JP7302341B2 - 食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法 - Google Patents

食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法に関する。
から揚げ等の食肉加熱食品には、十分に加熱されて調理されたにもかかわらず、肉が生肉のような色味(赤色、ピンク色等)を呈しているという現象がしばしば見られる(以下、当該現象を「食肉の赤色呈色現象」という)。このような食肉の赤色呈色現象が発生した製品は、あたかも十分な加熱がなされていないように見えるため、消費者からのクレームの対象となることが少なくない。
食肉の赤色呈色現象は、食肉が高pHとなることによって発生することが知られている(特許文献1、2)。これは、食肉が高pHになると食肉に含まれるミオグロビンの酸化が抑制されることに起因するものである。
また食肉の赤色呈色現象のもう一つの原因として、亜硝酸に起因するものが知られている。亜硝酸に起因する赤色呈色現象は、亜硝酸を含む原材料が、食肉とあわせて使用され、当該亜硝酸由来の一酸化窒素が、食肉中のミオグロビンと結合して加熱されることで、ピンク色を呈するニトロソヘモクロムに変換されて発生するものである。
食肉の赤色呈色現象の対策として、食肉のpHを低下させることや、亜硝酸含量の高い原材料の使用を控えることが、従来、検討されている。しかし食肉のpHを低下させた場合、食肉のpHが等電点であるpH5に近づき、食肉の吸水率が低下することにより、調味液等が十分に食肉に吸水されなくなり、所望の味、風味を有する食肉加熱食品が得られなくなるという問題が生じる。また亜硝酸含量の高い原材料(例、生姜、卵白等)は、一般に、食肉加熱食品の風味改善(臭み消し等)や食感改善のために用いられているため、当該原材料を使用しなかったり、その使用量を低減したりした場合、所望の風味改善効果、食感改善効果が得られなくなる、又は低下するという問題がある。
特開2009-159825号公報 特開平7-213253号公報
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色を抑制するための新規方法を提供することにあり、特に、食肉のpHを低下させることや、亜硝酸を含有する原材料の使用を控えることなく、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色を抑制し得る方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有する水性液と、食肉加熱食品の原料肉とを接触させることにより、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色を効果的に抑制し得ることを見出し、かかる知見に基づいて更に研究を進めることによって本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有する水性液と、食肉加熱食品の原料肉とを接触させることを含む、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法。
[2]前記水性液と前記原料肉との接触により当該原料肉に浸透するグルコースオキシダーゼの量が、原料肉1g当たり0.18U以上である、[1]記載の抑制方法。
[3]前記水性液と前記原料肉との接触により当該原料肉に浸透するグルコースの量が、原料肉1g当たり0.007g以上である、[1]又は[2]記載の抑制方法。
[4]前記原料肉が、鶏肉である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の抑制方法。
[5]前記原料肉が、1個あたりの重量が5~1000gの食肉片である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の抑制方法。
[6]前記食肉加熱食品が、油ちょう加熱品又は蒸し加熱品である、[1]~[5]のいずれか一つに記載の抑制方法。
[7]グルコースオキシダーゼ及びグルコースを組み合わせてなる、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制用水性液。
[8]前記食肉加熱食品の原料肉に接触させるためのものであり、当該接触により原料肉に浸透するグルコースオキシダーゼの量が、原料肉1g当たり0.18U以上である、[7]記載の水性液。
[9]前記食肉加熱食品の原料肉に接触させるためのものであり、当該接触により原料肉に浸透するグルコースの量が、原料肉1g当たり0.007g以上である、[7]又は[8]記載の水性液。
[10]前記食肉加熱食品の原料肉が、鶏肉である、[7]~[9]のいずれか一つに記載の水性液。
[11]前記食肉加熱食品の原料肉が、1個あたりの重量が5~1000gの食肉片である、[7]~[10]のいずれか一つに記載の水性液。
[12]前記食肉加熱食品が、油ちょう加熱品又は蒸し加熱品である、[7]~[11]のいずれか一つに記載の水性液。
本発明によれば、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法を提供し得る。
また本発明によれば、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制に好適に用いられ得る水性液を提供し得る。
[食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法]
本発明の食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法(以下、単に「本発明の方法」と称する場合がある)は、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有する水性液(以下、便宜上「水性液A」と称する場合がある)と、食肉加熱食品の原料肉とを接触させることを含むことを、主たる特徴とする。
本発明において「食肉加熱食品」とは、原材料に食肉を含み、当該原材料が加工、調理され、最終的に喫食に適した状態となるまでに、必要に応じて加工、調理された原材料が加熱されることを少なくとも含む、食品をいう。食肉加熱食品の原材料(必要に応じて加工、調理されていてよい)の加熱方法は、食品分野において食肉を加熱するために通常用いられ得る方法であれば特に制限されないが、例えば、油ちょう加熱、蒸し加熱、焼成加熱、茹で加熱、マイクロ波加熱、過熱水蒸気加熱、熱風加熱等が挙げられ、好ましくは、油ちょう加熱、蒸し加熱、焼成加熱、茹で加熱、マイクロ波加熱、過熱水蒸気加熱及び熱風加熱からなる群より選択される少なくとも一つであり、より好ましくは、油ちょう加熱、蒸し加熱及び焼成加熱からなる群より選択される少なくとも一つであり、特に好ましくは、油ちょう加熱及び蒸し加熱からなる群より選択される少なくとも一つである。これらの加熱方法は、いずれか一種のみを用いてよく、又は二種以上を組み合わせる等して用いてもよい。例えば、食肉加熱食品の高品質化等を目的として、加熱を二段階で行うこと(例えば、二度揚げ等)ができ、また、二種以上の異なる加熱方法を組み合わせること(例えば、油ちょう加熱及び蒸し加熱の組み合わせ等)もできる。加熱温度及び加熱時間等の各種条件は、加熱方法、食肉加熱食品の種類、原料肉のサイズ等に応じて適宜設定すればよく特に制限されないが、一態様として、油ちょう加熱の場合、加熱温度は、好ましくは70~200℃であり、より好ましくは130~180℃である。この場合、加熱時間は、好ましくは0.5~10分間であり、より好ましくは1~5分間である。油ちょう加熱の前に、バッター付け、衣付け等を適宜行ってよい。他の一態様として、蒸し加熱の場合、加熱温度は、好ましくは80~100℃であり、より好ましくは90~100℃である。この場合、加熱時間は、好ましくは1~30分間であり、より好ましくは3~15分間である。
