以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、仮想空間通信システム100の一例を示すブロック図である。図1に示す仮想空間通信システム100は、例えば離れた場所にいる者同士が仮想空間においてリアルタイムで対話を行うことにより、ショッピング、会議、説明会等を実行可能とするシステムである。以下、本実施形態では、仮想空間通信システム100をショッピングに適用する場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、仮想空間通信システム100は、サーバ10と、複数の端末装置20、30、40とを備える。サーバ10及び複数の端末装置20、30、40は、インターネット等のネットワークを介して通信可能となっている。端末装置20、30、40の種類としては、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する)、スマートフォン、タブレット、ユーザが頭部に装着して使用可能なヘッドマウントディスプレイ装置(以下、HMD装置と表記する)等が挙げられる。
サーバ10は、仮想空間通信システム100を統括的に管理する。サーバ10は、複数の端末装置20、30、40の表示部に対して仮想空間を表示させるための各種アプリケーション、データ、プログラム等を有する。サーバ10としては、例えばパーソナルコンピュータ、ワークステーション等が用いられるが、これに限定されない。
複数の端末装置20、30、40は、サーバ10との間で通信を行うことにより、仮想空間においてリアルタイムで対話を行うことが可能である。本実施形態において、端末装置20は、例えば仮想空間内の仮想店舗で商品を販売する販売者の端末装置とする。また、端末装置30は、例えば上記仮想店舗で商品を購入する権限を有する購入者の端末装置とする。また、端末装置40は、例えば上記仮想店舗で商品を購入する権限を有しない同行者の端末装置とする。仮想空間の仮想店舗に入店する際にアカウント等の認証が必要な場合、購入者が認証を得られれば、同行者については認証不要としてもよい。販売者、購入者及び同行者が使用する端末装置は、それぞれ複数台であってもよい。
図2は、サーバ10の一例を示す図である。図2に示すように、サーバ10は、通信部11と、記憶部12と、処理部13とを有する。通信部11、記憶部12及び処理部13は、バスラインB1を介して接続される。通信部11は、有線又は無線によりネットワークを介して情報の送受信を行う。
記憶部12は、各種情報を記憶する。記憶部12は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部12として、リムーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。記憶部12は、空間情報記憶部12aと、対話情報記憶部12bと、属性情報記憶部12cと、設定情報記憶部12dとを有する。
空間情報記憶部12aは、複数の端末装置20、30、40に仮想空間を表示させるための各種アプリケーション、データ、プログラム等の空間情報を記憶する。空間情報記憶部12aは、仮想店舗を表示するための情報を含む。例えば、仮想空間には、所定の基準点を基準とした2次元又は3次元の位置座標を設定することができる。この場合、仮想店舗には、2次元または3次元における所定の位置及び範囲に商品を配置することができる。また、購入者及び同行者は、端末装置30、40を介して所定の操作を行うことにより、現実の店舗内を移動して商品を見るように、仮想店舗内を移動したり、商品の姿勢を変更したりすることができる。空間情報記憶部12aは、端末装置20、30、40の表示部22a、32a、42aの種類(PC、スマートフォン、タブレット、HMD装置等)に応じた内容の情報を記憶する。
対話情報記憶部12bは、仮想空間で対話を行うための各種アプリケーション、データ、プログラム等の情報を記憶する。対話は、例えば音声による対話であってもよいし、チャット等のように文字による対話であってもよい。以下、仮想空間において、複数のチャンネルでチャットによる対話を行う場合を例に挙げて説明する。この場合、対話情報記憶部12bには、例えば購入者、同行者及び販売者が入力したチャットデータがチャンネルごとに記憶される。チャットデータは、例えば入力された時刻と対応して記憶される。
属性情報記憶部12cは、端末装置20、30、40の属性情報を記憶する。本実施形態において、属性情報は、端末装置20、30、40を使用するユーザの属性に関する情報である。本実施形態において、ユーザの属性としては、例えば購入者、同行者、販売者の属性が挙げられる。
