JP7296714B2 - 保全装置、及び、電気機器の保全方法 - Google Patents

保全装置、及び、電気機器の保全方法 Download PDF

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Description

本開示は、保全装置、及び、電気機器の保全方法に関する。
変圧器等の電気機器には、絶縁体として油を使用する油入電気機器がある。これらの油入電気機器は、社会インフラの一部として使用されることも多い。また、電気機器の保全業務に係る作業員は、各油入電気機器の周期的な巡視、分析・計測による状態の把握及び故障前に保全をする必要がある。
一般的に、油入電気機器は、鉄心、コイル、絶縁油さらにはブッシング等のさまざまな部位で構成されている。また、各部位のそれぞれの不具合の発生率や劣化の進展度は異なる。そのため、熟練の専門家でなければ、検査対象の油入電気機器の劣化状態を把握することは困難である。また、油入電気機器の劣化の判断基準に関して、絶縁油の一般特性等の個々の項目についての規格や判定値は存在するが、複数の項目が劣化した場合の判断基準はない。
さらに、電力会社は、異なるメーカーの油入電気機器を多数抱えており、これらの全ての油入電気機器の保全を行う必要がある。そのため、油入電気機器の劣化の判断は、ますます煩雑になるという問題がある。現状では、油入電気機器の劣化の判断基準は、部分的には最適化されているが、大量の油入電気機器全体としては最適化されておらず、専門家が個別に油入電気機器の劣化を判断している。今後、専門家の減少も予測され、容易に保全優先順位付けが可能な手法が望まれている。
従来の電気機器の保全に関し、例えば、特許文献1は、「資産備に対して点検・保全のワークオーダーを発行し、結果を設備情報データベースに保管する設備管理支援システム」を開示している。当該システムは、「資産設備とその周囲の状態をヘルスインデックスとして記憶するヘルスインデックスデータベースと、該ヘルスインデックスを資産設備の実設備状況とし、設置時または前回点検・保全時の状態から推定した保全期待効果との比較により資産設備状況の差分を判定する比較演算機能と、ベテランの作業ナレッジを記憶する作業ナレッジデータベースと、作業ナレッジまたは資産設備状況の差分に応じて点検・保全の作業変更点を抽出し設備情報データベースに反映させる保全プロセスアップデート機能と、点検・保全のワークオーダーを発行するワークオーダー発行機能とを備える」というものである([要約])。
特開2016-189088号公報
特許文献1に開示された技術によると、電気機器を構成する複数の部位が劣化した場合、電気機器の適切な保全優先順位付けができない。従って、電気機器の複数の部位が劣化した場合にも、電気機器を適切に保全できる技術が必要とされている。本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、電気機器の複数の部位が劣化した場合にも、電気機器を適切に保全できる技術を提供することにある。
ある実施の形態に従う保全装置は、保全対象の電気機器の種類毎の機器情報を格納するための機器情報記憶部と、保全対象の電気機器の検査記録を格納するための検査情報記憶部と、保全対象の電気機器を構成する複数の部品のそれぞれの劣化進展度を記憶する劣化進展度記憶部と、保全対象の電気機器の機器健全度を算出する演算部とを備える。演算部は、機器情報及び検査記録に基づいて、保全対象の電気機器を構成する複数の部品のそれぞれの劣化進展度を算出し、保全対象の電気機器を構成する複数の部品のそれぞれの劣化進展度に基づいて、保全対象の電気機器の機器健全度を算出する。
本技術によれば、電気機器及び電気機器を構成する各部位において、複数項目の劣化が発生した場合でも、適切に電気機器の保全が可能となる。
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
実施の形態1に従うシステム構成の一例を示す図である。 実施の形態1に従う保全装置100の構成の一例を示す図である。 保全装置100の機能ブロック構成の一例を示す図である。 機器マスター301の構成の一例を示す図である。 点検記録302の構成の一例を示す図である。 センサー記録303の構成の一例を示す図である。 劣化進展フロー情報305の構成の一例を示す図である。 統計情報306の構成の一例を示す図である。 部位のスコアテーブル309の構成の一例を示す図である。 機器のスコアテーブル310の構成の一例を示す図である。 実施の形態1に従う保全装置100の処理のフローチャートの一例を示す図である。 電気機器の設置場所における重要度の一例を示す図である。 電気機器の劣化進展度と重要度のマトリックス1300の一例を示す図である。 電気機器の設置場所と重要度を管理する重要度テーブル1400の一例を示す図である。 電気機器の保全優先度の出力結果1500の一例を示す図である。 実施の形態2に従う保全装置100の処理のフローチャートの一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部位には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
実施の形態1.
