以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1(a)及び図1(b)は、実施形態に係る照明装置を模式的に表す正面図及び側面図である。
図2は、実施形態に係る照明装置を模式的に表す背面図である。
図1(a)、図1(b)、及び図2に表したように、照明装置10は、装置本体12と、電源ユニット14と、制御装置16と、を備える。
装置本体12は、レンズ20を有する。レンズ20は、装置本体12の前面に設けられている。レンズ20は、装置本体12の内部に設けられた光源から照射された光を集光する。
電源ユニット14は、電源ケーブル22を介して商用電源などの交流電源から供給される交流電力を基に、照明装置10の各部に電力を供給する。電源ユニット14は、装置本体12の下部に設けられている。電源ケーブル22は、装置本体12の背面に接続されている。電源ユニット14は、装置本体12を介して電源ケーブル22から入力される交流電力を受ける。なお、電源ユニット14及び電源ケーブル22の配置は、上記に限定されるものではない。電源ユニット14は、例えば、装置本体12の内部に設けてもよい。電源ケーブル22は、例えば、電源ユニット14に直接接続してもよい。電源ユニット14及び電源ケーブル22の配置は、任意の配置でよい。
制御装置16は、装置本体12の背面に設けられている。制御装置16は、操作部24と表示部26とを有する。操作部24は、使用者などからの操作入力を受け付けるための部材である。使用者などは、操作部24を操作することで、制御装置16に操作指示を入力することができる。制御装置16は、例えば、複数の操作部24を有し、内容の異なる複数の操作指示を入力できるようにしている。表示部26は、所定の情報を表示する。
複数の操作部24は、例えば、押しボタンスイッチである。操作部24は、これに限ることなく、操作指示を入力可能な任意の部材でよい。操作部24は、例えば、表示部26と重ねて設けられ、指などによるタッチを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)などでもよい。操作部24がタッチスイッチである場合には、タッチする位置によって、内容の異なる複数の操作指示を入力することができる。このように、操作部24は、1つの部材で複数の操作指示を入力できる部材でもよい。表示部26は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部26は、これに限ることなく、所定の情報を表示可能な任意の部材でよい。
なお、制御装置16は、装置本体12の背面に限ることなく、装置本体12の側面や上面などに設けてもよい。制御装置16の位置は、操作部24の操作などがし易い任意の位置でよい。
照明装置10は、例えば、スタジオや舞台などの照明演出に用いられる。照明装置10は、明るさや色などの点灯状態を変更可能とする。これにより、スタジオや舞台などのシーンに応じて、より細かい照明演出を行うことができる。但し、照明装置10の用途は、必ずしもスタジオや舞台などに限るものではない。照明装置10は、例えば、屋内照明や屋外照明などに用いてもよい。
制御装置16は、点灯状態に関する情報を表示部26に表示する。より詳しくは、制御装置16は、明るさや色などの現在の設定などを表示部26に表示する。複数の操作部24は、使用者などからの操作入力に応じて、点灯状態に関する操作指示を受け付ける。より詳しくは、複数の操作部24は、使用者などからの操作入力に応じて、明るさや色などの設定の変更を操作指示として受け付ける。使用者などは、表示部26を参照しながら複数の操作部24を操作することで、照明装置10の点灯状態を変更し、所望の明るさや色などで照明装置10を点灯させることができる。
また、照明装置10は、例えば、DMX規格やRDM(Remote Device Management)規格などの通信規格に準拠した通信を行う。照明装置10は、上位のコントローラや他の照明装置などとDMX規格やRDM規格に基づく通信を行う。照明装置10は、上位のコントローラと通信を行い、上位のコントローラから制御信号を受信することにより、制御信号に基づいて点灯状態を変更する。このように、照明装置10は、操作部24の操作に応じて点灯状態を変更するとともに、上位のコントローラからの制御信号に応じて点灯状態を変更する。また、照明装置10は、例えば、点灯状態の設定などを定期的に上位のコントローラに送信する。これにより、操作部24の操作によって点灯状態の設定が変更された場合などにも、上位のコントローラ側で照明装置10の点灯状態を把握することができる。但し、照明装置10は、必ずしも通信機能を有していなくてもよい。
