JP7303301B2 - フッ化水素の製造方法 - Google Patents
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Description
[1] アルカリ金属フッ化物およびアルカリ土類金属フッ化物から選ばれる少なくとも一つの化合物と、無機酸と、Si元素含有化合物と、を含む混合物を反応させて、フッ化水素およびヘキサフルオロケイ酸を含む水溶液Aと、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一つの化合物とを得る第1工程と、
前記水溶液Aを濃縮して、フッ化水素およびヘキサフルオロケイ酸を含む濃縮液である水溶液Bを得る第2工程と、
前記水溶液Bに硫酸を付与して四フッ化ケイ素およびフッ化水素を含む気体を発生させ、前記気体からフッ化水素を分離して回収する第3工程と、を含む、フッ化水素の製造方法。
[2] 前記Si元素含有化合物は、四フッ化ケイ素およびシリカからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載のフッ化水素の製造方法。
[3] 前記アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一つの化合物が、化合水の比率が19質量%以上である二水石膏である、[1]または[2]に記載のフッ化水素の製造方法。
[4] 前記第1工程は、無機酸の濃度が40質量%以下であり、かつ、温度90℃以下の条件で行う、[1]~[3]のいずれかに記載のフッ化水素の製造方法。
[5] 前記アルカリ金属フッ化物およびアルカリ土類金属フッ化物から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む原料として、乾燥重量としてフッ化カルシウムを60質量%以上含む人工蛍石を用いる、[1]~[4]のいずれかに記載のフッ化水素の製造方法。
[6] アルカリ金属フッ化物およびアルカリ土類金属フッ化物から選ばれる少なくとも一つの化合物1モルに対し、無機酸1.0~1.5モル、Si元素含有化合物0.2~1.0モルを使用する、[1]~[5]のいずれか1項に記載のフッ化水素の製造方法。
[7] 前記水溶液Bにおけるヘキサフルオロケイ酸の含有率が、水溶液Bの全質量に対して35質量%以上であり、かつ、前記水溶液BにおけるF元素とSi元素とのモル比(F/Si)が6.0以上である、[1]~[6]のいずれかに記載のフッ化水素の製造方法。
[8] 前記第3工程は、前記水溶液Bに75質量%以上の濃硫酸または発煙硫酸を加えて脱水分解を行い、四フッ化ケイ素およびフッ化水素を含む気体を発生させ、
80質量%以上の硫酸に前記フッ化水素を吸収させて吸収液を得て、
前記吸収液を100℃以上に加温して、フッ化水素を揮発させて、フッ化水素を回収する、[1]~[7]のいずれかに記載のフッ化水素の製造方法。
[9] 前記第3工程において生成したフッ化水素を分離して回収した後に得られる無機酸水溶液を、第1工程における無機酸水溶液の少なくとも一部として用いる、[1]~[8]のいずれかに記載のフッ化水素の製造方法。
[10] 前記第3工程において生成したフッ化水素を分離して回収した後に得られる無機酸水溶液を、濃度を高め、第3工程で再利用する、[1]~[9]のいずれかに記載のフッ化水素の製造方法。
[11] 前記第3工程において、フッ化水素を生成する際に副生する四フッ化ケイ素を回収し、当該四フッ化ケイ素および当該四フッ化ケイ素と水との反応物の少なくとも一方を、前記第1工程におけるSi元素含有化合物の少なくとも一部として、または、前記第3工程において前記水溶液Bに添加して用いる、[1]~[10]のいずれかに記載のフッ化水素の製造方法。
<第1工程>
第1工程は、アルカリ金属フッ化物およびアルカリ土類金属フッ化物から選ばれる少なくとも一つの化合物と、無機酸と、Si元素含有化合物と、を含む混合物を反応させて、フッ化水素(HF)およびヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)を含む水溶液Aと、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一つの化合物とを得る工程である。
