JP7301436B2 - 試験方法および線虫試験用プレート - Google Patents

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Description

本発明は試験方法および線虫試験用プレートに関する。
線虫(Caenorhabditis elegans)の化学物質等への応答(走性)を調べる試験方法(走性試験方法)を用いた生体物質の検査方法の開発が進んでいる。例えば、特許文献1、2には線虫による人のがん検査方法が開示されている。この検査方法は線虫ががん患者の尿に誘引されるという一種の化学走性(走化性)に注目した走性試験方法である。また、線虫の該走性試験方法を基盤としたがんスクリーニング検査は実用化が進み、既に検査工程の大部分が自動化されている。
走性試験方法では、寒天平板(固体培地)などを設けた線虫試験用プレート上で行われる。線虫を線虫試験用プレートに放す操作では、まず、線虫を含む液体(以下では「線虫液」と示すことがある。)を滴下する。線虫は、線虫液中で遊泳し、線虫試験用プレート上に線虫液が落下した後も、その液滴の中にとどまる。従来技術では、吸水性の高い紙ワイパーで線虫液の液成分を吸収、または自然乾燥して、遊泳できなくなった線虫を線虫試験用プレート上に這い出させることによって、試験を開始させる。
国際公開第2018/047959号 国際公開第2015/088039号
しかしながら、従来の紙ワイパーによって線虫液の液成分を吸収して線虫を線虫試験用プレート上に供給する操作では、紙ワイパーで液成分を拭き取っている間にも一部の線虫が線虫試験用プレート上に這い出してしまう。そのため、線虫の移動開始地点が厳密に制御できず、検査結果に影響を及ぼす場合がある。また、線虫の嗅覚系は感度が極めて高いため、液成分を拭き取る作業において、人の手指の匂いまたは紙ワイパーに予期せず付着した試料等の匂いが線虫試験用プレートに付着すること、および人による操作のばらつきが試験結果に影響することが問題となる。さらに、従来の線虫を線虫試験用プレートに放す操作は自動化が進んでおらず、人が手作業で行う必要があるため、人件費がかかる。このように、従来の線虫を線虫試験用プレートに放す操作は、検査の安定性およびコストの面で課題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、線虫を用いる試験において、線虫の移動開始位置を制御でき、人による操作の影響を受けない試験方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る試験方法は、線虫を用いる試験方法であって、線虫試験用プレート上に設けられた供給部に、前記線虫を含む線虫液を供給する供給工程、および供給後に前記線虫液を乾燥させて、前記線虫試験用プレート上での前記線虫の移動を可能にさせる乾燥工程を含み、前記供給部には前記線虫液の広がりを抑える加工が施されている、試験方法である。
また、本発明の一態様に係る線虫試験用プレートは、容器および該容器内に形成された固相を備え、前記固相は、その表面上で線虫が移動可能なものであり、前記固相に、前記線虫を含む線虫液が供給される部分である供給部が設けられており、前記供給部には前記線虫液の広がりを抑える加工が施されている、線虫試験用プレートである。
本発明の一態様によれば、試験開始時の線虫の移動開始位置を制御でき、人が操作することによる影響を与えずに試験を開始することができる。
本発明の一実施形態における線虫試験用プレートA1に線虫を供給した際のプレート全体の様子を示す図である。 従来の線虫試験用プレートA2に線虫を供給した際のプレート全体の様子を示す図である。 従来の線虫試験用プレートA2’に線虫を供給した際の供給部の様子を示す図である。 実施例2において本発明の一実施形態における線虫試験用プレートA1に線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 実施例2において本発明の一実施形態における線虫試験用プレートB1に線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 実施例2において本発明の一実施形態における線虫試験用プレートC1に線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 実施例3において本発明の一実施形態における線虫試験用プレートD1に線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 実施例3において本発明の一実施形態における線虫試験用プレートE1に線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 実施例3において本発明の一実施形態における線虫試験用プレートF1に線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 比較例1において従来の線虫試験用プレートD2に線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 比較例1において従来の線虫試験用プレートE2に線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 比較例1において従来の線虫試験用プレートF2に線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 実施例4において本発明の一実施形態における線虫試験用プレートD1に線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 実施例4において従来の線虫試験用プレートD2に従来の方法にて線虫を供給した供給部の様子を継時観察した結果を示す図である。 実施例5において本発明の一実施形態における線虫試験用プレートA1を用いて水溶性物質に対する線虫の化学走性試験を行った結果を示す図である。 実施例5において従来の線虫試験用プレートA2を用いて水溶性物質に対する線虫の化学走性試験を行った結果を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
〔線虫を用いる試験方法〕
本発明の一実施形態における、線虫を用いる試験方法は、線虫試験用プレート(以下、単に「プレート」という場合もある。)上に設けられた供給部に、線虫を含む線虫液を供給する供給工程、および供給後に線虫液を乾燥させて、プレート上での線虫の移動を可能にさせる乾燥工程を含んでいる。供給部には線虫液の広がりを抑える加工が施されている。
供給工程において、線虫液により供給された線虫は、乾燥工程において線虫液の液成分が乾燥すると移動可能となり、プレート上にリリースされる。供給部に線虫液の広がりを抑える加工が施されていることで、液が乾燥するまでの間に線虫液が広がってしまうことを防ぎ、線虫を所定の範囲内にとどめておくことができる。これにより、線虫のリリースのタイミングを制御することができる。なお、本明細書において、「リリース」とは、供給された線虫液の液成分が乾燥して線虫がプレート上に這い出すことを指す。また、本明細書において、「乾燥」とは、線虫が自由にプレート上を移動できるまで線虫液中の液成分が除去されることを意図し、典型的には液成分が80%以上除去された状態のことを指す。
線虫を用いる試験は特に限定されず、線虫の走性を用いた試験であってもよく、例えば、特定濃度のNaClに誘引されるという正の化学走性を調べる試験、がん患者の尿に誘引されるという正の化学走性を調べる試験、および特定濃度のジアセチルから逃避するという負の化学走性を調べる試験等の化学走性試験、ならびに特定の温度に対する走性を調べる温度走性(走温性)試験が挙げられる。
(線虫)
本発明における線虫とは、生物分類学上の線形動物門に属する動物(以下、単に「線形動物」と示す。)および類線形動物門に属する動物(以下、単に「類線形動物」と示す。)の両方を意図している。これらに含まれる動物のうち、陸生または半陸生であって、固相上で移動することができるものであれば特に制限はない。
線形動物としては、非寄生性線虫(または自由生活性線虫)、植物寄生性線虫、昆虫寄生性線虫、昆虫等便乗性線虫、および哺乳類等寄生性線虫の各種線虫などが挙げられる。
非寄生性線虫としては、例えば、セノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans、以下では「C.エレガンス」と示すことがある。)、ニセネグサレセンチュウ(Aphelenchus avenae)、セノラブディティス・アンガリア(Caenorhabditis angaria)、セノラブディティス・ブレンネリ(Caenorhabditis brenneri)、セノラブディティス・ブリッグサエ(Caenorhabditis briggsae)、セノラブディティス・ジャポニカ(Caenorhabditis japonica)、セノラブディティス・レマネイ(Caenorhabditis remanei)、およびプリスティオンクス・パシフィクス(Pristionchus pacificus)などが対象として挙げられる。
