊技機前方から視認可能であるため、特定入球部に入球した遊技球が特定通過部に至る過程を遊技者が目視することができ、遊技球が特定通過部を通過したか否かを遊技者が把握できない不都合の発生を抑制可能となる。
特徴A7.その前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
前記遊技盤の背面側に設けられ、前記特定入球部に入球した遊技球が通過可能な通路部(第2案内通路335)と、
を備え、
前記通路部は、前記特定入球部に入球し当該通路部において前記遊技盤の背面側を流れる遊技球を前記遊技盤の前面側に導出するものであることを特徴とする特徴A4乃至A6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定入球部に入球した遊技球を特定通過部側に導く通路部を遊技盤背面側の領域を活用して配置するため、遊技盤前面側の遊技領域において通路部の設置領域を小さく抑えたり、不要化したりすることができ、遊技流域の大きさが限られている遊技機において有利な構成とできる。さらに、特定入球部に入球した遊技球を遊技盤背面側に通した後、遊技盤前面側に導出するため、特定通過部を遊技盤前面側に配置することができる。これにより、特定通過部の視認性が高められ、遊技球が特定通過部を通過したか否かを遊技者が容易に把握可能となる。
なお、本特徴において「前記特定通過部は、前記遊技盤の前面側において、前記通路部の出口部(出口部336)から流出した遊技球が通過可能なように配置される」という構成を更に備えていてもよい。
特徴A8.前記特定入球部と前記特定通過部との間に設けられ、前記特定入球部に入球した遊技球を前記特定通過部側(出口部348a側、出口部336側)と、前記特定通過部側とは異なる側(出口部349a側、縦通路342側)とに振り分ける振分手段(振分装置345、貫通孔339)を備えていることを特徴とする特徴A4乃至A7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定入球部に入球した後の遊技球の流れが多様化され、特定入球部に入球した遊技球の一部が特定通過部を通過しないものとなる。このため、特定入球部への入球が発生した場合に、遊技球が特定通過部を通過するまで遊技者のドキドキ感を持続させ、興趣性を向上させることが可能になる。また、特定入球部に入球した遊技球の一部が特定通過部を通過しないことで、その分、特定入球部への入球を容易化することができる。例えば特定入球部への入球難易度があまりにも高いと、遊技者が特定入球部への入球を期待できなくなり、遊技意欲が喚起されにくくなるおそれがあるが、本構成によればそのような不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴A9.前記球受け部の前記第1領域には、前記可動体が前記第1位置から前記第2位置に移動した場合に、当該第1領域上の遊技球を前記所定方向側に押し出すことが可能な押出部(突出部332)が設けられることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1領域上の遊技球を所定方向側に誘導する機能が可動体と一体に構築されるため、第2位置に移動するときの可動体の動きを利用して遊技球を特定入球部へと誘導することができる。これにより、所定方向(可動体の移動方向)側への遊技球の誘導を可変入球手段の開閉の切り替わりに良好に連動させることができるほか、そのような構成を比較的簡単な構成によって実現することができる。
なお、本特徴は「前記球受け部の前記第1領域には、上方に突出する突出部(突出部332)が設けられており、前記突出部は、前記可動体が前記第1位置から前記第2位置に移動する場合に、当該第1領域上の遊技球を前記所定方向側へ押し出し可能なものである」と表現することもできる。
特徴A10.前記遊技領域に設けられ、前記可変入球手段とは異なる特定入球部(特定入球口331)を備え、
前記特定入球部は、前記押出部により前記所定方向側に押し出された遊技球が当該特定入球部に入球可能となるように配置されることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成では、可動体が第1位置から第2位置に移動する際に、球受け部上の遊技球が押出部により押し出され、特定入球部に入球するか否かを楽しむことが可能になる。
特徴A11.前記特定入球部は、前記押出部と前記所定方向に対峙して配置され、前記押出部側に開口するものであることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、押出部により所定方向側に押し出された遊技球がそのままの流れで特定入球部に入球可能となり、上記特徴A10の構成を実現する上で好ましい態様とすることができる。
特徴A12.前記押出部には、前記第1領域の遊技球と当接可能な第1当接部(第1押出部371)及び第2当接部(第2押出部372)が設けられており、
遊技球が前記第1当接部に当接した場合に、前記第2当接部に当接した場合よりも前記特定入球部に入球しやすいように構成されていることを特徴とする特徴A10又は特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1領域の遊技球が押出部のどの部分と当接するかによって、特定入球部への入球しやすさに差異が生じるものとなっている。これにより、単に押出部に遊技球が当たるか否かに留まらず、どの部分に当たるかにまで遊技者の関心を惹くことができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴A13.前記押出部は、前記可動体が前記第1位置に配置される場合に、前記特定入球部との間を遊技球が通過可能なように前記特定入球部に対して離間することを特徴とする特徴A10乃至A12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可動体が第1位置に配置される場合に、球受け部に載った遊技球が特定入球部に入球することなく、押出部と特定入球部との間を抜けていくことが可能になる。これにより、可変入球制御が実行されない状況下では球受け部上の遊技球を特定入球部に入球させにくくすることができ、可変入球制御の実行期間を対象として特定入球部に遊技球を入球させる遊技を付与することができる。また、球受け部に載った遊技球が球受け部を通り抜けて下流側に流下可能となるため、特定入球部に入球しない遊技球を逐次下流側へと逃がすことができる。これにより、球受け部上に遊技球が溜まることが抑制され、球詰まり等の不都合が発生することを好適に抑制可能となる。
なお、本特徴は「前記押出部は、前記可動体が前記第1位置に配置される場合に前記特定入球部との間隔が遊技球の直径以上となるように配置される」と表現することもできる。
特徴A14.前記可動体が前記第2位置に配置された状況で前記球受け部に到達した遊技球が前記特定入球部に入球することを規制することが可能な規制手段(突出部332)を備えていることを特徴とする特徴A10乃至A13のいずれかの遊技機。
上記構成によれば、可動体が第2位置に配置される状況では、遊技球が特定入球部に入球することが規制される。これにより、特定入球部への入球機会を制限し、可動体の第1位置から第2位置への切り替わりに際して遊技球が特定入球部に入球する遊技を引き立てることができる。また、例えば可動体が第2位置に配置される場合に可変入球手段が第1状態(開状態)となる構成であれば、可動体が第2位置に配置される状況において遊技者が特定入球部への入球を気にしなくても済むことから、可変入球手段に遊技球を入球させることに集中して遊技しやすくなるという利点もある。
なお、本特徴の「規制することが可能な規制手段」は、「制限することが可能な制限手段」と表現することもできる。また、本特徴は「前記可動体が前記第2位置に配置された場合、前記押出部が前記特定入球部への遊技球の流入経路の少なくとも一部を塞ぐことで、前記可動体が前記第2位置に配置された状況で前記球受け部に到達した遊技球の前記特定入球部への入球を規制することが可能な構成である」と表現することもできる。この場合、押出部を規制手段として兼用できるため、構成の簡単化を図ることが可能になる。