第1工程において、Si元素含有化合物が存在しない場合には、アルカリ土類金属の代表例であるフッ化カルシウム(CaF2)と、無機酸の代表例である硫酸(水溶液)との反応は、下記式(1)に従っておこる。この反応では、生成したフッ化水素が溶液中にとどまるために式(1)の平衡関係が成り立ち、反応は途中で止まる。例えば、30質量%硫酸水溶液中では、反応率30%程度で反応は止まる。
本開示では、前記(ii)のうち、HFと反応するSi元素含有化合物を反応系に加えることで、HFをH2SiF6に変換し、式(1)を右側に進ませる。
アルカリ金属フッ化物およびアルカリ土類金属フッ化物から選ばれる少なくとも一つの化合物としては、特に制限はないが、フッ化カルシウム(CaF2)が好ましく用いられる。
また、後述の濾過性をより向上させる観点から、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩の種結晶を含んでいてもよい。種結晶としては、特に制限されないが、第1工程で生成したスラリー液の一部を使用することが好ましい。
水溶液Aにおける無機酸の濃度、すなわち、反応終了後の無機酸の濃度は、1~5質量%であることが好ましい。残留する無機酸の濃度が5質量%以下であると、後述の第3工程におけるフッ化水素の回収効率がより向上する傾向にある。これは、フッ化水素が硫酸等の無機酸水溶液に溶けやすく、無機酸水溶液から分離させる際に残存しやすいためである。
第2工程は、前記水溶液Aを濃縮してフッ化水素(HF)およびヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)を含む濃縮液である水溶液Bを得る工程である。
第2工程を経ずに水溶液Aを後述の第3工程に供すると、第3工程で生成する単位フッ化水素当たりの無機酸量が多量になると共に、副生する無機酸水溶液中に残留するフッ化水素量も増加し、その分フッ化水素の回収量が減少してしまう。すなわち、第2工程で濃縮することで、効率的にフッ化水素を回収できるようになる。
ここで得られたSiO2は、濃縮で蒸発させたSiF4と H2Oを凝縮したもので、付着している母液中に存在するヘキサフルオロケイ酸は乾燥により容易に揮発させることができるので、極めて高純度のアモルファスシリカとして回収することが出来る。
減圧下で蒸留する場合は、水溶液を20kPa(絶対圧)の条件下で68℃~85℃まで昇温することが好ましい。
第3工程は、前記水溶液Bに硫酸を付与して四フッ化ケイ素(SiF4)およびフッ化水素(HF)を含む気体を発生させ、前記気体からフッ化水素を分離して回収する工程である。また、前記気体から回収したフッ化水素は、再び蒸発および冷却を行い液化することで、濃度を高めることができる。
第3工程の目的が達成できれば具体的な手段は制限されないが、第3工程では、下記(i)および(ii)を行い、任意的に(iii)を行うことが好ましい。
(ii)80質量%以上の硫酸に前記フッ化水素を吸収させて吸収液を得る。この工程では、HFとSiF4との混合ガスに80質量%以上の硫酸を添加し、硫酸にHFを吸収させて吸収液を調製し、混合ガスから HFを選択的に回収する。
(iii)前記吸収液を100℃以上に加熱し、フッ化水素を揮発させて、フッ化水素を回収する。この工程では、揮発したフッ化水素を冷却して液化して回収することが好ましい。
(1)含有率の測定方法
(1-1)F含有率分析
F含有率は、Thermo製フッ素イオン電極9409BNを(株)堀場製作所イオンメーターF-72に装着し、フッ素イオンメーター法にて測定した。
(1-2)Si含有率分析
Si含有率は、(株)日立ハイテクノロジーズ製偏光ゼーマン原子吸光光度計ZA3300を用いて、原子吸光法にて測定した。
(1-3)H2SO4分析
SO4 2-を、日本ダイオネクス株式会社製イオンクロマトグラフィーICS-1600にカラムAS18を装着し、溶離液はKOHを使用し、イオンクロマトグラフィー法にて測定した。測定されたSO4 2-の含有量をもとに、H2SO4の含有量を計算した。
二水石膏の化合水は、JIS R 9101(1995)に準拠して測定した。加熱温度は250℃とした。
―第1工程―
