JP7309695B2 - ポテックスウイルスベクターの安定性を改善する方法 - Google Patents

ポテックスウイルスベクターの安定性を改善する方法 Download PDF

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Description

本発明は、目的とするタンパク質を植物において発現させるためのポテックスウイルスベクターを作製する方法に関する。本発明はまた、ポテックスウイルスレプリコンの植物における遠距離移行のための能力を改善する方法に関する。本発明はまた、ポテックスウイルスレプリコンの安定性を改善する方法に関する。本発明はまた、目的とするタンパク質を植物又は植物組織において発現を達成するための達成方法(プロセス、process)を提供する。さらに、本発明の方法及び達成するための達成方法のための核酸が提供される。
植物における異種タンパク質の高収量発現を、ウイルスベクターを使用して達成することができる。様々なウイルスベクター系が主として、植物宿主への感染の後における一過性発現のために(Donson et al.,1991,Proc Natl Acad Sci USA,88:7204-7208;Chapman,Kavanagh&Baulcombe,1992,Plant J.,:549-557)、又は植物宿主へのトランスフェクションの後における一過性発現のために開発された(Marillonnet et al.,2005,Nat Biotechnol.,23:718-723;Santi et al.,2006,Proc Natl Acad Sci USA.103:861-866;国際公開第2005/049839号パンフレット)。最も良く確立された商業的に実行可能な系はプラスセンス一本鎖のRNAウイルスに基づいており、好ましくはタバコモザイクウイルス(TMV)由来のベクターに基づいている。ポテックスウイルス(例えば、PVX(ジャガイモウイルスX)など)に由来する別の一群のRNAウイルス型ベクターもまた、高収量の組換えタンパク質をもたらすことができる(Chapman,Kavanagh&Baulcombe,1992,Plant J.,:549-557;Baulcombe,Chapman&Santa Cruz,1995,Plant J.,:1045-1053;Zhou et al.,2006,Appl.Microbiol.Biotechnol.,72(4):756-762;Zelada et al.,2006,Tuberculosis,86:263-267)。同様に、ポテックスウイルスも、プラスセンス一本鎖ゲノムを有する植物RNAウイルスである。
第一世代の全身性ウイルスベクターでは、大部分の植物資源が、ウイルスレプリコンの全身移行のために必要であるウイルスコートタンパク質を産生させるために無駄になっていた。TMV由来のベクターについては、この問題が、コートタンパク質遺伝子を除くことによって、また、アグロ浸潤をレプリコンの効率的な全身送達のために使用することによって解決されたため、目的とする組換えタンパク質の収量が大幅に増大した(国際公開第2005/049839号パンフレット;Marillonnet et al.,(2005),Nat.Biotechnol.,23:718-723)。しかしながら、TMV由来のレプリコンの場合とは異なり、ポテックスウイルス由来のレプリコンについては、ウイルスコートタンパク質が全身移行のためだけではなく、短距離(細胞間)移行のためにもまた好まれる。Avesani et al.(2007),Transgenic Res.16:587-597には、PVX発現ベクターの安定性がインサートサイズに関連づけられることが記載される。国際公開第2008/028661号パンフレットには、ポテックスウイルスベクターから植物又は植物組織において発現される目的とするタンパク質の発現収率を、請求項1の項目(ii)で定義される配列が項目(i)のRNA依存性RNAポリメラーゼコード配列(RdRp又はRdRP)の後に(5から3’への方向で下流側に)配置され、かつ、項目(iii)の前記異種核酸の前に位置するベクター設計によって増大させるための達成方法が記載される。ポテックスウイルスベクターのこの特別な場合において、このベクター設計はRNAレプリコンの細胞間移行能をもたらしており、かつ、同時に、異種核酸がポテックスウイルスコートタンパク質遺伝子の上流側に置かれたポテックスウイルスベクターと比較して異種核酸のより高い発現レベルをもたらしている。
外来遺伝子を植物において発現させるために使用されるウイルスベクターは典型的には、発現させられる外来タンパク質をコードするORFとは別に、ベクターが、例えば、植物における細胞間移行及び/又は遠距離移行などによって植物組織又は植物全体において複製し、伝播することを可能にする残りのウイルスORFを含有する。目的とする配列を植物において発現させるとき、複製され、伝播したウイルスベクターは、発現させられる目的とする核酸配列を変化させないように安定であることが望まれる。
本発明者らは、発現させられるORFを含有するポテックスウイルスレプリコンをコードするベクターを伝えるアグロバクテリア懸濁物を浸潤させた若齢植物の低い位置の葉のとき、様々な植物器官に伝播し、しかし、時には不安定であり、目的とする核酸配列を時間とともに失うことを観察している。他方で、異種核酸配列を含有するいくつかのポテックスウイルスベクター、例えば、AtFT又はsGFPをコードするポテックスウイルスベクターなどは異常なほどに安定である。
したがって、目的とする異種核酸又は異種タンパク質を発現させるためのポテックスウイルスベクターであって、特に植物における該ベクターの遠距離移行において安定であるポテックスウイルスベクターを提供することが、本発明の目的である。
本発明者らはこの問題を詳細に検討して、解決策を見出した。それによれば、本発明は下記の(1)~(18)に記載される発明を提供する。
(1)目的とするタンパク質を植物において発現させるためのポテックスウイルスベクターを作製する方法であって、
前記目的とするタンパク質をコードする第2のORFを含み、かつ、前記目的とするタンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFと比較して、増大したGC含量を前記第2のORFにおいて有する第2の異種核酸配列を作製する工程、及び
以下のセグメント、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列と、(iii)前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含むその一部分とを含む前記ポテックスウイルスベクターを提供する工程(ただし、前記一部分は前記第2のORFからなる場合がある)
を含む方法。
(2)目的とするタンパク質を植物において発現させるためのポテックスウイルスベクターを作製する方法であって、
前記目的とするタンパク質をコードする第2のORFを含み、かつ、前記目的とするタンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFと比較して、増大したGC含量を前記第2のORFにおいて有する第2の異種核酸配列を作製する工程、及び
以下のセグメント、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列と、(iii)前記第2のORFとを含む前記ポテックスウイルスベクターを提供する工程
を含む方法。
(3)植物において発現させられる目的とするタンパク質をコードするポテックスウイルスレプリコンの前記植物における遠距離移行のための能力を改善する方法であって、
前記目的とするタンパク質をコードする第2のORFを含み、かつ、前記目的とするタンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFと比較して、増大したGC含量を第2のORFにおいて有する第2の異種核酸配列を作製する工程、及び
前記ポテックスウイルスレプリコン、あるいは前記ポテックスウイルスレプリコンを含むポテックスウイルベクター又はコードするポテックスウイルベクターを提供する工程であって、前記ポテックスウイルスレプリコンが、以下のセグメント、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列と、(iii)前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含むその一部分とを含む、工程(ただし、前記一部分は前記第2のORFからなる場合がある)
を含む方法。
(4)植物において発現させられる目的とするタンパク質をコードするポテックスウイルスレプリコンの前記植物における遠距離移行のための能力を改善する方法であって、
前記目的とするタンパク質をコードする第2のORFを含み、かつ、前記タンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFと比較して、増大したGC含量を第2のORFにおいて有する第2の異種核酸配列を作製する工程、及び
前記ポテックスウイルスレプリコン、あるいは前記ポテックスウイルスレプリコンを含むポテックスウイルベクター又はコードするポテックスウイルベクターを提供する工程であって、前記ポテックスウイルスレプリコンが、以下のセグメント、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列と、(iii)前記第2のORFとを含む、工程
を含む方法。
(5)ポテックスウイルスベクター又はポテックスウイルスレプリコンを提供する工程が、第2の異種核酸配列、又は第2のORFを含むその一部分を、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックをコードする核酸配列とを含む核酸に挿入して、前記ポテックスウイルスベクター、あるいは前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含むその一部分を含む前記ポテックスウイルスレプリコンを作製する工程を含む、(1)、(2)、(3)又は(4)のいずれか1つに記載の方法。
(6)目的とするタンパク質を植物又は植物組織において発現させるための達成方法であって、(1)もしくは(2)に記載の方法に従う、又は(5)においてさらに定義されるポテックスウイルスベクターを作製する工程、及び前記作製されたポテックスウイルスベクターを前記植物の少なくとも一部に与える工程を含む、達成方法。
(7)植物が、タバコ属(Nicotiana)の種(例えば、ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)及びタバコ(Nicotiana tabacum))、トマト、ジャガイモ、コショウ、ナス、ダイズ、ペチュニア(Petunia hybrida)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ブラシカカンペストリス(Brassica campestris)、カラシナ(Brassica juncea)、クレス(cress)、ルッコラ、カラシ、イチゴ、ホウレンソウ、ケノポジウムカピタツム(Chenopodium capitatum)、アルファルファ、レタス、ヒマワリ、ジャガイモ、キュウリ、トウモロコシ、コムギ及びイネから選択される、(1)~(6)のいずれか1つに記載の方法又は達成方法。
(8)(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列がさらに、ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸配列、又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸配列を含む、(1)~(7)のいずれか1つに記載の方法又は達成方法。
(9)植物において発現させられる目的とするタンパク質をコードするポテックスウイルスレプリコンの前記植物における遠距離移行のための能力を改善する方法であって、
前記タンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFのGC含量を増大させ、それにより、前記タンパク質をコードし、かつ、増大したGC含量を有する第2のORFを含む第2の異種核酸配列を得る工程、及び
前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含有するその一部分を、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列とを含む核酸に挿入して、前記ウイルスレプリコンを含むポテックスウイルスベクター又はコードするポテックスウイルスベクターを作製する工程であって、前記ポテックスウイルスベクターが前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含むその一部分を含む、工程
を含む方法。
(10)(1)又は(2)に記載の方法、必要な場合には(5)及び/又は(8)においてさらに定義される方法によって得られる、又は得ることができるポテックスウイルスベクター。
(11)以下のセグメント、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列と、(iii)目的とするタンパク質をコードするORFを含む異種核酸配列とを含む核酸であって、
前記ORFが、少なくとも200個、最大でも400個のヌクレオチドからなり、かつ、少なくとも50%のGC含量を有する;又は
前記ORFが、少なくとも401個、最大でも800個のヌクレオチドからなり、かつ、少なくとも55%のGC含量を有する;及び/又は
前記ORFが、少なくとも801個のヌクレオチドからなり、かつ、少なくとも58%のGC含量を有する、核酸。
(12)以下のセグメント、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列と、(iii)目的とするタンパク質をコードするORFを含む異種核酸配列とを含む核酸であって、
前記ORFが、少なくとも100個、最大でも500個のヌクレオチドからなり、かつ、少なくとも50%のGC含量を有する;又は
前記ORFが、少なくとも501個、最大でも1000個のヌクレオチドからなり、かつ、少なくとも55%のGC含量を有する;及び/又は
前記ORFが、少なくとも1001個のヌクレオチドからなり、かつ、少なくとも58%のGC含量を有する、核酸。