特徴A15.前記可変入球手段は、前記可動体が前記第1位置に配置される場合に前記第2状態となり、前記可動体が前記第2位置に配置される場合に前記第1状態となることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、可変入球手段の閉状態(第2状態)から開状態(第1状態)への切り替わりタイミングで第1領域に存在する遊技球を所定方向側に誘導することが可能になる。この場合、遊技球を所定方向側に誘導させるには、可変入球手段が閉状態である期間に遊技球を発射しておく必要があるため、所謂止め打ちを抑制することができる。また、可変入球手段が閉状態である状況で遊技球が第1領域に到達した場合に、そのタイミングで可変入球手段が開状態へ切り替わることを願う期待感(第2領域の方が有利であれば、開状態へ切り替わらないことを願う期待感)を生じさせることができる。すなわち、閉状態の期間でも遊技を楽しめるため、可変入球制御の実行期間の全体で遊技を楽しむことができ、可変入球制御の実行時における遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
特徴A16.前記可変入球手段は、前記可動体の下方に設けられ上方に開口する入球部(大入賞口303)を備え、前記入球部を通じて当該可変入球手段に遊技球が入球する構成であり、
前記第1状態は、前記入球部に遊技球が入球可能又は入球しやすい状態であり、
前記第2状態は、前記入球部に遊技球が入球不能又は前記第1状態よりも入球しにくい状態であり、
前記第2領域の遊技球が下方に落下した場合、当該落下した遊技球が前記入球部に入球可能な構成であることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、可変入球手段における閉状態から開状態への切り替わりに際して球受け部上の遊技球が遊技機後方側に誘導されなかったとしても、その遊技球が可変入球手段に入球することを期待することができる。すなわち、可変入球手段が閉状態である期間に球受け部(可変入球手段)を狙って発射した遊技球が無駄球となることが抑制される。
特徴A17.前記球受け部は、前記可動体が前記第1位置に配置される場合に当該球受け部上を遊技球が遊技機左右方向に移動可能な構成となっており、
前記第1領域及び前記第2領域は、遊技機左右方向に並ぶようにして設けられることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれかに記載の遊技機。
本構成では、遊技球が球受け部上を流れる際、第1領域及び第2領域を順番に通過していくものとなる。これにより、例えば遊技球が所定方向に進む方が遊技者にとって有利な構成であれば、球受け部上の遊技球が第1領域に到達したタイミングで可動体が第1位置から第2位置に移動することを期待して楽しんだり、逆に球受け部上の遊技球が第2領域に存在する状況では可動体が第2位置への移動を開始しないことを期待して楽しんだりする遊技を実現することが可能になる。
特徴A18.前記第1領域が前記第2領域よりも小さいことを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、球受け部上の遊技球が所定方向側に誘導される頻度を低く抑えることができる。これにより、遊技球が所定方向側に進む事象に特別感を持たせることができるほか、例えば遊技球が所定方向側に進む場合の方が遊技者にとって有利となる構成であれば、その達成難易度を高めることができる。よって、遊技球が所定方向側に誘導された場合の遊技者の喜びや驚きを喚起しやすく、興趣性を高めることが可能になる。
特徴A19.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記判定用情報を記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア114b)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報が予め定められた移行用情報に対応するか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が、前記判定用情報が前記移行用情報に対応する移行対応結果であった場合、前記可変入球制御が少なくとも1回実行される特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、第1遊技状態(低確率モード)と、前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記第1遊技状態よりも前記移行対応結果となりやすい第2遊技状態(高確率モード)とを有しており、
前記球受け部上の遊技球が前記所定方向側に誘導されることを契機として、前記特別遊技状態の終了後に前記第2遊技状態に移行可能となる構成であることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、球受け部上の遊技球が所定方向側に誘導されることを契機として、第1遊技状態よりも移行対応結果となりやすい第2遊技状態(例えば確変遊技状態)に移行可能となる。これにより、球受け部上の第1領域に遊技球が存在するタイミングで可動体が第2位置に向けて移動することを期待する遊技者の期待感を好適に喚起することができ、可変入球制御が実行されるときの遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
なお、本特徴において「前記球受け部上の遊技球が前記所定方向側に誘導されることを契機として」は、「前記球受け部上の遊技球が前記所定方向側に誘導された場合」又は「前記球受け部上の遊技球が前記所定方向側に誘導された後」と表現することもできる。
特徴A20.前記可動体は、遊技機前後方向に移動可能に構成されており、
前記所定方向は、遊技機後方であることを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、上記特徴A1乃至A19のいずれかの構成を実現する上で実用上好ましい態様とすることができる。
なお、本特徴を上記特徴A6又は特徴A7に適用した場合、上述した特徴A6又は特徴A7の効果に加えて、「特定入球部に入球した遊技球を遊技盤背面側に設けた通路部により特定通過部に案内するため、遊技機後方側に誘導された遊技球を良好に特定通過部へと導くことができる。」という効果を期待することができる。
また、本特徴を上記特徴A11に適用するにあたっては、上記特徴A11を「前記特定入球部は、遊技機前方に開口し、前記押出部と遊技機前後方向に対峙して配置されるものである」としてもよい。この場合、特徴A11の上記効果に加えて、「特定入球部が遊技機前方に開口するため、特定入球部を遊技者が視認しやすく、特定入球部への入球が発生したか否かを遊技者が把握しやすい構成とすることができる。」という効果を期待することができる。
特徴A21.前記可動体は、遊技機左右方向に移動可能に構成されており、
前記所定方向は、左方向又は右方向の一方であることを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、上記特徴A1乃至A19のいずれかの構成を実現する上で実用上好ましい態様とすることができる。
なお、上記特徴A1乃至A21の各構成に対して、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C13、特徴D1乃至D14のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不能又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置302,402)と、
