JP7302102B2 - 懸濁媒質のワークアップを含むエチレン重合体の製造のための懸濁プロセス - Google Patents

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Description

本開示は、重合反応器又は一連の重合反応器において懸濁重合におけるエチレン重合体を製造するプロセスを提供する。本開示は、特に、重合反応器又は一連の重合反応器において懸濁重合におけるエチレン重合体を製造するプロセスを提供し、ここで、懸濁媒質中のエチレン重合体粒子の得られた懸濁液は、固液分離器内に移送され、ここで、懸濁液は、エチレン重合体粒子及び母液に分離され、母液の一部は、蒸発ユニットを含むワークアップセクション内に移送される。
エチレン重合体を製造する懸濁プロセスは、エチレン重合体を生産するために確立された方法であり、例えば、EP 0 905 152A1又はWO2012/028591A1に開示されている。このようなプロセスは、多くの場合、一連の反応器において行われ、これによって、重合反応器における異なる反応条件を設定し、個々の重合反応器における異なる重合体組成物を生産することが可能となる。したがって、生産されたマルチモーダルエチレン共重合体は、例えば、生成物特性と加工性との優れた組み合わせを有することを特徴とする。エチレン重合体を製造する懸濁プロセスは、一般に炭化水素又は炭化水素混合物を希釈液として採用する。懸濁液の液相又は超臨界相を形成する懸濁媒質は、主成分として希釈液のほかにも溶解されたエチレン、共単量体、アルミニウムアルキル、及び水素などのさらなる成分、並びにオリゴマー及びワックスなどの溶解された反応生成物を含む。一連の反応器における懸濁液中のマルチモーダルエチレン共重合体を生産する原理は、例えば、文献[F.Alt et al.,Macromol.Symp.2001,163,135-143]に開示されている。
経済的及び生態学的理由で、希釈液又は非重合単量体又は共単量体などの反応混合物の消耗しない成分を重合プロセスに再循環させるのが一般的である。形成された懸濁液からの生産したポリエチレン粒子の分離は、エチレン重合体粒子及び分離された懸濁媒質、いわゆる母液を生成する。重合体粒子は、通常、湿潤状態であり、その後、例えば、高温窒素ストリームなどの高温ガスストリームを使用して粉末乾燥器で乾燥される。その後、高温ガスストリームに含有された炭化水素は、高温ガスストリームから分離され、液体炭化水素回収ストリーム内に移送され得、これは重合に戻る。
母液は、重合プロセスに直接再循環し得る。しかし、重合プロセスから懸濁媒質中で可用性である重合反応の副産物を除去するためには、母液の一部をワークアップしなければならない。母液をワークアップする別の理由は、一連の重合反応器の最終反応器の以後に得られた懸濁液が、特定の特性の組み合わせを有するポリエチレンを生産するための以前の重合反応器のいずれか1つに導入されてはならない成分を含有する可能性があり得ることである。例えば、高いESCRを有するマルチモーダルエチレン共重合体を製造するために、多くの場合、重合反応器のいずれか1つでの重合のうちの1つがエチレン単独重合である必要があるため、それぞれの重合反応器に共単量体が存在してはならない。
ワークアップされる母液は、多成分混合物である。したがって、蒸発又は蒸留ステップのなどの様々な分離ステップは、所望しないすべての成分を除去し、重合プロセスに再循環するように意図されたそれらの成分を分離するのに必要である。例えば、WO2010/136202A1は、母液の一部を蒸発させるプロセスを開示している。この予備蒸留の重質留分は、ワックス豊富炭化水素流がポリエチレンワックスに濃縮されるワックス除去ユニットに供給される。予備蒸留のオーバーヘッドストリーム、例えば、ワックス枯渇希釈液は、希釈液蒸留カラムで蒸留される。最終的に、希釈液は、吸着器で精製されて、プロセス内に再び供給される。
母液のワークアップで蒸発及び/又は蒸留ステップを行う場合、母液を加熱する必要がある。これは一般に、熱交換器で起こる。しかし、熱交換器で母液を加熱すると、熱交換器内で相当なファウリングが生じることが発見された。これは、熱交換器の表面上に堆積物が形成され、その熱交換効率が低下することを意味する。結果的に、熱交換器の頻繁な洗浄が必要とされ、結局、重合システムの中断時間のせいで多くのコストがかかる。
したがって、エチレン重合プロセスで生産された懸濁液から製造されたエチレン重合体粒子を除去することによって得られた母液をワークアップするプロセスを提供する必要があり、この母液ワークアッププロセスは、精製された希釈液が経済的且つエネルギー効率的な方式で得られるようにしながらも、母液を加熱するための熱交換器内のファウリングを防止するか、又は少なくとも相当に減少させ、したがって、このような熱交換器を洗浄するために重合プロセスを頻繁に中断する必要性を除去する。
本開示は、重合反応器又は一連の重合反応器において懸濁重合におけるエチレン重合体を製造するプロセスであって、
重合触媒の存在下で、40~150℃の温度及び0.1~20MPaの圧力でエチレンを重合するか、又はエチレンと1つ以上のC-C12-1-アルケンとを共重合し、炭化水素希釈液を含む懸濁媒質中でエチレン重合体粒子の懸濁液を形成するステップと、
エチレン重合体粒子の懸濁液を固液分離器内に移送するステップであって、懸濁液は、エチレン重合体粒子及び母液に分離されるステップと、
母液の一部を、母液のワックス枯渇部分を生産するための蒸発ユニットを含むワークアップセクション内に移送するステップであって、ワークアップセクション内に移送される母液の一部にプロトン剤(protic agent)を添加するステップと、
母液のワックス枯渇部分の少なくとも一部を、重合反応器又は一連の重合反応器に再循環させるステップと、を含む、プロセスを提供する。
幾つかの実施形態において、プロトン剤は、水、アルコール、酸又はそれらの混合物である。
幾つかの実施形態において、プロトン剤は、水であり、水は、スチームとして、又は有機若しくは無機化合物の水溶液として、液体形態で添加される。
幾つかの実施形態において、ワークアップセクション内に移送される母液と、添加されるプロトン剤との混合物は、ワークアップセクションに入る前に混合デバイスを通過する。
幾つかの実施形態において、混合デバイスは、インラインミキサー、ジェットミキサー、混合ノズル、ハイドロサイクロン、混合要素が備えられた容器、ロータ/ステータミキサー又はホモジナイザー又は乳化器である。