(13)ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸配列、又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸配列をさらに含む、(11)又は(12)に記載の核酸。
(14)目的とするタンパク質が植物ウイルスタンパク質でない、又は植物ウイルスに対して異種であるタンパク質である、好ましくは前記目的とするタンパク質がポテックスウイルスコートタンパク質又はトバモウイルス移行タンパク質でない、(11)~(13)のいずれか1つに記載の核酸。
(15)第1の核酸と、第2の核酸とを含み、前記第1の核酸が、(11)、(12)又は(13)において定義されるセグメント(i)及びセグメント(ii)を含み、前記第2の核酸が、(11)、(12)又は(14)において定義されるセグメント(iii)を含む、組合せ又はキット。
(16)第1の核酸がセグメント(ii)の下流側において、部位特異的リコンビナーゼによって認識可能である第1の部位特異的組換え部位を有し、第2の核酸がセグメント(iii)の上流側において、前記部位特異的リコンビナーゼによって認識可能である第2の部位特異的組換え部位を、前記第1の部位特異的組換え部位と、前記第2の部位特異的組換え部位との間での部位特異的組換えと、(11)、(12)、(13)もしくは(14)に記載の核酸、又は(10)に記載のポテックスウイルスベクターの形成とを可能にするために有する、(15)に記載の組合せ又はキット。
(17)目的とする異種核酸配列を植物又は植物組織において発現させるための達成方法であって、前記目的する異種核酸配列を発現させるために前記植物又は植物組織に、(11)もしくは(12)に記載の核酸、(10)に記載のポテックスウイルスベクター、又は(15)もしくは(16)に記載の核酸の組合せもしくはキットを与える工程を含む、達成方法。
(18)(11)~(14)において定義される異種核酸、(10)に記載のポテックスウイルスベクター、又は(15)もしくは(16)に記載の組合せもしくキットの使用であって、前記異種核酸によってコードされるタンパク質を発現させるための、及び、植物におけるポテックスウイルスベクターの改善された遠距離移行を達成するための使用。
本発明者らは驚くべきことに、異種核酸のGC含量、特に目的とするタンパク質をコードするORFのGC含量を増大させれば、目的とするタンパク質をコードする異種核酸を植物又は植物組織における発現のために運ぶポテックスウイルスレプリコンが植物における遠距離移行のための改善された能力を有し、かつ/又は当該植物におけるレプリコン安定性が改善されることを見出している。それにより、目的とするタンパク質の植物又は植物組織における発現収量が改善され、目的とするタンパク質を精製するためのコストが削減される。1つの実施形態において、目的とするタンパク質により、植物には農業形質が与えられる。
ジャガイモウイルスX(PVX)に基づくエントリーベクターで、目的とするインサートをクローニングするためのpNMD4300及びpNMD670を図式的に示す。これらのベクターのヌクレオチド配列が配列番号24及び配列番号23としてそれぞれ示される。 RB及びLBはバイナリーベクターのT-DNAの右境界領域及び左境界領域を示している。P35S:カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター;PVX-pol:PVX由来のRNA依存性RNAポリメラーゼ;CP:コートタンパク質ORF;25K、12K及び8Kは一緒に、PVX由来の25kDa三重遺伝子ブロックモジュール、12kDa三重遺伝子ブロックモジュール及び8kDa三重遺伝子ブロックモジュールを示している;N:PVX由来の3’非翻訳領域。INSERTは、目的とするDNAインサートを表す;BsaIは、対応するヌクレオチド突出端が下記で示されるBsaI制限部位を表す。virGN54Dは、アグロバクテリウムツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のLBA4404株に由来するN54D変異を有するvirG遺伝子である。 PVXウイルスベクターにおける外来インサート安定性のRT-PCR分析を示す。 36日齢のトマト(Solanum lycopersicum)「Balcony Red」植物を、PVXベクターを伝えるアグロバクテリウム培養物のシリンジ浸潤によるトランスフェクションに供した。浸潤を2枚の子葉に行った。総RNAを、NucleoSpin(登録商標)RNA植物キット(Macherey-Nagel)を使用して浸潤後26日のPVX感染植物の全身の葉から単離した。RNAを、PrimeScript(商標)RT試薬キット(Takara Clontech)を使用して逆転写した。得られたcDNAを、PVX(上段パネル)、又はRNA負荷コントロールとして使用されるタバコの伸長因子EF1α(下段パネル)のいずれかについて特異的なオリゴを用いたPCRのためのテンプレートとして使用した。予想されたサイズのPCRフラグメントが矢印により示される。存在が確認できない予想されたPCR産物のゲル上での位置が破線により示される。 RT-PCR産物を1%アガロースゲルで分離した。MWL:分子量ラダー;GFP:GFP挿入物を伝えるPVXベクターを感染させた植物についてのRT-PCR産物;GUS、AtFT、CaDREB、SlSUN、SlLOG1、SlDREB1、SlGR、SlOVATE、SlWOOLLY:GUS遺伝子、AtFT遺伝子、CaDREB遺伝子、SlSUN遺伝子、SlLOG1遺伝子、SlDREB1遺伝子、SlGR遺伝子、SlOVATE遺伝子、SlWOOLLY遺伝子の挿入を有するPVXベクターをそれぞれ感染させた植物についてのRT-PCR産物;V:外来挿入のない空のPVXエントリーベクターを感染させた植物。予想PCRフラグメントのサイズが括弧内に示される。 インサートの長さと安定性との関係を示す。全長インサートが検出された浸潤後の最後の日(Y軸)を、対応する外来インサートの長さ(X軸)に対してプロットした。分析のために、GFP、GUS、AtFT、CaDREB、SlSUN、SlLOG1、SlDREB1、SlGR、SlOVATE及びSlWOOLLYの各インサートについての値(表1)を使用した。 インサートのGC含量と安定性との関係を示す。全長インサートが検出された浸潤後の最後の日(Y軸)を、対応する外来インサートのGC含量(%)(X軸)に対してプロットした。分析のために、GFP、GUS、AtFT、CaDREB、SlSUN、SlLOG1、SlDREB1、SlGR、SlOVATE及びSlWOOLLYの各インサートについての値(表1)を使用した。インサートのGC含量を、ENDMEMOオンラインDNA/RNA GC含量計算機(www.endmemo.com/bio/gc.php)を使用して求めた。 インサートのGC含量対長さ比と安定性との関係を示す。全長インサートが検出された浸潤後の最後の日(Y軸)を、対応する外来インサートのGC含量対長さ比(X軸)に対してプロットした。分析のために、GFP、GUS、AtFT、CaDREB、SlSUN、SlLOG1、SlDREB1、SlGR、SlOVATE及びSlWOOLLYの各インサートについての値(表1)を使用した。インサートのGC含量と長さとの比率を、下記の式を使用して計算した:GC含量/長さ比=(GC含量(%)/長さ(bp)×100)。 コドン使用頻度が異なるSIANT1挿入物を含有する構築物についての浸潤後21日(dpi)でのPVXベクター安定性のRT-PCR分析を示す。3つの独立したトマト「Balcony Red」植物の全身の葉を例2に記載されるように分析した。 生来型(35.2%;4.3):35.2%のGC含量及び4.3のGC含量/長さ比を有する生来型SIANT1コード配列(pNMD721構築物)。 タバコ(39.5%;4.8):タバコ(Nicotiana tabacum)のコドン使用頻度について最適化されるSIANT1コード配列(39.5%のGC含量及び4.8のGC含量/長さ比;pNMD29561)。 シロイヌナズナ(41.0%;5.0):シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のコドン使用頻度について最適化されるSIANT1コード配列(41.0%のGC含量及び5.0のGC含量/長さ比;pNMD29541)。 ヒト(48.0%、5.8):ヒト(Homo sapiens)のコドン使用頻度について最適化されるSIANT1コード配列(48.0%のGC含量及び5.8のGC含量/長さ比;pNMD29531)。 イネ(48.4%;5.9):ヒト(Homo sapiens)のコドン使用頻度について最適化されるSIANT1コード配列(48.4%のGC含量及び5.9のGC含量/長さ比;pNMD29551)。 V:空のエントリーPVXベクターpNMD4300。PL:プラスミド;1、2及び3:植物1、植物2及び植物3(それぞれ)。プラスミド増幅のPCRフラグメントが陽性のサイズコントロールとして役立つ。 コドン使用頻度が異なるSIANT1挿入物を含有する構築物についての浸潤後52日でのPVXベクター安定性のRT-PCR分析を示す。3つの独立したトマト「Balcony Red」植物の全身の葉を例2に記載されるように分析した。 生来型(35.2%;4.3):35.2%のGC含量及び4.3のGC含量/長さ比を有する生来型SIANT1コード配列(pNMD721構築物)。 タバコ(39.5%;4.8):タバコ(Nicotiana tabacum)のコドン使用頻度について最適化されるSIANT1コード配列(39.5%のGC含量及び4.8のGC含量/長さ比;pNMD29561)。 PVX(44.7%;5.4):PVXのコドン使用頻度について最適化されるSIANT1コード配列(44.7%のGC含量及び5.4のGC含量/長さ比;pNMD30881)。 オオムギ(51.0%;6.2):オオムギ(Hordeum vulgare)のコドン使用頻度について最適化されるSIANT1コード配列(51.0%のGC含量及び6.2のGC含量/長さ比;pNMD30722)。 Bifido(56.1%;6.8):ビフィズス菌(Bifidobacterium)のコドン使用頻度について最適化されるSIANT1コード配列(56.1%のGC含量及び6.8のGC含量/長さ比;pNMD30891)。 V:空のエントリーPVXベクターpNMD4300。PL:プラスミド;1、2及び3:植物1、植物2及び植物3(それぞれ)。プラスミド増幅のPCRフラグメントが陽性のサイズコントロールとして役立つ。 SlLOG1遺伝子及びSlOVATE遺伝子の生来型配列及びコドン最適化配列を含有する構築物についてのPVXベクター安定性のRT-PCR分析を示す。 (A)SlLOG1挿入物を有するベクターの分析。 トマト「Balcony Red」植物の全身の葉からの植物材料を浸潤後34日で分析した。1:生来型SlLOG1配列(41.9%のGC含量及び6.2のGC含量/長さ比)を含有するpNMD27533構築物によりトランスフェクションされた植物。2:イネ(Oryza sativa)のコドン使用頻度について最適化されるSlLOG1配列(53.2%のGC含量及び7.8のGC含量/長さ比)を含有するpNMD31084構築物によりトランスフェクションされた植物。完全な形での挿入についてのPCRフラグメントの予想サイズが870bpであり、矢印により示される。 (B)SlLOG1挿入物を有するベクターの分析。上段パネル:浸潤後27日で分析された植物材料;下段パネル:浸潤後82日で分析された植物材料。 生来型(41.0%;3.9):41.0%のGC含量及び4.6のGC含量/長さ比を有する生来型SIOVATEコード配列(pNMD27931構築物)。 イネ(48.8%;4.6):イネ(Oryza sativa)のコドン使用頻度について最適化されるSIOVATEコード配列(48.8%のGC含量及び4.6のGC含量/長さ比;pNMD29551)。 V:空のエントリーPVXベクターpNMD4300。PL:プラスミド;1及び2:植物1及び植物2(それぞれ)。プラスミド増幅のPCRフラグメントが陽性のサイズコントロールとして役立つ。 表1:PVXベクター挿入物及びそれらの安定性(例2)を示す。 表3:SlLOG1遺伝子及びSlOVATE遺伝子の生来型配列及びコドン最適化配列(例4)を示す。 sGFPの元の配列の挿入物を含有するPVXベクターが接種されたトマト「Balcony Red」植物の実におけるGFP蛍光(図11、A)、及びタバコのコドン使用頻度について適合化されるsGFP配列(sGFP-タバコ)の挿入物を含有するPVXベクターが接種されたトマト「Balcony Red」植物の実におけるGFP蛍光(図11、B)を示す。写真を浸潤後102日で撮影した。白抜きの矢印は、GFP蛍光を有する実の区域を示す。それぞれの構築物について、2つの独立した植物(植物1及び植物2)を使用した(例5)。 sGFP(61.4%;8.5):61.4%のGC含量及び8.5のGC含量/長さ比を有する元のsGFPコード配列(pNMD5800構築物)。 sGFP-タバコ(40.3%;5.6):タバコ(Nicotiana tabacum)に適合化されたコドン使用頻度を有するsGFPコード配列(40.3%のGC含量及び5.6のGC含量/長さ比;pNMD32685)。 元のコドン使用頻度を有するsGFP挿入物を含有する構築物(sGFP)、及びタバコに適合化されたコドン使用頻度を有するsGFP挿入を含有する構築物(sGFP-タバコ)についての25dpi(上段パネル)及び102dpi(下段パネル)でのPVXベクター安定性のRT-PCR分析を示す。それぞれの構築物について、2つの独立したトマト「Balcony Red」植物に接種した。25dpiにおいて、接種された植物の全身の葉を分析した。102dpiにおいて、成熟した実を分析のために使用した。分析を例5に記載されるように行った。 PL:プラスミド;1及び2:接種植物1及び接種植物2。プラスミド増幅のPCRフラグメントが陽性のサイズコントロールとして役立った。黒の矢印は、無傷の非分解sGFPインサートに対応するサイズを有するPCRフラグメントを示す。 sGFP(61.4%;8.5):61.4%のGC含量及び8.5のGC含量/長さ比を有する元のsGFPコード配列(pNMD5800構築物)。 sGFP-タバコ(40.3%;5.6):タバコ(Nicotiana tabacum)に適合化されたコドン使用頻度を有するsGFPコード配列(40.3%のGC含量及び5.6のGC含量/長さ比;pNMD32685)。
