(実施例1)
本開示の実施例を具体的に説明する前に、本実施例の概要を説明する。実施例は、住宅等の施設に設置された複数の装置のそれぞれの状態を、当該装置から離れて位置において通知する制御システムに関する。装置の一例は、施設の開口部に設けられた扉、窓等の開閉部材に設置される開閉センサ、窓鍵センサ、電気錠等のセンサである。これらは、戸締まり状態を検知可能なセンサであるといえる。また、装置の別の一例は、照明装置、空調装置等の機器である。本実施例では、照明装置、空調装置等の機器においても状態を検知することに着目するので、このような機器もセンサであるといえる。これらのセンサは、施設に設置された制御装置に接続され、検知結果を制御装置に送信する。また、制御装置は、ネットワークを介して施設外のサーバに接続され、サーバには、スマートフォン等の情報端末装置からアクセス可能である。
制御装置には、押し釦だけのような簡易な構造を有する操作装置も複数接続可能である。各操作装置には、当該操作装置を識別するための識別情報が付与されており、例えば、第1操作装置には第1識別情報が付与され、第2操作装置には第2識別情報が付与される。ユーザが第1操作装置の押し釦を押し下げると、第1操作装置は、第1識別情報が含まれた無線信号を制御装置に送信し、ユーザが第2操作装置の押し釦を押し下げると、第2操作装置は、第2識別情報が含まれた無線信号を制御装置に送信する。制御装置は、各識別情報とセンサとの対応関係を予め保持する。例えば、第1識別情報と窓鍵センサとが対応づけられるとともに、第2識別情報と照明装置とが対応づけられる。制御装置は、受信した無線信号に第1識別情報が含まれている場合、窓鍵センサにおける検知結果をサーバ経由で情報端末装置に送信し、受信した無線信号に第2識別情報が含まれている場合、照明装置における検知結果をサーバ経由で情報端末装置に送信する。
このような構成によって、照明装置が設置された部屋とは別の部屋において、ユーザが第1操作装置の押し釦を押し下げると、窓鍵センサの状態、例えば施錠状態あるいは解錠状態を情報端末装置において確認可能である。また、玄関において、ユーザが第2操作装置の押し釦を押し下げると、照明装置の状態、例えば点灯あるいは消灯を情報端末装置において確認可能である。
図1は、制御システム1000の構成を示す。制御システム1000は、窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260、操作装置280と総称される第1操作装置280a、第2操作装置280b、制御装置300、ルータ400、スピーカ410、ネットワーク420、サーバ440、携帯端末装置500を含む。ここで、窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260の数はそれぞれ「1」とされ、操作装置280の数は「2」とされているが、それらに限定されない。戸締まり状態を検知可能なセンサは窓鍵センサ220に限定されない。例えば、開閉センサ、電気錠が含まれてもよい。また、機器は、照明装置240、空調装置260に限定されない。
窓鍵センサ220は、検知部222、制御部224、通信部226を含み、照明装置240は、制御部242、操作部244、通信部246を含み、空調装置260は、制御部262、操作部264、通信部266を含み、操作装置280は、押し釦282、制御部284、通信部286を含む。制御装置300は、第1通信部310、第2通信部312、記憶部314、操作部316、報知部318、処理部330を含み、処理部330は、第1入力部340、第2入力部342、制御部344、出力部346を含む。
窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260、操作装置280、制御装置300、ルータ400、スピーカ410は、施設100に設置され、ネットワーク420、サーバ440は、施設100の外部に設置される。施設100は、制御システム1000による制御の対象となる建物であり、例えば戸建て住宅である。施設100は戸建て住宅に限定されず、集合住宅の住戸でもよいし、オフィスビル、商業施設などでもよい。施設100の開口部には、扉、窓等の開閉部材が設けられる。開閉部材には、当該開閉部材の戸締まり状態を検知可能なセンサとして、窓鍵センサ220が設置される。施設100の部屋には照明装置240、空調装置260が設置される。窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260は、制御装置300との間で無線通信を実行する。無線通信として、例えば、特定小電力無線が使用されるが、これに限定されず、さらに有線通信が実行されてもよい。