幾つかの実施形態において、予熱器として作動する熱交換器は、蒸発ユニットの上流に設置され、ワークアップセクション内に移送される母液と、添加されたプロトン剤との混合物は、蒸発ユニットに入る前に、この熱交換器を通過する。
幾つかの実施形態において、蒸発ユニットは、熱交換器及び分離容器を含む循環蒸発ユニットであり、循環蒸発ユニットは、蒸発する液相を熱交換器内に供給し、熱交換器で液相を部分的に気化させ、生成された液体及び蒸気混合物を分離容器に戻すことによって作動する。
幾つかの実施形態において、蒸発ユニットで生産された母液のワックス枯渇部分は、重合反応器又は一連の重合反応器に再循環する前に蒸留プロセスにさらにかけられる。
幾つかの実施形態において、低沸点成分が枯渇した母液のワックス含有部分は、蒸発ユニットから排出され、直接スチーム蒸留によって作動するワックス除去ユニットに移送される。
幾つかの実施形態において、ワックス除去ユニットは、凝縮した後、液液分離器内で、水相及び炭化水素相に分離されるガス状炭化水素/スチーム混合物を生産し、炭化水素相は、蒸発ユニットに再循環する。
幾つかの実施形態において、製造されたエチレン重合体は、マルチモーダルエチレン共重合体である。
幾つかの実施形態において、エチレン重合体の製造は、一連の重合反応器で行われ、エチレン単独重合体は、重合反応器のいずれか1つで製造される。
幾つかの実施形態において、エチレン単独重合体は、一連の重合反応器のうちの第1の重合反応器で製造され、エチレンの共重合体は、後続の重合反応器で製造される。
図1は、本開示のプロセスによって懸濁液におけるエチレン重合体を製造するための構成を概略的に示す。 図2は、本開示のプロセスによって懸濁液におけるエチレン重合体を製造するためのさらなる構成を概略的に示す。
本開示は、重合反応器又は一連の重合反応器において懸濁重合におけるエチレン重合体を製造するプロセスを提供する。エチレン重合体は、重合触媒の存在下でエチレンを重合するか、又はエチレンと1つ以上のC-C12-1-アルケンとを共重合して製造される。C-C12-1-アルケンは、線状又は分岐状であり得る。好ましいC-C12-1-アルケンは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン又は1-デセンなどの線状C-C10-1-アルケンであるか、又は4-メチル-1-ペンテンなどの分岐状C-C10-1-アルケンである。エチレンを2つ以上のC-C12-1-アルケンの混合物と重合することも可能である。好ましい共単量体は、C-C-1-アルケン、特に、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン及び/又は1-オクテンである。製造されたエチレン共重合体で、組み込まれた共単量体から誘導される単位の量は、好ましくは0.01重量%~25重量%、より好ましくは0.05重量%~15重量%、特に0.1重量%~12重量%である。エチレンが0.1重量%~12重量%の1-ヘキセン及び/又は1-ブテン、特に0.1重量%~12重量%の1-ブテンと共重合されるプロセスが特に好ましい。
重合は、すべての通常的なオレフィン重合触媒を使用して行うことができる。それは、例えば、酸化クロムベースのフィリップス触媒を使用するか、チタニウムベースのチーグラー又はチーグラーナッタ触媒を使用するか、シングルサイト触媒を使用するか、又はこのような触媒の混合物を使用して、重合を行うことができることを意味する。本開示の目的のために、シングルサイト触媒は、化学的に均一な遷移金属配位化合物に基づく触媒である。さらに、オレフィンの重合のために、これらの触媒のうちの2つ以上の混合物を使用することも可能である。このような混合触媒は、多くの場合、ハイブリッド触媒と呼ばれる。オレフィン重合のためのこれらの触媒の製造及び使用は、一般に知られている。
好ましい触媒は、チーグラー型であり、好ましくは担体物質としてチタニウム又はバナジウムの化合物、マグネシウムの化合物、及び任意選択的に電子供与体化合物及び/又は粒子状無機酸化物を含む。
チーグラー型の触媒は、通常、助触媒の存在下で重合される。好ましい助触媒は、元素周期表の1、2、12、13又は14族の金属の有機金属化合物、特に13族の金属の有機金属化合物、特に有機アルミニウム化合物である。好ましい助触媒は、例えば、有機金属アルキル、有機金属アルコキシド、又は有機金属ハライドである。
好ましい有機金属化合物は、リチウムアルキル、マグネシウム又は亜鉛アルキル、マグネシウムアルキルハライド、アルミニウムアルキル、シリコンアルキル、シリコンアルコキシド及びシリコンアルキルハライドを含む。より好ましくは、有機金属化合物は、アルミニウムアルキル及びマグネシウムアルキルを含む。さらにより好ましくは、有機金属化合物は、アルミニウムアルキル、最も好ましくは、トリアルキルアルミニウム化合物、又はアルキル基がハロゲン原子、例えば、塩素又は臭素に置き換えられているこのような類型の化合物を含む。このようなアルミニウムアルキルの例は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ-イソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム若しくはジエチルアルミニウムクロリド、又はそれらの混合物である。
本開示のプロセスは、懸濁液で行われる重合プロセスである。かかる懸濁重合(スラリー重合とも呼ばれる)は、それぞれの重合反応器における条件下で液体又は超臨界状態にあり、生産されたエチレン重合体が不溶性で固体粒子を形成する媒質、いわゆる懸濁媒質で発生する。懸濁液の固体含量は、一般に10~80重量%、好ましくは20~40重量%の範囲である。
懸濁液の液相又は超臨界相を形成する懸濁媒質は、一般に希釈液を主成分として含むが、例えば、溶解された単量体又は共単量体、アルミニウムアルキルなどの溶解された助触媒又はスカベンジャー、水素などの溶解された反応助剤、あるいはオリゴマー又はワックスなどの重合反応の溶解された反応生成物など、さらなる成分も含む。適切な希釈液は、不活性でなければならない。すなわち、反応条件下で分解されてはならない。このような希釈液は、例えば、3~12個の炭素原子を有する炭化水素、特にイソブタン、ブタン、プロパン、イソペンタン、ペンタン、ヘキサン又はオクタンなどの飽和炭化水素、あるいはこれらの混合物である。好ましい実施形態において、希釈液は、炭化水素混合物である。原料から炭化水素混合物を生産する場合には、特定の炭化水素を生産する場合に比べて、原料の成分を分離する必要性が高くなく、これにより炭化水素混合物は、希釈液よりも経済的に魅力的であるが、特定の炭化水素と同一の希釈液性能を示す。しかし、炭化水素混合物は、沸点範囲を有し得る。