図3は、属性情報記憶部12cに記憶される属性情報の一例を模式的に示す図である。図3に示す例では、端末装置30を使用するユーザの属性が購入者であり、端末装置40を使用するユーザの属性が同行者であり、端末装置20を使用するユーザの属性が販売者であることが設定されている。
設定情報記憶部12dは、空間情報及び対話情報を含む所定の対象情報についてサーバ10からの送信を許可する端末装置(以下、許可端末装置と表記する)とサーバ10からの送信を禁止する端末装置(以下、禁止端末装置と表記する)との設定に関する設定情報を記憶する。対象情報としては、例えば予算情報、価格情報、推奨情報、行動情報(移動情報、姿勢情報)、対話情報等が挙げられる。
予算情報は、例えばショッピングを行う際の購入者の予算の最大値を示す情報である。価格情報は、例えば仮想店舗に陳列される商品の価格を示す情報である。推奨情報は、例えば販売者が推奨しようとしている商品の情報を示す。
行動情報は、仮想店舗内における使用者(購入者、同行者又は販売者)の行動に関する情報を示す。行動情報は、移動情報及び姿勢情報を含む。移動情報は、例えば使用者が端末装置の表示部を注視する際の注視点の位置及び軌跡等を含む。移動情報は、不図示の視線検出装置等により使用者の視線を検出することにより、取得可能である。姿勢情報は、例えば仮想店舗内の商品の姿勢に関する情報である。仮想空間において、使用者が入力部を介して所定の操作を行うことで仮想店舗内の商品の姿勢を変更可能な設定とすることができる。姿勢情報は、商品のうち予め設定された複数の部位の座標に基づいて算出可能である。
対話情報は、端末装置20、端末装置30及び端末装置40のうち少なくとも2つの端末装置間で行われる仮想空間での対話内容を示す情報である。本実施形態において、対話情報は、チャット情報及び後述するチャンネルについてのチャンネル情報を含む。なお、対話情報は、チャット情報に代えて又はチャット情報に加えて、音声情報を含んでもよい。対話情報は、後述する入力部21、31、41において入力可能である。本実施形態では、端末装置間の対話について、複数のチャンネルが設けられる。各チャンネルにおいては、独立して対話が行われる。以下、複数のチャンネルについて、第1チャンネル、第2チャンネル、第3チャンネル、・・・、と表記する。また、各チャンネルにおける対話情報を区別する場合には、第1チャンネルで行われる対話(例えば、チャットによる対話)の内容を対話情報1、第2チャンネルで行われる対話の内容を対話情報2、第3チャンネルで行われる対話の内容を対話情報3、・・・、等と表記して区別する。
図4は、設定情報記憶部12dに記憶される設定情報の一例を模式的に示す図である。図4に示す例では、予算情報は、購入者及び販売者の端末装置30、20が許可端末装置として設定され、同行者の端末装置40が禁止端末装置として設定される。価格情報は、購入者及び販売者の端末装置30、20が許可端末装置として設定され、同行者の端末装置40が禁止端末装置として設定される。推奨情報は、販売者の端末装置20が許可端末装置として設定され、購入者及び同行者の端末装置30、40が禁止端末装置として設定される。移動情報は、販売者の端末装置20が許可端末装置として設定され、購入者及び同行者の端末装置30、40が禁止端末装置として設定される。姿勢情報は、購入者及び同行者の端末装置30、40が許可端末装置として設定され、販売者の端末装置20が禁止端末装置として設定される。対話情報1は、購入者、同行者及び販売者の端末装置30、40、20が許可端末装置として設定される。対話情報2は、購入者及び同行者の端末装置30、40が許可端末装置として設定され、販売者の端末装置20が禁止端末装置として設定される。対話情報3は、購入者及び販売者の端末装置30、20が許可端末装置として設定され、同行者の端末装置40が禁止端末装置として設定される。なお、上記各設定内容は一例であり、他の設定内容であってもよい。上記のように対象情報を設定することにより、属性に応じた情報を端末装置20、30、40に送信可能となっている。対象情報は、上記に限定されず、例えば購入者又は同行者の商品の好みに関する情報等、他の情報を含んでもよい。
処理部13は、入力部21、31、41、出力部22、32、42、通信部23、33、43及び記憶部24、34、44の各部の制御を行う。また、処理部13は、入力部21、31、41による指示信号に応じた演算、処理等を行う。処理部13は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置や、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置を有する。処理部13は、通信制御部13aと、記憶制御部13bと、情報選択部13cとを有する。
