JP7296119B2 - 肝臓癌に対するサフラナールとソラフェニブの併用療法 - Google Patents

肝臓癌に対するサフラナールとソラフェニブの併用療法 Download PDF

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Description

特許法第30条第2項適用 掲載年月日:2018年11月16日 掲載アドレス:https://www.nature.com/articles/s41598-018-34855-0
本発明は、サフラナールおよびソラフェニブを含む肝臓癌を治療するための治療用製剤および方法に関する。
様々な努力が費やされているにもかかわらず、肝細胞癌(HCC)と診断されている人々が多くいる。これは、最も一般的な原発性肝がんの一種であり、世界中でがん関連による死亡の2番目の主要原因となっている。HCC症例の70%~90%を占める慢性肝炎(B型およびC型)感染など、HCC発症に許容状態の環境におれることにより、多重なリスク要因がHCCの発症に寄与している。他のHCCリスク要因には、アルコール依存症、非アルコール性脂肪肝疾患、鉄過剰、環境発がん性物質などが含まれる。HCCの初期段階では自覚症状が見られないため、ほとんどの患者は進行期に診断される。さらに、HCCは切除または焼灼後に高い再発率を示し、また、細胞毒性化学療法に対して強い耐性を持つため、利用可能な治療方法は非常に限られている。したがって、その代替治療法は十分に正当化され、HCCを治療するために切実に必要とされている。
化学療法は、がん患者の最も一般的な治療法である。しかし、HCCは化学療法抵抗性であり、化学療法の副作用は通常、患者に疲労を与える。ソラフェニブは、米国食品医薬品局によって承認された最初の抗HCC薬である。それは腫瘍細胞の増殖と血管新生をブロックするマルチキナーゼ阻害剤である。ソラフェニブは、早期および中期のHCC病変の治療に成功しているが、進行したHCC症例では効率的ではない。ソラフェニブの一般的な副作用は、皮膚毒性、下痢、高血圧、出血である。
天然物は古くから民間薬の一種であり、抗がん剤の開発に重要な役割を果たしてきた。米国食品医薬品局(FDA)が承認した治療薬の40%は、非毒性で関連副作用が低いかもしくはもたないおかげで、天然成分またはその誘導体である。その優れた効果と低毒性を考慮して、天然物は広く研究されており、癌を含む多くの病気の化学予防療薬として導入されている。薬草は、様々な理由で癌の予防と治療に勧められており、これは栄養および抗腫瘍化合物を含み、癌の発症を遅延または防止することができ、生理学的機能および免疫系機能を高めることができ、最も重要なことには、副作用を軽減または回避することにより、従来の癌治療に対する優れた代替および/または補助的な選択肢となる。
サフラン(クロッカスサティバスの花の柱頭)は、クロシン、クロセチン、ピクロクロシン、およびサフラナールといった、健康増進特性を持つ多くの生物活性分子を含むため、ますます注目を集めている。過去の研究では、サフランやその誘導体が広範な癌に対する抗癌活性が報告されている。サフラン誘導体はHeLa細胞の生育を阻害することが報告されているが、サフラナールは強力な抗炎症、抗酸化、抗癌特性を発揮することが具体的に示されており、肺胞ヒト肺癌A549細胞株およびヒト前立腺癌PC-3細胞株の両方でアポトーシスを誘発することが明らかにされている。すべての抗腫瘍活性にもかかわらず、サフラナールが抗癌効果を発揮するメカニズムはまだ完全には理解されていない。
したがって、サフラナールの単独もしくは他の化学療法剤と組み合わせたものが、抗がん効果を発揮するメカニズムを理解することは、肝臓や他のがんの種類の効果的な治療法に発展するために有利である。
本発明の第1の態様によれば、本出願は、肝臓癌の治療のための薬物の治療的組み合わせを提供する。この組み合わせには、サフラナールまたはその薬学的に許容されるプロドラッグ、およびソラフェニブが含まれる。代表的な実施形態では、プロドラッグは、サフラナールの塩、水和物、ヘミアセタール、アセタール、チオアセタール、シリルエーテル、互変異性体、異性体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。サフラナールおよびソラフェニブは、両方の化合物を含む同じ単一の医薬組成物と一緒に配合されてもよく、あるいは、サフラナールおよびソラフェニブは、別々の医薬組成物の形態で提供されてもよい。
本発明の第2の態様によれば、本出願は、対象の肝臓癌の重症度を治療、抑制、または軽減する方法を提供する。この方法は、サフラナールとソラフェニブの治療的組み合わせを対象に投与することを含む。代表的な実施形態では、肝臓癌は、肝細胞癌(HCC)、線維層板状HCC、胆管癌、血管肉腫、転移性肝臓癌、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態において、対象に投与されるサフラナール:ソラフェニブの質量比は、約50:1~約1:1の範囲である。さらなる実施形態では、対象に投与されるサフラナール:ソラフェニブの質量比は、約25:1~約1:1の範囲である。例示的な実施形態では、サフラナール:ソラフェニブの質量比は、1日、1週間、14日、21日、または28日で対象に投与されるサフラナールおよびソラフェニブのそれぞれの量に基づいている。一実施形態では、サフラナールまたはそのプロドラッグの量は、対象の体重1kgあたり約10mg/日~約1000mg/日である。さらなる実施形態では、サフラナールまたはそのプロドラッグの量は、対象の体重1kgあたり約200mg/日~約750mg/日である。さらなる実施形態では、サフラナールまたはそのプロドラッグの量は、対象の体重1kgあたり約250mg/日~約500mg/日である。サフラナールは、ソラフェニブ投与前、ソラフェニブと同時投与、またはソラフェニブ投与後に対象に投与されてもよい。一実施形態では、ソラフェニブは約800、600、400、または200mg/日の量で対象に投与される。さらなる実施形態では、ソラフェニブは、サフラナール投与の非存在下で有効であるために必要な用量より少なくとも50%から最大で90%以上低い有効用量で投与される。肝臓癌は、ソラフェニブに対して一次または二次耐性を示す場合がある。
本発明の第3の態様によれば、本出願は、肝臓癌の治療のためのキットを提供する。キットは、サフラナールの第1の薬学的に許容される組成物、ソラフェニブの第2の医薬組成物、および肝臓癌の治療のための第1の組成物および第2の組成物の投与に関する指示書を含む。代表的な実施形態では、肝臓癌は、肝細胞癌(HCC)、線維層板状HCC、胆管癌、血管肉腫、転移性肝臓癌、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明は、以下の図および説明を参照してよりよく理解することができる。図の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、分子、細胞、細胞小器官、組織、またはそれらの相互作用を正確に表すことを意図しておらず、代わりに本発明の原理を説明することに重点がおかれている。
