JP7308151B2 - ヒトbmp7タンパク質のバリアント - Google Patents

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Description

本発明は、医学の分野、特に治療用タンパク質の分野におけるものである。具体的には、本発明は、がん、軟骨の損傷及び変性、変形性関節症に伴う疼痛、または骨治癒の治療に有用なヒト骨形態形成タンパク質-7(BMP7)のバリアントに関する。
骨形態形成タンパク質は、多数の組織及び器官における細胞の増殖、移動、分化、及びアポトーシスを調節する成長因子の周知のファミリーである。ヒトBMP7は、TGF-ベータスーパーファミリーの分泌性シグナル伝達分子であり、骨形成を誘導し得るその能力に対してもともと同定された。それは、現在、多くの異なる細胞タイプの成長及び分化を媒介する多機能性サイトカインとして認識されている。
BMP7は、骨形成、骨折治癒、及び脊椎固定を促進するために用いられている。それにもかかわらず、治療法としてのその使用は、その乏しい溶解度/生体利用能、及び注射部位における沈殿の結果として異所性骨形成(EBF)または軟部組織における新生骨の急速な形成を引き起こす傾向が理由で、主として組織の表面への局所投与に限定されている。
発現収量の増加、溶解度の増加、特異的活性の増加、及び免疫原性の減少など、向上した特性を有するBMP7タンパク質バリアントがWO2005/097825において報告されている。しかしながら、治療法として有用であり得る、溶解度/生体利用能の向上、特異的活性の増加、内因性循環阻害因子への結合の減少、及びEBF活性の低下を有するヒトBMP7タンパク質バリアントに対する必要性が依然として存在する。
固形腫瘍におけるがん幹様細胞(CSC)は、がんの発生及び不良な治療転帰に寄与すると言われている。自己再生し得る、分化し得る、及び抗がん療法に抵抗し得る能力は、これら希少細胞の証であり、それらを分化系列決定(lineage commitment)に導くことは、がんの発生または進行を抑える1つのストラテジーであり得る。しかしながら、この手法の認められた潜在性にもかかわらず、腫瘍細胞の分化転換を誘導しかつ従来の化学療法及び放射線療法による殺傷に対して抵抗性を示さないまたは低い抵抗性を示す系列にCSCを戻す、有効ながん療法に対する必要性が依然として残る(例えば、Li,R.,et al.,Oncotarget.2016 Oct 18;7(42):68360-68370を参照されたい)。
Li,R.,et al.,Oncotarget.2016 Oct 18;7(42):68360-68370
本発明は、代替的なヒトBMP7タンパク質バリアントを提供する。特に、本発明は、対応する野生型ヒトBMP7タンパク質と比較して、特異的活性の増加、溶解度/生体利用能特徴の向上、内因性循環阻害因子への結合の減少、及び/またはEBF活性の低下を有するヒトBMP7タンパク質のバリアントを提供する。加えて、本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントの投与を含む、がん、軟骨の損傷及び変性、変形性関節症に伴う疼痛、または骨折治癒を治療する方法が記載される。
本発明は、ヒトBMP7タンパク質の成熟ドメインが、
Figure 0007308151000001
のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、ヒトBMP7タンパク質のバリアントを提供し、式中、
Xaa33はDまたはMであり;Xaa37はAまたはPであり;Xaa60はEまたはQであり;Xaa65はY、S、またはGであり;Xaa86はI、V、またはLであり;Xaa87はVまたはLであり;Xaa89はT、S、またはAであり;Xaa91はVまたはMであり;Xaa93はFまたはVであり;Xaa94はI、F、またはMであり;Xaa110はGであり;Xaa114はVまたはMであり;Xaa120はSまたはQであり;Xaa128はY、F、またはWであり;Xaa132はV、Q、またはSであり;かつXaa134はRまたはKである。
本発明は、ヒトBMP7タンパク質の成熟ドメインが配列番号:3のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、ヒトBMP7のバリアントも提供し、式中、(a)Xaa33はDであり;(b)Xaa37はAであり;(c)Xaa60はEであり;(d)Xaa65はY、S、またはGであり;(e)Xaa86はI、V、またはLであり;(f)Xaa87はVであり;(g)Xaa89はTまたはAであり;(h)Xaa91はVであり;(i)Xaa93はFまたはVであり;(j)Xaa94はIであり;(k)Xaa110はGであり;(l)Xaa114はVまたはMであり;(m)Xaa120はSであり;(n)Xaa128はY、F、またはWであり;(o)Xaa132はVであり;かつ(p)Xaa134はRである。
本発明は、BMP7タンパク質の成熟ドメインが配列番号:3のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、ヒトBMP7タンパク質のバリアントも提供し、式中、(a)Xaa33はDであり;(b)Xaa37はAであり;(c)Xaa60はEであり;(d)Xaa65はYまたはGであり;(e)Xaa86はIまたはLであり;(f)Xaa87はVであり;(g)Xaa89はTまたはAであり;(h)Xaa91はVであり;(i)Xaa93はFまたはVであり;(j)Xaa94はIであり;(k)Xaa110はGであり;(l)Xaa114はVまたはMであり;(m)Xaa120はSであり;(n)Xaa128はY、F、またはWであり;(o)Xaa132はVであり;かつ(p)Xaa134はRである。
本発明は、BMP7の成熟ドメインが配列番号:3のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、ヒトBMP7タンパク質のバリアントも提供し、式中、(a)Xaa33はDであり;(b)Xaa37はAであり;(c)Xaa60はEであり;(d)Xaa65はGであり;(e)Xaa86はLであり;(f)Xaa87はVであり;(g)Xaa89はTまたはAであり;(h)Xaa91はVであり;(i)Xaa93はVであり;(j)Xaa94はIであり;(k)Xaa110はGであり;(l)Xaa114はVまたはMであり;(m)Xaa120はSであり;(n)Xaa128はFまたはWであり;(o)Xaa132はVであり;かつ(p)Xaa134はRである。好ましくは、Xaa114はVであり、かつXaa128はWである。
本発明は、BMP7タンパク質の成熟ドメインが、配列番号:4に示されるF93V/N110Gバリアント;配列番号:5に示されるY65G/I86L/T89A/N110Gバリアント;配列番号:6に示されるY65G/I86L/N110G/Y128Fバリアント;配列番号:7に示されるY65G/I86L/N110G/Y128Wバリアント;配列番号:8に示されるY65G/I86L/F93V/N110G/Y128Wバリアント;配列番号:9に示されるY65G/T89A/N110G/Y128Fバリアント;配列番号:10に示されるY65G/I86L/N110Gバリアント;または配列番号:11に示されるY65G/V114Mバリアントを含む、ヒトBMP7タンパク質のバリアントをさらに提供する。より好ましくは、本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントは、配列番号:7に示されるヒト成熟BMP7タンパク質のY65G/I86L/N110G/Y128Wバリアント、または配列番号:8に示されるヒト成熟BMP7タンパク質のY65G/I86L/F93V/N110G/Y128Wバリアント(以降、ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9、またはヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9と称される)を含む。さらにより好ましくは、本発明のヒト成熟BMP7タンパク質バリアントは、ヒト成熟BMP7のY65G/I86L/F93V/N110G/Y128Wバリアントであるヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9を含む(配列番号:8を参照されたい)。
本発明は、BMP7タンパク質バリアントの成熟ドメインが配列番号:3のアミノ酸配列を含む、ヒトBMP7タンパク質のバリアントも提供し、式中、
Xaa33はDまたはMであり;Xaa37はAまたはPであり;Xaa60はEまたはQであり;Xaa65はY、S、またはGであり;Xaa86はI、V、またはLであり;Xaa87はVまたはLであり;Xaa89はT、S、またはAであり;Xaa91はVまたはMであり;Xaa93はFまたはVであり;Xaa94はI、F、またはMであり;Xaa110はGであり;Xaa114はVまたはMであり;Xaa120はSまたはQであり;Xaa128はY、F、またはWであり;Xaa132はV、Q、またはSであり;かつXaa134はRまたはKであり、
当該バリアントタンパク質のN末端は、配列番号:18のヒトBMP7プロドメイン配列のC末端に共有結合で融合している。
本発明は、ヒトプロBMP7タンパク質のバリアントをさらに提供し、当該タンパク質は、配列番号:12;配列番号:13;配列番号:14;配列番号:15;及び配列番号:16からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
本発明は、ヒト成熟BMP7タンパク質のバリアントをさらに提供し、当該バリアントは、配列番号:17に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
本発明は、対応する野生型ヒトBMP7タンパク質と比較して、特異的活性の増加、溶解度特徴の向上、生体利用能の向上、内因性循環阻害因子への結合の減少、及び/またはEBF活性の低下を有するヒトBMP7タンパク質バリアントをさらに提供する。
本発明の別の態様は、薬学的に許容されるキャリア、希釈剤、または賦形剤、及び任意で1種または複数種の他の治療用成分とともに、本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントを含む、薬学的組成物である。
本発明の別の態様は、有効量の1種もしくは複数種の化学療法剤または電離放射線と、有効量の本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントとの同時の、別個の、または逐次的な組み合わせで、それを必要としている患者に投与することを含む、がんを治療する方法を提供する。好ましくは、がんを治療する方法は、非小細胞肺癌(NSCLC)を含むがそれに限定されない肺癌、脳腫瘍、子宮頸癌、皮膚癌、頭頸部癌、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、または結腸直腸癌を治療するための方法である。好ましくは、本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントは、1種もしくは複数種の化学療法剤(複数可)及び/または電離放射線の投与前に患者に投与される。
