JP7302450B2 - 設計支援装置及び設計支援プログラム - Google Patents

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本発明は、建物に関する設計を支援する設計支援装置、及びそのような設計支援装置を実現するための設計支援プログラムに関する。
建物の設計をコンピュータで支援するCAD(Computer Aided Design )システムが普及している。CADシステムでは設計を支援する様々な方法が提案されている。例えば、特許文献1では、住宅の間取りや各部屋を囲む壁の配置に基づいて、耐力壁を自動的に配置することで、設計を支援する設計支援装置が提案されている。
特開平8-22479号公報
建物の設計に際しては、意匠性の向上等の目的のため、壁の仕上げ面を前に出す壁ふかしを行う場合がある。例えば、前述の特許文献では、耐力壁の配置という壁に対する設計の支援を行っているが、壁ふかしについての観点が備わっていない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、壁に対するふかし量を決定することが可能な設計支援装置の提供を主たる目的とする。
また、本発明は、本発明に係る設計支援装置を実現するための設計支援プログラムの提供を更に他の目的とする。
上記課題を解決するために本願記載の設計支援装置は、建物の設計を支援する設計支援装置であって、建物に配置される柱の位置及び種類を取得する柱取得手段と、前記柱取得手段が取得した柱の位置及び種類に基づいて、取得した柱の位置を含む直線上に配置された壁に対するふかし量を決定する決定手段とを備えることを特徴とする。
また、前記設計支援装置において、建物内の領域の指定及び指定された領域の用途の指定を取得する用途取得手段を備え、前記決定手段は、柱の位置及び種類、並びに指定された領域の用途に基づいて、指定された領域内の壁に対するふかし量を決定することを特徴とする。
また、前記設計支援装置において、建物に配置される壁の位置及び種類を取得する壁取得手段を備え、前記決定手段は、柱の位置及び種類、並びにふかしの対象となる位置に配置される壁の種類に基づいて、壁に対するふかし量を決定することを特徴とする。
また、前記設計支援装置において、ふかし量の決定の対象となる壁に面する空間の種類を取得する空間取得手段を備え、前記決定手段は、前記空間取得手段が取得した空間の種類が居住空間ではない非居住空間である場合、非居住空間に面する側をふかさないと決定することを特徴とする。
また、前記設計支援装置において、前記決定手段は、ふかし量の決定の対象となる壁が配置された直線上に、複数の柱が位置する場合、決定の候補となるふかし量の最大値をふかし量として決定することを特徴とする。
また、前記設計支援装置において、前記柱の種類は、断面形状が略正方形状をなす支持柱、断面形状がH字状をなすラーメン柱及び断面形状がH字を横方向に重畳した形状をなすラーメン柱のうちから選択されることを特徴とする。
更に、本願記載の設計支援プログラムは、建物の設計を支援するコンピュータにて実行される設計支援プログラムであって、コンピュータに、建物に配置される柱の位置及び種類を取得するステップと、取得した柱の位置及び種類に基づいて、取得した柱の位置を含む直線上に配置された壁に対するふかし量を決定するステップとを実行させることを特徴とする。
従って、本願記載の設計支援装置及び設計支援プログラムは、壁に対するふかし量を決定することが可能である。
本発明では、建物に配置される柱の位置及び種類に基づいて、壁のふかし量を決定する。これにより、建物の設計を支援することが可能である等、優れた効果を奏する。
本願記載の設計支援装置を用いたシステム構成の一例を示す説明図である。 本願記載の設計支援装置の構成例を概念的に示すブロック図である。 本願記載の設計支援システムにて用いられる構造情報データベースの記録内容の一部の例を概念的に示す説明図である。 本願記載の設計支援システムにて用いられる構造情報データベースの記録内容の一部の例を概念的に示す説明図である。 本願記載の設計支援システムにて用いられる構造情報データベースの記録内容の一部の例を概念的に示す説明図である。 本願記載の設計支援システムにて用いられる構造情報データベースの記録内容の一部の例を概念的に示す説明図である。 本願記載の設計支援装置の壁ふかし処理の一例を示すフローチャートである。 本願記載の設計支援装置が備える表示部に表示される画像の一部の例を示す説明図である。 本願記載の設計支援装置が備える表示部に表示される画像の一部の例を示す説明図である。 本願記載の設計支援装置が備える表示部に表示される画像の一部の例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について詳述する。なお、以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術範囲を限定する性格のものではない。