肝発癌モデルを確立するために実施されたイン・ビボ研究の実験計画を示す。 サフラナールの抗腫瘍形成特性を示すラット肝臓の代表的な画像を示す。肝臓全体を対照ラット(PBS)から、あるいは未処理ラットのDEN誘発肝腫瘍(HCC群)またはソラフェニブ(HCC SB)、サフラナール(HCC SF)単独または併用(HCC SF SB)処理したラットのDEN誘発肝腫瘍から切り出した。 未処理(HCC群)またはソラフェニブ(HCC+SB)、サフラナール(HCC+SF)単独または併用(HCC+SF+SB)処理したラットのDEN誘発肝腫瘍からの肝結節の数の定量分析を示す。 ヘマトキシリンおよびエオシン染色切片の代表的な画像を示す(矢印:AHFの代表的な領域を指す)、n=6。肝臓切片は、対照ラット(PBS)、あるいは未処理ラットのDEN誘発肝腫瘍(HCC群)またはソラフェニブ(HCC SB)、サフラナール(HCC SF)単独または併用(HCC SF SB)処理したラットのDEN誘発肝腫瘍からのものである。 未処理(HCC群)またはソラフェニブ(HCC+SB)、サフラナール(HCC+SF)単独または併用(HCC+SF+SB)処理したラットのDEN誘発肝腫瘍からの組織学的腫瘍病巣の領域の定量分析を示す。 レティキュリン染色切片の代表的な画像を示す(矢印はレティキュリン繊維を指す)。切片は、対照ラット(PBS)、あるいは未処理のラットのDEN誘発肝腫瘍(HCC群)またはソラフェニブ(HCC SB)、サフラナール(HCC SF)単独または併用(HCC SF SB)処理したラットのDEN誘発肝腫瘍から採取した。 図7はサフラナールが誘発した肝腫瘍の増殖を阻害することを示し、図7Aは、未処理(HCC群)またはソラフェニブ(HCC SB)、サフラナール(HCC SF)単独または併用(HCC SF+SB)処理したラットのDEN誘発肝腫瘍における増殖関連タンパク質(PCNA)のウエスタンブロット分析画像を示す。 図7はサフラナールが誘発した肝腫瘍の増殖を阻害することを示し、図7Bは、図7Aからの各バンド強度の定量化を示す。定量化にはImageJを使用して、肝臓の総タンパク質に対して正規化された。 未処理(HCC群)またはソラフェニブ(HCC SB)、サフラナール(HCC SF)単独または併用(HCC SF+SB)処理したラットのDEN誘発肝腫瘍における細胞周期関連タンパク質(Cdk1、サイクリンB1、Cdc25B)のウエスタンブロット分析画像を示す。 誘発した肝腫瘍のG2/M細胞周期停止のタンパク質の定量化を示す。 図8の各バンド強度は、ImageJを使用して定量化され、肝臓の総タンパク質に対して正規化された。結果は、各グループのn=4匹の動物の平均±標準偏差として表される。有意性は、一元配置分散分析、続いてTukeyの事後検定を用いて決定した(P <0.05)。 サフラナールが誘発した肝腫瘍の内因性アポトーシスを誘発することを明らかにするウエスタンブロット分析画像を示す。ウエスタンブロットは、未処理のラット(HCC群)またはソラフェニブ(HCC SB)、サフラナール(HCC SF)単独または組み合わせ(HCC SF+SB)で処理されたラット(HCC)のDEN誘発肝腫瘍における内因性アポトーシス関連タンパク質(Bcl-2、Bax、Pro-Caspase-9、Pro-Caspase-3、PARP)を分析した。 図10のウエスタンブロットのバンドから、Bax、Bcl-2、およびBax/Bcl比を定量化した結果を示す。各バンド強度は、ImageJを使用して定量化され、肝臓の総タンパク質に対して正規化された。結果は、各グループのn=4匹の動物の平均±標準偏差として表される。有意性は、一元配置分散分析、続いてTukeyの事後検定を用いて決定した(P<0.05)。 図10のウエスタンブロットのバンドから、プロカスパーゼ9、プロカスパーゼ3、およびPARPを定量化した結果を示す。各バンドの強度は、ImageJを使用して定量化され、肝臓の総タンパク質に対して正規化された。結果は、各グループのn=4匹の動物の平均±標準偏差として表される。有意性は、一元配置分散分析、続いてTukeyの事後検定を用いて決定した(P<0.05)。 食品医薬品局のガイドライン草案から得られたデータによる、他の種の体表面積に基づいたヒト等価用量(HED)の用量係数の表を示す。 すべてのグループの遺伝子発現プロファイルのヒートマップを示す。階層クラスター分析は、各グループの3回の平均を表す。生データは集約され、単位分散スケーリングが適用された。グループは、最大距離と完全なリンケージによってクラスター化された。発現レベルは、高発現は赤、低発現は灰色になる。
本発明は、少なくとも部分的に、サフラナールおよびソラフェニブが実験用ラットのHCCに対して相乗的な抗癌効果を発揮するという発見に基づいている。この治療効果は、肝臓癌の治療にも使用できる。ソラフェニブ単独の単独療法と比較して、複数のシグナル伝達経路を標的とするソラフェニブと組み合わせたサフラナールによる治療は、耐性、フィードバック活性化、および生存経路の代償的活性化を回避する可能性のあるより優れた治療法の選択肢を提供する。特定の理論に縛られることなく、サフラナールは、ソラフェニブ単独よりも細胞周期関連タンパク質の発現をさらに減少させることにより、肝細胞をソラフェニブの効果に感作させる可能性があると考えられる。この発見は、ソラフェニブとサフラナールの特定の組み合わせ、および肝臓癌に特有に、ソラフェニブ単独の治療法よりも高い改善を伴うという、相乗的効果あるいは相加的を超える効果として説明される。
例示的な実施形態では、第1の量のサフラナール(またはその薬学的に許容されるプロドラッグ)を含む薬物と第2の量のソラフェニブを含む薬物との治療的組み合わせが提供される。本質的に、サフラナールとソラフェニブの組み合わせは、薬剤単独または2つの薬剤の単純な組み合わせよりも効果を示す治療的組み合わせであり得る。さらに、組み合わせの異なる用量は、サフラナールまたはソラフェニブのいずれか単独よりも肝臓癌の治療の追加の利益をもたらす可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、本出願は、ソラフェニブとサフラナールが特に効果的(例えば、相乗的または相加的を超えて)な比率で投与される、肝臓癌を治療するための予想外に有利な方法および組成物を提供する。
サフラナール
いくつかの実施形態では、本発明はサフラナールの使用を含む。サフラナールは、2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-カルボキシアルデヒドというIUPAC名を持つ分子であり、その構造式は以下に示す。
Figure 0007296119000001