植物寄生性線虫としては、例えば、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、アレナリアネコブセンチュウ(Meloidogyne arenaria)、ジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)、ジャガイモシロシストセンチュウ(Globodera pallida)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus penetrans)、ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、クルミネグサレセンチュウ(Pratylenchus vulnus)、ナミクキセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、コムギツブセンチュウ(Anguina tritici)、イモグサレセンチュウ(Ditylenchus destractor)、ハガレセンチュウ(Aphelenchoides ritzemabosi)、ナガハリセンチュウ(Longidorus spp.)、ブドウオオハリセンチュウ(Xiphinema index)、イチゴセンチュウ(Aphelenchoides fragariae)、パイナップルネグサレセンチュウ(Pratylenchus brachyurus)、セノラブディティス・イノピナータ(Caenorhabditis inopinata)、およびコーヒーオオハリセンチュウ(Xiphinema brevicolle)などが対象として挙げられる。
昆虫寄生性線虫としては、例えば、マルハナバチタマセンチュウ(Sphaerularia bombi)、スズメバチタマセンチュウ(Sphaerularia vespae)、スキムシノシヘンチュウ(Hexamermis zuimyshi)、スタイナーネマ・カルポカプサエ(Steinernema carpocapsae)、スタイナーネマ・クシダイ(Steinernema kushidai)、ヒラタケヒダコブセンチュウ(Iotonchium ungulatum)、イオトンキウム・カリフォルニクム(Iotonchium californicum)、イオトンキウム・カテニフォルメ(Iotonchium cateniforme)、イオトンキウム・ラカリエ(Iotonchium laccariae)、イオトンキウム・ルスレ(Iotonchium russulae)、セノラブディティス・アウリキュラリエ(Caenorhabditis auriculariae)、およびブルサフェレンクス・タダミエンシス(Bursaphelenchus tadamiensis)などが対象として挙げられる。
昆虫等便乗性線虫としては、例えば、セノラブディティス・ジャポニカ(Caenorhabditis japonica)、プリスティオンクス・パシフィクス(Pristionchus pacificus)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)、クワノザイセンチュウ(Bursaphelenchus conicaudatus)、タラノザイセンチュウ(Bursaphelenchus luxuriosae)、テラトラブディティス・シンパピラータ(Teratorhabditis synpapillata)、セノラブディティス・ブリッグサエ(Caenorhabditis briggsae)、およびセノラブディティス・レマネイ(Caenorhabditis remanei)などが対象として挙げられる。これらのうち、セノラブディティス・ジャポニカ、プリスティオンクス・パシフィクス、セノラブディティス・ブリッグサエ、およびセノラブディティス・レマネイは、実験室にて自由生活性線虫(非寄生性線虫)同様に扱われる。
哺乳類等寄生性線虫としては、糞線虫、フィラリア、回虫(蛔虫)、アニサキス、鞭虫、鉤虫、顎口虫、および旋毛虫(トリヒナ)などが対象として挙げられる。
糞線虫としては、主たる宿主の分類群別に、両生網無尾目寄生性糞線虫(Strongyloides pereira(以下では、糞線虫の属名である「Strongyloides」を単に「S.」と略記することがある。)、S. carinii、S. amphibiophilus、S. bufonis、S. physali、S. spiralis、S. prokopici、およびS. mascomaiなど)、爬虫網トカゲ目寄生性糞線虫(S. cruzi、S. darevskyi、およびS. ophiusensisなど)、爬虫網ヘビ目寄生性糞線虫(S. ophidiae、S. mirzai、S. gulae、およびS. serpentisなど)、鳥網コウノトリ目寄生性糞線虫(S. cubaensis、S. ardeae、およびS. herodiaeなど)、鳥網キジ目寄生性糞線虫(S. avium、S. oswaldoi、およびS. pavonisなど)、鳥網ガンカモ目寄生性糞線虫(S. minimumなど)、鳥網チドリ目寄生性糞線虫(S. turkmenicaなど)、鳥網スズメ目寄生性糞線虫(S. quiscali Barusなど)、哺乳網有袋目寄生性糞線虫(S. thylacisなど)、哺乳網食虫目寄生性糞線虫(S. akbari、およびS. rostombekowiなど)、哺乳網霊長目寄生性糞線虫(S. stercoralis、S. fuelleborni、S. fuelleborni kellyi、およびS. cebusなど)、哺乳網異節目寄生性糞線虫(S. dasypodis、およびS. shastensisなど)、哺乳網有鱗目寄生性糞線虫(S. leiperiなど)、哺乳網齧歯目寄生性糞線虫(S. chapini、S. ratti、S. myopotami、S. venezuelensis、S. agoutii、S. robustus、およびS. sigmodontisなど)、哺乳網食肉目寄生性糞線虫(S. nasua、S. felis、S. mustelorum、S. erschowi、S. planiceps、S. puttori、S. martis、S. vulpis、S. tumefasciens、S. lutrae、およびS. procyonisなど)、哺乳網長鼻目寄生性糞線虫(S. elephantisなど)、哺乳網奇蹄目寄生性糞線虫(S. westeriなど)、および哺乳網偶蹄目寄生性糞線虫(S. papillosus、およびS. ransomiなど)などが対象として挙げられる。これらのうち、S. stercoralis、S. fuelleborni、およびS. fuelleborni kellyiは、人に寄生するいわゆるヒト糞線虫である。また、アライグマ糞線虫であるS. procyonis、およびブタ糞線虫であるS. ransomiなども人に寄生することがある。
フィラリアとしては、犬糸状虫(Dirofilaria immitis)、バンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)、ロア糸状虫(Loa loa)、回旋糸状虫(Onchocerca volvulus)、およびマレー糸状虫(Brugia malayi)などが対象として挙げられる。
回虫(蛔虫)としては、ヒト回虫(Ascaris lumbricoides)、ブタ回虫(Ascaris suum)、頚部膿瘍カイチュウ(Lagochilascaris minor)、ウシ回虫(Neoascaris vitulorum)、ウマ回虫(Parascaris equorum)、アライグマ回虫(Baylisascaris procyonis)、イヌ回虫(Toxocara canis)、およびネコ回虫(Toxocara cati)などが対象として挙げられる。
アニサキスとしては、アニサキス・ピグレフィー(Anisakis pegreffii)、アニサキス・シンプレックス・センス・ストリクト(Anisakis simplex sensu stricto)、およびアニサキス・シンプレックスC(Anisakis simplex C)のいわゆるアニサキスI型、アニサキスII型(Anisakis physeteris)、およびシュードテラノバ(Psudoterranova decipiens)などが対象として挙げられる。
鞭虫としては、ヒト鞭虫(Trichuris trichiura)などが対象として挙げられる。
鉤虫としては、ズビニ鉤虫(Ancylostoma duodenale)、アメリカ鉤虫(Necator americanus)、およびイヌ鉤虫(Ancylostoma caninum)などが対象として挙げられる。
顎口虫としては、日本顎口虫(Gnathostoma nipponicum)、有棘顎口虫(Gnathostoma spinigerum)、剛棘顎口虫(Gnathostoma hispidum)、およびドロレス顎口虫(Gnathostoma doloresi)などが対象として挙げられる。