<システム構成>
図1は、本願記載の設計支援装置1を用いたシステム構成の一例を示す説明図である。本願記載の設計支援システムは、住宅等の建物に関する伏図等の図面を作成及び表示するCAD(Computer Aided Design )システム等のシステムを実行可能な設計支援装置1を備えるシステムである。本願では、設計支援装置1の実施形態の例として、CADシステムを用いた建物の設計に際し、壁ふかし処理を自動化する形態について説明する。本願で説明する壁ふかしとは、意匠性の向上等の目的のため、壁の仕上げ面を前方へ出す作業及び仕上げ状態を示している。本願に記載の設計支援装置1は、壁ふかしの設計に際し、前方へ出す壁の厚みを示すふかし量を決定し、決定したふかし量を伏図等の図面に示す処理を自動的に実行する。
設計支援装置1は、CAD設計システムを搭載したデスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のコンピュータを用いて構成されている。設計支援装置1は、インターネット、WAN(Wide Area Network )、LAN(Local Area Network)、専用通信網等の通信網NWに接続されている。設計支援装置1は、図面作成用のCADシステムとして、建物の意匠設計の担当者に使用される。
通信網NWには、CADシステムの基幹システムを構成する基幹装置2が接続されている。更に、通信網NWには、建物に関する構造計算を行う構造設計部門で使用される構造設計支援装置3、管理部門で使用される管理支援装置4、工場等の生産部門で使用される生産支援装置5等の各種装置が接続されている。
基幹装置2は、サーバコンピュータとして用いられる汎用コンピュータ等のコンピュータを用いて構成されている。基幹装置2は、CAD情報データベースDB1、構造情報データベースDB2、管理情報データベースDB3等の各種データベースを記録又は通信可能に接続している。
CAD情報データベースDB1は、各建物の構造を示すCADデータが記録されているデータベースである。構造情報データベースDB2は、CADデータに基づいて、ふかし量の決定、構造計算等の処理をするための設定事項、規格、数式等の各種データ、及び後述する各種マスタテーブルが記録されているデータベースである。管理情報データベースDB3は、顧客管理、施工管理、物流管理、営業管理等の各種管理事項に関する情報が記録されているデータベースである。
設計支援装置1等の各種装置は、通信網NWを介して基幹装置2にアクセスし、各種データベースに記録されている情報を読み取り、また情報の書き込みを行うことができる。
<設計支援装置1のハードウェア構成>
次に、設計支援システムにて用いられる設計支援装置1の構成例について説明する。図2は、本願記載の設計支援装置1の構成例を概念的に示すブロック図である。設計支援装置1は、制御部10、記録部11、記憶部12、入力部13、表示部14、通信部15等の各種構成を備えている。
制御部10は、情報処理回路、計時回路、レジスタ回路等の各種回路を備え、装置全体を制御する処理を実行するCPU(Central Processing Unit )等のプロセッサである。
記録部11は、ハードディスク、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks )、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、及び各種RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを用いて構成される回路であり、様々な情報を記録している。記録部11には、基本プログラム(OS:Operating System)、基本プログラム上で動作する応用プログラム(アプリケーションプログラム)等のプログラムを記録している。応用プログラムとしては、CADシステムを実現するためのCADプログラム110、本願記載の設計支援装置1を実現するための設計支援プログラム111等の各種プログラムが記録されている。
