以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。その際、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る騒音管理システム1は、図1に示すように、住宅、集合住宅、商業施設といった建屋100に設けられた騒音管理装置2と、建屋100内のネットワーク4と、表示装置5と、音センサ9A、9B、9C、9D、9E(以下、総称する場合は、音センサ9という。)と、を備える。騒音管理システム1は、音センサ9が各区画における騒音を検出し、騒音管理装置2が騒音の大きさ及び特徴に基づいて騒音の伝搬状況を把握し、表示装置5に騒音発生源及び騒音の伝搬状況を示す画面を表示させるシステムである。
音センサ9は、音を検出するデバイスと通信インタフェースを備え、検出した音の波形データを騒音管理装置2に送信する。音を検出するデバイスは、例えばマイクロホンから構成される。通信インタフェースは、ネットワーク4を介して騒音管理装置2と通信可能なインタフェースであれば、任意である。音センサ9は、建屋100を構成する2以上の区画のそれぞれに配置され、各区画における音を検出し、検出した音の波形データを、通信インタフェースとネットワーク4を介して、騒音管理装置2に送信する。図1に示す例では、建屋100が区画1〜4を含み、各区画に音センサ9A〜9Dがそれぞれ配置され、また建屋100の外部の外部区画1に音センサ9Eが配置されている。しかし、区画の数はこれに限らない。また、建屋100の外部は、区画が切り分けられているわけではないが、便宜上、音センサ9を配置する場所を外部区画として扱う。なお、図1に示す例では、建屋100の外部で発生した騒音が建屋100内の区画に伝搬する可能性を考慮するために、建屋100の外部の外部区画1にも音センサ9Eを配置している。しかし、外部で発生した音が建屋100内に伝搬する可能性を無視して良い場合は、外部には音センサ9を配置する必要はない。
騒音管理装置2、音センサ9及び表示装置5は、建屋100内のネットワーク4に接続されている。そして、騒音管理装置2は、ネットワーク4を介して音センサ9及び表示装置5と通信可能である。ネットワーク4で用いる通信規格は任意の通信規格を使用できる。例えば、Ethernet(登録商標)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、USB(Universal Serial Bus)、RS−232Cといった有線の通信規格を使用してもよいし、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)といった無線の通信規格を使用してもよい。また、上記のような汎用の通信規格に限る必要はなく、独自規格を使用してもよい。なお、音センサ9と表示装置5とが直接通信する必要はないため、騒音管理装置2と音センサ9との間のネットワーク4と、騒音管理装置2と表示装置5との間のネットワーク4とは、接続されていなくてもよい。
表示装置5は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイといった表示デバイスと、通信インタフェースを備え、騒音管理装置2から受信した騒音伝搬情報を画面表示する。表示装置5の形態としては、タブレット/スマートフォンといった情報端末機器6、テレビ7、HEMSリモコン8の、3種類が考えられる。表示装置5の設置場所は任意であるが、建屋100が集合住宅の場合は、管理人室のような、住居区画以外の区画に設置するのが望ましい。
騒音管理装置2は、ネットワーク4を介して音センサ9が検出した音の波形データを取得する。そして、騒音の特徴が一致する複数の区画における騒音の大きさを比較することによって、騒音の発生源の存在する区画及びその騒音の周囲への伝搬状況を示す騒音伝搬情報を生成する。そして、生成した騒音伝搬情報を、ネットワーク4を介して表示装置5に出力する。
騒音管理装置2は、図2に示すように、機能構成として、制御部10と、記憶部20と、通信部31と、出力部32と、を備える。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部20に記憶されたプログラムを実行することにより、各部(騒音情報取得部11、騒音区画判定部12、位置取得部13、画像取得部14、騒音伝搬情報生成部15)の機能を実現する。
騒音情報取得部11は、各区画に配置されている音センサ9が検出した音の波形データを、ネットワーク4を介して受信し、受信した波形データに基づき、各区画における騒音の特徴及び騒音レベルを含む騒音情報を取得する。騒音レベルとは、騒音の大きさを示す指標であって、例えば単位としてdBで表した騒音の音圧レベルである。音圧レベルは、騒音の波形データから求めることができるが、騒音の周波数スペクトルから得られる各周波数成分をA特性で補正して求めるのが望ましい。なお、A特性とは、人間の聴覚を考慮した周波数の重み付け特性であり、JIS C 1502−1990(普通騒音計:Sound Level Meter)に定められている。また、騒音レベルの値を、音圧レベルそのものの値にするのではなく、音圧レベルに、騒音の継続時間及び発生頻度を加味した値にしてもよい。また騒音の特徴とは、騒音の発生源が同一であるか否かを判定する指標に用いるデータである。騒音の発生源が同一であるか否かを判定する方法は後述するが、例えば騒音の周波数スペクトルも騒音の特徴になり得る。また、騒音情報取得部11は、取得した各区画における騒音の特徴及び騒音レベルを含む騒音情報を、騒音情報記憶部23に記憶する。
騒音区画判定部12は、騒音情報取得部11が取得した騒音情報に含まれる騒音の特徴及び騒音レベルに基づき、騒音が発生している区画を判定する。
位置取得部13は、騒音伝搬情報生成部15が騒音伝搬情報を生成する際に必要となる、各音センサ9が配置されている区画及び表示装置5に表示される画面上における表示位置を、後述する建屋情報記憶部22から取得する。
画像取得部14は、後述する騒音伝搬情報生成部15が騒音伝搬情報を生成する際に必要となる、建屋の画像及び騒音を示す画像を、後述する画像情報記憶部21から取得する。
騒音伝搬情報生成部15は、騒音区画判定部12が判定した騒音発生区画、位置取得部13が取得した表示位置、及び、画像取得部14が取得した画像に基づき、騒音の発生源の存在する区画及びその騒音の周囲への伝搬状況を示す情報である騒音伝搬情報を生成する。
記憶部20は、ハードウェアとしてROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。ROMは制御部10のCPUが実行するプログラム及び、プログラムを実行する上で予め必要なデータを記憶する。RAMは、プログラム実行中に作成又は変更されるデータを記憶する。記憶部20は、機能的には、画像情報記憶部21、建屋情報記憶部22、騒音情報記憶部23及び騒音伝搬情報記憶部24を備える。
画像情報記憶部21は、図3(a)に示すように、騒音を示す網掛け画像及び音符マーク画像、騒音の伝搬方向を示す矢印マーク画像並びに建屋の間取り図の画像を記憶する。これら各画像には、画像を一意に特定するための画像ID(Identifier)が割り当てられている。図3(a)は、騒音を示す網掛け画像として、例えば、画像IDが#0001、画像種別が網掛け、画像名称が騒音メッシュA、画像サイズが60×60、画像データが図3(b)に示される画像データとなっている画像情報を画像情報記憶部21が記憶していることを示している。網掛け画像の画像データを、画像自体のデータとするのではなく、「横線」、「縦線」、「斜め線」、「ドット」といった、網掛けの種類を示す情報にしてもよい。また、騒音を網掛けで示すのではなく、色で示してもよく、この場合は、画像情報記憶部21は、網掛け画像の情報の代わりに、色の情報を記憶する。
また、図3(a)は、騒音を示す音符マーク画像として、例えば、画像IDが#0011、画像種別がマーク、画像名称が音符マークA、画像サイズが50×80、画像データが図3(f)に示される画像データとなっている画像情報を画像情報記憶部21が記憶していることを示している。
さらに、図3(a)は、建屋の間取り図の画像として、例えば、画像IDが#1001、画像種別がベース、画像名称が間取り図A、画像サイズが300×210、画像データが図3(i)に示す画像データに示される画像データとなっている画像情報を画像情報記憶部21が記憶していることを示している。建屋の間取り図の画像は、騒音管理装置2が騒音伝搬情報を生成する際に、建屋100を構成する複数の区画の位置関係を表すベース画像として、使用される。後述するが、騒音伝搬情報は、表示装置5に表示される騒音通知画面の画面データであり、騒音通知画面は、ベース画像の上に、騒音を示す画像を重畳した画面である。
建屋情報記憶部22は、図4(a)に示すように、ベース画像の情報、音センサ9の個数、その個数分の音センサ配置情報を記憶する。ベース画像の情報とは、「ベースID」、「ベース位置」及び「ベースサイズ」からなる3つの情報である。「ベースID」は、ベース画像の画像IDを示す。「ベース位置」は、騒音通知画面上におけるベース画像の表示位置を示す。「ベースサイズ」は、騒音通知画面上におけるベース画像の表示サイズを示す。例えば、図4(a)に示す例では、「ベースID」が#1001となっているので、騒音管理装置2が騒音伝搬情報を生成する際には、図3(a)に示す画像情報記憶部21を参照して、ベース画像として「間取り図A」を選択する。そして、この「間取り図A」の画像サイズを「ベースサイズ」にある900×600に伸縮し、「ベース位置」にある(0,600)の座標に配置した騒音通知画面を表示するための騒音伝搬情報を騒音管理装置2は生成することになる。
次に、図4(a)に示す例では、音センサ9の個数を示す「音センサ数」が7となっているので、建屋情報記憶部22は、7個分の音センサ配置情報も記憶している。音センサ配置情報とは、「音センサID」、「区画No」、「区画中心座標」、「画像ID」からなる4つの情報である。
「音センサID」は、音センサ9を一意に特定するためのIDを示す。例えば音センサ9が接続されているネットワーク4がEthernet(登録商標)又は無線LANであり、通信プロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いる場合には、音センサIDとして、MAC(Media Access Control)アドレスを用いることができる。図4(a)に示す例では、音センサIDとして1から7までの数字が割り当てられている。
「区画No」は、その音センサ9が、建屋100のどの区画に配置されているかを示す。図4(a)に示すデータ例は、音センサID=1〜4の音センサ9が建屋100内の区画1〜4に配置され、音センサID=5〜7の音センサ9が建屋100の外部の外部区画1〜3に配置されていることを示している。
「区画中心座標」は、騒音通知画面上におけるその区画の表示位置を示す。この座標を基準にして、騒音を示すマークの画像及び矢印の画像を画面上に配置するためのものであり、画面上で区画を示している領域の厳密な中心である必要はない。
「画像ID」は、音センサ9が配置されている区画が騒音の発生源の存在する区画だった場合に騒音通知画面に表示する、騒音を示すための画像のIDである。図3(a)に示す画像情報記憶部21に記憶されている画像の画像IDに対応する。
図4(a)は、音センサIDが5、6及び7の音センサ9が、建屋100の外部の区画に配置されている例を示している。通常、騒音管理装置2は、建屋100の内部で発生している騒音について、騒音の発生源の存在する区画及びその騒音の伝搬状況を通知するので、建屋100の外部で発生している騒音についてはその騒音が発生していることを通知しない。この場合、建屋情報記憶部22は、図4(a)に示すように外部区画に対応する「画像ID」を記憶しない。もし、騒音管理装置2が建屋100の外部で発生している騒音についても、建屋100の内部で発生している騒音と同様に、騒音発生源の存在する区画及びその騒音の伝搬状況を通知する場合は、建屋情報記憶部22は、外部区画に対応する「画像ID」を記憶する。