予め定められた特定契機に基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(可変入賞装置302等への入賞が発生した場合に賞球の払い出しを実行する機能)と、
を備え、
前記可変入球手段は、
遊技球が入球可能な入球部(大入賞口303)と、
前記入球部に対応して設けられ、前記入球部を前記第1状態及び前記第2状態の一方とする第1位置(突出位置)と、前記第1位置から所定方向に移動し、前記入球部を前記第1状態及び前記第2状態の他方とする第2位置(退避位置)とに切り替わり可能な可動体(シャッタ304,501)と、
を備え、
前記入球部の前記所定方向側には、遊技球を特定領域(縦通路342)に導出することが可能な流路(第2案内通路335)が設けられており、
前記可動体が前記第2位置に配置される場合、前記流路を流れる遊技球が前記特定領域に移動することが前記可動体により規制され、前記可動体が前記第1位置に配置される場合、前記流路を流れる遊技球が前記特定領域に移動することが許容されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、可変入球手段が入球部と可動体とを備え、可動体が第1位置と第2位置との間を移動することで入球部が第1状態と第2状態とに切り替えられる。これと同時に、流路を流れる遊技球の特定領域への移動を許容するか否かが切り替えられる。これにより、可変入球制御の実行に際して、遊技球が入球部(可変入球手段)に入球するか否かだけでなく、特定領域に遊技球が流入するか否かも併せて楽しむことができる。また、上記流路を入球部の所定方向側(可動体が第2位置へ移動するときの移動方向側)に配置し、第2位置に配置される可動体により、当該流路を流れる遊技球が特定領域に移動することを規制する構成となっている。よって、入球部の状態を切り替える可動体及びその動きを利用して遊技球の特定領域への移動可否を切り替えることができ、流路の開閉を入球部の開閉に良好に連動させることができる。加えて、流路用の専用開閉体やその駆動手段を不要化することもできるため、構成の簡単化を図ることが可能になる。
特徴B2.前記可動体が前記第2位置に配置される場合、前記可動体の一部(突出位置に位置するシャッタ304において遊技盤前面よりも遊技機前方側に突出する部分)により前記入球部が前記第1状態及び前記第2状態の他方とされ、且つ前記可動体の他の一部(貫通孔339の周辺部)により前記流路を流れる遊技球の前記特定領域への移動が規制されるものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部の開閉に連動させて流路を開閉することができるとともに、入球部の開閉と流路の開閉とを単一の可動体によって好適に両立させることができる。
特徴B3.前記可動体が前記第2位置に配置される場合、前記可動体の他の一部が前記流路を流れる遊技球が前記特定領域に移動する場合の移動経路と交差することで、前記流路を流れる遊技球の前記特定領域への移動が規制され、前記可動体が前記第1位置に配置される場合、前記可動体の他の一部が前記移動経路から退避することで、前記流路を流れる遊技球の前記特定領域への移動が許容されるものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部を開閉する可動体によって、流路を流れる遊技球が特定領域に移動するか否かを好適に切り替えることが可能になる。
特徴B4.前記可動体には、遊技球が通過可能な貫通孔(貫通孔339)が形成されており、
前記可動体が前記第1位置に配置される場合、前記貫通孔が前記流路と重なることで、前記流路を流れる遊技球が前記貫通孔を通って前記特定領域に移動することが許容され、前記可動体が前記第2位置に配置される場合、前記貫通孔が前記流路に対して前記所定方向側にずれることで、前記可動体により前記流路を流れる遊技球の前記特定領域への移動が規制されるものであることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、可動体に貫通孔を設け、当該貫通孔が可動体の移動に伴い流路と重なる位置と重ならない位置とに移動することで、流路が開閉される。この場合、可動体が第1位置に配置される状況(流路を開状態とする状況)において流路と重ならないように可動体の所定方向の長さを短くしたり、入球部と流路とを大きく離間させたりすることが不要となり、可動体の所定方向の長さや、入球部と流路との距離に対する制約を緩和することができる。これにより、可動体を所定方向にある程度長くしてその支持や動きを安定させたり、流路を入球部にある程度近づけて配置し、所定方向の寸法を小さく抑えたりすることが可能になる。
特徴B5.その前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)を備え、
前記可動体は、遊技機前後方向に移動可能とされ、前記遊技領域に突出する前記第1位置と、前記第1位置から遊技機後方に移動し、前記第1位置よりも遊技機後方側の前記第2位置とに切り替わり可能に構成されており、
前記流路は、前記遊技盤の背面側に設けられるものであることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、可動体の前後移動により入球部を開閉する構成とし、遊技盤の背面側の領域を活用して流路を形成する構成となっている。これにより、遊技盤前面側の遊技領域において流路のための領域を小さく抑えたり、不要化したりすることができる。よって、遊技領域の大きさが限られている遊技機において有利な構成とすることができる。
特徴B6.前記遊技領域又は前記遊技盤には、前記流路の少なくとも一部において当該流路を流れる遊技球を遊技機前方から視認可能とする光透過部(平板部312)が設けられていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技盤の背面側に流路を形成しながらも当該流路を流れる遊技球の流れを遊技者が目視することができる。よって、流路を流れる遊技球が特定領域に移動したか否かを遊技者が適切に把握することが可能になる。
なお、本特徴においてさらに「前記遊技盤の背面側には、前記流路としての第1流路と、前記入球部に入球した遊技球が流れる第2流路とが設けられており、前記第1流路のうち前記光透過部を介して遊技機前方から視認可能な部分の少なくとも一部が、遊技機前方からの正面視において前記第2流路と重ならないように構成されている」又は「前記遊技盤の背面側には、前記流路としての第1流路と、前記入球部に入球した遊技球が流れる第2流路とが設けられており、前記第1流路のうち少なくとも前記光透過部を介して遊技機前方から視認可能な部分が、遊技機前方からの正面視において前記第2流路と重ならないように構成されている」という特徴を備えていてもよい。このような構成によれば、遊技機前方から遊技球の流れが視認された場合に、それがどちらの流路を流れるものなのかを遊技者が判別しにくくなることが抑制され、第1流路を流れる遊技球の流れを把握しやすくすることができる。
特徴B7.前記遊技領域には、前記入球部とは異なる特定入球部(特定入球口331)が設けられており、
前記特定入球部に入球した遊技球が前記流路に流入可能であり、前記入球部に入球した遊技球が前記流路に流入不能な構成であることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定領域への流路が入球部と独立するため、入球部への入球を前提とせずに、遊技球が特定領域に移動するか否かを楽しんだり、入球部に入球する遊技球とは別の遊技球が特定領域に移動するか否かを楽しんだりすることができる。また、入球部に入球した遊技球が流路に流入して特定領域に移動する構成であると、入球部で球詰まりが発生した場合に流路への流入経路が遮断され、可動体の位置にかかわらず遊技球が特定領域に移動しなくなるおそれがあるが、本構成では、入球部で球詰まりが発生しても遊技球が流路に流入できるため、上記不都合の発生を好適に抑制可能となる。