旋毛虫(トリヒナ)としては、Trichinella britovi、Trichinella spiralis、Trichinella nativa、Trichinella nelsoni、およびTrichinella pseudospiralisなどが対象として挙げられる。
上記以外の哺乳類等寄生性線虫として、フィリピン毛細線虫(Capillaria philippinensis)および肝毛細線虫(Capillaria aerophila)などの毛細線虫(毛頭虫ともいう。)、および東洋眼虫(Thelazia callipaeda)などが対象として挙げられる。
また、類線形動物としては、ハリガネムシなどが対象として挙げられる。ハリガネムシとしては、フトハリガネムシ(Gordius robustus)、オガタハリガネムシ(Gordius ogatai)、タンガニーカハリガネムシ(Pseudogordius tanganykae)、およびニホンザラハリガネムシ(Chordodes japonensis)などが対象として挙げられる。
(供給工程)
本実施形態において、供給工程では、線虫を含んだ線虫液をプレートの供給部に供給することにより、任意の数の線虫をプレートに供給する。供給方法は、試験に影響がない範囲内であれば特に限定されないが、例えばピペット等を用いて任意の量(ボリューム)の線虫液を供給部に供給してもよい。以下では、特に明記がない限りは、線虫としてC.エレガンスを対象とした場合の条件等を例示するが、これに限定されるものではなく、プレートのサイズおよび線虫液の量(ボリューム)などの任意の条件は、対象とする線虫の体のサイズおよび特性等に照らして調整すればよい。
供給工程において線虫液が好適に供給されない場合、後述する乾燥工程において線虫をリリースするのに支障をきたす虞がある。例えば、線虫のリリース時に線虫の集団が発生する虞がある。線虫の集団とは、線虫が集合して塊状の集団となることであり、主に線虫の個体数密度が高い場合に発生する。線虫の集団は解消しない場合があり、また、解消するとしても数十分から数時間を要するため、試験の実施および実施した試験の精度に影響を及ぼす虞がある。
線虫液に含まれる線虫の個体数、線虫液に用いる液体の種類および線虫液の量(ボリューム)などは、試験条件および試験内容等に応じて適宜変更すればよい。
線虫液に含まれる線虫の個体数は、線虫の種類、容器のサイズに応じて適宜に調整すればよい。例えば、線虫の種類としてC.エレガンスを用い、内径約5.2cmの円形容器をプレートに使用する場合には試験を好適に行う観点から、成虫200匹以下とすることが好ましい。また、C.エレガンスを用い、内径約8.2cmの円形容器をプレートに使用する場合には、成虫500匹以下とすることが好ましい。使用する線虫液は、試験に適した線虫個体数を考慮して、個体数密度を適宜調整すればよい。
線虫液に用いる液体は、特に限定されないが、線虫に備わる極めて高い学習・記憶能力により、液体に含まれる特定の味または匂いへの条件付けが生じ、その後の試験に影響する場合があるため、試験の目的によって選択するのが望ましい。例えば、線虫の試験に通常用いられる緩衝液および超純水等であってもよい。線虫に対する脱水抑制の観点では、線虫の保湿効果がある緩衝液の使用が好ましく、例えば、保湿効果のあるゼラチンを含む、線虫の洗浄に用いられる公知のWash bufferを好適に使用することができる。一方、脱水を促進する虞のある塩分濃度の比較的高い液体、例えば生理食塩水は、これを使用すべき特段の事情がない限り避けるのが好ましい。
線虫液を作製する前に、線虫を任意の液体で洗浄してもよい。例えば、線虫を洗浄する液体は、特に限定されないが、液体に含まれる特定の味または匂いへの条件付けが生じ、その後の試験に影響する場合があるため、試験の目的によって選択する必要がある。例えば、線虫の試験に通常用いられる緩衝液および超純水等であってもよい。線虫に対する脱水抑制の観点では、例えばWash bufferが好ましく、脱水を促進する虞のある塩分濃度の高い液体、例えば生理食塩水よりも塩分濃度の高い液体は避けるのが好ましい。
供給部に供給する線虫液の量(ボリューム)は、試験に影響がない範囲内であれば特に限定されない。線虫液の量は後述する乾燥工程の時間に影響する。例えば、その他の条件が同一の場合、線虫液の量が少ないほど乾燥工程に要する時間は短くなる。また、線虫液の量が同じであれば、該線虫液に含まれる線虫の個体数が多いほど乾燥工程に要する時間は短くなる。乾燥工程の時間を考慮して、線虫液の量および線虫の個体数密度を決定してもよい。
供給工程において、供給部に供給する線虫液の量(ボリューム)は、容器サイズ、および、詳細を後述する凹部を設ける場合には、当該凹部の容積などを参照して決定すればよい。例えば、容器サイズが内径約5.2cmまたは約8.4cmである円形プラスチックディッシュに、固体培地を注入し、凹部を1つ設けたプレートを用いる場合、供給する線虫液の量は1μL以上、50μL以下であればよく、2μL以上、30μL以下であることがより好ましい。
また、供給部に供給する線虫液の量(ボリューム)は、乾燥工程の時間に影響するため、乾燥工程の時間を参照して決定してもよい。以下、内径約8.4cmの円形プラスチックディッシュに30mL以下の固体培地を注入し、凹部を1つ設けたプレートを用いる場合を例として、供給部に供給する線虫液の量と線虫がリリースされるまでの時間との関係について説明する。
供給工程から2分~10分後に線虫がリリースされるようにする場合は、供給部に供給する線虫液の量(ボリューム)は、3μL以下とすることが好ましく、2μL以下とすることがより好ましい。
供給工程から90分以上経過してから線虫がリリースされるようにする場合、供給部に供給する線虫液の量(ボリューム)は20μL以上であってもよい。供給する線虫液が当該範囲内であることで、線虫液の乾燥に時間を要し、線虫がリリースされるまでの時間を十分に長くすることが可能となる。
(供給部)
本実施形態において、プレートは供給工程で線虫液を供給する供給部を固相に備えている。供給部には、線虫液の広がりを抑える加工が施されている。線虫液の広がりを抑える加工であることで、線虫の移動開始位置を十分に制御することができる。線虫液の広がりを抑える加工であれば具体的な態様は制限されないが、例えば、供給部を凹部にすること、および供給部の底表面、すなわち、線虫液を滴下する面を疎水性にすることなどが挙げられる。なお、本実施形態において、特に明記がない限りは、固相が固体培地である場合について説明する。なお、固相についての詳細は、後述の〔線虫試験用プレート〕を参照されたい。
はじめに、供給部を凹部にすることについて説明する。供給部を凹部とすることで、その内部で線虫液を保持することができるため、線虫液の広がりを抑えることができる。また、凹部内で線虫が重なって塊状の集団となった場合は、凹部の固体培地表面側の開口部に近い線虫から順番に固体培地表面に這い出すため、線虫のリリース時には線虫の集団を解消させることができる。このため、凹部を設けることで、たとえ線虫の塊状の集団が発生したとしても、集団の状態が持続するのを防ぐことができる。
凹部は、固体培地の表面から固体培地の底部に向かって延びるように形成されている。凹部の深さは、凹部の効果が得られる範囲内であれば特に限定されない。例えば、固体培地の底表面まで到達していても、到達していなくてもよい。
凹部を開口部側から見たときの形状は特に限定されないが、凹部内の線虫を正立顕微鏡で観察する際の観察し易さ、および線虫液の液成分が乾燥した後の線虫の固体培地表面への這い上がり易さの観点からは、凹部の開口部は凹部の底表面と同じ形状、または底表面よりも広くなっている形状であることが好ましい。
凹部の形成方法は特に限定されない。例えば、固体培地をくり抜いて凹部を形成する方法および予め凹部形成のための構造が設けられた容器に固体培地を注入して凹部を形成する方法が挙げられる。
凹部の容積は特に限定されない。例えば、固体培地をくり抜いて凹部とする場合、凹部の容積は固体培地の厚さに依存する。
固体培地を形成させる容器は、サイズ、形状および材質に特に制限はなく、プラスチックディッシュ等の市販の容器を用いることができる。
凹部を有するプレートとして、例えば、底表面内径約8.4cm、底表面積約55cmの円形プラスチックディッシュに、内径5mmの円筒形の凹部(底表面積は約0.2cm)を1つ有する固体培地を形成してもよい。
凹部が固体培地を貫通しており、凹部の底表面において容器が露出していてもよい。容器の底表面が疎水性である場合、その一部が凹部において露出し、供給した線虫液が疎水性部分に触れていることにより、線虫液の乾燥を早めることができる。
本実施形態において疎水性とは、線虫液を弾く性質のことを指す。例えば、滴下した線虫液と、線虫液が接する疎水性の面と、の接触角は、50度以上、望ましくは75度以上、より望ましくは90度以上である。
供給部が凹部であるとき、凹部底表面が疎水性であることにより、凹部底表面に供給(滴下)された線虫液が全体に広がった後に、凹部底表面外周部に速やかに移動し、まず、凹部底表面の中央が乾燥状態となる。そのため、線虫液を線虫が固体培地表面に這い上がる際の動線である凹部内壁に続く凹部底表面外周部に効率よく移動させることができる。これにより、線虫を固体培地表面へと好適に供給することができる。