また、記録部11の記録領域の一部は、CAD情報データベース112、構造情報データベース113、管理情報データベース114等の各種データベースとして用いられる。CAD情報データベース112、構造情報データベース113、管理情報データベース114等の各種データベースの記録内容は、通信網NWに接続されている同名のデータベースと実質的に同様又はその一部を抽出したローカル用のデータベースである。
例えば、構造情報データベース113には、基幹装置2を介して通信網NWに接続されている構造情報データベースDB2と同様に、CADデータに基づいて構造計算をするための規格、基準値、数式、設定事項等の各種データ、及び後述する各種マスタテーブルが記録されている。
記憶部12は、揮発性メモリを用いて構成される回路であり、各種プログラムの実行に際して発生するデータを一時的に記憶する。なお、便宜上、記録部11及び記憶部12を異なる回路として示しているが、一の回路で構成しても良く、また相互にその機能を補完することも可能である。
入力部13は、キーボード、マウス、タッチパネル、デジタイザ等のデバイスである。表示部14は、液晶ディスプレイ等のデバイスである。なお、入力部13及び表示部14を、例えば、薄板状をなす液晶ディスプレイ及びタッチパネルを積層した液晶タッチパネルとして備えるようにしてもよい。
通信部15は、LANアダプタ、アンテナ及び制御回路等のデバイスであり、有線通信又は無線通信にて通信網NWに接続し、各種データベースを含む各種装置と通信する。
以上例示した様々な構成を備えるコンピュータは、制御部10の制御により、記録部11に記録されているCADプログラム110、設計支援プログラム111等の各種プログラムを読み取り、適宜、記憶部12に各種情報を記憶させ、各種手順を実行することにより、設計支援装置1として動作する。
なお、各種データベースへのアクセスについては、制御部10及び通信部15をアクセス手段として、通信網NWを介して接続されている基幹装置2が備える各種データベースにアクセスしてもよく、制御部10をアクセス手段として、記録部11に記録されているローカルの各種データベースにアクセスしてもよい。後述する設計支援装置1の処理では、記録部11に記録されているローカルの各種データベースにアクセスする形態を例示して説明する。
図3は、本願記載の設計支援システムにて用いられる構造情報データベースDB2(113)の記録内容の一部の例を概念的に示す説明図である。図3は、構造情報データベースDB2に記録されている基準ふかし量マスタテーブルの一例を示している。図3に例示する基準ふかし量マスタテーブルには、建物工法、対象部材、最低壁厚、その他条件等の様々な条件を示す項目に対応付けて、ふかし量の基準となる基準ふかし量が記録されている。
建物工法としては、「NB」、「NBダイン」、「SW」、「β」等の工法若しくは工法に関する識別名称を示す情報、又は全ての工法に共通することを示す情報として「全」が記録されている。対象部材としては、「内障子」、「消化器ボックス」、「玄関ドア」、「防音内窓」、「ラーメン柱」、「支持柱」等の部材を示す情報が記録されている。最低壁厚には、壁ふかしを行う対象となる壁に要求される厚みの最低値を示す数値が記録されている。例えば、最低壁厚が「102.5」の場合、壁厚が102.5mm以上の壁に対してのみ壁ふかしが行われる。その他の条件としては、「和室障子枠」、「外壁部のみ」、「浴室以外」等の様々な条件を示す情報が記録されている。「基準ふかし量」の項目には、様々な条件を示す項目に対応するふかし量を示す数値が、ミリメートル単位で記録されている。図3に例示する基準ふかし量マスタテーブルを参照すれば、対象部材が「内障子」で「和室障子枠」に対応する壁に対する基準ふかし量は、30mmであることが示されている。また、「NB」工法で、「外周二重構造壁」の「外壁」に対しては、壁厚が102.5mm以上である場合に、基準ふかし量が30mmであることが示されている。なお、β工法のラーメン柱、支持柱、制震柱等の柱に対する基準ふかし量に対しては、後述する第1柱ふかし量マスタテーブル、第2柱ふかし量マスタテーブル及び第3柱ふかし量マスタテーブルが用いられる。
図4乃至図6は、本願記載の設計支援システムにて用いられる構造情報データベースDB2の記録内容の一部の例を概念的に示す説明図である。図4乃至図6は、それぞれ第1柱ふかし量マスタテーブル、第2柱ふかし量マスタテーブル及び第3柱ふかし量マスタテーブルを示している。図4乃至図6に例示した第1乃至第3柱ふかし量マスタテーブルは、構造情報データベースDB2に設定事項として記録されており、建物に配置される壁及び柱の種類に基づいて決定される基準ふかし量を示したテーブルである。第1柱ふかし量マスタテーブルは、ふかし量の決定の対象となる領域の用途が賃貸である場合に参照されるテーブルである。第2柱ふかし量マスタテーブルは、領域の用途が戸建てある場合に参照されるテーブルである。第3柱ふかし量マスタテーブルは、建物の外周として配置された壁のふかし量を決定する場合に参照されるテーブルである。