上記、各ユーザが居住する建屋100は異なるので、画像情報記憶部21に記憶される間取り図の画像データ並びに、建屋情報記憶部22に記憶されるベース画像の情報、音センサ9の個数及び音センサ配置情報は、ユーザ毎に異なる。したがって、騒音管理装置2を工場から出荷する際又は販売店で販売する際には、その騒音管理装置2のユーザの居住する建屋100の情報に基づき、画像情報記憶部21及び建屋情報記憶部22に必要なデータを記憶してから出荷又は販売するのが望ましい。また、間取り図の画像データ、音センサ9の個数及び音センサ配置情報をユーザが画面上で編集した結果を画像情報記憶部21及び建屋情報記憶部22に記憶させることができるアプリケーションソフトを騒音管理装置2に内蔵させても良い。
図2に示す騒音情報記憶部23は、騒音情報取得部11が取得した騒音情報並びに騒音区画判定部12が判定した騒音発生源の存在する区画及びその騒音の伝搬先の区画を記憶する。各区画での騒音の特徴及び騒音レベル、並びに騒音発生源の存在する区画及びその騒音の伝搬先の区画は、騒音情報記憶部23を参照することにより取得することができる。
騒音伝搬情報記憶部24は、騒音伝搬情報生成部15が生成する騒音伝搬情報を記憶する。この騒音伝搬情報が後述する出力部32を介して表示装置5に出力されると、表示装置5は、表示装置5の備える表示デバイス上に、騒音伝搬情報を表示する。表示装置5の備える表示デバイス上に騒音伝搬情報を表示した画面は、ユーザに騒音発生源の存在する区画及びその騒音の伝搬先の区画をわかりやすく示す画面であり、騒音通知画面と呼ばれる。したがって、騒音伝搬情報記憶部24の記憶する騒音伝搬情報は、表示装置5に表示される騒音通知画面の画面データでもある。騒音伝搬情報記憶部24がこの騒音通知画面の画面データをどのようなデータ構造で記憶するかは任意であるが、例えば、いわゆるビデオRAMと同様のデータ構造で記憶することができる。ビデオRAMと同様のデータ構造で記憶する場合、騒音伝搬情報記憶部24は、記憶アドレスと表示装置5の画面上の表示座標とが対応し、書き込まれるデータの値と表示装置5の画面上の色及び明暗とが対応するデータ構造で騒音通知画面の画面データを記憶する。
通信部31は、音センサ9から騒音の波形データを受信するための通信インタフェースである。通信部31は、音センサ9と通信可能であるなら、任意の通信インタフェースでよい。通信部31は、例えばEthernet(登録商標)のような有線の通信規格に対応した通信インタフェースでもよいし、無線LAN又はBluetooth(登録商標)といった無線の通信規格に対応した通信インタフェースでもよい。
出力部32は、騒音管理装置2が表示装置5と通信するための通信インタフェースである。例えば、出力部32は、騒音伝搬情報記憶部24に記憶されている騒音通知画面の画面データを、表示装置5に出力するための通信インタフェースである。また、出力部32は、表示装置5から送信されたデータを、騒音管理装置2が受信するための通信インタフェースでもある。出力部32は、表示装置5と通信可能であるなら、任意の通信インタフェースでよい。出力部32は、例えばEthernet(登録商標)のような有線の通信規格に対応した通信インタフェースでもよいし、無線LAN又はBluetooth(登録商標)のような無線の通信規格に対応した通信インタフェースでもよい。騒音管理装置2が、音センサ9と通信する際の通信規格と表示装置5と通信する際の通信規格とが同じ場合は、通信部31が出力部32を兼ねることができ、この場合は独立した出力部32を設けなくてもよい。また、表示装置5がテレビ7の場合は、出力部32は、HDMI(登録商標)インタフェースを含んでもよい。いずれの場合も、表示装置5は、出力部32と通信可能な通信インタフェースを備える。
以上で、騒音管理装置2の備える各部の説明を終えたので、次に、表示装置5が表示する騒音通知画面について補足説明する。表示装置5は、騒音管理装置2から受信した騒音伝搬情報を用いて、騒音通知画面を表示する。騒音通知画面とは、建屋100を構成する複数の区画の位置関係を表す間取り図上に、騒音の発生源の存在する区画を示す画像及びその騒音の周囲への伝搬状況を示す画像を重畳した画面である。この騒音通知画面の第1の例は、騒音の大きさを明暗で示すものである。この場合、表示装置5は、騒音の発生源の存在する区画を暗く表示し、その騒音の伝搬先の区画の輝度を伝搬後の騒音の大きさに応じてやや暗く表示し、騒音が他の区画に伝搬することもなく他の区画での騒音が伝搬してくることもない区画を明るく表示する。
例えば、画像情報記憶部21の内容が図3(a)、建屋情報記憶部22の内容が図4(a)でそれぞれ示される内容であり、音センサID=1の区画1で騒音が発生し、その騒音が音センサID=2の区画2に伝搬し、他の区画には伝搬していないとする。この場合には、表示装置5は、建屋100での騒音発生状況を示す騒音通知画面として、図4(b)に示すような画面を表示する。この図は、建屋100が2階建であり、1階に区画3及び区画4が隣接して配置され、2階に区画1及び区画2が隣接して配置されていることを示している。表示装置5は、騒音の発生源の存在する区画1を網掛けにより暗く表示し、区画1から騒音が伝搬している区画2を密度の低い網掛けによりやや暗く表示し、騒音が他の区画に伝搬することもなく他の区画からの騒音が伝搬してくることもない区画3及び区画4を、網掛け無しで明るく表示している。
表示装置5は、騒音の伝搬状況を、網掛けによる明暗で表示するのではなく、色の濃淡で表示してもよい。例えば、他の区画に伝搬する騒音が発生している区画を濃い赤色で表示し、その騒音の伝搬先の区画をその区画で検出される騒音レベルに応じた濃度の赤色で表示することにより、騒音の発生源の存在する区画及びその騒音の周囲への伝搬状況を示してもよい。また、表示装置5は、騒音の伝搬状況を明暗又は色の濃淡で表示するのではなく、騒音を示す記号で表示してもよい。さらに、表示装置5は、騒音の発生源の存在する区画に矢印の起点、その騒音の伝搬先の区画に矢印の終点を持つ矢印のマークを表示してもよい。例えば、図5(a)は、騒音を示す記号によって騒音通知画面を生成する場合の建屋情報記憶部22の記憶内容の例である。上記同様、音センサID=1の区画1で騒音が発生し、その騒音が音センサID=2の区画2に伝搬し、他の区画には伝搬していないとする。この場合、表示装置5は、騒音通知画面として、例えば、図5(b)に示すような画面を表示する。図5(b)は、区画1で発生した騒音が区画2に伝搬している場合の表示例であり、表示装置5は、区画1及び区画2で検出される騒音レベルを音符マークの大きさで表し、騒音が発生している区画から騒音の伝搬先の区画に向けた矢印のマークを表示している。
次に表示装置5の構成について説明する。表示装置5の形態としては、情報端末機器6、テレビ7、HEMSリモコン8の3種類の形態が考えられるため、それぞれのハードウェア構成を説明する。なお、これらの表示装置5は、各装置用の騒音表示機能を搭載しており、騒音表示機能により、図4(b)又は図5(b)に示すような騒音通知画面を表示することができる。騒音表示機能をどのように実現するかは任意である。例えば、表示装置5は、表示デバイスに騒音管理装置2から送信された騒音通知画面の画面データを表示するアプリケーションソフトウェアである騒音表示アプリを搭載することによって、騒音表示機能を実現することができる。また、表示装置5のHDMI(登録商標)入力端子と騒音管理装置2の出力部32とが直接接続されている場合は、表示装置5は、HDMI(登録商標)入力への入力切り替えにより、騒音表示機能を実現することができる。
実施の形態1に係る表示装置5としての情報端末機器6は、ハードウェア構成例として、図6に示すように、プロセッサ640、メモリ650、インタフェース661、表示パネル662、タッチパネル663、基地局インタフェース664を備える。
プロセッサ640は、メモリ650に記憶されているプログラムを実行するCPUである。メモリ650はROM及びRAMを備え、情報端末機器6の基本ソフトウェア、通信ソフトウェア、騒音表示アプリといった各種プログラムを記憶する。プロセッサ640がメモリ650に記憶されたプログラムを実行することにより、情報端末機器6の機能を実現する。
インタフェース661は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。インタフェース661は、例えば、ネットワーク4を介して騒音管理装置2と通信するための、無線LAN又はBluetooth(登録商標)といった無線インタフェースである。基地局インタフェース664は、情報端末機器6が通話及びショートメッセージ送受信を行うために携帯電話の基地局と通信するための通信インタフェースである。
表示パネル662は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイといった表示デバイスである。タッチパネル663は、情報端末機器6に対するユーザ操作を取得する入力デバイスである。ユーザがタッチパネル663を介して、騒音表示アプリの起動を指示すると、プロセッサ640は騒音表示アプリを起動し、インタフェース661を介して騒音管理装置2に騒音表示が指示されたことを送信する。すると、騒音管理装置2は、騒音伝搬情報を生成して表示装置5に出力する。情報端末機器6は、騒音管理装置2から出力された騒音伝搬情報を、インタフェース661を介して受信し、表示パネル662に表示する。すると、表示パネル662には、図4(b)又は図5(b)に示すような画面が表示される。
そして、ユーザが騒音表示アプリを終了させるか又は他のアプリの画面に切り替えると、プロセッサ640は、インタフェース661を介して騒音管理装置2に騒音表示の指示が終了したことを送信し、騒音表示を終了する。
次に、実施の形態1に係る表示装置5としてのテレビ7について説明する。テレビ7は、ハードウェア構成例として、図7に示すように、プロセッサ740、メモリ750、インタフェース761、表示パネル762、操作ボタン/リモコンインタフェース763、チューナ764、を備える。プロセッサ740及び表示パネル762は、情報端末機器6の備えるプロセッサ640及び表示パネル662と同様なので、説明を省略する。
メモリ750はROM及びRAMを備え、テレビ7の基本ソフトウェア、テレビ視聴ソフトウェア、騒音表示アプリといった各種プログラムを記憶する。プロセッサ740がメモリ750に記憶されたプログラムを実行することにより、テレビ7の機能を実現する。
インタフェース761は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。インタフェース761は、例えば、ネットワーク4を介して騒音管理装置2と通信するための、無線LAN又はBluetooth(登録商標)といった無線インタフェースである。そして、インタフェース761は、ECHONET(Energy Conservation & Homecare Network) Liteに対応し、ECHONET Lite ディスプレークラス規定に則った文字表示指示を受信できることが望ましい。また、インタフェース761は、騒音管理装置2とHDMI(登録商標)で接続するインタフェースを含んでもよい。なお、ECHONET Liteとは、ECHONETコンソーシアムで規格化されたスマートハウスを実現する通信プロトコルであるECHONETプロトコルの一種である。
操作ボタン/リモコンインタフェース763は、テレビ7に対するユーザ操作を取得する入力デバイスである。チューナ764は、テレビ放送を受信するチューナデバイスである。ユーザが操作ボタン/リモコンインタフェース763に備えられたボタンの中の騒音表示ボタンを押すと、プロセッサ740は表示パネル762に表示する画面を騒音表示用の画面に切り替え、インタフェース761を介して騒音管理装置2に騒音表示が指示されたことを送信する。すると、騒音管理装置2は、騒音伝搬情報を生成して表示装置5に出力する。テレビ7は、騒音管理装置2から出力された騒音伝搬情報を、インタフェース761を介して受信し、表示パネル762に表示する。すると、表示パネル762には、図4(b)又は図5(b)に示すような画面が表示される。
そして、ユーザが操作ボタン/リモコンインタフェース763に備えられたボタンの中の騒音表示終了ボタンを押すと、テレビ7のプロセッサ740は、インタフェース761を介して騒音管理装置2に騒音表示の指示が終了したことを送信し、騒音表示を終了し、元のテレビ視聴画面の表示に戻す。なお、騒音表示用の画面への切り替えは、全画面切り替えだけでなく、視聴中の画面上に子画面で騒音表示をしてもよい。例えば、操作ボタン/リモコンインタフェース763に「全画面騒音表示ボタン」と「子画面騒音表示ボタン」を設け、テレビ7のプロセッサ740は、「全画面騒音表示ボタン」が押されたら画面全体を騒音表示に切り替え、「子画面騒音表示ボタン」が押されたら子画面で騒音表示することが考えられる。