凹部の底表面において容器が露出する場合、容器全体を疎水性とすることで、凹部底表面の疎水性の加工としてもよい。凹部底表面が疎水性であることで、線虫液が疎水性部分に弾かれるため、線虫液を凹部底表面中央から凹部底表面外周部に速やかに移動させることができる。このような観点から、容器の材質は、液体を吸収または透過しない素材であることが好ましい。このような材質としては、例えば、プラスチック、ガラス、およびポリジメチルシロキサン(PDMS)等のシリコーン樹脂等、またはアルミニウム等の金属を選択できる。
また、凹部の底表面において疎水性材質の容器部分を露出させるのではなく、撥水性ポリマーなどの疎水性材料を凹部の底表面に塗布することでも同様の効果を得ることができる。また、撥水性ポリマーなどの疎水性材料を凹部に塗布する場合、底表面に限らず、凹部の内壁(側面)側に塗布するものであってもよい。
なお、供給部としての凹部は設けずに凹部以外の供給部を設ける場合、供給部表面を疎水性とする加工は特に限定されない。例えば、任意の材質および形状の疎水性シートをプレート上に載せ、該シート上を供給部とすることが挙げられる。
供給部が凹部の場合、凹部の底表面と開口部とをつなぐ凹部内壁が吸水性であってもよい。凹部内壁が吸水性であることにより、線虫液が固体培地に吸収されるため、凹部内の線虫液の乾燥を早めることができる。
本実施形態において吸水性とは、固体培地が線虫液の液成分(水に限定されない)を吸収する性質のことを指す。例えば、線虫液の供給から約30分以内に、線虫液の液成分の40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上を固体培地が吸収することを指す。
凹部の底表面を疎水性とし、凹部の内壁を吸水性としてもよい。この構成により好適に線虫液が凹部底表面外周部に移動する。このため、凹部の内壁においてより好適に線虫液が吸収されるため、乾燥工程を短縮することができる。
凹部の内壁を吸水性とする方法は、特に限定されない。例えば、固体培地をくり抜いて凹部を形成することによりその内壁を吸水性とするものであってもよい。固体培地をくり抜いて凹部を形成することで、固体培地の固化に伴って内部に形成された微細な孔(す)が凹部の内壁に露出し、露出した孔の作用によって、凹部内壁を吸水性とすることができる。
なお、予め凹部形成のための構造が設けられた容器、例えば凸材を装着または挿入した容器に固体培地を注入して固化させる方法で形成した凹部に比べて、固体培地をくり抜く方法で形成した凹部の内壁は表面が粗くなり、凹部内壁の面積が増す。このように、凹部をくり抜いて形成することで、線虫液の液成分を吸収可能な面積、および微細な孔(す)の数が増すものと推定される。このため、凹部をくり抜いて形成することが好ましい。
凹部の内壁の面積は、特に限定されないが、凹部の内壁での線虫液の吸水性を高める観点から、0.1cm以上、4cm以下であることが好ましく、0.2cm以上、2cm以下であることがより好ましい。
吸水性の凹部内壁の面積が大きくなれば吸水性は高まる。一方で、固体培地の増量によって凹部内壁の面積が増加すると、プレート内、ひいては凹部内の湿度が増すなどの理由により、線虫液の乾燥が抑制される。さらに、線虫液の乾燥に要する時間は、プレートのサイズおよび形状、凹部のサイズ、形状および数、線虫液の量(ボリューム)、固体培地の量(ボリューム)、ならびに線虫個体密度などの各種条件の影響を受ける。このため、凹部内壁の面積は、上述した範囲およびその他の条件を参照しながら、適宜選択すればよい。
凹部の深さは、線虫を好適にリリースする観点から、0.1cm以上、1cm以下であることが好ましく、0.14cm以上、0.6cm以下であることがより好ましい。凹部の深さがとりわけ下限を下回らないことで、凹部の内壁の面積を十分な範囲とすることができるため、凹部の内壁の吸水性を十分に保つことができる。また、凹部の深さがとりわけ上限を上回らないことで、線虫が凹部から這い出すまでの距離を短くすること、および凹部内の湿度を好適な範囲内に制御することができる。このため、線虫がリリースされるまでの時間を短縮することができる。
固体培地の厚さを比較的薄くすることで、凹部の深さを低く設定してもよい。これにより、凹部底表面から固体培地表面までの距離が短くなり、凹部の底面から固体培地表面側の開口部に向かって内壁に沿って積み重なる線虫の数を制限できるため、線虫の集団のサイズを抑制できる。さらに線虫が這い上る凹部内壁上の距離が短くなることで、線虫のリリースがスムーズになる。例えば、凹部の深さが0.17cm以上、0.25cm以下である場合、線虫液供給後3分以内に線虫のリリースを開始することができる。
固体培地の量(ボリューム)は、固体培地の作製方法、容器のサイズ、および後述する乾燥工程の条件によって適宜変更してもよい。以下、固体培地の量について、容器に培地を注入して固化させ、室温で密封性の高い保存容器内に一昼夜静置した固体培地を例に、供給部を凹部とした場合について説明する。なお、固化後の保存時間の長短により固体培地の含水率が変化するため、供給工程および後述する乾燥工程の条件等は、固体培地の状態に合わせて調整すればよい。
固体培地の量(ボリューム)は、凹部に供給した線虫液が固体培地表面に溢れない程度の厚さとすることを原則として、好適に試験を実施できる範囲内であれば特に限定されない。例えば、線虫液を好適に乾燥させる観点では、固体培地の量は容器の容積の40%以下とすることが好ましい。下限は特に設定されないが、10%以上であれば、線虫液が固体培地に溢れることはなく、試験を実施できる範囲内である。当該範囲内の固体培地の量とするためには、例えば、底表面内径約8.4cm、容積約72cmの円形ディッシュを用いる場合、固体培地の量は10mL~30mL程度、すなわち厚さ0.2cm~0.6cm程度とすればよい。また、底表面内径約5.2cm、容積約21cmの円形ディッシュを用いる場合、固体培地の量は3mL~10mL程度、すなわち厚さ0.14cm~0.5cm程度とすればよい。
なお、固体培地をくり抜くことで凹部を形成する場合、凹部の深さは固体培地の厚さと同じであり、固体培地の量(ボリューム)に依存するため、凹部の深さが上述した通りの範囲内となるように調整してもよい。
固体培地の量(ボリューム)は容器の容積の20%以下としてもよい。供給される線虫液の量等の他の条件が同一の場合、当該範囲内の固体培地を用いると、この範囲よりも多い量の固体培地を用いる場合に比べ、線虫液の液成分の乾燥速度が速くなる。このため、乾燥工程に要する時間を比較的短くしたい場合において当該範囲内の固体培地を好適に使用できる。なお、本実施形態において「乾燥工程に要する時間が比較的短い」とは、典型的には乾燥工程に要する時間が25分以内であることを意味する。当該範囲内の固体培地の量とするためには、例えば、底表面内径約8.4cm、容積約82cmの円形ディッシュを用いる場合、固体培地の量は10mL程度、すなわち厚さ0.2cm~0.4cm程度とすればよい。また、底表面内径約5.2cm、容積約25cmの円形ディッシュを用いる場合、固体培地の量は3mL程度、すなわち厚さ0.15cm程度とすればよい。
試験に応じて、固体培地の量(ボリューム)は容器の容積の40%以上としてもよい。固体培地の量の上限に制限はないが、試験のし易さの観点からは容器の容積の50%以下であることが好ましい。供給される線虫液の量(ボリューム)等の他の条件が同一の場合、この範囲よりも少ない量の固体培地を用いる場合に比べ、線虫液の液成分の乾燥速度が遅くなる。このため、乾燥工程に要する時間を比較的長くしたい場合において当該範囲内の固体培地を好適に使用できる。なお、本実施形態において「乾燥工程に要する時間が比較的長い」とは、典型的には乾燥工程に要する時間が60分以上、180分以内であることを意味する。なお、180分を超える時間を要する場合、試験に使用する線虫が飢餓状態になり、通常の試験には適さなくなることがあるが、飢餓状態の線虫を使用する試験では、180分を超える極めて長い時間を要する乾燥を選択することもできる。
供給部の数、形状、サイズ、および形成される位置に特に制限はなく、使用する線虫の種類および数、被験物の種類および数、ならびに試験の目的等に応じて適宜に条件を変更すればよい。供給部の数は、例えば、1、2、3、4、5、もしくは6またはそれ以上とすることができる。供給部の形状は、例えば供給部を水平方向に切断した場合の断面の形状が円形状、矩形状、多角形状などであってもよい。
供給部のサイズは、プレートのサイズに比して十分に小さいことが好ましい。例えば、供給部を凹部とした場合、凹部のプレート表面側の開口部の面積の合計は、固体培地の表面の概ね2%以下であってよく、より好ましくは0.4%以下である。凹部の開口部の面積が上記範囲内であることで、試験の実施を妨げることなく、線虫液の広がりを好適に抑えることができる。また、供給部の位置は典型的にはプレートの中央付近であるが、特に限定されず、試験の目的および内容などによって決めればよい。