本明細書中において、ポテックスウイルスレプリコンは、植物細胞において複製され、かつ、植物及び植物組織における細胞間移行及び遠距離移行が可能である核酸である。ポテックスウイルスレプリコンでは、植物又は植物細胞におけるポテックスウイルスの複製が使用され、好ましくは植物又は植物細胞におけるポテックスウイルスのタンパク質発現系が使用される。ポテックスウイルスレプリコンは、例えば、ポテックスウイルス由来の遺伝子成分を含むことによって、又はポテックスウイルスの遺伝子成分と比較して好適に変更された遺伝子成分を使用することによって天然型ポテックスウイルスに基づいて組み立てられる場合がある。ポテックスウイルスレプリコンはRNAであり、又はRNAを含む。本発明のポテックスウイルスベクターは、植物又は植物組織の細胞にポテックスウイルスレプリコンを与えるために使用される媒体である。ポテックスウイルスレプリコンはそれ自体が、本発明のポテックスウイルスベクターとして使用される場合がある。しかしながら、ポテックスウイルスベクターはポテックスウイルスレプリコンを含む場合があり、又はコードする場合がある。ポテックスウイルスベクターは、下記で言及される核酸と同様に、DNA又はRNAである場合がある。ポテックスウイルスベクターがRNAであるならば、ポテックスウイルスベクターはポテックスウイルスレプリコンであり、又はポテックスウイルスレプリコンを含む。ポテックスウイルスベクターがDNAであるならば、ポテックスウイルスベクターはポテックスウイルスレプリコンをコードする。ポテックスウイルスベクター又は前記核酸がDNAであるならば、セグメント(i)~セグメント(iii)もまた一般にDNAである。前記ポテックスウイルスベクター又は前記核酸がRNAであるならば、セグメント(i)~セグメント(iii)もまた一般にRNAである。
ポテックスウイルスレプリコンは、少なくとも下記のセグメント(i)~セグメント(iii)を好ましくは5’から3’の方向においてこの順で含むRNA(一般にはRNA分子)である:
(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)をコードする核酸配列;
(ii)下記を含む核酸配列:
(a)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロック、及び
(b)必要な場合には、ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする配列;又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする配列;ならびに
(iii)目的とするタンパク質をコードするORFを含む異種核酸配列。
本発明のポテックスウイルスベクターは、上記ポテックスウイルスレプリコンを含む核酸又はコードする核酸である。したがって、ポテックスウイルスベクターは、好ましくは5’から3’の方向においてこの順で、下記のセグメント(i)~セグメント(iii)を含む:
(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)をコードする核酸配列;
(ii)核酸配列であって、
(a)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む、又はコードする、かつ
(b)必要な場合には、ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする配列を含む;又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする配列を含む
核酸配列;及び
(iii)目的とするタンパク質をコードするORFを含む異種核酸配列。
セグメント(i)~セグメント(iii)の順序は5’から3’の方向において、上記で示されるように、好ましくはセグメント(i)からセグメント(ii)に、セグメント(iii)にであるが、セグメント(ii)のセグメント(a)及びセグメント(b)の順序は特に限定されない。セグメント(i)~セグメント(iii)のこの好ましい順序はまた、本発明の他の実施形態にも当てはまる。
上記ポテックスウイルスベクターの「核酸」及び上記ポテックスウイルスレプリコンの「RNA」又は「RNA分子」はまた、「本発明の核酸」としてまとめて示される。項目(iii)の異種核酸配列はまた、本明細書中では「第2の異種核酸(配列)」として示され、前記ORFはまた、本明細書中では「第2のORF」として示される。これらの要素及びそれらの作製がさらに下記で記載される。本明細書中において、ORF(オープンリーディングフレーム)は、目的とするタンパク質のコード核酸配列である。ORFは、開始コドンから終止コドンまでの、両コドンを含む塩基トリプレットからなり、イントロンを含む場合がある。ORFは、目的とするタンパク質をそのN末端からそのC末端までコードする。目的とするタンパク質は、翻訳後に切断されることがあるN末端ペプチド又はC末端ペプチドを含む場合がある。したがって、本発明において、「目的とするタンパク質」は、タンパク質を発現させるための達成方法において産生される一次翻訳産物である場合があり、一方で、目的とするタンパク質を発現させた後で精製されることがある最終タンパク質は、翻訳後に修飾されている場合がある。
「核酸配列」又は簡単に「配列」は一般には、核酸分子、又はより長い核酸分子の核酸セグメントである。(核酸の)セグメントは、より長い核酸分子の内部における複数の連続した塩基である。「核酸配列」又は簡単に「配列」は一本鎖又は二本鎖である場合がある。同様に、核酸又は核酸分子は一本鎖又は二本鎖である場合がある。本発明の第1の異種核酸配列及び第2の異種核酸配列はまた、第1の異種核酸及び第2の異種核酸としてそれぞれ示される場合がある。
ポテックスウイルスレプリコンは、項目(i)及び項目(ii)のポテックスウイルス要素又はポテックスウイルスセグメントと、必要な場合にはポテックスウイルスレプリコンのさらなる遺伝子要素とが存在するために植物細胞において複製することができる。これらのさらなる遺伝子要素はまた、ポテックスウイルスベクターに含有されてもよく、又はコードされてもよい。そのようなさらなる遺伝子要素の例として、5’非翻訳領域及び3’非翻訳領域、ならびにサブゲノムプロモーターがある。
本発明の方法において、上記の項目(iii)の第2の異種核酸配列が作製される。第2の異種核酸配列は一般には、第1の異種核酸配列と同じタンパク質をコードする。第2の異種核酸配列は、第2の異種核酸配列のORFが第1の異種核酸配列のORFよりも高いGC含量を有するという点で、第1の異種核酸配列とは異なる。GC含量がより高いことは、G(グアニン)塩基及びC(シトシン)塩基の合計がより大きいことを意味する。したがって、本明細書中における「GC含量」は、G+Cの含量を意味する。GC含量は、所与の核酸におけるG塩基及びC塩基の数を数えることによって求められる。第2の異種核酸配列は、目的とするタンパク質のORF又はコード配列からなる場合がある。目的とするタンパク質のコード配列は本明細書中ではまた、ORF(オープンリーディングフレーム)として示される。代替において、第2の異種核酸配列は、目的とするタンパク質のコード配列(ORF)と、目的とするタンパク質をポテックスウイルスレプリコンから植物又は植物細胞において発現させるためのポテックスウイルスベクター又は遺伝子要素を操作するための1つ又は複数のさらなるヌクレオチド又はヌクレオチド区域(例えば、制限エンドヌクレアーゼ部位など)とを含む場合がある。第2の異種核酸配列はさらに、他の遺伝子要素を含有する場合があり、例えば、第2のORFをクローニングするために、あるいは第2のORFをポテックスウイルスレプリコン又はポテックスウイルスベクターに導入するために使用される要素を含有する場合がある。また、第2の異種核酸配列が付加的なヌクレオチド又は配列区域又は他の遺伝子要素を含むならば、本明細書中で定義されるGC含量は、目的とするタンパク質のコード配列(ORF)からなるセグメントのGC含量である。好ましくは、第2の異種核酸配列は、第1の異種核酸配列よりも高いGC含量を有する。
第1の異種核酸配列もまた、目的とするタンパク質をコードするORFを含む。第1の異種核酸配列は物理的実体物(例えば、核酸分子など)である場合がある。しかしながら、本発明のためには、第2の異種核酸のORFのより高いCG含量が、GC塩基を数えることによって決定され得ることが十分である。したがって、第1の異種核酸及びそのORFが物理的実体物であることは必要なく、第1の異種核酸は、仮想的な核酸、例えば、紙に書かれる、又はコンピューター読み取り可能な電子ファイルに書き込まれる一般に使用されている文字(C、G、A及びT/U)によって表される仮想的な核酸であることで十分である。一般に知られているように、これらの文字は、核酸配列におけるシトシン、グアニン、アデニン及びチミン/ウラシルのヌクレオチドをそれぞれ表している。
目的とするタンパク質をコードするORFのGC含量が、第1の異種核酸配列の目的とするタンパク質をコードするORFのGC含量よりも高いという条件のもとで、第2の異種核酸を作製するために用いられる方法は限定されない。核酸を作製する様々な方法が分子生物学における一般的知識の一部である。第2の異種核酸は、例えば、自動化されたDNA合成によって作製される場合がある。第2の異種核酸は代替において、目的とするタンパク質をコードするORFのGC含量が増大するようにヌクレオチドを置換することにより第1の異種核酸を改変することによって作製される場合がある。ORFのヌクレオチドとは異なる第1の異種核酸のヌクレオチドはまた、所望されるならば、第2の異種核酸を作製する際に変更されることがある。
作製された第2の異種核酸を使用して、ポテックスウイルスレプリコン又はポテックスウイルスベクターが提供され得る。この工程において適用可能な方法は、分子生物学の一般に知られている方法であり、本発明は、使用される具体的な方法に関して限定されない。一般には、DNAレベルでの必要な核酸修飾を行うことが好ましく、また、より一般的である。したがって、第2の異種核酸配列がDNAであること、そして、ポテックスウイルスレプリコンをコードするポテックスウイルスベクターが作製されることが好ましい。例えば、第2の異種核酸配列が、本発明のポテックスウイルスベクターを作製するために、上記のセグメント(i)及びセグメント(ii)を含む核酸を含む核酸に挿入される場合がある。第2の異種核酸配列を挿入する工程は、第2の異種核酸の一部又はヌクレオチド(例えば、エンドヌクレアーゼ制限部位のヌクレオチド)が作製物において失われることがある、すなわち、作製物に存在しないことがある通常のサブクローニング工程である場合がある。したがって、第2の異種核酸配列の全体が必ずしもポテックスウイルスベクターに収まらないことが起こり得る。いずれにせよ、第2の異種核酸の目的とするタンパク質のORF(すなわち、前記第2のORF)を含む少なくとも一部分が、ポテックスウイルスベクターである作製物に挿入される。別の実施形態において、第2のORFが、例えば、第2のORFを超える付加的な配列区域を伴うことなく、ポテックスウイルスベクターである作製物に挿入される。しかしながら、この場合でもまた、目的とするタンパク質を発現させるために必要である遺伝子要素が好ましくは、ポテックスウイルスベクターに与えられる。
第2の異種核酸配列は、前記ORFとは別に、目的とするタンパク質を植物又は植物細胞においてポテックスウイルスレプリコンから発現させるための遺伝子要素、例えば、リボソーム結合部位、5’非翻訳領域及び/又は3’非翻訳領域などをさらに含む場合がある。
その前記一部分、すなわち、第2のORFを含む、又は第2のORFからなる第2の異種核酸配列の一部分は、第2の異種核酸の(配列)セグメントで、第2のORFを含む、又は第2のORFからなる(配列)セグメントである。前記一部分は、消化産物をポテックスウイルスベクターに挿入するための1つ又は2つの制限酵素又はエンドヌクレアーゼによる消化の後における第2の異種核酸配列の産物である場合がある。この一部分は、前述の段落で言及される遺伝子要素として、目的とするタンパク質を植物又は植物細胞においてポテックスウイルスレプリコンから発現させるための遺伝子要素を含有する場合がある。
以下では、核酸の様々な実施形態が記載される。
本発明の核酸は、以下のセグメント、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルス三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列と、(iii)目的とするタンパク質をコードするORFを含む異種核酸配列とを含む。
1つの実施形態において、前記ORFは、少なくとも100個、最大でも500個のヌクレオチドからなり、GC含量が少なくとも50%である;又は前記ORFは、少なくとも501個、最大でも1000個のヌクレオチドからなり、GC含量が少なくとも55%である;及び/又は前記ORFは、少なくとも1001個のヌクレオチドからなり、GC含量が少なくとも58%である。
別の実施形態において、前記ORFは、少なくとも100個、最大でも500個のヌクレオチドからなり、GC含量が少なくとも50%である;又は前記ORFは、少なくとも501個、最大でも1000個のヌクレオチドからなり、GC含量が少なくとも55%である;及び/又は前記ORFは、少なくとも1001個のヌクレオチドからなり、GC含量が少なくとも58%である。