次に、実施の形態1に係る表示装置5としてのHEMSリモコン8について説明する。HEMSリモコン8は、建屋100に設置される各種電気機器の状態を表示する。また、HEMSリモコン8は、各種電気機器の状態又はユーザの操作入力にしたがって電気機器を制御する。HEMSリモコン8は、ハードウェア構成例として、図8に示すように、プロセッサ840、メモリ850、インタフェース861、表示パネル862、タッチパネル863、を備える。なお、タッチパネル863は、タッチパッドでも良い。表示パネル862は、情報端末機器6の備える表示パネル662と同様なので、説明を省略する。
プロセッサ840は、メモリ850に記憶されているプログラムを実行するCPUである。メモリ850はROM及びRAMを備え、HEMSリモコン8の基本ソフトウェア、電気機器状態表示ソフトウェア、電気機器制御ソフトウェア、騒音表示アプリといった各種プログラムを記憶する。プロセッサ840がメモリ850に記憶されたプログラムを実行することにより、HEMSリモコン8の機能を実現する。例えば、プロセッサ840は、タッチパネル863が取得するユーザ操作を解読して、電気機器の制御信号を生成し、生成した制御信号を、インタフェース861を介して電気機器に送信する。
インタフェース861は、他の装置と通信するための通信インタフェースである。インタフェース861は、例えば、ネットワーク4を介して騒音管理装置2と通信するための、無線LAN又はBluetooth(登録商標)といった無線インタフェースである。そして、インタフェース861は、ECHONET Liteに対応し、ECHONET Lite ディスプレークラス規定に則った文字表示指示を受信できることが望ましい。
タッチパネル863は、HEMSリモコン8に対するユーザ操作を取得する。ユーザがタッチパネル863を介して、表示パネル862に表示されているリモコンメニューから、騒音表示ボタンをタッチすると、プロセッサ840は騒音表示アプリを起動し、インタフェース861を介して騒音管理装置2に騒音表示が指示されたことを送信する。すると、騒音管理装置2は、騒音伝搬情報を生成して表示装置5に出力する。HEMSリモコン8は、騒音管理装置2から出力された騒音伝搬情報を、インタフェース861を介して受信し、表示パネル862に表示する。すると、表示パネル862には、図4(b)又は図5(b)に示すような画面が表示される。
そして、ユーザがリモコンメニューから騒音表示終了ボタンを押すと、プロセッサ840は、インタフェース861を介して騒音管理装置2に騒音表示の指示が終了したことを送信し、騒音表示を終了し、元のHEMSリモコン8の画面表示に戻す。
以上、実施の形態1に係る表示装置5の各ハードウェア構成を説明したが、表示装置5の機能ブロック構成は共通に扱うことができるので、機能ブロック構成について説明する。表示装置5は、機能ブロックとして、図9に示すように、制御部40と、記憶部50と、通信部61と、表示部62と、入力部63と、を備える。
制御部40はCPUを備え、記憶部50に記憶されたプログラムを実行することにより、表示装置5の機能を実現する。記憶部50はRAM及びROMを備え、表示装置5の基本ソフトウェア、各機能を実行するためのソフトウェア、騒音表示アプリといった各種の必要なプログラム及び必要なデータを記憶する。通信部61は通信デバイスを備え、ネットワーク4を介して騒音管理装置2と通信する通信インタフェースである。表示装置5は、通信部61を介して、騒音管理装置2の出力部32から送信される騒音伝搬情報を受信する。また、表示装置5は、後述する入力部63が取得したユーザの入力操作の情報を、通信部61を介して、騒音管理装置2に送信する。表示部62は表示デバイスを備え、通信部61を介して受信した騒音伝搬情報に基づく騒音通知画面を表示する。入力部63は入力デバイスを備え、表示装置5に対するユーザの入力操作を取得する。
次に、騒音管理装置2が行う騒音管理処理全体のメインフローについて、図10を参照して説明する。騒音管理装置2が起動すると、このメインフローが開始する。また、このメインフローから、騒音区画判定処理、騒音源把握処理及び騒音伝搬情報生成処理が、順次サブ処理として呼び出される。騒音区画判定処理、騒音源把握処理及び騒音伝搬情報生成処理の詳細についてはメインフローの説明の後で順次説明する。
では、図10を参照してメインフローの処理を説明する。まず、制御部10は、騒音区画判定処理を呼び出す(ステップS11)。次に、制御部10は、騒音源把握処理を呼び出す(ステップS12)。次に、制御部10は、騒音伝搬情報生成処理を呼び出し(ステップS13)、ステップS11に戻る。以上のメインフローにより、騒音管理装置2は、騒音情報を取得し、騒音伝搬情報を生成して、表示装置5に出力するという一連の処理を繰り返す。
次に、騒音区画判定処理について説明する。騒音区画判定処理は、騒音の発生源の存在する区画(以下「騒音源区画」という)とその騒音の伝搬先の区画(以下「騒音先区画」という)との関係を判定する処理である。図11は騒音管理装置2の騒音区画判定処理のフローチャートである。ここでは、音センサ9がn個存在し、区画の数もnであるとする。なお、建屋100の外部の区画も、建屋100の内部の区画に続く番号で番号付けして扱うこととする。例えば、建屋100の内部に区画が区画1〜区画4の4つあり、それぞれの区画に音センサ9が配置されているとする。そして、建屋100の外部の3カ所にも音センサ9が配置されているとする。この場合、建屋100の外部の区画として、外部区画1〜外部区画3の3つがあることになり、外部区画1〜外部区画3を区画5〜区画7として扱う。そして、この場合、n=7となる。
そして、騒音管理装置2は各区画で騒音が発生しているか否かを判定するための閾値を設定しているものとする。なお、騒音区画判定処理における「騒音の発生」には、騒音の発生源が存在することによって騒音が発生している場合と、他区画から伝搬した騒音が検出される場合の両方を含む。騒音が発生しているか否かを判定するための閾値は、全ての区画で共通に用いる1つの値を設定してもよいし、区画毎にその区画に合った値を設定してもよい。区画毎に値を設定する場合、建屋情報記憶部22が、各区画に設定する閾値を記憶してもよい。ここでは区画毎に区画iの閾値としてTh[i]を、建屋情報記憶部22が記憶しているものとする。そして、ある区画で検出された騒音レベルが閾値よりも大きければ、騒音区画判定部12は、その区画で騒音が発生していると判定する。
閾値の値としては、例えば、環境基本法第16条第1項の規定に基づく騒音に係る環境基準について告示されている基準値を採用することができる。具体的には、専ら住居のように供される地域において昼間の基準値は55dB以下、夜間の基準値は45dB以下とされているので、例えば時刻に応じて閾値を55dB又は45dBに設定することができる。なお、制御部10が図示しない時計機能を備えることによって時刻を判定することができるので、時刻によって閾値を変更することも可能である。このように騒音管理装置2が騒音レベルの閾値を設定することによって、その区画にいる人が騒音によって迷惑を被ると想定される場合に、騒音区画判定部12は、「その区画で騒音が発生している」と判定することができる。
また、本発明では、同時に複数の騒音が発生している場合でも、それらの騒音は混じり合わずに音センサ9によって検出できるという前提を置く。例えば、ある時点で発生している騒音の発生源が1つであるなら、この前提が満たされる。また、複数の騒音源により複数の騒音が発生していても、それぞれの騒音が伝搬する領域の間に例えば防音壁があって、音が遮られており、他の騒音が伝搬してこないなら、この前提が満たされる。このような前提を置いても、騒音の発生源が少ない場合及び、建屋100に適切な防音処理が施されている場合には、本発明は問題なく機能する。
なお、区画内で定常的に発生している音が存在する場合は、その定常的に発生している音の音センサ9による検出値を区画毎に一定時間分サンプリングし、予め記憶部20に記憶しておいてもよい。この一定時間は、例えば1日又は1週間のように、人間の生活パターンの一定の周期に対応する時間とするのが望ましい。そして、騒音情報取得部11は、各区画に配置された音センサ9による検出値から、その区画のサンプリングした値を減じた値を、その区画における騒音の波形データとして扱う。この処理により、騒音管理装置2は、区画内で定常的に発生している音の影響を抑制することができる。区画内で定常的に発生している音の例としては、エアコン及び冷蔵庫の動作音が挙げられる。
では、騒音管理装置2の騒音区画判定処理について、図11を参照して説明する。この処理は、騒音区画判定部12が、区画毎に他の区画と騒音の特徴を比較して、騒音源区画を判定する処理である。まず、騒音情報取得部11は、区画1〜nのそれぞれに配置された各音センサ9から送信された騒音の波形データを、通信部31を介して受信する。そして、受信した騒音の波形データに基づき、各区画における騒音の特徴及び騒音レベルを含む騒音情報を取得し(ステップS101)、騒音情報記憶部23に記憶する。
そして、騒音区画判定部12は、騒音源区画の候補となる区画を指定する変数iを1に初期化する(ステップS102)。次に、騒音区画判定部12は、区画iでの騒音レベルが閾値Th[i]よりも大きいか否かを判定する(ステップS103)。区画iでの騒音レベルが閾値Th[i]以下であれば(ステップS103;No)、区画iは騒音源区画ではないと判定して、ステップS111へ進む。区画iでの騒音レベルが閾値Th[i]よりも大きければ(ステップS103;Yes)、騒音区画判定部12は、騒音先区画の候補となる区画を指定する変数jを1に初期化する(ステップS104)。
次に、騒音区画判定部12は、iとjとが異なる値であるか否かを判定する(ステップS105)。iとjとが同じ値であるなら(ステップS105;No)、ステップS109に進む。iとjとが異なる値であるなら(ステップS105;Yes)、騒音区画判定部12は、区画[i]での騒音の特徴と区画[j]での騒音の特徴とが一致するか否かを判定する(ステップS106)。騒音の特徴が一致するか否かを判定するための騒音の特徴の比較方法の詳細は後述する。区画[i]での騒音の特徴と区画[j]での騒音の特徴とが一致しないなら(ステップS106;No)、ステップS109に進む。区画[i]での騒音の特徴と区画[j]での騒音の特徴とが一致するなら(ステップS106;Yes)、騒音区画判定部12は、区画[i]での騒音レベルが区画[j]での騒音レベルより大きく、かつ、区画[j]での騒音レベルが閾値Th[j]よりも大きいか否かを判定する(ステップS107)。
区画[i]での騒音レベルが区画[j]での騒音レベル以下であるか、又は、区画[j]での騒音レベルが閾値Th[j]以下であるなら(ステップS107;No)、ステップS109に進む。区画[i]での騒音レベルが区画[j]での騒音レベルより大きく、かつ、区画[j]での騒音レベルが閾値Th[j]よりも大きいなら(ステップS107;Yes)、騒音区画判定部12は、区画[i]を騒音源区画、区画[j]を騒音先区画であると判定し、図12に示すような騒音源区画と騒音先区画との関係を示す騒音源騒音先情報を生成し、騒音情報記憶部23に記憶する(ステップS108)。
次に騒音区画判定部12は、変数jを次の値にし(ステップS109)、jがnより大きくなったか否かを判定する(ステップS110)。jがn以下であるなら(ステップS110;No)、ステップS105に戻り、jがnより大きくなったなら(ステップS110;Yes)、変数iを次の値にする(ステップS111)。そして、騒音区画判定部12は、iがnより大きくなったか否かを判定する(ステップS112)。iがn以下であるなら(ステップS112;No)、ステップS103に戻り、iがnより大きくなったなら(ステップS112;Yes)、終了する。
以上で、騒音区画判定処理の流れを一通り説明したが、ここで、ステップS106における騒音の特徴の比較方法について、以下の3つの方法を説明する。