希釈液は、好ましくは、蒸留によって混合物からこれらの出発物質を回収することを可能にするために使用された単量体及び共単量体の沸点とは相当に異なる沸点を有する。このような希釈液は、例えば、40℃を超えるか、ひいては60℃を超える沸点を有する炭化水素、又はこれらの炭化水素を高い比率で含む混合物である。したがって、本開示の好ましい実施形態において、重合は、0.1MPaで60℃を超える沸点を有する、50重量%超の飽和炭化水素を含むか、ひいては0.1MPaで60℃を超える沸点を有する、80重量%超の飽和炭化水素を含む液体懸濁媒質中で発生する。
本開示のプロセスは、40~150℃、好ましくは50~130℃、特に好ましくは60~90℃の範囲の温度で、且つ0.1~20MPa、特に好ましくは0.15~5MPa、特に好ましくは0.2MPa~2MPaの圧力下で産業的に知られているすべての懸濁重合プロセスを使用して行うことができる。
本開示の好ましい実施形態において、重合は、直列に連結された少なくとも2つの一連の重合反応器で行われる。これらの反応器は、特定の設計に限定されず、好ましくはこれらの反応器は、ループ反応器又は撹拌タンク反応器である。このような一連の反応器の数には制限がないが、好ましくは、2つ、3つ又は4つの一連の反応器、最も好ましくは、2つ又は3つの反応器で構成される。一連の重合反応器が本開示のプロセスで使用される場合、重合反応器における重合条件は、例えば、共単量体の性質及び/又は量によって、あるいは水素などの重合補助剤の異なる濃度によって異なり得る。好ましくは、重合は、撹拌タンク反応器における懸濁重合である。
エチレン重合体は、通常、粉末として得られ、これは、小粒子の形態であることを意味する。粒子は、通常、触媒形態及び大きさ、並びに重合条件に応じて、多少規則的な形態及び大きさを有する。使用される触媒によっては、ポリオレフィン粉末の粒子は、通常、数百~数千マイクロメータの平均直径を有する。クロム触媒の場合、平均粒子直径は、通常、約300~約1600μmであり、チーグラー型触媒の場合、平均粒子直径は、通常、約50~約3000μmである。好ましいポリオレフィン粉末は、100~250μmの平均粒子直径を有する。粒径分布は、例えば、ふるい分けによって有利に決定することができる。適切な技術は、例えば、振動ふるい分析、又はエアジェット下のふるい分析である。
本開示のプロセスによって得られた好ましいエチレン重合体の密度は、0.90g/cm~0.97g/cmである。好ましくは、密度は、0.920~0.968g/cmの範囲、特に0.945~0.965g/cmの範囲である。密度は、180℃、20MPaで8分間圧着した後、沸騰水で30分間結晶化される2mm厚さの圧縮成形プラークを使用して、DIN EN ISO 1183-1:2004、方法A(浸漬)によって決定された密度であることが理解しなければならない。
好ましい実施形態において、本開示のプロセスによって製造されたポリエチレンは、190℃の温度で21.6kgの荷重下で、DIN EN ISO 1133:2005、条件Gによって決定された、0.5~300g/10分、より好ましくは1~100g/10分、さらによりましくは、1.2~100g/10分、特に1.5~50g/10分のMFR21.6を有する。
本開示のプロセスによって得られたエチレン重合体は、モノモーダル、バイモーダル又はマルチモーダルエチレン重合体であり得る。好ましくは、エチレン重合体は、バイモーダル又はマルチモーダルエチレン重合体である。本明細書において、「マルチモーダル」という用語は、得られたエチレン共重合体の様相を指し、このような様相がゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)曲線で分離された最大値として認識され得るか否かにかかわらず、エチレン共重合体が異なる反応条件下で得られる重合体の少なくとも2つの分画を含むことを示す。異なる重合条件は、例えば、異なる重合反応器で異なる水素濃度を使用し、且つ/又は異なる共単量体濃度を使用することによって達成され得る。このような重合体は、異なる反応条件下で一連の2つ以上の重合反応器においてオレフィン重合を行うことにより得ることができる。しかし、混合触媒を採用してこのようなバイモーダル又はマルチモーダルポリオレフィンを得ることも可能である。分子量分布以外にも、ポリオレフィンは、共単量体分布も有することができ、ここで、好ましくは、分子量がより高い重合体鎖の平均共単量体含量は、分子量がより低い重合体鎖の平均共単量体含量よりも高い。本明細書において使用される「マルチモーダル」という用語は、「バイモーダル」も含む。
本開示のプロセスの好ましい実施形態において、重合は、一連の重合反応器で行われ、エチレン単独重合体、好ましくは、低分子量のエチレン単独重合体は、第1の重合反応器で製造され、エチレン共重合体、好ましくは、高分子量のエチレン共重合体は、後続の重合反応器で製造される。第1の重合反応器におけるエチレン単独重合体の製造を可能にするために、共単量体は、第1の重合反応器に供給されず、一連の重合反応器の第1の重合反応器に導入される供給ストリーム又は再循環ストリームの成分としても直接供給されない。このように得られたマルチモーダルエチレン共重合体は、好ましくは、第1の重合反応器で製造された35~65重量%のエチレン単独重合体と、後続の重合反応器で製造された35~65重量%のエチレン共重合体と、を含む。一連の重合反応器が1つ以上の予備重合反応器を含む場合、予備重合は、好ましくは共単量体を添加せずに行われる。