図3は、実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、照明装置10は、光源30と、点灯装置32と、をさらに備える。なお、図3では、便宜的に、電力の流れを実線の矢線で表し、信号の流れを破線の矢線で表し、照射される光を二点鎖線の矢線で表している。
光源30は、例えば、装置本体12の内部に設けられる。光源30は、発光素子30aを有する。光源30は、例えば、複数の発光素子30aを有する。複数の発光素子30aは、直列に接続される。複数の発光素子30aは、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。発光素子30aの数は、任意でよい。発光素子30aの数は、例えば、1つでもよい。
発光素子30aには、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が用いられる。光源30は、例えば、複数のLEDを有するLEDモジュールである。発光素子30aは、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence)発光素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence)発光素子、または、その他の電界発光型の発光素子などでもよい。但し、光源30は、発光素子30aを有するものに限ることなく、例えば、電球などでもよい。光源30は、直流電流の供給によって点灯する任意の光源でよい。
点灯装置32は、電源ユニット14に設けられる。点灯装置32は、光源30を点灯させるとともに、光源30の点灯状態を変更可能である。点灯装置32は、電源ケーブル22を介して交流電源2と接続され、交流電源2から供給される交流電圧Vacを所定の電圧に変換して光源30に供給することにより、光源30を点灯させる。
光源30は、例えば、装置本体12の内部においてレンズ20と対向して設けられ、点灯装置32からの電圧の供給に応じて点灯し、レンズ20に光を入射させることにより、レンズ20を介して装置本体12の外部に光を照射する。
制御装置16は、通信部28を有する。通信部28は、点灯装置32と通信を行う。また、通信部28は、外部機器4とも通信を行う。外部機器4は、例えば、上位のコントローラである。前述のように、照明装置10は、必ずしも外部機器4との通信機能を有していなくてもよい。通信部28は、少なくとも点灯装置32と通信する機能を有していればよい。
制御装置16は、操作部24の操作に応じた制御信号、又は外部機器4から入力された制御信号を通信部28を介して点灯装置32に送信することにより、点灯装置32による光源30の点灯状態の変更を制御する。
点灯装置32は、AC/DC変換回路40と、第1DC/DC変換回路41と、第2DC/DC変換回路42と、制御回路44と、信号伝達素子46と、を有する。
AC/DC変換回路40は、交流電源2から供給された交流電圧Vacを第1直流電圧Vdc1に変換する。
第1DC/DC変換回路41は、第1直流電圧Vdc1を第2直流電圧Vdc2に変換し、第2直流電圧Vdc2を光源30に供給する。
第2DC/DC変換回路42は、第1直流電圧Vdc1を第1直流電圧Vdc1及び第2直流電圧Vdc2と電気的に絶縁された第3直流電圧Vdc3に変換し、第3直流電圧Vdc3を制御装置16に供給する。
制御装置16は、第2DC/DC変換回路42から供給される第3直流電圧Vdc3によって駆動する。これにより、制御装置16に電力を供給しつつ、制御装置16を点灯装置32側と電気的に絶縁することができる。これにより、例えば、操作部24を操作する際に、使用者などが交流電圧Vacなどの比較的高い電圧で感電してしまうことを抑制することができる。
制御回路44は、制御装置16の通信部28と通信を行い、通信部28から送信された制御信号を受信する。制御回路44は、制御装置16から入力された制御信号に基づいて第1DC/DC変換回路41の動作を制御し、第2直流電圧Vdc2の電圧値を変化させることにより、制御信号に応じた点灯状態で光源30を点灯させる。