<A.保全装置を含むシステムについて>
図1は、実施の形態1に従うシステム構成の一例を示す図である。図1を参照して、本実施の形態に従うシステム構成について説明する。図1のシステムは、保全装置100、設備101A、設備101B、電気機器102A、電気機器102B、電気機器102C、電気機器102D、通信端末103及び管理センター104を含む。なお、管理センター104は、図1のシステムを利用する外部の施設であってもよい。また、図1の設備及び電気機器の数は一例であり、本実施の形態に従うシステム構成は、この図の例に限られるものではない。
保全装置100は、複数の電気機器を保全管理する。保全装置100は、各設備内の通信端末103から、その設備内の電気機器の点検情報等を取得する。または、保全装置100は、ネットワークを介して、電気機器から検査情報を集めてもよい。設備101A及び設備101Bは、例えば、電力会社の変電施設等にあたる。各設備は、多数の電気機器を備えている。これらの電気機器は、定期的又は不定期に、置き換えや修理により常に正常に保たれる必要がある。
電気機器102A、電気機器102B、電気機器102C及び電気機器102Dは、例えば、油入変圧器等である。これらの電気機器は、巻線、リード線、絶縁油、鉄心及びブッシング等の多数の部位から構成されている。また、これらの部位の種類や、各部位の劣化が進んだことよって発生する不具合は多岐にわたる。そのため、作業員が電気機器を本当に保全すべきか否かを判断することは容易ではない。
通信端末103は、設備101A内の作業員による電気機器の検査結果の入力を受け付ける。そして、通信端末103は、入力された検査結果を保全装置100に送信する。図1の例では、電気機器102A及び電気機器102Bは、ネットワークを経由して保全装置100に状態情報を送ることができない。このような場合には、通信端末103が、作業員による検査結果の入力を受けて、保全装置100に検査データを送信する。一方で、電気機器102C及び電気機器102Dは、ネットワークを経由して保全装置100に状態情報を送ることができる。このような場合には、電気機器102C及び電気機器102Dは、通信端末103を介さずに、保全装置100に状態情報を直接送信する。
なお、電気機器は、一部の情報については通信端末103を介さずに、保全装置100に送信し、通信端末103が、残りの情報を保全装置100に送信しても良い。保全装置100が設備の敷地内にあるのであれば、保全装置100は、作業員からの検査内容の入力を直接受け付けても良い。管理センター104は、保全装置100とネットワークを介して接続される。管理センター104は、保全装置100から提供される保全情報に基づいて、各設備を保守する。
<B.保全装置のハードウェア構成について>
図2は、実施の形態1に従う保全装置100の構成の一例を示す図である。図2を参照して、保全装置100は、CPU(Central Processing Unit)201と、1次記憶装置202と、2次記憶装置203と、外部機器インターフェース204と、入力インターフェース205と、出力インターフェース206と、通信インターフェース207とを備える。
CPU201は、保全装置100で動作するプログラムやデータを処理する。1次記憶装置は、CPU201によって実行されるプログラム及び参照されるデータを格納する。ある局面において、DRAM(Dynamic Random Access Memory)が1次記憶装置として用いられる。
2次記憶装置203は、プログラムやデータ等を長期間記憶する。一般的に2次記憶装置は、1次記憶装置よりも低速であるため、CPU201で直接使用するデータは、1次記憶装置に配置され、それ以外のデータは、2次記憶装置に配置される。ある局面において、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶装置が2次記憶装置として用いられる。
外部機器インターフェース204は、保全装置100に補助デバイスを接続する場合等に使用される。一般的にUSB(Universal Serial Bus)インターフェースが、外部機器インターフェース204として使用されることが多い。入力インターフェース205は、キーボードやマウス等を接続するために使用される。USBインターフェースが、入力インターフェース205として使用されることもある。
出力インターフェース206は、ディスプレイ等の出力デバイスを接続するために使用される。ある局面において、出力インターフェース206として、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Visual Interface)が出力インターフェース206として用いられる。または、保全装置100がサーバーマシンの場合には、保全装置100は、外部の端末と通信するためのシリアルインターフェースを備えても良い。
通信インターフェース207は、外部の通信機器と通信するために使用される。ある局面において、LAN(Local Area Network)ポートや、Wi-Fi(Wireless Fidelity)の送受信装置等が、出力インターフェース206として使用される。ある局面において、保全装置100は、PC(Personal Computer)、ワークステーションまたはデータセンターのクラウド上に設けられた仮想マシンであってもよい。
<C.保全装置の機能について>
図3は、保全装置100の機能ブロック構成の一例を示す図である。図3に記載の各機能ブロックは、図2のハードウェア構成上で、プログラム及びデータとして、実行もしくは参照されても良い。図3を参照して、保全装置100は、機器マスター301と、点検記録302と、センサー記録303と、状態更新処理部304と、劣化進展フロー情報305と、統計情報306と、統計処理部307と、スコア計算部308と、部位のスコアテーブル309と、機器のスコアテーブル310と、対策記録311と、閾値情報312と、結果出力部313とを備える。
機器マスター301は、変電所等の各設備に備え付けられた、保全対象となる電気機器の識別番号や型番等の「電気機器に関する情報」を保存する。点検記録302は、作業員もしくは作業ロボットによって行われた巡視点検の内容や、巡視点検の日時等の「点検に関する情報」を保存する。センサー記録303は、電気機器に備え付けられているセンサーから得られる情報、すなわち、「センサーによる点検情報」を保存する。ある局面において、機器マスター301と、点検記録302と、センサー記録303とは、リレーショナルデータベースのテーブルであっても良く、また、保全装置100の2次記憶装置203に保存されていても良い。
状態更新処理部304は、機器マスター301と、点検記録302と、センサー記録303とを参照して、劣化進展フロー情報305を定期的に生成する。状態更新処理部304の詳細な動作は後述する。ある局面において、状態更新処理部304は、2次記憶装置203から1次記憶装置202に読み出されるプログラムが、CPU201によって実行されることにより、実現されても良い。