サフラナールには、α、β、γ、δ不飽和アルデヒド基が含まれているため、ヘミアセタール、アセタール、チオケタール、シリルエーテル、およびその他の、不飽和のβまたはδ炭素への求核付加反応から生じる誘導体を形成することができる。サフラナール誘導体が薬学的に許容され、生理学的条件下で容易に切断される場合、1つまたは複数の誘導体がサフラナールのプロドラッグとして患者に投与されてもよい。この点に関して、「薬学的に許容されるサフラナール誘導体」という用語は、ヘミアセタール、アセタール、チオケタール、シリルエーテル、および求核付加生成物を含む、サフラナールの薬学的に許容され、容易に切断可能な基を指す。これらのプロドラッグは、投与媒体または剤形製造プロセスにおいてin situで、もしくはサフラナールを適切な反応物と別に反応させ、単離することにより、その後の精製中に形成された誘導体として、調製可能である。プロドラッグとして機能し得る他の誘導体には、薬学的に許容される塩および水和物が含まれる。治療的に有効なサフラナールの互変異性体および異性体も考えられる。特に明記しない限り、本明細書で使用される「サフラナールを含む組成物」および「サフラナールの製剤」という用語は、サフラナールのそれ自体や、薬学的に許容されるヘミアセタールおよびアセタール、薬学的に許容される互変異性体および異性体、および薬学的に許容される塩などのプロドラッグを含むことを意図している。
サフラナール含有の組成物は、以下に適合したものを含む固体または液体形態など、投与のための特殊な形で製剤することができる。(1)経口投与では、例えば、頬、舌下、全身吸収のための、例えば、水薬(水性または非水性の溶液または懸濁液)、錠剤、ボーラス、粉末、顆粒、舌用のペースト等、(2)非経口投与では、例えば、皮下、筋肉内、静脈内、硬膜外への注射のための、例えば、滅菌溶液、懸濁液、徐放性製剤等、(3)局所投与では、例えば、クリーム、軟膏、皮膚に適用される制御放出パッチまたはスプレー等、(4)膣内または直腸内には、例えば、ペッサリー、クリーム、泡剤等、あるいは(5)舌下、(6)眼球、(7)経皮、(8)経鼻等に適合した製剤を含む。
組成物は、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤、滑沢剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、風味材や香料、防腐剤や抗酸化剤等を含んでいてもよい。
サフラナールの製剤には、非経口(皮下、静脈内、髄内、関節内、筋肉内、または腹腔内注射を含む)、直腸、局所、経皮、または経口(例:カプセル、懸濁液、または錠剤など)投与に適した製剤が含まれる。製剤は、単位剤形で便利に提供されてもよく、薬学の技術分野で周知の方法によって調製されてもよい。単一の剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができるサフラナール、またはその薬学的に許容されるプロドラッグの量は、治療対象や投与様式に応じて変わる。担体材料と組み合わせて単回投与形態に生成できる活性成分の量は、通常、治療効果を有する化合物の量になる。通常この量は、100パーセントのうち、活性成分を、約1重量%~約99重量%、好ましくは約5重量%~約70重量%、最も好ましくは約10重量%~約30重量%の範囲である。
選択された投与経路に関係なく、サフラナールまたはそのプロドラッグは、当業者に知られている従来の方法により薬学的に許容される剤形に製剤化され得る。サフラナールは、他の医薬品との類似性により、ヒトまたは獣医学で使用するために扱いやすい方法で投与するために製剤化することができる。
ソラフェニブ
さまざまな実施形態において、本発明は、ソラフェニブ、例えばトシル酸ソラフェニブの形態、ならびにソラフェニブの他の薬学的に許容される、塩、およびエステル体の形態の使用を含む。ソラフェニブは、ソラフェニブのトシル酸塩であるNEXAVAR(R)として市販されている。トシル酸ソラフェニブは、IUPAC名:4-(4-{3-[4-クロロ-3(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド}フェノキシ)N-メチルピリジン-2-カルボキサミド4メチルベンゼンスルホネートを有し、構造式は以下に示す。
Figure 0007296119000002
トシル酸ソラフェニブの1日の推奨用量は、1日2回400mg(2錠)として800mgを経口投与である。ただし、疑わしい副作用を管理するためには、治療の中断および/または投与量の削減が必要となる場合がある。そのような場合、1日1回400mgまで、または1日おきに400mgまで削減できる。ソラフェニブの投与量および投与法は、医学的に承認されたガイドライン、および当該ガイドラインに対する医学的に認められた逸脱または変更に従うことができることを、当業者は理解するであろう。
肝臓癌
一態様において、本発明は、対象における癌細胞を含む肝臓癌細胞の治療、または単離された癌細胞のイン・ビトロ治療のための方法を提供する。対象におけるがん細胞である場合、対象は、肝臓癌に罹ったヒトなどの霊長類や哺乳動物であり得る。対象は、成熟期(18歳以上)または若年期(18歳未満)であり得る。様々な実施形態では、肝臓癌は、肝細胞癌(HCC)、線維層板状HCC、胆管癌、血管肉腫、または転移性肝臓癌であり得る。
いくつかの実施形態では、肝臓癌はソラフェニブに耐性を持たない。あるいは、肝臓癌はソラフェニブに対して一次または二次耐性を示す場合がある。対象は、サフラナールの非存在下でソラフェニブに対するレスポンダーであり得、また、サフラナールの非存在下でソラフェニブに対する非レスポンダーであり得る。一部の実施形態では、対象は、少なくとも1、2、4、6、8、10ヶ月以上続くソラフェニブによる事前治療を受けている。他の実施形態では、対象は、ソラフェニブに対する1つまたは複数の重大な有害な副作用を経験した患者であり、したがって用量の減少を必要とする。
いくつかの実施形態では、肝臓癌は、中間期、進行期、または末期である。肝臓癌は転移性または非転移性であり、切除可能または切除不能であり得る。肝臓癌には、単一の腫瘍、複数の腫瘍、または浸潤性の成長パターンを伴う明確に定義されていない腫瘍(門脈または肝静脈)が含まれ得る。肝臓癌には、線維層板状、偽腺(アデノイド)、多形(巨細胞)、または明細胞の細胞パターンが含まれ得る。肝臓癌には高分化型が含まれる場合があり、腫瘍細胞は肝細胞に類似し、小柱、索、および巣を形成し、および/または細胞質に胆汁色素を含む。肝臓癌には低分化型が含まれる場合があり、悪性上皮細胞は、非粘着性、多形性、未分化、および/または巨大細胞である。いくつかの実施形態では、肝臓癌は、B型肝炎、C型肝炎、肝硬変、または2型糖尿病に関連している場合がある。
いくつかの実施形態では、対象は、米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータスが2以下のヒトである。いくつかの実施形態において、対象は、(i)総ビリルビンが正常の上限(ULN)の1.5倍以下、肝細胞癌のみの患者の場合、総ビリルビンが3mg/dL以下(ビリルビンのChildPughスコアは2以下)であり、(ii)アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアルカリホスファターゼ(ALP)がULNの5倍以下であり、または(iii)許容される腎機能:血清クレアチニンがULNの1.5倍以下、または制度正常の1.5倍を超えるクレアチニンレベルの患者の場合、算出したクレアチニンクリアランスが60mL/min/1.73m2以上である、として定義される許容可能な肝機能を有するヒトである。
