<第1の実施形態>
[画像形成装置の全体]
以下、本発明の第1の実施形態を、図1~図12を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態では、画像形成装置の一例としてタンデム型のフルカラープリンタについて説明している。但し、本発明はタンデム型の画像形成装置に限られず、他の方式の画像形成装置であってもよく、また、フルカラーであることにも限られず、モノクロやモノカラーであってもよい。
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体10を備えている。装置本体10は、画像読取部20と、シート給送部30と、画像形成部40と、シート搬送部50と、制御部70と、を備えている。なお、記録材であるシートSは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。尚、本実施形態では、各図に示すように、画像形成装置1に向かって手前側を前側F、奥側(背側)を後側Bとして表している。
画像読取部20は、装置本体10の上部に設けられており、原稿等の画像を読み取って電気信号である画像情報に変換する。シート給送部30は、装置本体10の下部に配置されており、シートSを積載して収容するシートカセット31と、給送ローラ32とを備え、収容されたシートSを画像形成部40に給送する。
画像形成部40は、画像形成ユニット80と、トナー補給装置2と、レーザスキャナ43と、中間転写ユニット44と、二次転写部45と、定着装置46とを備えている。画像形成部40は、画像情報に基づいてシートSに画像を形成可能である。トナー補給装置2は、トナーホッパ41y,41m,41c,41k及びトナー容器(現像剤容器)42y,42m,42c,42kと、現像剤容器収容装置3(図4参照)とを備えている。なお、本実施形態の画像形成装置1は、フルカラーに対応するものであり、画像形成ユニット80y,80m,80c,80kは、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。トナーホッパ41y,41m,41c,41k及びトナー容器42y,42m,42c,42kも同様に、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。このため、図1中では4色の各構成について同符号の後に色の識別子を付して示すが、図2以降の図及び明細書中では色の識別子を付さずに符号のみで説明する場合がある。
トナー容器42y,42m,42c,42kは、現像剤を収容可能であり、各画像形成ユニット80y,80m,80c,80kの上方に、トナーホッパ41y,41m,41c,41kを介して配置されている。トナー容器42y,42m,42c,42kは、装置本体10に設けられた複数の穴形状の装着部(収容部)12y,12m,12c,12kに対応して着脱可能に装着されている(図2参照)。装着部12は、トナー容器42を収容可能である。トナー容器42y,42m,42c,42kは、例えば一端にトナー排出口を有する円筒形状のボトルであり、内周面に螺旋状の凸部を有し、回転により凸部がトナーをトナー排出口に搬送する。各トナー容器42には、駆動モータ52(図3参照)がそれぞれ連結され、駆動モータ52の駆動によりトナー容器42が回転してトナーを排出する。尚、トナー補給装置2の現像剤容器収容装置3の詳細については後述する。
図2に示すように、装置本体10の前部に、装着部12に対応して、交換扉(扉、現像剤補給容器交換扉)13y,13m,13c,13kが、それぞれ開閉可能に設けられている。例えば、交換扉13yが開放されている際には、トナー容器42yは装置本体10に対して前面から着脱可能になる。同様に、交換扉13m,13c,13kが各々開放されている際には、トナー容器42m,42c,42kが各々装置本体10に対して前面から着脱可能になる。即ち、交換扉13は、装着部12にトナー容器42を着脱可能にする開状態と、装着部12にトナー容器42を着脱不能にする閉状態と、に装着部12を開閉可能である。また、装着部12及び交換扉13についても、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。尚、交換扉13の詳細な構成については、後述する。
装置本体10の前部には、前方に揺動することにより開閉可能な前扉14が設けられている。前扉14は、交換扉13を開閉可能に露出すると共に装着部12にトナー容器42を着脱可能にする開状態と、交換扉13を遮蔽すると共に装着部12にトナー容器42を着脱不能にする閉状態と、に開閉可能である。
装置本体10の前側上部には、操作部11が設けられている。操作部11には、操作ボタンの他、画像形成装置1の状態を表示可能、かつ、タッチ操作可能なタッチパネルからなる操作パネル11aが設けられている。操作パネル11aは制御部70に接続され(図3参照)、制御部70により表示内容が制御されると共に、外部から情報を入力可能である。
図1に示すように、画像形成ユニット80は、トナー画像を形成する感光ドラム81y、81m、81c、81kと、帯電ローラ82と、現像装置83と、クリーニングブレード84とを備えている。本実施形態では、画像形成ユニット80は、装置本体10に対して着脱可能である。感光ドラム81と、現像装置83と、後述する現像スリーブ87とについても、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色それぞれに同様の構成で別個に設けられている。
