JP7307617B2 - モバイルipシステムおよびホームエージェント冗長制御方法 - Google Patents

モバイルipシステムおよびホームエージェント冗長制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、移動端末の位置登録情報を更新管理するホームエージェントを具備するモバイルIPシステムおよびそのホームエージェント冗長制御方法に関する。
モバイルIP(Internet Protocol)とは、移動端末(モバイルノード)が接続先のネットワークを次々と遷移するように移動したとしてもIPアドレスを変更せずに継続したIP通信を可能とするレイヤ3(ネットワーク層)のプロトコルである。モバイルIPでは、ホームエージェント(HA:Home Agent)が、移動端末のIPアドレスとして、ホームネットワーク上で割り当てた固定のホームアドレス(HoA:Home Address)と、移動先のネットワーク上で一時的に割り当てた気付アドレス(CoA:Care of Address)とを対応付けて管理する(「バインディング」と呼ばれる)。移動端末は、ネットワークを移動すると、移動先のネットワークで割り当てられた気付アドレスをホームエージェントに通知する(「位置登録」と呼ばれる)。これにより、移動端末がどのネットワークに移動しても、ホームエージェントを介して、ホームアドレス宛のパケットが気付アドレスを宛先として移動端末に転送されることになる(「経路制御」と呼ばれる)。
特開2015-139168号公報
モバイルIPは広域の移動体通信に適していることから、鉄道分野では、モバイルIPを適用した地上・車上間の無線伝送システムの検討・開発が進められている。鉄道では、安全性の観点から高い信頼性が要求されるが、移動端末のIPアドレスの管理や、パケットの転送といった経路制御を行うホームエージェントは、特に高い信頼性が求められる。勿論、鉄道分野のみならず、バス運行管理システムなどにモバイルIPを適用する場合にも同様の要望が考えられる。
信頼性を高める代表的な手法として、同一の装置を複数設置して冗長系(多重系)とする構成がよく採用されるが、冗長系の構成では、故障時の対応も含めてこれら複数の装置をどのように運用するかが重要である。また、ホームエージェントは、移動体通信システムにおける一つの構成要素であり、システム全体としての信頼性を損なわないよう、他の構成要素に影響を与えない運用が求められる。
本発明が解決しようとする課題は、モバイルIPを適用した移動体通信システムにおいて、ホームエージェントの信頼性を高めること、である。
上記課題を解決するための第1の発明は、
移動端末からの代表通信アドレス宛の位置登録要求に応じて位置登録情報を更新管理する位置登録管理処理を行うホームエージェント(以下「HA」と略称する。)を具備するモバイルIPシステムであって、
前記代表通信アドレスと当該HAのユニーク通信アドレスとを有効な通信アドレスとして前記位置登録管理処理を実行するサービスHAと、
前記代表通信アドレスと当該HAのユニーク通信アドレスとのうち、当該HAのユニーク通信アドレスのみを有効な通信アドレスとしたスタンバイHAと、
を具備し、
前記サービスHAは、
前記位置登録要求の受信に応じた前記位置登録情報の更新情報を前記スタンバイHAに送信し、
前記スタンバイHAは、
前記サービスHAから受信した前記更新情報に基づいて、前記移動端末の位置登録情報を当該スタンバイHA内で更新管理するスタンバイ処理と、
前記代表通信アドレス宛の位置登録要求を取得することと、
前記取得した位置登録要求に基づいて、当該スタンバイHA内で更新管理する位置登録情報の整合性を判定することと、
を行う、
モバイルIPシステムである。
また、他の発明として、
移動端末からの代表通信アドレス宛の位置登録要求に応じて位置登録情報を更新管理する位置登録管理処理を行うHAを具備するモバイルIPシステムにおけるホームエージェント冗長制御方法であって、
前記モバイルIPシステムは、
前記代表通信アドレスと当該HAのユニーク通信アドレスとを有効な通信アドレスとして前記位置登録管理処理を実行するサービスHAと、
前記代表通信アドレスと当該HAのユニーク通信アドレスとのうち、当該HAのユニーク通信アドレスのみを有効な通信アドレスとしたスタンバイHAと、
を具備し、
前記サービスHAが、
前記位置登録要求の受信に応じた前記位置登録情報の更新情報を前記スタンバイHAに送信し、
前記スタンバイHAが、
前記サービスHAから受信した前記更新情報に基づいて、前記移動端末の位置登録情報を当該スタンバイHA内で更新管理するスタンバイ処理と、
前記代表通信アドレス宛の位置登録要求を取得することと、
前記取得した位置登録要求に基づいて、当該スタンバイHA内で更新管理する位置登録情報の整合性を判定することと、
を行う、
ホームエージェント冗長制御方法を構成してもよい。
第1の発明等によれば、移動端末の位置登録要求に応じて位置登録管理処理を行うサービスHAと、スタンバイHAとを具備する冗長系のホームエージェントとすることで、その信頼性を高めることができる。
移動端末の位置登録要求は代表通信アドレス宛であり、サービスHAが受信するが、スタンバイHAにおいて、サービスHAから受信した更新情報に基づいて当該スタンバイHA内で位置登録情報を更新管理するとともに、代表通信アドレス宛の位置登録要求を取得し、取得した位置登録要求に基づいて、当該スタンバイHA内で更新管理している位置登録情報の整合性を判定することで、当該スタンバイHA内で管理更新している位置登録情報の信頼性を高めることができる。整合性の判定は、例えば、スタンバイHAが取得した位置登録要求に応じて位置登録管理処理を行った場合の位置登録情報の更新内容が、サービスHAから受信した更新情報と一致するかによって行う。
