JP7294220B2 - ピストンリング機構 - Google Patents

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Description

本発明は、ピストンリング機構に関する。
ピストンリングの張力調整機構を開示した先行文献として、特開平10-292864号公報(特許文献1)および特開2004-339976号公報(特許文献2)がある。特許文献1および2に記載されたピストンリングの張力調整機構においては、ロッドによってピストンリングを半径方向外側に押圧することにより、ピストンリングの張力を高くする。
特開平10-292864号公報 特開2004-339976号公報
ロッドによってピストンリングを押圧する構造の場合、ピストンリングの周方向における張力分布が不均一となり、フリクション増大による燃費の悪化もしくはピストンリングの偏摩耗が起こることがある。また、ピストンリングの張力調整機構が動作しなくなった場合、潤滑油の掻き落とし性能が不足して潤滑油の消費量が増加する可能性がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ピストンリングの周方向における張力分布が不均一になることを抑制しつつピストンリングの張力を調整するとともに、動作不能になった場合においても潤滑油の消費量の増加を抑制することができる、ピストンリング機構を提供することを目的とする。
本発明の第1局面に基づくピストンリング機構は、ピストンリングと、ピストンリングの張力を変更可能な牽引機構とを備える。ピストンリングは、外側リングと、コイルエキスパンダとワイヤとを含む。外側リングは、円筒形状を有するピストンの外周面において周方向に延在するリング溝の内部に装着されている。コイルエキスパンダは、リング溝の内部に収容されて外側リングの内周を押圧し、らせん状に巻かれたコイル形状を有するとともに合口を有する。ワイヤは、コイル形状の内側を挿通し、合口から引き出されている引出端部を有する。牽引機構は、コイルエキスパンダの内周側に位置し、合口から引出端部を引き込むことによりワイヤを介してコイルエキスパンダを縮径させることによって、ピストンリングの張力を低下させる。
本発明の一形態においては、ピストンリング機構は、アダプタをさらに備える。アダプタは、合口に設けられ、コイル形状の内側からコイルエキスパンダの内周側に向けて引出端部を引き出す連通路を有する。
本発明の一形態においては、ピストンが上記円筒形状の軸方向の一方に向けて移動している際に、牽引機構が動作し、ピストンが上記円筒形状の軸方向の他方に向けて移動している際に、牽引機構が停止している。
本発明の第2局面に基づくピストンリング機構は、ピストンリングと、ピストンリングの張力を変更可能な牽引機構とを備える。ピストンリングは、外側リングと、コイルエキスパンダと、第1ワイヤと、第2ワイヤとを含む。外側リングは、円筒形状を有するピストンの外周面において周方向に延在するリング溝の内部に装着されている。コイルエキスパンダは、リング溝の内部に収容されて外側リングの内周を押圧し、らせん状に巻かれた第1コイルおよびらせん状に巻かれた第2コイルが周方向に互いに隙間をあけて並んで配置されて構成されている。第1ワイヤは、第1コイルの内側を挿通し、上記隙間から引き出されている第1引出端部を有する。第2コイルは、第2コイルの内側を挿通し、上記隙間から引き出されている第2引出端部を有する。牽引機構は、コイルエキスパンダの内周側に位置し、上記隙間から第1引出端部および第2引出端部を引き込むことにより第1ワイヤおよび第2ワイヤの各々を介してコイルエキスパンダを縮径させることによって、ピストンリングの張力を低下させる。
本発明によれば、ピストンリングの周方向における張力分布が不均一になることを抑制しつつピストンリングの張力を調整できるとともに、動作不能になった場合においても潤滑油の消費量の増加を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構を備える内燃機関の構成を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構が備えるピストンリングの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構の構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構において、牽引機構によってコイルエキスパンダの引出端部を引き込んでいる状態を示す断面図である。 図4のV部を拡大して示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構において、牽引機構が動作している状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構において、牽引機構が動作不能となっている状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係るピストンリング機構において、牽引機構によってコイルエキスパンダの引出端部を引き込んでいる状態を示す断面図である。