感光ドラム81は、不図示のドラムモータによって回転され、画像形成する際に画像情報に基づいて形成された静電像を担持して周回移動する。帯電ローラ82は、感光ドラム81の表面に接触して、表面を帯電させる。現像装置83は、現像容器に回転可能に設けられた現像スリーブ87を有し、感光ドラム81に形成された静電潜像をトナーにより現像する。現像装置83には、非磁性のトナーと磁性キャリアとの混合物である二成分現像剤が収容されており、トナーが充填されたトナー容器42からトナーホッパ41を介してトナーが供給される。
現像装置83には、トナー濃度センサ85(図3参照)が設けられている。トナー濃度センサ85は、例えばインダクタンスセンサからなり、現像装置83の内部のトナー濃度を検知可能であり、検知結果を制御部70に送信する。制御部70は、トナー濃度センサ85により検知されたトナー濃度が目標トナー濃度よりも低下した場合に、駆動モータ52(図3参照)を駆動してトナー容器42から現像装置83にトナーを補給する。
クリーニングブレード84は、感光ドラム81の表面に接して配置され、一次転写後の感光ドラム81の表面に残留する現像剤を清掃する。レーザスキャナ43は、帯電ローラ82により帯電された感光ドラム81の表面を露光して、感光ドラム81の表面上に静電潜像を形成する。
中間転写ユニット44は、駆動ローラ44aや不図示の従動ローラ、一次転写ローラ44y,44m,44c,44k等の複数のローラと、これらのローラに巻き掛けられた中間転写ベルト44bとを備えている。中間転写ベルト44bに一次転写ローラ44y,44m,44c,44kによって正極性の転写バイアスを印加することにより、感光ドラム81y,81m,81c,81k上のそれぞれの負極性を持つトナー像が中間転写ベルト44bに順次多重転写される。二次転写部45は、二次転写内ローラ45aと、二次転写外ローラ45bとを備えている。二次転写外ローラ45bに正極性の二次転写バイアスを印加することによって、中間転写ベルト44bに形成されたフルカラー画像をシートSに転写する。
定着装置46は、定着ローラ46a及び加圧ローラ46bを備えており、定着ローラ46aと加圧ローラ46bとの間をシートSが挟持搬送されることにより、シートSに転写されたトナー像は加熱及び加圧されてシートSに定着される。シート搬送部50は、シート給送部30から給送されたシートSを画像形成部40から排出口10aを経て排出トレイ10bに搬送して積載する。
図3に示すように、制御部70はコンピュータにより構成され、例えばCPU71と、各部を制御するプログラムを記憶するROM72と、データを一時的に記憶するRAM73と、外部と信号を入出力する入出力回路(I/F)74とを備えている。制御部70は、入出力回路74を介して、画像形成部40、シート搬送部50、操作部11、後述する開閉センサ58、トナー濃度センサ85、駆動モータ52などに接続され、各部と信号をやり取りすると共に動作を制御する。また、制御部70は、装置本体10に接続された不図示のコンピュータからの指令や、操作部11の操作等により、ユーザが操作や設定を行うことができる。
次に、このように構成された画像形成装置1における画像形成動作について説明する。図1に示すように、画像形成動作が開始されると、まず感光ドラム81が回転して表面が帯電ローラ82により帯電される。そして、レーザスキャナ43により画像情報に基づいてレーザ光が感光ドラム81に対して発光され、感光ドラム81の表面上に静電潜像が形成される。この静電潜像にトナーが付着することにより、現像されてトナー画像として可視化され、中間転写ベルト44bに転写される。
一方、このようなトナー像の形成動作に並行して給送ローラ32が回転し、シートカセット31の最上位のシートSを分離しながら給送する。そして、中間転写ベルト44bのトナー画像にタイミングを合わせて、搬送経路を介してシートSが二次転写部45に搬送される。更に、中間転写ベルト44bからシートSに画像が転写され、シートSは、定着装置46に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱及び加圧されてシートSの表面に定着され、排出口10aから排出されて排出トレイ10bに積載される。
[現像剤容器収容装置]
図4(a)に示すように、現像剤容器収容装置3は、トナー容器42y,42m,42c,42kを装着可能な装着部12を構成するカートリッジトレイ21と、交換扉13と、ロック装置6と、カートリッジ駆動装置5と、を備えている。本実施形態では、トナー容器42の収容方向である前後方向に関して、交換扉13は装着部12よりも前側F(上流側)に配置され、駆動モータは装着部12よりも後側B(下流側)に配置されている。カートリッジトレイ21は、トナー容器42を画像形成装置1に装着する際にガイドし、装着された後にはトナー容器42を保持する。カートリッジ駆動装置5は、トナー容器42を回転動作させる。トナー容器42は、回転することでトナー容器42内のトナーを現像装置83へと搬送し補給する。装置本体10(図1参照)には、内カバー24が固定して設けられ、内カバー24には各色のトナー容器42に対応した装着口が形成されている。