信号伝達素子46は、制御装置16の通信部28と制御回路44との間に設けられている。信号伝達素子46は、通信部28と制御回路44とを電気的に絶縁しつつ、通信部28と制御回路44との間の通信を可能にする。信号伝達素子46は、例えば、フォトカプラである。これにより、制御装置16と点灯装置32とが信号線を介して電気的に接続されてしまうことを抑制することができる。制御装置16を点灯装置32側と、より確実に電気的に絶縁することができる。使用者などが比較的高い電圧で感電してしまうことを、より確実に抑制することができる。なお、信号伝達素子46は、フォトカプラに限ることなく、通信部28と制御回路44とを電気的に絶縁しつつ、通信部28と制御回路44との間の通信を可能にすることができる任意の部材でよい。
第2DC/DC変換回路42は、第1直流電圧Vdc1から第4直流電圧Vdc4をさらに変換可能である。第4直流電圧Vdc4は、例えば、第1直流電圧Vdc1とグランドを共通とした非絶縁の電圧である。第2DC/DC変換回路42は、第1DC/DC変換回路41及び制御回路44よりも先に駆動し、第4直流電圧Vdc4の供給により、第1DC/DC変換回路41及び制御回路44を駆動する。
この例において、第2DC/DC変換回路42は、第4直流電圧Vdc4の供給により、AC/DC変換回路40も駆動する。第2DC/DC変換回路42は、AC/DC変換回路40よりも先に駆動し、第4直流電圧Vdc4の供給により、AC/DC変換回路40を駆動する。第2DC/DC変換回路42は、例えば、点灯装置32の中で一番最初に駆動する。
また、第2DC/DC変換回路42は、信号伝達素子46に絶縁された第3直流電圧Vdc3と非絶縁の第4直流電圧Vdc4を供給する。第2DC/DC変換回路42は、信号伝達素子46の制御装置16側の回路(例えば、フォトカプラの発光素子)に第3直流電圧Vdc3を供給し、信号伝達素子46の制御回路44側の回路(例えば、フォトカプラの受光素子)に第4直流電圧Vdc4を供給する。
このように、第2DC/DC変換回路42は、点灯装置32の各部に電力を供給する他出力の変換回路である。なお、第4直流電圧Vdc4の供給により、AC/DC変換回路40、第1DC/DC変換回路41、制御回路44、及び信号伝達素子46を駆動する構成は、これらに第4直流電圧Vdc4を直接供給して駆動する構成でもよいし、第4直流電圧Vdc4を変圧した電圧を供給して駆動する構成でもよい。例えば、第2DC/DC変換回路42から三端子レギュレータに第4直流電圧Vdc4を供給し、三端子レギュレータを駆動した後、三端子レギュレータから出力される別の直流電圧をAC/DC変換回路40、第1DC/DC変換回路41、制御回路44、及び信号伝達素子46などに供給して、これらを駆動してもよい。AC/DC変換回路40、第1DC/DC変換回路41、制御回路44、及び信号伝達素子46のそれぞれに供給される直流電圧は、同じでもよいし、異なってもよい。
第2DC/DC変換回路42は、AC/DC変換回路40、第1DC/DC変換回路41、制御回路44、及び信号伝達素子46のそれぞれに対応した複数の直流電圧を生成する構成としてもよい。第2DC/DC変換回路42の構成は、絶縁された第3直流電圧Vdc3とは別に、少なくとも1つの非絶縁の第4直流電圧Vdc4を生成可能な任意の構成でよい。
以上、説明したように、本実施形態に係る照明装置10では、第2DC/DC変換回路42が、第1直流電圧Vdc1を第1直流電圧Vdc1及び第2直流電圧Vdc2と電気的に絶縁された第3直流電圧Vdc3に変換し、第3直流電圧Vdc3を制御装置16に供給し、制御装置16が、第2DC/DC変換回路42から供給される第3直流電圧Vdc3によって駆動される。
これにより、点灯装置32と制御装置16のそれぞれにAC/DC変換回路を設ける場合と比べて、照明装置10のサイズが大きくなってしまうことを抑制することができる。また、点灯装置32と制御装置16とを同じAC/DC変換回路40を介して駆動することにより、電源電圧の瞬時停電が発生した場合や起動タイミングの場合などに、点灯装置32及び制御装置16の立ち上がりシーケンスが変化し、立ち上がりのタイミングがずれて通信異常や制御異常などが発生してしまうことを抑制することができる。具体的には、第2DC/DC変換回路42が起動した後、第2DC/DC変換回路42からの電力の供給によって制御装置16、AC/DC変換回路40、第1DC/DC変換回路41、制御回路44を起動させることにより、これらを適切なタイミングで起動させることができる。
従って、照明装置10では、操作部24を有する制御装置16と点灯装置32とを電気的に絶縁する場合にも、装置の大型化を抑制できるとともに、より安定した動作を実現可能とすることができる。