本発明において食肉加熱食品は、その加熱方法(例、油ちょう加熱、蒸し加熱、焼成加熱、茹で加熱、マイクロ波加熱、過熱水蒸気加熱、熱風加熱等)により、油ちょう加熱品、蒸し加熱品、焼成加熱品、茹で加熱品、マイクロ波加熱品、過熱水蒸気加熱品、熱風加熱品等に分類され得る。例えば、本発明における「油ちょう加熱品」は、原材料に食肉を含み、当該原材料が加工、調理され、最終的に喫食に適した状態となるまでに、必要に応じて加工、調理された原材料が油ちょう加熱されることを少なくとも含む、食品をいい、具体例としてはから揚げ、竜田揚げ、カツ、天ぷら等が挙げられるが、これらに制限されない。本発明における「蒸し加熱品」は、原材料に食肉を含み、当該原材料が加工、調理され、最終的に喫食に適した状態となるまでに、必要に応じて加工、調理された原材料が蒸し加熱されることを少なくとも含む、食品をいい、具体例としては蒸し鶏等が挙げられるが、これに制限されない。本発明における「焼成加熱品」は、原材料に食肉を含み、当該原材料が加工、調理され、最終的に喫食に適した状態となるまでに、必要に応じて加工、調理された原材料が焼成加熱されることを少なくとも含む、食品をいい、具体例としてはステーキ、ソテー、グリル、焼鳥等が挙げられるが、これらに制限されない。
本発明における食肉加熱食品は、食肉を含む原材料が、必要に応じて加工、調理された上で、加熱後に又は未加熱のまま、冷凍又は冷蔵されて提供されてよく、本発明における食肉加熱食品は、そのような冷凍品(冷凍食品等)及び冷蔵品(チルド食品等)をも包含する概念である。食肉を含む原材料が、必要に応じて加工された上で、未加熱のまま冷凍又は冷蔵された食品は、例えば、消費者が家庭において加熱すること等によって、喫食に適した状態となり得る。また本発明における食肉加熱食品には、レトルト処理されたレトルト品も包含される。
本発明において「原料肉」とは、食肉加熱食品の原材料の一つとして用いられる食肉をいう。本発明において用いられる原料肉の種類は、食肉加熱食品に通常用いられる鳥獣類の肉であれば特に制限されないが、例えば、鶏肉、鴨肉及びがちょう肉等の家禽肉;豚肉、牛肉、馬肉、めん羊肉、山羊肉及び家兎肉等の畜肉等が挙げられ、加熱後の赤色呈色が目立ちやすく、赤色を呈することが特に好まれない傾向があり、本発明が特に好適に用いられ得ることから、好ましくは家禽肉であり、より好ましくは鶏肉である。
本発明において用いられる原料肉の形態は、食品分野において通常用いられる形態であれば特に制限されず、固有の形状を有するもの(例えば、枝肉又は部分肉等から切り出された食肉等)であってよく、又は固有の形状を有しないもの(例えば、ミンチ状やペースト状の食肉等)であってもよい。本発明において固有の形状を有する形態の食肉を「食肉片」と称する場合があり、当該「食肉片」は、固有の形状を有しないミンチ状やペースト状の食肉(例、挽肉、骨肉分離肉(MDM)等)を含まない概念である。本発明は、複数の食肉片を結着させた結着肉(成形肉等とも称される)を原料肉として用いてもよい。
本発明において用いられる原料肉が食肉片である場合、食肉片1個あたりの重量は、食肉加熱食品の種類等に応じて適宜調整すればよく特に制限されないが、通常5~1000gであり、より均一に赤色呈色抑制効果を奏し得ることから、好ましくは、10~500gであり、より好ましくは15~100gである。
本発明において用いられる原料肉は、後述の水性液Aとの接触前は、実質的に非加熱であることが好ましい。本発明において、原料肉が「実質的に非加熱である」とは、(i)原料肉が全く加熱されていない場合、及び(ii)加熱されているが、該加熱により原料肉中のタンパク質が変性していない場合のいずれかであることを意味する。
本発明における食肉加熱食品の原材料は、食肉加熱食品の種類等に応じて、原料肉以外の原材料を含んでよい。原料肉以外の原材料は、本発明の目的を損なうものでなければ特に制限されず、本発明によれば、亜硝酸に起因する食肉の加熱後の赤色呈色を抑制し得ることから、当該原材料は、亜硝酸を含むもの(例、生姜、卵白等)であってよい。
本発明において、原料肉と接触させる水性液(水性液A)は、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有する。ここで「水性液」とは、溶液、懸濁液及び分散液等を包含する概念であり、水性液Aにおいてグルコースオキシダーゼ及びグルコースは溶解、分散、懸濁等していてよい。水性液Aの媒体は、食品の製造に使用し得るものであれば特に制限されないが、通常、水である。
本発明において用いられる「グルコースオキシダーゼ」(酵素番号EC1.1.3.4)は、グルコース、酸素、水を基質としてグルコン酸と過酸化水素を生成する反応を触媒する活性を有する酵素である。当該反応により生成された過酸化水素は、タンパク質中のSH基を酸化することでS-S結合(ジスルフィド結合)生成を促進し、タンパク質中に架橋構造を形成するものと推定している。グルコースオキシダーゼは、微生物由来、植物由来のものなど種々の起源のものが知られているが、本発明において用いられるグルコースオキシダーゼは、上述の活性を有すればその起源は特に制限されず、いかなる起源のグルコースオキシダーゼであっても使用でき、また組み換え酵素を使用してもよい。本発明において用いられるグルコースオキシダーゼは市販品であってもよく、具体例としては、新日本化学工業株式会社より「スミチームPGO」という商品名で市販されている微生物由来のグルコースオキシダーゼや、天野エンザイム株式会社製より「ハイデラーゼ15」という商品名で市販されているグルコースオキシダーゼ等が挙げられる。
本発明においてグルコースオキシダーゼの活性単位は、次のように測定され、かつ、定義される。
すなわち、グルコースを基質として、25℃、pH7において、酸素存在下でグルコースオキシダーゼを作用させることで過酸化水素を生成させ、生成した過酸化水素にアミノアンチピリン及びフェノール存在下でペルオキシダーゼを作用させることで生成したキノンイミン色素を波長500nmで測定し、1分間に1μmolのグルコースを酸化するのに必要な酵素量を1ユニット(1U)と定義する。