本開示の他の好ましい実施形態において、エチレン重合体は、一連の3つの重合反応器、すなわち、第1の重合反応器及び2つの後続の重合反応器で製造され、ここで、第1の重合反応器で製造されたエチレン重合体は、エチレン単独重合体、好ましくは低分子量のエチレン単独重合体であり、後続の重合反応器のうちの1つで製造されたポリエチレンは、エチレン共重合体、好ましくは高分子量の共重合体であり、他の後続の重合反応器で製造されたポリエチレンは、より高い分子量のエチレン共重合体、好ましくは超高分子量の共重合体である。このように得られたマルチモーダルエチレン共重合体は、好ましくは30~60重量%、より好ましくは45~55重量%の、第1の重合反応器で製造されたエチレン単独重合体と、30~65重量%、より好ましくは20~40重量%の、1つの後続の重合反応器で製造されたエチレン共重合体と、1~30重量%、より好ましくは15~30重量%の、他の後続の重合反応器で製造された高分子量のエチレン共重合体と、を含む。
本開示のプロセスにおいて、重合反応器又は一連の重合反応器で形成されたエチレン重合体の懸濁液は、固液分離器内に移送され、ここで、エチレン重合体粒子は、懸濁媒質から分離される。エチレン重合体粒子及び母液へのこのような分離は、遠心分離機、デカンタ、フィルタ又はこれらの組み合わせなどのすべての適切な分離装置で行われ得る。好ましくは、固液分離器は、遠心分離機である。本開示の好ましい実施形態において、重合反応器又は一連の重合反応器から排出された懸濁液は、最初には分離器供給容器内に移送され、その後、分離器供給容器から固液分離器に運ばれる。
本明細書において使用される「母液」という用語は、固液分離器で懸濁液から得られた、分離された懸濁媒質を指す。典型的に、母液は、70重量%超の希釈液を含む。母液のさらなる成分は、エチレン、共単量体、アルミニウムアルキル、水素、並びにオリゴマー及びワックスなどの溶解された反応生成物である。本明細書において使用される「オリゴマー」という用語は、希釈液及び共単量体又は複数の共単量体に比べてより高い分子量を有し、標準圧力及び室温で液体である炭化水素を指す。本明細書において使用される「ワックス」という用語は、反応器温度以下で母液中に溶解され、希釈液及びオリゴマーの蒸発後、標準圧力及び室温で固体である炭化水素を指す。好ましい実施形態において、母液は、75~99.5重量%、好ましくは、80~99重量%の希釈液、0.5~20重量%、好ましくは、1~10重量%のオリゴマー、0~5重量%、好ましくは、0.3~3重量%の共単量体又は複数の共単量体、0~5重量%、好ましくは、0.2~3重量%のワックス、0~1重量%、好ましくは、0.001~0.1重量%のエチレン、0~0.1重量%の水素、及び0.1~2.5mmol/lのアルミニウムアルキル又はアルミニウムアルキルの反応生成物で構成される。
固液分離器で得られたエチレン重合体粒子は、通常、依然として懸濁媒質を含有しており、すなわち、エチレン重合体粒子は「湿潤状態」である。湿潤エチレン重合体粒子は、典型的に10重量%~40重量%、好ましくは、15重量%~35重量%の懸濁媒質、すなわち、母液を含む。本開示のプロセスの好ましい実施形態において、分離されたエチレン重合体粒子は、粒子をガスストリームと接触させることで乾燥し、これによって、炭化水素負荷を運ぶガスストリームを形成する。乾燥は、粉末が接触し得る任意の種類の適切な装備で起こる可能性があり、好ましくは、エチレン重合体粒子に付着するか、又はその中に含有された懸濁媒質を吸収するためのガスストリームと逆流式に接触し得る。このような粉末乾燥器は、好ましくは閉ループで循環する高温窒素で作動する。乾燥は、好ましくは、2つの後続の段で残りの懸濁媒質がエチレン重合体粒子から剥離される二段乾燥器で行われる。乾燥されたエチレン重合体粒子は、好ましくは適切な量の添加剤が添加され、混合物が溶融され、均質化され、ペレット化される押出セクションに空圧式に運ばれる。好ましい実施形態において、粉末乾燥器から出る乾燥したエチレン重合体粒子は、最初には脱気ユニット及び/又は粉末処理ユニットを通過した後、押出セクションに運ばれる。
好ましくは、湿潤エチレン重合体粒子を乾燥させるためのガスストリームによって吸収された炭化水素負荷は、その後、ガスストリームから分離されて、液体炭化水素回収ストリームを形成する。このような分離は、例えば、凝縮によって起こり得る。好ましい実施形態において、炭化水素負荷は、冷却した液相が導入されるスクラッバーでガスストリームから分離される。このような実施形態において、乾燥器から出るガスストリームから炭化水素負荷を吸収した液相は、液体炭化水素回収ストリームを形成する。好ましくは、液体炭化水素回収ストリームは、スクラッバーの底部から排出され、このストリームの一部は、冷却器を通過した後、冷却した液相でスクラッバーに戻る。好ましくは、乾燥器から出るガスストリームは、炭化水素負荷がガスストリームから分離される前に、フィルタ又はサイクロンのような粒子除去装備を通過する。
本開示のプロセスの好ましい実施形態において、母液の大部分は、重合反応器又は一連の重合反応器に再循環する。重合が一連の重合反応器で行われる場合、好ましくは、一連の重合反応器のすべての重合反応器には、母液の再循環部分が提供される。好ましくは、90~99.99重量%、より好ましくは、95~99.5重量%、特に97~99重量%の母液が、重合反応器又は一連の重合反応器に再循環する。再循環しない母液の部分は、例えば、ポンプの連続フラッシング(flushing)、供給ストリームのガス状不純物若しくは重合プロセスのガス状副産物をパージするために排気し得るオフガス、又は母液から意図的に除去されるワックスなどの溶解された反応生成物を含む。
母液は、好ましくは、最初には、母液収集容器に供給され、重合プロセスへの再循環のために、母液は、母液収集容器から排出される。
母液は、重合反応器又は一連の重合反応器にそのように再循環し得るか、あるいは、母液は、ワークアップされた形態で再循環し得る。本開示のプロセスにおいて、母液の一部は、母液のワークアップ成分を生産するためのワークアップセクションでワークアップされる。本開示の文脈におけるワークアップは、組成物が1つ以上の分離された組成物に分離されるか、又は組成物の1つ以上の成分が組成物から除去され、除去された成分(複数可)がないか、少なくとも実質的に枯渇した精製組成物が得られることを意味する。しかし、ワークアップは、組成物の個々の成分が単離されるところまで至り得る。このようなワークアッププロセスは、例えば、母液から希釈液よりも相当に低い沸点を有する母液の成分、例えば、エチレン及び/又は1-ブテンを除去し、且つ/又は、母液から希釈液よりも相当に高い沸点を有する懸濁媒質の成分、例えば、オリゴマー及び/又はワックスを除去することを含むことができる。ワークアップセクションを通過する母液の量は、好ましくは、一連の重合反応器に再循環する母液の10~90重量%、より好ましくは20~80重量%、最も好ましくは30~70重量%である。ワークアッププロセスの好ましい実施形態において、母液は、個々の再循環回路で重合に再循環する2つ以上の成分に分離される。分離後、個々の再循環回路それぞれは、さらなる精製ステップを含み得る。個々の再循環回路における一連の重合反応器に再循環し得る母液の成分は、希釈液のほかにもエチレン及び共単量体であり得る。母液のワークアップ成分は、本開示の重合を行うために使用される任意の重合反応器に移送され得る。