窓鍵センサ220は、施設100の開口部に設けられた開閉部材の施解錠状態(施錠状態あるいは解錠状態)を検知可能な施解錠センサである。開閉部材が窓である場合、窓鍵センサ220は、クレセント錠センサとも呼ばれ、例えば、クレセント錠のハンドルに取り付けられた磁石と、クレセント錠のハンドルが施錠位置にある場合に磁石に対向する磁気センサとを有する。窓鍵センサ220の検知部222は、磁気センサによって検出される磁気の大きさに基づいて開閉部材が施錠状態であるか解錠状態であるかを検知する。制御部224は、検知部222において検知された開閉部材の施解錠状態(施錠状態あるいは解錠状態)が変化すると、開閉部材の施解錠状態を示す検知結果を通信部226から制御装置300に送信させる。
また、検知部222は、窓鍵センサ220を駆動させる電池の残量を検知する。電池残量の検知には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。電池残量は、例えば、80%、50%のように示される。制御部224は、検知部222において検知された電池残量が変化すると、電池残量を通信部226から制御装置300に送信させる。ここで、電池残量の送信は、電池残量が変化する度ではなく、5%のような所定の量だけ変化した場合になされてもよい。
照明装置240は、点灯することによって施設100の部屋を照明する。操作部244は、例えば、押し下げ可能な釦であり、ユーザにより押し下げられることによって点灯あるいは消灯の操作入力を受けつける。操作部244は、ユーザによる操作入力を受けつけると、操作入力に応じた操作信号を制御部242に出力する。制御部242は、例えば、プロセッサおよびメモリを有するマイクロコンピュータで構成される。プロセッサがプログラムを実行することにより、コンピュータシステムによって制御部242の各種の機能が実現される。制御部242は、操作部244から受けつけた操作信号をもとに、点灯したり、消灯したりする。制御部242は、点灯あるいは消灯を設定するが、設定した照明の状態(点灯あるいは消灯)を検知可能であるので、照明センサであるともいえる。制御部242は、検知した照明の状態(点灯あるいは消灯)が変化すると、照明の状態を示す検知結果を通信部246から制御装置300に送信させる。
空調装置260は、冷房、暖房、送風等を実行することによって施設100の温度あるいは湿度を調節する。操作部264は、例えば、押し下げ可能な釦であり、ユーザにより押し下げられることによって動作あるいは停止の操作入力を受けつける。操作部264は、設定温度の操作入力を受けつけてもよい。操作部264は、ユーザによる操作入力を受けつけると、操作入力に応じた操作信号を制御部262に出力する。制御部262は、例えば、プロセッサおよびメモリを有するマイクロコンピュータで構成される。プロセッサがプログラムを実行することにより、コンピュータシステムによって制御部262の各種の機能が実現される。制御部262は、操作部264から受けつけた操作信号をもとに、冷房、暖房、送風等を実行する。制御部262は、冷房、暖房、送風等の動作、停止、設定温度を設定するが、設定した空調の状態(動作、停止、設定温度)を検知可能であるので、空調センサであるともいえる。制御部262は、検知した空調の状態(動作、停止、設定温度)が変化すると、空調の状態を示す検知結果を通信部266から制御装置300に送信させる。
窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260は、検知内容が互いに異なるセンサである。以下では、窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260を「センサ」と総称することもある。
制御装置300の第1通信部310は、前述のごとく、例えば特定小電力無線に対応し、窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260のそれぞれから検知結果を受信する。検知結果には、送信元になるセンサを識別するための識別情報(以下、「センサ識別情報」という)が含まれる。第1通信部310は、検知結果を処理部330に出力する。第1通信部310は、窓鍵センサ220から電池残量を受信する。電池残量にもセンサ識別情報が含まれる。第1通信部310は、電池残量を処理部330に出力する。
処理部330は、受けつけた検知結果あるいは電池残量を記憶部314に記憶する。記憶部314は、検知結果および電池残量をセンサ識別情報毎に記憶する。これは、検知結果および電池残量をセンサ毎に記憶することに相当する。図2は、記憶部314に記憶される状態テーブルのデータ構造を示す。窓鍵センサ220に対して、検知結果として「施錠状態」あるいは「解錠状態」が示されるとともに、電池残量の値が示される。照明装置240に対して、検知結果として「点灯」あるいは「消灯」が示される。空調装置260に対して、検知結果として「動作中」あるいは「停止」が示されるとともに、「動作中」である場合に「設定温度」も示される。ここで、「解錠状態」が、不完全な戸締まり状態であるといえる。図1に戻る。