劣化進展フロー情報305は、保全対象の電気機器の各部位の劣化進展の過程と、その過程で起きた不具合と、不具合と共に観測された直接の劣化現象とを管理する。統計情報306は、過去の劣化進展フロー情報305の蓄積、検査内容及びその組み合わせから推定される「不具合と故障率との関連」に関する。
ある局面において、劣化進展フロー情報305と、統計情報306とは、リレーショナルデータベースのテーブルであっても良く、また、保全装置100の2次記憶装置203に保存されていても良い。また、ある局面において、劣化進展フロー情報305は、NoSQL(Not only SQL)形式のデータ群であっても良い。
統計処理部307は、定期的に、劣化進展フロー情報305から、統計情報306を生成する。ある局面において、統計処理部307は、機械学習を用いて、劣化進展フロー情報305から統計情報306を自動生成してもよい。また、ある局面において、統計処理部307は、2次記憶装置203から1次記憶装置202に読み出されるプログラムが、CPU201によって実行されることにより、実現されても良い。
スコア計算部308は、劣化進展フロー情報305を参照して、部位のスコアテーブル309を生成する。また、スコア計算部308は、統計情報306及び部位のスコアテーブル309を参照して、機器のスコアテーブル310を生成する。ある局面において、スコア計算部308は、定期的に、統計情報306を参照して、閾値情報312を生成しても良い。また、ある局面において、スコア計算部308は、プログラムとして2次記憶装置203から1次記憶装置202に読み出され、CPU201によって実行されても良い。
部位のスコアテーブル309は、劣化進展フロー情報305から生成され、各部位の健全度を表す。部位のスコアテーブル309は、保全対象の電気機器の部位毎に算出される。部位のスコアテーブル309は、電気機器を構成する部位単体の健全度、もしくは、劣化具合を表すパラメーターである。機器のスコアテーブル310は、統計情報306及び部位のスコアテーブル309から生成される。機器のスコアテーブル310は、電気機器全体の健全度、もしくは、劣化具合を表すパラメーターである。
対策記録311は、不具合に紐付けられた過去の対策方法を記憶したものである。閾値情報312は、部位のスコアテーブル309及び機器のスコアテーブル310における、スコア間の閾値を格納する。部位のスコアテーブル309及び機器のスコアテーブル310のそれぞれに格納されるスコアは、閾値情報312に格納される閾値によって区切られた区間毎に評価される。ある局面において、対策記録311は、予め定められた情報を入力または設定されていても良いし、随時更新されてもよい。また、ある局面において、閾値情報312は、予め定められた値を入力または設定されていても良いし、随時更新されてもよい。
ある局面において、部位のスコアテーブル309と、機器のスコアテーブル310と、対策記録311と、閾値情報312とは、リレーショナルデータベースのテーブルであっても良く、また、保全装置100の2次記憶装置203に保存されていても良い。
結果出力部313は、機器のスコアテーブル310と、対策記録311と、閾値情報312とを参照する。そして、結果出力部313は、電気機器の保全管理を行うユーザーに、各電気機器の健全度及び対応策を表示する。ある局面において、結果出力部313は、ディスプレイ等の外部装置に結果を表示しても良く、また、他の装置にネットワークを介して出力結果を送信しても良い。
<D.各種情報の詳細について>
図4は、機器マスター301の構成の一例を示す図である。図4を参照して、機器マスター301は、機器番号401と、機器型番402と、メーカー403と、設置日時404と、設置場所405と、保全コスト406と、工期期間407と、機器仕様408とを含む。機器番号401は、保全対象の電気機器に割り振られたユニークな識別子である。機器番号401は、主に点検記録302やセンサー記録303等の他のテーブルとの関連付けに使用される。
機器型番402は、メーカーによって電気機器に割り振られた製造型番である。メーカー403は、電気機器を製造したメーカーの名称である。電気機器は、メーカー及び製造型番によって、構成部位や劣化進展に関する特性が異なる。ある局面において、機器型番402及びメーカー403は、別テーブルの製品仕様やメーカー情報等と関連付けるために使用されても良い。
設置日時404は、電気機器が設置された日時を表す。点検記録302及びセンサー記録303の情報と合わせて、劣化進展フロー情報305を作成するために使用される。設置日時404は、劣化進展フロー情報305の開始日時として使用されても良い。
設置場所405は、電気機器が設置された場所を表す。設置場所405は、住所であっても良いし、変電所等の施設の識別名であっても良いし、また、住所や施設名等の複数の情報を含んでも良い。設置場所405は、結果出力部313により、ユーザーに情報を提示する場合に使用される。ある局面において、設置場所405は緯度及び経度情報を含んでも良い。また、結果出力部313は、設置場所405に基づいて地図アプリケーションと連携する情報をユーザーに提供しても良い。
保全コスト406は、機器番号401で特定される電気機器の保全にかかるコストを表す。ある局面において、保全コスト406は、電気機器の保全にかかる金額を含んでも良いし、電気機器の保全にかかる人月や資材等のリソース情報を含んでも良いし、あるいは、金額及びリソース情報の両方を含んでも良い。
工期期間407は、機器番号401で特定される電気機器の修理や交換にかかる工期を表す。ある局面において、工期期間407は、交換及び修理に必要な部材のリードタイムを含んでも良いし、現場での作業員による交換及び修理にかかる時間を含んでも良いし、あるいは、部材のリードタイム及び現場での作業員による交換及び修理にかかる時間の両方を含んでも良い。また、ある局面において、保全コスト406及び工期期間407は、結果出力部313により、ユーザーに提示される情報を生成する際に使用されても良い。
機器仕様408は、機器番号401で特定される電気機器の詳細情報を含む。ある局面において、機器仕様408は、結果出力部313により、ユーザーに提示される情報を生成する際に使用されても良い。結果出力部313は、対策記録311と機器仕様408とを合わせて、電気機器に最適な対策をユーザーに提示しても良い。
ある局面において、機器マスター301は、SQLを用いて複数のテーブルをJOINして作成されたテーブルもしくはビューであっても良い。例えば、機器マスター301は、メーカー403、保全コスト406及び機器仕様408等の情報の多い項目に関しては、それぞれの項目を識別する識別子のみを保有し、必要に応じて他のテーブル情報を参照しても良い。また、機器マスター301は、図4に開示されている情報だけでなく、各カラムに関連する情報もSQLを用いたJOINにより取得できる。また、ある局面において、機器マスター301は、機器情報を予め入力されていても良し、随時内容を更新されても良い。