第2の発明は、第1の発明において、
前記スタンバイHAは、
前記更新情報と、前記取得した位置登録情報とに基づいて、前記サービスHAの故障の発生を検出することと、
前記サービスHAの故障を検出した場合に、前記サービスHAに対して前記サービスHAとしての動作を停止させる停止信号の送信、および、当該スタンバイHAの通信アドレスとして前記代表通信アドレスを有効とすることで新たなサービスHAに状態遷移するサービス遷移処理と、
を行う、
モバイルIPシステムである。
第2の発明によれば、スタンバイHAが、サービスHAの障害の発生を検出すると、サービスHAに停止信号を送信して動作を停止させ、スタンバイHAからサービスHAに状態遷移することで、サービスHAが切り替えられる。サービスHAの障害の発生の検出は、例えば、スタンバイHAが取得した位置登録要求に応じて位置登録管理処理を行った場合の位置登録情報の更新内容が、サービスHAから受信した更新情報と一致するかによって行う。サービスHAに障害が発生していないならば、両者は一致するはずである。つまり、位置登録管理処理を行うホームエージェントの機能を担うサービスHAに障害が発生したとしても、速やかに、他のHAであるスタンバイHAが新たなサービスHAに切り替わるので、ホームエージェントの信頼性を高めることができる。また、新たなサービスHAに切り替わったとしても、更新管理している位置登録情報の信頼性が確保されているので、ホームエージェントとしての高い信頼性が確保されているといえる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記スタンバイHAは、
前記代表通信アドレス宛の位置登録要求を、プロミスキャスモードによって取得する、
モバイルIPシステムである。
第3の発明によれば、スタンバイHAは、代表通信アドレス宛の位置登録要求を、プロミスキャスモードに設定することによって取得することができる。
通信システムの構成例。 ホームエージェントグループの説明図。 位置登録情報の更新の説明図。 サービスHAに対する第1の監視通信の説明図。 サービスHAに対する第2の監視通信の説明図。 サービスHAの切り替えの説明図。 サービスHAの重複回避の説明図。 サービスHAの定期切り替えの説明図。 位置登録情報の適正化の説明図。 位置登録情報の送付依頼の送信の説明図。 スタンバイHAによる位置登録要求の取得の説明図。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
[システム構成]
図1は、本実施形態における通信システムの構成例である。本実施形態の通信システム1は、鉄道で用いられる、地上装置40と列車80に搭載される移動端末70との間で通信を行うための地上・車上間無線伝送システムであり、モバイルIPを利用したモバイルIPシステムとして実現される。通信システム1は、機器室内に構築されるコア網N1と、沿線に沿って構築される複数の無線アクセス網N2とが、ルータ50によって接続されて構成される。
コア網N1は、ホームエージェントグループ20、移動端末70の認証サーバ30、地上装置40といった各種の装置を、専用回線で接続して構成されている。また、不図示であるが、コア網N1は、更に、ルータを介してインターネットを含む他のネットワークに接続される。
無線アクセス網N2は、沿線に設置されて移動端末70が無線通信接続する無線LAN(Local Area Network)等のアクセスポイントである地上基地局60を有する。沿線を走行する列車80に搭載される移動端末70が、常時、少なくとも1つの地上基地局60に接続できるよう、複数の地上基地局60は、その通信エリア同士が一部重複するようにして構築されている。
なお、移動端末70を移動ルータとし、この移動ルータを介して列車80に搭載した情報端末と無線通信を行う構成としてもよい。
ホームエージェントグループ20は、移動端末70からの代表通信アドレス宛の位置登録要求に応じて位置登録情報TLを更新管理する位置登録管理処理を行う。すなわち、ホームエージェントグループ20は、移動端末70毎に、固定のIPアドレスであるホームアドレス(HoA:Home Address)と、移動先のネットワーク(無線アクセス網N2)で用いられるIPアドレスである気付アドレス(CoA:Care of Address)とを対応付けて、位置登録情報TLとして管理している。IPアドレスは、IPネットワークにおける通信アドレスである。
移動端末70は、移動先の地上基地局60で気付アドレスを取得すると、HA代表アドレスを宛先とする位置登録要求を行うことで、当該気付アドレスがホームエージェントグループ20に登録される。HA代表アドレスは、ホームエージェントグループ20に割り当てられたIPアドレスに相当する。これにより、移動端末70が地上基地局60(無線アクセス網N2)を移動しても、移動端末70のホームアドレスを宛先とするパケットが、ホームエージェントグループ20を介して気付アドレス宛に転送されることになる。
[HAの冗長構成]
図2は、ホームエージェントグループ20の説明図である。図2に示すように、ホームエージェントグループ20は、M台(M≧2)のホームエージェント(以下、「HA」と略称する。)10を具備する冗長系のシステムである。M台のHA10のうちの1台が、移動端末70からの位置登録要求に応じて位置登録管理処理を行うサービスHA12となり、サービスHAを除く残余のN台(N=M-1≧1)のHA10がスタンバイHA14となる。各HA10は個別のコンピュータシステムとして構成される。
サービスHA12は、HA代表アドレスと、当該HAに割り当てられたユニーク通信アドレスである固有アドレスとの両方を有効なIPアドレスとして設定したHAである。IPアドレスとしてHA代表アドレスを設定することで、移動端末70からのHA代表アドレスを宛先とする位置登録要求を受信することができる。スタンバイHA14は、HA代表アドレスと、当該HAに割り当てられたユニーク通信アドレスである固有アドレスとのうち、固有アドレスのみを有効なIPアドレスとして設定したHAである。
