JP7298919B2 - ミエリン形成を促進するための組成物 - Google Patents
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Description
第1の有効成分としての、グリセロホスホコリン及びその薬理的に許容された塩から成る群から選択された少なくとも一種の化合物と、
第2の有効成分としての、ヘスペリジン、ナリルチン、及びこれらの薬理的に許容された塩から成る群から選択された少なくとも一種の化合物と、
第3の有効成分としての、シンナミルエステル、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、及びこれらの薬理的に許容された塩から成る群から選択された少なくとも一種の化合物と
を含む、ミエリン形成を促進するための組成物に関する。
第1の有効成分としての、グリセロホスホコリン及びその薬理的に許容された塩から成る群から選択された少なくとも一種の化合物と、
第2の有効成分としての、ヘスペリジン、ナリルチン、及びこれらの薬理的に許容された塩から成る群から選択された少なくとも一種の化合物と、
第3の有効成分としての、シンナミルエステル、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、及びこれらの薬理的に許容された塩から成る群から選択された少なくとも一種の化合物と
を含む。主に第3の有効成分の作用により、アルツハイマー病の発症によってアップレギュレーションされたコネキシン43の発現量が減少し、主に第1の有効成分と第2の有効成分との併用により、コネキシン32の発現量が増加し、第1の有効成分と第2の有効成分と第3の有効成分との相乗効果により、コネキシン47の発現量が顕著に増加するとともにオリゴデンドロサイトの成熟・分化・生存ひいてはミエリン形成のカギを握るp-21.5kDaMBPの発現量が顕著に増加する。また、このミエリン形成のカギを握るp-21.5kDaMBPの発現量の顕著な増加のため、本発明の組成物は、アルツハイマー病の治療及び/又は予防に限定されず、ミエリン形成の障害を発症する疾患の治療及び/又は予防のために広く有効利用することができる
(A)動物・飼育環境
以下の実験においてアルツハイマー病の病態モデルマウスとして使用したヒトのスウェーデン変位型APP(APPK670N/M671L)遺伝子を導入した遺伝子改変マウスTg2576は、米国のThe Jackson Laboratoryから入手した。入手したTg2576マウスを、室温25±1℃、相対湿度55±1%の飼育施設で、12時間/12時間の明暗の照明サイクル(7:00点灯、19:00消灯)の環境下で飼育した。なお、この動物実験は、実験動物の適正な使用及び管理を定めたNIHガイドラインに基づき作成された慶應義塾大学動物実験ガイドラインに則り、同大学内動物実験施設で行った。
15月齢のTg2576マウス(平均体重30g)を4つの群に分け、それぞれの群に以下の練り餌さを与えて1か月間飼育した。なお、以下に示す練り餌さの量はマウス一匹に対して一日に与えた量であり、各マウスが1日で食べきっていることを確認した。
対照:5.26gの飼料の練り餌さ。
GHN投与:0.833mgのα-GPC(G)と、合計で1.458mgのヘスペリジン(H)とナリルチン(N)とを還元麦芽糖水飴、でんぷん等の慣用の添加物と混合した組成物の20mgを5.26gの飼料に混ぜた練り餌さ。
C投与:桂皮粉末(シンナムアルデヒドを1.3質量%、ケイ皮酸を0.025質量%含有)の5mg(シンナムアルデヒドとケイ皮酸とを合計で0.06625mg)を5.26gの飼料に混ぜた練り餌さ。
GHN+C投与:0.833mgのα-GPC(G)と、合計で1.458mgのヘスペリジン(H)とナリルチン(N)とを還元麦芽糖水飴、でんぷん等の慣用の添加物と混合した組成物の20mgと、桂皮粉末(シンナムアルデヒドを1.3質量%、ケイ皮酸を0.025質量%含有)の5mg(シンナムアルデヒドとケイ皮酸とを合計で0.06625mg)とを5.26gの飼料に混ぜた練り餌さ。
1か月の飼育後に、対照マウス、GHN投与マウス、C投与マウス、及びGHN+C投与マウスを、イソフルラン(和光純薬工業株式会社)を用いた吸引麻酔下で安楽死させ、直ちに開頭した後、全脳を摘出した。摘出した脳の1/2の重さを測定し、脳重量1gにつき、氷冷したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を10mL添加し、さらに、100xプロテアーゼ阻害剤カクテル(メルク株式会社)の100倍希釈液に10容量%のRIPAバッファー(20mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)(ナカライテスク株式会社)、150mMのNaCl(シグマアルドリッチジャパン合同会社)、1%のポリ(オキシエチレン)オクチルフェニルエーテル(商品名Tx-100;シグマアルドリッチジャパン合同会社)、1%のデオキシコール酸ナトリウム(シグマアルドリッチジャパン合同会社)、0.1%のラウリル硫酸ナトリウム(SDS)(シグマアルドリッチジャパン合同会社))を添加した液を10mL添加した後、ホモジナイザーを用いて脳を可溶化した。得られた脳ホモジネート懸濁液を1.5mLのエッペンドルフチューブに回収し、4℃、20000×Gの条件で20分間遠心分離した。遠心分離後、上澄み液を可溶性画分、沈渣を不溶性画分として分離し、-80℃で保存した。