図4(b)に示すように、トナー容器42の装着部12に対する着脱は、前側Fと後側Bとの前後方向に装着口を通過して行われる。尚、図4(b)はブラック色のトナー容器42kを着脱する場合を示した図であり、他の色のトナー容器42の場合も同様の構成となっている。交換扉13は、装着部12を開閉する扉であり、トナー容器42の着脱は、交換扉13が開いている場合にのみ可能となる。ロック装置6は、閉まっている状態の交換扉13をロックする機能と、そのロックを解除する機能とを有する装置であり、ロック解除のための駆動力はカートリッジ駆動装置5から伝達される。
トナー容器42は、後側Bの端部に不図示の開口部を有している。トナー容器42は円筒状で、内壁に螺旋状の突起があり、カートリッジ駆動装置5からの駆動を受けてトナー容器42が回転することで、内部のトナーを開口部近傍まで搬送する。不図示の開口部まで搬送されたトナーは、自重によりトナーホッパ41内を落下し、現像装置83に供給される。また、トナー容器42の後側Bの一部には、カートリッジ駆動装置5によりトナー容器42を回転させるためのカートリッジギヤ42a(図5参照)が設けられている。
図5及び図6に示すように、カートリッジ駆動装置5は、ベース51と、駆動モータ(駆動源)52と、ピニオンギヤ53と、減速ギヤ54と、伝達ギヤ55と、伝達軸56と、駆動ギヤ57と、開閉センサ58等を備えている。駆動モータ52は、ベース51に固定され、駆動モータ52の回転軸52aにはピニオンギヤ53が圧入されている。減速ギヤ54は、ベース51に対して回転自在に保持されており、ピニオンギヤ53及び伝達ギヤ55と噛合する位置関係に配設されている。これにより、伝達ギヤ55は、ピニオンギヤ53から駆動伝達される。伝達軸56は、ベース51に回転自在に保持されており、伝達軸56の一方の端部には伝達ギヤ55、他方の端部には駆動ギヤ57が固定されており、伝達ギヤ55と駆動ギヤ57とを連結すると共に前後方向に沿って配置されている。また、駆動ギヤ57は、前後方向に関して、伝達ギヤ55及び駆動モータ52よりも上流側、即ち前側F(手前側)に配置されている。
図5に示すように、本実施形態では、駆動ギヤ57及び駆動モータ52は、トナー容器42の収容方向に関して、装着部12の後側Bの部位である奥側部12aに並列して配置されている。尚、駆動モータ52については、トナー容器42の収容方向に関して装着部12の奥側部12aに並列して配置されることには限られず、例えば、装着部12よりも更に後側Bに配置するようにしてもよい。
図6に示すように、開閉センサ58は、例えば、発光部と該発光部からの光線を受光する受光部とを有する光センサであり、発光部と受光部との間で後述するシャフト62が光線を遮るか否かでシャフト62の位置を検知可能である(図8(a)~(c)参照)。開閉センサ58は、シャフト62の軸方向の位置を検知することにより交換扉13の開閉状態を検知するセンサであって、後述するロック装置6の説明において詳細に説明する。
駆動モータ52の回転駆動は、ピニオンギヤ53、減速ギヤ54、伝達ギヤ55、伝達軸56を介して駆動ギヤ57まで伝達される。トナー容器42が装着部12に装着されている場合は、トナー容器42に備えられているカートリッジギヤ42aと駆動ギヤ57とが噛合する位置関係に配設されており、駆動ギヤ57の回転によりトナー容器42が回転する。尚、駆動ギヤ57の回転方向については、駆動ギヤ57をR1方向に回転させてトナー容器42を回転させることで、トナー容器42からトナーが現像装置83に供給されるようにしている。即ち、駆動ギヤ57は、駆動モータ52に連結され、R1方向に回転することにより装着部12に収容されたトナー容器42を回転させて、トナー容器42から現像剤を送出可能である。
尚、駆動源である駆動モータ52は、駆動モータ52自体の発熱を考えるとトナー容器42に対し距離をとることが望ましい。そのため、駆動モータ52は、装置本体10の後側Bに配置されることが多く、ピニオンギヤ53と減速ギヤ54と伝達ギヤ55とも装置本体10の後側Bに配置されている。トナー容器42を駆動するための駆動列としては、駆動ギヤ57が駆動モータ52やピニオンギヤ53や減速ギヤ54や伝達ギヤ55よりも装置本体10の前側F寄りに位置している。
[交換扉]
次に、交換扉13について、図7~図8(c)を用いて説明する。交換扉13は、扉本体33と、中心穴34と、爪部35と、回転止め部36とを有している。中心穴34は、左右に一対設けられ、内カバー24に備えられた回転軸37に回転可能に係合され、これにより、交換扉13は、内カバー24に回転自在に保持されている。尚、交換扉13が直立した状態で(図7参照)、交換扉13の重心位置は、一対の中心穴34を連結する中心線よりも前側Fに位置している。従って、交換扉13は、中心穴34において回転可能に支持されると共に、外力が作用していない場合には、自重により前側Fに倒れて開くようになっている。このため、交換扉13を開くための専用のばね部材を不要にすることができる。
図8(a)に示すように、交換扉13が閉まっている状態の時は、爪部35が後述するラッチ60の前側Fのロック部60dと係合されているため、交換扉13が内カバー24(図4参照)に対して揺動することなく、交換扉13が閉まった状態で保持される。尚、ラッチ60は、ロック装置6を構成する一部品であり、ロック装置6の説明において詳細に説明する。図8(b)に示すように、ラッチ60が揺動して、ラッチ60のロック部60dと爪部35との係合が解除されると、交換扉13は揺動可能となる。この時、交換扉13の重心位置は、開く側に設けられているため、ラッチ60と爪部35との係合が解除されると交換扉13は開く方向に自重によって揺動する。図8(c)に示すように、交換扉13は、回転止め部36が内カバー24に設けられたストッパ38に突き当たる位置まで揺動し、突き当ったときに交換扉13の姿勢は規定される。この状態が、交換扉13の完全に開いた状態となる。