まず、第1の方法を説明する。これは騒音の周波数スペクトルを、減衰特性を考慮した上で比較する方法である。音は周波数により減衰特性が異なるため、騒音の周波数スペクトルを例えばFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)で算出し、周波数毎の減衰特性で補正した周波数スペクトルを各区画で比較する。なお、減衰特性は建物の構造によって異なるため、建屋情報記憶部22は、区画毎に他の区画との間の減衰特性を記憶しておく。例えば、区画1で検出された騒音1の周波数スペクトルを算出し、区画1と区画2の間の減衰特性を乗じた値が、区画2で検出された騒音2の周波数スペクトルと一致するか又は基準とする閾値以下の差しかなかったら、騒音区画判定部12は、区画1の騒音の特徴と区画2の騒音の特徴とが一致すると判断する。ここで基準とする閾値としては、例えば、周波数スペクトルの最大値の1/10を用いることができる。なお、減衰特性は、気温及び湿度によっても変化する。したがって、音センサ9が配置されている区画に気温センサ及び湿度センサを配置して、騒音区画判定部12は、各区画の気温及び湿度を取得し、気温及び湿度に基づいて各区画間の減衰特性を補正してもよい。
第2の方法は、A特性を考慮して、騒音のパワーの時間的な変動パターンを比較する方法である。ここでは、騒音の周波数スペクトルから得られる全ての周波数成分をA特性で補正して周波数で積分した値を「騒音のパワー」と定義する。騒音区画判定部12は、まず、各区画で検出された騒音の波形データから算出した「騒音のパワー」の時間的な変動パターンを求める。この時間的な変動パターンは、例えば騒音のパワーの極大値から次の極大値までの時間間隔として求めることができる。ある2つの区画における騒音のパワーの時間的な変動パターンが一致するか又は基準とする閾値以下の時間差しかなかったら、騒音区画判定部12は、その2つの区画での騒音の特徴が一致すると判断する。ここで、基準とする閾値としては、例えば、音センサ9による音の検出のサンプリング周期時間の2倍の値を用いることができる。
第3の方法は、騒音の成分のうち、減衰されにくい低い周波数だけを比較する方法である。騒音区画判定部12は、騒音の周波数スペクトルから得られる周波数成分を上記「騒音のパワー」で正規化し、基準とする周波数より高い周波数成分を除外し、基準とする周波数以下の周波数成分において、周波数毎のレベルが基準とする閾値の範囲内にある場合に、騒音の特徴が一致すると判断する。ここで、基準とする周波数は、減衰特性によるので、建物の構造によって異なる。したがって、建屋情報記憶部22は、区画毎に他の区画との間の減衰特性を記憶しておく。そして、比較する騒音の周波数スペクトルのうち最も低い周波数の減衰率のα倍よりも減衰率が大きくなる周波数を、基準とする周波数とする。ここで、α倍とは、例えば1dBと定める。そして、基準とする閾値は、例えば2α倍と定めることができる。
以上、騒音の特徴の比較方法について3つの方法を説明したが、騒音の発生源の存在する区画とその騒音が伝搬している区画とで、それぞれの区画で検出された騒音の特徴が一致すると判断できる方法であれば、上記の比較方法に限らず、任意の方法を使用することができる。
次に、図10に示すメインフローのステップS12で呼び出されて実行される騒音源把握処理について、図13を参照して説明する。上述した騒音区画判定処理により騒音情報記憶部23に記憶された騒音源騒音先情報は、2つの区画間のみの騒音の特徴及び騒音レベルに基づいて判定された騒音源区画に基づいている。したがって、ここで騒音源区画と判定された区画が、真の騒音源区画ではなく、他の騒音源区画での騒音が伝搬してきている区画である可能性がある。騒音源把握処理は、このような場合に、この誤って騒音源区画と判定された区画を騒音源騒音先情報から削除して、真の騒音源区画のみを騒音源騒音先情報に残すための処理である。
まず、騒音管理装置2の騒音区画判定部12は、騒音情報記憶部23に記憶された騒音源騒音先情報を取得する(ステップS201)。そして、真の騒音源区画か否かを判定する区画を指定する変数iを1に初期化し(ステップS202)、騒音先区画を指定する変数jも1に初期化する(ステップS203)。次に、騒音区画判定部12は、iとjとが異なる値であるか否かを判定する(ステップS204)。iとjとが同じ値であるなら(ステップS204;No)、ステップS212に進む。iとjとが異なる値であるなら(ステップS204;Yes)、騒音区画判定部12は、ステップS201で取得した騒音源騒音先情報において、区画[i]が騒音源区画、区画[j]が騒音先区画となっているか否かを判定する(ステップS205)。
区画[i]が騒音源区画、区画[j]が騒音先区画となっていないなら(ステップS205;No)、ステップS212に進む。区画[i]が騒音源区画、区画[j]が騒音先区画となっているなら(ステップS205;Yes)、騒音区画判定部12は、真の騒音源区画の候補を指定する変数kを1に初期化する(ステップS206)。そして、騒音区画判定部12は、kとiとが異なる値であるか否かを判定する(ステップS207)。kとiとが同じ値であるなら(ステップS207;No)、ステップS210に進む。kとiとが異なる値であるなら(ステップS207;Yes)、騒音区画判定部12は、ステップS201で取得した騒音源騒音先情報において、区画[k]が騒音源区画、区画[i]が騒音先区画となっているか否かを判定する(ステップS208)。
区画[k]が騒音源区画、区画[i]が騒音先区画となっていないなら(ステップS208;No)、ステップS210に進む。区画[k]が騒音源区画、区画[i]が騒音先区画となっているなら(ステップS208;Yes)、区画[i]は真の騒音源区画ではなく、区画[k]から騒音が伝搬したために、区画[j]に対する騒音源区画に見えてしまっただけなので、騒音区画判定部12は、騒音源騒音先情報から、「区画[i]が騒音源区画、区画[j]が騒音先区画」という情報を削除する(ステップS209)。そして、変数kを次の値にし(ステップS210)、kがnより大きくなったか否かを判定する(ステップS211)。
kがn以下なら(ステップS211;No)、ステップS207に戻り、kがnより大きくなったなら(ステップS211;Yes)、変数jを次の値にする(ステップS212)。そして、騒音区画判定部12は、jがnより大きくなったか否かを判定する(ステップS213)。jがn以下であるなら(ステップS213;No)ステップS204に戻り、jがnより大きくなったなら(ステップS213;Yes)、変数iを次の値にする(ステップS214)。そして、騒音区画判定部12は、iがnより大きくなったか否かを判定する(ステップS215)。iがn以下であるなら(ステップS215;No)、ステップS203に戻り、iがnより大きくなったなら(ステップS215;Yes)、騒音区画判定部12は、騒音源騒音先情報を騒音情報記憶部23に書き戻し(ステップS216)、騒音源把握処理を終了する。
以上の騒音源把握処理により、真の騒音源区画のみが含まれた騒音源騒音先情報が、騒音情報記憶部23に記憶される。次に、図10に示すメインフローのステップS13で呼び出されて実行される騒音伝搬情報生成処理について、図14を参照して説明する。この処理は、騒音情報記憶部23に記憶された騒音源騒音先情報に基づき、騒音伝搬情報を生成し、表示装置5に出力する処理である。
まず、騒音管理装置2の制御部10は、出力部32を介して接続している表示装置5から騒音表示が指示されているか否かを判定する(ステップS301)。この判定の際には、制御部10は、必要ならば騒音表示の指示の有無を、出力部32を介して表示装置5に問い合わせる。
ここで、騒音表示の指示とは、表示装置5に対し騒音表示を行わせるユーザ操作を意味する。例えば、表示装置5の騒音表示アプリの起動又は騒音表示ボタンの押下は、騒音表示の指示である。前述の表示装置5のハードウェア構成例の説明で記載したように、騒音表示アプリの起動又は騒音表示ボタンの押下により、表示装置5は、騒音表示が指示されたことを騒音管理装置2に送信する。従って、この送信の有無により、制御部10は、騒音表示の指示の有無を判定することができる。
制御部10が、騒音表示が指示されていると判定したら(ステップS301;Yes)、騒音伝搬情報生成部15は、建屋情報記憶部22から取得したベースIDで示される画像IDのベース画像である間取り図の画像データを画像情報記憶部21から取得し、建屋情報記憶部22から取得したベースサイズに伸縮し、ベース位置に対応する騒音伝搬情報記憶部24のアドレスに書き込む(ステップS302)。
次に、騒音伝搬情報生成部15は、騒音情報記憶部23から、騒音源騒音先情報を取得し、騒音源区画と騒音先区画に対応する騒音伝搬情報記憶部24のアドレスに、それぞれ騒音を示す画像を書き込む(ステップS303)。この処理の詳細は後述する。そして、騒音伝搬情報生成部15は、この騒音伝搬情報記憶部24に書き込まれた騒音通知画面の画面データを、出力部32を介して表示装置5に出力し(ステップS304)、騒音伝搬情報生成処理を終了する。
ステップS301で、制御部10が、騒音表示が指示されていないと判定したら(ステップS301;No)、制御部10は、騒音情報記憶部23に記憶されている騒音源騒音先情報を参照して、騒音源区画で発生した騒音が他の区画に伝搬しているか否かを判定する(ステップS305)。騒音源区画で発生した騒音が他の区画に伝搬していないなら(ステップS305;No)、騒音伝搬情報生成処理を終了する。
騒音源区画で発生した騒音が他の区画に伝搬しているなら(ステップS305;Yes)、騒音伝搬情報生成部15は、出力部32を介して接続している表示装置5が、プッシュ通知を受信できるか否かを判定する(ステップS306)。ここで、プッシュ通知とは、電子メール、ショートメッセージ、緊急地震速報のように、受信側がスリープ状態の時でも受信してユーザに知らせることのできる通知をいう。この判定の際には、騒音伝搬情報生成部15は、必要ならば、プッシュ通知を受信できるか否かを、出力部32を介して表示装置5に問い合わせる。表示装置5が情報端末機器6の場合はこれらのプッシュ通知を受信できるので、このステップS306の判定は、接続されている表示装置5が情報端末機器6であるか否かの判定でもよい。
表示装置5がプッシュ通知を受信できるなら(ステップS306;Yes)、騒音伝搬情報生成部15は、表示装置5にメッセージをプッシュ通知し(ステップS307)、騒音伝搬情報生成処理を終了する。プッシュ通知するメッセージの内容は、例えば「騒音が発生しています。」又は「騒音が発生しています。騒音表示アプリを起動してください。」である。なお、ユーザが手動で騒音表示アプリを起動しなくても、表示装置5は、プッシュ通知のメッセージがユーザによって読まれたことを制御部40が検出したら、自動的に騒音表示アプリを起動してもよい。
表示装置5がプッシュ通知を受信できないなら(ステップS306;No)、騒音伝搬情報生成部15は、出力部32を介して接続している表示装置5が、ECHONET Lite ディスプレークラス規定に対応しているか否かを判定する(ステップS308)。この判定の際には、騒音伝搬情報生成部15は、必要ならば、ECHONET Lite ディスプレークラス規定に対応しているか否かを、出力部32を介して表示装置5に問い合わせる。表示装置5が、ECHONET Lite ディスプレークラス規定に対応していないなら(ステップS308;No)、騒音伝搬情報生成処理を終了する。表示装置5が、ECHONET Lite ディスプレークラス規定に対応しているなら(ステップS308;Yes)、騒音伝搬情報生成部15は、ECHONET Lite ディスプレークラス規定に則って表示装置5に文字表示指示を出力し(ステップS309)、騒音伝搬情報生成処理を終了する。この文字表示の内容は例えば「騒音が発生しています。詳細を見るには[騒音表示ボタン]を押してください。」である。
以上で、騒音伝搬情報生成処理を一通り説明したが、次に、ステップS303の処理の詳細を説明する。この処理では、騒音伝搬情報生成部15は、まず、騒音源区画で発生している騒音を示す画像として、建屋情報記憶部22から取得した騒音源区画に対応する画像IDで示される画像データを画像情報記憶部21から取得する。なお、騒音源区画が建屋の100の外部の区画である場合は、その外部区画に対応する画像IDが設定されていない場合があるが、この場合は、この外部の騒音源区画について、以下で説明する騒音を示す画像の表示は行わない。こうすることにより、外部からの騒音であるにも関わらず、建屋内に騒音源区画が存在するという誤った表示をすることを防ぐ。