図5は、点検記録302の構成の一例を示す図である。図5を参照して、点検記録302は、点検番号501と、点検機器502と、実施日503と、責任者504と、点検結果505とを含む。点検記録302は、作業員またはロボット等による電気機器の検査結果であっても良い。
点検番号501は、点検作業に割り振られたユニークな識別子である。点検機器502は、機器マスター301の機器番号401に相当する。点検機器502は、点検された電気機器の詳細情報等を取得したい場合に、機器マスター301を検索するために使用される。実施日503は、作業員またはロボット等が電気機器の検査を行った日付を表す。実施日503は、状態更新処理部304により、劣化進展フロー情報305の生成のために使用されても良い。
責任者504は、電気機器の検査の責任者の名前、所属会社、所属部署及び連絡先等に関する情報である。点検結果505は、作業員またはロボット等による電気機器の検査の結果を表す。責任者504及び点検結果505のカラムは、複数の情報を含んでも良い。例えば、責任者504は「責任者名」、「責任者の所属会社」及び「責任者の連絡先」等の複数の情報を含み得る。
ある局面において、点検記録302は、SQLを用いて複数のテーブルをJOINして作成されたテーブルもしくはビューであっても良い。例えば、点検記録302は、責任者504、点検結果505等の情報の多い項目に関しては、それぞれの項目を識別する識別子のみを保有し、必要に応じて他のテーブル情報を参照しても良い。また、点検記録302は、図5に開示されている情報だけでなく、各カラムに関連する情報もSQLを用いたJOINにより取得され得る。また、ある局面において、点検記録302は、作業員またはロボット等による電気機器の検査結果の入力を定期的に受け付けても良い。
図6は、センサー記録303の構成の一例を示す図である。図6を参照して、センサー記録303は、センサー番号601と、点検機器602と、タイムスタンプ603と、センシング結果604とを含む。センサー記録303は、電気機器に備え付けられたセンサーによるセンシング結果を定期的に取得したものであっても良い。
センサー番号601は、電気機器に取り付けられたセンサーに割り振られるユニークな識別子である。点検機器602は、機器マスター301の機器番号401に相当する。点検機器602は、センシングされた電気機器の詳細情報等を取得したい場合に、機器マスター301を検索するために使用されても良い。
タイムスタンプ603は、電気機器に取り付けられたセンサーが電気機器のセンシングを行った日時を表す。タイムスタンプ603は、状態更新処理部304により、劣化進展フロー情報305の生成のために使用される。ある局面において、タイムスタンプ603は、センサー側で生成されても良いし、保全装置100がセンシング情報を受信したときに生成されても良い。
センシング結果604は、電気機器に取り付けられたセンサーによる電気機器の検査の結果を表す。センシング結果604に含まれる情報は、必ずしも一つであるとは限らず、複数の検査項目がセンシング結果604に含まれていても良い。ある局面において、センサー記録303は、SQLを用いて複数のテーブルをJOINして作成されたテーブルもしくはビューであっても良い。例えば、センサー記録303は、センシング結果604等の情報の多い項目に関しては、それぞれの項目を識別する識別子のみを保有し、必要に応じて他のテーブル情報を参照しても良い。また、センサー記録303は、図6に開示されている情報だけでなく、各カラムに関連する情報もSQLを用いたJOINにより取得され得る。
図7は、劣化進展フロー情報305の構成の一例を示す図である。劣化進展フロー情報305は、保全対象の電気機器の各部位の劣化進展の過程と、その過程で起きた不具合と、不具合と共に観測された直接の劣化現象とを時系列に管理する。劣化進展フロー情報305は、部位のスコアテーブル309及び機器のスコアテーブル310の生成に直接的または間接的に使用される。
図7を参照して、劣化進展フロー情報305は、部位701と、メタデータ702A及びメタデータ702B(以下総称する場合は「メタデータ702」と呼ぶ)、進展フロー703と、イベント704と、監視項目705とを含む。なお、これ以降、部位701A及び部位701Bを総称する場合は、部位701と呼ぶ。また、イベント704A~イベント704Dまでを総称する場合は、イベント704と呼ぶ。さらに、監視項目705A~監視項目705Dまでを総称する場合は、監視項目705と呼ぶ。
部位701は、電気機器を構成する部位を表す。部位701は、必ずしも電気機器を構成する全ての部位を含む必要は無い。部位701は、故障する可能性の高い部位もしくは故障時の影響の大きい部位を含んでも良い。部位701がどの部位を含むかは、設計事項であり、当業者が適宜選択可能である。ある局面において、部位701は、巻線、リード線、絶縁油、鉄心及びブッシング等を含んでも良い。
また、部位701は、部位701に機器マスター301を関連付けるためのメタデータ702を含む。例えば、部位701Aは、メタデータ702Aを含み、部位701Bは、メタデータ702Bを含む。また、メタデータ702は、最低限、機器番号401を含む。
進展フロー703は、部位701の劣化の進展状態を時系列で管理する。進展フロー703は、時系列上に、イベント704と、イベント704に付随する監視項目705とを含む。部位701と進展フロー703との組み合わせは、全ての保全対象の電気機器の予め定められた部位毎に対して生成される。ある局面において、保全対象の電気機器が1000台であり、各電気機器の保全対象の部位点数が50個であるとする。その場合、部位701と進展フロー703の組み合わせは、50000通りになる。
イベント704は、各部位に紐付けられた「不具合」である。これらのイベント704は、進展フロー703中で時系列に並んでおり、ルートが分岐することもある。どの部位に、何のイベント704が、どのような順番や組み合わせで起こるかは、事前のデータを基に作成されても良いし、点検記録302及びセンサー記録303から、自動で生成しても良い。
監視項目705は、各部位に紐付けられたイベント704に付随して発生した直接的な「劣化現象」である。例えば、部位701Aの「巻き線」の時系列上には、イベント704Bの「絶縁物劣化」及びイベント704Cの「分解ガス発生」が発生している。そして、各イベント704に付随して、監視項目705Aの「負荷率増加」、監視項目705Bの「重合度低下」及び監視項目705Cの「油中ガス増加」が発生している。