通信制御部13aは、通信部11における情報の送受信を制御する。通信制御部13aは、情報選択部13cによって選択された情報を通信部11から送信させる。本実施形態において、通信制御部13aは、空間情報及び対話情報を含む情報のうち所定の対象情報について、サーバ10からの送信を許可する許可端末装置には対象情報を送信し、サーバ10からの送信を禁止する禁止端末装置には対象情報を送信しない。
記憶制御部13bは、端末装置20、30、40から送信されたチャット情報を記憶させる。記憶制御部13bは、例えばサーバ10において受信又は記憶される時刻と対応付けて、例えばチャンネルごとにチャット情報を対話情報記憶部12bに記憶させる。
情報選択部13cは、空間情報記憶部12aに記憶される複数種類の空間情報の中から、端末情報20、30、40の種類に応じた所定の空間情報を選択する。また、情報選択部13cは、記憶部12に記憶される空間情報及び通信部11で受信した対話情報の中から通信先となる端末装置20、30、40の仮想空間における属性に応じた情報を選択する。
図5は、端末装置20、30、40の一例を示す図である。図5に示すように、端末装置20は、入力部21、出力部22、通信部23、記憶部24及び処理部25を有する。また、端末装置30は、入力部31、出力部32、通信部33、記憶部34及び処理部35を有する。また、端末装置40は、入力部41、出力部42、通信部43、記憶部44及び処理部45を有する。以下、端末装置20、30、40の構成を説明するにあたり、例えば端末装置20の入力部21と、端末装置30の入力部31と、端末装置40の入力部41とをまとめて説明する場合、端末装置20、30、40の入力部21、31、41、とまとめて表記する。
端末装置20、30、40は、入力部21、31、41、出力部22、32、42、通信部(端末側通信部)23、33、43、記憶部24、34、44及び処理部25、35、45がバスラインB2、B3、B4を介して接続される。端末装置20、30、40としては、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯型情報端末、デスクトップ型パーソナルコンピュータ等の据え置き型情報端末等が挙げられる。
入力部21、31、41は、情報を入力するための所定の入力操作が可能である。入力部21、31、41としては、例えばタッチパネル等の入力装置が用いられる。なお、入力部21、31、41として、タッチパネルに加えて又はタッチパネルに代えて、ボタン、レバー、ダイヤル、スイッチ又は他の入力装置が用いられてもよい。また、入力部21、31、41は、例えばカメラによりユーザの手などを撮影し、マーカ又は画像認識によりその動きを検出することで入力操作を行う(ジェスチャ操作)ものであってもよい。このようなジェスチャ操作が可能な入力部は、例えば出力部22、32、42として後述のヘッドマウント型ディスプレイ装置が用いられる場合、仮想ボタンとして適用することができる。入力部21、31、41は、所定の入力操作に応じた指示信号を出力する。
出力部22、32、42は、例えば表示部22a、32a、42aと、音声出力部22b、32b、42bとを有する。表示部22a、32a、42aは、文字及び画像を含む各種情報を表示する。表示部22a、32a、42aは、液晶パネル等の表示パネルを有する。なお、表示部22a、32a、42aは、使用者が頭部に装着して使用するヘッドマウント型ディスプレイ装置(以下、HMD装置と表記する)であってもよい。表示部22a、32a、42aは、仮想空間を表示可能である。また、表示部22a、32a、42aは、チャット情報を表示可能である。
通信部23、33、43は、有線又は無線により、ネットワークを介してサーバ10との間で情報の通信を行う。通信部23、33、43は、入力部21、31、41で入力されるチャット情報をサーバ10に送信する。また、通信部23、33、43は、サーバ10から送信される空間情報及びチャット情報を受信する。
記憶部24、34、44は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部24、34、44として、リムーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。記憶部24、34、44は、端末装置20、30、40のオペレーティングシステムや、入力部21、31、41、出力部22、32、42、通信部23、33、43の動作を制御するための各種プログラム、チャットを行うためのチャットアプリケーション、各種プログラム、及びデータ等を記憶する。