また、制御装置16にAC/DC変換回路やDC/DC変換回路を設ける必要が無く、制御装置16の小型化を図ることができる。例えば、制御装置16を小型にし、制御装置16の配置の自由度を高めることができる。
図4は、点灯装置の一例を模式的に表すブロック図である。
図4に表したように、AC/DC変換回路40は、例えば、フィルタ回路60と、整流回路62と、力率改善回路64と、を有する。
フィルタ回路60は、交流電源2と電気的に接続される。フィルタ回路60は、例えば、交流電源2から供給される交流電圧Vacに含まれるノイズを抑制する。
整流回路62は、フィルタ回路60と電気的に接続される。整流回路62は、フィルタ回路60を介して入力された交流電圧Vacを整流して整流電圧に変換する。整流回路62には、例えば、4つの整流素子を組み合わせたダイオードブリッジが用いられる。すなわち、整流回路62は、全波整流器である。整流電圧は、例えば、脈流電圧である。
整流回路62は、一対の入力端子62a、62bと、高電位出力端子62cと、低電位出力端子62dと、を有する。入力端子62a、62bは、フィルタ回路60と電気的に接続されている。整流回路62は、入力端子62a、62bを介して入力される交流電圧Vacを整流電圧に変換し、高電位出力端子62c及び低電位出力端子62dから出力する。低電位出力端子62dの電位は、基準電位(例えば接地電位)に設定される。高電位出力端子62cの電位は、低電位出力端子62dの電位よりも高い電位に設定される。
整流回路62は、半波整流器などでもよい。整流電圧は、全波整流された脈流でもよいし、半波整流された脈流でもよい。整流回路62には、例えば、ショットキーバリアダイオードが用いられる。これにより、例えば、良好な応答性を得ることができる。
力率改善回路64は、整流回路62の出力側と電気的に接続される。力率改善回路64は、整流電圧において、電源周波数の整数倍の高調波の発生を抑制する。これにより、力率改善回路64は、整流電圧の力率を改善する。
力率改善回路64は、例えば、スイッチング素子70と、インダクタ71と、ダイオード72と、平滑コンデンサ73と、駆動回路74と、を有する。スイッチング素子70は、電極70a~電極70cを有する。インダクタ71の一端は、高電位出力端子62cと電気的に接続されている。インダクタ71の他端は、電極70aと電気的に接続されている。電極70bは、低電位出力端子62dと電気的に接続されている。ダイオード72のアノードは、電極70aと電気的に接続されている。ダイオード72のカソードは、平滑コンデンサ73の一端と電気的に接続されている。平滑コンデンサ73の他端は、低電位出力端子62dと電気的に接続されている。すなわち、この例において、力率改善回路64は、昇圧チョッパ回路である。力率改善回路64は、これに限ることなく、整流電圧の力率を改善することができる任意の回路でよい。
電極70cは、駆動回路74と電気的に接続されている。電極70cは、いわゆる制御電極である。スイッチング素子70は、駆動回路74からの信号に応じてスイッチングする。力率改善回路64は、例えば、スイッチング素子70をスイッチングさせ、入力電流を正弦波に近づけることにより、力率を改善する。
スイッチング素子70は、例えば、nチャネル形のFETである。例えば、電極70aは、ドレインであり、電極70bは、ソースであり、電極70cは、ゲートである。スイッチング素子70は、例えば、pチャネル形のFETでもよいし、バイポーラトランジスタなどでもよい。
平滑コンデンサ73は、力率改善後の脈流電圧を平滑化することにより、脈流電圧を第1直流電圧Vdcに変換する。
駆動回路74は、例えば、スイッチング素子70のスイッチングを制御するためのドライバICである。駆動回路74は、スイッチング素子70の電極70cと接続されている。さらに、駆動回路74は、第2DC/DC変換回路42及び制御回路44と接続されている。駆動回路74は、第2DC/DC変換回路42からの第4直流電圧Vdc4の供給を受けて駆動する。駆動回路74は、制御回路44からの制御信号を受け、制御回路44から入力された制御信号に基づいてスイッチング素子70のスイッチングを制御する。これにより、駆動回路74は、入力電流及び入力電圧の力率の改善及び第1直流電圧Vdc1の電圧値を制御する。