水性液Aにおけるグルコースオキシダーゼの含有量は、酵素反応時間を好適に設定し得ることから、水性液Aの調製に用いられるグルコース1g当たりの酵素活性が、好ましくは0.001U以上であり、より好ましくは0.01U以上であり、特に好ましくは0.1U以上であり、最も好ましくは1U以上である。また当該グルコースオキシダーゼの含有量は、原料肉と接触する前に水性液A中のグルコースが過度に消費されることを抑え得ることから、水性液Aの調製に用いられるグルコース1g当たりの酵素活性が、好ましくは100000U以下であり、より好ましくは10000U以下であり、特に好ましくは1000U以下であり、最も好ましくは500U以下である。水性液Aにおけるグルコースオキシダーゼの含有量の好適な範囲は、上述の上限と下限とを適宜組み合わせて特定される範囲であればよいが、例えば、水性液Aの調製に用いられるグルコース1g当たり、0.001~100000Uが好ましく、0.01~10000Uがより好ましく、0.1~1000Uが特に好ましく、1~500Uが最も好ましい。
本発明において用いられるグルコースは、自体公知の方法によって製造し得る。グルコースは市販品を用いてもよく、簡便であることから好ましい。
水性液Aの調製に用いられるグルコースの量は、原料肉に接触させる水性液の量が過大とならず好適に設定し得ることから、調製後の水性液Aに対して、好ましくは0.5重量%以上であり、より好ましくは1重量%以上であり、特に好ましくは2重量%以上であり、最も好ましくは2.5重量%以上である。また当該グルコースの量は、水性液Aの原料肉への分散性及び食味への影響の観点から、調製後の水性液Aに対して、好ましくは25重量%以下であり、より好ましくは20重量%以下であり、特に好ましくは18重量%以下であり、最も好ましくは15重量%以下である。
水性液Aは、グルコースオキシダーゼ及びグルコースに加え、それら以外の成分を任意に含有してよい。例えば、水性液Aは、後述の実施例に示されるように、マリネ液等として用いられ得、水性液Aは、食肉加熱食品のマリネ液に通常用いられ得る成分を含有してよい。水性液Aが含有し得る任意成分としては、本発明の目的を損なわない限り特に制限されないが、例えば、砂糖、食塩、醤油、味噌、食酢、酒、調味料、食用油脂、乳化剤、澱粉、香料、着色料、香辛料等が挙げられる。本発明によれば、亜硝酸に起因する食肉の加熱後の赤色呈色を抑制し得ることから、水性液Aは、亜硝酸を含む原材料(例、生姜、卵白等)を含有してよい。水性液Aが、亜硝酸を含む原材料を含有する場合、水性液Aの亜硝酸含有量は特に制限されないが、通常10ppm以下であり、好ましくは1ppm以下である。本発明において亜硝酸含有量は、後述の実施例に示される方法により測定される。上記の任意成分は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて含有してよい。
水性液Aの調製方法は特に制限されないが、例えば、水に、グルコースオキシダーゼ、グルコース、及び、所望によりその他の成分を添加し、適宜撹拌すること等によって調製できる。
水性液AのpHは、原料肉と水性液Aとの接触前において、通常2~9であり、グルコースオキシダーゼの至適pHの観点から、好ましくは4~8.5であり、特に好ましくは4.5~8である。
水性液Aと原料肉とを接触させる方法は、原料肉に接触した水性液Aが、原料肉に吸水され得るものであれば特に制限されず、例えば、水性液Aと原料肉とをタンブリングすること、水性液Aを原料肉に浸漬すること、水性液Aを原料肉にインジェクションすること等によって行い得、中でも、水性液Aを速やかに原料肉の内部まで浸透させ得ることから、水性液Aと原料肉とをタンブリングすることによって、水性液Aと原料肉とを接触させることが好ましい。本発明において「タンブリング」とは、回転機構を備え、内部に羽がついたドラムを有する装置(タンブラー)を用いて、水性液Aを原料肉に機械的に浸透させる処理をいい、具体的には、原料肉及び水性液A、所望によりその他の原材料をドラムに投入し、当該ドラムを回転させて原料肉に衝撃を与えることにより吸水させる処理をいう。タンブリングに使用し得るタンブラーは特に制限されないが、例えば、大道産業製「ロータリータンブラー RTN-350B」等が挙げられる。
水性液Aと原料肉との接触を、水性液Aと原料肉とをタンブリングすることによって行う場合、そのタンブリング条件は、水性液Aが原料肉に吸水されれば特に制限されないが、タンブリング時間は、通常0.5~10時間であり、ドラムの回転速度は、通常1~20rpmであり、ドラム内の温度は、通常1~10℃である。またドラム内を、減圧又は加圧してタンブリングを行ってよい。
水性液Aに含有されるグルコースは、グルコースオキシダーゼの作用により経時的に分解するため、水性液Aと原料肉との接触は、水性液Aの調製から2時間以内に行われることが好ましく、1時間以内に行われることがより好ましい。
原料肉に接触させる水性液Aの量は、水性液Aにおけるグルコースオキシダーゼ及びグルコースの含有量や、水性液Aと原料肉とを接触させる方法に応じて適宜調整すればよく特に制限されないが、例えば、水性液Aと原料肉との接触を、水性液Aと原料肉とをタンブリングすることによって行う場合、ドラムに投入する水性液Aの量は、原料肉に対して、通常10~100重量%であり、好ましくは20~70重量%である。
本発明において、水性液Aと原料肉との接触により当該原料肉に浸透した水性液Aの量は、水性液Aとの接触前後の原料肉の重量変化から算出し得、具体的には、水性液Aと接触させる前の原料肉の重量を、水性液Aと接触させた後の原料肉の重量から減じることによって算出され得る。また、水性液Aと原料肉との接触により当該原料肉に浸透した水性液Aの量を、水性液Aと接触させる前の原料肉の重量で除して算出される値を、本発明において「吸水率」といい、具体的には、水性液Aと接触させる前の原料肉の重量と水性液Aと接触させた後の原料肉の重量とから、下記式によって算出される。
吸水率(%)=([水性液Aと接触させた後の原料肉の重量]-[水性液Aと接触させる前の原料肉の重量])÷[水性液Aと接触させる前の原料肉の重量]×100
吸水率は、水性液Aを原料肉に均一に浸透させ得ることから、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上であり、特に好ましくは25%以上である。吸水率の上限は特に制限されないが、通常70%以下であり、好ましくは60%以下であり、特に好ましくは40%以下である。吸水率の調整は、原料肉に接触させる水性液Aの量や、水性液Aと原料肉とを接触させる条件(例、タンブリング条件等)を適宜調整することによって行い得る。
水性液Aと原料肉との接触により当該原料肉に浸透するグルコースオキシダーゼの量は、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色を効果的に抑制し得ることから、原料肉1g当たり、好ましくは0.18U以上であり、より好ましくは0.2U以上であり、更に好ましくは1U以上であり、特に好ましくは2U以上である。また当該量の上限は特に制限されないが、食品の製造コストをなるべく抑える観点から、原料肉1g当たり、通常100U以下であり、より好ましくは10U以下である。