特徴B8.前記特定入球部は前記可動体に隣接して配置されていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、注目箇所の集約化が図られ、遊技者が可動体と特定入球部とを同時に視認することができる。よって、遊技者が視線を移動させなくても、流路を開閉する可動体の動き(位置)と特定入球部に遊技球が入球するか否かとの両方を把握することができ、特定入球部への入球を見逃したりする不都合の発生を抑制可能となる。
特徴B9.前記流路として、遊技球を前記特定領域と、当該特定領域とは異なる所定領域(出口部336)とに導出可能な通路部(第2案内通路335)を備え、
前記通路部は、前記可動体により遊技球の前記特定領域への移動が規制された場合、遊技球を前記所定領域に導出し、遊技球の前記特定領域への移動が許容された場合、遊技球を前記特定領域に導出するように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部の開閉(可動体の位置)にリンクさせて流路を流れる遊技球を特定領域と所定領域とに振り分けることができる。例えば、遊技球が特定領域に流入するよりも所定領域に流入する方が遊技者にとって有利となる構成とすれば、可動体が第2位置に配置される状況で遊技球が通路部を流れることを望む期待感を喚起することができる。これにより、可変入球制御の実行に際して、入球部(可変入球手段)に遊技球が入球するか否かだけでなく、どのタイミングで遊技球が通路部を流れるか(特定入球部への入球が発生するか)についても遊技者の関心を惹くことができ、可変入球制御の実行時における興趣性を好適に高めることが可能になる。
特徴B10.前記流路を流れる遊技球が前記特定領域に移動する場合と前記所定領域に移動する場合とで遊技者にとっての有利度合が異なるように構成されていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、流路を流れる遊技球が有利な側の領域に移動することを目指して遊技することが可能になる。
特徴B11.前記可動体は、前記第1位置に配置される場合に前記入球部を前記第2状態とし、前記第2位置に配置される場合に前記入球部を前記第1状態とするものであり、
前記通路部を流れる遊技球が前記特定領域に移動するよりも前記所定領域に移動する方が遊技者にとって有利となるように構成されていることを特徴とする特徴B9又は特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球制御が実行されず、入球部が第2状態に維持される期間(可動体が第1位置に配置され続ける期間)において、遊技球が所定領域(有利な領域)に流入することが抑制される。これにより、遊技球が所定領域に流入するか否かを楽しむ遊技を可変入球制御の実行期間を対象として付与することができ、可変入球制御が実行される場合の遊技を盛り上げることが可能になる。
なお、本特徴を「前記可動体は、前記第1位置に配置される場合に前記入球部を前記第1状態とし、前記第2位置に配置される場合に前記入球部を前記第2状態とするものであり、前記通路部を流れる遊技球が前記所定領域に移動するよりも前記特定領域に移動する方が遊技者にとって有利となるように構成されている」と変更してもよい。この場合でも同様の効果を奏することができる。
特徴B12.前記特定領域と前記所定領域との一方の領域には、遊技球が通過可能な特定通過部(Vゲート353)が設けられており、
前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて第1特典を付与可能な前記特典付与手段としての第1特典付与手段と、
前記特定通過部を遊技球が通過したことに基づいて第2特典を付与可能な第2特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B9乃至B11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、特定入球部に遊技球を入球させるだけでなく、特定入球部に入球した遊技球が特定通過部を通過することを目指して遊技することが可能になる。また、本構成では、流路を流れる遊技球が特定領域と所定領域とに振り分けられるため、特定入球部に入球した遊技球の一部が特定通過部を通過しないものとなり、その分、特定入球部への入球を容易化することができる。例えば特定入球部への入球難易度があまりにも高いと、遊技者が特定入球部への入球を期待できなくなり、遊技意欲が喚起されにくくなるおそれがあるが、本構成によればそのような不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴B13.その前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)を備え、
前記可動体は、遊技機前後方向に移動可能とされ、前記遊技領域に突出する前記第1位置と、前記第1位置から遊技機後方側に移動し、前記第1位置よりも前記遊技領域への突出が抑えられた前記第2位置とに切り替わり可能となっており、
前記遊技盤の背面側には前記通路部が設けられており、
前記通路部は、当該通路部を流れる遊技球を前記一方の領域に導出する場合、遊技球を前記遊技盤の前面側に導出するように構成されていることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
上記構成では、通路部を遊技盤背面側の領域を活用して配置するため、遊技盤前面側の遊技領域において通路部の設置領域を小さく抑えたり、不要化したりすることができ、遊技流域の大きさが限られている遊技機において有利な構成とできる。さらに、通路部は、特定入球部に入球した遊技球を特定通過部側の領域に導く場合、遊技球を遊技盤前面側に導出する構成であるため、特定通過部を遊技盤前面側に配置することができる。これにより、特定通過部の視認性が高められ、遊技球が特定通過部を通過したか否かを遊技者が容易に把握可能となる。
なお、本特徴において「前記特定通過部は、前記遊技盤の前面側に設けられる」という構成を更に備えていてもよい。
特徴B14.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記判定用情報が予め定められた移行用情報に対応するか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が、前記判定用情報が前記移行用情報に対応する移行対応結果であった場合、前記可変入球制御が少なくとも1回実行される特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、第1遊技状態(低確率モード)と、前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記第1遊技状態よりも前記移行対応結果となりやすい第2遊技状態(高確率モード)とを有しており、
前記第2特典付与手段は、遊技球が前記特定通過部を通過した場合、前記第2特典として前記特別遊技状態の終了後に遊技状態を前記第2遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴B12又は特徴B13に記載の遊技機。
上記構成では、特定入球部に入球した遊技球が特定通過部を通過することを契機として、第1遊技状態よりも移行対応結果となりやすい第2遊技状態(例えば確変遊技状態)に移行する。これにより、特定入球部への入球を発生させる遊技の魅力を高めることができ、可変入球制御が実行されるときの遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
特徴B15.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不能又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置302,402)と、