以下、本発明の各実施の形態に係るピストンリング機構について図面を参照して説明する。以下の実施の形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構を備える内燃機関の構成を示す部分断面図である。図1においては、シリンダのみ断面視して示している。図1に示すように、本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構を備える内燃機関1は、シリンダ10と、ピストン20と、コネクティングロッド30と、ピストンリング101とを含んでいる。
シリンダ10は、円筒形状の内周面を有している。シリンダ10は、その内部に形成されたシリンダボア内に、ピストン20を収容している。
ピストン20は、円筒体であり、円筒形状を有する外周面を有している。ピストン20は、シリンダ10の内部を円筒状のシリンダ10の軸方向に往復運動可能に設けられている。ピストン20は、ピストン20の外周面において周方向に延在する複数のリング溝21を有している。複数のリング溝21は、ピストン20の軸方向において互いに隙間をあけて位置している。本実施の形態においては、3つのリング溝21がピストン20に形成されている。
コネクティングロッド30とピストン20とは、ピストンピン22により互いに接続されている。コネクティングロッド30における、ピストン20と接続される側とは反対側は、図示しないクランクシャフトと接続されている。コネクティングロッド30は、クランクシャフトの回転運動をピストン20の往復運動に変換する。
本実施の形態に係る内燃機関1は、ピストンリング101として、トップリング101t、セカンドリング101sおよびオイルリング101oを有している。ピストン20の軸方向の上端側から順に、トップリング101t、セカンドリング101sおよびオイルリング101oが配置されている。
トップリング101tは、主にガスの漏れを防止するためのものである。オイルリング101oは、主に潤滑油を掻き落とすためのものである。セカンドリング101sは、トップリング101tのガスシール機能を補助するとともに、オイルリング101oの潤滑油掻き落とし機能を補助するために設けられている。
図2は、本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構が備えるピストンリングの構成を示す断面図である。図3は、本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構の構成を示す平面図である。図2においては、ピストン20が下降している状態を示している。
図2および図3に示すように、ピストンリング機構100は、ピストンリング101と、ピストンリング101の張力を変更可能な牽引機構150とを備えている。
ピストンリング101は、外側リング110と、コイルエキスパンダ120と、ワイヤ130とを含んでいる。図3に示すように、本実施の形態においては、ピストンリング101は、アダプタ140をさらに含んでいる。
外側リング110は、リング溝21の内部に装着されている。外側リング110は、外側リング110の端部同士が互いに隙間をあけて対向している合口110aを有している。外側リング110は、円形の一部が合口110aにて切れたC字形状の外形を有している。合口110aは、外側リング110の熱膨張を合口110aの隙間により吸収する機能を有している。外側リング110は、外側リング110の径方向の外側へ向かう張力を発生する。
図2に示すように、外側リング110の外周には、ピストン20の軸方向において互いに間隔をあけて位置する上側摺接部110tおよび下側摺接部110bが形成されている。上側摺接部110tおよび下側摺接部110bの各々は、ピストン20の下降時にシリンダ10の内周面と摺接することにより、シリンダ10の内周面に付着している潤滑油40を掻き落とす。掻き落とされた潤滑油40は、図示しないクランクケース側へ移動する。