本発明において、水性液Aと原料肉との接触により当該原料肉に浸透するグルコースオキシダーゼの量は、水性液Aと原料肉との接触により当該原料肉に浸透する水性液Aの量と、当該水性液Aのグルコースオキシダーゼの含有量とから算出される。
水性液Aと原料肉との接触により当該原料肉に浸透するグルコースの量は、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色を効果的に抑制し得ることから、原料肉1g当たり、好ましくは0.007g以上であり、より好ましくは0.008g以上であり、更に好ましくは0.01g以上であり、特に好ましくは0.02g以上である。また当該量の上限は特に制限されないが、食味、加工適性の観点から、原料肉1g当たり、通常0.5g以下であり、より好ましくは0.1g以下である。
本発明において、水性液Aと原料肉との接触により当該原料肉に浸透するグルコースの量は、水性液Aと原料肉との接触により当該原料肉に浸透する水性液Aの量と、当該水性液Aの調製に用いられるグルコースの量とから算出される。
水性液Aと接触させた原料肉は、その後、食肉加熱食品の製造における慣用の加工工程、調理工程(例、加熱工程等)に供し得る。水性液Aと接触させた原料肉は、後工程に供する前に所定の時間(例、0.5~22時間)静置してよいが、静置せずそのまま後工程に供してもよい。
本発明の方法によれば、加熱後の赤色呈色が抑制された食肉加熱食品を得ることができる。食肉の加熱後の赤色呈色現象は、その原因により、食肉が高pH(通常、6.5以上)になることに起因するもの及び亜硝酸に起因するもの等に分類し得るが、本発明の方法によれば、これらの赤色呈色現象のいずれも抑制し得る。
本発明の方法によれば、食肉加熱食品の表面部分だけでなく、その内部においても加熱後の赤色呈色を抑制し得、加熱後の赤色呈色が、食肉加熱食品全体において均一に抑制された食肉加熱食品を得ることができる。
食肉加熱食品において、加熱後の赤色呈色の有無や程度は、例えば、後述の実施例に示されるように、専門パネルによる官能評価等によって評価し得る。
また後述の実施例に示されるように、市販の官能分析システム(例、アルファ・モス・ジャパン株式会社製「ビジュアルアナライザー IRIS VA300」等)を用いて撮影した食肉加熱食品の画像データを、解析ソフトウェア(例、アルファ・モス・ジャパン株式会社製「AlphaSoft V14.2」等)を用いて解析し、色度を算出すること等によっても評価し得る。
本発明による、食肉の加熱後の赤色呈色の抑制作用のメカニズムは次のように推定されるが、本発明はこれによって何ら拘泥されない。グルコースオキシダーゼは、グルコース、酸素、水を基質としてグルコン酸と過酸化水素とを生成し、この過酸化水素によって、原料肉中のヘム色素(赤色呈色の原因)が分解された結果、食肉の加熱後の赤色呈色が抑制されると推定される。
本発明の方法は、好ましくは、油ちょう加熱品、蒸し加熱品、焼成加熱品、茹で加熱品、マイクロ波加熱品、過熱水蒸気加熱品及び熱風加熱品からなる群より選択されるいずれか一つの食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法であり、より好ましくは、油ちょう加熱品、蒸し加熱品及び焼成加熱品からなる群より選択されるいずれか一つの食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法であり、特に好ましくは、油ちょう加熱品及び蒸し加熱品からなる群より選択されるいずれか一つの食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法である。
本発明の方法によれば、亜硝酸に起因する食肉の加熱後の赤色呈色を抑制し得ることから、本発明の方法は、亜硝酸を含む原材料(例、生姜、卵白等)を用いて製造された食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法であってよい。
[食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制用水性液]
本発明は、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを組み合わせてなる、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制用水性液(以下、単に「本発明の水性液」と称する場合がある)も提供する。
本発明の水性液は、本発明の方法(上述)において用いられる水性液Aと同様であり、好ましい態様や調製方法も同様である。
本発明の水性液は、食肉加熱食品の原料肉と接触させることにより、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色を抑制し得る。本発明の水性液と食肉加熱食品の原料肉との接触方法は、本発明の方法(上述)における水性液Aと原料肉との接触方法と同様に行い得、好ましい態様も同様である。
本発明の水性液は、好ましくは、油ちょう加熱品、蒸し加熱品、焼成加熱品、茹で加熱品、マイクロ波加熱品、過熱水蒸気加熱品及び熱風加熱品からなる群より選択されるいずれか一つの食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制用であり、より好ましくは、油ちょう加熱品、蒸し加熱品及び焼成加熱品からなる群より選択されるいずれか一つの食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制用であり、特に好ましくは、油ちょう加熱品及び蒸し加熱品からなる群より選択されるいずれか一つの食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制用である。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。尚、本明細書において「%」と記載されている場合は、特に断りのない限り「重量%」を意味する。
(試験例1)
[原料肉の調製]
鶏もも肉を、1個当たりの重量が25±2gの食肉片にカットし、原料肉を調製した。
[マリネ液の調製]
(1)ベースマリネ液
水、料理酒、醤油及び食塩を、下表1に示す配合割合で混合し、ベースマリネ液を調製した。
Figure 0007302341000001
(2)コントロールマリネ液
ベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加してpH7に調整し、コントロールマリネ液を調製した。
(3)マリネ液A1~A3
ベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加してpH7に調整し、更にグルコースを、ベースマリネ液に対して8重量%上乗せ添加し、グルコースオキシダーゼを、ベースマリネ液100g当たり下表2に示す量(75~800U)で添加して、マリネ液A1~A3をそれぞれ調製した。
Figure 0007302341000002
(3)マリネ液B
ベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加してpH7に調整し、更にグルコースを、ベースマリネ液に対して12.6重量%上乗せ添加し、グルコースオキシダーゼを、ベースマリネ液100g当たり3124U添加して、マリネ液Bを調製した。