本発明の態様は、肺癌、脳腫瘍、子宮頸癌、皮膚癌、頭頸部癌、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、口腔白板症、口腔扁平細胞癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、乳癌、卵巣癌、T細胞リンパ腫、軟部組織肉腫、膵臓癌、結腸直腸癌、ホジキンリンパ腫、または非ホジキンリンパ腫を含むがそれらに限定されない、レチノイド受容体RARアルファ及びRARガンマが重要であることが公知であるがんの治療のための、全トランス型レチノイン酸(ATRA)と組み合わせた本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントの使用である。
本発明の態様は、肺癌、脳腫瘍、子宮頸癌、皮膚癌、頭頸部癌、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、口腔白板症、口腔扁平細胞癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、乳癌、卵巣癌、T細胞リンパ腫、軟部組織肉腫、膵臓癌、結腸直腸癌、ホジキンリンパ腫、または非ホジキンリンパ腫を含むがそれらに限定されない、レチノイド受容体RARアルファ及びRARガンマが重要であることが公知であるがんの治療のための、ATRAと組み合わせた、配列番号:7または8のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むヒトBMP7タンパク質バリアントの使用である。
本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントは、適当な遺伝子配列を作出することにより、すなわち適当なヌクレオチド配列を配置し及び適切な細胞株においてそれらを発現させることによって達成され得る。所望のヌクレオチド配列は、コドンに基づく突然変異導入などの方法を用いて産生され得る。そのような手順は、オリゴヌクレオチド内の任意の所望のコドン箇所におけるアミノ酸残基のありとあらゆる頻度の産生を可能にする。
本発明は、治療上有効量の本発明のヒトBMP7のバリアントをそれを必要としているヒト患者に投与することを含む、がん、軟骨の損傷及び変性、変形性関節症に伴う疼痛、または骨折治癒を治療するための方法を提供する。好ましくは、本発明は、治療上有効量の本発明のヒトBMP7のバリアントをそれを必要としているヒト患者に投与することを含む、がんを治療するための方法も提供し、当該がんは、非小細胞肺癌(NSCLC)を含むがそれに限定されない肺癌、脳腫瘍、子宮頸癌、皮膚癌、頭頸部癌、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、及び結腸直腸癌からなる群より選択される。
本発明は、全トランス型レチノイン酸と組み合わせて、治療上有効量の本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントをそれを必要としている患者に投与することを含む、がんを治療するための方法を提供する。
本発明は、医薬としての使用のための、ATRAと組み合わせた本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントを提供する。
本発明は、がんの治療における使用のための、ATRAと組み合わせたヒトBMP7タンパク質のバリアントを提供し、当該がんは、肺癌、脳腫瘍、子宮頸癌、皮膚癌、頭頸部癌、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、口腔白板症、口腔扁平細胞癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、乳癌、卵巣癌、T細胞リンパ腫、軟部組織肉腫、膵臓癌、結腸直腸癌、ホジキンリンパ腫、及び非ホジキンリンパ腫からなる群より選択される。
レチノイン酸受容体(RAR)は、ATRA及び9-cisレチノイン酸の両方によって活性化される核内受容体の1つのタイプである。RAR-アルファ、RAR-ベータ、及びRAR-ガンマという3種のRARが存在する。RARの活性化は、アルカリホスファターゼ活性の刺激をもたらし、それは、本質的には実施例3に記載されるように測定され得る。
本発明は、がんの治療のための医薬の製造のための、ATRAと組み合わせたヒトBMP7タンパク質のバリアントの使用をさらに提供する。
本発明の別の態様は、医薬としての使用のための、ATRAと組み合わせたヒトBMP7タンパク質のバリアントを提供する。
本発明の別の態様は、がんの治療における使用のために、本発明に従い、ATRAと組み合わせたヒトBMP7タンパク質のバリアントを具体化する。
本発明は、医薬としての使用のための、ヒトBMP7タンパク質のバリアントを提供する。
本発明は、がん、軟骨の損傷及び変性、変形性関節症に伴う疼痛、または骨折治癒の治療における使用のための、ヒトBMP7タンパク質のバリアントを提供する。
本発明は、がん、軟骨の損傷及び変性、変形性関節症に伴う疼痛、または骨折治癒の治療のための医薬の製造のための、本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントの使用をさらに提供する。
本発明の他の実施形態は、本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントをコードするポリヌクレオチドに寄せられる。別の実施形態は、当該ポリヌクレオチド(複数可)を含有するベクター、及び当該ベクターを運ぶ宿主細胞である。別の実施形態は、当該タンパク質をコードするDNAを含有するベクターを運ぶ宿主細胞を培養し、宿主細胞から当該タンパク質を発現させ、及び培養培地から当該タンパク質を回収することによって、本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントを産生するための工程に寄せられる。
本発明の目的上、本明細書において記載され及び主張されるように、用語は以下のように定義される。
「約」という用語は、値の最高で10%の差異を意味し、そのような用語は、有効数字の桁数に応じて与えられる。例えば、「約200」は180~220を包含し、「約1」は0.9~1.1を包含する。
「投与すること」という用語は、本発明の薬学的組成物を、それを必要としている哺乳類、好ましくはヒトの体内に移入する行為を指す。
投与は、通常の技能の医師による、有効であることが公知の任意の経路を介したものであり得る。非経口投与は、無菌の注射器、または点滴ポンプなどの他の何らかの機械的装置による体内への剤形の注射として、医学文献において一般に理解された投与の1つの形態である。非経口投与には、静脈内注射、皮下注射、筋肉注射、腹腔内注射、内皮投与、局所投与、鼻腔内投与、肺内投与、及び直腸投与が含まれ得る。手術時の投与またはx線イメージング(蛍光透視法)の使用を通じた投与は、付加的な形態である。
全トランス型レチノイン酸(ATRA)は、レチノイン酸受容体(RAR)及びレチノイドX受容体(RXR)の両方に対するリガンドである。RAR及びRXRは、正常細胞及び悪性細胞の両方の成長及び分化を調節するリガンド誘導性転写因子として機能する(Zhou et al.,Phil Trans.R.Soc.B,362:959-971,2007)。
「骨治癒」及び「骨折治癒」という用語は、本明細書において互換可能に用いられ、大腿骨及び脛骨の遅延治癒(delayed union)及び難治性(non-union)骨折、足指骨及び中足骨の骨折、上腕骨近位端骨折、他の骨折、歯科インプラント固定具に伴う歯槽骨欠損、椎間板変性、脊椎固定に伴う骨修復、ならびに頭蓋顎顔面手術に伴う骨修復、またはインプラント(ネジ、プレート、補綴物、歯科インプラント)の固定を安定させる骨統合の増強を指すことを意図される。
軟骨の損傷及び変性とは、関節脱臼、靭帯断裂、半月板断裂による外傷後膝関節軟骨負傷、外傷後肩関節軟骨負傷、股関節の外傷後軟骨負傷、肘関節の外傷後軟骨負傷、または変形性関節症などの他の軟骨損傷など、外傷、スポーツ、墜落、または衝突に伴う関節負傷により生じる軟骨負傷を指す。
変形性関節症に伴う疼痛とは、外傷後変形性関節症に伴う疼痛、膝関節の変形性関節症疼痛、骨軟骨欠損、または関連障害に伴う疼痛を指す。
薬学的に許容される賦形剤とは、薬学的に許容される製剤用キャリア、溶液、または製剤特徴を増強させる添加物を指す。そのような賦形剤は、製剤の他の成分と適合性でなければならずかつそのレシピエントに有害であってはならず、当業者に周知であり、例えばRemingtons Pharmaceutical Sciences,19th Edition,Mack Publishing Company,1995を参照されたい。
安定した製剤とは、その中でタンパク質が保存の条件下で長期間可溶性のままであるものである。
硫酸化多糖類とは、糖単位あたり1つまたは複数の硫酸化部位を含有する2つまたはそれを上回る数の糖単位からなる化合物である。例示的な硫酸化多糖類には、ヘパリン、ヘパリン硫酸、デキストラン硫酸、スクロースオクタ硫酸、硫酸化β-シクロデキストリン、myo-イノシトールヘキサ硫酸、ポリペントサン硫酸、フコイダン、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン硫酸B、コンドロイチン硫酸C、及びその誘導体が含まれる。
効力または特異的活性は、本発明のものを含めたヒトBMP7タンパク質のバリアントの相対活性についての測定であり、例えば下記の実施例5に記載されるMFc7細胞アッセイにおいて測定され得る。一般的に、相対活性を野生型ヒト成熟BMP7と比較して、ヒトBMP7タンパク質バリアントに対する相対効力をもたらす。
可溶性または溶解度とは、本明細書において実施例6に記載されるものなどの凝集アッセイによって判定される、凝集タンパク質の低下または相対欠如を指す。溶解度も、本質的には実施例7に記載される熱アンフォールディングアッセイにおいて測定され得る、BMP7タンパク質バリアントの物理的安定性についての測定である。
「対象」、「患者」、または「個体」という用語は、本明細書において互換可能に用いられ、それらのすべては、マウス、サル、ヒト、哺乳類家畜(すなわち、ヒツジ等)、哺乳類スポーツ用動物(すなわち、ウマ)、及び哺乳類ペット(すなわち、イヌまたはネコ)を含むがそれらに限定されない哺乳類を指し;好ましくは、当該用語はヒトを指す。ある特定の実施形態において、対象、好ましくはヒトは、本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントを用いた治療から恩恵を受けるであろう疾患または障害または病状を有するとさらに特徴付けされる。
本明細書において用いられる治療することとは、疾患、病状、または障害と闘う目的のための患者の管理及びケアを記載し、症状もしくは合併症を軽減するまたは疾患、病状、もしくは障害を排除するために、本発明の薬学的組成物の投与を含む。
「治療上有効量」という語句は、患者に治療的有益性を付与するのに必要な、活性剤の量を指す。
治療上有効量とは、患者に治療的有益性を付与するのに必要な、活性剤の量である。例えば、軟骨の損傷及び変性、変形性関節症に伴う疼痛、または骨治癒に対する治療を必要としているヒト患者に投与される治療上有効量は、軟骨の損傷及び変性、変形性関節症に伴う疼痛、または骨の修復/治癒に伴う病的症状、疾患進行、または生理学的状態の向上を誘導する、改善する、または別様に引き起こすような量である。さらに、本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントの治療上有効量は、がんに対する治療を必要としているヒト患者に投与される量であり、哺乳類、好ましくはヒトにおいて、がん細胞の数を低下させる;腫瘍サイズを低下させる;末梢組織器官へのがん細胞浸潤を阻害する(すなわち、ある程度遅らせるまたは停止させる);腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度遅らせるまたは停止させる);腫瘍成長をある程度阻害する;及び/またはがんに伴う症状の1つもしくは複数をある程度緩和する量である。本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントの有効量は、単回投薬または複数回投薬で投与され得る。さらに、本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントの有効量は、1回を上回って投与されない場合に有効量に満たないであろう量の複数回投薬で投与され得る。