さらなる実施形態において、前記ORFは、少なくとも200個、最大でも400個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部において、好ましくは少なくとも100個、最大でも500個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも50%である;又は前記ORFは、401個~800個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部において、好ましくは501個~1000個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも55%である;及び/又は前記ORFは、801個以上のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部において、好ましくは1001個以上のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも58%である。好ましくは、前記ORFは、少なくとも200個、最大でも400個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部において、好ましくは少なくとも100個、最大でも500個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも52%である;又は前記ORFは、401個~800個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部において、好ましくは501個~1000個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも57%である;及び/又は前記ORFは、801個以上のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部において、好ましくは1001個以上のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも60%である。核酸の別の実施形態において、前記ORFは、少なくとも100個、最大でも500個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも50%である;又は前記ORFは、501個~1000個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも55%である;及び/又は前記ORFは、1001個以上のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも58%である;好ましくは、前記ORFは、少なくとも100個、最大でも500個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも52%である;又は前記ORFは、501個~1000個のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも57%である;及び/又は前記ORFは、1001個以上のヌクレオチドからなる前記異種核酸配列のセグメントの内部においてGC含量が少なくとも60%である。
緑色蛍光タンパク質をコードする異種核酸を含むポテックスウイルスベクター又は核酸は本発明のポテックスウイルスベクター又は核酸からそれぞれ除外される場合がある。
本発明の前記ポテックスウイルスベクター又は核酸は、ポテックスウイルスをコードする核酸構築物に第2の異種核酸配列を挿入し、それにより、前記異種核酸配列が、三重遺伝子ブロックをコードする配列の下流側、及び/又は前記ポテックスウイルスのコートタンパク質をコードする配列の下流側に挿入され得ることによって得ることができる場合がある。しかしながら、様々な改変が、天然型ポテックスウイルスの遺伝子成分に対して、例えば、RdRP遺伝子、三重遺伝子ブロック、コートタンパク質遺伝子、又はポテックスウイルスの5’非翻訳領域もしくは3’非翻訳領域などに対して行われる場合があり、それらについての様々な例が下記に記載される。
本発明のポテックスウイルスベクターは、一般には5’末端から3’末端までの順で、本発明の前記セグメント(i)からセグメント(iii)までを含む。さらなる遺伝子要素が、植物細胞におけるポテックスウイルスレプリコンの複製のために、かつ/又は目的とするタンパク質の発現のために前記レプリコン又はベクターに存在する場合がある。レプリコンであるために、すなわち、植物細胞における自律的複製のために、ポテックスウイルスレプリコンはRdRpをコードする。ポテックスウイルスレプリコンはさらに、ポテックスウイルスの5’非翻訳領域及び/又は3’非翻訳領域ならびにプロモーター配列を、ポテックスウイルスのRdRpと結合するために、また、ポテックスウイルスレプリコンを複製するために、前記ポテックスウイルスレプリコンの5’非翻訳領域又は3’非翻訳領域に有する場合がある。前記ポテックスウイルスレプリコンはさらに、項目(ii)及び項目(iii)のセグメントによってコードされるタンパク質を発現させるためのサブゲノムRNAを生成させるためのサブゲノムプロモーターを項目(ii)及び/又は項目(iii)のセグメントに有する場合がある。前記ポテックスウイルスベクター又は核酸がDNAであるならば、ポテックスウイルスベクター又は核酸は典型的には、植物細胞における前記ポテックスウイルスレプリコンの転写による産生を可能にするための転写プロモーターをその5’末端に有するであろう。植物体内におけるDNA核酸からの前記RNAレプリコンの転写を可能にする転写プロモーターの一例が、植物バイオテクノロジーにおいて広く使用される35Sプロモーターである。35Sプロモーターは構成的プロモーターの一例である。ポテックスウイルスベクターが植物又は植物細胞における目的とするタンパク質に関する一過性トランスフェクション及び一過性発現のために使用される場合には特に、構成的な転写プロモーターがポテックスウイルスベクターにおいて使用されることが好ましい。ポテックスウイルスベクターが植物の染色体DNAに、又は植物の細胞に安定的に組み込まれるならば、転写プロモーターは、ポテックスウイルスレプリコンの形成及び目的とするタンパク質の発現が所望の時点で開始され得るような制御されたプロモーターである場合がある。制御されたプロモーターの一例が、例えば、国際公開第2007/137788号パンフレットに記載されるエタノール誘導性プロモーターである。
セグメント(i)はポテックスウイルスのRdRpをコードする。コードされたポテックスウイルスRdRpは所与のポテックスウイルス(例えば、ジャガイモウイルスXなど)のRdRpである場合があり、あるいは、コードされたポテックスウイルスRdRpは、所与のポテックスウイルスのRdRpの機能保存的変異体である場合がある。したがって、用語「ポテックスウイルス(の)」は、所与のポテックスウイルスにまさに存在する配列に限定されない;用語「ポテックスウイルス」又は用語「ポテックスウイルスの」は、指定された要素又はセグメントが所与のポテックスウイルスに由来することを意味する。セグメント(i)の前記配列が、配列番号37によってコードされるタンパク質に対して少なくとも36%の配列同一性を有するタンパク質をコードするならば、RdRpは、所与のポテックスウイルスのRdRpの機能保存的変異体であるとみなされる場合がある。別の実施形態において、前記配列同一性は、配列番号37によってコードされるタンパク質に対して少なくとも45%であり、さらなる実施形態においては少なくとも55%であり、別の実施形態においては少なくとも65%であり、なおさらにさらなる実施形態においては少なくとも75%である。これらの配列同一性が配列番号37の配列の全体にわたって存在する場合がある。代替において、これらの配列同一性が、少なくとも300アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントの内部において、少なくとも500アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントの内部において、少なくとも900アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントの内部において、又は少なくとも1400アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントの内部において存在する場合がある。
本明細書中において、配列同一性及び配列類似性の判定が、Align Sequences Protein BLAST(BLASTP 2.6.1+)(Stephen F.Altschul、Thomas L.Madden、Alejandro A.Schaffer、Jinghui Zhang、Zheng Zhang、Webb Miller、及びDavid J.Lipman(1997)、”Gapped BLAST and PSI-BLAST:a new generation of protein database search programs”、Nucleic Acids Res.25:3389-3402)を使用して行われる。
一例において、配列番号37によってコードされるRdRPと、ポテックスウイルスRdRpの機能保存的変異体との間における前記配列同一性が、少なくとも900アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントにおいて少なくとも45%である。別の一例において、配列番号37によってコードされるタンパク質と、ポテックスウイルスRdRpの機能保存的変異体との間における前記配列同一性が、少なくとも900アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントにおいて少なくとも55%である。
代替において、項目(i)の前記配列が、配列番号37によってコードされるタンパク質に対して少なくとも50%の配列類似性を有するタンパク質をコードするならば、ポテックスウイルスレプリコンにおいて使用されるRdRpは、所与のポテックスウイルスのRdRpの機能保存的変異体であるとみなされる場合がある。別の実施形態において、前記配列類似性は、配列番号37によってコードされるタンパク質に対して少なくとも60%であり、さらなる実施形態においては少なくとも70%であり、別の実施形態においては少なくとも80%である。これらの配列類似性が配列番号37の配列の全体にわたって存在する場合がある。代替において、これらの配列類似性が、少なくとも300アミノ酸残基、少なくとも500アミノ酸残基、少なくとも900アミノ酸残基、又は少なくとも1400アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントの内部において存在する場合がある。アミノ酸配列類似性が、上記で定義されるBLASTXを使用して求められる場合がある。
一例において、配列番号37によってコードされるタンパク質と、ポテックスウイルスRdRpの機能保存的変異体との間における配列類似性が、少なくとも900アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントにおいて少なくとも70%である。別の一例において、配列番号37によってコードされるタンパク質と、ポテックスウイルスRdRpの機能保存的変異体との間における前記配列類似性が、少なくとも900アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントにおいて少なくとも80%である。
代替において、項目(i)の前記配列が、配列番号37に対して少なくとも55%の配列同一性、少なくとも60%の配列同一性、又は少なくとも70%の配列同一性を有するならば、前記ポテックスウイルスレプリコンにおいて使用されるRdRpは、所与のポテックスウイルスのRdRpの機能保存的変異体であるとみなされる場合がある。前記配列同一性が、配列番号37の内部、又は配列番号37の少なくとも900ヌクレオチドの配列セグメントの内部、少なくとも1500ヌクレオチドの配列セグメントの内部、少なくとも2000ヌクレオチドの配列セグメントの内部、もしくは少なくとも4200ヌクレオチドの配列セグメントの内部において存在する場合がある。ヌクレオチド配列同一性が、上記のBLASTを使用して求められる場合がある。
ポテックスウイルスレプリコンは、植物又は植物組織における前記ポテックスウイルスレプリコンの細胞間移行を可能にするための項目(ii)の核酸セグメントを含む。ポテックスウイルスレプリコンの細胞間移行は、前記植物又は前記組織のできるだけ多くの細胞における項目(iii)のセグメントの発現を達成するために重要である。項目(ii)の核酸配列はポテックスウイルスの三重遺伝子ブロック(本明細書中では「TGB」と略記される)を含むか、又はコードする(TGBに関する総説が、J.Gen.Virol.(2003)84,1351-1366に見出される)。ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックは、細胞間移行の能力をポテックスウイルスに与えるために必要な3つのタンパク質をコードする。用語「ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロック」には、ポテックスウイルスのTGBの様々な変異体が含まれ、ただし、前記変異体は、必要な場合には他の必要な成分とともに、本発明のポテックスウイルスレプリコンに植物又は細胞組織における細胞間移行の能力を与えることができる。
ポテックスウイルスTGBの例として、所与のポテックスウイルスのTGBが挙げられる。ポテックスウイルスTGBの一例が、ジャガイモウイルスXのTGB(これは本明細書中では「PVX TGB」として示される)である。PVX TGBは、その近似分子量に従って25K、12K及び8Kと呼ばれる3つのタンパク質をコードする3つの遺伝子からなる。PVX 25K、PVX 12Kタンパク質、及びPVX 8Kタンパク質をコードする遺伝子配列が、配列番号29、配列番号31、及び配列番号33でそれぞれ示される。PVX 25Kタンパク質、PVX 12Kタンパク質、及びPVX 8Kタンパク質のタンパク質配列が、配列番号30、配列番号32、及び配列番号34でそれぞれ示される。
1つの実施形態において、ポテックスウイルスTGBの前記変異体は3つの遺伝子のブロックであり、この場合、前記ブロックは、1つがPVX 25Kタンパク質に対して少なくとも33%の配列同一性を有し、1つがPVX 12Kタンパク質に対して少なくとも36%の配列同一性を有し、1つがPVX 8Kタンパク質に対して少なくとも30%の配列同一性を有する3つのタンパク質をコードする。別の実施形態において、ポテックスウイルスTGBの前記機能保存的変異体は、1つがPVX 25Kタンパク質に対して少なくとも40%の配列同一性を有し、1つがPVX 12Kタンパク質に対して少なくとも40%の配列同一性を有し、1つがPVX 8Kタンパク質に対して少なくとも40%の配列同一性を有する3つのタンパク質をコードする。さらなる実施形態において、ポテックスウイルスTGBの前記機能保存的変異体は、1つがPVX 25Kタンパク質に対して少なくとも50%の配列同一性を有し、1つがPVX 12Kタンパク質に対して少なくとも50%の配列同一性を有し、1つがPVX 8Kタンパク質に対して少なくとも50%の配列同一性を有する3つのタンパク質をコードする。さらなる実施形態において、対応する配列同一性の値がそれぞれのタンパク質について少なくとも60%である。さらなる実施形態において、対応する配列同一性の値がそれぞれのタンパク質について少なくとも70%であり、好ましくは少なくとも80%である。