騒音源区画に対応する画像IDで示される画像データの「画像種別」が「マーク」である場合は、騒音伝搬情報生成部15は、この画像データを、建屋情報記憶部22から取得した騒音源区画の「区画中心座標」を中心に、騒音源区画での騒音レベルに応じたサイズに伸縮して、騒音伝搬情報記憶部24に書き込む。そして、騒音伝搬情報生成部15は、騒音先区画での騒音レベルを示す情報として、騒音源区画に対応する画像データを、建屋情報記憶部22から取得した騒音先区画の「区画中心座標」を中心に、騒音先区画での騒音レベルに応じたサイズに縮小して、騒音伝搬情報記憶部24に書き込む。
騒音源区画に対応する画像IDで示される画像データの「画像種別」が「マーク」ではなく「網掛け」である場合は、騒音伝搬情報生成部15は、建屋情報記憶部22から取得した騒音源区画の内部をこの画像IDで示される網掛け画像で塗りつぶすように騒音伝搬情報記憶部24に書き込む。そして、騒音伝搬情報生成部15は、騒音先区画での騒音レベルを示す情報として、騒音源区画に対応する画像IDで示される網掛け画像の画像データの網掛けの密度を、騒音先区画での騒音レベルに応じた密度に減少させた画像によって、建屋情報記憶部22から取得した騒音先区画の内部を塗りつぶすように騒音伝搬情報記憶部24に書き込む。
なお、騒音源区画での騒音レベル及び、騒音先区画での騒音レベルは、騒音情報記憶部23に記憶されているので、騒音伝搬情報生成部15は、騒音情報記憶部23を参照することによりこれらの情報を得ることができる。また、騒音伝搬情報生成部15は、騒音源区画と騒音先区画に騒音を示す画像を書き込むだけでなく、騒音源区画から騒音先区画に向けた矢印の画像をさらに書き込んでもよい。ユーザが、騒音管理装置2に「矢印の表示有」と設定した場合は、この矢印を書き込む。この場合は、騒音伝搬情報生成部15は、騒音源区画の「区画中心座標」及び騒音先区画の「区画中心座標」を建屋情報記憶部22から得て、これらの座標を基準にして、画像情報記憶部21に記憶されている矢印の画像の向き及び長さを調整して、騒音伝搬情報記憶部24に書き込む。
以上の騒音伝搬情報生成部15による処理により、ステップS303で、騒音伝搬情報記憶部24に騒音通知画面の画面データが書き込まれる。
上述した騒音伝搬情報生成処理のステップS307及びステップS309の処理により、表示装置5には、ユーザに騒音表示を促すメッセージが通知される。このメッセージを見たユーザが表示装置5に騒音表示を行わせようとすると、図10に示すメインフローのステップS13で再度呼び出される騒音伝搬情報生成処理において、ステップS301における判定がYesになり、表示装置5に図4(b)又は図5(b)に示すような画面が表示される。図4(b)は、騒音を示す画像の画像種別が「網掛け」の場合の画面例であり、図5(b)は、騒音を示す画像の画像種別が「マーク」で、「矢印の表示有」と設定された場合の画面例である。
上述した騒音区画判定処理及び騒音伝搬情報生成処理により、どのような画面が生成されるかについて、以下にケースAとケースBの2つの具体例を挙げて説明する。ここでは、建屋100における区画1〜4の位置関係は図4(b)及び図5(b)に示す間取り図とする。また、画像情報記憶部21は図3(a)に示す内容を記憶しており、建屋情報記憶部22は図4(a)又は図5(a)に示す内容を記憶しているとする。
まず、ケースAとして、区画1が騒音源区画であり、その騒音が区画2に伝搬して区画2で騒音が検出されている状況であるとする。この場合、区画1で発生している騒音が区画2に伝搬しているため、区画1と区画2の騒音の特徴は一致しており、区画1での騒音レベルは区画2での騒音レベルより大きい。また、区画1で検出された騒音レベルは区画1の閾値であるTh[1]より大きく、区画2で検出された騒音レベルは区画2の閾値であるTh[2]より大きいとする。そして、区画3、区画4及び外部区画では騒音が検出されていないものとする。
そうすると、i=1、j=2の場合に、図11に示すステップS103、ステップS105、ステップS106、ステップS107の判定が全てYesとなり、ステップS108で、区画1が騒音源区画、区画2が騒音先区画であると判定される。そして、それ以外のi,jの組み合わせにおいては、上記図11の各判定ステップの少なくとも1つでNoと判定されるため、ステップS108には進まずに、ステップS109又はステップS111に進むことになる。したがって、騒音区画判定処理が終了した時点で、図12に示すような、騒音源区画と騒音先区画との関係を示す騒音源騒音先情報が生成されており、これが騒音情報記憶部23に記憶される。
次に、図10に示すメインフローのステップS12で騒音源把握処理が呼び出される。この例では騒音源騒音先情報は真の騒音源区画の情報しか含まないので、騒音源騒音先情報は変化しない。次に、図10に示すメインフローのステップS13で騒音伝搬情報生成処理が呼び出される。ここで、最初は騒音表示が指示されていなかったとする。すると、図14のステップS301での判定はNoとなり、ステップS305に進む。そして、図12に示す騒音源騒音先情報を参照すると、区画1で発生した騒音が区画2に伝搬しているので、ステップS305での判定はYesとなり、ステップS306に進む。ここで、表示装置5として、情報端末機器6がネットワーク4を介して騒音管理装置2に接続されていたとすると、ステップS306の判定はYesとなり、ステップS307に進む。そして、ステップS307で騒音伝搬情報生成部15は、例えば「騒音が発生しています。騒音表示アプリを起動してください。」というメッセージをプッシュ通知する。
そして、ユーザは、情報端末機器6に表示されたメッセージを見て、騒音表示アプリを起動したとする。騒音伝搬情報生成処理が終了すると、再度図10に示すメインフローがステップS11から実行されるが、騒音の発生状況に変化がなければ、騒音区画判定処理で先ほどと同一の騒音源騒音先情報が生成される。そして、ステップS13で、再度図14に示す騒音伝搬情報生成処理が呼び出される。今度は騒音表示アプリが起動されているので、ステップS301の判定はYesとなり、ステップS302に進む。
ステップS302では、建屋の情報として、建屋情報記憶部22のベースIDに記憶されている画像ID=#1001に対応する画像データである図3(i)の間取り図Aが画像情報記憶部21から取得され、騒音伝搬情報記憶部24に書き込まれる。このケースでは騒音源区画は区画1であるから、騒音を示す画像として、建屋情報記憶部22の区画1に対応する画像IDである#0001又は#0011の画像データが取得される。
画像IDが#0001の場合は、「画像種別」が「網掛け」であるから、図3(b)に示す網掛け画像で区画1が塗りつぶされる。そして、騒音先区画である区画2は、区画2での騒音レベルに応じてこの網掛け画像の網掛けの密度を減少させた画像によって塗りつぶされ、図4(b)に示すような表示データが騒音伝搬情報記憶部24に書き込まれる。
画像IDが#0011の場合は、「画像種別」が「マーク」であるから、図3(f)に示す音符マークAが区画1に書き込まれる。そして、騒音先区画である区画2は、区画2での騒音レベルに応じてこの音符マークAの画像のサイズを縮小した画像が書き込まれる。矢印の表示の有無は、「画像種別」と独立して設定可能だが、図5(b)に示す表示データは、矢印の表示有と設定された例を示している。したがって、さらに、区画1から区画2に向けて矢印Aの画像が騒音伝搬情報記憶部24に書き込まれる。
そして、騒音伝搬情報記憶部24に書き込まれた騒音通知画面の画面データはステップS304で、出力部32及びネットワーク4を介して表示装置5に出力され、表示装置5はこの画面データを受信して、図4(b)又は図5(b)に示される画面を表示する。
次に、ケースBとして、区画1は騒音が大きく騒音源区画であり、区画1で発生している騒音が区画2に伝搬して区画2で騒音が検出されている状況で、なおかつ区画3は区画1で発生している騒音とは異なる特徴を持つ騒音が発生している騒音源区画であり、区画3で発生している騒音が区画4に伝搬して区画4で騒音が検出されている状況を例に挙げる。この例では、1階と2階とで音は完全に遮られており、区画1で発生している騒音は区画3及び区画4には伝搬せず、区画3で発生している騒音は区画1及び区画2には伝搬しない前提を置く。また、外部区画では騒音は発生していないものとする。
このケースBの状況で、図11に示す騒音区画判定処理を行った場合、図15に示すような騒音源騒音先情報が生成される。そして、図14に示す騒音伝搬情報生成処理を行うと、表示装置5に表示される騒音通知画面は図16(a)あるいは図16(b)に示すような画面になる。このように、表示装置5は、区画の背景柄の濃さ又はマークサイズの違いによって騒音レベルを示し、背景柄の種類又はマークの種類の違いによって騒音の特徴が異なることを示す画面を表示する。
なお、上記各ケースでは外部区画で騒音が発生しないものとしたが、仮に区画1〜区画4では騒音が発生しておらず、外部区画1で発生した騒音が区画4に伝搬し、外部区画1から区画4に伝搬した騒音がさらに区画3に伝搬していたとする。この場合、図11に示す騒音区画判定処理及び図13に示す騒音源把握処理を行うと、図17(a)に示すような騒音源騒音先情報が生成される。
そして、建屋情報記憶部22の記憶内容が、図4(a)又は図5(a)に示す内容だったとする。すると、建屋情報記憶部22は、外部区画に配置された音センサ9に対応する画像IDを記憶していないため、図14に示す騒音伝搬情報生成処理を行うと、表示装置5に表示される騒音通知画面は、図17(b)で示すように、建屋100の内部に騒音発生源が無いことを示す画面になる。
仮に、建屋情報記憶部22の外部区画1に対応する画像IDとして、四分音符マークの画像の画像IDが設定されていて、さらに、騒音源区画から騒音先区画に向けた矢印の表示有と設定されている場合は、表示装置5に表示される騒音通知画面は、図17(c)に示すような画面になる。
以上説明したように、実施の形態1に係る騒音管理システム1によれば、表示装置5によって、建屋100内で騒音源が存在する騒音源区画と、その騒音が伝搬している騒音先区画とを、間取り図上に表示することができる。したがって、騒音の発生源の存在する区画及びその騒音の周囲への伝搬状況を示す情報を提示することができる。また、騒音管理装置2は、騒音源区画と騒音先区画の判定の際に、騒音先区画での騒音レベルが騒音先区画の閾値Th以上であるか否かを考慮し、騒音先区画での騒音レベルが閾値Th以上の場合に、騒音源区画で発生している騒音が周囲に迷惑をかけていると想定し、騒音源区画であると判定する。したがって、騒音管理装置2は、騒音源区画で発生している騒音が周囲に迷惑をかけていると想定される場合にのみ、騒音の発生を通知することができる。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1は、図1で示されるように、情報端末機器6が建屋100内のネットワーク4に接続される実施の形態になっているが、情報端末機器6が建屋100外のクラウドネットワークに接続されてもよい。このように構成される実施の形態1の変形例に係る騒音管理システム1Aの構成例は、図18に示すように、建屋100内のネットワーク4がルータ301によって建屋100の外部のクラウドネットワーク3に接続し、表示装置5の情報端末機器6Aは、図示しない基地局を経由して、クラウドネットワーク3に接続する。
情報端末機器6Aは、実施の形態1の情報端末機器6と同じハードウェア構成であるが、騒音管理装置2が出力する騒音伝搬情報を、ネットワーク4、ルータ301、クラウドネットワーク3及び基地局インタフェース664を介して取得する。この点以外は、情報端末機器6Aは、実施の形態1の情報端末機器6と同じである。
クラウドネットワーク3は、例えばインターネット又は携帯電話のネットワークのような、建屋100の外部のネットワークである。また、ルータ301は、建屋100内部のネットワーク4と、建屋100の外部のクラウドネットワーク3とを中継する装置である。これ以外は、実施の形態1の変形例に係る騒音管理システム1Aの構成は、実施の形態1に係る騒音管理システム1と同じである。また、実施の形態1の変形例に係る騒音管理システム1Aに係る騒音区画判定処理、騒音源把握処理及び騒音伝搬情報生成処理も、実施の形態1に係る騒音管理システム1と同じである。
実施の形態1の変形例に係る騒音管理システム1Aでは、騒音管理装置2が情報端末機器6Aに騒音伝搬情報を送信する際、騒音伝搬情報は、ネットワーク4だけを経由するのではなく、ネットワーク4、ルータ301及びクラウドネットワーク3を経由する。これにより、情報端末機器6Aは、建屋100の外部にある時も建屋100の内部にある時と変わらずに、騒音伝搬情報を取得し、騒音通知画面を表示することができる。以上のように、実施の形態1の変形例に係る騒音管理システム1Aによれば、情報端末機器6Aがクラウドネットワーク3、ルータ301及びネットワーク4を介して騒音管理装置2と接続するので、情報端末機器6Aが建屋100の内外いずれに位置していても、情報端末機器6Aは、騒音管理装置2が出力する騒音伝搬情報を表示できる。