処理部25、35、45は、入力部21、31、41、出力部22、32、42、通信部23、33、43及び記憶部24、34、44の各部の制御を行う。また、処理部25、35、45は、入力部21、31、41による指示信号に応じた演算、処理等を行う。処理部25、35、45は、CPU等の処理装置や、RAM、ROM等の記憶装置を有する。処理部25、35、45は、通信制御部25a、35a、45aと、記憶制御部25b、35b、45bと、表示制御部25c、35c、45cとを有する。
通信制御部25a、35a、45aは、通信部23、33、43により情報の送受信を行わせる。
記憶制御部25b、35b、45bは、サーバ10から取得したチャット情報を記憶させる。記憶制御部25b、35b、45bは、サーバ10において受信又は記憶された時刻と対応付けて、例えばチャンネルごとにチャット情報を記憶させる。
表示制御部25c、35c、45cは、サーバ10から送信される空間情報と、入力部21、31、41で入力されるチャット情報及びサーバ10から送信されるチャット情報を表示部22a、32a、42aに表示させる。この場合、表示制御部25c、35c、45cは、入力部21、31、41で入力されるチャット情報を入力用の表示形態で表示させることができる。また、表示制御部25c、35c、45cは、サーバ10から送信されるチャット情報を閲覧用の表示形態で表示させることができる。
次に、上記のように構成された仮想空間通信システム100の動作の一例を説明する。本実施形態では、サーバ10に対して、購入者の属性である端末装置30と、同行者の属性である端末装置40と、販売者の属性である端末装置20とがネットワークを介して接続された場合を例に挙げて説明する。また、購入者の予算情報が3000円である場合を例に挙げて説明する。
購入者、同行者、販売者の端末装置30、40、20がサーバ10に接続された場合、サーバ10において、通信制御部13aは、端末装置30、40、20の種類及び利用者の属性情報を取得する。記憶制御部13bは、取得した属性情報を、端末装置30、40、20の種類と対応させて、記憶部12の属性情報記憶部12cに記憶させる。情報選択部13cは、空間情報記憶部12aに記憶される空間情報から、端末装置30、40、20の種類に対応する空間情報を選択する。通信制御部13aは、選択された空間情報を端末装置30、40、20に送信する。このとき、通信制御部13aは、設定情報記憶部12dに記憶された設定情報に基づいて空間情報を送信する。つまり、通信制御部13aは、空間情報を含む対象情報について、サーバ10からの送信を許可する許可端末装置には対象情報を送信し、サーバ10からの送信を禁止する禁止端末装置には対象情報を送信しない。端末装置30、40、20では、サーバ10から送信された対象情報(空間情報を含む)が表示部32a、42a、22aに表示される。
図6は、購入者、同行者及び販売者の端末装置の表示部における表示内容の一例を示す図である。図6に示すように、例えば購入者の端末装置30において、表示部32aには、仮想店舗に販売される商品(商品1、商品2、商品3、商品4)と、当該商品の価格を示す価格情報と、予算情報とが表示される。このうち、商品1が1000円、商品2が2000円、商品3が5000円、商品4が10000円である。購入者の予算情報(予算の最大値)は3000円である。商品1及び商品2については、購入者の予算情報である3000円の範囲内であり、通常の表示態様で表示されている。一方、商品3及び商品4については、購入者の予算情報である3000円を超えており、商品1及び商品2とは異なる表示態様で表示されている。商品1及び商品2とは異なる表示態様としては、例えば、商品1及び商品2において実線で表示された箇所を破線で表示する表示態様等が挙げられる。また、この表示態様に限定されず、例えば商品1及び商品2に比べて、商品3及び商品4を薄く表示させる表示態様であってもよいし、商品3及び商品4を表示させなくてもよい。具体的には、商品3及び商品4の色を薄くする、アルファブレンディングで背景を透過させる、グレーアウトさせる等の表示態様が挙げられる。
また、同行者の端末装置40において、表示部42aには、仮想店舗で販売される商品のうち購入者の予算情報の範囲内の商品(商品1、商品2)を示す商品情報が表示される。同行者の端末装置40には、購入者の端末装置30に対して、予算情報及び価格情報が表示されていない状態となっている。