[ロック装置]
次に、ロック装置6について、図9~図11を用いて説明する。図9及び図10に示すように、ロック装置6は、ラッチ60と、ベース61と、シャフト62と、ラッチ駆動部材63と、ラッチばね64と、シャフトばね(付勢手段)65と、ワンウェイギヤ66(図8(a)参照)とを有している。駆動モータ52からの駆動力により回転可能なシャフト(回転軸)62と、シャフト62の外周に摺動可能に設けられた円筒形状のラッチ駆動部材(スリーブ)63とは、駆動モータ52からの駆動力により回転可能な伝達手段を構成する。また、シャフト62及びラッチ駆動部材63は、ラッチ60による交換扉13の閉状態のロックを解除可能なロック解除手段を構成する。また、伝達手段の回転軸線方向は、トナー容器42を装着部12に収容する収容方向である前後方向に沿って配置されている。尚、ベース61は、内カバー24の上部に固定されている(図4参照)が、図10ではベース61の図示を省略している。
ラッチ60は、前後方向を長手方向とし、前後方向の略中央部を揺動軸67によりベース61に対して揺動可能に支持されている。ラッチ60は、揺動軸67により揺動可能に支持される揺動穴60aと、後側Bに設けられた被係合部60b及びフック60cと、前側Fに設けられたロック部60dとを有している。揺動軸67は、装置本体10(図2参照)の左右方向を中心線としてベース61に固定されている。即ち、揺動軸67は、ロック部60dと被係合部60bとの間に設けられ、前後方向である回転軸線方向に直交する方向を回転軸線方向としてラッチ60を揺動可能にする。尚、ラッチ60及び揺動軸67は、ロック手段を構成する。
ラッチ60は、ベース61に揺動可能に保持されており、フック60cには引張コイルばねからなるラッチばね64が張架されている。ラッチばね64は、下端部をラッチ60のフック60cに、上端部をベース61に固定して設けられており、ラッチ60の後側Bを上側に向けて付勢している。
シャフト62は、前側Fの端部の近傍でベース61により、回転自在、かつ、回転軸線方向に沿って移動自在に保持される。シャフト62の後側Bの端部の近傍には、ワンウェイギヤ66(図6参照)が固定されている。シャフトばね65は、圧縮コイルばねからなり、前側Fの端部はシャフト62に固定して設けられたフランジ部62aにより軸方向に当接し、後側Bの端部はベース61に当接している(図9参照)。これにより、シャフトばね65は、シャフト62を回転軸線方向に沿って交換扉13に向けて前側Fに付勢しており、シャフト62は、ベース61に対して前側Fに常に付勢されている。
ラッチ駆動部材63は、スリーブ状で、シャフト62の外周に摺動可能に保持されると共に、ベース61に対しては軸方向の位置が固定されるように配設されている。図11に示すように、ラッチ駆動部材63は概円筒形状をしており、円筒内部をシャフト62が通ることでシャフト62に保持されている。シャフト62の外周面には、係合突起(第1の突起)62bが設けられている。ラッチ駆動部材63の内周面には、係合突起62bに回転方向に係合可能な被係合突起(第2の突起)63aが設けられ、ラッチ駆動部材63の外周面には、係合部63bが設けられている。係合部63bは、ラッチ駆動部材63の外周部に径方向に突出して形成されている。
係合突起62b及び被係合突起63aの形状は、内歯と外歯の歯車のような関係になっており、噛合することによりシャフト62の回転駆動がラッチ駆動部材63へと同期して伝達するようになっている。尚、シャフト62はラッチ駆動部材63に対して軸方向に摺動可能であるため、回転駆動を伝達可能なのは、交換扉13が閉状態であるときのように(図8(a)参照)、係合突起62bと被係合突起63aとが軸方向に少なくとも一部が重なる場合に限られる。交換扉13が開状態にあるときのように(図8(b)参照)、係合突起62bと被係合突起63aとが軸方向に全く重ならない場合は、回転駆動は伝達されない。即ち、ラッチ駆動部材63は、回転軸線方向に沿って、係合突起62b及び被係合突起63aが回転方向に噛合する第1位置(図8(a)参照)と、係合突起62b及び被係合突起63aが回転方向に噛合しない第2位置(図8(b)参照)とに移動可能である。また、交換扉13が閉状態である場合には、ラッチ駆動部材63が第1位置(図8(a)参照)に位置し、交換扉13が開状態である場合には、ラッチ駆動部材63が第2位置(図8(b)、(c)参照)に位置する。尚、ラッチ駆動部材63が第2位置から第1位置へ軸方向に移動する際に、係合突起62bと被係合突起63aとが軸方向に当接してラッチ駆動部材63の移動を妨げる可能性がある。そこで、本実施形態では、係合突起62bと被係合突起63aとの少なくとも一方の軸方向の対向面にテーパを形成し、係合突起62bと被係合突起63aとが当接しても互いに回転方向に避けるように形成している。
ロック装置6の装置本体10への組み付けは、ベース61が内カバー24に固定され、シャフト62の後側Bの端部が、ベース51に回転自在、かつ、軸方向に移動自在に保持されるようになされる。図8(a)~図8(c)に示すように、ワンウェイギヤ66はシャフト62の軸方向の位置に関わらず常に駆動ギヤ57と噛合している。シャフト62の後側Bの端部は、シャフト62の軸方向への移動により、開閉センサ58の検知領域を遮蔽した位置(図8(a)参照)と検知領域から退避した位置(図8(b)参照)とに変位可能になっている。