このように、AC/DC変換回路40は、昇圧チョッパ回路の力率改善回路64を有している。力率改善回路64では、駆動回路74が起動しておらず、スイッチング素子70のスイッチングが行われていない場合でも、整流回路62で整流された整流電圧を平滑コンデンサ73で平滑することにより、交流電圧Vacに応じた電圧値の第1直流電圧Vdc1を得ることができる。従って、前述のように、AC/DC変換回路40よりも先に第2DC/DC変換回路42を駆動させ、第4直流電圧Vdc4の供給により、AC/DC変換回路40を駆動することができる。
なお、AC/DC変換回路40の構成は、上記に限定されるものではない。AC/DC変換回路40は、例えば、整流回路62と平滑コンデンサ73のみで構成した回路や、トランスを用いた回路などでもよい。AC/DC変換回路40は、必ずしもスイッチング素子70を有する構成でなくてもよい。
AC/DC変換回路40がスイッチング素子70を有しない場合などには、第2DC/DC変換回路42からAC/DC変換回路40に第4直流電圧Vdc4を供給しなくてもよい。AC/DC変換回路40に第4直流電圧Vdc4を供給しない場合、第2DC/DC変換回路42は、第4直流電圧Vdc4の供給により、少なくとも第1DC/DC変換回路41及び制御回路44を駆動すればよい。
第1DC/DC変換回路41は、第1入力端子41aと、第2入力端子41bと、第1出力端子41cと、第2出力端子41dと、を有する。第1入力端子41aは、力率改善回路64の平滑コンデンサ73の高電位側の一端と電気的に接続される。第2入力端子41bは、低電位出力端子62dと電気的に接続される。これにより、第1DC/DC変換回路41には、第1直流電圧Vdc1が供給される。
第1DC/DC変換回路41は、例えば、スイッチング素子80と、ダイオード81と、インダクタ82と、出力コンデンサ83と、駆動回路84と、を有する。スイッチング素子80は、電極80a~80cを有する。電極80aは、第1入力端子41aと電気的に接続されている。電極80bは、ダイオード81のカソードと電気的に接続されている。ダイオード81のアノードは、低電位出力端子62dと電気的に接続されている。インダクタ82の一端は、電極80bと電気的に接続されている。インダクタ82の他端は、第1出力端子41cと電気的に接続されている。第2出力端子41dは、低電位出力端子62d(第2入力端子41b)と電気的に接続されている。
出力コンデンサ83の一端は、第1出力端子41cと電気的に接続されている。出力コンデンサ83の他端は、第2出力端子41dと電気的に接続されている。出力コンデンサ83は、第1出力端子41cと第2出力端子41dとの間に並列に接続される。出力コンデンサ83は、スイッチング素子80のスイッチングによって、スイッチング素子80の各電極80a、80b間に流れる電流を平滑化する。これにより、第1出力端子41c及び第2出力端子41dから第2直流電圧Vdc2が出力される。
この例において、第1DC/DC変換回路41は、降圧チョッパ回路である。第1DC/DC変換回路41は、第1直流電圧Vdc1を降圧することにより、第2直流電圧Vdc2を生成する。第1DC/DC変換回路41は、例えば、420Vの力率改善回路64の第1直流電圧Vdc1を50V~300Vの第2直流電圧Vdc2に変換する。第1DC/DC変換回路41は、例えば、定電流回路である。第1DC/DC変換回路41は、例えば、実質的に一定の電流を光源30に出力する。
スイッチング素子80は、例えば、nチャネル形のFETである。例えば、電極80aは、ドレインであり、電極80bは、ソースであり、電極80cは、ゲートである。スイッチング素子80は、例えば、pチャネル形のFETでもよいし、バイポーラトランジスタなどでもよい。
駆動回路84は、例えば、スイッチング素子80のスイッチングを制御するためのドライバICである。駆動回路84は、スイッチング素子80の電極80cと接続されている。さらに、駆動回路84は、第2DC/DC変換回路42及び制御回路44と接続されている。駆動回路84は、第2DC/DC変換回路42からの第4直流電圧Vdc4の供給を受けて駆動する。駆動回路84は、制御回路44からの制御信号を受け、制御回路44から入力された制御信号に基づいてスイッチング素子80のスイッチングを制御する。これにより、駆動回路84は、第1直流電圧Vdc1を第2直流電圧Vdc2に変換する。なお、第1DC/DC変換回路41は、上記の回路に限ることなく、第1直流電圧Vdc1を第2直流電圧Vdc2に変換可能な任意の回路でよい。