線虫試験用プレートに用いる容器のサイズは、試験に適したサイズであれば特に限定されない。例えば円形容器の場合、容器底表面の内径が3.0cm以上、15.0cm以下、および高さ(内高)0.5cm以上、3cm以下であることが好ましく、内径が5.0cm以上、10.0cm以下、および高さ(内高)1cm以上、1.5cm以下であることがより好ましい。また、容器が長方形の場合の内寸は、縦(典型的には短辺)3cm以上、30cm以下、横(典型的には長辺)3cm以上、30cm以下、高さ0.5cm以上、3cm以下であることが好ましく、縦5cm以上、15cm以下、横5cm以上、25cm以下、高さ1cm以上、1.5cm以下であることがより好ましい。容器底表面の内寸がこの範囲内であることで、嗅覚に関する化学走性試験における被験物の匂い勾配、味覚に関する化学走性試験における塩分等の濃度勾配、および温度走性試験における温度勾配などの各種勾配をプレート内に好適に形成することができる。また、容器の容積は3.6cm以上、2700cm以下であることが好ましく、19.5cm以上、565cm以下であることが好ましい。
(乾燥工程)
本実施形態において、乾燥工程とは、供給工程の後に、前記供給工程でプレート上に供給された線虫液を乾燥させることで、線虫をプレート上にリリースする工程のことである。乾燥工程での乾燥方法は試験の実施またはその精度に影響がないものであれば、特に限定されない。乾燥方法としては、例えば、線虫液の蒸発および固体培地による吸収を含む自然乾燥、および線虫液の液成分の少なくとも一部を自然乾燥以外の方法で除去する方法が挙げられ、それらを組み合わせて線虫液を乾燥させてもよい。なお、自然乾燥以外の方法で線虫液の液成分の少なくとも一部を除去する工程を、以降では「除去工程」と称する。すなわち、乾燥工程は除去工程を含むものであってもよい。
乾燥工程の自然乾燥において、線虫液の乾燥速度は、プレートの形状およびサイズ、プレートに被せるカバーの有無、供給部の形状、サイズおよび数、滴下した線虫液の量(ボリューム)、ならびに固相の量(ボリューム)等の条件によって変動する。当該条件は、乾燥工程が好適に行えるように、適宜に調整してもよい。また、乾燥速度は、周囲雰囲気の湿度によっても変動し得る。
乾燥工程に要する時間は、試験によって適宜変更してもよく、特に限定されない。例えば、乾燥工程は2分以上、25分以下であってもよい。また、乾燥工程が0秒以上、2分未満となるように条件を調整して、供給直後に線虫がリリースできるように設定してもよい。さらに、乾燥工程は1分以上、90分以下となるように条件を設定して、線虫液の供給から一定時間経過後に線虫を固体培地表面にリリースしてもよい。
乾燥工程およびその後の試験においてはプレートにカバーを被せて静置してもよい。
乾燥工程は、線虫液の供給後に線虫液から液成分の少なくとも一部を自然乾燥以外の方法で少なくとも1回除く除去工程をさらに含んでもよい。この工程により、自然乾燥させる線虫液の量(ボリューム)が減少するため、乾燥工程全体の所要時間を短縮させ、線虫液の供給直後に線虫をリリースすることが可能となる。
除去工程によって除く線虫液の量は特に限定されない。例えば、線虫を早くリリースする観点から、自然乾燥で乾燥させる線虫液の量(ボリューム)を1μL以下にしてもよい。
除去工程において、液成分を除去する方法は線虫試験用プレートに人の手指および試料等の匂いが付着しない方法であれば、特に限定されない。例えば、ピペットで液成分を吸引することによって線虫液の除去を行ってもよい。
ピペットによる液成分の吸引を行う場合、線虫を吸引しない程度の穴径を有するチップを用いればよい。例えば、線虫がC.エレガンスの場合には、典型的には、穴径200μm以下のチップを装備したピペット、より好ましくは、先端の穴径50μm程度に加工したパスツールピペットによる線虫液の液成分の吸引を行えばよい。
除去工程の回数は特に限定されない。除去工程は、1回のみ行ってもよいし、線虫液の液成分が乾燥するまでの間に複数回行ってもよい。また、除去工程を行うタイミングは特に限定されない。例えば、除去工程は供給工程の直後に複数回連続して行ってもよいし、または1回目の除去工程を行った後に、時間を空けてから2回目以降の除去工程を行ってもよい。
〔線虫試験用プレート〕
本発明の一実施形態における、線虫試験用プレートは、容器および該容器内に形成された固相を備え、固相は、その表面上で線虫が移動可能なものであり、固相に、線虫を含む線虫液が供給される部分である供給部が設けられており、供給部には線虫液の広がりを抑える加工が施されている。
本明細書において固相とは、容器内に形成された固体状の層を意図しており、その表面で線虫が移動可能であれば特に制限はない。具体的には、水分を含み、それにより表面が湿った状態にある層が想定される。固体状の層としては、非限定的な例として、寒天、アガロース、ゼラチンおよびコンニャク等から形成されたゲル、ペクチン、グアーガム、カラギーナンおよびキサンタンガム等のゲル化剤または増粘安定剤を液体に添加することで形成されたゲル等が挙げられる。線虫の固体培地表面での円滑な運動を担保する観点からは、寒天等により固化、またはゲル化した固体培地が好ましい。また、線虫の生物学的特性を阻害しない、すなわち生体適合性の観点からは、寒天等の天然由来の原料により固化、またはゲル化した固体培地が好ましい。さらに、走性試験を行う場合は、線虫試験用プレートを用いた試験に影響がないように、固体培地は無味無臭であることが好ましい。また、固体培地には、硫黄源、リン酸塩、および微量のミネラルを添加することもできる。例えば、硫酸マグネシウム(МgSO)、リン酸二水素カリウム(KHPO)、リン酸水素二カリウム(KHPO)、および塩化カルシウム(CaCl)等を添加することがある。固相は、例えば、生物用培地をゲル化または固化した培地であり得る。なお、本明細書では、説明の便宜上、固相について、生物用培地を寒天等により固化、またはゲル化した固体培地を例にして説明するが、これに限定されるものではない。
線虫が固体培地の内部に侵入することを防ぐ観点から、ゴム硬度計を使用し、JIS K 7312(タイプC)熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法の規定に準拠した方法で測定された固体培地のデュロメータ硬さが5以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましく、15以上であることがさらに好ましい。当該デュロメータ硬さが5以上であることにより、固体培地表面の液滴および凹部内の線虫液の液成分等、固体培地に接する液相中を遊泳中の線虫が固体培地の内部に侵入することを防ぐことができる。また、当該デュロメータ硬さが8以上であることにより、空腹等のストレスがない状態で用いられた線虫が固体培地の内部に侵入することを防ぐことができる。
固体培地の状態が試験中、または保存期間中に一定に保たれるように、固体培地中の水分が蒸発しにくいもの、または固体培地自体が自然乾燥しにくいことが好ましく、このような固体培地の例としては、コンニャクが挙げられる。一方で、寒天およびゼラチンなど、比較的自然乾燥しやすい固体培地を使用する場合には、プレートにカバーを被せてテープで密封する、または、密封ケースに保存するなどの方法で乾燥を防げばよい。
なお、固相は、その表面で線虫が移動可能な層として形成されていればよく、その層の下側に別の層(下層)が形成されていてもよい。例えば、表面の層として、線虫の移動および後述する被験物の拡散等に適した層を採用し、下層として、線虫の内部への侵入の抑制および被験物の拡散の抑制に適した層を採用することが可能である。なお、2層とする場合に、このような性質の層の組み合わせには限らない。また、3層以上としてもよい。
さらに、容器の底表面は顕微鏡下で観察するのに十分な可視光・紫外光透過率を有することが好ましい。具体的には、容器の底表面は、波長360nm~860nmの光の透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、波長860nm~1500nmの光の透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、自家蛍光のない、または自家蛍光の少ない素材を母材としたものであってもよい。このような母材を用いた容器は、蛍光観察に好適に用いることができる。例えば、母材としてプラスチックを用いる場合、光透過性に優れ、自家蛍光の少ないプラスチックはとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)およびエポキシ樹脂等が挙げられる。
容器の形状、典型的には容器の内側形状は、例えば、円形、矩形および正方形などであり得る。なお、本明細書において容器の形状とは、容器を上から見たときの形状を意図している。
また、固体培地表面の被験物エリアの線虫および対照物エリアの線虫の計数を行うために、自動撮像機能を備えた一体型顕微鏡(一体型蛍光顕微鏡を含む)を使用する場合、あるいは、画像解析による線虫の計数に特化した、実体顕微鏡(蛍光実体顕微鏡を含む)、撮像装置および画像処理装置からなる解析システムが構築されている場合には、容器の形状およびサイズは、それらの試料ステージに合わせた形状およびサイズとすることが好ましい。