[食肉加熱食品(蒸し鶏)の作製]
(1)原料肉に、原料肉に対して35重量%のコントロールマリネ液、マリネ液A1をそれぞれ添加し、ロータリータンブラー(大道産業株式会社製「ロータリータンブラー RTN-350B」)を使用してタンブリング(16rpm、5℃)を3時間実施した。タンブリング後に、各原料肉の重量を測定して原料肉にマリネ液が吸水されていることを確認してから、5℃で19時間静置した。静置後、各原料肉を、蒸し器を用いて100℃で5分間蒸し加熱し、蒸し鶏を作製した。
(2)原料肉に、原料肉に対して35重量%のマリネ液A2、A3をそれぞれ添加し、ロータリータンブラー(大道産業株式会社製「ロータリータンブラー RTN-350B」)を使用してタンブリング(16rpm、5℃)を3時間実施した。タンブリング後に、各原料肉の重量を測定して原料肉にマリネ液が吸水されていることを確認してから、各原料肉を、蒸し器を用いて100℃で5分間蒸し加熱し、蒸し鶏を作製した。
(3)原料肉に、原料肉に対して35重量%のマリネ液Bを添加し、ロータリータンブラー(大道産業株式会社製「ロータリータンブラー RTN-350B」)を使用してタンブリング(16rpm、5℃)を1時間実施した。タンブリング後に、原料肉の重量を測定して原料肉にマリネ液が吸水されていることを確認してから、原料肉を、蒸し器を用いて100℃で5分間蒸し加熱し、蒸し鶏を作製した。
[評価]
作製した蒸し鶏の赤色呈色について、下記の通り、官能評価及び理化学的評価を実施した。
(1)官能評価
蒸し鶏を、その作製から10分後に7~10mmの厚さに切断し、切断直後及び切断から15分後の断面を、写真撮影した。これらの写真を用い、5名の専門パネルが、下記の評価基準1にしたがって、合議により評点付けを行った。
<評価基準1>
1点:コントロールマリネ液を用いて作製された蒸し鶏と同等の赤み
2点:コントロールマリネ液を用いて作製された蒸し鶏よりやや赤みが弱い
3点:コントロールマリネ液を用いて作製された蒸し鶏よりも赤みが弱い
4点:コントロールマリネ液を用いて作製された蒸し鶏より非常に赤みが弱い
5点:全く赤みが無い
(2)理化学評価
蒸し鶏の作製から10分後に、市販の官能分析システム(アルファ・モス・ジャパン株式会社製「ビジュアルアナライザー IRIS VA300」)を用いて、7~10mmの厚みにカットした蒸し鶏の断面を撮影し(撮影条件:上下照明5mm)、断面の画像データを取得した(n=3)。取得した画像データを、前記官能分析システムに付属の解析ソフトウェア(アルファ・モス・ジャパン株式会社製「AlphaSoft V14.2」)を用いて解析し、断面に含まれる色及びそのピクセル数から、a(色度)を算出した。a(色度)は、高値であるほど、赤みが強いことを示す。
結果を、下表3に示す。表中、「GO」は、グルコースオキシダーゼを示し、「Glc」は、グルコースを示す。また、原料肉に浸透したGO(グルコースオキシダーゼ)、Glc(グルコース)の量は、水性液Aのグルコースオキシダーゼの含有量、水性液Aの調製に用いられるグルコースの量と、原料肉に浸透した水性液Aの割合(吸水率)とから算出される。
また下表3における「a相対値」は、コントロールマリネ液を用いて作製された食肉加熱食品のaを1としたときの、マリネ液A1~3、Bを用いて作製された各食肉加熱食品のaの相対値である。
Figure 0007302341000003
表3に示される結果から明らかなように、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有するマリネ液A1~3、Bを、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品(蒸し鶏)は、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有しないコントロールマリネ液を、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品に比べ、食肉の加熱後の赤色呈色が抑制された。
またマリネ液のグルコースオキシダーゼ濃度を調整することにより、反応時間(タンブリング時間、タンブリング後の静置時間)によらず、食肉の加熱後の赤色呈色を抑制し得ることが確認された。
(試験例2)
[原料肉の調製]
鶏もも肉を、1個当たりの重量が25±2gの食肉片にカットし、原料肉を調製した。
[マリネ液C~Fの調製]
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加してpH7に調整し、更にグルコースを、ベースマリネ液に対して下表4に示す量(3~8重量%)で上乗せ添加し、グルコースオキシダーゼを、ベースマリネ液100g当たり75U添加して、マリネ液C~Fをそれぞれ調製した。
Figure 0007302341000004
[食肉加熱食品(蒸し鶏)の作製]
原料肉に、原料肉に対して35重量%のマリネ液C~Fをそれぞれ添加し、ロータリータンブラー(大道産業株式会社製「ロータリータンブラー RTN-350B」)を使用してタンブリング(16rpm、5℃)を3時間実施した。タンブリング後に、各原料肉の重量を測定して原料肉にマリネ液が吸水されていることを確認してから、5℃で19時間静置した。静置後、各原料肉を、蒸し器を用いて100℃で5分間蒸し加熱し、蒸し鶏を作製した。
[評価]
作製した蒸し鶏の赤色呈色について、試験例1と同様に、官能評価及び理化学的評価を実施した。
結果を、下表5に示す。
下表5における「a相対値」は、コントロールマリネ液を用いて作製された食肉加熱食品のaを1としたときの、マリネ液C~Fを用いて作製された各食肉加熱食品のaの相対値である。
Figure 0007302341000005
表5に示される結果から明らかなように、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有するマリネ液C~Fを、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品(蒸し鶏)は、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有しないコントロールマリネ液を、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品に比べ、食肉の加熱後の赤色呈色が抑制された。
(試験例3)
[原料肉の調製]
鶏もも肉を、1個当たりの重量が25±2gの食肉片にカットし、原料肉を調製した。
[マリネ液の調製]
(1)マリネ液G1
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して0.7重量%上乗せ添加してpH6.5に調整し、マリネ液G1を調製した。
(2)マリネ液G2
