JP7309586B2 - 粉粒体供給作業機の供給装置伝動構造 - Google Patents
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Description
上記水田作業機は、播種装置の繰り出し回転体として円盤状の繰出し輪を回転する、各繰出軸(伝動軸)を伝動上手側の駆動軸から伝動クラッチ手段を介して回転させる供給装置伝動構造を備えている。これによる水田作業機は、全ての播種装置による全条の播種作業と、所定位置に設定される伝動クラッチ手段をクラッチ切り操作することにより、当該伝動クラッチ手段の伝動下手側にある播種装置の繰出し輪を停止した条止め状態で、他の播種装置による播種作業を続行させる条止め播種作業を行うことができる。
上記伝動クラッチ手段は、駆動軸の伝動上手側又は下手側伝動体の一方に咬合部を備え、前記上手側又は下手側伝動体の他方に被咬合部を備え、咬合部と被咬合部とを咬合させることにより繰出し輪を回転駆動し、前記咬合部と被咬合部とを左右方向に離間させることにより繰出し輪を停止する方式の咬合クラッチ構造にしている。
そして、このクラッチ部のクラッチ入り切り操作は、運転操作部に設置される各操作レバーの回動操作によって、ワイヤ及び操作アーム等を介し咬合部を有するクラッチ部材を左右にスライド移動させて行う構成になっている。
尚、この水田作業機は伝動クラッチ手段のクラッチ入り状態において、複数の繰り出し回転体の種籾を受け入れ播種する凹部の位相を合致させることにより、複数の繰り出し回転体から同じタイミングで種籾を繰り出すので、田面に供給された種籾は左右方向に一列状に並んだ状態で播種できるようにしている。
然しながら、この伝動クラッチ手段は、筒状をなすクラッチ部材の咬合方向側面に複数の凸部を形成するものであるため、精度を要する煩雑な切削加工を要すると共に、切削加工部に対し雨水や塵埃泥土等の付着を防ぐためのカバー構造、及び上記クラッチ部材をレバー操作するための操作レバーや連係部材等多くの部品を用いるため、製造コストが高くなること及び機体重量が増大することと、煩雑なメンテナンス作業を要する等の問題がある。
前記伝動クラッチ手段35を、伝動下手側軸端にクラッチ孔36を有する駆動軸31又は繰出軸29と、これに隣接する伝動上手側軸端に切換孔29aを有する繰出軸29と、該繰出軸29の伝動上手側軸端に軸方向にスライド自在に嵌合しながら周方向への回動を規制する回動規制手段を備えて駆動軸31に嵌合自在にするクラッチ筒37と、頭部に摘み部30aを有してクラッチ筒37の放射方向にスライド操作自在に挿入される摘み操作軸38と、クラッチ筒37側に突設されて摘み操作軸38の軸中途部を支持する支持部材39とにより構成し、上記クラッチ筒37を駆動軸31又は伝動上手側の繰出軸29に嵌合したとき、摘み操作軸38をクラッチ孔36に挿入したクラッチ入り状態にすると共に、該クラッチ入り状態にある摘み操作軸38を摘みクラッチ孔36から引き抜いてクラッチ筒37を切り方向スライドさせて駆動軸31から離脱させた位置で、該摘み操作軸38を切換孔29aに係合させてクラッチ切り状態に位置決め支持させるように構成し、
前記駆動軸31と繰出軸29とを同形状の多角形軸にすると共に、クラッチ筒37の軸孔を両軸にスライド自在に嵌合させる同形状の多角形孔にすることにより前記回動規制手段を構成したことを特徴としている。
第2に、前記駆動軸31と繰出軸29とを同形状の6角軸にすると共に、クラッチ筒37の軸孔を両軸にスライド自在に嵌合させる6角孔にすることを特徴としている。