HA10は、HA代表アドレスを有効なIPアドレスとして設定することで、サービスHA12とスタンバイHA14との状態遷移が可能である。すなわち、サービスHA12は、IPアドレスの設定としてHA代表アドレスを無効とすることで、スタンバイHA14への状態遷移が可能である。また、スタンバイHA14は、IPアドレスの設定としてHA代表アドレスを有効とすることで、サービスHA12への状態遷移が可能である。
[位置登録情報の更新管理]
図3は、サービスHA12が行う位置登録情報TLの更新管理を説明する図である。ホームエージェントグループ20では、各HA10が個別に位置登録情報TLを管理している。サービスHA12は、移動端末70から受信した、HA代表アドレス宛の位置登録要求に応じて、位置登録情報TLを更新する位置登録管理処理を行う。つまり、移動端末70は、現在接続している地上基地局60(無線アクセス網N2)で割り当てられた気付アドレスCoAを含む位置登録要求を送信し、サービスHA12は、当該移動端末70についてのホームアドレスHoAと気付アドレスCoAとの対応付けを変更することになる。
サービスHA12は、位置登録情報TLの更新を完了すると、その位置登録情報TLの更新情報を、スタンバイHA14それぞれに送信する。スタンバイHA14は、サービスHA12から受信した更新情報に基づいて、移動端末70の位置登録情報TLと当該スタンバイHA14内で更新管理するスタンバイ処理を行う。これにより、全てのHA10(サービスHA12およびスタンバイHA14)それぞれが同じ位置登録情報TLを個別に更新管理する情報管理の多重化となる。
[サービスHAの監視]
スタンバイHA14は、HA代表アドレスを宛先とする所定の監視通信を行うことでサービスHA12を監視し、サービスHA12の停止や故障といった障害の発生を検出する。このサービスHA12の監視は、各スタンバイHA14が個別に独立して行う。本実施形態では、監視通信として次の2種類の監視通信を行う。
図4は、第1の監視通信を説明する図である。図4に示すように、スタンバイHA14は、第1の監視通信として、代表通信アドレスを宛先として通信機器アドレスを問い合わせる照会通信を行う。本実施形態では、代表通信アドレスであるHA代表アドレスを宛先として、対応する通信機器アドレスであるMACアドレス(Media Access Control address)を問い合わせるARP(Address Resolution Protocol)を照会通信として行う。サービスHA12が正常動作しているならば、ARPに対する応答として、サービスHA12の通信機器アドレスであるMACアドレスが取得される。スタンバイHA14は、ARPに対する応答が得られないならば、サービスHA12に障害が発生したと判断する。また、スタンバイHA14は、ARPに対する応答として取得されたMACアドレスから、何れのHA10がサービスHA12であるかを把握することができる。更に、ARPに対する応答として取得されたMACアドレスが、予め把握している何れのHA10のMACアドレスにも該当しないならば、サービスHA12に障害が発生したと判断することにしてもよい。
なお、この第1の監視通信は、サービスHA12が行うこともできる。つまり、サービスHA12は、HA代表アドレスを宛先とするARPを行う。ARPに対する応答が取得されたか否かによって、他のサービスHA12の有無(重複)を判定することができる。なお、サービスHA12は、ARPに替えてGARP(Gratuitous ARP)を行うようにしてもよい。GARPによれば、HA代表アドレスが重複していないかを判定するとともに、他のHA10のARPテーブルを更新させることができる。
更に、サービスHA12であるかスタンバイHA14であるかに関わらず、全てのHA10が他のHA10に対するARPを相互に行うこともできる。他のHA10に対するARPは、当該他のHA10の固有アドレスを宛先として行う。ARPに対する応答が取得されたか否かによって、当該他のHA10に障害が発生していないか否かを判断するといった、HA10の相互監視を行うことができる。
図5は、第2の監視通信を説明する図である。図5に示すように、スタンバイHA14は、第2の監視通信として、代表通信アドレスを宛先として位置登録要求を試行する位置登録試行通信を行う。具体的には、スタンバイHA14は、自身が模擬的な移動端末であるとして、代表通信アドレスであるHA代表アドレス宛に位置登録要求を送信する。サービスHA12は、サービス用およびテスト用の2種類のホームネットワークを有するように構成しておき、スタンバイHA14からの位置登録要求に対して、当該スタンバイHA14をテスト用のホームネットワークに登録する。次いで、スタンバイHA14は、位置登録要求によってサービスHA12のテスト用のホームネットワークに登録されたホームアドレスを送信元として、テストホスト90に対する通信を試行する。試行通信として、例えば、pingを行う。
サービスHA12が正常動作しているならば、位置登録要求に対する応答が取得され、且つ、テストホスト90への試行通信に対する応答(pingに対する応答)が取得される。スタンバイHA14は、位置登録要求に対する応答が取得されない、或いは、位置登録要求に対する応答は取得されるがテストホスト90への試行通信に対する応答が取得されないならば、サービスHA12に障害が発生したと判断する。なお、テストホスト90は、故障に対応するために2台設けるようにしても良い。