イベント704は電気機器の検査やセンシングによって確認された各部位の「不具合」であるのに対して、監視項目705はそれぞれの「不具合」から推定される「直接の監視項目となる劣化現象」になる。監視項目705は、電気機器の故障率の算定に使用される。また、同一の監視項目705が複数の異なるイベント704に付随して発生することがある。そのため、保全装置100は、電気機器の状態を正確に把握するために、劣化進展フロー情報305の各イベント704で発生した監視項目705を総合評価する。
例えば、部位701Aの「巻き線」の進展フロー703の進展が、イベント704Bの「絶縁物劣化」までの場合、監視項目705Cの「油中ガス増加」は発生していない可能性がある。しかし、部位701Bの「絶縁油」の進展フロー703の進展が、イベント704Dの「分解ガス発生」まで進んでいた場合、監視項目705Dの「油中ガス増加」は発生していることになる。
以上のように、保全装置100は、電気機器の各部位の進展フロー703を総合して判断することにより、電気機器の正常度を適切に判断できる。なお、イベント704及び監視項目705は必ずしも1対1である必要は無く、1つのイベント704に対して複数の監視項目705が付随して発生しても良い。
図8は、統計情報306の構成の一例を示す図である。図8を参照して、統計情報306は、監視項目801と、故障確率802とを含む。監視項目801は、劣化進展フロー情報305に含まれる監視項目705と同一の項目を含む。故障確率802は、電気機器に監視項目801が発生した場合に、電気機器が故障する割合を表す。
統計情報306は、過去の修理交換で得られたデータを基に作成される。また、ある一定以上のデータが集まった場合は、統計処理部307は、機械学習を用いて、統計情報306を定期的に更新しても良い。また、ある局面において、保全装置100は、機械学習を用いて統計情報306を更新する場合は、劣化進展フロー情報305及びユーザーから入力された修理交換結果を用いても良い。統計情報306は、スコア計算部308によって、後述する部位のスコアテーブル309と、機器のスコアテーブル310の算出に使用される。
図9は、部位のスコアテーブル309の構成の一例を示す図である。図9を参照して、部位のスコアテーブル309は、部位番号901と、部位の状態902と、部位のスコア903とを含む。部位のスコアテーブル309は、スコア計算部308により、作成及び更新される。部位番号901は、各部位のユニークな識別子であり、劣化進展フロー情報305の部位701を一意に識別可能である。
部位の状態902は、各部位の健全度を表し、数字が大きいほど正常である。スコア計算部308は、劣化進展フロー情報305における部位701の進展フロー703を参照する。スコア計算部308は、参照された部位701に発生した監視項目705から、部位毎に点数(部位のスコア903)を算出する。ある局面において、スコア計算部308は、監視項目705毎に重み係数を掛けて部位のスコア903を算出しても良いし、劣化進展フロー情報305を学習用の入力データとし、機械学習を用いて部位のスコア903を算出しても良い。
また、スコア計算部308は、閾値情報312を参照し、算出した部位のスコア903をレベル分けし、部位の状態902を求める。図9の例では、スコア計算部308は、「部位のスコア903=1~2」で「部位の状態902=LV1」、「部位のスコア903=3~4」で「部位の状態902=LV2」、「部位のスコア903=5~6」で「部位の状態902=LV3」、「部位のスコア903=7~8」で「部位の状態902=LV4」、及び、「部位のスコア903=9~10」で「部位の状態902=LV5」となるようにレベル分けしている。なお、図9の部位の部位番号901,部位の状態902及び部位のスコア903はあくまでも例示であり、図9の内容に限られるものではない。部位の状態902及び部位のスコア903は、より詳細に分類されても良いし、点数や記号等を用いて表されても良い。
部位のスコア903は、部位の状態902のLV毎に設定されたスコアである。例えば、部位の状態902=「LV5」の場合は、部位のスコア903=「10」である。また、部位の状態902=「LV1」の場合は、部位のスコア903=「2」である。部位のスコア903は、機器のスコアテーブル310を生成する際に使用される。ある局面において、部位のスコア903は、事前に決められた値でも良いし、劣化進展フロー情報305や統計情報306を基に機械学習によって決められた値でも良い。
図10は、機器のスコアテーブル310の構成の一例を示す図である。図10を参照して、機器のスコアテーブル310は、機器番号1001と、機器の状態1002と、機器のスコア1003とを含む。機器番号1001は、各機器のユニークな識別子であり、機器マスター301の機器番号に相当する。機器番号1001は、機器マスター301のレコードを参照する際に使用される。
機器の状態1002は、各機器の健全度を表し、数字が大きいほど正常である。機器のスコア1003は、機器の状態1002のLV毎に設定されたスコア範囲である。例えば、スコア計算部308は、閾値情報312を参照し、電気機器の健全度を計算して、その計算結果が「5.1~6.0」の範囲であった場合は、機器の状態1002を「LV5」に設定する。また、スコア計算部308は、電気機器の健全度を計算して、その計算結果が「0~1.7」の範囲であった場合は、機器の状態1002を「LV1」に設定する。
機器のスコア1003は、電気機器の「部位のスコア903」及び「故障確率802」の乗算の合計で算出される。以下、図9の計算例1004を例に説明する。電気機器Aは、何らかの不具合が発生した「部位X」、「部位Y」及び「部位Z」を備える。
「部位X」において、部位の状態902は「10(LV5)」である。そして、発生している監視項目801は「油中ガス増加」であり、対応する故障確率802は「0.4(40%)」である。また、「部位Y」において、部位の状態902は「10(LV5)」である。そして、発生している監視項目801は「水分量増加」であり、対応する故障確率802は「0.15(15%)」である。また、「部位Z」において、部位の状態902は「10(LV5)」である。そして、発生している監視項目801は「重合度低下」であり、対応する故障確率802は「0.05(5%)」である。よって、電気機器Aのスコア=「10*0.4」+「10*0.15」+「10*0.05」=6.0となる。機器のスコア1003が「6.0」の場合、機器の状態1002は「LV5」となる。よって、機器番号1001が「0001」の電気機器Aは、健全であることがわかる。
同様に図9の計算例1005について説明する。電気機器Bのスコア=「10*0.4」+「2*0.15」+「2*0.05」=4.4となる。機器のスコア1003が「4.4」の場合、機器の状態1002は「LV4」となる。よって、機器番号1001が「0002」の電気機器Bは、少し劣化が進行していることがわかる。