予め定められた特定契機に基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(可変入賞装置302等への入賞が発生した場合に賞球の払い出しを実行する機能)と、
を備え、
前記可変入球手段は、
遊技球が入球可能な入球部(大入賞口303)と、
前記入球部に対応して設けられ、前記入球部を前記第1状態及び前記第2状態の一方とする第1位置(突出位置)と、前記入球部を前記第1状態及び前記第2状態の他方とする第2位置(退避位置)とに移動可能な可動体(シャッタ304,501)と、
を備え、
前記可動体が前記第2位置に配置される場合、遊技球が前記入球部とは異なる特定領域(縦通路342)に移動することが規制され、前記可動体が前記第1位置に配置される場合、遊技球が前記特定領域に移動することが許容されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、可変入球手段が入球部と可動体とを備え、可動体が第1位置と第2位置との間を移動することで入球部が開閉されるという構成の下、可動体が第2位置に配置される場合、遊技球が特定領域に移動することが規制され、可動体が第1位置に配置される場合、遊技球が特定領域に移動することが許容される。すなわち、入球部の開閉に連動して、遊技球の特定領域への流入可否が切り替えられるため、可変入球制御の実行に際して、遊技球が入球部(可変入球手段)に入球するか否かだけでなく、特定領域に遊技球が流入するか否かも併せて楽しむことができる。
本特徴に対して上記特徴B1乃至B14のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴B1乃至B15の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴C1乃至C13、特徴D1乃至D14のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不能又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置302,402)と、
予め定められた特定契機に基づいて、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球に基づいて遊技者に第1特典を付与可能な第1特典付与手段(可変入賞装置302等への入賞が発生した場合に賞球の払い出しを実行する機能)と、
を備え、
前記可変入球手段が前記第1状態である状況で前記遊技領域内の特定領域(シャッタ304により開閉される領域)に遊技球が到達すると、当該遊技球が前記可変入球手段に流入可能となる構成であり、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能なものであって前記可変入球手段とは異なる特定入球部(特定入球口331)と、
前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態の一方から前記第1状態及び前記第2状態の他方に切り替わる状況で前記特定領域に遊技球が存在する場合、当該特定領域の遊技球を前記特定入球部に誘導することが可能な誘導手段(突出部332)と、
前記特定入球部に遊技球が入球した場合、第2特典を遊技者に付与可能な第2特典付与手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定契機に基づいて可変入球手段を第1状態と第2状態とに切り替える可変入球制御が実行され、可変入球手段に遊技球が入球した場合には特典(第1特典)が付与される。よって、遊技者は、可変入球制御が実行されることで、可変入球手段への入球を発生させて特典を獲得する遊技を楽しむことができる。さらに本構成では、可変入球手段の状態が切り替わるタイミングにおいて、可変入球手段とは別に設けられた特別入球部に遊技球が入球可能となり、かかる入球が発生した場合、第2特典が付与され得る構成となっている。これにより、可変入球手段における第1状態と第2状態との切り替わり時に特定入球部への入球を発生させることを目指す遊技を楽しむことが可能になる。一般に可変入球手段への入球を発生させる遊技は、主として可変入球手段が開状態(第1状態)である期間にて遊技を楽しむものとなるが、本構成ではさらに開閉の切り替わり時においても特定入球部への入球を目指して遊技することができる。つまり、可変入球手段が開状態である期間に留まらず、開閉の切り替わり時も遊技を楽しむことができ、可変入球制御の実行時における興趣性を高めることが可能になる。
加えて本構成では、可変入球手段が開状態である状況で遊技球が到達すると、その遊技球が可変入球手段に流入する特定領域が設けられており、上記切り替わり時において当該特定領域に遊技球が存在すると、その遊技球が特定入球部に入球するように構成されている。すなわち、遊技者の注目すべき箇所が特定領域に集約されているため、視線移動を伴わずに可変入球手段への入球と特定入球部への入球との両方を把握することができる。よって、それらの入球の一方や両方の見逃しが抑制され、遊技しやすい構成とすることができる。
特徴C2.前記誘導手段は、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替わる状況で前記特定領域に遊技球が存在する場合、当該特定領域の遊技球を前記特定入球部に誘導することが可能なものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成では、可変入球手段の閉状態(第2状態)から開状態(第1状態)への切り替わりタイミングで特定領域に遊技球が存在する場合に、その遊技球を特定入球部に入球させることが可能になる。この場合、特定入球部への入球を生じさせるには、可変入球手段が閉状態である期間に遊技球を発射しておく必要があるため、所謂止め打ちを抑制することができる。また、可変入球手段が閉状態である状況で遊技球が特定領域に到達した場合に、そのタイミングで可変入球手段が開状態へ切り替わることを願う期待感を生じさせることができる。すなわち、閉状態の期間でも遊技を楽しめるため、可変入球制御の実行期間の全体で遊技を楽しむことができ、可変入球制御の実行時における遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
特徴C3.前記可変入球手段における前記第2状態から前記第1状態への切り替わりに際して前記特定領域の遊技球が前記誘導手段により前記特定入球部に誘導されなかった場合、その遊技球が前記第1状態に切り替えられた前記可変入球手段に入球可能なように構成されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成では、可変入球手段における閉状態から開状態への切り替わりに際して特定領域の遊技球が特定入球部に入球しなかったとしても、その遊技球が可変入球手段に入球することを期待することができる。よって、特定領域の遊技球が特定入球部に入球しなかった場合でも遊技者が利益(第1特典)を得ることができ、特定領域を狙って遊技球を発射する意欲を好適に喚起可能となる。
特徴C4.前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替わる状況で前記特定領域に遊技球が存在する場合、前記特定領域の遊技球が前記誘導手段により前記特定入球部に誘導されるよりも前記可変入球手段に入球しやすくなるように構成されていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定入球部への入球難易度を高め、特定入球部への入球が発生した場合の達成感を向上させることができる。また、特定入球部への入球よりも可変入球手段への入球を優先することで、可変入球手段に遊技球を入球させて第1特典を得る可変入球制御本来の魅力が損なわれることを抑制可能となる。