なお、この第2の監視通信は、サービスHA12がスタンバイHA14に対して、或いは、スタンバイHA14が他のスタンバイHA14に対してといったように、HA10同士で相互に行うこともできる。つまり、HA10は、自身が模擬的な移動端末であるとして、相手のHA10の通信アドレス(スタンバイHA14ならば、当該HA10に割り振られた固有アドレスである)を宛先として位置登録要求を送信し、自HA10を相手のHA10のテスト用のホームネットワークに登録する。次いで、登録した自HA10のホームアドレスを送信元として、テストホスト90に対する通信(例えば、ping)を試行する。位置登録要求に対する応答が取得されない、或いは、位置登録要求に対する応答は取得されるがテストホスト90への試行通信に対する応答が取得されないならば、相手のHA10に障害が発生したと判断することができる。
これらの第1の監視通信および第2の監視通信は、例えば0.5秒程度の所定の時間間隔で繰り返し行う。なお、1回の判断で“障害の発生”を確定することとしてもよいが、本実施形態では、“障害の発生”と判断した連続回数が所定の保護回数に達した場合に“障害の発生”を確定する。この保護回数は、障害の発生を検出する検出条件ということができる。
[サービスHAの切り替え]
スタンバイHA14は、サービスHA12の故障の発生を検出(確定)すると、自身が新たなサービスHA12に状態遷移する。つまり、サービスHA12が切り替わる。
図6は、サービスHA12の切り替えを説明する図である。図6に示すように、スタンバイHA14は、先ず、サービスHA12に対して、サービスHA12としての動作を停止させる停止信号を送信する(1)。次いで、IPアドレスの設定として、HA代表アドレスを有効とすることで、新たなサービスHA12に状態遷移するサービス遷移処理を行う(2)。なお、(1)停止信号の送信と(2)サービス遷移処理とは一連の処理として実行すればよいため、逆順で実行することとしてもよいし、並行して実行することとしてもよい。
一方、サービスHA12は、停止信号を受信すると、IPアドレスの設定として、HA代表アドレスを無効とし、当該HA10に割り当てられた固有アドレスのみを有効とすることで、新たなスタンバイHA14に状態遷移するスタンバイ遷移処理を行う(3)。具体的には、停止信号を受信したサービスHA12は、サービスHA12としての動作を停止した後、IPアドレスの設定を当該HA10に割り当てられた固有アドレスにリセットすることで、新たなスタンバイHA14に状態遷移する。或いは、停止信号を受信したサービスHA12は、スタンバイHA14に状態遷移せずに、動作を停止して電源を遮断する(シャットダウン)としてもよい。
[サービスHAの重複回避]
スタンバイHA14は、それぞれ個別に独立してサービスHA12を監視している。このため、サービスHA12に障害が発生すると、複数のスタンバイHA14が、ほぼ同じタイミングでサービスHA12の故障の発生を検出してサービスHA12に状態遷移し、サービスHA12が重複して存在してしまう事態が生じ得る。つまり、同じHA代表アドレスをIPアドレスとして設定した機器が複数存在する、いわゆるIPアドレスのコンフリクト(衝突)が生じ得る。
図7は、サービスHA12の重複の回避を説明する図である。図7に示すように、スタンバイHA14は、サービスHA12の故障を検出すると、IPアドレスの設定として、HA代表アドレスを有効として、新たなサービスHA12に切り替える。新たなサービスHA12となると、続いて、代表通信アドレスを宛先とする重複サービスHA存否確認通信を行って、他のサービスHA12の有無を判定する。重複サービスHA存否確認通信は、代表通信アドレスを宛先として当該代表通信アドレスが設定されているHAの通信機器アドレスを問い合わせる照会通信である。本実施形態では、代表通信アドレスであるHA代表アドレスを宛先としたARPを行うこととする。他のサービスHA12が存在する場合、HA代表アドレス宛のARPに対する応答として、そのサービスHA12のMACアドレスが取得される。このため、新たなサービスHA12は、ARPに対する応答が取得されたならば、他のサービスHA12が有ると判断し、応答が取得されないならば、他のサービスHA12が無いと判断する。
他のサービスHA12が有ると判定した場合には、続いて、所定の優劣判定を行い、自身が元のスタンバイHA14に戻るか、或いは、新たなサービスHA12のままとするかを決定する。優劣判定は、自HAの通信機器アドレスと、重複サービスHA存否確認通信によって取得した通信機器アドレスとを比較して行う。本実施形態では、自HAの通信機器アドレスであるMACアドレスと、重複サービスHA存否確認通信であるARPに対する応答として取得された他のサービスHA12のMACアドレスとの大小を比較することとする。MACアドレスは機器毎にユニークな数列であるから、例えば、MACアドレスが大きいほうの機器を優先的にサービスHAとする場合、自HAのMACアドレスのほうが小さいならば、元のスタンバイHA14に戻り、自HAのMACアドレスのほうが大きいならば、新たなサービスHA12のままとする、と決定することができる。
なお、重複サービスHA存否確認通信は、スタンバイHA14が新たなサービスHA12に切り替わったときのみではなく、任意のHA10が電源遮断状態からサービスHA12として起動したときに行うようにしても良いし、サービスHA12が定期的に行うようにしても良い。そして、他のサービスHA12が有ると判定した場合には続いて優劣判定を行う。これにより、スタンバイHA14がサービスHA12の故障を検出したときに限らず、常時、サービスHA12が重複して存在することを回避できる。
[サービスHAの定期切り替え]
また、ホームエージェントグループ20では、当該ホームエージェントグループ20が具備するHA10の潜在的障害の検出のため、定期的にサービスHA12を切り替える定期切り替えを行う。