制御回路44は、制御装置16から入力された制御信号に基づく信号を駆動回路84に入力する。駆動回路84は、制御回路44から入力された信号に基づいて、スイッチング素子80のスイッチングを制御する。駆動回路84は、例えば、制御回路44から入力された信号に基づいて、スイッチング素子80のスイッチングのデューティ比を変化させる。これにより、制御装置16からの制御信号に応じた点灯状態で光源30を点灯させることができる。すなわち、操作部24の操作や外部機器4で設定された明るさや色などで光源30を点灯させることができる。
第1DC/DC変換回路41は、検出抵抗85をさらに有する。検出抵抗85は、第2入力端子41bと出力コンデンサ83の低電位側の一端との間に電気的に接続されている。換言すれば、検出抵抗85は、ダイオード81のアノードと出力コンデンサ83の低電位側の一端との間に電気的に接続されている。第2出力端子41dは、検出抵抗85を介して低電位出力端子62dと電気的に接続される。
制御回路44は、検出抵抗85と電気的に接続されている。制御回路44は、例えば、検出抵抗85と第2出力端子41dとの間に電気的に接続されている。これにより、制御回路44には、検出抵抗85の検出電圧が入力される。制御回路44は、例えば、検出抵抗85の検出電圧を基に、光源30に流れる電流を検出する。制御回路44は、例えば、検出抵抗85の検出電圧を基に、スイッチング素子80のスイッチングをフィードバック制御し、光源30に実質的に一定の電流が流れるようにする。
また、制御回路44は、光源30の点灯状態に関する異常の検知を行う。光源30の点灯状態に関する異常とは、例えば、光源30の故障、光源30と点灯装置32との間の配線不良、あるいは光源30の不点灯などである。制御回路44は、例えば、検出抵抗85の検出電圧を基に、異常の検知を行う。制御回路44は、例えば、スイッチング素子80のスイッチングを制御しているにも関わらず所定の電流が光源30に流れない場合や、反対に過度の電流が光源30に流れた場合などに、異常を検知する。但し、異常の検知方法は、これに限ることなく、光源30の不点灯などを適切に検知することができる任意の方法でよい。
制御回路44は、異常の検知結果を信号伝達素子46を介して制御装置16に送信する。制御装置16及び制御回路44は、異常を検知した場合に、例えば、第1DC/DC変換回路41の動作を停止させ、光源30への第2直流電圧Vdc2の供給を停止する。これにより、例えば、光源30の故障にともなって点灯装置32も故障してしまうことなどを抑制することができる。
制御装置16は、異常の検知結果を外部機器4へ通信可能である。これにより、異常の発生などを外部機器4でも把握することができる。また、制御装置16は、例えば、異常を検知した場合に、異常の検知を表示部26に表示する。これにより、異常の発生を使用者などに報知することができる。
図5は、第2DC/DC変換回路の一例を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、第2DC/DC変換回路42は、例えば、トランス100と、スイッチング素子102と、ダイオード104と、平滑コンデンサ106と、ダイオード108と、平滑コンデンサ110と、駆動回路112と、を有する。トランス100は、第1巻線100aと、第2巻線100bと、第3巻線100cと、を有する。スイッチング素子102は、電極102a~102cを有する。
第1巻線100aの一端は、AC/DC変換回路40と接続される。第1巻線100aの一端には、第1直流電圧Vdc1が入力される。第1巻線100aの他端は、スイッチング素子102の電極102aと接続される。スイッチング素子102の電極102bは、AC/DC変換回路40の低電位側と接続される。これにより、スイッチング素子102をオン状態とすることで、第1直流電圧Vdc1に応じた電流が、第1巻線100aに流れる。
第2巻線100bは、第1巻線100aと磁気的に結合するとともに、第1巻線100aと電気的に絶縁されている。第2巻線100bの一端は、ダイオード104のアノードと接続されている。ダイオード104のカソードは、平滑コンデンサ106の一端と接続されている。平滑コンデンサ106の他端は、第2巻線100bの他端と接続されている。
第1巻線100aに電流が流れると、第1巻線100aと第2巻線100bとの巻数比に応じた電流が第2巻線100bに流れる。第2巻線100bに流れる電流は、ダイオード104で整流され、平滑コンデンサ106で平滑される。これにより、第1直流電圧Vdc1が、第1直流電圧Vdc1及び第2直流電圧Vdc2と電気的に絶縁された第3直流電圧Vdc3に変換される。