外側リング110の内周には、コイルエキスパンダ120が組み付けられる凹部が形成されている。外側リング110には、外側リング110の周方向に互いに間隔をあけて複数の油孔110hが形成されている。複数の油孔110hの各々は、外側リング110の外周において上側摺接部110tと下側摺接部110bとの間の位置から外側リング110の内周の凹部まで連続している。上側摺接部110tによって掻き落とされた潤滑油40は、複数の油孔110hの各々を通流してクランクケース側へ移動可能である。
図3に示すように、コイルエキスパンダ120は、金属製の線材がらせん状に巻かれたコイル形状を有している。直線状に延在するコイルエキスパンダ120が、外側リング110の内周に沿って円環状に曲げられて組み付けられている。コイルエキスパンダ120は、上記コイル形状の端部同士が互いに隙間をあけて対向している合口120aを有している。
図2に示すように、コイルエキスパンダ120は、リング溝21の内部に収容されて外側リング110の内周を押圧する。コイルエキスパンダ120の押圧力は、コイルエキスパンダ120が円環状から直線状に戻ろうとする復元力によって発生している。
図3に示すように、ワイヤ130は、コイルエキスパンダ120のコイル形状の内側を挿通し、合口120aから引き出されている引出端部130eを有している。引出端部130eは、1本のワイヤ130の両端部である。本実施の形態においては、引出端部130e同士が互いに交差している。図2に示すように、ワイヤ130は、後述するように牽引機構150によって引き込まれていない状態においては、コイルエキスパンダ120のコイル形状の略中心軸上に位置している。ワイヤ130は、金属製の線材で構成されている。なお、ワイヤ130とコイルエキスパンダ120との摺動抵抗を低減するために、ワイヤ130の表面は、テフロン(登録商標)などによって被覆されていてもよい。
図4は、本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構において、牽引機構によってコイルエキスパンダの引出端部を引き込んでいる状態を示す断面図である。図5は、図4のV部を拡大して示す断面図である。図4および図5においては、外側リング110を図示していない。
図4および図5に示すように、アダプタ140は、合口120aに設けられている。アダプタ140は、コイルエキスパンダ120のコイル形状の内側からコイルエキスパンダ120の内周側に向けて引出端部130eを引き出す連通路142を有している。
具体的には、アダプタ140は、コイルエキスパンダ120の上記コイル形状の端部同士の間に挟まれて位置している。アダプタ140の連通路142は、コイルエキスパンダ120の上記コイル形状の端部同士の間をコイルエキスパンダ120の周方向に延在する部分と、当該部分と連続してコイルエキスパンダ120の径方向内側に延在する部分とから構成されている。アダプタ140は、コイルエキスパンダ120の全周が外側リング110の内周の凹部と接するように、コイルエキスパンダ120の外径より内側に位置するように構成されている。アダプタ140は、自己潤滑性、耐油性および耐熱性を有するポリアセタールなどの樹脂で構成されている。
図3~図5に示すように、牽引機構150は、コイルエキスパンダ120の内周側に位置しており、コイルエキスパンダ120の合口120aから引出端部130eを引き込む。
本実施の形態においては、牽引機構150は、牽引部151および接続部152を含んでいる。接続部152は、コイルエキスパンダ120の引出端部130eに接続されている。なお、引出端部130eと接続部152との接続方法は、引出端部130eを接続部152により囲い込んで噛み合わせるなど、いずれの方法でもよい。牽引部151は、接続部152に接続されており、コイルエキスパンダ120の径方向内側に向けて接続部152を牽引可能である。牽引部151の構成としては、リンク機構、油圧シリンダまたは電気ソレノイドなどを用いることができる。
牽引機構150がアダプタ140を通じて合口120aから引出端部130eを引き込むことにより、ワイヤ130が図5中の矢印方向に移動し、ワイヤ130の周長が短くなる。その結果、コイルエキスパンダ120は、ワイヤ130によって内周側に引き寄せられつつ縮径する。このように、牽引機構150は、ワイヤ130を介してコイルエキスパンダ120を縮径させることによって、外側リング110の張力を低下させる。
図6は、本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構において、牽引機構が動作している状態を示す断面図である。図6においては、ピストン20が上昇している状態を示している。