医学の技術分野において周知であるように、任意の1人の対象に対する投薬量は、患者のサイズ、体表面積、年齢、投与される対象となる特定の化合物、性別、投与の時間及び経路、全体的健康状態、ならびに並行して投与されている他の薬物を含めた多くの因子に依存する。用量は、疾患のタイプ及び重症度に応じてさらに変動し得る。本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントの典型的な用量は、例えば、約10mg~約1000mg;好ましくは約50mg~約500mg;より好ましくは約200mg~約500mg;さらにより好ましくは約200mg~約400mg;さらにより好ましくは約200mg~約300mg;さらにより好ましくは約225mg~約275mg;さらにより好ましくは約250mg~約275mgの値域内にあり得るが、しかしながら、とりわけ前述の因子を考慮して、この例示的な値域を下回るまたは上回る用量が想定される。毎日の非経口投薬量レジメンは、約250μg/kg~約10mg/kgであり得る。進行は周期的査定によってモニターされ得、用量はそれに応じて調整され得る。
本発明の一部の実施形態において、本発明のヒトBMP7タンパク質の単回用量は、成人患者におけるがんを治療するために静脈内投与され得る。本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントの静脈内投与のための典型的な単回用量は、例えば、約10mg~約1000mg;好ましくは約10mg~約500mg;より好ましくは約10mg~約500mg;より好ましくは約10mg~約400mg;より好ましくは約10mg~約350mg;より好ましくは約10mg~約300mg;さらにより好ましくは約10mg~約275mg;さらにより好ましくは約10mg~約250mg;さらにより好ましくは約10mg~約200mg;さらにより好ましくは約10mg~約175mg;さらにより好ましくは約10mg~約150mg;または最も好ましくは約10mg~約125mgの値域内にあり得るが、しかしながら、とりわけ前述の因子を考慮して、この例示的な値域を下回るまたは上回る用量が想定される。あるいは、本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントの静脈内投与のための典型的な単回用量は、例えば、約0.2mg/kg~約15mg/kg体重;より好ましくは約0.2mg/kg~約10mg/kg;さらにより好ましくは約0.2mg/kg~約7.5mg/kg;さらにより好ましくは約0.2mg/kg~約5mg/kg;さらにより好ましくは約0.2mg/kg~約4mg/kg;さらにより好ましくは約0.2mg/kg~約3mg/kg;さらにより好ましくは約0.2mg/kg~約2.5mg/kg;または最も好ましくは約0.2mg/kg~約2mg/kgであり得る。そのような用量は、例えば、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1ヶ月に1回静脈内投与され得る。進行は周期的査定によってモニターされ得、用量はそれに応じて調整され得る。
本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントについてのこれら提案される量は、多くの治療的裁量に供される。適当な用量及びスケジュールを選択することにおける主要な因子は、獲得される結果である。この背景における考慮の因子には、治療されている特定の障害、個々の患者の臨床状態、障害の原因、タンパク質の送達の部位、タンパク質の特定のタイプの形態(例えば、プロBMP7タンパク質バリアントまたは成熟BMP7タンパク質バリアント)、投与の方法、投与のスケジュール、及び医師に公知の他の因子が含まれる。
ヒトBMP7タンパク質は、TGF-ベータスーパーファミリーの分泌性シグナル伝達分子であり、骨形成を誘導し得るその能力に対してもともと同定されたが、その後、多くの異なる細胞タイプの成長及び分化を媒介する多機能性サイトカインとして認識されるようになった。ヒトBMP7タンパク質は、292アミノ酸の前駆体タンパク質として細胞内で発現され、成熟した生物学的に活性なBMP7は、シグナルペプチド及びプロペプチドのタンパク質分解除去によって作出される。シグナルペプチド(最初の29個のアミノ酸)、プロドメイン、及び成熟ペプチド(下線が引かれた)を含有する野生型ヒトBMP7タンパク質アミノ酸配列は、配列番号:1:
Figure 0007308151000002
として示される。シグナルペプチドはタンパク質分解切断によって除去され得、プロBMP7として指定される無傷のプロドメイン/成熟ペプチドをもたらすことが当業者によって理解されている。
野生型ヒト成熟BMP7は、2箇所でグリコシル化された二量体で、139アミノ酸のジスルフィド連結した約35kDaのホモ二量体タンパク質である。各ホモ二量体タンパク質は、配列番号:2:
Figure 0007308151000003
に示されるアミノ酸配列を有する。
本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントには、配列番号:3に示されるコンセンサス配列において表示される変化した特異的アミノ酸箇所を有する、配列番号:2のヒト成熟BMP7のバリアントが含まれる。本発明のヒト成熟BMP7タンパク質の特定のバリアントは、野生型成熟ヒトBMP7タンパク質と比較して、特異的活性の増加、溶解度特徴の向上、生体利用能の向上、内因性循環阻害因子への結合の減少、及び/またはEBF活性の低下を有する。
ヒトBMP7タンパク質の好ましいバリアントは、F93V/N110G、配列番号:4;Y65G/I86L/T89A/N110G、配列番号:5;Y65G/I86L/N110G/Y128F、配列番号:6;Y65G/I86L/N110G/Y128W、配列番号:7;Y65G/I86L/F93V/N110G/Y128W、配列番号:8;Y65G/T89A/N110G/Y128F、配列番号:9;Y65G/I86L/N110G、配列番号:10;及びY65G/V114M、配列番号:11からなる群より選択される。本発明のBMP7の最も好ましいバリアントは、Y65G/I86L/N110G/Y128W(配列番号:7)及びY65G/I86L/F93V/N110G/Y128W(配列番号:8)からなる群より選択される。
本発明は、ヒトプレBMP7のバリアント(すなわち、配列番号:1)ならびにヒトプロBMP7のバリアント(すなわち、配列番号:21)も提供する。ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントのN末端に融合したプロドメインを含有する、本発明のヒトプロBMP7の好ましいバリアントは、配列番号:12;配列番号:13;配列番号:14;配列番号:15;及び配列番号:16からなる群より選択される。
本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントは、当技術分野において周知の方法を用いて操作された組み換え生物によって、あるいは化学合成によって合成され得る。したがって、本発明の他の実施形態は、ヒトBMP7タンパク質のバリアントをコードするポリヌクレオチドに向けられる。別の実施形態は、当該ポリヌクレオチドを含有するベクター、及び当該ベクターを運ぶ宿主細胞である。別の実施形態は、当該タンパク質をコードするDNAを含有するベクターを運ぶ宿主細胞を培養し、宿主細胞から当該タンパク質を発現させ、及び培養培地から当該タンパク質を回収することによって、タンパク質を産生するための工程に向けられる。
本発明のヒトBMP7のバリアントをコードするポリヌクレオチドには、以下のもの:ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントに対するコード配列のみ;当該バリアントに対するコード配列、及び機能的タンパク質などの付加的なコード配列、あるいはシグナル配列もしくは分泌配列またはプロドメイン配列;ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントに対するコード配列、及びイントロンあるいは当該バリアントに対するコード配列の5’及び/または3’非コード配列などの非コード配列、が含まれ得る。ゆえに、「バリアントをコードするポリヌクレオチド」という用語は、ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントに対するコード配列だけでなく、付加的なコード及び/または非コード配列を含むポリヌクレオチドも含み得るポリヌクレオチドを包含する。特異的な宿主細胞/発現系に対して最適化されるポリヌクレオチド配列が、所望のタンパク質のアミノ酸配列から容易に獲得され得ることは、当技術分野において公知である。本発明のポリヌクレオチドの例は、配列番号:7及び配列番号:8に示されるヒト成熟BMP7タンパク質バリアントのプレBMP7形態をコードするDNA配列である配列番号:19及び配列番号:20である。
本発明のポリヌクレオチドは、配列が発現制御配列に作動的に連結された後に、宿主細胞において発現される。これらの発現ベクターは、典型的に、エピソームとしてまたは宿主染色体DNAの不可欠な部分として、宿主生物において複製可能である。一般に、発現ベクターは、選択マーカー、例えばテトラサイクリン、ネオマイシン、及び/またはジヒドロ葉酸レダクターゼを含有して、所望のDNA配列で形質転換されたそうした細胞の検出を可能にする。関心対象のポリヌクレオチド配列(例えば、BMP7タンパク質のバリアント及び発現制御配列)を含有するベクターは、周知の方法によって宿主細胞内に移入され、それは細胞宿主のタイプに応じて変動する。
本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントは、CHO、NS0、HEK293、もしくはCOS細胞などの哺乳類細胞において、E.coliもしくはPseudomonas flourescenceなどの細菌細胞において、または真菌もしくは酵母細胞において容易に産生され得る。好ましくは、宿主細胞は哺乳類細胞である。好ましい哺乳類細胞はCHO細胞である。宿主細胞は、当技術分野において周知の技法を用いて培養される。
1つの実施形態において、本発明は、プレBMP7遺伝子、プロBMP7遺伝子、または成熟BMP7遺伝子を含有し、及びそれを宿主において発現させるベクターに関する。プレBMP7タンパク質、プロBMP7タンパク質、または成熟BMP7タンパク質をコードするBMP7遺伝子は、哺乳類に由来し得る。好ましい実施形態において、発現ベクターは、ヒトプレBMP7のバリアント、ヒトプロBMP7のバリアント、またはヒト成熟BMP7タンパク質のバリアントをコードするポリヌクレオチドを含み得る。これらヒトBMP7タンパク質バリアントをコードするポリヌクレオチドは、プロモーター、及び任意でエンハンサーに作動的に連結され得る。