制御装置16は、平滑コンデンサ106の両端と電気的に接続される。これにより、制御装置16に第3直流電圧Vdc3が供給され、制御装置16を点灯装置32側と電気的に絶縁することができる。
第3巻線100cは、第1巻線100aと磁気的に結合する。第3巻線100cの低電位側は、第1巻線100aの低電位側と電気的に接続されている。第3巻線100cの高電位側は、ダイオード108のアノードと接続されている。ダイオード108のカソードは、平滑コンデンサ110の一端と接続されている。平滑コンデンサ110の他端は、第3巻線100cの低電位側と接続されている。
第1巻線100aに電流が流れると、第1巻線100aと第3巻線100cとの巻数比に応じた電流が第3巻線100cに流れる。第3巻線100cに流れる電流は、ダイオード108で整流され、平滑コンデンサ110で平滑される。これにより、第1直流電圧Vdc1が、非絶縁の第4直流電圧Vdc4に変換される。第4直流電圧Vdc4は、前述のように、AC/DC変換回路40、第1DC/DC変換回路41、制御回路44などの各部に供給される。
駆動回路112は、スイッチング素子102の電極102cと接続されている。駆動回路112は、スイッチング素子102のスイッチングを制御することにより、第1直流電圧Vdc1から第3直流電圧Vdc3への変換、及び第1直流電圧Vdc1から第4直流電圧Vdc4への変換を制御する。
駆動回路112には、第1直流電圧Vdc1から電源が供給される。従って、駆動回路112は、AC/DC変換回路40、第1DC/DC変換回路41、及び制御回路44などよりも先に駆動することができる。また、駆動回路112は、例えば、予め決められたタイミングでスイッチング素子102のスイッチングを制御する。これにより、駆動回路112は、制御回路44の制御とは関係なく、制御回路44から独立して動作する。
このように、第2DC/DC変換回路42は、制御回路44から独立して動作する。従って、第2DC/DC変換回路42は、制御回路44が異常を検知した場合でも動作可能である。第2DC/DC変換回路42は、例えば、制御回路44が異常を検知し、第1DC/DC変換回路41の動作を停止させた場合でも動作可能である。これにより、例えば、制御回路44が異常を検知し、第1DC/DC変換回路41の動作を停止させた場合でも、制御装置16に安定して第3直流電圧Vdc3を供給し続けることができる。例えば、制御装置16から外部機器4への異常の検知結果の通信や、表示部26への異常の検知結果の表示などを適切に行うことができる。
第2DC/DC変換回路42は、いわゆるフライバック方式のコンバータである。第2DC/DC変換回路42では、1つのフライバック方式のコンバータにより、絶縁の第3直流電圧Vdc3と非絶縁の第4直流電圧Vdc4とを生成することができる。但し、第2DC/DC変換回路42の構成は、これに限ることなく、少なくとも第1直流電圧Vdc1から絶縁の第3直流電圧Vdc3を変換可能な任意の構成でよい。
図6は、実施形態に係る照明装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
図6に表したように、照明装置10aは、入力装置120をさらに備える。なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
入力装置120は、所定の情報を取得して制御装置16に入力する。制御装置16は、操作部24の操作及び入力装置120からの情報に応じた制御信号を点灯装置32に送信する。この例では、制御装置16は、操作部24の操作、外部機器4からの入力、及び入力装置120からの情報のいずれかに応じた制御信号を点灯装置32に送信する。
入力装置120は、例えば、リモコンやスマートフォンなどの外部機器と無線通信を行うための通信機である。入力装置120は、例えば、外部機器と無線通信を行い、外部機器から無線通信を介して入力された制御信号を制御装置16に入力する。これにより、入力装置120は、無線通信を介して入力された制御信号に基づいて、光源30の明るさや色などの点灯状態を変更可能とする。
照明装置10aは、スタジオや舞台などの天井に設置され、操作部24を直接的に操作することが難しい可能性がある。入力装置120は、無線通信を介して制御信号を制御装置16に入力可能とすることにより、照明装置10aが天井に設置されている場合など、操作部24の操作が難しい状況でも、光源30の点灯状態を変更可能とする。