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して0.7重量%上乗せ添加してpH6.5に調整し、更にグルコースを、ベースマリネ液に対して3重量%上乗せ添加し、グルコースオキシダーゼを、ベースマリネ液100g当たり75U添加して、マリネ液G2を調製した。
(3)マリネ液H1
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して5重量%上乗せ添加してpH7.5に調整し、マリネ液H1を調製した。
(4)マリネ液H2
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して5重量%上乗せ添加してpH7.5に調整し、更にグルコースを、ベースマリネ液に対して3重量%上乗せ添加し、グルコースオキシダーゼを、ベースマリネ液100g当たり75U添加して、マリネ液H2を調製した。
[食肉加熱食品(蒸し鶏)の作製]
原料肉に、原料肉に対して35重量%のマリネ液G1、G2、H1、H2をそれぞれ添加し、ロータリータンブラー(大道産業株式会社製「ロータリータンブラー RTN-350B」)を使用してタンブリング(16rpm、5℃)を3時間実施した。タンブリング後に、各原料肉の重量を測定して原料肉にマリネ液が吸水されていることを確認してから、5℃で19時間静置した。静置後、各原料肉を、蒸し器を用いて100℃で5分間蒸し加熱し、蒸し鶏を作製した。
[評価]
作製した蒸し鶏の赤色呈色について、マリネ液G1、G2を用いて作製された蒸し鶏の官能評価の評点付けを、下記の評価基準2にしたがって行い、マリネ液H1、H2を用いて作製された蒸し鶏の官能評価の評点付けを、下記の評価基準3にしたがって行ったこと以外は試験例1と同様に、官能評価及び理化学的評価を実施した。
<評価基準2>
1点:マリネ液G1を用いて作製された蒸し鶏と同等の赤み
2点:マリネ液G1を用いて作製された蒸し鶏よりやや赤みが弱い
3点:マリネ液G1を用いて作製された蒸し鶏よりも赤みが弱い
4点:マリネ液G1を用いて作製された蒸し鶏より非常に赤みが弱い
5点:全く赤みが無い
<評価基準3>
1点:マリネ液H1を用いて作製された蒸し鶏と同等の赤み
2点:マリネ液H1を用いて作製された蒸し鶏よりやや赤みが弱い
3点:マリネ液H1を用いて作製された蒸し鶏よりも赤みが弱い
4点:マリネ液H1を用いて作製された蒸し鶏より非常に赤みが弱い
5点:全く赤みが無い
結果を、下表6に示す。
下表6における、マリネ液G2の「a相対値」は、マリネ液G1を用いて作製された食肉加熱食品のaを1としたときの、マリネ液G2を用いて作製された各食肉加熱食品のaの相対値である。またマリネ液H2の「a相対値」は、マリネ液H1を用いて作製された食肉加熱食品のaを1としたときの、マリネ液H2を用いて作製された各食肉加熱食品のaの相対値である。
Figure 0007302341000006
表6に示される結果から明らかなように、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有するpH6.5のマリネ液G2を、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品(蒸し鶏)は、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有しないpH6.5のマリネ液G1を、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品に比べ、食肉の加熱後の赤色呈色が抑制された。またグルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有するpH7.5のマリネ液H2を、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品(蒸し鶏)は、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有しないpH7.5のマリネ液H1を、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品に比べ、食肉の加熱後の赤色呈色が抑制された。
(試験例4)
[原料肉の調製]
鶏もも肉を、1個当たりの重量が25±2gの食肉片にカットし、原料肉を調製した。
[マリネ液の調製]
(1)亜硝酸含有マリネ液
水、料理酒、醤油、食塩、生姜ペースト(亜硝酸含有量:0.62ppm)及び卵白粉(亜硝酸含有量:2.54ppm)を、下表7に示す配合割合で混合し、亜硝酸含有マリネ液を調製した。ここで生姜ペースト及び卵白粉の亜硝酸含有量は、市販の試薬キット(HACH社製、「亜硝酸試薬セット NitriVer3 LR TNT」、「NriVer3 テストNチューブ」)を用いて、下記(i)~(vi)の手順で測定、算出した。
(i)試料10gに、80℃の蒸留水(40mL)を加え、ホモジナイズする。
(ii)得られた液に、0.5N NaOH(10mL)、12%ZnSO・7HO(10mL)を加えた後、200mLメスフラスコに移し、約150mLとなるよう蒸留水を加える。
(iii)得られた混合物を、ウォーターバスを用いて80℃で20分間加熱する。
(iv)加熱した混合物を、放冷後、200mLに定容し、濾過したものを、試料溶液とする。
(v)得られた試料溶液5mLを上記の試薬セットの入ったチューブに供し、20分間反応させる。
(vi)反応後、吸光光度計DR3900(HACH社製)を用い、亜硝酸用プログラムNo.345にて、試料溶液の吸光度を測定し(測定波長:540nm)、亜硝酸濃度を算出する。
Figure 0007302341000007
(2)マリネ液I1
亜硝酸含有マリネ液に、クエン酸を、亜硝酸含有マリネ液に対して0.04重量%上乗せ添加してpH5.0に調整し、マリネ液I1を調製した。
(3)マリネ液I2
亜硝酸含有マリネ液に、クエン酸を、亜硝酸含有マリネ液に対して0.04重量%上乗せ添加してpH5.0に調整し、更にグルコースを、亜硝酸含有マリネ液に対して3重量%上乗せ添加し、グルコースオキシダーゼを、亜硝酸含有マリネ液100g当たり75U添加して、マリネ液I2を調製した。
(4)マリネ液J1
亜硝酸含有マリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、亜硝酸含有マリネ液に対して1重量%上乗せ添加してpH6.5に調整し、マリネ液J1を調製した。
(5)マリネ液J2
亜硝酸含有マリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、亜硝酸含有マリネ液に対して1重量%上乗せ添加してpH6.5に調整し、更にグルコースを、亜硝酸含有マリネ液に対して3重量%上乗せ添加し、グルコースオキシダーゼを、亜硝酸含有マリネ液100g当たり75U添加して、マリネ液J2を調製した。
[食肉加熱食品(蒸し鶏)の作製]
原料肉に、原料肉に対して35重量%のマリネ液I1、I2、J1、J2をそれぞれ添加し、ロータリータンブラー(大道産業株式会社製「ロータリータンブラー RTN-350B」)を使用してタンブリング(16rpm、5℃)を3時間実施した。タンブリング後に、各原料肉の重量を測定して原料肉にマリネ液が吸水されていることを確認してから、5℃で19時間静置した。静置後、各原料肉を、蒸し器を用いて100℃で5分間蒸し加熱し、蒸し鶏を作製した。