処理部330は、窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260のそれぞれに対して、接続を確認するための確認信号を第1通信部310から定期的に送信させる。窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260のそれぞれは、確認信号を受信すると、確認信号に対する応答を示すための応答信号を制御装置300に送信する。応答信号にもセンサ識別情報が含まれる。制御装置300の第1通信部310は、応答信号を受信すると、応答信号を処理部330に出力する。このような処理によって、処理部330は、確認信号に対する応答信号を受信したセンサとの通信が可能であると判定する。一方、処理部330は、確認信号に対する応答信号を一定期間受信しないセンサとの通信が不可能であると判定する。処理部330は、通信可能であるか通信不可能であるかを示す通信状態をセンサ識別情報毎に記憶する。図2に示される状態テーブルにおいて、各センサに対する通信状態として「通信可能」あるいは「通信不可能」が示される。
第2通信部312は、例えば、無線通信あるいは有線通信を実行し、ルータ400に接続される。無線通信として、例えば、無線LAN(Local Area Network)が使用されるが、これに限定されない。ルータ400には、スピーカ410が接続されており、第2通信部312は、ルータ400を介してスピーカ410と通信する。例えば、第2通信部312は、音声信号をルータ400経由でスピーカ410に送信する。スピーカ410は、受信した音声信号をもとに音声を出力する。スピーカ410は、マイクロフォンを備えることによって外部からの音声を受けつけ、音声をもとにした音声信号をルータ400経由で第2通信部312に送信してもよい。
また、ルータ400は、ネットワーク420を介してサーバ440に接続される。サーバ440は、ネットワーク420を介して携帯端末装置500を接続する。このような構成において制御装置300と携帯端末装置500は、サーバ440を介して接続される。つまり、サーバ440は、制御装置300と携帯端末装置500とを接続するための機能を有する。
携帯端末装置500は、例えば、スマートフォン、タブレット端末装置、携帯電話装置であり、施設100に居住するユーザによって使用される。携帯端末装置500は、無線通信を実行することによって、前述のごとくネットワーク420を介してサーバ440に接続される。無線通信として、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話システムあるいは無線LANが使用されるが、これに限定されない。携帯端末装置500には、プロセッサおよびメモリを有するマイクロコンピュータが含まれ、プロセッサがプログラムを実行することにより、コンピュータシステムによって各種の機能が実現される。本実施例では、制御システム1000における処理を実行可能なアプリケーションプログラム(以下、「制御システムアプリケーション」という)が実行される。
操作装置280は、例えば、リモートコントローラである。前述のごとく、各操作装置280を識別するための識別情報が規定されており、第1操作装置280aには第1識別情報が付与され、第2操作装置280bには第2識別情報が付与される。押し釦282は、例えば、押し下げ可能な釦である。押し釦282はユーザによる押し下げを検知すると、押し下げを制御部284に通知する。制御部284は、押し下げを通知されると、無線信号を通信部286に出力する。無線信号には識別情報が含まれる。そのため、第1操作装置280aの制御部284から出力される無線信号には第1識別情報が含まれ、第2操作装置280bの制御部284から出力される無線信号には第2識別情報が含まれる。無線信号には識別情報以外の情報が含まれてもよい。通信部286は、無線信号を制御部284から受けつける。通信部286は、特定小電力無線に対応し、制御装置300に無線信号を送信する。
制御装置300の第1通信部310は、操作装置280からの無線信号を受信する。第1通信部310は無線信号を処理部330に出力する。処理部330の第1入力部340は、窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260のそれぞれにおける検知結果を記憶部314から受けつける。また、第1入力部340は、窓鍵センサ220における電池残量を記憶部314から受けつける。さらに、第1入力部340は、窓鍵センサ220、照明装置240、空調装置260のそれぞれにおける通信状態を受けつける。第1入力部340における情報の受付は、記憶部314に記憶された情報が更新されるタイミングで逐次なされる。第1入力部340は、受けつけた情報を制御部344に出力する。
第2入力部342は、第1通信部310において受信した無線信号を受付可能である。つまり、第2入力部342は、第1識別情報が含まれた無線信号を第1操作装置280aから受付可能であるとともに、第2識別情報が含まれた無線信号を第2操作装置280bから受付可能である。第2入力部342は、受けつけた無線信号を制御部344に出力する。