いくつかの実施形態において、対象は、(i)絶対好中球数(ANC)≧1500細胞/mm(ii)血小板数≧100,000plts/mm(輸血なし)、肝細胞癌のみの患者の場合、血小板数≧75,000plts/mm、または(iii)ヘモグロビン≧9g/dL、として定義される許容可能な血液学的状態を有するヒトである。
いくつかの実施形態において、対象は、プロトロンビン時間(PT)または国際標準化比(INR)≦1.25×ULN、INR<1.7またはプロトロンビン時間(PT)がULNより上4秒未満(Child-Pughスコアが凝固パラメーターで1以下)、または血清アルブミン>2.8g/dL(アルブミンのChild-Pughスコアは2以下)、を有するヒトである。
併用治療
併用療法または多剤併用療法は、単独の薬剤で行われる療法である単剤療法とは対照的に、複数の薬剤または他の療法を用いる。本発明の一態様において、本明細書で提供されるのは、肝臓癌の治療のための薬物の治療的組み合わせであり、その組み合わせにはサフラナールおよびソラフェニブが含まれる。組み合わせに関する例示的な実施形態では、サフラナールおよびソラフェニブは、両方の化合物を含む単一の医薬組成物に配合される。別の例示的な実施形態では、サフラナールおよびソラフェニブは別の医薬組成物中にある。また、対象に治療量の組み合わせを投与することにより、対象の肝臓癌の重症度を治療、抑制、または軽減する方法が提供される。
いくつかの実施形態において、治療的組み合わせは、サフラナールおよびソラフェニブの特定の組み合わせ(例えば、比率および/または投与スケジュール)を使用することを指す。より具体的には、本発明は、サフラナールおよびソラフェニブが特に有効な比率(例えば、相乗的または相加的を超えて)で投与される肝臓癌を治療するための治療的組み合わせおよび方法を提供する。代表的な実施形態では、サフラナール:ソラフェニブの質量比は、約50:1、40:1、30:1、25:1、20:1、10:1、5:1、2:1、1:2、1:5、1:10、1:20、1:30、1:40、または1:50である。いくつかの実施形態では、比率は少なくとも約1、2、5、10、12、15、20、または50以上である。一部の実施形態では、比率は約5、10、15、20、30、40、50、60、または70未満である。例示的な質量比は約1、2、5、8、10、15、20、25、30、40、及び50である。
サフラナール:ソラフェニブの質量比は、さまざまな期間にわたって考慮されてもよい。例えば、質量比は、1日、1週間、14日、21日、または28日で対象に投与されるサフラナールおよびソラフェニブのそれぞれの量に基づいてもよい。
ソラフェニブの投与量および/または投与スケジュールは、臨床的に承認された、または実験的なガイドラインに従うことができる。様々な実施形態では、ソラフェニブの用量は約800、600、400、200mg/日である。1日200mgを400mgとして1日おきに投与できる。
同様に、サフラナールの投与量および/または投与スケジュールは、臨床的に承認された、または実験的なガイドラインに従うことができる。また、動物実験から得られたデータは、ヒトで使用するためのサフラナールの用量範囲を策定する際に使用できる。例えば、ある動物種での有効な用量は、図13の変換表に示されているように、ヒトを含む別の動物で使用するために外挿でき、ここでは、他の種の体表面積に基づいたヒト等価線量(HED)の用量係数が報告されている(Nair and Jacob、2016)。例示的な実施形態では、サフラナールの用量は、対象の体重1kgあたり約0.001、0.01、0.1、0.5、1、10、15、20、25、50、100、200、300、400、500、600、または750~約1000mg/日の範囲である。特定の実施形態では、サフラナールの用量は、通常対象の体重1kgあたり約100mg/日~約1000mg/日の範囲であり、具体的には約200mg/日~約750mg/日の範囲であり、より具体的には、1kg当たり約250mg/日~約500mg/日の範囲である。一実施形態では、用量は約50mg~約250mg/kg/日の範囲である。さらなる実施形態では、用量は約100mg~約200mg/kgの範囲である。一実施形態では、用量は1kg当たり約15mg/日~60mg/日gの範囲である。さらなる実施形態では、用量は1kg当たり約20mg/日~50mg/日の範囲である。追加の実施形態では、用量は1kg当たり約25mg/日~45mg/日の範囲である。
サフラナールの用量は、選択された比率とソラフェニブの用量に基づいて、治療有効範囲内で設定できる。上述のように、比率は、1日、1週間、14日、21日、または28日間にわたって対象に投与されるソラフェニブの量を使用して決定することができる。
いくつかの実施形態では、サフラナールは、1週間(7日間)にわたって1、2、3、4、5、6、または7回の1日用量が対象に投与される。サフラナールは、14日間にわたって1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14回の1日用量が対象に投与されてもよい。サフラナールは、21日間にわたって1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21回の1日用量が対象に投与されてもよい。サフラナールは、28日間にわたって1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28回の1日用量が対象に投与されてもよい。
様々な実施形態において、サフラナールは次の期間投与される。すなわち2週間(合計14日間)。1週間投与に1週間の休薬期間(合計14日間)、3週間連続投与(合計21日間)、2週間投与に1週間の休薬期間(合計21日間)、1週間投与期間に2週間の休薬期間(合計21日間)、4週間連続投与(合計28日間)、3週間連続投与で1週間の休薬期間(合計28日間)、2週間投与に2週間の休薬期間(合計28日間)、1週間投与に3週間連続で休薬期間(合計28日間)。
さらなる実施形態では、サフラナールは7、14、21または28日の投与サイクルの1日目に投与され、または、21または28日の投与サイクルの1日目と15日目に投与され、または、21または28日の投与サイクルの1、8、および15日目に投与され、または、21または28日サイクルの1、2、8、および15日目に投与される。サフラナールは、1、2、3、4、5、6、7、または8週間ごとに1回投与できる。
一連のサフラナール-ソラフェニブ療法は、臨床的エンドポイントに達するまで継続できる。いくつかの実施形態では、治療は、疾患の進行または許容できない毒性が生じるまで継続される。いくつかの実施形態では、治療は、肝臓癌(例えば、HCC)の非存在下として定義される病理学的完全奏効率を達成するまで継続される。いくつかの実施形態において、治療は、肝臓癌が部分的にまたは完全に緩和するまで継続される。サフラナールとソラフェニブを肝臓癌に罹患した被験者に投与すると、全体的な生存率(OS)、無増悪生存率(PFS)、無病生存率(DFS)、応答率(RR)、生活の質(QoL)、またはその組み合わせが向上する可能性がある。