同様に図9の計算例1006について説明する。電気機器Cのスコア=「2*0.4」+「10*0.15」+「10*0.05」=2.8となる。機器のスコア1003が「2.8」の場合、機器の状態1002は「LV2」となる。よって、機器番号1001が「0003」の電気機器Cは、かなり劣化が進行していることがわかる。
<E.保全装置100の内部処理の詳細について>
図11は、実施の形態1に従う保全装置100の処理の一例を示すフローチャートである。図11を参照して、保全装置100が電気機器の健全度の計算及び保全優先度を算出する手順を説明する。ある局面において、図11のフローに対応するプログラムは、図2の保全装置100の2次記憶装置203から1次記憶装置202に読み出され、CPU201によって実行されても良い。以下、CPU201が、図11のフローに対応するプログラムを実行する手順で各ステップを説明する。
ステップS1105において、CPU201は、機器マスター301と、点検記録302と、センサー記録303とを参照し、劣化進展フロー情報305を生成する。図7の例における、部位701と、部位701に対応するイベント704とを生成する。
ステップS1110において、CPU101は、劣化する各部品の監視項目パラメーターを算出する。ステップS1105の処理は、図7における監視項目705がどのイベント704に紐付いて発生したかを求める処理に相当する。
ステップS1115において、CPU201は、各部品の監視項目パラメーターから故障率を取得する。ステップS1115の処理は、図3における統計処理部307が統計情報306を求める処理に相当する。なお、CPU201は、図11のフロー内ではなく、個別にステップS1115の処理を実行しても良い。
ステップS1120において、CPU201は、各部品のスコアを算出する。ステップS1120の処理は、図9における部位の状態902及び部位のスコア903を求める処理に相当する。CPU201は、劣化進展フロー情報305を参照して、部位の状態902及び部位のスコア903を算出する。
ステップS1125において、CPU201は、部品のスコア及び故障確率から機器のスコアを算出する。ステップS1125の処理は、図10における機器の状態1002及び機器のスコア1003を求める処理に相当する。CPU201は、部位のスコアテーブル309及び統計情報306を参照して、機器の状態1002及び機器のスコア1003を算出する。
ステップS1130において、CPU201は、全ての電気機器の健全度を比較して保全優先順位を決定する。ステップS1130の処理は、図10の機器番号1001で特定される電気機器の保全優先順位を求める処理に相当する。CPU201は、電気機器の健全度のみを判定基準にする場合は、機器の状態1002又は機器のスコア1003に基づいて、電気機器をソートする。
ある局面において、CPU201は、保全優先順位を決定する際に、機器マスター301の保全コスト406を保全優先度の算定基準に含めても良い。例えば、CPU201は、保全コスト406の高い電気機器の保全優先度を下げて、保全コストを抑えるなどの処理が可能となる。
また、ある局面において、CPU201は、保全優先順位を決定する際に、機器マスター301の工期期間407を保全優先度の算定基準に含めても良い。例えば、CPU201は、工期期間407の高い電気機器の優先度を下げて、工期期間を抑えるなどの処理が可能となる。
また、ある局面において、CPU201は、保全優先順位を決定する際に、機器マスター301の保全コスト406及び工期期間407の両方を保全優先度の算定基準に含めても良い。
また、ある局面において、CPU201は、入力インターフェース205または通信インターフェース207を介して受け取ったリソース情報に基づいて、保全優先順位を決定しても良い。例えば、CPU201は、「ユーザーが提供し得る保全コスト及び工期期間」を取得すると、「保全コスト」及び「工期期間」がその範囲内に収まるように、保全する電気機器のリストを選定しても良い。
以上詳述したように、本実施の形態に係る保全装置100によれば、電気機器の部位毎の劣化進展度を参照することで、適切に電気機器の状態を把握できる。さらに、過去の対策記録等と組み合わせることにより、熟練していない作業員であっても適切に電気機器の保全計画の優先順位付けを行うことができる。
実施の形態2.
以下、実施の形態2について説明する。本実施の形態に係る保全装置100は、各電気機器に重要度を設定して管理するという点で前述の実施の形態と異なる。なお、本実施の形態に係る保全装置100のハードウェアは、実施の形態1に係る保全装置100のハードウェア構成と同じである。したがって、当該ハードウェア構成の説明は繰り返さない。
<F.電気機器の配置における重要度について>
図12は、電気機器の設置場所における重要度の一例を示す図である。本実施の形態に従う保全装置100は、電気機器に重要度を付与して管理する。図12を参照して、電気機器の重要度について説明する。図12の例では、発電機と4つの電気機器が電力線で繋がっている。電気機器Aは、発電機から見て1段目に繋がっており、重要度は「High」となっている。次に、電気機器B及び電気機器Cは、発電機から見て2段目に繋がっており、重要度は「Middle」となる。次に、電気機器Dは、発電機から見て3段目に繋がっており、重要度は「Low」となる。
本実施の例では、電気機器の重要度は、発電機から見て何段目にあるか(以下、「ホップ数」という)で決まる。しかし、電気機器の重要度の判定は、発電機からのホップ数のみに限られるわけではない。ある局面において、電気機器の重要度の判定基準は、「発電機から電気機器までの地理的な距離」でも良い。また、ある局面において、電気機器の重要度の判定基準は、「電気機器に異常が発生したときに影響が出る戸数」でも良い。また、ある局面において、電気機器の重要度の判定基準は、複数の基準が組み合わされても良い。
図13は、電気機器の劣化進展度と重要度のマトリックス1300の一例を示す図である。図13を参照して、電気機器の劣化進展度と、電気機器の重要度との関係について説明する。本実施の形態に従う保全装置100は、図3に示される構成に加えて、図13のマトリックス1300を保有する。保全装置100は、マトリックス1300の「状態」及び「重要度」の組み合わせに基づいて、電気機器の保全に関する評価を行う。図13の例では、電気機器の保全に関する評価は、「R(Red)」(即保全が必要)、「O(Orange)」(予防保全対象)、「Y(Yellow)」(監視強化が必要)及び「B(Blue)」(許容範囲)の4つがある。
状態「LV1」の電気機器の評価は、重要度「Low」、「Middle」及び「High」のいずれの場合においても、「R(Red)」となっている。しかし、状態「LV2」の電気機器の評価は、重要度「Low」及び「Middle」において、「O(Orange)」となっているが、重要度「High」において、「R(Red)」となっている。すなわち、保全装置100は、同じ「状態」であっても、「重要度」によって、電気機器に対して行う評価を変更していることがわかる。