特徴C5.前記第2特典付与手段は、前記可変入球手段が前記第2状態である状況で前記特定入球部に遊技球が入球しても前記第2特典を付与しないものであることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、仮に可変入球手段が閉状態(第2状態)である状況で特定入球部への入球が発生しても特典(第2特典)を付与しない構成となっている。これにより、可変入球制御が実行されない状況(可変入球手段が閉状態に維持される状況)下で特定入球部への入球を発生させても特典を得られないものとすることができる。その結果、特定入球部に遊技球を入球させる遊技が可変入球制御の実行期間において意義を発揮するものとなり、当該遊技により可変入球制御が実行されるときの遊技を盛り上げることが可能になる。
特徴C6.前記可変入球手段が前記第1状態である状況で前記特定領域に遊技球が到達した場合、その遊技球が前記特定入球部に入球不能であることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、可変入球手段が開状態(第1状態)である状況では特定入球部への入球が発生しない構成となっている。このため、開状態の下では、特定入球部を気にすることなく、可変入球手段への入球を発生させることに集中して遊技することできる。
特徴C7.前記可変入球制御手段は、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替わる場合の所要期間が、前記可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態に切り替わる場合の所要期間よりも長くなるようにする手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定入球部への入球チャンスとなる閉状態(第2状態)から開状態(第1状態)への切り替わりについては、その所要期間を長くすることでじっくりと見せる一方、開状態から閉状態への切り替わりは速やかに済ませ、可変入球手段への過剰入球が発生することを抑制する。つまり、可変入球手段への入球とのバランスを取りながら、特定入球部に遊技球が入球するか否かを遊技者が視認しやすくすることができる。
特徴C8.前記誘導手段は、前記可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態に切り替わる状況で前記特定領域に遊技球が存在する場合、当該特定領域の遊技球を前記特定入球部に誘導することが可能なものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成では、可変入球手段の開状態(第1状態)から閉状態(第2状態)への切り替わりタイミングで特定領域に遊技球が存在する場合に、その遊技球を特定入球部に入球させることが可能になる。この場合、可変入球手段への遊技球の入球個数を数えるなど、可変入球手段が第2状態に切り替わることを予測して遊技球の発射を止める行為を抑制可能となる。また、可変入球制御の終了時には必ず開状態から閉状態への切り替わりが発生するため、本構成によれば、遊技者が可変入球制御の終了時まで特定入球部への入球を期待可能になるという利点もある。
本特徴に対して上記特徴C6又はC7に記載の各構成を適用してもよい。この場合、その適用にあたっては、それらの特徴に記載された「第1状態」を「第2状態」に変更し、「第2状態」を「第1状態」に変更する。
特徴C9.前記誘導手段は、前記特定領域のうち一部の領域(第1領域333)に存在する遊技球を前記特定入球部に誘導可能なものであることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれかに記載の遊技機。
特定入球部への入球難易度を高め、入球が発生したときの達成感を向上させようとする場合、例えば特定領域を小さくして遊技球が特定入球部に誘導される頻度を低下させることが考えられる。しかしながら特定領域を小さくすると、併せて可変入球手段への入球しやすさも低下してしまい、可変入球制御の実行時における遊技を盛り上げるための構成が却ってその妨げとなり得る。この点、本構成では、特定領域の一部の領域に存在する遊技球に限定して特定入球部に誘導するため、特定領域を広く確保しながら特定入球部への入球難易度を高めることができる。よって、可変入球手段の入球しやすさに悪影響が及ぶことを抑制しつつ、特定入球部への入球が発生したときの達成感を向上させることが可能になる。
特徴C10.前記特定入球部が入球した遊技球が前記可変入球手段に入球不能とされていることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれかに記載の遊技機。
例えば特定入球部が入球した遊技球が可変入球手段に入球可能な構成であると、特定入球部への発生により第1特典及び第2特典の両方を獲得可能になり、遊技球を可変入球手段に入球させるよりも有利となる。その結果、可変入球手段に入球させるよりも特定入球部に入球させる方が遊技者の関心が高くなってしまい、可変入球制御本来の魅力が損なわれる懸念がある。この点、本構成では、特定入球部に入球した遊技球が可変入球手段に入球しない構成であるため、可変入球手段に遊技球を入球させる意義が好適に担保され、可変入球制御本来の魅力が損なわれることを好適に抑制可能となる。
特徴C11.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、判定用情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記判定用情報を記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア114b)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報が予め定められた移行用情報に対応するか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定の結果が、前記判定用情報が前記移行用情報に対応する移行対応結果であった場合、前記可変入球制御が少なくとも1回実行される特別遊技状態に移行させる特別遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技状態として、第1遊技状態(低確率モード)と、前記移行判定手段による前記移行判定の結果が前記第1遊技状態よりも前記移行対応結果となりやすい第2遊技状態(高確率モード)とを有しており、
前記特定入球部に入球した遊技球が通過可能な特定通過部(Vゲート353)を備え、
前記第2特典付与手段は、前記特定通過部を遊技球が通過したことに基づいて前記第2特典を付与するものであり、前記第2特典として前記特別遊技状態の終了後に前記第2遊技状態に移行させるものであることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定入球部に入球した遊技球が特定通過部を通過することを契機として、第1遊技状態よりも移行対応結果となりやすい第2遊技状態(例えば確変遊技状態)に移行する。これにより、特定入球部への入球を発生させる遊技の魅力を高めることができ、可変入球制御が実行されるときの遊技を好適に盛り上げることが可能になる。
特徴C12.遊技球が前記特定通過部を通過すること以外の前記第2遊技状態の移行契機がない構成であることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
上記構成では、第2遊技状態への移行契機が遊技球の特定通過部の通過に限定されている。これにより、特定入球部への入球を発生させる意欲を強烈に喚起できるほか、特定入球部に入球するか否かの遊技者のドキドキ感を大幅に高めることができ、可変入球制御が実行されるときの遊技を一層好適に盛り上げることが可能になる。
特徴C13.前記可変入球手段は、
遊技球が入球可能な入球部(大入賞口303)と、