図4に例示する第1柱ふかし量マスタテーブルには、建物に配置される壁及び柱の種類に対応付けて、基準ふかし量が示されている。壁の種類は、「耐火仕様」及び「間仕切り石膏ボード厚」を基準に分類されている。例えば、耐火仕様としては、「耐火」、「1時間準耐火」、「準耐火」等の種類があり、間仕切り石膏ボード厚としては、「9.5」、「12.5」等のミリメートル単位で規定された種類がある。なお、壁の耐火仕様が「耐火」である場合、石膏ボード厚は考慮されない。
柱の種類としては、「支持柱(□57)」、「支持柱(□75)」、「H形鋼ラーメン柱」、「H形鋼ラーメン柱端部」、「WH形鋼ラーメン柱」、「WH形鋼ラーメン柱端部」、「制震柱」、「制震柱端部」等の種類がある。支持柱は、略正方形状をなす断面の1辺の長さ、例えば、「57mm角」等の種類に区分される。ラーメン柱は、鋼材の断面形状及び壁との位置関係により種類が区分される。柱の種類として示されたH形鋼ラーメン柱とは、断面が略H字状をなすH形鋼を用い、ふかしの対象となる壁の面が、鋼材の断面の長手方向(H字の横棒方向)に平行に配置されていることを示している。柱の種類として示されたH形鋼ラーメン柱端部とは、ふかしの対象となる壁の面に対して、鋼材の断面の長手方向が直角をなすように、鋼材の断面の端部(H字の縦棒部分)が当接又は埋め込まれる状態で配置されていることを示している。例えば、T字状に組まれた壁において、H形鋼を用いたラーメン柱の端部がT字の交点に位置し、T字の縦棒に沿って当該ラーメン柱の断面の長手方向が位置するように配置された場合、「H形鋼ラーメン柱端部」として対応付けられたふかし量が適用される。柱の種類として示されたWH形鋼ラーメン柱とは、ラーメン柱として、特許第6382363号公報に記載されているように2つのH形鋼を長手方向に組み合わせた断面形状をなすWH形鋼を用いていることを示している。「WH形鋼ラーメン柱」と「WH形鋼ラーメン柱端部」との違いは、ラーメン柱の断面の長手方向とふかしの対象となる壁の面方向との配置関係である。柱の種類として示された制震柱とは、耐震又は免震性能を向上させることを目的とした柱を示している。「制震柱」と「制震柱端部」との違いは、制震柱の断面の長手方向とふかしの対象となる壁の面方向との配置関係である。
基準ふかし量は、「両側60ふかし」、「30ふかし」、「ふかしなし」等の設計内容に決定される。「両側60ふかし」とは、壁の両面に対し、ふかし量が60mmの壁ふかしを行うことを示している。「30ふかし」は、ラーメン柱端部側に配置される壁に対し、ラーメン柱が配置されている側の面に対して、30mmの壁ふかしを行うことを示している。ふかしなしは、壁ふかしを行わないことを示している。なお、耐火仕様が1時間準耐火である建物に対し、制震柱は使用できないため、耐火仕様に対する制震柱及び制震柱端部に対して基準ふかし量は設定されていない。
図5に例示する第2柱ふかし量マスタテーブルには、建物に配置される壁及び柱の種類に対応付けて、基準ふかし量が示されている。第2柱ふかし量マスタテーブルに記載された壁及び柱の種類は、第1柱ふかし量マスタテーブルと同様であり、戸建てに応じた基準ふかし量が設定されている。なお、耐火仕様が1時間準耐火である建物に対し、制震柱は使用できないため、耐火仕様に対する制震柱及び制震柱端部に対して基準ふかし量は設定されていない。
図6に例示する第3柱ふかし量マスタテーブルには、建物に配置される壁及び柱の種類に対応付けて基準ふかし量が示されている。第3ふかし量マスタテーブルは、建物の外周として配置された壁のふかし量を決定する場合に参照されるテーブルであり、基準ふかし量の決定に際しては、断面が正方形である支持柱又は断面の長手方向が壁の面方向となる柱が考慮される。従って、H形鋼ラーメン柱端部、WH形鋼ラーメン柱端部、制震柱端部等の柱端部に対する基準ふかし量は設定されていない。
<装置のソフトウェア処理>
図7は、本願記載の設計支援装置1の壁ふかし処理の一例を示すフローチャートである。壁ふかし処理は、CADシステムによる建物の設計中に、建物に配置された壁に対するふかし量を自動的に決定し、決定したふかし量となるようにCADデータを変更する処理である。例えば、意匠設計の担当者が、建物の間取り等の意匠を設計する。構造計算部門では、意匠設計の担当者にて設計された建物に対して、構造計算を行い、建物強度を担保するために必要な柱等の部材を配置する構造設計を行う。更に、意匠設計の担当者が、配置された柱等の部材の配置に応じて、壁のふかし量を決定し、決定したふかし量に応じて壁の仕上げ面を変更する作業を行う。このようなCADデータに対する壁ふかし処理を行う場合、壁ふかし処理を実行することにより、設計支援装置1は、以下に示すふかし量の決定及びCADデータの変更を自動で実行する。