上記(C)工程にて得られた可溶性画分をLaemmliサンプルバッファー(メルクミリポア社:62.5mM Tris-HCl(pH6.8)、25% グリセロール、2% SDS、0.01% ブロモフェノールブルー含有)で4倍に希釈し、100℃の恒温槽中に10分間放置して、SDS-PAGE用サンプルを得た。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜(商品名;immobilon-p:孔径0.45μm:メルクミリポア社)を転写液(31mM Tris(ナカライテスク株式会社)、0.24M グリシン(シグマアルドリッチジャパン合同会社)、20% メタノール(和光純薬工業株式会社))中に導入して15分間振とうし、回収したPVDF膜と上記(D)工程にて得られた電気泳動後のゲルとを接触させ、室温にて20mA/cm2の条件下で電流を流し、タンパク質をPVDF膜に転写した。転写後のPVDF膜に、10倍希釈した10xトリス緩衝生理食塩水(TBS)(0.5M Tris(pH8.1)(ナカライテスク株式会社)、1.5M NaCl(シグマアルドリッチジャパン合同会社)、1N 塩酸(和光純薬工業株式会社))に5%のスキムミルク(株式会社Defco)を溶解させたブロッキングバッファーを用いて、1時間室温にてブロッキング処理を施した。
図2は、内部標準のGAPDHにて正規化されたコネキシン30の存在量を、対照マウスの脳における存在量を1とした存在量比の形式で示した図である。図2から把握されるように、コネキシン30の発現量は、GHN投与及びC投与によってそれぞれ増加したものの、顕著な発現量の増加は認められなかった。また、GHN+C投与によるコネキシン30発現の増加量は、GHN投与による増加分にC投与による増加分を加算した量にほぼ相当し、加算効果が認められた。
ダウン症のモデルマウスを用いたダウン症の発症過程の遺伝子発現研究によって、オリゴデンドロサイトとミエリンの異常が報告されている(2016 Mar 16;89(6):1208-1222. doi: 10.1016/j.neuron.2016.01.042)。一方、本発明の組成物によりミエリン形成のカギを握るp-21.5kDaMBPの発現量が顕著に増加するため、本発明の組成物がダウン症の改善のために有効であると期待される。そのため、退行症状を有し器質的合併症を有していない成人のダウン症発症者7名に対して、一日当たり、α-GPCを40mg、ヘスペリジンとナリルチンとを合計で70mg、及び、ケイ皮酸とシンナムアルデヒドを合計で0.6mgの量で含む桂皮エキスパウダーを含む組成物を6か月間服用させ、社会性に対する退行症状と認知機能の評価とを行った。
Claims (8)
- 第1の有効成分としての、グリセロホスホコリン及びその薬理的に許容された塩から成る群から選択された少なくとも一種の化合物と、
第2の有効成分としての、ヘスペリジン、ナリルチン、及びこれらの薬理的に許容された塩から成る群から選択された少なくとも一種の化合物と、
第3の有効成分としての、シンナミルエステル、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、ケイ皮酸、及びこれらの薬理的に許容された塩から成る群から選択された少なくとも一種の化合物と
を含む、ミエリン形成を促進するための組成物であって、
第2の有効成分としてヘスペリジンとナリルチンとを含み、
第3の有効成分としてシンナムアルデヒドとケイ皮酸とを含む
ことを特徴とする、ミエリン形成を促進するための組成物。 - アルツハイマー病の治療及び/又は予防のための組成物である、請求項1に記載のミエリン形成を促進するための組成物。
- 成人一人当たりの一日当たりの投与量として、10~200mgの第1の有効成分と、30~350mgの第2の有効成分と、0.6~15mgの第3の有効成分とを含む、請求項1又は2に記載のミエリン形成を促進するための組成物。
- 第2の有効成分の少なくとも一部を、ウンシュウミカン由来の陳皮、該陳皮の抽出物、ジャバラ、ジャバラの抽出物、及びこれらの混合物のうちのいずれかの形態で含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のミエリン形成を促進するための組成物。
- 第3の有効成分の少なくとも一部を、桂皮又は桂皮の抽出物の形態で含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のミエリン形成を促進するための組成物。
- 第1の有効成分、第2の有効成分、及び第3の有効成分の全てを含む配合剤として製剤化される、請求項1~5のいずれか1項に記載のミエリン形成を促進するための組成物。
- 第1の有効成分、第2の有効成分及び第3の有効成分のうちのいずれか一つ或いは2つを含む複数の剤から成り、第1の有効成分、第2の有効成分、及び第3の有効成分の全てを含むキットとして製剤化される、請求項1~5のいずれか1項に記載のミエリン形成を促進するための組成物。
- 健康食品として投与される、請求項1~7のいずれか1項に記載のミエリン形成を促進するための組成物。
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---|---|---|---|
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Patent Citations (1)
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WO2018190146A1 (ja) | 2017-04-12 | 2018-10-18 | 株式会社グロービア | アルツハイマー病の治療及び/又は予防のための組成物 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
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BioMed Research International,2018年08月29日,Vol.2018, Article ID 3570830,p.1-9 |
Neurobiology of Disease,2018年12月19日,Vol.124,p.379-395 |
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