(実施の形態1の第2の変形例)
実施の形態1及び実施の形態1の変形例では、図1及び図18に示されるように、騒音管理装置2が建屋100内に設置される実施の形態になっているが、騒音管理装置2は建屋100の外部に設置されてもよい。このように構成される実施の形態1の第2の変形例に係る騒音管理システム1Bの構成例は、図19に示すように、建屋100の外部に設置された騒音管理装置2Aが建屋100の外部のクラウドネットワーク3に接続し、ルータ301によって建屋100内のネットワーク4に接続する。
騒音管理装置2Aは、図2に示す実施の形態1の騒音管理装置2と同じ構成であるが、通信部31は、クラウドネットワーク3を介して通信を行うことができる通信インタフェースになっている。また、出力部32は、騒音伝搬情報生成部15が生成した画面情報を、クラウドネットワーク3、ルータ301及びネットワーク4を介して表示装置5に出力するための通信インタフェースになっている。また、騒音管理装置2Aは、クラウドネットワーク3を介して表示装置5及び音センサ9と通信を行うため、接続する表示装置5及び音センサ9のアドレスを記憶部20に記憶している。さらに、騒音管理装置2Aは、複数の建屋100を同時に管理する場合は、各建屋100の表示装置5及び音センサ9を識別するための、建屋100毎の表示装置5及び音センサ9のIDを記憶したIDテーブルを記憶部20に記憶し、騒音区画判定処理及び騒音伝搬情報生成処理を建屋100毎に行う。これらの点以外は実施の形態1の騒音管理装置2と同じである。
クラウドネットワーク3及びルータ301は、実施の形態1の変形例に係るクラウドネットワーク3及びルータ301と同じである。そして、以上の点以外は、実施の形態1の第2の変形例に係る騒音管理システム1Bの構成は、実施の形態1に係る騒音管理システム1と同じである。また、実施の形態1の第2の変形例に係る騒音管理システム1Bの騒音区画判定処理、騒音源把握処理及び騒音伝搬情報生成処理も、実施の形態1に係る騒音管理システム1と同じである。
実施の形態1の第2の変形例に係る騒音管理システム1Bにおいて、騒音管理装置2Aは、通信部31、クラウドネットワーク3、ルータ301及びネットワーク4を介して、音センサ9から騒音の波形データを受信する。そして、出力部32、クラウドネットワーク3、ルータ301及びネットワーク4を介して、騒音伝搬情報を表示装置5に出力する。このため、騒音管理装置2Aは、その設置場所を問わずに音センサ9及び表示装置5と通信可能である。したがって、ユーザは騒音管理装置2Aを、建屋100の外部に設置することが可能となる。
以上のように、実施の形態1の第2の変形例に係る騒音管理システム1Bによれば、騒音管理装置2Aはクラウドネットワーク3を介して建屋100内のネットワーク4に接続するので、ユーザは騒音管理装置2Aを建屋100の外部に設置でき、建屋100内に個別に設置する必要がない。また、建屋100内のネットワーク4が無効となっていても、騒音管理装置2Aは、その機能を向上させるバージョンアップ及びメンテナンスサービスを、クラウドネットワーク3を介して受けることができる。さらに、騒音管理装置2Aがクラウドネットワーク3を介して図示しない他の情報機器又はサーバーと接続することにより、例えば騒音を改善する情報を建屋100の住人又は管理人に提示するアプリケーションの提供を受けることもできるようになる。
(実施の形態2)
上述の実施の形態では、表示装置5は必ずしも騒音発生源の存在する区画に設置されているわけではない。このため、騒音を発生させている人が気付かずに騒音を発生させ続けてしまう可能性がある。しかし、各区画に表示装置5を設置すると、コストがかかることに加え、騒音源が他の区画に存在する場合にはそのことも表示されることから、住民間のトラブルを余計に誘発する可能性もある。そこで、各区画に表示装置5を設置しなくても、騒音を発生させた区画にいる人にだけ、その区画で発生している騒音が他の区画に伝搬していることを報知する実施の形態2について説明する。
実施の形態2に係る騒音管理システム1Cの構成例は、図20に示すように、騒音管理装置2Bと、ネットワーク4と、表示装置5と、音センサ9と、電気機器90と、を備える。ネットワーク4、表示装置5及び音センサ9は、実施の形態1と同じである。電気機器90の形態としては、例えば音響機器91、洗濯機92、掃除機93、照明機器94が考えられる。騒音管理装置2B、音センサ9、表示装置5及び電気機器90は、それぞれネットワーク4に接続されている。そして、騒音管理装置2Bは、ネットワーク4を介して、音センサ9、表示装置5、及び、電気機器90と通信可能である。なお、音センサ9と表示装置5と電気機器90とは直接通信する必要はないため、騒音管理装置2Bと音センサ9との間のネットワーク4、騒音管理装置2Bと表示装置5との間のネットワーク4及び、騒音管理装置2Bと電気機器90との間のネットワーク4は、それぞれ接続されていなくてもよい。また、騒音管理装置2Bが電気機器90に対応したリモコン信号を送信することによって、電気機器90を制御できる場合は、騒音管理装置2Bとその電気機器90との間のネットワーク4はリモコン信号によるネットワークであってもよい。
図20に示す例では、騒音管理装置2Bと表示装置5、音センサ9及び電気機器90とは、建屋100内のネットワーク4のみで接続されている。しかし、図18に示す実施の形態1の変形例と同様に、クラウドネットワーク3及びルータ301を備える構成にしてもよい。このような構成にすることにより、表示装置5は、建屋100の外からでも、クラウドネットワーク3とネットワーク4を介して、騒音管理装置2Bと接続し、騒音伝搬情報を表示できる。
騒音管理装置2Bは、音センサ9から騒音の波形データを取得し、騒音伝搬情報を生成して、表示装置5に出力する。この点は、実施の形態1に係る騒音管理装置2と同じである。騒音管理装置2Bはさらに、騒音源区画に設置されている電気機器90に、騒音先区画で検出される騒音レベルに応じた報知動作を行わせるために、制御情報を送信する。電気機器90が行う報知動作とは、例えば電気機器90の備えるLEDインジケータの点滅又は点灯、表示パネルでの表示、スピーカからの音声又は報知音の出力である。
実施の形態2に係る電気機器90は、図21に示すように、機能構成として、制御部70と、記憶部80と、通信部81と、報知部82と、を備える。制御部70は、CPUを備え、記憶部80に記憶されたプログラムを実行することにより、電気機器90の機能及び制御部70の各部(制御情報取得部71、報知制御部72)の機能を実現する。また、制御部70は、マルチスレッド機能を備えており、複数の処理の流れを並行して実行することができる。
制御情報取得部71は、騒音管理装置2Bが送信した制御情報を、通信部81を介して取得する。報知制御部72は、制御情報取得部71が取得した制御情報に基づき、報知部82を制御して、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行う。記憶部80はRAM及びROMを備え、必要なプログラム及びデータを記憶する。
通信部81は、騒音管理装置2Bから、制御情報を取得するために、ネットワーク4を介して通信を行う通信インタフェースである。騒音管理装置2Bからの制御情報の送信がリモコン信号で送信される場合は、通信部81はリモコン信号の受信デバイスである。報知部82は、ユーザに騒音レベルに応じた報知動作を行う際に使用可能な、電気機器90が備える任意のデバイスであり、例えばLEDインジケータ、表示パネル、スピーカ、モータ、バイブレータである。電気機器90は、報知部82により、光、文字、映像、音を出力することによって、他の区画に騒音が伝搬していることをユーザに報知する。ここで、音には、音声が含まれる他、例えばモータ音又は振動音のように、スピーカを用いずに発生させることができる音も含まれる。
実施の形態2に係る騒音管理装置2Bの機能構成例は、図22に示すように、実施の形態1に係る騒音管理装置2に、制御情報生成部16と電気機器情報記憶部25を追加した構成である。また、出力部32は、表示装置5に騒音伝搬情報を送信する際だけでなく、電気機器90に対して制御情報を送信する際にも使われる。ただし、電気機器90に制御情報を送信する際に使う出力部32と、表示装置5に騒音伝搬情報を送信する際に使う出力部32とは、別々の出力部32であってもよい。また、複数の電気機器90それぞれに対して別個の出力部32を備えてもよい。
実施の形態2に係る騒音管理装置2Bの建屋情報記憶部22は、図23に示すように、各区画における表示装置5の有無を示す「表示装置有無」及び、各区画に存在する電気機器90のアドレスを示す「電気機器宛先情報」も記憶している。図23は、「電気機器宛先情報」として、電気機器90のIPアドレスの情報を記憶している例になっているが、これに限らない。騒音管理装置2Bが、ネットワーク4を介して、各電気機器90に制御情報を送信するのに必要な情報であれば、任意の情報でよい。例えば、騒音管理装置2Bから制御情報が赤外線リモコン信号で送信される場合、IPアドレスの情報がなくてもリモコン信号の送信が可能なので、この場合は、「電気機器宛先情報」は、その区画に存在する電気機器90のリモコン信号の種類を表す情報となる。
これらの情報の設定方法であるが、IPアドレスを記憶する場合は、例えば騒音管理装置2Bが自分のIPアドレスを定期的にブロードキャストし、表示装置5及び電気機器90は、このブロードキャストパケットを受信したら、それに含まれるIPアドレスに向けて、自分のIPアドレス及び設置されている区画を送信する処理を行えばよい。このような処理により、騒音管理装置2Bはブロードキャストパケットが届く範囲に存在している全ての表示装置5及び電気機器90のIPアドレスと設置区画とを取得することができる。また、ユーザが建屋100の各区画に設置された表示装置5及び電気機器90の情報に基づいて、手動で「表示装置有無」及び「電気機器宛先情報」を記憶させても良い。
制御情報生成部16は、騒音区画判定部12で判定した情報に基づき、騒音源区画に設置されている電気機器90に報知動作を行わせる内容を示す制御情報を生成する。生成される制御情報は、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を電気機器90に行わせるために、電気機器90の報知部82を制御する内容を示す情報である。この制御情報は、出力部32を介して、騒音管理装置2Bからネットワーク4に向けて送信され、電気機器90の制御情報取得部71が通信部81を介して受信する。騒音が複数の区画に伝搬している場合は、伝搬先の中で最も大きな騒音が検出される区画での騒音レベルを報知する。
電気機器情報記憶部25は、図24に示すように、各電気機器90が騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作をする際に、報知部82をどのように制御するかという報知部制御内容の情報を記憶する。図24の例では、例えば騒音源区画に設置されている電気機器90が掃除機93の場合、騒音レベルが75dB未満か75dB以上かによって2種類の報知部制御内容が記憶されている。この例では、騒音レベルが75dB未満ならLEDインジケータを点滅動作させ、騒音レベルが75dB以上になると、LEDインジケータを点滅動作させつつ、掃除機93のモータを断続的に回転させる設定になっている。このように、騒音先区画での騒音レベルに応じて電気機器90の挙動を変化させることにより、騒音管理装置2Bは、騒音源区画に設置された電気機器90に、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行わせることができる。
騒音管理装置2Bから制御情報の送信がリモコン信号で送信される場合は、電気機器情報記憶部25の報知部制御内容は、リモコン信号で制御できる内容に設定する。このようにすることにより、騒音管理装置2Bは、電気機器90に特別な構成を追加しなくても、リモコン信号により報知部82を制御して、電気機器90に、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行わせることができる。