本開示による母液をワークアップするためのワークアップセクションは、ワークアップされる母液の一部が母液のワックス枯渇部分を生産するために移送される蒸発ユニットを含む。好ましくは、蒸発ユニットは、母液を蒸発ユニットからガス状形態で排出される低沸点成分と、低沸点成分が枯渇した、ワックスを含有する残りの部分と、に分離する。蒸発ユニットからガス状形態で排出される蒸発部分は、母液のワックス枯渇部分に該当する。母液のこのようなワックス枯渇部分の少なくとも一部は、重合反応器又は一連の重合反応器に再循環する。
本開示のプロセスによれば、ワークアップセクション内に移送される母液の一部にプロトン剤が添加される。本開示のプロセスに採用されるプロトン剤は、金属アルキル化合物にプロトンを供与し、したがって、アルミニウムアルキルなどの助触媒又はオレフィン重合触媒の活性部位の化学的分解を引き起こすことができる任意の化学化合物であり得る。好ましくは、プロトン剤は、水、アルコール、酸又はそれらの混合物である。水は、スチームとして、あるいは任意の類型の有機又は無機化合物の水溶液として、液体形態で添加することができ、好ましくは、水は、液体形態で、又はスチームとして添加される。適切なアルコールには、すべての類型の一価又は多価アルコールが含まれる。プロトン剤として使用するのに好ましいアルコールは、n‐ヘキサノール、n‐ヘプタノール、n‐オクタノール、n‐ノナノール、n‐デカノール、n‐ウンデカノール、n‐ドデカノール、グリセリン若しくはグリコール、又はそれらの混合物である。適切な酸には、すべて類型の有機酸又は無機酸が含まれる。最も好ましくは、プロトン剤は、水又はスチームとして添加される水である。好ましい実施形態において、プロトン剤は、ワークアップされる母液中のオレフィン重合触媒系の他の成分及び助触媒の含量に対するプロトン剤の化学量論的量から、ワークアップされる母液中のオレフィン重合触媒系の他の成分及び助触媒の含量に対するプロトン剤の化学陽論的量の10倍までの範囲の量で添加される。特に好ましい実施形態において、プロトン剤は、ワークアップされる母液中のオレフィン重合触媒系の他の成分及び助触媒の含量に対するプロトン剤の化学量論的量の1.5倍から、ワークアップされる母液中のオレフィン重合触媒系の他の成分及び助触媒の含量に対するプロトン剤の化学陽論的量の3倍までの範囲の量で添加される。
プロトン剤は、好ましくは、母液1トン当たり10g~10000gのプロトン剤、より好ましくは、母液1トン当たり20g~5000gのプロトン剤、最も好ましくは、母液1トン当たり30g~3000gのプロトン剤、特に母液1トン当たり50g~1000gのプロトン剤の比率で添加される。プロトン剤が水である最も好ましい実施形態において、水は、母液1トン当たり10g~2500gの水、より好ましくは、母液1トン当たり20g~1500gの水、最も好ましくは、母液1トン当たり30g~500gの水の比率で添加される。
プロトン剤は、蒸発ユニットと、ワークアップ母液の一部が重合反応器又は一連のそのような重合反応器に再循環する母液から分離される地点との間の任意の位置に添加され得る。1つ以上の位置で、ワークアップされる母液にプロトン剤を添加することが可能である。好ましくは、プロトン剤は、1つの位置で添加される。
本開示の好ましい実施形態において、ワークアップセクション内に移送される母液と、添加されるプロトン剤との混合物は、母液とプロトン剤との混合を強化するために、ワークアップセクションに入る前に混合デバイスを通過する。好ましくは、混合デバイスは、静的ミキサー又はフローミキサー、あるいはラインミキサー又はパイプミキサーなどのインラインミキサー、ジェットミキサー、混合ノズル、ハイドロサイクロン、混合要素(静的又は回転)が備えられた容器、ロータ/ステータミキサー又はホモジナイザー又は乳化器である。最も好ましくは、混合デバイスは、静的ミキサーである。好ましくは、混合デバイスは、プロトン剤が母液に添加される位置の直ぐ下流に設置される。プロトン剤が1つ超の位置で母液に添加される場合、好ましくは、混合デバイスは、プロトン剤が母液に添加される位置それぞれの下流に設置される。
本開示の好ましい実施形態において、予熱器として作動する熱交換器は、蒸発ユニットの上流にワークアップセクションの第1の要素として設置され、ワークアップセクション内に移送される母液とプロトン剤との混合物は、蒸発ユニットに入る前に、この熱交換器を通過する。蒸発ユニットの上流に予熱器を設置すると、蒸発ユニット内でエネルギーを節約するために、母液をほぼ蒸発条件まで加熱することが可能となる。
本開示のプロセスで使用される蒸発ユニットは、好ましくは、熱交換器及び分離容器を含む循環蒸発ユニットである。循環蒸発ユニットは、好ましくは、蒸発する液相を熱交換器内に供給し、熱交換器で液相を部分的に気化させ、生成された液体及び蒸気混合物を分離容器に戻すことによって作動する。
ワークアップされる母液にプロトン剤を添加することにより、循環蒸発ユニット内の熱交換器又は蒸発ユニットの上流に予熱器として設置された熱交換器など、母液を加熱するための熱交換器又は複数の熱交換器内のファウリングは防止されるか、又は少なくとも大幅に減少し得る。本発明者らの意見では、このようなファウリングは、依然として活性であり、母液にも依然として存在する微量の単量体又は共単量体との重合又は架橋反応を行ない得る母液中の触媒及び/又は助触媒の残留物に起因し、且つ/又は、助触媒又は触媒が熱交換器の高温面と接触するとき、堆積物の形成に起因し得る。プロトン剤を添加することにより、そのような活性種が不活性化され、ファウリングが除去されるか、又は少なくとも相当に減少する。
