JP7294465B2 - クランプ及びクランプ付ワイヤハーネス - Google Patents
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Description
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、振動を減衰させることのできるクランプ及びクランプ付ワイヤハーネスを提供することにある。
ワイヤハーネス10は、2個又は3個以上の電気機器(機器)を電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、ハイブリッド車や電気自動車等の車両の前部に設置されたインバータ11と、そのインバータ11よりも車両の後方に設置された高圧バッテリ12とを電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、車両の床下等を通るように配索される。インバータ11は、車両走行の動力源となる車輪駆動用のモータ(図示略)と接続される。インバータ11は、高圧バッテリ12の直流電力から交流電力を生成し、その交流電力をモータに供給する。高圧バッテリ12は、例えば、数百ボルトの電圧を供給可能なバッテリである。
保持部50は、全体として、外装部材30に外嵌可能な大きさの筒状(ここでは、円筒状)をなしている。保持部50は、互いに係止可能とされたロック部51と被ロック部52との係止を解除することにより、保持部50を開いた状態にすることができる。保持部50を開くことにより、保持部50の内側にワイヤハーネス10を嵌合することができる。また、クランプ40では、保持部50を閉じることにより、保持部50の内側にワイヤハーネス10を保持することができる。クランプ40では、ロック部51と被ロック部52とが係止することにより、保持部50が閉じた状態でロックされる。このように保持部50がロックされた状態では、保持部50が外装部材30の外周を全周に亘って包囲し、その部分に対して保持部50が所定の締め付け力を作用させることができるようになっている。このため、保持部50がロックされると、保持部50によってワイヤハーネス10(具体的には、外装部材30)が保持される。なお、保持部50がロックされた状態では、例えば、保持部50の内周面の少なくとも一部が、外装部材30の外周面に接触している。
(1)支軸80の基端が接続される土台部70の第2面70Bに、その第2面70Bから係止部81側に突出する振動抑制部材100を設けるようにした。この構成によれば、支軸80の先端に形成された係止部81がパネル200に係止されたときに、土台部70よりも弾性率の低い振動抑制部材100をパネル200の取付面200Aに接触させることができる。ここで、車両走行時等に車体のパネル200に振動が発生した場合には、振動抑制部材100が弾性変形し、その振動抑制部材100の変形量及び変形速度によって振動エネルギーを吸収することができる。これにより、クランプ40からワイヤハーネス10に伝わる振動を減衰させることができる。この結果、振動に伴う電線20の断線やクランプ40の破損といった問題の発生を抑制することができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
例えば図6に示すように、土台部70の第2面70Bに、断面視矩形状の溝部70Yを形成するようにしてもよい。この場合には、溝部70Yに振動抑制部材110の一部が嵌合される。この振動抑制部材110は、例えば、平面視矩形状の断面を有する形状に形成されている。図6に示した例では、振動抑制部材110のうち土台部70の第2面70Bよりも係止部81側に突出する部分が断面視半円状に形成されている。但し、振動抑制部材110のうち土台部70の第2面70Bよりも係止部81側に突出する部分を断面視矩形状に形成してもよい。すなわち、振動抑制部材110全体の断面形状を矩形状に形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、溝部70X及び振動抑制部材100を環状に形成するようにしたが、これに限定されない。
・上記実施形態では、土台部70の第2面70Bに溝部70Xを形成し、その溝部70Xに振動抑制部材100の一部を嵌合させることにより、振動抑制部材100を土台部70に取り付けるようにしたが、これに限定されない。
・図10に示した変更例において、スペーサ140の外周面と外装部材30の内周面との間に隙間が存在していてもよい。
・上記実施形態では、ばね部90を支軸80と一体的に形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、ばね部90を、支軸80とは別部品で構成するようにしてもよい。この場合には、例えば、一対の半割筒部によってばね部90を構成し、それら一対の半割筒部を支軸80を間に挟んだ状態で合体させることにより、支軸80の外周を包囲するばね部90を形成するようにしてもよい。
・上記実施形態における保持部50の形状は特に限定されない。保持部50は、ワイヤハーネス10を保持可能な形状であれば、その形状は特に限定されない。
・上記実施形態のワイヤハーネス10に取り付けられる複数のクランプ40は、全て同じ構造を有する必要はない。例えば、3つのクランプ40のうち1つのみが振動抑制部材100を有する構造を採用し、残りの2つが振動抑制部材100を有さない構造を採用してもよい。