図8は、サービスHA12の定期切り替えを説明する図である。図8では、ホームエージェントグループ20が4台(M=4)のHA10(第1HA~第4HA)を具備する場合を例示している。4台のHA10(第1HA~第4HA)のうち、第1HAがサービスHA12であり、それ以外の第2HA~第4HAがスタンバイHA14である。また、定期切替タイミングを1日毎としている。サービスHA12の定期切り替えの実行時刻は、例えば、列車の走行しない時間帯(例えば、深夜2時)に設定しておくとよい。
図8に示すように、先ず、各スタンバイHA14は、現在日時情報と自HAに定められた識別番号とに基づいた所定の算術演算を行って、次の定期切替タイミングが自HAを新たなサービスHAに状態遷移するタイミングか否かを判定する。
識別番号とは、0、1、2、・・、M-1、といったように、0(ゼロ)から始まって各HA10に連番で定められる通し番号である。現在日時情報は、本日の日付であり、1月1日を1日目として数えて何日目かを表す、1、2、・・、365、の通し番号として表現される。現在日時情報を本日の日付とするのは、定期切替タイミングが1日毎であるからである。そして、算術演算として、現在日時情報である本日の日付を、ホームエージェントグループ20が具備するHA10の台数Mで割り算した余りRを求める。各スタンバイHA14は、求めた余りRが自HAに定められた識別番号と一致するならば、次の定期切替タイミングが新たなサービスHA12に状態遷移するタイミングであり、自HAは新たなサービスHA12に切り替えるべき優先HAであると判定する。一方、求めた余りRが自HAに定められた識別番号と一致しないならば、次の定期切替タイミングが新たなサービスHA12に状態遷移するタイミングではなく、自HAは優先HAでないと判定する。次いで、この判定結果に応じて、自HAが行う監視通信(第1の監視通信或いは第2の監視通信)における“障害の発生”を確定する保護回数を変更する。具体的には、自HAが優先HAであるスタンバイHA14は、保護回数を所定の初期値(例えば、3回)に戻すように変更し、優先HAでないスタンバイHA14は、保護回数を、初期値より多い回数(例えば、5回)に変更する。保護回数を変更することは、障害の発生を検出する検出条件を変更することを意味し、保護回数を増やすことは検出条件を厳しくするともいえる。
そして、次の定期切替タイミングが到来すると、優先HAであるスタンバイHA14は、サービスHA12に対して、サービスHA12としての動作を停止させる停止信号を送信する。次いで、IPアドレスの設定として、当該HA10に割り当てられた固有アドレスに加えてHA代表アドレスを有効とすることで、新たなサービスHA12に状態遷移するサービス遷移処理を行う。
また、停止信号を受信したサービスHA12は、IPアドレスの設定として、HA代表アドレスを無効として当該HA10に割り当てられた固有アドレスのみを有効とすることで、新たなスタンバイHA14に状態遷移するスタンバイ遷移処理を行う。具体的には、サービスHA12としての動作を停止した後、IPアドレスの設定を当該HA10に割り当てられた固有アドレスにリセットすることで、新たなスタンバイHA14に状態遷移する。
このように、定期切替タイミングの到来毎に、スタンバイHA14が順にサービスHA12へ切り替わってゆくが、優先HAであるスタンバイHA14に潜在的障害が発生している場合、サービスHA12への切り替わりがなされない。このことから、定期切替タイミングにおけるサービスHA12の切り替わりの有無によって、優先HAであるスタンバイHA14に潜在的故障が発生していることを検出できる。なお、優先HAであるスタンバイHA14に潜在的障害が発生しており、定期切替タイミングにおいてサービスHA12に切り替わらなくとも、元のサービスHA12がサービスHA12のままであるから、ホームエージェントグループ20としての機能を損なうことはない。
また、定期切替タイミングの到来毎にサービスHA12が切り替わるため、特定のHA10がサービスHA12として継続的に機能することを回避できる。これにより、ホームエージェントグループ20の信頼性を高めることができる。
また、優先HAであるスタンバイHA14がサービスHAに切り替わるときに、サービスHA12に停止信号を送信して動作を停止させることから、一時的にサービスHA12が存在しない状態が生じ、意図せず、他のスタンバイHA14がサービスHA12の障害と判断して新たなサービスHA12に切り替わってしまう可能性もある。しかし、優先HAでないスタンバイHA14の監視通信における保護回数を多く変更してあることから、この意図しないサービスHA12の切り替わりの可能性を低減することができる。
[位置登録情報の適正化]
上述のように、ホームエージェントグループ20において、サービスHA12は、移動端末70から受信したHA代表アドレス宛の位置登録要求に応じて位置登録情報TLを更新する位置登録管理処理を行い、その位置登録情報TLの更新情報を、スタンバイHA14それぞれに送信する。スタンバイHA14は、受信した更新情報に従って、自身が管理する位置登録情報TLを更新する。これにより、全てのHA10(サービスHA12およびスタンバイHA14)それぞれが位置登録情報TLを個別に更新管理する情報管理の多重化を実現する(図3参照)。
しかしながら、スタンバイHA14において更新管理される位置登録情報TLには、一部が最新の情報に更新されていない“不具合”が生じている可能性がある。つまり、サービスHA12からスタンバイHA14への位置登録情報TLの更新情報の送信の失敗等により、スタンバイHA14において位置登録情報TLが正しく更新されていない可能性がある。また、サービスHA12に障害が発生してから、スタンバイHA14がこの障害の発生を検出して新たなサービスHA12に切り替わるまでの僅かな時間ではあるが、一時的にサービスHA12が存在しない状態が生じ、その僅かな間になされた移動端末70からの位置登録要求に応じた位置登録情報TLの更新がなされていない可能性もある。