図6に示すように、ピストン20が上記円筒形状の軸方向の一方に向けて移動している際に、牽引機構150が動作する。すなわち、ピストン20が上昇している状態においては、牽引機構150がワイヤ130を介してコイルエキスパンダ120を縮径させることにより、コイルエキスパンダ120が外側リング110の内周を押圧する押圧力が小さくなる。これにより、外側リング110からシリンダ10に加わる張力が低下するため、ピストン20の上昇時に上側摺接部110tおよび下側摺接部110bの各々によってシリンダ10の内周面に付着している潤滑油40が過度に掻き上げられることを抑制することができる。その結果、潤滑油40の消費量を少なくすることができる。
図2に示すように、ピストン20が上記円筒形状の軸方向の他方に向けて移動している際に、牽引機構150は停止している。すなわち、ピストン20が下降している状態においては、コイルエキスパンダ120は、牽引機構150によって縮径させられていないため、コイルエキスパンダ120が外側リング110の内周を押圧する押圧力は大きくなる。これにより、外側リング110からシリンダ10に加わる張力が増加するため、ピストン20の下降時に上側摺接部110tおよび下側摺接部110bの各々によってシリンダ10の内周面に付着している潤滑油40を十分に掻き落とすことができる。その結果、潤滑油40の消費量を少なくすることができる。
上記のように、本実施の形態に係るピストンリング機構100においては、ピストン20の上昇時に牽引機構150が動作することにより、ピストンリング101の張力を低下させ、ピストン20の下降時に牽引機構150が停止することにより、ピストンリング101の張力を増加させる。
ここで、ピストンリング機構100が動作不能となった場合について説明する。具体的には、ピストンリング機構100の牽引機構150が動作不能となった場合について説明する。
ピストンリング機構100の牽引機構150が動作不能となった場合においても、図2に示すように、ピストン20が下降している状態においては、コイルエキスパンダ120は、牽引機構150によって縮径させられていないため、コイルエキスパンダ120が外側リング110の内周を押圧する押圧力は大きくなる。これにより、外側リング110からシリンダ10に加わる張力が増加するため、ピストン20の下降時に上側摺接部110tおよび下側摺接部110bの各々によってシリンダ10の内周面に付着している潤滑油40を十分に掻き落とすことができる。その結果、潤滑油40の消費量を少なくすることができる。
図7は、本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構において、牽引機構が動作不能となっている状態を示す断面図である。図7においては、ピストン20が上昇している状態を示している。
ピストンリング機構100の牽引機構150が動作不能となった場合、図7に示すように、ピストン20が上昇している状態においては、コイルエキスパンダ120は、牽引機構150によって縮径させられていないため、コイルエキスパンダ120が外側リング110の内周を押圧する押圧力は大きくなる。これにより、外側リング110からシリンダ10に加わる張力が増加するため、ピストン20の上昇時に上側摺接部110tおよび下側摺接部110bの各々によって掻き上げられる潤滑油40の量が増加し、潤滑油40の消費量が多くなる。ただし、図2に示すように、ピストン20の下降時に潤滑油40を十分に掻き落とすことができている場合には、牽引機構150が動作不能となったことによるピストン20の上昇時に掻き上げられる潤滑油40の増加量を低く抑えることができる。その結果、ピストンリング機構100の牽引機構150が動作不能になった場合においても潤滑油40の消費量の増加を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構100においては、コイルエキスパンダ120の内部に全周にわたって挿通されるワイヤ130を牽引機構150により引き込むことによって、ピストンリング101の周方向における張力分布が不均一になることを抑制しつつピストンリング101の張力を調整できる。これにより、ピストンリング101とシリンダボアとの接触面圧の分布を均一にして、ピストンリング101のシリンダボアに対する追従性を向上することができる。また、仮に、牽引機構150が動作不能になった場合においても、ピストン20の下降時に潤滑油40を十分に掻き落とすことができるため、潤滑油40の消費量の増加を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構100においては、ピストンリング機構100は、アダプタ140をさらに備え、アダプタ140は、コイルエキスパンダ120の合口120aに設けられ、コイルエキスパンダ120のコイル形状の内側からコイルエキスパンダ120の内周側に向けてワイヤ130の引出端部130eを引き出す連通路142を有する。これにより、コイルエキスパンダ120の円環状の形状を維持しつつワイヤ130によってコイルエキスパンダ120を縮径させることができる。