攪拌機およびジャケット付の12Lフッ素樹脂ライニング反応器に、一般化学産業で得られた人工蛍石B(乾燥品、CaF2含量:85.0質量%、SiO2含量:2.4質量%)1,848gおよび水6,180gを加えてスラリー状にし、撹拌しながら60℃に加熱した。これに75質量%硫酸2,896gを30分間かけて滴下しながら、SiF4ガス1,654gを反応槽に吹き込んだ。この間反応温度が70℃を越えないように除熱を行った。硫酸の滴下が終了したのち熟成のため2時間攪拌を続けた。このスラリーをカートリッジフィルターでろ過して、固形分4,118gと、ろ液(水溶液A)8,440gとを回収した。固形分は二水石膏であり、メタノールで洗浄して、50℃で乾燥させた後の重量は、3,500gであった。ろ液(水溶液A)は、フッ化水素(HF)およびヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)を含んでいた。ヘキサフルオロケイ酸の濃度は27.6質量%であり、H2SO4の濃度は3.2質量%であった。また、モル比(F/Si)は、5.71であった。二水石膏の化合水は、19.5質量%であった。
温度計保護管2本(液温と気相の温度測定用)とガス出口を備えた1,000mlの フッ素樹脂製瓶(市販の瓶に溶接加工を行ったもの)に、第1工程で得たろ液1,055gを仕込み、液温が118℃に達するまで常圧で濃縮蒸留を行い、773gの濃縮液を得た。第1工程と第2工程を2回繰り返し、1,546gの濃縮液を得た。濃縮液(水溶液B)は ヘキサフルオロケイ酸37.6質量%、H2SO47.4質量%を含んでおり、モル比(F/Si)は7.01であった。
攪拌機と温度計を備えた2,000mlテフロン(登録商標)反応器をオイルバスに浸し、撹拌しながら120℃に保持した。これに、前記濃縮液(ヘキサフルオロケイ酸:37.6質量%モル比(F/Si):7.01、H2SO4:7.4質量%)928gと98質量%硫酸1,840gを、チューブポンプを用いて同時に滴下して、ヘキサフルオロケイ酸の脱水分解を開始した。濃縮液と濃硫酸はそれぞれがほぼ60分間で同時に滴下が終了するように調節した。滴下終了と同時に、後述の吸収瓶から排出されるSiF4ガスをエアーポンプにて戻して、30分間バブリングして反応液中のHFを追い出した。この間に揮発したガスを、各90gの98質量%硫酸を入れ、直列に接続した2本のフッ素樹脂製吸収瓶中で、バブリングさせて硫酸にHFを吸収させた。この吸収瓶は10℃に設定した冷水浴に浸して冷却していた。
2本の吸収瓶から硫酸吸収液309gを回収した。その組成は、H2SO4:55.3質量%、HF:36.4質量%、H2O:8.3質量%であった。
ここで発生したSiF4は、HF追い出し用に使用すると共に、別途、水スクラバーにて吸収させ、SiO2とヘキサフルオロケイ酸とを含有する水溶液を回収した。この水溶液のモル比(F/Si)は5であった。
第1工程~第3工程(i)、(ii)を2回繰り返し、618gの硫酸吸収液を得た。硫酸吸収液の組成は前述のとおりであった。
500mlの蒸発缶、冷水凝縮器(5℃)、および冷水浴(5℃)に浸した100mlの受器を備えたフッ素樹脂製の単蒸留装置を用いて、前記硫酸吸収液からのHF回収を行った。硫酸吸収液450gを蒸発缶に仕込み、加熱してHFを蒸発させ、蒸発したHFを冷水凝縮器にて凝縮させ、凝縮液を受器に貯めた。徐々に加熱を行い、ほぼ1時間かけて硫酸吸収液を120℃まで昇温し、さらに30分間この温度を維持した。放冷後、蒸発缶の残留液293gと凝縮液157gを回収した。蒸発缶の残留液には2.3質量%のHFが含まれていた。凝縮液の組成はHFが99質量%であった。
実施例1と同様にして、第1工程を行い、ろ液(水溶液A)8,440gを回収した。ろ液(水溶液A)は、フッ化水素(HF)およびヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)を含んでいた。ヘキサフルオロケイ酸の濃度は27.6質量%であり、H2SO4の濃度は3.2質量%であった。また、モル比(F/Si)は、5.71であった。
原料として、半導体産業で排出された人工蛍石A(乾燥品:CaF2含量:78.4質量%、SiO2:0.88質量%、CaSO4・2H2O:9.3質量%)と、濃硫酸を75質量%に希釈した硫酸と、SiO2源として市販の珪藻土とを使用して、第1工程を実施した。