保全装置100は、「重要度」によって、電気機器の評価に重みを持たせることにより、適切な保全優先度を算出できる。例えば、電気機器Mと電気機器Nの状態が共に「LV2」であるとする。仮に、電気機器Mが停止したときに影響を受ける戸数が「1000」であり、電気機器Nが停止したときに影響を受ける戸数が「10」である場合、保全装置100は、当然、電気機器Mの保全を優先すべきであり、早い段階で電気機器Mの修理交換を行うべきであると判定する。
図14は、電気機器の設置場所と重要度を管理する重要度テーブル1400の一例を示す図である。本実施の形態に従う保全装置100は、図3の機能ブロックに加えて、図14の重要度テーブル1400を保有する。図14を参照して、重要度テーブル1400は、重要度番号1401と、設置場所1402と、重要度1403とを含む。重要度番号1401は、設置場所1402と重要度1403との組合せを一意に識別するための識別子である。
設置場所1402は、機器マスター301の設置場所405と同じ項目である。保全装置100は、機器マスター301の設置場所405を検索キーとして、重要度テーブル1400を検索することにより、電気機器の重要度1403を参照する。
重要度1403は、電気機器の重要度であり、図12~図13において説明した重要度と同一のものである。図14の例では、重要度1403は、設置場所1402と対応づけられている。しかし、ある局面において、重要度1403は、電気機器の「緯度・経度」、「影響する戸数」、「発電機からのホップ数」又は複数の項目の組み合わせと対応づけられても良い。また、ある局面において、重要度1403は、より詳細な点数で表されても良い。
図15は、電気機器の保全優先度の出力結果1500の一例を示す図である。図15を参照して、保全優先度の出力結果1500は、機器1501と、マトリックスランク1502と、機器のスコア1503と、優先順位1504とを含む。
機器1501は電気機器を表す。機器1501は、電気機器の名称でも良いし、機器番号401でも良い。マトリックスランク1502は、図13のマトリックスの保全に関する評価である。機器のスコア1503は、図10における機器のスコアの計算結果である。優先順位1504は、保全の優先順位を表す。図15の例では、優先順位1504は、第1にマトリックスランク1502の「保全に関する評価」に基づいて、ソートされる。第2に、優先順位1504は、機器のスコア1503に基づいて、ソートされる。
<G.保全装置100の内部処理の詳細について>
図16を参照して、保全装置100が電気機器の健全度の計算及び保全優先度を算出する手順を説明する。図16は、実施の形態2に従う保全装置100の処理の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートに示される処理と同じ処理には同一の符号が付してある。したがって、同じ処理の説明は繰り返さない。
ある局面において、図16のフローに対応するプログラムは、図2の保全装置100の2次記憶装置203から1次記憶装置202に読み出され、CPU201によって実行されても良い。以下、CPU201が、図16のフローに対応するプログラムを実行する手順で各ステップを説明する。
ステップS1605において、CPU201は、全ての電気機器のスコア1003及び重要度1403を比較して保全優先順位を決定する。ステップS1605の処理は、図15の電気機器の保全優先順位を求める処理に相当する。CPU201は、機器の状態1002及び重要度1403からマトリックスランク1502を生成する。そして、CPU201は、マトリックスランク1502及び機器のスコア1003に基づいて、電気機器の保全優先度を算出する。
ある局面において、CPU201は、保全優先順位を決定する際に、機器マスター301の保全コスト406を保全優先度の算定基準に含めても良い。例えば、CPU201は、保全コスト406の高い電気機器の保全優先度を下げて、保全コストを抑えるなどの処理が可能となる。
また、ある局面において、CPU201は、保全優先順位を決定する際に、機器マスター301の工期期間407を保全優先度の算定基準に含めても良い。例えば、CPU201は、工期期間407の高い電気機器の優先度を下げて、工期期間を抑えるなどの処理が可能となる。
また、ある局面において、CPU201は、保全優先順位を決定する際に、機器マスター301の保全コスト406及び工期期間407の両方を保全優先度の算定基準に含めても良い。
また、ある局面において、CPU201は、ユーザーが入力インターフェース205または通信インターフェース207を介して入力したリソース情報に基づいて、保全優先順位を決定しても良い。例えば、CPU201は、「ユーザーが提供し得る保全コスト及び工期期間」を取得すると、「保全コスト」及び「工期期間」がその範囲内に収まるように、保全する電気機器のリストを選定しても良い。
以上詳述したように、本実施の形態に係る保全装置100は、電気機器の部位毎の劣化進展度を参照し、かつ、各電気機器に設定された重要度を参照することにより、適切な優先順位に基づいて電気機器を保全することができる。さらに、過去の対策記録等と組み合わせることにより、熟練していない作業員であっても適切に保全計画の最適化を行うことができる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。
100 保全装置、101A,101B 設備、102A,102B,102C,102D 電気機器、103 通信端末、104 管理センター、202 1次記憶装置、203 2次記憶装置、204 外部機器インターフェース、205 入力インターフェース、206 出力インターフェース、207 通信インターフェース、301 機器マスター、302 点検記録、303 センサー記録、304 状態更新処理部、305 劣化進展フロー情報、306 統計情報、307 統計処理部、308 スコア計算部、309 部位のスコアテーブル、310 機器のスコアテーブル、311 対策記録、312 閾値情報、313 結果出力部、401,1001 機器番号、402 機器型番、403 メーカー、404 設置日時、405,1402 設置場所、406 保全コスト、407 工期期間、408 機器仕様、501 点検番号、502,602 点検機器、503 実施日、504 責任者、505 点検結果、601 センサー番号、603 タイムスタンプ、604 センシング結果、701,701A,701B 部位、702,702A,702B メタデータ、703 進展フロー、704,704A,704B,704C,704D イベント、705,705A,705B,705C,705D,801 不具合、802 故障確率、901 部位番号、902 部位の状態、903 部位のスコア、1002 状態、1003,1503 機器のスコア、1004,1005,1006 計算例、1300 マトリックス、1400 重要度テーブル、1401 重要度番号、1403 重要度、1500 出力結果、1501 機器、1502 マトリックスランク、1504 優先順位。