また、図24に示す電気機器情報記憶部25は、電気機器90の種類毎に、騒音レベルに対応した報知部制御内容を記憶しているが、これに限らない。電気機器情報記憶部25は、電気機器90の種類毎に記憶するのではなく、電気機器90の型番又は製品名毎に、騒音レベルに対応した報知部制御内容を記憶してもよい。
騒音管理装置2Bのメインフローは、図25に示すように、実施の形態1に係る騒音管理装置2のメインフローのステップS13の前に、ステップS14として「制御情報生成処理」の呼び出しを追加した処理になっている。制御情報生成処理は、騒音管理装置2Bが、騒音レベルに応じた制御情報を電気機器90に送信する処理である。この処理により、騒音源区画に設置された電気機器90は、制御情報を受信し、制御情報に含まれる報知部制御情報に基づいて報知部82を制御することにより、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行うことができる。
では、騒音管理装置2BのメインフローのステップS14で呼び出されて実行される制御情報生成処理について、図26を参照して説明する。まず、騒音管理装置2Bの制御情報生成部16は、騒音情報記憶部23に記憶された騒音源騒音先情報を取得する(ステップS401)。そして、取得した騒音源騒音先情報に基づき、騒音源区画が存在するか否かを判定する(ステップS402)。騒音源区画が存在しないなら(ステップS402;No)、電気機器90からの報知は不要なので、制御情報生成処理を終了する。
騒音源区画が存在するなら(ステップS402;Yes)、制御情報生成部16は、建屋情報記憶部22の「表示装置有無」に基づき、騒音源区画に表示装置5が存在するか否かを判定する(ステップS403)。騒音源区画に表示装置5が存在するなら(ステップS403;Yes)、この後の騒音伝搬情報生成処理により表示装置5に強制的に騒音通知画面を表示するために、制御情報生成部16は、出力部32を介して表示装置5に騒音表示の指示を送信する(ステップS404)。この騒音表示の指示とは、表示装置5に騒音表示アプリを起動させる指示又は、騒音表示のための入力切り替えをする指示である。そして、制御情報生成部16は、さらに、電気機器90でも報知するか否かを判定する(ステップS405)。電気機器90でも報知するか否かについては、例えば建屋情報記憶部22に電気機器90でも報知するか否かの情報を記憶させることにより区画毎に任意に設定可能である。
電気機器90では報知しないなら(ステップS405;No)、制御情報生成処理を終了する。電気機器90でも報知するなら(ステップS405;Yes)、ステップS406に進む。
ステップS403で、騒音源区画に表示装置5が存在しないと判定した場合(ステップS403;No)も、ステップS406に進み、制御情報生成部16は、建屋情報記憶部22及び電気機器情報記憶部25の記憶内容に基づき、騒音源区画に存在する電気機器90の電気機器宛先情報及び報知部制御内容を取得する(ステップS406)。ここで、電気機器90の電気機器宛先情報とは、例えば、電気機器90のIPアドレスである。そして、制御情報生成部16は、騒音情報記憶部23に記憶されている騒音先区画での騒音レベルを取得し、その騒音レベルに対応する報知部制御内容を制御情報とし、ステップS406で取得した電気機器宛先情報に基づいて、電気機器90にその制御情報を送信し(ステップS407)、制御情報生成処理を終了する。なお、騒音先区画が複数ある場合は、それら複数の騒音先区画での騒音レベルのうち、最大の騒音レベルに対応する報知部制御内容を制御情報とする。
以上の処理により、騒音管理装置2Bから、騒音源区画に設置された電気機器90に制御情報が送信される。この制御情報を受信した電気機器90の制御情報受信処理について、図27を参照して説明する。この処理は、電気機器90が騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行う処理である。この処理は電気機器90が制御情報を受信すると実行開始され、電気機器90の主機能の処理とは別スレッドで並行して実行される。
まず、制御情報取得部71が、通信部81を介して、騒音管理装置2Bから送信された制御情報を取得する(ステップS501)。次に、報知制御部72が、制御情報に含まれる報知部制御内容に基づいて、報知部82を制御し(ステップS502)、終了する。
以上の制御情報受信処理により、騒音管理装置2Bから送信された制御情報に基づき、電気機器90は、報知部82を制御して、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作をすることができる。この報知動作によりその区画にいるユーザは、その区画で発生している騒音が他の区画に伝搬していることを知ることができる。なお、騒音管理装置2Bと電気機器90との間のネットワーク4が、電気機器90のリモコン信号を伝送するネットワークである場合は、上記制御情報は、電気機器90を制御するリモコン信号でもよい。この場合は、電気機器90は、騒音管理装置2Bから受信したリモコン信号によって報知部82を制御して、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作をすることができる。
前述のケースAの状況のように、区画1の騒音が大きく騒音源区画であり、その騒音が区画2に伝搬して区画2で騒音が検出されている状況を例に挙げると、騒音管理装置2Bは区画1が騒音源区画であると判定し、騒音の伝搬先である区画2での騒音レベルに応じた報知部制御内容を含む制御情報を、ネットワーク4を介して区画1に設置されている電気機器90に送信する。そして、区画1に設置されている電気機器90はネットワーク4を介してその制御情報を受信して、制御情報に含まれる報知部制御内容に基づいて報知動作を行う。図24に示す内容が電気機器情報記憶部25に記憶されていて、区画2での騒音レベルが65dBであるとすると、図20に示す例では、区画1に設置されている音響機器91が、スピーカから「騒音が発生しています」と音声出力し、「騒音が発生しています」と画面表示することにより、騒音レベルに応じた報知動作を行う。
また、前述のケースBの状況のように、区画1は騒音が大きく、騒音源区画であり、その騒音が区画2に伝搬して区画2で騒音が検出されている状況で、なおかつ区画3は、区画1で発生している騒音とは異なる特徴を持つ騒音が発生している騒音源区画であり、区画3で発生している騒音が区画4に伝搬して区画4で騒音が検出されている状況を例に挙げると、騒音管理装置2Bは区画1及び区画3が騒音源区画であると判定し、騒音の伝搬先である区画2及び区画4での騒音レベルに応じた報知部制御内容を含む制御情報を、ネットワーク4を介して区画1及び区画3に設置されている電気機器90に送信する。そして区画1及び区画3に設置されている電気機器90はネットワーク4を介してその制御情報を受信して、制御情報に含まれる報知部制御内容に基づいて報知動作を行う。図24に示す内容が電気機器情報記憶部25に記憶されていて、区画2での騒音レベルが65dB、区画4での騒音レベルが70dBであるとすると、図20に示す例では、区画1の音響機器91が前述の報知動作をし、それと同時に区画3に存在する掃除機93が、掃除機93に付いているLEDを点滅動作させることにより、それぞれの電気機器90がそれぞれの区画での騒音レベルに応じた報知動作を行う。
ただし、騒音源区画に表示装置5が設置されている場合には、騒音伝搬情報生成処理によりその区画に設置されている表示装置5に騒音通知画面を表示し(図26のステップS404)、その区画が騒音源区画であることが表示装置5からユーザに通知される。そして、その区画に設置されている電気機器90でも報知動作を行うか否かについては、例えば建屋情報記憶部22が、電気機器90による報知動作の有無を記憶することにより、区画毎に任意に設定可能である。
以上説明したように実施の形態2の騒音管理装置2Bを使用した騒音管理システム1Cによれば、騒音源区画に設置されている電気機器90が、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行うため、表示装置5が騒音源区画になくても、その区画が騒音源区画になっていることをユーザに気付かせることができる。また、騒音管理装置2Bの備える電気機器情報記憶部25が、各電気機器90の報知部82をどのように制御して騒音レベルを報知するかを示す報知部制御内容を記憶しているため、電気機器90は、騒音レベルに応じた報知部82の制御内容を記憶しなくても、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行うことができる。
(実施の形態3)
実施の形態2に係る騒音管理装置2Bは、各電気機器90の報知部82を制御するための報知部制御内容の情報を電気機器情報記憶部25に記憶しておく必要がある。しかし、電気機器90の仕様は電気機器90毎に様々であるので、全ての電気機器90に対応するのは煩雑である。そこで、報知部制御内容の情報を各電気機器90Aが備える実施の形態3について説明する。
実施の形態3に係る騒音管理システム1Dの構成例は、図28に示すように、騒音管理装置2Cと、ネットワーク4と、表示装置5と、音センサ9と、電気機器90Aと、を備える。騒音管理装置2C及び電気機器90A以外については、実施の形態2に係る騒音管理システム1Cと同じある。また、クラウドネットワーク3及びルータ301を備える構成にしてもよい点も、実施の形態2に係る騒音管理システム1Cと同じある。
騒音管理装置2Cは、音センサ9から騒音の波形データを取得し、騒音伝搬情報を生成して、表示装置5に出力する。この点は、実施の形態1に係る騒音管理装置2及び実施の形態2に係る騒音管理装置2Bと同じである。騒音管理装置2Cが、実施の形態2に係る騒音管理装置2Bと異なる点は、電気機器90Aに、制御情報ではなく、第2の騒音伝搬情報を送信する点である。
実施の形態3に係る電気機器90Aは、図29に示すように、機能構成として、制御部70と、記憶部80と、通信部81と、報知部82と、を備える。通信部81及び報知部82は、実施の形態2に係る電気機器90が備える通信部81及び報知部82と同じである。制御部70は、CPUを備え記憶部80に記憶されたプログラムを実行することにより、電気機器90Aの機能及び制御部70の各部(騒音伝搬情報取得部73、制御情報生成部74、制御情報取得部71、報知制御部72)の機能を実現する。また、制御部70は、マルチスレッド機能を備えており、複数の処理の流れを並行して実行することができる。
騒音伝搬情報取得部73は、騒音管理装置2Cが送信した第2の騒音伝搬情報を、通信部81を介して取得する。制御情報生成部74は、騒音伝搬情報取得部73が取得した第2の騒音伝搬情報に含まれる騒音レベルに基づき、報知部82の制御内容を示す制御情報を生成する。制御情報取得部71は、制御情報生成部74が生成した制御情報を取得する。報知制御部72は、制御情報取得部71が取得した制御情報に基づき、報知部82を制御する。これにより、電気機器90Aは、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行うことができる。
記憶部80はRAM及びROMを備え、必要なプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部80は、機能的には報知部制御情報記憶部83を備える。報知部制御情報記憶部83は、図30に示すように、騒音レベルに応じて、報知部82をどのように制御するかを示した報知部制御内容を記憶する。図30は、電気機器90Aが音響機器91Aの場合の報知部制御内容が記憶された報知部制御情報記憶部83のデータ例を示しているが、電気機器90Aに応じて報知部制御内容をどのように設定するかは任意である。電気機器90Aの種類が音響機器であっても、音響機器91Aと機能又は型番が異なる音響機器の場合には、図30に示す音響機器91Aの報知部制御内容の例とは異なる報知部制御内容にしてもよい。電気機器90Aの種類に限らず、報知部制御情報記憶部83には、個々の電気機器90Aが、それぞれ自機専用の報知部制御内容を記憶することができる。