前記入球部に対応して設けられ、前記入球部を前記第1状態及び前記第2状態の一方とする第1位置(突出位置)と、前記第1位置よりも所定方向側の位置であって、前記入球部を前記第1状態及び前記第2状態の他方とする第2位置(退避位置)とに切り替わり可能な可動体(シャッタ304,501)と、
前記可動体には、当該可動体が前記第1位置に配置される場合に前記特定領域に到達した遊技球を受けることが可能な球受け部(上面部304a)が設けられており、
前記誘導手段は、前記球受け部に設けられ、前記可動体が前記第1位置から前記第2位置に移動する場合に、当該球受け部上の遊技球を前記所定方向側に押し出すことが可能な押出部(突出部332)であり、
前記押出部により押し出された遊技球が前記特定入球部に入球可能な構成であることを特徴とする特徴C1乃至C12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、誘導手段としての機能が可動体と一体に構築されるため、第2位置に移動するときの可動体の動きを利用して、特定領域に存在する遊技球を特定入球部へと誘導することができる。これにより、可変入球手段の開閉の切り替わりに良好に連動させて遊技球を特定入球部に入球させることができるほか、そのような構成を比較的簡単な構成によって実現することが可能になる。
なお、上記特徴C1乃至C13の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴B1乃至B15、特徴D1乃至D14のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球部(特定入球口331)と、
を備え、
遊技状態として第1遊技状態(通常遊技状態)と前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(開閉実行モードの実行状態)とを有しており、
予め定められた所定の移行条件(当否判定により当たり結果となること)が成立した場合、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行させる移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記第1遊技状態である場合、前記特定入球部が当該特定入球部に遊技球が入球しても特典を付与することなく遊技球を前記遊技領域から排出させる排出用の入球部(アウト口)となり、前記第2遊技状態である場合、前記特定入球部が当該特定入球部に遊技球が入球した場合に遊技者が特典の付与を期待することが可能な特典付与用の入球部(Vゲート353への通過が可能となる入球部)となるようにする変更手段(シャッタ304、貫通孔339、第2案内通路335、縦通路342)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、同じ入球部であっても、都度の遊技状態により排出用の入球部として機能するのか、それとも特典付与用の入球部として機能するのかが変化するものとなる。これにより、入球部の機能が固定化されている場合に比べ遊技態様を多様化することができ、興趣性を向上させることが可能になる。また、入球部自体の機能を変化させることで次のような効果も期待できる。例えば第2遊技状態の下で遊技者に所定の特典を付与するという遊技性を構築すべく、その特典契機としての入球部を設けた場合、基本的に当該入球部には第2遊技状態でのみ遊技球が入球し、第1遊技状態では入球しないように対処する必要がある。この点、本構成では、第1遊技状態である場合での入球を許容できるため、そのような制約を緩和することができ、設計の自由度を高めたり、設計作業の負荷を軽減したりすることが可能になる。
なお、本特徴において「遊技状態」は「遊技機状態」と表現することもでき、その場合、「第1遊技状態」及び「第2遊技状態」はそれぞれ「第1状態」及び「第2状態」と表現することができる。
特徴D2.前記特定入球部の下流側に設けられ、遊技球が通過可能な通過部(Vゲート353)と、
遊技球が前記通過部を通過した場合、遊技者に特典を付与可能な特典付与手段(特定入球口331に入球した遊技球がVゲート353を通過した場合、開閉実行モードの終了後に確変遊技状態に移行させる機能)と、
を備え、
前記変更手段は、前記第2遊技状態である場合、前記特定入球部に入球した遊技球が前記通過部を通過可能となり、前記第1遊技状態である場合、前記特定入球部に入球した遊技球が前記通過部を通過不能となるようにする特定手段(シャッタ304、貫通孔339、第2案内通路335、縦通路342)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典付与の契機となる特定通過部を備え、当該通過部の遊技球の通過可否により特定入球部の機能を変化させる構成となっている。これにより、共通の入球部を排出用と特典付与用とで兼用する上で、その機能を遊技状態の変化に合わせて好適に切り替えることが可能になる。
特徴D3.前記特定手段は、
前記特定入球部に入球した遊技球を前記通過部に導出可能な第1通路部(第3通路部335c)と、
前記特定入球部に入球した遊技球を前記通過部に導出することなく前記遊技領域から排出させる第2通路部(縦通路342)と、
前記第2遊技状態である場合、前記特定入球部に入球した遊技球を前記第1通路部に振り分け、前記第1遊技状態である場合、前記特定入球部に入球した遊技球を前記第2通路部に振り分ける振分手段(シャッタ304、貫通孔339)と、
を備えていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、通路部の切り替えにより特定入球部の機能を変化させることができるため、上記特徴D2の構成を実現する上で、実用上好ましい態様とすることができる。
特徴D4.前記特定入球部の下流側に設けられ、前記特定入球部に入球した遊技球が通過可能な通過部(Vゲート353)を備え、
前記変更手段は、前記特定入球部に入球した遊技球が前記第2遊技状態である状況で前記通過部を通過した場合、遊技者に特典を付与し、前記特定入球部に入球した遊技球が前記第1遊技状態である状況で前記通過部を通過した場合、遊技者に特典を付与しないようにする手段(主制御装置81による高確率モードへの移行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技状態において遊技球が特定通過部を通過しても特典を付与しない構成となっている。すなわち、特定通過部を遊技球が通過した場合の特典付与の有無を遊技状態に応じて切り替えるため、共通の入球部を排出用と特典付与用とで兼用する上で、その機能を遊技状態の変化に合わせて好適に切り替えることが可能になる。
特徴D5.前記変更手段は、所定の可動体(シャッタ304,501)の移動に伴って前記特定入球部への入球が生じた場合、前記特定入球部が前記特典付与用の入球部となり、前記所定の可動体の移動を伴わずに前記特定入球部への入球が生じた場合、前記特定入球部が前記排出用の入球部となるようにするものであることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定入球部への入球に際して所定の可動体の移動を伴うか否かと対応して、特定入球部が特定付与用の入球部となるか、排出用の入球部となるかが変更されるものとなる。これにより、遊技者を可動体の挙動に注目させながら特定入球部に入球するか否かを楽しむ遊技を提供することができ、遊技への注目度を高めることが可能になる。
特徴D6.前記所定の可動体の移動が生じる場合、前記特定入球部の位置が変化しない構成であることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