一部の実施形態において、本発明は、ヒトプレBMP7タンパク質バリアント、ヒトプロBMP7タンパク質バリアント、またはヒト成熟BMP7タンパク質バリアントをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを持する哺乳類宿主細胞に関し、当該プロBMP7タンパク質バリアントは、N末端における「プレ」または「シグナル」ペプチドを欠失している。好ましくは、哺乳類宿主細胞は、配列番号:3~11のいずれか1つのアミノ酸配列を有するヒト成熟BMP7タンパク質バリアント、またはそのプレもしくはプロ形態の発現をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを持する。より好ましくは、哺乳類宿主細胞は、配列番号:12~16のいずれか1つのアミノ酸配列を有するヒトプロBMP7タンパク質バリアント、またはそのプレ形態の発現をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを持する。一部の実施形態において、異なる起源由来の「プレ」または「シグナル」ペプチド配列が、ヒトプロBMP7タンパク質バリアントのN末端に融合される。本発明の一部の実施形態において、「プレ」または「シグナル」ペプチド配列は、例えば、インスリン様成長因子1(IGF-1)または組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)ペプチドシグナル配列であり得る。
タンパク質精製の様々な方法が採用され得、そのような方法は当技術分野において公知であり、例えばProtein Purification:Principals,High Resolution Methods,and Applications,2nd Edition,Wiley-VCH Inc.(Germany,1998)に記載されている。
本発明の薬学的組成物は、従来の溶解及び混合手順を用いて調製され得る。製剤科学における当業者であれば、医学的に有用なタンパク質、オスモライト、及び疎水性防腐剤の添加の順序は、製剤の有効性を損なうことなく変動し得ることを認識するであろう。本発明の薬学的組成物の生体利用能をさらに向上させるために、標的化ストラテジーが、関節腔におけるヒトBMP7タンパク質バリアントの保持のために採用され得る。これは、ラクトースバッファー中での製剤化、または関節腔に分子を物理的に封入するカプセル化技法(例えば、ヒドロゲル、ナノ粒子、リポソーム)、またはコラーゲン(I及びII型)もしくはインテグリンを含むがそれらに限定されない、細胞外空間におけるタンパク質に標的化することを伴う。骨治癒に関して、本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントは、1型コラーゲンなどのキャリアと混合され得る。
疎水性防腐剤とは、抗微生物剤として作用する、薬学的製剤に添加され得る疎水性化合物を指す。非経口製剤において許容される疎水性防腐剤の例は、アルキルパラベン、フェノール系防腐剤、すなわちフェノール及びクレゾール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、安息香酸、ならびにその様々な混合物である。
配列番号への参照または固有の参照コード(例えば、「F9」)によるものを含めた、本明細書における野生型ヒトBMP7タンパク質またはそのバリアントへの参照は、そのホモ二量体を指す。非限定的な例として、本明細書において用いられる「ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)」または互換可能な「BMP7タンパク質バリアントF9」または同様のものは、各単量体サブユニットが配列番号:8に示される配列を有しかつ当該サブユニットがジスルフィド結合(複数可)を介して連結されているホモ二量体を指す。
下で記載される機能アッセイに関して、特定のプロBMP7タンパク質またはそのバリアントを用いた治療またはその投与とは、一般的に野生型ヒトプロドメインと非共有結合で複合している、特定のヒト成熟BMP7、すなわち野生型またはそのバリアントのいずれかのホモ二量体を用いた治療またはその投与を指す。
クレゾールとは、メタ-クレゾール、オルト-クレゾール、パラ-クレゾール、クロロ-クレゾール、またはその混合物を指す。
等張剤とは、生理学的に忍容され、かつ製剤に適切な張度を付与して細胞膜を越えた水の正味の流れを阻止する化合物を指す。等張剤の例は、グリセリン、塩、例えばNaCl、KCl、及び糖類、例えばデキストロース、マンニトール、及びスクロースである。
オスモライトとは、タンパク質を変性及び凝集に対して安定させ得る能力を有する化合物である。例示的なオスモライトには、アミノ酸、ポリオール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、及びグリセロール)、糖類、糖アルコール、糖酸等が含まれる。好ましいオスモライトには、ヒスチジン、ヒスチジンの塩、グリシン、アスパラギン酸の塩、グルタミン酸の塩、リジンの塩、アルギニンの塩、セリン、プロリン、及びアラニンが含まれる。好ましいオスモライトはアルギニンである。好ましくは、アルギニンの濃度は、約100mM~1M;より好ましくは約125mM~約800mM;さらにより好ましくは約200mM~約500mM;及び最も好ましくは約250mMである。
好ましい疎水性防腐剤は、フェノール、m-クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール、クロロクレゾール、及びその混合物からなる群より選択される。
本発明の薬学的組成物は、医学的に有用なタンパク質、疎水性防腐剤、及びオスモライトに加えて、任意で他の化合物を含有し得る。例えば、Tween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、Tween40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、Tween80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、プルロニックF68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)、及びPEG(ポリエチレングリコール)のような薬学的に許容される界面活性剤を、製剤に任意で添加して凝集を低下させ得る。これらの添加物は、ポンプまたはプラスチック容器を用いて製剤を投与する場合に特に有用である。薬学的に許容される界面活性剤は、タンパク質凝集をさらに低下させ得る。
本発明の薬学的組成物は、硫酸化多糖類を含有し得る。好ましい硫酸化多糖類は、ヘパリン、ヘパリン硫酸、及びデキストラン硫酸からなる群より選択される。
本発明の薬学的組成物は、水性バッファーを含有し得る。本発明に適したバッファーは、約pH6~約pH8の値域内にあるpH緩衝能を有するものであり、乾燥タンパク質に適合する。製剤溶液のpHは約6.5~約7.5である。より好ましくは、6.8~約7.5。さらにより好ましくは、約7.0~約7.4のpH。
有効なpH制御を維持する代表的なバッファー系には、トリス-酢酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸-グリシン、及びリン酸ナトリウムが含まれる。より好ましいバッファー系には、クエン酸ナトリウム及びリン酸ナトリウムが含まれる。最も好ましいバッファーはクエン酸ナトリウムである。バッファー系の好ましい濃度は約1mM~約50mMである。より好ましい濃度は約5mM~約30mMである。最も好ましい濃度は約10mMである。当業者であれば、他の多くのバッファー系が使用可能であり、それも用いて好ましい値域内にpHを維持し得ることを認識するであろう。
加えて、等張剤、好ましくはNaClまたはKClが、可溶性の薬学的組成物/製剤に任意で添加され得る。最も好ましい等張剤はNaClである。等張剤の濃度は、非経口製剤に関して当技術分野において公知の値域内、好ましくは約100mM~約250mM、より好ましくは約125mM~約200mMにある、及びさらにより好ましくは約150mMである。
本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントの薬学的組成物は、がん、軟骨の損傷及び変性、変形性関節症に伴う疼痛、または骨治癒に対する治療の一般的に意図される目的を達成する、当技術分野において公知の任意の手段によって投与され得る。
投与の好ましい経路は、関節内、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下への注射及び注入を含むがそれらに限定されない投与の様態を指すものとして本明細書において規定される非経口である。最も好ましくは、本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントの非経口投与は、軟骨修復またはOA疼痛適応症に対する関節腔における関節内投与によるものである。
投与される投薬量は、レシピエントの年齢、健康状態、及び重量、もしある場合には並行治療の種類、治療の頻度、ならびに望まれる効果の性質に依存する。典型的な投薬量レベルは、標準的な臨床技法を用いて最適化され得、投与の様態及び患者の病状に依存する。
ゆえに、本発明の実施形態は、治療上有効量の本発明のヒトBMP7タンパク質のバリアントを投与することによる、それを必要としている対象における軟骨の損傷及び変性、変形性関節症に伴う疼痛、または骨治癒に対する治療の方法である。対象は哺乳類、好ましくはヒトである。
本発明の別の実施形態は、治療上有効量の本発明のヒトBMP7のバリアントの投与を含む、それを必要としている哺乳類における軟骨の損傷及び変性、または変形性関節症に伴う疼痛に対する治療の方法であり、当該哺乳類は、ヒト、イヌ、ウマ、ネコ、またはヒツジからなる群より選択される。
本発明の別の実施形態は、治療上有効量の本発明のヒトBMP7のバリアントの投与を含む、それを必要としている哺乳類における骨治癒に対する治療の方法であり、当該哺乳類は、ヒト、イヌ、ウマ、ネコ、またはヒツジからなる群より選択される。
本発明をここで詳細に記載してきたものの、それは、単なる例示の目的のために本明細書に含まれ、本質的には記載されるように実施され、かつ本発明を限定することを意図されるものではない以下の実施例への参照によってより明確に理解されるであろう。
略語(網羅的なリストではない)
ATRA:全トランス型レチノイン酸
BMP7:骨形態形成タンパク質7
DMSO:ジメチルスルホキシド
EGF:上皮成長因子
PBS:リン酸緩衝生理食塩水
PNPP:p-ニトロ-フェニルリン酸二ナトリウム塩
VEGF:血管内皮成長因子
WT:野生型
実施例1
発現方法
本発明のヒトBMP7タンパク質及びヒトBMP7タンパク質のバリアントは、ヒトBMP7タンパク質またはそのバリアントの発現を誘導するまたは引き起こす適当な条件下で、ヒトBMP7タンパク質またはそのバリアントをコードする核酸を含有する発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養することによって産生され得る。一過性のまたは安定したトランスフェクション法のいずれかを用い得る。BMP7タンパク質またはそのバリアントの発現に適当な条件は、発現ベクター及び宿主細胞の選定によって変動し得、ルーチン的実験を通じて当業者によって解明され得る。
実施例2
BMP7によるRARアルファ及びRARガンマの刺激