・上記実施形態では、外装部材30の内部に挿通される電線20が2本であったが、特に限定されるものではなく、車両の仕様に応じて電線20の本数は変更することができる。例えば、外装部材30の内部に挿通される電線は、1本であってもよいし、3本以上であってもよい。例えば、外装部材30に挿通される電線として、低圧バッテリと各種低電圧機器(例えば、ランプ、カーオーディオ等)とを接続する低圧電線を追加した構成としてもよい。また、低圧電線のみであってもよい。
・車両におけるインバータ11と高圧バッテリ12の配置関係は、上記実施形態に限定されるものではなく、車両構成に応じて適宜変更してもよい。
Claims (9)
- ワイヤハーネスを保持する保持部と、
前記保持部の外周面の一部に設けられ、被固定部に固定される固定部と、を有し、
前記固定部は、
前記保持部側に向く第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する土台部と、
前記土台部の前記第2面から前記保持部と離間する方向に延びる支軸と、
前記支軸の先端に設けられ、前記被固定部に係止可能に形成された係止部と、
前記土台部よりも弾性率の低い材料からなり、前記土台部の前記第2面から前記係止部側に突出する振動抑制部材と、を有し、前記土台部は、前記保持部と一体に形成されていて、
前記支軸の外周を全周に亘って包囲する筒状のばね部を更に有し、
前記ばね部は、前記支軸よりも弾性率が低い材料からなるクランプ。 - 前記ばね部は、前記支軸の外周を前記支軸の延出方向の全長に亘って包囲するように形成されている請求項1に記載のクランプ。
- 前記支軸は、円柱状に形成されており、
前記ばね部は、円筒状に形成されており、
前記振動抑制部材は、平面視において前記ばね部の外周を囲む円環状に形成されている請求項1又は請求項2に記載のクランプ。 - ワイヤハーネスを保持する保持部と、
前記保持部の外周面の一部に設けられ、被固定部に固定される固定部と、を有し、
前記固定部は、
前記保持部側に向く第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する土台部と、
前記土台部の前記第2面から前記保持部と離間する方向に延びる支軸と、
前記支軸の先端に設けられ、前記被固定部に係止可能に形成された係止部と、
前記土台部よりも弾性率の低い材料からなり、前記土台部の前記第2面から前記係止部側に突出する振動抑制部材と、を有し、前記土台部は、前記保持部と一体に形成されていて、
前記土台部の前記第2面には、溝部が形成されており、
前記振動抑制部材の一部が前記溝部に嵌合されているクランプ。 - ワイヤハーネスを保持する保持部と、
前記保持部の外周面の一部に設けられ、被固定部に固定される固定部と、を有し、
前記固定部は、
前記保持部側に向く第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する土台部と、
前記土台部の前記第2面から前記保持部と離間する方向に延びる支軸と、
前記支軸の先端に設けられ、前記被固定部に係止可能に形成された係止部と、
前記土台部よりも弾性率の低い材料からなり、前記土台部の前記第2面から前記係止部側に突出する振動抑制部材と、を有し、前記土台部は、前記保持部と一体に形成されていて、
前記土台部の平面形状は、前記係止部の平面形状よりも大きく形成されており、
前記振動抑制部材は、前記係止部よりも平面形状の大きい貫通穴を有する環状に形成されているクランプ。 - 前記振動抑制部材は、複数の分割体を有し、
前記複数の分割体は、前記土台部の前記第2面において互いに離間して設けられている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のクランプ。 - ワイヤハーネスを保持する保持部と、
前記保持部の外周面の一部に設けられ、被固定部に固定される固定部と、を有し、
前記固定部は、
前記保持部側に向く第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する土台部と、
前記土台部の前記第2面から前記保持部と離間する方向に延びる支軸と、
前記支軸の先端に設けられ、前記被固定部に係止可能に形成された係止部と、
前記土台部よりも弾性率の低い材料からなり、前記土台部の前記第2面から前記係止部側に突出する振動抑制部材と、を有し、前記土台部は、前記保持部と一体に形成されていて、
前記振動抑制部材のうち前記土台部の前記第2面から前記係止部側に突出された部分が断面視半円状に形成されているクランプ。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のクランプと、
前記保持部に保持される前記ワイヤハーネスと、を有するクランプ付ワイヤハーネス。 - 前記ワイヤハーネスは、
電線と、
前記電線が内部に収容され、外周が前記保持部によって包囲された外装部材と、
前記保持部によって包囲された部分の前記外装部材の内部空間に設けられたスペーサと、を有し、
前記スペーサは、前記電線の外周面と前記外装部材の内周面との間の空間を埋めるように形成されている請求項8に記載のクランプ付ワイヤハーネス。
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