実施の形態3に係る騒音管理装置2Cの機能構成例は、図2に示す実施の形態1に係る騒音管理装置2と同じであるが、騒音伝搬情報生成部15が、第2の騒音伝搬情報生成処理も行う点と、建屋情報記憶部22が、図23に示すように、各区画における表示装置5の有無を示す「表示装置有無」及び、各区画に存在する電気機器90Aの情報である「電気機器宛先情報」も記憶している点が異なる。「表示装置有無」及び「電気機器宛先情報」は、実施の形態2と同じである。また、出力部32は、表示装置5に騒音伝搬情報を送信する際だけでなく、電気機器90Aに対して第2の騒音伝搬情報を送信する際にも使われる。ただし、電気機器90Aに送信する際に使う出力部32と、表示装置5に送信する際に使う出力部32とは、別々の出力部32であってもよい。また、複数の電気機器90Aに対して別個の出力部32を備えても良い。実施の形態3に係る騒音管理装置2Cの備える建屋情報記憶部22は、実施の形態2に係る騒音管理装置2Bの備える図23に示す建屋情報記憶部22と同じである。
騒音管理装置2Cのメインフローは、図31に示すように、実施の形態1に係る騒音管理装置2のメインフローのステップS13の前に、ステップS15として「第2の騒音伝搬情報生成処理」の呼び出しを追加した構成になっている。第2の騒音伝搬情報生成処理は、騒音管理装置2Cが、騒音先区画での騒音レベルを電気機器90Aに送信する処理である。この処理により、騒音源区画に設置された電気機器90Aが騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行うことができる。
では、騒音管理装置2CのメインフローのステップS15で呼び出されて実行される第2の騒音伝搬情報生成処理について、図32を参照して説明する。この処理は、主体が騒音管理装置2Cの騒音伝搬情報生成部15であることを除くと、図26に示す制御情報生成処理に類似するので、異なる点を中心に説明する。まず、第2の騒音伝搬情報生成処理のステップS601〜ステップS605は、図26のステップS401〜ステップS405と、主体が制御情報生成部16ではなく、騒音伝搬情報生成部15である点以外は同じである。
ステップS606では、騒音伝搬情報生成部15は、建屋情報記憶部22の記憶内容に基づき、騒音源区画に存在する電気機器90Aの電気機器宛先情報を取得し、さらに、騒音情報記憶部23に記憶されている騒音先区画での騒音レベルも取得する(ステップS606)。そして、騒音伝搬情報生成部15は、取得した騒音先区画での騒音レベルを第2の騒音伝搬情報として、ステップS606で取得した電気機器宛先情報で示される電気機器90Aに送信し(ステップS607)、第2の騒音伝搬情報生成処理を終了する。なお、騒音先区画が複数ある場合は、それら複数の騒音先区画での騒音レベルのうち、最大の騒音レベルを、第2の騒音伝搬情報として送信する。
以上の処理により、騒音管理装置2Cから、騒音源区画に設置された電気機器90Aに騒音伝搬情報が送信される。この騒音伝搬情報を受信した電気機器90Aの騒音伝搬情報受信処理について、図33を参照して説明する。この処理は、電気機器90Aが騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行うための処理である。この処理は電気機器90Aが騒音伝搬情報を受信すると実行開始され、電気機器90Aの主機能の処理とは別スレッドで並行して実行される。
まず、騒音伝搬情報取得部73が、通信部81を介して、騒音管理装置2Cから送信された第2の騒音伝搬情報を取得する(ステップS701)。この騒音伝搬情報には、騒音先区画での騒音レベルの情報が含まれている。次に、制御情報生成部74が、騒音伝搬情報取得部73が取得した騒音伝搬情報と、報知部制御情報記憶部83に記憶された報知部制御内容とに基づき、報知部82の制御内容を示す制御情報を生成する(ステップS702)。そして、報知制御部72が、制御情報に示される制御内容に基づいて、報知部82を制御し(ステップS703)、終了する。
以上の、騒音伝搬情報受信処理により、騒音管理装置2Cから送信された騒音伝搬情報に基づき、電気機器90Aは、報知部82を制御して、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行うことができる。この報知動作によりその区画にいるユーザは、その区画で発生している騒音が他の区画に伝搬していることを知ることができる。
以上説明したように実施の形態3の騒音管理装置2Cを使用した騒音管理システム1Dによれば、騒音源区画に設置されている電気機器90Aを用いて騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作が行われるため、表示装置5がその区画になくても、その区画が騒音源区画になっていることをその区画にいるユーザに気付かせることができる。また、実施の形態2と異なり、報知部制御内容を、騒音管理装置2Cではなく、各電気機器90Aが記憶している。このため、騒音管理装置2Cが様々な電気機器90Aに対応した報知部制御内容を記憶しなくても、騒音先区画での騒音レベルに応じた報知動作を行うことができる。したがって、将来的に新たな電気機器90Aが発売された場合でも、既存の騒音管理装置2Cのままで、新たな電気機器90Aに対応することができる。
なお、上述した各実施の形態は、任意に組み合わせることが可能である。実施の形態1の変形例を実施の形態2又は実施の形態3と組み合わせることが可能なことは上述した通りだが、実施の形態1の第2の変形例を実施の形態2又は実施の形態3と組み合わせることも可能である。このような構成にすることにより、ユーザは騒音管理装置を建屋100の外部に設置でき、建屋100内のネットワーク4が無効となっていても、騒音管理装置は、その機能を向上させるバージョンアップ及びメンテナンスサービスを、クラウドネットワーク3を介して受けることができる。さらに、騒音管理装置がクラウドネットワーク3を介して、図示しない他の情報機器又はサーバーと接続することにより、例えば騒音を改善する情報を建屋100の住人又は管理人に提示するアプリケーションの提供を受けることもできるようになる。
また、実施の形態1の変形例と実施の形態1の第2の変形例とを組み合わせることも可能であり、このような構成にすることにより、変形例の効果と第2の変形例の効果とを両方とも享受できる。さらに、実施の形態2と実施の形態3を組み合わせることも可能である。例えば、普及率の高い電気機器90の報知部制御内容は騒音管理装置の電気機器情報記憶部25に記憶し、それ以外の電気機器90Aの報知部制御内容は各電気機器90Aの報知部制御情報記憶部83に記憶させることができる。これにより、電気機器情報記憶部25に記憶された電気機器90はシンプルな構成で安いコストで製造できる。そして、電気機器情報記憶部25は、電気機器90Aについては報知部制御内容を記憶しなくても良くなるので、騒音管理装置の製造コストも低減できる。そして、将来発売される電気機器も、電気機器90Aと同様の構成にすることによって、騒音管理装置を買い換えなくても新たな電気機器90Aに対応することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る騒音管理装置2、2A、2B、2Cのハードウェアは、例えば図34に示すように、プロセッサ210、メモリ220、インタフェース230で構成されている。騒音管理装置2、2A、2B、2Cにおける騒音情報取得部11、騒音区画判定部12、騒音伝搬情報生成部15の各機能は、プロセッサ210により実現される。プロセッサ210は、メモリ220に格納されるプログラムを実行するCPUである。プロセッサ210は、メモリ220に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、騒音情報取得部11、騒音区画判定部12及び騒音伝搬情報生成部15の機能を実現する。すなわち、騒音管理装置2、2A、2B、2Cは、プロセッサ210により実行されるときに、騒音情報取得部11、騒音区画判定部12及び騒音伝搬情報生成部15の機能を実現するステップである、騒音情報取得ステップ、騒音区画判定ステップ及び騒音伝搬情報生成ステップが結果的に実行されることになる。騒音管理装置2、2A、2B、2Cにおける通信部31及び出力部32は、インタフェース230である。インタフェース230は騒音管理装置2、2A、2B、2Cと、表示装置5、音センサ9、電気機器90といった構成要素とをネットワーク4を介して接続し、通信を確立させるためのものであり、必要に応じて複数種のインタフェース230から構成されてもよい。
また、これらのプログラムは、騒音管理装置2、2A、2B、2Cの各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ220とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)といった不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)が該当する。図34では、プロセッサ210及びメモリ220をそれぞれ1つで構成する例を示しているが、複数のプロセッサ210及び複数のメモリ220が連携して上記機能を実行してもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電気機器90、90Aのハードウェアは、例えば図35に示すように、プロセッサ270、メモリ280、インタフェース281、出力デバイス282で構成されている。電気機器90、90Aの各機能はプロセッサ270がメモリ280に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。すなわち、電気機器90、90Aは、プロセッサ270により実行されるときに、電気機器90、90Aを制御するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ280を備える。インタフェース281は電気機器90、90Aと、騒音管理装置2、2A、2B、2Cと、をネットワーク4を介して接続し、通信を確立させるためのものであり、必要に応じて複数種のインタフェース281から構成されてもよい。電気機器90、90Aにおける通信部81は、インタフェース281である。出力デバイス282は、LED、表示パネル、モータのように、電気機器90、90Aが備え、ユーザに光、文字、映像、音で情報を報知することができるデバイスである。電気機器90、90Aにおける報知部82は、出力デバイス282である。
また、これらのプログラムは、電気機器90、90Aの各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ280とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMといった不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDが該当する。図35では、プロセッサ270及びメモリ280をそれぞれ1つで構成する例を示しているが、複数のプロセッサ270及び複数のメモリ280が連携して上記機能を実行してもよい。
その他、前記のハードウェア構成及びフローチャートは一例であり、任意に変更及び修正が可能である。
また、上述のいずれの実施の形態においても、各機能は、通常のコンピュータによっても実施することができる。具体的には、上述の実施の形態では、制御部10、70が実行するプログラムが、記憶部20、80のROMに予め記憶されているものとして説明した。しかし、プログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD及びMO(Magneto−Optica Disc)といったコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、上述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、又はOSとアプリケーションとの協同により実現する場合には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
なお、上述のいずれの実施の形態においても、記憶部20に含まれる各部(画像情報記憶部21、建屋情報記憶部22、騒音情報記憶部23、騒音伝搬情報記憶部24、電気機器情報記憶部25)は、これらの一部又は全てを、騒音管理装置2、2A、2B、2Cが備えず、通信ネットワークを介して接続された他の騒音管理装置2、2A、2B、2C、記憶装置、クラウドサーバ等から取得する構成であってもよい。
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。