また、販売者の端末装置20において、表示部22aには、仮想店舗で販売される全ての商品(商品1、商品2、商品3、商品4)を示す商品情報と、当該商品の価格を示す価格情報と、予算情報と、販売者に対して商品を推奨する推奨情報と、仮想店舗内における販売者の注視点Pと当該注視点の軌跡Eとを示す移動情報とが表示される。販売者は、表示される移動情報により、購入者、同行者がどの商品に興味を持っているか、商品のどの部分を見ているか等の意図を把握することができる。これにより、販売者は、適切なアドバイスや新たな商品提供等を購入者、同行者に対して行うことが可能となる。このような販売者の接客行動により、購入者による商品購入を促すことができ、仮想店舗においても実際の店舗と同様に、販売者の接客行動が収益向上につながることになる。商品情報及び価格情報の表示については、購入者の端末装置30の表示部32aと同様の表示とすることができる。推奨情報については、例えば推奨の対象となる商品の画像にハッチングを施した状態で表示する等、他の商品とは異なる態様で表示することができる。
図7は、購入者、同行者及び販売者の端末装置の表示部における表示内容の他の例を示す図である。図7は、購入者又は同行者が、仮想店舗内で商品の一部を見やすくするため、商品の姿勢を変更した場合についての例である。商品として、マグカップを例に挙げて説明するが、これに限定されない。
本実施形態において、姿勢情報は、購入者及び同行者の端末装置30、40が許可端末装置として設定され、販売者の端末装置20が禁止端末装置として設定される(図4等参照)。この設定では、購入者及び同行者の端末装置30、40には姿勢情報が送信される。また、購入者、同行者が端末装置30、40の入力部31、41を介して所定の操作を行うことで、姿勢情報を変更可能である。端末装置30、40の表示部32a、42aには、姿勢変更後の姿勢PRaで商品が表示される。一方、販売者の端末装置20には姿勢情報が送信されない。そのため、端末装置20の表示部22aには、所定の姿勢PRのままの商品が表示される。この場合、購入者又は同行者が商品のどの部分を気にするかを販売者側に知られないようにすることができる。
なお、購入者、同行者に加えて、販売者の端末装置20についても許可端末装置として設定することも可能である。この設定では、購入者、同行者及び販売者の端末装置30、40、20に姿勢情報が送信される。そのため、端末装置30、40、20の表示部32a、42a、22aには、姿勢変更後の姿勢PRaで商品が表示される。この場合、購入者又は同行者が商品のどの部分を気にするかを販売者側に伝えることができる。また、販売者は、表示される姿勢情報により、購入者、同行者が商品のどの部分に興味を持っているか等の意図を把握することができる。これにより、販売者は、適切なアドバイス等を購入者、同行者に対して行うことが可能となる。
図8から図10は、購入者、同行者及び販売者の端末装置の表示部における表示内容の一例を示す図である。仮想空間において、端末装置30、40、20の間で対話を行う場合、図8から図10に示すような対話情報の入力用画面を表示部32a、42a、22aに表示することができる。対話情報の入力用画面は、図8から図10に示すように表示部32a、42a、22aの全体に表示してもよいし、表示部32a、42a、22aの一部に表示してもよい。
図8は、複数のチャンネルのうち第1チャンネルで対話を行う場合の表示画面の一例を示す。図8に示すように、第1チャンネルでは、購入者、同行者及び販売者の端末装置30、40、20が許可端末装置として設定される。この場合、サーバ10から端末装置30、40、20のそれぞれに対話情報が送信される。したがって、購入者と、同行者と、販売者との三者の間でチャット又は音声による会話を行うことができる。第1チャンネルでチャットが行われる場合、チャットの内容(対話情報1)については、端末装置30、40、20の表示部32a、42a、22aに表示される。表示部32a、42a、22aには、チャットが行われているチャンネルの種類(第1チャンネルM1)と、例えば購入者、同行者及び販売者のアバター画像A、B、Cと、チャットの内容T1、T2とが表示される。また、第1チャンネルで音声会話が行われる場合、音声会話の内容(対話情報1)については、端末装置30、40、20の音声出力部32b、42b、22bに出力される。第1チャンネルでは、例えば挨拶等、一般的な内容の情報等を、購入者と、同行者と、販売者との間で交換することができる。