別の実施形態において、ポテックスウイルスTGBの機能保存的変異体は、下記のような3つのタンパク質をコードする:少なくとも200アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントを含み、前記セグメントがPVX 25Kタンパク質の配列セグメントに対して少なくとも40%の配列同一性を有する、第1のタンパク質;少なくとも100アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントを含み、前記配列セグメントがPVX 12Kタンパク質の配列セグメントに対して少なくとも40%の配列同一性を有する、第2のタンパク質;及び少なくとも55アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントを含み、前記配列セグメントがPVX 8Kタンパク質の配列セグメントに対して少なくとも40%の配列同一性を有する、第3のタンパク質。さらなる実施形態において、対応する配列同一性の値がそれぞれのタンパク質について少なくとも50%である。さらなる実施形態において、対応する配列同一性の値が、前記第1のタンパク質、第2のタンパク質及び第3のタンパク質のそれぞれについて少なくとも60%である。
項目(ii)の前記核酸配列は好ましくは、前記ポテックスウイルスレプリコンの細胞間移行及び遠距離移行のためのタンパク質(例えば、ポテックスウイルスコートタンパク質又はその機能保存的変異体など)をコードするさらなる配列を含む。前記ポテックスウイルスコートタンパク質の変異体は、他の必要な成分(例えば、TGBなど)と一緒になって前記ポテックスウイルスレプリコンに、植物又は植物組織における細胞間移行及び遠距離移行の能力を与えることができるならば、前記コートタンパク質の機能保存的変異体であるとみなされる。前記ポテックスウイルスレプリコンがポテックスウイルスのコートタンパク質を含む1つの実施形態において、前記ポテックスウイルスレプリコンは、会合した植物ウイルスの形態での植物から植物への前記ポテックスウイルスレプリコンの伝播を避けるためにウイルス粒子会合の起点を有しない。前記ポテックスウイルスレプリコンがポテックスウイルスコートタンパク質遺伝子及びポテックスウイルスTGBを含むならば、前記TGBが前記コートタンパク質遺伝子の上流側に位置すること、又は逆に前記コートタンパク質遺伝子が前記TGBの上流側に位置することが可能である。したがって、前記ポテックスウイルスコートタンパク質遺伝子及び前記ポテックスウイルスTGBは項目(ii)の前記核酸配列においてどのような順で存在してもよい。
PVXコートタンパク質のコード配列が配列番号35として示され、PVXコートタンパク質のアミノ酸配列が配列番号36として示される。タンパク質が、少なくとも200アミノ酸残基のタンパク質配列セグメント、代替では少なくとも220アミノ酸残基のタンパク質配列セグメント、さらなる代替では237アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントを含み、前記配列セグメントが配列番号36の配列セグメントに対して少なくとも35%の配列同一性を有するならば、当該タンパク質はポテックスウイルスコートタンパク質の機能保存的変異体であるとみなすことができる。別の実施形態において、タンパク質が、少なくとも200アミノ酸残基のタンパク質配列セグメント、代替では少なくとも220アミノ酸残基のタンパク質配列セグメント、さらなる代替では237アミノ酸残基のタンパク質配列セグメントを含み、前記配列セグメントが配列番号36の配列セグメントに対して少なくとも45%の配列同一性を有するならば、当該タンパク質はポテックスウイルスコートタンパク質の機能保存的変異体であるとみなされる。代替の実施形態において、対応する配列同一性の値が少なくとも55%であり、好ましくは少なくとも65%であり、より好ましくは少なくとも75%である。
代替において、項目(ii)の前記核酸配列は、場合によっては前記ポテックスウイルスコートタンパク質又はその変異体をコードする前記配列の代わりに、植物ウイルス移行タンパク質(MP)をコードする配列を含む場合がある。好適なMPの一例がトバモウイルスのMPであり、例えば、タバコモザイクウイルスのMP又はカブ葉脈透化ウイルス(turnip vein clearing virus)のMPなどである。植物ウイルス移行タンパク質をコードする前記配列と、前記ポテックスウイルスTGB(又はその機能保存的変異体)とは項目(ii)の前記核酸配列においてどのような順で存在してもよい。
上記で記載されるように、項目(iii)の異種核酸配列は、植物又は植物組織において発現させられる目的とするタンパク質のORFを少なくとも含む。項目(iii)の異種核酸配列は方法クレームの第2の異種核酸配列に対応する。前記異種配列は、前記ポテックスウイルスレプリコンが基づくポテックスウイルスに対して異種であるという点で異種である。多くの場合において、前記配列はまた、配列が発現させられることになる前記植物又は前記植物組織に対して異種である。植物又は植物組織において前記ポテックスウイルスレプリコンから発現可能であるために、項目(iii)の第2の異種核酸は典型的には、発現のために要求されるサブゲノムプロモーター及び他の配列(例えば、リボソーム結合部位及び/又は配列内リボソーム進入部位(IRES)など)を含む。好ましい実施形態において、項目(iii)の第2の異種核酸は、目的とする1つのタンパク質をコードする1つのORFを有する。本発明の目的とするタンパク質は好ましくは植物ウイルスタンパク質でなく、あるいは、本発明の目的とするタンパク質は、植物ウイルスに対して異種であるタンパク質であり、とりわけ、前記ポテックスウイルスレプリコンが基づくポテックスウイルスに対して異種でなければならない。植物ウイルスタンパク質は、植物ウイルスによってコードされるタンパク質である。1つの実施形態において、前記目的とするタンパク質はポテックスウイルスコートタンパク質又はトバモウイルス移行タンパク質のどちらでもない。
本発明の核酸、ポテックスウイルスベクター及び/又はポテックスウイルスレプリコンは、ポテックスウイルスの5’非翻訳領域、又は好ましくはポテックスウイルス5’非翻訳領域(5’-NTR)と、ポテックスウイルスの3’非翻訳領域、又は好ましくはポテックスウイルス3’非翻訳領域(3’-NTR)とを含む場合がある。
本発明の好ましい方法が下記の通りである:
植物において発現させられる目的とするタンパク質をコードするポテックスウイルスレプリコンの前記植物における遠距離移行のための能力を改善する方法であって、
前記目的とするタンパク質をコードする第2のORFを含み、かつ、前記目的とするタンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFと比較して、増大したGC含量を第2のORFにおいて有する第2の異種核酸配列を作製する工程、及び
前記ポテックスウイルスレプリコン、あるいは前記ポテックスウイルスレプリコンを含むポテックスウイルスベクター又はコードするポテックスウイルスベクターを提供する工程であって、前記ポテックスウイルスレプリコンが、以下のセグメント、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)(a)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロック、及び(b)ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸配列又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸配列と、(iii)前記第2のORF、前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含む後者の一部分とを含む、工程
を含む方法;
植物において発現させられる目的とするタンパク質をコードするポテックスウイルスレプリコンの前記植物における遠距離移行のための能力を改善する方法であって、
前記目的とするタンパク質をコードする第2のORFを含み、かつ、前記目的とするタンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFと比較して、増大したGC含量を第2のORFにおいて有する第2の異種核酸配列を作製する工程、及び
前記ポテックスウイルスレプリコン、あるいは前記ポテックスウイルスレプリコンを含むポテックスウイルスベクター又はコードするポテックスウイルスベクターを提供する工程であって、前記ポテックスウイルスレプリコンが、以下のセグメント、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)(a)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロック、及び(b)ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸配列又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸配列と、(iii)前記第2のORF、前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含む後者の一部分とを含む、工程
を含む方法。
これらの好ましい実施形態において、セグメント(i)からセグメント(iii)までの順序は好ましくは、ベクター又はレプリコンの5’末端から3’末端までこの順である。代替において、順序は、ベクター又はレプリコンの5’末端から3’末端まで、セグメント(i)、セグメント(iii)及びセグメント(ii)である場合がある。セグメント(ii)において、下位項目(ii-a)及び下位項目(ii-b)の順序は限定されない。しかしながら、順序は、ベクター又はレプリコンの5’から3’の方向において(ii-a)から(ii-b)である場合がある。ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸配列、及びトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸配列は、本明細書中において他のどこかで記載される通りである。
植物又は植物組織において目的とするタンパク質を発現させる本発明の達成方法は一般には、本発明の前記核酸又はポテックスウイルスベクターを植物又は植物組織に与えることを含む。当然のことながら、植物又は植物組織に本発明のポテックスウイルスレプリコンを感染させることもまた可能である。1つの実施形態において、前記達成方法は、植物宿主の染色体DNAへの本発明の核酸又はポテックスウイルスベクターの組み込みが必要でなく、かつ、選択されない一過性発現の達成方法である。代替において、ポテックスウイルスベクターが、遺伝子組換え植物を作製するために染色体DNAに安定的に組み込まれる場合がある。遺伝子組換え植物の作製は当業者には知られており、とりわけ、植物細胞又は植物組織の形質転換、形質転換された細胞又は組織の選択、及び形質転換された植物の再生を含む。
本発明の前記核酸又は前記ポテックスウイルスベクターがRNAであるならば、前記核酸又は前記ポテックスウイルスベクターは、植物又は植物組織に感染させるために、好ましくは、感染させた植物組織(例えば、葉など)の機械的傷害との組合せで植物又は植物組織に感染させるために使用される場合がある。別の実施形態において、本発明の前記核酸又はポテックスウイルスベクターはDNAである。前記DNAは、例えば、粒子衝撃によって、又はアグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介の形質転換によって植物又は植物組織の細胞に導入される場合がある。アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介の形質転換は、例えば、大規模なタンパク質製造方法のために、いくつかの植物に本発明の前記核酸又はポテックスウイルスベクターが与えられることになるならば、好んで選ばれる方法である。アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介の形質転換又はトランスフェクションのための特に効率的な様々な方法が国際公開第2012/019660号パンフレット及び国際公開第2013/056829号パンフレットに記載される。
目的とするタンパク質を植物において発現させる達成方法は、植物又は植物組織に本発明の核酸の前記キット又は組合せを与えることによって、プロベクター法(国際公開第02088369号パンフレットにおいて、また、Marillonnet et al.(2004、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、101:6852-6857)によって記載される手法)を使用して実施される場合がある。この実施形態において、本発明の核酸は、前記植物の細胞における第1の核酸と第2の核酸との間での部位特異的組換えによって作製される。前記第1の核酸、及び第2の核酸は、国際公開第02088369号パンフレットにおいて、また、Marillonnet et al.(上記)によって記載されるプロベクターとして作用し、これらもまた本明細書中ではプロベクターとして示される。1つの実施形態において、項目(i)及び項目(ii)のセグメントを含む、又はコードする第1の核酸(プロベクター)と、項目(iii)のセグメントを含む、又はコードする第2の核酸(プロベクター)とが、(例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介の形質転換(例えば、浸潤など)によって)植物又は植物組織に与えられ、この場合、前記第1のプロベクター及び前記第2のプロベクターはそれぞれが、前記第1のプロベクターと前記第2のプロベクターとの間での部位特異的組換えによる本発明の核酸の組立てを可能にするための組換え部位を有する。好ましくは、前記第1の核酸はセグメント(ii)の下流側において、部位特異的なリコンビナーゼによって認識可能である第1の部位特異的組換え部位を有しており、前記第2の核酸はセグメント(iii)の上流側において、部位特異的なリコンビナーゼによって、好ましくは同じ部位特異的なリコンビナーゼによって認識可能である第2の部位特異的組換え部位を、前記第1の部位特異的組換え部位と前記第2の部位特異的組換え部位との間での部位特異的組換え、及び本発明による核酸の形成を可能にするために有している。