Claims (18)

  1. 保全対象の電気機器の種類毎の機器情報を格納するための機器情報記憶部と、
    前記保全対象の電気機器の検査記録を格納するための検査情報記憶部と、
    前記保全対象の電気機器を構成する複数の部品のそれぞれの劣化進展度を記憶する劣化進展度記憶部と、
    前記保全対象の電気機器の機器健全度を算出する演算部とを備え、
    前記機器情報は、前記電気機器の識別子と、設置日時情報とを含み、
    前記検査記録は、前記電気機器の識別子と、検査の実施日情報と、点検結果情報とを含み、
    前記演算部は、
    前記機器情報及び前記検査記録に基づいて、前記保全対象の電気機器を構成する前記複数の部品のそれぞれについて、前記設置日時情報を開始日として、各部品の劣化が進む過程で発生する不具合と前記不具合に付随して発生する劣化現象とを含む監視項目を、時系列の順番に並べることで、前記複数の部品のそれぞれの前記劣化進展度を求め、
    前記保全対象の電気機器を構成する前記複数の部品のそれぞれの前記監視項目に応じたスコアに基づいて、前記保全対象の電気機器の前記機器健全度を算出する、保全装置。
  2. 前記監視項目と電気機器の種類毎の故障発生率との相関関係を記憶する故障率記憶部をさらに備え、
    前記演算部は、前記保全対象の電気機器を構成する前記複数の部品のそれぞれの前記部品のスコアと前記故障発生率との乗算結果の合計値に基づいて、前記保全対象の電気機器の前記機器健全度を算出する、請求項1に記載の保全装置。
  3. 前記相関関係は、機械学習の学習パラメーターとして前記劣化進展度を含む学習済みデータを含む、請求項2に記載の保全装置。
  4. 前記保全対象の電気機器の前記機器健全度に関する段階的な閾値情報を記憶する閾値記憶部をさらに備え、
    前記演算部は、前記機器健全度と、前記閾値情報に基づいて、複数の前記保全対象の電気機器のそれぞれの保全優先度を算出する、請求項2に記載の保全装置。
  5. 前記保全対象の電気機器の前記機器健全度に関する段階的な閾値情報を記憶する閾値記憶部と、
    前記保全対象の電気機器の重要度情報を記憶する重要度保存部とをさらに備え、
    前記演算部は、前記機器健全度と、前記閾値情報及び前記重要度情報に基づいて、複数の前記保全対象の電気機器のそれぞれの保全優先度を算出する、請求項2に記載の保全装置。
  6. 前記重要度情報は、発電機からの距離又は前記電気機器のホップ数に基づく、請求項5に記載の保全装置。
  7. 前記機器情報記憶部は、前記保全対象の電気機器の保全コストをさらに記憶し、
    前記演算部は、前記機器健全度と、前記閾値情報及び前記保全コストに基づいて、複数の前記保全対象の電気機器のそれぞれの前記保全優先度を算出する、請求項4に記載の保全装置。
  8. 前記機器情報記憶部は、前記保全対象の電気機器の工期期間をさらに記憶し、
    前記演算部は、前記機器健全度と、前記閾値情報及び前記工期期間に基づいて、複数の前記保全対象の電気機器のそれぞれの前記保全優先度を算出する、請求項4に記載の保全装置。
  9. 前記保全対象の電気機器は、センサーを含み、または、取り付けられ、
    前記検査記録は、前記センサーからの情報と、前記保全装置に入力された巡視点検情報とを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の保全装置。
  10. コンピュータによって実行される電気機器の保全方法であって、
    保全対象の電気機器の種類毎の機器情報を読み出すステップと、
    前記保全対象の電気機器の検査記録を読み出すステップとを含み、
    前記機器情報は、前記電気機器の識別子と、設置日時情報とを含み、
    前記検査記録は、前記電気機器の識別子と、検査の実施日情報と、点検結果情報とを含み、
    前記保全方法はさらに、
    前記機器情報及び前記検査記録に基づいて、前記保全対象の電気機器を構成する複数の部品のそれぞれについて、前記設置日時情報を開始日として、各部品の劣化が進む過程で発生する不具合と前記不具合に付随して発生する劣化現象とを含む監視項目を、時系列の順番に並べることで、前記複数の部品のそれぞれの劣化進展度を求めるステップと、
    前記保全対象の電気機器を構成する前記複数の部品のそれぞれの前記監視項目に応じたスコアに基づいて、前記保全対象の電気機器の機器健全度を算出するステップとを含む、電気機器の保全方法。
  11. 前記劣化進展度及び故障履歴に基づいて、前記監視項目と電気機器の種類毎の故障発生率との相関関係を算出するステップと、
    前記保全対象の電気機器を構成する前記複数の部品のそれぞれの前記部品のスコアと前記故障発生率との乗算結果の合計値に基づいて、前記保全対象の電気機器の前記機器健全度を算出するステップとをさらに含む、請求項10に記載の保全方法。
  12. 前記相関関係は、機械学習の学習パラメーターとして前記劣化進展度を含む学習済みデータを含む、請求項11に記載の保全方法。
  13. 前記保全対象の電気機器の前記機器健全度に関する段階的な閾値情報を読み出すステップと、
    前記機器健全度と、前記閾値情報に基づいて、複数の前記保全対象の電気機器のそれぞれの保全優先度を算出するステップとをさらに含む、請求項11に記載の保全方法。
  14. 前記保全対象の電気機器の前記機器健全度に関する段階的な閾値情報を読み出すステップと、
    前記保全対象の電気機器の重要度情報を読み出すステップと、
    前記機器健全度と、前記閾値情報及び前記重要度情報に基づいて、複数の前記保全対象の電気機器のそれぞれの保全優先度を算出するステップとをさらに含む、請求項11に記載の保全方法。
  15. 前記重要度情報は、発電機からの距離又は前記電気機器のホップ数に基づく、請求項14に記載の保全方法。
  16. 前記保全対象の電気機器の保全コストを読み出すステップと、
    前記機器健全度と、前記閾値情報及び前記保全コストに基づいて、複数の前記保全対象の電気機器のそれぞれの前記保全優先度を算出するステップとをさらに含む、請求項13に記載の保全方法。
  17. 前記保全対象の電気機器の工期期間を読み出すステップと、
    前記機器健全度と、前記閾値情報及び前記工期期間に基づいて、複数の前記保全対象の電気機器のそれぞれの前記保全優先度を算出するステップとをさらに含む、請求項13に記載の保全方法。
  18. 前記検査記録は、前記保全対象の電気機器に設けられたセンサーからの情報と、巡視点検情報とを含む、請求項10から17のいずれか1項に記載の保全方法。
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