[評価]
作製した蒸し鶏の赤色呈色について、マリネ液I1、I2を用いて作製された蒸し鶏の官能評価の評点付けを下記の評価基準4にしたがって行い、マリネ液J1、J2を用いて作製された蒸し鶏の官能評価の評点付けを、下記の評価基準5にしたがって行ったこと以外は試験例1と同様に、官能評価及び理化学的評価を実施した。
<評価基準4>
1点:マリネ液I1を用いて作製された蒸し鶏と同等の赤み
2点:マリネ液I1を用いて作製された蒸し鶏よりやや赤みが弱い
3点:マリネ液I1を用いて作製された蒸し鶏よりも赤みが弱い
4点:マリネ液I1を用いて作製された蒸し鶏より非常に赤みが弱い
5点:全く赤みが無い
<評価基準5>
1点:マリネ液J1を用いて作製された蒸し鶏と同等の赤み
2点:マリネ液J1を用いて作製された蒸し鶏よりやや赤みが弱い
3点:マリネ液J1を用いて作製された蒸し鶏よりも赤みが弱い
4点:マリネ液J1を用いて作製された蒸し鶏より非常に赤みが弱い
5点:全く赤みが無い
結果を、下表8に示す。
下表8における、マリネ液I2の「a相対値」は、マリネ液I1を用いて作製された食肉加熱食品のaを1としたときの、マリネ液I2を用いて作製された各食肉加熱食品のaの相対値である。またマリネ液J2の「a相対値」は、マリネ液J1を用いて作製された食肉加熱食品のaを1としたときの、マリネ液J2を用いて作製された各食肉加熱食品のaの相対値である。
Figure 0007302341000008
表8に示される結果から明らかなように、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有するpH5.0のマリネ液I2を、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品(蒸し鶏)は、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有しないpH5.0のマリネ液I1を、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品に比べ、亜硝酸に起因する食肉の加熱後の赤色呈色が抑制された。またグルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有するpH6.5のマリネ液J2を、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品(蒸し鶏)は、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有しないpH6.5のマリネ液J1を、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品に比べ、亜硝酸に起因する食肉の加熱後の赤色呈色が抑制された。
これらの結果から、本発明によれば、亜硝酸に起因する食肉の加熱後の赤色呈色も抑制し得ることが確認された。
(試験例5)
[原料肉の調製]
鶏もも肉を、1個当たりの重量が50±2gの食肉片にカットし、原料肉を調製した。
[マリネ液の調製]
(1)コントロールマリネ液
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加してpH7に調整し、コントロールマリネ液を調製した。
(2)マリネ液K
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加してpH7に調整し、更にグルコースを、ベースマリネ液に対して3重量%上乗せ添加し、グルコースオキシダーゼを、ベースマリネ液100g当たり75U添加して、マリネ液Kを調製した。
[食肉加熱食品(蒸し鶏)の作製]
原料肉に、原料肉に対して35重量%のコントロールマリネ液、マリネ液Kをそれぞれ添加し、ロータリータンブラー(大道産業株式会社製「ロータリータンブラー RTN-350B」)を使用してタンブリング(16rpm、5℃)を3時間実施した。タンブリング後に、各原料肉の重量を測定して原料肉にマリネ液が吸水されていることを確認してから、5℃で19時間静置した。静置後、各原料肉を、蒸し器を用いて100℃で5分間蒸し加熱し、蒸し鶏を作製した。
[評価]
作製した蒸し鶏の赤色呈色について、試験例1と同様に、官能評価及び理化学的評価を実施した。
結果を、下表9に示す。
下表9における、マリネ液Kの「a相対値」は、コントロールマリネ液を用いて作製された食肉加熱食品のaを1としたときの、マリネ液Kを用いて作製された各食肉加熱食品のaの相対値である。
Figure 0007302341000009
表9に示される結果から明らかなように、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有するマリネ液Kを、食肉片1個当たりの重量が50±2gとなるように調製した原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品(蒸し鶏)においても、食肉の加熱後の赤色呈色が抑制された。
当該結果から、本発明によれば、食肉のサイズによらず、加熱後の赤色呈色を抑制し得ることが確認された。
(試験例6)
[原料肉の調製]
鶏もも肉を、1個当たりの重量が25±2gの食肉片にカットし、原料肉を調製した。
[マリネ液の調製]
(1)コントロールマリネ液
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加してpH7に調整し、コントロールマリネ液を調製した。
(2)マリネ液L
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加してpH7に調整し、更にグルコースを、ベースマリネ液に対して10重量%上乗せ添加し、グルコースオキシダーゼを、ベースマリネ液100g当たり1000U添加して、マリネ液Lを調製した。
(3)マリネ液M
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加し、50%グルコン酸を、ベースマリネ液に対して1.70重量%上乗せ添加し、更に30%過酸化水素を、ベースマリネ液に対して0.51重量%上乗せ添加して、pH6.8のマリネ液Mを調製した。
[食肉加熱食品(蒸し鶏)の作製]
原料肉に、原料肉に対して35重量%のコントロールマリネ液、マリネ液L、Mをそれぞれ添加し、ロータリータンブラー(大道産業株式会社製「ロータリータンブラー RTN-350B」)を使用してタンブリング(16rpm、5℃)を3時間実施した。タンブリング後に、各原料肉の重量を測定して原料肉にマリネ液が吸水されていることを確認してから、5℃で19時間静置した。静置後、各原料肉を、蒸し器を用いて100℃で5分間蒸し加熱し、蒸し鶏を作製した。
[評価]