2つ以上のベクター又は前記第1及び第2の核酸が、これらのベクターの混合物、あるいは前記ベクター又はプロベクターの1つをそれぞれの株が含有するアグロバクテリウム(Agrobacterium)株の混合物を植物又は植物組織に与えることによって植物又は植物組織に与えられる場合がある。植物又は植物組織はさらに、第1及び第2の核酸(プロベクター)の組換え部位を認識する部位特異的リコンビナーゼを有する場合があり、あるいは植物又は植物組織にはさらに、第1及び第2の核酸(プロベクター)の組換え部位を認識する部位特異的リコンビナーゼが与えられる場合がある。植物又は植物組織がリコンビナーゼを発現しないならば、リコンビナーゼをコードする植物発現可能な遺伝子が、前記プロベクターの1つで、又は別個のベクターで植物又は植物組織に与えられる場合がある。使用可能な部位特異的リコンビナーゼの様々な例が、国際公開第02088369号パンフレットに記載される通りである;国際公開第02088369号パンフレットで言及されるようなインテグラーゼもまた、部位特異的リコンビナーゼであるとみなされる。
前記目的とするタンパク質は、前記植物又は植物組織における産生の後で精製される場合がある。様々な方法、又はタンパク質を植物又は植物細胞から精製することがこの技術分野では知られている。1つの方法において、目的とするタンパク質は、国際公開第03/020938号パンフレットに記載されるように植物アポプラストに誘導され、植物アポプラストから精製される場合がある。
目的とする1つのタンパク質を産生又は発現させる必要があるならば、前記目的とするタンパク質をコードする異種核酸又はORFが、前記ポテックスウイルスレプリコンをコードする前記核酸に含まれる場合がある。目的とする2つ以上のタンパク質が同じ植物又は同じ植物組織において産生させられることになるならば、前記植物又は植物細胞には、さらなるポテックスウイルスレプリコンを含む又はコードする別の核酸又はポテックスウイルスベクターが与えられる場合がある。前記さらなるポテックスウイルスレプリコンはその場合、目的とする1つ又は複数のさらなるタンパク質をコードする場合がある。1つの実施形態において、本発明の第1の核酸及びさらなる核酸は、国際公開第2006/079546号パンフレットに記載されるような競合しないポテックスウイルスレプリコンを含む場合があり、又はコードする場合がある。
目的とするタンパク質を植物において発現させる本発明の達成方法は、植物に関しては特に限定されない。1つの実施形態において、双子葉植物又はその組織が使用される。別の実施形態において、ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)及びタバコ(Nicotiana tabacum)のようなタバコ属(Nicotiana)の種が使用される。タバコ属(Nicotiana)の種とは異なる好ましい植物種が、トマト、ジャガイモ、コショウ、ナス、ダイズ、ペチュニア(Petunia hybrida)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ブラシカカンペストリス(Brassica campestris)、カラシナ(Brassica juncea)、クレス、ルッコラ、カラシ、イチゴ、ホウレンソウ、ケノポジウムカピタツム(Chenopodium capitatum)、アルファルファ、レタス、ヒマワリ、ジャガイモ、キュウリ、トウモロコシ、コムギ及びイネである。
本発明のポテックスウイルスレプリコンが基づき得る最も好ましい植物ウイルスがポテックスウイルスであり、例えば、ジャガイモウイルスX(PVX)、パパイヤモザイクポテックスウイルス又はタケモザイクポテックスウイルスなどである。
本発明はまた、植物において発現させられるタンパク質をコードするポテックスウイルスRNAレプリコンの前記植物における遠距離移行のための能力を改善するために使用される場合がある。1つの実施形態において、この方法は下記の工程を含む:
前記タンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFのGC含量を増大させ、それにより、前記タンパク質をコードし、かつ、増大したGC含量を有する第2のORFを含む第2の異種核酸配列を得る工程、及び
前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含有するその一部分を、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸又はコードする核酸とを含む核酸に挿入して、前記RNAレプリコンを含むポテックスウイルスベクター又はコードするポテックスウイルスベクターを作製する工程であって、前記ポテックスウイルスベクターが前記第2の異種核酸、又は前記第2のORFを含むその一部分を含む、工程。
別の実施形態において、この方法は下記の工程を含む:
前記タンパク質をコードする第2のORFを含み、かつ、前記タンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFと比較して、増大したGC含量を第2のORFにおいて有する第2の異種核酸配列を作製する工程、及び
前記ポテックスウイルスRNAレプリコン、あるいは前記ポテックスウイルスRNAレプリコンを含むポテックスウイルベクター又はコードするポテックスウイルベクターを提供する工程であって、前記ポテックスウイルスRNAレプリコンが、以下のセグメント、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列と、(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列と、(iii)前記第2の異種核酸、又は前記第2のORFを含むその一部分とを含む、工程。
上記の増大させる工程、挿入する工程、作製する工程及び与える工程は、上記で記載されるのと同様に実施され得る。ポテックスウイルスレプリコンの植物における遠距離移行のための能力を増大させる方法の後には、得られたポテックスウイルスレプリコン又はポテックスウイルスベクターを前記植物の少なくとも一部に与えることが続く場合がある。植物における遠距離移行のための能力の増大が、例えば、例において記載されるように、実験的に追跡される場合がある。一般に、植物には、選択された葉でポテックスウイルスベクターが与えられる場合がある。所定の期間の後で、例えば、5日後、7日後又は9日後に、全身の葉の組織が、ポテックスウイルスベクターによってコードされるポテックスウイルスレプリコンの存在について調べられる場合がある。RT-PCRが、ポテックスウイルスベクターによってコードされるポテックスウイルスレプリコンのすべての成分の正しさ及び/又は存在について、どのようなポテクスウイルスレプリコンであっても全身の葉において試験するために使用される場合がある。全身の葉は、接種された葉とは異なる葉である;全身の葉は、ウイルスが遠距離全身移行のために接種葉における一次感染部位又はトランスフェクション部位から移動する葉である。

例1:プラスミド構築物
PVXに基づく組み立てられたウイルスベクターのpNMD670及びpNMD4300(図1)を、目的とするDNAインサートのクローニングのために使用した。pNMD4300は、国際公開第2012/019660号パンフレットに記載されるpNMD670構築物の改変型である。pNMD670とは対照的に、pNMD4300は、T-DNA移入の効率を増大させるためにプラスミド骨格に挿入される、アグロバクテリウムツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のLBA4404株からのvirG N54D変異遺伝子配列(GenBankアクセション番号CP007228、ヌクレオチド位置161000~161725)を含有する。
目的とするインサートのヌクレオチド配列をGenBankから直接に取得したか、又はある特定の生物のために最適化されるコドン使用頻度に基づく改変されたGC含量とともに設計した。クローニング用の配列を、cDNAをテンプレートとして使用して増幅したか、又はクローニング用の配列が、Eurofins Genomics(Eurofins Genomics GmbH、Ebersberg、ドイツ)によって合成された。コドン使用頻度の改変を、平均GC含量が異なる生物のコドン使用頻度パターンに基づくEurofins Genomicsオンラインツール(GENEiusソフトウエア)を用いて行った。目的とするインサートを、CATG及びGATCの突出端を有するBsaI制限部位を使用してpNMD4300ベクターにサブクローニングした(図1)。隣接するBsaI部位を、PCRによって、又は遺伝子合成の期間中にそのどちらかで、目的とする配列に加えた。
クローニングのために使用される遺伝子インサートの配列が、表1、表2及び表3に列挙される。
例2:長さ、GC含量、及びGC含量と長さとの比率が異なるインサートに関するPVXベクター安定性
AtFT、CaDREB-LP1、AmROS1、GmLOG1、SlLOG1、sGFP、SIGR、SIDREB1、SIOVATE、SlSUN、GUS及びSlWoollyのコード配列(合計で12個)をpNMD4300クローニングベクターにサブクローニングした(表1)。sGFPを除くそれらのすべてが、対応する生物からの生来型配列であった。sGFPは、発現効率における実質的な増大をもたらした、高発現のヒトタンパク質の好んで使用されるコドンに一致するように変更されるオワンクラゲ(Aequorea victoria)由来の緑色蛍光タンパク質のための合成コード配列である(Haas et al 1996;Chiu et al 1996)。
遺伝子インサートはその長さ及びGC含量が異なった。最も短い挿入物がAtFT(528b)であり、最も長い挿入物がSlWoolly(2193bp)であった(表1)。インサートのGC含量を、ENDMEMOオンラインDNA/RNA GC含量計算機(www.endmemo.com/bio/gc.php)を使用して求めた。列挙されたインサートのGC含量は40.0%(SlSUN)~61.4%(sGFP)の間の範囲であった(表1)。インサートのGC含量と長さとの比率もまた計算した。計算を、下記の式を使用して行った:
GC含量/長さ比=(GC含量(%)/長さ(bp)×100。
x100の乗数を、小さすぎる小数を避けるために便宜上使用した。この式によると、GC含量/長さ比は2.0(SlWoolly)~8.6(AtFT)の間で変化した。
子葉と、36日齢のトマト(Solanum lycopersicum)「Balcony Red」植物の最初の2つの本葉とに、表1に列挙されるPVXベクターを伝えるアグロバクテリウム培養物をシリンジにより接種した(1つの構築物につき1つの独立した植物)。浸潤させた葉からの植物材料を、9dpiにおいてコルクボーラーを使用して集め、全身の葉からの材料を、26dpi、27dpi、34dpi及び55dpiにおいて集めた。集めた植物材料から単離される総RNAを、PrimeScript(商標)RT試薬キット(Takara Clontech)及びオリゴdTプライマーを使用して逆転写した。得られたcDNAを、PVXについて特異的なオリゴ(8K-RT:tttgaagacatctcaacgcaatcatacttgtgc(配列番号25)及び3NTR-RT:tttgaagacttctcggttatgtagacgtagttatggtg(配列番号26))、又はRNA負荷コントロールとして使用されるベンサミアナタバコ(N.benthamiana)由来の伸長因子EF1αについて特異的なオリゴ(Genbank No.AY206004.1、オリゴNbEF_for及びオリゴNbEF_rev(Dean et al.、2005))を用いたPCRのためのテンプレートとして使用した。PCR産物を1%アガロースゲルで分離した。図2は、sGFP遺伝子、GUS遺伝子、AtFT遺伝子、CaDREB-LP1遺伝子、SlSUN遺伝子、SlLOG1遺伝子、SlDREB1遺伝子、SlGR遺伝子、SlOVATE遺伝子及びSlWoolly遺伝子の挿入物を含有するPVXベクターについての浸潤後26日におけるRT-PCR分析の結果を例示する。認められ得るように、この時点において、sGFP、AtFT、CaDREB1-LP1、SISUN及びSIGRに関してのPVXベクターは依然としてかなり安定している。対照的に、GUS、SlLOG1、SIDREB1及びSlWoollyに関してのベクターは既にそのインサートを失っている。
完全長のインサートが検出された浸潤後の最後の日(部分的なインサート排除から生じるさらなるより短いフラグメントが存在したとしても)を全長インサート最終時点とみなし、ベクター安定性の判断基準として使用した(表1)。AtFT、CaDREB-LP1、AmROS1及びsGFPに関してのベクターが最も安定であることが見出され、それらのインサートは55dpiにおいて検出可能であった。SlLOG1遺伝子、SlDREB1遺伝子、GUS遺伝子及びSlWoolly遺伝子に関してのベクターは非常に不安定であり、それらのインサートは全身の葉において全く検出できなかった。GmLOG1、SlGR、SlOVATE及びSlSUNに関してのベクターは中程度の安定性であり、それらのインサートは26dpi~34dpiの後で失われた。
試験されたインサートの長さと、それらの安定性との関係を分析した。この目的のために、全長インサート最終時点(Y軸)をインサートの長さ(X軸)に対してプロットした(図3)。インサートのサイズを増大させると、ベクター安定性が低下することが見出された。このことは、文献(例えば、Avesani et al.、2007)から得られる以前のデータと一致している。
インサートのGC含量と安定性との関係もまた分析した(図4)。おそらくは個々のインサートの間でサイズが大きく異なるために(例えば、SlWoollyとAtFTとの間には4倍の差がある)、明確な傾向が、分析された一群の配列について見出されなかった。次に、GC含量/長さ比とインサート安定性との関係を分析した。この場合には、明確な傾向が認められた。すなわち、GC含量/長さ比の増大はインサート安定性の増大をもたらした(図5)。