入力装置120は、例えば、コネクタなどを介して装置本体12に着脱可能に取り付けられる。入力装置120は、例えば、必要に応じて取り付けられ、機能を追加するオプション機器である。入力装置120は、装置本体12に取り付けられた状態において、コネクタなどを介して制御装置16と接続されるとともに、点灯装置32と接続される。但し、入力装置120は、予め装置本体12の内部に組み込まれた部材でもよい。入力装置120は、必ずしも装置本体12に対して着脱可能に構成された部材でなくてもよい。
点灯装置32の第2DC/DC変換回路42は、第3直流電圧Vdc3を制御装置16に供給するとともに、第3直流電圧Vdc3を入力装置120に供給することにより、入力装置120を駆動する。
このように、入力装置120は、制御装置16とともに絶縁された第3直流電圧Vdcによって駆動される。これにより、入力装置120から制御装置16に情報を入力する場合にも、入力装置120を介して制御装置16が点灯装置32側と電気的に接続されてしまうことを抑制することができる。従って、入力装置120を接続する場合にも、制御装置16を適切に絶縁することができる。例えば、入力装置120を着脱する際に、使用者などが、点灯装置32側の高い電圧で感電してしまうことなども抑制することができる。
なお、入力装置120に供給する第3直流電圧Vdc3の電圧値は、制御装置16に供給する第3直流電圧Vdc3の電圧値と異なってもよい。第2DC/DC変換回路42は、電圧値の異なる複数の第3直流電圧Vdc3を生成し、複数の第3直流電圧Vdc3の1つを制御装置16に供給し、複数の第3直流電圧Vdc3の別の1つを入力装置120に供給する構成でもよい。電圧値の異なる複数の第3直流電圧Vdc3を生成する第2DC/DC変換回路42は、例えば、図5に表したフライバック方式のコンバータを複数設けたり、トランス100の巻線の数を増やしたりすることで実現することができる。入力装置120は、例えば、制御装置16に接続し、制御装置16から第3直流電圧Vdc3を供給してもよい。
入力装置120は、無線通信を行うための通信機に限定されるものではない。入力装置120は、例えば、周囲の明るさを所定の情報として取得し、制御装置16に入力する照度計などでもよい。入力装置120は、所定の情報を取得し、取得した情報を制御装置16に入力可能な任意の機器でよい。
図7は、実施形態に係る照明装置の変形例を模式的に表すブロック図である。
図7に表したように、照明装置10bでは、光源30が、複数の発光素子30a~30cを有するとともに、点灯装置32が、複数の第1DC/DC変換回路41を有する。複数の第1DC/DC変換回路41は、それぞれ第2直流電圧Vdc2を生成し、複数の第2直流電圧Vdc2のそれぞれを複数の発光素子30a~30cのそれぞれに供給する。複数の第1DC/DC変換回路41は、例えば、図4に表した回路を複数設けることによって実現することができる。
発光素子30aは、例えば、電圧の印加により、赤色光を照射する。発光素子30bは、例えば、電圧の印加により、緑色光を照射する。発光素子30cは、例えば、電圧の印加により、青色光を照射する。複数の第1DC/DC変換回路41は、制御信号に基づいて各発光素子30a~30cのそれぞれに供給する電流を変化させることにより、各色の光の強度を変化させる。これにより、光源30から任意の色の光を照射することができる。いわゆる調色制御を行うことができる。複数の発光素子30a~30cは、赤色光、緑色光、青色光に限ることなく、色温度の異なる光を照射する発光素子などでもよい。
このように、点灯装置32は、複数の第2直流電圧Vdc2を生成する複数の第1DC/DC変換回路41を有する構成としてもよい。例えば、照明装置10bに複数の光源30を設け、複数の第1DC/DC変換回路41は、電圧値の異なる複数の第2直流電圧Vdc2を複数の光源30のそれぞれに供給してもよい。
本発明のいくつかの実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態または実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態または実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態または実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。