記憶部314は、識別情報と、検知結果等の情報源とを対応づけた制御テーブルを記憶する。図3(a)-(b)は、記憶部314に記憶される制御テーブルのデータ構造を示す。図3(a)において「識別情報」に示される「1」は前述の第1識別情報に相当し、「2」は前述の第2識別情報に相当する。また、「識別情報」の「1」は、「情報源」の窓鍵センサ220に対応づけられるとともに、「出力先」の携帯端末装置500に対応づけられる。さらに、「識別情報」の「2」は、「情報源」の照明装置240に対応づけられるとともに、「出力先」の携帯端末装置500に対応づけられる。図3(b)については後述して、図1に戻る。
制御部344は、第2入力部342において受けつけた無線信号から識別情報を抽出する。制御部344は、記憶部314に記憶した制御テーブルを参照して、識別情報に対応した情報源と出力先を特定する。制御部344は、識別情報が第1識別情報である場合、「情報源」の窓鍵センサ220と、「出力先」の携帯端末装置500とを特定する。制御部344は、窓鍵センサ220のセンサ識別情報、窓鍵センサ220における検知結果と電池残量と通信状態を格納した信号であって、かつ出力先を携帯端末装置500に設定した信号を生成し、当該信号を出力部346に出力する。出力部346は、制御部344から受けつけた信号を第2通信部312に送信させる。
一方、制御部344は、識別情報が第2識別情報である場合、「情報源」の照明装置240と、「出力先」の携帯端末装置500とを特定する。制御部344は、照明装置240のセンサ識別情報、照明装置240における検知結果と通信状態を格納した信号であって、かつ出力先を携帯端末装置500に設定した信号を生成し、当該信号を出力部346に出力する。出力部346は、制御部344から受けつけた信号を第2通信部312に送信させる。
第2通信部312は、出力部346から受けつけた信号を、ルータ400、ネットワーク420経由でサーバ440に送信するとともに、サーバ440に対して当該信号を携帯端末装置500に送信させる。サーバ440は、第2通信部312からの指示にしたがって、ネットワーク420経由で携帯端末装置500に信号を送信する。
携帯端末装置500は、サーバ440からの信号を受信する。携帯端末装置500において実行される制御システムアプリケーションは、受信した信号に含まれた情報を抽出する。第1操作装置280aにおける操作を起点とする場合、抽出された情報は、窓鍵センサ220のセンサ識別情報、窓鍵センサ220における検知結果と電池残量と通信状態を含む。第2操作装置280bにおける操作を起点とする場合、抽出された情報は、照明装置240のセンサ識別情報、照明装置240における検知結果と通信状態を含む。携帯端末装置500は、これらの情報が示された画面を生成し、画面を表示部(図示せず)に表示する。
図4(a)-(c)は、携帯端末装置500の表示部に表示される画面を示す。図4(a)は、窓鍵センサ220のセンサ識別情報、窓鍵センサ220における検知結果と電池残量と通信状態を受けつけた場合の画面である。携帯端末装置500において実行される制御システムアプリケーションは、センサ識別情報をもとに窓鍵センサ220を特定する。また、制御システムアプリケーションには、窓鍵センサ220の取付位置「リビングの窓」が設定されている。また、受けつけた検知結果が施錠状態であるとする。これらより、「リビングの窓の鍵は施錠されています」とのメッセージを示す画面が表示される。受けつけた検知結果が解錠状態である場合、「解錠されています」とのメッセージが示される。図4(a)では、電池残量と通信状態が示されていないが、これらが示されてもよい。
図4(b)は、照明装置240のセンサ識別情報、照明装置240における検知結果と通信状態を受けつけた場合の画面である。携帯端末装置500において実行される制御システムアプリケーションは、センサ識別情報をもとに照明装置240を特定する。また、制御システムアプリケーションには、照明装置240の取付位置「リビング」が設定されている。また、受けつけた検知結果が点灯であるとする。これらより、「リビングの照明は点灯しています」とのメッセージを示す画面が表示される。受けつけた検知結果が消灯である場合、「消灯しています」とのメッセージが示される。図4(b)では、通信状態が示されていないが、これが示されてもよい。図4(c)については後述し、図1に戻る。
ここまでは、記憶部314に記憶される制御テーブルが図3(a)であるとしていたが、制御テーブルは図3(b)のように示されてもよい。図3(b)の制御テーブルは、図3(a)の制御テーブルと比較して、「条件」が追加される。「条件」が「8:00~20:00」であれば、「識別情報」の「2」は、「情報源」の空調装置260に対応づけられるとともに、「出力先」の携帯端末装置500に対応づけられる。一方、「条件」が「20:00~8:00」であれば、「識別情報」の「2」は、「情報源」の照明装置240に対応づけられるとともに、「出力先」の携帯端末装置500に対応づけられる。図1に戻る。