様々な実施形態では、治療により、肝臓癌腫瘍のサイズおよび/または数が減少する。治療により、肝臓癌腫瘍のサイズおよび/または数の増加を防ぐことができる。治療により、肝臓癌腫瘍の転移を防ぐことができる。
本発明の方法において、サフラナールおよびソラフェニブの投与は、特定の送達システムに限定されず、1つまたは複数の、非経口(皮下、静脈内、髄内、関節内、筋肉内、または腹腔内注射を含む)、直腸、局所、経皮、または経口(カプセル、懸濁液、またはタブレットなど)によるものを含んでもよいが、それに限定されない。個体への投与法は、単回投与または反復投与、および様々な生理学的に許容されるプロドラッグまたは塩の形態のいずれかで、および/または医薬組成物の一部として、許容される医薬担体および/または添加剤とともに、投与し得る。生理学的に許容される塩形態および標準的な医薬製剤技術、投与量、および賦形剤は、当業者に周知である。さらに、ある動物で達成された有効投与量は、当技術分野で知られている変換係数を使用して、ヒトを含む別の動物での使用に外挿することができる。
本発明の併用療法は、特定のコースまたはレジメンに限定されず、別個にまたは他の治療法(例えば、化学療法または放射線療法)と組み合わせて使用することができる。
いくつかの実施形態では、サフラナールは、ソラフェニブの投与前、ソラフェニブと同時投与、ソラフェニブの投与後、またはそれらの組み合わせで投与される。サフラナールは全身投与または局所投与される。
本発明による併用療法は、サフラナールおよびソラフェニブ以外の他の追加の療法(例えば、医薬品、放射線など)を含むことができる。同様に、本発明は、補助療法として(例えば、手術と組み合わせた場合)使用することができる。様々な実施形態において、対象は、外科的切除、経皮エタノールまたは酢酸注射、肝動脈化学塞栓術、経皮的ラジオ波焼灼療法、レーザーアブレーション、冷凍アブレーション、集光外照射定位放射線治療、選択的内部放射線療法、動脈内ヨウ素131リピオドール投与、および/または高強度集束超音波によっても、治療される。
サフラナールとソラフェニブの組み合わせは、アジュバント療法、ネオアジュバント療法、併用療法、コンカレント療法、または緩和療法として使用できる。サフラナールとソラフェニブの組み合わせは、ファーストライン療法、セカンドライン療法、またはクロスオーバー療法として使用できる。
いくつかの実施形態では、ソラフェニブの治療上有効な用量は、サフラナールとの組み合わせにより低減される。たとえば、ソラフェニブの毎日、毎週、または毎月の投与量は、最大推奨用量または最大耐量に対して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減らすことができる。他の実施形態において、ソラフェニブは、サフラナール投与の非存在下で有効であるのに必要な用量より少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上低い有効用量で投与される。いくつかの実施形態において、ソラフェニブのIC50は、サフラナールの非存在下でのIC50と比較して、少なくとも2、4、5、10、20、30、40、50、または100倍減少する。
キット
本発明は、肝臓癌を治療するためのキットも提供する。例えば、キットは、上記のサフラナールおよびソラフェニブの1つまたは複数の医薬組成物を含んでもよい。組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であってもよい。キットを含む他の実施形態では、サフラナールを含む第1の薬学的に許容される組成物、ソラフェニブを含む第2の薬学的に許容される組成物、および必要に応じて肝臓癌の治療に関する指示書を含むキットが提供される。さらに他の実施形態では、1つ以上の医薬組成物およびそのような組成物の投与を達成するための1つ以上の装置を含むキットが提供される。例えば、対象キットは、医薬組成物、および癌への組成物の直接動脈内注射を達成するためのカテーテルを含み得る。一実施形態では、デバイスは動脈内カテーテルである。
実験結果
イン・ビボHCCモデルをオスのWistarラットで誘導し、それぞれソラフェニブのみ、サフラナールのみ、サフラナールおよびソラフェニブの両方で処理された。データ分析は、薬物としてのサフラナールと、アジュバントとについて、肝機能の回復の効率を示した。提示する結果は、細胞周期のサフラナールの抑制的役割、およびサフラナールの新規抗がん剤としての高い可能性を示唆する、そのアポトーシス促進能力も示した。
この研究では、体重約160gのオスWistarラットを使用した。ラットは、アラブ首長国連邦大学医学健康科学部の動物研究施設から提供された。ラットは、24~26℃で12時間の明暗サイクルで飼育し、自由飲食の標準的な実験動物の環境下で維持された。
実験計画
DePeraltaら(2016)およびSchifferら(2005)によって記述されたプロトコルの修正版を、肝発癌モデルを確立するために使用した。図1に示すように、動物は5つのグループに分けられ、各グループは対照区:リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、HCC区、HCC+ソラフェニブ区、HCC+サフラナール区、およびHCC+サフラナール+ソラフェニブ区にラベル付けされ、各区に8匹の動物を用いた。
最初の15週間で、対照区のPBS群は1xPBSで処理されたが、実験グループには、癌を誘発するために広く使用されている化学物質であるジエチルニトロソアミン(DEN、Sigma Aldrich)50mg/kgの腹腔内注射(IP)を週に一度行った。DENは1xPBSで希釈した。1週間の休薬(16週目)後、次の3週間(17~19週目)の治療が開始された。薬物は強制経口投与された。薬物の用量は文献に従って選択された(Alsaied et al.,2014;カラファクオル et al.,2017)。HCC+ソラフェニブ群では、薬剤(Carbosynth Limited)を週5日、10mg/kgの用量で投与した。HCC+サフラナール群では、薬剤(Sigma Aldrich)を週5日間200mg/kgの用量で投与した。HCC+サフラナール+ソラフェニブ群の場合、薬剤はサフラナール200mg/kg+ソラフェニブ10mg/kgの用量で週5日投与した。サフラナールとソラフェニブの両方を1xPBSにTween80を数滴加えたもので希釈した。サフラナールの経口LD50は雄ラットで5.53mL/kgである(Hosseinzadeh et al.,2013)。最後の処理から24時間後、ラットを穏やかなジエチルエーテルで安楽死させ、同じ条件で解剖した。血液と肝臓を収集した。
血液サンプル
ラットを安楽死させた後、断頭により血液を採取し、後の試験のために処理した。血液を収集チューブ(BD Vacutainer)に収集し、1200×gで10分間の遠心分離により血清を分離した。血清を収集し、急速冷凍した後、さらに分析するために-80℃で保存した。
生化学的分析
アラニントランスアミナーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)アッセイは、提供されたプロトコルに従って、市販のキット(Abcam)を使用して実施した。ALTおよびAST活性は、BioTek社のEpochを使用して分光光度法で測定した。