例3:SlANT1インサートを有するPVXの安定性を改善すること
トマト(Solanum lycopersicum)のアントシアニン1(SlANT1)遺伝子(AY348870.1)はMYB転写因子アントシアニン1(SlANT1)(AAQ55181)をコードする。ANT1転写因子は、アントシアニンの蓄積を引き起こす生合成経路を活性化する;ANT1遺伝子を過剰発現する植物は、アントシアニンが蓄積するために非常に濃い紫色となる(Mathews et al 2003)。
SIANT1遺伝子を、PVXに基づくウイルスベクターを使用してトマト「Balcony Red」植物において過剰発現させることを試みた。生来型のSIANT1コード配列をpNMD670(VirG非存在)ベクターにサブクローニングし、これにより、pNMD721構築物(表2)を得た。pNMD721構築物を、28日齢の植物へのシリンジによる浸潤を介したアグロバクテリウム送達を使用して植物体で試験した。21dpiにおいて、比較的濃い紫色の着色が、浸潤させた葉において認められた。対照的に、散在する着色した斑点が全身の葉においてわずかに認められた。このベクターによりトランスフェクションされた3つの独立した植物の全身の葉をSIANT1インサートの完全性について分析した。RT-PCR分析を例2に記載されるように行った。PVXベクターによるインサートの喪失が検出された。
SIANT1配列分析では、非常に低いGC含量(35.2%)及び極めて低いGC含量/長さ比(4.3)が明らかにされた。GC含量が増大した、その結果として、GC含量と長さとの比が増大した7つの新しい型の配列を設計した(表2)。この設計を、GC含量の平均値がそのゲノムにおいて異なる生物のコドン使用頻度(Kazusaコドン使用頻度データベース(www.kazusa.or.jp/codon)から検索されるデータ)に基づく、Eurofins Genomicsからのオンラインコドン使用頻度最適化ツール(GENEiusソフトウエア)を使用して行った。この目的のために、平均GC含量がそれぞれ、39.2%、41.0%、44.7%、48.0%、48.4%、51.0%及び56.1%であるタバコ(Nicotiana tabacum)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、ジャガイモウイルスX、ヒト(Homo sapiens)、イネ(Oryza sativa)、オオムギ(Hordeum vulgare)及びビフィズス菌(Bifidobacterium)のコドン使用頻度パターンを選択した。加えて、ポリdA(AAAAA)配列及びポリdA(AAAAAAA)配列ならびにポリdT(TTTTT)配列、同様にまたBsaI切断部位(GGTCTCNNNNN(配列番号27))及び予測されたドナー/アクセプタースプライシング部位(AGGTRAG/GCAGGT(配列番号28))を配列内において避けた。設計された配列が、Eurofins Genomicsによって合成され、これらをpNMD670ベクターにサブクローニングし、これにより、表2に列挙される構築物を得た。すべての構築物を、シリンジ浸潤を介したアグロバクテリウム送達を使用してトマト「Balcony Red」において試験した(1つの構築物につき3つの独立した28日齢の植物)。感染させたトマト植物の全身の葉を21dpi及び52dpiにおいてPVXベクターの完全性について分析した(図6及び図7)。
21dpiにおいて、生来型配列を有するインサートの完全な喪失が3つの植物のうちの2つで見出された。1つの植物では、無傷のベクター配列と、部分分解されたベクター配列との両方が検出された(図6)。すべての他の配列(タバコ、シロイヌナズナ、ヒト及びイネについてのコドン最適化)については、すべての試験された植物が無傷のベクター配列を含有しており、だが、いくつかの場合には、挿入物の部分的喪失を示しているさらなるバンドもまた存在した(図6)。
52dpiにおいて、それぞれの構築物について2つの植物を分析した(図7)。インサートの完全な喪失が生来型配列については両方の植物で見出された。ベクターの分解がまた、GC含量及びGC含量と長さとの比率がより低いタバコ最適化配列及びPVX最適化配列について認められた。対照的に、GC含量がより高い配列(オオムギ及びビフィズス菌のコドン使用頻度)については、2つの植物のうちの1つが、SIANT1の挿入を有する無傷のベクターを含有した(図7)。
これらのデータは、外来インサート配列のGC含量を増大させ、それに対応してGC含量と長さとの比を増大させることにより、安定性を改善すること、そして、全身的PVXベクターの寿命を増大させることが可能となることを示す。
例4:SlLOG1インサート及びSlOVATEインサートに関してPVXの安定性を改善することSlLOG1インサート及びSlOVATEインサートを有するPVXベクターの安定性を改善することもまた試みた。例2で示されたように、生来型配列を有するSILOG1インサート(pNMD27533)は全身の葉において検出することができず、このことは、不安定性が非常に高いことを示していた(表1)。SIOVATE(pNMD27931)は中程度の安定性を示した;無傷のインサートが、分解産物と同様に、26dpiにおいて全身の葉で依然として検出可能であった;しかしながら、無傷のインサートは、既に27dpiにおいて完全に失われていた(表1)。
SILOG1の生来型配列は長さが678bpであり、41.9%のGC含量及び6.2のGC含量と長さとの比を有する。SIOVATEは長さが1059bpであり、41.0%のGC含量及び3.9のGC含量と長さとの比を有する。使用されたイネ適合化コドンに基づいた両方の配列を再設計した。得られた配列は、増大したGC含量を有した:SILOG1-イネについては53.2%、SlOVATE-イネについては48.8%。両方の配列が、Eurofins MWG Operonによって合成され、これらをpNMD4300ベクターにサブクローニングした。
得られた構築物(SlLOG1-イネについてはpNMD31084、SlOVATE-イネについてはpNMD31611)を、例2で記載されるように24日齢及び25日齢のトマト「Balcony Red」植物において試験した。34dpiにおいて、RT-PCR分析により、生来型配列と比較したならば、SILOG1-イネインサートの安定性の劇的な増大が明らかにされた(図8、A)。インサート安定性の有意な増大がまた、コドン最適化されたSlOVATEについて示された。イネのコドン使用頻度に適合化されたインサートは27dpiにおいて依然として安定なままであり、これに対して、生来型配列は完全に失われている(図8、B、上段パネル)。ベクター分解の生成物が存在するにもかかわらず、SIOVATE-イネの無傷インサートを82dpiにおいてさえ検出することができる(図8、B、下段パネル)。
例5:PVXベクターにおけるsGFPインサートの安定性を低下させること。
インサートのGC含量における低下がPVXベクターの不安定性をもたらすかどうかもまた分析した。
sGFP(配列番号6)はGC含量が61.4%であり、8.53のGC含量と長さとの比を有する。本発明者らの実験において、sGFPインサートを有するPVXベクターは、大きい安定性を明らかにした。タバコ(Nicotiana tabacum)に適合化されたコドン使用頻度に基づくsGFP配列を再設計した。得られた配列(sGFP-タバコ、配列番号38)は40.3%のGC含量及び5.60のGC含量と長さとの比を有した。
sGFP配列及びsGFP-タバコ配列をpNMD4300ベクターにサブクローニングし、これにより、pNMD5800構築物及びpNMD32685構築物をそれぞれ得た。両方の構築物をアグロバクテリウムツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)NMX021細胞に移した。
25日齢のトマト「Balcony Red」植物の最初の光合成葉に、pNMD5800構築物及びpNMD32685構築物を伝えるアグロバクテリウム(Agrobacterium)培養物を接種した(構築物あたり2つの植物)。接種を、OD600=1.5のアグロバクテリウム懸濁物の1:100希釈物を用いたシリンジ浸潤を使用して行った。
25dpi後、接種された植物の全身の葉からのサンプルをRT-PCR分析のために採取した。
102dpi後、接種された植物のすべての成熟した実を収集し、UV光での目視検査を使用してGFPの蛍光について分析した。実サンプルはまた、RT-PCR分析にも供された。pNMD5800処理された植物(元のsGFP配列)のすべての実がGFPの蛍光を示した(図11、A)。対照的に、pNMD32685構築物によるトランスフェクションを受けた2つの植物(sGFP-タバコ配列)のほんの少数の実のみが、ごく小さいGFP斑点を示した(図11、B)。
ベクターインサートの安定性を、RT-PCRを使用して分析した。25dpiにおける葉サンプル及び102dpiにおける実のサンプルから単離されるRNAをcDNA合成のために使用した。得られたcDNAサンプルを、PVX特異的なオリゴの8K-RT(tttgaagacatctcaacgcaatcatacttgtgc)(配列番号25)及びpvx3NTR-RT(tttgaagacttctcggttatgtagacgtagttatggtg)(配列番号26)を用いたPCR増幅のためのテンプレートとして使用した。図12に示されるように、sGFP-タバコ構築物の分解が、既に25dpi後において全身の葉で検出可能であった(上段パネル)。このことがさらに継続し、その結果、植物あたり1つの分解産物のみが102dpi後において検出され得るようになった(下段パネル)。より高いGC含量を有する元のsGFP構築物は25dpi(上部パネル)及び102dpi(下部パネル)において安定であったことには留意しなければならない。いくつかの軽微な分解産物が102dpiにおいてのみ検出可能であった(下段パネル)。
これらのデータは、PVXベクターインサートのGC含量における低下がベクター安定性の低下をもたらすことを明確に示す。
参考文献
ヌクレオチド配列及びアミノ酸配列






本特許出願が優先権を主張する欧州特許出願第17191524.2号(2017年9月18日出願)の内容は、すべての請求項、説明、すべての図面及び配列を含めてその全体が参照によって組み込まれる。
配列表1 <223>AtFT、1つのヌクレオチド交換
配列表11 <223>GUS、ヌクレオチド交換:G835C及びG903A
配列表14 <223>タバコ(Nicotiana tabacum)のコドン使用頻度を有するSlANT1
配列表15 <223>シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のコドン使用頻度を有するSlANT1
配列表16 <223>ジャガイモウイルスXのコドン使用頻度を有するSlANT1
配列表17 <223>ヒト(Homo sapiens)のコドン使用頻度を有するSlANT1
配列表18 <223>イネ(Oryza sativa)のコドン使用頻度を有するSlANT1
配列表19 <223>オオムギ(Hordeum vulgare)のコドン使用頻度を有するSlANT1
配列表20 <223>ビフィズス菌(Bifidobacterium)のコドン使用頻度を有するSlANT1
配列表21 <223>イネ(Oryza sativa)のコドン使用頻度を有するSlLOG1
配列表22 <223>イネ(Oryza sativa)のコドン使用頻度を有するSlOVATE
配列表25 <223>オリゴヌクレオチド
配列表26 <223>オリゴヌクレオチド
配列表27 <223>BsaI切断部位
<223>nは、a、c、g又はtである
配列表28 <223>ドナー/アクセプタースプライシング部位
配列表38 <223>タバコ(Nicotiana tabacum)のコドン使用頻度を有するsGFPのコード配列

Claims (15)

  1. 以下を含む、目的とするタンパク質を植物において発現させるためのポテックスウイルスベクターを作製する方法
    前記目的とするタンパク質をコードする第2のORFを含み、かつ、前記タンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFと比較して、増大したGC含量を前記第2のORFにおいて有する第2の異種核酸配列を作製する工程、及び
    以下のセグメントを含む前記ポテックスウイルスベクターを提供する工程、
    (i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列、 (ii)(ii-a)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列、及び(ii-b)ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸配列又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸配列ならびに
    (iii)前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含むその一部分、ただし、
    第2のORFは、少なくとも200個、最大で400個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも50%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも401個、最大で800個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも55%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも801個のヌクレオチド、からなり、GC含量として少なくとも58%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも100個、最大で500個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも50%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも501個、最大で1000個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも55%を有するか、及び/又は、