3T3-L1線維芽細胞及びMFc7マウス腎臓筋線維芽細胞は、それぞれDMEM/10%仔ウシ血清培地またはOPTI-MEM/10%FBS培地中、ルーチン的細胞培養条件下で維持され得る。細胞を、10cm組織培養プレートに500,000個細胞/プレートの播種密度で播き得る。48時間後、1μg/mLヒトBMP7タンパク質または1μg/mLのヒトBMP7タンパク質バリアントを含有するDMEM/2%透析FBSまたはOPTI-MEM/2%透析FBS培地のいずれかの添加前に、細胞をPBSで洗浄し得る。細胞を48時間インキュベートし得、次いで氷冷PBSでリンスし得、次いでタンパク質抽出試薬で溶解し得る。次いで、溶解物を、14,000×gで15分間遠心分離し得る。Bradfordタンパク質アッセイを実施して、各溶解物のタンパク質濃度を決定し得る。等量のタンパク質(例えば、25μg)をSDS-PAGEによって分解し得、次いでウェスタンブロット分析のためにニトロセルロース膜に移し得る。膜を、抗RARアルファ抗体及び/または抗RARガンマ抗体でプローブし得る。
本質的には本実施例2において上で記載されるように行われた実験において、ウェスタンブロットの強度により、MFc7及び3T3-L1細胞株の両方に関して、ヒトBMP7タンパク質バリアントF9を含めたヒトBMP7タンパク質及びヒトBMP7タンパク質バリアントは、RARアルファ及びRARガンマタンパク質発現を刺激することが実証された(データ示さず)。したがって、RARアルファ及びRARガンマは、BMP7に対する主要なシグナル伝達経路に関与すると思われる。
実施例3
3T3-L1及びMFc7細胞におけるヒトBMP7タンパク質及びATRAを用いた組み合わせ処理
3T3-L1線維芽細胞及びMFc7マウス腎臓筋線維芽細胞は、本質的には上の実施例2に記載されるように成長し得る。48時間後、対照ビヒクル、1μg/mlヒトプロBMP7タンパク質、1μM ATRA、またはヒトBMP7タンパク質(1μg/ml)及びATRA(1μM)の両方の組み合わせを含有するDMEM/2%透析FBSまたはOPTI-MEM/2%透析FBS培地のいずれかが48時間添加され得る前に、細胞をPBSで洗浄し得る。処理の後、細胞をPBSでリンスし得、-80℃でおよそ20分間保存し得る。細胞を37℃で30分間融解し得、100μlのPNPPを全ウェルに添加し得る。プレートを37℃で1時間インキュベートし得る。405nmにおける吸光度をプレートリーダーで読み取り得る。
本質的には本実施例3において上で記載されるように行われた実験において、野生型ヒトプロBMP7タンパク質とATRAとの組み合わせ処理は、アルカリホスファターゼの相乗的刺激をもたらした。表1に示されるデータは、対照ビヒクルで処理された細胞と比べた、アルカリホスファターゼ刺激の倍変化を表す。
Figure 0007308151000004
実施例4
ATRAと組み合わせてヒトBMP7タンパク質バリアントで処理されたGBM細胞におけるSOX2及びKi67発現
SOX2は、神経幹細胞によって発現される転写因子である。その発現は、細胞が分化した場合に失われる。それゆえ、SOX2は、多能性脳腫瘍細胞の最終分化のマーカーであると見なされる。
Ki67は、増殖細胞において発現される核タンパク質である。それは、細胞周期の後期G1、S、G2、及びM期に優先的に発現され、G0または静止細胞は、このタンパク質に対して陰性である。急成長中の細胞株は、Ki67陽性細胞の高いパーセンテージを有する。細胞が分化するにつれてKi67発現は低下してまたは失われて、細胞集団が最終分化するようになるにつれて成長が減速していることを示す。
膠芽細胞腫幹細胞培養物の調製:
多形膠芽細胞腫幹細胞(GBM)は、完全なまたは部分的な外科的切除を受けた未分化脳腫瘍を有する患者から獲得され得る。これらの細胞は、滅菌蒸留水中で再構成された3.34g/LのDMEM及び2.66g/L F12を有しかつ1%グルコース、0.12%重炭酸ナトリウム、5mM hepes、2mM L-グルタミン、4mg/Lヘパリン、10ng/mL bFGF、20ng/mL EGF、0.4%BSA、100μg/mLアポトランスフェリン、25μg/mLインスリン、60uMプトレシン、30nM亜セレン酸ナトリウム、及び20nMプロゲステロンを含有する規定培地中で、ニューロスフェアとして維持され得る。細胞を、5%CO中37℃で培養し得る。TrypLE(商標)Express細胞解離酵素との37℃で2~5分間のインキュベーションにより、スフェアを単細胞に酵素的に分散させることによって、細胞をプレートに播き得る。酵素は、Ca+及びMg+を含有するダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)でクエンチングされ得る。次いで、細胞を遠心分離してTrypLE及びDPBSを除去し得、規定培地中に単細胞として再懸濁し得、Coulter Z2細胞及び粒子カウンターによってカウントし得る。
実験手順:
単一GBM細胞を、ハイコンテントイメージングに関しては2×10個細胞/15mL/T75フラスコで、または光学顕微鏡法に関しては6ウェルプレート中5×10個細胞/2mL/ウェルで規定培地中に播き得る。細胞を、0.01%DMSO、1μg/mL ATRA、100ng/mLの本発明のヒトBMP7タンパク質バリアント(例えば、ヒトBMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8))、または1μg/mL ATRAと100ng/mLの本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントとの組み合わせで処理し得る。対照BMP(BMP2及びBMP4)の効果についての光学顕微鏡イメージングに関しては、細胞を上記のように6ウェルディッシュに播き得、0.01%DMSO、1μg/mL ATRA、100ng/mL BMP2、50ng/mL BMP4、または同じ濃度のBMP+1μg/mL ATRAの組み合わせで処理し得る。例となる画像を、処理後3、7、及び30日目に、例えば20×対物を用いたLeica DMIRM倒立顕微鏡で撮り得る。7日間より長い成長に関しては、10日目に始まっておよそ10日ごとに、培地及び処理を変更し得る。
各条件に対する浮遊ニューロスフェアを含有する培地を回収した後、スフェアをペレットにし得、調製2に記載されるようにTrypLEとともにインキュベートして単細胞に分散させ得、一方で各条件に対する付着細胞を、TrypLEを用いて剥離し得、次いで、分散したニューロスフェアに戻し加える。細胞を、ポリ-D-リジンコーティングされた96ウェルプレートに、100μL規定培地中5,000~10,000個細胞/ウェルの密度で播き得る。細胞を、0.01%DMSO、ATRA、ヒトBMP7タンパク質、または上記2つの組み合わせで再度処理し得、5%CO中37℃でさらに48時間インキュベートし得る。細胞を、3.7%ホルムアルデヒドでおよそ20分間固定し得る。すべての希釈及び洗浄は、PBS中で実施され得る。細胞を、0.1%Triton X-100(ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル)で25℃にておよそ10分間透過処理し得、次いで洗浄し得る。細胞を、1%ウシ血清アルブミン(BSA)中で1時間ブロッキングし得、次いで、1%BSA中2μg/mLのマウスモノクローナル抗SOX2抗体、または1%BSA中に1:500希釈されたウサギモノクローナル抗Ki67とともに一晩インキュベートし得る。細胞をさらに洗浄し得(例えば、2回)、次いで、1%BSA溶液中に希釈されたヤギα-マウス-Alexa-488 IgGまたはヤギα-ウサギ-Alexa-488 IgG、及び200ng/mL Hoechst 33342とともにおよそ1時間インキュベートし得る。細胞を再度洗浄し得(例えば、2回)、10×対物を用いたArrayScan Vti(Cellomics,Pittsburgh,Pennsylvania)を用いて、細胞画像を撮り得る。Target Activation Bioapplicationを用いて、2チャンネル分析を実施し得る。
本質的には本実施例4において上で記載されるように行われた実験において、GBM細胞(条件ごとに1000~2000個細胞が測定された)を、対照ビヒクル、ヒトプロBMP7タンパク質バリアントのみ、ATRAのみ、またはヒトプロBMP7タンパク質バリアントとATRAとの組み合わせのいずれかで処理した。値はビヒクル対照に対して正規化され、集団の応答者パーセントを反映する。表2に要約されたデータは、GBM細胞の2つの異なるクローンCL-61及びCL-1の処理を表す。簡潔に要約すると、3日目に、ヒトプロBMP7タンパク質バリアントF9とATRAとの組み合わせ処理を有するCL-61において、SOX2及びKi67マーカーの両方を用いて、明確な相乗効果が観察され、GBM幹細胞が最終分化した良性状態にあることを示した。CL-1に関して、SOX2マーカーを用いて同様の相乗効果が観察されたが、C61に関して見られる3日目ではなく25日目に読み出された。これらのデータは、GBM幹細胞の成長の変動性、及び分化剤に対する示差的応答を例示しているが、より重要なことに、多能性脳腫瘍細胞の最終分化のバイオマーカーに対する、ヒトBMP7タンパク質バリアントF9とATRAとの組み合わせ処理の驚くべき相乗効果を示している。
Figure 0007308151000005
驚くべきことに、ヒトプロBMP7タンパク質のバリアント(すなわち、F9)とATRAとの組み合わせは、膠芽細胞腫幹細胞の処理において示されるように、SOX2の喪失に関して有意な相乗作用をもたらした。
実施例5
MFc7バイオアッセイを用いたBMP7タンパク質バリアントの特徴付け
MFc7マウス腎臓筋線維芽細胞(マウス腎臓線維芽細胞細胞株)は、OPTI-MEM/10%FBS培地中、ルーチン的細胞培養条件下で維持され得る。細胞を、10cm組織培養プレートに500,000個細胞/プレートの播種密度で播き得る。およそ48時間後、1μg/ml BMP7タンパク質または1μg/mlのBMP7タンパク質バリアントを含有するOPTI-MEM/2%透析胎仔ウシ血清(FBS)培地の添加前に、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し得、48時間インキュベートし得る。処理の後、細胞をPBSでリンスし得、-80℃で20分間保存し得る。細胞を37℃で30分間融解した後、100μlのパラ-ニトロフェニルリン酸(PNPP)を添加し得る。プレートを37℃で1時間インキュベートし得る。405nmにおける吸光度を、プレートリーダーを利用して読み取り得る。本発明のある特定のヒトBMP7タンパク質バリアントの平均相対効力(野生型BMP7タンパク質のEC50/BMP7タンパク質バリアントのEC50)を、そのような読み取りに基づいて算出し得る。
本質的には本実施例5において上で記載されるように行われた実験において、本発明の様々なヒトBMP7タンパク質バリアントは、対応する野生型ヒトBMP7タンパク質と比べて、平均相対効力または特異的活性の増加を有する。より具体的には、複数のアミノ酸箇所変化を有する様々なヒトBMP7タンパク質バリアントに対する、野生型ヒトBMP7と比べた平均相対効力または特異的活性の増加が表3に提供されており、一方で表4は、単一アミノ酸箇所変化を有する様々なヒトBMP7タンパク質バリアントに対するそれを提供している。これらのデータは、本発明のある特定のヒトBMP7タンパク質バリアントが、対応する野生型ヒトBMP7タンパク質と比べて、平均相対効力または特異的活性の増加を有することを実証している。
Figure 0007308151000006
Figure 0007308151000007
Figure 0007308151000008
実施例6
ヒトBMP7タンパク質及びヒトBMP7タンパク質バリアントに対する溶解度アッセイ