前記伝動下手側の繰出軸に嵌合するクラッチ筒を摘み操作軸を切換孔から引き抜いて駆動軸又は伝動上手側の繰出軸に嵌合したとき、上記摘み操作軸をクラッチ孔に挿入したクラッチ入り状態に支持することができると共に、該クラッチ入り状態にある摘み操作軸を摘みながらクラッチ孔から引き抜いたのち、そのままクラッチ筒を切り方向スライドさせて駆動軸側から離脱させた位置で、該摘み操作軸を切換孔に係合させてクラッチ切り状態に支持させることができるため、伝動クラッチ手段を煩雑な切削加工等を必要としない簡潔で安価な構成による摘み操作クラッチを製作することができる。
そして、摘み操作クラッチ方式にする伝動クラッチ手段は、長く突出される摘み操作軸を取手として利用しながら手を離すことなく、クラッチ筒の位置決め操作とスライド操作を容易且つ能率よく行うことができると共に、クラッチ入り操作時に隣接する両軸の軸心変位があるとき、又は両軸が回転方向の軸端面ズレがあるとき等両軸の合致作業を要する場合には、伝動下手側にある繰出軸に位置決め支持しているクラッチ筒から突出している摘み操作軸は、取手レバーとして強く且つ安定的に摘まむことができるので、合致方向への押し引きや軸回動等の修正動作を容易にし、クラッチ入り操作を能率よく行うことができる等の特徴がある。
請求項2に係る発明によれば、前記駆動軸と繰出軸とを同形状の6角軸にすると共に、クラッチ筒の軸孔を両軸にスライド自在に嵌合させる6角孔にすることにより、
駆動軸と繰出軸とクラッチ筒とに、従来の咬合方式のクラッチ構造のように咬合部等の煩雑な切削加工や多くの部品を要することなく、摘み操作クラッチを簡潔で安価な構成によって製作することができると共に、摘み操作軸に過大な回転伝動負荷を掛けることなく駆動軸から複数の繰出軸への伝動を安定よく行うことができ、且つクラッチ切り位置にあるクラッチ筒を伝動上手側にある6角軸側に合致させる、回転方向の位相ズレを修正する合致操作及びクラッチ筒をスライドして行う嵌合操作を容易にすることができる。
上記走行作業機5は、機体前部に搭載されるエンジンをボンネット9によって覆い、該ボンネット9の後方に設置される運転操作部10に、前輪2を操向操作するステアリング11と、デッキ部を介して運転席12等を配置している。
また、走行機体5はその後部に、エンジン動力を直播作業機7に伝達する植付PTO軸17を延出し、該植付PTO軸17の後端を直播作業機7に設置される入力伝動ケース17aの入力軸17bに連結している。
上記水平制御部19は、昇降リンク6に連結する連結部20を設け、該連結部20の下部に前後方向に延設される回動軸21に対し、複数のフレーム及び部品から構成された支持枠22の左右方向中心を支点に回動可能に支持し、該支持枠22は連結部20に設けられた図示を省略するモータ制御装置の回転動作によって、連結部20に対し回動軸21を中心に左右に回動制御することにより、走行機体5に対する支持枠22の左右の傾きが制御される。
そして、支持枠22は主フレーム22aの中心部位に前記入力伝動ケース17aを設置し、該入力伝動ケース17aの左側に対し、図5,図6で後述する駆動ケース30を設置することにより、左右に各配置される播種装置23を駆動するようにしている。
上記排出供給手段27は、そのケース内で繰出し輪27aを有する繰出軸29の両側を軸支し、軸の左右端側をケースから所定長さで突出している。
各播種装置23は、排出供給手段27の上部側に繰出し通路27bを介し貯蔵部26との間に、前後方向の押し引き動作によって繰出し通路27bを開閉するシャッタ27cを設けている。
そして、上記繰出軸29の伝動下手側になる軸端側には、上記クラッチ孔36と回転方向の位相を同じにする位置に、後述する筒状の中途連結部材40に挿入する連結ピン(図示せず)を位置決め支持する連結孔を穿設している。
そして、クラッチ切り状態の摘み操作クラッチ35をクラッチ入り操作する際には、駆動軸31と繰出軸29との合致作業を後述するように行うことにより、各繰出し輪27aが有する凹部の位相が合致した状態に復帰させることができる。