サービスHA12は、位置登録情報TLに従って、移動端末70の位置(通信接続している地上基地局60)を判断して、当該移動端末70宛てのパケットを転送する経路制御を行うため、位置登録情報TLが最新の情報に更新されていない場合、移動端末70の位置(通信接続している地上基地局60)を判断できず、その移動端末70との通信の途絶が起こり得る。鉄道では高い信頼性が要求されるため、列車80に搭載される移動端末70との通信途絶は可能な限り回避したい。このため、スタンバイHA14から新たなサービスHA12への状態遷移後に、位置登録情報TLの不具合を修正する適正化を行う。
図9は、位置登録情報TLの適正化を説明する図である。図9に示すように、HA10内で更新管理している位置登録情報TLは、移動端末70毎に、ホームアドレスや気付アドレスのほか、現在接続している無線アクセス網N2の地上基地局60、有効時間、要求フラグ等のデータを対応付けて管理している。有効時間は、当該移動端末70についての情報が更新されてからの経過時間を示し、更新時点を最大値としてカウントダウン形式で減少してゆく。要求フラグは、当該移動端末70についての情報の更新が、当該移動端末70から受信した位置登録要求に応じたものであるのか、サービスHA12から受信した更新情報に従ったものであるのかを示すフラグである。
スタンバイHA14は、サービス遷移処理を実行した後に、スタンバイ処理で更新管理していた位置登録情報TLに登録されている移動端末70に対して、位置登録要求の送付依頼を送信する登録要求依頼処理を行う。なおここで、スタンバイHA14からサービスHA12に状態遷移するサービス遷移処理は、所定の状態遷移条件を満たした場合に行われる。状態遷移条件は、例えば、サービスHA12の障害の発生を検出したこと(図4,図5参照)、新たなサービスHA12に状態遷移する定期切替タイミングが到来したこと(図8参照)、である。
サービス遷移処理によって状態遷移した新たなサービスHA12は、位置登録情報TLに登録されている移動端末70のうちから、スタンバイ処理としてサービスHA12から受信した更新情報によって情報を更新した移動端末70であって(要求フラグから判断できる)、その更新時刻からの経過時間(有効時間から判断できる)が所定の長時間経過条件を満たす移動端末70を、位置登録要求の送付依頼を送信する移動端末70として選択する。該当する移動端末70が複数有る場合には、更新時刻からの経過時間が長い順(つまり、有効時間が短い順)に選択する、これは、位置登録情報TLにおいて最新の情報に更新されていない可能性が高い移動端末70を選択するためである。長時間経過条件は、更新時刻からの経過時間が長いとみなす条件であり、具体的には、移動端末70の位置登録要求の実行間隔より長い時間(例えば、1分程度)に定められる。
そして、選択した移動端末70に対して、位置登録要求の送付依頼を送信し、この送付依頼に応じて移動端末70から送信される位置登録要求に応じて、位置登録情報TLにおける当該移動端末70についての情報を最新の情報に更新することができる。位置登録要求の送付依頼は、当該移動端末70の予測移動範囲を算出し、当該予測移動範囲に係る地上基地局60から送信させるように制御する。具体的には、図10に示すように、位置登録情報TLに登録されている地上基地局60のほか、位置登録情報TLに登録されている有効時間から当該移動端末70が搭載されている列車の走行経路をもとに予測走行距離を算出し、位置登録情報TLに登録されている地上基地局60から線路に沿った予測走行距離の範囲を予測移動範囲とし、この予測移動範囲内の地上基地局60から一斉に送信させることとして選択する。このとき、列車の進行方向を判別可能な場合には、列車の進行方向の情報を更に加味して予測移動範囲を予測すると好適である。各HA10は、地上基地局60毎に当該地上基地局60の設置位置に対応する線路のキロ程を記憶しておき、移動端末70からの最後の通信が行われて中継を担った地上基地局60(位置登録情報TLに含まれる地上基地局60)の設置位置に対応するキロ程から、予測移動範囲を予測する。
このように、スタンバイHA14から状態遷移した新たなサービスHA12が、移動端末70に位置登録要求の送付依頼を送信することで、受信失敗等によって位置登録情報TLの一部が最新の情報に更新されていないといった不具合が生じていたとしても、速やかに最新の情報に更新して位置登録情報TLの適正化を図ることができる。また、移動端末70に対する位置登録要求の送付依頼を、当該移動端末70が通信接続している可能性のある地上基地局60から送信させることで、通信システム1に係る通信負荷を最小限に抑制することができる。
[位置登録情報の高信頼化]
上述のように、ホームエージェントグループ20において、サービスHA12は、移動端末70から受信したHA代表アドレス宛の位置登録要求に応じて位置登録情報TLを更新する位置登録管理処理を行い、その位置登録情報TLの更新情報を、スタンバイHA14それぞれに送信する。スタンバイHA14は、受信した更新情報に基づいて、自身が管理する位置登録情報TLを更新する。これにより、全てのHA10(サービスHA12およびスタンバイHA14)それぞれが個別に管理する位置登録情報TLを同期して更新させることができる(図3参照)。
しかしながら、スタンバイHA14において更新管理される位置登録情報TLには、一部が最新の情報に更新されていない“不具合”が生じている可能性がある。つまり、サービスHA12からスタンバイHA14への位置登録情報TLの更新情報の送信の失敗や、サービスHA12の故障によって更新情報が送信されない等により、スタンバイHA14において位置登録情報TLが正しく更新されていない可能性がある。