図6に示すように、ワンウェイギヤ66は、駆動ギヤ57に噛合する従動ギヤ66aと、シャフト62に固定されたワンウェイクラッチ66bとを有している。ワンウェイクラッチ66bは、駆動ギヤ57の回転方向がR1方向である場合は、従動ギヤ66aがシャフト62に対して空転し、駆動ギヤ57の回転方向がR2方向である場合は、従動ギヤ66aからシャフト62に回転駆動が伝達する構成となっている。即ち、ワンウェイクラッチ66bは、従動ギヤ66aとシャフト62との間に介在される。ワンウェイクラッチ66bは、駆動ギヤ57がR1方向(第1の回転方向)に回転する場合には空転し、R1方向とは反対のR2方向(第2の回転方向)に回転する場合には従動ギヤ66aの回転をシャフト62に伝達し、シャフト62を駆動する。尚、駆動ギヤ57をR1方向に回転させたときにトナー容器42からトナーが現像装置83に供給されるので、トナー容器42から現像装置83にトナーを供給する際にはワンウェイギヤ66は空転する。また、駆動ギヤ57をトナー供給時の回転方向とは逆方向のR2方向に回転させると、シャフト62に回転駆動が伝達されて、交換扉13の閉状態のロックが解除される。
ところで、ラッチ60により閉状態にロックされた交換扉13のロックを解除するロック解除機構を駆動させるには、例えば、各交換扉13にアクチュエータを配置して駆動させるか、又は他の駆動機構から駆動を分岐し、選択的に駆動させることが考えられる。ラッチ60のロック解除機構を駆動させるために専用のアクチュエータを使用する場合は、交換扉13は装置本体10の前側Fに配置されているので、アクチュエータは交換扉13の近傍、即ち、装置本体10の前側Fに配置する方が簡易な構成となる。それに対し、ラッチ60のロック解除機構の動作を制御する制御部70は装置本体10の後方に配置されることが多いため、アクチュエータと制御部70とを結ぶ電気配線の経路が長くなってしまう。そのため、このような専用のアクチュエータを使用した場合のラッチ60のロック解除機構は、高価な部品点数が多くなってしまうことに加え、電気配線の固定部材なども必要となり、複雑な構成になる虞がある。
一方、ラッチ60のロック解除機構を、他の駆動機構から駆動を分岐して駆動させる場合は、それぞれのトナー容器42を回転駆動させる駆動モータ52から駆動を分岐することが考えられる。この場合、トナー容器42を駆動する駆動機構の駆動列の途中で、ラッチ60のロック解除機構に向けて駆動を分岐する構成が考えられる。そして、ラッチ60のロック解除機構をトナー容器42と選択的に動作させるため、駆動列の途中にワンウェイクラッチを配置し、駆動モータ52の回転方向を切り換える構成が考えられる。また、ワンウェイクラッチにより分岐させた駆動力は、例えば、カム機構を利用して、ラッチ60のロック解除機構を駆動させる。この構成によれば、専用のアクチュエータは必要ないため、電気配線はトナー容器42の駆動機構と共通で、電気配線に関しては、ラッチ60のロック解除機構を駆動させるための専用部品は必要ない。
しかしながら、トナー容器42の駆動機構の駆動列の途中から駆動を分岐するために、専用の分岐手段が必要になる。また、トナー容器42の駆動機構は装置本体10の後側Bに配置されることが多く、装置本体10の前側Fにある交換扉13のラッチ60まで駆動を伝達しなければならない。従って、ラッチ60のロック解除機構は、装置本体10の前後方向に長く、かつ、駆動列の途中から分岐する専用のワンウェイクラッチやカム機構からなる分岐手段を持つ複雑な構成になってしまい、構成の簡易化及び安価化を妨げていた。そこで、本実施形態では、駆動モータ52からの駆動力をトナー容器42に伝達するためにカートリッジギヤ42aに噛合する駆動ギヤ57と、シャフト62に駆動力を分岐するためのワンウェイギヤ66と、を噛合している。即ち、ラッチ60のロック解除機構であるシャフト62への駆動力を得るために、駆動モータ52から駆動ギヤ57までの駆動列の途中から分岐することなく、駆動ギヤ57から分岐している。これにより、交換扉13を閉状態でロックした場合に、ロックの解除を簡易な構成で安価に実現することができる。以下、本実施形態の動作について説明する。
次に、交換扉13を開閉させる際のロック装置6の一連の動作について、図8(a)~図8(c)を用いて説明する。図8(a)に示すように、交換扉13が閉まっている状態では、交換扉13に設けられた爪部35が、ラッチ60のロック部60dによって保持されているため、交換扉13が揺動することなく閉まった状態を維持する。即ち、ラッチ60は交換扉13を閉状態でロック可能であり、ロック部60dは、交換扉13に係合可能で、係合により交換扉13を閉状態にロックする。このときのラッチ60の位置を原位置とし、ラッチ60は、ラッチばね64により交換扉13をロックする方向に付勢されているため、外力が加わることがない限りラッチ60は原位置に維持される。
シャフト62は、シャフトばね65により装置本体10の前側Fに付勢され、閉まった状態の交換扉13にシャフト62の先端62cが当接することで、シャフト62の軸方向の位置が規定されている。即ち、シャフトばね65は、シャフト62を回転軸線方向に沿って交換扉13に向けて付勢する。この時、シャフト62の後側Bの端部は、開閉センサ58の検知領域を遮蔽する位置にあり、制御部70は交換扉13が閉まっている状態と判断する。また、ラッチ駆動部材63は、軸方向の第1位置にあり、シャフト62の係合突起62bとラッチ駆動部材63の被係合突起63aとは、回転方向に噛み合う位置にある(図11参照)。このため、シャフト62とラッチ駆動部材63とは、同期して回転方向に駆動力を伝達可能な位置関係にある。