制御部344は、識別情報が第2識別情報である場合、制御部344における計時機能から時刻を取得する。取得した時刻が「条件」の「8:00~20:00」に含まれていれば、制御部344は、「情報源」の空調装置260と、「出力先」の携帯端末装置500とを特定する。制御部344は、空調装置260のセンサ識別情報、空調装置260における検知結果と通信状態を格納した信号であって、かつ出力先を携帯端末装置500に設定した信号を生成し、当該信号を出力部346に出力する。一方、取得した時刻が「条件」の「20:00~8:00」に含まれていれば、制御部344は、「情報源」の照明装置240と、「出力先」の携帯端末装置500とを特定する。制御部344は、照明装置240のセンサ識別情報、照明装置240における検知結果と通信状態を格納した信号であって、かつ出力先を携帯端末装置500に設定した信号を生成し、当該信号を出力部346に出力する。出力部346は、制御部344から受けつけた信号を第2通信部312に送信させる。
携帯端末装置500は、これまでと同様の処理を実行し、受信した信号から抽出した情報が示された画面を生成し、画面を表示部(図示せず)に表示する。図4(c)は、空調装置260のセンサ識別情報、空調装置260における検知結果と通信状態を受けつけた場合の画面である。携帯端末装置500において実行される制御システムアプリケーションは、センサ識別情報をもとに空調装置260を特定する。また、制御システムアプリケーションには、空調装置260の取付位置「寝室」が設定されている。また、受けつけた検知結果が動作中および設定温度25℃であるとする。これらより、「寝室のエアコンは設定温度25℃で動作しています」とのメッセージを示す画面が表示される。受けつけた検知結果が停止である場合、「停止しています」とのメッセージが示される。図4(c)では、通信状態が示されていないが、これが示されてもよい。図4(c)は、「条件」が「8:00~20:00」である場合に相当し、図4(b)は、「条件」が「20:00~8:00」である場合に相当する。図1に戻る。
このように、制御装置300の制御部344は、信号に第2識別情報が含まれている場合に、第1状況であれば、空調装置260に関する情報を出力させ、第1状況とは異なった第2状況であれば、照明装置240に関する情報を出力させる。第1状況は「条件」の「8:00~20:00」に対応し、第2状況は「条件」の「20:00~8:00」に対応する。つまり、制御部344は、同一の識別情報であっても、条件に応じて、情報源と出力先とを変更する。ここで、条件は時刻に対して設定されているが、時刻に限定されない。例えば、天候に対して設定されてもよい。その際、制御部344は、インターネットを介して天気予報のサーバに接続し、当該天気予報のサーバから天候の情報を取得し、天候の情報に応じて対応づけを変更する。
これまで、出力先は、携帯端末装置500とされており、検知結果が携帯端末装置500の画面から表示される。しかしながら、検知結果が携帯端末装置500のスピーカから音声として出力されてもよい。また、出力先は、制御装置300における報知部318とされてもよい。報知部318は、例えばディスプレイであり、図4(a)-(c)と同様の画面を表示する。報知部318は、例えばスピーカであり、検知結果の音声を出力してもよい。さらに、出力先は、第2通信部312に対してルータ400を介して接続されたスピーカ410であってもよい。スピーカ410は、例えば、検知結果の音声を出力する。
さらに、制御装置300は次の処理を実行してもよい。制御装置300の操作部316は、警戒モードと在宅モードのうちの一方を選択する指示を受けつける。処理部330は、警戒モードと在宅モードとを実行可能であり、警戒モードの選択の指示を受けつけた場合に警戒モードを設定し、在宅モードの選択の指示を受けつけた場合に在宅モードを設定する。在宅モードに設定されている場合、処理部330は、第1通信部310において受けつけた検知結果であって、かつ窓鍵センサ220における検知結果が施錠状態から解錠状態に変化しても、異常が発生したと検知しない。
一方、警戒モードに設定されている場合、処理部330は、第1通信部310において受けつけた検知結果であって、かつ窓鍵センサ220における検知結果が施錠状態から解錠状態に変化したときに、異常が発生したと検知する。処理部330は、異常が発生したと検知した場合、出力部346に警告を出力させる。これに応じて、携帯端末装置500は、警告を知らせるための画面を表示したり、あるいは警告を知らせるための音声を出力したりする。警告の出力はこれらに限定されず、報知部318は、警告を知らせるための画面を表示してもよく、スピーカ410は、警告を知らせるための音声を出力してもよい。このような状況下において、第2入力部342において受けつけた無線信号に第1識別情報が含まれ、かつ第1入力部340において受けつけた窓鍵センサ220の検知結果が施錠状態を示す場合に、処理部330は、在宅モードを警戒モードに切りかえて設定してもよい。