肝臓サンプル
肝臓の一部を速やかに液体窒素で瞬間凍結し、さらに分析するために-80℃で保存した。他の部分は、組織学のために、室温で、10%中性緩衝ホルマリンで保持された。
組織病理学的検査
肝臓サンプルを10%中性緩衝ホルマリンで固定し、一連の段階的エタノールで脱水し、パラフィンブロックに包埋し、厚さ3μmの切片にカットした。病理組織学的変化を検出するために、提供されたプロトコル(Abcam)に従ってヘマトキシリンとエオシン(H&E)、およびレティキュリン染色キットで切片を染色し、光学顕微鏡で検査した(Ozkececi et al.,2016)。組織サンプルの盲検検査は、アラブ首長国連邦のタワム病院の病理学者によって行われた。
ウエスタンブロッティング
0.01g(10mg)の肝臓を、2μlプロテアーゼ阻害剤および2μlホスファターゼ阻害剤(Sigma Aldrich)と混合した200μlのRIPAバッファー(Sigma Aldrich)を使用してホモジナイズし、4℃、15,000rpmで15分間遠心分離した。全細胞溶解物を採取し、-80℃で保存した。タンパク質濃度は、Promega GloMax Discoverを備えたPierce BCA Protein Assay Kitで測定した。合計35μgのタンパク質をドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動ゲルにロードした。次いで、ゲルをポリフッ化ビニリデン膜に移し、膜をTBST中の5%BSAにて室温で1時間ブロックした。膜を抗増殖細胞核抗原(PCNA)、抗PolyADPリボースポリメラーゼ(PARP)、抗カスパーゼ-3(Cell Signaling Technology Inc.)、抗カスパーゼ-9(Novus Biologicals)、抗Bax、抗Bcl-2(サンタクルーズ)、抗Cdk1、抗Cyclin B1、抗Cdc25B(Cell Signaling Technology Inc.)にて4℃で一晩インキュベートした。次にHRPコンジュゲート二次、抗マウス、または抗ウサギ、抗体(Cell Signaling Technology Inc.)にて室温で1時間インキュベートした。すべての一次抗体および二次抗体は、5%BSA含有TBSTで希釈した。得られたブロットを、抗体検出のために、WesternSure PREMIUM化学発光基質でインキュベートした。Bio-Rad ChemiDoc XRS+システムを使用してシグナルを視覚化し、ImageJを使用してバンド密度と定量化を行った(Amin et al.,2011)。総タンパク質をローディングコントロールとして使用し、これをSYPRO Rubyタンパク質ゲル染色を使用して提供されたプロトコル(Thermo Fisher Scientific)に従って染色した(Aldridge et al.,2008;Hu et al.,2016)
ローディングコントロールとしての総タンパク質
技術的な理由により、本試験では、GAPDH、β-チューブリン、β-アクチンなどの他の一般的なマーカーの代わりに、総タンパク質をローディングコントロールとして使用した。2003年に公開された研究では、正常、肝硬変、およびHCC組織の肝臓サンプルを使用して、ハウスキーピング遺伝子を検査した。10個の内部コントロールが使用され、その発現はRT-PCRを用いて決定された。結果は、すべての内部コントロール遺伝子が2倍以上変化し、GAPDHやβ-アクチンなどの一般的に使用される遺伝子は、腫瘍組織で正確には7~23倍変化することを示した(Kim&Kim,2003)。その後、次の研究でこの問題の代替方法を探した。単一のタンパク質ではなく総タンパク質の量に応じた総タンパク質は、各種の一般的なハウスキーピングタンパク質と比較して、結腸直腸癌およびHCCのより良い対照区として機能した。また、ローディング量に応じた信号の直線性のテストでは、総タンパク質で維持されたが、他のハウスキーピングタンパク質では失われた(Aldridge et al.,2008;Hu et al.,2016)。すべて内部コントロールに共通する技術的な問題により、Aldridge等によって言及されたプロトコル(2008)and Hu et al.(2016)を用いた。
結果
いくつかの酵素が肝細胞から血液に放出され、肝臓機能の効率をテストするために血清で測定されるが、ALTとASTは最も一般的な酵素である。肝臓の損傷がひどいほど、血清レベルが高くなる。よって、これらは肝障害の最良のマーカーと考えられている(Liu et al.,2012)。血清に加えて、肝臓組織全体が収集され、さらなる組織学的および免疫ブロット分析のために適切に保存された。組織学的検査では、顕微鏡を使用した最終イメージングのために肝臓組織を処理および染色した(Martin、2015)。特定の経路のマーカーを検出するためには、選択されたタンパク質をウエスタンブロッティングの標的にした。
生化学的分析
表1に示すように、ALT(P<0.05)およびASTレベルは、対照群と比較してHCC群で上昇しており、肝障害を示した。サフラナールおよびサフラナール+ソラフェニブの両方による処理は、HCC群と比較して、治療群のALTレベルを有意に低下させた(P<0.05)。サフラナールと併用処理によって、ソラフェニブ単独(HCC+ソラフェニブ)と比較して有意な減少(P<0.05)が見られた。値は、グループあたり6匹のラットの平均±SEMとして表される(n=6)。活性は、ALTおよびASTのmU/mlとして表される。有意性は、一元配置分散分析とその後のTukeyの事後検定によって決定された(a:対PBS、b:対HCC、c:対HCC+ソラフェニブ;P<0.05)。
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結果は表1に示すように、サフラナールによる処理は、HCC群と比較してALTの上昇を減少させ(P<0.05)、特にサフラナール単独および併用群(HCC+サフラナール+ソラフェニブ)はソラフェニブ単独よりも高い効率(P<0.05)を示した。これは、肝臓癌におけるサフラナールの有効性と併用療法の可能性を強く示している。ALTは肝臓でのみ見られる診断用酵素であり、ASTは肝臓だけでなく筋肉でも見られるため、ASTのわずかな変化は説明できる。ASTはALTの2倍の速さで肝臓から除去されるため、肝障害後のALTレベルはASTよりも増加する(Lui、2018)。
DEN誘発ラット肝腫瘍に対するサフラナールの抗腫瘍活性および抗増殖活性
総肝臓サンプル
図2には、サフラナールの抗腫瘍効果を示す20週目の肝臓の代表的な画像が含まれている(n=6)。対照ラットから摘出された肝臓全体(PBS)、未処置のラットのDEN誘発肝腫瘍(HCC群)またはソラフェニブ(HCC SB)、サフラナール(HCC SF)単独または併用(HCC SF SB)の処理区に分けた。対照区のPBS肝臓は、肉眼的病変のない正常な肝臓構造と色を示した。処理によって、HCC群の肝臓と比較して「損傷した肝臓のレベルが低い」ことを示した。DENは、HCC動物の病変および肝臓の粗い表面を引き起こし、肝臓の色の異常を引き起こした。HCCラットの薬物処理により、さまざまな程度に正常な肝臓構造を回復し、薬物処理群で病変が明らかに少なくなった。