そして、従動スプロケット33を嵌挿支持する駆動軸31は、前記繰出軸29と同じ断面正6角形をなす6角軸となし、左右の軸端を後述する摘み操作クラッチ35のクラッチ筒37との嵌合を介し、隣接する伝動下手側の繰出軸29を伝動可能にする長さを有し突出している。
尚、摘み操作クラッチ35を介在しないで隣接繰出軸29を連結する連結手段は、隣接する連結側軸端部に前記筒状の中途連結部材40を嵌挿した状態で、両連結孔に連結ピンを挿入することにより連結する構成にすることが好ましい。
従って、ここでは駆動ケース30の左側に配設される摘み操作クラッチ35を代表例として説明する。即ち、実施形態の摘み操作軸38は、隣接する駆動軸31と繰出軸29とにスライド自在に嵌合する6角孔を有してクラッチ孔36と切換孔29aとに跨る長さのクラッチ筒37と、該クラッチ筒37の一側に穿設される軸孔にスライド自在に挿入される摘み操作軸38と、該摘み操作軸38の中途部をスライド自在に支持した状態でクラッチ筒37に取付支持する軸支持部材39等からなる。
そして、摘み操作軸38は、軸中途にコイル形状の付勢スプリング39aを嵌挿することにより、軸係合方向(下向き矢印方向)に付勢するように設けている。
一方、軸支持部材39は、下向きコ字状をなす両辺をクラッチ筒37の軸方向に固設することが望ましく、この場合には、作業者が周方向から摘み操作軸38を摘むとき同時に、軸支持部材39も前後方向から面接触状態で摘むことが容易であるため、後述するクラッチ入り操作時等における、クラッチ筒37及び繰出軸29の上下左右方向作動、並びに周方向の位置決め回動調節作動を簡潔で安価な構成によって行い易くすることができる。
このとき、伝動上手側に配置されて支持枠22との取付け位置の微量調節等が行い難い駆動軸31や繰出軸29に比較して、上記伝動下手側になる各播種装置23は、軸回動が軽い力で可能になること及び支持枠22との取付け位置調節が行い易いため、クラッチ筒37を有する繰出軸29の修正作業を行い易くする等の利点がある。
さらに、左右の第2の摘み操作クラッチ35を共に切り操作した場合には、左右の外側に位置する第3と第4の播種装置23を播種停止させた状態で、左右の第1と第2の播種装置23による内側4条分の播種作業(両外側2条止め播種作業)を利便性よく行うことができる。
一方、上記のようにクラッチ入り作業を行うとき、切り姿勢にある伝動下手側の繰出軸29の軸心が伝動上手側になる駆動軸31又は上手側にある播種装置23の繰出軸29の軸心に対し、上下又は前後方向にズレを生じ、図8に示すように、両軸心間に変位(例えば、軸心変位量H)を有していることがある。
即ち、上記構成による摘み操作クラッチ35は軸心の位置合わせ操作(両軸の合致作業)を行うとき、作業者は繰出軸29を直接握った状態で位置合わせ操作をすることなく、繰出軸29側にあるクラッチ筒37から一体的に突出する摘み操作軸38を位置合わせ用の取手として利用することができる。
そして、摘み操作軸38をクラッチ孔36に至り挿入した時点で手を離すことにより、伝動下手側の繰出軸29に生じていた軸心偏位を修正しながら、クラッチ入り操作を簡単且つ速やかに行うことができる。
従って、作業者は両軸端面の適正修正位置への合致作業を、軸を握ったり工具を用いることなく、伝動下手側の繰出軸29を所望に回動して駆動軸31又は伝動上手側の繰出軸29の端面と同位相に合致させることができ、且つ合致位置からそのまま手を離すことなく入り方向へのスライド操作を速やかに行えるので、両軸端面の合致作業とクラッチ入り作業をワンタッチ状の一連の動作によって能率よく行うことができる。
つまり、作業者はこの際に、広幅帯状板からなる軸支持部材39の両側片を付勢スプリング39aとの接触を防ぎながら強く摘まむことができるので、繰出軸29が前記軸心変位量Hを大きく生じている場合でも、両軸端面の合致作業に合わせてクラッチ入り操作も同時的に能率よく行うことができる等の特徴がある。