また、図9は、複数のチャンネルのうち第2チャンネルで対話を行う場合の表示画面の一例を示す。図9に示すように、第2チャンネルでは、購入者及び同行者の端末装置30、40が許可端末装置として設定され、販売者の端末装置20が禁止端末装置として設定される。この場合、サーバ10から、端末装置30、40には対話情報が送信されるが、端末装置20には対話情報が送信されない。したがって、第2チャンネルでは、購入者と同行者との間でチャット又は音声による会話を行うことが可能である。第2チャンネルでチャットが行われる場合、チャットの内容(対話情報2)については、購入者、同行者の端末装置30、40の表示部32a、42aには表示される。表示部32a、42aには、チャットが行われているチャンネルの種類(第2チャンネルM2)と、購入者及び同行者のアバター画像A、Bと、チャットの内容T3、T4とが表示される。一方、販売者の端末装置20の表示部22aには、当該対話情報2については表示されず、他の画面(例えば図8に示す対話情報1の画面等)が表示される。また、第2チャンネルで音声会話が行われる場合、音声会話の内容(対話情報2)については、端末装置30、40の音声出力部32b、42bには出力されるが、端末装置20の音声出力部22bには出力されない。第2チャンネルでは、例えば仮想店舗内の商品が好みではない旨の感想等、販売者に開示したくない内容の情報等を購入者と同行者との間で交換することができる。
また、図10は、複数のチャンネルのうち第3チャンネルで対話を行う場合の表示画面の一例を示す。図10に示すように、第3チャンネルでは、購入者及び販売者の端末装置30、20が許可端末装置として設定され、同行者の端末装置40が禁止端末装置として設定される。この場合、サーバ10から、端末装置30、20には対話情報が送信されるが、端末装置40には対話情報が送信されない。したがって、第3チャンネルでは、購入者と販売者との間でチャット又は音声による会話を行うことが可能である。第3チャンネルでチャットが行われる場合、チャットの内容(対話情報3)については、購入者、販売者の端末装置30、20の表示部32a、22aには表示される。表示部32a、22aには、チャットが行われているチャンネルの種類(第3チャンネルM3)と、購入者及び販売者のアバター画像A、Cと、チャットの内容T5、T6とが表示される。一方、同行者の端末装置40の表示部42aには、当該対話情報3については表示されず、他の画面(例えば図8に示す対話情報1の画面等)が表示される。また、第3チャンネルで音声会話が行われる場合、音声会話の内容(対話情報3)については、端末装置30、20の音声出力部32b、22bには出力されるが、端末装置40の音声出力部42bには出力されない。第3チャンネルでは、例えば予算情報を含む商品の提案等、同行者に開示したくない内容の情報等を購入者と販売者との間で交換することができる。
図11は、仮想空間通信システム100の動作の一例を示すフローチャートである。図11に示すように、購入者、同行者、販売者の端末装置30、40、20がサーバ10に接続された場合、サーバ10において、通信制御部13aは、利用者の属性情報を取得する(ステップS10)。記憶制御部13bは、取得した属性情報を記憶部12の属性情報記憶部12cに記憶させる。情報選択部13cは、空間情報記憶部12aに記憶される表示情報から、属性情報に対応する空間情報を選択する(ステップS20)。
通信制御部13aは、選択された空間情報を端末装置30、40、20に送信する。このとき、情報選択部13cは、空間情報を含む対象情報について、サーバ10からの送信を禁止する設定が含まれるか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30において、禁止設定が含まれると判断される場合(ステップS30のYes)、許可端末装置に対しては対象情報を送信し、禁止端末装置に対しては対象情報を送信しないようにする(ステップS40)。一方、禁止設定が含まれないと判断される場合(ステップS30のNo)、端末装置30、40、20の全てに対して空間情報を送信する(ステップS50)。
サーバ10は、端末装置30、40、20の少なくとも1つの端末装置から対話情報が送信されたか否かを判定する(ステップS60)。対話情報が送信されないと判定される場合(ステップS60のNo)、以下のステップS70からステップS100を飛ばして、後述するステップS110の動作を行う。
また、対話情報が送信されたと判定される場合(ステップS60のYes)、サーバ10からの送信を禁止する設定が含まれるか否かを判定する(ステップS70)。ステップS70において、禁止設定が含まれると判断される場合(ステップS70のYes)、許可端末装置に対しては対象情報を送信し、禁止端末装置に対しては対象情報を送信しないように、対話情報を端末装置30、40、20に送信する(ステップS80)。一方、禁止設定が含まれないと判断される場合(ステップS70のNo)、端末装置30、40、20の全てに対して対話情報を送信する(ステップS90)。
その後、サーバ10は、対話を終了するか否かを判定し(ステップS100)、終了すると判定した場合(ステップS100のYes)、対話の処理を終了して、ステップS110に移行する。また、対話を終了しないと判定した場合(ステップS100のNo)、ステップS70以降の動作を繰り返し行わせる。