本開示の好ましい実施形態において、蒸発ユニットから排出された母液の蒸発部分は、その後凝縮し、母液のワックス枯渇部分から単離された希釈液を生産する希釈液蒸留ユニットに移送される。希釈液蒸留ユニットにおいて、好ましくは、母液の低沸点成分は、蒸留ステップによって希釈液から分離される。典型的には、低沸点成分は、エチレン、水素、使用された希釈液よりも低いか、又はそれに類似の沸点を有するそれらの共単量体、及び希釈液の一部を含む。これは、例えば、n-ヘキサン又はヘキサン異性体の混合物を希釈液として使用し、1-ブテンを共単量体として使用する場合、母液に含まれる1-ブテンの大部分が希釈液蒸留ユニットで希釈液から分離された低沸点成分の一部を形成することを意味する。好ましくは、母液の低沸点成分の大部分は、個々の再循環回路で、最も好ましくは、1つ以上のさらなるワークアップステップを経た後に重合に再循環する。蒸留ステップによって希釈液から母液の高沸点成分を分離することも可能である。このような高沸点成分は、使用された希釈液の沸点に類似するか、又はそれよりも高い沸点を有する共単量体であり得る。好ましくは、蒸留によって得られた高沸点成分の大部分は、最も好ましくは、1つ以上のさらなるワークアップステップを経た後に重合に再循環する。
希釈液蒸留ユニット内で生産した単離された希釈液は、好ましくは、重合反応器又は一連の重合反応器に少なくとも部分的に再循環する。本開示の好ましい実施形態において、単離された希釈液は、エチレン単独重合体が製造される重合反応器に再循環する。
好ましくは、重合反応器又は一連の重合反応器に再循環する5~70重量%の母液は、単離された希釈液として重合反応器又は一連の重合反応器に再循環し、より好ましくは、7.5~60重量%、特に10~50重量%の母液は、単離された希釈液として重合反応器又は一連の重合反応器に再循環する。
本開示の好ましい実施形態において、単離された希釈液は、重合反応器又は一連の重合反応器に再循環する前に、1つ以上の精製ステップを経ることになり、それによって精製された希釈液が得られる。このような希釈液精製ステップは、例えば、吸着による精製、吸収による精製、触媒水素化、又は膜精製プロセスによる精製であり得る。
本開示の好ましい実施形態において、蒸発ユニットで得られる低沸点成分が枯渇した母液のワックス含有部分は、この母液の一部からワックスを除去するためにワックス除去ユニットに移送される。ワックス除去ユニットで重合プロセスから排出されたワックスは、エネルギー生成のために燃焼するか、又は重合プロセスの副産物として販売され得る。
本開示の好ましい実施形態において、ワックス除去ユニットは、直接スチーム蒸留によって、すなわちワックスが除去される炭化水素ワックス溶液を含む容器にスチームを直接注入することにより作動する。スチームを注入することにより、主に希釈液及びスチームを含むガス状炭化水素/スチーム混合物が、ワックス除去ユニットで生成される。
酸又は高級アルコールをプロトン剤として使用する場合、それらのプロトン剤又はこれらの反応生成物は、ワックス又は廃水と共にプロセスから離脱し得る。
好ましくは、ワックス除去ユニットで得られたガス状炭化水素/スチーム混合物は、ワックス除去ユニットから排出され、凝縮し、液液分離器内に移送され、ここで、混合物は、水相と炭化水素相とに分離される。液液分離器で得られた水相は、好ましくは廃棄される。液液分離器で得られた炭化水素相は、例えば、ワークアップセクション内に移送された母液に添加することで、母液のワックス枯渇部分を生産するための蒸発ユニットの上流の母液ワークアッププロセスの段に再循環し得る。
図1は、希釈液としてヘキサンを使用する懸濁重合プロセスによって一連の3つの重合反応器でマルチモーダルエチレン重合体を製造するための構成を概略的に示す。
懸濁液で第1の重合反応器(1)におけるエチレンを単独重合するか、又はエチレンと他のオレフィンとを共重合するために、再循環したヘキサンが供給ライン(2)を介して反応器(1)に供給される。触媒、エチレン、及び重合助剤、及び可能な共単量体などの任意選択的成分などの反応混合物の他の成分及び/又は直接再循環した母液は、1つ以上の供給ライン(3)を介して反応器に供給される。
反応器(1)における重合の結果として、懸濁媒質中で固体エチレン重合体粒子の懸濁液が形成される。この懸濁液は、ライン(4)を介して、さらなる重合が起こる第2の重合反応器(5)に供給される。新鮮な共単量体、又は反応混合物のさらなる成分は、1つ以上の供給ライン(6)を介して反応器(5)に供給され得る。直接再循環した母液は、ライン(23)を介して反応器(5)に供給され得る。
その後、反応器(5)の懸濁液は、ライン(7)を介して、さらなる重合が行われる第3の重合反応器(8)に供給される。1つ以上の供給ライン(9)は、共単量体、又は反応混合物のさらなる成分を反応器(8)に補足的に供給できるようにする。重合反応器(8)内においては、さらなる重合が起こる。直接再循環した母液は、ライン(24)を介して反応器(8)に供給され得る。
反応器(8)で形成された懸濁媒質中のエチレン重合体粒子の懸濁液は、ライン(10)を介して分離器供給容器(11)に連続的に移送される。次に、懸濁液は、ライン(12)を通過して遠心分離機(13)に入り、ここで、懸濁液は、固体エチレン重合体粒子及び母液、すなわち回収された液体懸濁媒質で分離される。単離された依然として湿潤状態のエチレン重合体粒子は、ライン(14)を介して遠心分離機(13)から放出される。
遠心分離機(13)で得られた母液は、ライン(20)を介して母液収集容器(21)に移送される。そこから、母液は、ポンプ(22)によってライン(23)及び(24)を介して重合反応器(5)及び/又は重合反応器(8)に再循環し得る。
ワークアップのために、母液は、ライン(23)から分岐し、ライン(30)を介して母液タンク(31)に移送される。そこから、母液は、ポンプ(32)によってライン(33)を介して熱交換器(34)を通って蒸発ユニット(35、36)に移送される。蒸発ユニット(35、36)は、蒸発する液相を熱交換器(36)を通って循環させることによって作動する循環蒸発ユニットとして設計され、ここで液相は、部分的に気化する。熱交換器(36)は、入ってくる液体及び蒸気混合物が分離される分離容器(35)に連結される。熱交換器(34)は、蒸発ユニット(35、36)内でエネルギーを節約するために、母液がほぼ蒸発条件まで加熱される予熱器として機能する。