本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構100においては、ピストン20が上記円筒形状の軸方向の一方に向けて移動している際に、牽引機構150が動作し、ピストン20が上記円筒形状の軸方向の他方に向けて移動している際に、牽引機構150が停止している。これにより、牽引機構150が動作不能になった場合においても潤滑油40の消費量の増加を抑制することができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2に係るピストンリング機構について説明する。本発明の実施の形態2に係るピストンリング機構は、コイルエキスパンダ、ワイヤおよび牽引機構の構成のみ本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構100と異なるため、本発明の実施の形態1に係るピストンリング機構100と同様である構成については説明を繰り返さない。
図8は、本発明の実施の形態2に係るピストンリング機構において、牽引機構によってコイルエキスパンダの引出端部を引き込んでいる状態を示す断面図である。図8においては、外側リングを図示していない。
図8に示すように、本発明の実施の形態2に係るピストンリングは、コイルエキスパンダ220と、第1ワイヤ231と、第2ワイヤ232とを含む。コイルエキスパンダ220は、第1コイル221と第2コイル222とから構成されている。
第1コイル221は、金属製の線材がらせん状に巻かれたコイル形状を有している。第2コイル222は、金属製の線材がらせん状に巻かれたコイル形状を有している。第1コイル221および第2コイル222は、外側リングの周方向に互いに隙間をあけて並んで配置されている。第1コイル221と第2コイル222との間の2箇所の隙間には、アダプタ140が1つずつ配置されている。コイルエキスパンダ220は、リング溝の内部に収容されて外側リングの内周を押圧する。
第1ワイヤ231は、第1コイル221の内側を挿通し、アダプタ140を通じて第1コイル221と第2コイル222との間の隙間から引き出されている第1引出端部231eを有している。第1引出端部231eは、第1ワイヤ231の両端部である。
第2ワイヤ232は、第2コイル222の内側を挿通し、アダプタ140を通じて第1コイル221と第2コイル222との間の隙間から引き出されている第2引出端部232eを有している。なお、第2ワイヤ232は、第1ワイヤ231と略同じ長さを有することが望ましい。第2引出端部232eは、第2ワイヤ232の両端部である。
牽引機構250は、第1牽引機構251および第2牽引機構252から構成され、コイルエキスパンダ220の内周側に位置している。第1牽引機構251は、第1牽引部253および第1接続部255を含んでいる。第1接続部255は、第1ワイヤ231の第1引出端部231eの一方および第2ワイヤ232の第2引出端部232eの一方に接続されている。第1牽引部253は、第1接続部255に接続されており、コイルエキスパンダ220の径方向内側に向けて第1接続部255を牽引可能である。
第2牽引機構252は、第2牽引部254および第2接続部256を含んでいる。第2接続部256は、第2ワイヤ232の第1引出端部231eの他方および第2ワイヤ232の第2引出端部232eの他方に接続されている。第2牽引部254は、第2接続部256に接続されており、コイルエキスパンダ220の径方向内側に向けて第2接続部256を牽引可能である。第2牽引部254の牽引方向は、第1牽引部253の牽引方向とは反対方向である。
第1牽引機構251および第2牽引機構252の各々は、アダプタ140を通じて第1コイル221と第2コイル222との間の隙間から第1引出端部231eおよび第2引出端部232eを引き込むことにより、第1ワイヤ231および第2ワイヤ232の各々を介してコイルエキスパンダ220を縮径させることによって、ピストンリングの張力を低下させる。なお、第1牽引機構251と第2牽引機構252とが、一体で構成されていてもよい。