その後、サーバ10は、処理を終了するか否かを判定し(ステップS110)、終了すると判定した場合(ステップS110のYes)、処理を終了する。また、サーバ10は、処理を終了しないと判定した場合(ステップS110のNo)、ステップS60以降の動作を繰り返し行わせる。
以上のように、本実施形態に係るサーバ10は、仮想空間通信システム100を構成するサーバ10であって、仮想空間を表示部22a、32a、42aに表示するための空間情報を記憶する記憶部12と、複数の端末装置20、30、40との間で、空間情報と、仮想空間での対話内容を示す対話情報とを含む情報の送受信が可能な通信部11と、記憶部12に記憶される空間情報及び通信部11で受信した対話情報の中から仮想空間における端末装置20、30、40の属性に応じた情報を選択して通信先に送信する制御部13とを備える。
また、本実施形態に係る仮想空間通信システム100は、仮想空間を表示可能な表示部22a、32a、42aと、仮想空間での対話内容を示す対話情報を入力可能な入力部21、31、41と、空間情報及び対話情報を含む情報の送受信が可能な通信部23、33、43とを有し、通信部23、33、43で受信する対話情報を出力可能な複数の端末装置20、30、40と、空間情報を記憶する記憶部12と、複数の端末装置20、30、40との間で、空間情報と、仮想空間での対話内容を示す対話情報とを含む情報の送受信が可能な通信部11と、記憶部12に記憶される空間情報及び通信部11で受信した対話情報の中から仮想空間における端末装置20、30、40の属性に応じた情報を選択して通信先に送信する制御部13とを有するサーバ10とを備える。
この構成によれば、仮想空間における端末装置20、30、40の属性に応じて、当該端末装置20、30、40に送信する情報を選択するため、一の端末装置に対しては情報を送信し、他の端末装置に対しては当該情報を送信しないようにすることができる。このように、端末装置の使用者に対してサーバ10から提供する情報を非対称とすることにより、仮想空間で特定の使用者には知られたくない情報を当該特定の使用者に知られないように通信を行うことが可能となる。
本実施形態に係るサーバ10において、仮想空間は、商品を販売する仮想店舗を有し、仮想店舗における属性は、商品を購入する権限を有する購入者、購入者に同行し商品を購入する権限を有しない同行者、商品を販売する販売者を含む。これにより、購入者、同行者及び販売者の各属性に応じた情報を選択し送信することができる。
本実施形態に係るサーバ10において、制御部13は、仮想店舗の空間情報及び仮想店舗における対話情報のうち所定の対象情報について、通信部11からの送信を許可する許可端末装置と通信部からの送信を禁止する禁止端末装置とを設定可能であり、許可端末装置には対象情報を送信し、禁止端末装置には対象情報を送信しない。この構成によれば、許可端末装置と禁止端末装置とを設定可能とすることで、所定の対象情報について、許可端末装置の使用者には伝達し、かつ、禁止端末装置の使用者に対しては伝達しないようにすることができる。このように、端末装置の使用者に対してサーバ10から提供する情報を非対称とすることにより、仮想空間で特定の使用者には知られたくない情報を当該特定の使用者に知られないように通信を行うことが可能となる。
本実施形態に係るサーバ10において、対象情報は、仮想店舗における端末装置20、30、40の使用者の行動についての行動情報を含む。これにより、使用者の行動情報について許可端末装置及び禁止端末装置を設定することができる。
本実施形態に係るサーバ10において、対話情報は、チャットの内容を示すチャット情報を含み、複数の端末装置20、30、40は、表示部22a、32a、42aにチャット情報を表示可能である。これにより、例えば所定のチャット情報について、許可端末装置の使用者には伝達し、かつ、禁止端末装置の使用者に対しては伝達しないようにすることができる。
本実施形態に係るサーバ10において、制御部13は、チャットを行うための複数のチャンネルが設定され、対象情報は、チャンネルごとのチャット情報を含む。これにより、複数のチャンネルごとに許可端末装置及び禁止端末装置を設定することができる。
本実施形態に係る仮想空間通信システム100において、複数の端末装置20、30、40は、ヘッドマウントディスプレイ装置を表示部22a、32a、42aとして有する。これにより、より現実に近い態様で使用者に仮想空間を認識させることができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、仮想空間通信システム100を用いて仮想空間における仮想店舗で商品を販売する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、仮想空間通信システム100は、サービスを提供する場合にも適用可能である。