サービスHA12は、位置登録情報TLに従って、移動端末70の位置(通信接続している地上基地局60)を判断して、当該移動端末70宛てのパケットを転送する経路制御を行う。このため、スタンバイHA14内で更新管理している位置登録情報TLに“不具合”があると、当該スタンバイHA14がサービスHA12に状態遷移したときに、移動端末70の位置(通信接続している地上基地局60)を判断できず、その移動端末70との通信の途絶が起こり得る。鉄道では高い信頼性が要求されるため、列車80に搭載される移動端末70との通信途絶は可能な限り回避したい。
そこで、スタンバイHA14は、代表HAアドレス宛の位置登録要求を取得し、取得した位置登録情報TLに基づいて、自HA10内で更新管理している位置登録情報TLの整合性を判定することで、位置登録情報TLの高信頼化を図る。スタンバイHA14によるHA代表アドレス宛の位置登録要求は、プロミスキャスモード設定によって取得する。
図11は、位置登録要求の取得を説明する図である。図11に示すように、ホームエージェントグループ20は、複数(図11では、3台)のHA10が、ハブ16を介してコア網N1に接続されている。ハブ16は、ポートミラーリング機能を有するスイッチングハブである。ハブ16のポートミラーリングの設定をオフとした場合、移動端末70による位置登録要求は、代表HAアドレスを宛先として送信されるので、IPアドレスとして代表HAアドレスが設定されているサービスHA12のみで受信され、IPアドレスとして固有アドレスが設定されているスタンバイHA14では受信されない。
本実施形態では、ハブ16のポートミラーリングの設定をオンとし、HA代表アドレス宛のパケットのコピーが、各スタンバイHA14が接続されたポートに転送されるように設定する。また、スタンバイHA14において、ネットワークインターフェースのモードを、宛先に関わらず全てのパケットを受信するプロミスキャスモードに設定する。これにより、代表HAアドレス宛の位置登録要求が、IPアドレスとして固有アドレスが設定されている各スタンバイHAでも受信されるようになる。
そして、スタンバイHA14は、取得した位置登録要求に基づいて、自HA10内で更新管理している位置登録情報TLの整合性を判定する。具体的には、取得した位置登録要求に応じた位置登録管理処理を行ったと仮定した場合の、自HA10内での位置登録情報TLの更新内容を求め、この更新内容を、スタンバイHA14から受信した更新情報と比較する。スタンバイHA14が取得する位置登録要求は、サービスHA12で受信される位置登録要求と同じであるから、更新内容と更新情報とは一致するはずである。従って、スタンバイHA14は、自身で求めた更新内容とサービスHA12から受信した更新内容とが一致するならば、受信された更新情報の信頼性は高いと判定し、この更新情報に基づいて更新した位置登録情報TLは、最新の情報に正しく更新されて信頼性は高いと判定する。
一方、更新内容と更新情報とが一致しない、或いは、更新情報そのものが受信されないならば、サービスHA12に障害が発生している、或いは、サービスHA12との通信経路に障害が発生している、と判定する。この場合、スタンバイHA14は、自身で求めた更新内容のほうが信頼性が高いとみなせるので、当該更新内容に基づいて位置登録情報TLを更新する。
このように、スタンバイHA14が、HA代表アドレス宛の位置登録要求を取得し、取得した位置登録要求に基づいて、自HA10内で更新管理している位置登録情報TLの整合性を判定することで、サービスHA12から受信した更新情報のみに基づく場合と比較して、位置登録情報TLの信頼性を高めることができる。
また、スタンバイHA14は、サービスHA12に障害が発生している、或いは、サービスHA12との通信経路に障害が発生している、と判定した場合には、新たなサービスHAに状態遷移するサービス状態遷移処理を行って、サービスHA12を切り替えるようにしてもよい(図6参照)。
また、スタンバイHA14は、取得した位置登録要求に基づいて求めた更新内容を、サービスHA12や他のスタンバイHA14に送信するようにしてもよい。これにより、サービスHA12が、受信した位置登録情報TLに基づく更新情報と、スタンバイHA14から受信した更新内容とを比較し、スタンバイHA14の障害の発生を検出することが可能となる。また、スタンバイHA14が互いの更新内容を比較することで、他のスタンバイHA14の障害の発生を検出することが可能となる。
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、移動端末70の位置登録要求に応じて位置登録管理処理を行うサービスHA12と、スタンバイHA14とを具備する冗長系のホームエージェントグループ20とすることで、その信頼性を高めることができる。ホームエージェントグループ20では、スタンバイHA14が、サービスHA12の障害の発生を検出すると、自身がスタンバイHA14から新たなサービスHA12に状態遷移する。また、障害の発生を検出したスタンバイHAは、サービスHA12に停止信号を送信してサービスHA12からスタンバイHA14に状態遷移させる。こうしてサービスHA12が切り替えられる。つまり、位置登録管理処理を行うホームエージェントの機能を担うサービスHA12に障害が発生したとしても、速やかに、他のHA10であるスタンバイHA14が新たなサービスHA12に切り替わるので、ホームエージェントグループ20全体としての機能を損なうことがない。
また、サービスHA12は代表通信アドレスを通信アドレスとし、スタンバイHA14は当該HAのユニーク通信アドレスを通信アドレスとしているから、障害の発生によってサービスHA12が切り替わったとしても、移動端末70は代表通信アドレス宛に位置登録要求を送信すれば良いので、移動端末70の動作に影響がない。