設計支援装置1が備える制御部10は、CADプログラム110、設計支援プログラム111等の各種プログラムを実行することにより、壁ふかし処理を実行する。設計支援装置1が備える制御部10は、CAD処理を実行する(ステップS1)。ステップS1のCAD処理とは、CADシステムによる設計支援処理を示している。CAD処理では、CAD情報データベース112にアクセスし、施主IDに対応付けて記録されているCADデータ、予め記録されている基本プランとなるCADデータ等のCADデータを抽出し、適宜、内容の追加、削除及び変更を行うことにより行われる。
図8は、本願記載の設計支援装置1が備える表示部14に表示される画像の一部の例を示す説明図である。図8は、ステップS1のCAD処理中に表示される画像の一例を示しており、CADデータに基づく建物の図面が表示されている。図8は、意匠設計の担当者が設計中の建物の伏図を例示している。図8に例示するように表示部14に表示された伏図には、壁、扉の他、コンセント、流し台、トイレ等の部材の配置位置が示されている。意匠設計の担当者は、図8に例示するような伏図を確認しながら、建物の間取り等の意匠を設計する。
図7のフローチャートに戻り、制御部10は、建物に配置される壁の位置及び壁の種類を取得する(ステップS2)。ステップS2は、例えば、図8に例示した伏図を表示する過程で行われる処理であり、設計支援装置1は、入力部13からの担当者による入力の受け付け、CAD情報データベース112からの読み取り等の方法により、配置されている壁の位置及び壁の種類を取得する。壁の位置は、図面上の座標の他、建物の外周となる壁等の情報も含んでいる。壁の種類は、例えば、基準ふかし量マスタテーブルに記録されている工法、和室障子枠、内障子、壁厚等の情報を含んでいる。
制御部10は、建物に配置されている柱の位置及び柱の種類を取得する(ステップS3)。ステップS3で取得する柱の位置及び柱の種類とは、例えば、建物の意匠設計の担当者が設計した間取りに基づいて、構造計算部門にて、配置すべき柱の位置及び種類を決定したものである。構造計算部門で計算された結果となる柱の位置及び種類を示す情報は、構造設計支援装置3の処理により、CAD情報データベース112に記録されているCAD情報に対応付けて記録される。従って、ステップS3における柱の位置及び柱の種類を取得する処理として、CAD情報データベース112から構造設計支援装置3にて記録された情報を読み取る場合、必ずしも建物の意匠の設計からの一連の処理として行う必要はない。なお、柱の位置及び柱の種類を取得する処理は、意匠設計の担当者が入力部13から入力するようにしてもよく、また、別途、柱の自動配置処理を実行するようにしてもよい。
図9は、本願記載の設計支援装置1が備える表示部14に表示される画像の一部の例を示す説明図である。図9は、ステップS3にて柱の位置及び柱の種類を取得して、CAD処理中の画像に反映させた際に表示される画像の一例を示している。図9では、図8にて例示したCADデータに基づく建物の伏図に対し、柱を配置すべき位置に、柱の種類を示す記号が示されている。図9中では、配置された柱を、破線で示す円にて囲うことで示している。図9に例示するように、支持柱、H形鋼ラーメン柱、WH形鋼ラーメン柱等の柱が伏図に示される。
図7のフローチャートに戻り、制御部10は、建物内の領域の指定及び指定された領域の用途の指定を取得する(ステップS4)。ステップS4は、例えば、建物の意匠を設計している過程で行われる処理であり、設計支援装置1は、入力部13からの担当者による入力の受け付け、CAD情報データベース112からの読み取り等の方法により、建物内の領域の指定及び指定された領域の用途の指定を取得する。用途とは、第1柱ふかし量マスタテーブル及び第2柱ふかし量マスタテーブルに記載されている賃貸、戸建て等の用途である。本願記載の設計支援装置1では、建物内において、例えば、部屋毎に異なる用途を指定することが可能である。部屋毎に異なる用途を指定する場合、ステップS4において、領域の指定及び指定された領域の用途の指定が必要となる。なお、建物全体を一つの用途とする場合、領域の指定を省略することも可能である。