図3は、未処理(HCC群)またはソラフェニブ(HCC+SB)、サフラナール(HCC+SF)単独または併用(HCC+SF+SB)処理したラットのDEN誘発肝腫瘍からの肝結節の数の定量分析結果を示す。有意性は、一元配置分散分析に続いてTukeyの事後検定によって決定された(P<0.05)。サフラナール(HCC+サフラナール)およびサフラナールとソラフェニブの両方(HCC+サフラナール+ソラフェニブ)による処理は、HCC動物と比較して病変を減少させた。
組織学
図4は、ヘマトキシリンおよびエオシン染色切片の代表的な画像を示す(矢印はAHFの代表領域を指す)n=6。区分けは対照区(PBS)、DEN誘発肝腫瘍未処理区(HCC)ソラフェニブ(HCC SB)、サフラナール(HCC SF)単独もしくはその併用(HCC SF SB)処理区に分けた。組織および細胞の構造は、染色により視認する必要がある。細胞成分は通常、区別と分析のために異なる色で染色される。ヘマトキシリンは核酸(核)を青色で染色する。エオシンはタンパク質(細胞質)をピンク色で染色する。この染色により、構造および機能に関する豊富な情報が明らかになる(Fischer et al.,2008)。肝臓の正常な構造と組織学では、対照群に見られるように、肝臓が六角形の小葉に組織化され、中心静脈が小葉中心にある。肝細胞は、中心静脈から放射状に広がる単一細胞の厚いプレートに配置される。本研究で開発された動物モデルでは、主にDEN誘発群の肝臓に肉眼で見える結節が観察された(図2参照)。DEN誘発群のラットの肝臓の顕微鏡組織検査では、肝細胞病巣(AHF)の変化などの明確な腫瘍性変化が示された。なお本研究では、AHFは、染色特性が変化した肝細胞の輪郭が描かれた領域として区別される。単独またはソラフェニブと組み合わせたサフラナールによる処理により、DEN処理群において正常な肝臓構造を回復することを促進するようである。
図5は、DEN誘発肝腫瘍未処理(HCC)、ソラフェニブ(HCC+SB)、サフラナール(HCC+SF)単独およびその併用(HCC+SF+SB)処理ラットの組織学の腫瘍病巣の領域の定量分析を示す。有意性は、一元配置分散分析に続いてTukeyの事後検定によって決定された(P<0.05)。分析結果から、サフラナール単独またはソラフェニブとの併用により、DEN処理の肝臓の正常な構造の回復を促進することが示された(P<0.05)。
レティキュリン染色
図6は、レティキュリン染色切片の代表的な光学顕微鏡画像を示す(矢印はレティキュリン繊維を指す)。切片は、対照区のラット(PBS)、未処置のラットのDEN誘発肝腫瘍区(HCC)またはソラフェニブ(HCC SB)、サフラナール(HCC SF)単独およびその併用(HCC SF SB)処理区から採取した。対照区のPBS肝臓は、正常な肝臓形態と明確な網状線維を示している。HCC動物の肝臓切片は、DENにより肝腫瘍を示す網状線維の破損を引き起こしたことを示し、ソラフェニブ単独(HCC+ソラフェニブ)で処理された動物の肝臓と比較してサフラナール(HCC+サフラナール)およびサフラナールとソラフェニブ(HCC+サフラナール+ソラフェニブ)の処理により、網状線維の破損が減少し、HCC群と比較して形態が回復し、レティキュリン繊維の束はより完全な形状を保ち、病変部位が小さくなったことを示す。
サフラナールの増殖阻害効果
図7のウエスタンブロットの結果に示されるように、サフラナールは、誘発された肝腫瘍の増殖を阻害する。図7Aは、未処理ラット(HCC群)またはソラフェニブ(HCC SB)、サフラナール(HCC SF)単独およびその併用(HCC SF+SB)処理したラットのDEN誘発肝腫瘍における増殖関連タンパク質(PCNA)のウエスタンブロット分析結果を示す。図7Bでは、各バンド強度はImageJを使用して定量化され、肝臓からの総タンパク質に対して正規化された。結果は、各グループのn=4匹の動物の平均±標準偏差として表される。有意性は、一元配置分散分析、続いてTukeyの事後検定を用いて決定した(P<0.05)。結果は、PCNAは対照動物と比較してDEN誘発肝臓動物で有意に(P<0.05)増加したが、サフラナール(P<0.05)およびサフラナールとソラフェニブの両方による処理(P<0.05)によりPCNAを有意に減少したことを示した。
細胞周期の進行へのサフラナールの効果
DEN誘発ラット肝腫瘍において、サフラナールに媒介される細胞周期効果の原因となる経路を検討するために、細胞周期関連タンパク質の発現レベルを調べた。Cdk1、サイクリンB1、Cdc25Bのウエスタンブロットの結果(図8)は、対照動物と比較して、HCC動物で有意に(P<0.05)増加していることを示した。(HCC+サフラナール)および(HCC+サフラナール+ソラフェニブ)群の処理は、HCC動物と比較してそのレベルを優位に低下させた(P<0.05)。サフラナール(HCC+サフラナール)および併用薬(HCC+サフラナール+ソラフェニブ)による処理は、ソラフェニブ単独(HCC+ソラフェニブ)による処理よりも大幅に減少した(図9)。特定の理論に縛られることなく、サフラナールは、併用処理群の細胞周期関連タンパク質の発現をさらに減少させることにより、ソラフェニブの効果に対して肝細胞を感作する可能性がある。これらの結果は、サフラナールが薬物処理肝細胞のG2/M細胞周期停止を引き起こすことを示唆している。
サフラナールのアポトーシス効果
DEN誘発ラット肝腫瘍細胞において、サフラナールによって媒介されるアポトーシスの原因となる経路を検討するために、アポトーシス関連タンパク質の発現レベルを図10のウエスタンブロットで調べた。その結果、アポトーシス促進タンパク質Baxの発現は、HCC群と比較して、サフラナール処理によって有意に(P<0.05)増加し、抗アポトーシスタンパク質Bcl-2の発現を有意に(P<0.05)減少した。Bax/Bcl-2比は、DEN誘発ラット肝腫瘍におけるサフラナールによるアポトーシス効果を支持していた(P<0.05)(図11)。
サフラナールのアポトーシス効果をさらに調査するためのウエスタンブロット分析では、プロカスパーゼ-9、プロカスパーゼ-3、およびPARPの結果が、カスパーゼカスケードの活性化とPARPの切断を示した。PARPは、サフラナール(P<0.05)およびサフラナール+ソラフェニブの両方(各P<0.05)で処理した後、HCC群と比較して有意に減少した(図12)。興味深いことに、サフラナールは、サフラナールとソラフェニブの両方で処理された動物群におけるソラフェニブ誘発PARP切断を助けるように思われた。
遺伝子発現研究