人工蛍石A 99.6g(CaF2として1.0モル)と、SiO2として合計0.33モルを含む珪藻土を秤量し、500mlフッ素樹脂製容器に入れ、水150gを加えてスラリー化し、撹拌しながら65℃に昇温した。次いで、H2SO4として1.3モルを含む75質量%H2SO4を分液ロートにて30分間かけて滴下した。
前記式(1)に従って反応は進行し、硫酸滴下終了後4時間で反応を止め、直ちにろ過を行い、ろ液(水溶液A)を得た。ろ過残渣は、水洗およびメタノール洗浄後、105℃で1時間乾燥させ、乾燥固形分を得た。
ろ過時におけるスラリーの滞留時間から、下記の評価基準に従って、ろ過性を評価した。なお、ろ過は、溶液が通過する部位の内径が4.5cmであるフィルターホルダーに、目開き1μmのメンブレンフィルターを設置したフィルター装置を用い、真空ポンプで吸引しつつ行った。
~評価基準~
A:スラリーの滞留時間が60秒以下であった。
B:スラリーの滞留時間が60秒を超え、90秒以下であった。
C:スラリーの滞留時間が90秒を超えていた。
得られた乾燥固形分から、前述の方法に従って、化合水量を測定した。
(3)分解率の測定
乾燥固形分の質量を秤量し、乾燥固形分の質量および原料として用いた人工蛍石の質量から、分解率を求めた。分解率は、次式で表される。
分解率(%)=[乾燥固形分の質量(g)/人工蛍石の質量(g)]×100
使用する原料のモル比率、反応温度および反応時間を表1に記載のとおり変更した以外は試験例1と同様にして、第1工程を実施した。ろ過性、化合水、分解率の評価結果を表1に示す。
(反応温度について)
「試験例1~4」、「試験例9、10」では、それぞれ反応温度以外の条件は同じで、反応温度のみを変化させている。表1に示す結果より、反応温度が高いほどCaF2分解率は向上することがわかる。一方、反応温度が高くなると化合水の量が下がり、80℃を超えると半水石膏、90℃を超えると無水石膏が生成し、ろ過性が低下することがわかる。以上より、第1工程における反応温度は、80℃以下が好ましく、50~70℃がより好ましいことが分かる。
SiO2を添加せず、SiO2として人工蛍石由来の0.014molのSiO2のみを使用した試験例15では、CaF2の分解率が30%以下であるのに対し、SiO2を添加した他の試験例はすべてCaF2の分解率は70%以上であった。
SiO2の添加量のみが異なる「試験例7、8」の比較、「試験例9、11、12」の比較から、試験例7および9のSiO2の添加量0.33モルの場合が最も分解率が高く、SiO2の添加量が0.33モルより少なくても多くても分解率が低下することが分かる。
また、「試験例9,11,12」の比較から、SiO2が多すぎると、ろ過性が低下することが分かる。これは、未反応の微細なSiO2がスラリー中に残るためであると考えられる。
CaF2に対する硫酸の量(モル比)を大きくすると、CaF2の分解率は高くなったが、ろ液中に残留する硫酸量が増加し、次の第2工程でSiF4とHFが揮発し易くなった。SiO2の存在下では当量の硫酸でも分解率は85%を越え、1.05倍等量で90~94%、2倍等量でも96.2%であった。
試験例9および13の結果より、反応時の滞留時間(H2SO4滴下後の反応時間)を長くすると、分解率が向上し、石膏結晶が大きくなる傾向にあったが、試験例6および7のように、反応時の滞留時間が2時間を超えると差が見られなくなった。そのため、滞留時間は2~4時間で十分であることがわかった。
1Lのフッ素樹脂製減圧蒸留装置を用い、実施例1の第1工程で得たろ液(ヘキサフルオロケイ酸:27.6質量%、モル比(F/Si):5.71、H2SO4:3.2質量%)910gを仕込み、15kPa絶対圧下で濃縮蒸留を行った。缶残の温度が75℃に達するまで蒸留を行った結果、缶残として402gの濃縮液を得、その組成はヘキサフルオロケイ酸:38.5質量%、モル比(F/Si):7.03、H2SO4:7.2質量%であった。
実施例1において、第3工程(i)のバブリング操作を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、第3工程(i)および(ii)を行った。