プレートは、試験中にプレートと組み合わせて用いられる、プレートとは別体のカバーをさらに備えていてもよい。カバーは、試験中に、プレート内の状態を均一に保つために使用される。カバーをプレートに被せることにより、固体培地の自然乾燥および線虫液の乾燥の抑制、およびプレート内の湿度の保持などが達成でき、試験環境を一定に保つことが可能となる。また、匂い物質に対する化学走性試験を行う場合に、匂い物質の拡散の抑制、およびプレート外部からの匂い物質の混入の防止なども達成でき、試験環境が一定に保たれる。さらには、カバーをプレートに被せることにより、プレートから線虫が脱出することを阻止することができる。さらに密封性を高める目的で、カバーをプレートに被せた後、疎水性のテープなどで、カバーの端部を覆うとともにプレートの外周に固定することで密封してもよい。
カバーは、カバーを被せた状態でも顕微鏡下でプレートの観察が可能となるように設計されていることが好ましい。すなわち、カバーは、顕微鏡下で観察するのに十分な可視光・紫外光透過率を有することが好ましい。具体的には、カバーは、波長360nm~860nmの光の透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、波長860nm~1500nmの光の透過率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、自家蛍光のない、または自家蛍光の少ない素材を母材としたものであってもよい。このような母材を用いたカバーは、蛍光観察に好適に用いることができる。
(線虫試験用プレートの作製)
線虫の化学走性試験または温度走性試験を行う際には、公知の手法に従って、化学物質の濃度勾配または温度勾配を予め形成することが好ましい。以下、化学走性試験を行う場合の線虫試験用プレートの作製方法の一例について説明する。
化学走性試験用の被験物は線虫試験用プレート上の任意の位置に供給されている。ここで、化学走性試験用の被験物とは、被験物自体が気相中に拡散して匂い物質となる場合の他、被験物に含まれる物質が被験物から気相に放出されて当該物質が匂い物質となる場合、および水溶性物質がプレートの固体培地等に染み込んで拡散する場合等があり得る。
線虫試験用プレートに被験物を供給する方法としては、被験物を任意の位置に滴下、または塗布するなどであればよい。被験物の溶媒の種類、量(ボリューム)、温度、供給のタイミングは特に限定されず、試験内容によって適宜変更すればよい。プレートに対照物を供給する場合、被験物を含まないことを除き、溶媒の種類、量、温度および注入のタイミングを全て、被験物と同様にして供給する。
被験物と対照物を供給する位置は、特に限定されない。線虫試験用プレートの中心を中心とする点対称の位置となるように、それぞれを供給してもよい。
化学走性試験を行う場合の線虫試験用プレートにおいては、匂い物質の放出または拡散速度を制御する処理を行ってもよい。匂い物質の放出または拡散速度を制御することで、線虫の匂い検知感度の最適化が可能となる。
例えば、被験物から放出される匂い物質が線虫試験用プレート内空間で飽和すること、または固体培地表面への匂い物質付着状態も密度勾配が維持される以上に高密度となることによって、線虫の化学走性試験が困難になる。これを防ぐために、被験物を供給するタイミングの調整、または分子飛び出し率を低下させる薬剤を被験物の試験液に添加することが可能である。一方で、匂い物質が気化しにくい物質である場合には、増感剤となる薬剤を被験物の試験液に添加する。対照物を設ける試験では、対照物となる標準液にも試験液と同一の薬剤を同量添加する。
分子飛び出し率を低下させる薬剤としては、従来公知の気化抑制作用を有する物質を使用できる。また、増感剤となる薬剤としては、従来公知の気体拡散作用を有する物質を使用できる。これらにより、試験対象の匂い物質の拡散量、速度および範囲を制御することができ、線虫の匂い等検知感度を制御することが可能となる。匂い物質の放出または拡散速度の制御が可能となることで、線虫試験用プレートのサイズを最適化(特に最小化)することが可能となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
(作用効果)
本実施形態における供給工程において、供給部内で線虫液が広がることなく残存すると、液体の表面張力によって線虫が線虫液に引き込まれたまま、線虫液内部にとどまる。このため、線虫の供給直後に線虫が線虫試験用プレート上に拡散するのを防ぐことができる。
本実施形態の乾燥工程において、自然乾燥によって線虫液を乾燥させる場合であっても、線虫のリリースのタイミングを調整すること、および線虫の集団の発生を防ぐことが可能となる。さらに、線虫液の拭き取り作業が発生しないため、手指の匂いまたは紙ワイパーに予期せず付着した試料等の匂いの線虫試験用プレートへの付着を回避することが可能となる。
上述の通り、本実施形態における供給工程および乾燥工程を組み合わせることによって、本実施形態における試験方法は、従来の試験方法よりも厳密に線虫のリリースのタイミングを制御できる。さらに、試験実施者による操作が少なく、操作が簡便なため、試験実施者の手技への依存が少ない。このため、従来よりも高い精度の試験方法となる。
本実施形態の線虫試験用プレートは、供給部において、線虫液の広がりを抑える加工が施されている。線虫の試験において本実施形態のプレートを用いることで、任意のタイミングまで供給部内に線虫をとどめておくことができる。このため、試験開始時に線虫がプレート上に広がるのを防ぐことができる。本実施形態の線虫試験用プレートにより、より厳密な試験が可能となる。
(まとめ)
本態様1に係る試験方法は、線虫を用いる試験方法であって、線虫試験用プレート上に設けられた供給部に、前記線虫を含む線虫液を供給する供給工程、および供給後に前記線虫液を乾燥させて、前記線虫試験用プレート上での前記線虫の移動を可能にさせる乾燥工程を含み、前記供給部には前記線虫液の広がりを抑える加工が施されている。この構成により、従来よりも工程が簡便で、高い精度の試験が可能となる。
本態様2に係る試験方法は、前記態様1において、前記加工が、前記供給部を凹部にすることである。この構成により、供給工程において線虫液が供給部内に好適に保持される。
本態様3に係る試験方法は、前記態様1または2において、前記加工が、前記供給部を疎水性にすることである。この構成により、供給工程において線虫液が供給部内に好適に保持される。
本態様4に係る試験方法は、前記態様1~3のいずれかにおいて、前記乾燥工程が、前記線虫液の供給の後に線虫液から液成分の少なくとも一部を自然乾燥以外の方法で少なくとも1回除く除去工程をさらに含む。この構成により、乾燥工程を短縮させ、線虫液の供給直後に線虫をリリースすることが可能となる。
本態様5に係る線虫試験用プレートは、容器および該容器内に形成された固相を備え、前記固相は、その表面上で線虫が移動可能なものであり、前記固相に、前記線虫を含む線虫液が供給される部分である供給部が設けられており、前記供給部には前記線虫液の広がりを抑える加工が施されている。この構成により、供給部内に線虫液をとどめることができるため、自然乾燥による線虫のリリースであっても、そのタイミングを調整することが可能となる。
本態様6に係る線虫試験用プレートは、前記態様5において、前記加工が、前記供給部を凹部にすることである。この構成により、より好適に線虫液を供給部内に保持することが可能となる。
本態様7に係る線虫試験用プレートは、前記態様6において、前記凹部の底表面において前記容器が露出している。この構成により、より好適に凹部内に線虫液を保持することが可能となる。
本態様8に係る線虫試験用プレートは、前記態様7において、前記容器の材質がプラスチック、ガラス、シリコーン樹脂または金属である。この構成により、容器底表面において好適に線虫液をはじくことができ、線虫液を供給部内にとどめることが可能となる。
本態様9に係る線虫試験用プレートは、前記態様5~8のいずれかにおいて、前記加工が、前記供給部表面を疎水性にすることである。この構成により、線虫液の広がりを抑えることが可能となる。
本態様10に係る線虫試験用プレートは、前記態様6~8のいずれかにおいて前記凹部の内壁が吸水性である。この構成により、乾燥工程を短縮することができる。
本態様11に係る線虫試験用プレートは、前記態様6~8、および10のいずれかにおいて前記凹部の底表面が疎水性である。この構成により、乾燥工程を短縮することができる。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例で示す実施形態に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
以下に示す各実施例では、線虫としてC.エレガンスを用いて各試験を行った。また、各実施例では、線虫試験用プレートの容器としてサイズの異なる2種類の市販の円形プラスチックディッシュを使用した。2種類の円形プラスチックディッシュとしては、底表面内径が約5.2cmのものと約8.4cmのものを使用した。なお、内径が約8.4cmの円形プラスチックディッシュの容積は、約5.2cmのものの約3.9倍である。