本発明の実施の形態2に係るピストンリング機構においては、コイルエキスパンダ220の内部に各半周にわたって挿通される第1ワイヤ231および第2ワイヤ232を牽引機構250により引き込むことによって、ピストンリングの周方向における張力分布が不均一になることを抑制しつつピストンリングの張力を調整できる。これにより、ピストンリングとシリンダボアとの接触面圧の分布を均一にして、ピストンリングのシリンダボアに対する追従性を向上することができる。また、仮に、牽引機構250が動作不能になった場合においても、ピストンの下降時に潤滑油を十分に掻き落とすことができるため、潤滑油の消費量の増加を抑制することができる。さらに、コイルエキスパンダ220の半周毎に第1ワイヤ231および第2ワイヤ232の各々を引き出していることにより、ピストンリングの周方向における張力分布をより均一にすることができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本開示の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではない。また、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。上述した実施の形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
1 内燃機関、10 シリンダ、20 ピストン、21 リング溝、22 ピストンピン、30 コネクティングロッド、40 潤滑油、100 ピストンリング機構、101 ピストンリング、101o オイルリング、101s セカンドリング、101t トップリング、110 外側リング、110a,120a 合口、110b 下側摺接部、110h 油孔、110t 上側摺接部、120,220 コイルエキスパンダ、130 ワイヤ、130e 引出端部、140 アダプタ、142 連通路、150,250 牽引機構、151 牽引部、152 接続部、221 第1コイル、222 第2コイル、231 第1ワイヤ、231e 第1引出端部、232 第2ワイヤ、232e 第2引出端部、251 第1牽引機構、252 第2牽引機構、253 第1牽引部、254 第2牽引部、255 第1接続部、256 第2接続部。

Claims (4)

  1. ピストンリングと、
    前記ピストンリングの張力を変更可能な牽引機構とを備え、
    前記ピストンリングは、
    円筒形状を有するピストンの外周面において周方向に延在するリング溝の内部に装着された外側リングと、
    前記リング溝の内部に収容されて前記外側リングの内周を押圧し、らせん状に巻かれたコイル形状を有するとともに合口を有するコイルエキスパンダと、
    前記コイル形状の内側を挿通し、前記合口から引き出されている引出端部を有するワイヤとを含み、
    前記牽引機構は、前記コイルエキスパンダの内周側に位置し、前記合口から前記引出端部を引き込むことにより前記ワイヤを介して前記コイルエキスパンダを縮径させることによって、前記ピストンリングの張力を低下させる、ピストンリング機構。
  2. 前記合口に設けられ、前記コイル形状の内側から前記コイルエキスパンダの内周側に向けて前記引出端部を引き出す連通路を有するアダプタをさらに備える、請求項1に記載のピストンリング機構。
  3. 前記ピストンが前記円筒形状の軸方向の一方に向けて移動している際に、前記牽引機構が動作し、
    前記ピストンが前記円筒形状の軸方向の他方に向けて移動している際に、前記牽引機構が停止している、請求項1または請求項2に記載のピストンリング機構。
  4. ピストンリングと、
    前記ピストンリングの張力を変更可能な牽引機構とを備え、
    前記ピストンリングは、
    円筒形状を有するピストンの外周面において周方向に延在するリング溝の内部に装着された外側リングと、
    前記リング溝の内部に収容されて前記外側リングの内周を押圧し、らせん状に巻かれた第1コイルおよびらせん状に巻かれた第2コイルが前記周方向に互いに隙間をあけて並んで配置されて構成されたコイルエキスパンダと、
    前記第1コイルの内側を挿通し、前記隙間から引き出されている第1引出端部を有する第1ワイヤと、
    前記第2コイルの内側を挿通し、前記隙間から引き出されている第2引出端部を有する第2ワイヤとを含み、
    前記牽引機構は、前記コイルエキスパンダの内周側に位置し、前記隙間から前記第1引出端部および前記第2引出端部を引き込むことにより前記第1ワイヤおよび前記第2ワイヤの各々を介して前記コイルエキスパンダを縮径させることによって、前記ピストンリングの張力を低下させる、ピストンリング機構。
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