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
これまで説明したように、制御装置300は、操作装置280に設定された識別情報をもとに、出力すべき検知結果を切りかえている。そのため、操作装置280を使用するためには、操作装置280に識別情報を予め設定する必要がある。この設定は、簡易である方が好ましいが、セキュリティの低下を抑制するために、変更可能な人を制限することが望まれる。このような要求を満たすために、本実施例に係る設定装置600は次の構成を有する。
図5は、設定装置600の構成を示す。設定装置600は、入力部610、記憶部612、認証部614、制御部616、出力部618を含む。スマートフォン等の通信装置である端末装置(図示せず)は、予めインストールされたアプリケーションプログラムを実行可能であり、設定者は、アプリケーションプログラムを実行させるとともに、登録情報を使用してアプリケーションプログラムにログインする。端末装置は、図1の携帯端末装置500と同一であってもよい。登録情報は、操作装置280を設定可能な設定者を識別するための情報である。設定者は、設定すべき第1識別情報あるいは第2識別情報を入力する。端末装置は、第1識別情報あるいは第2識別情報、登録情報が含まれた信号(以下、「登録要求」という)を設定装置600に送信する。
設定装置600は操作装置280、例えば、第1操作装置280aあるいは第2操作装置280bを設定する。設定装置600の入力部610は、端末装置との間で通信を実行可能であり、登録要求を端末装置から受信する。第1識別情報あるいは第2識別情報が設定の対象である。そのため、入力部610は、登録情報を受けつけるとともに、第1操作装置280aを設定する場合に第1識別情報を受けつけ、第2操作装置280bを設定する場合に第2識別情報を受けつけるといえる。入力部610は、登録要求に含まれた情報を認証部614に出力する。
記憶部612は、既に登録された登録情報を記憶する。認証部614は、記憶部612に記憶された登録情報を参照することによって、入力部610において受けつけた登録情報に対する認証処理を実行する。例えば、認証部614は、入力部610において受けつけた登録情報が登録されていれば、認証処理が成功であると判定する。一方、認証部614は、入力部610において受けつけた登録情報が登録されていなければ、認証処理が失敗であると判定する。認証処理はこのような処理に限定されない。認証部614は、認証処理が失敗した場合に、処理を終了させる。一方、認証部614は、認証処理が成功した場合に、入力部610から受けつけた情報を制御部616に出力する。
制御部616は、認証部614における認証処理が成功した場合に、入力部610から受けつけた第1識別情報あるいは第2識別情報が含まれた信号(以下、「設定信号」という)を生成する。制御部616は、設定信号を出力部618に出力する。出力部618は、操作装置280との間で通信を実行可能であり、設定信号を操作装置280に送信する。具体的に説明すると、出力部346は、認証処理が成功すれば、第1操作装置280aを設定する場合に、第1識別情報が含まれた設定信号を第1操作装置280aに出力する。一方、出力部346は、認証処理が成功すれば、第2操作装置280bを設定する場合に、第2識別情報が含まれた設定信号を第2操作装置280bに出力する。
操作装置280の通信部286は、設定信号を設定装置600から受信する。第1操作装置280aの通信部286は、第1識別情報を設定信号から取得し、これを制御部284に出力する。第2操作装置280bの通信部286は、第2識別情報を設定信号から取得し、これを制御部284に出力する。制御部284は、受けつけた第1識別情報あるいは第2識別情報を設定する。
以上の構成による制御システム1000の動作を説明する。図6は、制御システム1000による出力手順を示すフローチャートである。第1入力部340は窓鍵センサ220における検知結果を受けつけ(S10)、照明装置240における検知結果を受けつける(S12)。第2入力部342は無線信号を受けつける(S14)。識別情報が「1」である場合(S16のY)、制御部344は、窓鍵センサ220における検知結果を出力部346に出力させる(S18)。識別情報が「1」でない場合(S16のN)、例えば、識別情報が「2」であれば、制御部344は、照明装置240における検知結果を出力部346に出力させる(S20)。
図7は、制御システム1000による設定手順を示すフローチャートである。出力部346は、窓鍵センサ220における検知結果を出力する(S50)。検知結果が施錠状態である場合(S52のY)、制御部344は警戒モードを設定する(S54)。検知結果が施錠状態でない場合(S52のN)、制御部344は在宅モードを設定する(S56)。