図8(b)に示すように、交換扉13を開けるためには、駆動モータ52(図6参照)を駆動して、駆動ギヤ57をR2方向に回転させる。駆動ギヤ57の回転により、ワンウェイギヤ66及びシャフト62へと回転駆動が伝達し、シャフト62はR3方向へと回転する。このとき、シャフト62及びラッチ駆動部材63は回転駆動が伝達する位置関係にあるため、ラッチ駆動部材63もR3方向に回転する。ラッチ駆動部材63の回転により、係合部63bがラッチ60の被係合部60bを押し下げ、ラッチ60がR4方向に揺動し、交換扉13の爪部35とラッチ60のロック部60dとの係合が外れる。即ち、係合部63b及び被係合部60bは、シャフト62及びラッチ駆動部材63の回転によって互いに係合する。これにより、係合部63b及び被係合部60bは、ラッチ60を、交換扉13を閉状態にロックしたロック状態(図8(a)参照)から閉状態のロックを解除したアンロック状態(図8(b)、(c)参照)に切り換える。これにより、交換扉13は自重により、開く方向へと揺動を始める。
シャフト62は、交換扉13による先端62cでのスラスト位置規制がなくなるため、シャフトばね65により前側Fへと回転軸線方向に移動する。即ち、シャフトばね65は、係合部63bがラッチ60をアンロック状態に切り換えた場合に、シャフト62により交換扉13を開状態になるように押圧する。尚、シャフトばね65によるシャフト62を軸方向に移動させる力は、交換扉13を揺動させるための補助的な機能を果たす。即ち、交換扉13は自重により揺動するが、例えば、可動部に異物が挟まり自重では揺動しにくい状態になる可能性がある。このような場合でも、シャフトばね65によるシャフト62を軸方向に移動させる力は交換扉13を開く方向に押す力になるので、交換扉13を確実に開くことが可能となる。また、シャフト62の後側Bの端部は、開閉センサ58の検知領域から離間する位置関係となっており、これにより制御部70は交換扉13が開いている状態と判断する。
更に、図8(c)に示すように、交換扉13が完全に開くと、交換扉13による位置規制を解除されたシャフト62は、シャフト62のフランジ部62aがベース61に設けられた規制部61aに突き当たるまで軸方向に移動する。これにより、交換扉13が開いている状態において、シャフト62の位置が規定される。このとき、ラッチ駆動部材63は、軸方向の第2位置にあり、シャフト62に設けられた係合突起62bとラッチ駆動部材63に設けられた被係合突起63aは、軸方向にずれるために回転駆動が伝達しない位置関係となっている。よって、ラッチ駆動部材63はシャフト62からの駆動力を受けることなく回転可能になり、ラッチ駆動部材63の係合部63bがラッチ60の被係合部60bを押し下げる力が解除されるので、ラッチ60はラッチばね64により原位置に復帰する。ラッチ60が原位置に復帰するのに伴い、ラッチ60の被係合部60bがラッチ駆動部材63の係合部63bを押し上げる。また、シャフト62の後側Bの端部は、開閉センサ58の検知領域から離間する位置関係となっており、これにより制御部70は交換扉13が開いている状態と判断する。以上により、交換対象となるトナー容器42が装着されている交換扉13が自動で開くので、ユーザは交換対象となるトナー容器42を誤認することなく判別することが可能となる。
開いている交換扉13を再び閉じた状態に戻す際には、開いている交換扉13をユーザが手動で閉める。この時、シャフト62の先端62cは、交換扉13により後側Bに押し込まれ、爪部35がラッチ60のロック部60dを押し上げて係止されて、図8(a)に示した状態へと戻る。シャフト62の後側Bの端部は、開閉センサ58の検知領域を遮蔽する位置に移動し、制御部70は交換扉13が閉まっている状態と判断する。ここで、本実施形態では、シャフト62とラッチ駆動部材63とが別部材で互いに軸方向に相対移動可能であるので、ラッチ駆動部材63は軸方向には殆ど移動しない。このため、シャフト62の軸方向の位置や交換扉13の開閉の状態に関わらず、ラッチ60の被係合部60bとラッチ駆動部材63の係合部63bとの軸方向の相対位置は殆ど変らない。従って、開状態の交換扉13を閉状態にする際に、ラッチ60の被係合部60bとラッチ駆動部材63の係合部63bとが軸方向に当接して交換扉13の揺動の妨げになることを未然に防止できる。
次に、上述した画像形成装置1においてトナー容器42を交換する際の手順について、図12に示すフローチャートに沿って説明する。制御部70は、トナー容器残量検出手段により各トナー容器42のトナー残量を確認し、トナー残量が閾値以下であるか否かを判断する(ステップS1)。トナー容器残量検出手段では、各トナー容器42のトナー残量を確認するために、1回当たりの補給量と補給回数から推定する手法や、現像装置83内のトナー濃度から推定する手法や、トナー容器42の重量を測定する手法など、適宜な手法を適用できる。制御部70は、各トナー容器42のトナー残量を確認し、トナー残量が閾値以下でないと判断した場合は(ステップS1のNO)、トナー容器42を交換する必要が無いので処理を終了する。
制御部70は、各トナー容器42のトナー残量を確認し、トナー残量が閾値以下であると判断した場合は(ステップS1のYES)、そのトナー容器42は交換対象であると判断する。そして、制御部70は、そのトナー容器42のステーションの駆動モータ52(図4(a)参照)を、トナー供給時の回転方向とは逆方向のR2方向に回転させる(ステップS2)(図8(a)参照)。