制御部10は、建物内の空間の種類を取得する(ステップS5)。ステップS5で取得する空間の種類とは、基準ふかし量マスタテーブルに示された浴室、和室、玄関等の居住空間を示す情報、及びCADデータから読み取れるパイプスペース等の居住空間以外の非居住空間を示す情報である。設計支援装置1は、処理中のCADデータからの自動判断、入力部13からの担当者による入力の受け付け、CAD情報データベース112からの読み取り等の方法により、伏図内の空間の種類を取得する。
制御部10は、マスタテーブルの記録内容を読み取る(ステップS6)。ステップS6では、構造情報データベース113に記録されている基準ふかし量マスタテーブル、第1柱ふかし量マスタテーブル、第2柱ふかし量マスタテーブル、第3柱ふかし量マスタテーブル等のマスタテーブルの記録内容を読み取る。
制御部10は、CADデータから読み取った各種部材の配置、取得した壁位置及び種類、柱位置及び種類、領域及び用途、空間種類等の情報、並びに読み取ったマスタテーブルの記録内容に基づいて、壁に対するふかし量を決定する(ステップS7)。ステップS7では、壁に対するふかし量として、取得した柱の位置を含む直線上に配置された壁に対するふかし量を決定する。
ふかし量は、基準ふかし量マスタテーブルに基づいて、基準ふかし量が決定される。配置された柱の位置を含む直線上に配置された壁に対しては、第1柱ふかし量マスタテーブル、第2柱ふかし量マスタテーブル又は第3ふかし量マスタテーブルに基づいて基準ふかし量が決定される。また、一の壁に対して、複数の部材が配置されており、それぞれ異なる基準ふかし量が決定された場合、決定されたふかし量の最大値が採用されてふかし量が決定される。
一例として、消化器ボックスが配置された浴室以外の壁は、基準ふかし量マスタテーブルの記録内容に基づいて、基準ふかし量が120mmに決定される。他の例として、賃貸領域で耐火仕様の壁で、H形鋼ラーメン柱が配置されている場合、第1柱ふかし量マスタテーブルの記録内容に基づいて、両側30ふかしに決定される。更に他の例として、賃貸領域で耐火仕様の壁に、WH形鋼ラーメン柱が配置されており、かつその壁に他のH形鋼ラーメン柱が端部でT字に直交している場合、第1柱ふかし量マスタテーブルの記録内容に基づいて、WH形鋼ラーメン柱の両側60ふかしと、H形鋼ラーメン柱端部の30ふかしとが抽出されるが、最大値である60ふかしに決定される。同様にして、建物の外周となる壁に対しては、第3柱ふかし量マスタテーブルの記録内容に基づいてふかし量が決定される。
ステップS7において、空間種類がパイプスペース等の非居住空間である場合、マスタテーブルの内容に関係なく、ふかしなしに決定される。例えば、両側30ふかしとすべき壁であっても、壁の一面側が居住空間で、他面側が非居住空間の場合、非居住空間に面する側はふかさないことになる。ここでいう非居住空間とは、建物内での非居住空間を示し、建物外の空間は、居住空間ではないが、非居住空間としては扱わず、壁自体を外周に位置する壁とし、第3柱ふかし量マスタテーブルの記録内容に基づいてふかし量を決定する。
制御部10は、ステップS7にて決定したふかし量に基づいて、図面を変更し、変更した図面を表示部14に表示する(ステップS8)。
図10は、本願記載の設計支援装置1が備える表示部14に表示される画像の一部の例を示す説明図である。図10は、ステップS8にて表示される画像の一例を示している。図10は、図9にて例示した柱の位置及び種類が表示された建物の伏図に対し、ふかし量を示す記号及び数値が示されている。図10では、ふかし量を示す「30」、「35.5」等の情報を、破線で示す円にて囲うことで示している。図10に例示するように、ステップS7にて決定されたふかし量が伏図に示される。また、拡大率に応じて、伏図に表示された壁を示す線分の追加、削除、移動等の処理が行われる。決定されたふかし量は、他の情報と共にCADデータとしてCAD情報データベース112に記録される。
以上詳述した如く、本願記載の設計支援装置1等は、建物の用途、工法、部材、柱等の様々な条件に基づいて、配置された壁に対するふかし量を決定する。従って、構造計算に基づいて柱を配置した場合等のように、建物の設計に関する条件に変更があった場合、自動的に壁に対するふかし量が決定されるので、担当者の利便性及び作業性を向上させることが可能である等、優れた効果を奏する。例えば、担当者が、設計に際し、柱の位置の変更等の作業を行った場合、変更後の設計内容に応じたふかし量が自動的に決定される。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形態で実施することが可能である。そのため、かかる実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