回収した硫酸吸収液の組成は、2.2質量%のHFを含有する約75質量%H2SO4溶液であった。
Claims (10)
- アルカリ金属フッ化物およびアルカリ土類金属フッ化物から選ばれる少なくとも一つの化合物と、無機酸と、Si元素含有化合物と、を含む混合物を反応させて、フッ化水素およびヘキサフルオロケイ酸を含む水溶液Aと、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一つの化合物とを得る第1工程と、
前記水溶液Aを濃縮して、フッ化水素およびヘキサフルオロケイ酸を含む濃縮液である水溶液Bを得る第2工程と、
前記水溶液Bに硫酸として75質量%以上の濃硫酸または発煙硫酸を付与して四フッ化ケイ素およびフッ化水素を含む気体を発生させ、前記気体からフッ化水素を分離して回収する第3工程と、を含み、
前記Si元素含有化合物が、四フッ化ケイ素およびシリカからなる群より選ばれる少なくとも1種である、フッ化水素の製造方法。 - 前記アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも一つの化合物が、化合水の比率が19質量%以上である二水石膏である、請求項1に記載のフッ化水素の製造方法。
- 前記第1工程は、無機酸の濃度が40質量%以下であり、かつ、温度90℃以下の条件で行う、請求項1または請求項2に記載のフッ化水素の製造方法。
- 前記アルカリ金属フッ化物およびアルカリ土類金属フッ化物から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む原料として、乾燥重量としてフッ化カルシウムを60質量%以上含む人工蛍石を用いる、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のフッ化水素の製造方法。
- アルカリ金属フッ化物およびアルカリ土類金属フッ化物から選ばれる少なくとも一つの化合物1モルに対し、無機酸1.0~1.5モル、Si元素含有化合物0.2~1.0モルを使用する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のフッ化水素の製造方法。
- 前記水溶液Bにおけるヘキサフルオロケイ酸の含有率が、水溶液Bの全質量に対して35質量%以上であり、かつ、前記水溶液BにおけるF元素とSi元素とのモル比(F/Si)が6.0以上である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のフッ化水素の製造方法。
- 前記第3工程は、前記水溶液Bに75質量%以上の濃硫酸または発煙硫酸を加えて脱水分解を行い、四フッ化ケイ素およびフッ化水素を含む気体を発生させ、
80質量%以上の硫酸に前記フッ化水素を吸収させて吸収液を得て、
前記吸収液を100℃以上に加温して、フッ化水素を揮発させて、フッ化水素を回収する、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のフッ化水素の製造方法。 - 前記第3工程において生成したフッ化水素を分離して回収した後に得られる無機酸水溶液を、第1工程における無機酸水溶液の少なくとも一部として用いる、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のフッ化水素の製造方法。
- 前記第3工程において生成したフッ化水素を分離して回収した後に得られる無機酸水溶液を、濃度を高め、第3工程で再利用する、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のフッ化水素の製造方法。
- 前記第3工程において、フッ化水素を生成する際に副生する四フッ化ケイ素を回収し、当該四フッ化ケイ素および当該四フッ化ケイ素と水との反応物の少なくとも一方を、前記第1工程におけるSi元素含有化合物の少なくとも一部として、または、前記第3工程において前記水溶液Bに添加して用いる、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のフッ化水素の製造方法。
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