以下に示す各実施例では、容器内に寒天を主とする固体培地を作製して、線虫試験用プレートとして用いた。固体培地は、寒天粉末20gを超純水993mLで溶かした液体を加圧滅菌した後、1MMgSO(1mL)、1Mリン酸カリウム(pH6.0、5mL)、および1MCaCl(1mL)を添加し、撹拌して1L調製した。固体培地をくり抜くことで1つの凹部を作製して供給部とした。なお、作製した凹部は固体培地の中心を中心とする内径5mmの円筒形の凹部であった。実施例で用いた線虫試験用プレートの詳細を表1に示す。以下では、表1に示す線虫試験用プレートの名称を用いて説明する。
Figure 0007301436000001
供給工程で用いる線虫液としては、緩衝液で洗浄済みの線虫の成虫を含むWash bufferを用いた。Wash bufferは、ゼラチン粉末0.5gを超純水993mLで溶かした液体を加圧滅菌した後、1MMgSO(1mL)、1Mリン酸カリウム(pH6.0、5mL)、および1MCaCl(1mL)を添加し、撹拌して1L調製した。以下に示す各実施例では、線虫(C.エレガンス)の至適温度である20℃に冷却し、線虫の洗浄および線虫液に使用した。
〔実施例1.線虫供給工程の検討〕
3mLの固体培地を注入し中央に凹部を1つ形成したプレートA1と、同様に固体培地を3mL注入するものの、凹部を設けないプレートA2およびプレートA2と同様にして作製したプレートA2’を用いて、本発明の線虫供給工程と従来公知の線虫供給工程とによる線虫リリースを継時的に観察した。まず、線虫液をピペットで吸い出し、プレートA1、プレートA2およびプレートA2’のそれぞれの供給部、すなわち、プレートA1においては凹部、プレートA2およびプレートA2’においてはプレート中央に、概ね150匹の成虫を含んだ線虫液を20μLずつ滴下して供給した。プレートA1においては、供給した線虫液の液成分を自然乾燥させる方法を用いた乾燥工程によって、線虫をリリースした。プレートA2においては、従来公知の方法である、供給した線虫液の液成分を紙ワイパーで拭き取る方法で、また、プレートA2’においては、供給した線虫液の液成分を自然乾燥により乾燥させる方法を用いた乾燥工程によって、線虫をリリースした。線虫供給直後から、プレートA1、プレートA2およびプレートA2’の全体を、イメージスキャナーを用いて底表面から撮像し、固体培地表面に線虫が拡散する様子を観察した。
(実施例1の結果)
線虫液供給直後、15分後および90分後のプレートA1の画像を図1に左から順に示す。また、線虫供給直後および線虫液拭き取りから2分後のプレートA2の画像を図2に示す。また、線虫液供給直後および60分後のプレートA2’の画像を図3に左から順に示す。
図1に示す通り、プレートA1においては、線虫供給直後には供給部である凹部内に全ての線虫がとどまっており、線虫の移動開始位置が適切に制御されている。さらに15分経過後もその状態が維持されており、90分かけて全ての線虫が固体培地表面にリリースされた。
一方、図2に示す通り、プレートA2においては、プレート底表面に記した黒い点を目印としてプレート中央に線虫液を供給した。供給直後にはプレートA2の固体培地表面に線虫が広がっており、個体ごとに移動開始位置が異なっていることがわかる。
また、図3に示す通り、プレートA2’においては、少なくとも60分は線虫液の形状がほとんど変化せず、線虫のリリースに十分なほどには、線虫液の乾燥が進まないことがわかる。図中のスケールバーは5mmであり、以下の供給部の画像でも同様とする。さらに、図示しないが、凹部を設けなかったプレートB2およびプレートC2を用いて、プレートA2’と同様の試験を行った。プレートB2はプレートA2’と同じ固体培地をプレートA2’よりも多い5mL注入したプレートであり、プレートC2はプレートA2’と同じ固体培地をプレートA2’よりもさらに多い10mL注入したプレートであった。プレートB2およびプレートC2を用いた試験の結果、プレートA2’と同じ結果が得られた。すなわち、少なくとも60分は線虫液の形状がほとんど変化せず、線虫のリリースに十分なほどには、線虫液の乾燥が進まなかった。
以上より、プレートA1を用いた場合は、プレートA2、プレートA2’、プレートB2、およびプレートC2を用いた場合と比較して、線虫の移動開始位置が適切に制御され、好適に線虫がリリースされることがわかった。
〔実施例2.固体培地の量(ボリューム)の検討1〕
プレートA1と、固体培地の量をそれぞれ5mL、10mLとした以外はプレートA1と同じであるプレートB1およびプレートC1を用いて、固体培地の量の違いによる乾燥工程への影響を調べた。乾燥工程として、供給した線虫液の液成分を自然乾燥による方法を用いて乾燥させた。まず、線虫液をピペットで吸い出し、各プレートの凹部に概ね50匹の成虫を含んだ線虫液を3μLずつ滴下して供給した。供給直後から20秒ごとに40分間、顕微鏡に取り付けたデジタルカメラを用いて凹部を中心とする約1.4cm四方を上側から撮像し、固体培地表面に線虫が拡散する様子を観察した。
(実施例2の結果)
プレートA1、プレートB1およびプレートC1の凹部を継時観察した結果を図4、図5および図6に示す。なお、各図では、線虫液供給直後、3分後、6分後と、凹部から全ての線虫がリリースされた時点の画像を左から順に示す。
図4および図5に示す通り、3μLの線虫液を供給した場合、プレートA1およびプレートB1を用いると、約20分で線虫リリースが完了することがわかった。また、プレートA1では、線虫液供給から6分後でも線虫リリースはほとんど始まっていなかったのに対し、プレートB1では、3分後には線虫リリースが始まり、プレートA1に比べて線虫液中の液成分の乾燥が速かったことが示唆される。これには、固体培地をくり抜いた凹部の内壁の面積がプレートB2の方が大きく、固体培地中への液成分の吸収が進んだことが関係していると考察した。
図6に示す通り、プレートC1では、約30分で線虫リリースが完了することがわかった。プレートC1では、プレートB1と同様に、3分後には線虫リリースが始まり、線虫液の乾燥が進んだものの、プレートB1よりも線虫リリースの完了に時間を要した。この理由の一つとして、固体培地の厚さ、すなわち凹部の深さがプレートB1の2倍あり、乾燥により凹部底表面に重なり合う状態となった複数の線虫が凹部内壁を上って固体培地表面に這い出すのに余分に時間を要したことが関係していると考えられた。
以上の結果から、少なくとも、容器容積の10%以上、40%以下の量の固体培地を注入したプレートに設けた直径5mmの円筒形の凹部に、概ね50匹の成虫を含んだ線虫液を3μL滴下して供給し、乾燥工程として自然乾燥による方法を用いた場合には、その固体培地の量によらず、供給直後から30分以内に線虫リリースが完了することが明らかとなった。
(実施例1および2の考察:線虫液の量(ボリューム)による影響)
実施例2において、プレートA1に3μLの線虫液を供給し、乾燥工程として自然乾燥による方法を用いた場合、図4に示す通り線虫リリースは20分で完了したが、実施例1において、プレートA1に20μLの線虫液を供給した場合には、乾燥工程が実施例2と同一であるにもかかわらず、図1に示す通り凹部への線虫液供給後15分経過しても、線虫液の乾燥が十分に進まず、凹部内の全ての線虫が固体培地表面に這い出るまでに概ね90分を要した。線虫供給後20分程度で線虫のリリースが完了する実施例2の結果と比較すると、線虫の供給からリリースまでの時間が長くなっていることは明らかである。この結果より、乾燥工程として自然乾燥による方法を用いた場合において、線虫液の量を調整することによって、線虫リリースのタイミングを制御できることは明らかである。
〔実施例3.固体培地の量(ボリューム)の検討2〕
直径約8.4cmの円形プラスチックディッシュに、固体培地を10mL、20mLおよび30mL注入して凹部を設けたプレートをそれぞれ作製して、それぞれプレートD1、プレートE1およびプレートF1とした。プレートD1、プレートE1およびプレートF1に、線虫液を供給して、自然乾燥による方法を用いた乾燥工程における固体培地の量および容器のサイズによる影響を調べた。まず、実施例2と同様にして線虫液を供給し、固体培地表面に線虫が拡散する様子を撮像して観察した。
(実施例3の結果)
プレートD1、プレートE1およびプレートF1の凹部を継時観察した結果を図7、図8および図9に示す。なお、各図では、線虫液供給直後、3分後、6分後と、凹部から全ての線虫がリリースされた時点の画像を左から順に示す。
図7、図8および図9に示す通り、3μLの線虫液を供給した場合、プレートD1では約25分、プレートE1およびプレートF1では約30分で線虫リリースが完了することがわかった。また、いずれのプレートでも、線虫液供給から3分後には線虫リリースが始まっていた。以上の結果から、実施例2の結果と同様、少なくとも、容器容積の10%以上、40%以下の量の固体培地を注入したプレートに設けた直径5mmの円筒形の凹部に、概ね50匹の成虫を含んだ線虫液を3μL滴下して供給し、乾燥工程として自然乾燥による方法を用いた場合には、その固体培地の量によらず、供給直後から30分以内に線虫リリースが完了することが明らかとなった。