制御部70は、交換扉13が開状態であるか否かを判断する(ステップS3)。制御部70は、開閉センサ58からの信号に基づき、シャフト62の後側Bの端部が開閉センサ58の検知領域から抜け出したと判断した場合に交換扉13が開状態であると判断する。制御部70は、交換扉13が開状態でないと判断した場合は(ステップS3のNO)、交換扉13が閉状態のままであるので、駆動モータ52の駆動を継続する(ステップS2)。
制御部70は、交換扉13が開状態であると判断した場合は(ステップS3のYES)、交換扉13が開状態になったので、駆動モータ52の駆動を停止する(ステップS4)(図8(c)参照)。交換扉13が開いた後、ユーザはトナー残量が閾値以下になったトナー容器42を取り出し、新しいトナー容器42を装着し、交換扉13を閉める。制御部70は、駆動モータ52をR1方向に回転させると、シャフト62には駆動力が伝達されず交換扉13は閉状態を維持したままになり、トナー容器42は回転してトナーを現像装置83に供給する。
上述したように本実施形態の現像剤容器収容装置3によれば、駆動モータ52からの駆動力をトナー容器42に伝達するための駆動ギヤ57と、シャフト62に駆動力を分岐するワンウェイギヤ66と、を噛合している。そして、ワンウェイギヤ66は、駆動ギヤ57がR1方向に回転する場合には空転し、R2方向に回転する場合には従動ギヤ66aの回転をシャフト62に伝達し、シャフト62を駆動する。このため、駆動ギヤ57の回転方向、即ち、駆動モータ52の回転方向を切り換えることで、トナーの供給と交換扉13のロック解除との2種類の動作を切り換えて行うことができる。
そして、ワンウェイギヤ66は駆動ギヤ57と噛み合うので、トナー容器42の駆動からロック解除機構に分岐するための専用の分岐手段を不要にできる。また、装置本体10の前側Fに位置する駆動ギヤ57と噛み合うことでシャフト62が装置本体10の前後方向に長くなるのを抑制可能であることから、ロック解除機構を小型で簡易な構成とすることができる。これにより、駆動モータ52から駆動ギヤ57までの駆動列の途中からシャフト62の駆動力を分岐する場合に比べて、シャフト62を装置本体10の前後方向に短く、かつ、専用のワンウェイクラッチやカム機構からなる分岐手段を不要にできる。よって、ロックの解除を簡易な構成で安価に実現することができる。また、各交換扉13ごとに閉状態のロック解除の駆動手段として専用アクチュエータを有する場合に比べて、ロックの解除を簡易な構成で安価に実現することができる。
また、本実施形態の現像剤容器収容装置3によれば、駆動ギヤ57が駆動モータ52よりも装置本体10の前側Fに位置している。このため、トナー容器42に収容されたトナーと駆動モータ52との距離を大きくすることができるので、駆動モータ52の発熱によるトナーの加熱を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の現像剤容器収容装置3によれば、交換扉13を閉状態から開状態にする場合に、係合部63b及び被係合部60bは、ラッチ60を、交換扉13を閉状態にロックしたロック状態からロックを解除したアンロック状態に切り換える。このため、交換扉13を閉状態でロックした場合に、カム機構を用いて位相の検出や制御を行う場合に比べて、ロックの解除を簡易な構成で安価に実現することができる。また、各交換扉13ごとに閉状態のロック解除の駆動手段として専用アクチュエータを有する場合に比べて、ロックの解除を簡易な構成で安価に実現することができる。
また、本実施形態の現像剤容器収容装置3によれば、シャフト62とラッチ駆動部材63とが別部材で互いに軸方向に相対移動可能であるので、ラッチ60の被係合部60bとラッチ駆動部材63の係合部63bとの軸方向の相対位置は殆ど変らない。このため、交換扉13を手動で閉める際に、ラッチ60の被係合部60bとラッチ駆動部材63の係合部63bとが軸方向に当接することがなく、交換扉13を円滑に閉じることができる。
また、本実施形態の現像剤容器収容装置3によれば、交換扉13の開動作の制御をトナー容器42用の駆動と同一駆動源を用いて行うことを可能としている。これにより、交換扉13の開動作のための専用のアクチュエータが不要となるため、ロックの解除を簡易な構成で安価に実現することができる。
尚、例えば、単にトナー容器42用の駆動源からラッチ60へと駆動を伝達してラッチ60を揺動するだけの場合、即ち、交換扉13の開閉状態により駆動の伝達が切り換わらない構成であると、以下のような問題がある。この場合、ラッチ60に外力が加わり続ける状態が発生し、ラッチ60は揺動した姿勢(図8(b)参照)で固定される可能性がある。この状態では、交換扉13を閉じた状態に戻すことができない。これを回避する手段としては、ラッチ60を揺動させる駆動伝達手段の揺動量や揺動位置を検知して、ラッチ60の揺動状態を制御する必要があり、そのための構成や制御の複雑化を招いてしまう。これに対し、本実施形態の現像剤容器収容装置3によれば、交換扉13の開閉状態の遷移により駆動の連結が自動で遮断され、ラッチばね64によりラッチ60が自動的に原位置に復帰する。これによって、ラッチ60の揺動量の制御や検知用のセンサが不要となり、簡易で安価な構成となる。