また、定期切替タイミングの到来毎にスタンバイHA14が新たなサービスHA12に切り替わるかによって、スタンバイHA14に潜在的障害が発生していることを検出できる。また、定期切替タイミングの到来毎にサービスHA12が切り替わるため、特定のHA10がサービスHA12として継続的に機能することを回避できる。定期切替タイミングでのサービスHA12への切り替わりは、各HA10が、現在日時情報と自HA10に定められた識別番号とに基づく所定の算術演算を行うことで、個別に独立して判定することができる。また、判定に現在日時情報を用いることで、日時の経過に応じて、各HA10が順番にサービスHA12に切り替わるようにできる。
また、スタンバイHA14から状態遷移した新たなサービスHA12が、当該HA内で更新管理している位置登録情報TLに登録されている移動端末70に対して位置登録要求の送付依頼を送信することで、位置登録情報TLの信頼性を高めることができる。
また、スタンバイHA14が、サービスHA12から受信した更新情報に基づいて当該スタンバイHA14内で位置登録情報TLを更新管理するとともに、代表通信アドレス宛の位置登録要求を取得し、取得した位置登録要求に基づいて、当該スタンバイHA14内で更新管理している位置登録情報TLの整合性を判定することで、当該スタンバイHA14内で管理更新している位置登録情報TLの信頼性を高めることができる。これらにより、ホームエージェントグループ20の信頼性を更に高めることができる。
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
1…通信システム
N1…コア網
20…ホームエージェントグループ
10…ホームエージェント(HA)
12…サービスHA、14…スタンバイHA
TL…位置登録情報
30…認証サーバ
40…地上装置
50…ルータ
N2…無線アクセス網、60…地上基地局
70…移動端末、80…列車

Claims (4)

  1. 移動端末からの代表通信アドレス宛の位置登録要求に応じて位置登録情報を更新管理する位置登録管理処理を行うホームエージェント(以下「HA」と略称する。)を具備するモバイルIPシステムであって、
    前記代表通信アドレスと当該HAのユニーク通信アドレスとを有効な通信アドレスとして前記位置登録管理処理を実行するサービスHAと、
    前記代表通信アドレスと当該HAのユニーク通信アドレスとのうち、当該HAのユニーク通信アドレスのみを有効な通信アドレスとしたスタンバイHAと、
    を具備し、
    前記サービスHAは、
    前記位置登録要求の受信に応じた前記位置登録情報の更新情報を前記スタンバイHAに送信し、
    前記スタンバイHAは、
    記移動端末の位置登録情報を当該スタンバイHA内で管理することと、
    前記代表通信アドレス宛の位置登録要求を取得することと、
    当該スタンバイHA内で管理する位置登録情報を前記取得した位置登録要求に基づいて更新すると仮定した場合の更新内容を求めることと
    前記更新内容と前記サービスHAから受信した前記更新情報とが一致する場合には、当該スタンバイHA内で管理する位置登録情報を当該受信した前記更新情報で更新し、一致しない場合には、当該スタンバイHA内で管理する位置登録情報を前記更新内容で更新することと、
    を行う、
    モバイルIPシステム。
  2. 前記スタンバイHAは、
    前記更新情報と、前記取得した位置登録要求とに基づいて、前記サービスHAの故障の発生を検出することと、
    前記サービスHAの故障を検出した場合に、前記サービスHAに対して前記サービスHAとしての動作を停止させる停止信号の送信、および、当該スタンバイHAの通信アドレスとして前記代表通信アドレスを有効とすることで新たなサービスHAに状態遷移するサービス遷移処理と、
    を行う、
    請求項1に記載のモバイルIPシステム。
  3. 前記スタンバイHAは、
    前記代表通信アドレス宛の位置登録要求を、プロミスキャスモードによって取得する、
    請求項1又は2に記載のモバイルIPシステム。
  4. 移動端末からの代表通信アドレス宛の位置登録要求に応じて位置登録情報を更新管理する位置登録管理処理を行うホームエージェント(以下「HA」と略称する。)を具備するモバイルIPシステムにおけるホームエージェント冗長制御方法であって、
    前記モバイルIPシステムは、
    前記代表通信アドレスと当該HAのユニーク通信アドレスとを有効な通信アドレスとして前記位置登録管理処理を実行するサービスHAと、
    前記代表通信アドレスと当該HAのユニーク通信アドレスとのうち、当該HAのユニーク通信アドレスのみを有効な通信アドレスとしたスタンバイHAと、
    を具備し、
    前記サービスHAが、
    前記位置登録要求の受信に応じた前記位置登録情報の更新情報を前記スタンバイHAに送信し、
    前記スタンバイHAが、
    記移動端末の位置登録情報を当該スタンバイHA内で管理することと、
    前記代表通信アドレス宛の位置登録要求を取得することと、
    当該スタンバイHA内で管理する位置登録情報を前記取得した位置登録要求に基づいて更新すると仮定した場合の更新内容を求めることと
    前記更新内容と前記サービスHAから受信した前記更新情報とが一致する場合には、当該スタンバイHA内で管理する位置登録情報を当該受信した前記更新情報で更新し、一致しない場合には、当該スタンバイHA内で管理する位置登録情報を前記更新内容で更新することと、
    を行う、
    ホームエージェント冗長制御方法。
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