ライン(30)から分岐するライン(37)は、母液タンク(31)を通過せず、母液収集容器(21)から熱交換器(34)及び蒸発ユニット(35、36)に母液を直接供給することを可能にする。プロトン剤は、ライン(38)を介してライン(30)の分岐点の上流の位置でライン(30)内に供給される。本開示のプロセスの異なる実施形態において、母液タンク(31)の上流又は下流の位置に、あるいはポンプ(32)の上流又は下流の位置に、あるいはライン(37)内にプロトン剤を添加することも可能である。
母液の気化した蒸気は、ライン(50)を介して分離容器(35)の上端から排出され、熱交換器(51)で凝縮し、ライン(52)を介して蒸留及び精製ユニット(53)内に移送され、ここで、精製されたヘキサンは、母液の気化した分画から生成される。蒸留及び精製ユニット(53)で得られた、精製されたヘキサンは、ヘキサンタンク(54)内に移送され、そこから、ポンプ(55)によってライン(2)を介して希釈液として重合反応器(1)に再循環する。
母液の高沸点分画が豊富な液相は、ライン(60)を介して分離容器(35)の底部から排出され、ライン(62)を介してワックス分離器容器(61)に直接スチームを注入することによって作動するワックス分離ユニット(61、62、63)に移送される。液体ワックスは、ライン(63)を介してワックス分離器容器(61)の底部から排出され、例えば、スチーム生成用の焼却ユニット(図示せず)に、又は販売用の固形化ユニット若しくは液体出荷ユニット(図示せず)に運ばれ得る。
固形化されたワックスを直接得るために指定された実施形態において、マルチモーダルエチレン重合体を製造するための構成は、並列に配列され、分離容器(35)の底部から出る液相が交互に供給される2つのワックス分離ユニット(61、62、63;図1には1つだけ示される)を含む。分離容器(35)の底部から出る液相の供給を、示されていない他のワックス分離ユニットに切り替えた後、ワックス分離器容器(61)内の液体ワックスは、冷水をワックス分離器容器(61)内に供給することによって冷却される。ワックス分離器容器(61)内の撹拌器(図示せず)は、大きなワックスブロック(wax block)及び小さなワックスチャンク(wax chunk)が形成されるにつれて液体ワックスが固形化されるのを防止する。次いで、これらのワックスチャンクは、ライン(63)を介してワックス分離器容器(61)から、好ましくは販売のために、大きなバック又は任意の他のコンテナ(図示せず)内に放出される。
主にヘキサン及び水を含む、ワックス分離器容器(61)で得られたガス状分画は、ライン(64)を介してワックス分離器容器(61)の上端から排出され、熱交換器(65)で凝縮し、液液分離容器(66)内に移送される。水は、ライン(67)を介して液液分離容器(66)から排出され、廃水システム(図示せず)に移送される。ヘキサン相は、ライン(68)を介して液液分離容器(66)から排出され、ポンプ(69)によってライン(70)を介して母液タンク(31)に移送される。
図2は、本開示のプロセスによって懸濁液におけるエチレン重合体を製造するためのさらなる構成を概略的に示す。
図2に示されるプロセスは、プロトン剤がライン(30)に添加されないが、ライン(40)を介してライン(37)に供給され、プロトン剤がライン(37)に導入される位置の下流に静的ミキサー(41)が設置されることを除いては、図1に示されるプロセスと同一である。
本開示のプロセスは、エチレン重合体を製造する懸濁重合プロセスで得られた懸濁液から、製造されたエチレン重合体粒子を除去することによって得られる母液を経済的且つエネルギー効率的な方式でワークアップすることを可能にする。循環蒸発ユニット内の熱交換器、又は蒸発ユニットの上流に予熱器として設置される熱交換器など、母液を加熱するための熱交換器内のファウリングが防止されるか、又は少なくとも相当に減少する。これらの熱交換器の頻繁な洗浄は防止される。洗浄頻度を減らせば、洗浄プロセス自体のコストが節減されるだけでなく、全体重合プラントの中断時間が減り、これは、経済的に莫大な利益になる。
実施例
比較例A
ライン(38)を介してプロトン剤を添加しなかったことを除いては、図1に示すように、3つの重合反応器を含む商業的に作動する反応器システムでポリエチレンを連続的に製造した。5年を超える期間にわたって、エチレンと任意選択的に共単量体としての1-ブテンとの重合を65℃~85℃の範囲の反応器温度及び0.2MPa~1.3MPaの反応器圧力でチーグラー型触媒の存在下で行ない、異なるグレードの様々なポリエチレンを製造した。グレードによって、生産速度は、30~41t/hの範囲で異なる。遠心分離機(13)から排出され、ライン(20)を介して母液収集容器(21)に移送される母液の量は、常に95~185t/hの範囲であった。ワークアップされる母液は、ライン(23)から分岐し、ライン(30)及び(37)を通過して予熱器(34)に入った。ワークアップされた母液の量は、30~55t/hの範囲であった。液液分離容器(66)から排出され、ライン(70)を介して母液タンク(31)に移送されるヘキサン相の量は、3~7t/hの範囲であった。
重合中に、予熱器(34)及び熱交換器(36)での熱伝達は、非常に相当に減少し、また非常に迅速であった。平均的に、予熱器(34)の性能損失は、4~8週の期間中に50%超であった。熱交換器(36)の場合、10~26週間の期間中に30%超の性能損失が起こった。したがって、熱交換器の十分な熱伝達性能を維持し、結局十分な母液ワークアップ能力を有するためには、6~12週間ごとに予熱器(34)を洗浄し、3~6ヶ月ごとに熱交換器(36)を洗浄する必要があった。
実施例1
比較例Aの重合を繰り返したが、ライン(37)を永久的に閉鎖し、ワークアップされる母液の全量をライン(30)を介して母液タンク(31)内に移送した。図1に示すように、ライン(38)を介してプロトン剤として水を、ライン(30)を通過して母液タンク(31)に入る母液1トン当たり250gの水の量で添加した。
5年の期間中に、エチレンと任意選択的に共単量体としての1-ブテンとの重合を65℃~85℃範囲の反応器温度及び0.2MPa~1.3MPaの反応器圧力でチーグラー型触媒の存在下で行ない、比較例Aで製造したポリエチレングレードと非常に類似した異なるグレードの様々なポリエチレンを製造した。
予熱器(34)を、5年を通してまったく洗浄せずに作動させた。熱交換器(36)を予防措置として、定期的なメンテナンス操業停止中、12ヵ月後に一回洗浄した。5年以内に熱交換器(36)を追加で洗浄する必要はなかった。5年後、母液タンク(31)を検査した結果、母液タンク(31)の洗浄を必要とする母液タンク(31)内の沈殿物が発見された。