ヒトBMP7タンパク質及びヒトBMP7タンパク質バリアントの溶解度/物理的安定性は、撹拌誘導性凝集アッセイにおいて測定され得る。タンパク質を、2mLの総容量までアッセイバッファー(50mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7.4)で40μg/mLに希釈する。この溶液を、1本の「ノミ」スターラーバーを含有する7mLガラスバイアルに入れ得、室温にて400rpmで撹拌し得る。周期的間隔(典型的には、0、30、60、90、120、及び150分間)で、150μLアリコートを1.5mLチューブに取り出し得、16,000×gで2分間遠心分離し得る。上清(120μL)をHPLCバイアルに移し得、残存タンパク質の量を、以下の条件下で逆相HPLCによって決定し得る:Zorbax C8 SB-300(登録商標)カラム(3.5ミクロン、4.6×50mm)、移動相:Aバッファー=水中0.1%TFA(v/v)、Bバッファー=アセトニトリル中0.085%TFA(v/v);流速1mL/分;60℃に加熱されたカラム;10℃に冷却されたオートサンプラー、214nm UV検出、80μLインジェクション、及び下で示される線形勾配を用いた20分間のラン時間。HPLCクロマトグラム(示されず)から、タンパク質の1つまたは複数のピーク(例えば、成熟及びプロドメイン)が積分され、初期ピークエリアからの変化パーセントが算出され得る。
下の表5に示されるように、野生型ヒト成熟BMP7は、アッセイの開始から不溶性である。対照的に、ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(すなわち、配列番号:8)は、150分の時点でさえ有意により可溶性である。ゆえに、BMP7タンパク質バリアントF9(すなわち、配列番号:8)は、野生型成熟BMP7と比べて有意に向上した溶解度を提供する。
Figure 0007308151000009
Figure 0007308151000010
実施例7
熱アンフォールディングアッセイ
ヒトBMP7タンパク質バリアントの立体構造安定性に対する温度の効果は、熱電サンプルコンパートメントを備えたJasco J-810機器で円偏光二色性(CD)によって追跡され得る。簡潔に述べると、0.2~1.0mg/mLプロBMP7を、保存バッファー(10mMシトレート、300mM NaCl、pH7.4)中に調合し得、0.02cm光路長のCDキュベットに装填し得る。サンプルは1℃/分の線形速度で20から80度まで加熱され得、結果として生じる208nmにおけるCDシグナルは、1秒間のシグナル応答時間を用いて0.2℃おきに記録され得る。方程式1への非線形フィットをJMPプログラム(SAS Institute Inc,Cary,NC)によって実施して、熱アンフォールディング中間点(Tm)を獲得し得る。
Figure 0007308151000011
式中、Yu及びYfはフィットし、それぞれ遷移前及び遷移後ベースラインのY切片を表す。Mu及びMfはフィットし、それぞれ遷移前及び遷移後ベースラインの傾きを表す。Hm及びSはフィットし、それぞれエンタルピー及びエントロピーを表す。Tは、ケルビン単位での測定温度である。
本質的には本実施例7において上で記載されるように行われた実験において、ヒトプロBMP7野生型及びヒトプロBMP7タンパク質バリアントV114Mに対するTm値は、それぞれ61℃及び64.5℃であり、本発明のヒトプロBMP7のバリアントが、野生型ヒトプロBMP7よりも熱アンフォールディング安定性の増加を有する、すなわちより安定していることを示す。
実施例8
異所性骨形成モデル
異所性骨形成(EBF)は、野生型ヒト成熟BMP7と比較して、本発明のある特定のヒトBMP7タンパク質バリアントの皮下投与があると、雌CB17SC-M SCIDマウスにおいて測定され得る。
簡潔に記載すると、マウスに3%イソフルランで麻酔をかけ得、背中左脇腹に3μg/100μlのヒトBMP7タンパク質バリアント、野生型ヒト成熟BMP7タンパク質、またはビヒクル対照を注射する。各マウスの背中右脇腹が対照(注射なし)として働き得る。ビヒクル(pH4.5):0.5%スクロース、2.5%グリシン、5mM L-グルタミン酸、5mM NaCl、0.01%ポリソルベート80、及び0.1%BSA。
EBFは、ヒトBMP7タンパク質バリアントまたは野生型ヒト成熟BMP7タンパク質の注射後13日目にCTスキャンによって測定され得る。
本質的には本実施例8において上で記載されるように行われた実験から獲得されたデータは、本発明のある特定のヒトBMP7タンパク質バリアントの効力の増加にもかかわらず、それらはより低いEBF能を示すことを示唆している(表6を参照されたい)。
Figure 0007308151000012
実施例9
変形性関節症疼痛のMIAラットモデル
ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)の効果を、OA疼痛のヨード酢酸モノナトリウム(MIA)誘発性ラットモデルにおいて評価し得る(Bove,et.al.,Osteoarthritis and Cartilage,2003,11:821-830)。
簡潔に述べると、MIA注射の時点で7~8週齢の雄Lewisラットが本調査に用いられ得る。変形性関節症の誘発のために、ラットにイソフルランで麻酔をかけ得、右膝関節の膝蓋下靭帯を介して0.3mg/50μl MIAの単回関節内注射を与え得る。左対側対照膝関節には、50μl滅菌生理食塩水を注射し得る。MIA後9及び14日目に、動物を、関節内注射により、膝関節あたり1.0μgの用量の野生型ヒト成熟BMP7タンパク質、ならびに膝関節あたり0.175μg及び0.7μgのヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)で処理する。
疼痛測定は、インキャパシタンス(incapacitance)テスター(Columbus Instruments International,Columbus,OH)を用いて、MIA注射後17、24、31、38、45、52、58、及び66日目にインキャパシタンス試験によって行われ得る。変形性関節症肢(右)及び対側対照肢(左)の間での後足重量分布の変化を、変形性関節症膝関節における関節不快感の指標(疼痛の測定)として利用し得る。結果は、対側対照(左)及び変形性関節症(右)の間の重量負荷の差として提示され得る。
本質的には本実施例9において上で記載されるように行われた実験において、膝関節あたり0.175μgの用量のヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)での処理は、ビヒクル処理された対照と比較して、MIA後38日目に始まり、45日目の例外を有して66日目まで持続する疼痛の有意な減少を示す。他方で、1μgの用量の野生型ヒト成熟BMP7(配列番号:2)は、58日目に始まる疼痛の有意な減少のみを示す。データは、ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)が、野生型ヒト成熟BMP7(配列番号:2)と比較して、疼痛を減少させることにおいてより強力であることを示している(表7を参照されたい)。
Figure 0007308151000013
実施例10
軟骨変性の半月板断裂ラットモデル
ヒト成熟BMP7タンパク質バリアント(配列番号:8)の効果を、軟骨変性の半月板断裂(MT)誘発ラットモデルにおいて変形性関節症(OA)疼痛を用いて評価し得る。雄Lewisラット(およそ25週齢)がそのような調査に用いられ得る。簡潔に記載すると、手術前にラットに3%イソフルランで麻酔をかけ得る。右膝関節を屈曲させ得、脛骨の近位前内側面に沿って横正中切開を行い、内側対側靭帯を露出する。対側靭帯及び関節包を同時に切開し得、内側半月板の脛骨付着を解放する。半月板のおよそ3mmを、脛骨プラトーの縁へのその付着から解放し得、半月板を切断して完全な断裂を模倣し得る。切開は、外科用接着剤で閉じられ得る。
動物を、50μlリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.4中、膝関節あたり350ngの用量の野生型ヒト成熟BMP7、または膝関節あたり49ngもしくは245ngの2つの用量のヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)で処理し得る。処理は、MT手術の3週間後に開始され得、およそ8週間継続され得る。動物に、手術を受けた膝関節に5週間、様々な用量の野生型ヒト成熟BMP7またはヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)またはビヒクルの関節内注射を週1回施し得る。疼痛測定は、インキャパシタンステスター(Columbus Instruments International,Columbus,OH)を用いて、MT手術後18(ベースライン)、25、31、42、及び53日目にインキャパシタンス試験によって行われ得る。変形性関節症肢(右)及び対側対照肢(左)の間での後足重量分布の変化を、変形性関節症膝関節における関節不快感の指標(疼痛の測定)として利用し得る。結果は、対側対照(左)及び変形性関節症(右)の間の重量負荷の差として提示され得る。
本質的には本実施例10において上で記載されるように行われた実験において、右膝関節におけるMT手術は、後足重量分布の変化(疼痛の測定)によって規定される関節不快感の増加をもたらす(表8を参照されたい)。関節あたり245ngの用量または関節あたり49ngの用量のヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)は、31日目に始まり53日目まで持続する、ビヒクル処理された対照と比較して、疼痛の有意な減少を示した。膝関節あたり350ngの用量の野生型ヒト成熟BMP7での処理は、ビヒクル処理された対照と比較して、MT手術後42日目のみで疼痛の減少を示した。データは、OA疼痛のラットMT誘発モデルにおいて、ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)での処理が、野生型ヒト成熟BMP7と比較して、疼痛を減少させることにおいてより有効であることを示している。
Figure 0007308151000014
実施例11
ヒト変形性関節症関節軟骨細胞におけるプロテオグリカン合成
ヒト変形性関節症(OA)関節軟骨細胞におけるプロテオグリカン合成は、軟骨細胞活性のインビトロモデルである。ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントの効果を、インビトロでのヒトOA関節軟骨細胞におけるプロテオグリカン合成に対しても評価し得、野生型ヒト成熟プロBMP7と比較し得る。プロテオグリカン合成は、35S取り込みを用いて測定され得る。関節炎のヒト膝関節軟骨を、手術時にドナーから獲得する。軟骨片を細かく刻み得、軟骨細胞を、酵素消化によって付随マトリックスから単離し得る。軟骨を、まず、5%Fe補給仔ウシ血清(FCS)及び2%ペニシリン-ストレプトマイシン-抗真菌薬を有するDMEM/PRF(フェノールレッド不含)培地中1mg/mlプロナーゼで消化し得、その後に、5%FCS及び2%ペニシリン-ストレプトマイシン-抗真菌薬を有するDMEM/PRF培地中1mg/mlコラゲナーゼIIでの37℃で一晩の消化が続く。細胞をDMEM/F-12培地で洗浄し得、次いで5%FCSを有するDMEM/F-12中に再懸濁し得、Coulterカウンターでカウントし得る。細胞を、DMEM、5%FCS、ITS(インスリン、トランスフェリン、セレニウム)、及び1%ペニシリン-ストレプトマイシン-抗真菌薬を含有する成長培地中、96ウェルのコラーゲンコーティングされたCytoStar Tプレートに30,000個細胞/ウェルの密度で播き得る。24時間後、培地を、10μCi/ml(1μCi/ウェル)の35Sを含有する100μlの成長培地で置き換え得、様々な用量の野生型ヒトプロBMP7またはヒトプロBMP7タンパク質バリアントで処理し得る。次いで、細胞を、5%COを有する37℃でおよそ7日間インキュベートし得る。処理期間の終了時に、培地を除去し得、リン酸緩衝生理食塩水で置き換え得、35S取り込みをWallac 1450 MicroBeta TriLux Liquid Scintillation Counter&Luminometerを用いてカウントする。