本実施例によれば、第1識別情報を第1操作装置280aから受けつけた場合に第1検知結果を出力させ、第2識別情報を第2操作装置280bから受けつけた場合に第2検知結果を出力させるので、装置とは離れた位置から当該装置の状態を簡易に確認できる。また、報知部318、スピーカ410、携帯端末装置500のうちの少なくとも1つに、第1検知結果あるいは第2検知結果を出力するので、装置の状態を知らせる手段の自由度を向上できる。また、第1状況であれば第2検知結果を出力させ、第2状況であれば第3検知結果を出力させるので、出力させる検知結果の自由度を向上できる。また、第1検知結果が戸締まり状態を示す場合に警戒モードを設定するので、セキュリティを向上できる。また、登録情報に対する認証処理が成功した場合に、第1識別情報を第1操作装置280aに出力したり、第2識別情報を第2操作装置280bに出力したりするので、セキュリティの低下を抑制できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の制御装置(300)は、第1センサにおける第1検知結果を受けつけるとともに、第2センサおける第2検知結果を受けつける第1入力部(340)と、第1操作装置(280a)を識別するための第1識別情報が含まれた信号を第1操作装置(280a)から受付可能であるとともに、第2操作装置(280b)を識別するための第2識別情報が含まれた信号を第2操作装置(280b)から受付可能である第2入力部(342)と、第2入力部(342)において受けつけた信号に第1識別情報が含まれている場合に、第1入力部(340)において受けつけた第1検知結果を出力させ、第2入力部(342)において受けつけた信号に第2識別情報が含まれている場合に、第1入力部(340)において受けつけた第2検知結果を出力させる制御部(344)と、を備える。
制御部(344)における第1検知結果あるいは第2検知結果の出力先は、第1検知結果あるいは第2検知結果を表示可能な報知部(318)、第1検知結果あるいは第2検知結果の音声を出力可能なスピーカ(410)、本制御装置(300)にネットワーク(420)を介して接続された携帯端末装置(500)のうちの少なくとも1つである。
第1入力部(340)は、第3センサにおける第3検知結果を受けつけ、制御部(344)は、第2入力部(342)において受けつけた信号に第2識別情報が含まれている場合に、第1状況であれば、第1入力部(340)において受けつけた第2検知結果を出力させ、第1状況とは異なった第2状況であれば、第1入力部(340)において受けつけた第3検知結果を出力させる。
第1センサは、施設に設けられた開閉部材に設置されたセンサであって、かつ戸締まり状態を検知可能なセンサであり、制御部(344)は、第2入力部(342)において受けつけた信号に第1識別情報が含まれ、かつ第1入力部(340)において受けつけた第1検知結果が戸締まり状態を示す場合に、戸締まり状態が不完全な戸締まり状態に変化したときに警告を出力させる警戒モードを設定する。
第1操作装置(280a)あるいは第2操作装置(280b)を設定する設定装置(600)であって、設定者を識別するための登録情報を受けつけるとともに、第1操作装置(280a)を設定する場合に第1識別情報を受けつけ、第2操作装置(280b)を設定する場合に第2識別情報を受けつける入力部(610)と、入力部(610)において受けつけた登録情報に対する認証処理を実行する認証部(614)と、認証部(614)における認証処理が成功すれば、第1操作装置(280a)を設定する場合に入力部(610)において受けつけた第1識別情報を第1操作装置(280a)に出力し、第2操作装置(280b)を設定する場合に入力部(610)において受けつけた第2識別情報を第2操作装置(280b)に出力する出力部(618)と、を備えてもよい。
(実施例2)
次に実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、住宅等の施設に設置された装置の状態を、当該装置から離れて位置において通知する制御システム1000に関する。実施例1では、操作する操作装置280を変えることによって、別の装置における検知結果が通知される。一方、実施例2では、操作する操作装置280を変えることによって、検知結果の出力先が変更される。実施例2に係る制御システム1000の構成は、図1と同様のタイプである。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
ここでは、一例として、第1操作装置280aと第2操作装置280bが、施設100の玄関に異なった高さで設置されている場合を想定する。第1操作装置280aは第2操作装置280bよりも高い位置に設置されており、例えば、第1操作装置280aは、大人が操作しやすい高さに設置され、第2操作装置280bは、子供が操作しやすい高さに設置される。
図8は、記憶部314に記憶される制御テーブルのデータ構造を示す。「識別情報」の「1」は、「情報源」の窓鍵センサ220に対応づけられるとともに、「出力先」の携帯端末装置500に対応づけられる。また、「識別情報」の「2」は、「情報源」の窓鍵センサ220に対応づけられるとともに、「出力先」のスピーカ410に対応づけられる。つまり、「識別情報」の「1」と「2」とに対して、互いに異なった出力が設定される。図1に戻る。