32884個のシーケンシングされた遺伝子の全データセットから、2400個の遺伝子をランダムに選択して、階層クラスター分析により異なるグループ間の全体的な発現パターンを示した。図14は、すべての群の遺伝子発現プロファイルのヒートマップを示す。階層クラスター分析結果は、各群の3回の平均値を表す。生データは集約され、単位分散スケーリングが適用された。グループは、最大距離と完全なリンケージによってクラスター化された。発現レベルは、高発現の場合は赤、低発現の場合は灰色とした。この分析では、予想通り実験動物群/癌誘発動物は対照PBSグループから切り離され、グループ全体にわたって視覚的に区別可能なパターンが示された。ソラフェニブ処理群(HCC+ソラフェニブ)とサフラナールとソラフェニブの併用処理群(HCC+サフラナール+ソラフェニブ)ではクラスター化し、残るHCC群とサフラナール処理群(HCC+サフラナール)が近縁となった。カラーコードの助けを借りて、サフラナール処理群(HCC+サフラナール)の遺伝子パターンと他の動物群の違いは非常に顕著であった。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、以下の用語は、文脈が特に必要としない限り、次の意味を持つものとする。
本明細書で使用される「治療(treatment)」という用語は、癌に罹患した患者への薬物の投与を指すと理解される
本明細書で使用される「治療有効量(therapeutically effective amount)」という用語は、例えば研究者または臨床医によって求められている組織、システム、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する薬物または医薬品の量を意味する。さらに、「治療有効量」という用語は、そのような量を受けていない対応する対象と比較して、疾患、障害、または副作用の改善された治療、治癒、予防、または改善、または、疾患または障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。この用語には、正常な生理機能を強化するのに効果的な量もその範囲内に含まれる。
本明細書で例えば、比、用量、時間などの範囲を説明するために使用される「約」という用語は、関連する誤差範囲内、本質的に同じ(例えば、技術的に許容される信頼区間内など)の変動を包含する正規分布またはガウス分布に従う現象の95%など)、またはその他の方法では、定量化されるものの効果を実質的に変更しない。
本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、対象への投与後に代謝され、生物学的効果を有する薬物を生成する、薬物の不活性形態として定義される。

Claims (19)

  1. サフラナールまたはその薬学的に許容されるプロドラッグ、およびソラフェニブを含む、肝臓癌治療の薬物の治療的組み合わせであって、前記プロドラッグが、前記サフラナールの塩、水和物、ヘミアセタール、アセタール、チオアセタール、シリルエーテル、互変異性体、異性体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、該薬物の治療的組み合わせ
  2. 前記サフラナールおよびソラフェニブが、同じ単一の医薬組成物に配合される、請求項1に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  3. 前記サフラナールおよびソラフェニブが、別々の医薬組成物である、請求項1に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  4. 対象における肝臓癌の重症度を治療、抑制、または軽減するためのものである、請求項1に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  5. 前記肝臓癌が、肝細胞癌(HCC)、線維層板状HCC、胆管癌、血管肉腫、転移性肝臓癌、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  6. 前記肝臓癌が肝細胞癌である、請求項に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  7. 対象に投与する、サフラナール:ソラフェニブの質量比が約50:1~約1:1の範囲であるものとされた、請求項に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  8. 対象に投与する、サフラナール:ソラフェニブの質量比が約25:1~約1:1の範囲であるものとされた、請求項に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  9. サフラナール:ソラフェニブの質量比が、対象に1日、1週間、14日、21日、または28日投与する前記サフラナールおよびソラフェニブの量に基づくものとされた、請求項に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  10. 前記サフラナールまたはそのプロドラッグの投与量が、対象の体重1kgあたり約10mg/日~約1000mg/日であるものとされた、請求項4に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  11. 前記サフラナールまたはそのプロドラッグの投与量が、対象の体重1kgあたり約200mg/日~約750mg/日であるものとされた、請求項4に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  12. 前記サフラナールまたはそのプロドラッグの投与量が、対象の体重1kgあたり約250mg/日~約500mg/日であるものとされた、請求項に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  13. 前記サフラナールが、ソラフェニブの前、ソラフェニブと同時に、またはソラフェニブの後に対象に投与されるものとされた、請求項に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  14. 前記ソラフェニブの対象への投与量が約800、600、400、または200mg/日であるものとされた、請求項に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  15. 前記ソラフェニブが、サフラナール非投与下で必要な用量の50%以上90%以下の有効投与量で投与されるものとされた、請求項に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  16. 前記肝臓癌がソラフェニブに対して一次または二次耐性を有する、請求項4に記載の薬物の治療的組み合わせ。
  17. サフラナールの薬学的に許容される第1の組成物、ソラフェニブの第2の医薬組成物、および肝臓癌の治療のための第1の組成物および第2の組成物の投与に関する指示書を含む、肝臓癌の治療用キット。
  18. 前記肝臓癌が、肝細胞癌(HCC)、線維層板状HCC、胆管癌、血管肉腫、転移性肝臓癌、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載のキット。
  19. 前記肝臓癌が肝細胞癌である、請求項17に記載のキット。
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