(実施例2および3の考察:容器サイズによる影響)
さらに、プレートA1~C1を用いて行った実施例2と比べても、プレートD1~F1を用いた実施例3の自然乾燥による方法を用いた乾燥工程に要する時間に大きな違いは認められなかった。このことから、少なくとも、容器容積に占める固体培地の割合が実施例2または実施例3の範囲内であれば、容器サイズの違いによって乾燥工程に要する時間に違いが生じないことは明らかである。
〔比較例1.従来プレートを用いる場合の乾燥工程〕
凹部を設けなかった以外は、実施例3で使用したプレートD1、プレートE1およびプレートF1と同様にして、プレートD2、プレートE2およびプレートF2をそれぞれ作製し、凹部の有無による、自然乾燥による方法を用いた乾燥工程の進行を調べた。実施例3と同様にして線虫液を供給し、固体培地表面に線虫が拡散する様子を撮像して観察した。
(比較例1の結果)
プレートD2、プレートE2およびプレートF2の凹部を継時観察した結果を図10、図11および図12に示す。なお、各図では、滴下による線虫液供給の直後、20分後、30分後および40分後の供給部付近の画像を左から順に示す。
図10、図11および図12に示す通り、供給部を設けない固体培地表面に線虫液を供給しただけでは、20分間経過後も線虫が供給部の線虫液内にとどまっていた、または線虫液が自然乾燥した後も、線虫液を供給した地点周辺で複数個体が塊状の集団になってとどまっていた。図10および図12に示す通り、プレートD2およびプレートF2を用いた場合は、線虫液は供給から20分後に乾燥していたが、線虫の集団が発生した。さらに、プレートD2を用いた場合は、図10に示す通り、線虫液の供給から40分経過しても線虫が供給した地点(黒い点)付近に手段と集団としてとどまっていた。また、図11に示す通り、プレートE2を用いた場合は、線虫液は供給から30分経過しても十分に乾燥しなかった。
なお、実施例3では、凹部を設けた以外の試験条件は本比較例と同じだが、いずれのプレートにおいても30分以内に液成分が乾燥して線虫リリースが完了し、線虫が集団にならず拡散した。以上から、凹部を設けた本発明の一実施形態に係る線虫試験用プレートが、乾燥工程における線虫の好適なリリースに、極めて有効であることは明らかである。
〔実施例4.除去工程を含む乾燥工程の検討〕
プレートD1およびプレートD2を用いて、乾燥工程におけるピペットによる線虫液の液成分の吸引による効果、すなわち除去工程による効果を調べた。まず、線虫液をピペットで吸い出し、プレートD1およびプレートD2の供給部、すなわち、プレートD1においては凹部、プレートD2においてはプレート中央に、概ね100匹の成虫を含んだ線虫液を3μLずつ滴下して供給した。プレートD1においては、線虫液の供給直後に、該線虫液の液成分をピペットで吸引する除去工程を1回行うことにより線虫液を乾燥させて線虫をリリースした。プレートD2においては、供給した線虫液の液成分を従来の方法、すなわち紙ワイパーで拭き取る方法により線虫をリリースした。
供給直後から20秒ごとに2分間、供給部を中心とするエリアを上側から撮像し、固体培地表面に線虫が拡散する様子を観察した。
(実施例4の結果)
プレートD1およびプレートD2の線虫液供給部を継時観察した結果を図13および図14に示す。なお、図13では、線虫液供給(供給工程)直後、線虫液の液成分除去(除去工程)直後、20秒後および2分後の画像を左から順に示す。図14では、線虫液供給直後、液成分拭き取り直後、20秒後および2分後の画像を左から順に示す。
図13に示す通り、乾燥工程が線虫液の供給直後に液成分を吸引する除去工程を含む場合、線虫液中で遊泳していた線虫がすぐさま凹部の内壁を上り始めて凹部内壁を埋め尽くした。そして、20秒後にはその中から数匹の線虫が固体培地表面に到達し、2分後には大部分の線虫が固体培地表面に這い出して拡散した。一方、図14に示す通り、紙ワイパーを用いて液成分を拭き取る従来法による線虫リリースでは、拭き取った直後から線虫が移動を開始し、2分後には固体培地表面に拡散した。
凹部を供給部とした本発明の線虫リリースに要する時間および線虫が固体培地表面に拡散する様子は、図14に示す紙ワイパーを用いて液成分を拭き取る従来法と同等であった。すなわち、2分という極めて短時間で100匹程度の線虫リリースを実現できることは明らかである。また、比較例1に示した自然乾燥を行う従来法の場合のように、線虫が集団となって供給部付近に長時間とどまることもなく、好適にリリースされていることは明らかである。
〔実施例5.線虫供給工程および乾燥工程を用いた水溶性物質に対する化学走性試験〕
水溶性物質の一種である塩化ナトリウム(NaCl)を用いて、水溶性物質に対する線虫の化学走性試験を行った。まず、実施例1で用いたプレートA1およびプレートA2を作製し、プレートの中心から左側に向かって約2cmに位置する固体培地表面の1か所に、被験物であるNaClを高濃度で含むプラグを静置した(NaClスポット)。プラグからNaClを固体培地に拡散させて濃度勾配を形成させるためにプラグを固体培地表面に一晩静置した後、取り除いた。なお、NaClの濃度勾配の形成に用いたプラグは、NaClを最終モル濃度が100mMとなるように含有させた以外はプレートA1およびプレートA2の固体培地と同一の組成とした固体培地を直径5mmの円筒状にくり抜いたものである。
一方、当該中心から右側に向かって約2cmに位置する点対称の位置を対照スポットとした。次いで、2つのスポットに麻酔薬の一種である0.5Mアジ化ナトリウムを1滴ずつ滴下した。滴下した液体が乾く、またはプレートA1およびプレートA2の固体培地に染み込むまで、当該プレートにカバーを被せて静置した。その後、プレートA1の中央に位置する凹部およびプレートA2の中央に、概ね100匹の線虫を含んだ線虫液を3μL滴下して供給した。線虫の供給後にプレートA1およびプレートA2にカバーを被せてテープで密封した上で、遮光環境下で少なくとも1時間静置して、自然乾燥による方法を用いた乾燥工程を行った。その後、プレートA1およびプレートA2全体を、イメージスキャナーを用いて底表面から撮像した。なお、プレートA1の凹部のプレート表面側開口部の面積は、固体培地の表面積の約0.9%と十分に小さく、試験を妨げることなく、線虫液の広がりを好適に抑え、線虫の移動開始位置を制御できていることは明らかである。
(実施例5の結果)
図15にプレートA1を用いた場合の試験結果の一例を示し、図16にはプレートA2を用いた場合の試験結果の一例をそれぞれ示す。図15および図16に示すように、NaClスポットを中心とした同心円状のNaClエリアと、対照スポットを中心とした同心円状の対照エリアをプレートに設けて、各エリアに移動する線虫の様子を観察した。各エリアの設定は、従来公知の線虫の化学走性試験方法に従った。
図15および図16に示すように、プレートA1およびプレートA2のいずれを用いた場合でも、線虫がNaClエリアに誘引された。特に、プレートA1を用いた試験方法では、ほぼ全ての線虫がNaClエリアに移動しており、より精度の高い試験が可能となることがわかった。
本発明は、線虫を用いる試験方法に利用することができる。

Claims (7)

  1. 線虫を用いる試験方法であって、
    線虫試験用プレート上に設けられた供給部に、前記線虫を含む線虫液を供給する供給工程、および
    供給後に前記線虫液を乾燥させて、前記線虫試験用プレート上での前記線虫の移動を可能にさせる乾燥工程を含み、
    前記供給部には前記線虫液の広がりを抑える加工が施されており、
    前記加工が、前記供給部を凹部にすること、及び前記供給部を疎水性にすることの少なくとも一方である、試験方法。
  2. 前記乾燥工程が、前記線虫液の供給の後に線虫液から液成分の少なくとも一部を自然乾燥以外の方法で少なくとも1回除く除去工程をさらに含む、請求項に記載の試験方法。
  3. 容器および該容器内に形成された固相を備え、
    前記固相は、その表面上で線虫が移動可能なものであり、
    前記固相に、前記線虫を含む線虫液が供給される部分である供給部が設けられており、
    前記供給部には前記線虫液の広がりを抑える加工が施されており、
    前記加工が、前記供給部を凹部にすること、及び前記供給部表面を疎水性にすることの少なくとも一方であり、
    前記固相上の前記供給部以外の部分においても線虫が移動可能である、線虫試験用プレート。
  4. 前記凹部は、前記凹部の底表面において前記容器が露出している、請求項に記載の線虫試験用プレート。
  5. 前記容器の材質がプラスチック、ガラス、シリコーン樹脂または金属である、請求項に記載の線虫試験用プレート。
  6. 前記凹部の内壁が吸水性である、請求項3~5のいずれか1項に記載の線虫試験用プレート。
  7. 前記凹部の底表面が疎水性である、請求項3~6のいずれか1項に記載の線虫試験用プレート。
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