蒸し鶏の作製から2分後に、市販の官能分析システム(アルファ・モス・ジャパン株式会社製「ビジュアルアナライザー IRIS VA300」)を用いて、蒸し鶏の外観を撮影し(撮影条件:上下照明5mm)、外表面の画像データを取得した(n=3)。次いで、蒸し鶏の作製から10分後に、蒸し鶏を7~10mmの厚みにカットし、前記官能分析システムを用いて、断面を撮影し(撮影条件:上下照明5mm)、断面の画像データを取得した(n=3)。取得した各画像データを、前記官能分析システムに付属の解析ソフトウェア(アルファ・モス・ジャパン株式会社製「AlphaSoft V14.2」)を用いて解析し、外表面、断面に含まれる色及びそのピクセル数から、a(色度)を算出した。
結果を、下表10に示す。
下表10における、「a内外差」は、「断面a」(断面の画像データを解析して算出されたa)から「外表面a」(外表面の画像データを解析して算出されたa)を減じて算出された値である。
Figure 0007302341000010
表10に示される結果から明らかなように、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有するマリネ液Lを、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品(蒸し鶏)は、食肉内部及び外表面のいずれにおいても、加熱後の赤色呈色が均一に抑制された。これに対し、過酸化水素及びグルコン酸を含有するマリネ液Mを、原料肉に接触させて作製された食肉加熱食品は、食肉外表面の加熱後の赤色呈色のみ抑制され、食肉内部は、加熱後の赤色呈色が十分に抑制されなかった。
当該結果から、本発明による食肉の加熱後の赤色呈色抑制効果は、過酸化水素の脱色反応を利用するものであるが、単に過酸化水素を含有する水性液を、原料肉に接触させても、食肉内部の赤色呈色は抑制されず(原料肉に水性液が浸透すると同時に、過酸化水素が反応するため、外表面のみが脱色されると推察される)、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有する水性液を、原料肉に接触させ、食肉内部で過酸化水素を発生させることにより、食肉内部及び外表面のいずれにおいても、加熱後の赤色呈色を均一に抑制し得ることが確認された。
(試験例7)
[原料肉の調製]
鶏もも肉を、1個当たりの重量が25±2gの食肉片にカットし、原料肉を調製した。
[マリネ液の調製]
(1)コントロールマリネ液
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加してpH7に調整し、コントロールマリネ液を調製した。
(2)マリネ液N
試験例1のベースマリネ液に、リン酸水素二ナトリウムを、ベースマリネ液に対して2重量%上乗せ添加してpH7に調整し、更にグルコースを、ベースマリネ液に対して8重量%上乗せ添加し、グルコースオキシダーゼを、ベースマリネ液100g当たり400U添加して、マリネ液Nを調製した。
[食肉加熱食品(から揚げ)の作製]
原料肉に、原料肉に対して35重量%のコントロールマリネ液、マリネ液Nをそれぞれ添加し、ロータリータンブラー(大道産業株式会社製「ロータリータンブラー RTN-350B」)を使用してタンブリング(16rpm、5℃)を3時間実施した。タンブリング後に、各原料肉の重量を測定して原料肉にマリネ液が吸水されていることを確認してから、5℃で19時間静置した。静置後、各原料肉の表面に市販のから揚げ粉(日清フーズ株式会社製「日清 から揚げ粉」)を満遍なくまぶして衣付けを行い、フライヤーを用いて175℃で2分間油ちょう加熱し、から揚げを作製した。
[評価]
作製したから揚げの赤色呈色について、下記の通り、官能評価及び理化学的評価を実施した。
(1)官能評価
から揚げを、その作製から10分後に衣を剥いで7~10mmの厚さに切断し、切断直後及び切断から15分後の断面を、写真撮影した。これらの写真を用い、5名の専門パネルが、下記の基準にしたがって、合議により評点付けを行った。
<評価基準>
1点:コントロールマリネ液を用いて作製されたから揚げと同等の赤み
2点:コントロールマリネ液を用いて作製されたから揚げよりやや赤みが弱い
3点:コントロールマリネ液を用いて作製されたから揚げよりも赤みが弱い
4点:コントロールマリネ液を用いて作製されたから揚げより非常に赤みが弱い
5点:全く赤みが無い
(2)理化学評価
から揚げの作製から10分後に衣を剥いで7~10mmの厚みにカットし、市販の官能分析システム(アルファ・モス・ジャパン株式会社製「ビジュアルアナライザー IRIS VA300」)を用いて、断面を撮影し(撮影条件:上下照明5mm)、断面の画像データを取得した(n=3)。取得した画像データを、前記官能分析システムに付属の解析ソフトウェア(アルファ・モス・ジャパン株式会社製「AlphaSoft V14.2」)を用いて解析し、断面に含まれる色及びそのピクセル数から、a(色度)を算出した。
結果を、下表11に示す。
下表11における、マリネ液Nの「a相対値」は、コントロールマリネ液を用いて作製された食肉加熱食品のaを1としたときの、マリネ液Nを用いて作製された各食肉加熱食品のaの相対値である。
Figure 0007302341000011
表11に示される結果から明らかなように、グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有するマリネ液Nを、原料肉に接触させ、油ちょう加熱して作製された食肉加熱食品(から揚げ)においても、食肉の加熱後の赤色呈色が抑制された。
当該結果から、本発明によれば、食肉加熱食品の加熱方法によらず、加熱後の赤色呈色を抑制し得ることが確認された。
本発明によれば、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法を提供し得る。
また本発明によれば、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制に好適に用いられ得る水性液を提供し得る。

Claims (7)

  1. グルコースオキシダーゼ及びグルコースを含有する水性液と、食肉加熱食品の原料肉とを接触させることを含む、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制方法。
  2. 前記水性液と前記原料肉との接触により当該原料肉に浸透するグルコースオキシダーゼの量が、原料肉1g当たり0.18U以上である、請求項1記載の抑制方法。
  3. 前記水性液と前記原料肉との接触により当該原料肉に浸透するグルコースの量が、原料肉1g当たり0.007g以上である、請求項1又は2記載の抑制方法。
  4. 前記原料肉が、鶏肉である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抑制方法。
  5. 前記原料肉が、1個あたりの重量が5~1000gの食肉片である、請求項1~4のいずれか一項に記載の抑制方法。
  6. 前記食肉加熱食品が、油ちょう加熱品又は蒸し加熱品である、請求項1~5のいずれか一項に記載の抑制方法。
  7. グルコースオキシダーゼ及びグルコースを組み合わせてなる、食肉加熱食品の加熱後の赤色呈色の抑制用水性液。
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