例えば、前記実施形態では、意匠設計の担当者が、設計支援装置1を操作する形態を示したが、本発明はこれに限らず、構造計算部門の担当者が、設計支援装置1を操作し、構造計算に基づいて柱を配置した後、配置した柱に基づいて自動的に壁ふかし量を決定する形態に適用することも可能である。
また、例えば、前記実施形態では、ふかし量マスタテーブルを用いてふかし量を決定する形態を示したが、配置された柱に基づいて壁のふかし量が決定されているのであれば、テーブル以外の方法、例えば、計算式を用いてふかし量を決定するようにする等、様々な形態に展開することが可能である。
更に、前記実施形態では、ふかし量の決定に用いられる条件を幾つか示したが、これらはあくまでも一例であり、これらの条件を追加又は削除することが可能である。
更に、前記実施形態では、設計支援装置1を使用者が直接操作する形態を示したが、本発明はこれに限らず、設計支援装置1を通信網NW上のウェブサーバコンピュータとして設置し、担当者が操作する端末装置に対して設計支援装置1からウェブサービスを提供する形態等、様々な形態に展開することが可能である。
1 設計支援装置
10 制御部
11 記録部
110 CADプログラム
111 設計支援プログラム
112 CAD情報データベース(ローカル)
113 構造情報データベース(ローカル)
114 管理情報データベース(ローカル)
12 記憶部
13 入力部
14 表示部
15 通信部
2 基幹装置
DB1 CAD情報データベース
DB2 構造情報データベース
DB3 管理情報データベース
3 構造設計支援装置
4 管理支援装置
5 生産支援装置
NW 通信網

Claims (7)

  1. 建物の設計を支援する設計支援装置であって、
    建物に配置される柱の位置及び種類を取得する柱取得手段と、
    前記柱取得手段が取得した柱の位置及び種類に基づいて、取得した柱の位置を含む直線上に配置された壁に対するふかし量を決定する決定手段と
    を備えることを特徴とする設計支援装置。
  2. 請求項1に記載の設計支援装置であって、
    建物内の領域の指定及び指定された領域の用途の指定を取得する用途取得手段を備え、
    前記決定手段は、柱の位置及び種類、並びに指定された領域の用途に基づいて、指定された領域内の壁に対するふかし量を決定する
    ことを特徴とする設計支援装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の設計支援装置であって、
    建物に配置される壁の位置及び種類を取得する壁取得手段を備え、
    前記決定手段は、柱の位置及び種類、並びにふかしの対象となる位置に配置される壁の種類に基づいて、壁に対するふかし量を決定する
    ことを特徴とする設計支援装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の設計支援装置であって、
    ふかし量の決定の対象となる壁に面する空間の種類を取得する空間取得手段を備え、
    前記決定手段は、前記空間取得手段が取得した空間の種類が居住空間ではない非居住空間である場合、非居住空間に面する側をふかさないと決定する
    ことを特徴とする設計支援装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の設計支援装置であって、
    前記決定手段は、ふかし量の決定の対象となる壁が配置された直線上に、複数の柱が位置する場合、決定の候補となるふかし量の最大値をふかし量として決定する
    ことを特徴とする設計支援装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の設計支援装置であって、
    前記柱の種類は、断面形状が略正方形状をなす支持柱、断面形状がH字状をなすラーメン柱及び断面形状がH字を横方向に重畳した形状をなすラーメン柱のうちから選択される
    ことを特徴とする設計支援装置。
  7. 建物の設計を支援するコンピュータにて実行される設計支援プログラムであって、
    コンピュータに、
    建物に配置される柱の位置及び種類を取得するステップと、
    取得した柱の位置及び種類に基づいて、取得した柱の位置を含む直線上に配置された壁に対するふかし量を決定するステップと
    を実行させることを特徴とする設計支援プログラム。
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