制御部344は、第2入力部342において受けつけた無線信号から識別情報を抽出する。制御部344は、記憶部314に記憶した制御テーブルを参照して、識別情報に対応した情報源と出力先を特定する。制御部344は、識別情報が第1識別情報である場合、「情報源」の窓鍵センサ220と、「出力先」の携帯端末装置500とを特定する。制御部344は、窓鍵センサ220のセンサ識別情報、窓鍵センサ220における検知結果と電池残量と通信状態を格納した信号であって、かつ出力先を携帯端末装置500に設定した信号を生成し、当該信号を出力部346に出力する。出力部346は、制御部344から受けつけた信号を第2通信部312に送信させる。第2通信部312は、出力部346から受けつけた信号を、ルータ400、ネットワーク420経由でサーバ440に送信するとともに、サーバ440に対して当該信号を携帯端末装置500に送信させる。サーバ440は、第2通信部312からの指示にしたがって、ネットワーク420経由で携帯端末装置500に信号を送信する。これに続いて、携帯端末装置500では、図4(a)と同様の画面が表示される。
一方、制御部344は、識別情報が第2識別情報である場合、「情報源」の窓鍵センサ220と、「出力先」のスピーカ410とを特定する。制御部344は、窓鍵センサ220のセンサ識別情報、窓鍵センサ220における検知結果と電池残量と通信状態を格納した信号であって、かつ出力先をスピーカ410に設定した信号を生成し、当該信号を出力部346に出力する。出力部346は、制御部344から受けつけた信号を第2通信部312に送信させる。第2通信部312は、出力部346から受けつけた信号を、ルータ400経由でスピーカ410に送信する。スピーカ410は、例えば、検知結果の音声を出力する。
以上の構成による制御システム1000の動作を説明する。図9は、制御システム1000による出力手順を示すフローチャートである。第1操作装置280aは、押し釦282を押し下げられ(S100)、無線信号を送信する(S102)。制御装置300は検知結果を携帯端末装置500に送信する(S104)。携帯端末装置500は検知結果を表示する(S106)。第2操作装置280bは、押し釦282を押し下げられ(S108)、無線信号を送信する(S110)。制御装置300は検知結果の画面をスピーカ410に送信する(S112)。スピーカ410は検知結果の音声を出力する(S114)。
本実施例によれば、第1識別情報を第1操作装置280aから受けつけた場合に検知結果を第1出力先へ出力させ、第2識別情報を第2操作装置280bから受けつけた場合に検知結果を第2出力先へ出力させるので、装置とは離れた位置から当該装置の状態を簡易に確認できる。また、報知部318、スピーカ410、携帯端末装置500のうちの少なくとも1つを第1出力先あるいは第2出力先とするので、装置の状態を知らせる手段の自由度を向上できる。また、検知結果が戸締まり状態を示す場合に警戒モードを設定するので、セキュリティを向上できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示の別の態様もまた、制御装置(300)である。この装置は、センサにおける検知結果を受けつける第1入力部(340)と、第1操作装置(280a)を識別するための第1識別情報が含まれた信号を第1操作装置(280a)から受付可能であるとともに、第2操作装置(280b)を識別するための第2識別情報が含まれた信号を第2操作装置(280b)から受付可能である第2入力部(342)と、第2入力部(342)において受けつけた信号に第1識別情報が含まれている場合に、第1入力部(340)において受けつけた検知結果を第1出力先へ出力させ、第2入力部(342)において受けつけた信号に第2識別情報が含まれている場合に、第1入力部(340)において受けつけた検知結果を、第1出力先とは異なる第2出力先へ出力させる制御部(344)と、を備える。
制御部(344)における第1出力先あるいは第2出力先は、検知結果を表示可能な報知部(318)、検知結果の音声を出力可能なスピーカ(410)、本制御装置(300)にネットワーク(420)を介して接続された第1携帯端末装置(500)あるいは第2携帯端末装置(500)のうちの少なくとも1つである。
センサは、施設に設けられた開閉部材に設置されたセンサであって、かつ戸締まり状態を検知可能なセンサであり、制御部(344)は、第2入力部(342)において信号を受けつけ、かつ第1入力部(340)において受けつけた検知結果が戸締まり状態を示す場合に、戸締まり状態が不完全な戸締まり状態に変化したときに警告を出力させる警戒モードを設定する。
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例1と実施例2との組合せも有効である。本変形例によれば、実施例1と実施例2との組合せによる効果を得ることができる。