例えば可動体の移動に際して特定入球部の位置が変わる構成であると、可動体を見ていたことで特定入球部を見失うおそれがあるが、本構成によればそのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴D7.前記変更手段は、前記所定の可動体の移動により前記特定入球部の機能を変更するものであることを特徴とする特徴D5又は特徴D6に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動体の移動を利用して特定入球部の機能が変更されるため、構成の簡単化を図ることが可能になる。
特徴D8.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不能又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置302,402)と、
前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2遊技状態は、前記可変入球制御が少なくとも1回実行される遊技状態であり、
前記第1遊技状態は、前記可変入球制御の実行中ではない遊技状態であることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球制御が実行される遊技状態において特定入球部が特典付与用の入球部として機能するため、可変入球制御の実行中に特定入球部への入球を発生させることで、特典を得る遊技を付与することが可能になる。これにより、可変入球手段への入球を狙う遊技と並行して特定入球部への入球を狙う遊技を行うことができ、前者のみに留まる遊技機と比べ、可変入球制御が実行されるときの遊技を盛り上げることができる。また、可変入球制御が実行されない遊技状態では、特定入球部が排出用の入球部として機能とするため、特定入球部の存在により、可変入球制御が実行されないときの遊技が有利化することが抑制され、第2遊技状態(可変入球制御が実行される遊技状態)の優位性を好適に担保することが可能になる。
特徴D9.前記特定入球部は、前記可変入球手段とは異なるものであり、
前記発射手段により遊技球が前記可変入球手段に到達可能な発射強度で発射されると、前記特定入球部に到達可能となるように、前記特定入球部及び前記可変入球手段が配置されることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段を狙って遊技球を発射させれば、自然と特定入球部に遊技球を到達させることができる。これにより、可変入球制御の実行に際して特定入球部への入球を発生させる遊技を付与する上で、可変入球手段への入球を狙う場合と特定入球部への入球を狙う場合とで遊技球の打ち分けを行う必要がなくなり、遊技者が遊技しやすい構成とすることができる。
特徴D10.前記特定入球部に入球した遊技球が流入可能な通路部(第2案内通路335)と、
発光可能な発光手段と、
を備え、
前記発光手段は、その照射光が前記通路部に当たるようにして設けられており、
前記第2遊技状態である場合に前記発光手段が発光し、前記第1遊技状態である場合に前記発光手段が発光しない又は前記照射光の発光強度が前記第2遊技状態である場合よりも低くなるように前記発光手段を制御する発光制御手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定入球部が特典付与用の入球部として機能する第2遊技状態において、特定入球部に入球した遊技球が通る通路部が発光手段によって明るく照らされる。これにより、特定入球部への入球を狙って遊技することが遊技者にとって有利な状況である場合に、特定入球部や通路部を目立させて強調することができる。加えて、発光有無や明るさの違いに基づき、特定入球部がどちらの入球部として機能しているかを遊技者が判別可能となるため、遊技者の困惑を抑制する上でも有利な構成となる。
特徴D11.その前面に前記遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)を備え、
前記通路部は前記遊技盤の背面側に設けられており、
前記通路部の少なくとも一部において当該通路部を流れる遊技球を遊技機前方から視認可能な構成とされていることを特徴とする特徴D10に記載の遊技機。
上記構成によれば、通路部を遊技盤背面側に設けるため、当該通路部を遊技盤前面側に設けた場合に比べ、通路部の視認性を低下させることができる。これにより、第1遊技状態であり発光手段を発光させていない(又は発光強度を低減させた)場合に、当該通路部を目立ちにくくすることができる。加えて、遊技機前方から通路部を視認できるため、第2遊技状態であり発光手段を発光させた場合には、特定入球部や通路部を好適に目立させることができる。
特徴D12.前記発光手段は前記通路部よりも遊技機後方側に配置されるものであることを特徴とする特徴D11に記載の遊技機。
上記構成によれば、通路部を流れる遊技球の視認性が発光手段により阻害されることを抑制可能となる。
特徴D13.発光可能な発光手段を備え、
前記発光手段は、その照射光が前記特定入球部に当たるようにして設けられており、
前記第2遊技状態である場合に前記発光手段が発光し、前記第1遊技状態である場合に前記発光手段が発光しない又は前記照射光の発光強度が前記第2遊技状態である場合よりも低くなるように前記発光手段を制御する発光制御手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定入球部が特典付与用の入球部として機能する第2遊技状態において、特定入球部が発光手段によって明るく照らされる。これにより、特定入球部への入球を狙う遊技を行うことが遊技者にとって有利な状況である場合に、特定入球部を目立させて強調することができる。加えて、発光有無や明るさの違いに基づき、特定入球部がどちらの入球部として機能しているかを遊技者が判別可能となるため、遊技者の困惑を抑制する上でも有利な構成となる。
特徴D14.所定の発射操作に基づいて遊技領域へ遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定入球部(特定入球口331)と、
移動可能な可動体(シャッタ304,501)と、
前記可動体を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置81による大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記可動体(シャッタ304,501)の移動に伴って前記特定入球部への入球が生じた場合には特典を付与する一方、前記可動体の移動を伴わずに前記特定入球部への入球が生じた場合には特典を付与することなく遊技球を前記遊技領域から排出させる特定手段(シャッタ304、貫通孔339、第2案内通路335、縦通路342)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、同じ入球部への入球であっても、特典が付与されるのか、特典が付与されることなく遊技球が遊技領域から排出されるのかが変化するものとなる。これにより、入球部への入球が発生した場合の遊技機のアクションが固定化されている場合に比べ遊技態様を多様化することができ、興趣性を向上させることが可能になる。その際、特定入球部への入球に際して所定の可動体の移動を伴うか否かと対応して特典付与の有無が変化するため、遊技者を可動体の挙動に注目させながら特定入球部に入球するか否かを楽しむ遊技を提供することができ、遊技への注目度を高めることが可能になる。
本特徴に対して上記特徴D2乃至D13のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴D1乃至D14の各構成に対して、特徴A1乃至A21、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C13のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴D群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴D群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。