実施例2
比較例Aの重合を繰り返したが、図2に示すように、ライン(40)を介してプロトン剤として水を、ライン(37)を通過した母液1トン当たり250gの水の量で添加した。
2年の期間中に、エチレンと任意選択的に共単量体としての1-ブテンとの重合を65℃~85℃範囲の反応器温度及び0.2MPa~1.3MPaの反応器圧力でチーグラー型触媒の存在下で行ない、比較例Aで製造したポリエチレングレードと非常に類似した異なるグレードの様々なポリエチレンを製造した。
予熱器(34)を、2年を通してまったく洗浄せずに作動させた。熱交換器(36)を予防措置として、定期的なメンテナンス操業停止中、12ヵ月後に一回洗浄した。2年以内に熱交換器(36)を追加で洗浄する必要はなかった。2年後、母液タンク(31)を検査した結果、母液タンク(31)内に沈殿物が形成されていないことが分かった。
実施例3
実施例2の重合を繰り返したが、図2に示すように、ライン(40)を介してプロトン剤としてLINEVOL 911、n‐ノナノール、n‐デカノール及びn‐ウンデカノール(Shell Chemicalsから市販されている)の混合物を、ライン(37)を通過した母液1トン当たり750gのLINEVOL 911の量で添加した。
2年の期間中に、エチレンと任意選択的に共単量体としての1-ブテンとの重合を65℃~85℃範囲の反応器温度及び0.2MPa~1.3MPaの反応器圧力でチーグラー型触媒の存在下で行ない、実施例2で製造したポリエチレングレードと非常に類似した異なるグレードの様々なポリエチレンを製造した。
予熱器(34)を、2年を通してまったく洗浄せずに作動させた。熱交換器(36)を予防措置として、定期的なメンテナンス操業停止中、12ヵ月後に一回洗浄した。2年以内に熱交換器(36)を追加で洗浄する必要はなかった。2年後、母液タンク(31)を検査した結果、母液タンク(31)内に沈殿物が形成されていないことが分かった。
熱交換器(34)及び蒸発ユニット(35、36)の上流でワークアップされる母液に水又はLINEVOL 911を添加することによって、熱交換器(34)及び(36)の洗浄頻度を大幅に減らした。定期的なメンテナンス操業停止のほかに、熱交換器の洗浄を防止することができ、したがって、母液ワークアップセクションで熱交換器ファウリングによる任意の生産損失を防止することができた。

Claims (10)

  1. 重合反応器又は一連の重合反応器において懸濁重合におけるエチレン重合体を製造するプロセスであって、
    重合触媒の存在下で、40~150℃の温度及び0.1~20MPaの圧力でエチレンを重合するか、又はエチレンと1つ以上のC-C12-1-アルケンとを共重合し、炭化水素希釈液を含む懸濁媒質中でエチレン重合体粒子の懸濁液を形成するステップと、
    前記エチレン重合体粒子の懸濁液を固液分離器内に移送するステップであって、前記懸濁液は、エチレン重合体粒子及び母液に分離されるステップと、
    前記母液の一部を、前記母液のワックス枯渇部分を生産するための蒸発ユニットを含むワークアップセクション内に移送するステップであって、前記ワークアップセクション内に移送される前記母液の一部にプロトン剤(protic agent)を添加するステップと、
    前記母液のワックス枯渇部分の少なくとも一部を、前記重合反応器又は前記一連の重合反応器に再循環させるステップと、を含む、プロセス。
  2. 前記プロトン剤は、水、アルコール、酸又はそれらの混合物である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記プロトン剤は、水であり、前記水は、
    i)液体形態で、
    ii)スチームとして、又は
    iii)有機若しくは無機化合物の水溶液として添加される、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記ワークアップセクション内に移送される母液と、添加されるプロトン剤との混合物は、前記ワークアップセクションに入る前に混合デバイスを通過する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 予熱器として作動する熱交換器は、前記蒸発ユニットの上流に設置され、前記ワークアップセクション内に移送される母液と、添加されたプロトン剤との混合物は、前記蒸発ユニットに入る前に、この熱交換器を通過する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記蒸発ユニットは、熱交換器及び分離容器を含む循環蒸発ユニットであり、前記循環蒸発ユニットは、蒸発する液相を前記熱交換器内に供給し、前記熱交換器で前記液相を部分的に気化させ、生成された液体及び蒸気混合物を前記分離容器に戻すことによって作動する、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記蒸発ユニットで生産された前記母液のワックス枯渇部分は、前記重合反応器又は前記一連の重合反応器に再循環する前に蒸留プロセスにさらにかけられる、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 低沸点成分が枯渇した前記母液のワックス含有部分は、前記蒸発ユニットから排出され、直接スチーム蒸留によって作動するワックス除去ユニットに移送される、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記ワックス除去ユニットは、凝縮した後、液液分離器内で、水相及び炭化水素相に分離されるガス状炭化水素/スチーム混合物を生産し、前記炭化水素相は、前記蒸発ユニットに再循環する、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記製造されたエチレン重合体は、マルチモーダルエチレン共重合体であり、前記エチレン重合体の製造は、一連の重合反応器で行われ、エチレン単独重合体は、前記一連の重合反応器のうちの第1の重合反応器で製造され、エチレンの共重合体は、後続の重合反応器で製造される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
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