尚、本実施形態の現像剤容器収容装置3では、開閉センサ58として、発光部と受光部との間でシャフト62が光線を遮るか否かでシャフト62の位置を検知可能である構成を適用した場合について説明したが、これには限られない。例えば、開閉センサ58は、上述したような光センサとフラグ部材とを有し、シャフト62で押されたフラグ部材が光センサの光線を遮るか否かでシャフト62の位置を検知可能である構成としてもよい。この場合、交換扉13が開いたときに、シャフト62が前側Fに移動し、シャフト62の後側Bの端部に接触しているフラグ部材が自重で落下し、光センサの光線を遮ることで、制御部70は交換扉13が開いたことを検知する。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を、図13及び図14を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、シャフト(回転軸)162とラッチ駆動部材163とが軸方向に相対的に固定されている点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態では、ロック装置106は、ラッチ60と、ベース61(図9参照)と、シャフト162と、ラッチばね64(図9参照)と、シャフトばね65と、ワンウェイギヤ66(図8(a)参照)とを有している。ロック装置106におけるシャフト162と、ベース61と、シャフトばね65と、ワンウェイギヤ66との関係は、第1の実施形態と同様である。即ち、シャフト162は、前側Fの端部の近傍でベース61により、回転自在、かつ、回転軸線方向に沿って移動自在に保持され、シャフトばね65からはフランジ部162aを介して前側Fへ付勢される力が働くように設けられている。また、ワンウェイギヤ66は、シャフト162の後側Bの端部の近傍に設けられている。ワンウェイギヤ66により、駆動モータ52をトナー供給時のR1方向(図6参照)とは逆方向のR2方向(図6参照)に回転駆動したときのみ、ワンウェイギヤ66を介してシャフト162に駆動が伝達する。
本実施形態では、シャフト162には、ラッチ駆動部材163が一体化されている。ここでは、シャフト162及びラッチ駆動部材163は一体形成されている。ラッチ駆動部材163には係合部163bが設けられており、このため、シャフト162と係合部163bとは軸方向及び回転方向に固定されている。係合部163bは、シャフト162の外周部に径方向に突出して一体化して形成されており、ラッチ60に設けられた被係合部60bと係合し、シャフト162の回転によりラッチ60を回転可能である。また、シャフト162はベース61に対して軸方向に摺動可能に設けられており、係合部163bの軸方向位置は、シャフト162の軸方向位置によって一意的に決まる。係合部163bは、ラッチ60の被係合部60bに対する軸方向の位置によって、回転により被係合部60bに係合可能な係合位置と、回転しても係合不能な非係合位置と、に切り換わるようになっている。以上により、ロック装置106は、シャフト162の軸方向の位置に応じて、シャフト162からラッチ60への駆動伝達経路が連結又は遮断する関係となっている。尚、第1の実施形態と同様に、シャフト162及びラッチ駆動部材163は、伝達手段を構成する。同じく、第1の実施形態と同様に、シャフト162及びラッチ駆動部材163は、ラッチ60による交換扉13の閉状態のロックを解除可能なロック解除手段を構成する。
次に、本実施形態におけるロック装置106で交換扉13を開く動作をさせる一連の動作について、図14を用いて説明する。交換扉13が閉まっている状態では、シャフト162の軸方向位置は、シャフト162の先端162cが交換扉13と当接する位置で規定されている(図8(a)参照)。このとき、係合部163bと被係合部60bとの軸方向の位置関係は、シャフト162の回転により係合可能な位置になっている。図14に示すように、駆動モータ52(図6参照)によりトナー供給とは逆方向のR2方向に回転駆動がなされると、駆動が伝達され、シャフト162はR3方向に回転する。このとき、係合部163bと被係合部60bとは係合可能な位置関係にあるため、係合部163bが被係合部60bに回転方向に当接して、被係合部60bを押し下げて、ラッチ60を揺動させる。ラッチ60の揺動により、ラッチ60と交換扉13の爪部35との係合が外れると、交換扉13が揺動を開始する。
その後、交換扉13のロックが外れると、シャフト162の軸方向への位置規制が無くなるため、シャフト162はシャフトばね65により軸方向の前側Fへ移動する。シャフト162の前側Fへの移動により、係合部163bは被係合部60bに対して回転しても係合不能な位置関係になり、ラッチ60は揺動するための外力が作用しなくなるため、ラッチばね64により原位置に復帰する。
上述した現像剤容器収容装置3によっても、交換扉13を閉状態から開状態にする場合に、係合部163b及び被係合部60bは、ラッチ60を、交換扉13を閉状態にロックしたロック状態から閉状態のロックを解除したアンロック状態に切り換える。このため、交換扉13を閉状態でロックした場合に、カム機構を用いて位相の検出や制御を行う場合に比べて、ロックの解除を簡易な構成で安価に実現することができる。また、各交換扉13ごとに閉状態のロック解除の駆動手段として専用アクチュエータを有する場合に比べて、ロックの解除を簡易な構成で安価に実現することができる。
また、本実施形態の現像剤容器収容装置3によれば、シャフト162及びラッチ駆動部材163は一体化されているので、これらが別体である場合に比べて部品点数を減らすことができ、より安価で簡易な構成とすることが可能となる。