    第2のORFは、少なくとも1001個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも58%を有する。
  2. 下記を含む、植物において発現させられる目的とするタンパク質をコードするポテックスウイルスレプリコンの前記植物における遠距離移行のための能力を改善する方法
    前記目的とするタンパク質をコードする第2のORFを含み、かつ、前記目的とするタンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFと比較して、増大したGC含量を前記第2のORFにおいて有する第2の異種核酸配列を作製する工程、及び
    前記ポテックスウイルスレプリコン、あるいは前記ポテックスウイルスレプリコンを含むポテックスウイルベクター又はコードするポテックスウイルベクターを提供する工程であって、前記ポテックスウイルスレプリコンが、以下のセグメントを含む工程:
    (i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列 、
    (ii)(ii-a)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロック、及び(ii-b)ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸配列、又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸配列、
    (iii)前記第2の異種核酸配列又は前記第2のORFを含むその一部分、ただし、
    第2のORFは、少なくとも200個、最大で400個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも50%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも401個、最大で800個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも55%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも801個のヌクレオチド、からなり、GC含量として少なくとも58%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも100個、最大で500個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも50%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも501個、最大で1000個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも55%を有するか、及び/又は、
    第2のORFは、少なくとも1001個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも58%を有する。
  3. ポテックスウイルスベクター又はポテックスウイルスレプリコンを提供する工程が、第2の異種核酸配列、又は第2のORFを含むその一部分を、(i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列、及び(ii)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックをコードする核酸配列とを含む核酸に挿入して、前記ポテックスウイルスベクター、あるいは前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含むその一部分を含む前記ポテックスウイルスレプリコンを作製する工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 目的とするタンパク質を植物又は植物組織において発現させるための達成方法であって、請求項1又は2に記載の方法に従うポテックスウイルスベクターを作製する工程、及び作製されたポテックスウイルスベクターを前記植物の少なくとも一部に与える工程を含む、達成方法。
  5. 植物が、タバコ属(Nicotiana)の種(例えば、ベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)及びタバコ(Nicotiana tabacum)など)、トマト、ジャガイモ、コショウ、ナス、ダイズ、ペチュニア(Petunia hybrida)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ブラシカカンペストリス(Brassica campestris)、カラシナ(Brassica juncea)、クレス(cress)、ルッコラ、カラシ、イチゴ、ホウレンソウ、ケノポジウムカピタツム(Chenopodium capitatum)、アルファルファ、レタス、ヒマワリ、ジャガイモ、キュウリ、トウモロコシ、コムギ及びイネから選択される、請求項1~4のいずれかに記載の方法又は達成方法。
  6. タバコ属(Nicotiana)の種がベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)又はタバコ(Nicotiana tabacum)である、請求項5に記載の方法又は達成方法。
  7. 以下を含む、植物において発現させられる目的とするタンパク質をコードするポテックスウイルスレプリコンの前記植物における遠距離移行のための能力を改善する方法
    前記タンパク質を第1の異種核酸配列においてコードする第1のORFのGC含量を増大させ、それにより、前記タンパク質をコードし、かつ、増大したGC含量を有する第2のORFを含む第2の異種核酸配列を得る工程、及び
    前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含有するその一部分を、
    (i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列、及び
    (ii)(ii-a)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列を含むか又はコードする核酸配列、及び(ii-b)ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸配列又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸配列とを含む核酸に挿入して、前記ウイルスレプリコンを含むポテックスウイルスベクター又はコードするポテックスウイルスベクターを作製する工程、前記ポテックスウイルスベクターは前記第2の異種核酸配列、又は前記第2のORFを含むその一部分を含む、ただし、
    第2のORFは、少なくとも200個、最大で400個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも50%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも401個、最大で800個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも55%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも801個のヌクレオチド、からなり、GC含量として少なくとも58%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも100個、最大で500個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも50%を有するか、もしくは、
    第2のORFは、少なくとも501個、最大で1000個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも55%を有するか、及び/又は、
    第2のORFは、少なくとも1001個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも58%を有する。
  8. 以下のセグメントを含むポテックスウイルスベクター:
    (i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列、
    (ii)(ii-a)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列、及び(ii-b)ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸配列又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸配列、ならびに
    (iii)目的とするタンパク質をコードするORFを含む異種核酸配列、ただし、
    前記ORFは、少なくとも200個、最大で400個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも50%を有するか、もしくは、
    前記ORFは、少なくとも401個、最大で800個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも55%を有するか、もしくは、
    前記ORFは、少なくとも801個のヌクレオチド、からなり、GC含量として少なくとも58%を有するか、もしくは、
    前記ORFは、少なくとも100個、最大で500個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも50%を有するか、もしくは、
    前記ORFは、少なくとも501個、最大で1000個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも55%を有するか、及び/又は、
    前記ORFは、少なくとも1001個のヌクレオチドからなり、GC含量として少なくとも58%を有する。
  9. 以下のセグメントを含む核酸
    (i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列、
    (ii)(ii-a)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列、及び(ii-b)ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸配列又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸配列、ならびに
    (iii)目的とするタンパク質をコードするORFを含む異種核酸配列
    前記ORFが、少なくとも200個、最大でも400個のヌクレオチドからなり、かつ少なくとも50%のGC含量を有し、又は
    前記ORFが、少なくとも401個、最大でも800個のヌクレオチドからなり、かつ少なくとも55%のGC含量を有し、及び/又は
    前記ORFが、少なくとも801個のヌクレオチドからなり、かつ少なくとも58%のGC含量を有し、
    前記目的とするタンパク質が植物ウイルスタンパク質でない、又は前記目的とするタンパク質が、植物ウイルスに対して異種であるタンパク質である。
  10. 以下のセグメントを含む核酸:
    (i)ポテックスウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする核酸配列、(ii)(ii-a)ポテックスウイルスの三重遺伝子ブロックを含む核酸配列又はコードする核酸配列、及び(ii-b)ポテックスウイルスコートタンパク質をコードする核酸又はトバモウイルス移行タンパク質をコードする核酸、ならびに
    (iii)目的とするタンパク質をコードするORFを含む異種核酸配列、
    前記ORFが、少なくとも100個、最大でも500個のヌクレオチドからなり、かつ少なくとも50%のGC含量を有し、又は
    前記ORFが、少なくとも501個、最大でも1000個のヌクレオチドからなり、かつ少なくとも55%のGC含量を有し、及び/又は
    前記ORFが、少なくとも1001個のヌクレオチドからなり、かつ少なくとも58%のGC含量を有し、
    前記目的とするタンパク質が植物ウイルスタンパク質でない、又は前記目的とするタンパク質が、植物ウイルスに対して異種であるタンパク質である。
  11. 第1の核酸と第2の核酸とを含み、前記第1の核酸は請求項9又は10で定義されるセグメント(i)及びセグメント(ii)を含み、前記第2の核酸は請求項9又は10で定義されるセグメント(iii)を含む、組合せ又はキット。
  12. 第1の核酸がセグメント(ii)の下流側において部位特異的リコンビナーゼによって認識可能である第1の部位特異的組換え部位を有し、
    第2の核酸がセグメント(iii)の上流側において前記部位特異的リコンビナーゼによって認識可能である第2の部位特異的組換え部位を有し、前記第1の部位特異的組換え部位と前記第2の部位特異的組換え部位との間での部位特異的組換え及び請求項9又は10に記載の核酸の形成を可能にする、請求項11に記載の組合せ又はキット。
  13. 目的とする異種核酸配列にコードされる目的とするタンパク質を植物又は植物組織において発現させる方法であって、
    前記植物又は植物組織に、前記目的とするタンパク質をコードする前記目的とする異種核酸配列を含む請求項9又は10に記載の核酸、又は前記目的とするタンパク質をコードする前記目的とする異種核酸配列を含む請求項8に記載のポテックスウイルスベクターを与えること;及び
    前記目的とするタンパク質を前記目的とする異種核酸配列から発現させること
    を含む、方法
  14. 請求項9もしくは10において定義される核酸、又は請求項8に記載のポテックスウイルスベクターの使用であって、異種核酸によってコードされるタンパク質を発現させるための、及び植物におけるポテックスウイルスベクターの改善された遠距離移行を達成するための使用。
  15. 目的とするタンパク質が植物ウイルスタンパク質でない、又は目的とするタンパク質が、植物ウイルスに対して異種であるタンパク質である、請求項1又は2に記載の方法によって得られたポテックスウイルスベクター。
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