仮想空間通信システム100を用いて契約締結サービスを行う場合、端末装置20は、例えば仮想空間内の領域でサービスを提供する販売者の端末装置とする。また、端末装置30、40は、契約締結のサービスを受ける購入者の端末装置とする。販売者及び購入者の属性は、上記の属性情報に含まれる。なお、ここでは、有償でサービスを提供する販売者と、サービスを購入する購入者と、の属性を例に挙げて説明するが、これに限定されない。例えば、無償でサービスを提供する提供者と、無償でサービスを享受する享受者と、の属性であってもよい。
設定情報記憶部12dは、対象情報として、契約内容等に関するサービス情報を含む。例えば同一のサービスを享受する場合であっても、複数の購入者の間において、氏名、住所(又は居所)、電話番号等については相違する。したがって、サーバ10は、例えば一の購入者に対するサービス情報について、当該一の購入者に送信するが、他の購入者に対しては送信しないように設定することができる。
図12は、購入者及び販売者の端末装置の表示部における表示内容の一例を示す図である。図12に示すように、例えば一の購入者の端末装置30において、表示部32aには、契約内容(契約内容1)が記載された画像Q1が表示される。また、他の購入者の端末装置40において、表示部42aには、契約内容(契約内容2)が記載された画像Q2が表示される。一の購入者の端末装置30には契約内容2が記載された画像Q2は表示されず、他の購入者の端末装置40には契約内容1が記載された画像Q1は表示されない。
一方、販売者の端末装置20において、表示部22aには、契約内容1の画像Q1及び契約内容2の画像Q2が切り替え可能に表示される態様となっている。販売者の端末装置20では、異なる購入者の契約内容が表示可能となっているため、例えば購入者を取り違えることなくサービス情報を提供することができる。この場合、実施形態と同様に、制御部13において対話を行うためのチャンネルが複数設定され、端末装置20と端末装置30との対話のチャンネルと、端末装置20と端末装置40との対話のチャンネルとがそれぞれ設けられてもよい。この構成において、画像Q1及び画像Qの切り替えと、対話のチャンネルの切り替えとを連動させるようにしてもよい。なお、契約内容1の画像Q1と契約内容Q2の画像Q2とが同時に表示される態様であってもよい。
また、上記実施形態では、購入者、同行者及び販売者のアバター画像を対象情報に含めない場合を例に挙げて説明したが、これに限定されず、アバター画像を対象情報に含めてもよい。図13は、購入者、同行者及び販売者の端末装置の表示部における表示内容の他の例を示す図である。図13に示すように、サーバ10は、購入者、同行者の端末装置30、40に対しては現実の姿に近いアバター画像A、B、Cの送信を許可し、販売者の端末装置20に対しては現実の姿に近いアバター画像の送信を禁止することができる。この場合、端末装置20の表示制御部25cは、例えば購入者及び同行者のアバター画像A1、B1として、端末装置20の記憶部12に記憶される任意の画像を表示部22aに表示することができる。これにより、購入者と同行者とが実際に一緒にいるように体験させることができる。なお、端末装置40の使用者は、同行者ではなく他の購入者であってもよい。
また、購入者が試着可能な商品を購入する場合、購入者、同行者の端末装置30、40を用いて、販売者の端末装置20に現実の姿に近いアバター画像の送信を許可する設定に変更可能である。この場合、サーバ10は、アバター画像に商品を試着した状態の画像を販売者の端末装置20に送信可能である。これにより、商品を試着した状態を販売者に伝えることができる。
また、上記実施形態では、サーバ10が複数の端末装置20、30、40とは別個に設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。サーバ10又はサーバ10の上記各機能は、例えば販売者の端末装置20に含まれてもよい。
また、上記実施形態では、属性に応じた情報を選択して端末装置20、30、40に送信する構成の一例として、属性に応じて許可端末装置及び禁止端末装置を設定し、対象情報の送信の可否を制御する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、情報選択部13cが、属性に応じて所定の対象情報に表示及び非表示を切り替え可能とするタグ又はフラグを付与し、当該タグ又はフラグを付与した状態で対象情報を端末装置20、30、40に送信し、タグ又はフラグを付与した対象情報について、端末装置20、30、40側で表示及び非表示を切り替え可能な構成としてもよい。