本質的には本実施例11において上で記載されるように行われた実験において、ヒトプロBMP7タンパク質バリアント(配列番号:16)で処理された細胞は、1.2~300ng/mlに及ぶ用量で、プロテオグリカン合成の有意な増加を示す(表9を参照されたい)。対照的に、野生型ヒトプロBMP7は、300ng/ml用量でのみ有意な増加を示している。ゆえに、ヒトプロBMP7タンパク質バリアント(配列番号:16)は、ラット初代ヒトOA関節軟骨細胞において、野生型ヒトプロBMP7と比較して、プロテオグリカン合成を刺激することにおいてより強力である。
Figure 0007308151000015
実施例12
軟骨形成アッセイ
野生型ヒト成熟BMP7及びそのバリアントの効果を、ラット初代関節軟骨細胞(RPAC)を利用したインビトロモデルにおける軟骨細胞の分化について評価し得る。RPACを獲得するために、関節軟骨を2~3日齢のラットから単離し得る。軟骨を0.4%コラゲナーゼで2時間消化し得、次いで結果として生じる細胞をリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し得、その後、DMEM、10%FBS、及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有する培地中、5%COを有する加湿空気中で37℃にて培養し得る。
軟骨形成分化を査定するために、ペレット培養システムを用い得る。継代2~3代からのおよそ2×10個細胞を1.5mlチューブに入れ得、500gで10分間遠心分離し得る。ペレットを、500μlの培地中にて、5%COを有する37℃で培養し得る。野生型ヒト成熟BMP7またはヒト成熟BMP7タンパク質バリアントの効果を、0.02、0.2、及び/または2μMなどの様々濃度で試験し得る。培地を、2週間の間、週あたり2回置き換え得る。培養下で2週間後、ペレットを収穫し得、巨視的分析を実体顕微鏡手順によって実施した。画像を分析し得、ペレットサイズを2次元画像において算出し得る。
本質的には本実施例12において上で記載されるように行われた実験において、ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)で処理されたペレットは、野生型ヒト成熟BMP7で処理されたものまたは未処理対照と比較して有意に大きい(表10を参照されたい)。ペレットサイズの増加は用量依存的様式で観察されるが、0.14及び1.4nM濃度で最も顕著である。データは、ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)が、ラット初代関節軟骨細胞において、野生型ヒト成熟BMP7と比較して、ペレットサイズを増加させることにおいてより強力であることを実証している(表10を参照されたい)。細胞ペレットサイズは細胞増殖の増加を指し示すことから、ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)は、野生型ヒト成熟BMP7と比較して、ラット初代関節軟骨細胞の増殖を増加させることにおいてはるかに強力であるように見える。
Figure 0007308151000016
Figure 0007308151000017
実施例13
骨治癒モデル
野生型ヒト成熟BMP7及びそのバリアントの効果を、ラット外科的骨折モデルにおける骨の再生及び修復または骨治癒に対して評価し得る。動物を6ヶ月齢の時点で卵巣切除し得、骨折手術前に2ヶ月間骨を喪失させ得る。皮質欠損手術を、本質的には以前に記載されたように実施し得る(Komatsu,et al.,Endocrinology,150:1570-1579,2009)。簡潔には、手順は、遠位大腿骨幹を露出するために、外側大腿面の皮膚を切開すること及び大腿四頭筋の鈍的剥離を伴う。次いで、2mm整形外科用ドリルビット(Zimmer Inc,Warsaw,IN)を備えたDremelツール(Robert Bosch Tool Corp,Gerlingen,Germany)を用いて、前部及び後部皮質を通じて皮質欠損を生み出し得る。その後、筋肉を元の位置に戻し、皮膚を組織接着剤で閉じ得る。動物の群を、クエン酸ナトリウムバッファーpH3.0中に調製されかつ50μlの容量でHelistat1型コラーゲンスポンジに吸着された様々な量の野生型ヒト成熟BMP7またはそのバリアントで処理し得る。処理は、手術中に欠損の部位に局所的に施され得、35日間処理され得る。対照群は、治療用タンパク質なしでコラーゲンスポンジに同じ構成要素を含有するビヒクルを受け得る。インビボ骨折修復及び骨塩量(BMC)を、以前に記載されたように(Komatsu et al.,2008)、GE Locus Ultra CTスキャナ(GE Healthcare,London,Ontario,Canada)を用いて、定量的コンピューター断層撮影法(QCT)によって評価し得る。
本質的には本実施例13において上で記載されるように行われた実験において、16.5μgのヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)での処理は、処理後35日目に、新生皮質骨(cortical shell)を形成することによるBMC及び皮質領域の有意な増加を示した(表11を参照されたい)。他方で、16.5μgの野生型ヒト成熟BMP7での処理は、35日目にBMCの有意な変化を示さなかった。データは、ヒト成熟BMP7タンパク質バリアントF9(配列番号:8)が、ラット皮質欠損骨治癒モデルにおいて、野生型ヒト成熟BMP7と比較して、BMC及び皮質領域を増加させることにおいて強力であることを実証している。
Figure 0007308151000018
Figure 0007308151000019
実施例14
確立される索アッセイ
血管新生の代理であるインビトロ内皮索(endothelial cord)形成アッセイを用いて、VEGF、塩基性FGF、及びEGFにより確立される索を含むがそれらに限定されない様々な成長因子により確立される索に対するヒトBMP7タンパク質の役割を検討し得る。内皮索形成細胞(ECFC;索形成に適した継代4~10代)を、10%FBSの最終濃度を含有するEGM-2 MV(Lonza)培地中で培養し得、インビトロでの索形成アッセイに播種する前に、I型コラーゲン(線維性)コーティングされたフラスコに継代し得る。脂肪細胞由来幹細胞(Zen-Bio、継代4代目で凍結された細胞;継代5代目またはそれを上回る代数における細胞はアッセイされない)を、共培養培地[例えば、30μg/ml L-アスコルビン酸2-リン酸、1μMデキサメタゾン、50μg/mlトブラマイシン、10μg/mlインスリン(すべてSigma-Aldrichから)、及び10μg/ml cell prime r-トランスフェリンAF(Millipore,Billerica,MA)を補給されたMCDB-131培地(Invitrogen)]中、ウェル(96ウェル黒色ポリ-D-リジンコーティングされたプレート)あたり50,000個細胞で播く前に、EGM-2 MV(Lonza)培地中で24時間培養し得る。脂肪細胞由来幹細胞(ADSC)培地を除去し得、ウェルあたり5,000個のECFC(Lonza)を上に重ねて播種し得る。ECFCを播いたおよそ4時間後、索を、10ng/ml VEGF、10ng/ml bFGF、または10ng/ml EGF(すべてBiosource Internationalから)で処理し得、成長因子への曝露をおよそ120時間継続し得る。次いで、PBS対照、本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントを含めたヒトBMP7タンパク質(100ng/ml)、またはスニチニブを添加し得、96時間インキュベートし得る。すべての細胞培養インキュベーションは、37℃、5%COで行われ得る。次いで、細胞を、3.7%ホルムアルデヒド(Sigma Aldrich)で10分間直接固定し得、その後に25℃で20分間の氷冷70%エタノールが続く。細胞をPBSで1回リンスし得、1%BSAで30分間ブロッキングし得、1%BSA中1μg/mlに希釈したCD31(R&D Systems,Minneapolis,MN)に向けられた抗血清で1時間免疫染色し得る。次いで、細胞をPBSで3回洗浄し得、1%BSA中5μg/mlロバα-ヒツジ-Alexa-488(Invitrogen)、α-平滑筋アクチンCy3抱合体(1:200、Sigma-Aldrich)、及び200ng/ml Hoechst 33342(Invitrogen)とともに1時間インキュベートし得る。その後、細胞をPBSで洗浄し得、次いで、5×の画像倍率でCellomics ArrayScan VTI(Thermo Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)にて索形成アルゴリズムを用いて撮像し得る。
本質的には本実施例14において上で記載されるように行われた実験において、抗血管新生メカニズムの作用を有する作用物質であるスニチニブ(100nM)を陽性対照として用いた。ヒトプロBMP7-F9(100、50、25、及び12.5ng/ml)は、化合物処理の前に、表示された成長因子の存在下で120時間形成させた内皮索の確立された索に接続した管腔領域(%PBS対照)を低下させると判定された(成長因子は、実験の継続期間の間残存した)。
ヒトプロBMP7バリアントF9は、VEGFにより推進される索形成を低下させた
ADSC/ECFC共培養物を、CD31(緑)、α-平滑筋アクチン(赤)、及びすべての核を染色するHoechst 33342(青)に対する免疫組織化学の前に、10ng/ml VEGFで刺激しない(基礎)または刺激し、PBSまたは100ng/mlヒトプロBMP7バリアントF9または100nMスニチニブで96時間同時に処理した。結果として生じるCD31陽性内皮索を可視化し、ハイコンテントイメージングを用いて定量した。結果は表12に示されている。値は、%PBS対照、平均±SDを表す;n=8/処理群、PBS対照群においてn=16。
Figure 0007308151000020
ヒトプロBMP7バリアントF9は、FGFにより推進される索形成を低下させた
ADSC/ECFC共培養物を、CD31(緑)、α-平滑筋アクチン(赤)、及びすべての核を染色するHoechst 33342(青)に対する免疫組織化学の前に、10ng/ml bFGFで刺激しない(基礎)または刺激し、PBSまたは100ng/mlヒトプロBMP7バリアントF9または100nMスニチニブで96時間同時に処理した。結果として生じるCD31陽性内皮索を可視化し、ハイコンテントイメージングを用いて定量した。結果は表13に示されている。値は、%PBS対照、平均±SDを表す;n=8/処理群、PBS対照群においてn=16。
Figure 0007308151000021
ヒトプロBMP7バリアントF9は、EGFにより推進される索形成を低下させた