そして、クラッチ切り位置を6角軸の対をなす軸平坦面を貫通する切換孔29aに摘み操作軸38を挿入して位置決めする摘み操作クラッチ35は、クラッチ筒37の開口端を駆動軸31又は伝動上手側の繰出軸29の軸端に近接した位置に臨ませた状態で、クラッチ筒37を伝動上手側にある6角軸側に合致させる、回転方向の位相ズレを修正する合致操作及びクラッチ筒37をスライドして行う嵌合操作を行い易くすることができる等の利点がある。
また図示例では、各種の種子を複数の播種装置23によって田面に供給する水田作業機について説明したが、これに限ることなく、各種の肥料や薬剤等の粉粒体を田面に供給する所望構造の供給装置23を備える粉粒体供給作業機等にも適用することができる。
5 走行作業機
7 直播作業機
22 支持枠
23 播種装置
26 貯蔵部
27 排出供給手段
27a 繰出し輪
29 繰出軸
29a 切換孔
30a 摘み部
31 駆動軸
35 伝動クラッチ手段
36 クラッチ孔
37 クラッチ筒
38 摘み操作軸
39 支持部材
Claims (2)
- 貯蔵部(26)に貯留される粉粒体を、排出供給手段(27)に軸支する繰出軸(29)によって回転する繰出し輪(27a)から圃場に向けて送り出し供給する播種装置(23)を、走行作業機(5)に装着される支持枠(22)の左右方向に複数配設し、伝動上手側の駆動軸(31)から伝動下手側になる播種装置(23)の繰出軸(29)を伝動クラッチ手段(35)を介して連結すると共に、伝動下手側の播種装置(23)の繰出軸(29)と隣接する播種装置(23)の繰出軸(29)との間に伝動クラッチ手段(35)を設けて連結することにより、全播種装置(23)による全条の播種作業と、所望の伝動クラッチ手段(35)を切り操作し該伝動クラッチ手段(35)の伝動下手側の播種装置(23)による播種作業を止めた条止め播種作業を行うようにした粉粒体供給作業機の供給装置伝動構造において、
前記伝動クラッチ手段(35)を、伝動下手側軸端にクラッチ孔(36)を有する駆動軸(31)又は繰出軸(29)と、これに隣接する伝動上手側軸端に切換孔(29a)を有する繰出軸(29)と、該繰出軸(29)の伝動上手側軸端に軸方向にスライド自在に嵌合しながら周方向への回動を規制する回動規制手段を備えて駆動軸(31)に嵌合自在にするクラッチ筒(37)と、頭部に摘み部(30a)を有してクラッチ筒(37)の放射方向にスライド操作自在に挿入される摘み操作軸(38)と、クラッチ筒(37)側に突設されて摘み操作軸(38)の軸中途部を支持する支持部材(39)とにより構成し、上記クラッチ筒(37)を駆動軸(31)又は伝動上手側の繰出軸(29)に嵌合したとき、摘み操作軸(38)をクラッチ孔(36)に挿入したクラッチ入り状態にすると共に、該クラッチ入り状態にある摘み操作軸(38)を摘みクラッチ孔(36)から引き抜いてクラッチ筒(37)を切り方向スライドさせて駆動軸(31)から離脱させた位置で、該摘み操作軸(38)を切換孔(29a)に係合させてクラッチ切り状態に位置決め支持させるように構成し、
前記駆動軸(31)と繰出軸(29)とを同形状の多角形軸にすると共に、クラッチ筒(37)の軸孔を両軸にスライド自在に嵌合させる同形状の多角形孔にすることにより前記回動規制手段を構成したことを特徴とする粉粒体供給作業機の供給装置伝動構造。 - 前記駆動軸(31)と繰出軸(29)とを同形状の6角軸にすると共に、クラッチ筒(37)の軸孔を両軸にスライド自在に嵌合させる6角孔にする請求項1記載の粉粒体供給作業機の供給装置伝動構造。
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