ADSC/ECFC共培養物を、CD31(緑)、α-平滑筋アクチン(赤)、及びすべての核を染色するHoechst 33342(青)に対する免疫組織化学の前に、10ng/ml EGFで刺激しない(基礎)または刺激し、PBSまたは100ng/mlヒトプロBMP7バリアントF9または100nMスニチニブで96時間同時に処理した。結果として生じるCD31陽性内皮索を可視化し、ハイコンテントイメージングを用いて定量した。結果は表14に示されている。値は、%PBS対照、平均±SDを表す;n=8/処理群、PBS対照群においてn=16。
Figure 0007308151000022
これらの結果は、ヒトプロBMP7タンパク質バリアントF9が、代理のインビトロ血管新生アッセイにおいて、既存の確立された成長因子誘導性内皮索を低下させることを示す。
実施例15
結腸癌のマウス異種移植モデルにおける腫瘍成長のBMP7タンパク質バリアント阻害異種移植動物モデルを用いて、特異的タイプのがんに対する本発明のヒトBMP7タンパク質バリアントの有効性(対応する野生型ヒトBMP7タンパク質と比較して)を査定し得る。より具体的には、免疫欠陥があるマウスまたはラットモデルにおいて、皮下または同所接種により移植されている段階的腫瘍成長に対して化合物を試験し得る。異種移植調査は、適当な動物モデルの選択、腫瘍形成細胞株の選定、投与方法、投与レジメン、投薬、腫瘍成長速度の分析、及び腫瘍分析(組織学、mRNA及びタンパク質発現レベル)に始まり、非常に複雑であり得る。
特異的タイプのがんの異種移植モデルに対する様々なBMP7タンパク質バリアントの効果を、下で記載されるように試験した。
6~7週齢の雌無胸腺ヌードマウスは、Harlan Laboratories(Indianapolis,IN)を含めて、市販されている。マウスを1週間順応させ、通常の低脂肪(4.5%)食を自由に給餌し、それを調査の継続期間の間継続し得る。腫瘍細胞は、ATCCから購入可能であり、10%FBS及び1mMピルビン酸Naを補給された、L-グルタミン、25mM HEPESを有するRPMI1640(Life Technologies)などの細胞培養培地中で培養され得る。細胞を剥離し得、血清不含培地で洗浄し得、次いで、血清不含RPMI1640中に50×106個細胞/mLの最終濃度で再懸濁し得る。血清不含成長培地及びマトリゲル(Becton Dickinson,Bedford,MA)の1:1混合物中、およそ5×106個の腫瘍細胞を、対象マウスの背面脇腹に皮下注射し得る。腫瘍及び体重の測定を週2回実施し得る。処理の前に、マウスを、ランダム化アルゴリズムを用いて腫瘍サイズに基づきランダム化し得る。処理は、平均腫瘍容積が100mm3に達した時点で開始し得る。ランダム化されたマウスを種々の群に分け、尾静脈注射により週1回化合物を投薬した。
すべての試験または対照タンパク質を、投薬前にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に調製する。腫瘍サイズはカリパス測定によって決定され得る。腫瘍容積(mm3)は、式A2×B×0.536から推定され得、式中、Aは垂直径の小さいほうであり、Bは大きいほうである。腫瘍容積データを対数スケールに変換して、時間及び処理群にわたる分散を均等化し得る。対数容積データを、SAS PROC MIXEDソフトウェア(SAS Institutes Inc,Cary,NC)を用いて、時間及び処理による二元配置の反復測定ANOVAで分析し得る。処理群を、各時点において、指定の対照群と比較する。
DLD1 C5腫瘍異種移植片を持する免疫不全マウス(Wnt/TCF-1により推進される結腸癌モデル)を、本実施例15において上で記載されるように作出し得、ビヒクル対照、ヒト成熟BMP7バリアントF9、イリノテカン、またはヒト成熟BMP7バリアントF9とイリノテカンとの組み合わせのいずれかで、連続およそ3~6週間、3回/週(BMP7バリアントF9)または2回/週(イリノテカン)処理し得る。
本質的には本実施例15において上で記載されるように行われたDLD1 C5マウス異種移植腫瘍モデルにおいて、それらがヒト成熟BMP7バリアントF9で3週間前処理され、その後にイリノテカンを用いた3週間の療法が続いた場合に、腫瘍退縮がDLD1 C5マウス異種移植モデルにおいて観察された。具体的には、ヒト成熟BMP7バリアントF9の3週間の投与、それに続くイリノテカンを用いた3週間の療法(それぞれ0.04mg/kg MWF、ならびに20mg/kg M及びThでIP投薬した)は、生理食塩水で処理され次いでイリノテカンで処理された動物(それは腫瘍成長をもたらした)と比べて、化学療法剤イリノテカンに対するDLD1 C5腫瘍感受性(即時の腫瘍退縮)を誘導した。
実施例16
BMP7タンパク質バリアントに対する内因性BMP7阻害因子活性
ノギン、Sost、フォリスタチン、ねじれ原腸形成(twisted gastrulation)(TSG)、コーディン(chordin)、ならびにグレムリン(gremlin)、セルベラス(Cerberus)、及びDanファミリーのタンパク質のメンバーなどの内因性BMPアンタゴニストは、例えば、インビボでBMPファミリーのタンパク質に作用して、多様な細胞の成長、分化、及び活性に関係するものを含めたBMP活性を変調する。BMPそれ自身と同様に、様々なアンタゴニストの発現は、厳重な時空制御下にある。(Bone Morphogenic Proteins and Their Antagonists,Vitamins and Hormones(2015),volume99,pages63-90;Editor Gerald Litwackを参照されたい)。ヒトBMP7タンパク質及びそのバリアントに対する様々なBMPアンタゴニストの効果を、本実施例16において下で記載されるようにインビトロアッセイにおいて試験し得る。
簡潔に記載すると、ヘプシジンプロモータールシフェラーゼ構築物(以降、Hep3B2_HepPro_luc細胞と称される)を安定にトランスフェクトされたHep3B2細胞を、BMP阻害因子実験に用いた。Hep3B2_HepPro_luc細胞を、非必須アミノ酸(Hyclone)及び200μg/mlゲンテシン(gentecin)(Hyclone)を補給されたDMEM(Hyclone)5%FBS(Gibco)中、組織培養処理された96ウェルプレートにウェルあたり30,000個細胞で24時間播き得る。次いで、細胞をOMEM+0.2%BSA中にて5時間飢餓させた。細胞を、OMEM(Gibco)+0.2%BSA(Gibco)中、ヒトBMP7タンパク質及びそのバリアントの混合物で18時間処理し、次いで、ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイキット(Roche)を利用してルシフェラーゼ活性に対して展開した。BMP7タンパク質を、1nM及び100pMというアッセイの線形域にある濃度で添加した。試験されている過剰モルの特定のBMP7タンパク質に、阻害因子を様々なモル濃度で添加した。フォリスタチンを除くすべてのBMP阻害因子は、R&D Systemsから購入された。フォリスタチンならびにBMP7タンパク質及びそのバリアントは、Eli Lilly and Companyで作出された。
本質的には本実施例16において上で記載されるように行われた実験において、野生型BMP7タンパク質は、本発明のBMP7 F9バリアントの対応する(すなわち、プロまたは成熟)形態と比較して、ある特定のBMPアンタゴニストによる阻害の影響を有意に受けやすかった(表15を参照されたい)。
Figure 0007308151000023
Figure 0007308151000024
様々な配列のリスト
Figure 0007308151000025
Figure 0007308151000026
Figure 0007308151000027
Figure 0007308151000028

Claims (16)

  1. 配列番号:8のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  2. 配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:9及び配列番号:10からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  3. 前記ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号:12、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15及び配列番号:16からなる群より選択される請求項1又は2に記載のポリペプチド。
  4. 請求項1~3のいずれかのポリペプチドと、1以上の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤またはキャリアを含む薬学的組成物。
  5. 前記ポリペプチドは、ジスルフィド連結したホモ二量体である請求項に記載の薬学的組成物。
  6. 前記組成物は、配列番号:18のアミノ酸配列を有するポリペプチドをさらに含む請求項に記載の薬学的組成物。
  7. がんの治療のためのキットであって、前記キットは、
    請求項1~3のいずれかのポリペプチドと、許容されるキャリア、希釈剤または賦形剤を含む第一の薬学的組成物、ならびに
    1種以上の化学療法剤、許容されるキャリア、希釈剤または賦形剤を含む第二の薬学的組成物を含む前記キット。
  8. 前記第一の薬学的組成物は、配列番号:18のアミノ酸配列を有するポリペプチドをさらに含む請求項に記載のキット。
  9. がん、軟骨の損傷及び変性、変形性関節症に伴う疼痛または骨治癒の治療のための医薬の製造のための請求項1~のいずれかのポリペプチドの使用。
  10. 前記がんは、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、脳腫瘍、子宮頸癌、皮膚癌、頭頸部癌、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫または結腸直腸癌である請求項に記載の使用。
  11. 請求項1~3のいずれかのポリペプチドは、電離放射線との同時の、別個の、または逐次的な組み合わせで投与される請求項9又は10に記載の使用。
  12. 請求項1~3のいずれかのポリペプチドは、1種以上の化学療法剤との同時の、別個の、または逐次的な組み合わせで投与される請求項9~11のいずれか1項に記載の使用。
  13. がんの治療における、化学療法剤を含む薬学的組成物との同時の、別個の、または逐次的な組み合わせでの使用のための、請求項1~3のいずれかのポリペプチドを含む薬学的組成物。
  14. 請求項1~3のいずれかのポリペプチドを含む薬学的組成物及び/又は化学療法剤を含む薬学組成物は、電離放射線との同時の、別個の、または逐次的な組み合わせで投与されるものである、請求項13に記載の薬学的組成物。
  15. がんの治療における、電離放射線との同時の、別個の、または逐次的な組み合わせでの使用のための、請求項1~3のいずれかのポリペプチドを含む薬学的組成物。
  16. 前記がんは、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、脳腫瘍、子宮頸癌、皮膚癌、頭頸部癌、膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、または結腸直腸癌である請求項13~15のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
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